筆記具用キャップ及び消去性インクを有する筆記具
【課題】 消去具を用いて筆跡を消去可能な筆記具において、筆跡の消去性とインクの揮発防止性を両立しつつ、かつ消去具の長さによって従来の筆記具の全長が長くなり外観を損なうことがあった。
【解決手段】 筆跡を消去可能な消去具2とインクの揮発を防ぐシール部材3とが互いに挟持し、キャップ本体1からなる筆記具用キャップを筆記具に嵌合し、消去具2はシール部材3とは異なる材料から形成される。また、消去具2内の内壁22には長手方向に亘って中心軸線に向かって延びる複数のリブ25によって、シール部材3を挟持する。
【解決手段】 筆跡を消去可能な消去具2とインクの揮発を防ぐシール部材3とが互いに挟持し、キャップ本体1からなる筆記具用キャップを筆記具に嵌合し、消去具2はシール部材3とは異なる材料から形成される。また、消去具2内の内壁22には長手方向に亘って中心軸線に向かって延びる複数のリブ25によって、シール部材3を挟持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボールペンインク、シャープ芯等の筆跡を消去することができる筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャップ本体の前端部に、熱変色性インクの筆跡を摩擦熱により変色させる摩擦体となる擦過部材を取り付け、キャップ本体の内部にペン先シール部材(以下、シール部材と称す)を配置した筆記具が開示されている(特許文献1)。前記従来の熱変色性インクは、揮発しやすいことからキャップ内部にシール部材を取り付けインクの揮発を防止する構造となっている。そこでキャップ本体に取り付ける2種類の部品(擦過部材及びシール部材)を、部品数が増加するとともに組立工程が増加し、製造コストの上昇を余儀なくされることを解消するために、キャップ本体に取り付ける部品の数を減少させ、製造コストを安価に抑えることができる筆記具用キャップ及び筆記具が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−123324号公報
【特許文献2】特開2009−208312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の発明は、擦過部材とシール部材とを別々に配置するとキャップや筆記具の長さが不必要に長くなってしまうので、従来の筆記具の全長より著しく長くなってしまい外観を損なうことがある。また、特許文献2に記載の発明では、一種の材質であるため、筆跡の消去性とインクの揮発防止性が十分に確保することが困難である。
そこで本発明は擦過部材の取り付けによる筆記具の全長が長くなることを防ぎつつ、筆跡の消去性とインクの揮発防止性を十分に確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は鋭意開発の末、以下の発明を実現するに至った。
(1)筆跡を擦過することで該筆跡を消去又は消色可能な消去具と、ペン先と密接してペン先前方を密封するシール部材と、前記消去具が前記シール部材を挟持し前方に装着したキャップ本体からなる筆記具用キャップであって、消去具はシール部材とは異なる材料から形成されてなることを特徴とする筆記具用キャップである。消去具内にシール部材を挟持させることでシール部材分とそれを配置する長手方向の長さ分の全長を短くすることができ、また消去具とシール部材とを異なる材料にすることによって、筆跡の消去性とインクの揮発防止性能を確保することができる。
(2)また、消去具内部において、消去具後方には開口部を形成し、前記開口部前方の内壁には長手方向に亘って中心軸線に向かって延びる複数のリブが設けられ、シール部材は前記複数のリブにより挟持されていることを特徴とする。シール部材を複数のリブにより挟持させることで、シール部材のクリープ変形によるインクの揮発防止性能の低下を防ぎ、消去具との保持力を安定して確保することができる。
(3)また、消去具はシール部材より硬度が高い材料で形成されていることを特徴とする。消去具をシール部材より硬度を高くすることで消去具内にシール部材を挟持した際でもシール部材の形状による消去具の外観への変形を防止することができる。
(4)上述の(1)〜(3)に記載された筆記具用キャップを軸体に嵌合し、消去性インクを軸体内に収容する筆記具である。
【発明の効果】
【0006】
以上により、本発明は筆跡の消去性とインクの揮発防止性を両立しつつ、かつ消去具の配置によって筆記具の全長が長くなることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態における筆記具の組キャップの部品図ある。
【図2】図1に示される筆記具の消去具の部品図である。
【図3】図1に示される筆記具の消去具とシール部材を組み立てた部品図である。
【図4】本発明の実施形態における筆記具の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明における各実施形態について図面を参照して説明する。
なお本明細書内において、前方とは筆記部側、後方とは筆記部側とは他端側のことをいう。
