説明

端末装置、通信システム及び端末装置の起動方法

【課題】高性能なセンシングと低消費電力化を実現し、また、計測の動作を全体的に良好にする。
【解決手段】本発明に係る端末装置は、計測対象の物理量を計測する複数の計測用センサと、前記複数の計測用センサの起動態様を決定する情報を記憶する記憶部と、起動した場合に、前記情報に基づき、前記複数の計測用センサの全部又は一部を非起動状態から起動状態へ切り替える制御部と、環境の変化に基づいて駆動する起動用センサを有しており、前記起動用センサによる検出結果に基づいて、前記計測対象の物理量と相関を有する物理量が、所定の起動条件として満たされた場合に、前記制御部を起動させる起動部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の計測用センサにより物理量を計測(測定)した結果を送信する端末装置や、このような端末装置を有する通信システムや、このような端末装置の起動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
センサネットワークシステムでは、センサ端末装置が計測用センサにより物理量を計測した結果を基地局装置へ送信することが行われている。
特許文献1に記載されたワイヤレスセンサでは、無電力で作動するセンサがON状態の時に電源部の電力を供給可能とし、当該センサがOFF状態の時に当該電源部の電力を供給不能とし、発信部が当該電源部の電力を供給されて所定の情報を無線で外部に発信することが行われる。
【0003】
特許文献2に記載されたセンサネットワークシステム管理方法では、複数のセンサと通信可能であり各センサからのセンサ情報を受信するとともに各センサに対して動作制御を行うセンサネットワークシステム管理装置において、各センサにおけるバッテリの残りの駆動時間を取得し、目標残り駆動時間を設定し、各センサにおけるバッテリの残り駆動時間と目標残り駆動時間とが略等しくなるように各センサの動作を制御することが行われている。更に具体的には、目標残り駆動時間がその時点でバッテリの残り駆動時間が最も長いセンサにおけるバッテリの残り駆動時間に設定され、バッテリの残存容量を検出するとともに、残存容量と目標残り駆動時間とによって目標平均消費電力を算出し、この目標平均消費電力を実現するようにセンサの動作を制御することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−108884号公報
【特許文献2】特許第3671891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された上述のようなワイヤレスセンサでは、無電力で作動するセンサを用いる必要があり、具体的には、磁性体、形状記憶合金、圧電素子などからなるセンサを用いる必要があるため、物理量を計測するセンサの選択の自由度が少ないという問題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載されたセンサネットワークシステムでは、電源からの電力が供給されて動作するセンサや、電源からの電力の供給は行われずに内蔵するバッテリによって動作するセンサが用いられるが、例えば、センサが常に電源又はバッテリからの電力の供給を受けると、消費電力が大きくなるという問題があった。
【0007】
また、これらのセンサでは、複数の計測用センサの起動態様を制御することについては考えられておらず、計測の動作を全体的に良好にすることが実現されていなかった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み為されたもので、その目的は、高性能なセンシングと低消費電力化を実現することができ、また、複数の計測用センサの起動態様を制御することで、計測の動作を全体的に良好にすることができる端末装置、通信システム及び端末装置の起動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る端末装置は、計測対象の物理量を計測する複数の計測用センサと、前記複数の計測用センサの起動態様を決定する情報を記憶する記憶部と、起動した場合に、前記情報に基づき、前記複数の計測用センサの全部又は一部を非起動状態から起動状態へ切り替える制御部と、環境の変化に基づいて駆動する起動用センサを有しており、前記起動用センサによる検出結果に基づいて、前記計測対象の物理量と相関を有する物理量が、所定の起動条件として満たされた場合に、前記制御部を起動させる起動部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る端末装置は、前記起動用センサは、環境の変化に基づいて発電することにより駆動する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る端末装置は、前記情報は、前記複数の計測用センサのそれぞれの準備時間及び計測時間に基づいている、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る端末装置は、前記情報は、起動する前記複数の計測用センサの前記計測時間が重複しない、ことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る端末装置は、前記情報は、前記制御部が起動してから当該起動に応じて行われる前記制御部による一連の動作が完了するまでの前記制御部の動作時間が最小になる、ことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る端末装置は、前記制御部は、前記複数の計測用センサのうち、前記準備時間が一番長いものから駆動する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る端末装置は、前記制御部は、前記複数の計測用センサのうち、前記準備時間と前記計測時間の合計時間が一番長いものから駆動する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る端末装置は、前記情報は、瞬時的な消費電力に関して、起動する前記計測用センサの消費電力の合計が許容される最大値以下となる、ことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る端末装置は、前記情報は、消費電力量に関して、起動する前記計測用センサの消費電力の量の合計が許容される最大値以下となる、ことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る端末装置は、前記情報は、前記複数の計測用センサのそれぞれの重要度の順位に基づいた情報を有する、ことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る端末装置は、前記制御部は、前記消費電力または前記消費電力の量の合計が、前記最大値より大きくなる場合、最も優先度が低い前記計測用センサを起動しない、ことを特徴とする。
【0020】
本発明に係る端末装置は、前記情報は、起動する前記計測用センサの起動順序を含む、ことを特徴とする。
【0021】
本発明に係る端末装置は、前記制御部は、前記複数の計測用センサの全部又は一部を起動する場合に、起動する計測用センサが準備時間であるときにスリープ状態になる、ことを特徴とする。
【0022】
本発明に係る端末装置は、前記制御部は、前記情報に基づいて、初期状態では基準の起動態様を使用し、その後における状態の変化に応じて基準の起動態様から補正した起動態様を使用する、ことを特徴とする。
【0023】
本発明に係る端末装置は、前記情報は、端末装置の状態と前記起動態様との対応を示すテーブルであり、前記制御部は、前記情報に基づき動作する、ことを特徴とする。
【0024】
本発明に係る端末装置は、前記制御部は、起動した場合に、前記計測用センサへの電力が非供給である状態から供給される状態へ切り替えることにより、前記計測用センサを前記非起動状態から前記起動状態へ切り替える、ことを特徴とする。
