説明

立体パズル

【課題】少ない分割数(ピース数)であっても、パズルとしての組み立てが難しく、しかも、組み立てパターンを記憶しにくい立体パズルを提供するを提供する。
【解決手段】立体パズル片1及び2は、組み立て状態において互いに一致する形状の当接面11及び21を有する。立体パズル片1及び2は、当接面11と当接面21とを対向させた状態で組み合わせることによって、初期の立体形状を持つ立体パズルを形成できるものとなっている。さらに、当接面11及び21の全部又は一部は、曲面となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パズル片(パズル・ピース)を組み立てて構成される立体パズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、規則的な立体形状とされたパズル片を組み合わせて所定の立体を構成する立体パズルが提案されている(下記特許文献1参照)。この技術におけるパズル片は、正四面体や正八面体のような多角形とされている。
【0003】
ところで、この技術においては、パズル片どうしが当接する面(当接面)が、平担面かその組み合わせにより構成されている。当接面が平坦面である場合には、使用者において、当接面の立体形状を比較的に容易に認識できるため、パズルの組み立てが容易になってしまう傾向がある。さらには、当接面を平坦面としている従来の技術では、一旦組み立てが完了すると、組み立てパターンの記憶ないし認識が容易であるため、遊びとしてのおもしろさが維持しにくいという難点があった。そのため、組み立てを難しくしようとすると、パズルを構成するパズル片の数を増やすことになり、その結果、製造コストが増えるばかりか、パズル片が小さくなるために、パズル片を紛失する可能性が高くなるという別の問題を引き起こしてしまう。また、パズルを構成するパズル片の数を増やすと、パズル片の形状の設計が難しくなるという不都合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−168535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記の状況に鑑みてなされたもので、少ない分割数(ピース数)であっても、パズルとしての組み立てが難しく、しかも、組み立てパターンを記憶しにくい立体パズルを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の項目に記載の内容として表現することができる。
【0007】
(項目1)
複数の立体パズル片を備えており、
前記複数の立体パズル片は、組み立て状態において互いに一致する形状の当接面を有しており、
かつ、前記複数の立体パズル片は、前記当接面どうしを対向させた状態で組み合わせることによって、初期の立体形状を持つ立体パズルを形成できる構成となっており、
前記当接面の全部又は一部は曲面となっている
ことを特徴とする立体パズル。
【0008】
曲面状の当接面の立体形状を正確に認識することは一般には難しい。このため、本発明の立体パズル片を組み合わせて立体パズルを組み立てることは、仮に少ないピース数であっても、容易ではない。
【0009】
(項目2)
前記立体パズルにおける前記当接面のいずれかは、以下の条件を満たしている、項目1に記載の立体パズル:
(1)初期形状の前記立体パズルの表面上に、仮想的な切断線を配置したとき、その切断線を前記立体パズルの奥行き方向に押し出すことで形成される切断面又はその一部となっていること;
(2)前記仮想的な切断線の全部又は一部は曲線となっており、その結果、前記切断面の全部又は一部が曲面となっていること。
【0010】
このような条件を満たすように立体パズル片の形状を設計することによって、曲面状の当接面を持ち、かつ、互いに組み立て可能な立体パズル片を、比較的に簡便に得ることができる。
【0011】
(項目3)
前記立体パズルが3個以上に分割される場合において、前記立体パズルにおける前記当接面のいずれかは、さらに以下の条件を満たしている、項目1又は2に記載の立体パズル:
(3)立体パズルが分割されて形成されたいずれかの立体パズル片の表面上に、仮想的な別の切断線を配置したとき、その切断線を前記立体パズル片の奥行き方向に押し出すことで形成される切断面となっていること;
(4)前記仮想的な別の切断線の全部又は一部は曲線となっており、その結果、前記仮想的な別の切断線に対応して形成される前記切断面の全部又は一部が曲面となっていること。
【0012】
(項目4)
前記当接面には、吸着部材が取り付けられており、
前記吸着部材は、対向する他の当接面に取り付けられた他の吸着部材と吸着することによって、前記立体パズル片どうしが組み合わされた状態を維持するように構成されており、