また消去とは、熱変色性インクを用いた筆記具においては筆記した線を変色又は消色状態にすることが可能なこと、消しゴム消去性インクを用いた筆記具においては筆記した描線、文字等を消しゴム等で吸着又は削ぎ落とすことが可能なことをいう。
【0009】
図1は、本発明の実施形態における筆記具用キャップの部品図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)の縦断面図である。キャップは、キャップ本体1と前方に筆跡を消去可能な消去具2、消去具2に嵌合された筆記部の揮発を防止可能なシール部材3からなる。
【0010】
キャップ本体1の前方には、擦過部材となる消去具2が装着されている。消去具2は、紙面等の被筆記面への筆跡に、消去具2を被筆記面に押圧して擦過することで筆跡を消去することができる。消去具2のキャップ本体1への装着方法は、図1では凹凸による嵌合となっているが、筆跡への擦過動作によって消去具が取り外れなければ圧入、接着、溶着等による方法でもよい。キャップ本体1の内面は円筒形に形成されているが、略中央部に円筒形の一部を面削ぎによって形成される嵌合部11がある。嵌合部11は本実施形態では4箇所形成され、嵌合部11によって筆記具の前方側端部又は後方側端部に嵌合することができる。
【0011】
キャップ本体1を形成する材料として、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)等の硬質プラスチックが好ましい。
【0012】
図2は、本発明の実施形態における筆記具の消去具2の部品図であり、図2(a)は左側面図、図2(b)は前方からの斜視図、図2(c)は正面図、図2(d)は図2(a)のA−A’断面図(図2(c)の縦断面図)、図2(e)は後方からの斜視図、図2(f)は右側面図である。
【0013】
消去具2の内部は後方から開口部21が形成され、開口部21の前方に向かって内壁22、段部23、空間部24が形成されている。開口部21の後方の開口径は内壁22の内径より拡径して形成されることで消去具2の挿入を容易にすることができる。消去具2の内壁22には、長手方向に亘って中心軸線に向かって延びる複数のリブ25が設けられ、シール部材3を弾性変形させつつ挟持する構造となっている。リブ25は、図面では6本となっているが、確実に挟持するにはリブ25の各々が略等間隔かつ軸心から対向に配置される4本以上あることが好ましい。組立工程においてシール部材3を消去具2内へ配置するとき、消去具2及びシール部材3がゴム弾性体からなることから、シール部材の挿入時に消去具も弾性変形するため、互いの寸法公差が多少ばらついても確実に配置することが可能となる。なお各リブ25、25・・・の内接円の径は、シール部材3のクリープ変形を防ぐため、シール部材3の外径より0.05〜0.1mm小さいことがより好ましい。消去具2内に空間が形成された空間部24は、曲面部26の表面上のヒケ(凹み)を防ぐことができる。
消去具2の外面は前方から曲面部26が形成され、後方に向かって鍔部27、胴部28挿入部30が形成されている。曲面部26は正面から見て一定の曲率を有することで適度な消去感を得ることができる。曲面部26の表面の表面粗さは、算術平均粗さRa=0.009μm〜0.014μmが好ましい。Raが0.009μmより滑らかだと被筆記面(例えば紙面)を滑り、Raが0.014μm以上であると被筆記面を不用意に引っ掛けて紙面を破く虞がある。鍔部27はキャップ本体1に装着する際にキャップ本体1の前方端部と当接することで、キャップの全長を安定させることができる。胴部28の略中間部には凹部29が形成されており、凸部12と嵌合による装着をすることができる。胴部28の後方に向かって縮径して形成された挿入部30は、外径をキャップ本体1の凸部12の内径より小径にすることでキャップ本体1への装着を容易にすることができる。
【0014】
消去部2は、ゴム弾性を有する材料からなることが好ましい。例えば、スチレン系エラストマー(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体など)、フッ素系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。特に熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの混合物からなり、その配合比率がそれぞれ重量比で1:1〜1:4であり、研磨剤、可塑剤、充填剤を含有しないことが好ましい。従来から存在している市販の消しゴムでも良いが、可塑剤を含有しない消去具にすることで消し屑が発生しにくい方がより好ましい。さらに、人体への安全性、他のプラスチックに接触した場合の接着による不具合の点から、ジブチルフタレート(フタル酸ジブチル)、ジオクチルフタレート(フタル酸ジオクチル)などの可塑剤を含有しないことが好ましい。また、研磨剤(研磨粒子)を含有しない理由は、紙面を傷めることなく筆跡を消去するために、研磨剤(研磨粒子)を含有しないものである。
【0015】
