説明

紙容器

【課題】ゲーブルトップ型紙容器において、シール性を損なうことなく、開封を容易にする。
【解決手段】切妻屋根形成パネル5,6間に折り込まれる妻壁形成パネル7が有する内側トップシールパネル17の内面に、易剥離領域21が設けられ、その両側に位置する切妻屋根形成パネルが有する外側トップシールパネル13,14の内面における横長さ方向のほぼ半分で内側トップシールパネル17寄りの部分に、内側トップシールパネル17寄りに所定の横幅の端部シール25,26域を残して易剥離領域22,23が設けられており、開封時、内側トップシールパネル17に設けられた易剥離領域21の両端に存在する端部シール24域と、外側トップシールパネル13,14に設けられた易剥離領域22,23の内側トップシールパネル17寄り端部に存在する端部シール25,26域とに、各易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aをそれぞれ設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば牛乳や果汁ジュースなどの飲料液体を収容する切妻屋根形頂部を有するゲーブルトップ型と呼ばれる紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、ゲーブルトップ型と呼ばれる紙容器を示し、図11は図10に示す紙容器1の開封状態を示し、図12は図10に示す従来の紙容器の内面要部展開図を示している。
この種の紙容器1は、両面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材が用いられ、4つの胴部パネル2をそれぞれ縦折線3から折り加工し、一側と他側の胴部パネル2を糊代となる縦シールパネル4により接合して横断面方形の筒状体に形成されている。
また、4つの胴部パネル2の対向各上端には、対向する一対の切妻屋根形成パネル5,6と、これら切妻屋根形成パネル5,6間に折り込まれることとなる対向する一対の妻壁形成パネル7,8がそれぞれ横折線10を介して連設されている。切妻屋根形成パネル5,6の各上端にはそれぞれ横折線11,12を介して帯状の外側トップシールパネル13,14が設けられ、妻壁形成パネル7,8の各上端にもそれぞれ横折線15,16を介して帯状の内側トップシールパネル17,18が設けられている。この内側トップシールパネル17,18の帯の高さ寸法は、外側トップシールパネル13,14のそれよりも低く形成されている。
【0003】
そして、切妻屋根形成パネル5,6間に妻壁形成パネル7,8が折り込まれて、対向する外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17,18との対向面同士が加熱シールされると共に、外側トップシールパネル13,14の対向面同士および内側トップシールパネル17,18の対向面同士も加熱シールされることによって切妻屋根形頂部19が形成され、開封時に、切妻屋根形成パネル5,6間に折り込まれている一方の妻壁形成パネル7の内側トップシールパネル17を外側トップシールパネル13,14から剥がしながら、この一方の妻壁形成パネル7を引き出して注出口となる開口部20としている(図11)。
【0004】
そして、開封を容易に行えるようにするために、開口部20を開口するために引き出す一方の妻壁形成パネル7が有する内側トップシールパネル17と、内側トップシールパネル17と対向する一対の切妻屋根形成パネル5,6が有する外側トップシールパネル13,14との対向面には、それぞれ易剥離領域21,22,23が設けられ、内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14が易剥離領域21,22,23を介して加熱シールされている。
【0005】
従来、開口部20を開口するために引き出す一方の妻壁形成パネル7が有する内側トップシールパネル17と、その両側に位置する一対の切妻屋根形成パネル5,6が有する外側トップシールパネル13,14との対向面に設けられる易剥離領域21,22,23としては、図12に示すように、内側トップシールパネル17の内面に、横長さ方向の両端に所定の横幅Aの端部シール域24を残して易剥離領域21を設け、外側トップシールパネル13,14の内面における横長さ方向のほぼ半分で内側トップシールパネル17寄りの部分に、内側トップシールパネル17寄りに所定の横幅Bの端部シール域25,26を残して易剥離領域22,23を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
前記した内側トップシールパネル17に設けられた易剥離領域21の両端に存在する端部シール域24の横幅Aと、その両側の外側トップシールパネル13,14に設けられた易剥離領域22,23の内側トップシールパネル17寄り端部に存在する端部シール域25,26の横幅Bは、狭ければ内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14の剥離は容易となる反面、内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14のシール性が低下し、液漏れを生じるおそれがある。