説明

耐熱・導電性樹脂組成物、及びこれより成形されたICトレイ

【課題】 125℃及び150℃耐熱性の安価で成形が容易なICトレイを提供する。
【解決手段】 結晶性のポリエステル系樹脂と非結晶性のポリカーボネート樹脂を基本樹脂組成物とし、さらにマイカ粉末、シランカップリング剤及び導電性カーボンブラックを含有する耐熱・導電性樹脂組成物及び該組成物より成形されたICトレイ。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性樹脂であるポリエステル系樹脂と非結晶性樹脂であるポリカーボネート樹脂を基材として、成形性に優れ、耐熱性・寸法安定性・成形品のソリなどの変形の少ない樹脂組成物、及び該組成物より成形された耐熱性の優れたICトレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体電子部品であるICパッケージは、製造工程において薄い平板格子状のトレイ(又はパレット)に入れて取り扱うことが多い。このICトレイには大きく分けて二つの種類がある。一つは搬送や保管用として、汎用プラスチックを基材とする非耐熱性ICトレイ、もう一つはベーキング処理などの熱処理工程に用いるものとして、エンジニアリングプラスチックを基材とする耐熱性ICトレイが使用されている。本発明は耐熱性ICトレイを対象としたものである。
【0003】ICパッケージの製造において、次のような理由によってベーキング工程が必要とされる。すなわちICパッケージの製造において、パッケージ内部を外気から封止するために、通常リード線引き出し部位などを封止部材で封止することが行われているが、この封止部材は比較的吸湿しやすく、その結果ICパッケージをプリント配線基盤に実装する際のハンダ付け工程で熱が加えられると、吸湿している水分が急膨張して封止部材にクラックが発生して、パッケージ内の回路などに支障を来たすトラブルが発生することがある。そこで、この表面実装を行う前に、125℃で20〜40時間あるいは150℃で5〜10時間の熱乾燥処理を行うことによって、封止部材の吸湿水分を除去することが一般に必要とされている。
【0004】そして、本発明の対象である耐熱性ICトレイは、この熱乾燥工程でICパッケージを搬送するキャリアとして使用される。
【0005】現在、このような用途で使用される耐熱性ICトレイとして、125℃耐熱用としてはポリプロピレン系、ポリエステル系、ポリアミド系などの樹脂、一方150℃耐熱用としては変性ポリフェニレンオキサイド(エーテル)系(変性PPE)、芳香族ポリスルフォン系(PPS)などの樹脂が主に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】125℃用と150℃用の耐熱レベルで使用される材料を分けている理由は、125℃用のポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂はより高温での使用に耐えられないためである。具体的には、ポリプロピレン樹脂は熱により変形を生じ、ポリアミド樹脂は吸水すると寸法が変わり、高温で急激にベーキング処理すると成形品表面にフクレが生じるためであり、ポリエステル樹脂は元来結晶化度が高く反りを生じ易いうえに、荷重たわみ温度が十分高くないため、150℃耐熱用としては不安があった。
【0007】150℃耐熱用の材料として、変性PPE樹脂は、流動性が悪く、また樹脂の製造コストが高く、近年の搬送に伴うコスト低減を狙ったICトレイの形状の薄肉化に対応できなくなってきており、流動性を改良するために分子量を下げると衝撃性が極端に悪くなるという問題がある。またPPS樹脂は、成形温度が高く、金型を高温にする必要があるため、特殊な設計にする必要があり、金型製作費が高く、また金型の寿命も短い。また、実用面でコストの安い125℃用樹脂を150℃用に用いることは、現実的に無理があった。
【0008】一方、ICトレイを用いる側からすれば、ICトレイは単なる製造上の道具でしかないのでコストが安い方がよく、さらに125℃用にも150℃用にも共に使用できる樹脂及びそれより成形された耐熱性ICトレイが渇望されている。
【0009】本発明は、150℃での使用にも耐えられ、成形性がよく、かつ価格も安い樹脂組成物、及び該樹脂より成形されたICトレイを提供し、125℃でも150℃でも同じものが使える汎用性のあるものであることが好ましい。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するために、本発明は、(A)ポリエステル系樹脂 50〜75重量%と(B)ポリカーボネート樹脂 25〜50重量%からなる基材樹脂組成物 100重量部に対し、(C)マイカ粉末 10〜80重量部、(D)シランカップリング材 0.01〜6重量部及び(E)導電性カーボンブラック 2〜20重量部を含有する樹脂組成物より成形されるICトレイが、上記の問題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明で用いられる(A)ポリエステル系樹脂は、熱可塑性のポリエステル系樹脂であればいずれも使用でき、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン、p−ヒドロキシ安息香酸系ポリエステル、ポリアリレートなどを挙げることができる。