また、JIS K6253に規定されたデュロメータ硬度Aが70°〜100°となる材質とされた半硬質ゴム、硬質ゴムであることが必要であり、好ましくは、75°〜95°、更に好ましくは、80°〜93°となるものが好ましい。この硬度が70°未満であると、柔らかすぎて筆跡の消去が容易ではならなくなり、一方、100°を超えると、消去部2自体に柔軟性がないため、筆跡と紙面との接着力を上回る摩擦力が生じないため消去できないものとなる。
【0016】
また、指等による擦過、従来の市販の消しゴムによっては消すことができず、しかも、鉛筆による筆跡に対しては消去できない特性を備えると共に、紙面を更に傷つけない消去具を提供する点から、JIS S 6050(2002)に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%以下となるものが好ましい。なお、この試験で使用する鉛筆は、JIS S 6006に規定する鉛筆(HB)である。
【0017】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記材質中に、インク色と合わせて着色をつけるための着色剤、インク色のイメージを感じさせる香料などを混合してもよいものである。
【0018】
図3は、本発明の実施形態における消去具2とシール部材3を組み立てた部品図であり、図3(a)は左側面図、図3(b)は前方からの斜視図、図3(c)は正面図、図3(d)は図3(a)のA−A’断面図(図3(c)の縦断面図)、図3(e)は後方からの斜視図、図3(f)は右側面図である。消去具2の後方側の内壁22に形成された複数のリブ25によって挟持される。更に消去具2とシール部材3がゴム弾性を有する材料により、取り付けにおける密着性が互いの凝着力によって外れ難くなる。
【0019】
シール部材3は、消去具2内への入れやすさから球形状が好ましい。材料は消去具と異種の材料で、かつ消去具2より軟質な材料が好ましい。シール部材3をイソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴムなどによって形成される。特にブチルゴム(IIR)は加工性及び筆記部の先端の揮発防止性能をより一層向上させることができる。すなわち、ブチルゴムは、加工性に優れているだけでなく、種々のゴムの中でも特に気密性(ガスバリアー性)に優れる。このため、シール部材3をブチルゴムによって形成することにより、筆記部の先端の乾燥防止や、インク中の溶媒成分の揮発防止をより確実に図れるのである。または、シール部材3は、ニトリルゴム(NBR)にフタル酸エステル系の可塑剤を添加したゴム組成物で構成することもできる。フタル酸エステル系の可塑剤の添加量が0を超え15重量%未満の割合にすることにより、シール部材3のブリードアウトによる表面のベタツキを少なくし、これにより、筆記部の先端の汚れを防止しているのである。但しフタル酸エステル系の可塑剤の添加量を15重量%を超えると、表面のベタツキや、使用中のブリードアウトによりを抑えることが出来ず、チップの先端の汚れを誘発し、更に、ブリードアウトした成分によりインクが侵され、筆記不能となる危険性がある。
【0020】
また、シール部材3は、JIS K6253に規定されたデュロメータA硬度で、5°以上35°以下の軟質ゴムが好ましい。デュロメータA硬度で5°以上35°以下にすることにより、シール部材3の表面のベタツキにより筆記部の先端のシールが不完全にならないようにして、筆記部の先端の乾燥防止や、インク中の溶媒成分の揮発防止を十分に図っているのである。なお、デュロメータA硬度で35°以上では、シール部材3の反発弾性力が大きく、キャップの嵌合が外れやすくなり、筆記部の先端のシールが不完全になって、筆記部の先端の乾燥防止や、インク中の溶媒成分の揮発防止が十分に図れないおそれがある。一方、デュロメータA硬度で5°未満では、シール部材3の表面のベタツキが多くなり、これにより、筆記部の先端が汚れてしまったり、あるいはインクが変質してしまったりして、筆記具が筆記不能になってしまう虞がある。また、シール部材3のデュロメータA硬度が消去具2と異なる場合は、消去具2とグレード違いによる同種の材料を用いてもよい。
【0021】
図4は、本発明の実施形態における筆記具の全体図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は図4(a)の縦断面図である。筆記具用キャップを筆記具本体へ装着した際の嵌合について説明する。筆記具本体は、筆記リフィールを収容する軸体4と軸体4の後端部に羅合される尾栓5、軸体4に収容され前方先端からインク8を塗布する筆記部6、インク8を内部に充填するインク収容管7、インク8、インク8のインク収容管7からの漏洩や乾燥を防ぐインク追従体9、リフィール尾栓10からなる筆記リフィールで構成される。
【0022】
筆記具用キャップを軸体4に嵌合する際、筆記部6の前方側先端がシール部材3に埋没し、これにより、シール部材3が筆記部6の先端を覆うこととなるので、筆記部6の先端の乾燥防止が図られるとともに、インク8の溶媒成分の揮発防止が図られるのである。なお、図4に示される筆記部6はボールペンチップであり、シール部材3は便宜上、弾性変形していない状態で示されている。
