説明

耳掻きおよび耳掻きセット

【課題】 耳孔の内周面を傷つけ難く、再使用可能な耳掻きおよび耳掻きセットを提供する。
【解決手段】 耳掻き1は、棒状の竹で形成されるとともに、その表面には防水加工として漆塗りが施された耳掻き本体2と、帯状に形成された超極細繊維製布で耳掻き本体2の先端部を巻き付けて被覆した掻き出し部3と備えている。耳掻きをする使用者が握る耳掻き本体2の把持部2bには、竹で編み込まれたグリップ4が装着されている。この竹で編み込まれたグリップ4は、藍胎漆器で形成されている。グリップ4として藍胎漆器を用いることで、風合いがあり、把持したときに弾力性があって手触りもよく、手に馴染みやすい。従って、使い勝手がよく、美観に優れた耳掻き1とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳掻きおよび耳掻きセットに関し、特に、肌触りがよく、洗浄可能な耳掻きと、その耳掻きを保持する保持台とを備えた耳掻きセットとに関する。
【背景技術】
【0002】
耳掻きは、耳孔に先端部を挿入して効率よく耳垢が取れるよう、先端部の形状として様々なものが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の耳掻きは、木、金属(チタン等)、合成樹脂等で形成された円柱状の柄部の先端部に螺旋状に溝を設け、隣接する溝間で所定の厚み、高さの略円板状の掻出し板を形成し、これらの複数の掻出し板によって螺旋状の掻出し部を構成したものである。掻出し部が複数の円板状の掻出し板によって構成されているので、耳垢が付着している部分に接触させる場合に、掻出し部の角度を考慮する必要はなく、掻出し部の周面のどの部分を接触させてもよいというものである。
【0004】
また、特許文献2に記載の耳掻きは、軸の両端のうち少なくとも一方に繊維塊状部を設けるとともに、この軸の少なくとも1箇所に突起部を設けた綿棒である。突起部を軸の少なくとも1箇所に設けることによって、使用時に指が突起部に接触するので、軸の把持位置や耳への挿入深さの確認が容易となるだけでなく、すべり止めにもなるため、綿棒および耳掻きの使い勝手がよくなるというものである。
【0005】
【特許文献1】特開2000−116564号公報
【特許文献2】特開2002−186568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の耳掻きは、木、金属(チタン等)、合成樹脂等で形成されているため、螺旋状の掻き出し部は硬質である。従って、その硬質の先端部を耳孔に挿入して、掻き出すように前後方向に動かすと耳垢はよく取れるかもしれないが、耳孔の内周面は皮膚が弱いので痛みを伴うおそれがある。親が子供や幼児に耳垢取りをする場合には、親は痛みを直接感じないので思わず力が入り、子供や幼児の皮膚を傷つけてしまい、外耳炎になってしまうおそれもある。
【0007】
また、特許文献2に記載の耳掻きは、耳垢を掻き出す軸の端部に繊維塊状部を設けた綿棒なので、皮膚の弱い耳孔の内周面を傷つけることは少ないと思われるが、耳垢が繊維塊状部に付着すると除去することが容易ではなく、再使用しようとして洗浄して乾燥させると、繊維塊状部がふやけて膨らんでしまい、耳垢を絡め取ることができない。
【0008】
そこで本発明の目的は、耳孔の内周面を傷つけ難く、再使用可能な耳掻きおよび耳掻きセットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の耳掻きは、棒状の耳掻き本体と、前記耳掻き本体の先端部を超極細繊維製布で被覆した掻き出し部とを備えたことを特徴とする。棒状の耳掻き本体の先端部に設けた超極細繊維製布で被覆した掻き出し部を耳孔に挿入して、掻き出し部を耳孔の内周面に当接して前後方法へ移動させると、超極細繊維製布が耳孔の内周面を摺動する。超極細繊維製布は、繊度が非常に細い繊維なので、耳孔の内周面に付着した耳垢が超極細繊維製布の細かな凹凸に入り込むので、細かい粉状の耳垢や粘着性の高い耳垢であっても除去することができる。また、超極細繊維製布は、肌触りがよい材質なので、皮膚の弱い耳孔の内周面を摺動しても痛みを伴うことが少ない。また、超極細繊維製布は化学繊維で形成されるので耐久性が高く、付着した耳垢を除去するために洗浄しても、解れたり毛羽だったりするような劣化がほとんどない。
【0010】
前記耳掻き本体は、竹で形成されるとともに、その表面には防水加工が施されているのが望ましい。棒状とした竹は、適度にしなるので、耳掻き本体を前後方向に移動させる際に、少し掻き出し部を耳孔の内周面に押さえ付けても、耳掻き本体が少ししなり、過度な応力が耳孔の内周面に負荷となってかからない。その竹で形成された耳掻き本体の表面に防水加工を施すことで、洗浄する際に耳掻き全体が濡れても、水が竹繊維に染み込まない。
