説明

線材と被覆材の支持具、支持具装着支柱、被覆材の展張用材

【課題】始終時の作業性を向上させ、被覆材の絡み、破れ、摩耗等の危惧を解消する極めて経済的な線材と被覆材の支持具、支持具装着支柱、展張用材を提供する。
【解決手段】上面を半球面11状に肉盛り膨出させた合成樹脂製の基材10の半球面11の上側部から下側端部の位置に、球面の頂点13の垂直下を通り、肉盛り部12を横断する一つの貫通孔2を設けた支持具1の上側部の貫通孔2に線材3を挿通し、下部に設けた嵌合部14に支柱4を装着させ、これらの天部にネット状の被覆材5を展張する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持具基材上部に設けた貫通孔に線材を通し、その上方でネット状やシート状等からなる被覆材を展張、摺動させた時に被覆材の絡み、破れ、摩耗等がなく、スムーズ且つ効率よくその作業を可能にする支持具と、これを装着した支柱と、支持具及び線材又は/及び支柱から構成した被覆材の展張用材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農園芸、土木建築分野において、鳥、虫、猿、鹿、霜、雹、風等は作物に、農薬、塗料、粉塵等の飛散は人々に危害を加えることはよく知られており、これら危害を防止するための発明や考案は旧来より数多くなされ、防鳥網、防虫網、生育防護用シート、飛散防止用ネット等を組み合わせた農園芸用材、土木建築用材、これらに係る装置、設備、施工方法も多岐に亘り出願されている。
【0003】
具体的には、農作物栽培においては、鳥、虫、猿、鹿、霜、雹、風等の危害を防止するため、多くの技術が提案、実用化され、また、建設分野においても、飛散や落下を防止するために同様の技術が用いられている(例えば、特許文献1〜7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭59−5303号公報
【特許文献2】意匠登録512149号公報
【特許文献3】意匠登録941328号公報
【特許文献4】実用登録3091415号公報
【特許文献5】特開2004−236503号公報
【特許文献6】特開2010−4830号公報
【特許文献7】特開2008−50838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献等に記載されている入る支柱のキャップ、栓等に係る技術は、共通して、施工の始終時において作業性で劣り、部材、部品点数等の工数が多くなるため、不経済である上に、特に、被覆材の有孔、無孔の形態を問わずその絡み、破れ、摩耗、破損、被覆材そのものの落下や飛散等が危惧され、問題を残すものとなっている。
【0006】
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みてなしたものであり、始終時の作業性を向上させ、被覆材を展張、摺動させた時に被覆材の絡み、破れ、摩耗等がなく、スムーズ且つ効率よくその作業を可能にする支持具と、これを装着した支柱と、ネット(以下、有孔シート)やシート(以下、無孔シート)等からなる被覆材を展張、摺動させた時に被覆材の絡み、破れ、摩耗等がなく、スムーズ且つ効率よくその作業を可能にする支持具と、これを装着した支柱と、支持具及び線材又は/及び支柱から構成した被覆材の展張用材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の線材と被覆材の支持具は、頂部を略半球面状に肉盛り膨出させた少なくとも一つの突体を具備する合成樹脂製の基材であって、突体の球面部の上方縁部から下方側端部の位置に、球面の頂点の垂直下と基材の中心を通り、肉盛り部を横断する少なくとも一つの貫通孔又は/及び少なくとも一つの上方に開口する貫通溝を設けたことを特徴とする。
【0008】
この場合、球面の頂点の垂直下で最上部の貫通孔の下方肉盛り部に、この貫通孔と所定の角度で交差し且つ上下互いに所定高さを有して、少なくとも一つの同様な貫通孔を上方から下方に順次設けることができる。
【0009】
また、上方より少なくとも一つの貫通孔を球面で溝状に上部開口させ、その貫通溝を球面の頂点で跨いで、線材等その構内の部材がこの開口部からの脱落するのを防止する用片を、球面に沿わして肉盛り部に少なくとも溝の一方側で着脱自在になるよう陥没させて設けることもできる。
【0010】
さらに、偶数個の突体を、合成樹脂製の基材の上方で互いに向き合せ、且つ貫通孔を上下平行に設けることもできる。
【0011】
そして、合成樹脂製の基材の肉盛り部の下部に他材との嵌合部又は/及び係止具を基材に一体化させて設けたこともできる。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明の支柱は、偶数個の突体を、合成樹脂製の基材の上方で互いに向き合せ、且つ貫通孔を上下平行に設けたことを特徴とする。
【0013】