そのため端部シール域24,25,26の横幅A,Bは、少なくとも内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14のシール性を維持し、液漏れを生じさせない幅として設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−79939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、従来のゲーブルトップ型と呼ばれる切妻屋根形頂部を頭部に設けた紙容器1における、内側トップシールパネル17に設けられた易剥離領域21の両端に存在する端部シール域24と、その両側の外側トップシールパネル13,14に設けられた易剥離領域22,23の内側トップシールパネル17寄り端部に存在する端部シール域25,26の横幅A,Bは、内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14のシール性を維持し、液漏れを生じさせない幅となっているため、開封時に、妻壁形成パネル7を引き出す際、内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14との端部シール域24,25,26の部分の剥離が困難となり、開口部20を広く開けられなくなるため、注出口となる妻壁形成パネル7の内側トップシールパネル17を摘んで開けなければならなくなる。また、このような開け方は衛生上好ましいものではない。
【0009】
本発明者等は、内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14のシール性を維持しつつ、且つ易剥離を可能にすべく試験研究を重ねた結果、端部シール域24,25,26における液漏れを生じさせないシール性は主に横幅A,Bにあり、縦幅(図2に示す縦幅Cを参照。)の広狭は液漏れを防ぐシール性に与える影響が少ないことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の目的は、切妻屋根形頂部を有するゲーブルトップ型紙容器において、シール性を損なうことなく、開封時に開口部の開口を容易にしてユーザの利便を高めた紙容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、両面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材からなり、4つの胴部パネルを備え、縦方向シールパネルによって縁部が接合されて横断面が方形の筒状体に形成され、前記胴部パネルの上端に、上部に帯状の外側トップシールパネルを有し互いに対向する一対の切妻屋根形成パネルと、前記外側トップシールパネルよりも低い高さの帯状の内側トップシールパネルを有し互いに対向する一対の妻壁形成パネルとが連設され、前記切妻屋根形成パネル間に前記妻壁形成パネルが折り込まれて、対向する前記外側トップシールパネルと前記内側トップシールパネルとの対向面同士が、加熱シールされると共に、前記外側トップシールパネルの対向面同士および前記内側トップシールパネルの対向面同士も加熱シールされることによって切妻屋根形頂部が形成され、前記切妻屋根形成パネル間に折り込まれる前記妻壁形成パネルのうちの一方の妻壁形成パネルが有する前記内側トップシールパネルの内面に、横長さ方向の両端に所定の横幅の端部シール域を残して易剥離領域が設けられ、その両側に位置する一対の切妻屋根形成パネルが有する前記外側トップシールパネルの内面における横長さ方向のほぼ半分で前記内側トップシールパネル寄りの部分に、前記内側トップシールパネル寄りに所定の横幅の端部シール域を残して易剥離領域が設けられており、開封時、前記易剥離領域が設けられた前記内側トップシールパネルを有する側の前記妻壁形成パネルを引き出して開口部とする紙容器であって、前記内側トップシールパネルに設けられた前記易剥離領域の両端に存在する前記端部シール域と、その両側の前記外側トップシールパネルに設けられた前記易剥離領域の前記内側トップシールパネル寄り端部に存在する前記端部シール域とに、縦長さ方向前記胴部パネル寄りの一部に前記各易剥離領域の延長部をそれぞれ設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記各易剥離領域の延長部は、その上辺が前記各易剥離領域の端部上方から下方に向けて縦長さ方向前記胴部パネル寄りが長くなるように傾斜していることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の、前記各易剥離領域の延長部は、略三角形、略台形または略階段形であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の、前記各易剥離領域の延長部は、略矩形であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の紙容器によれば、前記内側トップシールパネルに設けられた前記易剥離領域の両端に存在する前記端部シール域と、その両側の前記外側トップシールパネルに設けられた前記易剥離領域の前記内側トップシールパネル寄り端部に存在する前記端部シール域とに、縦長さ方向前記胴部パネル寄りの一部に前記各易剥離領域の延長部をそれぞれ設けたので、前記外側トップシールパネルと前記内側トップシールパネルにおける前記端部シール域の上部側に、従来の端部シール域の横幅と同じ長さの横幅を確保しながら、前記各易剥離領域の延長部により前記端部シール域を小さくすることができ、前記外側トップシールパネルと前記内側トップシールパネルとの間のシール性を損なわず、開封時には、前記外側トップシールパネルと前記内側トップシールパネルにおける前記端部シール域の剥離が容易となり、開口部の開口を容易に行うことができる。
