説明

管腔内の選択的な薬剤デリバリ

コーティングまたは流体デリバリ・チャネルを通した管腔内の選択的な薬剤または流体のデリバリのための方法およびシステムが開示される。1つのシステムは、間に軸を備えた近位端部および遠位端部を有する細長いカテーテルであって、遠位端部近くの径方向に膨張可能なバルーンと、バルーンの近位の、エネルギーの伝送のためのエネルギー・デリバリ部分とを有する、カテーテルと、バルーンに結合された放出可能な薬剤を有する熱変化可能なコーティングであって、膨張可能なバルーンが膨張するときに体組織に対して付勢されるように配向された熱変化可能なコーティングと、熱変化可能なコーティングを加熱し液化して薬剤を体組織に放出するためにエネルギー・デリバリ部分に通電するように構成されたエネルギー・デリバリ部分に動作可能に結合されたエネルギー源とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互引用)
本発明は、そのすべての開示が全体的に参照によって本明細書に組み込まれる、2008年11月14日出願の米国仮出願第61/114,958号の米国特許法第119条(e)項の下での利益を主張するものとする。
連邦政府後援研究開発の下で実施された発明の権利に関する声明
【0002】
該当なし。
(技術分野)
【0003】
本発明は、一般に、医療デバイス、システム、および方法に関する。特に、本発明は、カテーテル・ベースの治療システムを用いて管腔の周りに配設されている体組織に選択的に薬剤をデリバリするための方法およびシステムを提供する。
【背景技術】
【0004】
医師は、体の内部組織、特に血管などの体の管腔内にアクセスし、それを修復するためにカテーテルを使用する。たとえば、アテローム動脈硬化症によって狭められた動脈を開くために、バルーン血管形成カテーテルおよび他のカテーテルが使用されることが多い。バルーン血管形成は、閉塞した血管を開くときに効果的であることが多いが、バルーン拡張に関連する外傷が、かなりの創傷を課す恐れがあり、それにより、バルーン拡張の利点は、時間的に限定されることがある。
【0005】
ステント留置は、バルーン拡張と併せて、アテローム動脈硬化症の好ましい治療であることが多い。ステント留置では、畳まれた金属フレーム枠が、体内に導入されるバルーン・カテーテル上に装着される。ステントは、閉塞の部位に入るよう操作され、下にあるバルーンの拡張によって所定位置で膨張される。ステント留置は、幅広い指示を受けており、多くの事例において一般的に受け入れられる結果を生み出している。血管(特に冠状動脈)の治療と共に、ステントはまた、生殖性閉塞症、胃腸閉塞症および肺閉塞症の治療などの体内の多くの他の管状閉塞を治療する際にも使用可能である。ステント留置後の再狭窄または身体管腔のその後の狭小化が、極めて多くの事例で起こっている。
【0006】
さまざまな改変された再狭窄治療または再狭窄阻害治療モダリティもまた提案されてきており、これらは、血管内放射、低温処置、超音波エネルギーおよび同様のものを含み、バルーン血管形成および/またはステント留置と組み合わせることが多い。これらのかつ異なる手法は、血管形成およびステント留置後の血流におけるその後の低下を低減することに関してさまざまな期待度を示しているが、血管形成によって最初に組織に課される外傷は、解決が難しいままである。
【0007】
ステント留置およびバルーン血管形成に対するいくつかの代替策が、狭窄した動脈を開くために提案されてきている。たとえば多種多様なアテローム切除デバイスおよび技術が、開示され、試みられている。血管形成およびステント留置が欠点および限界を有するにも関わらず、アテローム切除術は、拡張ベースの手法の広範な使用および成功率は得られていない。ごく最近では、拡張のさらなる別の欠点が明らかになってきた。これらの欠点として、心筋梗塞または心臓まひを引き起こし得る物質を破裂および放出させる恐れがある、不安定プラークの存在が挙げられる。
【0008】
ごく最近では、(Johnson and Johnson社のCypherステント、シロリムス(Sirolimus)を含む関連する薬剤などの)薬剤コーティングされたステントが、再狭窄率の著しい低減を実証しており、他のものは、開発および商用化中の代替の薬剤溶出ステントである。薬剤溶出ステントは、多くの患者においてアテローム動脈硬化症の治療に大きな展望を与えることが明らかであるが、ステントを使用できない、またはステントが大きな欠点を呈する多くの事例が依然として存在している。一般に、ステント留置は、体内にインプラントを残す。そのようなインプラントは、特にインプラントの除去が、困難であり、侵襲的手術を伴うとき、機械疲労、腐食、血栓形成などを含むリスクを呈する恐れがある。ステント留置は、散在性動脈疾患を治療する、分岐部を治療する、圧壊に影響を受けやすい体の領域を治療する、および捻転、伸長、および短縮を被る動脈を治療することに関しては、さらなる欠点を有することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に照らして、上記で説明した薬剤溶出(エリューディング)ステントおよびそのデバイスに関連する欠点を回避する、動脈組織への選択的な流体デリバリのための方法およびシステムを提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一般に、管腔の周りに配設されている体組織への選択的な薬剤または流体デリバリのためのデバイス、システム、および方法を提供する。
【0011】
第1の態様では、本発明は、管腔の周りに配設されている体組織への選択的な薬剤デリバリのためのシステムを備える。システムは、近位端部および遠位端部を有する細長い可撓性のカテーテル本体であって、カテーテル本体の遠位端部近くに径方向に膨張可能なバルーンを備えるカテーテル本体を含む。エネルギー・デリバリ表面が、膨張可能なバルーンの周りに配設され、熱変化可能な薬剤コーティングが、バルーンに結合され、エネルギー・デリバリ表面および熱変化可能なコーティングは、膨張バルーンが膨張するときに体組織に対して付勢されるように配向される。エネルギー源が、熱変化可能なコーティングを加熱し液化して薬剤を体組織に放出するために、エネルギー・デリバリ表面に通電するように構成されたエネルギー・デリバリ表面に動作可能に結合される。
【0012】
別の態様では、本発明は、管腔内の選択的な薬剤デリバリのための方法を含む。方法は、管腔の周りに配設されている体組織を、膨張可能なバルーンが膨張するとき、エネルギー・デリバリ表面およびカテーテルの遠位端部近くの径方向に膨張可能なバルーン上に配設された放出可能な薬剤を有する熱変化可能なコーティングに係合させることと、熱変化可能な薬剤コーティングの部分を加熱し液化するためにエネルギー・デリバリ表面に選択的に通電することと、薬剤をコーティングから体組織内に放出することとを含む。
【0013】
多くの実施形態では、エネルギー・デリバリ表面は、複数の電極を備え、エネルギー源は、複数の電極に動作可能に結合され、その結果、電極対に選択的に通電して熱変化可能なコーティングの一部分を電極対の間で加熱し液化して薬剤を体組織に放出する。多くの実施形態では、管腔の体組織は、罹患した部分を含み、選択電極対は、罹患した部分の近位の熱変化可能なコーティングを選択的に加熱するように通電される。
【0014】
多くの実施形態では、エネルギー・デリバリ表面は、膨張可能なバルーンの周りに配設された複数の電極を備え、その結果、バルーンが管腔内で膨張されたとき、電極が組織と径方向に結合されたとき、およびエネルギーが電極と組織の間に伝送されたときに組織内に複数のリモデリング・ゾーンを画定する。
【0015】
多くの実施形態では、体組織を特徴付けるように構成された組織分析器をさらに備える。
【0016】
多くの実施形態では、エネルギー・デリバリ表面は、特徴付けられた体組織に応答して薬剤を放出するために熱変化可能なコーティングを加熱するように通電される。
【0017】
多くの実施形態では、管腔の体組織は、罹患した部分を含み、選択電極対は、罹患した部分の近位の熱変化可能なコーティングを選択的に加熱するように通電される。
【0018】
多くの実施形態では、エネルギー・デリバリ表面は、薬剤デリバリと組み合わせて体組織を加熱するように通電される。
【0019】
多くの実施形態では、熱変化可能な薬剤コーティングは、2つ以上の薬剤を含む。
【0020】
多くの実施形態では、薬剤は、治療流体、麻酔薬剤、治療薬剤、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物の少なくとも1つ、または上記の組合せから選択される。
【0021】
別の態様では、本発明は、管腔の周りに配設されている体組織への薬剤デリバリのためのカテーテル・システムを備える。システムは、近位端部および遠位端部と、カテーテル本体の遠位端部近くの径方向に膨張可能なバルーンと、膨張可能なバルーンの周りに配設されているエネルギー・デリバリ表面とを有する細長い可撓性のカテーテル本体を含む。バルーンに共有結合された熱放出可能な薬剤部分および不活性部分を有する複数の生体分子、ならびに生体分子を加熱して薬剤部分を体組織に放出するためにエネルギー・デリバリ表面に動作可能に結合されたエネルギー源。
【0022】
別の態様では、本発明は、管腔内の流体デリバリのための方法を含む。方法は、管腔の周りに配設されている体組織を、膨張可能なバルーンが膨張するとき、エネルギー表面、ならびにカテーテルの遠位端部近くのバルーンに共有結合された熱放出可能な薬剤部分および不活性部分を有する複数の生体分子に係合させることと、生体分子を加熱するためにエネルギー・デリバリ表面に通電することと、薬剤部分を生体分子から体組織内に放出することとを含む。
【0023】
多くの実施形態では、エネルギー・デリバリ表面は、複数の電極を備え、エネルギー源は、複数の電極に動作可能に結合され、その結果、電極対に選択的に通電して生体分子を電極対間で加熱して薬剤部分を体組織に放出する。
【0024】