【0011】
前記掻き出し部は、帯状に形成した超極細繊維製布を前記耳掻き本体の先端部に巻き付けて形成されているのが望ましい。帯状に形成された超極細繊維製布を耳掻き本体の先端部に巻き付けることで、所定間隔ごとに段差が形成された掻き出し部が、耳掻き本体の先端部を覆うように形成される。この所定間隔ごとに段差が形成された掻き出し部を耳孔に挿入して前後方向に移動させることで、この段差部分が耳孔の内周面に、より密着した状態で摺動させることができる。
【0012】
前記掻き出し部は、帯状に形成された超極細繊維製布を二つ折りして、前記耳掻き本体の先端に被せ、リング状に形成された留め具で二つ折りした超極細繊維製布を周囲から狭持させて、前記二つ折りした超極細繊維製布が前記耳掻き本体に着脱自在に装着されているのが望ましい。超極細繊維製布を洗浄するときは、耳掻き本体に装着された状態で行ってもよいが、丹念に洗浄する場合や、掻き出し部のみを交換する場合には、超極細繊維製布が耳掻き本体から外れた方が、洗浄や交換が容易である。本発明の耳掻きは、掻き出し部を帯状に形成された超極細繊維製布を、耳掻き本体の先端に付き合わせて二つ折りして耳掻き本体の先端に被せ、リング状に形成された留め具で二つ折りした超極細繊維製布を周囲から狭持させて着脱自在にその二つ折りした超極細繊維製布を耳掻き本体に装着させている。従って、リング状に形成された留め具を外せば二つ折りした超極細繊維製布を、容易に取り外すことができるので、洗浄のときや、交換のときに、耳掻き本体から掻き出し部を取り外すのが容易である。
【0013】
また、本発明の耳掻きセットは、本発明の耳掻きと、この耳掻きの耳掻き本体を保持して、前記掻き出し部を空気中に曝した状態とする耳掻き保持台とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の耳掻きは、洗浄を行って何度も使用することができる。そこで、本発明の耳掻きの耳掻き本体を保持して、掻き出し部を空気中に曝した状態とする耳掻き保持台に、洗浄後に置いておくと、超極細繊維製布で形成された掻き出し部を、その衛生状態を保ったまま、乾燥させることできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の耳掻きによれば、以下の効果を奏する。
(1)棒状の耳掻き本体と、耳掻き本体の先端部を超極細繊維製布で被覆した掻き出し部とを備えたことにより、痛さを伴わず耳垢を取り除くことができ、何度も洗浄して使用することができるので、経済的であり、かつ衛生的に、心地よく耳掃除ができる。
(2)耳掻き本体が、竹で形成されるとともに、表面には防水加工が施されていることにより、使い勝手がよく、洗浄する際に耳掻き全体が濡れても、耳掻き本体を拭けば直ぐ使用することができる。
(3)掻き出し部が、帯状に形成された超極細繊維製布を耳掻き本体の先端部に巻き付けて形成されていることで、掻き出し部を耳孔の内周面に、より密着した状態で摺動させることができるので、耳垢の掻き出し効率が向上する。よって、耳孔の内周面に強く付着した耳垢でも掻き出すことができる。
(4)掻き出し部は、帯状に形成された超極細繊維製布を二つ折りして、耳掻き本体の先端に被せ、リング状に形成された留め具で二つ折りした超極細繊維製布を周囲から狭持させて、二つ折りした超極細繊維製布が耳掻き本体に着脱自在に装着されていることで、リング状に形成された留め具を外して超極細繊維製布を容易に取り外すことができるので、掻き出し部をより清潔な状態に維持することができる。また、使い古してしまった掻き出し部を廃棄して新規な掻き出し部と交換したり、使用者ごとに掻き出し部を準備して入れ換えたりすることで、更に衛生的な環境で耳掻きを行うことができる。
(5)本発明の耳掻きと、この耳掻きの耳掻き本体を保持して、前記掻き出し部を空気中に曝した状態に支持する耳掻き保持台とを備えたことにより、衛生的に本発明の耳掻きを保管することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態に係る耳掻きを図1および図2に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る耳掻きを説明する斜視図である。図2(a)および同図(b)は、本発明の実施の形態に係る耳掻きの掻き出し部を説明する図である。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る耳掻き1は、棒状の耳掻き本体2と、耳掻き本体2の先端部を超極細繊維製布で被覆した掻き出し部3とを備えている。
