説明

置換された8−パーフルオロアルキル−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[1,2−a]ピリミジン−4−オン誘導体

本発明は、式(I)
【化1】


(式中、
Xは、2つの水素原子、1つの硫黄原子、1つの酸素原子、または1つのC1-2アルキル基と1つの水素原子を表し、
Yは、結合手、カルボニル基、任意に置換されていてもよいメチレン基を表し、
R1は、2、3もしくは4-ピリジン環または2、4もしくは5-ピリミジン環を表し、該環は任意に置換されていてもよく、
R2はフェニル基またはナフタレン環を表し、該フェニル基およびナフタレン環は任意に置換されていてもよく、
R3は水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
R4はC1-2パーハロゲン化アルキル基またはC1-3ハロゲン化アルキル基を表し、
R5は水素原子、C1-6アルキル基またはハロゲン原子を表し、
nは0〜3を表し、そしてp+q=0〜3である)
で表される、置換された-ピリミドン誘導体またはその塩に関する。
本発明は、上記誘導体またはその塩を有効成分として含む、アルツハイマー病のようなGSK3βの異常活性により惹き起こされる神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のために使用される医薬にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GSK3βの異常な活性に起因する神経変性疾患の予防的および/または治療的処置用の医薬の活性成分として有用な化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GSK3β(グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β)は、代謝、分化および生存の制御に重要な役割を果たす、プロリン指向性のセリン、トレオニンキナーゼである。当初、それは、リン酸化して、それによりグリコーゲンシンターゼを阻害する酵素として同定された。その後、GSK3βは、アルツハイマー病およびいくつかのタウ病において過度にリン酸化されることが分かってもいるエピトープ中のタウ蛋白をリン酸化する酵素のタウプロテインキナーゼ1(TPK1)と同一であることが分かった。
【0003】
興味深いことに、GSK3βのプロテインキナーゼB(AKT)リン酸化は、そのキナーゼ活性の喪失を招き、この阻害が神経栄養因子の効果のいくつかに影響するとの仮説が立てられている。さらに、GSK3βによる、細胞の生存に関与する蛋白質であるβ-カテニンのリン酸化は、ユビキチン化依存性のプロテオソーム経路によってその分解をもたらす。
【0004】
したがって、GSK3β活性の阻害は、神経栄養活性をもたらすと思われる。実際に、GSK3βの不拮抗阻害剤であるリチウムは、いくつかのモデルで神経組織の発生を高め、Bcl-2のような生存因子の誘導ならびにP53およびBaxのようなプロアポトーシス因子の発現の阻害により神経細胞の生存をも高める証拠がある。
【0005】
最近の研究により、β-アミロイドは、GSK3β活性およびタウ蛋白質リン酸化を増大することが示されている。さらに、β-アミロイドの神経毒性効果と同様に、この過度のリン酸化は、塩化リチウムおよびGSK3βアンチセンスmRNAによりブロックされる。これらの所見から、GSK3βが、アルツハイマー病の二つの主な病理学的過程である異常なAPP(アミロイド前駆体蛋白質)の進行およびタウ蛋白質の過度のリン酸化に関連のあることを強く提唱する。
【0006】
タウの過度のリン酸化は、神経細胞骨格の不安定化をもたらすが、GSK3βの異常活性による病理学的な結果は、タウ蛋白質の異常なリン酸化によるだけでなく、上記のように、このキナーゼの過度の活性が、アポトーシスおよび抗アポトーシス因子の発現の変調を通して生存に影響を及ぼすようである。さらに、GSK3β活性におけるβ-アミロイド誘導増加は、エネルギー産生およびアセチルコリン合成において重要な酵素である、ピルビン酸デヒドロゲナーゼのリン酸化およびそれにより阻害を招くことが示されている。
【0007】
これらの実験的所見の全ては、GSK3βが、その神経病理学的な結果ならびにアルツハイマー病に関連した認識および注意の欠損ばかりでなく、他の急性および慢性の神経変性疾患の治療への適用に有用であり得ることを示している。これらは、非限定的なものとして、パーキンソン病、タウ病(例えば前側頭頭頂の痴呆、皮質基底部の変性、ピック病、進行性核上麻痺)および血管性痴呆を含む他の痴呆、急性脳卒中およびその他の外傷性の障害、脳血管障害(例えば加齢黄斑変性)、脳および脊髄の損傷、末梢神経障害、網膜症および緑内障を含む。
【0008】
さらに、GSK3βは、非インスリン依存性糖尿病(例えばII型糖尿病)および肥満症、躁うつ病、統合失調症、脱毛症、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB-細胞白血病、およびいくつかのウイルス誘発性腫瘍のような癌のような他の疾病の治療への適用に有用であり得る。
【発明の開示】
【0009】
本発明の目的は、GSK3βの異常な活性に起因する疾患、特に神経変性疾患の予防的および/または治療的処置用の医薬の活性成分として有用な化合物を提供することである。
より具体的には、本発明の目的は、アルツハイマー病のような神経変性疾患を予防および/または治療することができる医薬の活性成分として有用な新規化合物を提供することである。
【0010】
かくして、本発明の発明者らは、GSK3βに対して阻害活性を有する化合物を見出した。その結果、本発明者らは、以下の式(I)で表される化合物が所望の活性を有し、前記疾患の予防的および/または治療的処置用の医薬の活性成分として有用であることを見出した。
【0011】
したがって、本発明は、式(I):
【化1】

(式中、Xは、2つの水素原子、1つの硫黄原子、1つの酸素原子、または1つのC1-2アルキル基と1つの水素原子を表し、
Yは、結合手、カルボニル基、C1-6アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、C1-2パーハロゲン化アルキル基またはアミノ基から選択される1または2の基で任意に置換されていてもよいメチレン基を表し、
R1は、2、3もしくは4-ピリジン環または2、4もしくは5-ピリミジン環を表し、該環はC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよく、
R2はフェニル基またはナフタレン環を表し、該フェニル基およびナフタレン環はC1-6アルキル基、フェニル基、メチレンジオキシ基、ハロゲン原子、C1-2パーハロゲン化アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1-5モノアルキルアミノ基またはC2-10ジアルキルアミノ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよく、
R3は水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