【0023】
本実施形態におけるインク収容管7に充填されたインク8は、筆跡を消去具2で擦過することで消色又は変色可能な熱変色性インクを用いている。熱変色性インクは、可逆熱変色性インクが好ましい。又は可逆変色性インクではなく復色しない不可逆変色性インクでもよい。前記可逆熱変色性インクは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。また可逆熱変色性インクに含有される色材は、(A)電子供与性呈色性有機化合物、(B)電子受容性化合物、及び(C)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が好適に用いられる。可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、粒子径の平均値が0.5〜5.0μm、好ましくは1〜4μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が5.0μmを超える系では、ボールペンチップや多孔質ペン体の毛細間隙からの流出性が低下し、平均粒子径が0.5μm以下の系では高濃度の発色性を示し難くなる。可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、インキ組成物全量に対し、2〜50重量%(好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは、4〜30重量%)配合することができる。2重量%未満では発色濃度が不充分であり、50重量%を超えるとインキ流出性が低下し、筆記性が阻害される。
【0024】
可逆熱変色性インキにおける消去部2の擦過熱による変色温度は、好ましくは36℃〜95℃に設定される。即ち、本発明では、前記高温側変色点〔完全消色温度〕を、好ましくは、36℃〜90℃の範囲に設定し、前記低温側変色点〔完全発色温度〕を、好ましくは、−30℃〜+10℃の範囲に設定することが有効である。それにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持を有効に機能させることができるとともに、可逆熱変色性インキによる像または筆跡を消去部による擦過熱で容易に変色することができる。
【0025】
またインク8は、熱変色性インクでなく、消しゴムの擦過によって消去可能な消しゴム消去性インクでもよい。消しゴム消去性インクは、水と、平均粒子径1.0〜15μmの非熱可塑性着色樹脂粒子をインキ組成物全量に対して、3〜30重量%と、0.1〜10重量%の非着色粒子とを少なくとも含有することが必要である。本発明の水性インキに用いる着色樹脂粒子は、着色された樹脂粒子からなるものであり、非熱可塑性であり、かつ、平均粒子径が1.0〜15μmとなるものであり、例えば、樹脂粒子中に顔料からなる着色剤が分散された着色樹脂粒子、樹脂粒子の表面が顔料からなる着色剤で被覆された着色樹脂粒子、樹脂粒子に染料からなる着色剤が染着された着色樹脂粒子などが挙げられる。本実施形態では、着色樹脂粒子が非熱可塑性で上記平均粒子径を充足するものであれば、その構造〔中空構造あり、中空構造なし(密実)〕、形状(球状、多角形状、扁平状、繊維状)等は特に限定されるものでないが、好ましくは、優れた消しゴム消去性、筆記性、インキとしての経時安定性を発揮させる点から、ガラス転移点が150℃以上で熱分解温度に近く、更にはメルトフローインデックス値が0.1未満であるような分子内架橋を持つ粒子で粘着性を有せず、かつ、平均粒子径が1.0〜15μmとなる球状の着色樹脂微粒子の使用が望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、筆跡の消去性とインクの揮発防止性を両立しつつ、かつ消去具の配置によって筆記具の全長が長くなることを防ぐことができる産業上の利用可能性のある有益な発明である。
【符号の説明】
【0027】
1 キャップ本体
2 消去具(擦過部材)
3 シール部材
4 軸体
5 尾栓
6 筆記部
7 インク収容管
8 インク
9 インク追従体
11 嵌合部
12 凸部
21 開口部
22 内壁
23 段部
24 空間部
25 リブ
26 曲面部
27 鍔部
28 胴部
29 凹部
30 挿入部
【技術分野】
【0001】
本発明はボールペンインク、シャープ芯等の筆跡を消去することができる筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャップ本体の前端部に、熱変色性インクの筆跡を摩擦熱により変色させる摩擦体となる擦過部材を取り付け、キャップ本体の内部にペン先シール部材(以下、シール部材と称す)を配置した筆記具が開示されている(特許文献1)。前記従来の熱変色性インクは、揮発しやすいことからキャップ内部にシール部材を取り付けインクの揮発を防止する構造となっている。そこでキャップ本体に取り付ける2種類の部品(擦過部材及びシール部材)を、部品数が増加するとともに組立工程が増加し、製造コストの上昇を余儀なくされることを解消するために、キャップ本体に取り付ける部品の数を減少させ、製造コストを安価に抑えることができる筆記具用キャップ及び筆記具が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−123324号公報