さらに、各当接面に配置される前記吸着部材の個数は、当該当接面自体が当接する面の数と等しいか、あるいはこれより少なくされている
項目1〜3のいずれか1項に記載の立体パズル。
【0013】
(項目5)
前記吸着部材は、磁石又はこの磁石に吸着する鉄片であり、
対向する吸着部材の一方が磁石である場合には、他方は鉄片とされている
項目4に記載の立体パズル。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、少ない分割数(ピース数)であっても、パズルとしての組み立てが難しく、しかも、組み立てパターンを記憶しにくい立体パズルを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態における立体パズルの全体的な外観を示す説明図である。
【図2】図(a)及び図(b)は、図1の立体パズルを構成する立体パズル片の外観を示す説明図である。
【図3】図2の立体パズル片を組み合わせた状態を説明するための説明図である。
【図4】図(a)及び図(b)は、図1の立体パズルを構成する他の立体パズル片の外観を示す説明図である。
【図5】図4の立体パズル片を組み合わせた状態を説明するための説明図である。
【図6】図1の立体パズルを構成するさらに他の立体パズル片の外観を示す説明図である。
【図7】図1の立体パズルを構成するさらに他の立体パズル片の外観を示す説明図である。
【図8】図6及び図7の立体パズル片を組み合わせた状態を説明するための説明図である。
【図9】図5及び図8の立体パズル片を組み合わせた状態を説明するための説明図である。
【図10】立体パズル片の設計方法を説明するための説明図である。
【図11】立体パズル片の設計方法を説明するための説明図である。図(a)及び図(b)は、図10の立体が切断面で分割された状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る立体パズルを、添付の図面を参照しながら説明する。
【0017】
(立体パズルの構成)
本実施形態の立体パズル(図1参照)は、全体として球形に形成されており、合計6個の立体パズル片1〜6から構成されている。ただし、パズル片の数は2個以上であれば、特に制約されない。また、図1では、4個のパズル片1〜4までを示しており、パズル片5及び6は、これらの背後に隠れている(図9参照)。
【0018】
各立体パズル片1〜6は、組み立て状態において互いに一致する形状の当接面(後述)を有している。また、立体パズル片1〜6は、それぞれの当接面どうしを対向させた状態で組み合わせることによって、初期の立体形状を持つ立体パズルを形成できる構成となっている。
【0019】
以下、図面を参照しながら、各立体パズル片1〜6の構成と、それらの組み立て状態とを説明する。
【0020】
立体パズル片1(図2(a)参照)は、二つの当接面11及び12を有している。当接面11は、吸着部材111を備えている。当接面12は、吸着部材121を備えている。各吸着部材は、対向する他の当接面に取り付けられた他の吸着部材と吸着することによって、立体パズル片どうしが組み合わされた状態を維持するように構成されている。具体的には、各吸着部材は、磁石又はこの磁石に吸着する鉄片であり、かつ、対向する吸着部材の一方が磁石である場合には、他方は鉄片とされている(この点は後述する)。
【0021】
立体パズル片1に形成された当接面11及び12の全部又は一部は曲面となっている(図2参照)。なお、図2では、曲面形状を把握しやすくするため、影線を用いている。
【0022】
他の立体パズル片2〜6については、立体パズル片1と相違する点を主に説明することで、記載の煩雑を避ける。
【0023】
立体パズル片2は、二つの当接面21及び22を備えている(図2(b)参照)。当接面21は、吸着部材211を備えている。当接面22は、三つの吸着部材221を備えている。当接面21は、立体パズル片1の当接面11と基本的に一致する曲面形状とされている。また、吸着部材211は、吸着部材111と対向する位置に配置されている。さらに、前記したように、吸着部材211及び111の一方が磁石であれば、他方は、これに吸着する鉄片から構成されている。この関係は、対向する各吸着部材において同様である。
【0024】
立体パズル片1の当接面11と立体パズル片2の当接面21とを組み合わせた状態を図3に示す。この状態では、共通する当接面どうしが組み合わされて、ほぼ半球状の立体が構成されている。
【0025】
