説明

置換された2−(ジアザ−ビシクロ−アルキル)−ピリミドン誘導体

本発明は、式(I):
【化1】


(式中、
R1は水素原子、C1-6アルキル基またはハロゲン原子を表し、
R2は水素原子、任意に置換されていてもよいC1-6アルキル基、 C1-2パーハロゲン化アルキル基、ベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、 C1-4アルコキシカルボニル基、ベンゼン環、ナフタレン環、キノリン環、フタラジン環、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン環、ピリジン環、インドール環、 ピロール環、チオフェン環、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基、ピリダジン環、フラン環またはイミダゾール環を表し、上記のベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基および環は任意に置換されていてもよく、
R3は2、4もしくは5-ピリミジン環または2、3もしくは4-ピリジン環を表し、該環は任意に置換されていてもよく、
R4はC1-4アルキル基を表し、そしてnは1または2を表す)
で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体、またはその塩に関する。
本発明は、上記の誘導体またはその塩を活性成分として含む、アルツハイマー病のようなGSK3βの異常活性により惹き起こされる神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のために使用される医薬にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GSK3βの異常な活性に起因する神経変性疾患の予防的および/または治療的処置用の医薬の活性成分として有用な化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GSK3β(グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β)は、代謝、分化および生存の制御に重要な役割を果たす、プロリン指向性のセリン、トレオニンキナーゼである。当初、それは、リン酸化して、それによりグリコーゲンシンターゼを阻害する酵素として同定された。その後、GSK3βは、アルツハイマー病およびいくつかのタウ病において過度にリン酸化されることが分かってもいるエピトープ中のタウ蛋白をリン酸化する酵素のタウプロテインキナーゼ1と同一であることが分かった。
【0003】
興味深いことに、GSK3βのプロテインキナーゼB(AKT)リン酸化は、そのキナーゼ活性の喪失を招き、この阻害が神経栄養因子の効果のいくつかに影響するとの仮説が立てられている。さらに、GSK3βによる、細胞の生存に関与する蛋白質であるβ-カテニンのリン酸化は、ユビキチン化依存性のプロテオソーム経路によってその分解をもたらす。
【0004】
したがって、GSK3β活性の阻害は、神経栄養活性をもたらすと思われる。実際に、GSK3βの不拮抗阻害剤であるリチウムは、いくつかのモデルで神経組織の発生を高め、Bcl-2のような生存因子の誘導ならびにP53およびBaxのようなプロアポトーシス因子の発現の阻害により神経細胞の生存をも高める証拠がある。
【0005】
最近の研究により、β-アミロイドは、GSK3β活性およびタウ蛋白質リン酸化を増大することが示されている。さらに、β-アミロイドの神経毒性効果と同様に、この過度のリン酸化は、塩化リチウムおよびGSK3βアンチセンスmRNAによりブロックされる。これらの所見から、GSK3βが、アルツハイマー病の二つの主な病理学的過程である異常なAPP(アミロイド前駆体蛋白質)の進行およびタウ蛋白質の過度のリン酸化に関連のあることを強く提唱する。
【0006】
タウの過度のリン酸化は、神経細胞骨格の不安定化をもたらすが、GSK3βの異常活性による病理学的な結果は、タウ蛋白質の異常なリン酸化によるだけでなく、上記のように、このキナーゼの過度の活性が、アポトーシスおよび抗アポトーシス因子の発現の変調を通して生存に影響を及ぼすようである。さらに、GSK3β活性におけるβ-アミロイド誘導増加は、エネルギー産生およびアセチルコリン合成において重要な酵素である、ピルビン酸デヒドロゲナーゼのリン酸化およびそれにより阻害を招くことが示されている。
【0007】
これらの実験的所見の全ては、GSK3βが、その神経病理学的な結果ならびにアルツハイマー病に関連した認識および注意の欠損ばかりでなく、他の急性および慢性の神経変性疾患の治療への適用に有用であり得ることを示している。これらは、非限定的なものとして、パーキンソン病、タウ病(例えば前側頭頭頂の痴呆、皮質基底部の変性、ピック病、進行性核上麻痺)および血管性痴呆を含む他の痴呆、急性脳卒中およびその他の外傷性の障害、脳血管障害(例えば加齢黄斑変性)、脳および脊髄の損傷、末梢神経障害、網膜症および緑内障を含む。
【0008】
さらに、GSK3βは、非インスリン依存性糖尿病(例えばII型糖尿病)および肥満症、躁うつ病、統合失調症、脱毛症、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB-細胞白血病、およびいくつかのウイルス誘発性腫瘍のような癌のような他の疾病の治療への適用に有用であり得る。
【0009】
したがって、GSK3β活性の阻害は、神経栄養活性をもたらすと思われる。実際に、GSK3βの不拮抗阻害剤であるリチウムは、いくつかのモデルで神経組織の発生を高め、Bcl-2のような生存因子の誘導ならびにP53およびBaxのようなプロアポトーシス因子の発現の阻害により神経細胞の生存をも高める証拠がある。
【0010】
最近の研究により、β-アミロイドは、GSK3β活性およびタウ蛋白質リン酸化を増大することが示されている。さらに、β-アミロイドの神経毒性効果と同様に、この過度のリン酸化は、塩化リチウムおよびGSK3βアンチセンスmRNAによりブロックされる。これらの所見から、GSK3βが、アルツハイマー病の二つの主な病理学的過程である異常なAPP(アミロイド前駆体蛋白質)の進行およびタウ蛋白質の過度のリン酸化に関連のあることを強く提唱する。
【0011】
タウの過度のリン酸化は、神経細胞骨格の不安定化をもたらすが、GSK3βの異常活性による病理学的な結果は、タウ蛋白質の異常なリン酸化によるだけでなく、上記のように、このキナーゼの過度の活性が、アポトーシスおよび抗アポトーシス因子の発現の変調を通して生存に影響を及ぼすようである。さらに、GSK3β活性におけるβ-アミロイド誘導増加は、エネルギー産生およびアセチルコリン合成において重要な酵素である、ピルビン酸デヒドロゲナーゼのリン酸化およびそれにより阻害を招くことが示されている。
【発明の開示】
【0012】
本発明の目的は、GSK3βの異常な活性に起因する疾患、特に神経変性疾患の予防的および/または治療的処置用の医薬の活性成分として有用な化合物を提供することである。
より具体的には、本発明の目的は、アルツハイマー病のような神経変性疾患を予防および/または治療することができる医薬の活性成分として有用な新規化合物を提供することである。
【0013】
かくして、本発明の発明者らは、GSK3βに対して阻害活性を有する化合物を見出した。その結果、本発明者らは、以下の式(I)で表されるGR化合物が所望の活性を有し、前記疾患の予防的および/または治療的処置用の医薬の活性成分として有用であることを見出した。
【0014】
したがって、本発明は、式(I):
【化1】

