説明

繊維の形成に使用する生分解性ポリエステル

繊維材に利用するに適した生分解性ポリエステルを形成する方法を提供する。特に、加水分解反応を開始するように調整された水分含量で生分解性ポリエステルの溶融処理が行なわれる。理論によって限定する趣旨ではないが、水の中に存在する水酸基がポリエステルのエステル結合に作用することが可能であり、これにより、鎖切断すなわちポリエステル分子の1以上の比較的短いエステル鎖への「解重合」を引き起こすと信じられる。反応条件(例えば、水分含量、温度、せん断率、等)を選択的に制御することによって、加水分解で分解されたポリエステルであって、出発ポリマーよりも低い分子量のポリエステルを生成することができる。そのような比較的低い分子量のポリマーは、比較的高いメルトフローレート及び比較的低い見掛け粘度を有しており、不織ウエブ材のメルトブローンのような広範な種類の繊維形成応用に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、繊維に使用されるに適した生分解性ポリエステルを形成する方法に向けられている。特定的には、加水分解反応を開始する制御された水分含量で、生分解性ポリエステルを溶融処理する。
【背景技術】
【0002】
生分解性不織ウエブ材は、使い捨て吸収製品(例えば、おむつ、トイレトレーニングおむつ、衛生ティッシュ、生理用ナプキン及びライナー、成人用尿漏れ防止パッド、ガード、ガーメント、等)の形成のような広範な用途に有用である。不織ウエブ材の形成の促進のためには、溶融処理されるものの、良好な機械的及び物理的な特性を備えた生分解性ポリマーの選択が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
不織ウエブ材の形成に生分解性ポリエステルを使用するべく各種の試みが行なわれたが、それらの比較的高いレベルの分子量と粘度の故にそれらの使用は特定の種類の薄膜形成工程のみに限定され、繊維形成工程は含まれていない。例えば、慣用されている脂肪族ポリエステルは、有効なマイクロファイバー形成のためには低ポリマー粘度を必要とするメルトブローン工程には典型的には適していない。そこで、良好な機械的及び物理的な特性を発揮する反面、各種の技法(例えば、メルトブローン)を使用して不織ウエブ材への形成が容易な生分解性ポリエステルに対する需要が現に存在している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の1実施例に従い、繊維形成に使用するための生分解性ポリマーを形成する方法が開示される。この方法は、第1のポリエステルの乾燥重量に基づいて約500ppmから約5,000ppmの水分含量で第1のポリエステルを溶融処理する過程を含んでいる。このポリエステルは、加水分解反応を受けて、第2の、加水分解で分解されたポリエステルを生成するが、この第2のポリエステルは、ASTM試験法D1238−Eに従う処理量2,160gで温度190℃の無水ベースで測定される前記第1の生分解性ポリエステルのメルトフローレートよりも大きなメルトフローレートを有している。
【0005】
この発明の別の実施例に従い、生分解性で、加水分解で分解された(減成された)ポリエステルより成る繊維が開示される。このポリエステルは、ASTM試験法D1238−Eに従う処理量2,160gで温度190℃の無水ベースで測定される、10分につき約10gから約1,000gのメルトフローレートを有する。
【0006】
この発明の他の特徴及び側面は下記に詳細に論述される。
【0007】
定義
この明細書で、用語「生分解性」又は「生分解性ポリマー」とは、概ね、細菌、菌類、及び藻類のような自然発生微生物の作用、大気熱、湿気、又はその他の環境的要因で分解される物質をいう。物質の生分解性は、ASTM試験法5338.92を使用して決定される。
【0008】
この明細書で使用のように、用語「繊維」とは、ダイのような形成小孔にポリマーを通すことによって形成された細長い押し出し物をいう。別異に言及されない限り、用語「繊維」は、確定的な長さを有する不連続な繊維と実質的に連続状のフィラメント材を含む。実質的にフィラメント材は、例えば、長さ対直径の比(アスペクト比)が約15,000対1よりも大きいような、ある場合では、約50,000対1よりも大きいような、直径よりも格段に長い長さを有する。
【0009】
この明細書で使用のように、用語「単要素」とは、1つのポリマーから形成された繊維をいう。もちろん、これは、着色、静電防止特性、潤滑、親水性、撥液性、等のために添加剤が混入された繊維を排除しない。
【0010】
この明細書で使用のように、用語「多要素」とは、別個の押出機から押出された少なくとも2つのポリマー(例えば、ニ要素繊維)で形成された繊維をいう。ポリマーは、繊維の断面にわたって事実上一定に配置された領域内に配列される。これらの要素は、鞘と芯、横並び、分割されたパイ状、海中の島状、その他、のような所望の構成で配置することができる。多要素繊維を形成する各種の方法が、タニグチ等の米国特許第4789592号(特許文献1)、ストラック等の米国特許第5336552号(特許文献2)、カネコ等の米国特許第5108820号(特許文献3)、クルーゲ等の米国特許第4795668号(特許文献4)、ピケ等の米国特許第5382400号(特許文献5)、ストラック等の米国特許第5336552号(特許文献6)、マーモン等の米国特許第6200669号(特許文献7)に記述されており、これらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。ホグル等の米国特許第5277976号(特許文献8)、ヒルスの米国特許第5162074号(特許文献9)、米国特許第5466410号(特許文献10)、ラーグマン等の米国特許第5069970号(特許文献11)及び米国特許第5057368号(特許文献12)に記述のように、各種の不規則な形態を有する多要素繊維も形成されるが、これらも、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。
【0011】
この明細書で使用のように、用語「多成分」とは、混合体として押出される少なくとも2つのポリマー(例えば、ニ成分繊維)で形成された繊維をいう。ポリマーは、繊維の断面にわたって事実上一定に配置された領域内に配列されない。ガセナーの米国特許第5108827号(特許文献13)には、各種の多成分繊維が記述されており、これは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。
【0012】
この明細書に使用のように、用語「不織ウエブ材」とは、個々の繊維が、編まれた布地のように識別可能な態様ではなく、不規則に間装された構造を有するウエブ材をいう。不織ウエブ材とは、例えば、メルトブローン・ウエブ材、スパンボンド・ウエブ材、梳かれたウエブ材、加湿ウエブ材、空気添加ウエブ材、コフォーム・ウエブ材、流体圧巻取りウエブ材、等を含む。不織ウエブ材の基本重量は、概ね、変更可能であるが、典型的には、1平方メートルにつき約5gから200g(gsm)であり、ある実施例では、約10gsmから約150gsmであり、また、ある実施例では、約15gsmから約100gsmである。
【0013】
この明細書に使用のように、用語「メルトブローン」ウエブ材又は層とは、概ね、複数の細い通常は円形のダイ毛細管を介して溶融状の熱可塑性材料を押し出し、その溶融状の繊維を、溶融状の熱可塑性材料繊維の直径を細くする集中する高速ガス(例えば、空気)の流れでマイクロファイバの直径程度に縮径する過程によって形成した不織ウエブ材をいう。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流によって搬送され、収集面上に堆積し、不規則に分散したメルトブローン繊維のウエブ材を形成する。そのようなプロセスは、例えば、ブッチン等の米国特許第3849241号(特許文献14)、メイトナー等の米国特許第4307143号(特許文献15)、ウイスネスキ等の米国特許第4707398号(特許文献16)に開示されており、それらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。メルトブローン繊維は、実質的に連続状又は不連続状であって、収集面上に堆積したときに概ね粘着性を有している。
【0014】
この明細書に使用のように、用語「スパンボンド」ウエブ材又は層とは、小径の実質的に連続状のフィラメントを含有する不織ウエブ材をいう。このフイラメントは、押し出されるフィラメントの径を有する複数の細い、通常は円形の、出糸突起毛細管から溶融状の熱可塑性材料を押し出して、例えば、引き抜き装置又はその他の公知のスパンボンド装置によって急速に縮小することによって形成される。スパンボンド・ウエブ材の製造は、例えば、アペル等の米国特許第4340563号(特許文献17)、ドルシナー等の米国特許第3692618号(特許文献18)、マツキ等の米国特許第3802817号(特許文献19)、キニーの米国特許第3338992号(特許文献20)、米国特許第3341394号(特許文献21)、ハーマンの米国特許第3502763号(特許文献22)、レビの米国特許第3502538号(特許文献23)、ドボ等の米国特許第3542615号(特許文献24)、及びピケ等の米国特許第5382400号(特許文献25)に記述され図解されており、それらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。スパンボンド・フィラメントは、一般的に、収集面上に堆積されたときに粘着性ではない。スパンボンド・フィラメントは、場合により、約40μmよりも小さな径を有しており、しばしば、約5乃至20μmの間である。
【0015】
この明細書に使用のように、用語「梳かれたウエブ材」とは、短繊維を機械方向で分離又は引き離し且つ整合して全体的に機械方向に配向された線維の不織ウエブ材を形成する梳き装置に通過させられた短繊維から形成されたウエブ材をいう。この繊維は、通常、梱状で準備され、梳き装置の前に、繊維を分離するオープナー/ブレンダー又はピッカー内に入れられる。形成されたならば、ウエブ材は、その後、1以上の公知の方法によって接合される。
【0016】
この明細書に使用のように、用語「空気添加ウエブ材」とは、典型的には約3乃至19mmの範囲の長さを有する繊維の束から作成されたウエブ材をいう。この繊維は、分離され、空気供給装置内に取り込まれ、そして、通常は真空供給装置の助けによって、形成面上に堆積させられる。形成されたならば、ウエブ材は、1以上の公知の方法によって接合される。
【0017】
この明細書に使用のように、用語「コフォーム・ウエブ材」とは、熱可塑性繊維と第2の非熱可塑性材料の混合物又は安定化マトリックスを含有する複合材料をいう。1例として、コフォーム材料は、形成過程において他の材料を通過させウエブ材に添加するためのシュートの付近に少なくとも1つのメルトブローン・ダイ・ヘッドを配置したプロセスによって作成される。限定はされないが、この他の材料には、木綿、レーヨン、再生紙、パルプ綿毛、及び超吸収性微粒子のような木質又は非木質のパルプ、無機及び/又は有機吸収材料、処理済ポリマー短繊維、等のような線維性有機材料を含む。このコフォーム材料のいくつかの例が、アンダーソン等の米国特許第4100324号(特許文献26)、エバーハート等の米国特許第5284703号(特許文献27)、ゲオルガ等の米国特許第5350624号(特許文献28)に開示されており、それらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】不織ウエブ材を形成するために、この発明の1実施例に使用される処理過程の模式的図解である。
【図2】コフォーム・ウエブ材を形成するために、この発明の1実施例に使用される処理過程の模式的図解である。
【図3】この発明の従い形成される吸収用品の1実施例の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明は、繊維に使用されるに適した生分解性ポリエステルを形成する方法に向けられている。特定的には、加水分解反応を開始する制御された水分含量で、生分解性ポリエステルを溶融処理する。理論によって限定する意図ではないが、水の中に存在する水酸基はポリエステルのエステル結合への作用が可能であり、これにより、ポリエステル分子を1以上の短いエステル鎖とする鎖切断又は「解重合」を生起する。反応条件(例えば、水分含量、温度、せん断率、等)の選択的な制御によって、出発ポリマーよりも低い分子量を有する加水分解で分解されたポリエステルが調製される。この分子量の低いポリマーは、比較的高いメルトフローレートと比較的低い見掛け粘度とを有しており、不織ウエブ材のメルトブローンにおけるような広範な種類の繊維形成用途において有用である。