R4はC1-2パーハロゲン化アルキル基またはC1-3ハロゲン化アルキル基を表し、
R5は水素、C1-6アルキル基またはハロゲン原子を表し、
nは0〜3を表し、そしてp+q=0〜3である)
で表される、置換された-ピリミドン誘導体もしくはその塩、それらの溶媒和物もしくは水和物を提供する。
【0012】
本発明の別の観点によれば、式(I)で表されるピリミドン誘導体および生理学的に許容されるその塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質を活性成分として含む医薬が提供される。
その医薬の好ましい具体例として、GSK3βの異常な活性に起因する疾患の予防的および/または治療的処置に有用な前記の医薬ならびに神経変性疾患およびそれに加えて、非インスリン依存性糖尿病(例えばII型糖尿病)および肥満、躁うつ病、統合失調症、脱毛症、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB-細胞白血病、およびいくつかのウイルス誘発性腫瘍のような癌のような他の疾病の予防的および/または治療的処置に有用な前記の医薬が提供される。
【0013】
本発明のより好ましい具体例として、前記の疾患が、神経変性疾患であり、そしてアルツハイマー病、パーキンソン病、タウ病(例えば前側頭頭頂の痴呆、皮質基底部の変性、ピック病、進行性核上麻痺)および血管性痴呆を含む他の痴呆、急性脳卒中およびその他の外傷性の障害、脳血管障害(例えば加齢黄斑変性)、脳および脊髄の損傷、末梢神経障害、網膜症および緑内障からなる群から選択される前記の医薬、ならびに活性成分としての前記物質を一つ以上の医薬添加剤と一緒に含む医薬組成物の形態にある前記の医薬が提供される。
【0014】
さらに、本発明は、式(I)の置換された-ピリミドン誘導体およびその塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質を活性成分として含むGSK3β活性阻害剤を提供する。
【0015】
本発明のさらなる観点によれば、式(I)の置換された-ピリミドン誘導体および生理学的に許容されるその塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質の予防的および/または治療的有効量を患者に投与する段階を含む、GSK3βの異常活性に起因する神経変性疾患の予防および/または治療の方法、ならびに前記の医薬を製造するための、式(I)の置換された-ピリミドン誘導体および生理学的に許容されるその塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質の使用が提供される。
【0016】
ここで使用されている、C1-6アルキル基は、1〜6の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基などを表す。
【0017】
C1-4アルコキシ基は、1〜4の炭素原子を有するアルキルオキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基などを表す。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を表す。
C1-2パーハロゲン化アルキル基は、水素全てがハロゲンで置換されたアルキル基、例えばCF3またはC2F5を表す。
【0018】
C1-3ハロゲン化アルキル基は、少なくとも一つの水素がハロゲン原子で置換されていないアルキル基を表す。
C1-5モノアルキルアミノ基は、一つのC1-6アルキル基で置換されたアミノ基、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基およびイソペンチルアミノ基を表す。
【0019】
C2-10ジアルキルアミノ基は、二つのC1-5アルキル基で置換されたアミノ基、例えばジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基およびジイソプロピルアミノ基を表す。
脱離基Lは、容易に開裂および置換できる基を表し、そのような基は、例えばトシル、メシル、臭素などである。
p+q=0〜3は、pとqの和が0、1、2または3に等しいことを示す。
【0020】
前記の式(I)によって表される化合物は、塩を形成していてもよい。塩の例は、酸性基が存在するときは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムのようなアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、アンモニアならびにメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、エタノールアミン、N-メチルグルカミンおよびL-グルカミンのようなアミンの塩、またはリジン、δ-ヒドロキシリジンおよびアルギニンのような塩基性アミノ酸との塩を含む。酸性化合物の塩基-付加塩は、当分野で周知の標準的な操作により製造される。
【0021】
塩基性基が存在するときは、その例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸のような鉱酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸およびサリチル酸のような有機酸との塩、またはアスパラギン酸およびグルタミン酸のような酸性アミノ酸との塩を含む。
【0022】
塩基性化合物の酸-付加塩は、これに限定されるものではないが、適当な酸を含む水性アルコール溶液中に遊離の塩基性化合物を溶解し、溶液を蒸発させて塩を単離するか、または有機溶媒中で遊離の塩基性化合物と酸を反応させ、その場合塩が直接分離するか、または第二の有機溶媒で塩を沈殿させるか、または溶液を濃縮することによって塩を得ることを含む、当該分野で周知の標準的な操作により製造される。
酸-付加塩を製造するために使用することができる酸は、好ましくは、遊離の塩基性化合物と組み合わせたときに、医薬的に許容される塩、すなわちそのアニオンが、その塩の医薬的な用量において動物の生体に対して比較的無害である塩を生成するようなものを含む。それゆえ、遊離の塩基性化合物が有している有益な性質は、そのアニオンに帰せられる副作用により損なわれない。塩基性化合物の医薬的に許容される塩が好ましいが、あらゆる酸-付加塩が本発明の範囲内である。
【0023】
前記の式(I)で表される、置換された-ピリミドン誘導体およびそれらの塩に加えて、それらの溶媒和物および水和物も本発明の範囲に含まれる。
【0024】
前記の式(I)で表される、置換された-ピリミドン誘導体は、一つ以上の不斉炭素原子を有し得る。そのような不斉炭素原子の立体化学に関して、それらは独立して(R)および(S)立体配置のどちらかであり得る。そして、その誘導体は、光学異性体またはジアステレオマーのような立体異性体として存在し得る。純粋な形態のあらゆる立体異性体、立体異性体のあらゆる混合物、ラセミ体などは、本発明の範囲に含まれる。
本発明の化合物の例を、以下の表1に示す。しかし、本発明の範囲はこれらの化合物に限定されない。
【0025】