そして、上記目的を達成するための本発明の展張用材は、上記線材及び被覆材の支持具又は/及び支持具装着支柱を、所定の各上部の貫通孔に線材を連通させて形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の線材と被覆材の支持具は、頂部を略半球面状に肉盛り膨出させた少なくとも一つの突体を具備する合成樹脂製の基材であって、突体の球面部の上方縁部から下方側端部の位置に、球面の頂点の垂直下と基材の中心を通り、肉盛り部を横断する少なくとも一つの貫通孔又は/及び少なくとも一つの上方に開口する貫通溝を設けたことで、貫通孔又は/及び横断孔が内壁を有し鉄線、紐等の線材が挿通し易くなり、略中心が重心となり使用後のバランス性が向上し、肉盛り部では基材はより強化され、被覆材の絡み、破れ、摩耗等の危惧が解消される。
【0015】
この場合、球面の頂点の垂直下で最上部の貫通孔の下方肉盛り部に、この貫通孔と所定の角度で交差し且つ上下互いに所定高さを有して、少なくとも一つの同様な貫通孔を上方から下方に順次設けることで、多数の線材等が使用でき、それらの外径と貫通孔、貫通溝の内径との最適な設計が可能になる。
【0016】
また、上方より少なくとも一つの貫通孔を球面で溝状に上部開口させ、その貫通溝を球面の頂点で跨いで、線材等その構内の部材がこの開口部からの脱落するのを防止する用片を、球面に沿わして肉盛り部に少なくとも溝の一方側で着脱自在になるよう陥没させて設けることで、上部開口の貫通溝に線材等を嵌め込むことができ、線材等は脱落を防止する防止片で溝開口部から脱落せず、作業性は著しく向上する。
【0017】
さらに、互いに独立した偶数個のそれぞれ半球面に互いに向き合う貫通孔を有する突体を、基材上面に設けることで、貫通孔とその交差部の数を増やすことができ且つ複数本の線材を平面状に配設することができ、態様幅や用途がより広がり、また、適宜、最良設計が可能になる。
【0018】
そして、合成樹脂製の基材の肉盛り部の下部に他材との嵌合部又は/及び係止具を基材に一体化させて偶数個の突体を、合成樹脂製の基材の上方で互いに向き合せ、且つ貫通孔を上下平行に設けたことで合成樹脂製の基材の肉盛り部の下部に他材との嵌合部又は/及び係止具を基材に一体化させて設けたこともできることで、本発明の支持具の使用分野、具体的な使用方法等が著しく拡大されることになる。
【0019】
本発明の支柱は、合成樹脂製の基材の肉盛り部の下部に他材との嵌合部又は/及び係止具を基材に一体化させて上記線材及び被覆材の支持具を、少なくとも一方の端部に装着したことで、この支柱の用途は広がり、その利便性は著しく向上する。
【0020】
本発明の展張用材は、上記線材及び被覆材の支持具又は/及び支持具装着支柱を、所定の各上部の貫通孔に線材を連通させて形成したことで、設置、撤去等で繰り返し使用することか可能になり、且つ、各部材同士の組み立てや設置、撤去においての作業性は著しく向上し、線材と被覆材の支持具、支柱、被覆材からなる構成材の使用価値、利便性、汎用性等が著しく高まることになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の線材と被覆材の支持具を示し、(a)は正面図、(b)は断面図、(c)は使用状態を示す斜視図である。
【図2】同被覆材の支持具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)及び(f)は断面図、(g)は使用状態を示す斜視図である。
【図3】同被覆材の支持具を示し、(a)は正面図、(b)は断面図、(c)は平面図、(d)は脱落防止用片の底面図、(e)は正面図である。
【図4】同線材と被覆材の支持具を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図5−1】同線材と被覆材の支持具を示し、(a)は正面図、(b)及び(c)は断面図である。
【図5−2】同線材と被覆材の支持具を示し、(d)は平面図、(e)は断面図、(f)は使用状態を示す正面図である。
【図5−3】同線材と被覆材の支持具を示し、(g)は使用状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の支持具装着支柱を示す断面図である。
【図7】本発明の展張用材を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は使用状態を示す平面図である。
【図8】本発明の線材と被覆材の支持具を使用した構築物を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図9】同線材と被覆材の支持具を使用した構築物の正面図である。
【図10】同線材と被覆材の支持具を使用した構築物の側面図である。
【図11】本発明の線材と被覆材の支持具を使用した構造を示す正面図である。
