説明

精密に折畳まれた高強度の耐疲労性構造部及びそのための薄板を設計及び製造する技術

【課題】薄板材の設計及び精密折畳み、及びそれからの構造部の製造の技術を提供する。
【解決手段】精密折畳み、高強度、耐疲労性構造部及びそのための薄板を設計及び製造する方法。この技術は、曲げ線(45,245,345,445,543)に沿った薄板材(41,241,341,441,541)の精密曲げの方法を含み、スリット又は溝(43,243,343,443,542)のような曲げストラップ形成構造部で形成された薄板材を開示する。この方法は、曲げ線(45,245,345,445,543)に沿って曲げる時に薄板(41,241,341,441,541)の精密曲げを生成するために、軸線方向に間隔を置いた関係で薄板材を通って縦方向に延びるスリット又は溝(43,243,343,443,542)を設計する段階、及び、次にそれを別々に形成する段階を含む。曲げストラップは、その強度及び耐疲労性を増す構成及び配向を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、現在の米国特許第6,481,259号B1である2000年8月17日出願の「薄板材の精密曲げの方法及びそのためのスリット薄板」という名称の現在特許出願中の米国特許出願出願番号第09/640,267号に基づく一部継続出願であった2002年9月26日出願の「薄板材精密曲げの方法及びスリット薄板製作工程」という名称の現在特許出願中の米国特許出願出願番号第10/256,870号に基づく一部継続出願である。
本発明は、一般的に、薄板材の設計及び精密折畳み、及びそれからの構造部の製造に関する。より具体的には、本発明は、限定はしないが薄板材を準備する方法を含む設計、準備、及び製造の方法に関し、それによって精密折畳みを可能にし、高強度で耐疲労性の構造部又はアセンブリの高速の二次元から三次元の折畳みのためにそのような方法を使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
薄板材の曲げに関連して一般的に遭遇する問題は、曲げ許容誤差の変動及び許容誤差の蓄積にために曲げ位置が制御し難いことである。例えば、電子機器のハウジングの成形においては、薄板材は、ある一定の公差内で第1の曲げ線に沿って曲げられる。しかし、第2の曲げの位置決めは、多くの場合、第1の曲げに基づいて行われ、従って、許容誤差が蓄積される可能性がある。電子機器のシャーシ又は筐体の製作に伴う曲げ回数は、3回又はそれ以上になる可能性があるので、曲げにおける許容誤差の蓄積の影響は、有意なものになりかねない。更に、達成可能な許容誤差は、曲げ機器、その据え付け、並びにオペレータの技量によって大きく変わることになる。
【0003】
この問題に対する1つの解決手法は、スリット加工及び溝切りを用いて薄板材の曲げ位置を制御しようとするものであった。スリット及び溝は、例えば、レーザ、ウォータージェット、パンチプレス、ナイフ、又は他の工具のようなスリット又は溝形成装置を制御するコンピュータ数値制御(CNC)装置を使用して、薄板素材に非常に正確に形成することができる。
図1を参照すると、計画された曲げ線25に沿って端部間に離間した関係で整列した複数のスリット又は溝23を有する薄板材21が示されている。長手方向に隣接したスリット又は溝の対の間には、薄板21を曲げる時に塑性的に変形されることになる曲げウェブ、スプライン、又はストラップ27がある。ウェブ27は、薄板を単一の部材として互いに保持する。薄板21を貫通しない溝を使用した時は、薄板材はまた、各溝の背後にある材料のウェブによって互いに保持される。
【0004】
薄板21における溝又はスリット23の位置は、その溝又はスリットを曲げ線25上に比較的緊密な公差内で配置するように正確に制御することができる。従って、溝又はスリット加工処理後に薄板21を曲げた時に、曲げは、曲げ線25に非常に近い位置で発生する。平坦な薄板材上にスリットを正確に配列することができるので、累積誤差は、曲げがプレスブレーキで形成され、先行する曲げを参照して次の曲げの各々が位置決めされるものと比較すると、このような曲げ工程では遥かに少ない。
【0005】
それにも関わらず、溝切り又はスリット加工に基づく薄板材の曲げにおいてさえもそれなりの問題がある。第1に、ウェブの塑性変形及びウェブ27の両端でのスリット加工の結果として、曲げウェブ又はストラップ27における応力は相当なものであり、かつ集中している。溝切りについては、溝の背後又は背面の材料に対する応力も相当なものであり、かつ非常に集中している。従って、ウェブ27における及び/又は溝23の背後での破壊が発生する可能性がある。更に、溝又はスリットは、必ずしも直接曲げ線25に沿ってウェブ27の曲げを生成するわけではなく、溝切り工程は、特にV字形溝をフライス削り又は点切削する時には、時間が掛かって一貫性がない。従って、溝切りは、商業的用途では普及していない。
【0006】
図1A及び図1Bで分るように、薄板21が23aで示すようにスリット加工され、及び/又は23bで示すように溝切りされ、その後に曲げられる場合、曲げウェブ27a及び27bは、塑性変形及び残留応力を受けることになる。勿論、スリット23aの場合は、材料は、スリットの長さに沿って完全に取り除かれるか又は切断されることになる。V字形溝23bの場合には、溝23bと曲げの外側の凸面との間に薄いウェブ29があることになるが、それはまた、塑性的に変形され、大きな応力を受けることになる。V字形溝切りに対する曲げは、通常は、図1Bに示すように側面が互いに接触するように溝23bを閉じる方向になることになる。垂直方向の力FV及び/又は水平方向の力FHにより図1A及び図1Bの曲げ構造部に負荷を加えることは、曲げを弱体化したスリット及び/又は溝、及び塑性変形したストラップ又はウェブ27a及び27b、並びにかなりの応力の掛かった薄いウェブ29の状態に置くことになる。構造部の破壊は、非スリット加工又は非溝切り曲げ工程が使用された場合よりも低い力のレベルで発生することになる。
【0007】
曲げを容易にする薄板スリット加工の別の手法が従来技術において使用されている。しかし、曲げ部を作るために使用されるスリット加工技術は、主として、彫刻的な用途のために視覚的又は装飾的な効果を出すように考案されたものである。この視覚的結果は、「縫い目」と説明されており、曲げ部自体は、構造的には梁によって補強されている。この縫い目のある彫刻は、少なくとも1998年まではニューヨーク現代美術館で展示され、この薄板スリット加工技術は、2002年12月12日に公開された公開米国特許出願US2002/0184936A1(Gitlin他の出願)で説明されている。その彫刻物はまた、コンテンポラリー・ワールド・アーキテクツによる「オフィス dA」という名称の論文、15、20〜35ページ、2000年に示されて説明されている。本発明の図2、図2A、及び図2Bは、使用された縫い目技術の一例を示している。
【0008】
「オフィス dA」又はGitlin他の出願の一実施形態を図2に示す。複数のスリット31が薄板材32に形成されている。スリット31は線形であり、曲げ線33の両側に沿って互いに横方向にオフセットしている。スリットは、重なり合ったスリット端部の間で曲げスプライン、ウェブ、ストラップ、又は「縫い目」34になることになるものを形成するために縦方向に重なり合うことが分る。図2A及び図2Bは、薄板32の1つのスリットの一端の拡大側面図を示すものであり、この薄板は、曲げ線33に沿って90度曲げられており、曲げ線の両側の薄板部分35及び36は、捩れストリップ又は「縫い目」34によって相互に結合されており、これは、90度薄板部分35及び36間で捩れるか又は縫い目を形成している。ニューヨーク現代美術館の彫刻の建築家たちは、得られた曲げ部は構造的にはあまり強くないことを認識し、縫い目曲げ部の各々の内側頂上部の彫刻内に溶接された部分的に隠れた梁を組み込んでいる。
【0009】
スリット31は、曲げ線33に平行であるから、一定又は均一の幅寸法も有するストラップ34は、その長さに亘って捩れるか又は捩れて塑性変形しており、その結果、90度曲げ部の端部において、ストラップの裏側は、位置37でスリット31の他方の側で面38と係合している。このような係合により、薄板部分35は、薄板部分36の面38から離れて浮き上がると共に、スリットの端部40を開こうとして、スリット端部で更なる応力が生じる。ストラップ34の捩れ及び曲げ部の端部での持ち上げの結果は、薄板部分35と面38の間のスリット31の長さに亘る間隙Gである。捩れたストリップ又は縫い目34により、強制的に面38から薄板部分35が離れ、スリットの両端部40に応力を及ぼす(1つのスリット端部40のみが示されているが、同じ応力が、図2A及び図2Bに示すスリット31の他方のスリット端部40に発生するであろう)。
【0010】
間隙Gは、曲げ線の別の側で曲げ線33の長さに沿って各スリット31で生成される。従って、各スリットにおいて、薄板部分は、引っ張られて面に接触し、従ってその面によって完全に支持されるのではなく、スリット形成面との接触から強制的に離される。
更に、かつ非常に重要なこととして、図2のスリット加工の構成によってストラップ34の各々には非常に高度の応力が印加される。ストラップの長さに沿った捩れによる応力を小さくしようとしてストラップ長(スリット31の端部間の重複の長さ)を長くすると、薄板部分を対向する面に対して弾力的に引くか又は押しつけようとする力が小さくなる。逆に、ストラップ長34を短くすると、捩れにより、得られる応力上昇と共に一定幅のストラップに微細な裂け傷が形成され、捩れ状態のストラップの全般的な状態は、それらが過剰応力状態であるということである。これは、曲げ部の強度を損なう傾向があり、無負荷支持曲げ部を残す。
【0011】
薄板部分35に印加された垂直力(図2BのFv)は、直ちに、捩れて応力が印加されたストラップ34に負荷を掛けることになり、間隙Gがあるために、ストラップは、負荷が印加された状態で更に塑性変形し、薄板部分35が変位して面38と係合し、そこに支えられる前に破壊又は裂ける可能性がある。水平方向の力FHは、同様に、間隙Gが閉じられて薄板部分35が対向するスリット面38で支えられる前に、縦方向に隣接するストラップ34を押し潰す(及び、図2Bのストラップ34を剪断する)傾向があることになる。
【0012】
図2から図2Bのスリット加工手法及びGitlin他の出願に固有の別の問題は、スリット間の距離から独立に一定のストラップ幅を変えることができず、ストラップ幅は、ストラップに極度の応力を印加しなければ材料厚よりも小さくすることができないということである。スリット31が互いに平行であり、縦方向に重なり合っている時に、定義上は、ストラップ幅は、スリット間の間隔又はジョグに等しいものでなければならない。これによって、ストラップの構造的な負荷に対する曲げ部を設計する際の柔軟性が制限される。更に、スリットは、スリット端部が1つ置きに他方と整列してその方向に向けられて終端する。従って、応力上昇と、スリット端部での微細な亀裂の伝播の発生とを小さくしようという試みはなく、整列したスリット端部は、負荷が印加された状態で割れる可能性がある。
従って、図2から図2Bの薄板スリット加工の構成は、装飾的な曲げ部には容易に使用することができるが、大きな構造的支持及び耐疲労性をもたらすべき曲げ部には最適に適するものではない。
【0013】
Gitlin他の出願ではまた、湾曲スリットの形成が教示されているが(図10a及び10bで)、スリットは、ここでもまた、曲げストラップの幅が一定であるように湾曲曲げ線に平行であり、ストラップは、曲げ線を横切るのではなく、曲げ線に沿って平行に延びており、ストラップは、極度の捩れ状態であり、スリット端部は、微細な亀裂及び応力集中を次のスリットに向ける傾向があり、この出願では、37において、つまり曲げ部の端部においてのみスリットの反対側の係合をもたらすスリット切り口の使用が教示されている。
簡単な線形穿孔技術はまた、ボストンのピザレストランの曲げ金属天井板の設置において同じ建築家によって用いられた。ここでもまた、線形穿孔による曲げ薄板構成要素は、曲げ部に沿った大きな非支持負荷に耐えるように設計されたものではなかった。
【0014】
スリット、溝、穿孔、窪み、及び切込み線はまた、薄板材を曲げる基礎として様々な特許取得システムにおいて用いられている。例えば、ウェスト他に付与された米国特許第5,225,799号では、マイクロ波導波管又はフィルタを形成するために薄板材を折り込むための溝切りに基づく技術が用いられている。セント・ルーイスに付与された米国特許第4,628,161号では、板金の折り込みに切込み線及び窪みが用いられている。ブランドンに付与された米国特許第6,210,037号では、プラスチック材の曲げに溝穴及び穿孔が用いられている。スリット又はダイカットを用いた波形厚紙の曲げは、ヨコヤマに付与された米国特許第6,132,349号及びPCT公開WO97/24221、及びグレベル他に付与された米国特許第3,756,499号、及びフィッシャー他に付与された米国特許第3,258,380号で示されている。板紙薄板の曲げはまた、ハントに付与された米国特許第5,692,672号、ウッドに付与された米国特許第3,963,170号、及びカーターに付与された米国特許第5,692,672号に示すように、スリット加工によって容易になっている。また、公開米国特許出願番号US2001/0010167A1では、開口部及びノッチなどを伴う金属曲げ技術、及び制御されたプラスチック流れ及び亀裂及び皺発生の低減をもたらすための大きな力の使用が開示されている。
【0015】
しかし、これらの従来技術の曲げシステムの大部分においては、曲げ部形成技術により、得られる構造部を大幅に弱体化し、又は精密曲げ部を形成することができず、又は曲げが曲げ部の片側で材料を粉砕することによって発生する。更に、スリット加工をこれらの従来技術システムで使用した時は、構造的弱体化及び将来の構造的破壊の点の助長に加えて、スリット加工により、曲げ構造部の封入工程が高価かつ困難になる可能性がある。従って、これらの従来技術の方法は、流体又は流動可能な材料を含むことができる構造部の製造に対する適性が落ちる。
精密曲げ及び強度保持の問題は、板金、特に相当な厚みを有する薄板を曲げる時には遥かに大きい。多くの用途において、小さな力、例えば手工具のみを用いて手で又は中程度の電動工具のみを用いて板金を曲げることができることは非常に望ましいことである。勿論、厚い板金のこのような曲げ加工は、更に大きな問題を呈する。
【0016】
本発明の別の態様では、従来技術の金属製造技術及びそれから得られる構造部における欠陥を排除するために、スリット加工ベースの薄板材の曲げにおける従来技術の欠陥を克服する機能が適用される。
剛性の三次元構造部を生成するための公知の従来技術は、薄板又は非薄板材から各部分を切削して互いに接合する工程である。治具留め及び溶接、クランプ締め及び接着結合、又は機械加工及びファスナを使用していくつかの個別の部品を互いに接合することは、剛性の三次元構造部を製作するためにこれまで広く使用されてきた。例えば、溶接の場合は、個々の部分の正確な切削及び治具留め、多くの部品を操作するために必要とされる労力及び機械、並びに複数の部品の品質管理及び証明において問題が生じる。更に、溶接には、溶接部の熱影響部位によって生じる寸法形状の歪みという固有の問題がある。
【0017】
相当な材料厚みを有する金属の従来の溶接は、通常、研磨加工又は一点工具を用いて作られることが多い斜角縁部を有する部品を使用することによって達成され、これは、製作時間及びコストの大きな増加となる。更に、熱の影響を受ける金属の疲労破壊は、耐力幾何学形状が溶接、ろう付け、又は半田付けされた材料に完全に依存する接合部については予測不可能である。溶接部の疲労破壊は、通常、互いに溶接される構成要素の質量と溶接部の数及び深さとを大きくすることによって補償される。このような過剰設計に付随する欠点は、勿論、過大な重量である。
個別の構成要素の縁部及び面に沿った薄板材又は非薄板材の接着結合に関しては、いくつかの部品の取り扱い及び正確な位置決め、及び接着方法が完了するまで所定の位置にそれらを保持又はクランプ締めすることから問題が生じる。
【0018】
三次元構造部の製作に関連した別の部類の従来技術は、「高速プロトタイピング」方法である。これらには、ステレオリソグラフィと、CADシステムを使用して設計が行われ、構造部のデータ表示を使用して構造部が完成するまで材料の追加又は削減において機器を駆動する多くの他の工程とが含まれる。従来技術の「高速プロトタイピング」技術は、通常は、加法的又は減法的のいずれかである。
減法的「高速プロトタイピング」方法に付随する問題は、それらが、部品全体を含むことができる材料のブロックを使用し、次に不要な材料の除去によって部品を正確に粉砕及び切削を行うために比較的高価な高速機械加工センターを必要とするという点で材料の無駄遣いであるということである。
【0019】
従来技術の加法的「高速プロトタイピング」技術に関しても問題が存在する。具体的には、大部分のこのような技術は、非常に狭い範囲の材料に対して最適化されている。更に、大半は、部品を表すデータに対応する材料を分配する特化した製造装置を必要とする。加法的「高速プロトタイピング」工程は、時間が掛かるものであり、部品エンベロープのスケールにおいて非常に制限されており、通常は、構造的に丈夫な材料を使用しない。
従って、一般的に従来技術においては、薄板曲げを可能にするための薄板スリット加工又は溝切りは、商業用の構造的用途に必要な精度及び強度を欠いた曲げ部を生成してきた。従って、このような従来技術の薄板曲げ技術は、軽量金属曲げ又は彫刻のような装飾的用途に大部分追いやられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第6,481,259号B1
【特許文献2】米国特許出願出願番号第09/640,267号
【特許文献3】米国特許出願出願番号第10/256,870号
【特許文献4】公開米国特許出願US2002/0184936A1
【特許文献5】米国特許第5,225,799号
【特許文献6】米国特許第4,628,161号
【特許文献7】米国特許第6,210,037号
【特許文献8】米国特許第6,132,349号
【特許文献9】PCT公開WO97/24221
【特許文献10】米国特許第3,756,499号
【特許文献11】米国特許第3,258,380号
【特許文献12】米国特許第5,692,672号
【特許文献13】米国特許第3,963,170号
【特許文献14】米国特許第5,692,672号
【特許文献15】公開米国特許出願番号US2001/0010167A1
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】コンテンポラリー・ワールド・アーキテクツ著「オフィスdA」、15、20〜35ページ、2000年
【非特許文献2】Dedier Boursin著「高度折り紙」、「Firefly Books」発行、2002年
【非特許文献3】カサハラ・クニヒコ著「極限の折り紙」、「Sterling Publishing Company」発行、2002年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
従って、本発明の広義の態様において、本発明の重要な目的は、非常に正確な方法で薄板材を曲げることができ、しかも大きな負荷を支えることができて疲労破壊に耐える曲げ部を生成することができることである。
本発明のこの態様の別の目的は、曲げ部の位置の正確さ及び得られる構造部の強度を高め、かつ応力誘導破壊を少なくする改良スリット加工技術を用いる薄板材の精密曲げの方法を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、精密薄板曲げ工程と、曲げのためにスリット加工又は溝切りされ、様々な厚み及び様々な種類の粉砕不能な材料の薄板の曲げに適合するように使用することができる薄板材とを提供することである。
本発明の別の目的は、手工具のみ、又は曲げを容易にするものであるが曲げ部の位置を制御しようとするものではない電動工具を使用して達成することができる、その後の曲げのために薄板をスリット加工する方法を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、正確な寸法公差を有する高強度の三次元構造部に薄板材を曲げることができることである。
本発明の別の目的は、容易かつ廉価に密封され、従って流体又は流動可能な材料の閉じ込めを可能にする精密な三次元構造部に薄板材を曲げることができることである。
製作及び組立技術を高めるためのスリットベースの曲げの使用に関係する本発明の広義の態様においては、本発明の目的は、構造的に丈夫であり、いかなる現代の製造施設に見出されるもの以外の特化した機器も使用せず、使用する切削工程の限界まで拡大縮小することができる多くのものを含む広範囲の材料を使用する新しい「高速プロトタイピング」及び「高度高速製造」技術を提供することである。
【0025】
本発明のこの態様の別の目的は、薄板材が曲げられる前後の構成要素の正確な加法的アラインメントを助ける機能を曲げられる薄板材内にもたらすことである。
本発明の更に別の目的は、元のCAD設計工程によって定められるような互いに正しい関係で三次元空間に配置された複数の構成要素に対する網に近い形状の構造的骨格として役立つ製作方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、より少ない数の別々の部品を使用し、縁部が曲げ部の長手方向に自己治具留め式であり、非曲げ縁部が溶接の準備における治具留め及びクランプ締めを容易にする機能をもたらす溶接構造部を製作する方法を提供することである。この関連では、本発明の更に別の目的は、溶接工程によって引き起こされる歪み及び寸法上の不正確さを劇的に少なくする、溶接用薄板材を治具留めする優れた方法を提供することである。
【0026】
本発明の更に別の目的は、全ての自由度において熱の影響を受ける部位に依存せず、従って、得られる三次元構造部の負荷強度及び周期的疲労強度の両方を向上させるかなりの耐力特性をもたらす新しい溶接継手を提供することである。
本発明の更に別の目的は、
1)強くて剛性で寸法的に正確な三次元構造部を製作するために必要とされる個別の部品の数を少なくし、
2)低コスト及び高収率の製作方法をもたらす本発明の曲げ縁部及び非曲げ縁部を通じて達成することができる、望ましい三次元構造部の様々な側面に対する位置決め及びクランプ締めの方法を本質的に提供する、
ための優れた方法を提供することである。
【0027】
本発明の更に別の目的は、固化工程後に除去するか又は完成物の構造的又は表面構成要素として所定の位置に残すことができる型がスリット加工の曲げられた薄板材から形成される、金属、ポリマー、セラミック、及び複合材のための様々な流体含有成形型を製作する方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、既存のスリット加工装置との併用に適応可能であり、薄板素材を平坦又はコイル状態で出荷し、プレスブレーキを使用せずに遠隔位置で精密に曲げることを可能にし、薄板素材に構成要素を付加した後に薄板素材の曲げによって形成されたエンクロージャの内部の表面内又は表面上での構成要素の組付け又は取付けを強化する薄板曲げ方法を提供することである。
【0028】
本発明の更に別の目的は、以下に限定されないが、金属、プラスチック、及び複合材を含む薄板材内に正確で精密な耐力折畳み部を作るのに使用することができる精密折畳み技術を提供することである。
本発明の別の目的は、仮想曲げ線回りの折畳みを可能にし、折畳みを達成するために必要とされる力が従来の曲げ技術よりもかなり小さくて済む精密折畳み技術を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、材料の厚み又は微細構造的特性から独立して本質的に線形的に拡張可能である精密折畳み技術を提供することである。
本発明の別の目的は、スリット加工/除去工程、切断工程、又は加法的工程によるか否かを問わず、本明細書で説明する幾何学形状を形成し、任意の経路によって本明細書で説明する利点に到達することである。
本発明の更に別の目的は、材料の微細構造が折畳み部の回りで実質的に不変のままである粉砕不能な材料を折り畳むための精密折畳み技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の広義の態様では、スリットであることが好ましいが溝でもよい曲げストラップ形成構造部を用いて、曲げ薄板に曲げ部位置における向上した精度と実質的に向上した曲げ部強度とを持たせる曲げストラップを薄板材に構成する。
簡潔には、好ましい実施形態では、薄板材は、複数のスリットを伴って形成され、これらは、計画された曲げ線に対して位置決めされ、曲げ部強度及び寸法精度の向上のための曲げ処理中のスリットの両側での材料の縁部と面の係合の結果として曲げ線に正確に沿った薄板材の曲げ処理を可能にするように構成される。
【0031】
縦方向に隣接するスリットは、曲げ線を横切って斜めに延びる曲げストラップを形成するように、曲げ線の両側に等しく横断方向に間隔が置かれることが更に好ましい。スリットは、ストラップの幅寸法がストラップの中間点又は一定幅の領域から両方の方向に増加するように、曲げ線に面するか又は曲げ線に最も近い凸状側面を有する弓状であることが好ましい。スリットはまた、応力破壊の可能性を更に低減するように、耐亀裂伝播端部部分を含むことが好ましい。
【0032】
本発明の薄板材の精密曲げの方法は、簡潔には、スリットの対の隣接する端部間に曲げストラップ又はウェブを構成するために、曲げ線に沿ってかつ曲げ線の近くに延びる方向に軸線方向に間隔を置いた関係で薄板を通る複数の縦方向に延びるスリットを形成する段階から成る。スリットは、更に、上述の形成する段階中に、薄板材の曲げ処理中にスリットの両側に薄板材の縁部と面の係合を生成するように構成されて位置決めされる。本方法はまた、曲げ部に亘ってスリットの両側に材料のこのような精度を高める縁部と面の係合を生成するために、曲げ線に沿って薄板材を曲げる段階を含むことができる。
【0033】
一実施形態では、スリット加工段階は、曲げ線に沿って長手方向にずれた2つの細長いスリットを形成することによって達成され、各スリットは、曲げ線から両方の方向に幅の増加を伴って曲げ線を横切って延びる斜めの曲げストラップを形成する一対の隣接するスリット部分を曲げ線の両側にもたらすために、曲げ線から離れるように分岐するスリット端部部分を有する。弓状スリットの対向する列の間のスリット切り口及びジョグ距離は、曲げ処理中に、スリットの一方の側の薄板材の縁部とスリットの反対側の薄板材の面との相互係合を生成するように寸法決めされて位置決めされる。最も好ましくは、スリットは、弓状であり、対向する面と縁部の連続的及び漸進的な係合を生成し、その結果、曲げ処理精度の制御及び曲げ薄板の強度の向上のために、縁部は、曲げ処理中にスリットの長さのかなりの部分に亘って対向する面に対して弾力的にクランプ締めされて保持される。
【0034】
本発明の方法の別の実施形態では、スリット加工する段階は、横断方向に延びるスリットセグメントによって共通の横断方向平面の近くに連結された一対の隣接する横断方向に間隔の空いた平行で縦方向に延びる第1のスリットセグメントから成る第1の細長いスリットを、曲げ線に沿って薄板材を通して形成することにより、及び、第1の細長いスリットに対して実質的に縦方向に整列し、かつ縦方向に間隔を置いた関係で第2の細長いスリットを形成することにより達成される。第2の細長いスリットを形成する段階はまた、横断方向に延びるスリットセグメントによって共通の横断方向平面の近くに連結された一対の隣接する横断方向に間隔の空いた平行で縦方向に延びるスリットセグメントを形成することによって達成されることが好ましい。すなわち、1つの連続した細長いスリットではなく、スリットの対の各スリットは、スリットセグメントの結合した長さの中間点に隣接する僅かに段付きのスリットとして形成される。
【0035】
これらの実施形態では、曲げストラップ又はウェブの曲げ処理が曲げ線に沿ってより正確になるように、曲げ処理時に、曲げ線上に正確に位置決めすることができる仮想支点が設けられる。仮想支点の詳細な概念は、「発明を実施するための最良の形態」において以下で説明する。スリットには、拡大端部開口部を設けることができ、又は、スリットは、曲げウェブの近くの応力集中を低減し、微小亀裂の伝播に対向するようにそれ自体に折れ曲がることができる。
【0036】
別の実施形態では、単一のスリットには、曲げ処理中に縁部と面の係合を維持するために、曲げ線の遠い側の薄板をスリットに向けて引くように構成された曲げストラップが設けられる。スリットが位置決めされた側と反対の曲げ線の側で収束する中心軸線を有する斜めに配向された曲げストラップは、このような縁部と面の接触を作り出すことになる。薄板縁部は、このような斜めのストラップを形成するために弓状スリット端部部分と組み合わせることができる。
薄板材の設計及び精密折畳みの方法及び個別の技術、そのための製作技術、及び本発明のこのような精密曲げから形成される構造部は、有利な他の特徴及び目的を有し、これらは、添付図面及び「発明を実施するための最良の形態」の以下の説明から明らかとなるか又はその中でより詳細に示されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】1つの従来技術に従ってスリット及び溝が形成された薄板材の断片的上面図である。
【図1A】曲げられた状態の時の図1の実質的に線1A−1Aの平面に沿って切取られた図1の薄板の断片的拡大断面図である。
【図1B】曲げられた状態の時の図1の実質的に線1B−1Bの平面に沿って切取られた図1の薄板の断片的拡大断面図である。
【図2】従来技術で公知の代替構成を用いて複数のスリットが形成された薄板材の断片的上面図である。
【図2A】約90度曲げられた図2の薄板の断片的拡大側面図である。
