説明

絶縁性能評価装置

【課題】試料の絶縁性能の評価をより短時間で行なう。
【解決手段】指令ピーク値が所定電圧未満のときには、指令ピーク値に基づき周期的に極性が反転する電圧が試料に印加されるよう電圧印加回路22を制御する印加制御を極性反転周波数として第1の周波数より高い第3の周波数を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数を用いて実行し、制御開始から試料が絶縁破壊するまでの絶縁破壊時間と第3の周波数の第1の周波数に対する比率とから得られる換算値を用いて試料の絶縁性能を評価する。また、指令ピーク値が所定電圧以上のときには、印加制御を極性反転周波数として第1の周波数を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数より高い第4の周波数を用いて実行し、絶縁破壊時間と第4の周波数の第2の周波数に対する比率とから得られる換算値を用いて試料の絶縁性能を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁性能評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の絶縁性能評価装置としては、所定のピーク電圧と所定のパルス幅と所定の周波数とを有する両極性交互パルス電圧を発生する試験電源部を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、両極性交互パルス電圧を試験電圧として試料絶縁材に課電して試料絶縁材が絶縁破壊するまでの寿命時間を計測し、ピーク電圧と寿命時間との関係に基づいて試料絶縁材の絶縁性能を評価している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−232517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした絶縁性能評価装置では、試料の絶縁性能の評価をより短時間で行なうことが課題の一つとされている。このため、より短時間で試料絶縁材が絶縁破壊するようにすることが望まれる。
【0005】
本発明の絶縁性能評価装置は、試料の絶縁性能の評価をより短時間で行なうことを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の絶縁性能評価装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の絶縁性能評価装置は、
絶縁体で被覆された2本の導線からなる試料に対してスイッチング素子のスイッチングにより電圧を印加する電圧印加回路と、前記スイッチング素子がスイッチングされて周期的に極性が反転する電圧が前記試料に印加されるよう前記電圧印加回路を制御する印加制御を実行する印加制御手段と、電圧の極性が反転する周波数である極性反転周波数として第1の周波数を用いると共に前記スイッチング素子をスイッチングする周波数であるキャリア周波数として第2の周波数を用いる基準条件で前記印加制御を実行したときの該印加制御の実行開始から前記2本の導線間の絶縁破壊に至るまでの時間である基準条件絶縁破壊時間に相当する値を用いて前記試料の絶縁性能を評価する評価手段と、を備える絶縁性能評価装置において、
前記印加制御手段は、ピーク値の振幅が予め設定された所定電圧より低い電圧を前記試料に印加する低電圧印加時には前記極性反転周波数として前記第1の周波数より高い第3の周波数を用いると共に前記キャリア周波数として前記第2の周波数を用いて前記印加制御を実行し、ピーク値の振幅が予め設定された所定電圧以上の電圧を前記試料に印加する高電圧印加時には前記極性反転周波数として前記第1の周波数を用いると共に前記キャリア周波数として前記第2の周波数より高い第4の周波数を用いて前記印加制御を実行する手段であり、
前記評価手段は、前記印加制御の実行開始から前記2本の導線間の絶縁破壊に至るまでの時間である絶縁破壊時間を検出し、前記低電圧印加時には前記第3の周波数の前記第1の周波数に対する比率を用いて前記絶縁破壊時間を前記基準条件絶縁破壊時間に換算して前記試料の絶縁性能を評価し、前記高電圧印加時には前記第4の周波数の前記第2の周波数に対する比率を用いて前記絶縁破壊時間を前記基準条件絶縁破壊時間に換算して前記試料の絶縁性能を評価する手段である、
ことを特徴とする。
【0008】
この本発明の絶縁性能評価装置では、電圧印加回路のスイッチング素子がスイッチングされて周期的に極性が反転する電圧が試料に印加されるよう電圧印加回路を制御する印加制御を実行し、電圧の極性が反転する周波数である極性反転周波数として第1の周波数を用いると共にスイッチング素子をスイッチングする周波数であるキャリア周波数として第2の周波数を用いる基準条件で印加制御を実行したときの印加制御の実行開始から2本の導線間の絶縁破壊に至るまでの時間である基準条件絶縁破壊時間に相当する値を用いて試料の絶縁性能を評価するものにおいて、ピーク値の振幅が予め設定された所定電圧より低い電圧を試料に印加する低電圧印加時には、極性反転周波数として第1の周波数より高い第3の周波数を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数を用いて印加制御を実行し、印加制御の実行開始から2本の導線間の絶縁破壊に至るまでの時間である絶縁破壊時間を検出し、第3の周波数の第1の周波数に対する比率を用いて絶縁破壊時間を基準条件絶縁破壊時間に換算して試料の絶縁性能を評価する。