【0016】
請求項2に記載の紙容器によれば、請求項1に記載の、前記各易剥離領域の延長部は、その上辺が前記各易剥離領域の端部上方から下方に向けて縦長さ方向前記胴部パネル寄りが長くなるように傾斜しているので、前記各易剥離領域の延長部の上辺の傾斜方向が、妻壁形成パネルを引き出す際の内側トップシールパネルと外側トップシールパネルに存在する端部シール域の剥離進行方向に沿うことになり、前記外側トップシールパネルと前記内側トップシールパネルにおける前記端部シール域を容易に剥離でき、開口部の開口をより容易に行うことができる。
【0017】
請求項3に記載の紙容器によれば、請求項2に記載の、前記各易剥離領域の延長部は、略三角形、略台形または略階段形であるので、上辺が前記各易剥離領域の端部上方から下方に向けて縦長さ方向前記胴部パネル寄りが長くなるように傾斜した延長部を容易に得ることができる。
【0018】
請求項4に記載の紙容器によれば、請求項1に記載の、前記各易剥離領域の延長部は、略矩形であるので、前記各易剥離領域の端部の縦長さ方向前記胴部パネル寄りの一部に前記延長部を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る紙容器の実施の形態の第1例を示す内面要部展開図である。
【図2】第1例の紙容器における妻壁形成パネルを引き出す際の内側トップシールパネルと外側トップシールパネルに存在する端部シール域の剥離進行方向を示す説明図である。
【図3】第1例の延長部の変形例を示す内面要部展開図である。
【図4】第1例の延長部の他の変形例を示す内面要部展開図である。
【図5】本発明に係る紙容器の実施の形態の第2例を示す内面要部展開図である。
【図6】第2例の延長部の変形例を示す内面要部展開図である。
【図7】第2例の延長部の他の変形例を示す内面要部展開図である。
【図8】本発明に係る紙容器の実施の形態の第3例を示す内面要部展開図である。
【図9】本発明に係る紙容器の実施の形態の第4例を示す内面要部展開図である。
【図10】ゲーブルトップ型の紙容器を示す斜視図である。
【図11】紙容器の開封状態を示す説明図である。
【図12】従来の紙容器の内面要部展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る紙容器を実施するための各実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
なお、図10〜図12で示した従来例と対応する部分には同一の符号を付して説明する。
図1は本発明に係る紙容器の実施の形態の第1例を示す内面要部展開図、図2は本例の紙容器における妻壁形成パネルを引き出す際の内側トップシールパネルと外側トップシールパネルに存在する端部シール域の剥離進行方向を示す説明図、図3は第1例の延長部の変形例を示す内面要部展開図、図4は第1例の延長部の他の変形例を示す内面要部展開図である。
【0021】
本例の紙容器1では、開口部20を開口するために引き出す一方の妻壁形成パネル7が有する内側トップシールパネル17の内面に、横長さ方向の両端に所定の横幅Aの端部シール域24を残して易剥離剤が塗布されて易剥離領域21が設けられ、内側トップシールパネル17の両側に位置する一対の切妻屋根形成パネル5,6が有する外側トップシールパネル13,14の内面における横長さ方向のほぼ半分で内側トップシールパネル17寄りの部分(切妻屋根形成パネル5,6間に妻壁形成パネル7,8を折り込んだときに、内側トップシールパネル17と対向する面)に、内側トップシールパネル17寄りに所定の横幅Aの端部シール域25,26を残して易剥離剤が塗布されて易剥離領域22,23が設けられている。
【0022】
そして、内側トップシールパネル17に設けられた易剥離領域21の両端に存在する端部シール域24に、縦長さ方向における胴部パネル2寄りの部分(易剥離領域21の端部下方部分)に易剥離領域21の延長部21aが設けられている。同様に、内側トップシールパネル17の両側の外側トップシールパネル13,14に設けられた易剥離領域22,23の内側トップシールパネル17寄り端部に存在する端部シール域25,26に、縦長さ方向における胴部パネル2寄りの一部(易剥離領域22,23の端部下方部分)に易剥離領域22,23の延長部22a,23aが設けられている。
【0023】
本例では、易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aは、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて縦長さ方向における胴部パネル2寄りが長くなるように傾斜している。
本例では、延長部21a,22a,23aの具体的な形状として、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて傾斜した三角形状となっている。本例にあって、三角形状を呈している延長部21a,22a,23aの斜辺となる上辺は直線状となっているが、図3に示すように上向きの曲線状であってもよく或いは図4に示すように下向きの曲線状であってもよい。
【0024】
また、本例では、易剥離領域21の延長部21aと易剥離領域22の延長部22aとの間、易剥離領域21の延長部21aと易剥離領域23の延長部23aとの間が接続していないが、延長部21aと延長部23aの先端が接続していてもよい。
【0025】