【0020】
反応成分
生分解性ポリエステル
この発明では、例えば、脂肪族ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリビトロキシブチラート(PHB)、ポリヒドロキシバレラート(PHV)、ポリヒドロキシブチラート−ヒドロキシバレラート共重合体(PHBV)、ポリヒドロキシバレラート、ポリヒドロキシブチラート−ヒドロキシバレラート共重合体とポリカプロラクトン、芳香族ポリエステル、脂肪族−芳香族コポリエステル、等を含む各種の生分解性ポリエステルの任意のものを採用することができる。もちろん、このポリエステルは、また、処理性、繊維形成、等のような各種の異なる有効な特性を得るために他の種類のポリマー(例えば、ポリオレフィン、ポリ乳酸、等)と混合することが可能である。
【0021】
例えば、脂肪族ポリエステルは、脂肪族カルボン酸又はその無水物とのポリオールの重合によって合成が可能である。一般的に言って、そのポリエステルのカルボン酸モノマー成分は、大部分が、本性的に芳香環を欠く脂肪族化合物である。例えば、カルボン酸モノマー成分の、少なくとも約80モル%、いくつかの実施例では、少なくとも約90モル%、また、いくつかの実施例では、少なくとも約95モル%が、脂肪族モノマーである。1つの特定実施例では、カルボン酸モノマー成分は、脂肪族ジカルボン酸(又はその無水物)から形成される。脂肪族ポリエステルの形成に使用される典型的な脂肪族ジカルボン酸は、2乃至約12の炭素原子を含有する脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体から選択される、置換した又は置換していない、直鎖状又は分岐鎖状の、非芳香族ジカルボン酸を含む。脂肪族ジカルボン酸の非限定例には、マロン酸、コハク酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セベシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1.3−シクロヘキサンジカルボン酸、オキシニ酢酸、イタコン酸、マレイン酸、及び2,5−ノルボルナンジカルボン酸を含む。
【0022】
脂肪族ポリエステルの形成に使用するに適するポリオールは、2乃至約12の炭素原子を含有するポリオール及び2乃至8の炭素原子を含有するポリアルキレンエーテルグリコールから選択される、置換した又は置換していない、直鎖状又は分岐鎖状の、ポリオールとすることができる。使用可能なポリオールの例は、限定する趣旨では無いが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、トリエチレングリコール、及びテトラエチレングリコールを含む。望ましいポリオールは、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。
【0023】
重合は、チタンをベースとする触媒(例えば、テトライソプロピルチタネート、テトライソプロポキシチタニューム、ジブトキシジアセトキシチタニューム、又はテトラブチルチタネート)のような触媒による触媒作用を受ける。所望ならば、分子量を増やすためにジイソシアン酸塩連鎖延長剤をポリエステルに反応させることも可能である。典型的なジイソシアン酸塩は、トルエン2,4−ジイソシアネート、トルエン2,6−ジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート及びメチレンビス(2−イソシアネートシクロヘキサン)を含む。イソシアヌレート及び/又は3以上の官能性を備えたビ尿素を含有する3官能性のイソシアネート化合物の採用も可能であり、又は、ジイソシアネート化合物をトリイソシアネート又はポリイソシアネートによって部分的に換える。好ましいジイソシアン酸塩は、ヘキサメチレンジイソシアネートである。採用される連鎖延長剤の量は、ポリマーの全重量率に基づいて、典型的には、約0.3から約3.5重量%であり、いくつかの実施例では、約0.5から約2.5重量%である。
【0024】
ポリエステルは,直鎖状ポリマー又は長い分岐鎖状ポリマーのいずれかである。長い分岐鎖状ポリマーは、一般的には、ポリオール、ポリカルボン酸、ヒトロキシ酸、等のような低分子量の分岐剤を使用することによって調製される。分岐剤として使用される典型的な低分子量ポリオールは、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ポリエーテルトリオールス、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリトリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及びジペンタエリトリトールを含む。分岐剤として使用される典型的な高分子量ポリオール(400乃至3,000の分子量)は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのような2乃至3の炭素を有するアルキレンオキシドをポリオール開始剤で凝縮することによって誘導されたトリオールを含む。分岐剤として使用される典型的なポリカルボン酸は、ヘミメリト酸、トリメリット(1,2,4−ベンゼントリカルボン)酸と無水物、トリメシン(1,3,5−ベンゼントリカルボン)酸、ピロメリット酸と無水物、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸、1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、及び1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸を含む。分岐剤として使用される典型的なヒドロキシ酸は、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、3−ヒドロキシグルタル酸、粘液酸、トリヒドロキシグルタル酸、4−カルボキシフタル酸無水物、ヒドロキシイソフタル酸、及び4−(β−ヒドロキシエチル)フタル酸を含む。そのようなヒドロキシ酸は、3以上の水酸基とカルボキシル基の組合せを含有する。特に好ましい分岐剤は、トリメリット酸、トリメシン酸、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン及び1,2,4−ブタントリオールを含む。
【0025】
1つの特定実施例において、脂肪族ポリエステルは下記の一般構造式を有する。
【0026】

【0027】
式中、mは、2から10の整数であり、いくつかの実施例では3乃至8であり、また、いくつかの実施例では2乃至4である。
nは、0から18の整数であり、いくつかの実施例では1乃至12であり、また、いくつかの実施例では2乃至4である。
xは、1よりも大きな整数である。
【0028】
そのような脂肪族ポリエステルの特定の例は、コハク酸ポリブチレン、コハク酸ポリエチレン、コハク酸ポリプロピレン、及びそれらの共重合体(例えば、アジピン酸コハク酸ポリブチレン)のようなコハク酸塩をベースとする脂肪族ポリマー;シュウ酸ポリエチレン、シュウ酸ポリブチレン、シュウ酸ポリプロピレン、及びそれらの共重合体のようなシュウ酸塩をベースとする脂肪族ポリマー;マロン酸ポリエチレン、マロン酸ポリプロピレン、マロン酸ポリブチレン、及びそれらの共重合体のようなマロン酸塩を基本とする脂肪族ポリマー;アジピン酸ポリエチレン、アジピン酸ポリプロピレン、アジピン酸ポリブチレン、アジピン酸ポリヘキシレン、及びそれらの共重合体のようなアジピン酸塩をベースとする脂肪族ポリマー、等を、これらのいずれかの混合物と同様に、含む。下記の構造式を有するコハク酸ポリブチレンが特に望ましい。
【0029】

【0030】
適合するコハク酸ポリブチレンポリマーの1つの特定例は、IREケミカル社(韓国)よりENPOL(商標)G4500との名称で市販されている。他の適合するコハク酸ポリブチレン樹脂は、昭和高分子株式会社(東京、日本)よりBIONOLLE(商標)との名称で市販されている製品が含まれる。さらに他の適合する脂肪族ポリエステルは、米国特許第5714569号(特許文献29)、米国特許第5883199号(特許文献30)、米国特許第6521366号(特許文献31)、及び米国特許第6890989号(特許文献32)に記述されており、それらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。
【0031】
基本的に本性において脂肪族であることに加え、芳香族モノマーを含有する生分解性ポリエステルを採用することが可能である。1つの実施例では、例えば、脂肪族及び芳香族ジカルボン酸又はその無水物と結合するポリオールの凝縮重合を介するような、任意の公知の技法を使用して合成した脂肪族−芳香族コポリエステルを採用することができる。ポリオール及び脂肪族ジカルボン酸は、上述した典型的な例を含む。使用される典型的な芳香族ジカンボン酸は、1乃至約6の炭素原子を含有する芳香族ジカルボン酸から選択される、置換された及び置換されていない、直鎖状又は分岐鎖状の、芳香族ジカルボン酸、並びにその誘導体を含む。芳香族ジカルボン酸の非限定例は、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジメチル−2,6−ナフタレート、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジメチル−2,7−ナフタレート、3,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジメチル−3,4’ジフェニルエーテルジカルボン酸塩、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸塩、3,4’−ジフェニルサルファイドジカルボン酸、ジメチル−3,4’−ジフェニルサルファイドジカルボン酸塩、4,4’−ジフェニルサルファイドジカルボン酸、ジメチル−4,4’−ジフェニルサルファイドジカルボン酸塩、3,4−ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジメチル−3,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸塩、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジメチル−4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸塩、3,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、ジメチル−3,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸塩、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、ジメチル−4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸塩、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ジメチル−1,4−ナフタレート、4,4’−メチレンビス(安息香酸)、ジメチル−4,4’−メチレンビス(安息香酸エステル)、等、並びに、これらの混合物を含む。芳香族ジカルボン酸モノマー成分は、コポリエステル内に、約10モル%から約40モル%の量で、いくつかの実施例では、約15モル%から約35モル%の量で、また、いくつかの実施例では、約15モル%から約30モル%の量で存在する。脂肪族ジカルボン酸モノマー成分は、同様に、コポリエステル内に、約15モル%から約45モル%の量で、いくつかの実施例では、約20モル%から約40モル%の量で、また、いくつかの実施例では、約25モル%から約35モル%の量で存在する。ポリオールモノマー成分も、脂肪族−芳香族コポリエステル内に、約30モル%から約65モル%の量で、いくつかの実施例では、約40モル%から約50モル%の量で、そして、いくつかの実施例では、約45モル%から約55モル%の量で存在する。
【0032】
1つの実施例では、脂肪族−芳香族コポリエステルは、下記の構造式を有する。
【0033】

【0034】
式中、mは、2から10の整数であり、いくつかの実施例では、2から4であり、また、1つの実施例では、4である。
nは、0から18の整数であり、いくつかの実施例では、2から4であり、1つの実施例では、4である。
pは、2から10の整数であり、いくつかの実施例では、2から4であり、1つの実施例では、4である。
xは、1よりも大きな整数である。
yは、1よりも大きな整数である。
【0035】