(式中、
R1は水素原子、C1-6アルキル基またはハロゲン原子を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよいC1-6アルキル基;C1-2パーハロゲン化アルキル基、ベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、 C1-4アルコキシカルボニル基、ベンゼン環、ナフタレン環、キノリン環、フタラジン環、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン環、ピリジン環、インドール環、ピロール環、チオフェン環、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基、ピリダジン環、フラン環またはイミダゾール環を表し;上記のベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基および環は、C1-6アルキル基、ベンゼン環、ハロゲン原子、C1-2パーハロゲン化アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1-6モノアルキルアミノ基またはC2-10ジアルキルアミノ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよく、
R3は2, 4もしくは5-ピリミジン環または2, 3もしくは4-ピリジン環を表し、該環はC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよく、
R4はヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよいC1-4アルキル基を表し、そしてnは1または2を表す )
で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体もしくはその塩、それらの溶媒和物もしくは水和物を提供する。
【0015】
本発明の別の観点によれば、式(I)で表されるピリミドン誘導体および生理学的に許容されるその塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質を活性成分として含む医薬が提供される。
その医薬の好ましい具体例として、GSK3βの異常な活性に起因する疾患の予防的および/または治療的処置に有用な前記の医薬ならびに神経変性疾患およびそれに加えて、非インスリン依存性糖尿病(例えばII型糖尿病)および肥満、躁うつ病、統合失調症、脱毛症、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB-細胞白血病、およびいくつかのウイルス誘発性腫瘍のような癌のような他の疾病の予防的および/または治療的処置に有用な前記の医薬が提供される。
【0016】
本発明のより好ましい具体例として、前記の疾患が、神経変性疾患であり、そしてアルツハイマー病、パーキンソン病、タウ病(例えば前側頭頭頂の痴呆、皮質基底部の変性、ピック病、進行性核上麻痺)および血管性痴呆を含む他の痴呆、急性脳卒中およびその他の外傷性の障害、脳血管障害(例えば加齢黄斑変性)、脳および脊髄の損傷、末梢神経障害、網膜症および緑内障からなる群から選択される前記の医薬、ならびに活性成分としての前記物質を一つ以上の医薬添加剤と一緒に含む医薬組成物の形態にある前記の医薬が提供される。
【0017】
さらに、本発明は、式(I)の2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体およびその塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質を活性成分として含むGSK3β活性阻害剤を提供する。
【0018】
本発明のさらなる観点によれば、式(I)の2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体および生理学的に許容されるその塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質の予防的および/または治療的有効量を患者に投与する段階を含む、GSK3βの異常活性に起因する神経変性疾患の予防および/または治療の方法、ならびに前記の医薬を製造するための、式(I)の2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体および生理学的に許容されるその塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質の使用が提供される。
【0019】
ここで使用されている、C1-6アルキル基は、1〜6の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基などを表す。
【0020】
C1-4アルコキシ基は、1〜4の炭素原子を有するアルキルオキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基などを表す。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を表す。
C1-2パーハロゲン化アルキル基は、水素全てがハロゲンで置換されたアルキル基、例えばCF3またはC2F5を表す。
【0021】
C1-3ハロゲン化アルキル基は、少なくとも一つの水素がハロゲン原子で置換されていないアルキル基を表す。
C1-6モノアルキルアミノ基は、一つのC1-6アルキル基で置換されたアミノ基、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基およびイソペンチルアミノ基を表す。
【0022】
C2-10ジアルキルアミノ基は、二つのC1-5アルキル基で置換されたアミノ基、例えばジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基およびジイソプロピルアミノ基を表す。
脱離基Lは、容易に開裂および置換できる基を表し、そのような基は、例えばトシル、メシル、臭素などである。
【0023】
前記の式(I)によって表される化合物は、塩を形成していてもよい。塩の例は、酸性基が存在するときは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムのようなアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、アンモニアならびにメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、エタノールアミン、N-メチルグルカミンおよびL-グルカミンのようなアミンの塩、またはリジン、-ヒドロキシリジンおよびアルギニンのような塩基性アミノ酸との塩を含む。酸性化合物の塩基-付加塩は、当分野で周知の標準的な操作により製造される。
【0024】
塩基性基が存在するときは、その例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸のような鉱酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸およびサリチル酸のような有機酸との塩、またはアスパラギン酸およびグルタミン酸のような酸性アミノ酸との塩を含む。
【0025】
塩基性化合物の酸-付加塩は、これに限定されるものではないが、適切な酸を含む水性アルコール溶液中に遊離の塩基性化合物を溶解し、溶液を蒸発させて塩を単離するか、または有機溶媒中で遊離の塩基性化合物と酸を反応させ、その場合塩が直接分離するか、または第二の有機溶媒で塩を沈殿させるか、または溶液を濃縮することによって塩を得ることを含む、当該分野で周知の標準的な操作により製造される。
酸-付加塩を製造するために使用することができる酸は、好ましくは、遊離の塩基性化合物と組み合わせたときに、医薬的に許容される塩、すなわちそのアニオンが、その塩の医薬的な用量において動物の生体に対して比較的無害である塩を生成するようなものを含む。それゆえ、遊離の塩基性化合物が有している有益な性質は、そのアニオンに帰せられる副作用により損なわれない。塩基性化合物の医薬的に許容される塩が好ましいが、あらゆる酸-付加塩が本発明の範囲内である。
【0026】
前記の式(I)で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体およびそれらの塩に加えて、それらの溶媒和物および水和物も本発明の範囲に含まれる。
【0027】
前記の式(I)で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体は、一つ以上の不斉炭素原子を有し得る。そのような不斉炭素原子の立体化学に関して、それらは独立して(R)および(S)立体配置のどちらかであり得る。そして、その誘導体は、光学異性体またはジアステレオマーのような立体異性体として存在し得る。純粋な形態のあらゆる立体異性体、立体異性体のあらゆる混合物、ラセミ体などは、本発明の範囲に含まれる。
本発明の化合物の例を、以下の表1に示す。しかし、本発明の範囲はこれらの化合物に限定されない。
【0028】
式(I)で表される本発明の具体例の一つは、R3が4-または 5-ピリミジン環、より好ましくは4-ピリミジン環を表すか、またはR3が3-または4-ピリジン環、より好ましく4-ピリジン環を表し、該環がC1-2アルキル基、C1-2アルコキ基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよい化合物をも含む。
【0029】
本発明の別の具体例は、式(I)で表される次の化合物:
(1)R1が水素原子、C1-3アルキル基またはハロゲン原子、より好ましくは水素原子を表す化合物、および/または
(2)R3が任意に置換されていてもよいピリミジン環を表すとき、R2が水素原子、ベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、C1-4アルコキシカルボニル基、ベンゼン環、キノリン環、フタラジン環、ピリジン環、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基またはピリダジン環を表し、上記のベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基および環は1〜4の置換基で任意に置換されていてもよい化合物、あるいはR3が任意に置換されていてもよいピリジン環を表すとき、R2は水素原子、C1-4アルコキシカルボニル基、ピリジン環、ベンゼン環、ナフタレン環、ベンジル基、ベンゾイル基を表し、該基または環は任意に置換されていてもよい化合物、および/または
