脱穀処理装置
【課題】処理室内において、扱室始端側からの処理物を後方に向けて、選別後の2番還元処理物を前方に向けて送りながら処理することによって、漏下処理物をできるだけ揺動選別棚の始端側に落下させて選別効果を高める。
【解決手段】処理胴(10)に、扱室(2)の始端側からの処理物の一部を受け入れて後方に送りながら処理する第1処理部(10A)と、選別後の2番還元処理物を受け入れて前方に送りながら処理する第2処理部(10B)とを備える。これら第1処理部(10A)及び第2処理部(10B)によって処理された処理物を処理室(11)の中間位置若しくは始端側寄りの位置から下方に落下させるべく構成する。
【解決手段】処理胴(10)に、扱室(2)の始端側からの処理物の一部を受け入れて後方に送りながら処理する第1処理部(10A)と、選別後の2番還元処理物を受け入れて前方に送りながら処理する第2処理部(10B)とを備える。これら第1処理部(10A)及び第2処理部(10B)によって処理された処理物を処理室(11)の中間位置若しくは始端側寄りの位置から下方に落下させるべく構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバイン等に搭載される脱穀処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、扱室と処理室を並設した脱穀処理装置において、扱室の始端側から処理物の一部を処理室内に送り込んで処理し、処理室内では処理胴によって後方に送りながら処理すると共に、その処理物の一部を再度扱室内終端側に還元して処理する形態(例えば、特許文献1参照)のものや、扱室の始端側と処理室の始端側を連通し、扱室の終端側と処理室の中途部とを連通して、扱室内での処理物を前後両側から処理室内に送り込んで処理する形態(例えば、特許文献2参照)のものがある。
【特許文献1】特開2005−295846号公報
【特許文献2】特開平10−174514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる従来例のものはいずれも扱室内での脱穀負荷を軽くするために、扱室始端側で発生する処理物の一部を処理室内へ送り込んで処理するものであるが、処理室内では扱室後方に向けて送りながら処理するものであるため、受網から漏下する処理物は揺動選別棚の中間部位から終端側にかけて多量に落下し、選別に負担がかかって充分な選別効果が発揮できず、穀粒を機外に排出して収穫損失を来たすような問題があった。
【0004】
本発明は、かかる問題点を解消することにあり、扱室内での脱穀負荷を軽くするものでありながら、処理室内では、扱室始端側からの処理物と扱室からの2番還元処理物を受け入れて処理し、しかも、処理物は後方に向けて、2番還元処理物は反対に前方に向けて送りながら処理することによって、漏下処理物をできるだけ揺動選別棚の始端側に落下させて選別効果を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講じた。すなわち、請求項1記載の本発明は、扱胴(1)を軸架する扱室(2)と、処理胴(10)を軸架する処理室(11)とを前記扱胴(1)及び処理胴(10)の軸芯方向が互いに平行になるように設けたものにおいて、前記処理胴(10)は、扱室(2)の始端側からの処理物の一部を受け入れて後方に送りながら処理する第1処理部(10A)と、選別後の2番還元処理物を受け入れて前方に送りながら処理する第2処理部(10B)とを備え、これら第1処理部(10A)及び第2処理部(10B)によって処理された処理物を処理室(11)の中間位置若しくは始端側寄りの位置から下方に落下させるべく構成したことを特徴とする。
【0006】
扱室2の始端側で発生する穂切れ等の処理物の一部は、処理室11内の前部側に送り込まれ、処理胴10の第1処理部10Aによって後方に送られながら脱粒処理される。また、選別後の2番還元処理物は、2番還元装置36を介して処理室11内の後部側に還元され、処理胴10の第2処理部10Bによって前方に送られながら脱粒処理される。そして、第1・第2処理部によって処理された藁屑などの処理物は、処理室の中間位置若しくは始端側寄りの位置から排出口13を通じて下方の揺動選別棚30の始端側に落下される。
【0007】
従って、処理室11の受網12及び排出口13から落下される処理物は、できるだけ揺動選別棚30の始端側に受け入れられることになり、長い選別行程を経て選別処理され選別性能が向上する。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1において、前記扱室(2)における始端側の側面には、処理物の一部を処理室(11)内へ導くための導入孔部(4)を設けると共に、該導入孔部(4)の目合を、扱胴(1)の下側に張設する脱穀受網(3)の目合よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0009】