そのようなコポリエステルの1例は、ポリブチレンアジピン酸フタレート樹脂であり、これは、ニュージャージィー州フロアハムパークのBASF CorpよりECOFLEX(商標)F BX7011との名称で市販されている。芳香族テレフタル酸モノマー成分を含有する適合するコポリエステルの他の例は、IREケミカル社(韓国)よりENPOL(商標)8060Mとの名称で市販されている。他の適合する脂肪族−芳香族コポリエステルは、米国特許第5292783号(特許文献33)、米国特許第5446079号(特許文献34)、米国特許第5559171号(特許文献35)、米国特許第5580911号(特許文献36)、米国特許第5599858号(特許文献37)、米国特許5817721号(特許文献38)、米国特許第5900322号(特許文献39)、米国特許第6258924号(特許文献40)に記述されている。
この発明で採用された生分解性ポリエステルは、典型的には、約30,000ダルトンから約160,000ダルトンの範囲の数平均分子量(Mn)と約30,000ダルトンから約240,000ダルトンの範囲の重量平均分子量(Mw)を有する。特定の分子量は、選択されるポリマーに依拠する。例えば、脂肪族ポリエステルは、典型的には、モル当たり約60,000gから約160,000gの範囲で、いくつかの実施例では、モル当たり約80,000gから約140,000gの範囲で、また、いくつかの実施例では、モル当たり約100,000gから約120,000gの範囲での数平均分子量(Mn)を有し、同様に、典型的には、モル当たり約80,000gから約200,000gの範囲で、いくつかの実施例では、モル当たり約100,000gから約180,000gの範囲で、また、いくつかの実施例では、モル当たり約110,000gから約160,000gの重量平均分子量(Mw)を有する。一方、脂肪族−芳香族コポリエステルは、典型的には、モル当たり約40,000gから約120,000gの範囲で、いくつかの実施例では、モル当たり約50,000gから約100,000gの範囲で、また、いくつかの実施例では、モル当たり約60,000gから約85,000gの範囲での数平均分子量(Mn)を有しており、同様に、典型的には、モル当たり約70,000gから約240,000gの範囲で、いくつかの実施例では、モル当たり約80,000gから約190,000gの範囲で、また、いくつかの実施例では、モル当たり約100,000gから約150,000gの範囲で重量平均分子量(Mw)を有する。上記の事項とは係りなく、数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)、すなわち、「多分散性指数」は、通常、比較的小さい。例えば、多分散性指数は、典型的には、約1.0から約3.0の範囲であり、いくつかの実施例では、約1.1から約2.0の範囲であり、また、いくつかの実施例では、約1.2から約1.8の範囲である。重量平均分子量及び数平均分子量は、当業者に公知の方法で決定される。
【0036】
必須ではないが、「低溶融点」の生分解性ポリエステルは、迅速に分解し且つ柔軟であるので、この発明の典型例として採用されている。例えば、適合する「低溶融点」の生分解性ポリエステルは、約50℃から約160℃の溶融点を有し、いくつかの実施例では、約80℃から約160℃の溶融点を有し、また、いくつかの実施例では、約100℃から約140℃の溶融点を有する。生分解性ポリエステルのガラス転移温度(Tg)も、比較的に低く、ポリマーの柔軟性及び処理可能性を向上する。低溶融点の生分解性ポリエステルは、また、約25℃以下のガラス転移温度(Tg)を有し、いくつかの実施例では、約0℃以下のガラス転移温度を有し、また、いくつかの実施例では、約−10℃以下のガラス転移温度を有する。以下により詳細に論述するように、溶融温度及びガラス転移温度は、すべて、ASTM D−3417に従う差動走査熱量測定(DSC)を使用して決定される。
【0037】
生分解性ポリエステルは、また、或る範囲内の見掛け粘度を有する。例えば、生分解性ポリエステルは、温度160℃且つせん断率1,000秒−1の測定で、約20Pa・s(パスカル秒)から約215Pa・sの見掛け粘度を有し、いくつかの実施例では、約30Pa・sから約200Pa・sの見掛け粘度を有し、また、いくつかの実施例では、約40Pa・sから約150Pa・sの見掛け粘度を有する。生分解性ポリエステル(無水ベース)のメルトフローレートは、また、10分につき約0.1gから約10gの範囲であり、いくつかの実施例では、10分につき約0.5gから約8gの範囲であり、また、いくつかの実施例では、10分につき約1gから約5gの範囲である。メルトフローレートとは、或る温度(例えば、190℃)で且つ10分内の処理量が2,160gとした場合の、押出レオメーター小孔(0.0825インチ(0.2095センチ)直径)を通過して押し出されるポリマーの重量(グラムでの)であり、これは、ASTM試験法D1238−Eに従い測定される、
【0038】
B.
適合する条件下で、水が、出発物質である生分解性ポリエステルを加水分解で分解することができ、これによりその分子量を低減する。より詳細には、水の水酸基がポリエステルのエステル結合に作用可能であり、これにより、1以上の比較的短いエステル鎖を生成するポリエステル分子の鎖切断又は「解重合」を生起すると考えられる。比較的短い鎖には、ポリエステル、オリゴマー、モノマー、及びこれらの組合せを含む。生分解性ポリエステルとの関係で採用される水の量は、加水分解反応の実施が可能となる程度に影響を与える。しかしながら、水分含量が多すぎると、ポリマーの自然飽和レベルを超えてしまい、これが、逆に、生成される繊維の樹脂溶融特性及び物理的特性に影響を与えてしまう。したがって、この発明の大部分の実施例では、水分含量は、出発物質である生分解性ポリエステルの乾燥重量に基いて、約500ppmから約5,000ppmであり、いくつかの実施例では、約1,000ppmから約4,500ppmであり、いくつかの実施例では、約2,000ppmから約3,500ppmであり、また、いくつかの実施例では、約2,200ppmから約3,000ppmである。水分含量は、以下により詳細に説明するように、ASTM D 7191−05に従うような、当業界において公知の各種の方法で測定することができる。
【0039】
所望の水分含量を達成するための技法は、この発明では重要ではない。事実、カルバート等の米国特許出願公開番号2005/0004341(特許文献41)、及びジレット等の米国特許出願公開番号2001/0003874(特許文献42)に記述のような、水分含量を調整するための各種公知技法の任意のものが採用可能であり、それらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。例えば、出発ポリエステルの水分含量は、保管条件、乾燥条件、加湿条件、等を選択することによって調整可能である。1つの実施例では、例えば、生分解性ポリエステルは、特定の時間、特定の温度でポリマーのペレットを水性溶媒(例えば、液体又は気体)に接触せしめることによって所望の水分含量へと加湿処理される。これが、ポリマー構造内への目標水拡散(湿潤化)を可能とする。例えば、ポリマーは、湿潤空気を含有するパッケージ又は容器内に収納することができる。さらに、ポリマー製造の際のポリマー乾燥の程度も、また調整可能であり、したがって、出発生分解性ポリエステルは所望の水分含量を有することとなる。さらに他の実施例では、この明細書に記述のように、ポリエステルの溶融処理過程の際に、水分を添加することが可能である。すなわち、用語「水分含量」とは、任意の残留水分(例えば、空調、乾燥、貯蔵、等によって存在する水分の量)と溶融処理過程の際に特別に添加される任意の水分の組み合わせを含むことを意味している。
【0040】
C.可塑剤
必須ではないが、この発明の或る実施例では、生分解性ポリエステルの粘度を下げてそのたわみ性の向上を助けるために可塑剤を使用する。可塑剤は、その分子量が、約200から約10,000で、いくつかの実施例では約300から約9,000で、また、いくつかの実施例では約500から約8,500である比較的小さい分子量の、液体、半固体、又は固体である。選択された生分解性ポリエステルと適合可能な、フタル酸エステル、エステル(例えば、リン酸エステル、エーテルジエステル、カルボン酸エステル、エポキシ化エステル、脂肪族ジエステル、ポリエステル、コポリエステル、等)、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、等)、アルカンジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、等)、アルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、等)、等のような任意の可塑剤を概ね採用可能である。アルキレングリコール、アルカンジオール、アルキレンオキシド、等のような或る種類の可塑剤は、生分解性ポリエステルのエステル結合に作用して鎖切断を生起することが可能な1以上の水酸基を有している。この方法では、そのような可塑剤は、ポリエステルのたわみ性を向上するのみではなく、上述した加水分解反応をも促進する。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)は、生分解性ポリエステルの加水分解による分解(減成)を促進するのに特に有効な可塑剤の1例である。適合するPEGは、PEG600、PEG8000、等のような名称で各種の供給元から市販されている。そのようなPEGの例は、ミシガン州ミッドランドのDowChemical Co.から市販されているCarbowax(商標)を含む。
【0041】
採用された場合には、可塑剤は、出発生分解性ポリエステルの乾燥重量に基づいて、約0.1重量%から約20重量%の量で存在し、いくつかの実施例では、約0.2重量%から約10重量%の量で、また、いくつかの実施例では、約0.5重量%から約5重量%の量で存在する。しかしながら、可塑剤は必須ではないことを理解されるべきである。実際、この発明のいくつかの実施例では、反応性構成物は、事実上、いずれの可塑剤とも化合しておらず、例えば、出発生分解性ポリエステルの乾燥重量に基づいて約0.5重量%よりも小さい。
【0042】
D.他の要素
もちろん、各種の異なる理由により他の要素を利用することができる。例えば、この発明のいくつかの実施例では、親水性の向上を目的として湿潤剤を採用する。この発明での使用に適した湿潤剤は、概ね、生分解性ポリエステルと混合可能である。適合する湿潤剤の例は、すべて、オクラホマ州ツルサのPetrolite Corporationから市販の、UNITHOX(商標)480とUNITHOX(商標)750エトキシ化アルコール、又はUNICID(商標)酸アミドエトキシレート、のような界面活性剤を含む。その他の適合する湿潤剤は、ツァイ等の米国特許第6177193号(特許文献43)に記述されており、これは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。使用される更に他の物質は、限定なしに、溶融安定剤、処理安定剤、熱安定剤、光安定剤、抗酸化剤、顔料、界面活性剤、ワックス、流れ促進剤、微粒子、及び処理可能性を促進するために添加される他の物質を含む。使用された場合には、そのような添加成分は、出発生分解性ポリエステルの乾燥重量に基づいて、各々、典型的には、約5重量%より少ない量で存在し、いくつかの実施例では、約1重量%よりも少ない量で、また、いくつかの実施例では、約0.5重量%よりも小さい量で存在する。
【0043】
II.反応技法
加水分解は、各種公知の技法の任意のものを使用して実施される。例えば、1つの実施例では、追加の溶媒の必要及び/又は溶媒除去過程を最小に抑えるべく、出発ポリマーが溶融相(溶融処理過程)にある間に反応を実施する。原材料(例えば、生分解性ポリエステル、水、等)は、別々に又は組み合わせて(例えば、溶液として)供給される。原材料は、同様に、材料を分散的に混合する溶融処理装置に、同時的か又は順次的のいずれかで供給される。一括溶融処理技法又は連続溶融処理技法が採用される。例えば、ミキサー/ニーダー、バンバリーミキサー、ファレル連続混合装置、短軸押出機、2軸押出機、ロールミル、等、が、材料の混合及び溶融処理に利用される。特別に適合する溶融処理装置は、共回転、2軸押出機(例えば、ニュージャージィー州ラムセイのWerner&Pfleiderer Corporationから市販のZSK−30、2軸押出機)である。そのような押出機は、供給孔と通気孔を含み、高強度の配分的で分散的な混合を提供し、これが加水分解反応を促進する。例えば、出発生分解性ポリエステルは、2軸押出機の供給孔に供給されて溶融される。所望ならば、水を、その後に、ポリマー融液内に注入し、及び/又は、長さに沿った別の箇所で押出機内に別個に供給する。代替的には、生分解性ポリエステルは、予め加湿された状態で、単純に供給しても良い。
