脱穀装置
【課題】脱穀ロスの増加、脱穀室の大型化。
【解決手段】上部に扱胴2を軸装した脱穀室3を設け、前記扱胴2は、軸方向の長さLが直径Tと略同じか短く形成し、該扱胴2の上方の上部カバー15の下面には下方に突き出る前後一対の排塵調節板30を設け、各排塵調節板30は取付軸により回動自在に取付け、前記排塵調節板30より終端側の前記上部カバー15の下面には下方に突き出る仕切板37を設ける。排塵調節板30の下縁は、前記扱胴2の扱歯の移動軌跡より外方に位置させ、前記仕切板37の下縁は扱胴2の扱歯の移動軌跡より内側に設け、かつ、前記仕切板37は上部カバー15に着脱自在に取付ける。
【解決手段】上部に扱胴2を軸装した脱穀室3を設け、前記扱胴2は、軸方向の長さLが直径Tと略同じか短く形成し、該扱胴2の上方の上部カバー15の下面には下方に突き出る前後一対の排塵調節板30を設け、各排塵調節板30は取付軸により回動自在に取付け、前記排塵調節板30より終端側の前記上部カバー15の下面には下方に突き出る仕切板37を設ける。排塵調節板30の下縁は、前記扱胴2の扱歯の移動軌跡より外方に位置させ、前記仕切板37の下縁は扱胴2の扱歯の移動軌跡より内側に設け、かつ、前記仕切板37は上部カバー15に着脱自在に取付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上部に扱胴を軸装した脱穀室を設け、該扱胴の上方の上部カバーの下面には下方に突き出る複数の排塵調節板を設けた構成は、公知である(特許文献1)
【特許文献1】特開平8−37901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、単に、排塵調節板を設けて扱胴内の脱穀物の移送に抵抗を与えるだけなので、扱胴内で処理されていない藁屑に付いた穀粒は、そのまま扱胴の脱穀物排出口から排出され、揺動選別装置のシーブの隙間より落下しないまま移送されて機外に排出され、脱穀ロスになるという課題がある。
本願は、脱穀ロスを減少させると共に、脱穀装置の小型化できるように工夫したものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上部に扱胴2を軸装した脱穀室3を設け、前記扱胴2は、軸方向の長さLが直径Tと略同じか短く形成し、該扱胴2の上方の上部カバー15の下面には下方に突き出る前後一対の排塵調節板30を設け、各排塵調節板30は取付軸33により回動自在に取付け、前記排塵調節板30より終端側の前記上部カバー15の下面には下方に突き出る仕切板37を設けた脱穀装置としたものであり、脱穀室3内に供給された穀稈は、回転する扱胴2により稈身と穀粒とに分離されて脱穀され、脱穀された脱穀物は扱網11から下方の揺動選別棚20に落下し、揺動選別棚20の揺動と送風唐箕17の送風により選別され、穀粒は一番コンベア23から回収される。
扱網11から漏下しない脱穀物は、扱胴2の外周に螺旋状に配置された扱歯10により脱穀室3の終端方向に向かって移送され、脱穀物排出口16より揺動選別棚20に落下して選別処理される。
脱穀室3内での脱穀は、回転する扱胴2の扱歯10が搬送中の穀稈に接触し、稈身と穀粒とを分離して行われるが、搬送穀稈が千切れて発生する藁屑は扱網11から落下せずに扱胴2と共回りするときに、排塵調節板30および仕切板37の抵抗を受けて、藁屑に付いている穀粒の分離作用を向上させると共に、藁屑の長さ自体を短くなるように細かく切断処理して、揺動選別棚20のシーブの隙間から落下するようにして穀粒の回収を良好にする。
