説明

線路の一方の端部からの電流及び電圧の測定値を使用する障害位置選定

【課題】線路の一方の端部からの電流及び電圧の測定値を使用する障害位置選定
【解決手段】電力線のある区間(AからB)の一端から障害の位置を見つけるための方法。電流、電圧及び位相間の角度の測定は前記電力線区間の第1の端部Aで行われる。前記電力線の前記第1の端部と前記第2の端部の間で障害状態が検出されると、該障害までの距離が、前記第1の端部での前記電流と電圧の測定について電流の対称的な成分を計算し、次に前記第1の端部2から障害Fまでの距離d、つまり二次方程式を使用して障害までの距離dを計算することによって検出される。該方法で使用される第1の、及び/または第2の端部でのソースインピーダンスの値は代表的な値、または測定された値であってよい。本発明は単一の線路または平行線に適用されてよい。本発明の他の態様においては、該方法を実行するための障害ロケータデバイス及び該方法を実行するためのコンピュータプログラムが説明されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力線の区間の一端に位置する端末で行われる電流と電圧の測定を活用する送電線のある区間のための障害位置選定のための技法に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧送電システム及び配電系統における障害位置選定のための複数の方法及び手法が開発され、利用されてきた。1つの手法は、監視される電力線のある区間の2つの端部のそれぞれに位置する端末に設置される電圧/電流変換器を使用することであった。送電線における瞬間電流の測定を提供するために誘導変流器が使用される。
【0003】
三相送電線上で障害点の位置を見つけるための方法及び装置(Method and device for locating a fault point on a three−phase transmission line)と題される米国特許第4,559,491号は一端障害位置選定(FL)アルゴリズムを説明している。線路の一方の端部にある障害ロケータデバイスを使用する障害位置選定の高い精度は、送電網における障害電流の実際の分布を考慮に入れることにより達成される。このアルゴリズムは1982年に製品として問題なく導入され、世界中の多くの国々で単一線路及び平行線と運用されている。しかしながら、一定の条件の場合、障害経路全体での電圧の低下の推定値を計算するために、障害以前の(pre−fault)電流などの正確な障害以前の量を取得することは困難である。また、位相電圧と電流、及び電流のゼロシーケンス成分を使用することの不利な点とは、これらの値を使用して、分流器静電容量の影響を補償することが相対的に困難であるという点でもある。加えて、説明されている障害ロケータ方法は、区間の両端を横切る余分なリンクを有する単一線路及び平行線の区間に適していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、前述された問題の1つまたは複数を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これは、請求項1により特徴付けられる方法によって取得される。本発明の特定の特徴は従属請求項により特徴付けられる。
【0006】
本発明の1つの態様においては、一端障害ロケータアルゴリズムの新しい公式化を備える方法が提案された。障害ループと障害の汎用化されたモデルだけではなく対称的な成分に関しての送電網の一貫した説明が適用されてきた。結果として生じる優位点は、典型的な単一送電線及び平行送電線において障害の位置を見つけるために使用できるアルゴリズムを含み、加えて障害位置選定は、線路端部間の余分なリンクを用いて単一線路と平行線の両方について実行されてもよい。別の優位点は、障害までの距離の計算のための手順が送電網についての障害の種別、取得された測定値、およびインピーダンスデータに応じた係数を備えるコンパクトな二次方程式の形を取るという点である。本発明の別の優位点は、障害経路全体での電圧低下の最適推定が適用され、単一の位相対接地障害および位相間の障害のケースでは障害以前の電流が必要とされなくなったという結果を有するという点である。
【0007】
一実施形態では、分流器静電容量の補償が、対称成分の注釈を使用することによって促進される。線路の分散された長い線路モデルがそのために適用されてきた。補償はすべてのシーケンスについて個別に実行される。特定のシーケンスのための電流は分流器電流に対して補償され、次に障害ループ補償電流が構成される。別の実施形態においては、代表的な値を使用する代わりに、リモートエンドでソースインピーダンスを測定するというオプションによって精度の改善が得られてきた。リモートエンドで測定されるソースインピーダンスは、単純な通信手段を使用することにより障害ロケータに送信されると見なされてよい。
【0008】
別の実施形態においては、単一の位相対接地障害の位置を見つけるための平行線についての一端障害位置選定のための方法が複数の条件下で説明されている。別の追加の実施形態においては、単一の位相対接地障害と位相対位相対接地障害の両方を含む接地事故のための測定された信号の標準可用性のある一端障害位置選定のための方法が説明されている。
【0009】
本発明の別の態様においては、本発明の方法を実行するための障害ロケータデバイスは、請求項18によって特徴付けられている。本発明の障害ロケータデバイスの特定の特徴は従属請求項により特徴付けられる。
【0010】
本発明の別の態様においては、本発明による方法を実行するためのコンピュータプログラムが説明されている。本発明の別の態様においては、本発明の方法を実行するためのコンピュータプログラムを備えるコンピュータプログラム製品が説明されている。本発明の別の追加の態様においては、電力線の一方の端部から障害までの距離を表示するためのグラフィックユーザインタフェースが説明されている。
【0011】
本発明の方法及びシステムのさらに完全な理解は、添付図面に関連して解釈されるときに以下の詳細な説明を参照することにより有されてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、平行線に、及び単一線路の送電システムまたは配電系統に適用される一端障害位置選定のための概略図を提示している。障害ロケータ1は、単一線路AA−BA、3あるいは平行線AA−BA、AB−BB、4の一方の端部2に配置されている。障害Fは、Rとして示されている対応する障害抵抗5とともにFに図示されている。障害ロケータ1によって求められ、提供される、一方の端部2から障害までの距離dの値は参照番号7で示されている。平行線AB−BBなどの構成要素及び点線で示されている平行線値ゼロシーケンス電流IAB0などの量は、単一線路のケースを考慮するときには排除される。
【0013】
第1の端部2、つまり「A」端部に配置されている障害ロケータ1には以下の入力信号が与えられる。
【0014】
−障害のある(faulted)線路の三相電圧(AA
−障害のある線路の三相電圧(AA
−正常な平行線からのゼロシーケンス電流(AB0)(単一線路だけが考慮されるときには、ゼロシーケンスは存在しない)
図2a、図2b、及び図2cは正の2a成分、負の2b成分、及びゼロシーケンス2c成分のための平行送電網の回路図を示している。シーケンス成分21a、21b、21cのための障害ループは端末AAに設置される障害ロケータのケースについて示されている。端末A、Bの間の余分なリンク25が図示されている。さまざまな障害種別について考慮される障害ループの汎用化されたモデルは以下のように述べられ、
【数21】

【0015】
ここで、
d−障害までの未知の求められた距離
1LA−障害のある線路の正のシーケンスインピーダンス
AA_pAA_p−障害種別に従って構成される障害ループ電圧及び電流
−障害抵抗
Fi−総障害電流のシーケンス成分(i=0、i=1、i=2)
Fi−重み係数(表2)
障害ループ電圧及び電流は、測定された電圧/電流の対称的な成分に関して表すことができ、
【数22】

【0016】
ここで、
AA、AB−それぞれ障害のある線路(AA)から、及び正常な線路(AB)から獲得される測定値を示すために使用される添字
−表1に集められる係数(表は実施形態の説明の最後に以下に配列され、これらの係数の導出がやはり添付される付録A1に示されている)
0LA0m−障害のある線路のインピーダンス及びそれぞれゼロシーケンスのための線路の間の相互結合
0m−平行線の場合
0m=0−単一線路の場合
電流の対称的な成分のフェーザ、正:AA1、負:AA2、障害のある線路からのゼロシーケンス:AA0、及び正常な線路からのゼロシーケンスAB0だけではなく、電圧の対称的な成分のフェーザ、正:AA1、負:AA2、及びゼロシーケンス:AA0も、概略ブロック図、図3aと図3bの中に概略して表示されるように獲得された測定値から計算される。
【0017】
図3aは、瞬間位相電圧30a、フィルタリング段33a、位相電圧のフェーザ31a、対称的な成分33bのフェーザおよび32aで出力される電圧の対称的な成分のフェーザの計算を示している。図3aから、獲得された位相電圧測定値がフィルタを受け、次に計算が行われ、障害ループ電圧の対称的な成分を見つけ出すことが分かってよい。図3bは、相応して障害ループ電流の対称的な成分を見つけ出すために使用される段階を示している。図3bは、正常な線路30bからの瞬間位相電流と瞬間ゼロシーケンス電流、フィルタリング33b、フェーザ電流のフェーザと正常な線路31bからのゼロシーケンス電流のフェーザ、32bで出力される電流の対称的な成分の計算34bとフェーザを示している。
【0018】
障害ループ信号は、式(2)から(3)、及び典型的な手法(表1A、障害ループ電圧(AA_p)と[1から2]からの障害ロケータで使用された電流(AA_p)である表1に従って構成されてよい。
【0019】
障害経路抵抗全体での電圧低下、(1)の第3項は、電流分配率及び以下を生じさせる電流の局所的な測定値に関して表すことができる。
【数23】