【図2B】実質的に図2の線2B−2Bの平面に沿って切取られた断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に従ってスリット加工された薄板材の断片的上面図である。
【図4A】図3の実施形態に従ってスリット加工され、工程の平面の曲げ部を示す薄板材の断片的上面図である。
【図4B】図3の実施形態に従ってスリット加工され、図4Aの平面から図4Dの90度の曲げ部に曲げられる工程にある薄板材の断片的上面図である。
【図4C】図3の実施形態に従ってスリット加工され、図4Aの平面から図4Dの90度の曲げ部に曲げられる工程にある薄板材の断片的上面図である。
【図4D】図3の実施形態に従ってスリット加工され、工程の90度の曲げ部を示す薄板材の断片的上面図である。
【図5A】薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Aの線5A−5Aの平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5A−1】図5A’は、薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Bの線5A’−5A’の平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5A−2】図5A’’は、薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Cの線5A’’−5A’’の平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5A−3】図5A’’’は、薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Dの線A’’’−A’’’の平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5B】薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Aの線5B−5Bの平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5B−1】図5B’は、薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Bの線5B’−5B’の平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5B−2】図5B’’は、薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Cの線5B’’−5B’’の平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5B−3】図5B’’’は、薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Dの線B’’’−B’’’の平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5C】薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Aの線5C−5Cの平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5C−1】図5C’は、薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Bの線5C’−5C’の平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5C−2】図5C’’は、薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Cの線5C’’−5C’’の平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図5C−3】図5C’’’は、薄板材の曲げ処理中に実質的に図4Dの線C’’’−C’’’の平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に従ってスリット加工された薄板材の上面図である。
【図7】約90度曲げられた後の図6の薄板の上面図である。
【図8】図7の薄板材の端面図である。
【図8A】実質的に図7の8A−8Aの平面に沿って切取られ、図8から約45度回転された図7の薄板材の拡大端面断面図である。
【図8B】実質的に図7の8B−8Bの平面に沿って切取られ、図8から約45度回転された図7の薄板材の拡大端面断面図である。
【図9】本発明の更に別の代替実施形態に従ってスリット加工された薄板材の断片的上面図である。
【図10】約90度曲げられた後の図9の薄板の側面図である。
【図10A】実質的に図10の線10A−10Aの平面に沿って切取られた断片的断面図である。
【図11】本発明により製作されたストラップ形成構造部を有する薄板材の更に別の代替実施形態の概略断片的上面図である。
【図11A】高速貫通レーザ切削技術を用いて形成された図11に示す構成のスリットの断片的上面図である。
【図12】湾曲箱形梁に曲げられて組み付けられる前の1つの薄板材の断片的上面図である。
【図13】各々が図12に示すようにスリット加工された2つの薄板材から製作された湾曲箱形梁の側面図である。
【図14】図13の梁の端面図である。
【図15】ストラップ形成構造部を用いて形成され、円筒形部材を取り囲むように構成された薄板材の上面図である。
【図16】曲げ線に沿って曲げられ、円筒形部材を取り囲むように取り付けられた時の図15の薄板材の上面斜視図である。
【図17】本発明により形成された薄板材を使用して形成された波形アセンブリの分解組立上面斜視図である。
【図18】本発明により形成された薄板材の代替実施形態の分解組立上面斜視図である。
【図19】曲げ又は折畳み前に波形デッキの代替実施形態を製作するために使用されるスリット薄板の上面図である。
【図20】図19のスリット薄板材を使用して製作された波形薄板又はデッキの上面斜視図である。
【図21】実質的に図20の線21−21によって境界が設けられた拡大断片的斜視図である。
【図21A】実質的に図19の線21A−21Aによって境界が設けられた拡大断片的上面図である。
【図22】円筒形形態を形成するようにスケーリングされた、図19及び図20のものと類似の波形薄板を使用して製作された円筒形部材の概略端面図である。
【図23】予測可能な曲げを保障するために変位された舌状部又はタブを有する、本発明によりスリット加工された薄板材の拡大断片的側面図である。
【図23A】曲げ処理中の図23の薄板の縮小端面図である。
【図24】薄板の平面に対して斜角でスリット加工され、補角までの曲げ処理中を示す薄板材の断片的端面図である。
【図25】本発明に従って配置されたリール間薄板スリット加工ラインの概略側面図である。
【図26】例えば図25の装置を使用してスリット加工され、圧延されて三次元構造部に曲げられる工程にあるコイル状薄板材の上面斜視図である。
【図27A】本発明により製作される薄板材がクロスブレースト箱形梁に曲げられている時の上面斜視図である。
【図27B】本発明により製作される薄板材がクロスブレースト箱形梁に曲げられている時の上面斜視図である。
【図27C】本発明により製作される薄板材がクロスブレースト箱形梁に曲げられている時の上面斜視図である。
【図27D】本発明により製作される薄板材がクロスブレースト箱形梁に曲げられている時の上面斜視図である。
【図27E】本発明により製作される薄板材がクロスブレースト箱形梁に曲げられている時の上面斜視図である。
【図27F】本発明により製作される薄板材がクロスブレースト箱形梁に曲げられている時の上面斜視図である。
【図27G】本発明により製作される薄板材がクロスブレースト箱形梁に曲げられている時の上面斜視図である。
【図28A】本発明により製作される薄板材が電気構成要素などの構成要素の支持用シャーシに曲げられている時の上面斜視図である。
【図28B】本発明により製作される薄板材が電気構成要素などの構成要素の支持用シャーシに曲げられている時の上面斜視図である。
【図28C】本発明により製作される薄板材が電気構成要素などの構成要素の支持用シャーシに曲げられている時の上面斜視図である。
【図28D】本発明により製作される薄板材が電気構成要素などの構成要素の支持用シャーシに曲げられている時の上面斜視図である。
【図28E】本発明により製作される薄板材が電気構成要素などの構成要素の支持用シャーシに曲げられている時の上面斜視図である。
【図29】本発明のスリット薄板の低力曲げ又は折畳み処理に適する機器の一実施形態の概略上面斜視図である。
【図30】本発明の薄板曲げ又は折畳み工程の別の実施形態の概略上面斜視図である。
【図31】本発明のスリット薄板材曲げ処理に対する対話式設計、製作、及び組み付け工程の一態様の流れ図である。
【図32A】本発明により製作される薄板材のスタッドウォール/ラダーに曲げられている時の上面斜視図である。
【図32B】本発明により製作される薄板材のスタッドウォール/ラダーに曲げられている時の上面斜視図である。
【図32C】本発明により製作される薄板材のスタッドウォール/ラダーに曲げられている時の上面斜視図である。
【図32D】本発明により製作される薄板材のスタッドウォール/ラダーに曲げられている時の上面斜視図である。
【図32E】本発明により製作される薄板材のスタッドウォール/ラダーに曲げられている時の上面斜視図である。
【図33】本発明により製作される湾曲波形デッキ又はパネルの上面斜視図である。
【図34A】スイングアウトブレースト箱形梁に曲げられている時のスイングアウトブレーシングを含む薄板材を示す上面斜視図である。
【図34B】スイングアウトブレースト箱形梁に曲げられている時のスイングアウトブレーシングを含む薄板材を示す上面斜視図である。
【図34C】スイングアウトブレースト箱形梁に曲げられている時のスイングアウトブレーシングを含む薄板材を示す上面斜視図である。
【図34D】スイングアウトブレースト箱形梁に曲げられている時のスイングアウトブレーシングを含む薄板材を示す上面斜視図である。
【図34E】スイングアウトブレースト箱形梁に曲げられている時のスイングアウトブレーシングを含む薄板材を示す上面斜視図である。
【図35】本発明によりスリット加工され、単一スリット実施形態を含む薄板材の上面図である。
【図36】図35の薄板がローラハウジングに曲げられる時の上面斜視図である。
【図37】異なる曲げ線終端スリット構成を有する薄板材の断片的上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ここで本発明の好ましい実施形態を詳細に参照するが、その実施例は、添付図面に示されている。本発明は、好ましい実施形態に関連して説明するが、本発明をこれらの実施形態に限定することは意図していないことが理解されるであろう。逆に、本発明は、特許請求の範囲によって定められる本発明の精神及び範囲に含めることができる代替、修正、及び均等物を包含するように想定されている。
薄板材の精密曲げのための方法及び装置は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれる、以前の出願である2000年8月17日出願の「薄板材の精密曲げの方法及びそのためのスリット薄板」という名称の米国特許出願出願番号第09/640,267号、及び2002年9月26日出願の「薄板材の精密曲げのための方法、スリット薄板、及び製作工程」という名称の米国特許出願出願番号第10/256,870号に開示されているスリット加工幾何学形状に基づくものである。
【0039】
本発明の精密及び高強度曲げ工程及び装置の一実施形態は、図3から図5を参照して説明することができる。図3においては、薄板材41は、曲げ線45に沿って、複数の曲げストラップ形成構造部、この場合には、全体的として43と指定されたスリット43を伴って形成される。従って、スリット43は、スリットの対43の間にウェブ又はストラップ47を形成するように、縦方向にかつ端部間で間隔を置いた関係で延びている。図3においては、スリット43は、ウェブ47における応力集中の低減を行うように端部に応力低減構造部、すなわち、開口部が設けられている。しかし、図3の拡大された開口部49のような応力低減構造部は、本発明の精密曲げシステムの利点の達成のためには必要ではないことが以下の説明から理解されるであろう。
【0040】
しかし、図3に示すスリット43の実施形態の場合、スリット端部間の各縦方向に延びるスリットは、曲げ線45に対して横断方向に段付きである。従って、スリット43aのようなスリットは、曲げ線45の近くに、好ましくは、曲げ線45の両側に等距離かつ曲げ線45にほぼ平行に位置決めされた一対の縦方向に延びるスリットセグメント51及び52で形成される。縦方向のスリットセグメント51及び52は、更に、スリット43aが、拡大開口部49aから、拡大開口部の両方に開かれて縦方向に延びるスリットセグメント51及び52と横断方向のスリットセグメント53との両方を含む拡大開口部49bに延びるように、相互に結合された経路に沿って横断方向に延びるスリットセグメント52によって連結される。
【0041】
このような段付きスリットの機能及び利点は、図4Aから図4D及び対応する図5A〜図5Cから図5A’’’〜図5C’’’を参照すると最も良く理解することができ、図3に示すような薄板材41の曲げ又は折畳みが様々な段階で示されている。図4Aにおいては、薄板41は、図3に示すように基本的にスリット加工されている。図3においては、除去された材料の切り口幅つまり断面が示されているが、図4Aにおいては、スリット加工ナイフ又はパンチによって生成されるような切り口なしに示されているという点において、図3と図4Aには相違点がある。しかし、曲げ処理中の効果は、スリットの両側の材料が曲げ処理中に相互に係合するように十分に小さい場合は同じである。図4A〜5C...においては、図3に使用されたのと同じ参照番号が使用されている。
従って、薄板41は、図4Aにおいては曲げ前の平坦な状態で示されている。縦方向に延びるスリットセグメント51及び52が図4Aに示されており、また、図5Aから図5Cに関しては断面で示されている。また、図4Aにおいては、薄板の様々な断面の位置が示されている。
【0042】
図4Bにおいては、薄板は、曲げ線45に沿って僅かに曲げられており、これは、図5A’から図5C’において最も良く分る。図5A’及び図5B’で分るように、スリット51及び52は、上縁部に沿って開放されており、曲げ線45を超えて延びる薄板の部分は、米国特許第6,481,259号B1及び米国特許出願出願番号第10/256,870号で「タブ55」と称したものであるが、本出願の以下の実施形態との一貫性を持たせるために「リップ」55と称するものとする。リップ55の下部又は底部側面縁部51a及び52aは、リップ55の反対側の薄板の支持面51b及び52bにより僅かに上方に移動している。リップ縁部51a及び52bのこの変位は、より大きな角度に曲げられた時、例えば、図4Cに示す位置に曲げられた時の薄板に関連してより良く見ることができる。
【0043】
図4Cにおいては、縁部51a及び52bは、曲げ線45の両側で薄板41の支持面51b及び52b上を上方に移動したことが分る。従って、曲げ処理中に、スリットの縁部51a及び52aと対向する支持面51b及び52bとの間で摺りによる接触がある。この摺りによる接触は、図4Aに示すように、縦方向のスリットセグメント51及び52が曲げ線45の両側で等しい間隔を置いた位置に形成された場合に、中央の曲げ線45の両側の等距離の位置で発生することになる。また、摺りによる接触は、固定又は接合前に潤滑油により又は接着剤又は密閉剤によって容易にすることができる。
この構造部の結果、2つの実際の支点51a及び51b及び52a及び52bは、曲げ線45から等距離の位置にあり、かつ曲げ線45の両側に間隔が置かれる。リップ縁部51及び支持面51b、並びに、リップ縁部52a及び支持面52bは、実際の支点の間に存在する仮想支点回りに曲げウェブ47の曲げを生成し、また、曲げ線45上に重ね合わさせることが理解されるであろう。
【0044】
90度の曲げ部の最終的結果は、図4D及び対応する横断面5A’’’から横断面5C’’’に示されている。見て分るように、薄板縁部52a及び底部側面又は表面52cは、この時点では支持面52bに対して部分的に重なり合う関係で相互に係合するか、又は載置されるか、又は支持される(図5A’’’)。同様に、縁部51a及び底面51cは、この時点では係合し、重なり合った状態で表面51bに載置される(図5B’’’)。ウェブ47は、塑性変形したか又はウェブ47aの上面に沿って延び、図5C’’’に最も良く図示されるように、ウェブ47の下面47bに沿って塑性的に圧縮されたことが分る。
【0045】
図4Dの曲げ状態においては、薄板のリップ部、すなわち、薄板がスリット加工された時に中心線上に延びる部分55は、この時点では、支持面51b及び52bに載置されている。この縁部と面の係合と曲げ処理中の支持とは、図示の構成では曲げ線に沿って交替するが、曲げ又は折畳みにおいてより大きな精度を生成し、かつ、曲げ又は折畳み構造部に曲げ部及び折畳み部で相互に垂直方向により大きな剪断力を与える。従って、負荷La(図5A’’’)は、支持縁部52b上の縁部52a及び底面52cの重複によってウェブ47間で支えられることになる。同様に、負荷Lb(図5B’’’)は、曲げウェブ47の中間の支持面51b上の縁部51aと表面51cの重複及び係合によって支えられることになる。
【0046】
これは、本明細書では、スリットの片側の実質的に全長に沿った材料のスリットの、他方の側の実質的に全長に沿った材料による「縁部と面」の係合及び支持と呼ばれる。薄板41の折畳み角度が90度を超える場合、縁部51a及び52bは、面51b及び52bから浮き上がり、底面51c及び52cは、面51b及び52bの下縁部によって支えられることが認められるであろう。薄板41の折畳み角度が90度よりも小さい場合、縁部は、それでも曲げ開始のほぼ直後に面と係合するが、縁部のみが面と係合する。スリットの片側のスリットの他方の側によるこの支持は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される時、「縁部と面」の係合及び支持と見なすものとする。これより以降に説明するように、面51bによる縁部51a及び52aの完全な支持を伴う90度以外の曲げ部は、薄板に対して90度ではない角度で薄板をスリット加工することによって達成することができる。
【0047】
塑性変形の結果として、曲げストラップ又はウェブ47に残留応力がある間、及び、スリットのために曲げ部のかなりの部分が本発明のスリットベースの曲げシステムで直接的に互いに結合されない間は、スリットは、従来のスリット加工又は溝切り幾何学形状に基づいて、図1、図1A及び図1B、及び図2A及び図2Bの構造部の強度を凌ぐ実質的な追加強度を曲げ構造部に与える縁部と面の重複を生成するように形成かつ位置決めされる。本発明の曲げストラップは、実際には、実質的に曲げ工程全体に亘って、かつ、曲げ部端部においては実質的にスリット全長に亘って、スリットの側面を引っ張るか又は締め付けて縁部と面の係合をもたらすように曲げ部に予め負荷を与える。また、ストラップ内の残留張力による曲げ部の予負荷は、スリットの他方の側で土台として作用する面に対して予負荷を与えられたスリット縁部間の振動を防止する傾向がある。
【0048】
更に、縁部は、スリットの長さのかなりの部分に亘って面と相互に係合されるので、図2、図2A、及び図2Bの従来技術のスリット加工構成と同様に、負荷La及びLbは、曲げストラップ47を粉砕したり、又は更に塑性変形させるものではない。本発明の曲げ部の負荷印加は、単に図2、図2A、及び図2Bの従来技術の構成及びGitlin他の出願で得られる捩れ及び大きな応力が発生したストラップの断面連結域によるのではなく、本発明のスリット加工技術によって生成された縁部と面の係合によって直接支持される。
【0049】
従って、本発明の横方向の段付き又は千鳥状のスリットを使用する実施形態は、その結果、実質的な利点が得られる。最初に、縦方向に延びるスリットセグメント51及び52の横断方向の位置は、曲げ線45の各側に正確に設置することができ、その結果、曲げ線から等距離かつ曲げ線の両側での2つの実際の支点により、曲げが仮想支点回りで生じる。スリット位置は、CNC制御装置によって駆動される切削装置によって非常に正確に制御することができるので、この精密曲げによって許容誤差の蓄積が低減又は排除される。
【0050】
また、プレスブレーキは、通常、薄板縁部又は既存の曲げ部又は他の特徴の割り出しを行うことによって曲げることに注意すべきである。このために、プレスブレーキを使用して薄板縁部の特徴に対して角度をつけて曲げることが困難なものとなっている。しかし、薄板縁部の任意の特徴に対して角度をつけて正確に曲げることは、本発明のスリット加工法を用いれば容易に達成することができる。更に、得られる曲げ薄板は、本発明のスリット構成によって生成される縁部及び面の重複がこのような負荷に対して薄板を支えるために、剪断負荷及び相互に垂直の軸線に沿った負荷に対する強度が実質的に改善されている。
【0051】
見て分るように、本発明の実施形態により、図3から図5C’’’に示すような曲げ線に実質的に垂直方向であるストラップ47の精密曲げが生成される。曲げストラップのこのような配向により、ストラップの外側又は上面に沿った実質的な塑性伸長、並びにストラップの内面又は底面に沿った実質的な圧縮が生成される。曲げ部は、図1から図1Bの垂直方向のストラップの曲げ部と同様の方法で比較的短い垂直方向のストラップ上に生じるが、図3から図5C’’’においては、1つの平面のリップ55は、押し込められて曲げ強度向上のために他方の平面の面と連結又は相互に係合した関係となっている。
【0052】
図2から図2Bに示す従来技術の手法では、結合ストラップ34は、曲げ線に平行に配向され、その結果、ストラップは、実質的に捩れによって塑性変形する。また、この捩れによる塑性変形により、曲げ線回りに材料の微細構造が実質的に変わる。更に、ストラップは、薄板の両側を完全に押し込むか又は締め付けてスリットの長さに亘って相互に係合した関係にするものではない。更に、図3から図5C’’’においては、ストラップ幅は、曲げ部強度の設計においてより大きな柔軟性を達成することができるように、スリット51及び52の間のジョグ距離から独立して変えることができる。
【0053】
90度の薄板材の曲げ処理が図示されているが、本発明の全ての実施形態で説明する利点の大部分は、スリット薄板の曲げ角度が90度を超えるか又は下回る場合でも達成することができることが理解されるであろう。曲げ線に沿って延びるリップは、小さい曲げ角で始まる対向面上に摺って係合し、このような支持及び係合は、90度に曲げ角を加えた大きな角度で続くことになる。
図3から図5C’’’の実施形態は、比較的延性を有する薄板材との併用に最適であることが判明している。材料の硬度が大きくなりかつ延性が劣る時は、第2の実施形態が好ましいものである。
【0054】
図6から図8Bに示す本発明の実施形態では、薄板材をスリットの両側で薄板材を押し込めるか又は締め付けて相互係合の関係にし、曲げストラップ塑性変形及びストラップの残留応力を低減するスリット加工構成が使用される。更に、この実施形態はまた、ストラップ幅をスリット間のジョグ距離から独立して変え、また、曲げ線の両側での薄板材の連結部の応力集中低減のためにストラップ幅を曲げ線から双方向に大きくすることを可能にするものである。
【0055】
曲げ線に対して斜めである曲げストラップが使用され、従って、図3から図5C’’’のより短い曲げストラップと比較すると、ストラップ長を長くすることが可能となる。また、塑性変形は、図3から図5C’’’の場合と同様に、純粋に曲げによってではなく部分的に捩れによって達成されるが、捩れ量は、図2から図2Bの平行なストラップと比較すると大幅に低減される。更に、スリットの両側の材料リップは、負荷印加時の実質的な加法的ストラップ応力が発生しないように押し込められ、スリットの実質的に全長に亘って面との相互係合となる。
【0056】
更に、図6から図8Bに示す実施形態では、このスリット構成により、曲げ処理中にスリットの両側に材料間の連続的な摺りによる相互係合が生成され、この相互係合は、中央部から端部にスリットに沿って進行する。スリットの両側の面は、曲げ処理中の摺りによる支持の土台として作用し、その結果、曲げストラップの曲げの均一化及び応力低減がもたらされる。従って、図6から図8Bに示すような実施形態は、熱処理6061アルミニウム又は一部のセラミックのような延性が小さい薄板材及びより厚い薄板材に対して使用することができる。
【0057】
詳細に図6から図8Bを参照すると、曲げられるか又は折畳まれる薄板材241は、曲げ線245に沿ってスリット243のような複数の縦方向に延びる曲げストラップ形成構造部で形成される。スリット243の各々には、任意的に、拡大端部開口部294又は湾曲端部部位294aを設置することができるが、これらは、薄板の負荷印加方向によっては、応力亀裂がスリット243に伝播する原因となる傾向がある。見て分るように、図6及び図8Bの実施形態のスリットは、段付きではなく、曲げ線245上に重なり合う仮想支点回りの斜めに配向された曲げストラップ247の曲げ及び捩れを生成する方法から成る。また、ジョグ距離及び切り口幅の選択を含むスリットの構成及び位置決めにより、スリットの両側の薄板材は、曲げ処理中に押し込まれるか又は移動して縁部と面の相互係合の関係になる。縁部と面の相互係合は、曲げ部を通じて生じ、完成にいたることが最も好ましい。しかし、ジョグ距離及び切り口は、曲げ部の開始部でのみ縁部と面の相互係合を生成するように選択することができ、これは、精密曲げを保証する傾向があることになる。従って、本明細書で使用される時、「曲げ処理中」という表現は、曲げ部の任意の段階における縁部と面の相互係合を含むことを意味する。
【0058】
図6から図8B及び図9から図10Aに示して説明する実施形態は、段付きではないが、図8B及び図9から図10Aの実施形態の斜めストラップは、図3〜5C...の段付きスリット構成と結合させることができる。従って、段付きスリット端部の一方又は両方は、斜め又は湾曲とすることができる。
図6に示すように、対を成す細長いスリット243は、曲げ線の両側にある対を成す縦方向に隣接するスリット端部251が、曲げ線245に沿って斜めに延びることが見て分るウェブ、スプライン又はストラップ247を形成するように、曲げ線245の両側にかつその近くに位置決めされることが好ましい。図11に関連してより詳細に説明するように、「斜め」又は「斜めに」は、ストラップの長手方向の中心軸線が90度以外の角度で望ましい曲げ線を横切ることを意味するものとする。従って、各スリット端部251は、ストラップの中心線が斜めであり、曲げ及びストラップの捩れが発生するように、曲げ線245から離れて分岐する。本発明による曲げを行うための絶対要件ではないが、スリット243は、曲げ線245に沿って縦方向に重なり合っていることが見て分るであろう。
【0059】
曲げストラップ34を形成する区域において曲げ線に平行である図2から図2B及び従来技術のGitlin他の出願のスリット31と異なり、スリット243は曲げ線245から分岐しているので、結果的に、図2から図2B及び従来技術のGitlin他の出願の従来技術で存在する極端な捩れの発生を必要としない斜めの曲げストラップとなっている。更に、スリット243は曲げ線245から分岐するので、その結果、ストラップの幅寸法は、ストラップが薄板241の残りの部分と連結する時に大きくなる。この幅の増大は、応力集中を低減するように、かつストラップの耐疲労性を大きくするように、曲げ部の全体に亘る負荷印加の移動を高めるものである。
【0060】
第1の実施形態の場合と同様に、スリット切り口243は幅寸法を有し、スリット間の曲げ線に沿った横断方向のジョグ距離は、曲げ処理中にスリットの両側で薄板材の相互係合を生成する寸法であることが好ましい。従って、スリット243は、ナイフで作って本質的にゼロ切り口とすることができるか、又は、曲げられる薄板の厚みにより、依然として相互係合を生成するより大きな切り口を有することができる。切り口幅は、材料厚みの約0.3倍を上回らず、ジョグ距離は、材料厚みの約1.0倍を上回らないことが最も好ましい。
【0061】
図3〜5C...の実施形態の場合と同様に、リップ部253は、曲げ線245に沿ってスリット243まで延びる。リップ253は、切り口幅及びジョグ距離が、材料厚みに対して、曲げ処理中にスリットの2つの側面の接触を防止するほどの大きさではない場合は、スリット243の反対側で舌状部260の面255を摺らせるか又は浮き上がらせる。
切り口幅及びジョグ距離が、舌状部260のリップ部253と面255との接触が発生しないほどの大きさである場合、曲げ又は折畳み薄板は、依然として斜め曲げストラップの向上した強度の利点の一部を有するが、このような場合は、曲げのための支点は実際にはなく、従って、曲げ線245に沿った曲げが予測可能性や精度が劣ったものになる。同様に、ストラップ形成構造部が薄板材を貫通しない溝である場合、この溝は、斜めの高強度曲げストラップを形成するが、溝が曲げ処理中に突っ切ってスリットになるほど深いものでない限り、縁部と面の摺りは発生しない。従って、曲げストラップが弓状かつ分岐した状態で溝切りされた実施形態は、縁部と面の曲げが発生しない場合でさえも、向上したストラップ強度を有することになる。
【0062】