【図12】本発明の線材と被覆材の支持具を使用した構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の線材3と被覆材5の支持具1、支持具装着支柱40、展張用材50の実施形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0023】
図1(a)、(b)、(c)に、本発明の線材3と被覆材5の支持具1の第1実施例を示す。
図1(a)、(b)で示す本発明の線材3と被覆材5の支持具1は、上面を半球面11状に肉盛り膨出させた合成樹脂製の基材10の半球面11の上側部から下側端部の位置に、球面の頂点13の垂直下を通り、肉盛り部12を横断する一つの貫通孔2を設けたものであり、(c)はこの支持具1上側部の貫通孔2に線材3を挿通し、下部に設けた嵌合部14に支柱4を装着させ、これらの天部にネット状の被覆材5を展張したものであり、それぞれ(a)は正面図、(b)は断面図、(c)は使用形態を示す斜視図である。
この場合、図示しないが、一つの貫通孔2に可能な限りの線材3を挿通することができ、また、線材3は、樹脂被覆鉄線、樹脂製の単糸や撚り糸、紐等特に限定されるものではない。
【0024】
このような本発明の線材3と被覆材5の支持具1は、貫通孔2が内壁を有すことになり、その中に線材3を挿通させる作業が非常に楽になり、同時に、半球面11の上部及び側部で被覆材5の絡み、破損、摩耗等のトラブルを完全に回避させることが可能になると共に、頂点13の垂直下の軸線に沿って支持具1の軸及び周方向の中心が現出され、使用時の安定性は著しく向上することになる。
【実施例2】
【0025】
図2(a)、(b)、(c)、(d)、(e)(f)に、本発明の線材3と被覆材5の支持具1の第2実施例を示す。
図2で示す本発明の線材3と被覆材5の支持具1は、球面の頂点13の垂直下で最上部の貫通孔2の下方肉盛り部に、この貫通孔2と90度で交差し、垂直下で上下互いに段差を有して隣接する同様なもう三つの貫通孔20を設けたものであり、それぞれ(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)及び(f)は断面図である。
この場合、所定の角度でさらに複数個の貫通孔2下方に連続させてもよく、また、貫通孔2同士を隣接させる必要もなく、互いに所定の距離を置いて設けてもよく、(g)は貫通孔2、20、21、22を順次設けた一例を示す斜視図である。
【0026】
このような本発明の線材3と被覆材5の支持具1は、互いに十字に交差させれば、二つの貫通孔2、20と21、22同士それぞれに線材3を挿通させることでバランスが保たれ、支持具1を装着した支持具装着支柱40の倒伏は上記実施例1に比較してさらに防止されることになる。
【実施例3】
【0027】
図3(a)、(b)、(c)に、本発明の線材3と被覆材5の支持具1の第3実施例を示す。
図3で示す本発明の線材3と被覆材5の支持具1は、上方より二つの貫通孔2、20を半球面11で溝状に上部開口させ、その貫通溝24、25を球面の頂点13で跨いで線材3等溝内部物がその開口部15から出脱するのを防ぐ脱落防止用片16を、半球面11に沿わして肉盛り部12に少なくとも溝の一方側で着脱自在になるよう陥没させて設けたものであり、それぞれ(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は断面図である。
この場合においても、図示省略するが、貫通孔2や開口部15を有する貫通溝24、25の数やその交差角度は限定されるものではない。
また、図3(d)、(e)は、着脱自在可能な脱落防止用片16の一形状を示す正面図と底面図であり、脱落防止用片16にも合成樹脂が好適に使用できることになる。
【0028】
このような支持具1は、脱落防止用片16を具備していても、実施例1、2と同様にその上部及び側部に於いて有孔、無孔を問わず、被覆材5を傷つけることはなく、絡ませることもない。
また、このような支持具1は、線材3を開口部15に嵌入し、その後、脱落防止用片16を装着させることで、作業性は向上し、脱落防止用片16が邪魔することで、線材3の開口部15からの脱落が皆無となる。
さらに、貫通孔2や開口部15を有する貫通溝24、25の断面積や断面形状は使用する線材3を考慮し決定されるものであり、貫通孔2や開口部15を有する貫通溝24、25にそれぞれ複数本の線材3を挿通し、内偶数本の線材3で被覆材5を支持させ、他の複数本の線材3で、例えば、果樹棚で棚面の吊り線等として使用することができる。
【実施例4】
【0029】
図4(a)、(b)に、本発明の線材3と被覆材5の支持具1の第4実施例を示す。
図4で示す本発明の線材3と被覆材5の支持具1は、基材10上面に、それぞれ半球面11を有しに互いに向き合う貫通孔2を有する二つの突体19を設けたもので、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【0030】