上記のように構成した本例の紙容器によれば、内側トップシールパネル17に設けられた易剥離領域21の両端に存在する端部シール域24と、その両側の外側トップシールパネル13,14に設けられた易剥離領域22,23の内側トップシールパネル17寄り端部に存在する端部シール域25,26とに、縦長さ方向胴部パネル2寄りの部分に各易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aをそれぞれ設けたので、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26の上部側に、従来の端部シール域24,25,26の横幅A,Bと同じ長さの横幅A,Bを確保しながら、各易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aにより端部シール域24,25,26を小さくできる。
【0026】
これにより、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17との間のシール性を損なわず、開封時には、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26の剥離が容易となり、開口部20の開口を容易に行える。
【0027】
また、本例では、易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aは、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて縦長さ方向における胴部パネル2寄りが長くなるように傾斜しているので、各延長部21a,22a,23aの上辺の傾斜方向が、図2に示すように、妻壁形成パネル7を引き出す際の内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14に存在する端部シール域24,25,26の剥離進行方向Xに沿うことになり、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26を小さい力で容易に剥離でき、例えば、開封時に妻壁形成パネル7の内側トップシールパネル17を摘んだり、指先を掛けたりすることなく、開口部20を容易に開口することができるので、衛生的である。
本例では、延長部21a,22a,23aの形状が、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて傾斜した三角形状となっているので、上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて縦長さ方向における胴部パネル2寄りが長くなるように傾斜した延長部21a,22a,23aが容易に得られる。
【0028】
図5は本発明に係る紙容器の実施の形態の第2例を示す内面要部展開図、図6は第2例の延長部の変形例を示す内面要部展開図、図7は第2例の延長部の他の変形例を示す内面要部展開図である。
本例の紙容器1も、第1例と同様に、内側トップシールパネル17に設けられた易剥離領域21の両端に存在する端部シール域24に、縦長さ方向における胴部パネル2寄りの一部(易剥離領域21の端部下方部分)に易剥離領域21の延長部21aが設けられ、また、内側トップシールパネル17の両側の外側トップシールパネル13,14に設けられた易剥離領域22,23の内側トップシールパネル17寄り端部に存在する端部シール域25,26に、縦長さ方向における胴部パネル2寄りの一部(易剥離領域22,23の端部下方部分)に易剥離領域22,23の延長部22a,23aが設けられている。
【0029】
本例も、第1例と同様に、易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aは、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて縦長さ方向における胴部パネル2寄りが長くなるように傾斜しているが、その具体的な形状は第1例の形状と異なっている。
本例では、前記した各易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aは、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて傾斜した横向き台形状となっている。本例にあって、台形状を呈している延長部21a,22a,23aの斜辺となる上辺は直線状となっているが、図6に示すように上向きの曲線状であってもよく或いは図7に示すように下向きの曲線状であってもよい。
【0030】
また、本例では、第1例と同様に、易剥離領域21の延長部21aと易剥離領域22の延長部22aとの間、易剥離領域21の延長部21aと易剥離領域23の延長部23aとの間が接続していないが、延長部21aと延長部23aの先端が接続していてもよい。
【0031】
上記のように構成した本例の紙容器によれば、第1例と同様に、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26の上部側に、従来の端部シール域24,25,26の横幅A,Bと同じ長さの横幅A,Bを確保しながら、各易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aにより端部シール域24,25,26を小さくできる。
これにより、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17との間のシール性を損なわず、開封時には、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26の剥離が容易となり、開口部20の開口を容易に行える。