本発明の態様の一つは、式(I)(ここで、R1、R3、R4、R5、X、Y、n、pおよびqは上記で定義されたとおりであり、R2はフェニル基またはナフタレン環を表し、該フェニル基およびナフタレン環はC1-6アルキル基、メチレンジオキシ基、ハロゲン原子、C1-2パーハロゲン化アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1-5モノアルキルアミノ基またはC2-10ジアルキルアミノ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよい)で表される化合物も含む。
本発明の別の態様は、式(I)(ここで、R1、R2、R3、R5、X、Y、n、pおよびqは上記で定義されたとおりであり、R4はC1-2パーハロゲン化アルキル基を表す)で表される化合物を含む。
【0026】
本発明の別の態様は、式(I)(ここで、R1、R2、R3、R4、R5、X、Y、n、pおよびqは以下に定義されるとおりである)で表される化合物を含む。
(1) R1は3-もしくは4-ピリジン環、より好ましくは4-ピリジン環、または4-もしくは5-ピリミジン環、より好ましくは4-ピリミジン環を表し、該環はC1-2アルキル基、C1-2アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよく;
(2) R2はフェニル基またはナフタレン環を表し、該フェニル基およびナフタレン環はC1-3アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ基またはC1-2アルコキシ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよいか、あるいはR2はフェニル基またはナフタレン環を表し、該フェニル基およびナフタレン環はC1-3アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはC1-2アルコキシ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよく;
(3) R3は水素原子を表し;
(4) R4はC1-2パーハロゲン化アルキル基、より好ましくはパーフルオロアルキル基を表し;
(5) R5は水素原子またはハロゲン原子を表すか、あるいはR5は水素原子を表し;
(6) Xは2つの水素原子を表し;
(7) Yは結合手、カルボニル基、またはC1-3アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、C1-2パーハロゲン化アルキル基、アミノ基から選択される1または2の基で任意に置換されていてもよいメチレン基を表すか、あるいはYはカルボニル基、またはC1-3アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、C1-2パーハロゲン化アルキル基、アミノ基から選択される1または2の基で任意に置換されていてもよいメチレン基を表し;
(8) n、pおよびqは、それぞれ0、2および0を表す。
【0027】
本発明の別の態様は、式(I)(ここで、R1、R2、R3、R4、R5、X、Y、n、pおよびqは以下に定義されるとおりである)で表される化合物を含む。
(1) R1は無置換の4-ピリジン環または4-ピリミジン環を表し;
(2) R2はC1-3アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノまたはC1-2アルコキシ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよいフェニル基を表すか、あるいはR2はC1-3アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはC1-2アルコキシ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよいフェニル基を表し;
(3) R3は水素原子を表し;
(4) R4はトリフルオロメチル基を表し;
(5) R5は水素またはフッ素原子を表すか、あるいはR5は水素原子を表し;
(6) Xは2つの水素原子を表し;
(7) Yはカルボニル基またはヒドロキシ基で任意に置換されていてもよいメチレン基を表し;
(8) n、pおよびqは、それぞれ0、2および0を表す。
【0028】
R4がトリフルオロメチル基である式(I)で表される本発明の具体的な化合物は、以下の化合物を含む:
1. 9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
2. 9-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
3. 9-[2-(3-ブロモ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
4. 9-[2-(3-ブロモ-フェニル)-2-ヒドロキシ-エチル]-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
5. 9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
6. (-)-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0029】
7. (+)-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
8. (+)-9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
9. (-)-9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
10. 3-フルオロ-9-(2-オキソ-2-フェニルエチル)-2-ピリジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
11. 9-(フェニルメチル)-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
12. 9-(2-フェニルエチル)-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0030】
13. 9-[2-(3-ブロモフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
14. 9-[2-(3-フルオロフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
15. 9-[2-(4-メチルフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
16. 9-[2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
17. 9-[2-(4-シアノフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
18. 9-(2-ビフェニル-4-イル-2-オキソエチル)-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン。
【0031】
さらなる目的として、本発明は、上記の式(I)で表される、置換された-ピリミドン化合物の製造方法にも関する。