図4では向かい合う二つの突体19間に一本の線材3を置き、これに略直角に交差し、この線材3を押さえるように突体19の互いに向き合う貫通孔2一本の線材3を挿通しているが、突体19の数は四つ、六つ等偶数個なら限定されず、また、突体19間の間隙の大きさやこの間隙に置く線材3の本数も特に限定されものでなく、また、線材3に限らず支柱4等も置くことができるが、適宜、目的とする用途に合致する最良の設計に委ねられることになる。
この場合、突体19はあくまで基材10の一部であり、且つ、突体19間の間隙は前記の貫通溝24、25と同様な性能を呈するものであり、突体19の頂部は膨出させた曲面を形成しているのである。
【実施例5】
【0031】
図5−1(a)、(b)、(c)、図5−2(d)、(e)、(f)、図5−3(g)に、本発明の本発明の線材3と被覆材5の支持具1の第5実施例を示す。
図5−1で示す本発明の線材3と被覆材5の支持具1は、基材10を合成樹脂で形成し、基材10の下部に被係止物18との係止具17、この場合は鋼製ボルトを埋設したもので、それぞれ(a)は正面図、(b)は断面図、(c)はこの支持具1を被係止物18、この場合は鋼製キャップに螺設した使用例の断面図であり、この場合、螺着脱し易いように、基材10下部をナット状に形成してもよく、又は/及び、支柱4や鋼製キャップの内面腐食を防止するために、線材3と被覆材5の支持具1と鋼製キャップとの間に水密パッキン41を挟持させてもよい。
このような被係止物18と一体化された態様も、本発明の線材3と被覆材5の支持具1となる。
また、図5−2(d)、(e)、(f)は基材10上部を楕円形に形成したそれぞれ平面図、断面図、傾斜させて使用する正面図を示し、図5−3(g)は基材10上部を真円に全体を茸状に形成した斜視図を示している。
【0032】
このような本発明の線材3と被覆材5の支持具1の構成において、貫通孔2は球面の頂点13の垂直下、基材10の球面の下部又は下端部の肉盛り部12を突き抜ける内周壁23を有するトンネルを意味し、また、基材10の球形部も貫通孔2の断面形状も真円に限定されることはない。
線材3と被覆材5の支持具1をこのように構成することにより、貫通孔2が内周壁23を有し線材3が挿通し易くなり、略中心が重心となり使用後のバランス性が向上し、肉盛り部12で基材10はより強化され、ネット、フィルム等の被覆材5の絡み、破れ、摩耗等の危惧が全て解消されることになる。
【0033】
本発明の線材3と被覆材5の支持具1の基材10を形成する剤材は、金属材、天然材、合成樹脂材等その主剤は特に限定されるものではないが、少なくとも貫通孔2より上部には、屋外炎天下で著しく温度が上昇し、合成樹脂製のネット、フィルム等の被覆材5を劣化させる金属類より、耐熱、耐候性能を付与した合成樹脂類、中でも、熱可塑性樹脂であるビニル系の塩化ビニルや酢酸ビニル、オレフィン系のポリエチレン、ポリプロピレン等、アイオノマー、エラストマーこれらの合成樹脂の混合体、これらの合成樹脂とエチレン−酢酸ビニル等の共重合体等の汎用性の高い熱可塑性樹脂が好適に使用でき、特に無公害と経済性の面から汎用性の高いポリエチレン等のオレフィン系樹脂が、また、強度を必要とする場合はFRP等の強化樹脂が最適に使用できることになる。
【0034】
この場合、支持具1の基材10には商品設計に応じて多種多様の補助剤や充填材を添加することが可能になり、また、肉盛り部12の下部の嵌合部や係止具を形成する材質は使用時の外圧で分離しない限り、同質、異質どちらでもよいことになり、さらに、支柱等他材との長期的な接合が可能な限りその形態は問われるものではない。
このような本発明の最適な態様は、被覆材の熱や光による劣化を激減させると共に、使用時の作業効率も大幅に向上させることになる。
【実施例6】
【0035】
図6に、本発明の支持具1を装着した支持具装着支柱40の実施例6として示す。
この支持具装着支柱40は、支持具1を構成する基材10の下部に嵌合部14、この場合は栓体一体化して設け、これを一般的な支柱4に装着したもので、図はこの支持具1を装着した支柱の断面図を示している。
また、実施例6においては一つの態様を示したが、支持具1を装着した支持具装着支柱40は上記実施例1〜5で示した形態の支持具1を適宜支柱4の一端又は両端に装着してもよい。
そして、このような支持具装着支柱40は上下左右に於いて360度の使用が可能になる。
【実施例7】
【0036】
図7(a)、(b)、(c)に、本発明の被覆材の展張用材50を第7実施例として示す。
この被覆材の展張用材50は、複数の線材3等を互いに通した支持具1であっても、支持具1を端部に装着した複数の線材3等を互いに通した複数の支持具装着支柱40であってもよく、それぞれ(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はその使用時の平面図を示している。
このような展張用材50は、その設置時、使用時、撤去保管時に於いて、その作業を大きく簡便化させることになる。
【実施例8】
【0037】
図8〜図10に、本発明の第9実施例を示す。