【0012】上記の(A)ポリエステル系樹脂の中でも、ポリブチレンテレフタレート系(PBT系)は好ましい。PBT系は、テレフタル酸単位を主体とするジカルボン酸単位及び1,4−ブタンジオール単位を主体とするジオール単位から主としてなり、その代表例としては、テレフタル酸単位と1,4−ブタンジオール単位のみからなるポリブチレンテレフタレート(PBT)を挙げることができる。
【0013】本発明で用いられる(A)ポリエステル系樹脂は、必要に応じて基本構造を構成するジカルボン酸単位以外の他のジカルボン酸単位及び/又は基本構造を構成するジオール単位以外の他のジオール単位を、全構造単位に対して20モル%以下有していてもよい。他のジカルボン酸単位の例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムなどの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;及びそれらのエステル誘導体、例えばメチルエステル、エチルエステルなどの低級アルキルエステルなどから誘導されるジカルボン酸単位を挙げることができる。(A)ポリエステル系樹脂は、上記したジカルボン酸単位の1種のみを有していても、又は2種以上を有していてもよい。
【0014】また、他のジオール単位の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの炭素数2〜10の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの分子量6,000以下のポリアルキレングリコールから誘導されるジオール単位を挙げることができる。(A)ポリエステル系樹脂は、上記したジオール単位の1種のみを有していても、又は2種以上を有していてもよい。
【0015】さらに、(A)ポリエステル系樹脂は、全構造単位に対して1モル%以下であれば、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3官能性以上のモノマーから誘導されるポリオール単位を有していてもよい。
【0016】また、限定されるものではないが、(A)ポリエステル系樹脂の極限粘度が、フェノール/テトラクロロエタン(重量比=1/1)混合溶媒中で測定したときに、0.5〜1.5の範囲にあるのが、強度、弾性率、耐衝撃性、成形性などの特性に優れた耐熱・導電性樹脂組成物が得られるので好ましい。
【0017】つぎに、本発明で用いられる(B)ポリカーボネート樹脂は、二価のフェノール類をホスゲン、ハロホルメート、カーボネートエステルなどと反応させて製造される。二価のフェノール類は芳香核を1個以上含み、芳香核に直接結合したヒドロキシル基を少なくとも2個有する。二価のフェノール類としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スピロビスインダン、(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホン、5−クロロ−2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジクロロジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロジフェニルエーテル、ビス(4―ジヒドロキシ−5―プロピルフェニル)メタン、ビス(4―ジヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−エチルフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパンなどが挙げられる。
【0018】本発明の樹脂組成物において、(A)ポリエステル系樹脂50〜75重量%と(B)ポリカーボネート樹脂25〜50重量%からなる基材樹脂組成物は、好ましくは(A)ポリエステル系樹脂60〜75重量%と(B)ポリカーボネート樹脂25〜40重量%からなる。その比率(A)/(B)は、3≧(A)/(B)≧1重量比であり、好ましくは3≧(A)/(B)≧1.5重量比である。(A)/(B)の重量比が3を超えると結晶性樹脂であるポリエステル系樹脂の量が多くなるため、組成物の収縮が大きくなり、反りやひねりなどの変形がICトレイとしての使用範囲を超えるため好ましくない。また、重量比が1に満たなければ体積比でポリカーボネート樹脂の比率が多くなるため、耐薬品性の低下や組成物の耐熱性が低下するため、150℃耐熱ICトレイとしての機能が保てなくなるため好ましくない。