立体パズル片3は、三つの当接面31〜33を備えている(図4(a)参照)。当接面31は、吸着部材311を備えている。当接面32は、吸着部材321を備えている。当接面33は、この実施形態では、例外的に、吸着部材を有していない。このように、当接面の面積が他よりも相当に小さい場合には、当該当接面に吸着部材を形成しないことができる。ただし、この当接面と、これに対向する当接面とに、対応して吸着部材を設けることは可能である。前記と同様に、各当接面は、対向する当接面と基本的に一致する曲面形状とされている。もちろん、ある当接面が、他の当接面の一部のみに対して対向している場合には、対向している部分についての曲面形状が互いに一致している。
【0026】
立体パズル片4は、三つ当接面41〜43を備えている(図4(b)及び図5参照)。当接面41は、吸着部材411を備えている。当接面42は、吸着部材421を備えている。当接面43(図5参照)は、吸着部材431と432とを備えている。前記と同様に、各当接面は、対向する当接面と基本的に一致する曲面形状とされている。
【0027】
立体パズル片3の当接面31と立体パズル片4の当接面41とを組み合わせた状態を図5に示す。
【0028】
立体パズル片5は、三つの当接面51〜53を備えている(図6参照)。当接面51は、吸着部材511を備えている。当接面52は、吸着部材521を備えている。当接面53は、吸着部材531を備えている。前記と同様に、各当接面は、対向する当接面と基本的に一致する曲面形状とされている。
【0029】
立体パズル片6は、三つ当接面61〜63を備えている(図7参照)。当接面61は、吸着部材611を備えている。当接面62は、吸着部材621を備えている。当接面63は、吸着部材631を備えている。前記と同様に、各当接面は、対向する当接面と基本的に一致する曲面形状とされている。
【0030】
立体パズル片5の当接面51と立体パズル片6の当接面61とを組み合わせた状態を図8に示す。
【0031】
さらに、図5に示される当接面43及び33と、図8に示される当接面62及び52とを組み合わせた状態を、図9に示す。この状態では、おおよそ半球状の形状となっている。
【0032】
図3の当接面12及び22と、図9の当接面32,42,53及び63とを組み合わせた状態が、図1に示されている。この状態では、初期の立体形状(すなわち球形状)が形成される。
【0033】
(立体パズル片の組み合わせ方法)
まず、本実施形態の立体パズルの初期状態が、図1に示す完成状態であると仮定する。この場合、使用者は、通常、立体パズルを、これを構成する立体パズル片1〜6に、バラバラに分解する。個別の立体パズル片1〜6の形状は、図2,図4,図6,図7に示す通りである。これらの図では、組み立て状態を説明するために、組み合わされるべき当接面を近づけて記載しているが、実際の使用状態では、各パズル片の向きは不統一であり、バラバラである。
【0034】
一般に、人間の目で認識できる形状は、目に投影された2次元形状である。もちろん、左右両眼における視差を用いて奥行きを知覚することはできる。しかしながら、微妙な湾曲面の立体形状を視差により知覚することは難しい。特に、パズル片のように、比較的に小さい物体の滑らかな湾曲形状を知覚することは難しい。例えば、図6に示すパズル片5の場合、視覚ではっきり認識できるのは、外形を画する外形線と、二つの面が作る稜線である。しかも、図面では、見やすくするために稜線を誇張して記載しているが、実際は、面取りを施すので、これほどはっきりと視認できるわけではない。また、図面では、凹凸を認識しやすくするために影線を入れているが、実際は、このような影線は存在しない。このように、人間の目には、滑らかな曲面を用いたパズル片の正しい立体形状を知覚することが難しい。
【0035】
使用者は、単に視覚だけでは把握しにくい立体形状を手がかりに、合致する形状を持つ当接面の組を探す。パズル片の数にもよるが、一般的には、相当回数の試行錯誤を経なければ、このような当接面の組を探すことはできない。合致しない形状の当接面どうしを組み合わせようとしても、当然のことながら、当接面どうしを組み合わせることはできず、初期の立体形状を構築することはできない。
【0036】
試行錯誤の結果、合致する形状を持つ当接面の組を見つけたとする。例えば、図2(a)及び(b)に示す当接面11と21とを組み合わせたとする。このときは、当接面11と21との形状が合致しているために、図3に示すように、パズル片1と2とを組み合わせることができる。
【0037】
しかも、この実施形態では、当接面11に吸着部材111を設け、対向する当接面21に吸着部材211を設けている。さらに、これらの吸着部材を、磁石と、これに吸着する鉄片とで構成している。このため、適合する形状の当接面を組み合わせようとすると、磁石の吸引力により、磁石と鉄片とがぶつかり合って、「カチッ」という音を発する。この音は、使用者にとって、正解を賞賛する拍手のような意味づけとなる。したがって、この実施形態では、単に組み合わせを見つけたという認識上の満足感だけでなく、聴覚上の満足感をも使用者に与えることができる。つまり、この実施形態の立体パズルは、ゲームとしての高い興趣性を有している。