例えば、これらの化合物は以下に説明する方法により製造できる。
製造方法
上記の式(I)で表される、置換された-ピリミドン化合物は、スキーム1に記載の方法により製造できる。
【0032】
【化2】

スキーム1
【0033】
この方法に従い、上記の式(III)(ここで、R1、R3、R4、R5、pおよび qは式(I)の化合物について定義されたとおりである)で表されるピリミジノン誘導体を、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基と、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドまたはクロロホルムのような溶媒中で、0〜130℃の範囲の適当な温度で、大気下に反応させ、次いで、式(II)(ここで、R2、X、Yおよびnは式(I)の化合物について定義されたとおりであり、そしてLは脱離基、好ましくは臭素またはメシル基を表す)の化合物と反応させて、上記の式(I)の化合物を得る。
【0034】
あるいは、式(I)(ここで、Yはカルボニル基を表す)の化合物は、当業者に周知の方法に従って、式(I)(ここで、Yはヒドロキシ基で置換されたメチレン基を表す)の化合物の酸化により製造され得る。
式(II)の化合物は、商業的に入手できるか、または当業者に周知の方法により合成され得る。
式(III)の化合物は、スキーム2に定義された方法により製造され得る。
【0035】
【化3】

スキーム2
【0036】
この方法に従い、式(IV)(ここで、R1およびR5は、式(I)の化合物について定義されたとおりであり、Rは例えばメチルまたはエチルのようなアルキル基である)の3-ケトエステルを、式(V)(ここで、R3、R4、pおよびqは、式(I)の化合物について定義されたとおりである)の化合物と反応させる。
この反応は、炭酸カリウムのような塩基の存在下、メタノール、エタノールなどのようなアルコール性溶媒中または無溶媒下で、25℃〜140℃の範囲の適当な温度で、大気下で行われ得る。
【0037】
あるいは、式(III)(ここで、R5は水素原子を表す)の化合物を、式(III)(ここで、R5は臭素原子または塩素原子のようなハロゲン原子である)の化合物を得るために、ハロゲン化してもよい。この反応は、酢酸またはプロピオン酸のような酸性媒体中、ブロモスクシンイミドもしくはクロロスクシンイミドまたは臭素の存在下に行われ得る。
【0038】
さらに、式(III)(ここで、R5はフッ素原子を表す)の化合物は、Tetrahedron Letters、30巻、45号、6113-6116頁、1989年に記載の方法と類似の方法により得られる。
式(IV)の化合物は、商業的に入手可能であるか、または当業者に周知の方法により合成され得る。
【0039】
例えば、式(IV)(ここで、R1は任意にC1-4アルキル基、 C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいピリジン環もしくはピリミジン環を表す)の化合物は、任意にC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはハロゲンで置換されていてもよいイソニコチン酸もしくはピリミジン-カルボン酸を、対応するマロン酸モノエステルとそれぞれ反応させることによって、製造することができる。この反応は、例えば1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾールのようなカップリング試薬の存在下、テトラヒドロフランのような溶媒中、20〜70℃の範囲の温度で行われるような、当業者によく知られている方法を用いて行われ得る。
【0040】
上記の反応において、官能基の保護または脱保護が時には必要となり得る。好適な保護基Pgは、官能基のタイプにより選択され得る。そして、文献に記載の方法が適用され得る。保護基の例、保護および脱保護の方法の例は、例えばGreeneらのProtective groups in Organic Synthesis、第2版(John Wiley & Sons, Inc., New York)中に記載されている。
式(V)の化合物は、商業的に入手可能であるか、または当業者に周知の方法により合成され得る。
【0041】
あるいは、式(V)(ここで、pは2を表し、qは0を表す)の化合物は、スキーム3に定義された方法により製造され得る。
【化4】

スキーム3
(上記のスキーム中、Pgはアミノ-保護基を表し、Lは脱離基、好ましくは臭素基またはメシル基を表す)
この方法により、式(VI)(ここで、R4は式(I)の化合物について定義されたとおりである)の化合物は、R3に依存して、異なった様式で得られる。
【0042】
式(VI)(ここで、R3は水素原子である)の3-アミノ酸は、Tetrahedron Letters、43巻、11号、1977-1981頁、2002年に記載の方法と類似の方法により合成される。
式(VI)(ここで、R3はC1-6アルキル基である)の3-アミノ酸は、Journal of Organic Chemistry、56巻、1号、4-6頁、1991年に記載の方法と類似の方法により合成される。
【0043】
両方法とも、アミノ-保護基は必要である。保護および脱保護の方法の例は、例えばGreeneらのProtective groups in Organic Synthesis、第2版(John Wiley & Sons, Inc., New York)中に記載されている。
これらの方法と同様にして、式(VII)および(VIII)の化合物はアミノ保護により得られ、そして式(IX)の化合物は脱保護により得られる。
【0044】
次いで、式(V)の化合物は、当業者に周知の方法による環化により得られる。
あるいは、R3がHを表すとき、式(V)の化合物は、当業者に周知の方法により、式(X)の化合物の水素化により得られる。
式(X)の化合物は、商業的に入手可能であるか、または当業者に周知の方法により合成され得る。
さらなる目的として、本発明は、式(I)の化合物を製造するための中間体としての式(III)の化合物にも関する。
【0045】
本発明の化合物は、GSK3βに対して阻害活性を有する。したがって、本発明の化合物は、医薬を製造するための活性成分として有用である。そして、それはGSK3βの異常活性に起因する疾病、より具体的にはアルツハイマー病のような神経変性疾患の予防的および/または治療的処置を可能にする。
さらに、本発明の化合物は、例えばパーキンソン病、タウ病(例えば、前側頭頭頂の痴呆、皮質基底部の変性、ピック病、進行性核上麻痺)および血管性痴呆を含む他の痴呆、急性脳卒中およびその他の外傷性の障害、脳血管障害(例えば加齢黄斑変性)、脳および脊髄の損傷、末梢神経障害、網膜症および緑内障のような神経変性疾患、ならびに非インスリン依存性糖尿病(例えばII型糖尿病)および肥満症、躁うつ病、統合失調症、脱毛症、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB-細胞白血病、およびいくつかのウイルス誘発性腫瘍のような癌のような他の疾病の予防的および/または治療的処置のための医薬を製造するための活性成分としても有用である。
【0046】