本発明は、前記排塵調節板30の下縁は、前記扱胴2の扱歯10の移動軌跡より外方に位置させ、前記仕切板37の下縁は扱胴2の扱歯10の移動軌跡より内側に設け、かつ、前記仕切板37は上部カバー15に着脱自在に取付けた脱穀装置としたものであり、扱胴2の扱歯10よる脱穀物の終端方向への移送を仕切板37が堰き止めるように作用し、脱穀室3の脱穀物排出口16からの脱穀物の排出を抑制し、藁屑に付着している穀粒を分離させる作用時間を長くでき、藁屑処理効率を向上させる。
本発明は、前記仕切板37は、排塵調節板30よりも左右に長く形成した脱穀装置としたものであり、仕切板37は、排塵調節板30よりも左右に長いので、脱穀物の移送に与える抵抗作用のうち、特に、脱穀室3内の終端側の藁屑に与える抵抗を大きくし、藁屑付着穀粒分離作用を向上させる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、特に、短い扱胴2であっても、藁屑に付着している穀粒の処理回収効率を向上させて、脱穀ロスを減少させ、脱穀効率の向上と脱穀装置の小型化できる。
請求項2の発明では、一層、藁屑付着穀粒の処理回収効率を向上させて、脱穀ロスを減少させることができる。
請求項3の発明では、脱穀室3の終端側での藁屑の穀粒分離を期待でき、脱穀ロスを減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は脱穀装置であり、上部に扱胴2を軸装した脱穀室3を設け、脱穀室3の左右何れか一側(左側)には前記刈取部により刈り取った穀稈を供給搬送する穀稈供給搬送装置4の供給搬送チエン5を設けている。
前記扱胴2は、略正円の円筒形状に形成し(図6)、その始端部は先端に至るに従い直径を小径に形成して傾斜面6に形成する(図4)。傾斜面6より終端側の扱胴2は終始略同径に形成し、扱胴軸(図示省略)により脱穀室3の前板8と後板9とに軸装する。
【0007】
扱胴2の外周面には、板または軸部材により形成した扱歯10を設ける。板状の扱歯10の場合は、扱胴2の外周面に螺旋状に設け、軸部材により形成した扱歯10の場合は、間隔を置いて設けた各扱歯10が螺旋状に連続するように夫々配置し、脱穀されて扱網11から漏下しない脱穀物を脱穀室3の終端側に向けて移送するように構成する。
前記扱網11は扱胴2の主として下方側を包囲し、また、扱胴2の上方は上部カバー15により包囲する。扱網11の終端と後板9との間には、扱網11より落下しない脱穀物を排出する脱穀物排出口16を形成する。
【0008】
扱網11の下方には送風唐箕17を設け、前記脱穀室3の下方には前記送風唐箕17の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室18を形成する。風選室18内には、送風唐箕17の送風方向(前後方向)に往復揺動する揺動選別棚20により構成した揺動選別装置19を設ける(図14)。
揺動選別装置の下方には、一番コンベア23を設け、一番コンベア23に続いて二番コンベア24を設ける。二番コンベア24の終端には二番還元装置25を接続し、二番還元装置25は脱穀室3に二番物を還元して再処理する。
【0009】
しかして、前記扱胴2の上方の上部カバー15の下面には前後一対の排塵調節板30を設ける。排塵調節板30は、下方に突き出る縦板状の排塵調節部31の上端に横板状の取付板部32を形成し、取付板部32を取付軸33により上部カバー15に回動自在に取付ける。
前後の排塵調節板30は連結杆34により連結し、連動して回動するように構成している。35は排塵調節板30の位置調節および固定するノブボルト、36Aは孔、36Bは蓋である(図3)。
前記排塵調節板30のうちの前側排塵調節板30Aは、前記扱胴2の前後中間部より前側寄りに配置し、前記排塵調節板30のうちの後側排塵調節板30Bは、前記扱胴2の前後中間部より後側寄りに配置すると、調節効果を高くでき、好適である。