【0025】
本発明に係る通信システムは、端末装置と、基地局装置と、を有し、前記端末装置は、計測対象の物理量を計測する複数の計測用センサと、前記複数の計測用センサの起動態様を決定する情報を記憶する記憶部と、起動した場合に、前記記憶部に記憶された情報に基づいて決定される起動態様で、前記複数の計測用センサの全部又は一部を非起動状態から起動状態へ切り替える制御部と、環境の変化に基づいて駆動する起動用センサを有しており、前記起動用センサによる検出結果に基づいて所定の起動条件が満たされた場合に、前記制御部を起動させる起動部と、前記複数の計測用センサの全部又は一部による計測結果の情報を送信する通信部と、を備え、前記基地局装置は、前記端末装置から送信された情報を受信する、ことを特徴とする。
【0026】
本発明に係る通信システムは、前記起動用センサは、環境の変化に基づいて発電することにより駆動する、ことを特徴とする。
【0027】
本発明に係る端末装置の起動方法は、環境の変化に基づいて駆動する起動用センサを有する起動部が、前記起動用センサによる検出結果に基づいて所定の起動条件が満たされた場合に、制御部を起動させ、前記制御部が、起動した場合に、記憶部に記憶された複数の計測用センサの起動態様を決定する情報に基づいて決定される起動態様で、前記複数の計測用センサの全部又は一部を非起動状態から起動状態へ切り替え、起動した前記計測用センサが、計測対象の物理量を計測し、通信部が、前記複数の計測用センサの全部又は一部による計測結果の情報を送信する、ことを特徴とする。
【0028】
本発明に係る端末装置の起動方法は、前記起動用センサは、環境の変化に基づいて発電することにより駆動する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る端末装置、通信システム及び端末装置の起動方法によれば、高性能なセンシングと低消費電力化を実現することができ、また、複数の計測用センサの起動態様を制御することで、計測の動作を全体的に良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るセンサ端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るセンサ端末装置により行われる動作のフローチャートを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るセンサ端末装置により記憶される計測用センサの基本情報の例を示す図である。
【図4】第1の動作例に係るセンサ端末装置により行われる、正常動作状態(理想状態)における動作のタイムチャートを示す図である。
【図5】第2の動作例に係るセンサ端末装置により行われる、計測時間が重なった場合における動作のタイムチャートを示す図である。
【図6】第3の動作例に係るセンサ端末装置により行われる、当該センサ端末装置の瞬時最大供給電力を超えた場合における動作のタイムチャートを示す図である。
【図7】第4の動作例に係るセンサ端末装置により行われる、当該センサ端末装置の最大供給電力量を超えた場合における動作のタイムチャートを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るセンサネットワークシステムの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るセンサ端末装置1(端末装置の一例)の構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態に係るセンサ端末装置1は、起動部11と、制御部12と、センサ部13と、通信部14と、電源15と、記憶部16と、を備えている。センサ部13には、複数であるn個の計測用センサ21−1〜21−nを備えている。
【0032】
起動部11は、センサ端末装置1の周囲の環境の変化を検出する起動用センサを1つ以上備えている。起動部11は、起動用センサによりセンサ端末装置1の周囲の環境の変化が所定の起動条件を満たしたことを検出した場合に、制御部12へ所定の信号を当該制御部12への割り込み信号として送信する。このように、起動部11は、起動のためのスイッチとして機能する。
ここで、本実施形態では、起動部11は、前記所定の信号として、センサ端末装置1の周囲の環境の変化が所定の起動条件を満たした場合に、制御部12を起動させるための所定の閾値を超えるレベルの信号を割り込み信号として送信する回路構成を有している。
【0033】
なお、本実施形態では、起動用センサは、センサ端末装置1の周囲の環境の変化が所定の起動条件を満たしたことを検出した場合に、制御部12へ割り込み信号を送信するが、他の例として、起動用センサはその検出結果に応じた信号を割り込み信号として常に制御部12へ送信し、制御部12に入力される割り込み信号のレベルが所定の閾値を超えたときに実際に制御部12に割り込みが為されるような構成を用いることも可能である。
【0034】
ここで、起動部11が制御部12へ割り込み信号を送信するための起動条件としては、様々な条件が用いられてもよく、例えば、センサ端末装置1の周囲の環境の変化量が所定の閾値以上となったという条件を用いることができる。
なお、本実施形態では、起動部11が制御部12を起動させるための信号として、割り込み信号を用いるが、他の信号が用いられてもよい。
【0035】
また、起動部11に複数の起動用センサが備えられる場合には、一例として、各々の起動用センサが、独立に動作して、所定の起動条件を満たす周囲の環境の変化を検出した場合に制御部12へ割り込み信号を送信する構成を用いることができ、本実施形態ではこの構成を用いている。或いは、他の例として、起動部11に備えられた複数の起動用センサの検出状況の組み合わせが所定の起動条件を満たした場合に、起動部11が制御部12へ割り込み信号を送信する構成を用いることもできる。
【0036】
また、起動部11に複数の起動用センサが備えられる場合には、これら複数の起動用センサとしては、同じ物理量を同じ感度や分解能で検出するセンサが用いられてもよく、或いは、同じ物理量を異なる感度や分解能で検出するセンサが用いられてもよく、或いは、異なる物理量を検出するセンサが用いられてもよく、或いは、これらの組み合わせが用いられてもよい。
【0037】
制御部12には、常時、電源15から電力が供給されているが、通常時は、スリープ状態になっている。そして、制御部12は、起動部11からの割り込み信号の入力端における入力値が所定の閾値を超えた場合に起動する。
このように、本実施形態では、制御部12に起動部11からの割り込み信号が入力された場合に、制御部12がスリープ状態から起動状態へ移行する。
なお、本実施形態では、制御部12が起動していない時の状態として、スリープ状態を用いるが、他の例として、起動しているときよりも消費電力が少ない他の状態が用いられてもよい。
【0038】
ここで、本実施形態では、起動用センサとして、周囲の環境の変化を検出するために電力を必要としないセンサが用いられている。このため、起動部11は電源15に接続されていない。
起動用センサとしては、様々な対象(物理量)を検出するセンサが用いられてもよく、例えば、磁性体、熱電素子、圧電素子、焦電素子などの材料を使用したセンサを用いることができる。このような起動用センサでは、待機中の消費電力は実質上ゼロであり、センサ端末装置1が置かれた環境(例えば、電磁波、温度、圧力、空気流、音波、微粒子流などのいずれか)の変化を検出することができる。
具体例として、起動用センサとして圧電体を使用したフローセンサを用いると、流速に応じた電圧を発生する。この場合、センサ端末装置1の周囲の流体の速度が一定値を超えると、制御部12が起動する。起動用センサとしては、他にも、発電型の加速度センサなどを用いることもできる。
【0039】