【0038】
また、本実施形態では、吸着部材を用いているので、一度発見した組み合わせ状態を、意図的に崩すまでは維持することができるという利点もある。
【0039】
以降、同様に、立体パズル片3〜6の組み合わせを見つけることにより、図9に示すような立体形状を得ることができる。さらには、図3の立体と図9の立体とを組み合わせることで、図1に示す初期の形状を持つ立体パズルを得ることができる。
【0040】
本実施形態の立体パズルは、当接面が曲面形状とされた立体パズルを組み合わせて初期の立体形状を構成するものである。既に述べたように、人間は、曲面の認識が苦手であり、整合する当接面を発見することは一般には難しい。したがって、この立体パズルによれば、仮にピース数が少なくても、パズルとして複雑であり、このため、高い興趣性を持つことができるという利点がある。また、曲面の認識が苦手であるために、通常の使用者は、組み合わせのパターンを正しく記憶することが難しい。このため、このパズルでは、同じ使用者であっても、繰り返して楽しむことができるという利点がある。
【0041】
また、この実施形態の立体パズルは、ピース数が少なくても、高い興趣性を提供できるので、立体パズルの全体形状に比較して、各パズル片の大きさを大きくすることができ、紛失の可能性を減らすことができるという利点もある。また、パズル片の表面積を大きくすることにより、この表面を使った装飾も可能になる。
【0042】
さらにこの実施形態では、吸着部材を、磁石と鉄片との組み合わせにより構成している。吸着部材を磁石のみから構成した場合には、磁石のS極とN極の組み合わせを配慮しなければならず、設計が難しくなるが、本実施形態では、このような煩雑さを取り除くことができる。
【0043】
また、この実施形態では、一つの当接面あたりに備える吸着部材の数を、基本的には、当該当接面に当接させる当接面の数と等しくしている。このため、正解の組み合わせ以外では、吸着部材が吸着する可能性が低い。したがって、間違った組み合わせ状態が吸着部材によって維持されるという可能性を減らすことができる。これは、パズルの実際の楽しさを維持するために大事な要素である。
【0044】
(立体パズルの設計方法)
つぎに、本実施形態の立体パズルを設計する方法について、図10と図11をさらに参照しながら説明する。
【0045】
まず、図10に示すように、立体パズルを構成する立体(この例では球体)100を仮定する。ついで、この球体100の表面上に、仮想的な切断線101を配置する。この切断線101は基本的に、曲線によって構成される(図10参照)。切断線101の一部が直線であることは可能である。ただし、パズルの興趣性を増すためには、直線部分の比率を小さくすることが好ましい。
【0046】
ついで、仮想的な切断線101を、立体の奥行き方向に押し出す。これによって、立体を横断する仮想的な切断面102及び103(図11(a)及び(b)参照)を観念することができる。前記切断線101が曲線を主体として構成されている結果、切断面102及び103も、曲面を主体として構成されることになる。
【0047】
このようにして立体を分割することにより、立体パズル片を得ることができる。そして、前記のようにして形成された切断面が、立体パズル片における当接面を構成する。
【0048】
引き続き、前記の分割で得られた各パズル片を、前記と同様に、仮想的な切断線を押し出すことでさらに分割する。また、前記と同様に、切断線は曲線を主体とする。これにより、曲面である切断面を持つ複数のパズル片を構成することができる。このような分割を、必要な数のパズル片が得られるまで続ける。
【0049】
このようにして、前記した本実施形態の立体パズルを設計することができる。前記の設計方法によれば、任意に切断線を仮定して立体を順次切断するだけで、本実施形態の構成を持つ立体パズル片を得ることができる。したがって、このような設計方法を採用すれば、立体パズル片の設計が簡便になるという利点がある。
【0050】
また、前記の説明で明らかなように、本実施形態の立体パズル当接面は、以下の条件を満たしている:
(1)初期形状の立体パズルの表面上に、仮想的な切断線を配置したとき、その切断線を立体パズルの奥行き方向に押し出すことで形成される切断面又はその一部となっていること;
(2)仮想的な切断線の全部又は一部は曲線となっており、その結果、切断面の全部又は一部が曲面となっていること。