【0018】
耳掻き本体2は、竹で形成されるとともに、その表面には、防水加工として漆塗りの処理が施されている。耳掻き本体2の掻き出し部3となる部分は、断面が略矩形状に形成されている。また、掻き出し部3の基端側には、後述する保持台に設けられた保持孔に掻き出し部3を孔に挿入して保持させるために、一部に傾斜面が形成されたテーパ部2aが形成されている。そして、テーパ部2aより基端側には、耳掻き本体2を把持するときの把持部2bが形成されている。この把持部2bには、鉛筆を持つように把持したときに、人差し指が滑らないように凹部2cが形成されている。本実施の形態の把持部2bは、同じ太さで形成されているが、耳掻き本体2の基部に向かって、徐々に太くなるように形成されていたり、徐々に細くなるように形成されていたりしてもよい。また本実施の形態の凹部2cは、掻き出し部3に対して断面略矩形状の短辺側に位置しているが、長辺側に位置するようにしてもよい。凹部2cの位置を変更した耳掻き本体2をそれぞれ準備することで、利用者が把持部2bを把持して自分で耳掻きをする場合や、他人に耳掻きをする場合など、凹部2cの位置を変更した耳掻き1を使用することで把持部2bを把持しやすい状態で耳掻きを行うことができる。
【0019】
耳掻き本体2の耳掻きをする使用者が握る把持部2bには、帯状の竹を巻き付けるように編み込まれたグリップ4が装着されている。このグリップ4は、藍胎漆器で形成されている。藍胎漆器とは、竹かごを母胎にした漆器で、竹を編み、漆を何度も塗重ね、研いで模様を浮き立たせた久留米特有の伝統工芸品で、他の製品としてはコースターのような小物からテーブルのような大物まで様々である。このグリップ4として藍胎漆器を用いることで、風合いがあり、把持したときに弾力性があって手触りもよく、手に馴染みやすい。従って、使い勝手がよく、美観に優れた耳掻き1とすることができる。
【0020】
掻き出し部3は、超極細繊維製布で形成されている。超極細繊維は、マイクロファイバと呼ばれ繊度1dtex以下、更には0.1dtex以下の繊維である。超極細繊維を布状としたときに、繊度が細ければ細いほど、凹凸の大きさが微小なものとなる。従って、細かな耳垢や粘着性の高い耳垢を除去するためには、繊度は細い方が望ましい。繊度の細いマイクロファイバの布で掻き出し部3を形成することで、細かな耳孔や水分が多く粘性の高い耳垢であっても除去することが可能である。
【0021】
本実施の形態では、掻き出し部3に使用される超極細繊維製布として、起毛仕上げされた布を使用している。また掻き出し部3は、この超極細繊維製布を帯状にしたものを巻き付けることで形成されている。ここで掻き出し部3について、図2に基づいて詳細に説明する。
【0022】
まず2本の帯状に形成された超極細繊維製布を準備する。次に、図2(a)に示すように、1本目の帯状の超極細繊維製布3aを、耳掻き本体2の掻き出し部3の根元となる位置から耳掻き本体2の先端まで当て、そして折り返して反対側の掻き出し部3の根元となる位置まで回す。更にその位置で折り返して耳掻き本体2の周囲を回して固定する。次に、図2(b)に示すように、2本目の帯状に形成された超極細繊維製布3bを、掻き出し部3の根元となる位置から先端方向に向かって耳掻き本体2の先端まで巻き付きつける。このように形成することで、所定間隔ごとに段差3cが形成された掻き出し部3が、耳掻き本体2の先端部を覆うように形成される。
【0023】
この帯状に形成された超極細繊維製布の裏面には、予め接着剤が塗布されており、帯状の超極細繊維製布を耳掻き本体2に先端部に巻き付けることで、掻き出し部3を形成することができる。また、1本目の帯状の超極細繊維製布3aを、予め耳掻き本体2の先端に折り返させることで、後に2本目の帯状の超極細繊維製布3bを巻き付けただけで、耳掻き本体2の先端を覆った状態に掻き出し部3を形成することができる。
【0024】
次に、本発明の実施の形態に係る耳掻き1を保持する保持台を図3に基づいて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る保持台を説明する斜視図である。
【0025】
耳掻き保持台10は、一組の対向する側面が開口した立方体形状の枠体であり、4枚の略正方形状の木製の板材11を、それぞれ端辺を組み合わせることで形成されている。板材11には、複数の保持孔12が設けられており、この保持孔12は、4枚の板材11で、それぞれ異なる位置に設けられている。
【0026】
以上のように構成される本発明の実施の形態に係る耳掻き1と耳掻き保持台10との使用状態について、図1から図3に基づいて説明する。
【0027】