なお、本実施形態では、起動用センサとして、周囲の環境の変化を検出するために外部からの電力の供給を必要としないセンサが用いられているが、他の例として、周囲の環境の変化を検出するために外部から計測用センサに比べ低電力の供給を必要とするセンサが用いられてもよい。この場合には、例えば、起動用センサに電池を備えて、当該電池からの電力を当該起動用センサへ供給する構成や、或いは、センサ端末装置1に備えられた電源15からの電力を起動用センサへ供給する構成を用いることができる。外部からの電力の供給を受けながらも、計測用センサに比べ低消費電力で駆動する起動用センサを用いることで、低消費電力のセンサ端末装置を実現することができる。
【0040】
記憶部16には、センサ部13に備えらえた各計測用センサ21−1〜21−nを起動させる順序などの態様を決定するために使用される情報が記憶されている。この情報には、例えば、各計測用センサ21−1〜21−nの特性に関する情報が含まれる。
制御部12は、起動状態になると、記憶部16に記憶されている情報を参照して、その情報に基づいて決定される起動順序などの起動態様で、センサ部13に備えられた各計測用センサ21−1〜21−nへ電源15からの電力を供給することにより、当該起動態様で当該各計測用センサ21−1〜21−nを起動する。
各計測用センサ21−1〜21−nは、起動されると、準備時間を経た後に計測時間に、各々の計測対象(物理量)を計測する。この計測結果は制御部12へ出力される。
【0041】
ここで、本実施形態では、各計測用センサ21−1〜21−nとしては、周囲の環境の変化を検出するために電力を必要とするセンサが用いられている。他の例として、各計測用センサ21−1〜21−nとしては、周囲の環境の変化を検出するために電力を必要としないセンサが一部に用いられてもよく、本実施形態では、このようなセンサは起動用センサとしても用いることが可能なものである。
また、各計測用センサ21−1〜21−nとしては、様々なセンサが用いられてもよく、例えば、振動センサ、加速度センサ、ビデオカメラ、煙センサ、湿度センサなどを用いることができる。そして、各計測用センサ21−1〜21−nにより、例えば、温度、湿度、流量、流速、照度、人感など、種々なものを計測することができる。
【0042】
本実施形態では、計測用センサ21−1〜21−nにより計測する対象(物理量)と起動用センサにより検出する対象(物理量)としては、相関(因果関係)があるものを用いている。相関があるものの例としては、起動用センサにより検出される物理量と同じ物理量や、或いは、起動用センサにより対象となる物理量の変化が検出された場合に変化すると推定される異なる物理量がある。具体例として、人が通過すると光や振動や温度などが変化し得るので、これらのうちの1つ以上の物理量を起動用センサにより検出し、これらのうちの同一又は異なる1つ以上の物理量を計測用センサ21−1〜21−nにより計測することができる。
【0043】
本実施形態では、各計測用センサ21−1〜21−nとしては、計測時間においてその計測結果をアナログ信号で出力するセンサや、他の例として、計測結果をデジタル信号で出力するセンサが用いられる。
本実施形態では、制御部12は、デジタルで動作し、計測用センサ21−1〜21−nが計測結果をアナログ信号で出力するものについてはそのアナログ信号をA/D(Analog to Digital)変換器でデジタル信号へ変換する。
【0044】
なお、好ましい実施形態の例として、制御部12は、各計測用センサ21−1〜21−nが準備時間である間、スリープ状態になり、電力の消費を抑制する。そして、各計測用センサ21−1〜21−nが準備時間を終えると、制御部12は、再び起動して、当該各計測用センサ21−1〜21−nによる計測結果を取得する。ここで、各計測用センサ21−1〜21−nが準備時間である間に制御部12がスリープ状態になる構成としては、例えば、各計測用センサ21−1〜21−nの準備時間が終了するよりも少し前に制御部12がスリープ状態から起動状態へ戻るような構成が用いられてもよい。また、ある計測用センサが準備時間であるが他の計測用センサによる計測結果を取得する必要があるときには、制御部12はスリープ状態にはならずに起動状態となる。
【0045】
制御部12は、各計測用センサ21−1〜21−nから入力されて取得した計測結果を通信部14へ出力する。
通信部14は、制御部12から入力された計測結果を基地局装置(図1では、図示せず)へ送信する。なお、通信部14では、有線の通信が行われてもよく、或いは、無線の通信が行われてもよい。
電源15は、制御部12や、センサ部13に備えられた各計測用センサ21−1〜21−nや、通信部14へ電力を供給する。本実施形態では、制御部12が、電源15からセンサ部13に備えられた各計測用センサ21−1〜21−nへの電力の供給を制御する。なお、電源15としては、例えば、蓄電池などの電池を用いることができる。
【0046】
図2は、本実施形態に係るセンサ端末装置1により行われる動作のフローチャートを示す図である。
このフローチャートの説明では、起動部11に備えられた起動用センサによる検出対象の検出の有無に応じた動作を1回の動作として説明するが、本実施形態では、このような動作が常時行われている。
【0047】
制御部12がスリープ状態である時に、起動部11に備えられた起動用センサへ検出対象(本実施形態では、センサ端末装置1の周囲の環境の変化量)の入力がない場合には(ステップS1)、起動用センサにより検出対象が検出されないため、制御部12はスリープ状態を継続する。
【0048】
制御部12がスリープ状態である時に、起動部11に備えられた起動用センサへ検出対象の入力があったが(ステップS1)、例えばその入力のレベルが所定の閾値より低いというように、所定の起動条件を満たさない場合には(ステップS2)、制御部12はスリープ状態を継続する。
また、制御部12がスリープ状態である時に、起動部11に備えられた起動用センサへ検出対象の入力があり(ステップS1)、例えばその入力のレベルが所定の閾値以上であるというように、所定の起動条件を満たした場合には(ステップS2)、起動用センサは割り込み信号を制御部12へ出力する。
【0049】
制御部12は、スリープ状態である時に、起動部11(本実施形態では、起動部11に備えられた起動用センサ)から割り込み信号が入力された場合には、起動状態へ移行する(ステップS3)。そして、制御部12は、起動すると、記憶部16に記憶されている情報を参照して、その情報に基づいて決定される起動順序などの起動態様で、電源15からの電力を各計測用センサ21−1〜21−nへ供給するように制御する。これにより、この起動態様で、各計測用センサ21−1〜21−nが起動する(ステップS4)。
各計測用センサ21−1〜21−nは、起動すると、計測対象を計測して、その計測結果を制御部12へ出力する。制御部12は、各計測用センサ21−1〜21−nから入力された計測結果を通信部14へ出力する。通信部14は、制御部12から入力された計測結果を基地局装置(図1では、図示せず)へ送信する(ステップS5)。
【0050】
なお、本実施形態では、制御部12がスリープ状態である時に、起動部11により制御部12が起動され、制御部12により各計測用センサ21−1〜21−nへ電源15からの電力を供給するように制御することで各計測用センサ21−1〜21−nが起動され、各計測用センサ21−1〜21−nによる計測が行われて、その計測結果が制御部12を介して通信部14から送信される場合に、制御部12は、計測結果の取得が終了した計測用センサ21−1〜21−nへの電源15からの電力の供給を停止するように制御し、計測結果の取得の処理が終了すると、当該制御部12は再びスリープ状態へ移行する。
【0051】
以上のように、本実施形態に係るセンサ端末装置1では、計測用センサ21−1〜21−nを制御する制御部12を起動するための起動用センサが制御部12を起動するまでは、制御部12や計測用センサ21−1〜21−nにより電力を使用しない状態で待機することができ、節電することができる。但し、制御部12がスリープ状態時に電力を消費する場合には、その分の電力は使用される。
なお、この効果は、起動用センサが自己で発電せずに電源15から計測用センサに比べ低電力の供給を受け駆動する場合にも得られる。また、起動用センサが環境変化に応じて自己で発電して駆動する場合には、更に節電の効果を得ることができる。