多くの実施形態では、管腔の体組織は、罹患した部分を含み、選択電極対は、罹患した部分の近位の生体分子を選択的に加熱するように通電される。
【0025】
多くの実施形態では、エネルギー・デリバリ表面および生体分子は、膨張可能なバルーンが膨張するときに体組織に対して付勢されるように配向される。
【0026】
多くの実施形態では、体組織を特徴付けるように構成された組織分析器をさらに備え、エネルギー・デリバリ表面は、特徴付けられた体組織に応答して薬剤部分を放出するために生体分子を加熱するように通電される。
【0027】
多くの実施形態では、エネルギー・デリバリ表面は、薬剤デリバリと組み合わせて体組織を加熱するようにさらに通電される。
【0028】
多くの実施形態では、生体分子は、2つ以上の放出可能な薬剤を含む。
【0029】
多くの実施形態では、薬剤部分は、治療流体、麻酔薬剤、治療薬剤、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物の少なくとも1つ、または上記の組合せから選択される。
【0030】
別の態様では、本発明は、管腔の周りに配設されている体組織への選択的な流体デリバリのためのカテーテル・システムを備える。システムは、近位端部および遠位端部を有する細長い可撓性のカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端部近くの径方向に膨張可能な構造と、膨張可能な構造が膨張するときに体組織に対して付勢されるように配向された複数の流体デリバリ・チャネルであって、最初に熱変化可能な材料によってブロックされている流体デリバリ・チャネルと、熱変化可能な材料を加熱し液化して流体放出に合わせて流体デリバリ・チャネルの1つまたは複数を選択的に開放するために、流体デリバリ・チャネルに動作可能に結合されたエネルギー源コネクタとを含む。
【0031】
別の態様では、本発明は、管腔の周りに配設されている体組織への選択的な流体デリバリのためのカテーテル・システムを備える。システムは、近位端部および遠位端部を有する細長い可撓性のカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端部近くの径方向に膨張可能な構造と、膨張可能な構造が膨張するときに管腔の体組織に対して付勢されるように配向された複数の流体デリバリ・チャネルであって、最初は閉鎖されている流体デリバリ・チャネルと、1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放し、管腔内で流体を放出するように流体デリバリ・チャネルに結合された複数の微小電気機械システム(MEMS)とを含む。
【0032】
別の態様では、本発明は、管腔内の選択的な流体デリバリのための方法を含む。方法は、管腔の周りに配設されている体組織を、膨張可能な構造が膨張するとき、カテーテルの遠位端部近くの径方向に膨張可能な構造上の複数の流体デリバリ・チャネルに係合させることと、1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放することと、流体を選択流体デリバリ・チャネルから管腔内に放出することとを含む。
【0033】
多くの実施形態では、複数の流体デリバリ・チャネルは、膨張可能な構造から突き出て管腔の体組織を貫通する。
【0034】
多くの実施形態では、治療される体組織を特定するために体組織を特徴付けるように構成された組織分析器と、特定された体組織を治療するために特徴付けられた体組織に応答して1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放または閉鎖することとをさらに含む。
【0035】
多くの実施形態では、流体デリバリ・チャネルは、特徴付けられた体組織に応答して1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放するように選択的に通電され得る。
【0036】
多くの実施形態では、径方向の膨張可能な構造は、バルーンを備え、流体デリバリ・チャネルは、バルーンの円周上に装着される。
【0037】
多くの実施形態では、径方向に膨張可能な構造は、膨張可能なバスケットを備え、流体デリバリ・チャネルは、バスケットの円周上に装着される。
【0038】
多くの実施形態では、管腔の体組織は、罹患した部分を含み、選択電極は、罹患した部分の近位の1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放するように通電される。
【0039】
多くの実施形態では、選択電極は、管腔内の流体の放出と共に体組織を加熱するように通電される。
【0040】
多くの実施形態では、1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放することは、選択流体デリバリ・チャネルを加熱して流体デリバリ・チャネルを最初に閉鎖する熱材料を液化するために選択流体デリバリ・チャネルに結合された電極に選択的に通電することを含む。
【0041】
多くの実施形態では、流体は、セラミド、スラミン、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムス、ゾタロリムス、エベロリムス、治療流体、麻酔薬剤、治療薬剤、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物の少なくとも1つ、または上記の組合せから選択される。
【0042】
さらに別の態様では、本発明は、管腔内の選択的な流体デリバリのための方法を含む。方法は、管腔の周りに配設されている体組織を、膨張可能な構造が膨張するとき、カテーテルの遠位端部近くの径方向に膨張可能な構造上の複数の流体デリバリ・チャネルに係合させることを含み、バルーン材料は、ある固定された孔サイズの膜であり、バルーン表面に隣接する流体にエネルギーを印加する、またはこれを加熱することにより、特有の分子が、エネルギー/熱源のスイッチが入れられるまたは切られることにより、特有の時間の間、特有の領域において膜を通り抜けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】管腔の周りに配設されている体組織への選択的な薬剤デリバリのためのコーティングを有するカテーテル・システムの1つの実施形態の概略図である。
【図2】図1のカテーテル・システムにおいて使用するためのインフレータブル・バルーンの1つの実施形態の概略図である。
【図3A】図2のバルーンの概略断面図である。
【図3B】図2のバルーンの拡大図である。
【図4A】電極を覆うコーティングの概略図である。
【図4B】電極を覆うコーティングの概略図である。
【図5】組織を治療する際のアプタマーの使用を示す概略図である。
【図6】薬剤デリバリの前、その間、またはその後で双極エネルギー治療で使用する電極対の配置の概略図である。
【図7】管腔の周りに配設されている体組織への選択的な流体デリバリのための流体デリバリ・チャネルを有するカテーテル・システムの別の実施形態の概略図である。
【図8A】バルーンの表面上に装着された電極に結合された、バルーンを通る流体デリバリ・チャネルを示す図7のバルーンの断面図である。
【図8B】バルーンの表面上に装着された電極に結合された、バルーンを通る流体デリバリ・チャネルを示す図7のバルーンの拡大断面図である。
【図9A】バルーン表面に共有結合によって結合された熱放出可能な活性部分および不活性部分を有する生体分子を用いた組織治療を示す断面概略図である。
【図9B】バルーン表面に共有結合によって結合された熱放出可能な活性部分および不活性部分を有する生体分子を用いた組織治療を示す断面概略図である。
【図10】管腔の周りに配設されている体組織への選択的な薬剤デリバリのための膜を有するバルーンの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
多くの治療法が、伝統的なバルーン血管形成およびステントに置き換わるまたはこれを改良するために開発されてきた。背景技術で説明した代替のデバイスは、動脈内の罹患した組織を切断する、切除する、または蒸発させるものである。たとえばレーザデバイスは、プラークを蒸発させ、これを下流側に洗い流す。アテローム切除術デバイスは、プラークを摘出し、これを本体の外へ吸引する。カッティング・バルーンは、動脈壁を切開して組織に損傷を与える。簡単な血管形成バルーンであっても、組織に外傷を与える。切断しない、切除しないまたは蒸発させない体組織に対する治療を提供することが有利である。
【0045】
本発明は、管腔内の体組織への流体の選択的なデリバリのための、特に管腔内の選択的な薬剤デリバリのためのシステムおよび方法を開示する。選択的なデリバリはまた、薬剤がデリバリされる時および場所、ならびにデリバリされる薬剤量を制御することもできる。
【0046】
本開示は、セラミド、スラミン、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムス、ゾタロリムス、エベロリムス、(麻酔用または治療用)薬剤などの薬剤デリバリに焦点を当てているが、多くの他の適切な流体もまた体組織にデリバリすることができ、たとえばこれらは、治療流体、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物、または上記の組合せである。
【0047】
本発明の一部の実施形態では、薬剤は、管腔内側に入った時点で熱的に放出されて選択的に組織を治療するバルーン・カテーテル上のコーティング内に組み込まれる。他の実施形態では、流体または薬剤は、組織を選択的に治療するためにカテーテル・システム内の流体デリバリ・チャネルを通ってデリバリされてよい。さらに他の実施形態では、複数の流体または薬剤は、コーティングの一部として、流体デリバリ・チャネルを通って、膜を貫通する熱浸透によって、またはその任意の組合せによってデリバリされてよい。一部の実施形態では、薬剤は、1つの組織部位においてデリバリされてよく、一方で他の実施形態は、薬剤の部分をさまざまな部位にデリバリすることができる。