【0020】
式(4)は、総障害電流と測定された電流の対称的な成分の間の以下の関係から得られた。
【数24】

【0021】
ここで、
F1F2F0−総障害電流の対称的な成分
F1F2F0−特定のシーケンス量のための障害電流分配率
ΔAA1AAAA1preAA2AA0−ステーションA(添字AA)にある線路Aで測定される電流の対称的な成分。正のシーケンスのケースでは、(障害後の電流から障害以前の電流を差し引いた)増分量が使用されることに注意する。
【0022】
方程式(1)の第3項に示されているように、障害経路全体での電圧の低下は総障害電流のシーケンス成分を使用して表される。重み係数F0F1F2は、相応して特定の障害種別のための境界状態を取ることによって求めることができる。表2、障害経路抵抗全体で電圧低下を求めるための重み係数の代替集合を参照すること。これらの係数の導出の例は付録A2に記載されている。
【0023】
重み係数を設定するためにいくぶん自由がある。線路のゼロシーケンスインピーダンスは信頼できないパラメータとして見なされることがあるため、ゼロシーケンス量を回避するために最初にこの自由を活用することが提案される。これは、表2に示されているようにF0=0を設定することによって達成できる。
【0024】
第2に、重み係数を確立する上での自由は、特定の量を使用するための優先順位を決定するために活用できる。おそらく量の両方の種別(表2、集合III)とも障害経路全体で電圧低下を求めるために使用できるだけではなく、負のシーケンス(表2、集合I)または正のシーケンス(表2、集合II)も選ぶことができる。
【0025】
集合Iが追加の使用のために勧められ、このようにして正のシーケンスを回避し、このようにして最多数の障害の場合の障害以前の正のシーケンス電流を回避する。特定の理由のために、障害以前の電流を記録できないあるいは登録できない場合もあるため、障害以前の正のシーケンス電流を回避することはきわめて望ましいが、発生する障害の1つまたは複数の症候によって品質が落とされる可能性がある。さらに、基本的に障害後の電流より低い障害以前の電流を記録する精度はそれほど高くない。これは、A/D変換器が低い範囲ではより低い精度で動作するためこのようになる。
【0026】
障害電流分配率は、送電網の構成、図4、図5及びインピーダンスパラメータに依存している。基本的には、正のシーケンスの、及び負のシーケンスのすべてのインピーダンスは互いに等しく、従って以下が得られる。
【数25】

【0027】
単一線路(図4)の場合の及び平行線(図5)の場合の障害電流分配率(6)の係数は表3、障害電流分配率を求めるための係数に集められている(係数の導出が付録A3に示されていることに注意する)。
【0028】
図4は、括弧内に示されるような正のシーケンス電流及び負のシーケンス電流について障害電流分配率を求めるための単一線路の回路図を示している。同様に、図5は、負のシーケンス電流が括弧内に示される正のシーケンス電流で障害電流分配率を求めるための平行線路の回路図を示している。
【0029】
図4では、1ABに等しい正のシーケンスのためのインピーダンスを有する端末A、Bの間の余分なリンク45が存在している(1AB≠∞)または存在していない(IAB→∞)として見なすことができる。図5では、1ABに等しい正のシーケンスのためのインピーダンスを有する端末A、Bの間の余分なリンク55が存在している
【数26】

【0030】
または存在していない
【数27】

【0031】
として見なすことができる。
【0032】
(4)に(6)を代入し、(表2に示すように)F0=0を調整すると、以下のようになる。
【数28】

【0033】
(7)の両側を
【数29】

【0034】
で加算し、なんらかの再配列の後、2つの未知数、d−[p.u.]A、Rからの求められた傷害故障−障害抵抗のある二次方程式の解の方式が得られる。
【数30】

【0035】
ここでは
【数31】

【0036】
式(8)をさらにコンパクトな形式で書くと、以下となり、
【数32】

【0037】
【数33】

【0038】
【数34】

【0039】
−表3に集められる係数。
【0040】
式(8a)は、以下のように実数部と虚数部について別々に作成できる。
【数35】

【0041】
障害抵抗が排除される[すなわち、方程式(8b)がA00_Imで乗算され、方程式(8c)がA00_Reで乗算され、次にそれらを減算する]ように(8b)と(8c)を結合すると、求められた障害距離の二次方程式の解の公式が生じ、
【数36】

【0042】
ここで、
【数37】

【0043】
方程式(9)は、障害までの距離について以下の2つのルート(d、d)を有する。
【数38】

【0044】
条件(0≦d≦1)を満たすルートが障害までの距離の解として選択される。
【0045】
本発明の別の実施形態においては、障害位置選定の方法は、リモートエンドにあるソースインピーダンスの代表的な値の代わりに、障害ロケータ1から遠く離れた第2の端部にあるソースインピーダンスの測定値を使用し、通信手段を使用してその測定値を局所的な端部に伝達することにより実行される。(9)からの係数は、送電線のための局所的な測定値とインピーダンスデータ、線路端末と線路端末にある同等なシステムの間の余分なリンクを用いて求められる。局所的な変電所にある同等なシステムのインピーダンス(1SA)は、局所的な測定値を用いてオンラインで追跡できる。対照的に、リモートシステムインピーダンス(1SB)はAから局所的に測定可能ではない。したがって、このインピーダンスの「代表的な」値は、アルゴリズム[1−2]のために提供されてよい。
【0046】
単一線路のための代替の解決策は、システムAに近い第1の端部2にある障害ロケータ1、及びRDとして示されているシステムBに近いリモートエンドに位置する別の装置10を示す図6に図示されている。通信信号9は、リモートエンドにある該10から局所的な端部にある障害ロケータ1に送信されると示されている。
【0047】
リモートソースインピーダンス(1SB)は、別の障害ロケータまたは遠隔変電所のデジタル中継器またはデジタル障害レコーダなどの任意の適切な装置であってよい遠隔装置RD、10によって測定され、測定値9は通信チャネル60を介して送信される。線路端末にある測定値の同期は必要とされない。ソースインピーダンスは、付加的な正の電圧(ΔVB1)と付加的な正のシーケンス電流(ΔIB1)の間の既知の関係から計算される[3−4]。
【数39】

【0048】
同様に、障害ロケータ1は局所的なソースインピーダンスを計算する。
【数40】

【0049】
本発明の別の好適な実施形態においては、線路の分流器静電容量のために補償が実行される。分流器静電容量影響の補償は集中型モデル(長手方向のR−Xパラメータだけが考慮に入れられる)または分散された長い送電線モデルを考慮に入れることによって達成できる。障害位置選定のより高い精度を提供するような分散された長い線路モデル[5]がここで検討された。
【0050】
単一線路の補償がさらに提示される。これは、障害ループ電流(3)を構成するとき、相互結合影響を反射する項は消える(0m=0)ことを意味する。さらに、単一の添字(AAの代わりにA)が使用される。
【0051】
送電線の分流器静電容量を補償することによる障害位置選定手順には以下の追加の入力データが必要になる。
【0052】
1L−正のシーケンスと負のシーケンスのための線路全体の分流器静電容量(正のシーケンスと負のシーケンスのための線路のパラメータは同一であるため、C2L=C1Lである)
0L−ゼロシーケンスのための線路全体の分流器静電容量
l−キロメートル長あたりの線路のインピーダンス/静電容量を表すために使用される総線路長(km)
障害のある線路のセグメント―汎用化された障害ループモデル(1)の中の第2の項全体での電圧低下を求める一方で、分流器静電容量の補償が導入されてよい。これには、特定のシーケンスの計算された電流の成分を補償することが必要となる。したがって、元の測定された電流、A1A2A0は、導入された補償の後の電流A1_compA2_compA0_compにより置換されなければならない。同時に、元の障害ループ電圧、つまりモデル(1)の第1の項は、障害までの距離の計算について解釈される。障害抵抗全体での電圧低下、(1)の第3項を求めることに関しては、障害の場所(点F)での線路静電容量の影響が無視できると想定され、それは標準的な慣行である。これは、その場所での容量性の分岐のインピーダンスが障害抵抗よりはるかに大きいため、正当化される。つまり、障害抵抗全体での電圧の低下は、分流器容量を考慮に入れずに決定される。
【0053】
障害までの距離計算するときには、続くインピーダンス(以下に定められる)が以下のように解釈される。
【数41】