(3)R3が無置換の4-ピリミジン環を表す化合物、および/または
(4)R4がC1-2アルキル基、好ましくはメチルを表す化合物
を含む。
【0030】
R3がピリミジン環である式(I)で表される本発明の具体的な化合物は、
1:(1S)-1-メチル-2-[5-(5-フェニル-ピリジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
2:(1S)-1-メチル-2-(5-ピリジン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
3:(1S)-1-メチル-2-(5-キノリン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
4:(1R)-1-メチル-2-(5-ピリジン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
5:(1S)-2-[5-(4-フルオロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
6:(1R)-2-[5-(6-クロロ-キノリン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
【0031】
7:(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[4,4']ビピリミジニル-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
8:(1S)-2-[5-(6-ブロモ-ピリジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
9:(1S)-2-[5-(6-クロロ-ピリダジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
10:(1S)-2-[5-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
11:(1S)-2-[5-(4-クロロ-フタラジン-1-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
12:(1S)-2-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
【0032】
13:(1S)-2-[5-(3-フルオロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
14:(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
15:(1S)-1-メチル-2-(5-p-トリル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
16:(1S)-2-(5-ベンゾイル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
17:(1S)-1-メチル-2-[5-(トルエン-4-スルホニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
18:(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[4,4']ビピリミジニル-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 ベンジルエステル、
【0033】
19:(1S)-1-メチル-2-(5-フェネチル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
20:(1S)-2-(5-ベンジル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
21:(1S)-2-[5-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
22:(1S)-1-メチル-2-(5-ピリジン-2-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
23:(1S)-1-メチル-2-(5-ピリジン-4-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
24:(1S)-2-(5-(4-ブロモ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
【0034】
25:(1S)-2-(5-(4-クロロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
26:(1S)-2-(5-(4-フルオロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
27:(1S)-2-(5-(4-メトキシ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
28:(1S)-2-(5-(4-メチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
29:(1S)-2-(5-(4-フェニル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
30:(1S)-2-(5-(4-トリフルオロメチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
【0035】
31:(1S)-2-(5-(3-メチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
32:(1S)-2-(5-(3-メトキシ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
33:(1S)-2-(5-(3-フルオロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
34:(1S)-2-(5-(3-ブロモ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
35:(1S)-2-(5-(3-シアノ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
36:(1S)-2-(5-(3-クロロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
【0036】
ならびにR3がピリジン環である式(I)で表される本発明の化合物:
1':(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-4-ピリジン-4-イル-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2':(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
3':(1S)-2-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
4':(1S)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-2-(5-p-トリル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3H-ピリミジン-4-オン、
5':(1S)-2-[5-(4-ブロモ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
6':(1S)-2-[5-(4-クロロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
【0037】
7':(1S)-2-(5-ベンジル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
8':(1S)-2-[5-(4-フルオロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
9':(1S)-2-[5-(4-フルオロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
10':(1S)-2-[5-(4-メチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
11':(1S)-2-[5-(3-フルオロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
12':(1S)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-2-(5-ピリジン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3H-ピリミジン-4-オン、
【0038】
13':(1S)-2-[5-(3-メトキシ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
14':(1S)-2-[5-(3-メチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
15':(1S)-2-[5-(4-エトキシ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
16':(1S)-2-[5-(4-トリフルオロメチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
17':(1S)-2-[5-(4-フェニル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、および
18':(1S)-2-[5-(3-フルオロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン
の化合物を含む。
【0039】
さらなる目的として、本発明は、上記の式(I)で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン化合物の製造方法にも関する。
例えば、これらの化合物は以下に説明する方法により製造できる。
製造方法
上記の式(I)で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン化合物は、スキーム1に記載の方法により製造され得る。
【0040】
【化2】