【0048】
本発明の一部の実施形態は、加熱を使用して薬剤コーティングを放出する。他の実施形態は、流体または薬剤のデリバリを、組織へのデリバリの前、その間、またはその後の組織の加熱と組み合わせる。RF、超音波、マイクロ波、およびレーザ・エネルギーを用いて動脈組織を加熱するためのデバイスは、同時継続の米国特許出願第11/975,474号、同第11/975,383号、同第11/122,263号、および米国特許仮出願第61/099,155号で開示され、その全体の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0049】
血管形成手順中の薬剤デリバリ
【0050】
本発明の一部の実施形態は、血管形成手順中、加熱と組み合わせた管腔内の薬剤デリバリのためのシステムおよび方法を提供する。薬剤が開示されているが、(以下で論じる)タンパク質、細胞および/または分子もまたデリバリされてよい。血管形成手順自体は、管腔を開く手順である。加熱は、病変の軟化および収縮を引き起こして、プラークが、バルーン周りでより容易に新しい形になることを可能にしながら、血管の伸張を回避、したがって血管の外傷を回避する。薬剤は、血管形成手順および加熱プロセス中に放出される。血管形成手順中の薬剤デリバリ治療は、以下の組合せとなる:
・圧力−管腔を開くためのバルーンによるもの。圧力は、10〜16気圧の標準的な血管形成拡張圧力でよく、あるいは6気圧以下、場合によっては1から2気圧の低さのより弱い拡張圧力でよい。
・加熱−病変を軟化および縮小させるためのRFエネルギーによるもの。加熱もまた、(以下に論じる)薬剤または薬剤デリバリに関連する他の利益を有する。
・薬剤/タンパク質/細胞/分子−手順中に放出されるもの。
【0051】
薬剤/分子/タンパク質/細胞要素は、1つの成分、または以下などの他の成分の組合せから構築され得る。
1.薬剤:平滑筋細胞(SMC)の増殖および/または中膜から内膜への移動の防止または低減を可能にする任意の分子、たとえばセラミド、スラミン、ラパマイシンおよびパクリタキセル。組織の加熱は、薬剤を病変または組織内におよびより深く中膜内にデリバリするのを助けるにあたって重量な役割を果たし得る。
2.タンパク質:病変内側の炎症の低減および治癒を可能にする、またはSMC増殖および移動の防止または低減を可能にする、抗炎症性タンパク質、抗体および他の種類のタンパク質。細胞アポトーシスまたは腫瘍症を誘発するタンパク質を使用することもできる。加熱は、治療中、これらのタンパク質を活性化するにあたり、また手順中にすばやく加熱される場合、タンパク質への組織の最長時間の暴露を可能にするにあたり、重要な役割を果たすことができる。タンパク質が手順中に活性化されることを確実にするために、タンパク質の半減期を考慮しなければならない。タンパク質の半減期は、その特定のタンパク質のタンパク質プールの任意の半分が残されるまでにかかる時間である。ヒトのタンパク質の場合、これは、数分から80時間の範囲である。タンパク質溶出バルーンを使用するには、バルーンは、より低い温度(<0℃)に維持される必要があり、そのためにタンパク質は、損なわれず、破壊されない。タンパク質の数種は、アデノシン−5’−三リン酸(ATP)と称される分子に組み合わせられてよい。ATPは、細胞内エネルギー伝達の「分子通貨」として重要である多機能ヌクレオチドである。1つの例では、バルーンは、タンパク質で覆われ、電極は、ATPで覆われ(またはその反対)、タンパク質は、バルーンの膨張によって放出され、ATPは、エネルギーが電極から発せられたときに放出される(またはその反対)。
3.細胞:内皮細胞などの細胞、または手順中、病変に移動することができる任意の他のタイプの細胞でバルーンをコーティングし、ここでは、これらの細胞は、タンパク質または抗体を放出して炎症を治癒し、またはSMC増殖および移動を防止する。この場合の熱は、手順中、細胞を活性化するためのものでもある。
4.付着することができる、または熱ショックタンパク質(HSP)に付着したときに活性化することができる分子またはタンパク質。HSPは、細胞が高温または他の応力に晒されたときにその発現が増大するタンパク質の群である。たとえば、HSP27は、平滑筋細胞(SMC)の移動において機能する。この場合、RFエネルギーおよびその加熱は、SMC内側のHSP27の上昇をもたらすため、抗HSP27抗体を用いることによって、任意の薬剤/分子またはタンパク質をSMCに対して直接使用することができる。この概念は、再狭窄を防止する目的で、他の分子またはタンパク質を使用して、病変内および中膜内で他のタンパク質または細胞を結合、分解、阻害または活性化するために、熱および熱効果を使用することである。
【0052】
薬剤デリバリ・コーティング
【0053】
図1は、管腔の周りに配設されている体組織への選択的な薬剤デリバリのための放出可能なコーティングを有するカテーテル・システム10の1つの実施形態である。カテーテル・システム10は、近位端部16および遠位端部18を備えたカテーテル本体14を有するバルーン・カテーテル12を含む。カテーテル本体14は、可撓性であり、カテーテル軸15を画定し、ガイドワイヤ管腔22および膨張管腔24などの1つまたは複数の管腔を含むことができる。カテーテル12は、遠位端部18に隣接するインフレータブル・バルーン20と、近位端部16に隣接するハウジング29とを含む。ハウジング29は、ガイドワイヤ管腔22と連通する第1のコネクタ26と、膨張管腔24と流体連通する第2のコネクタ28とを含む。膨張管腔24は、バルーン20と第2のコネクタ28の間を延びる。第1および第2のコネクタ26、28の両方は、任意選択で、Luer−Loc(商標)コネクタなどの標準コネクタを備えることができる。遠位先端部は、ガイドワイヤの通過を可能にする内蔵チップ弁および同様のものを含むことができる。
【0054】
ハウジング29はまた、電気コネクタ38も収容する。コネクタ38は、導体36を介して電極34に各々が電気的に接続された複数の電気接続を含む。これにより、電極34を容易に通電することが可能になり、電極は、制御器40およびRFエネルギーなどの電源42によって通電されることが多い。1つの実施形態では、電気コネクタ38は、制御器40を介してRF発生器に結合され、このとき制御器40は、エネルギーを電極34に選択的に方向付けることを可能にする。RFエネルギーが開示されてきたが、所望のエネルギーをデリバリするように構成されたエネルギー・デリバリ部分を各々が有する、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー、またはレーザ・エネルギーなどの他の適切なエネルギー源が使用されてよい。そのすべての開示が参照によって本明細書に組み込まれた、同時継続の米国特許仮出願第61/099,155号を参照のこと。
【0055】
一部の実施形態では、制御器40は、治療を制御または記録するために、プロセッサを含んでよく、またはプロセッサに結合されてよい。プロセッサは通常、本明細書において説明した方法の1つまたは複数の一部またはすべてを実施するための機械可読プログラム命令またはコードを実行する1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサ・ユニットをしばしば含む、コンピュータハードウエアおよび/またはソフトウエアを備える。コードは、(任意選択で読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、非揮発メモリまたは同様のものなどの)メモリなどの有形的表現媒体および/または(フロッピーディスク、ハードドライブ、CD、DVD、非揮発性ソリッド・ステートのメモリ・カードまたは同様のものなど)の記録媒体内で具現化されることが多い。コードおよび/または関連するデータおよび信号もまた、(無線ネットワーク、イーサネット、インターネット、イントラネットまたは同様のものなどの)ネットワーク接続を介してプロセッサにまたはプロセッサから送信されてもよく、コードの一部またはすべてもまた、カテーテル・システム10の構成要素間およびプロセッサ内で、1つまたは複数のバスを介して送信されてよく、適切な標準のまたは独自の通信カード、コネクタ、ケーブル、および同様のものが、プロセッサ内に含まれることが多い。プロセッサは、単一のプログラム、一連の別個のサブルーチンまたは関連するプログラムまたは同様のものとして書きこまれてよいソフトウエアコードを用いて少なくとも部分的にプロセッサをプログラミングすることによって、本明細書において説明した計算および信号送信のステップを実施するように構成されることが多い。プロセッサは、標準または独自のデジタルおよび/またはアナログ信号処理ハードウエア、ソフトウエアおよび/またはファームウエアを備えることができ、通常は、患者の治療中、本明細書において説明した計算を実施するのに十分な処理力を有することになり、プロセッサは、任意選択で、パーソナル・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、独自処理ユニットまたはその組合せを備える。最新のコンピュータ・システムに関連する標準または独自の入力デバイス(マウス、キーボード、タッチスクリーン、ジョイスティックなど)および出力デバイス(プリンター、スピーカー、ディスプレイなど)もまた含まれてよく、複数の処理ユニット(またはさらに別個のコンピュータ)を有するプロセッサが、広範囲の中央または分散データ処理アーキテクチャにおいて使用されてよい。
【0056】