【0032】
また、本例では、第1例と同様に、易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aは、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて縦長さ方向における胴部パネル2寄りが長くなるように傾斜しているので、各延長部21a,22a,23aの上辺の傾斜方向が、妻壁形成パネル7を引き出す際の内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14に存在する端部シール域24,25,26の剥離進行方向(図2に示す方向X参照。)に沿うことになり、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26を小さい力で容易に剥離でき、例えば、開封時に妻壁形成パネル7の内側トップシールパネル17を摘んだり、指先を掛けたりすることなく、開口部20を容易に開口することができるので、衛生的である。
本例では、延長部21a,22a,23aの形状が、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて傾斜した横向き台形状となっているので、上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて縦長さ方向における胴部パネル2寄りが長くなるように傾斜した延長部21a,22a,23aが容易に得られる。
【0033】
図8は本発明に係る紙容器の実施の形態の第3例を示す内面要部展開図である。
本例の紙容器1も、第1例と同様に、内側トップシールパネル17に設けられた易剥離領域21の両端に存在する端部シール域24に、縦長さ方向における胴部パネル2寄りの一部(易剥離領域21の端部下方部分)に易剥離領域21の延長部21aが設けられ、また、内側トップシールパネル17の両側の外側トップシールパネル13,14に設けられた易剥離領域22,23の内側トップシールパネル17寄り端部に存在する端部シール域25,26に、縦長さ方向における胴部パネル2寄りの一部(易剥離領域22,23の端部下方部分)に易剥離領域22,23の延長部22a,23aが設けられている。
【0034】
本例も、第1例と同様に、易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aは、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて縦長さ方向における胴部パネル2寄りが長くなるように傾斜しているが、その具体的な形状は第1例の形状と異なっている。
本例では、前記した各易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aは、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて階段状に傾斜した階段形状となっている。
【0035】
また、本例では、第1例と同様に、易剥離領域21の延長部21aと易剥離領域22の延長部22aとの間、易剥離領域21の延長部21aと易剥離領域23の延長部23aとの間が接続していないが、延長部21aと延長部23aの先端が接続していてもよい。
【0036】
上記のように構成した本例の紙容器によれば、第1例と同様に、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26の上部側に、従来の端部シール域24,25,26の横幅A,Bと同じ長さの横幅A,Bを確保しながら、各易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aにより端部シール域24,25,26を小さくできる。
これにより、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17との間のシール性を損なわず、開封時には、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26の剥離が容易となり、開口部20の開口を容易に行える。
【0037】
また、本例では、第1例と同様に、易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aは、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて縦長さ方向における胴部パネル2寄りが長くなるように傾斜しているので、各延長部21a,22a,23aの上辺の傾斜方向が、妻壁形成パネル7を引き出す際の内側トップシールパネル17と外側トップシールパネル13,14に存在する端部シール域24,25,26の剥離進行方向(図2に示す方向X参照。)に沿うことになり、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26を小さい力で容易に剥離でき、例えば、開封時に妻壁形成パネル7の内側トップシールパネル17を摘んだり、指先を掛けたりすることなく、開口部20を容易に開口することができるので、衛生的である。
本例では、延長部21a,22a,23aの形状が、その上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて階段状に傾斜した階段形状となっているので、上辺が各易剥離領域21,22,23の端部上方から下方に向けて縦長さ方向における胴部パネル2寄りが長くなるように傾斜した延長部21a,22a,23aが容易に得られる。