導入孔部4は、口を大きく開口させたものとは異なり、扱室受網3の目合よりも大きくした程度のものであるため、処理物が一気に集中して処理室内へ送り込まれることが少なく、脱穀受網3と扱歯との脱粒抵抗によって処理されながら送り込まれるので、処理室11内での負担を軽減でき、効果的に処理することができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明によれば、処理室11内では、扱室2始端側からの処理物と選別後の2番還元処理物を受け入れて処理するため、扱室2内での脱穀負荷を軽減できるものでありながら、処理胴10の第1・第2処理部10A・10Bによって扱室2始端側からの処理物は後方に向けて、扱室2からの2番還元処理物は前方に向けて送りながら処理し、藁屑などの処理物は、処理室11の中間位置若しくは始端側寄りの位置から下方の揺動選別棚上に落下するため、揺動選別棚の始端側に受け入れられ、長い選別行程を経て選別処理されることになり、穀粒が機外へ排出される収穫損失を少なくして脱穀処理作業の効率を向上させることができる。
【0011】
また、請求項2の本発明によれば、請求項1記載の発明による効果を奏するものでありながら、扱室2から処理室11への導入孔部4の目合を、脱穀受網3の目合よりも大きくしたことにより、処理物が一気に集中して処理室11内へ送り込まれることが少なく、脱穀受網3と扱歯との脱粒抵抗によって処理されながら送り込まれるので、処理室11内での負担を軽減でき、脱穀処理作業の能率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1及び図2に示す脱穀装置の構成について述べる。
扱胴1を内装軸架した扱室2の下半周部に沿って受網3を張設している。7は扱室2の上方部を覆う扱胴カバ−であって、扱胴軸方向に平行な軸芯Q回りに揺動開閉可能に構成している。
【0013】
扱室2の扱口側には穀稈を挟持搬送するフィードチェン8とこの上側に対設する挟持レール8aを配設している。この挟持レール8aは扱胴カバー7側に装着して該カバーと共に揺動開閉する構成である。扱室2の終端側には多量の藁屑や未処理物を含む排塵処理物を下方に落下させる排塵口9が設けらている。
【0014】
前記扱室2のフィードチェン8側とは反対側一側には処理胴10を内装軸架した処理室11を前後方向の扱胴1及び処理胴10が互いに平行するよう並設している。
処理胴10は、扱室2の始端側からの未処理物の一部を受け入れて後方に送りながら処理する第1処理部10Aと、扱室2から2番還元装置36を介して還元される2番還元処理物を受け入れて前方に送りながら処理する第2処理部10Bとからなり、これら第1・第2処理部10A,10Bによって処理された処理物は、処理室11の始端側寄り近くから下方に落下させるべく、即ち、受網12の中間部より稍前側の下壁を開口して設けた排出口13から排出すべく構成している。第1処理部10Aの穂切れ処理歯群10aと第2処理部10Bの2番処理歯群10bとの間には、跳ね出し板14が設けられ、両処理部にて送られてきた合流後の処理物を前記跳ね出し板14によって前記排出口13から揺動選別棚の始端側に排出する構成としている。
【0015】
また、第2処理部10Bの2番処理歯群10aに送塵リード角θを設け、第1処理部10Aの穂切れ処理歯群10aには送塵リード角を設けない構成としている。多量のワラ塵や穀粒の含む2番物を処理する第2処理部は、送塵リード角を設けることで、処理物の停滞や詰まりがなくなり、脱粒処理作用が効率良く行える。他方、前後長さの短い第1処理部は送塵リード角を設けると、処理が不充分なまま送塵されることになるので、送塵角度を設けず、穂切れ粒を充分にほぐしながら処理できるようにしている。また、穂切れ処理歯群は、2番処理歯群より各処理歯間のピッチを密に設けることで、処理機能を更に高めるようにしている。
【0016】
第1処理部10A部分に対応する処理室11の内壁には、送塵ガイド板15を設けてあり、後方への送塵が円滑に行えるように構成している。また、この送塵ガイド板15の送塵角度は、第1処理部10A側の処理行程が排塵処理胴21側より短いため、排塵処理胴側の送塵ガイド板26のそれよりも小さくしてゆっくりと送りをかけながら処理する構成としている。
【0017】