さらに、本発明は、式(I)の化合物の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、GSK3βの異常活性に起因する神経変性症および前記の疾患を治療するための方法に関する。
【0047】
本発明の活性成分として、前記の式(I)で表される化合物およびその薬理学的に許容される塩、ならびにそれらの溶媒和物および水和物からなる群から選択される物質が用いられ得る。その物質自体が本発明の医薬として投与され得るが、活性成分として前記の物質および一つ以上の医薬的な添加物を含む医薬組成物の形態で医薬を投与することが望ましい。本発明の医薬の活性成分として、二つ以上の物質が組み合わせて用いられ得る。上記の医薬組成物は、上記疾患の治療のための別の医薬の活性成分で補強され得る。
医薬組成物のタイプは特に限定されない。そして、その組成物は経口または非経口投与用のいかなる製剤としても供給され得る。例えば、医薬組成物は、例えば顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ、乳液、懸濁液、溶液などのような経口投与用の医薬組成物の形態、または静脈内、筋肉内もしくは皮下投与用の注射剤、点滴剤、経皮製剤、経粘膜製剤、点鼻剤、吸入剤、坐剤などのような非経口用の医薬組成物の形態に製剤化され得る。
注射剤または点滴剤は、凍結乾燥製剤の形態のような粉末の製剤として製剤化され、使用直前に生理食塩水のような適当な水性媒体に溶解して使用され得る。ポリマーでコーティングされたような持続製剤は、脳内に直接投与され得る。
【0048】
医薬組成物の製造のために用いられる医薬添加物のタイプ、活性成分に対する医薬添加物の含量比および医薬組成物の製造方法は、当業者によって適当に選択され得る。無機もしくは有機の物質または固体もしくは液体の物質が医薬添加物として使用され得る。一般的に、医薬添加物は、活性成分の重量を基準にして1重量%〜90重量%の範囲の割合で配合され得る。
【0049】
固体の医薬組成物の製造のために使用される賦形剤の例は、例えば乳糖、蔗糖、デンプン、タルク、セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウムなどを含む。経口投与用の液体組成物の製造のために、水または植物性オイルのような通常の不活性な希釈液が用いられ得る。液体組成物は、不活性な希釈液に加えて、湿潤剤、懸濁助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤および保存剤のような助剤を含み得る。液体組成物は、ゼラチンのような吸収性物質から作られたカプセル中に充填され得る。注射剤、坐剤のような非経口投与用の組成物の製造のために使用される溶媒または懸濁媒体の例は、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチンなどを含む。坐剤のために使用される基剤の例は、例えばカカオバター、乳化カカオバター、ラウリン酸脂質、ウィテップゾールを含む。
【0050】
本発明の医薬の用量および投与回数は、特に限定されず、予防的および/または治療的処置の目的、疾病のタイプ、患者の体重もしくは年齢、疾病の重篤度などの条件によって適宜選択され得る。一般的に、成人に対する経口投与の一日用量は、0.01〜1,000 mg(活性成分の重量)であり、その用量は、1日に1回もしくは1日に数回に分けて、または数日間に1回で投与され得る。医薬が注射剤として使用されるとき、好ましくは、投与は連続的または間欠的に、成人に対して0.001〜100 mg(活性成分の重量)の一日用量で行われ得る。
【0051】
化学的な実施例
本発明は、以下の一般的な実施例を参照して具体的に説明されるが、これらの実施例により本発明の範囲は限定されない。
【実施例】
【0052】
実施例1(表1の化合物番号1)
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン塩酸塩(1:1)
1.1 6-(トリフルオロメチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジンアミン塩酸塩(1:2)
4-トリフルオロメチル-ピリミジン-2-イルアミン(10g、45.11 mmol)および10重量%のパラジウム/活性炭(0.065g)のイソプロパノール(5 ml)溶液に、イソプロパノール中の塩酸溶液(5〜6 N、45 ml)を加えた。混合物を4気圧の水素下、40℃で、水素の取り込みが止まるまで振盪した。触媒をろ別し、イソプロパノールで洗浄した。ろ液を蒸発乾固して、純粋な生成物(12.14g)を白色の固体として得た。
Mp : 138-140℃
【0053】
1.2 2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
エタノール(50ml)中の3-(ピリジン-4-イル)-3-オキソプロピオン酸エチル(5.62g、29.09 mmol)、6-(トリフルオロメチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジンアミン塩酸塩(1:2)(7g、29.09 mmol)および炭酸カリウム(10.05g、72.72 mmol)の混合物を、還流温度で12時間加熱した。冷却した溶液を蒸発させて溶媒を除去し、残渣を水で処理し、沈殿物をろ取し、生成物(4.82g)を黄色の粉末として得た。
Mp: 302-304℃
【0054】
1.3 9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン塩酸塩(1:1)
無水ジメチルホルムアミド(10 ml)中の2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(0.45g、1.52 mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)(0.079g、1.98 mmol)を加えた。混合物を40℃で15分間撹拌し、0℃で冷却した。次いで、2-ブロモ-1-フェニル-エタノン(0.363g、1.82 mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。
水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。抽出液を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し、蒸発させて粗生成物を得た。95/5/0.5の割合のジクロロメタン/メタノール/アンモニア混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、遊離塩基を得、それを通常の方法で塩酸塩に変換して、目的物質(0.358g)を白色の固体として得た。
Mp : 247-249℃
NMR 1H (200 MHz ; DMSO-d6) : δ8.7 (d, 2H) ; 8.21 (m, 4H) ; 7.7 (m, 3H) ; 6.8 (s, 1H) ; 5.8 (d, 1H) ; 4.95 (d, 1H) ; 4.85 (m, 1H) ; 4.45 (m, 1H) ; 3.5 (m, 1H) ; 2.7-2.2 (m, 2H).