【0044】
選択される特定の溶融処理技法に係りなく、原材料は、加水分解反応の開始を確実にすべく、高いせん断/圧力下で混合され、加熱される。例えば、溶融処理過程は、約100℃から約500℃の温度で生起し、いくつかの実施例では、約150℃から約350℃の温度で、また、いくつかの実施例では、約175℃から約300℃の温度で生起する。同様に、溶融処理過程の際の見掛けのせん断率は、約100秒−1から約10,000秒−1の範囲であり、いくつかの実施例では、約500秒−1から約5,000秒−1の範囲であり、また、いくつかの実施例では、約800秒−1から約1,200秒−1の範囲である。見掛けのせん断率は、4Q/πRに等しく、ここで、Qは、ポリマー融液の容積流れ率(m/s)であり、Rは、溶融ポリマーが通り抜ける毛細管(例えば、押出機ダイ)の半径(m)である。もちろん、押出量に逆比例する、溶融処理過程の際の滞留時間のような他の変数も、また、所望の程度の加水分解を得るために調整することができる。
【0045】
上述したように、適合する温度とせん断条件の下、出発ポリエステルの分子量よりも小さい分子量の加水分解で分解されたポリエステル種が形成される。例えば、重量平均分子量及び/又は数平均分子量は、各々、小さくされ、新たな分子量に対する出発ポリエステル分子量の比は、少なくとも約1.1であり、いくつかの実施例では、少なくとも約1.4であり、また、いくつかの実施例では、少なくとも約1.6である。例えば、加水分解で分解されたポリエステルは、モル当たり約10,000gから約70,000gの範囲の数平均分子量(Mn)を有し、これは、いくつかの実施例では、モル当たり約20,000gから約60,000gの範囲であり、また、いくつかの実施例では、モル当たり約30,000gから約55,000gの範囲である。同様に、加水分解で分解されたポリエステルは、モル当たり約20,000gから約125,000gの範囲の重量平均分子量(Mw)を有し、これは、いくつかの実施例では、モル当たり約30,000gから約110,000gの範囲であり、また、いくつかの実施例では、モル当たり約40,000gから約90,000gの範囲である。
【0046】
小さな分子量を有することに加えるに、加水分解で分解されたポリエステルは、また、出発ポリエステルに比べて比較的低い見掛けの粘度と比較的高いメルトフローレートを有する。見掛けの粘度は、例えば、加水分解で分解されたポリエステルの粘度に対する出発ポリエステルの粘度の比が、少なくとも約1.1となるように、いくつかの実施例では、少なくとも約2、また、いくつかの実施例では、約15から約100となるように低減される。同様に、出発ポリエステルのメルトフローレート(無水ベースで)に対する加水分解で分解されたポリエステルのメルトフローレートの比が、少なくとも約1.5となるように、いくつかの実施例では少なくとも約5、いくつかの実施例では、少なくとも約10、また、いくつかの実施例では、約30から約100となるように、メルトフローレートを増加する。1つの特定実施例では、加水分解で分解したポリエステルは、温度170℃、せん断率1,000秒−1での測定で、約10Pa・sから約500Pa・sの見掛けの粘度を有しており、いくつかの実施例では、約20Pa・sから約400Pa・sの見掛けの粘度を有しており、また、いくつかの実施例では、約30Pa・sから約250Pa・sの見掛けの粘度を有している。加水分解で分解されたポリエステルのメルトフローレート(190℃、2.16kg、無水ベース)は、10分につき約10gから約1,000gの範囲であり、いくつかの実施例では、10分につき約20gから約900gの範囲であり、また、いくつかの実施例では、10分につき約100gから約800gの範囲である(190℃、2.16kg)。もちろん、加水分解反応によって変更される、分子量、見掛けの粘度、及び/又は、メルトフローレートの程度は、目的とする用途に応じて変更可能である。
【0047】
或る特性において出発ポリマーとは異なるが、加水分解で分解されたポリエステルは、ポリマーのたわみ性と処理可能性を促進する出発ポリマーの他の特性をやはり保持している。例えば、熱特性(例えば、Tg、Tm、及び潜在的溶融熱)は、上述した範囲内のような、出発ポリマーと実質的に同一のままである。さらに、実際の分子量が異なっても、加水分解で分解されたポリエステルの多分散性指数は、約1.0から約3.5の範囲となる、いくつかの実施例では、約1.1から約2.5となる、また、いくつかの実施例では、約1.2から約2.0となるような、出発ポリマーと実質的に同一のままである。
【0048】
III.繊維構成
加水分解で分解されたポリエステルで形成された繊維は、概ね、単要素、多要素(例えば、鞘−芯構造、横並び構造、分割されたパイ状構造、海の中の島状構造、等)、及び/又は多成分(例えば、ポリマー混合物)を含む任意の所望構成を有する。いくつかの実施例では、繊維に、強度及び他の機械的特性をさらに向上するための要素(例えば、二要素)又は成分(例えば、二成分)として、1以上の追加的なポリマーを含有する。例えば、加水分解で分解されたポリエステルは、鞘/芯の二要素繊維の鞘要素を形成し、一方、追加されるポリマーは、芯要素を形成し、また、その逆も可能である。追加されるポリマーは、一般的には生分解性とは考えられない熱可塑性ポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、等のポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン;例えば、ポリエチレンテトラフタレート等のポリエステル;ポリビニルアセテート;ポリビニルクロライドアセテート;ポリビニルブチラール;例えば、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、等のアクリル樹脂;例えばナイロンであるポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリスチレン;ポリビニルアルコール、及びポリウレタンである。しかしながら、より望ましくは、追加されるポリマーは、ポリエステルアミド、変性ポリエチレンテトラフタレート、ポリ乳酸(PLA)とその共重合体、ポリ乳酸に基づく三元重合体、ポリグリコール酸、ポリアルキレンカーボネート(ポリエチレンカーボネートのような)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチラート(PHB)、ポリヒドロキシバレラート(PHV)、ポリヒドロキシブチラート−ポリヒドロキシバレラート共重合体(PHBV)、ポリカプロラクトン、コハク酸塩を基本とする脂肪族ポリマー(例えば、コハク酸ポリブチレン、ポリブチレンサシネートアジペート、及びコハク酸ポリエチレン)、芳香族ポリエステル、又は他の脂肪族−芳香族コポリエステルのような、脂肪族ポリエステルのように、生分解性である。
【0049】
各種の処理方法の任意のものをこの発明に従う繊維の形成に使用することができる。例えば、図1を参照するに、メルトブローン繊維を形成する方法の1つの実施例が、示されている。メルトブローン繊維は、小さな平均寸法細孔を有する構造を形成し、これは、それを介する気体(例えば、空気及び水蒸気)の通り抜けは許す一方で、液体と粒状物の通過を妨止するのに使用される。所望の細孔寸法を得るために、メルトブローン繊維は、典型的には、それらが10μm以下の平均寸法を有する「マイクロファイバー」であり、いくつかの実施例では、約7μm以下であり、また、いくつかの実施例では、約5μm以下である。この発明では、そのような微細繊維を作成する能力は、低い見掛け粘度と高いメルトフローレートの所望の組合せを有する加水分解で分解されたポリエステルの使用によって促進される。
【0050】
例えば、図1において、原材料(例えば、ポリマー、可塑剤、等)は、ホッパー10から押出機12へと供給される。原料は、任意の慣用的技法及び任意の状態を利用してホッパー10へと提供される。代替的には、生分解性ポリエステルをホッパー10に供給し、グリコールを、ホッパー10下流の押出機12内のポリエステル融液内に注入することも可能である。押出機12は、モータ11によって駆動され、ポリマーを押出し且つ加水分解反応を開始するに十分な温度まで加熱される。例えば、押出機12は、約100℃から約500℃で作動する1つの又は多数の領域を採用しており、それは、いつくかの実施例では、約150℃から約350℃であり、また、いくつか実施例では、約175℃から約300℃である。典型的なせん断率は、約100秒−1から約10,000秒−1であり、いくつかの実施例では約500秒−1から約5,000秒−1であり、また、いくつかの実施例では、約800秒−1から約1,200秒−1である。所望ならば、押出機は、また、真空領域、等のような、ポリマーから余分な水分を除去する1以上の領域を有する。押出機は、また、揮発性ガスを逃がすために通気することも可能である。
【0051】
形成されたならば、加水分解で分解されたポリエステルは、繊維形成ライン内の他の押出機(例えば、メルトブローン紡績ラインの押出機12)へ続いて供給される。代替的には、加水分解で分解されたポリマーは、加熱装置16により加熱されたダイ14への供給を介して直接に繊維へと形成される。他のメルトブローン・ダイ・チップも採用可能であることを理解されたい。穴19の箇所でポリマーがダイ14から出るのに伴い、導管13によって供給される高圧流体(例えば、加熱された空気)がポリマーの流れを細くし(縮径し)且つ伸ばしてマイクロファイバー18とする。図1には示されていないが、ダイ14は、また、押し出されるポリマーと混合して「コフォーム」ウエブ材を形成する他の材料(例えば、セルロース繊維、微粒子、等)が通過するシュートに隣接して又は付近に配置される。
【0052】
マイクロファイバー18は、メルトブローン・ウエブ材22を形成するべく選択的な吸入ボックス15の働きにより(ロール21と23により駆動される)小孔配設面20上に不規則に堆積する。ダイ・チップと小孔配設面20の間の間隔は、加工途上の繊維の均一性を向上するべく全体的に小さい。例えば、その間隔は、約1cmから約35cmであり、また、いくつかの実施例では、約2.5cmから約15cmである。図1において、矢印28方向は、ウエブ材が形成される方向(すなわち、機械方向)を示し、矢印30は、該機械方向に直交する方向(すなわち、機械交差方向)を示す。選択的に、メルトブローン・ウエブ材22は、次に、ロール24と26によって圧縮することが可能である。
繊維の所望のデニールは、所望の用途に応じて変更可能である。典型的には、繊維は、約6よりも小さいデニール・パー・フィラメント値(すなわち、繊維9,000mごとのグラムでの質量に相当する線密度の単位)であり、それは、いくつかの実施例では、約3よりも小さく、また、いくつかの実施例では、約0.5から約3である。付け加えるに、繊維は、概ね、約0.1から約20μmの平均直径を有し、それは、いくつかの実施例では、約0.5から約15μmであり、また、いくつかの実施例では、約1から約10μmである。
【0053】
形成されたならば、不織ウエブ材は、次に、接着剤又は自己接合(例えば、外部的な接着剤の塗着なしでの繊維どおしの融着及び/又は自己接着)によるような、任意の慣用的技法を使用して接合される。例えば、自己接合は、繊維が半融解状態又は粘着状態にある間に繊維どうしを接触することにより、又は、単純に、繊維形成に用いられるポリ乳酸に粘着性増進樹脂及び/又は溶媒を混合することによって達成される。適合する自己接合技法には、超音波接合、熱接合、空気透過接合、カレンダー接合、等が含まれる。例えば、ウエブ材は、加熱された平滑アンビル・ロールと加熱されたパターン・ロールの間にウエブ材を通す熱−機械プロセスによってさらに接合され且つパターンがエンボス加工される。パターン・ロールは、所望のウエブ材特性又は外観を提供する任意の隆起したパターンを有する。望ましくは、パターン・ロールは、ロール全面積の約2%と30%の間の接合面域を形成する複数の接合箇所を画定する隆起したパターンを形成する。例示的な接合パターンは、例えば、ハンセン等の米国特許第3855046号(特許文献44)、レビ等の米国特許第5620779号(特許文献45)、ヘイネス等の米国特許第5962112号(特許文献46)、サヨビス等の米国特許第6093665号(特許文献47)、同様に、ロマノ等の米国意匠特許第428267号(特許文献48)、ブラウンの米国意匠特許第390708号(特許文献49)、ザンダー等の米国意匠特許第418305号(特許文献50)、米国意匠特許第384508号(特許文献51)、米国意匠特許第384819号(特許文献52)、米国意匠特許第358035号(特許文献53)、ブレンケ等の米国意匠特許第315990号(特許文献54)に記述されたものを含み、これらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。2つのロール間の圧力は、直線インチにつき約5ポンドから約2,000ポンド(1mm当たり約2.26から約907.2のkg)である。2つのロール間の圧力及び2つのロールの温度は、ウエブ材の布類似の特性を維持するとともに所望のウエブ材特性及び外観を得るべく、釣り合うように調整される。当業者に良く知られているように、所要の温度及び圧力は、限定はされないが、パターンの接合面域、ポリマーの特性、繊維の特性、及び不織特性を含む多くの要因に依拠して変更が可能である。