受網12における第1処理部10A側の受網12aは有孔の網体で構成し、第2処理部10B側の受網12bは無孔の板体で構成している。第1処理部10A側の受網12aには、図11に示すように、穂切れ処理歯10aとラップする仕切抵抗板16を設けるようにすれば、粗大な処理物に移送抵抗を与えることによって一層の分離作用が促進され脱粒処理が確実良好に行えるようになる。また、この受網12aの濾過孔の目合を扱室の受網3の目合より大きくしておくと、第1処理部で単粒化された穀粒の濾過効率を高め、処理負担を軽減することができる。
【0018】
前記跳ね出し板14は、排出口13幅の前方側寄りに設置して、処理物の多い第2処理部10B側を前後方向に長く構成している。
また、前記処理胴10の第1処理部10Aと第2処理部10Bは、同一軸芯上で同径とし、後記する排塵処理胴21よりも小径としている。
【0019】
前記扱室2の受網3は、上部受網3Uと下部受網3Dとからなり、上部受網3Uをピン3pにて下部受網3Dに差し込み固定できる構成としている。扱室2の始端側上部には、上部受網3U側において穂切れ等の未処理物の一部を処理室11内へ導く導入孔部4が設けられ、受網3の通常の目合H1よりも大きくした目合H3の構成(H1<H3)としている。また、受網の目合は、下部受網3Dの通常の目合H1に対し、上部受網3Uの目合H2を稍大きくし、更に、前記導入孔部4の目合H3は上部受網の目合H2よりも大きく(H1<H2<H3)している。上部受網は、下部受網より濾過孔の目合を大きくしても下部より濾過効率が悪いので、目合を大きくすることで濾過効率を高めることができる。
【0020】
なお、上記導入孔部4の構成において、図12に示すように、縦方向(扱胴回転方向)の複数の仕切板4aと横方向(扱胴軸方向)の鋼線材4bとからなる構成とし、且つ、仕切板4aは線材4bより扱胴側に高く突出させた構成とすることにより、クリンプ網構成とは異なり、穂切れなどが引っ掛かりにくく、処理室側への導入が容易でスムースに行える。
【0021】
受網3の内壁面で扱胴回転方向に沿わせて設けられた仕切金5a,5b,5cのうち、最前部位置の仕切金5aは、上部受網3Uの導入孔部4の直後及び処理胴10の第1処理部10Aの終端部と前後位置を略同じくすることで、扱室の始端側で発生する穂切れ等を処理室内の第1処理部へ確実に導くことができる。なお、前記導入孔部4の仕切板4aは、前記第1仕切金5aよりは突出代を低くして扱室内での極端な負荷がかからないように抑制している。
【0022】
また、前記処理胴10の後方にはこれと同一軸芯上において外周に処理歯20を備えた排塵処理胴21を内装軸架した排塵処理胴室22を構成して設けている。前記扱室終端の排塵口9に対応する部位から排塵処理室22始端への送塵路には、排塵処理胴21の始端部に固着されたスパイラ−形状の取込羽根23が介入するように設けて、排塵処理室22内への排塵物の取込みが容易に行なえるようにしている。排塵処理胴21の終端には排出羽根24が設けられ、排塵処理室22終端にまで送られてきた排塵物を前記排出羽根24によって排塵処理室終端の藁屑排出口25から後記する揺動選別装置30の選別棚終端及び機外に排出する構成としている。
【0023】
前記排塵処理室22内には、処理物を軸芯方向後方に向けて送り案内する数枚の送塵ガイド板26,26…が所定間隔おきに傾斜して設けられている。
扱室終端より排塵処理室22内に取り込まれた排塵処理物は、送塵ガイド板26によって後方に移送されながら処理胴外周の処理歯20によってこなされ、処理受網の濾過孔より漏下し揺動選別棚上に還元される。
【0024】
扱室2の下側には揺動可能に架設した揺動選別装置(揺動選別棚)30を設け、更に、その下方には選別方向の上手側から順に、唐箕31と、1番移送螺旋32と、2番移送螺旋33と、その上方に片側吸引方式の吸引排塵ファン34を設けて選別室を構成している。なお、1番揚穀装置35は1番移送螺旋32で回収された穀物を揚送してグレンタンクG内に収容する。また、2番還元装置36は2番移送螺旋33で回収された2番物を処理室11内の第2処理部10Bへ還元するようになっている。
【0025】
そして、揺動選別装置(揺動選別棚)30は、扱室からの脱穀処理後の処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別する構成であり、選別方向上手側から移送棚37、チャフシーブ38、ストローラック39の順に配置し、且つ、前記チャフシーブ38の下方にグレンシーブ40を配置して設け、前記唐箕31及び吸引排塵フアン34による選別風と揺動との共同作用によって扱室2及び処理室11から漏下してきた処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別処理するように構成している。なお、前記移送棚37上には処理物を中央側に寄せる送塵寄せ板41が設けられている。
【0026】