【0055】
実施例2(表1の化合物番号2)
9-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン塩酸塩(1:1)
実施例1に記載された方法の第1および第2工程と同じである。
第3工程は次のように詳述される。
無水ジメチルホルムアミド(8 ml)中の2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(0.4g、1.35 mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)(0.12g、2.97 mmol)を加えた。混合物を50℃で15分間撹拌した。次いで、(1-S)-2-クロロ-1-フェニルエタノール(0.28g、1.76 mmol)を加え、混合物を110℃で16時間撹拌した。
水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し、蒸発させて粗生成物を得た。100/0〜95/5の割合でのエチル ジクロロメタン/メタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、遊離塩基の形態にある化合物に導いた。この塩基を塩酸塩に変換し、純粋な生成物(0.10g)を得た。
Mp : 220-222℃
NMR 1H (200 MHz ; DMSO-d6) : δ8.9 (d, 2H) ; 8.4 (d, 2H) ; 7.6-7.2 (m, 5H) ; 6.8 (s, 1H) ; 5.2-4.7 (m, 2H) ; 4.6-4.1 (m, 2H) ; 3.6-3.2 (m, 2H) ; 2.5-2.3 (m, 1H) ; 1.9-1.6 (m, 1H).
【0056】
実施例3(表1の化合物番号3)
9-[2-(3-ブロモ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン塩酸塩(1:1)
第3工程での2-ブロモ-1-フェニル-エタノンを2-ブロモ-1-[(3-ブロモ)-フェニル]-エタノンに代えて、実施例1に記載された方法と類似の方法により、この物質を得た。
Mp : 292-294℃
NMR 1H (200 MHz ; DMSO-d6) : δ8.7 (d, 2H) ; 8.1 (m, 5H) ; 7.95 (m, 1H) ; 6.75 (s, 1H) ; 5.8 (d, 1H) ; 5.1 (d, 1H) ; 4.8 (m, 1H) ; 4.6 (m, 1H) ; 3.5 (m, 1H) 2.7-2.2 (m, 2H).
【0057】
実施例4(表1の化合物番号4)
9-[2-(3-ブロモ-フェニル)-2-ヒドロキシ-エチル]-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
第3工程での(1-S)-2-クロロ-1-フェニルエタノールを2-クロロ-1-[(3-ブロモ)-フェニル]エタノールに代えて、実施例2に記載された方法と類似の方法により、この物質を得た。
Mp : 113-115℃
NMR 1H (200 MHz ; CDCl3) : δ8.9 (d, 2H) ; 8.4 (d, 2H) ; 7.6-7.2 (m, 5H) ; 6.5 (s, 1H) ; 5.3 (m, 1H) ; 5.0 (m, 1H); 4.5 (m, 1H) ; 3.9 (m, 1H) ; 3.5 (m, 2H) ; 2.45 (m, 1H); 1.9 (m, 1H).
【0058】
実施例5(表1の化合物番号5)
9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
第2工程での3-(ピリジン-4-イル)-3-オキソプロピン酸エチルを3-(ピリミジン-4-イル)-3-オキソプロピオン酸エチルに代えて、実施例1に記載された方法と類似の方法により、この物質を得た。
Mp : 247-249℃
NMR 1H (200 MHz ; CDCl3) : δ9.3 (s, 1H) ; 8.5 (d, 1H) ; 8.1 (s, 1H); 7.8-7.4 (m, 4H) ; 7.1 (s, 1H) ; 6.1 (d, 1H) ; 4.9-4.7 (m, 1H); 4.5 (d, 1H) ; 4.2 (m, 1H) ; 3.8-3.6 (m, 1H) ; 2.5 (m, 2H).
【0059】
実施例6(表1の化合物番号6)
(-)-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン塩酸塩(1:1)
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(化合物番号1)(4.0g、9.6 mmol)を、80/20の割合のn-ヘプタン/イソプロパノールで溶出するキラルプレパラティブHPLC(CHIRALPAK AD)で分離し、純粋な生成物(1.43g)を遊離塩基の形態で得た(tR:20分)。この塩基を塩酸塩に変換し、純粋な生成物(1.52g)を得た。
Mp: 233-235℃. [α]D20 = -85.1° (c=0.994, CH3OH).