【0052】
また、このような節電の効果は、センサ端末装置1が備えられるセンサネットワークの全体においても得られ、ネットワーク全体の消費電力を低減することができる。特に、センシングが必要な時間が実時間に占める割合が低いアプリケーションに適用される場合には、消費電力の低減効果が大きい。
【0053】
従って、本実施形態に係るセンサ端末装置1では、消費電力(待機電力)を大幅に削減することができ、例えば電池からなる電源15の寿命を延ばすことができる。これにより、センサ端末装置1に対する電池の交換などのメンテナンスの頻度や費用を削減することができ、また、センサネットワークが環境に与える影響(例えば、電力消費量や電池の廃棄)を低減することができる。また、本実施形態によらないものと比べて電源15の寿命を同じにすればよい場合には、電源15として用いられる例えば電池の大きさを小さくすることができ、これにより、センサ端末装置1の大きさを小さくすることができる。
【0054】
また、周囲の環境の変化に基づいて、所定の起動条件が満たされたときにだけ、制御部12や計測用センサ21−1〜21−nが動作するため、効率的である。
また、起動用センサとして発電型のセンサが用いられる場合には、制御部12への割り込み信号の生成が容易である。
【0055】
また、本実施形態に係るセンサ端末装置1では、起動用センサとは別に、計測用センサ21−1〜21−nを備えているため、これらを異ならせることが可能である。これにより、計測用センサ21−1〜21−nについて、センサの選択の自由度(設計の自由度)を高めることができ、様々な種類のセンサを用いることができ、センサ端末装置1を高機能化することができる。
従って、本実施形態に係るセンサ端末装置1では、高性能なセンシングと低消費電力化を実現することができる。
【0056】
ここで、本実施形態に係るセンサ端末装置1の構成は、次のようにとらえることも可能である。
すなわち、センサ端末装置1は、複数の計測用センサ21−1〜21−nと、計測用センサ21−1〜21−nが非起動状態である第一消費電力状態と、計測用センサ21−1〜21−nが起動状態であり前記第一消費電力状態よりも電力を消費する第二消費電力状態とで切り替える制御部12と、制御部12に対して当該制御部12を起動する割り込み信号を送信する起動部11と、計測用センサ21−1〜21−nから制御部12を介して得られる計測結果の情報を外部と通信する通信部14と、計測用センサ21−1〜21−nと制御部12と通信部14へ電力を供給する電源15と、を備える。
【0057】
また、このようなセンサ端末装置1の起動方法は、次のようにとらえることも可能である。
すなわち、センサ端末装置1では、環境の変化に基づいて起動部11が起動するステップと、起動した起動部11が割り込み信号を制御部12へ送信して当該制御部12を起動するステップと、制御部12が、その起動状態に応じて、計測用センサ21−1〜21−nが非起動状態である第一消費電力状態と、計測用センサ21−1〜21−nが起動状態であり前記第一消費電力状態よりも電力を消費する第二消費電力状態とで切り替えるステップと、を有する。
ここで、第一消費電力状態では、必ずしも制御部12の消費電力がゼロである状態が用いられなくてもよく、例えば、制御部12で起動時よりも少ない電力を消費してもよい。
【0058】
次に、本実施形態に係るセンサ端末装置1において、記憶部16に記憶されている情報や、制御部12が各計測用センサ21−1〜21−nの起動順序などの起動態様を制御することについて、説明する。
図3は、本実施形態に係るセンサ端末装置1に備えられた記憶部16により記憶される計測用センサ21−1〜21−nの基本情報の例を示す図である。この情報は、各計測用センサ21−1〜21−nの特性に関する情報である。
ここで、本実施形態では、計測用センサ21−1〜21−nの数が4個である場合(n=4である場合)を示す。
【0059】
図3に示される例では、計測用センサ21−1〜21−4(第1〜第4の計測用センサ)の基本情報として、各計測用センサ21−1〜21−4について、計測対象と、計測モードと、分解能と、最低必要時間と、消費電力と、最低必要電力量と、重要度順位と、備考の情報が記憶部16に記憶されている。
【0060】
計測対象としては、各計測用センサ21−1〜21−4により計測する対象となる物理量(第1〜第4の物理量)が記憶されている。
計測モードとしては、本実施形態では、第3の計測用センサ21−3に4個の異なる計測モードa、b、c、dがあることが記憶されている。
分解能としては、本実施形態では、デジタルの計測結果を得る第3の計測用センサ21−3の各計測モードa、b、c、d及びデジタルの計測結果を得る第4の計測用センサ21−4について、それぞれ、ビット(bit)数が記憶されている。なお、第1の計測用センサ21−1と第2の計測用センサ21−2はアナログの計測結果を得るものであり、本実施形態では、特に分解能は記憶されていない。
【0061】
最低必要時間としては、各計測用センサ21−1〜21−4及び各計測モードについて、最低限必要となる準備時間[msec]と、最低限必要となる計測時間[msec]が記憶されている。なお、一般に、ある計測用センサの準備時間の長さと計測時間の長さとの間には相関はない。
【0062】
消費電力としては、各計測用センサ21−1〜21−4及び各計測モードについて、準備時における消費電力[mW]と、計測時における消費電力[mW]が記憶されている。なお、図3に示される例では、第3の計測用センサ21−3の4個の計測モードa、b、c、dの全てについて、準備時の消費電力及び計測時の消費電力が同一であるが、他の例として、計測モードa、b、c、d毎に準備時の消費電力や計測時の消費電力が異なる場合もあり得る。
【0063】
最低必要電力量としては、各計測用センサ21−1〜21−4及び各計測モードについて、準備時と計測時を合わせて最低限必要となる電力量[μW・sec]を記憶している。この最低必要電力量は、最低必要時間と消費電力から計算することができる。
重要度順位としては、各計測用センサ21−1〜21−4及び各計測モードについて、重要度の順位が記憶されている。本実施形態では、第1の計測用センサ21−1、第2の計測用センサ21−2、第3の計測用センサ21−3の各計測モードa、b、c、d、第4の計測用センサ21−4の7つについて、1〜7の重要度順位が予め設定されている。なお、本実施形態では、重要度順位の数値が小さいほど重要度が高いことを意味する。
備考としては、様々な内容が記憶されてもよく、図3に示される例では、第3の計測用センサ21−3の4個の計測モードa、b、c、dのうちで、計測モードaが初期状態になっていることが記憶されている。
【0064】
また、記憶部16には、各計測用センサ21−1〜21−nの起動順序などの起動態様を決定するための規則を定める情報(起動規則情報)が記憶されている。
制御部12は、記憶部16に記憶されている起動規則情報を参照して、その起動規則情報に基づいて決定される各計測用センサ21−1〜21−nの起動順序などの起動態様で、各計測用センサ21−1〜21−nの起動を制御する。このような制御を行うために、制御部12は、必要に応じて、記憶部16に記憶されている図3に示される計測用センサ21−1〜21−nの基本情報を参照することや、或いは、各計測用センサ21−1〜21−nの変化する状態に関する情報を取得して参照することや、或いは、電源15の変化する状態に関する情報を取得して参照することなどを行う。
【0065】
ここで、起動規則情報としては、一例として、各計測用センサ21−1〜21−nの変化する状態や電源15の変化する状態にかかわらずに、各計測用センサ21−1〜21−nの起動順序などの起動態様を定めた情報を用いることができる。この場合には、制御部12は、このような起動規則情報を参照して、その起動規則情報に従った起動順序などの起動態様で、各計測用センサ21−1〜21−nの起動を制御する。