【特許文献2】特開2009−208312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の発明は、擦過部材とシール部材とを別々に配置するとキャップや筆記具の長さが不必要に長くなってしまうので、従来の筆記具の全長より著しく長くなってしまい外観を損なうことがある。また、特許文献2に記載の発明では、一種の材質であるため、筆跡の消去性とインクの揮発防止性が十分に確保することが困難である。
そこで本発明は擦過部材の取り付けによる筆記具の全長が長くなることを防ぎつつ、筆跡の消去性とインクの揮発防止性を十分に確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は鋭意開発の末、以下の発明を実現するに至った。
(1)筆跡を擦過することで該筆跡を消去又は消色可能な消去具と、ペン先と密接してペン先前方を密封するシール部材と、前記消去具が前記シール部材を挟持し前方に装着したキャップ本体からなる筆記具用キャップであって、消去具はシール部材とは異なる材料から形成されてなることを特徴とする筆記具用キャップである。消去具内にシール部材を挟持させることでシール部材分とそれを配置する長手方向の長さ分の全長を短くすることができ、また消去具とシール部材とを異なる材料にすることによって、筆跡の消去性とインクの揮発防止性能を確保することができる。
(2)また、消去具内部において、消去具後方には開口部を形成し、前記開口部前方の内壁には長手方向に亘って中心軸線に向かって延びる複数のリブが設けられ、シール部材は前記複数のリブにより挟持されていることを特徴とする。シール部材を複数のリブにより挟持させることで、シール部材のクリープ変形によるインクの揮発防止性能の低下を防ぎ、消去具との保持力を安定して確保することができる。
(3)また、消去具はシール部材より硬度が高い材料で形成されていることを特徴とする。消去具をシール部材より硬度を高くすることで消去具内にシール部材を挟持した際でもシール部材の形状による消去具の外観への変形を防止することができる。
(4)上述の(1)〜(3)に記載された筆記具用キャップを軸体に嵌合し、消去性インクを軸体内に収容する筆記具である。
【発明の効果】
【0006】
以上により、本発明は筆跡の消去性とインクの揮発防止性を両立しつつ、かつ消去具の配置によって筆記具の全長が長くなることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態における筆記具の組キャップの部品図ある。
【図2】図1に示される筆記具の消去具の部品図である。
【図3】図1に示される筆記具の消去具とシール部材を組み立てた部品図である。
【図4】本発明の実施形態における筆記具の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明における各実施形態について図面を参照して説明する。
なお本明細書内において、前方とは筆記部側、後方とは筆記部側とは他端側のことをいう。
また消去とは、熱変色性インクを用いた筆記具においては筆記した線を変色又は消色状態にすることが可能なこと、消しゴム消去性インクを用いた筆記具においては筆記した描線、文字等を消しゴム等で吸着又は削ぎ落とすことが可能なことをいう。
【0009】
図1は、本発明の実施形態における筆記具用キャップの部品図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)の縦断面図である。キャップは、キャップ本体1と前方に筆跡を消去可能な消去具2、消去具2に嵌合された筆記部の揮発を防止可能なシール部材3からなる。
【0010】
キャップ本体1の前方には、擦過部材となる消去具2が装着されている。消去具2は、紙面等の被筆記面への筆跡に、消去具2を被筆記面に押圧して擦過することで筆跡を消去することができる。消去具2のキャップ本体1への装着方法は、図1では凹凸による嵌合となっているが、筆跡への擦過動作によって消去具が取り外れなければ圧入、接着、溶着等による方法でもよい。キャップ本体1の内面は円筒形に形成されているが、略中央部に円筒形の一部を面削ぎによって形成される嵌合部11がある。嵌合部11は本実施形態では4箇所形成され、嵌合部11によって筆記具の前方側端部又は後方側端部に嵌合することができる。
【0011】
キャップ本体1を形成する材料として、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)等の硬質プラスチックが好ましい。
【0012】
図2は、本発明の実施形態における筆記具の消去具2の部品図であり、図2(a)は左側面図、図2(b)は前方からの斜視図、図2(c)は正面図、図2(d)は図2(a)のA−A’断面図(図2(c)の縦断面図)、図2(e)は後方からの斜視図、図2(f)は右側面図である。