舌状部260の面255とのリップ253の相互係合を生成するには広すぎる切り口幅に付随する別の問題は、得られる曲げ薄板材では、リップ縁部は、曲げ部が曲げ薄板の2つの側面間で小さな円弧角を形成するには比較的極端なものでない限りスリット面では支えられないということである。従来技術のスリット加工手法に関連して説明したように、これは、結果的に、負荷印加時に曲げ薄板に即座に更に別の応力が掛かることになる。この問題は、図6から図8Bのストラップ構成では従来技術におけるほど厳しいものではないと考えられるが、好ましい形態は、切り口幅及びジョグ距離が、実質的に曲げ工程を通じてリップと舌状部面との相互係合を保証するように選択されることである。
【0063】
また、スリット243は、実際には曲げ線上にあるか又は曲げ線に沿っていても、依然として実際の支点面255及びそれに沿って摺るリップ253縁部の釣り合いの取れた位置決めから精密曲げを生成することが可能である。曲げ線245を横切るように形成されたスリット243の潜在的な欠点は、空隙が縁部257と面255の間に残るということである。しかし、空隙は、その後の溶接、ろう付け、半田付け、接着剤充填を容易にするためには、又は、空隙が通気に望ましい場合には、許容可能なものとすることができる。空隙を作るスリットの位置決めは、その後の曲げ部補強の使用時には、本発明の望ましい特徴になる。しかし、空隙は、埋められなければ、塑性変形したストラップ247の結合ゾーン又は断面区域上で、回転を除く全ての自由度における曲げ部の耐力要件を課する傾向がある。また、空隙なしに縁部と面の係合を生成する曲げ線を横切るスリットをスケーリングすることが可能である。
【0064】
図7、図8、図8A、及び図8Bは、曲げ線245に沿って90度の角度に曲げられた状態の薄板241を示す。図8A及び図8Bで最も良く分るように、リップ253の内側縁部は、スリット両側で舌状部260の面255上に摺って載っており、その面で相互係合して支えられている。従って、垂直方向の力FVは、図8Aに示すように、縁部257と面255の重複によって支えられている。水平方向の力FHは、図8Bに示すように、同様に面255上での縁部257の重複によって対向されている。従来技術の図1A、図1B、図2A、及び図2A及び図2Bと、図8A及び図8Bとを比較すると、本発明の曲げ方法及びスリット構成が構造部全体の強度に関して有する相違点が明らかになる。スリットに沿った交替する重なり合う縁部と面の支持と、反対の歪曲した方向に傾いた斜め曲げストラップとの組合せにより、正確であるばかりでなく従来のスリット加工構成よりも遥かに少ない残留応力及び高い強度を有する曲げ部及び捩れが達成される。
【0065】
しかし、対向する方向での曲げストラップの斜め配置は、本発明の利点の多くを達成する上で必要なものではない。薄板241が等方性材料である時、ストラップ縦方向中心軸線の交互の斜め配置は、応力を打ち消す傾向がある。薄板材が等方性でない場合、材料内の優先的なきめの効果を打ち消すために同じ方向の斜めストラップの斜め配置を用いることができる。代替的に、等方性薄板材に対しては、同じ方向のストラップの斜め配置は、曲げ線の両側の薄板の部分の曲げ線に沿った相対的なずれを生成することができ、このずれは、生成される側面ずれ量によって締り嵌め又はタブ及び溝穴挿入などの第3の平面との固定係合を生成するのに使用することができる。
【0066】
斜めスリットの幾何学形状は、スリットが終端するか又はストラップが薄板の残りの部分と連結される地点で、ストラップ材料における残留応力を低減する傾向がある領域に亘って曲げて捻られるようなものである。従って、亀裂伝播が低減され、スリット端部での拡大開口部又はカールの必要性が少なくなる。得られる構造部が主として静的負荷印加を意図したものであるか又は負荷が印加されることが全く予想されない場合、斜めスリットを生成する弓状スリットでは応力低減終端は必要ではない。
【0067】
更に、スリット243は、横断方向に互いに間隔が置かれるジョグ距離を大きくすることなくストラップ247の幅を変えるように、曲げ線243に沿ってずらすことができることが理解されるであろう。逆に、同じストラップ厚みを維持するために、スリット間のジョグ距離を大きくし、スリットを縦方向にずらすことができる。明らかに、用途に適合させるようにストラップ幅及び長さを設計するために両方の変更を行うことができる。
【0068】
一般的に、スリット間の横断方向距離の比率つまり曲げ線までの1つのスリットの距離の2倍を「ジョグ」と呼ぶ。本発明の好ましい実施形態における材料厚みに対するジョグ距離の比率は、1未満となる。すなわち、ジョグ距離は、通常、1つの材料厚みよりも小さい。より好ましい実施形態では、材料厚みの0.5未満というジョグ距離比率を用いる。更に好ましい実施形態では、使用される特定の材料、ストラップ幅、及び切り口寸法により、材料厚みの約0.3というジョグ距離比率を用いる。
【0069】
曲げストラップ247の幅は、薄板を曲げるのに必要とされる力の量に影響を与え、それは、スリットを曲げ線245から更に遠ざけるか又はスリットの位置を縦方向にずらすか、又はその両方によって変えることができる。一般的に、斜めの曲げストラップ247の幅は、曲げられる材料の厚みより大きくなるように選択することが最も好ましいが、材料厚みの約0.5倍から約4倍の範囲のストラップ幅を用いることもできる。ストラップ幅は、材料厚みの0.7倍から2.5倍であることが更に好ましい。
【0070】
しかし、本発明の利点の1つは、スリット加工構成が、通常、薄板の曲げを手工具又は比較的低電力の工具を使用して達成することができるようなものであるという点である。従って、曲げ工具で必要なものは、曲げストラップ247の曲げ及び捩れ処理を行うほどの大きさの力のみである。曲げ部の位置を制御するほどの力を有する必要はない。このような制御は、プレスブレーキのような曲げ部の位置を制御するほどの力で曲げる材料を締め付ける電動式機械に必要とされるものである。しかし、本発明においては、曲げ部の位置は、実際の支点、すなわち曲げ線の両側で面255で回転する縁部によって制御され、従って、必要とされる曲げ工具は、曲げ部の位置ではなくてストラップ247の曲げを行うことができる工具でありさえすればよい。これは、例えば、大気圏外又は構造部の現場製作において、又はこのような高電力機器を有していない製作者による高強度電動工具が容易に入手可能ではない用途では極めて重要なことである。これはまた、以下でより詳細に説明するように、波形厚紙曲げ機械、空気袋、真空曲げ、折り畳み式バーを有する油圧引抜きシリンダ、形状記憶曲げ材料のような低力薄板曲げ機器を金属薄板を曲げるのに使用することを可能にする。更に、強力な弓状曲げ部は、構造部自体の幾何学形状のために電動曲げ機器への物理的なアクセスが可能ではない構造部の製作において重要である。これは、特に、三次元構造部を閉鎖してラッチするために必要とされる最後の数箇所の曲げ部に当て嵌まる。
【0071】
スリット端部251の最も好ましい構成は、曲げ線245からの弓状の分岐である。実際に、各スリットは、図9、図10、及び図10Aに示しかつ以下で説明するように、連続的な円弧として形成することができる。円弧により、スリットの側面の材料は、スリットの中心から始まりかつスリットの端部に進む円弧経路に沿って舌状部の表面側を滑らかにかつ漸進的に上る。これによって、曲げ処理中の面255での縁部257の中断の危険が低減されることにより、曲げストラップにおいて応力が少なくなる。更に、大きな半径の切れ目なしの表面は、応力集中を受ける可能性が小さい。図6から図8Bの構成においては、スリットの中心部は、曲げ線245にほぼ平行である。一部の平行ではない配向は、特に曲げ線のいずれかの側で釣り合いが取れている場合は許容可能であり、かつ本明細書で説明する結果をもたらすことができる。
【0072】
また、曲げ線及びスリット243の中心と直角に曲げ線245から分岐するように端部部分251を形成することが可能である。スリットが縦方向に重なり合わなかった場合は、これによって斜めではない可能性がある曲げストラップが形成される。この手法の欠点は、曲げストラップ247が均一かつ確実に曲がらないことによって曲げ部の位置の精度に影響を与える傾向があるということである。更に、このような幾何学形状では、ストラップの捩れが排除され、曲げ部の内半径部及び外半径部に厳しい応力集中点が導かれて、縁部と縁部の係合の程度が制限される可能性がある。
【0073】
本発明の全ての実施形態における曲げストラップは、最初に弾性変形し、塑性/弾性材料においては、その後に塑性変形する。また、スリット加工に関する本発明は、決して塑性変形しない弾性変形プラスチック材に関しても使用することができる。このような材料は、弾性によって平坦になることがないように曲げ又は折畳まれた状態で固定される。弾性変形のみが発生する可能性を高めるために、曲げストラップは、曲げ線に対して小さな角、最も好ましくは26度以下である中央の縦方向のストラップ軸線によって形成されることが好ましい。その角度が小さいほど、発生する捩れの割合が高くかつ発生する曲げの割合が低い。更に、その角度が小さいほど、発生する曲げ半径が大きい。剛性ポリマー、剛性金属、より柔軟なセラミック、一部の複合材のような優雅な塑性変形をしない剛性の材料は、弾性領域で大きな曲げ半径を許容することができる。それらはまた、長い材料ストラップに亘って分配されている捩れ又は捩れバネ作用を許容することができる。角度が小さなストラップは、両方の態様をもたらす。
【0074】
しかし、塑性変形薄板の曲げ部の端部では、面255に当たって縁部257を引き下げる傾向があり、かつ、スリットの両側で材料間の相互係合を維持する残留弾性締め付け力を発生するある一定の弾力的弾性変形が残ることになる。従って、曲げ部の強度を保証し、曲げ部負荷印加時に曲げストラップ増分応力を低減するために、曲げられる薄板の弾性弾力性は、支持面に対して重なり合う薄板縁部に予負荷を印加するか又はそれを適合させる傾向がある。
【0075】
図9、図10、及び図10Aに示す実施形態は、図6から図8Bの斜めストラップ実施形態で詳細に説明したものの特殊な場合である。ここでは、斜めストラップは、完全に弓状のスリット443によって形成される。このスリット構成は、円形セグメントとして示されているが、特に、より厚くかつ延性の小さい金属薄板、例えば、チタン及び1/4インチ鋼板又はそれ以上の曲げに適する。
弓状又は円形スリット443が薄板441内で曲げ線435の両側に形成される時、曲げ線445に亘ってスリット443まで延びる薄板のリップ部453は、曲げ開始時に各弓状スリットの中心部で舌状部470の面455を押し込むか又は面45上に摺り始める。次に、リップ部453は、ストラップ447に捩れ及び曲げが行われる時に、部分的に各スリットの中心部から舌状部面455にスリット端部まで漸進的に摺る。対向面へのリップの漸進的に押し込みは、スリット端部449に印加される応力が小さく、従って、例えば図6から図8Bの実施形態よりも延性が小さくかつ厚みがある材料に適し、この実施形態では、スリットは、真っ直ぐな中央部を有し、同時に、真っ直ぐな部分の全体に亘って摺って対向面に載る。
【0076】
図10のスリット端部には、応力軽減開口部249はなく、また、図6から図8Bのアールが付いた端部249a及び図10の湾曲端部にもないが、スリット443の方が、殆どの薄板素材に切断又は形成するのに経済的である。更に、ストラップ447の変形は、応力集中が低減されるように曲げ処理中によりゆっくりと行われる。勿論、これは、より小さい応力集中でより均一に負荷印加力及び曲げ力を薄板の残りに移動させるために、ストラップ幅の増大と組み合される。
【0077】
本発明の薄板スリット加工及び溝切りに関する本発明の様々な実施形態は、これまで達成されていない設計、製造、及び組立上の利点を達成することを可能にするものである。従って、本発明による薄板素材形成技術を用いることにより、CAD設計、「高速プロトタイピング」、及び「ピック・アンド・プレース」組立などの設計及び製作技術の利点を余すことなく達成することができる。更に、溶接のような標準的な製作技術は、本発明のストラップを形成する構成を用いれば大幅に高められる。
【0078】
本発明により形成された薄板の使用の多くの利点は、溶接と同じくらい基本的な製造技術に関連して示すことができる。本発明の方法を用いる薄板曲げでは、例えば、治具留めのような複数の部品の取り扱いに付随する製造上の問題が回避される。
更に、スリット加工が使用される本発明の曲げ薄板は、スリットに沿って溶接することができる。図10Aで分るように、例えば、タブ453の面455と端面457は、溶接に理想的なV字形断面を形成する。図10Aに示すようなスリット443に沿って溶接部(破線)を配置するのに、研削や機械加工は不要である。更に、スリットの両側の薄板の側面の縁部と面の係合は、実際には、溶接中に薄板の部分を互いに保持しかつ熱誘導歪みを低減するための治具又はファスナとなる。その結果、段取り時間が大幅に低減され、本発明のスリット加工工程によって達成される寸法精度が溶接段階中に維持される。また、弓状スリットは、ロボット溶接に対して容易に感知される表面起伏の特徴となる。また、これらの利点は、半田付け、ろう付け、接着剤充填に関連して生じるものであるが、熱による歪みは、通常、多くの接着剤に対しては重大な問題ではない。
溶接、ろう付け、半田付け、注入複合材、又は接着剤によってスリットを埋めることにより、本発明の曲げ薄板を流体又は流動可能な材料を保持するエンクロージャに形成することが可能となる。従って、曲げ薄板によるエンクロージャは、流体密封型を形成するためにさえも使用することができ、薄板加工部は、成形後に除去するか又は所定の位置に残される。
【0079】
斜め、特に湾曲した溝又はスリットの使用の重大な利点の1つは、得られる曲げストラップが、薄板材の残りの部分と連結する地点で分岐しているということである。従って、図10のストラップ447の区域450は、スリット端部449と次のスリット443との間に横断方向に分岐している。この分岐は、分散したか又は集中していない方法で、各端部でのストラップの応力を薄板の残りの部分に伝達又は搬送する傾向がある。スリットの円弧又はアールが小さくなると、分岐が大きくなり、ここでもまた、曲げ部の全体に亘るストラップ応力の伝達の更に独立した調整が可能になる。このような調整は、曲げ部の強度に更に影響を与えるためにストラップ幅、ジョグ距離、及びスリット切り口に対する変更点のうちの1つ又はそれ以上と組み合わせることができる。この原理は、図11の溝でのスリットの設計に使用される。
【0080】
図6から図8及び図9から図10の実施形態の斜めの曲げストラップは、結果的に曲げ構造部の全体的な強度及び耐疲労性の実質的な向上となるが、ストラップ形成構造部が弓状スリットの形態を取った場合は、特に疲労に関連して、更に別の様々な改善を達成することができることが経験的に判明している。本明細書で使用される時、「弓状」は、円形円弧及び異なる半径を有する一連の縦方向に連結された接線円弧を意味し、かつそれを含むものとする。弓状スリット又は溝は、図11に示すように、(薄板厚みと比較して)比較的大きな半径を有することが好ましい。従って、薄板材541には、曲げ線543に沿って、全体的として542と指定された複数の連結した大きな半径の弓状スリットを備えることができる。弓状スリット542は、曲げ線543に沿って縦方向に千鳥状にするか又はオフセットされており(隣接するスリットの中心間で測定されたオフセット距離分だけ)、また、代替的に、本発明の他の実施形態に関連して上述した方法で曲げ線543の両側にあることが好ましい。弓状スリット542は、曲げストラップ544である結合ゾーン及びスリット542によって設けられる切断ゾーンを形成する。図11の右手のスリット542のみが切り口又はスリット厚みを示し、スリット542の残りの部分は、概略的に示されているか又は結果的に切り口にはならないナイフによるスリット形の形態を取っている。
【0081】
縦方向に隣接するスリット542は、その間に曲げストラップ544を形成し、これは、本実施形態では、やはり上述のように曲げ線543に対して斜めでありかつ交替する方向に歪んでいるとして示されている。各スリット542は、弓状スリットの中心点547を起点にして曲げ線543から離れて分岐する中央弓状部546を有する傾向がある。また、端部548は、有利な態様では、スマイルが弓状部549に沿って延びて戻り、最終的に内側方向に弓状部分551で終端する遥かに小さい曲率半径を伴う弓状とすることができる。
【0082】
従って、曲げストラップ544は、曲げ線のいずれかの側に円弧部546によって、かつ弓状端部部分548によってストラップの端部に形成されることが分るであろう。最小ストラップ幅は、矢印552(図11で縦方向に隣接するスリットの左手側の対で示す)の弓状スリット部546間に生じる。ストラップの最小幅部で矢印552を通る中心線553を引いた場合、中心線は、ほぼ最小のストラップ幅部552で曲げ線553と交差することが分るであろう。ストラップ544は、最小ストラップ幅部552から両方の方向に縦方向のストラップ軸線553から離れて分岐する。従って、曲げ線543の片側の薄板の部分554は、ストラップ544によって曲げ線543の反対側で薄板の第2の部分に連結される。最小幅面552からの両方の方向のストラップ544の幅の増加により、ストラップは、応力を大幅に低減し、かつ耐疲労性を増大させる方法で曲げ線に沿ってそれぞれの薄板部分554及び556に連結される。
【0083】
更なる説明のために、ストラップ544aは、縦方向のストラップ軸線553に沿ったストラップ幅の増加を示すために斜交平行模様にされている。常に大きくなるストラップ幅による薄板部分554の、同様に大きくなるストラップ幅による薄板部分556の結合は、応力を低減する傾向がある。曲げ線543に対して斜角でストラップ554の中央の縦方向の軸線553を配向すると、その結果、単独に捩れが発生するのではなく、ストラップには、捩れと曲げが行われ、また、これによってストラップ内の応力が低減される。薄板内の応力は、ストラップの連結された材料を通じて曲げ部の全体に亘って流れる。疲労による破壊の主たる原因である周期的な引張り応力は、捩れ及び曲げが生じたストラップを通ってかつ大きな半径円弧546及び549に一般的に平行に流れる。円弧551及び548のより小さい半径は、546及び549の主な応力支持自由面から離れた滑らかな遷移をもたらすが、それ自体は大きな応力の流れを経験しない。このようにして、弓状スリットは、応力場の流れに大きな半径円弧(材料厚みに比較して)のみを位置決めし、スリットが形成される折畳み線から離れた親平面への深さを最小限に抑えるために、より小さい半径円弧をコネクタとして使用するように遥かに小さい円又は円弧によって互いに結合された非常に大きな円の類似する部分である。従って、応力によって引き起こされる微小亀裂が発生する可能性の最も高いスリット端部は、図6から図8及び図9から図10の実施形態では破壊条件において発生する可能性があるが、1つのスリットから別のスリットに曲げ部の長さに沿って伝播しない傾向がある。
【0084】
また、曲げストラップの形状は、曲げ部の全体に亘る応力の分布に影響を与える。曲げストラップが最も狭いストラップ幅寸法、例えば、図11の幅寸法552から比較的急激に離れて分岐する時、この最小寸法は、ストラップの中心部において腰部又は弱体化した平面として作用する傾向がある。このような急激な狭まりは、ストラップ全長に亘りかつストラップのいずれかの側の薄板材554及び556への応力の望ましい分布ではなく、ストラップ内での塑性変形及び応力集中を突き止めることを可能にするものである。
【0085】
図11に示すようにかつ好ましいように、好ましくは最小幅寸法552のストラップ544は、望ましいストラップ強度をもたらし、次に、ストラップが薄板部分554及び556に終端する時に発生する任意の急激な分岐でストラップに沿って両方の方向に徐々に分岐する。この構造により、曲げ及び捩れの力をストラップの長さに沿ってかつ薄板部分554及び556内へ均一に分布させるのではなく、それらを集中させて破壊を生む不当に狭いストラップ腰部を有するという問題が回避される。
【0086】
スリットの舌状部側、すなわち弓状スリットの凹状側によって構成された親平面の部分は、引張り応力から隔離される傾向がある。これによって、舌状部は、親平面に切削される特徴を突き止めるのに理想的なものとなる。他の結合幾何学形状に適合する取付け又はアラインメント穴又は切り欠きは、その例である。図11Aは、スリット546の舌状部555上のウォータージェット切断、レーザ切断、高速貫通ホール560及び565の位置決めを示す。高速貫通穴は、多少不規則であり、疲労時に亀裂破壊の他の場所での発端となる可能性がある。図11Aにおいては、2つの他の高速貫通穴の位置を示す。高速貫通穴は、時間の掛かる貫通処理が非常に時間を浪費するものであるために、レーザ又はウォータージェットによる切削の総費用を低減する上で重要である。
【0087】
本発明の最も有用な態様の1つは、ストラップ及びスリットのリップ及び舌状部の縁部と面の係合を形成するための材料の設計及び切削が、曲げ部又は折畳み部回りの材料微細構造が従来技術で説明されているように従来の曲げ技術を用いて同じ角度又は鋭さ程度に曲げるか又は折畳まれた材料では微細構造に実質的な変化があるという点と比較すると、本質的には不変となるように達成されるということである。曲げ部回りの応力を大幅に低減し、かつ曲げ部回りの材料の微細構造を本質的に不変とするのは、ストラップと、材料が曲げられた時に捩れと曲げによる変形の組合せをもたらすスリットの縁部と面の係合との関係である。従来技術の曲げ技術を用いた時、曲げ部が鋭くなるように(例えば、図5A...、図8、図8A、図8B、図10に示すように、例えば、曲げ部内側で90度)作った場合、曲げ部回りの材料の微細構造には実質的な変化がある。
【0088】
本発明の他の実施形態に関連して全体的に説明したように、スリット542は、広範囲の薄板特性に対応するように変えられるそれなりの幾何学形状を有することができる。従って、曲げられる薄板材の形式が変えられたり、又はその厚みが変えられたり、又は曲げ部の強度特性が調整されると、スマイルスリット542の幾何学形状も変わる可能性がある。ずれ距離、外径、又は曲げ線に沿った縦方向の間隔が変わる可能性があるように、各スリットの長さLも変わる可能性がある。また、スリットの高さHを変更することができ、曲げ線の反対側のスリット間のジョグ距離Jを変えることができる。これらの様々な要素は、ストラップ544の幾何学形状及び配向に影響を与え、また、ストラップ544の幾何学形状及び配向は、曲げ部の強度及び様々な構造部での使用に対する適合性に影響を与える。上述の密封及び位置決め変数に関連して弓状スリットの形状も、等しく重要なものである。
【0089】
従って、ストラップ形成スリット又は溝を曲げられるか又は折畳まれる材料及び製造される構造部に対して調節することができることは、本発明の1つの特徴である。例えば、幾何学形状が若干変更された弓状スリットのデザインに関する厚みの違いを除き、特定の薄板材を実験的に試験することが可能であるが、そのデザインは、関連した円弧幾何学形状の群を含む。この工程は、異なる材料に対して繰り返すことができ、実験データは、曲げられる薄板材及びその厚みに関する入力に基づいてデザインを検索することができるデータベースに格納することができる。この工程は、特に、薄板材の物理的特性が入力され、プログラムが材料の曲げの使用に最も妥当な円弧幾何学形状に関する実験データのコンピュータデータベースから選択されるコンピュータによる実行によく適するものである。また、ソフトウエアは、薄板が正確なデータが格納されていない材料である時、又は薄板の厚みが正確なデータが格納されていないものである時に、利用可能なデータ間で補間することができる。
【0090】
また、円弧のデザイン又は構成、従って連結するストラップは、曲げ線に沿った薄板材の厚みの変化に対応するように曲げ線の長手方向に変えることができる。代替的に、曲げ線に沿ったストラップ構成は、非線形の負荷印加に対応するように変えたり、又は調整することができる。また、スリット又はストラップ構成は、本発明の強度及び耐疲労性に関する向上ほどは重要なものではないが、向上した強度及び耐疲労性と組み合わせて異なる装飾的な効果をもたらすように変えることができる。
【0091】
本発明の薄板スリット加工システムの様々な実施形態から生じる別の利点は、得られる曲げ部又は折畳み部が、内部的にも外部的にも比較的鋭いものであるということである。鋭い曲げ部は、別の構造部との1つの曲げ構造部の強力な結合を可能にする。従って、プレスブレーキによる曲げ部は、丸みを有するか又は曲げ部に顕著なアールを有する傾向がある。例えば、プレスブレーキによる曲げ構造部が板金に結合され、弓状曲げ部回りに曲げ構造部を回転させる傾向がある力が印加された時、曲げ構造部は、板金から外れる可能性がある。このように外れることは、本発明のスリット加工手法の使用から生じる曲げ部でそうであるように、曲げ部が鋭い場合の方が発生しやすい。
【0092】
鋭い又は明確な曲げ部又は折畳み部を作ることができることで、本発明の工程をこれまで紙又は箔のみで形成された構造部、すなわち折り紙構造の広範囲な技術に適用することができる。何世紀にも亘る努力の結果、複雑な三次元折り紙構造及びそれを作成するための科学又は数学が開発されている。このような折り紙構造は、視覚的には優雅であるが、通常、箔よりも厚みのある金属薄板で形成することはできない。従って、折り紙状の折畳み薄板は、通常、大きな負荷の印加を支えることができない。折り紙の一般的な例は、2002年に米国ニューヨーク州バッファロー所在の「Firefly Books」から発行されたDedier Boursin著「高度折り紙」、及び2002年に米国ニューヨーク州ニューヨーク所在の「Sterling Publishing Company」から発行されたカサハラ・クニヒコ著「極限の折り紙」で示されている折り紙構造である。従って、本発明は、本明細書で説明するスリット加工及び曲げ方法を折り紙の折り目の代わりに使用する新しい部類の折り紙アナログデザインを可能にするものである。
【0093】
本発明の薄板スリット加工又は溝切り工程は、鋭い曲げ部を作るものであり、180度の金属薄板の折畳み又はその折り返しさえ可能にするものである。従って、箔の厚みを十分に超える厚みを有する薄板材を使用して多くの構造的に興味深い折り紙構造を作ることができ、得られる折り紙ベースの構造部は、大きな負荷を支えることができる。
特に、自動「ピック・アンド・プレース」構成要素追加が使用される場合に「高速プロトタイピング」及び高速製造に関連して本発明のスリット加工構成を使用すれば、別の興味深いデザイン及び製作上の可能性が実現される。「高速プロトタイピング」及び高速製造は広く公知であり、三次元の製作を可能にするために、それぞれ、CAD(コンピュータ支援設計)及びCAM(コンピュータ支援製造)設計の使用から成る。設計者は、望ましい仮想三次元構造部から始める。「高速プロトタイピング」を可能にするために本発明を使用すれば、CADソフトウエアによって三次元構造部が折畳み前の二次元薄板となり、次に、望ましい構造部を生成するために薄板の曲げのためのスリット位置が突き止められる。同じことを高速製造においてCAMを用いて行うことができる。類似の仕事を行うための他の形式のソフトウエアがある。ジョグ距離及び曲げストラップ幅を選択することによって正確に曲げ、かつ曲げ部強度を調節することができるので、設計者は、設計時に折畳み前の二次元薄板図面をレイアウトすることができ、その後、追加構成要素の有無を問わず、複雑な三次元構造部を生成するために製造工程において薄板溝切り又はスリット加工及び曲げによってその図面を実現させることができる。
【0094】
また、高速「ピック・アンド・プレース」自動構成要素処理技術を用いて電子装置用回路基板に構成要素を組み込むことは、広く公知のものとなっている。従って、組立ロボットは、構成要素供給装置から構成要素を取り上げて、次に、回路基板又は基板又はシャーシ上に置く。ロボット作業により、ファスナ、半田付け用差込口などを使用して構成要素が基板に固定される。このような「ピック・アンド・プレース」組立ては、主として、平坦な面―の構成要素の配置に限定されている。従って、「ピック・アンド・プレース」組立て完了後に回路基板を三次元ハウジングに入れるべきである。
【0095】
電子機器ハウジングは、通常、構成要素がハウジング壁部に固定された後に三次元形状に折畳むか又は曲げることはできない。更に、従来の曲げ技術は、本発明で可能であり、かつ構成要素又は構造部のアラインメント問題を解くのに必要な精度を欠いたものである。従って、ハウジングを予め折畳むか又は曲げると、ハウジング内に電子構成要素を固定するのに使用されたピック・アンド・プレースによるロボット作業の機能には限界があった。
【0096】
また、スリット間に存在するストラップは、有利な態様では、電子機器用途において曲げ部全体に亘る導電経路として使用することができ、かつ、可能な精度は、三次元シャーシが形成される時又は回路基板自体がより密度の高い形態に折畳まれる時に、回路基板上の導電経路又は構成要素をアラインメントに折畳むことを可能にすることに注意すべきである。
しかし、本発明の設計及び製造方法により、精密曲げ部をレイアウト及びスリット加工し、次に図28Aから図28Eに示すように必要な比較的小さな力で形成することができる。従って、ハウジングを平坦な薄板821から設計して切り取り、構成要素Cを立方体エンクロージャの6つの壁部のいずれか又は全てに迅速に固定するために高速ピック・アンド・プレースロボット作業を用いることができ、また、ピック・アンド・プレース工程完了後にハウジング又は構成要素シャーシを三次元の形状に簡単に曲げることができる。
【0097】
図28Aに示すように、薄板821は、曲げ前に好ましくは高速ロボット技術によって固定された構成要素Cを有する。薄板821は、設計された切抜き形態、構成要素を受け取る開口部823、タブ及び支持フランジ、及びタブを受け取る溝穴827を用いて、レーザ切削、ウォータージェット切削、ダイ切削などによって形成される。図28Bにおいては、薄板821は、曲げ線831に沿って曲げられたものであり、これによって、タブ824は外側方向に変位される。次に、薄板は、図28Cにおいては、曲げ線823に沿って曲げられ、次に、図28Dにおいては、曲げ線に沿って構成要素Cを覆うように曲げられ、一方、側面フランジ826は、曲げ線824に沿って曲げられたものである。最後に、シャーシ端部836は、曲げ線837に沿って上方に曲げられ、タブ836は、構成要素C回りの三次元電子シャーシ838内への薄板の堅い固定を可能にするように溝穴827に挿入される。