前記処理室11の排出口13は、揺動選別棚の始端側における移送棚37上であって、送塵寄せ板41よりも前方部位に設けることで、該排出口より排出される処理物を揺動棚全幅にわたって拡散でき、選別効果を高めることができる。
【0027】
刈取部で刈取られた穀稈が脱穀装置に供給されると、まず、その穀稈は、株元をフィ−ドチェン8に挾持されて搬送されながら穂先部分が扱室2内に供給されて、回転している扱胴1により脱穀作用を受ける。このようにして処理された脱穀処理物は、回転している扱胴1によって持ち回りされて、更に、脱粒処理作用を受け、受網3から漏下して選別室内の揺動選別装置30に達し揺動選別作用を受ける。
【0028】
この場合、扱室の始端側で脱穀処理された処理物は、移送棚37上に落下して後方へ揺動移送されてチャフシ−ブ38に達する。また、扱室終端に至った排塵処理物は、排塵口9から下方のチャフシーブ38上に落下するものと、送塵路を経て排塵処理室22内へ送られて排塵処理胴21により処理されるものとに分かれる。そして、チャフシーブ38上での排塵処理物は、チャフシ−ブ38を構成している複数枚のシ−ブ板相互間にある選別間隔を漏下しながら風選作用を受ける。 チャフシ−ブ38から漏下するものはグレンシーブ40上に落下しここでふるい選別されながら風選作用を受ける。このとき、唐箕31は、起風した選別風を選別室内に吹き込みながら選別し、吸引排塵ファン34による吸引作用によって選別される。
【0029】
このようにして、処理物は、揺動選別作用と選別風による風選作用との共同作用を受けながら選別されて、1番物(精粒)、2番物、排塵物とに選別分離され、1番物はグレンシ−ブ40にてふるい選別された後、1番移送螺旋32の受樋内に落下して収集されて機外に取り出されグレンタンクG内に収容される。2番物は2番移送螺旋33から2番還元装置36によって揚穀されて処理室11内における処理胴10の第2処理部10Bに還元され前方に向けて送られながら処理される。そして、排塵物は吸引排塵ファン34によって吸塵され機外に排出されると共に、ストロ−ラック39に達した藁屑は棚先から機外に排出される。
【0030】
一方、扱室の始端側で発生する穂切れ等の未処理物の一部は、導入孔部4から処理室11内における処理胴10の第1処理部10Aに導入され、穂切れ処理歯10aと受網12aとの間で後方に送られながら脱粒処理される。ここで処理された単粒は受網12aから濾過されると共に、藁屑などの処理物は第2処理部10Bからの2番処理物と一緒になって排出口13から下方の揺動選別棚30の始端側、即ち移送棚37上に落下される。他方、扱室終端より排塵処理室22内に取り込まれた排塵処理物は、送塵ガイド板26によって後方に移送されながら排塵処理胴21外周の処理歯20によってこなされ、処理室22受網の濾過孔より漏下しチャフシーブ38上に還元される。排塵処理室22の終端に至っては、排塵物が排塵処理胴21終端の排出羽根24によりストローラック39上及び機外に排出処理される。
【0031】
なお、脱穀後の排藁は、排藁搬送装置43によって後方に搬出処理されると共に、排藁カッター44の作用を受けて所定長さに切断処理される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】脱穀装置の切断側面図
【図2】脱穀装置の一部破断せる平面図
【図3】脱穀装置の正面図
【図4】同上背面図
【図5】図1のA−A断面図
【図6】図1のB−B断面図
【図7】図1のC−C断面図
【図8】図1のD−D断面図
【図9】脱穀装置の左側断面図
【図10】脱穀装置の横断平面図
【図11】脱穀装置の要部の側断面図
【図12】受網の平面図及び側面図
【図13】処理胴及び排塵処理胴の平面図
【図14】同上展開平面図
【図15】脱穀装置の伝動経路図
【符号の説明】
【0033】
1 扱胴 2 扱室
3 受網 4 導入孔部
10 処理胴 10A 第1処理部
10B 第2処理部 11 処理室
13 排出口
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバイン等に搭載される脱穀処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、扱室と処理室を並設した脱穀処理装置において、扱室の始端側から処理物の一部を処理室内に送り込んで処理し、処理室内では処理胴によって後方に送りながら処理すると共に、その処理物の一部を再度扱室内終端側に還元して処理する形態(例えば、特許文献1参照)のものや、扱室の始端側と処理室の始端側を連通し、扱室の終端側と処理室の中途部とを連通して、扱室内での処理物を前後両側から処理室内に送り込んで処理する形態(例えば、特許文献2参照)のものがある。