一方、ピーク値の振幅が予め設定された所定電圧以上の電圧を試料に印加する高電圧印加時には極性反転周波数として第1の周波数を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数より高い第4の周波数を用いて印加制御を実行し、絶縁破壊時間を検出し、第4の周波数の第2の周波数に対する比率を用いて絶縁破壊時間を基準条件絶縁破壊時間に換算して試料の絶縁性能を評価する。したがって、低電圧印加時には比較的高い極性反転周波数(第3の周波数)を用いて印加制御を実行し高電圧印加時には比較的高いキャリア周波数(第4の周波数)を用いて印加制御を実行することにより、印加制御を実行する際に試料に印加する電圧のピーク値の振幅によって部分放電の発生のタイミングが異なる場合、特に、低電圧印加時には電圧の極性が反転するタイミング毎に2本の導線間に部分放電が発生し高電圧印加時にはスイッチング素子のスイッチング毎に部分放電が発生する場合に、絶縁破壊時間を基準絶縁破壊時間より短くすることができる。また、低電圧印加時には第3の周波数の第1の周波数に対する比率を用いて絶縁破壊時間を基準条件絶縁破壊時間に換算して試料の絶縁性能を評価し、高電圧印加時には第4の周波数の第2の周波数に対する比率を用いて絶縁破壊時間を基準条件絶縁破壊時間に換算して試料の絶縁性能を評価することにより、極性反転周波数やキャリア周波数を変更しても適正に試料の絶縁性能を評価することができる。これらの結果、試料の絶縁性能の評価をより短時間で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例としての絶縁性能評価装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】基準条件で印加制御を実行したときの部分放電電流の発生タイミングの一例を模式的に示す説明図である。
【図3】指令ピーク値Vpが所定電圧Vref未満のときに、基準条件で印加制御を実行するときと基準条件に比して極性反転周波数を高くした実施例との時間変化の様子の一例を示す説明図である。
【図4】指令ピーク値Vpが所定電圧Vref以上のときに、基準条件で印加制御を実行するときと基準条件に比してキャリア周波数を高くした実施例との時間変化の様子の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の一実施例として絶縁材で被覆された2本の導線(例えば、モータにおけるコイルの巻線に用いられる導線など)からなる試料10の絶縁性能を評価する絶縁性能評価装置20の構成の概略を示す構成図である。実施例の絶縁性能評価装置20は、図1に示すように、直流電源24とその直流電源からの電力を用いて試料10に電圧を印加するインバータ26とを有する電圧印加回路22と、電圧印加回路22の直流電源24から出力される電流を検出する電流センサ30からの電流Ibや、電圧印加回路22と試料10との間で流れる電流を検出する電流センサ32からの電流Isなどを入力すると共に電圧印加回路22を制御したり試料10の絶縁性能を評価したりするコントローラ34と、を備える。ここで、インバータ26は、6つのトランジスタ(スイッチング素子)T1〜T6とトランジスタT1〜T6に逆方向に並列接続された6つのダイオードD1〜D6とにより構成されており、各トランジスタのスイッチングによって試料10に電圧を印加している。インバータ26の6個のトランジスタT1〜T6は、直流電源24の正極が接続された正極母線と直流電源24の負極が接続された負極母線とに対してソース側とシンク側とになるよう2個ずつペアで配置されており、実施例では、このソース側とシンク側との接続点(3カ所)のうち2カ所(図中、A,B)に、撚り合わせられた2本の導線からなる試料10を接続するものとした。
【0012】
実施例の絶縁性能評価装置20では、ユーザによって試料10に印加すべき電圧のピーク値の指令値である指令ピーク値Vpが設定されると、コントローラ34は、指令ピーク値Vpまたはその符号を反転した値(−Vp)に対応する電圧で且つ周期的に極性(正負)が反転する電圧が試料10に印加されるよう電圧印加回路22を制御する印加制御(具体的には、直流電源24からの出力電圧を調整したりインバータ26のトランジスタT1〜T6をスイッチング制御したりする制御)を実行し、その制御の開始から試料10の2本の導線間の絶縁破壊までの時間である絶縁破壊時間tpを検出し、検出した絶縁破壊時間tpを用いて試料10の絶縁性能を評価する。以下、説明の都合上、電圧の極性が反転する周波数である極性反転周波数として第1の周波数f1を用いると共にトランジスタT1〜T6をスイッチングする周波数であるキャリア周波数として第2の周波数f2を用いる基準条件で印加制御を実行したときの絶縁破壊時間tpを基準条件絶縁破壊時間tpsetとして説明に用いることがある。また、実施例では、指令ピーク値Vpが予め実験などにより定められた所定電圧Vref未満のときには、極性反転周波数として第1の周波数f1より高い第3の周波数f3(例えば、第1の周波数f1の2倍〜10倍の周波数など)を用いると共にキャリア周波数として基準条件と同一の第2の周波数f2を用いて印加制御を実行し、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref以上のときには極性反転周波数として基準条件と同一の第1の周波数f1を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数f2より高い第4の周波数f4(例えば、第2の周波数f2の2倍〜10倍の周波数など)を用いて印加制御を実行するものとした。