使用者は、本発明の実施の形態に係る耳掻き1のグリップ4を持ち、耳孔に掻き出し3を挿入して、耳孔の内周面に掻き出し部3を当接させ、前後方向に移動させることで、掻き出し部3を耳孔の内周面に摺動させる。
【0028】
耳孔の内周面には、耳垢が付着しているが、掻き出し部3は超極細繊維製布で形成されているので、細かな粉状の耳垢や粘着質の耳垢であっても超極細繊維製布の細かな凹凸に入り込むことで除去することができる。また超極細繊維製布として起毛仕上げされた布を使用しているので、耳孔の内周面をブラシで掃くようにして耳垢を除去することができる。更に、掻き出し部3の段差3cが、耳孔の内周面に、より密着した状態で摺動するので、耳孔の内周面に強固に付着した耳垢でさえも、除去することができる。
【0029】
次に、耳垢の除去が終わると洗浄を行うが、耳孔に挿入するのは掻き出し部3であるから、掻き出し部3のみを洗浄すればよい。しかし、部分的な洗浄が煩雑な場合は耳掻き1全体を洗浄してもよい。洗浄は各家庭にある食器用洗剤などが使用できるので、特別な洗剤を準備する必要がない。
【0030】
耳掻き1を洗浄すると、乾いた布で掻き出し部3やグリップ4や、耳掻き本体2の露出した部分を拭いて耳掻き保持台10に保持させるか、濡れたそのままの状態で耳掻き保持台10に保持させる。
【0031】
耳掻き本体2の表面には、防水加工として漆塗りが施されているので、洗剤で洗浄しても耳掻き本体2を形成する竹の繊維に水や洗剤が浸透しない。従って、水が竹の繊維の奥深くまで浸透しないので、布で拭いただけで直ぐに乾燥した状態とすることができる。また濡れた状態で放置しても、乾燥するに非常に時間を要したり、湿った状態で再度使用して不快感を覚えたりすることが防止できる。また、グリップ4も漆塗りされているので同様に竹の繊維に浸透することはないので、乾燥する時間を短時間で終了させることができる。また防水加工としての漆塗りは、食器などにも用いられる表面加工なので使用者にとって安心して耳掻き作業を行うことができる。超極細繊維製布は、化学繊維で形成されるので耐久性が高い。従って、1回耳掻きするごとに洗浄しても、解れたり毛羽だったりするような劣化がほとんどないので、何度も使用できるので経済的である。
【0032】
洗浄した耳掻き1を耳掻き保持台10で乾燥させるときは、耳掻き保持台10の上面となる板材11の保持孔12に、縦にした耳掻き1の掻き出し部3を挿入して、保持孔12にテーパ部2aを保持させることで、超極細繊維製布で形成された掻き出し部3を空中に曝した状態とすることができる。従って、衛生的に掻き出し部3を乾燥させることができる。また、耳掻き保持台10は、一組の対向する側面が開口した立方体形状の枠体なので、その中を空気が流れることで、早く掻き出し部3を早く乾かすことができる。また、耳掻き保持台10は、耳掻き1を耳掻き保持台10に保持させて部屋の壁棚や家具の上に配置すれば、グリップ4を形成する藍胎漆器をディスプレイする台としても機能する。
【0033】
このように、耳掻き1は、掻き出し部3が超極細繊維製布で形成されているので、痛さを伴わず耳垢を取り除くことができ、何度も洗浄して使用することができるので、経済的であり、かつ衛生的に、心地よく耳掃除ができる。また耳掻き保持台10と組み合わせた耳掻きセットとすることで、衛生的に乾燥させることができるだけなく、インテリアとしても部屋の雰囲気にマッチさせることができる。
【0034】
次に、本発明の他の実施の形態に係る耳掻きを図4に基づいて説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る耳掻きの掻き出し部を説明する図である。なお図4においては図2と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0035】
図4に示すように、掻き出し部5は、帯状に形成された超極細繊維製布を二つ折りして、耳掻き本体2の先端に被せ、そしてリング状に形成された留め具5aで二つ折りした超極細繊維製布5bの根元部分を周囲から狭持させている。つまり、留め具5aとして、細い帯状の超極細繊維製布を、テーパ部2aに留まるような直径としたリング状に形成する。そして留め具5aを耳掻き本体2の先端から挿通し、留め具5aが移動できなくなるまで耳掻き本体2の基端部方向へ移動させて、テーパ部2aの位置で二つ折りした超極細繊維製布5bの根元部分を固定する。そうすることで、接着剤なしで耳掻き本体2の先端に被せた二つ折りした超極細繊維製布5bを耳掻き本体2に装着することができる。
【0036】