【0054】
【数42】

【0055】
補償の手順は、収束が達成されるまで実行される(つまり、一選定推定値が過去の推定値と異ならないようになるまで反復される)反復計算を必要とする。しかしながら、実施された研究は、許容できる制度の結果が、例えば2回から3回の反復などの固定数の反復を使用して得られてよいことを明らかにした。ある特定(例えば、現在の反復)から障害までの計算された距離は、次の反復における分流器電流を求めるために活用される。次に、求められた分流器電流は、測定された電流から推論される。分流器影響(10)を考慮に入れずに計算される障害までの距離は、第1の反復のための開始値と解釈される。
【0056】
補償の第1の反復を実施する方法は、分流器静電容量の影響を考慮に入れることでそれぞれ正のシーケンス、負のシーケンス及びゼロシーケンスについて図7、図8、図9に図示されている。
【0057】
正のシーケンスについて第1の反復を実行した結果として(図7)、補償された電流、A1_comp_1が計算され、添字の最後の指数は第1の反復を示す。該計算は、測定された位相電流−図2から計算される計算された正のシーケンス電流A1から分流器電流を推論することに基づいている。
【数43】

【0058】
ここで、
−分流器静電容量の影響(10)を考慮に入れないで計算される障害までの距離
l−総線路長(km)
【数44】

【0059】
【数45】

【0060】
【数46】

【0061】
分流器静電容量の影響を考慮に入れずに、集中型線路モデルを考慮する点Aと点Fの間の障害のある線路セグメントの正のシーケンスインピーダンスは以下に等しいが、
【数47】

【0062】
ここで考慮された分散された長い線路モデルについて、以下であり
【数48】

【0063】
ここで、
【数49】

【0064】
このようにして、分散された長い線路モデル(long1L)を考慮に入れることによる線路の正のシーケンスインピーダンスは以下に等しい。
【数50】

【0065】
負のシーケンス(図8)について第1の反復を実行した結果として、補償された電流A2_comp1が計算され、添字の最後の指数は第1の反復を示す。これは、測定された位相電流−図2)から計算される計算済みの負のシーケンス電流A2から分流器電流を推論することに基づいており、
【数51】

【0066】
ここで、正のシーケンスの線路パラメータと負のシーケンスの線路パラメータは同一である(C2L=C1L2L1L)ことを考慮に入れ、
【数52】

【0067】
ゼロシーケンスについて第1の反復を実行した結果として(図9)、補償された電流A0_comp_1が計算され、添字の最後の指数は第1の反復を示す。この計算は、測定された位相電流(図2)から計算される、計算済みのゼロシーケンス電流A0から分流器電流を推論することに基づいており、
【数53】

【0068】
ここで、
【数54】

【0069】
【数55】

【0070】
【数56】

【0071】
である。
【0072】
点AとFの間にある障害のある線路セグメントのゼロシーケンスインピーダンスは、分流器静電容量の影響を考慮に入れずに、集中型線路モデルを考慮に入れずに以下に等しくなるが、
【数57】

【0073】
考慮されたここで分散された長い線路モデルについて、以下のとおりであり、
【数58】

【0074】
である。したがって、分散された長い線路モデル(long0L)を考慮に入れることによる線路のゼロシーケンスインピーダンスは以下に等しい。
【数59】

【0075】
補償(第1の反復)を導入した後に2つの未知数(dcomp_1[p.u.]−求められた障害距離、R−障害抵抗)を用いる二次方程式の複雑な解の公式(8)は、以下の形を取る。
【数60】

【0076】
【数61】

【0077】
【数62】

【0078】
【数63】

【0079】
(21)をよりコンパクトな形式で書くと、以下のとおりになる。
【数64】

【0080】
【数65】

【0081】
【数66】

【0082】
−表3に集められる係数
式(21a)は、実数部と虚数部に別々に作成できる。
【数67】

【0083】
障害抵抗が排除されるように、つまり等式(21b)がAcomp_100_Imにより乗算され、等式(21c)がAcomp_100_Reにより乗算されるように(21b)と(21c)を結合してから、それらを差し引くと、求められている障害距離の二次方程式の解の公式が生じる。
【数68】