明らかに、殆どの場合に、複数の構成要素Cは、曲げ前に薄板821に固定され、また、構成要素Cは、曲げ工程において様々な段階でシャーシ838及びシャーシの様々な面に固定することができる。
【0098】
また、図28Aから図28Eは、本発明の薄板曲げ方法によって実行される基本的な設計工程を示す。構成要素を支える最も空間効率が高い1つの方法は、薄板素材に取り付けることである。しかし、従来の薄板素材曲げ技術の使用は、緩みのない曲げ部及び複雑な交互配置された薄板部分を可能にするものではない。しかし、本発明の曲げ工程は、開口部、切り抜き部、溝穴、タブなどが曲げ構造部、並びに取り付けられた構成要素及び他の構造部との結合において正確に整列するように、正確な位置に曲げ部を生成するスリットを極めて正確にレイアウトすることができるという理由からこれを可能にするものである。
【0099】
更に、曲げ線及びシャーシ又はエンクロージャの特徴の正確なレイアウトは、その利点の一部に過ぎない。構造部自体は、比較的小さな力及び手工具によってさえも曲げることができる。曲げ線の正確な配置と小さな力による曲げの組合せにより、これまで達成が一部に過ぎなかった設計技術が可能となる。この技術では、望ましい機能を有する構成要素を選択して望ましい配置で空間に位置決めする。その後、シャーシは、例えばCAD技術を用いて設計されて位置決めされるような構成要素を支えるのに必要なシャーシの支持用の薄い薄板部分を用いて設計される。曲げ線は、支持用薄板部分を生成するように配置され、シャーシは、図28Aに示すように、必要な特徴及び折り目をつけて平坦な薄板に図形的に広げられる。
【0100】
このような技術は、CAD設計に関する文献及びCAD及びCAMソフトウエアプログラムに以前から説明されていたが、薄板の小さな力による精密曲げは、実際的なものでなかったために、これまでは最も単純な設計以外のいかなるものにおいても有効に実行されていない。本発明のスリット加工ベースの発明は、この理論的CAD又はCAM設計の実際的な製作を可能にするものである。従来技術のCAD又はCAM設計では、例えば、従来の曲げ公差を保持することができないために、これまでは、理論的CAD又はCAMモデルと同じ精度で現実の材料で物理的に達成することができなかった。本発明で可能な曲げの精度は、CAD又はCAMモデルと曲げ薄板材のための達成可能な物理的な形態との間の対応を大幅に高めるものである。
【0101】
更に、曲げは、ピック・アンド・プレース又は高速プロトタイピングの現場で行う必要はない。構成要素が取り付けられた薄板は、構成要素が搬送工程の荷敷きとして作用するように形成されて選択されるように搬送することができる。設計及び切削現場からは遠隔地となる可能性がある製作現場にある状態で、シャーシ又はハウジング薄板は、正確に、必要に応じて手動でさえも曲げられ、曲げハウジングは、複数の選択された構成要素が内部的及び/又は外部的に固定されながら三次元構造部に固定される。
更に、三次元シャーシ及び他の構造部はまた、構造部内部への定期的又は非常時のアクセスのためにシャーシ又は構造部内にドアを設置するための曲げ線に沿ってストラップによって取り付けられたパネルを有することができる。その結果、別々のドアヒンジアセンブリが排除される。
【0102】
本明細書で説明する薄板スリット加工又は溝切り技術の様々な実施形態を用いれば、極めて広範囲の製品を形成することができる。以下は、それに限定するものではないが、本発明のスリット加工及び溝切り工程を用いて薄板材から形成することができる製品の例であり、すなわち、トラス、梁、湾曲梁、コイル状梁、梁内梁、エンクロージャ、多面体、スタッドウォール、梁ネットワーク、封入式梁、フランジ付き梁、中間多片フランジ付き梁、機械、工芸品及び彫刻品、折り紙三次元構造部、楽器、おもちゃ、看板、モジュール式接続部、パッケージ、パレット、保護エンクロージャ、プラットホーム、橋、電気的エンクロージャ、RFシールドエンクロージャ、EMIシールド、マイクロ波ガイド及びダクトである。このような構造部の数例を図12から図30及び図32に示す。
【0103】
本発明のスリット加工工程及びスリット薄板を用いた湾曲箱形梁の形成を図12、図13、及び図14を参照して説明することができる。2つの曲げ線562及び563を有する薄板材を図12に示す。曲げ線562は、曲げ線562の両側に複数の弓状スリット563を有する。また、曲げ線562に沿ってより小さい弓状スリット564が位置決めされている。スリット563及び564は、図11にスリット542に関連して説明して示すような全体的な構成を有するが、スリット564の長さは、スリット563の長さに対して小さくなっており、スリット564は、薄板材の縁部568内に設けられる切り欠き567の頂点566に位置決めされていることが分る。スリット563の縦方向に隣接する端部部分、及び、スリット563及び564の縦方向に隣接する端部部分によって形成された曲げストラップ569は、スリット563及び564の長さの違いにも関わらず、構成は本質的に同じである。弓状セグメントの違いによるいくらかの僅かな形状の違いがあるが、曲げストラップ569は、曲げ線562の長手方向の強度及び耐疲労性機能においては本質的に均一である。
【0104】
スリット564の配置の利点の1つは、スリット564は、切り欠き567の頂点566で発生する可能性がある一切の応力亀裂の伝播を含む傾向があるということである。切り欠き567によって形成された様々な葉状部又はフィンガ部571は、構造部に必要であれば、例えば、ページに対して90度か又は他の角度に曲げることができる。中央部572は、図12に描かれている薄板の平面内にあるままとすることができる。
【0105】
第2の曲げ線563に沿って複数のスリット576及び577が位置決めされている。これらのスリットは、第1の曲げ線562の近くに示す円弧状スリットよりも遥かに緊密な端部湾曲部分578を有する。一般的に、緊密な湾曲端部部分578は、スリット563及び564に関連して使用されるより多くの開放端部部分ほどは望ましいものではない。それにも関わらず、応力破壊する傾向がない延性の材料に対しては、スリット576及び577に関して示す形式のスリットは、全く適切なものである。ここでもまた、スリット576とスリット577の相違点は、切り欠き567の頂点566で使用されているスリットが小型化されているということである。
【0106】
スリット加工された状態で、葉状部571を中央部572に対して90度などの角度に曲げることができるように、薄板561を曲げ線563に従って曲げることができる。一般的に、曲げ線562及び563に沿ったスリットは同じ形状を有し、すなわち、スリット563又は564又はスリット576及び577となることに注意すべきである。スリット構成を混在させることは可能であるが、図12に示すように、スリット構成の混在による利点はない。図12に示す実施形態の目的は、本発明による薄板材の曲げ処理での使用に適する異なるスリット構成を示すことである。
【0107】
図12の平坦状態で示すような2つの薄板スリットを用いた湾曲箱形梁の設計及び形成は、図13及び図14に関連して説明することができる。設計は、上述のように、CAD、CAM、又は他のシステムで達成されることになり、スリットは、CAD、CAM、又は他のシステムで設計工程においてレイアウトされるように同じように解薄板561で作ることになる。全体として581と指定されているが、1つの設計され、切削され、U字形に曲げられた薄板572aが、第2の設計され、切削され、U字形に曲げられた薄板572bに固定される湾曲箱形梁が示されている。図13及び図14から分るように、フィンガ部又は葉状部571は、フィンガ部又は葉状部571bの外側の下方に折畳まれている。いずれの場合も、頂点566は、折り目562a、563a、562b、563bの近くにある。頂点のこの配置は、切り欠き567aが切り欠きの含まれた角度を大きくすることを許容することによって薄板の曲げ処理を可能にし、一方、切り欠き567bの含まれた角度は、梁581の縦方向の曲げ処理の区域582で小さくなる。薄板材の中央部572a及び572bは、座屈なく、少なくとも極端ではない半径で曲げ処理に適合することになる厚みを有する。
【0108】
折畳み薄板は、リベット583又は他の適切なファスナ、接着剤、又は溶接及びろう付けなどの留め技術によって互いに固定することができる。ファスナ用開口部は、図12に580で示すように予形成することができる。開口部580の位置は、正確な湾曲構成が曲げ前に決められるか又は分っている場合は正確に設定することができ、又は、開口部580を中央部に位置決めし、その後に、後でドリル開けした穴と共に使用して、現地で不定又は確立された曲率で曲げ薄板を互いに結合することができる。
【0109】
不定の湾曲箱形梁に関する1つの用途は、例えば、航空業界におけるものである。曲げ難い「4041 T−6」又は「6061 T−6」アルミニウムは、スリットの望ましいレイアウトで設計され、次に、図12に示すように、完成したスリット薄板に設けられる。その後、現地で決定される曲率を有する箱形梁を設置するために、例えば、修復すべきである航空機の部分の曲率で薄板が形成される。箱形梁を設計する2つの薄板は、損傷した航空機外板の部分の下に適合するように曲げられ、その後、外板は、湾曲箱形梁の中央部572に取り付けられる。
【0110】
葉状部又はフィンガ部571の曲げ処理は、単純な手工具又は更に手動で、及び、下にある折畳み薄板の葉状部又はフィンガ部に穿孔された穴に対するガイドとして予形成された穴を利用することによって箱形梁の湾曲を維持するために使用される現地リベット加工で行うことができる。従って、単純なハンドドリル及びプライヤにより、高強度構造用「4041 T−6」アルミニウム箱形梁は、航空機外板のその後の留め加工用に航空機のための構造用構成要素として特別に形成して位置決めすることができる。これは、例えば、飛行機が永久的な修復を行うことができる現場に飛行することができるように、戦闘状態でも現地修復を可能にすることができる。
【0111】
縦方向に湾曲した箱形梁が所定又は公知の縦方向曲率を有する時、葉状部又はフィンガ571a及び571bは、フィンガ部が互いに噛み合うか又は同じ平面で互いに噛み合う切り欠きによって形成することができる。これによって、滑らかで開口部のない梁内壁ができる。
また、湾曲形であるか直線形であるかを問わず、箱形梁は、高強度対重量の利点をもたらすために外骨格設計で使用することができる。すなわち、付随する重量を有する中実梁を用いるのではなく、中空の折畳み又は曲げ梁は、対応する強度を有することができるが低重量である。また、必要に応じて、このような中空梁に金属発泡材を含む発泡材を充填することもできる。
図12から図14に示すように、縦方向に湾曲した箱形梁681は、真っ直ぐな折り目562及び563に沿って薄板材を曲げることによって生成される。また、湾曲曲げ線に沿うスリット加工又は溝切りによって、縦方向に湾曲した箱形梁を製作することが可能である。
【0112】
ここで図15及び図16を参照すると、折畳みのために設計及びスリット加工又は溝切りされた薄板材と、同じ材料から作られた三次元構造部とがそれぞれ示されている。薄板611は、縦方向に延びる折り目612及び613に沿ってスリット加工又は溝切りされるように設計されたものである。更に別のスリット加工及び溝切りが、横断方向に延びる折り目614、615、616、617上に行われている。薄板166の対向する側縁618は円形であり、複数の切り欠き619が、薄板の対向する側縁に形成されている。薄板の一端には、結合用タブ又はフランジ621が形成されており、薄板611の他端の開口部623と整列したファスナを受け止める開口部622を有することが好ましい。図9及び図10の実施形態に示す形式のスリット又は溝624は、折り目612から617に沿って位置決めされたものである。本発明の範囲内で他の実施形態に示す形式のスリット又は溝を使用することができることが理解されるであろう。
【0113】
図15に示す薄板材は、図16に示すロッド、支柱、又は円柱631のような円筒形部材を封入又は取り囲むように設計されている。薄板661は、薄板616を折り目612から617に沿って曲げることにより、図16に示すように円筒形部材631を取り囲むように周囲に折畳むことができる。薄板の円形円弧部618は、円柱631の半径と適合する半径を有するように寸法決めされている。切り欠き619は閉鎖しており、切り欠きを形成する縁部は互いに当接し、一方、折り目614から617により、薄板を円柱回りに正方形の構成に折畳むことができる。得られる三次元構造部は、その結果、他の部材又は構造部を容易に取り付けることができる表面となる複数の平面パネル636から639を有する。折畳み薄板611は、開口部622及び623を貫通するファスナによって円柱631回りに所定の位置に固定することができる。溝又はスリット624の構成によって、折畳み薄板611は、円柱又は支柱631回りの高強度の堅い構造部になる。垂直方向の変位に対する支柱631への折畳み薄板611の固定は、弓状端部618と支柱との締り嵌め、及び/又はファスナ、接着剤、溶接、ろう付けなどの使用の結果でもたらすことができ、このアセンブリには、円筒形構造部へのその後の構造用部材結合の問題を解決する多くの用途がある。図15及び図16の例は、潜在的な化粧的被覆であるばかりでなく、円筒形形態と直線的形態の間の構造的な移行部分である。
【0114】
また、本発明の設計及び製造されたスリット加工又は溝切り薄板及び方法は、波形パネル又はデッキアセンブリを設計及び形成するのに使用することができる。図17及び図18は、本発明の装置及び方法を用いて設計及び製作することができる2つの波形パネルアセンブリを示す。このようなアセンブリは、特に、様々な高強度対重量の比率をもたらす際に有効であり、本発明の薄板折畳み技術は、波形薄板の折畳み及び取付けタブの設置に容易に適合する。
【0115】
図17においては、波形薄板を平面薄板に結合するためにスリットを貫通して延びることができる取付けタブが設けられており、一方、図18においては、ファスナを受け止める開口部を有するタブが設けられている。
図17においては、薄板材641は、本発明の教示内容に従って、縦方向に延びる折り目642から647に沿ってスリット加工又は溝切りされたものである。更に、折り目643、645、647に沿って複数のタブ649が形成されている。タブ649は、折り目に沿ったスリット又は溝651の形成と同時に薄板641に切り込まれる。すなわち、薄板を図17に示す波形状態に折畳んだ時にタブが上方に突出するように、U字形切り口652が薄板641に形成される。タブ649は、波形部を形成するように折畳みが行われる時に垂直方向から角度を成して延びるが、タブ649は、617に示すように、その後の段階により垂直方向に近い位置に対して角度を成した位置から曲げることができる。
【0116】
図17に示す折畳み又は波形薄板641は、複数のスリット657が形成された第2の平面薄板656に取り付けることができる。スリット657は、それを通してタブ649を嵌合的に受け取るように位置決め及び寸法決めされる。薄板656が波形折畳み薄板641を覆うように下方に降ろされた時、タブ649は、スリット657を通って上方に延びることになる。タブ649は、薄板を互いに固定するためにスリット657と締り嵌め状態にすることができ、又は、タブ649は、2つの薄板を互いに固定するために水平方向の位置に曲げるか又は垂直方向軸線回りに捩ることができる。また、タブ649は、下方に曲げて、接着剤、溶接、ろう付けなどによって薄板656に固定してもよい。
【0117】
任意的に、スリット加工又は溝切り工程中に薄板641から形成されるタブ(図示せず)を使用し、第2の薄板材(やはり図示せず)を折畳むか又は波形薄板641の下側に取り付けることができる。第2の薄板は、薄板656に関連して説明した方法で、折畳み波形薄板641の底部に固定されるであろう。
この結果得られるのは、多くの用途で使用することができる高強度、耐疲労性、及び軽量の波形パネル又はデッキアセンブリである。
【0118】
図17と類似の波形パネルアセンブリは、図18のアセンブリに関連して示す要領で製作することができる。折畳み波形薄板661は、複数の折り目662及び複数のタブ663を含む。タブ663は、タブ649に関連して説明したものと類似の方法で薄板661から形成される。タブ663のみは、ファスナを受け止める開口部664を含む。更に、タブ663は、タブ649に関連して説明したように垂直方向に近い位置に上方にではなく、水平方向に近い位置に下方に折畳まれる。水平方向の位置において、タブ663は、ファスナを受け止める開口部667を有する第2の薄板材666を結合するために使用することができる。薄板666は、開口部667が開口部664と整列するように位置決めされ、2つの薄板を互いに固定するためにファスナが使用される。図17に関連して説明したように、波形薄板666の底部に第3の薄板を固定することができるが、図では、波形薄板661底部の固定タブ664は示されていない。
ここでもまた、上述のように、本発明により形成された複数の溝又はスリット668を使用することにより、強度が非常に高く、良好な耐疲労性を有し、軽量である波形デッキ又はパネルアセンブリを製作することができる。
【0119】
図19から図22は、本発明の薄板スリット及び方法を用いて形成することができる連続的な波形パネル又はデッキの更に別の実施形態を示す。更に、図19から図22のパネルは、重大な負荷担持機能を有する鋭い曲げ部又は折畳み部を作ることができるという理由から得ることができる強度に関する様々な利点を示している。更に、図19から図22の実施形態は、折畳み薄板を高強度三次元構造部に連結させるためのタブの使用を示す。
【0120】
波形パネル又はデッキを形成する従来技術では、多くの場合、全体的なパネル材料に対する望ましい高いレベル又は割合の弦材料を達成することができていない。一般的に、ウェブ処理の目的は、その仕事を達成するのに必要とされる最小ウェブ質量で弦を分離させることである。I型梁は、間にある結合ウェブに対してより厚い上部及び底部弦を使用する圧延又は溶接形態である。本発明は、連続コイルから製造し、コンパクトなコイル形態で搬送し、容易に現場で形成することができる剛性の丈夫な軽量構造部を作る高い設計上の柔軟性をもたらす部類の円筒形構造部を可能にするものである。これを可能にする実施形態の連結性は、溶接が特に破壊を受けやすい隅部の溶接を回避する。
【0121】
薄板材721は、本発明を用いてスリット加工されたものであり、曲げ又は折畳み前の平坦な状態で図19に示されている。見て分るように、複数のほぼ平行な曲げ線722は、複数の交替する弓状スリット723が対向する方向に斜めの状態で斜めに延びるストラップを形成するために曲げ線の両側に位置決めされている。スリット723は、例えば、図6又は図9のスリットの形態を取ることができる。また、スリット723の舌状部から外側方向に延びる複数のタブ及び鍵穴状の開口部725が薄板721に形成されている。開口部725は、タブ724に対して整列した関係で位置決めされている。
【0122】
図21Aにおいては、タブ724は、スリット723から曲げ線722を横切って延びることが分るであろう。従って、タブ724は、スリット723の舌状部側の延長部である。鍵穴状開口部725は、タブ724を受け取るように寸法決めされた構成を有するスリット723の舌状部側の切り抜き又はネガティブのタブである。タブ724のネック部がスリット両側の上方に変位した面と干渉するを防止するために、スリット723のリップ側に切り欠き730が設けられる。従って、725と734の区域全体は、タブ724が切り欠き725/730に挿入されるように切り抜かれ、つまり、薄板から除去されている。
【0123】
図20においては、図19の平坦な薄板721は、連続的な波形パネル又はデッキ726に折畳まれたものである。パネル726は、ウェブ部分727及び弦部分728を含む。パネル726で見て分るように、弦728は、連続的なデッキ又は弦表面をもたらすために、パネルの上側及び下側の両方でパネルの全長に亘って端部間が当接する関係にある。この構造により、全ての横断方向のウェブがパネルの上部及び底部の両方で弦によって接合されるわけではないパネルに亘って、例えば曲げ処理において、パネル726に大幅に高められた強度が与えられる。このデッキ又はパネルは、更に、優れた強度/剛性対重量の比率が得られるように、デッキ又はパネル全体の質量に対する弦材料質量の比率を更に向上させるような付加的な材料の薄板(図示せず)を追加することによって補強することができる。
【0124】
図21は、パネル726に使用された曲げ又は折畳み工程をより詳細に示している。例えば、端部フランジ729から始めて、ウェブ727aは、曲げ線722aでパネルの下側に下るように下方に曲げて戻すことができる。その後、薄板材721は、曲げ線722bで前方に曲げられ、弦部728aは、フランジ729に平行にパネルの縦方向に延びる。曲げ線722cにおいて、ウェブ727bは、上方に延びて曲げ線722aに戻るように曲げられ、この時点で弦728bは、前方に曲げられて曲げ線722bまで延びる。その後、ウェブ727は、曲げ線722dで曲げ線722cに折り返される。曲げ処理は、結合ウェブによって分離されたパネルの上部及び底部の両方に複数の端部間の弦がある折畳まれた波形パネルを生成するように、パネル726の長手方向に続行される。全体的なパネル質量に対するパネル内の弦材料の質量は、高い強度対重量の比率が得られるように比較的大きい。
【0125】
本発明のスリット加工工程を用いて鋭い又は明確な折畳みで薄板721を折り畳むことができるので、ウェブ727と弦728の間の頂点731は、比較的鋭く、密接に当接する関係で位置決めすることができる。図示のように、図19から図21のパネルは、ウェブと、各頂点が約120度である等辺の三角形を作る等しい長さの弦とを有する。理解されるように、多くの他の波形幾何学形状が等しく可能である。
折畳みパネル726を三次元構成で固定する方法は数多くあるが、好ましい方法は、曲げスリット形成中に薄板721に切り込まれるタブ724と嵌め合い鍵穴開口部725とを使用することである。
【0126】
タブ724aは、例えば、フランジ729からウェブ727aにスリット舌状部から外側方向に延びるようなタブのレーザ又はウォータージェットによる切削によって設けられる。ウェブ727aが曲げ線722bに合わせて下方及び後方に曲げられた時、タブ724aは、フランジ729の水平方向の面内にある。図21Aで最も良く分るように、嵌め合い開口部725が弦728bに切り込まれてタブ724aと整列すると、タブ724aを開口部725内に位置決めすることができる。各タブ724が拡大頭部又は端部734を有する場合、タブは、固定され、つまり、ジグソー部分が隣接する部分で捕捉又は連結することができるように、嵌め合い開口部725によって固定される。この連結は、タブがパネル上面及び底面で嵌め合い開口部から分離するのに抵抗するものである。タブ及び開口部は、締り嵌めを生成する必要がなく、また、締り嵌めを生成するように寸法決めされないことが好ましい。
また、タブ724と開口部725の連結は、パネル726の下側に沿って発生し、その結果、任意的に使用することができる接着剤、溶接、ろう付けのような更に別の固定技術がなくても、図20に示すような形態で折畳みパネルが固定される。
【0127】
図22においては、図19から図21の薄板スリット加工及び曲げ工程を円筒形部材741の形成に適用された状態で概略的に示している。ここでもまた、ウェブ742と弦743は、曲げ線回りに形成され、曲げ線の位置は、内半径744上の弦が円筒形741の外半径746上の弦よりも短くなるように選択される。円筒形741の材料の厚み及び半径に依存して、望ましい構成で固定するために、タブ及び嵌め合い開口部を使用することができる。得られる円筒形構造部は、例えば、軽量の高強度円柱又は支柱として使用することができる。
【0128】
本発明の大部分の実施形態及び薄板材が大きな厚みを有する実施形態では、曲げ処理が始まると、スリットの舌状部又はタブ部は、自動的に正しい方向に摺り始めてスリット反対側の面に当たる。しかし、薄板材が比較的薄くてスリットの切り口が小さいか又はゼロの時、スリット薄板のタブ部は、正しくない方向に移動することによって曲げ部に影響を与えることがある。この問題に対処するために、予測可能な適切な曲げを生成する方向にスリットの舌状部に片寄りを与えることが可能である。この解決法を図23及び図24Aに示す。
【0129】
薄板材681は、本発明の設計及び薄板スリット加工技術を用いた曲げ線682の平面の回りの曲げ処理のために形成される。曲げ線682回りの薄板の曲げ処理中に対向する面に沿って摺ることになる舌状部684を形成する弓状スリット683が形成される。
図23aにおいては、薄板材681は、矢印687で示すように、曲げ線682回りに下方に曲げられている状態であることが分る。舌状部684が下方に変位されているために、リップ689の下縁部又は隅部688は、上に押し込まれて面690に沿って縁部の688の摺りを生成するように舌状部の面690と係合する。曲げ線682の各側面の縁部688は、曲げ線682回りの曲げが予測通りに曲げ工程中に望ましい方向に舌状部の面に沿った縁部の摺りを生成するように、下方に予め設定された舌状部684上を摺るように上方に変位されることになる。
【0130】
また、薄板681が、例えばナイフでスリット683が形成される打ち抜き工程を用いて曲げ処理のために形成された時、打ち抜き型は、曲げ線の側面で下方に舌状部684を塑性変形させることができる。適切な方向における面690に沿った縁部688の予測可能な摺りは、曲げ線両側の実際の支点が曲げ線と整列した仮想支点に沿って精密曲げを生成するように曲げ処理中に発生する。また、変位した舌状部により、曲げのための適正な方向に関する手かがりがオペレータに与えられる。
【0131】
本発明の多くの用途では90度の曲げ部が必要となるが、一部の用途では、他の角度での曲げが必要となる。本発明の装置及び方法は、完全な縁部と面の接触の利点を維持しながらこのような曲げ部に適合させることができる。図24においては、約75度の曲げ部が示されている。
図示のように、薄板材691は、薄板691の平面に対して約75度のαの角度で切り込まれたスリット692で形成される。(曲げ線693の反対側の対応するスリットもまた、75度で切り込まれるが反対方向に斜めであり、図示の簡潔さのために図示していない。)リップ695下縁部694は、下方への曲げ処理時に、舌状部697の面696に押し込まれてその上を摺る。曲げ部が105度、つまりスリット角度αの補角になると、縁部694に隣接する薄板下面698は、舌状部の面696と同一平面状となり、均一に舌状部の面696で支えられる。
【0132】
今日、プラスチック材及び金属の両方を切削することができる力を有する殆どの商業レベルのレーザカッターは、シートフィード方式である。しかし、市販の供給ロールフィード式レーザ切削機器もあるが、今日存在するこのような機器は、切断された材料をコイルに巻き取るものではない。従って、リール間レーザ切削機器は、使用されておらず、又は市販されていない。
コイル機構と組み合わされた巻き取りフィード式切削工程の利点は、本発明の関連では、非常に大きい又は非常に複雑な情報豊富な構造部はCADで設計し、切断し、その後、これらの予め設計された構造部をコンパクトな形態にすることができるということである。コイル状のコンパクトな形態になると、例えば、平床式トラック又は軌道車でより好都合に運ぶか又は大気圏外に打ち上げることができる。材料は、使用場所に到着すると、コイル状から伸ばされて指定された曲げ線に従って曲げ又は折畳まれ、金属又はプラスチック薄板に切り込まれた弓状スリット及び斜めストラップによって構造的に支えられる。
【0133】
本発明の薄板スリット加工又は溝切り装置及び方法は、少なくとも3通りの方法でリール間工程に組み込むことができる。多くの形式の平床式レーザカッターが業界内で普及している。第1の手法では、平床式レーザカッター上のコイル、真ん中のレーザカッター、及び部分的に切断された材料のコイルの矯正するための巻き取りロールが使用される。材料は、手で前進させてシステムを通過し、ピン又は縁部−切り欠き位置合わせ形態が平坦化された薄板に切り込まれる。薄板は、レーザカッター床に取り付けられた治具と切り込まれた形態を物理的にドッキングさせることにより、y軸及びx軸の両方に整列する。このようにして、本発明のスリット支援曲げ形態のアラインメントを含む段階的な前進を発生させることができる。この斬新性は、正確に位置決めされた高強度曲げ又は折畳み構造部を可能にする本発明の切削曲げ生成の機能の適用と共に、位置合せシステムと材料のコイルの伸ばし及び巻き取りとの組合せにある。
【0134】
第2の手法は、動力巻き出し、停止、切断、動力巻き戻しという公知の技術を用いてコイルをレーザカッターを通して前進させることである。
第3の手法を図25に示す。これは、巻き出し及び巻き戻しを伴う滑らかな連続的金属薄板搬送を使用するものである。薄板材701は、供給コイルから巻き出されて、材料701の圧延フレームを補正するためにCNCカッター703の運動及び/又は光学部品が制御される。CNCカッター703は、望ましいスリットパターンを薄板701に切り込むように形成されて制御されるレーザカッター又はウォータージェットカッターとすることができる。切り込み後、薄板701は、コイル704上に巻かれる。
【0135】
コイル状の薄板素材は、コイルによって付けられたカールを有するので、コイル702巻き出し後のレベリング段階又はレベリング装置の使用が任意選択肢となる。薄板素材701は、コイル702及び704、更にローラ710の地点ではピンチロレーラ707によって処理ラインを通過させることができる。