【0013】
消去具2の内部は後方から開口部21が形成され、開口部21の前方に向かって内壁22、段部23、空間部24が形成されている。開口部21の後方の開口径は内壁22の内径より拡径して形成されることで消去具2の挿入を容易にすることができる。消去具2の内壁22には、長手方向に亘って中心軸線に向かって延びる複数のリブ25が設けられ、シール部材3を弾性変形させつつ挟持する構造となっている。リブ25は、図面では6本となっているが、確実に挟持するにはリブ25の各々が略等間隔かつ軸心から対向に配置される4本以上あることが好ましい。組立工程においてシール部材3を消去具2内へ配置するとき、消去具2及びシール部材3がゴム弾性体からなることから、シール部材の挿入時に消去具も弾性変形するため、互いの寸法公差が多少ばらついても確実に配置することが可能となる。なお各リブ25、25・・・の内接円の径は、シール部材3のクリープ変形を防ぐため、シール部材3の外径より0.05〜0.1mm小さいことがより好ましい。消去具2内に空間が形成された空間部24は、曲面部26の表面上のヒケ(凹み)を防ぐことができる。
消去具2の外面は前方から曲面部26が形成され、後方に向かって鍔部27、胴部28挿入部30が形成されている。曲面部26は正面から見て一定の曲率を有することで適度な消去感を得ることができる。曲面部26の表面の表面粗さは、算術平均粗さRa=0.009μm〜0.014μmが好ましい。Raが0.009μmより滑らかだと被筆記面(例えば紙面)を滑り、Raが0.014μm以上であると被筆記面を不用意に引っ掛けて紙面を破く虞がある。鍔部27はキャップ本体1に装着する際にキャップ本体1の前方端部と当接することで、キャップの全長を安定させることができる。胴部28の略中間部には凹部29が形成されており、凸部12と嵌合による装着をすることができる。胴部28の後方に向かって縮径して形成された挿入部30は、外径をキャップ本体1の凸部12の内径より小径にすることでキャップ本体1への装着を容易にすることができる。
【0014】
消去部2は、ゴム弾性を有する材料からなることが好ましい。例えば、スチレン系エラストマー(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体など)、フッ素系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。特に熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの混合物からなり、その配合比率がそれぞれ重量比で1:1〜1:4であり、研磨剤、可塑剤、充填剤を含有しないことが好ましい。従来から存在している市販の消しゴムでも良いが、可塑剤を含有しない消去具にすることで消し屑が発生しにくい方がより好ましい。さらに、人体への安全性、他のプラスチックに接触した場合の接着による不具合の点から、ジブチルフタレート(フタル酸ジブチル)、ジオクチルフタレート(フタル酸ジオクチル)などの可塑剤を含有しないことが好ましい。また、研磨剤(研磨粒子)を含有しない理由は、紙面を傷めることなく筆跡を消去するために、研磨剤(研磨粒子)を含有しないものである。
【0015】
また、JIS K6253に規定されたデュロメータ硬度Aが70°〜100°となる材質とされた半硬質ゴム、硬質ゴムであることが必要であり、好ましくは、75°〜95°、更に好ましくは、80°〜93°となるものが好ましい。この硬度が70°未満であると、柔らかすぎて筆跡の消去が容易ではならなくなり、一方、100°を超えると、消去部2自体に柔軟性がないため、筆跡と紙面との接着力を上回る摩擦力が生じないため消去できないものとなる。
【0016】
また、指等による擦過、従来の市販の消しゴムによっては消すことができず、しかも、鉛筆による筆跡に対しては消去できない特性を備えると共に、紙面を更に傷つけない消去具を提供する点から、JIS S 6050(2002)に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%以下となるものが好ましい。なお、この試験で使用する鉛筆は、JIS S 6006に規定する鉛筆(HB)である。
【0017】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記材質中に、インク色と合わせて着色をつけるための着色剤、インク色のイメージを感じさせる香料などを混合してもよいものである。
【0018】
図3は、本発明の実施形態における消去具2とシール部材3を組み立てた部品図であり、図3(a)は左側面図、図3(b)は前方からの斜視図、図3(c)は正面図、図3(d)は図3(a)のA−A’断面図(図3(c)の縦断面図)、図3(e)は後方からの斜視図、図3(f)は右側面図である。消去具2の後方側の内壁22に形成された複数のリブ25によって挟持される。更に消去具2とシール部材3がゴム弾性を有する材料により、取り付けにおける密着性が互いの凝着力によって外れ難くなる。
【0019】