【0084】
等式(22)は障害までの距離の2つのルート[(dcomp_1、(dcomp_1]を有する。
【数69】

【0085】
d(補償されていない)の過去に選択されたルート(10)に一致するルートは有効な結果と解釈される。補償手段は、収束が達成されるまで(つまり、位置選定推定値が過去の推定値から変化しなくなるまで)あるいは2回から3回の反復などの固定数の反復と同様に実行される反復計算を必要とする。特定の(例えば、現在の反復)から障害までの計算された距離は次の反復における分流器電流を決定するために活用される。
【0086】
本発明の方法は、FLアルゴリズム、図10の単一線路と図11の平行線の、2つのフローチャートに描かれている。
【0087】
図10のフローチャートに示されているように、以下の測定値が活用される。
【0088】
−特定の位相a、b、cから側面Aからの電圧:A_aA_bA_c
−特定の位相a、b、cから側面Aからの電流:A_aA_bA_c
ステップ101で活用される入力データ、入力データ及び測定値は以下のとおりである。
【0089】
−正の(1L)シーケンスとゼロ(0L)シーケンスのための線路のインピーダンス
−正の(負の)シーケンス(1AB)のための変電所A、Bの間の余分なリンク25、45、55のインピーダンス
−正の(負の)シーケンス(1SA1SB)のためのソースインピーダンス:代表的な値または測定された値が使用され、通信手段は前述されたように測定されたリモートソースインピーダンスを送信するために使用される
−(保護中継器からの)障害種別に関する情報
測定された障害量(電圧と電流)は、電流からのdc成分及びコンデンサ型変圧器(CVT)により誘発される過渡事象を拒絶することを目的としたステップ104、位相量の適応フィルタリングで適応フィルタリングを受ける。
【0090】
次のステップでは、電圧と電流の対称的な成分が計算され、ステップ105、図3aと図3bに図示されるようなステップに同等である。障害ループ信号が構成される。つまり、(3)でのような障害ループである一方(2)においてのような障害ループ電圧であるが、0m=0と解釈する。
【0091】
分流器静電容量の影響(d)を考慮に入れない障害までの距離は、二次方程式の解の公式(9)を解くことによりステップ106で計算される。(9)の解は(10)に提示される。
【0092】
106に続き分留器容量の影響dを考慮に入れないで得られる結果は、分流器静電容量の補償を実行するための開始値と解釈される。分散された長い線路モデルが補償のために適用される。
【0093】
以下の追加データは、ステップ107において分流器静電容量の補償を計算するために必要とされる。
【0094】
−線路(C1L)の正のシーケンス静電容量
−線路(C0L)のゼロシーケンス静電容量
−キロメートル長あたりの線路インピーダンス/静電容量をあらわすために使用される線路長(1)
補償の第1の反復は、(23)で解かれる二次方程式(22)の解の公式につながる。次の反復は同じように実行される。反復計算は、収束が達成されるまで、あるいは固定数の反復、つまり2回から3回の反復が行われてよいまで実行される。特定の(例えば、現在の反復)から障害までの計算された距離は次の反復で分流器静電容量を求めるために活用される。反復計算を完了した後に、障害dcompまでの距離が得られる。
【0095】
平行線について図11のフローチャートに図示されるように、以下の測定値が活用される。
【0096】
−特定の位相a、b、cからの側面A及び線路LAからの電圧:vAA_a、vAA_b、vAA_c
−特定の位相a、b、cからの側面A及び線路LAからの電流:iAA_a、iAA_b、iAA_c
−正常な平行線LBからのゼロシーケンス電流
ステップ111で活用される入力データ、入力データ、及び測定値は以下のとおりである。
【0097】
−正の(1LA)シーケンスとゼロ(0LA)シーケンスのための障害のある線路のインピーダンス
−正の(負の)シーケンス(1LB)のための正常な線路のインピーダンス
−正の(負の)シーケンスのための変電所A、B間の余分なリンクのインピーダンス
1AB
−相互結合(0m)のためのゼロシーケンスインピーダンス
−正の(府の)シーケンスのためのソースインピーダンスの代表的な値
1SA1SB
−障害種別に関する情報は、保護中継器から取得される。
【0098】
測定された障害量、つまり電圧と電流は、電流からのdc成分及びコンデンサ型変圧器(CVT)により誘発される過渡電流を拒絶する目的でステップ114で適応フィルタリングを受ける。
【0099】
次のステップ115では、電圧と電流の対称的な成分は図3a、図3bに図示されるように計算される。障害ループ信号が構成される。つまり、(3)でのような障害ループである一方(2)においてのような障害ループ電圧であるが、0mと解釈する。
【0100】
分流器静電容量の影響(d)を考慮に入れない障害までの距離は、二次方程式の解の公式(9)を解くことによってステップ116で計算される。(9)の解は(10)に提示される。
【0101】
分流器静電容量の影響(d)を考慮に入れないで取得される結果は分流器静電容量の保証を実行するための開始値として扱われる。分散された長い線路モデルが補償のために適用される。
【0102】
障害のある線路について以下の追加データが分流器静電容量ステップ117の補償のために必要とされる。
【0103】
−線路(C1L)の正のシーケンス静電容量
−線路(C0L)のゼロシーケンス静電容量
−キロメートル長あたりの線路インピーダンス/静電容量を表すために使用される線路長(1)
単一線路のケースでは、補償が同じように実行される。反復計算は、収束が達成されるまで、あるいは2回から3回の反復などの固定数の反復を使用することにより実行される。本反復などの特定の反復から障害までの計算された距離は、次の反復の分流器電流を求めるために活用される。反復計算を完了した後、障害dcompまでの距離が取得される。
【0104】
図18は、説明される本発明の方法に従って電力線上の障害Fまで、送電線または配電線A−Bの区間の端部Aとして示される一端からの距離を決定するための装置の実施形態を示す。障害ロケータデバイス1は、電流測定手段14などの一方の端部Aに位置する測定装置から測定値を、電圧測定手段11から電圧測定値を受信する。障害ロケータデバイスは測定値変換器、方法の計算アルゴリズムの処理のための部材、障害までの計算された距離のための表示手段、及び計算された障害のプリントアウトのためのプリンタあるいはファクシミリ機または類似物への接続を備えてよい。デバイスの好適な実施形態においては、障害ロケータは、線路及び/または障害ロケータの場所から遠く離れている可能性がある端末上の障害までの距離dまたはdcompなどの本発明の方法により提供される情報の表示を提供するためのコンピュータプログラム手段を備える。好ましくは、コンピュータプログラム手段は、障害ロケータから情報を受信し、オペレータやエンジニアが表示されている障害までの計算された距離の値を見ることができるようにコンピュータのディスプレイに情報を提供するためにそれを使用可能とする。値は、障害が発生した線路またはネットワークの概略表示を基準にして表示されてよい。
【0105】
表示されている実施形態においては、すべての位相電流の連続測定のための測定装置14、及び電圧の測定のための測定装置11は、一方の端部、ステーションAに配置される。要すれば、15、13などの測定装置もステーションBに配置されてよいが、それらは本発明を実施するために必要ではない。障害のある線路の三相電圧(AA)、障害のある線路の三相電圧(AA)と正常な平行線からのゼロシーケンス電流(AB0)(単一線路だけが考えられるときにはゼロシーケンスが存在しないことに注意する)、及びaのようなBでのソースインピーダンス、1sBを表す値などの測定値は、図3a、図3bに関して説明されるなどフィルタリングされ、メモリ手段に記憶されるすべて障害ロケータ1に含まれる計算装置に渡される。計算装置は説明され、障害までの距離を計算するために必要とされるプロセスのためのプログラミングされる計算アルゴリズムを備える。要すれば、リモートエンド1sBのためのソースインピーダンスは、遠隔装置RD、10により測定されてよく、情報はAにある障害ロケータまで高速通信手段60を介して送信される。いくつかのアプリケーションでは、Aに記憶されている代表値の代わりにBから送信される測定値を使用することが好ましいであろう。図18では、リモートエンドBにある電流測定手段15と電圧測定手段13がRD10、障害ロケータ、または任意の適切な装置にリモートソースインピーダンスを計算するための測定値を与えてよいことが分かる。
【0106】
障害ロケータ1の計算装置は、障害前の位相電流と、線路の分流器静電容量とインピーダンスなどの既知の値も与えられる。障害の発生に関する限り、障害の型、位相対位相、位相対接地等に関する情報が障害ロケータの計算装置に供給されてよい。計算装置が障害までの距離を決定すると、それは装置に表示される、及び/または遠隔に位置している可能性がある表示手段に送信される。結果のプリントアウトまたはファックスも提供されてよい。障害距離を信号で知らせることに加えて、装置は、両方の線路の電流の値、電圧、障害の種別、及びある距離が置かれた特定の障害に関連する他の測定された、及び/または計算された情報の測定値が記録されるレポートを作成できる。
【0107】
本発明の任意の実施形態による方法及び障害ロケータデバイスは、送電線の区間での障害までの距離を決定するために使用されてよい。本発明は、送電線、あるいは電力の発生、送信、分配、制御または消費のどれかのために装置される他の線路またはバスの区間での障害までの距離を決定するために使用されてもよい。
【0108】
障害ロケータデバイス及びシステムは、信号をフィルタリングするためのフィルタ、信号をサンプリングするための変換器、及び1台以上のマイクロコンピュータを備えてよい。マイクロプロセッサ(またはプロセッサ)は、本発明による方法のステップを実行する中央演算処理装置CPUを備える。これは、プログラムメモリに記憶されているコンピュータプログラムを活用して実行される。該コンピュータプログラムが、特に適応されたコンピュータの代わりに1台以上の汎用産業用コンピュータまたはマイクロプロセッサ上で実行されてもよいことが理解されなければならない。
【0109】
コンピュータプログラムは、前述された等式、アルゴリズム、データ及び計算を使用してコンピュータに方法を実行させるコンピュータプログラムコード要素またはソフトウェアコード部分を備える。プログラムの一部は前述のようにプロセッサに記憶されてよいが、ROM、RAM、PROM、EPROMチップまたは同等物に記憶されてもよい。プログラムは部分的または全体的に磁気ディスク、CD−ROM、またはDVDディスク、ハードディスク、光磁気メモリ記憶手段などの他のコンピュータ読み取り可能媒体の上、または中に、揮発性メモリの中に、フラッシュメモリの中に、ファームウェアとして記憶されてもよいか、あるいはデータサーバ上に記憶されてもよい。
【0110】
本発明によるコンピュータプログラムはコンピュータ読み取り可能であるさまざまな媒体上に少なくとも部分的に記憶されてよい。アーカイブコピーは、標準磁気ディスク、ハードドライブ、CDディスクまたはDVDディスク、または磁気テープに記憶されてよい。データベースとライブラリは、好ましくは1台以上のローカルデータサーバまたはリモートデータサーバに記憶されるが、コンピュータプログラム及び/またはコンピュータプログラム製品は、例えばさまざまなときにコンピュータまたはプロセッサの揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードドライブ、光ドライブまたは光磁気ドライブのどれかに、あるいはROM、PROMまたはEPROMデバイスなどの不揮発性メモリの種別に記憶されてよい。コンピュータプログラムは、おおよそ同時に複数の異なるコンピュータまたはコンピュータシステムで実行することができる分散アプリケーションとして部分的に配列されてもよい。
【0111】
別の好適な実施形態においては、障害ロケータは、正常な平行線から測定値が利用できないケースに単一の位相対接地障害(a−g、b−g、c−g障害)の位置を見つけるために平行線とともに使用されてよい。以下の正常な線路動作の2つのモードが考慮に入れられる。
【0112】
−運転中の正常な線路
−オフに切り替えられ、両方の端部で接地されている正常な線路
図19は、正常な平行線からの測定値が使用できない状態で平行線の障害の位置を見つけるためのアルゴリズムのフローチャートを示している。使用できない、ここでは正常な線路ゼロシーケンス電流が単一の位相対接地障害(a−g、b−g、c−g障害)での相互結合の影響を反映するために必要とされる。したがって、使用できない電流が推定される。他の障害は(参考資料[1]のアルゴリズムなどの)標準的な障害位置選定アルゴリズムを用いて位置を見つけることができる。
【0113】
提示されている一方の端部の障害位置選定アルゴリズムのための計算のシーケンスは以下のとおりである。
【0114】
図19のフローチャートに示されているように、以下の測定値が活用される。
【0115】
−特定の位相からの側面Aと線路LA(障害がある)からの電圧:vAA_a、vAA_b、vAA_c
−特定の位相からの側面A及び線路LA(障害がある)からの電流:IAA_a、IAA_b、IAA_c
活用される入力データは以下のとおりである。
【0116】
−正の(1LA)シーケンスとゼロ(0LA)シーケンスのための障害のある線路のインピーダンス
−ゼロシーケンス(0LB)のための正常な線路のインピーダンス
−相互結合(0m)のためのゼロシーケンスインピーダンス
−(保護中継器からの)障害種別に関する情報
−正常な線路動作のモード:動作中またはオフに切り替えられ、両端で接地されている
測定された障害量(電圧と電流)は、電流からのdc成分及びコンデンサ型変圧器(CVT)により誘発される過渡現象を拒絶する目的の適応フィルタリングを受ける。
【0117】
以下の方程式は、本平行線実施形態の方法で使用される。ロケータ設置点から見られるように障害ループについてのキルヒホッフの電圧法則を考慮することにより障害までの距離(d[pu])を推定するために前述されたアルゴリズム(1)に加えて、
【数70】