【0054】
メルトブローン・ウエブ材に加えて、スパンボンド・ウエブ材、接合され梳かれたウエブ材、加湿ウエブ材、空気添加ウエブ材、コフォーム・ウエブ材、流体圧力巻取りウエブ材、等のような、各種の他の不織ウエブ材も、この発明に従い、加水分解で分解したポリエステルから形成することができる。例えば、ポリマーを、紡糸口金を介して押出し、急冷し、そして実質的に連続状フィラメントへと引き出して、形成表面上に不規則に堆積する。代替的には、ポリマーは、混合で形成される梱状の繊維を、繊維を分離するピッカー内へ入れることにより、梳かれたウエブ材へと形成される。次に、繊維は、梳き装置を介して送られ、この梳き装置は、さらに繊維を引き離して機械方向に繊維を整合し、これにより、機械方向に配向された線維不織ウエブ材を形成する。形成されたならば、不織ウエブ材は、典型的には、1以上の公知の接合技法により安定化される。
【0055】
所望ならば、不織ウエブ材は、また、加水分解で分解されたポリエステル繊維と他の種類の繊維(例えば、短繊維、フィラメント、等)の組合せを含有する複合材とすることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、等のポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン;例えばポリテトラテレフタレート等のポリエステル;ポリ酢酸ビニル;ポリビニルクロライドアセテート;ポリビニルブチラール;例えば、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、等のアクリル樹脂; 例えば、ナイロンであるポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリスチレン;ポリビニルアルコール;ポリウレタン;ポリ乳酸、等から形成される材質のような追加的な合成繊維を使用することができる。所望ならば、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(β−リンゴ酸)(PMLA)、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)、ポリ(p−ジオキサノン)(PDS)、ポリ(コハク酸ブチレン)(PBS)、及びポリ(3−ヒドロキシ酪酸塩)のような生分解性ポリマーも、また、使用可能である。公知の合成繊維のいくつかの例は、T−255とT−256との名称で両者ともポレオレフィンの鞘を使用する、又は、低溶融コポリエステルの鞘を有するT−254との名称のノースカロライナ州シャーロットのKoSa Inc.から市販の鞘−芯二要素繊維を含む。日本国モリヤマのチッソ社又はデラウエア州ウィルミントンのFibervisions LLCから市販の製品も利用可能である。台湾のFar Eastern Textile,Ltd.から市販の製品のような、ポリ乳酸短繊維も使用可能である。
【0056】
複合材は、また、高平均繊維長パルプ、低平均繊維長パルプ、又はこれらの混合物のようなパルプ繊維を含有することができる。適合する高平均長綿毛パルプ繊維の1例は、軟木クラフトパルプ繊維を含む。軟木クラフトパルプ繊維は、針葉樹から採られ、限定はされないが、アメリカスギ、エンピツビャクシン、アメリカツガ、ダグラスファー、モミ、マツ(例えば、ダイオウマツ)、トウヒ(例えば、クロトウヒ)、これらの組合せ、等を含む北方、西方、及び南方の軟木種のようなパルプ繊維を含む。北方の軟木クラフトパルプ繊維は、この発明に使用可能である。この発明での使用に適合する市販の南方の軟木クラフトパルプ繊維は、「NF−405」との名称でワシントン州フェデラルウェイに営業所のあるWeyerhaeuser Companyから市販の製品を含む。この発明での使用に適した他のパルプは、CoosAbsorb Sパルプとの名称でサウスカロライナ州グリーンビルに営業所のあるBowater Corp.から市販の軟木繊維を主に含有する漂白された硫酸塩パルプである。低平均長繊維も、また、この発明で使用することができる。適合する低平均長繊維の1例は、堅木材クラフトパルプ繊維である。堅木材クラフトパルプ繊維は落葉樹から採られ、限定はされないが、ユーカリ、カエデ、カバノキ、アスペン、等のようなパルプ繊維を含む。シート材の軟らかさを増し、光沢を増し、不透明性を増し、その多孔構造を変更して、シート材のウィッキング性能を向上するには、ユーカリのクラフトパルプ繊維が特に望ましい。
【0057】
不織複合材は、各種の公知技法を使って形成される。例えば、不織複合材は、加水分解で分解されたポリ乳酸繊維と吸収材料の混合体又は安定化された基材を含有する「コフォーム材料」とすることができる。例として、コフォーム材料は、少なくとも1つのメルトブローン・ダイ・ヘッドが、形成過程においてウエブ材に添加される吸収材料を通過させるためのシュートの近くに配置されるプロセスによって作成される。そのような吸収材料は、限定はされないが、パルプ繊維、超吸収微粒子、無機及び/又は有機吸収材料、処理されたポリマー短繊維、等を含む。吸収材料の相対百分率は、不織複合材の所望特性に依拠して広い範囲で変更可能である。例えば、不織複合材は、約1重量%から約60重量%、いくつかの実施例では5重量%から約50重量%、また、いくつかの実施例では、約10重量%から約40重量%の加水分解で分解されたポリエステル繊維を含有する。同様に、不織複合材は、約40重量%から約99重量%、いくつかの実施例では、50重量%から約95重量%、また、いくつかの実施例では、約60重量%から約90重量%の吸収材料を含有する。そのようなコフォーム材料のいくつかの例が、アンダーソン等の米国特許第4100324号(特許文献55)、エバーハート等の米国特許第5284703号(特許文献56)、ゲオルガ等の米国特許第5350624号(特許文献57)に開示されており、これらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。
【0058】
例えば、図2を参照するに、不織コフォーム複合材構造を形成するための装置の1つの実施例が、全体的に、参照符号110で示されている。初めに、原材料(例えば、ポリエステル酸、等)が、押出機114のホッパー112に供給され、次に、衝突領域130で集合するように整合されたガス126と128の流れに対応する2個のメルトブローン・ダイ116と118へと各々押し出される。1種類以上の二次材料132(繊維及び/又は微粒子)が、また、ノズル144によって供給され、衝突衝突130で2つの流れ126と128に添加され、組合された流れ126と128内での材料の段階的な拡散を生ずる。二次材料は、ピッカー・ロール構造(図示しない)又は微粒子注入装置(図示しない)によるような当業界で公知の任意の技法を使って供給される。二次的な流れ132は、前記2つの流れ126と128に合流して合成流れ156を形成する。ローラ160によって駆動される無端ベルト158が、前記流れ156を受けて複合材構造154を形成する。所望ならば、ベルト158の表面上での基材の保持を支援するため、真空ボックス(図示しない)を採用する。
【0059】
不織積層品を、また、この発明の加水分解で分解されたポリエステルから1以上の層が形成される様式で形成することができる。例えば、1つの層の不織ウエブ材を加水分解で分解されたポリエステルを含有するメルトブローン・ウエブ材又はコォーム・ウエブ材とするとともに、他の層の不織ウエブ材が加水分解で分解されたポリエステル、他の生分解性ポリマー、及び/又は任意の他のポリマー(例えば、ポリオレフィン)を含有することも可能である。1つの実施例では、不織積層品は、2つのスパンボンド層の間に配置されたメルトブローン層を含有してスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層品を形成する。所望ならば、メルトブローン層は、加水分解で分解されたポリエステルから形成することができる。スパンボンド層は、加水分解で分解されたポリエステル、他の生分解性ポリマー、及び/又は任意の他のポリマー(例えば、ポリオレフィン)から形成することができる。SMS積層品を形成する各種の技法が、ブロック等の米国特許第4041203号(特許文献58)、ティモンズ等の米国特許第5213881号(特許文献59)、米国特許第5464688号(特許文献60)、ボーンスレガーの米国特許第4374888号(特許文献61)、コリヤー等の米国特許第5169706号(特許文献62)、ブロック等の米国特許第4766029号(特許文献63)、同様にフィッティング等の米国特許出願公開番号2004/0002273(特許文献64)に記述されており、これらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。もちろん、不織積層品は、他の構造を有し且つスパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド積層品(SMMS)、スパンボンド/メルトブローン積層品(SM)のように任意の所望数のメルトブローンとスパンボンドの層を有することができる。不織積層品の基本重量は所望の用途に合わせてあつらえることができるが、概ね、約10gsm(平方メートル毎のグラム)から約300gsmであり、それは、いくつかの実施例では、約25gsmから約200gsmであり、また、いくつかの実施例では、約40gsmから約150gsmである。
【0060】
所望ならば、不織ウエブ材又は積層品は、所望の特性を与えるために各種の処理を施すことができる。例えば、ウエブ材は、撥液添加物、帯電防止剤、界面活性剤、着色剤、防曇防止剤、フッ素系の血液又はアルコール防除剤、潤滑剤、及び/又は抗菌剤で処理することができる。付け加えるに、ウエブ材は、ろ過効率を向上するべく静電電荷を付与するエレクトレット処理を施すことが可能である。電荷は、ポリマーの表面に又はその近くに捕捉され陽電荷又は陰電荷の層、又は。ポリマーのバルク中に蓄えられた電荷雲を含む。電荷は、また、分子の双極子と一直線に固定された分極電荷を含む。エレクトレット処理を織物に施す技法は、当業者には公知である。そのような技法の例は、限定はされないが、熱技法、液体接触技法、電子線技法及びコロナ放電技法を含む。1つの特定実施例では、エレクトレット処理は、コロナ放電技法であり、これは、反対の極性を有する一対の電場に積層品をさらす過程を含む。エレクトレット材料を形成する他の方法は、クビク等の米国特許第4215682号(特許文献65)、ワッズワースの米国特許第4375718号(特許文献66)、ナカオの米国特許第4592815号(特許文献67)、アンドウの米国特許第4874659号(特許文献68)、ツァイ等の米国特許第5401446号(特許文献69)、リーダー等の米国特許第5883026号(特許文献70)、ルーシー等の米国特許第5908598号(特許文献71)、ナイト等の米国特許第6365088号(特許文献72)に記述されており、これらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。
【0061】
IV.用品
この発明の不織ウエブ材は、広範な種類の用途で使用が可能である。例えば、ウエブ材は、ガウン、外科用カーテン、顔マスク、頭部覆い、外科用帽子、靴カバー、滅菌ラップ、保温用ブランケット、加熱パット、等の「医療用品」に組み込むことができる。もちろん、不織ウエブ材は、また、様々な他の用品で使用することができる。例えば、不織ウエブ材は、水又は他の液体を吸収することが可能な「吸収用品」に組み込むことができる。いくつかの吸収用品の例は、限定はされないが、おむつ、トイレトレーニングおむつ、吸収ズボン下、失禁用品、婦人衛生用品(例えば、生理用ナプキン)、水泳着、幼児用おしり拭き、手拭き、等のようなパーソナルケア吸収用品;ガーメント、開窓材料、下敷きパッド、ベッドパッド、包帯、吸収掛け布、及び医療用ティッシュのような医療用吸収用品;給食雑巾;衣服用品;ポーチ等を含む。