図2は、基準条件で印加制御を実行したときの部分放電電流の発生タイミングの一例を模式的に示す説明図である。図2(a)は、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref未満のときの様子を示す説明図であり、図2(b)は指令ピーク値Vpが所定電圧Vref以上のときの様子を示す説明図である。指令ピーク値Vpが所定電圧Vrefより低いときには、図2(a)の例では、試料10に印加する電圧の極性が反転するタイミング毎に部分放電電流が発生している。一方、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref以上のときには、図2(b)の例では、トランジスタT1〜T6のスイッチングによって試料10にパルス電圧が印加される毎に部分放電電流が発生している。ここで、図2(a)や図2(b)中、所定電圧Vrefは、試料10に印加する電圧の極性が反転するタイミング毎に部分放電電流が発生する状態(第1の状態)とトランジスタT1〜T6のスイッチングによって試料10にパルス電圧が印加される毎に部分放電電流が発生する状態(第2の状態)とが切り替わる指令ピーク値Vpに相当する電圧であり、予め実験などにより定めることができる。実施例では、指令ピーク値Vpに応じて第1の状態または第2の状態になることを考慮して、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref未満のときには基準条件に比して高い極性反転周波数(第3の周波数f3)を用いて印加制御を実行し、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref以上のときには基準条件に比して高いキャリア周波数(第4の周波数f4)を用いて印加制御を実行するものとした。指令ピーク値Vpが所定電圧Vref未満のときに、基準条件で印加制御を実行するとき(上段)と基準条件に比して極性反転周波数を高くした実施例(下段)とにおける試料10に印加される電圧の時間変化の様子の一例を図3に示し、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref以上のときに、基準条件で印加制御を実行するとき(上段)と基準条件に比してキャリア周波数を高くした実施例(下段)とにおける試料10に印加される電圧の時間変化の様子の一例を図4に示す。このように指令ピーク値Vpに応じた印加制御を実行することにより、基準条件で印加制御を実行するときに比して、部分放電が発生する間隔を短くすることができるから、絶縁破壊時間tpを短くすることができる。なお、低電圧印加時の絶縁破壊時間tpは、基準条件絶縁破壊時間tpsetと第3の周波数f3の第1の周波数f1に対する比率の逆数との積(tpset・f1/f3)程度になっていると考えられ、高電圧印加時の絶縁破壊時間tpは、基準条件絶縁破壊時間tpsetと第4の周波数f4の第2の周波数f2に対する比率の逆数との積(tpset・f2/f4)程度になっていると考えられる。また、2本の導線間の絶縁破壊は、例えば、電流センサ30からの電流Ibの変動や電流センサ32からの電流Isの変動,電圧印加回路22から試料10に印加される電圧を検出する図示しない電圧センサからの電圧の変動,試料10近傍に配置されて試料10の部分放電や絶縁破壊の様子を撮影する図示しない撮影装置による撮影結果,試料10近傍に配置されて試料10からの電磁波を検出する電磁波センサからの電磁波の変動などから検出することができる。こうして絶縁破壊時間tpを検出すると、コントローラ34は、低電圧印加時には絶縁破壊時間tpに第3の周波数f3の第1の周波数f1に対する比率を乗じることによって絶縁破壊時間tpを基準条件で印加制御を実行したときの値に換算した換算値tpcoを計算し、高電圧印加時には絶縁破壊時間tpに第4の周波数f4の第2の周波数f2に対する比率を乗じることによって換算値tpcoを計算し、計算した換算値tpcoを用いて試料10の絶縁性能を評価する。この評価では、例えば、指令ピーク値Vpと換算値tpcoとの関係を示すマップを作成する。このように試料10の絶縁性能を評価することにより、極性反転周波数やキャリア周波数を変更しても適正に試料10の絶縁性能を評価することができる。また、前述したように、基準条件で印加制御を実行したときに比して絶縁破壊時間tpを短くすることができるから、試料10の絶縁性能の評価をより短時間で行なうことができる。なお、このようにして行なった試料10の絶縁性能の評価結果は、モータの設計の際などに用いることができる。
【0013】