【0019】本発明において添加される(C)マイカ粉末は、成形品の機械的強度を向上させ、ベーキング処理などの熱処理の際の寸法の安定性を向上させる効果をもたらし、結果としてICトレイの反りやひねりなどの変形を抑える効果がある。添加量は、基材樹脂組成物100重量部に対して10〜80重量部が好ましい。10重量部未満では補強効果が得られなく、80重量部を超えると材料の靭性が低下するため、衝撃を受けたときに割れたり欠けるなどの不具合を生じるため好ましくない。
【0020】本発明において添加される(D)シランカップリング剤は、(C)マイカ粉末と基材樹脂組成物との接着濡れ性の改良を目的として添加され、組成物自体の靭性向上、加工性向上、成形品のウエルド部における強度や成形品の外観の向上が得られる。添加量は、基材樹脂組成物100重量部に対して0.01〜6重量部であり、好ましくは0.1〜3重量部である。0.01重量部より少ないと得られる効果が十分でなく、また6重量部よりも多いと材料自体の粘度が上がり、成形性が悪化するため好ましくない。
【0021】(D)シランカップリング剤としては、γ−(アミノプロピル)トリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−γ−(アミノエチル)γ−(アミノプロピル)トリメトキシシランなどのアミノシラン系カップリング剤を例示することができる。
【0022】(D)シランカップリング剤の添加方法としては、シランカップリング剤を水又は水とアルコール混合液中に均一に分散混合した液体を、粉末状又はスラリー状のマイカに攪拌しながら添加し、均一に混合した後乾燥するマイカ粉末の直接処理法と、本発明の基材樹脂組成物にマイカ粉末とシランカップリング剤を他の添加剤と一緒に混合し、溶融混練するインテグラルブレンド法による方法などを例示することができる。どちらの方法を用いてもよいが、より安価な方法としては、マイカ粉末の前処理を伴わない後者のインテグラルブレンド法の方がコスト的に有利であり好ましい。
【0023】本発明において添加される(E)導電性カーボンブラックは、帯電性の防止、特に本発明の樹脂組成物によって150℃耐熱性ICトレイを構成する場合には、ICの静電破壊を防止するのに有効な成分として添加される。このような帯電防止の目的のためには、理論的にはその他の導電性物質、例えばカーボン繊維、メタル繊維、金属酸化物、金属で表面コーティングした導電性無機充填剤などを用いることも考えられるが、カーボンブラック以外の材料では、成形品の反りやひねりなどの変形や、成形加工性が劣る。(E)導電性カーボンブラックの添加量は、基材樹脂組成物100重量部に対して2〜20重量部、好ましくは3〜15重量部、さらに好ましくは5〜10重量部であり、成形品であるICトレイの表面抵抗が1×104 〜1×1010Ωになるように調整することが好ましい。
【0024】(E)導電性カーボンブラックの添加量が2重量部より少ないと、導電性が十分でなくICトレイの帯電防止性が不十分となり、20重量部よりも多くなると、機械的特性とくに靭性が低下し、加工性が悪化するため好ましくない。なお、(E)導電性カーボンブラックとしては、N2 吸着によるBET比表面積が240m2/g以上で、粒径が小さく微細なもの、特にストラクチャーが発達しているもの、グラファイト化が進んでいるものが好ましい。
【0025】本発明の樹脂組成物、及びそれより成形されたICトレイには、以上の必須成分に加えてフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、PMMA樹脂、EEA樹脂などの加工安定性向上を目的とした樹脂成分を添加することができ、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、耐熱剤など一般的に樹脂成形材料に添加される添加剤を添加することができる。
【0026】以上の樹脂組成物を用いて耐熱・導電性樹脂組成物を製造する方法としては、一般的な押出し機やニーダーなどで各成分を溶融混練する方法を用いることができる。この場合、樹脂成分を溶融混練し、サイドフィード法やコンパクターを用いてマイカ粉末やカーボンブラック成分を添加してもよいし、全成分を一括投入する方法によってもよい。本発明のICトレイは、上記で得た樹脂組成物を一般的な射出成形によって成形することができる。
【0027】
【実施例】本発明を実施例ならびに比較例にしたがって以下に説明する。なお、樹脂組成物の評価方法は以下の方法に従った。
【0028】■射出流動長(L/T)