NMR 1H (200 MHz ; DMSO-d6) : δ8.7 (d, 2H) ; 8.21 (m, 4H) ; 7.7 (m, 3H) ; 6.8 (s, 1H) ; 5.8 (d, 1H) ; 4.95 (d, 1H) ; 4.85 (m, 1H) ; 4.45 (m, 1H) ; 3.5 (m, 1H) ; 2.7-2.2 (m, 2H).
【0060】
実施例7(表1の化合物番号7)
(+)-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン塩酸塩(1:1)
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(化合物番号1)(4.0g、9.6 mmol)を、80/20の割合のn-ヘプタン/イソプロパノールで溶出するキラルプレパラティブHPLC(CHIRALPAK AD)で分離し、純粋な生成物(1.47g)を遊離塩基の形態で得た(tR:32分)。この塩基を塩酸塩に変換し、純粋な生成物(1.56g)を得た。
Mp: 233-235℃. [α]D20 = +86.2° (c=0.994, CH3OH).
NMR 1H (200 MHz ; DMSO-d6) : δ8.7 (d, 2H) ; 8.21 (m, 4H) ; 7.7 (m, 3H) ; 6.8 (s, 1H) ; 5.8 (d, 1H) ; 4.95 (d, 1H) ; 4.85 (m, 1H) ; 4.45 (m, 1H) ; 3.5 (m, 1H) ; 2.7-2.2 (m, 2H).
【0061】
実施例8(表1の化合物番号8)
(+)-9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(化合物番号5)(200mg、0.48 mmol)を、80/20の割合のn-ヘプタン/イソプロパノールで溶出するキラルプレパラティブHPLC(CHIRALPAK AD)で分離し、純粋な生成物(0.095g)を遊離塩基の形態で得た(tR:17分)。
Mp: 234-235℃. [α]D20 = +107.4° (c=0.445, DMSO).
NMR 1H (200 MHz ; CDCl3) : δ9.3 (s, 1H) ; 8.5 (d, 1H) ; 8.1 (s, 1H); 7.8-7.4 (m, 4H) ; 7.1 (s, 1H) ; 6.1 (d, 1H) ; 4.9-4.7 (m, 1H); 4.5 (d, 1H) ; 4.2 (m, 1H) ; 3.8-3.6 (m, 1H) ; 2.5 (m, 2H).
【0062】
実施例9(表1の化合物番号9)
(-)-9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(化合物番号5)(200mg、0.48 mmol)を、80/20の割合のn-ヘプタン/イソプロパノールで溶出するキラルプレパラティブHPLC(CHIRALPAK AD)で分離し、純粋な生成物(0.099g)を遊離塩基の形態で得た(tR:30分)。
Mp: 237-238℃. [α]D20 = -110.8° (c=0.445, DMSO).
NMR 1H (200 MHz ; CDCl3) :δ9.3 (s, 1H) ; 8.5 (d, 1H) ; 8.1 (s,1H); 7.8-7.4 (m, 4H) ; 7.1 (s, 1H) ; 6.1 (d, 1H) ; 4.9-4.7 (m, 1H); 4.5 (d, 1H) ; 4.2 (m, 1H) ; 3.8-3.6 (m, 1H) ; 2.5 (m, 2H).
【0063】
本発明を説明する、前記の式(I)の化合物の化学構造および物理学的データの一覧表を表1に示す。化合物は実施例の方法に従って製造された。
表において、pは2を表し、qは0を表し、Phはフェニル基を表し、 (+)、(-)はそれぞれ右旋性および左旋性の異性体を示し、「Y」またはR4の欄における(S)、(R)または(Rac.)は炭素原子の立体化学を示し、(rac.)はラセミ混合物を意味し、(R)は絶対配置Rを意味し、(S)は絶対配置Sを意味する
を示す。
【0064】
【表1−1】

【表1−2】

【0065】
試験例:GSK3βに対する本発明の医薬の阻害活性
二つの異なるプロトコルを用いることができる。
一番目のプロトコル:前もってリン酸化されたGS1ペプチド(7.5 μM)およびATP(33P-ATPを300,000 cpm含有)(10 μM)を、Tris-HCl(25 mM)、pH 7.5、DTT(0.6 mM)、MgCl2(6 mM)、EGTA(0.6 mM)、BSA (0.05 mg/ml) バッファー中、GSK3βの存在下、室温で1時間インキュベートした(全反応体積:100マイクロリッター)。
【0066】
二番目のプロトコル:前もってリン酸化されたGS1ペプチド(4.1 μM)およびATP(33P-ATPを260,000 cpm含有)(42 μM)を、Mes-NaOH(80 mM)、pH 6.5、Mgアセテート(1 mM)、EGTA(0.5 mM)、2-メルカプトエタノール(5 mM)、ツイーン20(0.02%)、グリセロール (10%)バッファー中、GSK3βの存在下、室温で2時間インキュベートした。
【0067】
阻害剤はDMSOに溶解した(反応媒体中の最終溶媒濃度、1%)。
ポリリン酸(85% P2O5)(25g)、85% H3PO4(126 ml)、H2Oで500 mlにした溶液(100 μl)で反応を停止し、次いで、使用前に1:100に希釈した。次いで、反応混合物の一定量をWhatman P81カチオン交換フィルターに移し、上記の溶液でリンスした。取り込まれた33P放射能活性を液体シンチレーションスペクトロメータにより測定した。
リン酸化されたGS-1ペプチドは次の配列:
NH2-YRRAAVPPSPSLSRHSSPHQS(P)EDEE-COOH
を有していた。
本発明の化合物のGSK3β阻害活性をIC50で表す。実例として、表1の化合物のIC50の範囲は、1ナノモル〜1マイクロモルの間の濃度である。
例えば、表1の化合物番号6は3nMのIC50を示す。
【0068】
製剤例
(1)錠剤
次の成分を通常の方法で混合し、慣用の装置を使って圧縮した。
実施例1の化合物 30 mg
結晶セルロース 60 mg
トウモロコシデンプン 100 mg
乳糖 200 mg
ステアリン酸マグネシウム 4 mg
【0069】
(2)軟カプセル
次の成分を通常の方法により混合し、軟カプセルに充填した。
実施例1の化合物 30 mg
オリーブオイル 300 mg
レシチン 20 mg
【0070】
(1)非経口製剤
次の成分を通常の方法により混合し、1 mlアンプル中に含まれる注射剤を製造した。
実施例1の化合物 3 mg
塩化ナトリウム 4 mg
注射用蒸留水 1 ml
【産業上の利用可能性】
【0071】
産業的利用可能性
本発明の化合物は、GSK3β阻害活性を有し、GSK3βの異常活性に起因する疾患、より具体的には神経変性疾患の予防的および/または治療的処置用の医薬の活性成分として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

(式中、
Xは、2つの水素原子、1つの硫黄原子、1つの酸素原子、または1つのC1-2アルキル基と1つの水素原子を表し、
Yは、結合手、カルボニル基、C1-6アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、C1-2パーハロゲン化アルキル基またはアミノ基から選択される1または2の基で任意に置換されていてもよいメチレン基を表し、
R1は、2、3もしくは4-ピリジン環または2、4もしくは5-ピリミジン環を表し、該環はC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよく、