シール部材3は、消去具2内への入れやすさから球形状が好ましい。材料は消去具と異種の材料で、かつ消去具2より軟質な材料が好ましい。シール部材3をイソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴムなどによって形成される。特にブチルゴム(IIR)は加工性及び筆記部の先端の揮発防止性能をより一層向上させることができる。すなわち、ブチルゴムは、加工性に優れているだけでなく、種々のゴムの中でも特に気密性(ガスバリアー性)に優れる。このため、シール部材3をブチルゴムによって形成することにより、筆記部の先端の乾燥防止や、インク中の溶媒成分の揮発防止をより確実に図れるのである。または、シール部材3は、ニトリルゴム(NBR)にフタル酸エステル系の可塑剤を添加したゴム組成物で構成することもできる。フタル酸エステル系の可塑剤の添加量が0を超え15重量%未満の割合にすることにより、シール部材3のブリードアウトによる表面のベタツキを少なくし、これにより、筆記部の先端の汚れを防止しているのである。但しフタル酸エステル系の可塑剤の添加量を15重量%を超えると、表面のベタツキや、使用中のブリードアウトによりを抑えることが出来ず、チップの先端の汚れを誘発し、更に、ブリードアウトした成分によりインクが侵され、筆記不能となる危険性がある。
【0020】
また、シール部材3は、JIS K6253に規定されたデュロメータA硬度で、5°以上35°以下の軟質ゴムが好ましい。デュロメータA硬度で5°以上35°以下にすることにより、シール部材3の表面のベタツキにより筆記部の先端のシールが不完全にならないようにして、筆記部の先端の乾燥防止や、インク中の溶媒成分の揮発防止を十分に図っているのである。なお、デュロメータA硬度で35°以上では、シール部材3の反発弾性力が大きく、キャップの嵌合が外れやすくなり、筆記部の先端のシールが不完全になって、筆記部の先端の乾燥防止や、インク中の溶媒成分の揮発防止が十分に図れないおそれがある。一方、デュロメータA硬度で5°未満では、シール部材3の表面のベタツキが多くなり、これにより、筆記部の先端が汚れてしまったり、あるいはインクが変質してしまったりして、筆記具が筆記不能になってしまう虞がある。また、シール部材3のデュロメータA硬度が消去具2と異なる場合は、消去具2とグレード違いによる同種の材料を用いてもよい。
【0021】
図4は、本発明の実施形態における筆記具の全体図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は図4(a)の縦断面図である。筆記具用キャップを筆記具本体へ装着した際の嵌合について説明する。筆記具本体は、筆記リフィールを収容する軸体4と軸体4の後端部に羅合される尾栓5、軸体4に収容され前方先端からインク8を塗布する筆記部6、インク8を内部に充填するインク収容管7、インク8、インク8のインク収容管7からの漏洩や乾燥を防ぐインク追従体9、リフィール尾栓10からなる筆記リフィールで構成される。
【0022】
筆記具用キャップを軸体4に嵌合する際、筆記部6の前方側先端がシール部材3に埋没し、これにより、シール部材3が筆記部6の先端を覆うこととなるので、筆記部6の先端の乾燥防止が図られるとともに、インク8の溶媒成分の揮発防止が図られるのである。なお、図4に示される筆記部6はボールペンチップであり、シール部材3は便宜上、弾性変形していない状態で示されている。
【0023】
本実施形態におけるインク収容管7に充填されたインク8は、筆跡を消去具2で擦過することで消色又は変色可能な熱変色性インクを用いている。熱変色性インクは、可逆熱変色性インクが好ましい。又は可逆変色性インクではなく復色しない不可逆変色性インクでもよい。前記可逆熱変色性インクは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。また可逆熱変色性インクに含有される色材は、(A)電子供与性呈色性有機化合物、(B)電子受容性化合物、及び(C)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が好適に用いられる。可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、粒子径の平均値が0.5〜5.0μm、好ましくは1〜4μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が5.0μmを超える系では、ボールペンチップや多孔質ペン体の毛細間隙からの流出性が低下し、平均粒子径が0.5μm以下の系では高濃度の発色性を示し難くなる。可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、インキ組成物全量に対し、2〜50重量%(好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは、4〜30重量%)配合することができる。2重量%未満では発色濃度が不充分であり、50重量%を超えるとインキ流出性が低下し、筆記性が阻害される。
【0024】