【特許文献1】特開2005−295846号公報
【特許文献2】特開平10−174514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる従来例のものはいずれも扱室内での脱穀負荷を軽くするために、扱室始端側で発生する処理物の一部を処理室内へ送り込んで処理するものであるが、処理室内では扱室後方に向けて送りながら処理するものであるため、受網から漏下する処理物は揺動選別棚の中間部位から終端側にかけて多量に落下し、選別に負担がかかって充分な選別効果が発揮できず、穀粒を機外に排出して収穫損失を来たすような問題があった。
【0004】
本発明は、かかる問題点を解消することにあり、扱室内での脱穀負荷を軽くするものでありながら、処理室内では、扱室始端側からの処理物と扱室からの2番還元処理物を受け入れて処理し、しかも、処理物は後方に向けて、2番還元処理物は反対に前方に向けて送りながら処理することによって、漏下処理物をできるだけ揺動選別棚の始端側に落下させて選別効果を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講じた。すなわち、請求項1記載の本発明は、扱胴(1)を軸架する扱室(2)と、処理胴(10)を軸架する処理室(11)とを前記扱胴(1)及び処理胴(10)の軸芯方向が互いに平行になるように設けたものにおいて、前記処理胴(10)は、扱室(2)の始端側からの処理物の一部を受け入れて後方に送りながら処理する第1処理部(10A)と、選別後の2番還元処理物を受け入れて前方に送りながら処理する第2処理部(10B)とを備え、これら第1処理部(10A)及び第2処理部(10B)によって処理された処理物を処理室(11)の中間位置若しくは始端側寄りの位置から下方に落下させるべく構成したことを特徴とする。
【0006】
扱室2の始端側で発生する穂切れ等の処理物の一部は、処理室11内の前部側に送り込まれ、処理胴10の第1処理部10Aによって後方に送られながら脱粒処理される。また、選別後の2番還元処理物は、2番還元装置36を介して処理室11内の後部側に還元され、処理胴10の第2処理部10Bによって前方に送られながら脱粒処理される。そして、第1・第2処理部によって処理された藁屑などの処理物は、処理室の中間位置若しくは始端側寄りの位置から排出口13を通じて下方の揺動選別棚30の始端側に落下される。
【0007】
従って、処理室11の受網12及び排出口13から落下される処理物は、できるだけ揺動選別棚30の始端側に受け入れられることになり、長い選別行程を経て選別処理され選別性能が向上する。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1において、前記扱室(2)における始端側の側面には、処理物の一部を処理室(11)内へ導くための導入孔部(4)を設けると共に、該導入孔部(4)の目合を、扱胴(1)の下側に張設する脱穀受網(3)の目合よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0009】
導入孔部4は、口を大きく開口させたものとは異なり、扱室受網3の目合よりも大きくした程度のものであるため、処理物が一気に集中して処理室内へ送り込まれることが少なく、脱穀受網3と扱歯との脱粒抵抗によって処理されながら送り込まれるので、処理室11内での負担を軽減でき、効果的に処理することができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明によれば、処理室11内では、扱室2始端側からの処理物と選別後の2番還元処理物を受け入れて処理するため、扱室2内での脱穀負荷を軽減できるものでありながら、処理胴10の第1・第2処理部10A・10Bによって扱室2始端側からの処理物は後方に向けて、扱室2からの2番還元処理物は前方に向けて送りながら処理し、藁屑などの処理物は、処理室11の中間位置若しくは始端側寄りの位置から下方の揺動選別棚上に落下するため、揺動選別棚の始端側に受け入れられ、長い選別行程を経て選別処理されることになり、穀粒が機外へ排出される収穫損失を少なくして脱穀処理作業の効率を向上させることができる。
【0011】
また、請求項2の本発明によれば、請求項1記載の発明による効果を奏するものでありながら、扱室2から処理室11への導入孔部4の目合を、脱穀受網3の目合よりも大きくしたことにより、処理物が一気に集中して処理室11内へ送り込まれることが少なく、脱穀受網3と扱歯との脱粒抵抗によって処理されながら送り込まれるので、処理室11内での負担を軽減でき、脱穀処理作業の能率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1及び図2に示す脱穀装置の構成について述べる。