バルーン20が、図2により詳細に示される。バルーン20は、全体的に、膨張管腔24に結合された近位部分30と、ガイドワイヤ管腔22に結合された遠位部分32とを含む。バルーン20は、流体またはガスで膨張させたとき径方向に膨張する。一部の実施形態では、流体またはガスは、非導電性でよくおよび/または冷却されてよい。一部の実施形態では、バルーン20は、動脈組織と接触するように加圧される低圧のバルーンでよい。他の実施形態では、バルーン20は、動脈組織の加熱および動脈管腔の膨張の両方を行うためにより高い圧力を可能にする血管形成バルーンである。バルーン20は、バルーンを、径方向に膨張した膨張形状から特に使用後の取り出しのために薄型形状の形に再構成することを容易にするために螺旋状の折畳み部を有するコンプライアント(compliant)・バルーンまたはノンコンプライアント(non−compliant)・バルーンを備えることができる。
【0057】
電極34が、バルーン20の表面上に装着され、このとき関連する導体36は、電極から近位に延びている。電極34は、バルーン20上で多くの異なるパターンまたは配列で配置され得る。システムは、エネルギーの単極または双極の印加のために使用され得る。双極エネルギーのデリバリの場合、隣り合う電極は、軸方向にオフセットして、双極エネルギーを隣接する円周方向(軸方向オフセット)の電極間に方向付けることを可能にする。他の実施形態では、電極をバルーンの周りにバンド状に配置して、双極エネルギーを隣接する遠位電極と近位電極間に方向付けることを可能にしてよい。
【0058】
コーティング35が、図3Aおよび3Bに示すなどのように、バルーン20に結合され、電極34間に配置される。コーティング35は、標的組織にデリバリされる流体または薬剤を含む。コーティングは、体内温度以上の(37Cより大きい)温度でバルーン表面から放出されるように熱的に活性化され、構成される。この狙い(idea)は、エネルギーデリバリまたは熱を有し、コーティング化合物の相を固体から液体に変化させ、薬剤を放出することである。この温度上昇は、RFエネルギーを用いて電極34を活性化することを含む。エネルギーが増大するとき、電極34間のコーティング35は、加熱され、局所組織48に熱的に放出される。コーティング35は、分離または剥離することなくバルーン20と共に折り畳むことができるように耐久性のまたは可撓性のものである。この機構は、小さいまたは大きい分子薬剤または医薬製品を放出することができる。薬剤は、固体のゲル形態でよい。
【0059】
一部の実施形態では、第2のコーティング35Aを使用して図4Aに示すなどのように電極34を覆うことができる。第2のコーティング35Aは、電極34上の絶縁コーティングでよい。第2のコーティング35Aは、ステントなどの管腔内の金属体の内側を治療するときに使用されるが、その理由は、電極34が金属と接触する場合、これらが短絡することがあり、治療が終了することになるためである。電極34が、金属物で短絡できないような電気特性を有する材料でコーティングされる場合、治療は、金属物と接触する場合であっても継続することができる。これにより、カテーテル・システム10が、ステントのような物体の内側を治療することが可能になる。第2のコーティング35Aもまた、図4Bに示すように、電極34を組織48から絶縁するように作用することができ、それにより、組織48中のエネルギーの流れが停止/制止され、エネルギーがコーティング35中に送られ、コーティング35のみが電極34間で加熱され、薬剤が組織48に放出される。第2のコーティング35Aはまた、コーティング35とは異なる薬剤を含むこともできる。
【0060】
多くのタイプの薬剤が、コーティング内に含まれてよい。たとえば、コーティングは、(Cypher(商標)ステントで使用される)シロリムス、(Taxus(商標)ステント内で使用される)パクリタキセル、(Endeavour(商標)ステントで使用される)ゾタロリムス、および(XienceV(商標)ステント内で使用される)エベロリムスなどの薬剤溶出(エリューディング)ステント内で現在使用されている薬剤を含むことができる。
【0061】
本発明の一部の実施形態は、RFエネルギー源が活性化されたときなどの加熱されたときに容易に分解される基質を用いてバルーン20にコーティングされたアプタマー52を含むことができる。アプタマーは、小分子、タンパク質、核酸、さらに細胞、組織および細菌などのさまざまな分子標的に非常に特有に結合するように工学操作され得る。アプタマー52は、管腔または動脈内で、プラークなどの治療される所望の組織48と結合54するように合成され得る。
【0062】
カテーテル・システム10が電力供給されず、バルーン20が縮小されている間、アプタマー52を有するコーティング35は、バルーン20上に残存する。バルーン20が膨張され、エネルギーユニットの電源が入れられた時点で、コーティングが放出され、アプタマー52は、図5に示すなどの所望の組織と結合する。一部の実施形態では、アプタマー52は、カテーテル・システム10によって発せられたRFエネルギーなどのエネルギー58に高度に受容可能であるミクロビード56に共役接合される。ビード56は、RFエネルギーを、アプタマー52が接触している組織に直接かつそれのみに向ける熱エネルギーに変換する。
【0063】
アプタマーは、抗体とほぼ同じ方法で分子の表面に結合する核酸である。アプタマーと抗体の間の1つの重要な相違は、アプタマーは、化学合成によって生成可能であるが、抗体は、最初に動物、次いで培養または発現系において生物学的に生成されることである。別の重要な相違は、アプタマーは非常に安定的であり、温度を含むその周囲環境に影響を受けにくいことである。
【0064】
一部の実施形態では、コーティング35は、プラーク軟化特性を有する化学溶媒を含むことができる。エーテル、クロロホルム、ベンゼン、およびアセトンが、脂質溶媒として知られている。さらに、アミノ酸、タンパク質、炭水化物および核酸は、これらの溶媒にほとんど溶けない。溶媒が組織加熱と共に使用される場合、組織治療は、より短時間でより少ないエネルギーを必要とし得り、健康な組織に対する損傷の機会を減少させる。組織がカルシウム堆積物を含む場合、脂質溶媒をプラークにデリバリするために使用される同じプロセスが、カルシウム溶媒を石灰化部位にデリバリするために使用され得る。カルシウムは、さまざまな有機溶媒に非常に溶けやすい。いずれの場合も、溶媒は、熱またはRFエネルギーの印加に伴ってまたはバルーンが膨張されたときに分解されるコーティングと共にバルーンの表面に結合される。
【0065】
一部の実施形態では、コーティングは、各々が異なる相変化温度を有する、本明細書で挙げた2つ以上の薬剤、作用剤、または流体をコーティング内に組み込むことができる。たとえば、麻酔は、その全体の場所に神経が存在し得る場合のより高温の特有の治療の前により低い融点で投与され得る。一部の実施形態では、レイヤリングなどにより、異なる材料の2つのコーティングが使用されてよい。たとえば、第1の層は、標的組織に付着し、第2の層内の第2の薬剤に対する受容体として作用する第1の薬剤を含むことができる。一部の実施形態では、コーティングは、電極間の電気短絡を低減または解消するために非導電性である。
【0066】
一部の実施形態では、組織シグネチャを使用して、インピーダンス測定を用いて治療領域を特定することができる。管腔内の径方向に離間された電極34を利用するインピーダンス測定を、組織を分析するために使用することができる。隣接する電極の対間(および/または離れた電極の対間)のインピーダンス測定は、電流路が罹患した組織が通り抜けるとき、および電流路が管腔壁の健康組織を通り抜けるときとで異なり得る。故に、罹患した組織の両側の電極間のインピーダンス測定は、病変を指示することができ、一方で隣接する電極の他の対間の測定は、健康組織を指示する。治療される領域を特定するために、血管内超音波、光コヒーレンス・トモグラフィー、または同様のものなどの他の特徴付けが使用されてよい。
【0067】
本明細書において説明した一部の実施形態は、流体または薬剤の治療をさらに向上させるために「Q10ルール」を利用して、「弱い加熱」と組み合わせた選択的な薬剤デリバリによってアテローム動脈硬化症を治療するために使用され得る。Q10ルールの下では、生物化学反応速度はたいてい、温度が10℃上昇するときに倍になることがよく知られている。
【0068】
図6に示すように、電極34は、バルーン20の周りに円周方向に配置される。RFエネルギー43は、電極34Aおよび34C、または34Aおよび34D、あるいは34A〜34Dの任意の組合せの対に隣接する電極に方向付けられて、管腔50内の健康組織45およびアテローム性動脈硬化材料48の両方を治療する。この配置は、組織を通るエネルギー経路43を創出し、このエネルギー経路43は、特定の治療ゾーンまたはセグメント内のエネルギーまたは熱(「組織リモデリング・エネルギー」)を、特有の深さにおいて電極対間のある容積を有する電極対間(「リモデリング・ゾーン」)の動脈組織にデリバリする。電極対の異なる組合せを用いることにより、重複対を用いることによるリモデリング・ゾーン間の空白が低減または解消され得る。双極エネルギーを有する電極を使用することにより、単極手法のいくつかの潜在的な問題が回避され得る。罹患した動脈組織48は、健康な動脈組織よりより高い電気抵抗を有する。双極システム内で電極34A、34Bの対を用いることによって、組織リモデリング・エネルギーは、リモデリング・ゾーン内の電極対間の健康な組織、罹患した組織、または健康な組織および罹患した組織両方の組合せを通過する。任意の数の電極対が、いくつかのリモデリング・ゾーンを創出するために異なるパターンまたは配列で使用されてよい。制御器は、いずれか最も有利である、定電力、定電流、または定電圧を印加することができる。
【0069】
制御器40は、約0.25ワットから5ワットの平均電力で1ワットから180秒間、または約4ジュールから45ジュールで電極に通電することができる。より高エネルギーの治療が、0.5ワットで90秒間、または0.25ワットで180秒間などのより低い電力かつ長い持続時間で行われる。2ワットから4ワットの範囲内のほとんどの治療は、1秒から4秒間実施される。より広い電極間隔を用いて、治療の電力および持続時間を拡大することが適切であり、この場合、平均電力は、5ワットより高くなり得り、総エネルギーは、45ジュールを超え得る。同様に、より短いまたはより小さい電極対を使用すると、平均電力を縮小することが必要となり、総エネルギーは、4ジュール未満になり得る。電力および持続時間は、重大な損傷を引き起こすのに十分でないように、特に血管内の罹患した組織48を切除するのに十分でないように較正される。