【0066】
また、このような起動規則情報とともに、各計測用センサ21−1〜21−nの変化する状態や電源15の変化する状態に適合させるために、各計測用センサ21−1〜21−nの起動態様を補正する規則を定めた情報を当該起動規則情報に含めることができる。この場合には、制御部12は、各計測用センサ21−1〜21−nの変化する状態や電源15の変化する状態にかかわらずに各計測用センサ21−1〜21−nの起動順序などの起動態様を定めた情報に基づく当該起動態様を基準として、各計測用センサ21−1〜21−nの起動態様を補正する規則を定めた情報により、各計測用センサ21−1〜21−nの状態の変化や電源15の状態の変化に基づいて、その基準となる起動態様を補正し、その補正後の起動態様を使用する。
【0067】
具体的には、制御部12は、例えば、初期状態では、各計測用センサ21−1〜21−nの基本情報に基づいて決定される起動順序などの起動態様を基準として使用し、その後、各起動用センサ21−1〜21−nの計測モード、蓄電量、或いは、電源15の残量などが変化した場合に、その変化後の状態に適合させるために、基準の起動態様から補正した起動態様を使用する。
【0068】
なお、上記では、基準となる起動態様が予め設定されていて、その起動態様を補正する必要がある場合に制御部12が所定の演算によりその起動態様を補正して使用する構成を示したが、他の例として、各計測用センサ21−1〜21−nの変化する状態や電源15の変化する状態に関して、これらの状態と使用する起動態様との対応を示すテーブルの情報が用いられてもよい。この場合には、制御部12は、そのテーブルを参照することで、各計測用センサ21−1〜21−nの状態や電源15の状態に対応付けられた起動態様を読み出して使用する。この場合には、そのテーブルの内容に、予め、規則の内容が反映されていることになる。
【0069】
また、このようなテーブルを用いる場合には、各計測用センサ21−1〜21−nの状態や電源15の状態と起動態様とが1対1で対応付けられてもよいが、他の例として、各計測用センサ21−1〜21−nの状態や電源15の状態について複数の範囲を設けて、各範囲と起動態様とを1対1で対応付けると、対応付けの数を減らすことができる。
【0070】
制御部12は、上記のような起動規則情報に基づいて、いずれの計測用センサ21−1〜21−nを起動させるか、いずれの計測用センサ21−1〜21−nの起動を停止させるかを判断して、その判断結果に従って、各計測用センサ21−1〜21−nの起動、停止を制御する。これにより、起動規則情報に基づく起動態様が実現される。
【0071】
次に、起動規則情報により定められる規則の内容の例を示す。
本実施形態では、基本的には、複数の計測用センサ21−1〜21−nの計測時間が重ならず、全体の時間を短くし、電力などに関して支障がないようにする規則が用いられる。
【0072】
(規則の第1の例)
センサ部13に備えられた複数の計測用センサ21−1〜21−nの起動順序(起動順位)などの起動態様を予め設定しておき、その起動態様を使用することを規則とする。一例として、起動態様では各計測用センサ21−1〜21−nの起動開始時刻が定められており、制御部12は、これに従って、各計測用センサ21−1〜21−nを起動させる。
【0073】
(規則の第2の例)
センサ部13に備えられた各計測用センサ21−1〜21−nの準備時間や計測時間に基づいて決定される起動態様を使用することを規則とする。なお、制御部12は、記憶部16に記憶された情報を参照して、各計測用センサ21−1〜21−nの準備時間や計測時間の情報を取得することができる。
【0074】
(規則の第3の例)
前記した(規則の第2の例)に関して、一例として、各計測用センサ21−1〜21−nのウォームアップ時間(本実施形態では、準備時間)が長いものから短いものへの起動順序で複数の計測用センサ21−1〜21−nを起動させる起動態様を使用する。
【0075】
(規則の第4の例)
前記した(規則の第2の例)に関して、他の例として、複数の計測用センサ21−1〜21−nのうちでウォームアップ時間(本実施形態では、準備時間)が最も長いものを最初に起動させる起動態様を使用する。なお、2番目以降に起動される計測用センサの起動順序は、ウォームアップ時間(本実施形態では、準備時間)の長さの順に従わなくてよい。
【0076】
(規則の第5の例)
前記した(規則の第2の例)に関して、他の例として、各計測用センサ21−1〜21−nの準備時間と計測時間を加算した時間が長いものから短いものへの起動順序で複数の計測用センサ21−1〜21−nを起動させる起動態様を使用する。
【0077】
(規則の第6の例)
前記した(規則の第2の例)に関して、他の例として、複数の計測用センサ21−1〜21−nのうちで準備時間と計測時間を加算した時間が最も長いものを最初に起動させる起動態様を使用する。なお、2番目以降に起動される計測用センサの起動順序は、準備時間と計測時間を加算した時間の長さの順に従わなくてよい。
【0078】
(規則の第7の例)
いずれかの計測用センサの起動タイミングをずらす必要が生じた場合には、複数の計測用センサ21−1〜21−nのうちでウォームアップ時間(本実施形態では、準備時間)が最も短いものをずらす。
【0079】
(規則の第8の例)
いずれかの計測用センサの起動タイミングをずらす必要が生じた場合には、複数の計測用センサ21−1〜21−nのうちで準備時間と計測時間を加算した時間が最も短いものをずらす。
【0080】
(規則の第9の例)
いずれかの計測用センサの起動タイミングをずらす必要が生じた場合には、複数の計測用センサ21−1〜21−nのうちで起動タイミングが最も遅いものをずらす。
【0081】
(規則の第10の例)
センサ部13に備えられた複数の計測用センサ21−1〜21−nの計測時間が重複しないようにした起動態様を使用することを規則とする。
なお、本実施形態では、複数の計測用センサ21−1〜21−nによる計測結果を制御部12へ出力する場合に、2個以上の計測用センサ21−1〜21−nから制御部12への出力が同時に重なってしまうと、これらの計測結果が正常に制御部12により取得されない。つまり、本実施形態では、2個以上の計測用センサ21−1〜21−nと制御部12との間で同時に計測結果を通信することができない。そこで、本規則が有効である。
【0082】
(規則の第11の例)
制御部12の動作時間が最小になるようにした起動態様を使用することを規則とする。
ここで、最小にする制御部12の動作時間としては、例えば、起動部11により起動されてから、計測用センサ21−1〜21−n(その中で起動されたもの)による計測やその計測結果の通信が完了して、当該制御部12が再びスリープ状態に戻るまでの時間が用いられる。
【0083】
(規則の第12の例)
センサ部13に備えられた各計測用センサ21−1〜21−nの消費電力に基づいて決定される起動順序などの起動態様を使用することを規則とする。なお、制御部12は、記憶部16に記憶された計測用センサ21−1〜21−nの基本情報を参照して、各計測用センサ21−1〜21−nの消費電力の情報(瞬時的な消費電力の情報や、時間的に平均した消費電力の量の情報)を取得することができる。
【0084】
(規則の第13の例)
前記した(規則の第12の例)に関して、一例として、瞬時的な消費電力に関して、起動される計測用センサ21−1〜21−nの消費電力の合計がセンサ端末装置1における最大供給電力(許容される最大値)を超えないようにした起動態様を使用する。なお、制御部12は、電源15の寿命(センサ端末装置1における残りの電力)の情報を取得することができ、瞬時的な最大供給電力の情報を得ることができる。
【0085】
(規則の第14の例)
前記した(規則の第12の例)に関して、他の例として、時間的に平均した消費電力の量に関して、起動される計測用センサ21−1〜21−nの消費電力量の合計がセンサ端末装置1における最大供給電力量(許容される最大値)を超えないようにした起動態様を使用する。なお、制御部12は、電源15の寿命(センサ端末装置1における残りの電力)の情報を取得することができ、最大供給電力量の情報を得ることができる。