【0051】
また、立体パズルが3個以上に分割される場合において、立体パズルにおける当接面は、さらに以下の条件を満たしている:
(3)立体パズルが分割されて形成されたいずれかの立体パズル片の表面上に、仮想的な別の切断線を配置したとき、その切断線を立体パズル片の奥行き方向に押し出すことで形成される切断面となっていること;
(4)仮想的な別の切断線の全部又は一部は曲線となっており、その結果、仮想的な別の切断線に対応して形成される切断面の全部又は一部が曲面となっていること。
【0052】
なお、本発明の内容は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された範囲内において、具体的な構成に対して種々の変更を加えうるものである。
【0053】
例えば、前記実施形態では、吸着部材として、磁石と鉄片との組み合わせを用いたが、これに代えて、例えば、面ファスナや粘着材料を用いることもできる。
【0054】
また、前記実施形態では、立体パズルの形状を球体状としたが、これに限らず、直方体状、立方体状、人形の形状、その他、適宜な立体形状とすることが可能である。
【0055】
さらに、各立体パズル片の当接面に、当接によってONとなるスイッチを設け、全てのスイッチがONとなったときに、いずれかの立体パズル片の内部に配置した発声装置(図示せず)から音楽や音声を流すという構成も可能である。このような構成にすれば、立体パズルの完成時に、音楽や音声を流すことで、ゲームとしての興趣性をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0056】
1〜6 立体パズル片
11,12,21,22,23,… 当接面
111,121,211,221,222,223,… 吸着部材
100 仮想的な球体(立体)
101 仮想的な切断線
102 仮想的な切断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の立体パズル片を備えており、
前記複数の立体パズル片は、組み立て状態において互いに一致する形状の当接面を有しており、
かつ、前記複数の立体パズル片は、前記当接面どうしを対向させた状態で組み合わせることによって、初期の立体形状を持つ立体パズルを形成できる構成となっており、
前記当接面の全部又は一部は曲面となっている
ことを特徴とする立体パズル。
【請求項2】
前記立体パズルにおける前記当接面のいずれかは、以下の条件を満たしている、請求項1に記載の立体パズル:
(1)初期形状の前記立体パズルの表面上に、仮想的な切断線を配置したとき、その切断線を前記立体パズルの奥行き方向に押し出すことで形成される切断面又はその一部となっていること;
(2)前記仮想的な切断線の全部又は一部は曲線となっており、その結果、前記切断面の全部又は一部が曲面となっていること。
【請求項3】
前記立体パズルが3個以上に分割される場合において、前記立体パズルにおける前記当接面のいずれかは、さらに以下の条件を満たしている、請求項1又は2に記載の立体パズル:
(3)立体パズルが分割されて形成されたいずれかの立体パズル片の表面上に、仮想的な別の切断線を配置したとき、その切断線を前記立体パズル片の奥行き方向に押し出すことで形成される切断面となっていること;
(4)前記仮想的な別の切断線の全部又は一部は曲線となっており、その結果、前記仮想的な別の切断線に対応して形成される前記切断面の全部又は一部が曲面となっていること。
【請求項4】
前記当接面には、吸着部材が取り付けられており、
前記吸着部材は、対向する他の当接面に取り付けられた他の吸着部材と吸着することによって、前記立体パズル片どうしが組み合わされた状態を維持するように構成されており、
さらに、各当接面に配置される前記吸着部材の個数は、当該当接面自体が当接する面の数と等しいか、あるいはこれより少なくされている
請求項1〜3のいずれか1項に記載の立体パズル。
【請求項5】
前記吸着部材は、磁石又はこの磁石に吸着する鉄片であり、
対向する吸着部材の一方が磁石である場合には、他方は鉄片とされている
請求項4に記載の立体パズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−268834(P2010−268834A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120744(P2009−120744)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(504130821)学校法人湘南工科大学 (4)
【出願人】(803000045)株式会社キャンパスクリエイト (41)