リール間の工程がこれまで使用されていない理由は、切り抜き形態の縁部及び輪郭が、特に本発明の低力のスリット支援曲げ部形態が折畳み可能タブ又はフラップを可能にする場合に、連続的な層がコイル704上に巻き上げられる時に連結して絡まる傾向があるからである。跳ね返る材料701の正にこの作用は、切り込まれたタブ又はフラップを巻上げコイルに対して接線方向に延ばす傾向があることになる。この問題に対処するために2つの方法を用いることができる。1つは、巻き戻しコイルから接線方向に延びる傾向がある本発明のこれらの低力折畳みによる特徴を有する金属及び他の剛性材料のコイルの巻き戻しと組み合わせた薄く取り外しが簡単な下げタブの使用である。第2の方法は図25に示されており、すなわち、ポリマーウェブ708をコイル704上に共巻上げすることである。ウェブ708は、丈夫で穴明けが容易ではなく、しかも、ゲージ的に肉薄であるべきである。しかし、ポリプロピレン及びポリエチレンは、2つの有用な例である。
【0136】
リール間工程システムの処理量を上げる1つの技術は、本発明のスリット支援低力曲げ部の特徴を切り込むための多重レーザビームを有するレーザカッター703の使用である。図12に示すもののような折畳み可能な箱形梁には、望ましい曲げ線回りに、コイル巻上げ方向に平行に配置されたいくつかの曲げ支援弓状スリットが必要である。例えば、機械的に互いに連結し、運動制御装置が単一の運動制御装置を有する単一の結合した機械的システムである複数のファイバレーザは、同時に平行な曲げ部の全てを生成することができ、一方、独立運動作動システム及び運動制御装置を有する他のレーザは、切り欠き縁部のような全ての他の切り込み形態を生成することができる。
【0137】
上述の3つのリール間工程システムの方法及び装置は、本発明の低曲げ力の高強度曲げ部形態と組み合わされて、コイル形態でのコンパクトな保管及び搬送後に必要とされる時と場合に、梁から梯子、更に建築用止め金具及びジョイストシステムまでの1つの部類の製品を、形成、巻き取り、その後の巻き出し、及び優れた構造上の一体性を有する確定的な寸法に折畳むことを可能にする。この技術は、宇宙、軍事、商業、及び住宅建築、及び、資材を現場に搬送する経費及び労力が、部品が既に組み立てられた状態の時に法外に高価であり困難である多くの他の業界において用途がある。
【0138】
任意的に、図25のリール間工程ラインはまた、一対のハードツーリングダイカッター709を含むことができる。ダイカッターはまた、弓状スリット及び脱落形態を打ち抜くための雌雄打ち抜き形状を使用すると、平板であり、増分的な材料処理技術を適用することができるが、ハードツーリング回転式ダイ709であることが最も好ましい。
コイル巻き式特別設計折畳み構造部の製作に対するCNC切断による手法の利点は、非反復的な特徴が切断工程に容易にプログラムされるということである。ハードツーリングダイカッターによる手法の利点は、間欠式又は連続式を問わず、反復的形態、特に弓状スリットを効率的に作ることができるということである。
【0139】
最大処理量及び柔軟性の最大の恩典は、ハードツーリング打ち抜き/ダイ切断処理と共にCNC切断を用いて、工程の巻き出し段階及び巻き戻し段階の間に位置する両方の形成段階を有するライン内システムをもたらすようにすることが賢明であろう。図25に示すもののような組合せ式システムにおいては、各形成工具は、その独自の利点に対して作動する。
図25は、特に、構造部が曲げ処理前にスリット加工及び/又は部分的に組み付けされる場所から離れた場所で使用される三次元構造部を形成する方法を使用することができることを示している。特に興味深い1つの用途は、大気圏外での三次元構造部の製作である。現在、このような構造部は、大気圏外では三次元モジュールから組み立てられており、一般的には、実際に大気圏外で製作されるのではない。大気圏外での組立てに関する問題は、モジュールには軌道巡航宇宙船のペイロード内で望ましくない量の容積が必要であるということである。これまでの大気圏外での製作に関する1つの問題は、高強度三次元構造部を形成するのに必要とされる工具類が法外に大きくかつ嵩張るものであるということである。大気圏外での組立てに関する別の問題は、部品個数が多いこと、及びファスナ個数が多いことと関連付けることができる。一方においては、嵩張る完全に近いモジュールは、打ち上げと同時に互いに留められている。他方においては、組み付け前のモジュールを余裕なく詰め込むと、結果的に部品個数が多くかつファスナ個数が多くなっている。
【0140】
図26においては、設計後に2つの曲げ線345でスリット加工されるか又は溝切りされた薄板材341のコイル339を示す。また、薄板341は、開口部346及びタブ348が対向する薄板縁部の近くに周期的に位置決めされた状態で形成される。図から分るように、スリット343は、有利な態様では、図6に示すような構成を取ることができる。理解されるように、コイル339は、薄板材の搬送のために非常にコンパクトな構成となっている。薄板341は、例えば、図25のリール間工程ラインを用いて、制限のない製作機器を有する地上の工場で、スリット243、開口部346、及びタブ348、並びに他の望ましい構造的な形態で形成することができる。コイル状の薄板は、次に、宇宙船によって大気圏外の位置まで運ばれる。その後、薄板341は、コイル339から伸ばされ、伸ばされている間か又はその後に、手工具又は適度な電動式工具を使用して薄板を三次元構造部に製作することができる。このような製作は、曲げ線345に沿って薄板を曲げることにより、かつ、図26の右手に示すように、三角形梁350などの三次元構造部に薄板を固定するためにタブ348を開口部346に曲げることによって達成される。
【0141】
図26に示すように、構造部350は、三角形の断面を有する細長い梁であり、複雑な三次元宇宙構造部及び居住環境を作るために他の構造部と結合することができる。本発明の薄板曲げによるスリット構成が使用される時、スリット343のパターンで作られた曲げ部の各々は、曲げ部を大きな負荷印加に耐えることができるようにする薄板材の縁部と面の支持部を含むことが好ましい。明らかに、図13及び図14の箱形梁、図20のデッキ、又は図22の円柱のような他の梁及び構造用構成は、上述の形式のスリットを有するように曲げ線に沿って折畳むことにより生成することができる。
【0142】
更に、本発明のスリット加工及び溝切り方法を用いると、構造部350の閉鎖を可能にするような薄板341の両縁部及び開口部346及びタブ348の正確な位置決めが保証される。形成される構造部が流体が漏れないことが必要であり、かつスリット加工が使用される場合は、スリット343によって形成される曲げ部は、接着剤又は他の方法、例えば溶接、ろう付けによって埋めることができる。また、薄板341の当接する縁部に沿った溶接、側壁と薄板縁部の重複、及びタブ及び/又はファスナの使用を含む多くの他の閉鎖構成又は締結手法をもたらすことが可能である。
【0143】
本発明の装置及び工程の柔軟性を示す別の形態の箱形梁を図27Aから図27G、すなわち、クロス又はセルフブレースト箱形梁で示す。
図27Aでは、薄板材801を曲げ線802及び803に沿ってスリット加工した状態で示す。更に、梁のクロスブレース薄板部806をもたらすために使用されることになる複数の横断方向スリット804が設けられている。クロスブレースト箱形梁807(図27G)への薄板801の曲げ処理を図27Bから図27Gのシーケンスで示す。
【0144】
最初に、クロスブレースト薄板部分806を有する薄板の側を図27Bの位置に曲げることができる。次に、図27Gのクロスブレース806を生成するために、薄板は曲げ線803に沿って曲げられる。その後、曲げ線802aの回りに薄板801を図27Dの位置に曲げる。薄板を図27E及び図27Fの曲げ線802b及び802c回りに曲げ、最後に、図27Gの梁807を生成するために、側面フランジ805を上方に曲げて薄板を曲げ線802dの回りに曲げる。開口部808及び809(薄板801に整列して位置合せされた関係で形成される)にリベット又はネジなどのファスナを置くことができ、それらを使用して側面フランジ805を箱形梁の残りの部分に固定し、曲がらない又は広がらない構造部を生成することができる。梁807は、梁に沿って延びるX形交差梁アレイをその中心部で捕まえるか又は捕捉し、実質的に高められた強度を与えることが見て分るであろう。従って、本発明の工程を用いて、重量に対して極端に高強度の内部ブレースト箱形梁を設計し、単一の薄板材から形成することができる。
【0145】
本発明の装置及び方法を用いて形成される多くの異なる構造部に追加することができる任意的な段階として、円滑及び/又は装飾的な隅部処理を達成するために、保護隅部又はすねガード810(図27G)を曲げ部隅部802に取り付けることができる。従って、矢印820で示すように、L字形すねガード810を梁807に取り付け、例えば、接着剤又はファスナによって所定の位置に固定することができる。すねガード810は、装飾的効果を生み、並びに衝撃保護をもたらすために、隅部曲げ部を平滑化する及び/又は密封又は封入する金属性プラスチック又は更に反射性とさえすることができる。すねガード810は、梁又は他の三次元構造部を取り囲むことさえできる。取り付けたすねガードは、曲げ部全体に亘る負荷伝達を助けることができる。
【0146】
図27Aから図27Gのクロスブレースト箱形梁807においては、クロスブレース薄板部分806が「X」構成に曲げられ、その後、内部ブレース処理をもたらすために折畳み梁内に捕らえられるか又は捕捉される。異なる平面に隣接する壁部を有する構造部のブレース処理に対する別の手法は、スイングアウト薄板部分を使用することである。
図34Aから図34Eはまた、軽量化切抜きパターンを有する別の箱形梁におけるスイングアウトブレース処理の使用を示す。図34Aにおいては、薄板811は、複数の曲げ線812を有する本発明を用いてスリット加工されたものである。薄板811は、更に、切断又は打ち抜きが行われた切抜き部又は軽量化開口部813を伴っている。更に、梁の折畳み壁部のブレース処理を行うために、曲げ線815回りに曲げることができる複数のスイングアウト薄板部分814が設けられている。
【0147】
図34Bにおいては、スイングアウト部分814は、折畳みつまり曲げ線815回りに薄板811の平面の外に向きを変えており、一方、図34Cにおいては、薄板の外側縁部816は、曲げ線812回りに垂直方向の向きに曲げられている。図34Dにおいては、薄板811の片側壁部817は、ここでもまた曲げ部812回りに曲げられており、図34Eにおいては、箱形梁818を完成するために、反対側壁部817が別の曲げ線812回りに曲げられている。
【0148】
最後の曲げ段階、すなわち、図34Dの構成から34Eの構成までの曲げ処理により、縁部816が重複し、スイングアウト部分814が重なり合う。縁部816、及びスイングアウト部分814の両方には、ファスナを受け止める開口部819を設けることができ、この開口部は、本発明の縁部と面の曲げ技術を使用する時に可能な高い精度又は正確さという理由から、図34Eの状態に梁が折畳まれると整列するか又は重なり合うことになる。従って、梁819の広がりに対して縁部8816を互いに固定するために、かつ、梁の相互に垂直方向の壁部間のブレース処理を行うために、並びに、梁全体に亘るブレース処理としてスイングアウト部814を互いに固定するために、リベット又はネジ(図示せず)のようなファスナを開口部819に挿入することができる。明らかなように、ブレース用スイングアウトの個数は、図示の実施形態に示す個数から増すことができ、異なる平面で隣接する壁部をブレース処理するためのスイングアウトの使用には、箱形梁以外の多くの構造部への用途がある。
【0149】
ここで図29及び図30に移ると、本発明によって可能となる低力薄板曲げ処理の利点を示すことができる。図29においては、上述の方法で曲げ線に沿って形成された複数の弓状スリット842を有する薄板材841が示されている。薄板841からの箱843の形成は、低力技術を用いれば簡単に達成することができる。
薄板843は、ダイ846内で開口部844を覆うように置かれ、箱の4辺847を同時に直立した位置に曲げることができる。アクチュエータ駆動式プランジャ848を使用するか、又は使用する導管849を通じて真空をダイ846に印加するために真空供給装置を結合することができる。ダイ846への薄板841の締め付けは殆ど必要ではない。必要なのは、曲げ線がダイ内で開口部844と嵌め合い関係であるように薄板841の位置決めのみである。これは、例えば、開口部844の隅部の近くでダイの上面にインデックスピン(図示せず)を設置することによって達成することができる。インデックスピンは、薄板841の側面847の間の頂点で薄板844と係合することになる。
【0150】
曲げられる材料とその厚みにより、導管849での負圧は、薄板841を引き下げてダイに入れ込むことによって側面847を上方に又は薄板の肉厚化及び材料強度増加に対して曲げるのに十分なものとなる。また、曲げを行うためにプランジャ848を使用するか又は必要な場合がある。
箱843は、例えば、漸進的浮き出し加工という従来技術によって形成された手持ち式携帯電話に一般的に見られる回路基板のような小型回路基板のRFIシールドとして使用することができる。漸進的浮き出し加工の利点は、十分な精度を達成することができ、廉価な大量生産に十分なものであるということである。しかし、この市場が直面する急激な変革と共に、新しいシールドデザインでは、ハードツーリングを頻繁に置き替える必要がある。これは、最終的デザインが選択される前に多くの変化が発生する製品寿命サイクルの開発終了時には特に問題である。ハードツーリングへの依存に関する別の問題は、全面的な生産への立ち上げは、ハードツーリングが利用可能になるまで待機すべきであるということである。この期間は、8週間にもなる可能性があり、これは、急速なデザイン変化及び短い製品寿命を伴う市場では非常に経費の掛かることである。漸進的な浮き出し加工に関する更に別の問題は、診断又は修復のための基本的構成要素へのアクセス可能性と関係がある。チップバッチのかなりの割合に問題があり、かつ修復が必要であると考えられる場合、ツーピースRFIシールドは、回路に半田付けされた目立たないフェンス及び締り嵌めでそれを覆う「靴箱蓋」を伴って使用される。この欠点は、下のフェンスが回路基板から離れた場所で何らかの水平方向の「不動産」を占め、かつ、2つの部分は、単品よりも常に製造費が高いということである。アクセス可能性に対する別の従来技術の解決法は、蓋の一部を片側に沿って上方にヒンジを設置することができるように切断することができる列を成す円形の穿孔をシールド蓋に用いる方法である。この穿孔ドアによる手法では、多少のRFIの漏れの可能性が生じ、蓋を切り抜いて再密封するのが困難である。
【0151】
図29の箱843は、本発明の技術を用いた上述の問題の解決法を示すものである。弓状スリット支援曲げ工程を用いて製造するRFIシールドは、設計向けのCADシステム及びレーザカッターなどのCNC切断法を用いてハードツーリングなしに「高速プロトタイピング」することができる。所要の形状への折畳みは、手工具又は図29の製作機器によって容易に達成することができる。
全面的な生産への立ち上げは、マーカに入るために必要とされる初期生産量を切断するレーザ切断によって直ちに達成することができる。CNC切断の解決法によって初期に供給される立ち上げ段階中に、開示する幾何学形状に必要とされる片寄りのある舌状部タブ部を打ち抜くためのより低コスト打ち抜き工具を製作することができる。このようにして、漸進的な空洞ダイが製造されるのを待つという現行の実施方法に対して、設計、立ち上げ、及び生産のコストを小さくすることができる。
【0152】
本発明の別の利点は、内部の部品を修復するための内蔵アクセスドアである。シールド843の3つの側面の回りのスリット842によって形成されたストラップを切断することにより、かつ、目立たない矩形の箱843の、回路基板に対して以前に半田付けされた縁部850を有することにより、一時的な修復のためのアクセスを可能にするために箱843のパネル840に90度のヒンジを設置することができる。修復完了時に、蓋又はパネル840を再び閉めて隅部を再度半田付けすることができる。RFIシールド処理に適する殆どの金属合金は、このようにすればヒンジ付きストラップが故障するまでに8回又はそれ以上のアクセスを可能にするものとなる。
【0153】
図30においては、本発明によりスリット加工された薄板841を空圧式空気袋又は真空グリッパを用いて迅速に箱にすることができる一連の段階を示す。
図30の左側には平坦な形態で薄板861が示されている。薄板861は、実際には、ボックス形成時に明らかになるように、薄板の側面863の外側縁部において曲げ線826で互いに結合されている2つの同一薄板である。薄板861は、シーケンスの左端に示す実質的に平坦な状態で搬送し、その後、使用現場でシーケンスの右側に示す三次元の箱865を急に出現させることができる。箱865の現地での形成は、薄板861の曲げに必要なものは斜めの曲げストラップを曲げるのに必要な最小の力のみであるので、空圧部品又は油圧部品を使用して容易に達成することができる。
【0154】
1つの曲げ技術は、矢印866によって示すように移動させ、薄板861の平面の中央薄板部867と接触させる吸込み式又は真空グリッパ864を使用することである。真空を吸込みグリッパ864に印加し、その後、図30の右手に示すように箱865が完全に広げられるまで、矢印868によって示すようにグリッパが移動して離れる。
別の手法は、矢印871によって示すように、拡張可能な空気袋869を僅かに広げた箱に挿入することである。このような挿入は、輸送前又は現地で達成することができる。その後、空気袋869を空気及び油圧によって膨らませて箱を徐々に広げる、つまり、図30の右側に示す状態まで曲げる。
例えば、溶接、ろう付け、又は接着剤を用いて隅部872で側面パネル863を固定することにより、図30の右手に示す構成に箱865を固定することができる。
【0155】
本発明の高精度曲げ又は折畳み方法の更に別の利点は、低力高精度曲げ構造部を製作する同時に、幾何学形状情報を平面材料内に組み込むことができるということである。この情報は、非常に低コストで正確かつ予測可能に伝えられ、予想された三次元空間関係を築くことができる。
過去においては、符号や幾何学上の慣例が構造部の組立てに関する情報を伝えるのに使用されてきた。本発明の1つの態様は、薄板材の平坦な部分を曲げスリット又は溝で形成すると同時に、曲げ又は折畳み処理の指示を与えることができるということである。代替的に、折畳み処理の指示は、印字、ラベル付け、又はタグ付けなどの二次的な工程を通じて平坦な部分に与えてもよい。更に、非折畳みの従来技術及び将来技術の製作方法から同様の精密曲げ構造部の組立工程又は部品の付加を指示するように意図した情報を平坦な形態に組み込んでもよい。
【0156】
例えば、折畳みスタッドを伴う上部及び底部ジョイストに折畳まれた単一の薄板材から連続的な予め特別設計された壁構造部を形成することができる。その後の建造物への折畳み及び組み付けのために、全ての予定された窓部、ドア部、及び電気箱を物理的幾何学形状情報として平坦な部分に組み込むことができる。構造部の丸い穴は、後で穴に通すことになる電気導管を示すという慣例を作ることができる。丸い隅部を有する四角形の穴は、壁に通すべき温水用銅管を示すものとすることができる。このようにして、特徴は、平坦な部分に配置されるばかりでなく、非常に正確に正しい三次元の関係に変換され、最終的には、このような慣例により、その行動が構造部と交差する建造物の構造的立ち上げに介入しない商売上の人々との意思疎通が行われる。更に、このような情報によって商売上の人々の活動が予期され、従って、彼らが建物を通してインフラストラクチャを設置する時に構造部を修正及び修復したりしなくても済む。
【0157】
図32Aから図32Eは、本発明の薄板曲げ方法を用いて単一の薄板材から折畳むことができるスタッドウォールの実施形態を示す。図32Aから図32Eにおいては、情報を伝えるために正確に位置決めされて形成される開口部などを示そうとしていないが、このようなデータは、薄板スリット加工工程中に正確に位置決めすることができる。また、図32Eの折畳み薄板は、ジョイストに接合された止め金具を有するスタッドウォール又は側面レールに接合された横木を有する梯子体とすることができることに注意すべきである。
【0158】
図32Eを参照すると、薄板材901は、スタッドウォール又は梯子構造部の形成を可能にするために複数の曲げ線に沿ってスリット加工されたものである。スリットは、本明細書で教示するように形成されて位置決めされている。
図32Bにおいては、最終的な止め金具又は横木903の側壁部902は、平坦な薄板901から曲げ線904に沿って上方に折畳まれたものである。次の段階は、図32Cに示すように、更に別の壁端部又は段部906を曲げ線907に沿って上方に折畳むことである。図32Dにおいては、ジョイスト又は梯子レール908は、曲げ線909に沿って上方に折畳まれ、最後にジョイスト/レール908は、再度、図32Eの曲げ線911に沿って折畳まれる。この最後の折畳みにより、ジョイスト/レール908内の開口部912は、止め金具/横木903の側壁902の開口部913(図32D)に対して整列又は位置合せした関係で重なり合う。ジョイスト/レール908を止め金具/横木903に固定することによって耐力三次元形態914でアセンブリを固定するために、リベット又はネジなどのファスナを使用することができる。
【0159】
レール908は、梯子として使用される時は垂直方向に延びており、一方、横木903は水平方向である。ジョイスト908は、スタッドウォールとして使用される時は水平方向であり、止め金具903は、垂直方向に延びている。また、理解されるように、横木/止め金具及びレール/ジョイストは、用途に合わせて適切にスケーリングされるであろう。
上述のように、本発明のスリット加工工程及びスリット薄板の殆どの用途では、複数のスリットを望ましい曲げ線の両側に沿ってオフセットした関係で設ける必要がある。この手法では、仮想支点の位置を望ましい曲げ線上の実際の支点の間とする2つの対向する離間した実際の支点があるので、最も正確又は精密な薄板素材曲げ部が生成される。
【0160】
また、本発明の技術は、曲げ精度の非常に小さな損失があるが、曲げ線に沿って薄板材の曲げを生成するように構成された単一スリット及び曲げストラップを用いて使用することができ、同時に、スリット全体に亘る薄板部の縁部と面の係合が発生する。この単一スリット曲げ処理を図35及び図36に示す。
図35においては、図36に示すように、全体として942と指定される車輪ローラハウジングへの曲げ処理のためにスリット加工された薄板材941を示す。薄板941は、曲げ線964回りの耳部944の曲げ処理のためのスリット943を含む。図を見れば分るように、スリット943と対向する曲げ線946の側にはスリットはない。それにも関わらず、耳部944は、スリット943の弓状端部949と共に曲げスリット948を形成する2つの肩部947を含む。また、曲げストラップ948の中心軸線951は、反対側に歪んだ方向に曲げ線946に対して斜めであることが明らかであろう。
【0161】
耳部944が図35のページに曲げられた時、斜めストラップ948が曲げられて捩れ、同時に、スリット943の耳側のリップ952を引き上げ、スリットの本体側で舌状部953の面と係合する。従って、正しくスケーリングかつ形成された斜めの曲げストラップ948の理由で、ここでもまた、摺りによる縁部と面の係合が生じる。
薄板941は、縁部と面の曲げを生成することになる曲げストラップをもたらすために薄板の部分的な対向スリット又は縁部と結合する弓状曲げスリットの他の例を有する。例えば、曲げ線956に対しては、斜めの曲げストラップ948aを形成するために弓状端部949aと結合する弓状端部958を有する部分スリット957により、一端にスリット943aが対向配置される。スリット943aの反対端では、弓状端部959は、別の対向する斜めストラップ948aを形成するために弓状スリット端部949aと結合する。
【0162】
ストラップ948aの構成の結果として生じるのが、曲げ線956回りの縁部と面の曲げである。
スリット943bは、斜めの曲げストラップ948bを形成するために協働する弓状端部及び部分スリットを有するスリット943aの鏡像として形成される。同様に、スリット943cは、縁部と面の曲げを保障する斜めの曲げストラップ948cを形成するために端部と部分スリットと協働する。最後に、スリット943cは、斜めに配向された曲げストラップ948dを形成するためにスリット部960と協働する。
【0163】
図35に示すような本発明の装置及び方法の単一スリットの実施形態は、望ましい曲げ線での曲げ部の位置決めにおいて多少精度が落ちるが、この精度の損失は、多くの用途に対して重大なものではない。図36に示す構造部においては、ローラ962の軸は、薄板941が図36の三次元ハウジング942に曲げられた時に整列すべき開口部693、964、及び965(図35)を貫通する。従って、単一スリット実施形態では、貫通する軸の挿入に対して数千分の1インチまで開口部963、964、965のアラインメントを可能にするのに十分な精密曲げ部が依然として生成される。
【0164】
図37は、本発明のスリット加工工程及び装置に関連した曲げ線終端つまり縁部効果を示す。薄板材971は、5つの曲げ線972から976で示されている。スリット981は、上述のように、曲げ線に沿って薄板内に形成されている。薄板971の縁部982は、スリットの位置決めに影響を与える可能性があるので、スリットレイアウトの設計時に考慮すべきである
曲げ線972上では、スリット981は、部分スリット981aが薄板材の縁部982に対して開くように長さと間隔が与えられたものである。これは、満足できる曲げ線終端の戦略である。曲げ線973上では、部分スリット981bは、ここでもまた縁部982に対して開くが、部分スリット981bは、曲げストラップ984が対向する曲げストラップ986に対して存在するように弓状端部983を含むのに十分な長さである。また、スリット987は、スリットに沿って延びる矩形開口部988を有することが分る。開口部988は、スリット987の中央部にあり、従って、曲げストラップ984又は986に実質的な影響を与えるものではなく、また、縁部と面の曲げを行うものではない。
【0165】
曲げ線974上では、スリット981cは、傾斜縁部991と共に斜めの曲げストラップ992を形成する弓状端部989を有する。スリット981d及び縁部993に対しても同様の幾何学形状が示されている。また、上述のように、曲げストラップを部分的に形成するための薄板の縁部の使用が図35のスリットに関連して用いられている。
最後に、曲げ線976上では、弓状端部994は、ストラップ997を形成するためにスリット981eの弓状端部996と協働する。従って、縁部994は、スリット981dの配向からスリット981eを反転させるスリットレイアウトを必要とするものであり、スリットの有限性は、縁部効果をスリットレイアウト時に考慮する必要があることを示している。殆どの場合、スリット長さは、望ましい曲げ線終端つまり縁部効果を生成するように調節することができる。
【0166】
本発明の更に別の態様では、図31に概略的に示すように、三次元構造部を形成する方法を提供する。第1の段階は、三次元構造部を設計することである。これは、デザインを想像するという最初の副段階370aを伴う。設計が概念化された状態で、必ずというわけではないが多くの場合に、CAD又はコンピュータで実行される設計が行われる段階370b又は370cに進む。薄板材及びその厚みを選択する段階371は、任意的に、CADによる設計段階370b又は370cの前又はその最中に行うことができる。
【0167】
図31で分るように、CADによる設計段階370b及び30cでは、様々な他の副段階が含まれる可能性がある。従って、共通の手法は、概念的設計が三次元CADで構築され、その後、平板化される副段階370b1である。代替的に、段階370b2では、設計は、薄板フランジ又は各部を連続的に曲げることによって構築することができる。また、二次元で設計して曲げ線を示すつまり配置することができ、これは、副段階370b3に当たる。本発明の適切な又は最も有効に設計されたスリット又は溝の配置は、段階370b4でソフトウエアを通じて又は段階370b5で手動によって行うことができる。
【0168】
また、本発明の設計工程は、副段階370c1での通常はコンピュータ又はCADソフトウエアプログラムによる複数の記憶された設計及び/又は部品の中からの選択に基づくことができる。その後、副段階370c2で、改造が必要である場合には、CADシステムにより、選択した部品を改造して新しい又は望ましい設計を達成することができる。最後に、副段階370c3では、部品は、ソフトウエアによって折畳み前の平坦な状態となる。
【0169】
設計された状態で、次の段階は、薄板素材スリット加工装置を駆動するために好ましくはCNC制御装置を使用することによるスリット加工又は溝切り段階373である。従って、平坦な部品及び設計されたスリット又は溝を表す副段階373aのデータは、CAD又はCAMシステムからCNC制御装置に転送される。その後、制御装置は、切断及び製作機器のためのスリット加工及び他の形成段階を制御する。従って、副段階373bでは、平坦な部品は、加法的(鋳造、成形、ステレオリソグラフィ)、又は減法的(スリット加工、切削処理)、又は切断処理(穴明け、打ち抜き、ダイ切削)による製作技術を用いて形成される。
【0170】
任意的に、形成された平坦な薄板はまた、通常は平坦な状態又はコイル状で、表面処理373c、構成要素の取り付け373d、試験373e4、及び保管373fなどの段階を経ることができる。