【0086】
(規則の第15の例)
前記した(規則の第12の例)に関して、他の例として、瞬時的な消費電力に関して、通信部14による1回の通信で使用される消費電力がセンサ端末装置1における最大供給電力を超えないようにした起動態様を使用する。なお、制御部12は、電源15の寿命(センサ端末装置1における残りの電力)の情報を取得することができ、瞬時的な最大供給電力の情報を得ることができる。
【0087】
(規則の第16の例)
前記した(規則の第12の例)に関して、他の例として、消費電力が小さいものから大きいものへの順序で複数の計測用センサ21−1〜21−nを起動させる起動態様を使用する。
【0088】
(規則の第17の例)
センサ端末装置1に備えられた例えば電池などの電源15の寿命(センサ端末装置1における残りの電力)に基づいて決定される起動態様を使用することを規則とする。なお、制御部12は、電源15の寿命(センサ端末装置1における残りの電力)の情報を取得することができる。
【0089】
(規則の第18の例)
センサ部13に備えられた各計測用センサ21−1〜21−nの蓄電量に基づいて決定される起動順序などの起動態様を使用することを規則とする。なお、制御部12は、各計測用センサ21−1〜21−nの蓄電量の情報を取得することができる。
【0090】
(規則の第19の例)
瞬時的な消費電力や時間的に平均した消費電力に関して、消費電力を制限する必要がある場合には、いずれか1個以上の計測用センサの準備時間を短くする起動態様を使用することを規則とする。なお、制御部12は、記憶部16に記憶された情報を参照して、準備時間を短くする計測用センサを決める。
なお、デジタルの計測用センサでは、計測の分解能(ビット数)を下げると、計測の精度が下がり、消費電力が下がる。
【0091】
(規則の第20の例)
瞬時的な消費電力や時間的に平均した消費電力に関して、消費電力を制限する必要がある場合には、いずれか1個以上の計測用センサによる計測を省く(つまり、行わない)起動態様を使用することを規則とする。なお、制御部12は、記憶部16に記憶された情報を参照して、計測を省く計測用センサを決める。
一例として、いずれかの計測用センサの準備時間を短くするだけでは消費電力の低減が不十分である場合に、当該計測用センサによる計測を省く。
【0092】
(規則の第21の例)
いずれかの計測用センサの準備時間を短くする場合や、いずれかの計測用センサによる計測を省く場合や、そのほか、いずれかの計測用センサによる計測の態様を変化させる場合には、各計測用センサ21−1〜21−nに設定された重要度順位が低い方を優先して、その変化の対象とする起動態様を使用する規則とする。なお、例えば、制御部12は、記憶部16に記憶された計測用センサ21−1〜21−nの基本情報を参照して、各計測用センサ21−1〜21−nの重要度順位の情報を得ることができる。
【0093】
ここで、本実施形態では、以上に示した規則や他の様々な規則について、互いに矛盾しない範囲で、2つ以上の規則を任意に組み合わせて用いることができる。
具体例として、各計測用センサ21−1〜21−nの準備時間や計測時間を考慮することで、全体的な計測の動作に要する時間を短くすることが可能であり、また、瞬時的な消費電力や時間的に平均した消費電力の量がそれぞれ可能な範囲に収まるように考慮することで、全体的な計測の動作が十分な電力で適切に行われるようにすることができる。そして、これらの両方を考慮することで、これら両方の効果を得ることができる。
【0094】
次に、本実施形態に係るセンサ端末装置1により行われる動作の例を示す。
なお、図4〜図7の説明では、起動部11において判定される所定の起動条件が満たされた状態を起動スイッチのオン状態と言い、当該所定の起動条件が満たされない状態を起動スイッチのオフ状態と言う。また、制御部12の起動状態をオン状態と言い、制御部12のスリープ状態をオフ状態と言う。また、各計測用センサ21−1〜21−nの起動状態をオン状態と言い、各計測用センサ21−1〜21−nの停止状態(起動されていない状態)をオフ状態と言う。また、通信部14が計測結果の情報を送信する通信を行っている状態をオン状態と言い、このような通信を行っていない状態をオフ状態と言う。また、いずれについても、オン状態をハイレベルで表し、オフ状態をローレベルで表す。
また、図4〜図7に示される動作は例示であり、図4〜図7には示されないような動作が実施されてもよい。
【0095】
図4は、第1の動作例に係るセンサ端末装置1により行われる、正常動作状態(理想状態)における動作のタイムチャートを示す図である。
図4のタイムチャートには、起動スイッチのオンオフ状態と、制御部12のオンオフ状態と、第1の計測用センサ21−1のオンオフ状態と、第2の計測用センサ21−2のオンオフ状態と、第3の計測用センサ21−3のオンオフ状態と、第4の計測用センサ21−4のオンオフ状態と、通信部14のオンオフ状態を示してある。
本動作例では、第1の計測用センサ21−1、第2の計測用センサ21−2、第3の計測用センサ21−3、第4の計測用センサ21−4の順で、準備時間が長く、且つ、準備時間と計測時間を加算した時間が長い。
【0096】
そこで、本動作例では、制御部12がスリープ状態である時に、起動スイッチがオン状態になったことに応じて、制御部12がオン状態になり、その後、起動規則情報に基づいて、第1の計測用センサ21−1、第2の計測用センサ21−2、第3の計測用センサ21−3、第4の計測用センサ21−4の順で、少しずつ時間を遅らせながら起動させ、全ての計測用センサ21−1〜21−4による計測結果が制御部12により取得された後に、その計測結果の情報を通信部14により送信する。そして、制御部12は、再びスリープ状態へ戻る。
【0097】
この例では、各計測用センサ21−1〜21−4の計測時間が重ならず、また、全体的な計測の動作に要する時間を短くすることができる。
また、図4では図示を省略しているが、制御部12は、起動されてから再びスリープ状態になるまでの間、いずれの計測用センサ21−1〜21−4においても計測時間になっていないときには、一時的にスリープ状態になって、消費電力を低減させることができる。
【0098】
図5は、第2の動作例に係るセンサ端末装置1により行われる、計測時間が重なった場合における動作のタイムチャートを示す図である。
図5のタイムチャートには、起動スイッチのオンオフ状態と、制御部12のオンオフ状態と、第1の計測用センサ21−1のオンオフ状態と、第2の計測用センサ21−2のオンオフ状態と、第3の計測用センサ21−3のオンオフ状態と、第4の計測用センサ21−4のオンオフ状態と、通信部14のオンオフ状態を示してある。
【0099】
本動作例では、仮に、第1の計測用センサ21−1、第2の計測用センサ21−2、第3の計測用センサ21−3、第4の計測用センサ21−4の順で、少しずつ時間を遅らせながら起動させると、第3の計測用センサ21−3の計測時間と第4の計測用センサ21−4の計測時間とが重複部分を持ってしまう。そこで、第4の計測用センサ21−4の起動タイミングを適当に大きく遅らせることで、各計測用センサ21−1〜21−4の計測時間が重ならないように調整している。これは、起動規則情報に基づいて行われる。
【0100】
この例では、各計測用センサ21−1〜21−4の計測時間が重ならず、また、全体的な計測の動作に要する時間を短くすることができる。
また、図5では図示を省略しているが、制御部12は、起動されてから再びスリープ状態になるまでの間、いずれの計測用センサ21−1〜21−4においても計測時間になっていないときには、一時的にスリープ状態になって、消費電力を低減させることができる。
【0101】
図6は、第3の動作例に係るセンサ端末装置1により行われる、当該センサ端末装置1の瞬時最大供給電力を超えた場合における動作のタイムチャートを示す図である。