【0118】
障害ループ電圧(AA_p)と電流(AA_p)は、対称的な量
【数71】

【0119】
は、相互結合影響を補償しない障害ループ電流であり(つまり、単一線路に関して構成される―添字SL)、
−表1に集められる複素係数(付録A1でのような導出)であり、
AA1AA2AA0−測定された電圧の正のシーケンス、負のシーケンス及びゼロシーケンスであり、
AA1AA2AA0−障害のある線路LAからの正のシーケンス電流、負のシーケンス電流及びゼロシーケンス電流であり、
AB0−(推定される)正常な平行線LBからの使用できないゼロシーケンス電流であり、
1LA0LA−正のシーケンスインピーダンスとゼロシーケンスインピーダンス?線路全体LA
0m−線路LAとLBの間の相互結合のためのゼロシーケンスインピーダンス
−未知の障害抵抗である。
【0120】
次のステップでは、電圧と電流の対称的な成分は、図3a、図3bに図示されるように計算される。障害ループ信号が構成される。つまり、(25)でのような障害ループ電流である一方(2)においてのような障害ループ電圧である。式(2)から(25)は、測定された信号の対称的な成分に関して表される障害ループ信号を提示している。しかしながら、障害ループ信号を構成するための典型的な方法を使用することは可能である。
【0121】
提示されている方法は、単一の位相対接地障害(a−g、b−g、c−g障害)をカバーする。他の残りの障害は前述されたような障害位置選定アルゴリズム、または標準的な障害位置選定アルゴリズム[1]を用いて位置を見つけられなければならない。ここで考慮されている単一の位相対接地障害のための障害(d)までの距離は、障害までの求められている距離(25)の二次方程式の解の公式を解くことにより計算される。方程式(26)は、B、B、Bの値が(10)で求められる値に対して異なっているという点を除き方程式(10)と同じである。解は以下の2つのルートを与える。
【数72】

【0122】
(前述されたように、条件(0≦d≦1)を満たすルートが障害までの距離の解として選択される)。以下を(26)に代入しなければならない。
【数73】

【0123】
ここで、
【数74】

【0124】
係数F1F2の推奨される集合は表4から採取され、係数F1F2の推奨される集合は表5から採取される。
【0125】
この実施形態での障害ループ電圧は以下の表から見つけられる。
【表1】

【0126】
単一線路に関して構成される障害ループ電流SLAA_Pは、以下の表から見つけられる。
【表2】

【0127】
正常な平行線動作のモードに依存する複素係数:
a)正常な線路LBは動作中である。
【数75】

【0128】
b)正常な線路LBはオフにされ、接地されている。
【数76】

【0129】
ここに提示されている別の実施形態においては、方法は測定された信号の規格入手不能のために適用され、
−単一位相対接地障害
−位相対位相対接地障害
の両方を含む接地障害についてのみ有効である。
【0130】
障害ロケータ入力信号の規格が入手不能な状態でこれらの障害について取得される生涯位置選定の手順はきわめて簡略且つコンパクトである。障害までの距離は一次式で計算される。
【0131】
図22は、平行送電線で接地障害の位置を見つけるために作成されたアルゴリズムのフローチャートを示す。提示されている一端障害ロケータのための計算のシーケンスは以下のとおりである。図22のフローチャートに示されているように、以下の測定値が活用される。
【0132】
−特定の位相a、b、cからの側面A及び線路LAからの電圧:vAA_a、vAA_b、vAA_c
−特定の位相a、b、cからの側面A及び線路LAからの電流:iAA_a、iAA_b、iAA_c
−正常な平行線LBからのゼロシーケンス電流:iAB0
活用される入力データは以下のとおりである。
【0133】
−正の(1LA)シーケンスとゼロ(0LA)シーケンスのための障害のある線路のインピーダンス
−ゼロシーケンス(0LB)のための正常な線路のインピーダンス
−相互結合(0m)のためのゼロシーケンスインピーダンス
−保護中継器からの障害型に関する情報
測定された障害量(電圧と電流)は、好ましくは図3a、図3bに関して説明され、図示されるように、電流からのdc成分及びコンデンサ型変圧器(CVT)により誘発される過渡現象を拒絶することを目的とした適応フィルタリングを受ける。
【0134】
本実施形態のアルゴリズムを引き出すために使用される障害ループの汎用化されたモデルは以下のとおりに述べられ、
【数77】

【0135】
ここで、
d−未知の、求められた障害までの距離、
1LA−障害のある線路の正のシーケンスインピーダンス
AA_pAA_p−障害型に従った障害ループ電圧及び電流
−障害抵抗
Fi−総障害電流のシーケンス成分(i=0−ゼロシーケンス、i=1正のシーケンス、i=2−負のシーケンス)
Fi−重み係数(表2)
障害ループ電圧と電流は、典型的な距離保護技法においてのように、あるいは本書においてのように表1に集められる係数()を使用することで表現できる(係数の導出は付録APP1に記載されている)。
【数78】

【0136】
ここで、
AA、AB−障害のある線路(AA)から、及び正常な線路(AB)からそれぞれ獲得される測定値を示すために使用される添字
0LA0m−障害のある線路のインピーダンス、及びそれぞれゼロシーケンスのための線路の間の相互結合
次のステップでは、電圧と電流の対称的な成分が図3a、図3bに図示されるように計算される。障害ループ信号が構成される。(3)でのような障害ループである一方(2)においてのような障害ループ電圧である。式(2)から(3)は、測定された信号の対称的な成分に関して表される障害ループ信号を提示する。しかしながら、付録A1に図示されるように、代わりに障害ループ信号を構成するための典型的な方法を使用することが可能である。
【0137】
提示された方法は、単一の位相対接地障害(a−b、b−g、c−g障害)及び位相対位相対接地障害(a−b−g、b−c−g、c−a−g障害)、したがって最高の障害抵抗がよそうできる障害をカバーする。他の残りの障害は、前述された障害位置選定アルゴリズムあるいは参考資料[1]の障害ロケータなどの標準的な障害位置選定アルゴリズムを用いて位置を見つけられなければならない。
【0138】
単一の位相対接地障害の場合の障害までの距離(d)は以下のとおりに計算される。
【0139】
a−g障害:
【数79】

【0140】
ここで、
【表3】

【0141】
【数80】

【0142】
b−g障害:
【数81】

【0143】
ここで、
【表4】

【0144】
【数82】

【0145】
c−g障害:
【数83】

【0146】
ここで、
【表5】

【0147】
【数84】

【0148】
位相対位相対接地障害の場合の障害までの距離(d)は、障害以前の電流が使用できるのか、あるいは回避されなければならないのかに応じて2つの異なった方法で計算できる。
【0149】
1.障害以前の測定値を使用する障害までの距離の計算のための手順
a−b−g障害:
【数85】