射出成形機ネスタールSG−75SYCAPM II (住友重工(株)製)を用い、幅10mm、厚さ1mmの射出流動長測定用金型で、射出温度250℃、射出圧力100MPa 、金型温度60℃の条件下で成形したときの流動長(mm)を測定した。
【0029】■荷重たわみ温度ASTMD648に準拠して、高荷重(1.82MPa)で測定した。
【0030】■成形品外観射出成形機NN160(新潟鉄工製)を用い、300×150×6mmのICトレイ(ICパッケージ5×10の50個実装可能)を成形し、その外観を目視により観察して、ガス焼けやフローマークなどの発生を有無で判断し、有:×、無:○として示した。
【0031】■成形品の表面抵抗■で成形したICトレイを、4261ALCRメーター(横川ヒューレットパッカード製)を用い、1cm間隔で任意の3個所を測定し平均値を求めた。
【0032】■成形品の反り■で成形したICトレイを定盤上に置き、レーザー式変位センサーLK2000(キーエンス製)を用い、非接触で定盤から表面までの距離を測定し、このICトレイの基準寸法6mmからのずれを測定した。評価に用いたICトレイの規格は6+1mmであるので、下記の基準で材料を評価した。
【0033】
【表1】


【0034】■成形品の衝撃強度■で成形したICトレイを、対角線がコンクリート床面と垂直になるようにして1mの高さから落下させたときの破損の有無を観察し、有:×、無:○として示した。
【0035】なお、■〜■はいずれも155℃×12時間の熱風循環オーブンでの処理を、ICトレイのベーキング処理を想定して行った後に評価した。
【0036】実施例及び比較例で使用した材料物質は以下のとおりである。
(A)ポリエステル系樹脂(PBT(a));〔η〕=0.90PBT系樹脂(クラレ製)、ポリエステル系樹脂(PBT(b));〔η〕=0.90モノマー成分のうちテレフタル酸成分が全成分の5%であるPBT系樹脂(クラレ製)
(B)ポリカーボネート樹脂(PC);カリバー200−13(住友ダウ製)
(C)マイカ粉末;クラライトマイカ80D(クラレ製)
(D)シランカップリング剤;サイラエースS−510(チッソ製)
(E)導電性カーボンブラック;ケッチェンブラックEC600JD(ライオン製)
【0037】前記の材料物質を表2及び表3に示す割合で配合し、同方向2軸混練機(TEM35B;東芝機械製)を用いて溶融混練し、ペレット状の目的とする樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の評価を行い、実施例は表2、比較例は表3に示す結果を得た。
【0038】
【表2】


【0039】
【表3】


【0040】
【発明の効果】本発明によれば、従来ポリエステル系樹脂では困難とされていた150℃耐熱性ICトレイ材料として、ポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂の特定比率の混合物を基材として、これにマイカ粉末、シランカップリング剤及び導電性カーボンブラックを特定範囲で配合することにより、170℃のベーキング処理などの熱処理に十分耐えうるICトレイが得られることがわかった。これにより容易な成形で安価なICトレイを供給でき、125℃及び150℃耐熱ICトレイ両方に使用可能となり、さらに170℃の高温でのベーキング処理により、ICパッケージ製造時間の短縮できる利点がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリエステル系樹脂 50〜75重量%と(B)ポリカーボネート樹脂 25〜50重量%からなる基材樹脂組成物 100重量部に対し、(C)マイカ粉末 10〜80重量部、(D)シランカップリング剤 0.01〜6重量部及び(E)導電性カーボンブラック 2〜20重量部を含有する耐熱・導電性樹脂組成物。
【請求項2】 ポリエステル系樹脂が、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族オキシカルボン酸とジオールの重縮合により得られるポリマーである、請求項1記載の耐熱・導電性樹脂組成物。
【請求項3】 ポリエステル系樹脂が、ポリブチレンテレフタレートを主成分とする、請求項1記載の耐熱・導電性樹脂組成物。
【請求項4】 導電性カーボンブラックが、窒素ガス吸着によるBET比表面積値が240m2/g以上である、請求項1記載の耐熱・導電性樹脂組成物。
【請求項5】 マイカ粉末が、シランカップリング剤で表面処理されている、請求項1記載の耐熱・導電性樹脂組成物。
【請求項6】 マイカ粉末とシランカップリング剤を基材樹脂組成物に同時に添加して製造される、請求項1記載の耐熱・導電性樹脂組成物。
【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂組成物より成形されたICトレイ。