図6のタイムチャートには、起動スイッチのオンオフ状態と、制御部12のオンオフ状態と、第1の計測用センサ21−1のオンオフ状態と、第2の計測用センサ21−2のオンオフ状態と、第3の計測用センサ21−3のオンオフ状態と、第4の計測用センサ21−4のオンオフ状態と、通信部14のオンオフ状態と、センサ端末装置1において可能な瞬時的な最大供給電力と、消費電力を示している。
本動作例では、第1の計測用センサ21−1、第2の計測用センサ21−2、第3の計測用センサ21−3、第4の計測用センサ21−4の順で、準備時間が長く、且つ、準備時間と計測時間を加算した時間が長い。
【0102】
本動作例では、仮に、第1の計測用センサ21−1、第2の計測用センサ21−2、第3の計測用センサ21−3、第4の計測用センサ21−4の順で、少しずつ時間を遅らせながら起動させると、第4の計測用センサ21−4の準備時間や計測時間の消費電力が大きいために、第4の計測用センサ21−4の準備時間や計測時間における全体的な消費電力が最大供給電力を超えてしまう。そこで、第4の計測用センサ21−4の起動タイミングを適当に大きく遅らせることで、常に、全体的な消費電力が最大供給電力以下となるように調整している。これは、起動規則情報に基づいて行われる。
【0103】
この例では、各計測用センサ21−1〜21−4の計測時間が重ならず、常に全体的な消費電力が最大供給電力以下となり、また、全体的な計測の動作に要する時間を短くすることができる。
また、図6では図示を省略しているが、制御部12は、起動されてから再びスリープ状態になるまでの間、いずれの計測用センサ21−1〜21−4においても計測時間になっていないときには、一時的にスリープ状態になって、消費電力を低減させることができる。
【0104】
図7は、第4の動作例に係るセンサ端末装置1により行われる、当該センサ端末装置1の最大供給電力量を超えた場合における動作のタイムチャートを示す図である。
図7のタイムチャートには、起動スイッチのオンオフ状態と、制御部12のオンオフ状態と、第1の計測用センサ21−1のオンオフ状態と、第2の計測用センサ21−2のオンオフ状態と、第3の計測用センサ21−3のオンオフ状態と、第4の計測用センサ21−4のオンオフ状態と、センサ端末装置1において可能な時間的に平均した最大供給電力量(最大許容消費電力量)と、調整前の消費電力量と、調整後の消費電力量を示してある。
本動作例では、第1の計測用センサ21−1、第2の計測用センサ21−2、第3の計測用センサ21−3、第4の計測用センサ21−4の順で、準備時間が長く、且つ、準備時間と計測時間を加算した時間が長い。
【0105】
本動作例では、仮に、第1の計測用センサ21−1、第2の計測用センサ21−2、第3の計測用センサ21−3、第4の計測用センサ21−4の順で、少しずつ時間を遅らせながら起動させると、第4の計測用センサ21−4の準備時間や計測時間の消費電力が大きいために、時間的に平均した消費電力の量に関して、全体的な消費電力量の合計(調整前の消費電力量)が最大供給電力量を超えてしまう。そこで、第3の計測用センサ21−3の計測時間を短くするように変更し、第4の計測用センサ21−4による計測を省いて中止して、第4の計測用センサ21−4には電力を供給しないようにすることで、全体的な消費電力量の合計(調整後の消費電力量)が最大供給電力以下となるように調整している。これは、起動規則情報に基づいて行われる。
【0106】
この例では、起動される各計測用センサ21−1〜21−3の計測時間が重ならず、全体的な消費電力量が最大供給電力量以下となり、また、全体的な計測の動作に要する時間を短くすることができる。
また、図7では図示を省略しているが、制御部12は、起動されてから再びスリープ状態になるまでの間、いずれの計測用センサ21−1〜21−4においても計測時間になっていないときには、一時的にスリープ状態になって、消費電力を低減させることができる。
【0107】
ここで、例えば、図7に示される動作例のように、いずれかの計測用センサによる計測を省くなどのように計測の態様を変更する場合には、各計測用センサ21−1〜21−nの重要度順位を考慮することもできる。
具体的には、重要度の順位に従って、重要度が低い方を優先させて、計測用センサによる計測の態様を変更する。
一例として、図3に示される計測用センサ21−1〜21−nの基本情報がある場合に、電源15の最大供給電力(最大許容消費電力)が最大3mWになったときには、重要度が比較的低い第4の計測用センサ21−4を起動せずに動作させないようにする。
【0108】
なお、他の例として、図3に示される計測用センサ21−1〜21−nの基本情報がある場合に、電源15の最大供給電力量(最大許容消費電力量)が1580μW・secになったときには、第3の計測用センサ21−3を計測モードcで動作させる。また、他の例として、図3に示される計測用センサ21−1〜21−nの基本情報がある場合に、電源15の最大供給電力量(最大許容消費電力量)が1190μW・secになったときには、第3の計測用センサ21−3を計測モードbで動作させ、第4の計測用センサ21−4を起動せずに動作させないようにする。
ここで、これらの動作制御は例示であり、他の様々な動作制御が行われてもよい。
【0109】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係るセンサネットワークシステム(通信システムの一例)の構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態に係るセンサネットワークシステムは、複数であるr個のセンサ端末装置101−1〜101−r(端末装置の一例)と、複数の中継局装置111〜117と、複数の基地局装置121〜123と、を備えている。
なお、センサ端末装置や中継局装置や基地局装置のそれぞれの数としては、任意の数が用いられてもよい。
【0110】
各センサ端末装置101−1〜101−rは、例えば、図1に示される第1の実施形態に係るセンサ端末装置1と同様な構成を有しており同様な動作を行う。例えば、各センサ端末装置101−1〜101−rは、それぞれに備えられた計測用センサによる計測結果の情報(データ)を無線で送信する。
各中継局装置111〜117は、それぞれが通信する領域に存在するセンサ端末装置101−1〜101−rから無線送信された情報を受信して、その情報を有線で送信する。
各基地局装置121〜123は、それぞれの配下に存在する中継局装置111〜117から有線で送信された情報を受信する。
【0111】
これにより、本実施形態に係るセンサネットワークシステムでは、各センサ端末装置101−1〜101−rに備えられた計測用センサによる計測結果の情報を基地局装置121〜123により収集して、その情報を記憶装置(図示せず)に記憶するなどして管理することができる。
【0112】
なお、本実施形態では、センサ端末装置101−1〜101−rから送信された情報が中継局装置111〜117を介して基地局装置121〜123へ伝送される構成を示したが、他の例として、センサ端末装置101−1〜101−rから送信された情報が直接に基地局装置121〜123へ伝送される構成が用いられてもよい。
また、それぞれの通信については、本実施形態に限られず、有線の通信が用いられてもよく、或いは、無線の通信が用いられてもよい。
【0113】
ここで、本実施形態に係るセンサネットワークシステムは、様々な場面に適用されてもよく、例えば、クリーンルーム内のセンサネットワークや、ホームセキュリティのセンサネットワークや、環境モニタリングのセンサネットワークなどに適用することが可能である。一例として、クリーンルーム内のセンサネットワークにおいて、各センサ端末装置101−1〜101−rに計測用センサとしてパーティクルセンサやフローセンサなどを備え、これらの計測用センサによる計測結果を基地局装置121〜123により収集して管理することができる。
【0114】