扱胴1を内装軸架した扱室2の下半周部に沿って受網3を張設している。7は扱室2の上方部を覆う扱胴カバ−であって、扱胴軸方向に平行な軸芯Q回りに揺動開閉可能に構成している。
【0013】
扱室2の扱口側には穀稈を挟持搬送するフィードチェン8とこの上側に対設する挟持レール8aを配設している。この挟持レール8aは扱胴カバー7側に装着して該カバーと共に揺動開閉する構成である。扱室2の終端側には多量の藁屑や未処理物を含む排塵処理物を下方に落下させる排塵口9が設けらている。
【0014】
前記扱室2のフィードチェン8側とは反対側一側には処理胴10を内装軸架した処理室11を前後方向の扱胴1及び処理胴10が互いに平行するよう並設している。
処理胴10は、扱室2の始端側からの未処理物の一部を受け入れて後方に送りながら処理する第1処理部10Aと、扱室2から2番還元装置36を介して還元される2番還元処理物を受け入れて前方に送りながら処理する第2処理部10Bとからなり、これら第1・第2処理部10A,10Bによって処理された処理物は、処理室11の始端側寄り近くから下方に落下させるべく、即ち、受網12の中間部より稍前側の下壁を開口して設けた排出口13から排出すべく構成している。第1処理部10Aの穂切れ処理歯群10aと第2処理部10Bの2番処理歯群10bとの間には、跳ね出し板14が設けられ、両処理部にて送られてきた合流後の処理物を前記跳ね出し板14によって前記排出口13から揺動選別棚の始端側に排出する構成としている。
【0015】
また、第2処理部10Bの2番処理歯群10aに送塵リード角θを設け、第1処理部10Aの穂切れ処理歯群10aには送塵リード角を設けない構成としている。多量のワラ塵や穀粒の含む2番物を処理する第2処理部は、送塵リード角を設けることで、処理物の停滞や詰まりがなくなり、脱粒処理作用が効率良く行える。他方、前後長さの短い第1処理部は送塵リード角を設けると、処理が不充分なまま送塵されることになるので、送塵角度を設けず、穂切れ粒を充分にほぐしながら処理できるようにしている。また、穂切れ処理歯群は、2番処理歯群より各処理歯間のピッチを密に設けることで、処理機能を更に高めるようにしている。
【0016】
第1処理部10A部分に対応する処理室11の内壁には、送塵ガイド板15を設けてあり、後方への送塵が円滑に行えるように構成している。また、この送塵ガイド板15の送塵角度は、第1処理部10A側の処理行程が排塵処理胴21側より短いため、排塵処理胴側の送塵ガイド板26のそれよりも小さくしてゆっくりと送りをかけながら処理する構成としている。
【0017】
受網12における第1処理部10A側の受網12aは有孔の網体で構成し、第2処理部10B側の受網12bは無孔の板体で構成している。第1処理部10A側の受網12aには、図11に示すように、穂切れ処理歯10aとラップする仕切抵抗板16を設けるようにすれば、粗大な処理物に移送抵抗を与えることによって一層の分離作用が促進され脱粒処理が確実良好に行えるようになる。また、この受網12aの濾過孔の目合を扱室の受網3の目合より大きくしておくと、第1処理部で単粒化された穀粒の濾過効率を高め、処理負担を軽減することができる。
【0018】
前記跳ね出し板14は、排出口13幅の前方側寄りに設置して、処理物の多い第2処理部10B側を前後方向に長く構成している。
また、前記処理胴10の第1処理部10Aと第2処理部10Bは、同一軸芯上で同径とし、後記する排塵処理胴21よりも小径としている。
【0019】
前記扱室2の受網3は、上部受網3Uと下部受網3Dとからなり、上部受網3Uをピン3pにて下部受網3Dに差し込み固定できる構成としている。扱室2の始端側上部には、上部受網3U側において穂切れ等の未処理物の一部を処理室11内へ導く導入孔部4が設けられ、受網3の通常の目合H1よりも大きくした目合H3の構成(H1<H3)としている。また、受網の目合は、下部受網3Dの通常の目合H1に対し、上部受網3Uの目合H2を稍大きくし、更に、前記導入孔部4の目合H3は上部受網の目合H2よりも大きく(H1<H2<H3)している。上部受網は、下部受網より濾過孔の目合を大きくしても下部より濾過効率が悪いので、目合を大きくすることで濾過効率を高めることができる。
【0020】
なお、上記導入孔部4の構成において、図12に示すように、縦方向(扱胴回転方向)の複数の仕切板4aと横方向(扱胴軸方向)の鋼線材4bとからなる構成とし、且つ、仕切板4aは線材4bより扱胴側に高く突出させた構成とすることにより、クリンプ網構成とは異なり、穂切れなどが引っ掛かりにくく、処理室側への導入が容易でスムースに行える。
【0021】