【0062】
そのような用品を形成するのに適合する材料及び方法は、当業者に公知である。例えば、吸収用品は、典型的には、実質的に液体不浸透層(例えば、裏打ちシート)、液体浸透層(例えば、表面シート、サージ処理層、通気層、ラップ、等)、及び吸収芯材を含む。図3を参照するに、吸収用品201の1つの実施例が、おむつの形態で示されている。しかしながら、上述したように、この発明は、失禁用品、生理用ナプキン、おむつパンツ、婦人用ナプキン、子供用トイレトレーニングおむつ、等のような他の種類の吸収用品としても実施される。図解された実施例において、おむつ201は、とじられていない状態では砂時計形状を有することが示されている。しかしながら、もちろん、全体的に矩形形状、T字形状、又はI字形状のような他の形状を利用することができる。示されるように、おむつ201は、外側カバー217、体側ライナー205、吸収芯材203、及びサージ層207を含むいくつかの要素によって形成される。しかしながら、この発明では他の層も、また、使用できることを理解されたい。同様に、図3で言及される1以上の層は、また、この発明の特定の実施例では除去される。
【0063】
外側カバー217は、典型的には、実質的に液体に対して不浸透性の材料で形成する。例えば、外側カバー217は、薄いプラスチック薄膜又は他の柔軟な液体不浸透性材料で形成される。1つの実施例では、外側カバー217は、約0.01mmから約0.05mmの厚さを有するポリエチレン薄膜で形成する。この薄膜は、液体に対しては不浸透性であるが、気体及び水蒸気に対しては浸透性である(すなわち、通気性)。これが、蒸気が吸収芯材203から逃げることを可能とするが、液体滲出が外側カバー217を通り抜けることは妨止する。いっそうの布類似の感触が所望される場合には、外側カバー217は、不織ウエブ材に積層されたポリオレフィン薄膜から形成することができる。例えば、約0.015mmの厚さを有する伸長され薄くされたポリプロピレン薄膜を、ポリプロピレン繊維のスパンボンド・ウエブ材に熱により積層することができる。所望ならば、不織ウエブ材は、この発明の繊維を含有する。
【0064】
おむつ201は、また、体側ライナー205を含む。体側ライナー205は、概ね吸収芯材203内に保持されている液体から装着者の皮膚を隔てるのを助けるために採用される。例えば、ライナー205は、典型的に順応性があり、柔らかい感触で、装着者の皮膚を刺激しない、身体に相応する表面を呈する。典型的には、ライナー205は、また、吸収芯材203よりも親水性が低く、そのため、その表面は、装着者に対して比較的乾燥した状態を維持する。ライナー205は、液体浸透性であり、液体がその厚さを介して容易に貫通することを許す。1つの特定実施例では、ライナーは、この発明の多要素繊維を含有する不織ウエブ材(例えば、スパンボンド・ウエブ材、メルトブローン・ウエブ材、又は接合された梳かれたウエブ材)を含む。不織ウエブ材を含有する例示的なライナー構成は、米国特許第5192606号(特許文献73)、米国特許第5702377号(米国特許74)、米国特許第5931823号(特許文献75)、米国特許第6060638号(特許文献76)、米国特許第6150002号(特許文献77)、同様に、米国特許出願公開番号2004/0102750(特許文献78)、米国特許出願公開番号2005/0054255(特許文献79)、米国特許出願公開番号2005/0059941(特許文献80)に記述されており、これらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。
【0065】
図3に図解されるように、おむつ201は、また、吸収芯材203に向かって急激に流れる液体の脈動流又は噴出を減速し且つ拡散するのを助けるサージ層207を含むことができる。望ましくは、サージ層207は、その液体を吸収芯材の保蔵部分へと流す前に、その液体を即座に受容し且つ一時的に保持する。例えば、図解された実施例では、サージ層207は、体側ライナー205の内側仕上げ面216と吸収芯材203の間に配置される。代替的には、サージ層207は、体側ライナー205の外側仕上げ面218上に配置することができる。サージ層207は、典型的には、高液体浸透性材料から構成される。適合する材料は、多孔織物材料、多孔不織材料、及び孔の開いた薄膜材を含む。1つの特定実施例では、サージ層207は、この発明の繊維を含有する不織ウエブ材を含む。適合するサージ層の他の例は、エリス等の米国特許第5486166号(特許文献81)、米国特許第5490846号(特許文献82)に記述されており、これらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。
【0066】
上述した要素に加えて、おむつ201は、また、当業界で知られている各種の他の要素を含有することができる。例えば、おむつ201は、また、吸収芯材203の線維構造の一体性の維持を助ける実質的に親水性のラップシート(図示しない)を含有することができる。このラップシートは、典型的には、吸収芯材203のまわりに、その少なくとも2つの仕上げ面を覆って設置され、クレープ詰め物又は高湿潤強度ティッシュのような吸収セルロース材料で構成される。ラップシートは、吸収芯材203の吸収繊維塊上で液体が急速に拡がるのを助けるウィッキング層を提供するように構成される。吸収線維塊の一側のラップシート材料は、吸収芯材203を確実に保持するべく、線維塊の他側に配置されたラップシートに接合される。所望ならば、ラップシートは、この発明の繊維を含む不織ウエブ材で形成される。
【0067】
さらに、おむつ201は、また、吸収芯材203と外側カバー217の間に配置された通気層(図示しない)を含むことができる。使用された場合には、通気層は、外側カバー217を吸収芯材203から隔てることを助け、これにより、外側カバー217の湿気を低減する。そのような通気層の例は、ブラネイ等の米国特許第6663611号(特許文献83)に記述のような、通気可能薄膜に積層された不織ウエブ材を含み、これは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。そのような不織ウエブ材は、この発明の繊維を含む不織ウエブ材から形成することができる。
【0068】
いくつかの実施例では、おむつ201は、また、おむつ201の側端232から腰領域の1つへと延びる一対の耳部(図示しない)を含むことが可能である。耳部は、選択されたおむつ要素と一体的に形成される。例えば、耳部は、外側カバー217と一体的に形成可能であり、又は、上面を提供するべく採用された材料から一体的に形成可能である。代替的な構成としては、耳部は、外側カバー217と上面の間で外側カバー217に接続され且つ組立てられた部材によって、又は各種の構成で、提供が可能である。
【0069】
図3に典型的に図解されるように、おむつ201は、また、流れ止めを提供して体の滲出液の横流れを阻止するように構成された一対の封止フラップ212をふくむことができる。封止フラップ212は、吸収芯材203の側端に隣接した体側ライナー205の横方向で対向する側端232に沿って配置される。封止フラップ212は、吸収芯材203の全長に沿って長さ方向に延びるか、又は、吸収芯材203の長さに沿って部分的にのみ延びる。封止フラップ212が、吸収芯材203よりも長さが短い場合には、封止フラップは、股領域210内でおむつ201の側端232に沿ったいずれかの位置に選択的に配置する。1つの実施例では、封止フラップ212は、体の滲出液を良好に含有するべく、吸収芯材203の全長に沿って延びる。そのような封止フラップ212は、当業者には概ね公知である。例えば、封止フラップ212の適合する構成及び配列は、米国特許第4704116号(特許文献84)に記述されており、これは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。所望ならば、1以上の封止フラップ212は、この発明の繊維を含む不織ウエブ材から形成することができる。
【0070】
おむつ201は、さらに体の滲出液の漏出を防止し且つ吸収芯材203を支持するべく側端232に取り付けられた一対の脚部伸縮部材206のような、各種の伸縮または伸縮可能材料を含むことができる。付け加えるに、一対の腰部伸縮部材208を、おむつ201の長さ方向で対向する腰端215に取り付けることができる。脚部伸縮部材206と腰部伸縮部材208は、概ね、使用の場合、装着者に対する接触状態で装着者の脚及び腰の周囲に密着するのに適しており、おむつ201からの体の滲出液の漏出を効果的に低減し又は除去するに適している。ここで使用のように、用語「伸縮」及び「伸縮可能」とは、引き伸ばすことが可能で且つ放されると元の形状に戻る材料を含む。そのような材料を形成するのに適合するポリマーは、限定はされないが、ポリスチレン、ポリイソプレン及びポリブタジエンのブロック共重合体、エチレンのコポリマー、天然ゴム及びウレタン、等を含む。特に適合するものは、Kraton(商標)との名称でテキサス州ヒューストンのKraton Polymersより販売のスチレン−ブタジエン・ブロック共重合体である。他の適合するポリマーは、限定なしに、エチレン酢酸ビニル、エチレンメチルアクリレート、エチレンエチルアクリレート、アクリル酸エチレン、伸縮可能なエチレン−プロピレン共重合体、及びこれらの組合せを含むエチレンの共重合体を含む。同様に適合するものは、前述の物質の共押出し複合材、及び、ポリプロピレン、ポリエステル、綿及び他の材料の短繊維が、エラストマーメルトブローン・ウエブ材内に一体化されたエラストマー・ステープル一体化複合材である。或るエラストマー単部位オレフィン・ポリマー又はメタロセン触媒によるオレフィン・ポリマー及び共重合体が、また、側面パネルに適合する。
【0071】
おむつ201は、また、1以上のファスナー230を含むことができる。例えば、図3には、腰領域の対向側端に2個の柔軟なファスナーであって、装着者に関して腰用の開口と一対の脚用の開口を設けるためのファスナーが図解されている。このファスナー230の形状は、全体的に変更可能であり、例えば、概ね、矩形形状、正方形形状、円形形状、三角形状、卵形形状、直線形状、等を含む。このファスナーは、例えば、フック材を含むことができる。1つの特定実施例では、各ファスナー230は、柔軟な裏打ち材の内側に取り付けられた別体のフック材を含む。
【0072】
接着、超音波接合、熱接合、等のような任意の公知の接続機構を用いて、おむつ201の各種領域及び/又は要素を組み合わせることができる。例えば、適合する接着は、ホットメルト接着、圧力感知接着、等を含む。使用される場合、接着剤は、均一層、パターン層、噴霧パターン、又は任意の分離線、渦、又は点の形で塗布される。図解された実施例では、例えば、外側カバー217と体側ライナー205は、接着剤を使用して、相互に組立てられ且つ吸収芯材203と組立てられる。代替的には、吸収芯材203は、ボタン、フック−ループ型ファスナー、接着テープ・ファスナー、等のような慣用のファスナーを使って外側カバー217に接続される。同様に、脚部伸縮部材206、腰部伸縮部材208及びファスナー230のような、おむつ要素は、また、任意の接続機構を使っておむつ201内に組み込むことができる。
【0073】
おむつの各種構成について上述したが、他のおむつ及び吸収用品構成も、この発明の範囲に含まれることを理解されたい。付け加えるに、この発明は、決して、おむつに限定されない。実際、限定はしないが、トイレトレーニングおむつ、吸収ズホン下、成人用失禁用品、婦人用衛生用品(例えば、生理用ナプキン)、水泳着、幼児用おしり拭き、等;ガーメント、開窓材料、下敷きパッド、包帯、吸収カーテン、及び医療用ティッシュのような医療用吸収用品;給食雑巾;衣服用品;等のような、他の介護用吸収用品を含む。
【0074】