【0038】
図9は本発明に係る紙容器の実施の形態の第4例を示す内面要部展開図である。
本例の紙容器1も、第1例と同様に、内側トップシールパネル17に設けられた易剥離領域21の両端に存在する端部シール域24に、縦長さ方向における胴部パネル2寄りの一部(易剥離領域21の端部下方部分)に易剥離領域21の延長部21aが設けられ、また、内側トップシールパネル17の両側の外側トップシールパネル13,14に設けられた易剥離領域22,23の内側トップシールパネル17寄り端部に存在する端部シール域25,26に、縦長さ方向における胴部パネル2寄りの一部(易剥離領域22,23の端部下方部分)に易剥離領域22,23の延長部22a,23aが設けられている。
本例では、前記した各易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aは、矩形状となっている。
【0039】
また、本例では、第1例と同様に、易剥離領域21の延長部21aと易剥離領域22の延長部22aとの間、易剥離領域21の延長部21aと易剥離領域23の延長部23aとの間が接続していないが、延長部21aと延長部23aの先端が接続していてもよい。
【0040】
上記のように構成した本例の紙容器によれば、第1例と同様に、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26の上部側に、従来の端部シール域24,25,26の横幅A,Bと同じ長さの横幅A,Bを確保しながら、各易剥離領域21,22,23の延長部21a,22a,23aにより端部シール域24,25,26を小さくできる。
【0041】
これにより、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17との間のシール性を損なわず、開封時には、外側トップシールパネル13,14と内側トップシールパネル17における端部シール域24,25,26の剥離が容易となり、開口部20の開口を容易に行える。
【符号の説明】
【0042】
1 紙容器
2 胴部パネル
3 縦折線
4 縦シールパネル
5、6 切妻屋根形成パネル
7、8 妻壁形成パネル
10、11、12 横折線
13、14 外側トップシールパネル
15、16 横折線
17、18 内側トップシールパネル
19 切妻屋根形頂部
20 開口部
21、22、23 易剥離領域
21a、22a、23a 延長部
24、25、26 端部シール域
A、B 端部シール域横幅
C 端部シール域縦幅
X 開封方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材からなり、4つの胴部パネルを備え、縦方向シールパネルによって縁部が接合されて横断面が方形の筒状体に形成され、前記胴部パネルの上端に、上部に帯状の外側トップシールパネルを有し互いに対向する一対の切妻屋根形成パネルと、前記外側トップシールパネルよりも低い高さの帯状の内側トップシールパネルを有し互いに対向する一対の妻壁形成パネルとが連設され、前記切妻屋根形成パネル間に前記妻壁形成パネルが折り込まれて、対向する前記外側トップシールパネルと前記内側トップシールパネルとの対向面同士が、加熱シールされると共に、前記外側トップシールパネルの対向面同士および前記内側トップシールパネルの対向面同士も加熱シールされることによって切妻屋根形頂部が形成され、
前記切妻屋根形成パネル間に折り込まれる前記妻壁形成パネルのうちの一方の妻壁形成パネルが有する前記内側トップシールパネルの内面に、横長さ方向の両端に所定の横幅の端部シール域を残して易剥離領域が設けられ、その両側に位置する一対の切妻屋根形成パネルが有する前記外側トップシールパネルの内面における横長さ方向のほぼ半分で前記内側トップシールパネル寄りの部分に、前記内側トップシールパネル寄りに所定の横幅の端部シール域を残して易剥離領域が設けられており、開封時、前記易剥離領域が設けられた前記内側トップシールパネルを有する側の前記妻壁形成パネルを引き出して開口部とする紙容器であって、
前記内側トップシールパネルに設けられた前記易剥離領域の両端に存在する前記端部シール域と、その両側の前記外側トップシールパネルに設けられた前記易剥離領域の前記内側トップシールパネル寄り端部に存在する前記端部シール域とに、縦長さ方向前記胴部パネル寄りの一部に前記各易剥離領域の延長部をそれぞれ設けたことを特徴とする紙容器。
【請求項2】
前記各易剥離領域の延長部は、その上辺が前記各易剥離領域の端部上方から下方に向けて縦長さ方向前記胴部パネル寄りが長くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の紙容器。
【請求項3】
前記各易剥離領域の延長部は、略三角形、略台形または略階段形であることを特徴とする請求項2に記載の紙容器。
【請求項4】
前記各易剥離領域の延長部は、略矩形であることを特徴とする請求項1に記載の紙容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−47119(P2013−47119A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−163608(P2012−163608)
【出願日】平成24年7月24日(2012.7.24)
【出願人】(000183484)日本製紙株式会社 (981)
【Fターム(参考)】