以上説明した実施例の絶縁性能評価装置20によれば、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref未満のときには、指令ピーク値Vpまたはその符号を反転した値(−Vp)に対応する電圧で且つ周期的に極性(正負)が反転する電圧が試料10に印加されるよう電圧印加回路22を制御する印加制御を極性反転周波数として第1の周波数f1より高い第3の周波数f3を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数f2を用いて実行し、絶縁破壊時間tpに第3の周波数f3の第1の周波数f1に対する比率を乗じることによって得られる絶縁破壊時間tpを基準条件で印加制御を実行したときの値に換算した換算値tpcoを用いて試料10の絶縁性能を評価し、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref以上のときには、印加制御を極性反転周波数として第1の周波数f1を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数f2より高い第4の周波数f4を用いて実行し、絶縁破壊時間tpに第4の周波数f4の第2の周波数f2に対する比率を乗じることによって得られる換算値tpcoを用いて試料10の絶縁性能を評価するから、絶縁破壊時間tpを短くすることによって試料10の絶縁性能をより短時間で行なうことができる。
【0014】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、直流電源24とインバータ26とを有する電圧印加回路22が「電圧印加回路」に相当し、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref未満のときには、指令ピーク値Vpまたはその符号を反転した値(−Vp)に対応する電圧で且つ周期的に極性(正負)が反転する電圧が試料10に印加されるよう電圧印加回路22を制御する印加制御を極性反転周波数として第1の周波数f1より高い第3の周波数f3を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数f2を用いて実行し、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref以上のときには、印加制御を極性反転周波数として第1の周波数f1を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数f2より高い第4の周波数f4を用いて実行するコントローラ34が「印加制御手段」に相当し、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref未満のときには、絶縁破壊時間tpに第3の周波数f3の第1の周波数f1に対する比率を乗じることによって得られる絶縁破壊時間tpを基準条件で印加制御を実行したときの値に換算した換算値tpcoを用いて試料10の絶縁性能を評価し、指令ピーク値Vpが所定電圧Vref以上のときには、印加制御を極性反転周波数として第1の周波数f1を用いると共にキャリア周波数として第2の周波数f2より高い第4の周波数f4を用いて実行し、絶縁破壊時間tpに第4の周波数f4の第2の周波数f2に対する比率を乗じることによって得られる換算値tpcoを用いて試料10の絶縁性能を評価するコントローラ34が「評価手段」に相当する。
【0015】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は、絶縁性能評価装置の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0017】
10 試料、20 絶縁性能評価装置、22 電圧印加回路、24 直流電源、26 インバータ、30,32 電流センサ、34 コントローラ、D1〜D6 ダイオード、T1〜T6 トランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体で被覆された2本の導線からなる試料に対してスイッチング素子のスイッチングにより電圧を印加する電圧印加回路と、前記スイッチング素子がスイッチングされて周期的に極性が反転する電圧が前記試料に印加されるよう前記電圧印加回路を制御する印加制御を実行する印加制御手段と、電圧の極性が反転する周波数である極性反転周波数として第1の周波数を用いると共に前記スイッチング素子をスイッチングする周波数であるキャリア周波数として第2の周波数を用いる基準条件で前記印加制御を実行したときの該印加制御の実行開始から前記2本の導線間の絶縁破壊に至るまでの時間である基準条件絶縁破壊時間に相当する値を用いて前記試料の絶縁性能を評価する評価手段と、を備える絶縁性能評価装置において、
前記印加制御手段は、ピーク値の振幅が予め設定された所定電圧より低い電圧を前記試料に印加する低電圧印加時には前記極性反転周波数として前記第1の周波数より高い第3の周波数を用いると共に前記キャリア周波数として前記第2の周波数を用いて前記印加制御を実行し、ピーク値の振幅が予め設定された所定電圧以上の電圧を前記試料に印加する高電圧印加時には前記極性反転周波数として前記第1の周波数を用いると共に前記キャリア周波数として前記第2の周波数より高い第4の周波数を用いて前記印加制御を実行する手段であり、
前記評価手段は、前記印加制御の実行開始から前記2本の導線間の絶縁破壊に至るまでの時間である絶縁破壊時間を検出し、前記低電圧印加時には前記第3の周波数の前記第1の周波数に対する比率を用いて前記絶縁破壊時間を前記基準条件絶縁破壊時間に換算して前記試料の絶縁性能を評価し、前記高電圧印加時には前記第4の周波数の前記第2の周波数に対する比率を用いて前記絶縁破壊時間を前記基準条件絶縁破壊時間に換算して前記試料の絶縁性能を評価する手段である、
絶縁性能評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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