1つの実施例では、例えば、この発明の不織ウエブ材は、幼児用おしり拭き、成人用ティッシュ、手拭き、顔拭き、化粧用ティッシュ、家庭用ティッシュ、工業用ティッシュ、個人用洗浄ティッシュ、綿ボール、綿棒、等のような皮膚に使用する目的で構成されたティッシュ(拭き取り用品)に形成使用可能である。このティッシュ(拭き取り用品)は、限定はしないが、全体的に、円形、卵形、正方形、矩形、又は不規則形状を含む各種の形状を有することができる。各個別のティッシュは、湿潤ティッシュの積み重ね束を提供するべく、折り畳んだ形状に整えて1つずつ積み重ねることが可能である。そのような折り畳んだ形状は、当業者に公知であり、C−形状(2つ折)、Z−形状(3つ折)、4つ折、等を含む。例えば、ティッシュ(拭き取り用品)は、約2.0cmから約80.0cmまでの開いた状態での長さを有し、いくつかの実施例では、それは、約10.0cmから約25.0cmまでの長さである。同様に、ティッシュ(拭き取り用品)は、約2.0cmから約80.0cmまでの開いた状態での幅を有し、いくつかの実施例では、それは、約10.0cmから約25.0cmの長さである。折り畳まれたティッシュの積み重ね束は、プラスチック製タブのような容器内に収納して消費者向け店頭販売用ティッシュ包装を提供することができる。代替的には、ティッシュは、各ティッシュ間にミシン目を有する連続する帯状素材を含んでおり、取り出し用に積み重ね束で又はロール状に巻かれて配置される。ティッシュを扱うための各種の適合する取り出し容器、箱、及び装置は、ブズビンスキ等の米国特許第5785179号(特許文献85)、ザンダーの米国特許第5964351号(特許文献86)、米国特許第6030331号(特許文献87)、ヘインズ等の米国特許第6158614号(特許文献88)、ヒュアング等の米国特許第6269969号(特許文献89)、米国特許第6269970号(特許文献90)、及びニューマン等の米国特許第6273359号(特許文献91)に記述されており、これらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。
【0075】
この発明の或る実施例では、ティッシュは、洗浄、殺菌、消毒のための溶液を含有する「湿潤ティッシュ」である。特定の湿潤ティッシュ溶液は、この発明にとっては重要ではないが、クルジスキ等の米国特許第6440437号(特許文献92)、アマンドサン等の米国特許第6028018号(特許文献93)、コールの米国特許第5888524号(特許文献94)、ウィン等の米国特許第5667635号(特許文献95)、コパッズ等の米国特許第5540332号(特許文献96)、及びジャクソン等の米国特許4741944号(特許文献97)により詳細に記述されており、これらは、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。採用される湿潤ティッシュ溶液の量は、利用されるティッシュ材料の種類、ティッシュを保存するのに用いられる容器の種類、洗浄用調合の特性、及びティッシュの所望の用途に依拠する。一般的には、各ティッシュは、ティッシュの乾燥重量に基づいて、約150重量%から約600重量%、そして、所望の場合には、約300重量%から約500重量%の湿潤ティッシュ溶液を含有する。
【0076】
この発明は、以下の例を参照することにより良好に理解することができる。
【0077】
試験方法
分子量:
ポリマーの分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフイー(GPC)によって測定された。試料は、はじめ、40ミリリットルのガラス製薬ビンにクロロフォロム内の0.5%重量/容積の試料ポリマーを添加することによって調製された。例えば、0.05プラス又はマイナス0.005gのポリマーが、10ミリリットルのクロロフォロムに添加された。調製された試料は、旋回式シェーカー内に入れられて、一晩攪拌された。溶解した試料は、0.45μmPTFE膜によってろ過され、以下の条件を使用して分析された。
カラム:
Styragel HR 1,2,3,4,&5E(5つ連続で)41℃で
溶剤/溶離剤:
クロロフォルム @1分につき1.0ミリリットル
HPLC
Waters600E勾配ポンプ及び制御装置、Waters717自動試料採取装置
検出器:
Waters2414差動屈折計、感度=30、温度40℃、スケール係数20
試料濃度:
0.5%のポリマー(現状のまま)
注入容量:
50マイクロリットル
較正基準:
限られたMWのポリスチレン、注入容量30マイクロリットル
【0078】
数平均分子量(MWn)、重量平均分子量(MWw)及び第1のモーメントの粘度平均分子量(MWz)が得られた。
【0079】
見掛け粘度:
ポリマー試料のレオロジー特性は、WinRHEOバージョン2.31の分析ソフトウエアを備えたGottfert Rheograph2003毛管レオメーターを使用して測定された。その機構は、2000バール圧力変換器と30/1:0/180の丸孔毛管ダイを含んでいた。試料の装填は、ラムロッドによって試料の添加と詰め込みを交互に行なって実施された。試験温度(通常は、160℃乃至220℃)でポリマーが完全に溶融することを可能とするため、各試験前に2分間の溶融時間がおかれた。毛管レオメーターは、100、200、500、1,000、2,000及び4,000秒−1のような各種のせん断率で、見掛け粘度(Pa・s)を測定した。見掛け粘度対見掛けせん断率の結果的な流動学的曲線は、ポリマーが、押出し過程の温度でどのように溶けるのかの指表を与えてくれた。
【0080】
メルトフローレート:
メルトフローレート(MFR)とは、典型的には190℃又は230℃で、10分間、2,160gの処理量とされる場合に、押出しレオメーター小孔(0.0825インチ(0.2095センチ)径)を通過して押し出されるポリマーの重量(グラムでの)である。他の指示がない限り、メルトフローレートは、ASTM試験法D1238−Eに従い測定された。メルトフローレートは、乾燥の前に又は後に測定される。乾燥の後に測定されたポリマー(無水ベース)は、概ね、500ppmよりも小さい水分含量を有する。
【0081】
引張特性:
帯状体の引張強度値は、実質的にASTM基準D−5034に従い測定された。具体的には、不織ウエブ材試料は、切断されるか、又は別の方法で、25mm(幅)×127mm(長さ)に計測された寸法サイズで準備された。伸長率が一定の種類の引張試験装置が採用された。引張試験装置は、ノースカロライナ州キャリーのSintech Corp.から市販のSintech引張試験装置であった。この引張試験装置は、試験をサポートするための、MTS Corporationから市販のTESTWORKS4.08Bソフトウェアを備えていた。適合するロードセルが選択され、試験値は、全スケール負荷の10乃至90%の範囲内におさまった。試料は、25.4mm×76mmと計測される前面と後面を有するグリップの間に保持された。グリップの面は、ゴム引きにされており、グリップの寸法の長い方は、引張方向に対して直角であった。グリップの圧力は、空気圧で、40psi(275.8kPa)の圧力に維持された。引張試験は、10.16cmのゲージ長さと40%の破壊感度で、1分につき300mmの速度で行なわれた。
【0082】
試験負荷を機械方向(MD)に沿って加えて5つの試料が試験され、試験負荷を交差方向(CD)に沿って加えて5つの試料が試験された。引張強度(最高負荷)に加え、最高伸長(すなわち、最高負荷における%伸長)が計測された。
【0083】
水分含量:
水分含量は、基本的にASTM D7191−05に従うArizona Instruments ComputracのVapor Pro水分分析機(Model No. 3100)を使って測定された。この水分分析機は、すべての目的に関してその全体が引証としてこの明細書に加えられる。試験温度(§X2.1.2)は130℃で、試料寸法(§X2.1.1)は2乃至4gで、小ビン排掃時間(§X2.1.4)は30秒であった。さらに、終了基準(§X2.1.3)は、「予測」モードとして定義されたが、これは、組み込まれたプログラム基準(これが終点水分含量を計算する)が満足されたときに試験が終了したことを意味する。
【0084】
試験例1
2つの等級のポリエステル、すなわち、BASFによって供給されるEcoflex(商標)FBX7011と韓国のIre ケミカルによって供給されるEnpol(商標)G4560Jとが採用された。樹脂は、下記の表1に記述のように形成され、Wernerer Phleiderer Model ZSK−30の2軸押出機(44のL/D比)を使って溶融処理された。合計で19の低せん断搬送要素と合計で39の高せん断混練要素を含む高せん断スクリュウ設定が採用された。押出しの後、変性したポリマー束はコンベヤーベルト上で冷却され、ペレット化された。樹脂は、乾燥と予備湿潤化の両方で用いられた。水分含量は、押出しの前に計測され、樹脂は、表2−3に図解の溶融処理条件を使って押し出された。最終水分含量及び最終メルトフローレート(MFR)は変性された樹脂のペレット化の後に計測された。
【0085】

【0086】

【0087】

【0088】
表示されたように、高せん断条件下での湿式溶融処理の後に最終メルトフローレート(MFR)の格段の増加が観察された。例えば、EnPol(商標)G4560J樹脂のメルトフローレートは、溶融処理の後に25MFRから約170MFRへと増加した。Ecoflex(商標)樹脂のメルトフローレートは、高せん断条件下で2,098ppmの水分を有する湿潤樹脂が溶融処理されたときに、5から31へと増大した。最終MFR(すなわち、約620g/10分と760g/10分の間)の格段の増加も、また、PLAとPEGが混合された湿式樹脂が溶融処理されたときに観察された。
【0089】
試験例2
試験例1の試料12は、最終メルトフローレート(MFR)への乾燥の効果を測定するために試験された。乾燥条件と試験結果は下記の表4に示されている。
【0090】

【0091】
表示されるように、乾燥の後に、メルトフローレートの幾分かの減少が示された。
試験例3
試験例1の樹脂のいくつかが、それらの分子量を測定するために試験された。その結果は下記の表5に示されている。
【0092】

【0093】
表示されるように、樹脂の変性は、数平均分子量(MWn)、重量平均分子量(MWw)、及びZ−平均分子量(MWz)の格段の減少をもたらした。例えば、試料番号4の数平均分子量は、84,000から63,000へと減少し、重量平均分子量は、135,100から100,900へと減少した。
【0094】
試験例4
上述したような慣用の装置を使って、「NF405」パルプと3つの異なる種類のPBS樹脂からコフォーム・ウエブ材が形成された。試料AとBは、試料番号4(試験例1)の樹脂から形成され、単要素繊維として押し出された。この樹脂は、湿潤処理の前に、約150゜F(約65℃)で一晩乾燥された。Basellから「PF015」との名称で市販のポリプロピレンを含有する対照用のコフォーム・ウエブ材が、また、形成された。コフォーム・ウエブ材を形成するための条件は。下記の表6に示されている。さらに、ウエブ材の各種の機械的特性が下記の表7に示されている。
【0095】

【0096】

【0097】
この発明は、その特定実施例に関して詳細に説明されているが、当業者は、その説明を理解することによってこれらの実施例の改変、変更及び均等物を容易に想到し得ることを理解されよう。したがって、この発明の範囲は、添付の請求項及びその均等物として決定されるべきである。
【符号の説明】
【0098】
10 ホッパー
11 モータ
12 押出機
13 導管
14 ダイ
15 吸入ボックス
16 加熱装置
18 マイクロファイバー
19 穴
20 小孔配設面
21 ロール
22 ウエブ材
23 ロール
24 ロール
26 ロール
112 ポッパー
114 押出し機
116 メルトブローン・ダイ
118 メルトブローン・ダイ
154 複合材構造
158 無端ベルト
160 ローラ
201 おむつ
203 吸収芯材
205 体側ライナー
206 脚伸縮部材
207 サージ層
208 腰伸縮部材
212 封止ラップ
217 外側カバー
230 ファスナー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】
【特許文献1】米国特許第4789592号明細書
【特許文献2】米国特許第5336552号明細書
【特許文献3】米国特許第5108820号明細書
【特許文献4】米国特許第4795668号明細書
【特許文献5】米国特許第5382400号明細書
【特許文献6】米国特許第5336552号明細書
【特許文献7】米国特許第6200669号明細書゜
【特許文献8】米国特許第5277976号明細書
【特許文献9】米国特許第5162074号明細書
【特許文献10】米国特許第5466410号明細書
【特許文献11】米国特許第5069970号明細書
【特許文献12】米国特許第5057368号明細書
【特許文献13】米国特許第5108827号明細書
【特許文献14】米国特許第3849241号明細書
【特許文献15】米国特許第4307143号明細書
【特許文献16】米国特許第4707398号明細書
【特許文献17】米国特許第4340563号明細書
【特許文献18】米国特許第3692618号明細書
【特許文献19】米国特許第3802817号明細書
【特許文献20】米国特許第3338992号明細書
【特許文献21】米国特許第3341394号明細書
【特許文献22】米国特許第3502763号明細書
【特許文献23】米国特許第3502538号明細書
【特許文献24】米国特許第3542615号明細書
【特許文献25】米国特許第5382400号明細書