この第8実施例は本発明を使用した構築物6、この場合は果樹棚の防鳥、防雹、防虫を示すもので、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
また、図9〜図10はゴルフ練習場の場外へのボールや木材チップの飛散防護柵の一例を示し、図9は正面部分拡大図、図10は側面部分拡大図である。
このような構築物6は被覆材5の絡みや破損がなく、また、構築物6は被覆材5、この場合はゴルフネットを直角に交差する線材3で挟持しているため、被覆材5の強風による破損や剥離がない。
【実施例9】
【0038】
図11及び図12に、本発明の第9実施例を示す。
この第9実施例は本発明を使用した配設構造7、この場合は一部被覆栽培の構造を示すもので、本発明の支持具1を両端に嵌合させた円弧状の支持具装着支柱40の中心部が天井部に位置するように支持具装着支柱40で支え、両端軒先部の貫通孔2に線材3をそれぞれ配設し、その線材3に被覆材5、この場合は、無孔フィルムを一定距離で止着したもので、図11はこの配設構造7の畝方向の正面図、図12はこれとは形態の異なる一部被覆の正面図であり、このような配設構造7は、無孔フィルムの破損を無限大に近く防止することになる。
【0039】
以上、本発明の本発明の線材3と被覆材5の支持具1、支持具装着支柱40、展張用材50について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の本発明の線材3と被覆材5の支持具1、支持具装着支柱40、展張用材50は、農作物栽培においては、鳥、虫、猿、鹿、霜、雹、風等の危害を、農薬の飛散を防止するために、また、その構築物6や配設構造7は土木建築用途においては、粉塵、塗装溶剤等の飛散による危害を防止するために、さらに、氷雪による危害を防止するために、屋根面と網体との空間が不可欠な融氷雪方法、装置等、多種多様な用途への転用が可能になる。
【符号の説明】
【0041】
1 支持具
10 基材
11 半球面
12 肉盛り部
13 球面の頂点
14 嵌合部
15 開口部
16 脱落防止用片
17 係止具
18 被係止物
19 突体
2 貫通孔
20 貫通孔
21 貫通孔
22 貫通孔
23 内周壁
24 貫通溝
25 貫通溝
3 線材
4 支柱
40 支持具装着支柱
41 水密パッキン
5 被覆材
50 被覆材の展張用材
6 構築物
7 配設構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部を略半球面状に肉盛り膨出させた少なくとも一つの突体を具備する合成樹脂製の基材であって、突体の球面部の上方縁部から下方側端部の位置に、球面の頂点の垂直下と基材の中心を通り、肉盛り部を横断する少なくとも一つの貫通孔又は/及び少なくとも一つの上方に開口する貫通溝を設けたことを特徴とする線材と被覆材の支持具。
【請求項2】
球面の頂点の垂直下で最上部の貫通孔の下方肉盛り部に、この貫通孔と所定の角度で交差し且つ上下互いに所定高さを有して、少なくとも一つの同様な貫通孔を上方から下方に順次設けたことを特徴とする請求項1記載の線材と被覆材の支持具。
【請求項3】
上方より少なくとも一つの貫通孔を球面で溝状に上部開口させ、その貫通溝を球面の頂点で跨いで、線材等その構内の部材がこの開口部からの脱落するのを防止する用片を、球面に沿わして肉盛り部に少なくとも溝の一方側で着脱自在になるよう陥没させて設けることを特徴とする請求項1又は2記載の線材と被覆材の支持具。
【請求項4】
偶数個の突体を、合成樹脂製の基材の上方で互いに向き合せ、且つ貫通孔を上下平行に設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の線材と被覆材の支持具。
【請求項5】
合成樹脂製の基材の肉盛り部の下部に他材との嵌合部又は/及び係止具を基材に一体化させて設けたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の線材と被覆材の支持具。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5記載の線材及び被覆材の支持具を、少なくとも一方の端部に装着したことを特徴とする支持具装着支柱。
【請求項7】
請求項1、2、3、4又は5記載の線材及び被覆材の支持具又は請求項6記載の支持具装着支柱を、所定の各上部の貫通孔に線材を連通させて形成したことを特徴とする被覆材の展張用材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−120590(P2011−120590A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−290063(P2010−290063)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(396013293)
【Fターム(参考)】