【0070】
一部の実施形態では、薬剤のデリバリおよび弱い加熱は、弱い拡張を用いて、標準のまたは標準よりかなり低い未加熱血管形成圧力である拡張圧力で動脈をリモデルするバルーン血管形成を伴うことができる。10〜16気圧のバルーン膨張圧力が、たとえば、特定の病変の標準的な血管形成拡張に適切になり得るところでは、(バルーン上のフレキシブル回路電極、バルーン構造上に直接堆積された電極、または同様のものを通した)本発明で説明した適切な電位と組み合わせた改変された拡張治療は、10〜16気圧を使用することができ、あるいは、6気圧以下、場合によっては1〜2気圧の低さで実施されてよい。そのような中程度の拡張圧力は、組織の特徴付け、調節されたエネルギー、伸張性(eccentric)治療、および末梢血管の疾患の治療のために本明細書において説明した他の治療態様の1つまたは複数の態様と組み合わせられても(または組み合わせられなくても)よい。
【0071】
共有結合された生体分子
【0072】
新生内膜過形成を防止し、永久的に除去するための現在の血管内治療法は、完全に有好なものではない。そのような組織の除去は、複数のそのような治療法によって達成されるが、組織の再成長が、頻繁に起こり、再狭窄および機能不全の血流をもたらす。薬剤−溶出ステントは、再狭窄の頻発を阻害するが、永続性のインプラント、すなわちステントの存在により、血管機能を完全に復活させるには至らない。
【0073】
ごく最近では、薬剤凝固バルーンが、再狭窄の頻発において、薬剤溶出ステントよりもさらに大きな低減を示してきており、治療後に除去されるが、抗増殖/抗炎症性生体分子を最適にデリバリするためには高い膨張圧力が必要とされる。分子は、炎症細胞の流入(走化性)、細胞増殖を防止することによって再狭窄を防止するように機能することができる。分子はまた、構造的支持を与えることによって、したがって管腔直径を「設定」することによってIELマトリクスを安定化するように機能することもできる。
【0074】
図9Aおよび9Bは、体組織248への薬剤デリバリのためのカテーテル・システム200の別の実施形態を示している。システム200は、コーティングの代わりにバルーン20に結合された生体分子235を使用すること以外は、上記のシステム10に類似するものである。生体分子235は、バルーン20の表面との共有結合によって結合された熱放出可能な活性部分235aおよび不活性部分235bを含む。活性部分または分子235bは、所望の組織248を治療することができ、この治療は、温度または圧力を用いて向上され得る。生体分子の不活性部分235aは、バルーン上に留まる。本明細書において説明した実施形態は、無線周波数の血管内バルーン・カテーテルを利用し、このカテーテルは、低圧の膨張およびバルーンからアテローム性動脈硬化病変へのエネルギー・デリバリの際、バルーンに共有結合された生体分子の活性部分を非常に熱的に放出し、したがって、分子の活性部分を標的組織にデリバリする。エネルギーはまた、超音波発生エネルギーを含むこともできる。活性分子235bは、それだけには限定されないが、細胞性塞栓(有糸分裂の防止)、受容体成熱(すなわち過形成組織の形成を促進する湿潤細胞に対する/のための走化性に対して/のために粘着性である、標的組織上の細胞にある/細胞上の受容体を含む任意の手段によって、過形成組織の生成を防止するように機能する。
【0075】
分子の生物活性部分235bは、局所的な異常高体温環境を誘発する(電極34からなどの)エネルギーのデリバリによって無傷の生体分子235から放出される。分子は、異常高体温状態の下で安定的である。分子は、以下の機能の1つまたはすべてを防止することができる:
・細胞増殖、
・細胞機能、
・受容体−リガンド結合、
・標的組織に対する炎症細胞の走化性、および
・元来の動脈層内の細胞の罹患した組織への移動。
【0076】
分子235bの罹患した組織48内への流入は、エネルギー媒介の低体温法によって容易にされおよび/または高められ、すなわち無傷の生体分子からの開裂、罹患した組織内への移動、および多孔率の増大による罹患した組織内の残留が、高低体温法によってすべて加速される。
本発明は、独自に、以下を伴って生物活性分子を罹患した組織内にデリバリする:
・低温加速による高速化
・罹患した組織を分子に対してより受容的に/浸透しやすくすることによるより優れた完全性、および/または
・生体分子の不活性セグメントを有さない、すなわちポリマー、不活性タンパク質配列/セグメント、または治療部位に残された活性化に必要な共同因子が無い(不活性セグメントはバルーン上に留まる)。
【0077】
臨床的応用および用途は、プラークを低減し、ステント装着されたまたはステント装着されない部位における再狭窄を阻害するように設計されており、侵攻性の非埋め込み型血管内手順およびステント・インプラントに対する補助治療として使用されてよい。
【0078】
流体デリバリ・チャネル
【0079】
図7は、管腔の周りに配設されている体組織への選択的な流体デリバリのための流体デリバリ・チャネルを有するカテーテル・システム100の別の実施形態を示している。カテーテル・システム100は、近位端部116および遠位端部118を備えたカテーテル本体114を有するバルーン・カテーテル112を含む。カテーテル本体114は、可撓性であり、カテーテル軸115を画定し、ガイドワイヤ管腔122および膨張管腔124などの1つまたは複数の管腔を含むことができる。カテーテル112は、遠位端部118に隣接するインフレータブル・バルーン120と、近位端部116に隣接するハウジング129とを含む。ハウジング129は、ガイドワイヤ管腔122と連通する第1のコネクタ126と、膨張管腔124と流体連通する第2のコネクタ128とを含む。膨張管腔124は、バルーン120と第2のコネクタ128の間を延びる。第1および第2のコネクタ126、128の両方は、任意選択で、Luer−Loc(商標)コネクタなどの標準コネクタを備えることができる。遠位先端部は、ガイドワイヤの通過を可能にする内蔵チップ弁および同様のものを含むことができる。
【0080】
ハウジング129はまた、電気コネクタ138も収容する。コネクタ138は、導体136を介して電極134に各々が結合された複数の電気接続を含む。これにより、電極134に容易に通電することが可能になり、電極は、制御器140およびRFエネルギー、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー、または他の適切なエネルギー源などの電源142によって通電されることが多い。1つの実施形態では、電気コネクタ138は、制御器140を介してRF発生器に結合され、このとき制御器140は、エネルギーを電極134または電極対に選択的に方向付けることを可能にしている。制御器140は、治療を制御または記録するために、プロセッサを含んでよく、またはプロセッサに結合されてよい。
【0081】
図8Aは、バルーン120の断面を示しており、図8Bは、バルーン120の表面上に装着された電極134に結合されたバルーン120を通る流体デリバリ・チャネル160を示す拡大図である。電極134は、電極から近位に延びる関連する導体を含む。電極134および流体デリバリ・チャネル160は、バルーン120上で多くの異なるパターンまたは配列で配置され得る。流体デリバリ・チャネル160は、流体152を保持する流体リザーバすなわち管腔162に結合され得る。一部の実施形態では、膨張媒体が、デリバリされる流体を含有することができる。一部の実施形態では、バルーン120を通るチャネル160は、チャネルを開放するために熱的に排出させることができるワックス様材料164(または排出させることができる任意の他の材料)で充填されてよい。他の実施形態では、電極134は、蓋部を開放および閉鎖して流体を放出することができる。
【0082】
デリバリ・チャネル160は、管腔の体組織を貫通することができるようにバルーン表面から突き出ることができる。一部の実施形態では、電極が、体組織を貫通することができる。
【0083】
カテーテル・システム100はまた、体組織を特徴付けるように構成された組織分析器を含むこともできる。一部の実施形態では、電極134は、上記で説明したように、治療される領域を特定するために組織を特徴付けるのを助けることができる、または電気インピーダンス・トモグラフィーを用いない検出電極でよい。血管内超音波、光コヒーレンス・トモグラフィーまたは同様のものなどの他の特徴付けが、治療される領域を特定するために使用され得る。電極134は、特徴付けた体組織に応答して通電され得る。
【0084】
本明細書において説明した一部の実施形態は、上記で論じたように、流体デリバリまたは治療をさらに向上させるために「弱い加熱」と組み合わせた選択的な流体デリバリによってアテローム動脈硬化症を治療するために使用され得る。
【0085】
電極134は、組織を治療するために流体デリバリ・チャネル160を開放または閉鎖するように選択的に通電され得る。1つの方法は、電極を選択的に加熱し(隣接する領域内に高められた温度を誘発し、それによって熱伝達が電極(複数可)を加熱できることを含む、ジュール加熱または他の手段によって)、それにより、そうでなければチャネルをブロックする材料164を、固体から液体に相変化させることによって、流体デリバリ・チャネル160を開放することを含む。別の可能な方法は、チャネル160を選択的に開放するおよび/または閉鎖するためにMEMS(微小電気機械システム)を使用することを含むことができる。
【0086】