受網3の内壁面で扱胴回転方向に沿わせて設けられた仕切金5a,5b,5cのうち、最前部位置の仕切金5aは、上部受網3Uの導入孔部4の直後及び処理胴10の第1処理部10Aの終端部と前後位置を略同じくすることで、扱室の始端側で発生する穂切れ等を処理室内の第1処理部へ確実に導くことができる。なお、前記導入孔部4の仕切板4aは、前記第1仕切金5aよりは突出代を低くして扱室内での極端な負荷がかからないように抑制している。
【0022】
また、前記処理胴10の後方にはこれと同一軸芯上において外周に処理歯20を備えた排塵処理胴21を内装軸架した排塵処理胴室22を構成して設けている。前記扱室終端の排塵口9に対応する部位から排塵処理室22始端への送塵路には、排塵処理胴21の始端部に固着されたスパイラ−形状の取込羽根23が介入するように設けて、排塵処理室22内への排塵物の取込みが容易に行なえるようにしている。排塵処理胴21の終端には排出羽根24が設けられ、排塵処理室22終端にまで送られてきた排塵物を前記排出羽根24によって排塵処理室終端の藁屑排出口25から後記する揺動選別装置30の選別棚終端及び機外に排出する構成としている。
【0023】
前記排塵処理室22内には、処理物を軸芯方向後方に向けて送り案内する数枚の送塵ガイド板26,26…が所定間隔おきに傾斜して設けられている。
扱室終端より排塵処理室22内に取り込まれた排塵処理物は、送塵ガイド板26によって後方に移送されながら処理胴外周の処理歯20によってこなされ、処理受網の濾過孔より漏下し揺動選別棚上に還元される。
【0024】
扱室2の下側には揺動可能に架設した揺動選別装置(揺動選別棚)30を設け、更に、その下方には選別方向の上手側から順に、唐箕31と、1番移送螺旋32と、2番移送螺旋33と、その上方に片側吸引方式の吸引排塵ファン34を設けて選別室を構成している。なお、1番揚穀装置35は1番移送螺旋32で回収された穀物を揚送してグレンタンクG内に収容する。また、2番還元装置36は2番移送螺旋33で回収された2番物を処理室11内の第2処理部10Bへ還元するようになっている。
【0025】
そして、揺動選別装置(揺動選別棚)30は、扱室からの脱穀処理後の処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別する構成であり、選別方向上手側から移送棚37、チャフシーブ38、ストローラック39の順に配置し、且つ、前記チャフシーブ38の下方にグレンシーブ40を配置して設け、前記唐箕31及び吸引排塵フアン34による選別風と揺動との共同作用によって扱室2及び処理室11から漏下してきた処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別処理するように構成している。なお、前記移送棚37上には処理物を中央側に寄せる送塵寄せ板41が設けられている。
【0026】
前記処理室11の排出口13は、揺動選別棚の始端側における移送棚37上であって、送塵寄せ板41よりも前方部位に設けることで、該排出口より排出される処理物を揺動棚全幅にわたって拡散でき、選別効果を高めることができる。
【0027】
刈取部で刈取られた穀稈が脱穀装置に供給されると、まず、その穀稈は、株元をフィ−ドチェン8に挾持されて搬送されながら穂先部分が扱室2内に供給されて、回転している扱胴1により脱穀作用を受ける。このようにして処理された脱穀処理物は、回転している扱胴1によって持ち回りされて、更に、脱粒処理作用を受け、受網3から漏下して選別室内の揺動選別装置30に達し揺動選別作用を受ける。
【0028】
この場合、扱室の始端側で脱穀処理された処理物は、移送棚37上に落下して後方へ揺動移送されてチャフシ−ブ38に達する。また、扱室終端に至った排塵処理物は、排塵口9から下方のチャフシーブ38上に落下するものと、送塵路を経て排塵処理室22内へ送られて排塵処理胴21により処理されるものとに分かれる。そして、チャフシーブ38上での排塵処理物は、チャフシ−ブ38を構成している複数枚のシ−ブ板相互間にある選別間隔を漏下しながら風選作用を受ける。 チャフシ−ブ38から漏下するものはグレンシーブ40上に落下しここでふるい選別されながら風選作用を受ける。このとき、唐箕31は、起風した選別風を選別室内に吹き込みながら選別し、吸引排塵ファン34による吸引作用によって選別される。
【0029】
このようにして、処理物は、揺動選別作用と選別風による風選作用との共同作用を受けながら選別されて、1番物(精粒)、2番物、排塵物とに選別分離され、1番物はグレンシ−ブ40にてふるい選別された後、1番移送螺旋32の受樋内に落下して収集されて機外に取り出されグレンタンクG内に収容される。2番物は2番移送螺旋33から2番還元装置36によって揚穀されて処理室11内における処理胴10の第2処理部10Bに還元され前方に向けて送られながら処理される。そして、排塵物は吸引排塵ファン34によって吸塵され機外に排出されると共に、ストロ−ラック39に達した藁屑は棚先から機外に排出される。