【特許文献26】米国特許第4100324号明細書
【特許文献27】米国特許第5284703号明細書
【特許文献28】米国特許第5350624号明細書
【特許文献29】米国特許第5714569号明細書
【特許文献30】米国特許第5883199号明細書
【特許文献31】米国特許第6521366号明細書
【特許文献32】米国特許第6890989号明細書
【特許文献33】米国特許第5292783号明細書
【特許文献34】米国特許第5446079号明細書
【特許文献35】米国特許第5559171号明細書
【特許文献36】米国特許第5580911号明細書
【特許文献37】米国特許第5599858号明細書
【特許文献38】米国特許第5817721号明細書
【特許文献39】米国特許第5900322号明細書
【特許文献40】米国特許第6258924号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開番号2005/0004341公報
【特許文献42】米国特許出願公開番号2001/0003874公報
【特許文献43】米国特許第6177193号明細書
【特許文献44】米国特許第3855046号明細書
【特許文献45】米国特許第5620779号明細書
【特許文献46】米国特許第5962112号明細書
【特許文献47】米国特許第6093665号明細書
【特許文献48】米国意匠特許第428267号公報
【特許文献49】米国意匠特許第390708号公報
【特許文献50】米国意匠特許第418305号公報
【特許文献51】米国意匠特許第384508号公報
【特許文献52】米国意匠特許第384819号公報
【特許文献53】米国意匠特許第358035号公報
【特許文献54】米国意匠特許第315990号公報
【特許文献55】米国特許第4100324号明細書
【特許文献56】米国特許第5284703号明細書
【特許文献57】米国特許第5350624号明細書
【特許文献58】米国特許第4041203号明細書
【特許文献59】米国特許第5213881号明細書
【特許文献60】米国特許第5464688号明細書
【特許文献61】米国特許第4374888号明細書
【特許文献62】米国特許第5169706号
【特許文献63】米国特許第4766029号
【特許文献64】米国特許出願公開番号2004/0002273公報
【特許文献65】米国特許第4215682号明細書
【特許文献66】米国特許第4375718号明細書
【特許文献67】米国特許第4592815号明細書
【特許文献68】米国特許第4874659号明細書
【特許文献69】米国特許第5401446号明細書
【特許文献70】米国特許第5883026号明細書
【特許文献71】米国特許第5908598号明細書
【特許文献72】米国特許第6365088号明細書
【特許文献73】米国特許第5192606号明細書
【特許文献74】米国特許第5702377号明細書
【特許文献75】米国特許第5931823号明細書
【特許文献76】米国特許第6060638号明細書
【特許文献77】米国特許第6150002号明細書
【特許文献78】米国特許出願公開番号2004/0102750公報
【特許文献79】米国特許出願公開番号2005/0054255公報
【特許文献80】米国特許出願公開番号2005/0059941公報
【特許文献81】米国特許第5486166号明細書
【特許文献82】米国特許第5490846号明細書
【特許文献83】米国特許第6663611号明細書
【特許文献84】米国特許第4704116号明細書
【特許文献85】米国特許第5785179号明細書
【特許文献86】米国特許第5964351号明細書
【特許文献87】米国特許第6030331号明細書
【特許文献88】米国特許第6158614号明細書
【特許文献89】米国特許第6269969号明細書
【特許文献90】米国特許第6269970号明細書
【特許文献91】米国特許第6273359号明細書
【特許文献92】米国特許第6440437号明細書
【特許文献93】米国特許第6028018号明細書
【特許文献94】米国特許第5888524号明細書
【特許文献95】米国特許第5667635号明細書
【特許文献96】米国特許第5540332号明細書
【特許文献97】米国特許第4741944号明細書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維形成に使用するための生分解性ポリマーを形成する方法であって、
生分解性の第1のポリエステルの乾燥重量に基づいて約500ppmから約5,000ppmまでの水分含量で該第1のポリエステルを溶融処理する過程より成り、前記第1のポリエステルは、加水分解反応を経て加水分解で分解された第2のポリエステルを生成し、該第2のポリエステルは、ASTM試験方法D1238−Eに従い2,160gの処理量で且つ190℃の温度で無水ベースで決定された前記第1のポリエステルのメルトフローレートよりも大きいメルトフローレートを有することを特徴とする方法
【請求項2】
前記第1のポリエステルのメルトフローレートに対する前記第2のポリエステルのメルトフローレートの比が少なくとも約1.5であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のポリエステルのメルトフローレートに対する前記第2のポリエステルのメルトフローレートの比が少なくとも約10であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のポリエステルは、モル当たり約10,000gから約70,000gの数平均分子量とモル当たり約20,000gから約125,000gの重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のポリエステルは、モル当たり約20,000gから約60,000gの数平均分子量とモル当たり約30,000gから約110,000gの重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1と第2のポリエステルの両者ともに約80℃から約160℃の溶融点を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1と第2のポリエステルの両者ともに約0℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のポリエステルのメルトフローレートが、10分につき約10gから約1,000gであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のポリエステルのメルトフローレートが、10分につき約100gから約800gであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のポリエステルが、脂肪族ポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のポリエステルが、コハク酸ポリブチレン又はその共重合体であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のポリエステルが、芳香族−脂肪族コポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記水分含量が、前記第1のポリエステルの乾燥重量に基づいて約1,000ppmから約4,500ppmであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記水分含量が、前記第1のポリエステルの乾燥重量に基づいて約2,000ppmから約3,500ppmであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
溶融処理は約100℃から約500℃の温度で且つ約100秒−1から10,000秒−1の見掛けせん断率で生起することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
溶融処理は約150℃から約350℃の温度で且つ約800秒−1から1,200秒−1の見掛けせん断率で生起することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
溶融処理が、押出機内で生起することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のポリエステルが、メルトブローン・ダイを介して押し出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のポリエステルが、可塑剤とともに溶融処理されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
生分解性で加水分解で分解されたポリエステルより成る繊維であって、該ポリエステルが、ASTM試験法D1238−Eに従い2,160グラムの処理量で且つ190℃の温度で無水ベースで決定された10分につき約10グラムから約1,000グラムまでのメルトフローレートを有することを特徴とする繊維。
【請求項21】
前記ポリエステルの前記メルトフローレートが、10分につき約100gから約800gであることを特徴とする請求項20に記載の繊維。
【請求項22】
前記ポリエステルは、モル当たり約10,000gから約70,000gの数平均分子量とモル当たり約20,000gから約125,000gの重量平均分子量を有することを特徴とする請求項20に記載の繊維。
【請求項23】
前記ポリエステルは、モル当たり約20,000gから約60,000gの数平均分子量とモル当たり約40,000gから約80,000gの重量平均分子量を有することを特徴とする請求項20に記載の繊維。
【請求項24】
前記ポリエステルが、約80℃から約160℃までの溶融点を有することを特徴とする請求項20に記載の繊維。
【請求項25】
前記ポリエステルが、約0℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項20に記載の繊維。
【請求項26】
前記ポリエステルが、脂肪族ポリエステルであることを特徴とする請求項20に記載の繊維。
【請求項27】
前記ポリエステルが、コハク酸ポリブチレン又はその共重合体であることを特徴とする請求項26に記載の繊維。
【請求項28】
前記ポリエステルが、芳香族−脂肪族コポリエステルであることを特徴とする請求項20に記載の繊維。
【請求項29】
前記繊維が多要素繊維であり、該繊維の少なくとも1つの要素は生分解性の加水分解で分解されたポリエステルを含有することを特徴とする請求項20に記載の繊維。
【請求項30】
前記繊維が多成分繊維であり、該繊維の少なくとも1つの成分は生分解性の加水分解で分解されたポリエステルを含有することを特徴とする請求項20に記載の繊維。
【請求項31】
請求項20の繊維より成る不織ウエブ材。
【請求項32】
前記ウエブ材が、メルトブローン・ウエブ材であることを特徴とする請求項31に記載の不織ウエブ材。
【請求項33】
前記ウエブ材は、さらに、吸収材料を含む複合材であることを特徴とする請求項31に記載の不織ウエブ材。
【請求項34】
前記複合材が、コフォーム・ウエブ材であることを特徴とする請求項33に記載の不織ウエブ材。
【請求項35】
スパンボンド層とメルトブローン層より成り、該メルトブローン層が請求項31の不織ウエブ材を含むことを特徴とする不織積層品。
【請求項36】
液体浸透性の層と概ね液体不浸透性の層の間に配置された吸収芯材より成る吸収用品であって、請求項31の不織ウエブ材より成ることを特徴とする吸収用品。
【請求項37】
さらに、ラップシート層、通気層、サージ処理層、又はこれらの組合せから成り、これらの層の1以上が、不織ウエブ材から成ることを特徴とする請求項36に記載の吸収用品。
【請求項38】
さらに、不織ウエブ材より成る1以上の封止フラップを含むことを特徴とする請求項36に記載の吸収用品。
【請求項39】
請求項31の不織ウエブ材より成る拭き取り用品。
【請求項40】
さらに、湿潤拭き取り溶液を含むことを特徴とする請求項39に記載の拭き取り用品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−513594(P2010−513594A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541279(P2009−541279)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047852
【国際公開番号】WO2008/073099
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】