一部の実施形態では、流体デリバリ・チャネルは、電極(かん流電極)を通るバイアでよい。バイアまたは小穴は、流体を電極の近位の動脈組織にデリバリするために使用され得る。この穴は、1μm未満の直径でよく、レーザまたはイオンビームで作製され得る。穴は、電極およびバルーン内に作製され得る。1つの例では、フレキシブル回路上の電極パッドは、めっき加工されたバイアを備えて設計される。フレキシブル回路は、バルーン上に装着され、レーザまたはイオンビームが、可撓性の基板およびバルーン内に穴を創出するために使用される。電極パッドごとにフレキシブル/バルーン内にいくつかの穴が存在し得る。バルーンは次いで、標準的なかん流バルーン装置または専用装置でかん流させてよい。このかん流手法はまた、付着を解消するなどの流体デリバリに優る追加の利点を実現し、熱を取り除き、負荷のインピーダンスを調節することもできる。
【0087】
一部の実施形態では、ミクロレベルの流体デリバリ・チャネルを有して、選択分子が熱の追加に伴って貫通することを可能にする多孔性バルーンが使用されてよい。多孔性バルーンは、内側層、多孔性の外側層または膜、層(すなわちリザーバ)間に配置された薬剤または流体分子、および外側層に結合された電極を有することができる。低圧では、分子はリザーバ内に留まる。熱が印加されるとき、分子は多孔性層を通過することができ、これは、さまざまな方法で行われてよい。たとえば、熱が印加されるとき、薬剤分子は出されるようになり、多孔性外側層を通過するのに十分な力を与える。別の例では、熱がバルーンに印加されるとき、孔が膨張して、薬剤分子が多孔性外側層を通過することを可能にする。分子はまた、熱と共に浸透圧によって多孔性外側層または膜を通り抜けることができる。
【0088】
一部の実施形態では、治療は、薬剤、および/または熱、および/または小さいまたは大きい分子の注入、および/またはRF、および/またはバルーン拡張および/または高体温法を含むことができる。
【0089】
本明細書において開示されたデバイス、システム、および方法は、容易に膨張可能な構造としてバルーンを論じてきたが、他の膨張可能な構造もまた使用することができ、そのようなものは、参照によって本明細書にそのすべての開示が組み込まれる米国特許出願第11/975,651号で説明されている。
【0090】
熱的に励起されたモル浸透圧濃度
【0091】
一部の実施形態では、膜内にミクロレベルの流体デリバリ・チャネルを有して、分子が圧力および熱の追加に伴って貫通することを可能にする多孔性バルーンが使用されてよい。この概念は、ほとんど逆浸透のように、流体または薬剤を、膜を通過させることによって特有の部位にデリバリする。逆浸透では、圧力は、適切な分子だけが通り抜けることができるような小さい通路を備えた膜を通るように、水などの液体を推し進めるために使用される。この実施形態では、膜障壁は、パクリタキセルのような薬剤を保持する。低圧においては、薬剤分子は、膜を通り抜けることができない。薬剤を膜を通して放出するために、圧力が、バルーンを用いて薬剤分子に印加され、薬剤の放出は、電極対または単極の電極によって局所的にエネルギーを印加することによって加速される。
【0092】
図10は、(圧力を与えるための)非多孔性の内側バルーン305と、多孔性の外側層と、膜またはスリーブ310と、内側バルーン305と膜310の間(すなわちリザーバ)に配置された薬剤または流体315と、膜310に結合された電極320を備えたバルーン300を有する、カテーテル・システム10に類似するカテーテル・システムの1つの実施形態を示している。電極320は、上記で説明した電極に類似し得る。
【0093】
使用時、バルーンは所望の組織部位に置かれ、バルーンは、4〜6大気圧などの適した圧力に膨張される。電極が通電されたとき、熱エネルギーが膜孔を開き、薬剤分子を励起させ、それらの穴から組織まで進ませる。
【0094】
本明細書において開示されたデバイス、システム、および方法は、たとえば大腿動脈、膝窩動脈、冠状動脈および/または頚動脈などの任意の動脈内に流体を選択的にデリバリするために使用され得る。本開示は、血管内で本技術を使用することに焦点を当てているが、本技術はまた、どのような管腔閉塞にも有用である。本発明を使用することができる他の解剖学的構造は、食道、口腔、鼻咽頭腔、耳管および鼓室、脳の洞、動脈系、静脈系、心臓、喉頭、気管、気管支、胃、十二指腸、回腸、結腸、直腸、膀胱、尿管、射精管、輸精管、尿道、子宮腔、膣管および頚管である。
【0095】
本明細書において開示したデバイス、システム、および方法は、多種多様な機構の1つまたは複数を使用して、カテーテル(または他のデリバリ構造)の、流体、ゲル、または固体からの少なくとも1つの薬剤を所望の治療部位または組織に向かって、それへと、および/またはその中へと輸送することを容易にし、促進し、および/または向上させることができる。使用することができる例示的な熱媒介型薬剤輸送機構は、上記で説明されている。電気穿孔、電気泳動、および同様のものなどの機構を任意選択で含む、電気媒介型薬剤輸送機構を含む追加の機構を使用することもできる。電気穿孔は、細胞膜内に通路を創出することによって細胞内で薬剤分子の的を絞ることを可能にし得る。電気穿孔は、外部の電場を印加することによって、任意選択では、本明細書において説明したバルーン・カテーテルの1つまたは複数の電極を用いて(一連の電気穿孔電位を含み得る)電気穿孔電圧を印加することによって、細胞プラズマ膜の導電性および透過性を大幅に増大させることができる。電気泳動は、薬剤または他の化学品を管腔表面を通してデリバリするために、比較的小さい電位を印加することによって使用されてよく、このときも電位は、任意選択で、本明細書の上記で説明したバルーン・カテーテルの1つまたは複数の電極を用いて印加される。別の例として、抗炎症性分子を、電気泳動膜を介してアテローム性動脈硬化病変にデリバリすることができる。炎症、血栓形成、および血栓症の小分子阻害剤を、電気泳動法を介して、本明細書において説明したデバイスおよびシステムを用いてアテローム動脈硬化病変にデリバリして、アテローム動脈硬化症および血栓の形成の進行を遅延するまたは防止することができる。動脈内の適切な炎症および/または血栓生成組織標的の例としては、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、組織因子(TF)、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、および/または同様のものを挙げることができる。電気泳動を介したデリバリの影響を受けやすい小分子抗炎症性/抗血栓治療法の例としては、ヘパリン、ヘパリン硫酸、および/または同様のものを挙げることができる。有利には、双極配置(バルーン・カテーテルの電極間)または単極モードに適切な電位を印加することができる。市販の電気泳動システムまたは電気穿孔システムによって適切な電位を印加することができ、あるいは専用の電位発生器を使用することもできる。任意選択で、これらの薬剤輸送機構を、たとえば(たとえばコーティングを加熱するために、任意選択では薬剤の放出を容易にし、標的組織内への薬剤の移動を熱的に向上させるために、電極に通電することによって)使用される熱機構と、続いて電気媒介型薬剤輸送機構と(任意選択でバルーンの同じ電極または異なる電極に適切な電位で通電することによって)組み合わせることができる。
【0096】
例示的な実施形態を、例を用いて理解を明確にするために一部詳細に説明してきたが、当業者は、さまざまな改変、適応、および変更が使用されてよいことを認識するであろう。故に、本発明の範囲は、付属の特許請求の範囲によってのみ限定されなければならない。
【符号の説明】
【0097】
300 バルーン; 305 内側バルーン; 310 スリーブ;
315 薬剤または流体; 320 電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔の周りに配設されている体組織への選択的な薬剤デリバリのためのカテーテル・システムであって、
近位端部および遠位端部を有し且つそれら間に軸を持つ細長いカテーテルであって、前記遠位端部近くの径方向に膨張可能なバルーンと、前記バルーンの近位の、エネルギーの伝送のためのエネルギー・デリバリ部分とを有する、カテーテルと、
前記バルーンに結合された放出可能な薬剤を有する熱変化可能なコーティングであって、前記膨張可能なバルーンが膨張するときに前記体組織に対して付勢されるように配向される、熱変化可能なコーティングと、
前記熱変化可能なコーティングを加熱および液化して前記薬剤を前記体組織に放出するために前記エネルギー・デリバリ部分に通電するように構成された、前記エネルギー・デリバリ部分に動作可能に結合されたエネルギー源とを備える、
カテーテル・システム。
【請求項2】
前記エネルギー・デリバリ部分が、前記膨張可能なバルーンの周りに配設された複数の電極を備え、前記エネルギー源が、前記複数の電極に動作可能に結合され、その結果、電極対に選択的に通電して前記熱変化可能なコーティングの一部分を前記電極対の間で加熱し液化して前記薬剤を前記体組織に放出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記管腔の前記体組織が、罹患した部分を含み、選択電極対が、前記罹患した部分の近位の前記熱変化可能なコーティングを選択的に加熱するように通電される、請求項2の記載のシステム。
【請求項4】
