説明

耳かき用具

【課題】 先端の向きに関係なく、外耳道の全周面に使用することができ、痛みもなく簡単に当接させることができ、指先の力が直接表皮に加わることがないので強く掻きすぎたりして傷つけることもなく、油断して、多少、奥に入れても外耳道を損傷させるおそれがない、安全で使い易い耳かき用具を提供する。
【解決手段】 本発明に係る耳かき用具は、弾性を有する水平な線材又は棒材の両端をそれぞれ下方へ巻回して2重の螺旋状に成形した螺旋部3を有して成る先端部9と、該先端部9を先端に固着した軸部4とから成る耳掻き部1を備え、該耳掻き部1は柄7の一端に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳の外耳道の清掃を行うための耳かき用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、耳垢を取る用具としては、細い棒状の柄の先端に杓子状の部分を備え、その先端縁を外耳道の表皮に摺接させた状態で掻くようにして耳掻きを行うのが一般的であった。
【特許文献1】特開平06−113978
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の耳かき用具は先端が杓子状で薄く、特定の向きでしか使用することができず、神経を集中して使用しても、外耳道の表皮に対して当接の加減を調節することは難しく、力を入れすぎて先端縁が表皮に食い込み、痛みを伴ったり、耳垢を掻きだすときに傷つけたり、油断すると耳孔に深く入れ過ぎてしまい、鼓膜などを損傷させるという問題点があった。
【0004】
本発明は、従来の問題点を解決するもので、先端の向きに関係なく、外耳道の全周面に使用することができ、痛みもなく簡単に当接させることができ、指先の力が直接表皮に加わることがないので強く掻きすぎたりして傷つけることもなく、油断して、多少、奥に入れても外耳道を損傷させるおそれがない、安全で使い易い耳かき用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る耳かき用具は、弾性を有する線材又は棒材を巻回して螺旋状に成形して成る先端部を備えたことを特徴とするものである。前記先端部は、弾性を有する水平な線材又は棒材の両端をそれぞれ下方へ巻回して螺旋状に成形して成るのが望ましい。
【0006】
また、本発明に係る耳かき用具は、弾性を有する線材又は棒材を巻回して螺旋状に成形して成る先端部と、該先端部を先端に設けた軸部とから成る耳掻き部を備えたことを特徴とするものである。前記先端部は、弾性を有する水平な線材又は棒材の両端をそれぞれ下方へ巻回して螺旋状に成形して成るものが望ましい。この場合、前記先端部は、2重の螺旋状に成形した螺旋部を有する。
【0007】
さらに、本発明に係る耳かき用具は、前記螺旋部を形成する線材又は棒材の両端が、それぞれ同じ方向に、又は互いに左右対称に、若しくはそれぞれ2周以上巻回していることを特徴とするものである。
【0008】
さらにまた、本発明に係る耳かき用具は、前記耳かき用具の螺旋の形状が円柱形又は略逆円錐形に形成されていることが望ましい。また、上記耳掻き部は柄の一端に設けられていることが望ましい。
【0009】
また、本発明に係る耳かき用具は、前記線材又は棒材が金属であることを特徴とするものである。
【0010】
さらに、本発明に係る耳かき用具は、前記先端部が上下、前後、左右の全方向に対して弾性を有していることを特徴とするものである。
【0011】
さらにまた、本発明に係る耳かき用具は、前記柄が円筒状であって、その底部内側には前記螺旋部を清掃するためのブラシが備えられていることを特徴とする。
【0012】
また、耳掻き部の先端の螺旋部は弾性材で金属製又は合成樹脂製あるいは合成ゴムの線材又は棒材を成形したものや、金属線に抗菌剤入りの合成樹脂又は合成ゴムを被覆させたものや、金属線又は合成樹脂線あるいは合成ゴム線に天然・合成繊維や綿毛・綿糸を巻着させてもよい。
さらに、軸部と柄は天然・合成樹脂、合成ゴム等の弾性材で成形しても、金属、天然・合成樹脂で成形してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、耳掻き部の先端部をどのような向きにして使用しても、確実に耳掻きを行うことができ、耳垢が螺旋部の全内周面に溜まって、外側に落ちにくく、途中で向きを変える必要もなく、中断せずに使用でき、使用の動作を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の実施の形態を実施例にもとずき図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0015】
本発明に係る耳かき用具は、その先端部が弾性を有する線材又は棒材を巻回して螺旋状に成形したものから成り、このうち、図3、4は当該耳かき用具の実施例を具体的に表したものである。
【0016】
図3、4に示される実施例では、弾性を有する水平な線材又は棒材の両端をそれぞれ同じ方向に下方へ巻回して螺旋状に成形して螺旋部3を二重に設け、下端を収束して成る先端部9が軸部4の先端に固着されている。前記線材又は棒材の水平部分である水平部2は螺旋頂部の直径長さを有しており、また螺旋はその頂部から下方へ向かって円柱形又は略逆円錐形に形成されている。耳掻き部1は前記先端部9と軸部4とから構成され、該耳掻き部1は図1の円筒状の柄7の一端に設けられている。