【0010】
前記扱胴2の終端上方の上部カバー15の下面には、下方に突き出る仕切板37を設ける(図2、図3、なお、図2、図6において理解を容易にするために、排塵調節板30および仕切板37に斜線を記入しているが、これにより構成は限定されない)。仕切板37は扱胴2の軸心に対して略直角に交差するように設ける。
したがって、扱胴2内で脱穀されて穀稈より分離した脱穀物は、扱胴2の扱歯10により終端に向かって移送されるときに、排塵調節板30および仕切板37の抵抗を受けて処理されるから、穀稈より千切れた藁屑から分離(脱穀)されずに付着している穀粒の分離作用(脱穀)が向上し、穀粒(二番物)として回収処理され、脱穀ロスを減少させる。
【0011】
即ち、脱穀ロスは、脱穀室3内で脱穀された脱穀物のうち、藁屑から分離していない穀粒が脱穀室3の脱穀物排出口16から排出されて揺動選別棚20のシーブ上に落下したとき、揺動を受けてもシーブの隙間から落下せず、そのままシーブにより押されて機外に排出されてしまうことが多いと判明し、この藁屑に付着した穀粒を藁屑から分離させると、脱穀ロスを著しく減少させられる。
そこで、軸方向の長さLを直径Tと略同じか短く形成した扱胴2を軸装した脱穀室3の小型化と並行して、排塵調節板30および仕切板37を設け、小型化と脱穀ロスの抑制との両立を図ったものである。
【0012】
換言すると、排塵調節板30および仕切板37で抵抗を掛けることにより、脱穀機の小型によって短くなる脱穀時間を長くして、軸方向の長さの短かい小型の脱穀機でありながら脱穀性能の維持を可能にしたものである。
したがって、本願の扱胴2は、軸方向の長さLが直径Tと略同じか短く形成すると、脱穀室3の小型化も達成できて、好適である。
しかして、前記仕切板37は、ボルト38により上部カバー15に着脱自在に取付けると、品種や育成状況等に起因する穀稈に対する穂先の長さ(占有率)の相違に対応した処理が可能になって、好適である。
【0013】
この場合、前記排塵調節板30は、その下縁を、正面視において、前記扱胴2の扱歯10の移動軌跡より上方(外方)に位置させるが、前記仕切板37の下縁は扱胴2の扱歯10の移動軌跡より下方(内側)に扱胴2の軸心に向かって突き出るように設けると、仕切板37による抵抗が良好に作用して、脱穀室3の脱穀物排出口16からの脱穀物の排出が抑制されて、好適である。
また、仕切板37は、排塵調節板30よりも左右に長く形成すると(図2、図6、図7)、脱穀物の移送に与える抵抗を大きくでき、脱穀室3内の滞留時間を長くして穀稈分離作用を向上させることができ、好適である。
即ち、仕切板37は脱穀室3の終端側における移送抵抗を大きくするので、途中部分の「詰まり」の原因とはならず、全体の脱穀作業に与える影響も少なく、好適である。
【0014】
また、仕切板37は、穀稈供給搬送装置4側(穀稈株元側)は低く、反穀稈供給搬送装置4側(穂先側)は高くなるように形成すると(図2、図6)、上部カバー15に取付けた仕切板37の下縁と、扱胴2の扱歯10の移動軌跡との間の重なりが扱胴2の周方向で略同じにでき、藁屑の発生を抑制しつつ穀粒分離作用を向上させることができ、好適である。
【0015】
しかして、仕切板37は、前記排塵調節板30とは独立して位置調節自在に設ける(図9)。仕切板37は横板部43と縦板部44とによりL形状に形成し(図5)、横板部43の一方側(穂先側)を上部カバー15に取付軸(ボルト)38により回動自在に取付け、ノブボルト45により固定する。
したがって、種々の条件の穀稈に対応できる。