【0150】
【表6】

【0151】
【数86】

【0152】
【数87】

【0153】
【表7】

【0154】
【数88】

【0155】
【表8】

【0156】
【数89】

【0157】
2.障害以前の測定値を使用しない障害までの距離の計算のための手順
a−b−g障害:
【数90】

【0158】
前記が本発明の例証する実施形態を説明する一方、添付請求項に定められるように本発明の範囲から逸脱することなく開示される解決策に対してなされてよい複数の変形と変型があることも注意される。
【0159】

表1.(2)と(3)に定められるように対称的な成分に関して障害ループ電圧(AA_p)と電流(AA_p)を決定するための係数。
【表9】

【0160】
表1A.典型的な手法を使用することで表される障害ループ電圧(AA_p)と電流(AA_p
【表10】

【0161】
表2.障害経路抵抗全体で電圧低下を決定するための重み係数の代替集合
【表11】

【0162】
表3.障害電流分配率(6)を求めるための係数
【表12】

【0163】
【表13】

【0164】
表4.(26)に関して係数F1F2の推奨される集合
【表14】

【0165】
表5.(26)に関して係数F1F2F0の推奨される集合
【表15】

【0166】
(参考資料)
[1]1985年2月、IEEE PASに関する会報、第PAS−104巻、第2号、Eriksson L.、Saha M.M.、Rockfeller G.D.:リモートエンドインフィードから生じる障害抵抗における明白なリアクタンスの補償を用いる正確な障害ロケータ(An accurate fault locator with compensation for apparent reactance in the fault resistance resulting from remote−end infeed)
[2]1985年12月17日の日付、米国特許、特許番号第4,559,591号、Saha M.M.:三相送電線で障害点の位置を見つけるための方法及び装置(Method and device for locating a fault point on a three−phase power transmission line)
[3]ストックホルム電力技術会議の会議録(Proceedings of the Stockholm Power Tech Conference)、スウェーデン、ストックホルム、1995年、540から545ページ、McLAREN、P.G.、SWIFT G.W.、ZHANG Z.、DIRKS E.、JAYASINGHLE R.P.、FERNANDO I.、数値距離リレーのための新しい正のシーケンス指向要素(A new positive sequence directional element for numerical distance relays)、
[4]電力装置及びシステムの保護方式の現代の傾向に関する国際会議の会議録(Proceedings of the International Conference on Modern Trends in the Protection Schemes of Electric Power Apparatus and Systems)、インド、ニューデリー、1998年10月28日から30日、V−50−61ページ、SAHAM.M.、IZYKOWSKI J.、KASZTENNY B.、ROSOLOWSKI E.、PALKI B.S.、直列補償線路の保護のための中継アルゴリズム(Relaying algorithms for protection of series−compensated lines)
[5]IEEE電力送達に関する報告書(Transactions on Power Delivery)、第11巻、第1号、1996年1月、130から138ページ、NOVOSEL D.、HART D.G.、UDREN E.、GARITTY J.、非同期2端末障害位置選定推定(Unsynchronized two−terminal fault location estimation)

付録
A1.係数の導出(表1)

単一位相対接地障害:a−g障害
【数91】

【0167】
【数92】

【0168】
相間障害:a−b、a−b−g、a−b−c、a−b−c−g障害
【数93】

【0169】
A2.係数F1F2F0の導出(表2)
表2には、障害経路全体で電圧低下を決定するために使用される重み係数の3つの代替集合(集合I、集合II、集合III)が記載される。係数は、ある特定の障害の種類に関連した境界状態から計算される。これは、すべての集合で、ゼロシーケンスが省略される(F0=0)という点で独特である。線路のゼロシーケンスインピーダンスは不確かなパラメータと見なされるため、これは有利である。F0=0を設定することにより、私たちは、ゼロシーケンスインピーダンスデータに関する不確実性の障害位置選定制度に対する悪影響を制限する。正確であるためには、この制限が、それが障害経路全体での電圧低下を決定することだけに関連しているため、言うまでもなく部分的でであることに注意する必要がある。対照的に、障害のある線路セグメント全体で電圧低下を決定する一方で、線路のゼロシーケンスインピーダンスが使用される。
【0170】
a−g障害、図12:
正常な位相の中ではF_bF_c=0であることを考慮すると、
【数94】

【0171】
が示される。
【0172】
シーケンス成分が関連付けられる。F1F2F0、そして最後に
【数95】

【0173】
a−b障害、図13a、図13b:
障害電流はF_aとして、あるいは
【数96】

【0174】
として表すことができる。正常な位相では、F_c=0であり、障害のある位相の場合、
【数97】

【0175】
が示される。
【0176】
したがってF1F2の関係は以下のとおりである。
【数98】

【0177】
最後に、
【数99】

【0178】
または
【数100】

【0179】
【数101】

【0180】
(a−b−c)または(a−b−c−g)対称障害、図15a、図15b、図15c
障害経路全体で電圧低下を構成するために第1の2つの相(a、b)を採取すると、以下を得る。
【数102】

【0181】
さらに、障害が理想的には対称である場合、正のシーケンスは信号の中に存在する唯一の成分である。したがって、私たちは、
【数103】

【0182】
を有する。
【0183】
A3.正の(負の)シーケンスのための障害電流分配率の複素係数の導出(表3)
a)変電所間の余分なリンク45のある単一線路のケース(図4)
正のシーケンスのための障害電流分配率を求めてみよう(負のシーケンスのための障害電流分配率は同じである)。付加的な正のシーケンスのための電流の流れが示される図4の同等な回路が図16に提示されている。
【0184】
障害のある線路の局所的なセグメント、障害のある線路の遠隔セグメント、及び変電所間の余分なリンクを含む閉じられたメッシュを考えると、以下を書き出すことができる。
【数104】

【0185】
前記方程式から、変電所間の余分なリンクの未知の電流は、以下のとおりに求めることができる。
【数105】

【0186】
ソースインピーダンス(1SA1SB)及び余分なリンク1ABを考慮すると、以下を書き出すことができる。
【数106】

【0187】
過去に求められた余分なリンクの未知の電流を前記方程式に代入すると、以下
【数107】

【0188】
変電所(1AB→∝)の間に余分なリンクがない場合には、ソースインピーダンス(1SA1SB)及び障害のある線路[d1L及び(1−d)1L]の両方のセグメントを含む閉じられたメッシュを考慮しなければならない。このメッシュの場合、以下を書くことができる。
【数108】

【0189】
再配列の後、以下が得られ、
【数109】

【0190】
ここで、表3(単一線路、1AB→∝)のように、私たちは
【数110】

【0191】
を有する。
【0192】
b)変電所の間に余分なリンクがある平行線のケース(図5)
正のシーケンスのための障害電流分配率を求めてみる(負のシーケンスのための障害電流分配率は同じである)。付加的な正のシーケンスのための電流の流れが示される図5の平行線の同等な回路が図17に提示されている。並列接続している正常な平行線(LB)及び余分なリンク55(AB)が、同等なインピーダンスを備える同等な分岐により置き換えられた。
【数111】