【0017】
図1における円筒状の柄7の底部内側には耳掻き部1の先端部9の螺旋部3の清掃のため、図2のブラシ8を内設し(図5参照)、耳掻きの後、耳掻き部1の先端部をブラシに挿入し、前後させるか、回転させるかして、螺旋部3で掻き取られ、付着した耳垢を清掃する。
【0018】
耳掻き部1は使用後、柄7から外し、柄の底部に内設されたブラシ8(図5参照)で螺旋部3を清掃のうえ、耳掻き部の先端部9を保護するために図6にあるように円筒状の柄7の中空部に該先端部9を収納し保管する。
【0019】
耳掻き部の先端部は、上下、前後、左右の全方向に対して弾性を有しているので、指先の力が直接外耳道の表皮に加わらず、弾性材と螺旋部の弾性構造が当接の力を吸収し、優しく当接することができ、また螺旋部が表皮の凹凸に沿って変形し、過度に力を加えず効果的な耳掻きが行える。
【0020】
油断して、指先に力が加わっても、また、多少奥に入れてしまっても、弾性材と螺旋構造の弾性作用で表皮を柔らかく押し表皮を痛めず使用できる。
【0021】
円筒状の柄の底部内側に円周面を有するブラシを内設したので、螺旋部の周面の清掃が効果的に行え、清掃用ブラシを放置して、汚したり、紛失したりすることもなく即使用できるので便利である。
【0022】
使用後、柄より耳掻き部を外して、柄の底部内側に内設したブラシに挿入し、前後させるか、回転させるかして、耳掻き部の先端部を清掃し、柄の中空部に耳掻き部の先端部を収納することにより、先端を変形させることもなく、円筒構造なので乾燥状態で衛生的に保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る耳かき用具を示す正面図である。
【図2】本発明に係る耳かき用具の柄の底部を拡大して示す底面図である。
【図3】本発明の実施例の耳掻き部を拡大して示す平面図である。
【図4】本発明の実施例の耳掻き部の拡大図である。
【図5】本発明の正面部分拡大図である。
【図6】本発明に係る耳かき用具の耳掻き部を柄に収納した斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1 耳掻き部
2 水平部
3 螺旋部
4 軸部
7 柄
8 ブラシ
9 先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する水平な線材又は棒材の両端をそれぞれ下方へ巻回して2重の螺旋状に成形した螺旋部を有して成る先端部と、該先端部を先端に固着した軸部とから成る耳掻き部を備えたことを特徴とする耳かき用具。
【請求項2】
請求項1に記載の耳かき用具において、前記螺旋部を形成する線材又は棒材の両端は、それぞれ同じ方向に巻回していることを特徴とする耳かき用具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の耳かき用具において、前記螺旋部を形成する線材又は棒材の両端は、互いに左右対称に巻回していることを特徴とする耳かき用具。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の耳かき用具において、前記螺旋部を形成する線材又は棒材の両端は、それぞれ2周以上巻回していることを特徴とする耳かき用具。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の耳かき用具において、螺旋の形状は円柱形又は略逆円錐形に形成されていることを特徴とする耳かき用具。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の耳かき用具において、前記耳掻き部は柄の一端に設けられていることを特徴とする耳かき用具。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の耳かき用具において、前記線材又は棒材は金属であることを特徴とする耳かき用具。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の耳かき用具において、前記先端部は上下、前後、左右の全方向に対して弾性を有していることを特徴とする耳かき用具。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の耳かき用具において、前記柄は円筒状であって、その底部内側には前記螺旋部を清掃するためのブラシが備えられていることを特徴とする耳かき用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−185528(P2007−185528A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69408(P2007−69408)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【分割の表示】特願平9−364292の分割
【原出願日】平成9年11月29日(1997.11.29)
【出願人】(597149401)
【Fターム(参考)】