スキーム1
(上記のスキーム中、R1、R3、R4およびnの定義は、式(I)の化合物についてすでに記載されたものと同じである)
【0041】
この方法に従い、上記の式(II)(ここで、R1、R3、R4およびnは式(I)の化合物について定義されたとおりである)で表されるピリミジノン誘導体を、式(III)(ここで、R2は式(I)の化合物について定義されたとおりであるが、水素ではない)の化合物と反応させる。この反応は、例えばナトリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミンまたは炭酸セシウムのようなアルコキシド、アミンまたは炭酸塩基の存在下、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどのような溶媒中で行われ、式(I)の化合物が得られる。
【0042】
より具体的には、R2が式(I)の化合物について定義されたようなアリール基またはヘテロアリール基であるとき、この反応は、Buchwaldらのパラジウム-触媒アミノ化の方法(J. Org. Chem. 1997, 62, 6066-6068; J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 7217-7218)により行われ得る。すなわち、この反応は、例えばナトリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミンまたは炭酸セシウムのようなアルコキシド、アミンまたは炭酸塩基、および例えば(R)-(+)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルのような配位子を有するパラジウム(II)アセテートのようなパラジウム触媒の存在下に、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、テトラグライムまたはポリエチレングリコールのような溶媒中、25〜130℃の範囲の適当な温度で、不活性雰囲気下に行われ得る。
【0043】
あるいは、上記の式(I)(ここで、R2は式(I)の化合物について前記で定義されたとおりである)で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン化合物は、スキーム2により製造され得る。
【化3】