なお、上述した第1の実施形態に係るセンサ端末装置1について、装置の一部、例えば、制御部12の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、その制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて、このコンピュータシステムが実行することによって実現してもよい。なお、ここで言うコンピュータシステムとは、オペレーティング・システム(Operating System;OS)や周辺装置のハードウェアを含むものである。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵される磁気ハードディスクやソリッドステートドライブ等の記憶装置のことを言う。更に、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、インターネット等のコンピュータネットワークや、電話回線や携帯電話網を介してプログラムを送信する場合の通信回線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバ装置やクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
【0115】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はその実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明に係る端末装置、通信システム及び端末装置の起動方法は、例えば、様々なセンサネットワークに適用することが可能なものである。
【符号の説明】
【0117】
1・・・センサ端末装置
11・・・起動部
12・・・制御部
13・・・センサ部
14・・・通信部
15・・・電源
16・・・記憶部
21−1〜21−n・・・計測用センサ
101−1〜101−r・・・センサ端末装置
111〜117・・・中継局装置
121〜123・・・基地局装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象の物理量を計測する複数の計測用センサと、
前記複数の計測用センサの起動態様を決定する情報を記憶する記憶部と、
起動した場合に、前記情報に基づき、前記複数の計測用センサの全部又は一部を非起動状態から起動状態へ切り替える制御部と、
環境の変化に基づいて駆動する起動用センサを有しており、前記起動用センサによる検出結果に基づいて、前記計測対象の物理量と相関を有する物理量が、所定の起動条件として満たされた場合に、前記制御部を起動させる起動部と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記起動用センサは、環境の変化に基づいて発電することにより駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記情報は、前記複数の計測用センサのそれぞれの準備時間及び計測時間に基づいている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記情報は、起動する前記複数の計測用センサの前記計測時間が重複しない、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記情報は、前記制御部が起動してから当該起動に応じて行われる前記制御部による一連の動作が完了するまでの前記制御部の動作時間が最小になる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数の計測用センサのうち、前記準備時間が一番長いものから駆動する、
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数の計測用センサのうち、前記準備時間と前記計測時間の合計時間が一番長いものから駆動する、
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記情報は、瞬時的な消費電力に関して、起動する前記計測用センサの消費電力の合計が許容される最大値以下となる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項9】
前記情報は、消費電力量に関して、起動する前記計測用センサの消費電力の量の合計が許容される最大値以下となる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項10】
前記情報は、前記複数の計測用センサのそれぞれの重要度の順位に基づいた情報を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記消費電力または前記消費電力の量の合計が、前記最大値より大きくなる場合、最も優先度が低い前記計測用センサを起動しない、
ことを特徴とする請求項10に記載の端末装置。
【請求項12】
前記情報は、起動する前記計測用センサの起動順序を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記複数の計測用センサの全部又は一部を起動する場合に、起動する計測用センサが準備時間であるときにスリープ状態になる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記情報に基づいて、初期状態では基準の起動態様を使用し、その後における状態の変化に応じて基準の起動態様から補正した起動態様を使用する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項15】
前記情報は、端末装置の状態と前記起動態様との対応を示すテーブルであり、
前記制御部は、前記情報に基づき動作する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項16】
前記制御部は、起動した場合に、前記計測用センサへの電力が非供給である状態から供給される状態へ切り替えることにより、前記計測用センサを前記非起動状態から前記起動状態へ切り替える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項17】
端末装置と、基地局装置と、を有し、
前記端末装置は、計測対象の物理量を計測する複数の計測用センサと、
前記複数の計測用センサの起動態様を決定する情報を記憶する記憶部と、
起動した場合に、前記記憶部に記憶された情報に基づいて決定される起動態様で、前記複数の計測用センサの全部又は一部を非起動状態から起動状態へ切り替える制御部と、
環境の変化に基づいて駆動する起動用センサを有しており、前記起動用センサによる検出結果に基づいて所定の起動条件が満たされた場合に、前記制御部を起動させる起動部と、
前記複数の計測用センサの全部又は一部による計測結果の情報を送信する通信部と、を備え、
前記基地局装置は、前記端末装置から送信された情報を受信する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項18】
前記起動用センサは、環境の変化に基づいて発電することにより駆動する、
ことを特徴とする請求項17に記載の通信システム。
【請求項19】
環境の変化に基づいて駆動する起動用センサを有する起動部が、前記起動用センサによる検出結果に基づいて所定の起動条件が満たされた場合に、制御部を起動させ、
前記制御部が、起動した場合に、記憶部に記憶された複数の計測用センサの起動態様を決定する情報に基づいて決定される起動態様で、前記複数の計測用センサの全部又は一部を非起動状態から起動状態へ切り替え、
起動した前記計測用センサが、計測対象の物理量を計測し、
通信部が、前記複数の計測用センサの全部又は一部による計測結果の情報を送信する、
ことを特徴とする端末装置の起動方法。
【請求項20】
前記起動用センサは、環境の変化に基づいて発電することにより駆動する、
ことを特徴とする請求項19に記載の端末装置の起動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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