従って、この掻き出し部5を洗浄するときは、留め具5aを耳掻き本体2の先端から抜き取り、二つ折りした超極細繊維製布5bを取り外し、それぞれを洗浄することができる。二つ折りした超極細繊維製布5bを耳掻き本体2から取り外すことができるので、耳掻き本体2の先端に位置する掻き出し部5の折れ曲がったところなども丹念に洗浄することができる。また、掻き出し部5が、洗浄を繰り返して劣化したときは掻き出し部5のみを交換すれば耳掻き本体2はそのまま継続して使用することができるので経済的である。更に、利用者ごとに異なる掻き出し部5を準備することで、衛生的に使用することができる。なお留め具5aをリング状とする以外に、二つ折りした超極細繊維製布5bの根元部分を留めることができれば、金属製リングや、輪ゴムのような弾性部材や、樹脂製リングなども使用することができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、耳掻き本体を竹とする以外に、樹脂製や、炭素繊維樹脂製や、チタン、アルミ、ステンレス、銀などの金属製とすることができる。つまり、耳掻きを洗浄しても耳掻き本体が劣化しにくい材質なものであれば様々なものが使用できる。その場合でも、耳掻き本体を保持台に保持させて掻き出し部を空気中に曝した状態とすることができるように形成されているのが望ましく、本実施の形態のように、耳掻き保持台10の保持孔12に、耳掻き本体2を挿入して保持させるためのテーパ部2aが耳掻き本体に設けてあるのが望ましい。また、耳掻き本体をチタンや銀などで形成すれば、手に持った感触が重く感じられ、高級感のある耳掻きとすることができる。また、耳掻き本体を樹脂製とすると安価に作製することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、耳孔に挿入して耳垢を除去する掻き出し部として、耳掻き本体の先端部を超極細繊維製布で被覆することで、痛さを伴わず細かな耳垢や油分を取り除くことができ、何度も洗浄して衛生的に使用することができるので、成人だけでなく、特に子供や幼児に好適な耳掻きである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態に係る耳掻きを説明する斜視図である。
【図2】(a)および(b)は、本発明の実施の形態に係る耳掻きの掻き出し部を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る保持台を説明する斜視図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る耳掻きの掻き出し部を説明する図である。
【符号の説明】
【0040】
1 耳掻き
2 耳掻き本体
2a テーパ部
2b 把持部
2c 凹部
3 掻き出し部
3a,3b 帯状の超極細繊維製布
3c 段差
4 グリップ
5 掻き出し部
5a 留め具
5b 二つ折りした超極細繊維製布
10 耳掻き保持台
11 板材
12 保持孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の耳掻き本体と、前記耳掻き本体の先端部を超極細繊維製布で被覆した掻き出し部とを備えたことを特徴とする耳掻き。
【請求項2】
前記耳掻き本体は、竹で形成されるとともに、その表面には防水加工が施されていることを特徴とする請求項1記載の耳掻き。
【請求項3】
前記掻き出し部は、帯状に形成された超極細繊維製布を前記耳掻き本体の先端部に巻き付けて形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の耳掻き。
【請求項4】
前記掻き出し部は、帯状に形成された超極細繊維製布を二つ折りして、前記耳掻き本体の先端に被せ、リング状に形成された留め具で二つ折りした超極細繊維製布を周囲から狭持させて、前記二つ折りした超極細繊維製布が前記耳掻き本体に着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項1または2記載の耳掻き。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれかの項に記載の耳掻きと、前記耳掻きの耳掻き本体を保持して、前記掻き出し部を空気中に曝した状態とする耳掻き保持台とを備えた耳掻きセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−29661(P2007−29661A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221443(P2005−221443)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(505288435)有限会社インディーズ・ステーション (1)
【Fターム(参考)】