スキーム2
(上記のスキーム中、R1、R2、R3、R4およびnの定義は、式(I)の化合物についてすでに記載されたものと同じである)
【0044】
この方法に従って、式(XI)(ここで、R1、R3およびR4は、式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Lは例えば塩素または臭素原子のような脱離基を表す)の化合物を、式(X)(ここで、nおよびR2は式(I)の化合物について定義されたとおりである)の化合物と反応させる。この反応は、例えば水素化ナトリウムまたはトリエチルアミンのような塩基の存在下、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランのような溶媒中、20〜60℃の範囲の温度で行われ得る。
【0045】
式(II)の化合物は、スキーム3に定義された方法により製造され得る。
【化4】

スキーム3
(上記のスキーム中、 R1、R3、R4および nの定義は、式(I)の化合物についてすでに記載されたものと同じである)
【0046】
この方法により、式(IV)(ここで、R1およびR3は式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Rは例えばメチルまたはエチル基のようなアルキル基である)の化合物を、式(V)(ここで、R4は式(I)の化合物について定義されたとおりである)のN-アルキルチオ尿素と反応させる。この反応は、1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エンのような塩基の存在下、エタノールのようなアルコール性溶媒中、25〜140℃の範囲の適当な温度で、大気下に行われ、式(VI)のチオ-ピリミドン誘導体が得られる。
【0047】
式(VI)のチオ-ピリミドン誘導体を、ジメチルホルムアミドのような溶媒中、0〜55℃の範囲の適当な温度で、アルゴン雰囲気中、オキシ塩化リンと反応させ、式(VII)の2-クロロ-ピリミドン誘導体が得られる。
次いで、式(VII)のこの化合物を、トリエチルアミンのような塩基の存在下、テトラヒドロフランのような溶媒中、0〜25℃の範囲の適当な温度で、式(VIII)(ここで、Pgは例えばtert-ブトキシカルボニル基のような保護基である)の化合物と反応させ、式(IX)の化合物を得る。
次いで、式(IX)の化合物を、例えば保護基がtert-ブトキシカルボニル基であるとき、トリフルオロ酢酸の存在下、ジクロロメタンのような溶媒中、室温で行われる、当分野で周知の方法により脱保護し、上記の式(II)を得る。
【0048】
あるいは、式(II)(ここで、R1は臭素原子または塩素原子のようなハロゲン原子を表す)の化合物は、式(II)(ここで、R1は水素原子である)の化合物のハロゲン化により得られる。この反応は、酢酸またはプロピオン酸のような酸性媒体中、ブロモスクシンイミドもしくはクロロスクシンイミドまたは臭素の存在下に行われ得る。
【0049】
さらに、式(II)(ここで、R1はフッ素原子を表す)の化合物は、Tetrahedron Letters、30巻、45号、6113-6116頁、1989年に記載の方法と同様にして得られる。
式(III)、(IV)、(V)、(VIII)、(XI)および(X)の化合物は、商業的に入手可能であるか、または当業者に周知の方法により合成され得る。
【0050】
例えば、式(IV)(ここで、R3およびR1は式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Rはメチルまたはエチルのようなアルキル基である)の化合物は、任意にC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはハロゲンで置換されていてもよいピリミジン-カルボン酸もしくはピリジン-カルボン酸を、対応するマロン酸モノエステルと反応させることによって、製造することができる。この反応は、例えば1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾールのようなカップリング試薬の存在下、テトラヒドロフランのような溶媒中、20〜70℃の範囲の温度で行われるような、当業者によく知られている方法を用いて行われ得る。
【0051】
例えば、絶対配置(1R)を有する式(VIII)の化合物は、EP-400661に従って、製造され得る。
さらなる課題として、本発明は、式(I)の化合物を製造するための中間体としての式(II)の化合物にも関する。
【0052】
上記の反応において、官能基の保護または脱保護が時には必要となり得る。好適な保護基Pgは、官能基のタイプにより選択され得る。そして、文献に記載の方法が適用され得る。保護基の例、保護および脱保護の方法の例は、例えばGreeneらのProtective groups in Organic Synthesis、第2版(John Wiley & Sons, Inc.、New York)中に記載されている。
【0053】
本発明の化合物は、GSK3βに対して阻害活性を有する。したがって、本発明の化合物は、医薬を製造するための活性成分として有用である。そして、それはGSK3βの異常活性に起因する疾病、より具体的にはアルツハイマー病のような神経変性疾患の予防的および/または治療的処置を可能にする。
さらに、本発明の化合物は、例えばパーキンソン病、タウ病(例えば、前側頭頭頂の痴呆、皮質基底部の変性、ピック病、進行性核上麻痺)および血管性痴呆を含む他の痴呆、急性脳卒中およびその他の外傷性の障害、脳血管障害(例えば加齢黄斑変性)、脳および脊髄の損傷、末梢神経障害、網膜症および緑内障のような神経変性疾患、ならびに非インスリン依存性糖尿病(例えばII型糖尿病)および肥満症、躁うつ病、統合失調症、脱毛症、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB-細胞白血病、およびいくつかのウイルス誘発性腫瘍のような癌のような他の疾病の予防的および/または治療的処置のための医薬を製造するための活性成分としても有用である。
【0054】
さらに、本発明は、式(I)の化合物の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、GSK3βの異常活性に起因する神経変性症を治療するための方法に関する。
【0055】
本発明の活性成分として、前記の式(I)で表され化合物およびその薬理学的に許容される塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質が用いられ得る。その物質自体が本発明の医薬として投与され得るが、活性成分として前記の物質および一つ以上の医薬的な添加物を含む医薬組成物の形態で医薬を投与することが望ましい。本発明の医薬の活性成分として、二つ以上の物質が組み合わせて用いられ得る。上記の医薬組成物は、上記疾患の治療のための別の医薬の活性成分で補強され得る。
医薬組成物のタイプは特に限定されない。そして、その組成物は経口または非経口投与用のいかなる製剤としても供給され得る。例えば、医薬組成物は、例えば顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ、乳液、懸濁液、溶液などのような経口投与用の医薬組成物の形態、または静脈内、筋肉内もしくは皮下投与用の注射剤、点滴剤、経皮製剤、経粘膜製剤、点鼻剤、吸入剤、坐剤などのような非経口用の医薬組成物の形態に製剤化され得る。
注射剤または点滴剤は、凍結乾燥製剤の形態のような粉末の製剤として製剤化され、使用直前に生理食塩水のような適当な水性媒体に溶解して使用され得る。ポリマーでコーティングされたような持続製剤は、脳内に直接投与され得る。
【0056】
医薬組成物の製造のために用いられる医薬添加物のタイプ、活性成分に対する医薬添加物の含量比および医薬組成物の製造方法は、当業者によって適当に選択され得る。無機もしくは有機の物質または固体もしくは液体の物質が医薬添加物として使用され得る。一般的に、医薬添加物は、活性成分の重量を基準にして1重量%〜90重量%の範囲の割合で配合され得る。
【0057】
固体の医薬組成物の製造のために使用される賦形剤の例は、例えば乳糖、蔗糖、デンプン、タルク、セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウムなどを含む。経口投与用の液体組成物の製造のために、水または植物性オイルのような通常の不活性な希釈液が用いられ得る。液体組成物は、不活性な希釈液に加えて、湿潤剤、懸濁助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤および保存剤のような佐剤を含み得る。液体組成物は、ゼラチンのような吸収性物質から作られたカプセル中に充填され得る。注射剤、坐剤のような非経口投与用の組成物の製造のために使用される溶媒または懸濁媒体の例は、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチンなどを含む。坐剤のために使用される基剤の例は、例えばカカオバター、乳化カカオバター、ラウリン酸脂質、ウィテップゾールを含む。
【0058】
本発明の医薬の用量および投与回数は、特に限定されず、予防的および/または治療的処置の目的、疾病のタイプ、患者の体重もしくは年齢、疾病の重篤度などの条件によって適宜選択され得る。一般的に、成人に対する経口投与の一日用量は、0.01〜1,000 mg(活性成分の重量)であり、その用量は、1日に1回もしくは1日に数回に分けて、または数日間に1回で投与され得る。医薬が注射剤として使用されるとき、好ましくは、投与は連続的または間欠的に、成人に対して0.001〜100 mg(活性成分の重量)の一日用量で行われ得る。