段階377で薄板材が曲げられるか又は折畳まれる前に、輸送段階375が発生することが多い。スリット薄板素材は、平坦な状態又はコイル状で、製作現場から遠隔地の曲げ及び組立現場に最も効率的に輸送される。
【0171】
曲げ又は折畳み処理377は、正確かつ低力である。大部分の構造部に対しては、曲げ処理は、複数の曲げ線に沿って行われ、また、薄板の2つの部分が当接するまで続行されることが多く、この時点で、段階379で剛性の耐力三次元構造部を生成するために薄板の当接部分で互いに結合させることができる。任意的に、構造部は、折畳み部分を取り囲むことによって互いに結合する包み込み段階により、三次元の耐力構成に固定することができる。
【0172】
包み込みは、少なくとも3つの戦略で用いることができる。本発明においては、折畳み部の角度は、折畳み部を形成するスリットの幾何学形状によって分るものではない(図24に示すように、特定の折畳み角度が得られるように縁部と面の係合の最大接触域に影響を与えるようにスリット傾斜角度を用いる技術であるにも関わらず)。各折畳み部の角度は、一般的に、少なくとも3つの連結平面によって決められる。いくつかの場合では、3つの直交独立平面を連結させる機会はなく、従って、制約された回転角度を形成する代替的方法が必要である。1つの方法は、公知の角度関係を有する基準構造部に照らして構造部を折畳み、接着剤、ろう付け、溶接、半田付けという方法により、又は、構造用すねガードを折畳み部の内側又は外側に取り付けることにより角度を所定の位置に固定することである。別の方法は、形成された角度形態を有する内部構造部を用いてその回りに構造部を曲げる、すなわち、内部構造部を包み込むことである。この第2の方法に対しては、参照番号376a、bにより、図31の設計及び製作工程図で触れている。この包み込みの実施形態では、内部部品は、所定の位置に残すことができる(376b)か、又は、場合によっては折畳み工程のみを助けてその後に取り外される(376a)。
【0173】
包み込みの別の利用法は、捕捉することであり、これは、別の構造部内に部品又はモジュールを包む又は封入することにより、本発明によって形成されるか又は形成されない機能的部品と本発明の折畳み薄板構造部とを互いに結合させるという方法である。例えば、図16は、本発明の包み込みの可能な形態の多くの「捕捉する」機会の1つ(376b)のみを示すものである。従って、円柱631は、折畳み薄板611によって包み込まれる。
【0174】
本発明の折畳みプレート構造を有する2つ又はそれ以上のモジュール間で、又は、本発明の折畳みプレート構造を有する少なくとも1つの構造部を含む2つ又はそれ以上の構成要素間で接続部が作られる時に、更に別の部類の包み込みを行うことができる。本発明の平面材料内に形成される形態の三次元位置精度は、閉鎖又は結合工程の包み込み性と組み合わされると、二次的な切断及び嵌合に関する調整を必要としない非常に高い成功率で複数の部分を互いに接合する方法を可能にする。これは、穴、タブ、溝穴のような締め付け上の形態を整列させる本発明の機能から明確なものである。それは、包み込むことによって互いに接合する方法である。
【0175】
また、本発明の工程は、対話式段階380を含むことができる。本発明の方法を使用すれば廉価な三次元部品を作ることができるので、設計者には、生産用設計を決める前に設計を微調整することができるという実際的な余裕ができる。
本発明のスリットベースの曲げ方法及び装置は、非常に精密な曲げ許容値が可能である。例えば、レーザ又はウォータージェットカッター、打ち抜き又は穴開けダイを制御するためにCNC機を使用して極度の精度で元となるスリットをレイアウトすることができ、巨視的な部品と協働しながら生成される曲げ部は、±0.005インチの許容値で配置される。これは、プレスブレーキ及び高度な機能を有するオペレータで達成することができるものと同等に良好なものであるか又はそれを超えるものである。打ち抜きダイを使用する1つの更に別の利点は、ダイは、横断方向又は切り口幅方向にスリットを圧縮するように楔形とすることができるということである。これによって、薄板材は、耐疲労性の向上を図るために局所的に圧縮される。また、このような横断方向の圧縮は、曲げ処理中に縁部と面の接触を生成するように切り口幅を設計する時に考慮すべきである。また、耐疲労性を高めるために、レーザ又はウォータージェットカッターの次に楔形打ち抜きダイによるスリットの横断方向圧縮を行うことが可能である。
【0176】
更に、本発明の曲げ工程を使用した時は、許容誤差は、プレスブレーキの場合のようには蓄積しない。代替的に、折畳みが必要である薄板状延長部又はフラップを有する薄板材又は鋳造三次元部材にスリット又は溝を鋳造又は成形することができる。近微視的又は微視的寸法の材料と協働することにより、超小型電子技術やe−ビームリソグラフィなどのMEMSの分野で一般的に使用される他の形成方法を用いて極度の精度で本発明の所要の幾何学形状を達成することができる。
また、湾曲溝又はスリットを生成するためにレーザビーム(又は薄板材)を操作するのではなく、このようなビームを望ましい構成に光学的に制御又は形成したり、ビームの働きなしに溝又はスリットを切り込むために使用することができる。電力要件により、現在、これは、軽量薄板材又はプラスチック材では最も達成可能性が高いものとなっている。
【0177】
本発明の方法における製作技術には、スリット又は溝のバリ取り、溶剤エッチング、陽極酸化、表面腐食を防止するための処理、及び塗装、ポリマー、及び様々なコーキング化合物のような適合性コーティングの付加などの段階を含めることができる。
また、以上の説明から、本発明の薄板材の精密曲げの方法の別の態様では、対を成す縦方向に隣接するスリット間の曲げストラップウェブを形成するために曲げ線に沿ってかつその近くに延びる方向に軸線方向に間隔が取られた関係で複数の縦方向に延びるスリット又は溝を形成する段階を含むことが理解されるであろう。一実施形態では、縦方向に延びるスリットは、各々、少なくとも1つの横断方向に延びるスリットセグメントによって連結された縦方向に延びるスリットセグメントによって形成される。第2の実施形態では、スリット又は溝は、弓状であるか、又は、好ましくは曲げ線に対して斜めであって幅が大きくなる曲げストラップを形成するために曲げ線から離れて分岐する端部を有する。両方の実施形態では、ストラップは、仮想支点回りに曲げを生成することができ、その結果、スリット両側で薄板材の縁部と面の係合が得られる。また、ストラップウェブ及びスリット又は溝の数及び長さは、本発明の範囲内でかなり変えることができる。また、曲げストラップの幅又は断面積及びストラップの横断方向の分岐は、スリット間の横断方向の間隔から独立して変えることができる。本発明の方法の付加的な段階は、曲げウェブ全体に亘って実質的に曲げ線に沿った薄板材の曲げ処理である。
【0178】
本発明の方法は、様々な種類の薄板素材に適用することができる。大きな厚み及び様々な硬度調整を有することができるアルミニウム又は鋼(例えば、2インチ炭素鋼、T6硬度調整を伴う6061アルミニウム、一部のセラミック及び複合材)のような金属薄板素材での使用に特に良好に適する。しかし、特定の種類のプラスチック材及びポリマー薄板及び塑性変形可能な複合薄板も本発明の方法を用いれば曲げ処理に適すると考えられる。これらの材料の特性は、特定の温度に対して相対的なものであり、特定の材料を本発明の状況において適切なものとするには、温度の変動が必要である可能性がある。本発明の方法及び得られるスリット薄板材は、特に、スリット加工装置及び溝切り装置から離れた位置での精密曲げ処理に良好に適する。更に、曲げ部は、精密曲げを使用しなくても正確に生成することができる。
【0179】
また、薄板素材は、製造業者によって精密曲げによって曲げ、並びにその後に行う曲げ処理のためにスリット加工又は溝切りすることができる。これによって、エンクロージャを完成するための遠隔地の製造現場での曲げ処理のために、薄板素材を平坦な構成又は入れ子構成で出荷することができる。精密曲げ処理による曲げ部は、精密曲げ処理による曲げ部とスリット曲げ部との組合せを利用すると、精密曲げ処理による曲げ部を、例えば薄板縁部に沿って位置決めされた状態で、得られる製品の強度を高めるように未補強スリット曲げ部よりも強くすることができる。スリット又は溝曲げ部は、出荷のためにこのような薄板を尚も入れ子にすることができるように若干外側方向に開くように部分的に曲げることができるに過ぎない。
【0180】
曲げ製品は、重なり合う縁部と面の係合部及び支持部を有する。これによって、曲げストラップの実質的な応力印加を伴わずに様々な方向からの負荷印加に対抗する製品の機能が高められる。また、更なる強度が必要とされる場合、又は美観上の理由から、曲げ薄板材は、例えば、溶接又は他の方法で曲げ線に沿ってすねガード又は曲げ薄板を取り付けることによって補強することができる。本質的にゼロ切り口でスリットを形成する利点の1つは、曲げ薄板は、曲げ線に沿った曲げ薄板を貫通する開口部が少なくなるということである点に注意すべきである。従って、美観的理由による曲げ線に沿った溶接又は充填を必要とする可能性が小さくなる。
【0181】
直線の曲げ部をこれまで示したが、弓状曲げ部を達成することもできることに注意すべきである。すなわち、仮想支点が望ましい湾曲中心線上となるように湾曲した曲げ線に沿って同一ストラップ形成構造部をレイアウトするような湾曲曲げ線を生成するための1つの技術を図33に示す。
薄板931は、湾曲曲げ線の反対側に位置決めされて波形パネルに折畳まれた同一スリット932でスリット加工されたものである。スリット932は、線形の中央部と分岐するか又は曲がりながら離れる端部を有する図6のスリットと類似の形態を有する状態で示されている。しかし、スリット932は、配置された曲げ線である。曲げ線933の曲率半径が大きくなる時、曲線をより良く近似するように曲げ線932に沿ったスリット932の長さを短くすることができる。
【0182】
波形薄板931は、ロール形態の波形パネルに見られることが多い帽子形断面を有することに注意すべきである。この構造は、デッキ構造部として使用された時に図20の連続パネルほどは望ましいものではないのは、弦薄板部分の全体的なパネル質量は約半分に過ぎないが、他の用途においては様々な利点を有し、必要とされる材料は少ないからである。
第2の技術は、滑らかな湾曲曲げ部を生成するように曲げストラップを形成するために、同一ではないストラップ形成スリットを用いることである。この曲げ薄板は、曲げ線の両側で湾曲面を有することになる。段付きスリットを使用した場合は、縦方向に延びるスリットセグメントを短くすることができる。
【0183】
曲げ薄板の分布及び幅は、曲げに必要とされる局地的な力と未補強曲げ部の残留強度との間のトレードオフの変動を含む様々な理由から特定の曲げ線の長手方向に変わる可能性がある。例えば、便乗的に本発明の曲げストラップと同時に形成することができる隣接する形態は、曲げ線に非常に近くまで接近することができるので、曲げ材料の平面性を維持するために、接近する形態の近くでの頻度が少なく又はより薄いストラップで最も近い曲げストラップが最良に形成される。
【0184】
最後に、本発明の最良の構造部は、容易に伸ばすことができる。これによって、三次元構造部は、別の現場までの輸送のために又は薄板材の再利用のために分解することができる。曲げ薄板材は、多くの場合、真っ直ぐに伸ばすか又は曲げ部の反転さえも行われ、その後、5から10サイクル又はそれ以上で再び曲げることができることが判明している。これによって、1つの現場での構造部の曲げ処理又は製作、及び、次に第2の現場での伸ばし、輸送、及び再曲げ処理が可能になる。また、伸ばしが容易であるために、構造部を伸ばして、薄板材及び取り外された構成要素の再利用のためにそれらを再利用センターに送ることができる。
【0185】
特許請求の範囲における説明及び正確な定義の便宜上、「上」又は「上の」、「下」又は「下の」、「内側」及び「外側」という用語は、図示された特徴の位置に関して本発明の特徴を説明するために使用されている。
本発明の特定の実施形態の以上の説明は、図示及び説明を目的として示されたものである。網羅的又は開示する正確な形態に本発明を限定することを意図したものではなく、明らかに多くの修正及び変形が上述の教示内容に照らして可能である。様々な実施形態は、本発明の原理及びその実際的な用途を最良に説明することにより、他の当業者が本発明及び想定される特定の利用に適するような様々な修正を伴う様々な実施形態を最良に利用することを可能にするように選択されて説明したものである。本発明の範囲は、本明細書において特許請求の範囲及びその均等物によって規定されるものとする。
【符号の説明】
【0186】
241 薄板材
245 曲げ線
243 スリット
247 曲げストラップ
294a 湾曲端部部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ線に沿って曲げるために形成された薄板材であって、
複数のスリットが貫通した薄板材、
を含み、
前記スリットは、望ましい曲げ線に対して位置決めされ、前記薄板材の実質的に曲げ部全体に亘って該スリットの両側で該薄板材の縁部と面の係合により該曲げ線に沿って該薄板材の曲げを生成するように構成された、
ことを特徴とする薄板材。
【請求項2】
前記薄板材は、前記曲げ線に沿って互いに対して縦方向に変位した位置に該曲げ線の近くに位置決めされた少なくとも2つの細長いスリットを用いて形成され、
各スリットは、スリット端部部分を有し、前記曲げ線の両側の一対の隣接するスリット端部部分は、該曲げ線を横切って延びる縦方向ストラップ軸線を有する曲げストラップを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項3】
前記スリット端部部分は、前記曲げ線から離れるように分岐することを特徴とする請求項2に記載の薄板材。
【請求項4】
前記スリット端部部分は、弓状であり、前記曲げ線から離れるように湾曲することを特徴とする請求項3に記載の薄板材。
【請求項5】
前記スリットは、等距離に前記曲げ線の両側に位置決めされ、
前記スリットはまた、前記曲げストラップの縦方向ストラップ軸線を前記曲げ線に対して斜角で延びるように配向するために、縦方向に重なり合う関係で位置決めされる、
ことを特徴とする請求項2に記載の薄板材。
【請求項6】
前記縁部と面の係合は、前記薄板材の曲げ処理中に前記スリットの実質的に全長に沿って生じることを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項7】
前記薄板材は、前記曲げ線に沿って互いに対して縦方向に千鳥の位置に該曲げ線の両側のその近くに位置決めされた少なくとも2つの細長いスリットを用いて形成され、
前記スリットの各々は、実質的に同じ構成を有し、前記曲げ線の一方の側のスリットは、該曲げ線の他方の側のスリットに対して逆転している、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項8】
前記スリットは、中央の横断方向軸線に関して対称であることを特徴とする請求項7に記載の薄板材。
【請求項9】
前記スリットは、中央の横断方向軸線に関して非対称であることを特徴とする請求項7に記載の薄板材。
【請求項10】
前記スリットの各々は、端部部分を有し、
前記縦方向に隣接するスリット端部部分は、縦方向ストラップ軸線に関して対称である、前記曲げ線を横切って延びる曲げストラップを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項11】
前記スリットの各々は、端部部分を有し、
前記縦方向に隣接するスリット端部部分は、中央のストラップ軸線に関して非対称である、前記曲げ線を横切って延びる曲げストラップを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項12】
前記スリットの各々は、前記曲げ線に沿って実質的に同じ長さを有することを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項13】
前記スリットは、前記曲げ線に沿って異なる長さを有することを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項14】
前記スリットは、前記曲げ線の両側に交互に位置決めされて該曲げ線に沿って縦方向にずれた複数の弓状スリットによって設けられ、
前記弓状スリットは、前記曲げ線に面する方向に凸状であり、該前記曲げ線を横切って斜めに延びるストラップ軸線を有する曲げストラップを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項15】
前記薄板材は、前記曲げ線から横方向に等距離に位置決めされて前記斜めに配向されたストラップ軸線を形成する複数の対の縦方向に重なり合うスリットを用いて形成されることを特徴とする請求項14に記載の薄板材。
【請求項16】
前記ストラップ軸線は、前記曲げ線に対して反対に傾斜した方向に斜めであることを特徴とする請求項15に記載の薄板材。
【請求項17】
前記スリットの各々は、端部部分を有し、前記縦方向に隣接するスリット端部部分は、前記曲げ線を横切って斜めに延びる縦方向ストラップ軸線を有する曲げストラップを形成し、
前記ストラップ軸線は、薄板材を曲げる時に前記曲げ線の両側の薄板材の部分の該曲げ線に沿う相対的な変位を生成するために、該曲げ線に対して同じ方向に斜めである、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項18】
前記スリットは、曲げ処理中に該スリットの両側の薄板材の縁部と面の相互係合を保証するほど十分に小さい切り口幅を有することを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項19】
金属及びプラスチックのうちの一方の変形可能な薄板によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項20】
曲げ処理中に単に弾力的に変形することになる薄板によって形成され、
前記スリットは、薄板材の塑性変形を防止するほど十分に小さい斜角で前記曲げストラップを配向するように構成される、
ことを特徴とする請求項18に記載の薄板材。
【請求項21】
前記スリットは、曲げ処理中に、該スリットの一方の側に沿った薄板材の縁部を該スリットの他方の側に沿った薄板材の面に係合させ、かつそれに沿って摺らせるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項22】
前記スリットは、前記スリット端部部分の両端で応力低減構成を用いて形成されることを特徴とする請求項2に記載の薄板材。
【請求項23】
前記複数のスリットは、隣接するスリット端部部分間に少なくとも1つの曲げウェブを形成するように構成された、前記曲げ線に沿ってその近くにある複数のスリットを含み、 少なくとも1つのスリットは、前記曲げ線の近くのその両側にかつそれと実質的に平行に位置決めされた第1の対の縦方向に延びるスリットセグメントから成り、
前記縦方向に延びるスリットセグメントは、更に、横断方向に延びるスリットセグメントによって結合された一対の縦方向に隣接する端部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項24】
コイル状態に固定されたことを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項25】
薄板材の厚みに対する前記曲げ線の両側のスリット間のジョグ距離の比率は、約1.0よりも小さく、
前記スリットは、薄板材の厚みの約0.3倍よりも小さい切り口を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の薄板材。
【請求項26】
前記スリットの前記縦方向に隣接する端部は、前記曲げ線を横切って延びる曲げストラップを形成し、
前記曲げストラップは、薄板材の厚みの約0.5から約4.0倍の間に等しい幅寸法で形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の薄板材。
【請求項27】
前記曲げストラップの前記幅寸法は、薄板材の厚みの約0.7から約2.5倍の間であることを特徴とする請求項26に記載の薄板材。
【請求項28】
前記複数の曲げ線の各々の両側に薄板材の縁部と面の係合を生成する位置に複数の曲げ線に沿って位置決めされた複数のスリットを有し、
三次元構造部を生成するために前記複数の曲げ線に沿って曲げられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄板材。
【請求項29】
前記三次元構造部は、箱形梁であることを特徴とする請求項28に記載の薄板材。
【請求項30】
前記三次元構造部は、クロスブレースト箱形梁であることを特徴とする請求項28に記載の薄板材。
【請求項31】
前記三次元構造部は、電気構成要素のためのシャーシであることを特徴とする請求項28に記載の薄板材。
【請求項32】
前記三次元構造部は、スタッドウォールであることを特徴とする請求項28に記載の薄板材。
【請求項33】
前記三次元構造部は、折り紙形態であることを特徴とする請求項28に記載の薄板材。
【請求項34】
前記三次元構造部は、波形パネルであることを特徴とする請求項28に記載の薄板材。
【請求項35】
前記三次元構造部は、波形支柱であることを特徴とする請求項28に記載の薄板材。
【請求項36】
望ましい曲げ線に沿って曲げるための薄板材であって、
複数の曲げストラップ形成構造部が形成された薄板材、
を含み、
前記ストラップ形成構造部は、曲げ線を横切って延びるように配向されて位置決めされた縦方向ストラップ軸線を有する、薄板材の少なくとも1つの曲げストラップを形成するように位置決めされ、
前記ストラップ形成構造部は、前記曲げ線に沿って薄板材の曲げを生成するように構成されて位置決めされた、
ことを特徴とする薄板材。
【請求項37】
前記ストラップ形成構造部は、薄板材を貫通して延びるように形成されたスリットであることを特徴とする請求項36に記載の薄板材。
【請求項38】
前記スリットは、薄板材の曲げ処理中に該スリットの両側に薄板材の縁部と面の係合を引き起こす切り口寸法及びジョグ距離を有することを特徴とする請求項37に記載の薄板材。
【請求項39】
前記スリットは、細長い弓状スリットであることを特徴とする請求項37に記載の薄板材。
【請求項40】
前記弓状スリットは、前記曲げ線に面する凸状側面を有することを特徴とする請求項39に記載の薄板材。
【請求項41】
前記ストラップ形成構造部は、薄板材を貫通して延びないある一定の深さに形成された溝であることを特徴とする請求項36に記載の薄板材。
【請求項42】
前記溝は、細長い弓状の溝であることを特徴とする請求項41に記載の薄板材。
【請求項43】
前記弓状の溝は、前記曲げ線に面する凸状側面を有することを特徴とする請求項42に記載の薄板材。
【請求項44】
前記溝は、薄板材の同じ側に形成されることを特徴とする請求項41に記載の薄板材。
【請求項45】
前記ストラップ形成構造部は、ストラップの長さのほぼ中点から縦方向ストラップ軸線に沿って両方向に増大する幅寸法を有するストラップを形成することを特徴とする請求項36に記載の薄板材。
【請求項46】
曲げ線に沿って曲げるために形成された薄板材であって、
曲げ線に隣接してそれに沿った位置に複数のスリットが貫通した薄板材、
を含み、
前記スリットの各々は、前記曲げ線から離れるように分岐する反対端を有し、
前記スリットは、前記曲げ線に沿って薄板材の曲げを生成するように構成されて位置決めされた、
ことを特徴とする薄板材。
【請求項47】
前記スリットは、前記曲げ線の両側に交互に位置決めされ、
縦方向に隣接するスリットは、幅寸法を有する曲げストラップを形成するスリット端部部分を有し、該幅寸法は、該曲げストラップが前記曲げ線から離れて延びる時に増大する、
ことを特徴とする請求項36に記載の薄板材。
【請求項48】
前記スリットの各々は、曲げ処理中に該スリットの両側の薄板材の部分の縁部と面の係合を生成する、薄板材の厚み寸法に対する切り口寸法及びジョグ距離寸法を用いて形成されることを特徴とする請求項36に記載の薄板材。
【請求項49】
曲げ線に沿った精密曲げのために形成された薄板材であって、
曲げ線の両側に沿ってその近くに端から端の関係で位置決めされた複数の細長い閉鎖端スリットを有する塑性的かつ弾力的に変形可能な中実薄板材、
を含み、
各スリットは、前記曲げ線から離れるように分岐するスリット端部部分を有し、縦方向に隣接する端部部分の対が、該曲げ線を横切って斜めに延びる曲げストラップを形成する、
ことを特徴とする薄板材。
【請求項50】
前記スリットは、前記曲げ線の交替する側に位置決めされ、
前記スリット端部部分は、弓状であり、前記曲げ線に対して交替する方向に歪曲した斜めに配向されたストラップを形成するために該曲げ線から離れるように湾曲する、
ことを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項51】
前記スリットは、弓状であり、前記曲げ線に面する凸状側面を有することを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項52】
前記曲げストラップは、薄板材の曲げ処理中の捩れ及び曲げの両方に対して配向されることを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項53】
前記曲げストラップの幅寸法は、薄板材の厚み寸法よりも大きいことを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項54】
前記曲げストラップは、該曲げストラップが前記曲げ線から離れて延びる時に増大する厚み寸法を有することを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項55】
前記複数のスリットは、前記曲げ線に対する斜角で該曲げ線を横切って延びる複数の曲げストラップを形成することを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項56】
交互の曲げストラップは、反対の歪曲した方向に前記曲げ線全体を横切って延びることを特徴とする請求項55に記載の薄板材。
【請求項57】
等方性材料の薄板であることを特徴とする請求項56に記載の薄板材。
【請求項58】
複数の前記曲げストラップは、同じ方向に前記曲げ線を横切って延びるように歪曲していることを特徴とする請求項55に記載の薄板材。
【請求項59】
非等方性材料であることを特徴とする請求項58に記載の薄板材。
【請求項60】
前記スリットは、前記曲げ線上に実質的に重なった仮想支点回りの前記曲げストラップの曲げを生成するために該曲げ線の両側に実質的に等距離に位置決めされ、
前記曲げ線を横切るスリット間の横断方向の距離は、薄板材の大体の厚みよりも大きくない、
ことを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項61】
前記スリットは、薄板材の曲げ処理が完了する時に該スリットの両側の薄板材を変位させて係合から外すために前記曲げストラップと協働するように形成されることを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項62】
陽極酸化金属の薄板であることを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項63】
各スリットは、該スリットの両端に弓状端部部分を有し、
前記弓状端部部分は、前記曲げ線から離れる方向に湾曲するように形成される、
ことを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項64】
前記弓状端部部分は、前記曲げストラップの塑性変形ゾーンの少なくとも端部で終端するように延びることを特徴とする請求項63に記載の薄板材。
【請求項65】
前記スリットを形成する薄板材は、外側方向に圧縮されたものであることを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項66】
前記スリットの形状は、弓形であり、
少なくとも1つのスリットの凸状側の舌状部は、薄板材の曲げの方向を片寄らせるために、薄板材の曲げ処理の前に薄板材の平面から横方向に変位させられる、
ことを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項67】
摺り合わせ部、窪み、輪郭、開口部、フランジ、タブ、及び溝のうちの1つが、薄板材に形成されることを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項68】
前記スリットは、薄板材の平面に対する斜角で薄板材を貫通して延びるように形成されることを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項69】
前記スリットが鋳造された鋳込材料の薄板であることを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項70】
前記スリットを形成する薄板材は、バリ取り、電解研磨、溶剤エッチング、陽極酸化、腐食を低減するための処理、及び電気メッキのうちの少なくとも1つを施されたものであることを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項71】
エラストマー層が、前記曲げ線を横切って薄板材に結合されたことを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項72】
前記エラストマー層は、装飾されることを特徴とする請求項71に記載の薄板材。
【請求項73】
前記エラストマー層は、反射性であることを特徴とする請求項71に記載の薄板材。
【請求項74】