【0193】
(AA、F、BA、BB、AB)で示される閉じられたメッシュを考慮すると、以下を書くことができる。
【数112】

【0194】
前記方程式から、同等な分岐の未知の電流は以下として求めることができる。
【数113】

【0195】
ソースインピーダンス(1SA1SB)及び同等な分岐(1LB&AB)を含む閉じられたメッシュを考慮すると、以下を書き出すことができる。
【数114】

【0196】
過去に求められた正常な線路の未知の電流を前記方程式に代入すると、以下が得られ、
【数115】

【0197】
変電所(1AB)の間の余分なリンクが存在しない場合には、
【数116】

【0198】
を代入しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本発明の実施形態による平行線と単一線路のための送電システム及び/または配電系統における障害位置選定の方法を単一の概略図に示す。
【図2a】端末AAに設置されている障害ロケータのケースについて障害ループが記される正のシーケンス成分のための平行送電網のための概略回路図を示す。
【図2b】負のシーケンス成分のための対応する図を示す。
【図2c】ゼロシーケンス成分のための対応する図を示す。
【図3a】障害ループ電圧を構成するために使用される電圧及び電流の対称的な成分のフェーザを取得、計算するための概略ブロック図である。
【図3b】障害ループ電流を構成するための対応する図を示す。
【図4】単一線路の正のシーケンスのための障害電流分配率を求めるための回路図を示し、負のシーケンスのためのその図の量は括弧内に示されている。
【図5】平行線の正のシーケンスのための障害電流分配率を求めるための単一線路のための図4に対応する回路図を示し、負のシーケンスのためのその量も括弧内に示されている。
【図6】リモートエンドBで測定されるソースインピーダンスが第1の端部Aにある障害ロケータに伝達されてよい本発明の実施形態の概略図を示す。
【図7】分流器静電容量が考慮に入れられる実施形態の回路図であり、第1の反復の間の正のシーケンス回路図を示す。
【図8】第1の反復の間に分流器静電容量を考慮に入れるための負のシーケンス回路図を示す。
【図9】第1の反復の間に分流器静電容量を考慮に入れるためのゼロシーケンス回路図を示す。
【図10】本発明の実施形態による単一線路内で障害の位置を見つけるための方法のためのフローチャートを示す。
【図11】本発明の実施形態による平行線において障害の位置を見つけるための方法のためのフローチャートを示す。
【図12】付録A2の表2のための係数の導出に関する考えられる障害種別(位相対位相、位相対接地等)の概略図を示す。図12はaからgの障害種別を示す。
【図13a】付録A2の表2のための係数の導出に関する考えられる障害種別(位相対位相、位相対接地等)の概略図を示す。図13aは位相aからbの間の障害を示す。
【図13b】付録A2の表2のための係数の導出に関する考えられる障害種別(位相対位相、位相対接地等)の概略図を示す。図13bは位相aからbの間の障害を示す。
【図14】付録A2の表2のための係数の導出に関する考えられる障害種別(位相対位相、位相対接地等)の概略図を示す。図14はa−b−g障害を示す。
【図15a】付録A2の表2のための係数の導出に関する考えられる障害種別(位相対位相、位相対接地等)の概略図を示す。図15aは、対称的な障害a−b−cを示す。
【図15b】付録A2の表2のための係数の導出に関する考えられる障害種別(位相対位相、位相対接地等)の概略図を示す。図15bは、対称的な障害a−b−c−gを示す。
【図16】表3に含まれる正の(負の)シーケンスのための障害電流分布率の中の複雑な係数の導出のための概略図を示す。図16は変電所間の余分なリンクを用いる単一線路のケースを示す。
【図17】表3に含まれる正の(負の)シーケンスのための障害電流分布率の中の複雑な係数の導出のための概略図を示す。図17は変電所間の余分なリンクを用いる平行線のケースを示す。
【図18】本発明の一実施形態による障害ロケータデバイス及びシステムを示す。
【図19】本発明の一実施形態に従って、正常な線路からの測定値が入手できないケースの平行線において単一の位相対接地障害の位置を見つけるための方法のためのフローチャートを示す。
【図20】正常な並列動作のさまざまなモードを用いる平行線のための障害位置選定の方法のための概略図を示す。
【図21a】正のまたは負のシーケンスのための並列ネットワークのための概略同等回路図を示す。
【図21b】両方の平行線が動作中のゼロシーケンスのための同等な回路図を示す。
【図21c】正常な平行線がオフに切り替えられ、接地されている状態のゼロシーケンスのための同等な回路図を示す。
【図22】本発明の別の実施形態による正常な平行線からゼロシーケンス電流を提供するケースで、平行線内で位相対位相障害及び位相対接地障害の位置を見つけるための方法のフローチャートを示す。
【図23】本発明の別の実施形態による測定値の標準可用性を用いる平行線のための概略図障害位置選定を示す。
【図24a】正のシーケンス電流のための平行線の同等回路図を示す。
【図24b】負のシーケンス電流のための平行線の同等回路図を示す。
【図24c】ゼロシーケンス電流のための平行線の同等回路図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線(A−B)の区間の一方の端部から、前記区間の第1(A)の端部にある位相間の電流、電圧及び角度の測定によって障害の位置を見つけるための方法であって、前記第1の端部と前記電力線の第2の端部の間の障害状態の検出時に、
−前記第1の端部での前記電流と電圧の測定のために電流の対称的な成分を計算することと、
−前記第1の端部(2)から障害(F)までの距離(d)を計算し、該障害までの距離(d)が、形式
【数1】

を取る二次方程式を使用し、ここで
【数2】

を特徴とする方法。
【請求項2】
形式、
【数3】

ここで、
【数4】

の方程式を使用して障害までの距離(d)を計算することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
形式、
【数5】

ここで、
【数6】

【数7】

【数8】

=表3に集められた係数
の方程式を使用して障害までの距離(d)を計算することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
−代表値として前記第1の端部でのソースインピーダンスを決定することと、
−代表値として前記第2の端部でのソースインピーダンスの値を求めることと、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
【数9】

ここで、
1AB=余分なリンクの正のシーケンスのインピーダンス、
1LA=正常な線路の正のシーケンスインピーダンス、
に等しい正のシーケンスのためのインピーダンスを有するとして端末A、Bの間の余分なリンク(45、55)のインピーダンスの値を計算することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
−瞬間位相電圧(30a)を入力すること、
−フェーザを決定するために値をフィルタリングすること(33a)、及び
−電圧の対称的な成分のフェーザを計算すること(34a)、
によって前記第1の端部で測定される前記電流及び電圧のために電流の対称的な成分を計算することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
−正常な線路からの瞬間位相電流及び瞬間ゼロシーケンス電流を入力すること(30b)、
−フェーザを決定するために値をフィルタリングすること(33b)、及び
−電流の対称的な成分のフェーザを計算すること(34b)
によって前記第1の端部で測定される前記電流及び電圧のために電流の対称的な成分を計算することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
形式
【数10】

の方程式によって分留器静電容量の補償を決定することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
形式
【数11】

【数12】

−VA_p−元の(補償されていない)障害ループ電圧から計算される障害ループインピーダンス、
【数13】

−元の電流からそれぞれの容量性電流を推定した後に取得される正の(12)シーケンス電流、負の(16)シーケンス電流及びゼロ(17)シーケンス電流から構成される障害ループ電流、及び
=表3に集められる係数
の方程式によって分留器静電容量の補償を決定することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の端部Aでソースインピーダンス1SAを測定することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
−前記第2の端部Bでソースインピーダンス1SBを測定することと、
−前記第1の端部Aにある障害ロケータに対して、前記第2の端部Bにあるソースインピーダンス1SBの測定された値の通信を送信することと、
を特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
−平行電力線の区間の正常な線路からゼロシーケンス電流を決定することと、
−該平行線区間の障害までの距離を計算することと、
を特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
形式、
【数14】

の式による複素係数、及び
【数15】

によるによって動作中の正常な平行線からの測定値を使用せずに接地事故に対する単一相までの距離を決定することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
【数16】

による複素係数、及び
【数17】

によるによってオフに切り替えられ、接地された平行線からの測定値を使用せずに接地事故に対する単一相までの距離を決定することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
形式、
【数18】

の第一次式(27a、b、c)を使用して単一接地事故までの距離を決定することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
障害以前の測定値及び形式、
【数19】

の第一次式(28a、b、c)を使用して位相間接地事故までの距離を決定することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
障害以前の測定値を回避し、形式、
【数20】