前記エネルギー・デリバリ部分が、前記膨張可能なバルーンの周りに配設された複数の電極を備え、その結果、前記バルーンが前記管腔内で膨張されたとき、前記電極が径方向に前記組織と結合されたとき、およびエネルギーが前記電極と前記組織の間に伝送されたときに前記組織内に複数のリモデリング・ゾーンを画定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記体組織を特徴付けるように構成された組織分析器をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記エネルギー・デリバリ部分が、前記特徴付けられた体組織に応答して前記薬剤を放出するために前記熱変化可能なコーティングを加熱するように通電される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記エネルギー・デリバリ部分が、前記薬剤デリバリの前、その間および/またはその後で前記体組織を加熱するように通電される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記熱変化可能なコーティングが、2つ以上の放出可能な薬剤を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記薬剤が、セラミド、スラミン、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムス、ゾタロリムス、エベロリムス、治療流体、麻酔薬剤、治療薬剤、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物の少なくとも1つ、または上記の組合せから選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記エネルギー源が、RFエネルギー源であり、前記エネルギー・デリバリ部分が、RFエネルギーを伝送するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記エネルギー源が、レーザ・エネルギー源であり、前記エネルギー・デリバリ部分が、レーザ・エネルギーを伝送するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記エネルギー源が、超音波エネルギー源であり、前記エネルギー・デリバリ部分が、超音波エネルギーを伝送するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記エネルギー源が、マイクロ波エネルギー源であり、前記エネルギー・デリバリ部分が、マイクロ波エネルギーを伝送するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
管腔内の選択的な薬剤デリバリのための方法であって、
前記管腔の周りに配設されている体組織を、膨張可能なバルーンが膨張するときに、カテーテルの遠位端部近くの前記径方向に膨張可能なバルーン上に配設された放出可能な薬剤を有する熱変化可能なコーティングに係合させることと、
前記熱変化可能な薬剤コーティングの一部分を加熱し液化するために前記バルーンの近位の前記カテーテルのエネルギー・デリバリ部分に選択的に通電することと、
前記薬剤を前記熱変化可能なコーティングから前記体組織に放出することとを含む、
管腔内の選択的な薬剤デリバリのための方法。
【請求項15】
前記エネルギー・デリバリ部分が、前記膨張可能なバルーンの周りに配設された複数の電極を備え、選択電極対が、前記熱変化可能な薬剤コーティングの一部分を前記電極対の間で加熱し液化するように通電される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記管腔の前記体組織が、罹患した部分を含み、選択電極対が、前記罹患した部分の近位の前記熱変化可能なコーティングを加熱するように通電される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
治療される体組織を特定するために前記体組織を特徴付けることと、前記特徴付けられた体組織に応答して前記薬剤を放出して前記特定された体組織を治療するために、前記熱変化可能なコーティングの一部分を選択的に加熱することとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記薬剤デリバリの前、その間および/またはその後で前記体組織を加熱することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記薬剤が、セラミド、スラミン、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムス、ゾタロリムス、エベロリムス、治療流体、麻酔薬剤、治療薬剤、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物の少なくとも1つ、または上記の組合せから選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記エネルギー・デリバリ部分が、RFエネルギーで通電される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記エネルギー・デリバリ部分が、レーザ・エネルギーで通電される、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記エネルギー・デリバリ部分が、超音波エネルギーで通電される、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記エネルギー・デリバリ部分が、マイクロ波エネルギーで通電される、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
管腔の周りに配設されている体組織への薬剤デリバリのためのカテーテル・システムであって、
近位端部および遠位端部を有しそれら管に軸を持つ細長いカテーテルであって、前記遠位端部近くの径方向に膨張可能なバルーンと、前記バルーンの近位のエネルギーの伝送のためのエネルギー・デリバリ部分とを有する、カテーテルと、
前記バルーンに共有結合された熱放出可能な薬剤部分および不活性部分を有する複数の生体分子と、
生体分子を加熱して前記薬剤部分を前記体組織に放出するために前記エネルギー・デリバリ部分に動作可能に結合されたエネルギー源と
を備える、カテーテル・システム。
【請求項25】
前記エネルギー・デリバリ部分が、前記膨張可能なバルーンの周りに配設された複数の電極を備え、前記エネルギー源が、前記複数の電極に動作可能に結合され、その結果、電極対に選択的に通電して前記生体分子を前記電極対の間で加熱して前記薬剤部分を前記体組織に放出する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記管腔の前記体組織が、罹患した部分を含み、選択電極対が、前記罹患した部分の近位の前記生体分子を選択的に加熱するように通電される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記生体分子が、前記膨張可能なバルーンが膨張するときに前記体組織に対して付勢されるように配向される、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記体組織を特徴付けるように構成された組織分析器をさらに備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
前記エネルギー・デリバリ部分が、前記特徴付けられた体組織に応答して前記薬剤部分を放出するために前記生体分子を加熱するように通電される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記エネルギー・デリバリ部分が、前記薬剤デリバリの前、その間および/またはその後で前記体組織を加熱するように通電される、請求項24に記載のシステム。
【請求項31】
前記生体分子が、2つ以上の放出可能な薬剤を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項32】
前記薬剤部分が、セラミド、スラミン、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムス、ゾタロリムス、エベロリムス、治療流体、麻酔薬剤、治療薬剤、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物の少なくとも1つ、または上記の組合せから選択される、請求項24に記載のシステム。
【請求項33】
管腔内の薬剤デリバリのための方法であって、
前記管腔の周りに配設されている体組織を、膨張可能なバルーンが膨張するときに、カテーテルの遠位端部近くのバルーンと共有結合された熱放出可能な薬剤部分および不活性部分を有する複数の生体分子に係合させることと、
前記生体分子を加熱するために前記バルーンの近位の前記カテーテルのエネルギー・デリバリ部分に通電することと、
前記薬剤部分を前記生体分子から前記体組織内に放出することと
を含む、管腔内の薬剤デリバリのための方法。
【請求項34】
前記薬剤デリバリの前、その間および/またはその後で前記体組織を加熱することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記エネルギー・デリバリ部分が、前記膨張可能なバルーンの周りに配設された複数の電極を備え、選択電極対が、前記薬剤部分を前記体組織に放出するために前記生体分子を前記電極対間で加熱するように通電される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
治療される体組織を特定するために前記体組織を特徴付けることと、前記特徴付けられた体組織に応答して前記薬剤部分を放出して前記特徴付けられた体組織を治療するために、生体分子を選択的に加熱することとをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
管腔の周りに配設されている体組織への選択的な流体デリバリのためのカテーテル・システムであって、
近位端部および遠位端部を有する細長い可撓性のカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の前記遠位端部近くの径方向に膨張可能な構造と、
前記膨張可能な構造が膨張するときに前記体組織に対して付勢されるように配向された複数の流体デリバリ・チャネルであって、最初に熱変化可能な材料によってブロックされている流体デリバリ・チャネルと、
前記熱変化可能な材料を加熱し液化して流体放出に合わせて前記流体デリバリ・チャネルの1つまたは複数を選択的に開放するために、前記流体デリバリ・チャネルに動作可能に結合されたエネルギー源コネクタと