R2はフェニル基またはナフタレン環を表し、該フェニル基およびナフタレン環はC1-6アルキル基、フェニル基、メチレンジオキシ基、ハロゲン原子、C1-2パーハロゲン化アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1-5モノアルキルアミノ基またはC2-10ジアルキルアミノ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよく、
R3は水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
R4はC1-2パーハロゲン化アルキル基またはC1-3ハロゲン化アルキル基を表し、
R5は水素、C1-6アルキル基またはハロゲン原子を表し、
nは0〜3を表し、そしてp+q=0〜3である)
で表される、置換された-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物。
【請求項2】
R4がC1-2パーハロゲン化アルキル基を表す、請求項1に記載の置換された-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物。
【請求項3】
R1が無置換の4-ピリジン環または4-ピリミジン環を表し、
R2が、C1-3アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノまたはC1-2アルコキシ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよいフェニル基を表すか、あるいはR2が、C1-3アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはC1-2アルコキシ基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよいフェニル基を表し、
R3が水素原子を表し、
R4がトリフルオロメチル基を表し、
R5が水素またはフッ素原子を表すか、あるいはR5が水素原子を表し、
Xが2つの水素原子を表し、
Yがカルボニル基またはヒドロキシ基で任意に置換されていてもよいメチレン基を表し、
n、pおよびqは、それぞれ0、2および0を表す、
請求項1または2に記載の置換された-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物。
【請求項4】
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-[2-(3-ブロモ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-[2-(3-ブロモ-フェニル)-2-ヒドロキシ-エチル]-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
(-)-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
(+)-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(4-ピリジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
(+)-9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
(-)-9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(4-ピリミジニル)-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
3-フルオロ-9-(2-オキソ-2-フェニルエチル)-2-ピリジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-(フェニルメチル)-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-(2-フェニルエチル)-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-[2-(3ブロモ-フェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-[2-(3-フルオロフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-[2-(4-メチルフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-[2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-[2-(4-シアノフェニル)-2-オキソエチル]-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9-(2-ビフェニル-4-イル-2-オキソエチル)-2-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
からなる群から選択される、置換された-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物。
【請求項5】
式(III)
【化2】

(式中、R1、R3、R4、R5、pおよび qは請求項1の式(I)の化合物について定義されたとおりである)
の化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の式(I)で表される、置換された-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物からなる群より選択される物質を有効成分として含む医薬。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)で表される、置換された-ピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物からなる群より選択されるGSK3β阻害剤。
【請求項8】
GSK3βの異常活性に起因する疾患の予防的および/または治療的処置用医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項9】
神経変性疾患の予防的および/または治療的処置用医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項10】
神経変性疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病、タウ病、血管性痴呆、急性脳卒中、外傷性の障害、脳血管障害、脳損傷、脊髄損傷、末梢神経障害、網膜症または緑内障からなる群から選択される、請求項9に記載の化合物の使用。
【請求項11】
非インスリン依存性糖尿病、肥満症、躁うつ病、統合失調症、脱毛症または癌の予防的および/または治療的処置用医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項12】
癌が乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TもしくはB-細胞白血病またはウイルス誘発性腫瘍である、請求項11に記載の使用。

【公表番号】特表2006−520766(P2006−520766A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505151(P2006−505151)
【出願日】平成16年3月19日(2004.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004013
【国際公開番号】WO2004/083210
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【出願人】(000006725)三菱ウェルファーマ株式会社 (92)
【Fターム(参考)】