【0059】
化学的な実施例
本発明は、以下の一般的な実施例を参照して具体的に説明されるが、これらの実施例により本発明の範囲は限定されない。
【実施例】
【0060】
実施例1(表1の化合物番号7)
(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[4,4']ビピリミジニル-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル (遊離塩基)
1.1.2-メルカプト-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン
エタノール(773 ml)中にエチル 3-(4-ピリミジニル)-3-オキソプロピオネート(77.0g、0.4 mol)(特許DE 2705582に記載の方法と同様にして製造)、N-メチルチオ尿素(107.0g、1.19 mol)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン (60.4g、0.4 mol)を含む混合物を、還流下に2時間加熱した。冷却した混合物を水(157.2 ml)で希釈したメタンスルホン酸(25.8ml、0.40 mol) で処理し、ろ過により沈殿物を回収し、純粋な生成物(72g)を黄色固体として得た。
Mp : 219〜221℃
【0061】
1.2 2-クロロ-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン
ジメチルホルムアミド(300 ml)の溶液に、オキシ塩化リン(70 ml、0.75 mol)を0℃で加え、生成する溶液を同温度で15分間撹拌した。そこに、2-メルカプト-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン(67.1g、0.305 mol)を加え、生成する溶液を55℃で2時間撹拌した。混合物を氷-水中に注ぎ、炭酸水素ナトリウムでpH 8に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、所望の化合物(44.6g、66%)を得た。
Mp : 150〜152℃
【0062】
1.3 (1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[4,4']ビピリミジニル-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル
無水テトラヒドロフラン(100 ml)中にトリエチルアミン(1.95 ml、14 mmol)、2-クロロ-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン(2.45g、11 mmol)、(1S)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル(2.58g、13 mmol)を含む混合物を、室温で2時間撹拌した。冷却した混合物に水を加え、生成する溶液を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出液を塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄し、蒸発させた。粗生成物を、100/0〜98/2の割合でのジクロロメタン/メタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、純粋な生成物(4.2g)を白色固体として得た。
Mp : 198〜200℃
NMR (200 MHz ; DMSO-d6) : δ9.25 (s, 1H) ; 8.97 (d, 1H) ; 8.19 (s, 1H) ; 6.81 (s, 1H) ; 4.85 (br s, 1H) ; 4.42 (br s, 1H) ; 3.84 (dd, 1H) ; 3.56-3.74 (m, 1H) ; 3.35-3.54 (m, 2H) ; 3.35 (s, 3H) ; 1.88 (br s, 2H) ; 1.34 (s, 9H).
【0063】
実施例2(表1の化合物番号14)
(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン塩酸塩 (1:1)
無水ジクロロメタン(25 ml)中の(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[4,4']ビピリミジニル-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル(4.45g、11.58 mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(10.71 ml、139 mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を氷-水に注ぎ、炭酸カリウムでpH 8に調整し、クロロホルムで抽出した。有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。遊離塩基の形態で得られる生成物を塩酸塩に変換し、純粋な化合物(4g、69%)を黄色固体として得た。
Mp : 275〜277℃
NMR (200 MHz ; DMSO-d6) : δ9.28 (s, 1H) ; 9.15 (br s, 1H(NH)) ; 8.96 (d, 1H) ; 8.22 (d, 1H) ; 6.88 (s, 1H) ; 4.88 (br s, 1H) ; 4.43 (br s, 1H) ; 3.89 (dd, 1H) ; 3.69 (br d, 1H) ; 3.24-3.46 (m, 2H) ; 3.33 (s, 3H) ; 2.03 (AB, 2H).
【0064】
実施例3(表1の化合物番号2)
(1S)-1-メチル-2-(5-ピリジン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン塩酸塩 (1:1).
アルゴン雰囲気下、無水テトラヒドロフラン(100 ml)中に(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン(1.76g、6.28 mmol)、3-ブロモピリジン(2.18 ml、22.67 mmol)、炭酸セシウム(3.44g、10.56 mmol)、(R)-(+)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(187mg、0.3 mmol)およびパラジウム(II)アセテート(67mg、0.3 mmol)を含む混合物を、還流下に18時間撹拌した。混合物をろ過し、その混合物に水を加え、得られた溶液をクロロホルムで抽出した。合わせた抽出液を塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄し、蒸発させた。粗生成物を、100/0〜95/5の割合でのジクロロメタン/メタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。遊離塩基の形態で得られた生成物を塩酸塩に変換し、純粋な生成物(650mg、26%)を固体として得た。
Mp : 180〜182℃
NMR (200 MHz ; DMSO-d6) :δ9.22 (d, 1H) ; 8.98 (d, 1H) ; 8.22 (dd, 1H) ; 8.13 (br s, 1H) ; 7.98 (t, 1H) ; 7.63-7.78 (m, 2H) ; 6.77 (s, 1H) ; 5.02 (s, 1H) ; 4.87 (s, 1H) ; 3.90 (d, 1H) ; 3.72 (s, 2H) ; 3.58 (d, 1H) ; 3.31 (s, 3H) ; 2.10 (AB, 2H).
【0065】
実施例4(表1の化合物番号16)
(1S)-2-(5-ベンゾイル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン
無水ジメチルホルムアミド(3 ml)中の(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン(0.13g、0.46 mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(24mg、0.6 mmol)を加え、得られた混合物を0℃で15分間撹拌した。そこに、塩化ベンゾイル(0.07 ml、0.6 mmol)を加え、得られた溶液を0℃で2時間撹拌した。混合物に水を加え、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出液を塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄し、蒸発させた。粗生成物を、100/0〜97/3の割合でのジクロロメタン/メタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、純粋な化合物(90mg、50%)を固体として得た。
Mp : 133〜135℃
NMR (400 MHz ; DMSO-d6) : (二つのコンホマーがNMRスペクトル中に存在する。主要なもののケミカルシフトのみを示す。) δ9.31 (s, 1H) ; 9.05 (d, 1H) ; 8.30 (d, 1H) ; 7.37-7.60 (m, 5H) ; 6.89 (s, 1H) ; 4.96 (s, 1H) ; 4.92 (s, 1H) ; 3.72-3.94 (m, 2H) ; 3.39 (s, 3H) ; 3.22-3.35 (m, 2H) ; 1.91-2.12 (m, 2H).