を備えるカテーテル・システム。
【請求項38】
前記複数の流体デリバリ・チャネルが、前記膨張可能な構造から突き出て前記管腔の前記体組織を貫通する、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記体組織を特徴付けるように構成された組織分析器をさらに備える、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
前記流体デリバリ・チャネルが、前記特徴付けられた体組織に応答して1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放するように選択的に通電され得る、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記径方向に膨張可能な構造が、バルーンを備え、前記流体デリバリ・チャネルが、前記バルーンの円周上に装着される、請求項37に記載のシステム。
【請求項42】
前記径方向に膨張可能な構造が、膨張可能なバスケットを備え、前記流体デリバリ・チャネルが、前記バスケットの円周上に装着される、請求項37に記載のシステム。
【請求項43】
前記管腔の前記体組織が、罹患した部分を備え、選択電極が、前記罹患した部分の近位の1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放するように通電される、請求項37に記載のシステム。
【請求項44】
選択電極が、前記管腔内の前記流体の放出と共に前記体組織を加熱するように通電される、請求項37に記載のシステム。
【請求項45】
前記流体が、セラミド、スラミン、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムス、ゾタロリムス、エベロリムス、治療流体、麻酔薬剤、治療薬剤、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物の少なくとも1つ、または上記の組合せから選択される、請求項37に記載のシステム。
【請求項46】
管腔の周りに配設されている体組織への選択的な流体デリバリのためのカテーテル・システムであって、
近位端部および遠位端部を有する細長い可撓性のカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の前記遠位端部近くの径方向に膨張可能な構造と、
前記膨張可能な構造が膨張するときに前記管腔の前記体組織に対して付勢されるように配向された複数の流体デリバリ・チャネルであって、最初は閉鎖されている流体デリバリチャネルと、
1つまたは複数の流体デリバリチャネルを選択的に開放し、前記管腔内で流体を放出するために前記流体デリバリチャネルに結合された複数の微小電気機械システム(MEMS)と
を備える、流体デリバリのためのカテーテル・システム。
【請求項47】
前記流体が、セラミド、スラミン、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムス、ゾタロリムス、エベロリムス、治療流体、麻酔薬剤、治療薬剤、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物の少なくとも1つ、または上記の組合せから選択される、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
管腔内の選択的な流体デリバリのための方法であって、
前記管腔の周りに配設されている体組織を、膨張可能な構造が膨張するときにカテーテルの遠位端部近くの前記径方向に膨張可能な構造上の複数の流体デリバリ・チャネルに係合させることと、
1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放することと、
流体を前記選択流体デリバリ・チャネルから前記管腔内に選択的に放出することと
を含む、管腔内の選択的な流体デリバリのための方法。
【請求項49】
1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放することが、前記選択流体デリバリ・チャネルを加熱して、前記流体デリバリ・チャネルを最初に閉鎖する熱材料を液化するために前記選択流体デリバリ・チャネルに結合された電極に選択的に通電することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
選択的に開放した1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルが、前記流体デリバリ・チャネルを選択的に開放および/また閉鎖するために前記流体デリバリ・チャネルに結合された複数の微小電気機械システム(MEMS)を備える、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
治療される体組織を特定するために前記体組織を特徴付けることと、前記特定された体組織を治療するために前記特徴付けられた体組織に応答して1つまたは複数の流体デリバリ・チャネルを選択的に開放または閉鎖することとをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記複数の流体デリバリ・チャネルが、前記管腔壁内に貫通するように構成される、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記径方向に膨張可能な構造が、バルーンを備え、前記流体デリバリ・チャネルが、前記バルーンの円周上に装着される、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記径方向に膨張可能な構造が、膨張可能なバスケットを備え、前記流体デリバリ・チャネルが、前記バスケットの円周上に装着される、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記流体を放出することと共に前記体組織を加熱することをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記流体が、セラミド、スラミン、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムス、ゾタロリムス、エベロリムス、治療流体、麻酔薬剤、治療薬剤、小分子、遺伝子治療化合物、抗血栓溶解剤、(付着せずに高い温度を可能にするための)潤滑剤、電極においてインピーダンスを低下させるための導電化合物、治療の必要が無い組織に対する治療を防止するための電気絶縁化合物、エネルギーを間質層に運ぶために組織の内皮層中を移動することが意図された導電化合物の少なくとも1つ、または上記の組合せから選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項57】
管腔の周りに配設されている体組織への薬剤デリバリのためにエネルギー源と共に使用されるカテーテル組立体であって、
間に軸を備えた近位端部および遠位端部を有する細長いカテーテルであって、前記カテーテルの前記近位端部が前記エネルギー源に結合可能であり、前記カテーテルは、前記遠位端部近くの径方向に膨張可能なバルーンと共に前記バルーンの近位の、前記エネルギー源からエネルギーを伝送するためのエネルギー・デリバリ部分を有する、カテーテルと、
薬剤と、
挿入形状内に前記バルーンに沿って前記薬剤を放出可能に保持する熱活性化材料であって、前記バルーンが前記管腔内で膨張されたときに前記エネルギーに応答して熱的に再構成可能であり、その結果、前記薬剤を前記バルーンから前記体組織にデリバリする、材料と
を含む、カテーテル組立体。
【請求項58】
前記熱活性化材料が、
熱変化可能なコーティング材料であって、前記コーティング材料および薬剤が、前記挿入形状内の前記バルーン上に配設されたコーティングを形成する、コーティング材料と、
前記薬剤を前記挿入形状内の前記バルーンに結合する少なくとも1つの不活性生体分子と、
前記薬剤を前記挿入形状内に保持するために、前記薬剤を中に有する少なくとも1つの関連する流体デリバリ・チャネルに動作可能に結合された、少なくとも1つの微小電気機械システムとからなる群から選択された少なくとも1つの部材を備える、請求項57に記載のカテーテル組立体。
【請求項59】
管腔の周りに配設されている体組織への選択的な薬剤デリバリのためのカテーテル・システムであって、
近位端部および遠位端部を有する細長い可撓性のカテーテル本体と、
薬剤を含有する前記カテーテル本体の前記遠位端部近くの径方向に膨張可能なバルーンであって、前記膨張可能なバルーンが膨張するときに前記体組織に対して付勢されるように配向された熱変化可能な多孔性表面を有し、寸法設定された前記多孔性表面の孔の初期サイズは、前記薬剤の通過を可能にしない、バルーンと、
エネルギーの伝送のための、前記バルーンの前記多孔性表面に結合されたエネルギー・デリバリ部分であって、その結果、熱変化可能な多孔性表面を加熱して前記孔の前記サイズを増大させて前記薬剤を前記バルーンから前記体組織に通過させる、エネルギー・デリバリ部分と
を備える、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−508623(P2012−508623A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536537(P2011−536537)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/064465
【国際公開番号】WO2010/057043
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.イーサネット
【出願人】(506085228)ミノウ・メディカル・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】