しかして、図10は、仕切板37の他の実施例であり、仕切板37のうちの穂先側仕切板部46と株元側仕切板部47とを脱穀室3内に突出させ、穂先側仕切板部46と株元側仕切板部47との間の仕切板37には切欠いて切欠き空間48(図において理解を容易にするために斜線を記入しているが、これにより構成は限定されない)を形成すると、搬送穀稈に対する抵抗を抑制でき、脱穀室3の作業騒音を抑制する。
【0016】
しかして、前記上部カバー15は、脱穀室3の上方を包囲する天板部50と前記穀稈供給搬送装置4の挾扼杆51を設けた側の側板部52を有して形成し(図3)、側板部52には脱穀室3内に向けて突き出る切刃53を所定間隔をおいて穀稈移送方向に複数並設する(図11)。
そして、切刃53と前記仕切板37は正面視において一部重なるように配置すると(図12、なお、理解を容易にするために仕切板37と切刃53に斜線を記入しているが、これにより構成は限定されない)、切刃53の穀稈屑切断作用と仕切板37の搬送抵抗とが相乗して向上し、好適である。
【0017】
この場合、切刃53は穀稈供給搬送装置4による搬送穀稈よりも上方に位置させ、仕切板37の株元側は切刃53の下縁より下方にまで延びるように配置すると(図12)、一層、切刃53と仕切板37とを相俟って作用させることができる。
また、前記切刃53は、側面視において仕切板37および前側排塵調節板30Aよりも前側(始端側)から配置すると(図11)、穀稈より分離した藁屑の剪断作用を有効に発揮でき、好適である。
また、複数設けた切刃53のうちの最後部の切刃53は後側排塵調節板30Bと同じか前方に位置させると(図11)、後側排塵調節板30Bと仕切板37により抵抗を与えた脱穀物に切刃53が作用させることができ、好適である。
【0018】
しかして、前側排塵調節板30Aと後側排塵調節板30Bと仕切板37とは、夫々の長さ関係を、前側排塵調節板30A≦後側排塵調節板30B<仕切板37となるようにすると(図7〜図9)、脱穀室3内の終端側で多く発生する藁屑の処理が行われて、好適である。
しかして、図13、図14は、仕切板37の他の実施例であり、仕切板37の縦板部44は、側面視において、下方に至るに従い終端側に位置するように傾斜させると、仕切板37の脱穀室3内の藁屑等に与える抵抗が過剰になるのを抑制し、脱穀室3内で発生する騒音を抑制する。
【0019】
実施例では、略45度の傾斜にして、脱穀室3内の藁屑等に与える抵抗と排出のバランスを取っている。
しかして、仕切板37は、上部カバー15に対して略平行の格納位置から上部カバー15に対して起立位置までの間傾斜角度調節自在に構成すると、脱穀状態に応じて仕切板37の抵抗を加減調節でき、好適である。
仕切板37の傾斜角度調節機構Kの構成は任意であるが、仕切板37を横軸60により上部カバー15に回動自在に取付け、上部カバー15より上方にはアーム61を設け、アーム61にはワイヤー62の一端を接続し、ワイヤー62の他端はレバー63に係止する。アーム61には別途バネ65を取付け、バネ65は常時仕切板37が脱穀室3内に向けて起立するように付勢し、レバー63によりワイヤー62を牽引して仕切板37を格納方向に回動させ、傾斜角度を調節する。
【0020】
即ち、レバー63を前方に倒してバネ65の弾力に抗してワイヤー62を牽引すると、仕切板37は格納され、レバー63を後方に倒してワイヤー62を緩めると、バネ65がアーム61を牽引して仕切板37を脱穀室3内に向けて起立させる。
66はレバー63を所定位置に保持する係合溝、67はコンバインの操縦部、68は運転座席である。
【0021】
また、傾斜角度調節機構Kは、前記穀稈供給搬送装置4の搬送穀稈の有無に連動させると、仕切板37を有効に作用させて好適である。
即ち、穀稈供給搬送装置4により脱穀室3へ穀稈を供給搬送中は、仕切板37により脱穀室3内の脱穀物の移送に抵抗を与えて、穀粒の分離作用を促進させ、脱穀室3への穀稈が供給されていないときには仕切板37の抵抗を減少させて排塵物の排出を円滑にする。