熱作動式形状記憶を有する材料であることを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項75】
粘着ストリップを担持することを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項76】
材料の保護ストリップが、前記曲げ線の上で薄板材に固定されたことを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項77】
前記保護ストリップは、薄板材が曲げられる側から離れる方向にある薄板材の側面に固定されることを特徴とする請求項76に記載の薄板材。
【請求項78】
前記保護ストリップは、薄板材が曲げられる方向にある薄板材の側面に固定されることを特徴とする請求項77に記載の薄板材。
【請求項79】
曲げ処理中にスリットの両側で薄板材の縁部と面の係合を生成するように構成された曲げ線に沿う複数のスリットを各々が有する複数の該曲げ線に沿った曲げのために形成されたことを特徴とする請求項49に記載の薄板材。
【請求項80】
前記複数の曲げ線は、薄板材を曲げる時に中空閉鎖構造部の形成を可能にするように位置決めされて配向されたことを特徴とする請求項79に記載の薄板材。
【請求項81】
前記複数の曲げ線は、薄板材を曲げる時に中空湾曲梁の形成を可能にするように位置決めされて配向されたことを特徴とする請求項80に記載の薄板材。
【請求項82】
前記複数の曲げ線は、薄板材を曲げる時に波形構造部の形成を可能にするように位置決めされて配向されたことを特徴とする請求項79に記載の薄板材。
【請求項83】
薄板材の前記縁部は、湾曲面と嵌合するように形成されたことを特徴とする請求項80に記載の薄板材。
【請求項84】
薄板材の前記縁部は、円筒面と嵌合するように形成され、
前記中空閉鎖構造部は、前記複数の曲げ線の間に薄板材の複数の平坦面によって形成された多角形構造部である、
ことを特徴とする請求項83に記載の薄板材。
【請求項85】
更に前記複数の曲げ線に沿う複数の取付けタブを用いて形成されたことを特徴とする請求項79に記載の薄板材。
【請求項86】
前記取付けタブは、そこにファスナ受け取り開口部を含むことを特徴とする請求項85に記載の薄板材。
【請求項87】
前記取付けタブは、第1の指定された薄板材に第2の薄板材を固定するために該第2の薄板材に設けられた取付け溝穴を貫通して延びるように形成されたことを特徴とする請求項85に記載の薄板材。
【請求項88】
前記複数の曲げ線は、互いに実質的に平行かつ互いに等間隔であり、薄板材は、ジクザグ形の横断方向断面を有するように曲げられ、
2つの実質的に平坦な薄板材は、波形の薄板アセンブリを形成するように薄板材の両側に固定された、
ことを特徴とする請求項79に記載の薄板材。
【請求項89】
複数の第1の薄板曲げ線に沿った曲げのために形成され、該第1の薄板曲げ線の各々の近くに位置決めされて曲げを生成するように構成された複数のスリットを貫通させて形成され、該第1の薄板曲げ線に沿って曲げられる第1の薄板材と、
複数の第2の薄板曲げ線に沿った曲げのために形成され、該第2の薄板曲げ線の各々の近くに位置決めされて曲げを生成するように構成された複数のスリットを貫通させて形成され、該第2の薄板曲げ線に沿って曲げられる第2の薄板材と、
を含み、
前記第1の薄板材及び前記第2の薄板材は、互いに固定されて中空梁を形成する、
ことを特徴とする中空梁。
【請求項90】
前記第1の薄板材の前記スリット及び前記第2の薄板材の前記スリットは、曲げ処理中に該スリットの両側に該材料の縁部と面の係合を生成するように構成されることを特徴とする請求項89に記載の中空梁。
【請求項91】
前記第1の薄板材の前記スリット及び前記第2の薄板材の前記スリットは、弓形であることを特徴とする請求項90に記載の中空梁。
【請求項92】
前記第1の薄板材及び前記第2の薄板材は、硬化した中空梁を形成するように構成されて互いに固定されることを特徴とする請求項89に記載の中空梁。
【請求項93】
前記第1の薄板材は、一対の実質的に平行な第1の薄板曲げ線の両側に沿って延びるように位置決めされたスリットを用いて形成され、
前記第2の薄板材は、一対の実質的に平行な第2の薄板曲げ線の両側に沿って延びるように位置決めされたスリットを用いて形成される、
ことを特徴とする請求項89に記載の中空梁。
【請求項94】
前記第1の薄板材は、該第1の薄板材の両縁部から前記一対の第1の薄板曲げ線に隣接する位置まで内側方向に延びる複数の切り欠きを含み、
前記第2の薄板材は、該第2の薄板材の両縁部から前記一対の第2の薄板曲げ線に隣接する位置まで内側方向に延びる複数の切り欠きを含む、
ことを特徴とする請求項93に記載の中空梁。
【請求項95】
前記第1の薄板材及び前記第2の薄板材の各々は、U字形横断方向断面を有するように曲げられ、互いに固定されて四側面中空箱形梁を形成することを特徴とする請求項94に記載の中空梁。
【請求項96】
前記第1の薄板材及び前記第2の薄板材は、前記曲げ線に沿って縦方向に湾曲するように曲げられ、互いに固定されて湾曲四側面中空箱形梁を形成することを特徴とする請求項95に記載の中空梁。
【請求項97】
前記第1の薄板材及び前記第2の薄板材の前記切り欠きは、パイ形状であり、
前記第1の薄板材及び前記第2の薄板材は、複数のファスナによって互いに固定される、
ことを特徴とする請求項96に記載の中空梁。
【請求項98】
複数の曲げ線に沿って曲げるために形成された薄板材、
を含み、
前記薄板材は、それを貫通して前記曲げ線の各々の近くに位置決めされた複数のスリットを用いて形成され、
前記スリットは、三次元形態に曲げられた時に、少なくとも2つのクロスブレース薄板部分が梁の内側に位置決めされた箱形梁への薄板の曲げを生成するように構成され、
前記クロスブレース薄板部分は、前記箱形梁の交替する正反対の隅部間に延びる、
ことを特徴とするクロスブレースト箱形梁。
【請求項99】
複数の曲げ線に沿って曲げるために形成された薄板材、
を含み、
前記薄板材は、それを貫通して前記曲げ線の各々の近くに位置決めされた複数のスリットを用いて形成され、
前記スリットは、連続デッキ面を設けるために三次元形態に曲げられた時にデッキの上側及び下側の両方に沿って当接する弦薄板部分と、該弦薄板部分の間の複数の結合ウェブ薄板部分とを有する波形デッキへの薄板の曲げを生成するように構成される、
ことを特徴とする連続波形デッキ。
【請求項100】
構成要素を支持するためのシャーシであって、
複数の曲げ線に沿って曲げるために形成され、該曲げ線の各々の近くに位置決めされてシャーシを生成するように構成された貫通する複数のスリットを用いて形成された薄板材と、
薄板に固定された少なくとも1つの構成要素と、
を含み、
前記薄板は、該薄板を少なくとも部分的に取り囲むように前記曲げ線に沿って曲げられる、
ことを特徴とするシャーシ。
【請求項101】
曲げ線に沿って曲げるための薄板材をスリット加工する方法であって、
曲げ線に対して位置決めされ、薄板材を曲げる時にスリットの両側の該材料の縁部と面の係合を用いて該曲げ線に沿った曲げを生成するように構成された、薄板材を貫通する複数のスリットを形成する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項102】
前記形成する段階中に、前記曲げ線の両側で交替する弓状スリットとして、該弓状スリットの凸状側面が該曲げ線に最も近くなるように前記スリットを形成する、
ことを特徴とする請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記形成する段階中に、各スリットは、前記曲げ線から離れるように分岐するスリット端部部分を用いて形成され、該曲げ線の両側の一対の縦方向に隣接するスリット端部部分は、該曲げ線を横切って延びる曲げストラップを形成し、
前記形成する段階中に、曲げ処理中の前記スリットの両側の前記薄板材の相互係合を生成する切り口幅寸法及びスリット間の横断方向ジョグ距離を用いて該スリットを形成する、
ことを特徴とする請求項101に記載の方法。
【請求項104】
前記形成する段階は、前記曲げ線を横切って斜めに延びる曲げストラップを形成するスリット端部部分を用いて前記スリットを形成することにより達成される、
ことを特徴とする請求項103に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項105】
前記スリット間のジョグ距離及び前記曲げ線に沿う前記スリットの位置の少なくとも一方を変えることにより前記曲げストラップの断面積を変える段階、
を含むことを特徴とする請求項103に記載の方法。
【請求項106】
前記形成する段階の前に、スリット加工のために弾力的かつ塑性的に変形可能な材料の中実薄板を選択する段階、
を含むことを特徴とする請求項101に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項107】
前記形成する段階は、
前記曲げ線に沿って縦方向に重なる一定の位置に前記スリットの各々を形成し、
縦方向に隣接するスリットの前記端部部分間に斜めに延びる曲げストラップを形成するために該スリットの各端部に弓状端部部分を有するように各スリットを形成する、
ことによって達成される、
ことを特徴とする請求項101に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項108】
前記形成する段階は、前記スリットを前記曲げ線の両側で横方向にオフセットし、中央摺動部分が該曲げ線と実質的に平行になるように形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項107に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項109】
前記形成する段階は、曲げ処理中に前記スリットの一方の側の縁部の該スリットの他方の側の面上の摺りを生じ、該縁部を曲げ処理中に該スリットの両側の前記薄板材の前記面に対して支持する関係で位置決めするための切り口を用いて該スリットを形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項108に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項110】
前記形成する段階の後に、前記曲げストラップの塑性及び弾性変形を生成するために、前記曲げ線に整列した仮想支点の回りに前記薄板材を曲げる段階、
を含むことを特徴とする請求項109に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項111】
前記形成する段階は、前記曲げ線の実質的に全長に沿って該曲げ線の両側に請求項101に記載の複数のスリットを形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項101に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項112】
前記形成する段階の後に、前記曲げ線の回りに前記薄板材を曲げる段階、
を含むことを特徴とする請求項101に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項113】
前記形成する段階中に、複数のスリットを複数の交差する曲げ線の各々に形成し、
前記曲げる段階中に、3つの相互に交差し、かつ当接する平面薄板パネルを有する構造部を生成するために、少なくとも2つの曲げ線に沿って前記薄板材を曲げ、
相互の支持のために前記3つの相互に交差するパネルを当接する関係に固定する段階、 を含むことを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記曲げる段階の後に、溶接、ろう付け、半田付け、封入、及び接着剤充填段階のうちの1つにより、前記曲げた薄板材の前記スリットを充填する段階、
を含むことを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項115】
前記形成する段階は、第1の位置で達成され、
前記形成する段階の後に、前記薄板材を前記第1の位置から該第1の位置から離れた第2の位置へ搬送する段階と、
前記搬送する段階の後に、前記第2の位置で前記曲げ線に沿って前記薄板材を曲げる段階と、
を含むことを特徴とする請求項101に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項116】
前記搬送する段階は、
(a)平坦な状態、
(b)コイル状態、及び
(c)部分的に形成された状態、
のうちの1つで前記薄板材を搬送することによって達成される、
ことを特徴とする請求項115に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項117】
前記形成する段階の後及び前記搬送する段階の前に、前記薄板材をコイルに巻き取り、該薄板材がコイルに巻かれる間に前記搬送する段階を実行し、
前記曲げる段階を実行する前に、別の位置で前記薄板材のコイルを伸ばす段階、
を含むことを特徴とする請求項115に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項118】
前記コイルを伸ばす段階中に、前記曲げる段階を実行する段階、
を含むことを特徴とする請求項117に記載の曲げるための薄板材をスリット加工する方法。
【請求項119】
前記搬送する段階は、前記コイル状薄板材を地表の表面上の第1の位置から大気圏外の第2の位置へ搬送することによって達成される、
ことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記曲げる段階は、3つの相互に交差する平面を有する構造部を生成するために、複数の曲げ線に沿って前記薄板材を曲げることによって達成され、
前記構造部を伸びないように固定する段階、
を含むことを特徴とする請求項119に記載の方法。
【請求項121】
曲げ線に沿って曲げるための薄板材を形成する方法であって、
曲げ線を横切って延びるように配向された縦方向ストラップ軸線を有する少なくとも1つの曲げストラップを薄板材に形成するように該曲げ線に対して位置決めされた複数の曲げストラップ形成構造部を該薄板材に形成する段階、
を含み、
前記ストラップ形成構造部は、前記曲げ線に沿って前記薄板材の曲げを生成するために材料の縁部と面の係合を用いて構成されて位置決めされる、
ことを特徴とする方法。
【請求項122】
前記形成する段階は、前記薄板材を貫通して延びるスリットとして前記ストラップ形成構造部を形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記形成する段階は、前記スリットを形成し、前記薄板材の曲げ処理中に切り口寸法及びジョグ距離が該スリットの両側の該薄板材の縁部と面の係合を引き起すようにすることによって達成される、
ことを特徴とする請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記形成する段階は、前記スリットを細長い弓状スリットとして形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項121に記載の方法。
【請求項125】
前記形成する段階は、前記弓状スリットを前記曲げ線に面する凸状側面を有するように形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記形成する段階は、前記薄板材を貫通して延びないある一定の深さに形成された溝として前記ストラップ形成構造部を形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項121に記載の方法。
【請求項127】
前記形成する段階は、前記溝を細長い弓状溝として形成することによって達成される、 ことを特徴とする請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記形成する段階は、前記弓状溝を前記曲げ線に面する凸状側面を有するように形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記形成する段階は、前記薄板材の同じ側に前記溝を形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項126に記載の方法。
【請求項130】
前記形成する段階は、前記ストラップの長さのほぼ中間点から縦方向ストラップ軸線に沿って両方向に増大する幅寸法を有するストラップを形成するように前記ストラップ形成構造部を形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項121に記載の方法。
【請求項131】
前記形成する段階は、曲げ処理の前に前記薄板材の平面から変位した、前記弓状スリットの凹状側面上の舌状部を形成する弓状スリットとして、前記ストラップ形成構造部を形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項121に記載の方法。
【請求項132】
前記形成する段階中に、前記弓状スリットの凸状側面が前記曲げ線に面する状態で前記曲げ線の両側に交替する弓状スリットとして前記スリットを形成する、
ことを特徴とする請求項122に記載の方法。
【請求項133】
前記形成する段階中に、各スリットは、前記曲げ線から離れるように分岐するスリット端部部分を用いて形成され、該曲げ線の両側の一対の縦方向に隣接するスリット端部部分が、該曲げ線を横切って延びる前記曲げストラップを形成し、
前記形成する段階中に、曲げ処理中に前記スリットの両側に前記薄板材の相互係合を生成する寸法を有する切り口幅を用いて該スリットを形成する、
ことを特徴とする請求項121に記載の方法。
【請求項134】
曲げ線に沿って曲げるための薄板材をスリット加工する方法であって、
スリット加工のための中実薄板材を選択する段階と、
前記曲げ線に沿った交替するスリットが前記曲げ線の交替する側に位置決めされるように、望ましい曲げ線に沿って複数のスリットを形成する段階と、
前記形成する段階中に、弓状スリットの隣接する対が、最小幅寸法の両側でストラップ幅寸法が増大するような前記曲げ線を横切って斜めに延びる曲げストラップを形成するように、中央部分が該曲げ線に実質的に平行でそれから横方向にオフセットし、かつ前記スリットの各端部上の弓状スリット端部部分が該曲げ線から離れて湾曲するように各スリットを形成する段階と、
含むことを特徴とする方法。
【請求項135】
前記形成する段階は、曲げ処理中に前記スリットの両側の前記薄板材の相互係合を生成するように寸法決めされた切り口幅を有するスリットを切削するためにレーザ切削装置を使用することによって達成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記形成する段階は、曲げ処理中に前記スリット両側の前記薄板材の相互係合を生成するように寸法決めされた切り口幅を有するスリットを切削するためにウォータージェット切削装置を使用することによって達成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項137】
前記形成する段階の後に、前記曲げ線に沿って前記薄板材を曲げる段階、
を含むことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項138】
前記形成する段階は、前記スリットの一方の側の前記薄板材の縁部と該薄板材の他方の側の該薄板材の面との摺動相互係合を生成するスリット間の切り口幅寸法及び横断方向ジョグ距離を用いて前記スリットを形成することによって達成され、
前記曲げる段階は、前記薄板材の縁部と面の摺動相互係合によって前記曲げストラップの塑性及び弾性変形が生成されるように、前記曲げ線に実質的に整列した仮想支点の回りに該薄板材を曲げることによって達成される、
ことを特徴とする請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記形成する段階は、複数の交差する曲げ線に沿って前記スリットを形成することによって達成され、
前記曲げる段階は、延びて当接する関係になる3つの交差する平面区域を有する三次元構造部に前記薄板材を曲げることによって達成され、
安定した構造部を形成するために前記3つの交差する平面区域を互いに固定する段階、 を含むことを特徴とする請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記曲げる段階の後に、前記曲げ線において密封継手を生成する材料で前記スリットを充填する段階、
を含むことを特徴とする請求項138に記載の方法。
【請求項141】
前記充填する段階は、
(a)溶接段階、
(b)ろう付け段階、
(c)半田付け段階、
(d)封入段階、及び
(e)接着剤充填段階、
のうちの1つによって達成される、
ことを特徴とする請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記曲げる段階の後に、前記薄板材を伸ばす段階、
を含むことを特徴とする請求項138に記載の方法。
【請求項143】
前記形成する段階は、前記曲げ線に対して反対に延びる斜角に配向された曲げストラップを形成するスリットを設けることによって達成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項144】
前記形成する段階は、スリットの両端において前記曲げ線に対して約45°及び約135°の角度で配向された縦方向ストラップ軸線を有する曲げストラップを設けることによって達成される、
ことを特徴とする請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記形成する段階は、前記薄板材を曲げるのに必要な望ましい量の力を生成する前記曲げストラップに対する幅寸法を選択することによって達成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項146】
前記形成する段階は、曲げられる前記薄板材の厚みよりも大きい前記曲げストラップに対する最小幅寸法を選択することによって達成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項147】
前記形成する段階は、曲げられる前記薄板材の厚みよりも小さい前記曲げストラップに対する最小幅寸法を選択することによって達成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項148】
前記形成する段階は、曲げられる前記薄板材の厚みの約0.5倍から約4倍の範囲の前記曲げストラップに対する最小幅寸法を選択することによって達成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項149】
前記選択する段階は、曲げられる前記材料の厚みの0.7から2.5倍の間になるように前記曲げストラップの最小幅を選択することによって達成される、
ことを特徴とする請求項148に記載の方法。
【請求項150】
前記形成する段階は、前記曲げストラップが前記曲げ線に対して反対側に歪曲した方向に斜めに配向されるように構成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項151】
前記形成する段階は、前記曲げストラップを該曲げストラップの長さの中間点の近くから分岐するように構成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項150に記載の方法。
【請求項152】
前記薄板材を選択する段階及び複数のスリットを形成する段階は、曲げ処理中に該薄板材の弾性変形のみを生成するように達成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項153】
前記形成する段階は、前記スリットの両側に前記薄板材の摺りによる縁部と面の係合を生成する方法で達成され、
前記摺動係合は、前記曲げストラップが捩れて曲がる時に前記スリットの縦方向中心から前記スリット端部まで進行する、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項154】
前記形成する段階中に、前記曲げストラップの最小幅、前記曲げ線からの各スリットの距離、及び各スリットの幅は、前記薄板材の組成及び厚みと曲げ部が使用中に受ける力とに対して曲げ部の望ましい強度を生成するように選択される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項155】
前記形成する段階中は、前記曲げ線までの各スリットの距離は、前記薄板材の厚みよりも小さい、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項156】
前記スリットを形成する段階中に、該スリットは、該スリットが終端する点で前記薄板材の残留応力を低減する傾向がある幾何学形状を有するように形成される、
ことを特徴とする請求項134に記載の方法。
【請求項157】
前記形成する段階は、
曲げる時にクロスブレースト箱形梁を生成するように配置された複数の曲げ線に沿う前記スリットを形成し、
前記曲げる段階中に、前記薄板材をクロスブレースト箱形梁に曲げる、
ことによって達成されることを特徴とする請求項137に記載の方法。
【請求項158】
前記形成する段階は、
曲げる時に連続波形デッキを生成するように配置された複数の曲げ線に沿う前記スリットを形成し、
前記曲げる段階中に、前記薄板材を連続波形デッキに曲げる、
ことによって達成されることを特徴とする請求項137に記載の方法。
【請求項159】
前記形成する段階は、
曲げる時に構成要素支持シャーシを生成するように配置された複数の曲げ線に沿う前記スリットを形成し、
前記曲げる段階中に、前記薄板材を構成要素支持シャーシに曲げる、
ことによって達成されることを特徴とする請求項137に記載の方法。
【請求項160】
前記形成する段階は、
曲げる時にスタッドウォールを生成するように配置された複数の曲げ線に沿う前記スリットを形成し、
前記曲げる段階中に、前記薄板材をスタッドウォールに曲げる、
ことによって達成されることを特徴とする請求項137に記載の方法。
【請求項161】
前記形成する段階は、
曲げる時に梯子を生成するように配置された複数の曲げ線に沿う前記スリットを形成し、
前記曲げる段階中に、前記薄板材を梯子に曲げる、
ことによって達成されることを特徴とする請求項137に記載の方法。
【請求項162】
三次元構造部を形成する方法であって、
曲げ線に沿って薄板材の曲げを生成するために複数の曲げ線に対して構成されて位置決めされた複数の曲げ促進構造部を薄板材に形成する段階と、
前記薄板材を第1の曲げ線に沿って曲げる段階と、
前記薄板材の2つの部分が当接するまで少なくとも1つの付加的な曲げ線に沿って該薄板材を曲げる段階と、
三次元負荷を支えることができる剛性耐力三次元構造部を生成するために、前記薄板材の2つの当接する部分を互いに結合する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項163】
前記形成する段階中に、前記曲げる段階中に縁部と面の接触を生成する切り口を有するスリットとして前記曲げ促進構造部を形成する、
ことを特徴とする請求項162に記載の方法。
【請求項164】
三次元構造部を設計する方法であって、
曲げ線に沿う薄板材の曲げを可能にするように複数の曲げ線に対して構成されて位置決めされた、薄板材に配置される複数の曲げ促進構造部をCADシステムにレイアウトする段階と、
薄板が少なくとも2つの曲げ線に沿って曲げられた時に、該薄板の2つの部分が当接することになり、かつ該当接している部分が互いに結合されて三次元負荷を支えることができる剛性耐力三次元構造部を生成することができるように、前記構造部が前記CADシステム上にレイアウトされるのと同一の方法で前記薄板材に前記曲げ促進構造部を形成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項165】
製品を設計する方法であって、
折り曲げられた中実薄板材から作られる製品のデザインを2次元でレイアウトする段階と、
前記中実薄板材に形成される少なくとも2つのスリットの構成及びそれに対する位置決めを設計する段階と、
を含み、
各スリットは、望ましい曲げ線の両側の横方向にオフセットした位置に配置され、かつ該曲げ線に沿う他方のスリットに対して縦方向に変位され、
前記スリットは、前記中実薄板材の曲げ処理中に該スリットの両側の該中実薄板材の中実縁部の相互係合を生成するように構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項166】
製品を作る方法であって、
薄板材上に2次元で製品のデザインをレイアウトする段階と、
前記薄板材に形成される少なくとも2つの細長いスリットの構成を設計する段階と、
を含み、
各スリットは、望ましい曲げ線の両側で横方向にオフセットされ、かつ該曲げ線に沿う他方のスリットに対して縦方向に変位され、
前記スリットは、前記薄板材の曲げ処理中に該スリットの両側の該薄板材の中実縁部の相互係合を生成するように構成され、
前記スリットを設計及び位置決めされたように前記薄板材に形成する段階と、
製品を形成するために前記曲げ線に沿って前記薄板材を曲げる段階と、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項167】
前記曲げる段階の前に、前記形成された薄板材を遠隔地での該薄板材の曲げ処理のために平坦な状態で出荷する付加的な段階、
を含むことを特徴とする請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記曲げ線に沿った前記薄板材の変形と該薄板材の中実縁部の相互係合とを生成するために、該曲げ線に整列した仮想支点の回りに前記遠隔地で該薄板材を曲げる付加的な段階、