の一次式(29a、b、c)を使用して位相間接地事故までの距離を決定することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
一方の第1の端部(A)での位相間の電流、電圧及び角度の測定値を受信し、記憶するための手段と、前記第1の端部と第2の端部(A、B)間の障害状態の検出を受信し、記憶するための手段を有する電力線の区間(A−B)の一方の端部から障害の位置を見つけるための装置であって、
−前記第1の端部で測定される前記電流及び電圧のために電流の対称的な成分を計算するための手段と、
−前記第1の端部(2)から障害(F)までの距離(d)を計算するための手段と、
を特徴とする、装置。
【請求項19】
−前記第1の端部でのソースインピーダンスの値を求めるための手段と、
−前記第2の端部でのソースインピーダンスの値を求めるための手段と、
を備えることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の端部Aでのソースインピーダンスの測定値を受信するための手段を備えることを特徴とする、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
前記第2の端部Bで行われるソースインピーダンスの測定値を受信するための手段を備えることを特徴とする、請求項18から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
通信チャネル(60)によって伝達される前記第2の端部(B)でのリモートソースインピーダンスのための測定済みの値(9)を受信するための手段を備えることを特徴とする、請求項18から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
電力システムにおける機能を監督するための人間のオペレータによる、請求項18から22のいずれか一項に記載の障害ロケータデバイスの使用。
【請求項24】
電力システムにおける機能を監督する、及び/または制御するために1台以上のコンピュータ上で実行するプロセスによる、請求項18から22のいずれか一項に記載の障害ロケータデバイスの使用。
【請求項25】
送電システムまたは配電系統における障害までの距離の位置を見つけるための、請求項18から22のいずれか一項に記載の障害ロケータデバイスの使用。
【請求項26】
平行電力線上で障害の位置を見つけるための、請求項18から22のいずれか一項に記載の装置の使用。
【請求項27】
請求項1から17のステップのどれかをコンピュータまたはプロセッサに実行させるための、コンピュータコード手段及び/またはソフトウェアコード部分を備えるコンピュータプログラム。
【請求項28】
1台以上のコンピュータ読み取り可能媒体の中に備えられる、請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項29】
データ伝送に含まれる電力線の区間の障害の位置を見つけるためのデータ通信信号であって、電力線の前記区間の遠隔の第2の(B)端部に対して行われるソースインピーダンスの測定の値を備える、通信信号。
【請求項30】
値が前記電力線の第1の端部(A)からの前記障害の距離(d)について表示される、電力線の区間の障害の場所を表示するためのグラフィックユーザインタフェース。
【請求項31】
距離(d)について表示される値が、関連する電力線区間またはネットワークのグラフィック表現と結合されることを特徴とする、請求項30に記載のグラフィックユーザインタフェース。
【請求項32】
距離(d)について表示される値が、コンピュータマウスまたは類似するコンピュータディスプレイ選択手段を使用して関連する電力線の区間またはネットワークのグラフィック表現の一部の活性化時に表示されるように配置されることを特徴とする、請求項30に記載のグラフィックユーザインタフェース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線の区間(A−B)の一方の端部から、前記区間の第1の(A)端部にある位相間の電流、電圧及び角度の測定によって障害の位置を見つけるための方法であって、
−前記第1の端部(A)での前記電流及び電圧の測定のために電流の対称的な成分を計算することと、
【数1】

ここで、
1AB=余分なリンクの正のシーケンスのためのインピーダンス、
1LA=正常な線路の正のシーケンスインピーダンス
に等しい正のシーケンスのためのインピーダンスのある端末(A、B)の間の余分なリンク(45、55)のためのインピーダンスの値を計算することと、
−形式、
【数2】

の方程式(22)を用いて分留器静電容量の補償を決定することと、
−平行電力線の区間の正常な線路からゼロシーケンス電流を決定することと、
−平行線区間について障害までの距離を計算することと、
−形式、
【数3】

の二次方程式(26)を使用して前記第1の端部(2)から障害(F)までの距離(d)を計算することと、
を特徴とする方法。
【請求項2】
形式、
【数4】

の方程式を使用して障害までの距離(d)を計算することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
形式、
【数5】

【数6】

の方程式を使用して障害までの距離(d)を計算することを特徴とする、請求項1または2のいずれか1つに記載の方法。
【請求項4】
−代表値として前記第1の端部でのソースインピーダンスを決定することと、
−代表値として前記第2の端部でのソースインピーダンスの値を求めることと、
を特徴とする、前記記載の全ての請求項のうちの1つに記載の方法。
【請求項5】
−瞬間位相電圧を入力すること(30a)、
−フェーザを決定するために値をフィルタリングすること(33a)、
−電圧の対称的な成分のフェーザを計算すること(34a)、
によって前記第1の端部で測定される前記電流及び電圧のために電流の対称的な成分を計算することを特徴とする、前記記載の全ての請求項のうちの1つに記載の方法。
【請求項6】
−瞬間位相電流及び正常な線路からの瞬間ゼロシーケンス電流を入力すること(30b)、
−フェーザを決定するために値をフィルタリングすること(33b)、
−電流の対称的な成分のフェーザを計算すること(34b)、
によって前記第1の端部で測定される前記電流及び電圧のために電流の対称的な成分を計算することを特徴とする、前記記載の全ての請求項のうちの1つに記載の方法。
【請求項7】
形式
【数7】

【数8】

【数9】

の方程式によって分留器静電容量の補償を決定することを特徴とする、請求項1から6の1つ以上に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の端部Aでソースインピーダンス1SAを測定することを特徴とする前記記載の全ての請求項のうちの1つに記載の方法。
【請求項9】
−前記第2の端部Bでソースインピーダンス1SBを測定することと、
−前記第1の端部Aにある障害ロケータに対して、前記第2の端部Bにあるソースインピーダンス1SBの測定された値の通信を送信することと、
を特徴とする前記記載の全ての請求項のうちの1つに記載の方法。
【請求項10】
形式、
【数10】

によって動作中の正常な平行線からの測定値を使用せずに接地事故に対する単一相までの距離を決定することを特徴とする前記記載の全ての請求項のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
【数11】

によってオフに切り替えられ、接地された平行線からの測定値を使用せずに接地事故に対する単一相までの距離を決定することを特徴とする前記記載の全ての請求項のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
形式、
【数12】

の第一次式(27a、b、c)を使用して単一接地事故までの距離を決定することを特徴とする前記記載の全ての請求項のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
障害以前の測定値及び形式、
【数13】

の第一次式(28a、b、c)を使用して位相間接地事故までの距離を決定することを特徴とする前記記載の全ての請求項のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
障害以前の測定値を回避し、形式、
【数14】

の一次式(29a、b、c)を使用して位相間接地事故までの距離を決定することを特徴とする前記記載の全ての請求項のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
一方の第1の端部(A)で位相間の電流、電圧及び角度の測定値を受信し、記憶するための手段と、前記第1の端部と第2の端部(A、B)の間の障害状態の検出を受信し、記憶するための手段とを有する電力線の区間(A−B)の一方の端部から障害の位置を見つけるための装置であって、
−前記第1の端部(A)で測定される前記電流及び電圧のために電流の対称的な成分を計算するための手段と、
−端末(A、B)の間の余分なリンク(45、55)のためのインピーダンスの値を計算するための手段と、
−分留器静電容量の補償を決定するための手段と、
−平行電力線の区間の正常な線路からのゼロシーケンス電流を決定するための手段と、
−平行線区間のために障害までの距離を計算するための手段と、
−前記第1の端部(2)から障害(F)までの距離(d)を計算するための手段と、
を特徴とする装置。
【請求項16】
−前記第1の端部でのソースインピーダンスの値を求めるための手段と、
−前記第2の端部でのソースインピーダンスの値を求めるための手段と、
を備えることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の端部Aでのソースインピーダンスの測定値を受信するための手段を備えることを特徴とする、請求項15または16のいずれか1つに記載の装置。
【請求項18】
前記第2の端部Bで行われるソースインピーダンスの測定値を受信するための手段を備えることを特徴とする、請求項15乃至17のいずれか1つに記載の装置。
【請求項19】
通信チャネル(60)によって伝達される前記第2の端部(B)でのリモートソースインピーダンスのための測定済みの値(9)を受信するための手段を備えることを特徴とする、請求項15乃至17のいずれか1つに記載の装置。
【請求項20】
電力システムにおける機能を監督するための人間のオペレータによる、請求項15乃至19のいずれか1つに記載の障害ロケータデバイスの使用。
【請求項21】
電力システムにおける機能を監督する、及び/または制御するために1台以上のコンピュータ上で実行するプロセスによる、請求項15乃至20のいずれか1つに記載の障害ロケータデバイスの使用。
【請求項22】
送電システムまたは配電系統における障害までの距離の位置を見つけるための、請求項15から21のいずれか一項に記載の障害ロケータデバイスの使用。
【請求項23】
平行電力線上で障害の位置を見つけるための、請求項15乃至22のいずれか1つに記載の装置の使用。
【請求項24】
請求項1から14のステップのどれかをコンピュータまたはプロセッサに実行させるための、コンピュータコード手段及び/またはソフトウェアコード部分を備えるコンピュータプログラム。
【請求項25】
1台以上のコンピュータ読み取り可能媒体の中に備えられる、請求項24に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15a】
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【図15b】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図22】
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【図23】
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【図24a】
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【図24b】
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【図24c】
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【公表番号】特表2006−505768(P2006−505768A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−515334(P2004−515334)
【出願日】平成15年6月18日(2003.6.18)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001091
【国際公開番号】WO2004/001431
【国際公開日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【出願人】(504127740)アーベーベー・アーベー (19)
【Fターム(参考)】