【0066】
実施例5(表2の化合物番号1')
(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-4-ピリジン-4-イル-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル (遊離塩基)
5.1 2-メルカプト-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン
エタノール(551 ml)中にエチル 3-(4-ピリジニル)-3-オキソプロピオネート(70.0g、0.36 mol)、N-メチルチオ尿素(98.1g、1.09 mol)、1,8ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(55.0g、0.36 mol)を含む混合物を、還流下に2時間加熱した。冷却した混合物を水(143.6 ml)中のメタンスルホン酸(34.9ml、0.36 mol)で処理し、沈殿物をろ過により回収し、純粋な生成物(60.4g)を白色固体として得た。
Mp : 250〜252℃
【0067】
5.2 2-クロロ-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン塩酸塩
(1:1)
ジメチルホルムアミド(180 ml)の溶液に、オキシ塩化リン(16 ml、0.17 mol)を0℃で加え、得られた溶液を同温度で20分間撹拌した。そこに、2-メルカプト-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン(24.15g、0.11 mol)を加え、得られた溶液を70℃で5時間撹拌した。混合物を氷-水中に注ぎ、沈殿物をろ過により回収して、純粋な生成物(28g)を白色固体として得た。
Mp : 261〜263℃
【0068】
5.3 (1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-4-ピリジン-4-イル-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル (遊離塩基)
無水ジメチルホルムアミド(500 ml)中にトリエチルアミン(10.7 ml、78.14 mmol)、2-クロロ-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン塩酸塩 (1:1)(13.6g、52.7 mmol)、(1S)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル(6.0g、30.24 mmol)を含む混合物を、20℃で6時間撹拌した。冷却した混合物に水を加え、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出液を塩化アンモニウム飽和水溶液および塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで蒸発させた。粗生成物をジエチルエーテル中で1時間還流し、純粋な生成物(8.36g)を褐色の固体として得た。
Mp : 174〜176℃
NMR (200 MHz ; CDCl3) : δ8.73 (d, 2H) ; 7.78 (d, 2H) ; 6.58 (s, 1H) ; 4.83 (br s, 1H) ; 4.62 (br d, 1H) ; 3.69-4.02 (m, 1H) ; 3.77 (dd, 1H) ; 3.34-3.64 (m, 2H) ; 3.49 (s, 3H) ; 2.00 (br s, 2H) ; 1.49 (s, 9H).
【0069】
実施例6(表2の化合物番号2')
(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン塩酸塩 (1:2)
無水ジクロロメタン(50 ml)中の(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-4-ピリジン-4-イル-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tertブチルエステル(8.36g、21.8 mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(20 ml、261.6 mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を氷-水中に注ぎ、炭酸カリウムでpH 8に調整し、クロロホルムで抽出した。有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。粗生成物を酢酸エチルで粉砕し、純粋な生成物(5g)を褐色の固体として得、それを二塩酸塩に変換した。
Mp : 240〜242℃
NMR (200 MHz ; DMSO-d6) : δ9.18 (br s, 1H (NH)) ; 8.88 (d, 2H) ; 8.38 (d, 2H) ; 6.90 (s, 1H) ; 4.89 (br s, 1H) ; 4.43 (br s, 1H) ; 3.84 (AB, 2H) ; 3.55-3.78 (m, 2H) ; 3.38 (s, 3H) ; 2.03 (AB, 2H).
【0070】
実施例7(表2の化合物番号12')
(1S)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-2-(5-ピリジン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3H-ピリミジン-4-オン
アルゴン雰囲気下、無水テトラヒドロフラン(100 ml)中に(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン(0.2g、0.71 mmol)、3-ブロモピリジン(3.335g、2.12 mmol)、炭酸セシウム(0.322g、0.99 mmol)、(+/-)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(18mg、0.028 mmol)およびパラジウム(II)アセテート(6mg、0.028 mmol)を含む混合物を、還流下に18時間撹拌した。混合物をろ過した。ろ液に水を加え、得られた溶液をクロロホルムで抽出した。合わせた抽出液を塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄し、蒸発させた。粗生成物を、100/0〜95/5の割合でのジクロロメタン/メタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、純粋な化合物(119mg)を固体として得た。
Mp : 179〜181℃
NMR (200 MHz ; DMSO-d6) :δ9.65 (d, 2H) ; 7.98 (s, 1H) ; 7.91 (d, 2H) ; 7.79 (d, 1H) ; 6.90-7.15 (m, 2.H) ; 6.55 (s, 1H) ; 4.92 (br s, 1H) ; 4.69 (br s, 1H) ; 3.85 (dd, 1H) ; 3.67 (dd, 1H) ; 3.42-3.60 (m, 2H) ; 3.28 (s, 3H) ; 2.05 (br s, 2H).
【0071】
実施例8(表2の化合物番号10')
(1S)-2-[5-(4-メチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン
無水テトラヒドロフラン(3 ml)中の(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン(0.10g、0.35 mmol)の溶液に、無水トリエチルアミン(0.06 ml、0.46 mmol)を加え、得られた混合物を室温で20分間撹拌した。冷却した混合物に、4-メチル-ベンゾイルクロライド(0.064 ml、0.46 mmol)を加え、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。混合物に水を加え、得られた溶液をジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出液を塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄し、蒸発させた。粗生成物を、97/3の割合のジクロロメタン/メタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な化合物(106mg)を固体として得た。
Mp : 118〜120℃
NMR (200 MHz ; CDCl3) : δ8.72 (br s, 2H) ; 7.75 (br d, 2H) ; 7.45 (br s, 2H) ; 7.15-7.35 (m, 2H) ; 6.58 (br s, 1H) ; 4.90 (AB, 2H) ; 3.65-4.26 (m, 4H) ; 3.50 (s, 3H) ; 2.41 (br s, 3H) ; 2.09 (br d, 2H).
【0072】
本発明を説明する、前記の式(I)の化合物の化学構造および物理学的データの一覧表を表1に示す。化合物は実施例の方法に従って製造された。
表1および2において、(S)または(R)は、炭素原子の立体化学を示し、Phはフェニル基を表す。
表1において、R3は無置換の4-ピリミジン環であり、R4はメチル基である。
表2において、R3は無置換の4-ピリジン環であり、R4はメチル基である。
【0073】
【表1−1】