を含むことを特徴とする請求項166に記載の方法。
【請求項169】
折り目に沿って等方性薄板材を折畳む方法であって、
複数の円弧を薄板材上に形成する段階、
を含み、
前記円弧の各々は、該円弧の端部間の複数の結合ゾーンを形成し、
前記円弧には、前記折り目の両側に対称的かつ縦方向に間隔が置かれ、
前記結合ゾーンは、前記折り目を横切って斜めに延びるストラップを形成し、
前記薄板材を前記折り目に沿って折畳む段階、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項170】
前記形成する段階は、前記薄板材が前記折り目に沿って折畳まれた時に該折り目の両側の該薄板材の平面がずれないように、該折り目に沿って反対方向に整列したストラップを定めるように前記円弧を形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項169に記載の方法。
【請求項171】
前記形成する段階中に、同じ方向に前記折り目を横切って斜めに延びる結合ゾーンを生成するように前記円弧を形成し、
前記曲げる段階中に、前記折り目の両側の前記薄板材が該折り目に沿って縦方向にずれることを可能にする、
ことを特徴とする請求項169に記載の方法。
【請求項172】
曲げ線に沿って曲げるために形成された薄板材であって、
曲げ線を横切って延びるように形成された少なくとも2つの曲げストラップを有する薄板材、
を含み、
前記ストラップは、前記曲げ線の近くに最小幅寸法を有し、該ストラップが該最小幅寸法の両側から離れて延びる時に幅寸法が増大し、
前記ストラップはまた、望ましい曲げ線に対して位置決めされ、該曲げ線に沿って前記薄板材を曲げる時に該曲げ線で該ストラップの塑性変形を生成するように構成される、
ことを特徴とする薄板材。
【請求項173】
曲げ線に沿って非圧縮性薄板材を曲げる方法であって、
各々が結合ゾーンと切断ゾーンとを薄板に作り出す複数の結合円弧を該薄板上に形成する段階、
を含み、
前記円弧は、曲げ線に沿って対称的かつ縦方向に間隔が置かれ、
前記結合ゾーンは、前記曲げ線を横切ってストラップを形成し、
前記切断ゾーンは、曲げる時に前記薄板から下方又は上方の片寄りの一方に多少偏向したままである偏向タブを有し、
前記タブは、曲げる時に前記曲げ線の長さに亘って前記切断ゾーンの縁部と面の係合を正しく開始するのを助け、
前記薄板の平面が前記曲げ線に沿って該薄板の別の平面に対してずれるように該曲げ線に沿って該薄板を曲げる段階、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項174】
前記タブの前記偏向した片寄りは、該タブが前記薄板の反対側の面の下又は上を摺ることを防止し、それによって前記曲げ処理の完全性を維持することを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項175】
前記曲げ処理は、前記偏向して片寄ったタブの反対方向に行われることを特徴とする請求項174に記載の方法。
【請求項176】
曲げ線に沿った曲げに対して単に弾力的に変形可能な薄板材を準備する方法であって、 各々が薄板に結合ゾーンと切断ゾーンとを作り出す複数の結合した大半径円弧を該薄板上に形成する段階、
を含み、
前記円弧は、前記曲げ線に沿って対称的かつ縦方向に間隔が置かれ、
前記結合ゾーンは、前記曲げ線を横切ってストラップを形成し、
前記曲げ線は、外側縁部と内側縁部の一方を含む自由表面で終端する、
ことを特徴とする方法。
【請求項177】
前記自由表面は、外側縁部であり、
前記曲げ部は、
a.前記曲げ線に対して垂直な縁部の又はその近くの外側縁部、
b.前記曲げ部が前記曲げ線に垂直又はほぼ垂直である曲げ縁部と中断部との間のストラップによる曲げ縁部の近くで該曲げ線を横切る切断ゾーンの中断部、
c.終端するストラップの1つの縁部として使用される、前記曲げ線に対してかなり垂直ではない角度、
d.最後の円弧が前記曲げ縁部で前記ストラップを形成するように回転される、半径方向隅部の近くのストラップの外部曲げ縁部、及び
e.半径方向隅部の曲率と一致し、従って前記曲げ部の最終ストラップを形成するように、前記曲げ線の他方の側に回転された終端円弧、
のうちの1つで終端する、
ことを特徴とする請求項176に記載の方法。
【請求項178】
非圧縮性薄板材を正確に曲げる方法であって、
薄板を曲げ部の所定の程度の鋭さで曲げる時に、材料の微細構造が従来の曲げ技術を使用するのと実質的に同じ鋭さの程度で該薄板材を曲げる場合と比較して殆ど変化しないような方法で該薄板を曲げる段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項179】
非圧縮性薄板材を正確に曲げる方法であって、
薄板を曲げ部の所定の角度の鋭さで曲げる時に、材料の微細構造が従来の曲げ技術を使用するのと実質的に同じ鋭さの角度で該薄板材を曲げる場合と比較して殆ど変化しないような方法で該薄板を曲げる段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項180】
曲げ線に沿って曲げるための非圧縮性薄板材で作られた部品を設計する方法であって、 薄板材が、該薄板材を曲げる時に捩れ及び曲げ処理の両方によって塑性変形されることになり、それによって前記曲げ処理がより容易に行われ、かつ該材料が前記曲げ線に沿って強化されるように、少なくとも2つの曲げストラップを計画された曲げ線に沿って離間した斜めの関係で該薄板材にレイアウトする段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項181】
機械を製造する方法であって、
機械の少なくとも1つの構成要素を製造する段階、
を含み、
前記構成要素は、弾性的及び塑性的に変形可能な中実薄板材から、
a.各スリットが、望ましい曲げ線の両側で横方向にオフセットされ、かつ曲げ線に沿って他方のスリットに対して縦方向に変位され、該スリットが、曲げ処理中に該スリットの両側の前記薄板材の中実縁部の相互係合を生成する切り口幅寸法を有する、該薄板材を貫通する2つの細長いスリットを形成する段階と、
b.前記曲げ線に沿った前記薄板材の塑性及び弾性変形と前記中実縁部の相互係合とを生成するように、該曲げ線に整列した仮想支点の回りに該薄板材を曲げる段階と、
を含む方法によって製造され、
前記機械の製造を終えるのに必要な全ての構成要素を組み立てる段階、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項182】
製品を設計する方法であって、
弾性的及び塑性的に変形可能な中実薄板材で作られる製品のデザインを2次元でレイアウトする段階と、
各スリットが、望ましい曲げ線の両側で横方向にオフセットされ、かつ該曲げ線に沿って他方のスリットに対して縦方向に変位され、該スリットが、前記薄板材の曲げ処理中に該スリットの両側に該薄板材の中実縁部の相互係合を生成するように寸法決めされた切り口幅を有する少なくとも2つの細長いスリットを該薄板材に設計する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項183】
エンクロージャを設計する方法であって、
1)弾性的及び塑性的に変形可能な中実薄板材で作られるエンクロージャのデザインを2次元でレイアウトする段階と、
2)各スリットが、望ましい曲げ線の両側で横方向にオフセットされ、かつ該曲げ線に沿って他方のスリットに対して縦方向に変位され、該スリットが、曲げ処理中に該スリットの両側の前記薄板材の中実縁部の相互係合を生成するように寸法決めされた切り口幅及びジョグ距離を有する少なくとも2つの細長いスリットを該薄板材に形成する段階と、
3)前記エンクロージャに含まれる曲げ部の数に対して必要な回数だけ段階2を繰り返す段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項184】
エンクロージャを弾性的及び塑性的に変形可能な中実薄板材から製造する方法であって、
1)各スリットが、望ましい曲げ線の両側で横方向にオフセットされ、かつ該曲げ線に沿って他方のスリットに対して縦方向に変位され、該スリットが、曲げ処理中に該スリットの両側の前記薄板材の中実縁部の相互係合を生成する切り口幅及びジョグ距離寸法を有する、該薄板材を貫通する少なくとも2つの細長いスリットを形成する段階と、
2)前記エンクロージャに含まれる曲げ部の数に対して必要な回数だけ段階1)を繰り返す段階と、
3)前記曲げ線の各々に沿った前記薄板材の塑性及び弾性変形と前記中実縁部の相互係合とを生成するために、該曲げ線の各々に整列した各仮想支点の回りに該薄板材を曲げる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項185】
付加的な段階が、
前記エンクロージャの完成形状に永久的に適合するように該エンクロージャを密封する段階、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項186】
曲げ線に沿って曲げるための非圧縮性薄板材で作られた部品を製造する方法であって、 薄板材が、該薄板材を曲げる時に捩れ及び曲げ処理の両方によって塑性変形されることになり、それによって該曲げ処理がより容易に行われ、かつ該材料が曲げ線に沿って強化されるように、少なくとも2つの曲げストラップを計画された曲げ線に沿って離間した斜めの関係で該薄板材に作成する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項187】
曲げ線に沿って曲げるために形成された薄板材であって、
各々が薄板上の複数の縦方向に結合した円弧から成る複数のスリットを有する弾性的に変形可能な薄板材、
を含み、
各スリットは、前記薄板に結合ゾーン及び切断ゾーンを生成するように望ましい折り目に対して構成されて位置決めされ、
前記スリットは、前記折り目に沿って対称的かつ縦方向に間隔が置かれ、
前記結合ゾーンは、前記折り目から比較的小さな角度を有する、
ことを特徴とする薄板材。
【請求項188】
曲げ線に沿って曲げるために形成された薄板材であって、
貫通して形成され、かつ望ましい曲げ線の近くに位置決めされたスリットと、該スリットの各端部における曲げストラップとを有する薄板材、
を含み、
前記曲げストラップは、前記薄板材の実質的に曲げ部全体に亘る前記スリットも両側の該薄板材の縁部と面の係合を用いて前記曲げ線に沿って該薄板材の曲げを生成するように構成される、
ことを特徴とする薄板材。
【請求項189】
前記スリットは、前記曲げ線から離れるように分岐し、かつ各曲げストラップの一方の側面を形成するスリット端部部分を有する、
ことを特徴とする請求項188に記載の薄板材。
【請求項190】
前記スリット端部部分は、弓形であり、前記曲げ線から離れるように湾曲する、
ことを特徴とする請求項189に記載の薄板材。
【請求項191】
前記曲げストラップは、前記曲げ線を横切って斜めに延びる、
ことを特徴とする請求項188に記載の薄板材。
【請求項192】
前記曲げストラップは、前記スリットから反対の前記曲げ線の側で互いに収束する反対方向に歪曲している、
ことを特徴とする請求項191に記載の薄板材。
【請求項193】
一方の曲げストラップの側面は、前記薄板材の縁部によって形成される、
ことを特徴とする請求項188に記載の薄板材。
【請求項194】
前記スリットは、各端部に弓状端部部分を有し、
1つの端部部分と前記薄板材の前記縁部とは、斜めに延びる曲げストラップを形成する、
ことを特徴とする請求項193に記載の薄板材。
【請求項195】
前記曲げ線に沿って曲げられたものであることを特徴とする請求項188に記載の薄板材。
【請求項196】
曲げ線に沿って曲げるために形成された薄板材を曲げる方法であって、
薄板材を貫通してスリットを形成する段階、
を含み、
前記スリットは、望ましい曲げ線に対して位置決めされ、前記薄板材の実質的に曲げ部全体に亘る該スリットの両側の該薄板材の縁部と面の係合を用いて該曲げ線に沿って該薄板材の曲げを生成するように構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項197】
前記形成する段階は、各々が前記曲げ線を横切って斜めに延びる曲げストラップの一方の側面を形成する端部部分を有する前記スリットを形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項196に記載の方法。
【請求項198】
前記スリットは、前記曲げ線に最も近い凸状側面を有する弓形である、
ことを特徴とする請求項197に記載の方法。
【請求項199】
前記形成する段階は、前記薄板材の縁部及び弓状端部が曲げストラップを形成するように、該薄板材の縁部の近くに前記スリットを形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項196に記載の方法。
【請求項200】
曲げ線に沿って曲げるための薄板材を設計する方法であって、
スリットを薄板材上にレイアウトする段階、
を含み、
前記スリットは、望ましい曲げ線に対して位置決めされ、前記薄板材の実質的に曲げ部全体に亘って該薄板材を曲げる時にスリットの両側の該薄板材の縁部と面の係合を生成するように配向された該スリットの各端部における曲げストラップを前記薄板上の構造部を用いて形成するように構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項201】
前記レイアウトする段階は、前記曲げ線の前記スリットから離れた側で収束する反対に歪曲した方向に該曲げ線を横切って斜めに延びる曲げストラップを各々が定める端部部分を有する該スリットを形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項200に記載の方法。
【請求項202】
前記形成する段階は、凸状側面が前記曲げ線に最も近く位置決めされた弓状スリットとして前記スリットを形成することによって達成される、
ことを特徴とする請求項201に記載の方法。
【請求項203】
曲げ線に沿って曲げるための薄板材を形成する方法であって、
薄板材を貫通するスリットの両端で2つの曲げストラップを該薄板材に形成するように曲げ線に対して位置決めされた複数の曲げストラップ形成構造部を該薄板材に形成する段階、
を含み、
前記曲げストラップの各々は、前記曲げ線を横切って延びるように配向された縦方向ストラップ軸線を有し、
前記ストラップ形成構造部は、前記薄板材の曲げ処理中に前記スリットの両側の該材料の縁部と面の係合を生成するように該スリットに対して構成されて位置決めされる、
ことを特徴とする方法。
【請求項204】
曲げ線に沿って曲げるための薄板材をスリット加工する方法であって、
スリット加工のための中実薄板材を選択する段階と、
中央部分が曲げ線と実質的に平行で、かつそれから横方向にオフセットされ、スリットの各端部上の弓状スリット端部部分が該曲げ線から離れるように湾曲し、それによって該弓状スリットの該端部部分が、該曲げ線を横切って斜めに延びる曲げストラップの少なくとも一部を形成し、該ストラップの最小幅寸法の両側でストラップ幅寸法が増大するように、望ましい曲げ線に沿ってスリットを形成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項205】
製品を設計する方法であって、
折り曲げられた中実薄板材から作られる製品のデザインを2次元でレイアウトする段階と、
前記中実薄板材に形成されるスリットの構成を設計し、該スリットを位置決めする段階と、
を含み、
前記スリットは、望ましい曲げ線に沿って横方向にオフセットした位置に配置され、
前記スリットはまた、前記中実薄板材の曲げ処理中に該スリットの両側の該中実薄板材の中実縁部の相互係合を生成するように構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項206】
曲げ線に沿って曲げられる非圧縮性薄板材を設計する方法であって、
薄板を曲げ部で所定の鋭さの角度で曲げる時に、薄板材の微細構造が、従来の曲げ技術を使用する場合と実質的に同じ鋭さの角度の該薄板材の曲げ処理と比較して殆ど変化しないような方法で、スリットと該スリットの各端部上の曲げストラップとを薄板上にレイアウトする段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項207】
前記スリット及び曲げストラップを用いて前記薄板を形成する段階と、
前記薄板を前記曲げ線に沿って曲げる段階と、
を含むことを特徴とする請求項206に記載の方法。
【請求項208】
製品を設計する方法であって、
折り曲げられた中実薄板材から作られる製品のデザインを2次元でレイアウトする段階と、
前記中実薄板材に形成されるスリットの構成を設計し、該スリットを位置決めする段階と、
を含み、
前記スリットは、望ましい曲げ線に沿って横方向にオフセットした位置に配置され、
前記スリットはまた、前記中実薄板材の曲げ処理中に該スリットの両側の該中実薄板材の中実縁部の相互係合を生成するように構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項209】
曲げ線に沿って曲げるために形成された金属又はプラスチック薄板であって、該金属又はプラスチック薄板は、
前記曲げ線に沿って曲げを生成するように該金属又はプラスチック薄板に形成され、位置決めされた複数の曲げストラップ形成構造部を備え、前記各曲げストラップ形成構造部は、前記曲げ線から離れるように分岐する端部を有する中央部分と、該中央部分の端部に連結され、曲率半径を有する弓状部分とを備え、該弓状部分の曲率半径は、前記中央部分の端部に連結された該弓状部分の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する追加の弓状部分に沿って前記曲げストラップ形成構造部の対向端部が互いに向かって延び返すようにさせるような曲率半径である、
ことを特徴とする金属又はプラスチック薄板。
【請求項210】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットである、
ことを特徴とする請求項209に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項211】
前記曲げストラップ形成構造部は、溝である、
ことを特徴とする請求項209に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項212】
前記複数の曲げストラップ形成構造部は、曲げ線の両側で金属又はプラスチック薄板に縦方向に交互に千鳥足状に位置決めされており、縦方向に隣接した曲げストラップ形成構造部は、その間に曲げストラップを形成し、各曲げストラップは、曲げ線に対して斜めに配向された中心軸線を有し、隣接した曲げストラップの中心軸線は、交替する方向に斜めである、
ことを特徴とする請求項109に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項213】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットである、
ことを特徴とする請求項212に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項214】
前記曲げストラップ形成構造部は、溝である、
ことを特徴とする請求項212に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項215】
前記曲げストラップの中心軸線は、各曲げストラップのほぼ最小幅部で曲げ線と交差するし、前記曲げストラップは、その中心軸線に沿ってその最小幅部から離れる両方向に幅が増大する、
ことを特徴とする請求項212に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項216】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットである、
ことを特徴とする請求項215に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項217】
前記曲げストラップ形成構造部は、溝である、
ことを特徴とする請求項215に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項218】
前記各曲げストラップ形成構造部の端部は、曲げ線に向かって内向きに湾曲する追加の弓状部分に終端する、
ことを特徴とする請求項209に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項219】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットである、
ことを特徴とする請求項218に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項220】
前記曲げストラップ形成構造部は、溝である、
ことを特徴とする請求項218に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項221】
前記各曲げストラップ形成構造部の端部は、曲げ線に向かって内向きに湾曲する追加の弓状部分に終端する、
ことを特徴とする請求項212に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項222】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットである、
ことを特徴とする請求項221に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項223】
前記曲げストラップ形成構造部は、溝である、
ことを特徴とする請求項221に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項224】
前記各曲げストラップ形成構造部の端部は、曲げ線に向かって内向きに湾曲する追加の弓状部分に終端する、
ことを特徴とする請求項218に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項225】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットである、
ことを特徴とする請求項224に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項226】
前記曲げストラップ形成構造部は、溝である、
ことを特徴とする請求項224に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項227】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットであり、該スリットは、曲げ中に該スリットの両側で縁部と面の係合を生成するように形成され、位置決めされている、
ことを特徴とする請求項209に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項228】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットであり、該スリットは、曲げ中に該スリットの両側で縁部と面の係合を生成するように形成され、位置決めされている、
ことを特徴とする請求項212に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項229】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットであり、該スリットは、曲げ中に該スリットの両側で縁部と面の係合を生成するように形成され、位置決めされている、
ことを特徴とする請求項215に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項230】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットであり、該スリットは、曲げ中に該スリットの両側で縁部と面の係合を生成するように形成され、位置決めされている、
ことを特徴とする請求項218に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項231】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットであり、該スリットは、曲げ中に該スリットの両側で縁部と面の係合を生成するように形成され、位置決めされている、
ことを特徴とする請求項221に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項232】
前記曲げストラップ形成構造部は、スリットであり、該スリットは、曲げ中に該スリットの両側で縁部と面の係合を生成するように形成され、位置決めされている、
ことを特徴とする請求項224に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項233】
前記曲げストラップ形成構造部の中央部分は、弓状であり、該中央部分の中心点から前記曲げ線から離れるように分岐し、前記弓状の中央部分の端部に連結された弓状部分は、前記弓状の中央部分の曲率半径よりも小さい曲率半径を有する、
ことを特徴とする請求項209に記載の金属又はプラスチック薄板。
【請求項234】
ポリマーウェッブと共に巻かれた請求項209に記載の金属又はプラスチック薄板でできたコイル。
【請求項235】
請求項209〜233のいずれか1項に記載の金属又はプラスチック薄板である材料シートまたは請求項234に記載のコイルにおいて、該材料シートは、金属であり、しかもプラスチックでない、
ことを特徴とする請求項209〜233のいずれか1項に記載の金属又はプラスチック薄板である材料シートまたは請求項234に記載のコイル。
【請求項236】
請求項209〜233のいずれか1項に記載の金属又はプラスチック薄板である材料シートまたは請求項234に記載のコイルにおいて、曲げ線から離れるように分岐するスリット端部分は、曲げ中に材料シート中の応力を低減する、
ことを特徴とする請求項209〜233のいずれか1項に記載の金属又はプラスチック薄板または請求項234に記載のコイル。
【請求項237】
シートの材料は、金属であり、しかもプラスチックでない、
ことを特徴とする請求項236に記載のシート材料またはコイル。

【図1】
image rotate

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5A−1】
image rotate

【図5A−2】
image rotate

【図5A−3】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5B−1】
image rotate

【図5B−2】
image rotate

【図5B−3】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5C−1】
image rotate

【図5C−2】
image rotate

【図5C−3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図11】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図21A】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図23A】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27A】
image rotate

【図27B】
image rotate

【図27C】
image rotate

【図27D】
image rotate

【図27E】
image rotate

【図27F】
image rotate

【図27G】
image rotate

【図28A】
image rotate

【図28B】
image rotate

【図28C】
image rotate

【図28D】
image rotate

【図28E】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32A】
image rotate

【図32B】
image rotate

【図32C】
image rotate

【図32D】
image rotate

【図32E】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34A】
image rotate

【図34B】
image rotate

【図34C】
image rotate

【図34D】
image rotate

【図34E】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate


【公開番号】特開2012−213805(P2012−213805A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−129317(P2012−129317)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2009−143645(P2009−143645)の分割
【原出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【出願人】(503064198)インダストリアル オリガミ インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】