【0030】
一方、扱室の始端側で発生する穂切れ等の未処理物の一部は、導入孔部4から処理室11内における処理胴10の第1処理部10Aに導入され、穂切れ処理歯10aと受網12aとの間で後方に送られながら脱粒処理される。ここで処理された単粒は受網12aから濾過されると共に、藁屑などの処理物は第2処理部10Bからの2番処理物と一緒になって排出口13から下方の揺動選別棚30の始端側、即ち移送棚37上に落下される。他方、扱室終端より排塵処理室22内に取り込まれた排塵処理物は、送塵ガイド板26によって後方に移送されながら排塵処理胴21外周の処理歯20によってこなされ、処理室22受網の濾過孔より漏下しチャフシーブ38上に還元される。排塵処理室22の終端に至っては、排塵物が排塵処理胴21終端の排出羽根24によりストローラック39上及び機外に排出処理される。
【0031】
なお、脱穀後の排藁は、排藁搬送装置43によって後方に搬出処理されると共に、排藁カッター44の作用を受けて所定長さに切断処理される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】脱穀装置の切断側面図
【図2】脱穀装置の一部破断せる平面図
【図3】脱穀装置の正面図
【図4】同上背面図
【図5】図1のA−A断面図
【図6】図1のB−B断面図
【図7】図1のC−C断面図
【図8】図1のD−D断面図
【図9】脱穀装置の左側断面図
【図10】脱穀装置の横断平面図
【図11】脱穀装置の要部の側断面図
【図12】受網の平面図及び側面図
【図13】処理胴及び排塵処理胴の平面図
【図14】同上展開平面図
【図15】脱穀装置の伝動経路図
【符号の説明】
【0033】
1 扱胴 2 扱室
3 受網 4 導入孔部
10 処理胴 10A 第1処理部
10B 第2処理部 11 処理室
13 排出口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴(1)を軸架する扱室(2)と、処理胴(10)を軸架する処理室(11)とを前記扱胴(1)及び処理胴(10)の軸芯方向が互いに平行になるように設けたものにおいて、前記処理胴(10)は、扱室(2)の始端側からの処理物の一部を受け入れて後方に送りながら処理する第1処理部(10A)と、選別後の2番還元処理物を受け入れて前方に送りながら処理する第2処理部(10B)とを備え、これら第1処理部(10A)及び第2処理部(10B)によって処理された処理物を処理室(11)の中間位置若しくは始端側寄りの位置から下方に落下させるべく構成したことを特徴とする脱穀処理装置。
【請求項2】
前記扱室(2)における始端側の側面には、処理物の一部を処理室(11)内へ導くための導入孔部(4)を設けると共に、該導入孔部(4)の目合を、扱胴(1)の下側に張設する脱穀受網(3)の目合よりも大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の脱穀処理装置。
【請求項1】
扱胴(1)を軸架する扱室(2)と、処理胴(10)を軸架する処理室(11)とを前記扱胴(1)及び処理胴(10)の軸芯方向が互いに平行になるように設けたものにおいて、前記処理胴(10)は、扱室(2)の始端側からの処理物の一部を受け入れて後方に送りながら処理する第1処理部(10A)と、選別後の2番還元処理物を受け入れて前方に送りながら処理する第2処理部(10B)とを備え、これら第1処理部(10A)及び第2処理部(10B)によって処理された処理物を処理室(11)の中間位置若しくは始端側寄りの位置から下方に落下させるべく構成したことを特徴とする脱穀処理装置。
【請求項2】
前記扱室(2)における始端側の側面には、処理物の一部を処理室(11)内へ導くための導入孔部(4)を設けると共に、該導入孔部(4)の目合を、扱胴(1)の下側に張設する脱穀受網(3)の目合よりも大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の脱穀処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−161086(P2008−161086A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352061(P2006−352061)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]