可逆熱変色性インキにおける消去部2の擦過熱による変色温度は、好ましくは36℃〜95℃に設定される。即ち、本発明では、前記高温側変色点〔完全消色温度〕を、好ましくは、36℃〜90℃の範囲に設定し、前記低温側変色点〔完全発色温度〕を、好ましくは、−30℃〜+10℃の範囲に設定することが有効である。それにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持を有効に機能させることができるとともに、可逆熱変色性インキによる像または筆跡を消去部による擦過熱で容易に変色することができる。
【0025】
またインク8は、熱変色性インクでなく、消しゴムの擦過によって消去可能な消しゴム消去性インクでもよい。消しゴム消去性インクは、水と、平均粒子径1.0〜15μmの非熱可塑性着色樹脂粒子をインキ組成物全量に対して、3〜30重量%と、0.1〜10重量%の非着色粒子とを少なくとも含有することが必要である。本発明の水性インキに用いる着色樹脂粒子は、着色された樹脂粒子からなるものであり、非熱可塑性であり、かつ、平均粒子径が1.0〜15μmとなるものであり、例えば、樹脂粒子中に顔料からなる着色剤が分散された着色樹脂粒子、樹脂粒子の表面が顔料からなる着色剤で被覆された着色樹脂粒子、樹脂粒子に染料からなる着色剤が染着された着色樹脂粒子などが挙げられる。本実施形態では、着色樹脂粒子が非熱可塑性で上記平均粒子径を充足するものであれば、その構造〔中空構造あり、中空構造なし(密実)〕、形状(球状、多角形状、扁平状、繊維状)等は特に限定されるものでないが、好ましくは、優れた消しゴム消去性、筆記性、インキとしての経時安定性を発揮させる点から、ガラス転移点が150℃以上で熱分解温度に近く、更にはメルトフローインデックス値が0.1未満であるような分子内架橋を持つ粒子で粘着性を有せず、かつ、平均粒子径が1.0〜15μmとなる球状の着色樹脂微粒子の使用が望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、筆跡の消去性とインクの揮発防止性を両立しつつ、かつ消去具の配置によって筆記具の全長が長くなることを防ぐことができる産業上の利用可能性のある有益な発明である。
【符号の説明】
【0027】
1 キャップ本体
2 消去具(擦過部材)
3 シール部材
4 軸体
5 尾栓
6 筆記部
7 インク収容管
8 インク
9 インク追従体
11 嵌合部
12 凸部
21 開口部
22 内壁
23 段部
24 空間部
25 リブ
26 曲面部
27 鍔部
28 胴部
29 凹部
30 挿入部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆跡を擦過することで該筆跡を消去又は消色可能な消去具と、ペン先と密接してペン先前方を密封するシール部材と、前記消去具が前記シール部材を挟持し前方に装着したキャップ本体からなる筆記具用キャップであって、消去具はシール部材とは異なる材料から形成されてなることを特徴とする筆記具用キャップ。
【請求項2】
消去具内部において、消去具後方には開口部を形成し、前記開口部から前方側の内壁には長手方向に亘って中心軸線に向かって延びる複数のリブが設けられ、シール部材は前記複数のリブにより挟持されていることを特徴とする請求項1記載の筆記具用キャップ。
【請求項3】
消去具はシール部材より硬度が高い材料で形成されていることを特徴とする請求項2記載の筆記具用キャップ。
【請求項4】
軸体の内部に消去性インクを収容し、請求項1〜3記載の筆記具用キャップを前記軸体に嵌合したことを特徴とする消去性インクを有する筆記具。
【請求項1】
筆跡を擦過することで該筆跡を消去又は消色可能な消去具と、ペン先と密接してペン先前方を密封するシール部材と、前記消去具が前記シール部材を挟持し前方に装着したキャップ本体からなる筆記具用キャップであって、消去具はシール部材とは異なる材料から形成されてなることを特徴とする筆記具用キャップ。
【請求項2】
消去具内部において、消去具後方には開口部を形成し、前記開口部から前方側の内壁には長手方向に亘って中心軸線に向かって延びる複数のリブが設けられ、シール部材は前記複数のリブにより挟持されていることを特徴とする請求項1記載の筆記具用キャップ。
【請求項3】
消去具はシール部材より硬度が高い材料で形成されていることを特徴とする請求項2記載の筆記具用キャップ。
【請求項4】
軸体の内部に消去性インクを収容し、請求項1〜3記載の筆記具用キャップを前記軸体に嵌合したことを特徴とする消去性インクを有する筆記具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−250347(P2012−250347A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122047(P2011−122047)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】
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