【0074】
【表1−2】

【0075】
【表1−3】

【0076】
【表1−4】

【0077】
【表2−1】

【0078】
【表2−2】

【0079】
【表2−3】

【0080】
試験例:GSK3βに対する本発明の医薬の阻害活性
二つの異なるプロトコルを用いることができる。
一番目のプロトコル:前もってリン酸化されたGS1ペプチド(7.5 μM)およびATP(33P-ATPを300,000 cpm含有)(10 μM)を、Tris-HCl(25 mM)、pH 7.5、DTT(0.6 mM)、MgCl2(6 mM)、EGTA(0.6 mM)、BSA (0.05 mg/ml) バッファー中、GSK3βの存在下、室温で1時間インキュベートした(全反応体積:100マイクロリッター)。
【0081】
二番目のプロトコル:前もってリン酸化されたGS1ペプチド(4.1 μM)およびATP(33P-ATPを260,000 cpm含有)(42 μM)を、Mes-NaOH(80 mM)、pH 6.5、Mgアセテート(1 mM)、EGTA(0.5 mM)、2-メルカプトエタノール(5 mM)、ツイーン20(0.02%)、グリセロール (10%)バッファー中、GSK3βの存在下、室温で2時間インキュベートした。
【0082】
阻害剤はDMSOに溶解した(反応媒体中の最終溶媒濃度、1%)。
ポリリン酸(85% P2O5)(25 g)、85% H3PO4(126 ml)、H2Oで500 mlにした溶液(100 μl)で反応を停止し、次いで、使用前に1:100に希釈した。次いで、反応混合物の一定量をWhatman P81カチオン交換フィルターに移し、上記の溶液でリンスした。取り込まれた33P放射能活性を液体シンチレーションスペクトロメータにより測定した。
リン酸化されたGS-1ペプチドは次の配列:
NH2-YRRAAVPPSPSLSRHSSPHQS(P)EDEE-COOH
を有していた。
本発明の化合物のGSK3β阻害活性をIC50で表す。実例として、表1の化合物のIC50の範囲は、1ナノモル〜1マイクロモルの間の濃度である。
例えば、表1の化合物番号24は、0.006μMのIC50を示し、表2の化合物番号4'は0.004μMのIC50を示す。
【0083】
製剤例
(1)錠剤
次の成分を通常の方法で混合し、慣用の装置を使って圧縮した。
実施例1の化合物 30 mg
結晶セルロース 60 mg
トウモロコシデンプン 100 mg
乳糖 200 mg
ステアリン酸マグネシウム 4 mg
【0084】
(2)軟カプセル
次の成分を通常の方法により混合し、軟カプセルに充填した。
実施例1の化合物 30 mg
オリーブオイル 300 mg
レシチン 20 mg
【0085】
(1)非経口製剤
次の成分を通常の方法により混合し、1 mlアンプル中に含まれる注射剤を製造した。
実施例1の化合物 3 mg
塩化ナトリウム 4 mg
注射用蒸留水 1 ml
【産業上の利用可能性】
【0086】
産業的利用可能性
本発明の化合物は、GSK3β阻害活性を有し、GSK3βの異常活性に起因する疾患、より具体的には神経変性疾患の予防的および/または治療的処置用の医薬の活性成分として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
R1は水素原子、C1-6アルキル基またはハロゲン原子を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよいC1-6アルキル基;C1-2パーハロゲン化アルキル基、ベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、C1-4アルコキシカルボニル基、ベンゼン環、ナフタレン環、キノリン環、フタラジン環、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン環、ピリジン環、インドール環、ピロール環、チオフェン環、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基、ピリダジン環、フラン環またはイミダゾール環を表し;上記のベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基および環は、C1-6アルキル基、ベンゼン環、ハロゲン原子、C1-2パーハロゲン化アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1-6モノアルキルアミノ基またはC2-10ジアルキルアミノ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよく、
R3は2, 4もしくは5-ピリミジン環または2, 3もしくは4-ピリジン環を表し、該環はC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよく、
R4はヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよいC1-4アルキル基を表し、そしてnは1または2を表す )
で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物。
【請求項2】
R3が無置換の4-ピリミジン環または無置換の4-ピリジン環を表す、請求項1に記載の2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物。
【請求項3】
R3が任意に置換されていてもよいピリミジン環を表すとき、R2が水素原子;ベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、C1-4アルコキシカルボニル基、ベンゼン環、キノリン環、フタラジン環、ピリジン環、ベンゼンスルホニル基, ベンゾイル基またはピリダジン環を表し;該ベンジル基、フェネチル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基および環は、1〜4の 置換基で任意に置換されていてもよく;または
R3が任意に置換されていてもよいピリジン環を表すとき、R2がピリジン環、ベンゼン環、ナフタレン環、ベンジル基、ベンゾイル基を表し;該基および環は任意に置換されていてもよい、請求項1または2に記載の2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物。
【請求項4】
(1S)-1-メチル-2-[5-(5-フェニル-ピリジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-1-メチル-2-(5-ピリジン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-1-メチル-2-(5-キノリン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1R)-1-メチル-2-(5-ピリジン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-[5-(4-フルオロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1R)-2-[5-(6-クロロ-キノリン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[4,4']ビピリミジニル-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
(1S)-2-[5-(6-ブロモ-ピリジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-[5-(6-クロロ-ピリダジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-[5-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-[5-(4-クロロ-フタラジン-1-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-[5-(3-フルオロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-1-メチル-2-(5-p-トリル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-ベンゾイル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-1-メチル-2-[5-(トルエン-4-スルホニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[4,4']ビピリミジニル-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 ベンジルエステル、
(1S)-1-メチル-2-(5-フェネチル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-ベンジル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-[5-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-1-メチル-2-(5-ピリジン-2-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-1-メチル-2-(5-ピリジン-4-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(4-ブロモ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(4-クロロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(4-フルオロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(4-メトキシ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(4-メチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(4-フェニル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(4-トリフルオロメチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(3-メチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(3-メトキシ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(3-フルオロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(3-ブロモ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(3-シアノ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-2-(5-(3-クロロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチル-1H-[4,4']ビピリミジニル-6-オン、
(1S)-5-(1-メチル-6-オキソ-4-ピリジン-4-イル-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-2-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
(1S)-2-(2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン,
(1S)-2-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-2-(5-p-トリル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(4-ブロモ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(4-クロロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-(5-ベンジル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(4-フルオロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(4-フルオロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(4-メチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(3-フルオロ-フェニル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-2-(5-ピリジン-3-イル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(3-メトキシ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(3-メチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(4-エトキシ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(4-トリフルオロメチル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、
(1S)-2-[5-(4-フェニル-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン、および
(1S)-2-[5-(3-フルオロ-ベンゾイル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-3-メチル-6-ピリジン-4-イル-3H-ピリミジン-4-オン
からなる群から選択される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物。
【請求項5】
式(II):
【化2】

(式中、R1、R3、R4およびnは請求項1に記載の式(I)の化合物について定義されたとおりである)
の化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の式(I)で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物からなる群より選択される物質を有効成分として含む医薬。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)で表される2-(ジアザ-ビシクロ-アルキル)-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物からなる群より選択されるGSK3β阻害剤。
【請求項8】
GSK3βの異常活性に起因する疾患の予防的および/または治療的処置用医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項9】
神経変性疾患の予防的および/または治療的処置用医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項10】
神経変性疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病、タウ病、血管性痴呆、急性脳卒中、外傷性の障害、脳血管障害、脳損傷、脊髄損傷、末梢神経障害、網膜症または緑内障からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物の使用。
【請求項11】
非インスリン依存性糖尿病、肥満症、躁うつ病、統合失調症、脱毛症または癌の予防的および/または治療的処置用医薬を製造するための、請求項1〜4に記載の化合物の使用。
【請求項12】
癌が乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TもしくはB-細胞白血病またはウイルス誘発性腫瘍である、請求項10に記載の使用。

【公表番号】特表2006−519813(P2006−519813A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504812(P2006−504812)
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003050
【国際公開番号】WO2004/078759
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【出願人】(000006725)三菱ウェルファーマ株式会社 (92)
【Fターム(参考)】