【0022】
実施例では、前記穀稈供給搬送装置4の挾扼杆51内の始端部の可動挾扼杆51Aに別途ワイヤー70を接続し、ワイヤー70は仕切板37のアーム61に接続し、搬送穀稈が無いかあるいは少ないときに可動挾扼杆51Aが下方回動すると、ワイヤー62を牽引して仕切板37を格納し、刈取作業中に搬送穀稈が通ると、可動挾扼杆51Aが上方回動してワイヤー70を緩めてバネ65の弾力により仕切板37を起立させて抵抗を与える。
したがって、レバー63を抵抗位置にしておくと、ワイヤー62は緩んだままとなるので、刈取作業前あるいは旋回時には可動挾扼杆51Aがワイヤー70を牽引して仕切板37を格納位置とし、刈取作業を開始して搬送穀稈により可動挾扼杆51Aが上方回動してワイヤー70を緩めてバネ65の弾力により仕切板37を起立させて抵抗を与え、旋回時等と作業時の夫々に仕切板37を自動的に出入りさせることができる。
【0023】
この場合、ワイヤー70と可動挾扼杆51Aとの間にバネ71を設けると、レバー63を抵抗位置にしてワイヤー62を緩めたとき、バネ71が伸びてワイヤー62を緩めた状態に保持すると共に、可動挾扼杆51Aは下方位置となり、搬送穀稈を挟持可能姿勢となって、好適である。
なお、バネの弾力は、バネ65>バネ71となるように設定する。
また、レバー63を抵抗位置にして、手扱き穀稈を供給するため、可動挾扼杆51Aを上方回動させると、ワイヤー70が緩んで仕切板37をバネ65の弾力により起立させて抵抗を与える。
【0024】
しかして、図26は、傾斜角度調節機構Kの他の実施例であり、前記ワイヤー62にモータ75を接続し、モータ75は前記穀稈供給搬送装置4の挾扼杆51のうちの始端部の可動挾扼杆51Aに設けたリミットスイッチ76によりオン・オフさせて行う。
即ち、リミットスイッチ76は搬送穀稈の有無を感知し、リミットスイッチ76が可動挾扼杆51Aの退避による穀稈搬送を感知すると、仕切板37を起立させし、搬送穀稈が減少あるいは無くなって可動挾扼杆51Aが下がると、リミットスイッチ76が搬送終了を感知して仕切板37を格納位置へ回動させる。
【0025】
なお、モータ75は、穀稈供給搬送装置4による穀稈の供給が終了したことをリミットスイッチ76が感知してから所定時間経過後に作動させるようにすると、穀稈供給搬送装置4による全ての穀稈搬送終了後に仕切板37が格納させられて、好適である。
この場合、レバー63を抵抗位置にしておくと、ワイヤー62は緩んだままとなり、モータ75がワイヤー70を牽引することで仕切板37を格納位置へ回動させるから、旋回時と作業時に自動的に、仕切板37を出入りさせることができ、スムーズな切替えが可能となって、操作性および作業性を向上させる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】脱穀装置の側面図。
【図2】同正面図。
【図3】上部カバー部分の斜視図。
【図4】脱穀室の側面図。
【図5】同一部拡大側面図。
【図6】脱穀装置の一部背面図。
【図7】上部カバー部分の平面図。
【図8】排塵調節板の移動状態を示す平面図。
【図9】仕切板の移動状態を示す平面図。
【図10】仕切板の他の実施例の平面図。
【図11】切刃を設けた実施例の側面図。
【図12】切刃を設けた実施例の正面図。
【図13】仕切板の他の実施例の側面図。
【図14】同側面図。
【図15】仕切板の角度調節機構を設けた実施例の側面図。
【図16】同側面図。
【図17】操作レバーの側面図。
【図18】同平面図。
【図19】可動挾扼杆と仕切板とを連動させる実施例の概略図。
【図20】同一部斜視図。
【図21】起立作用状態の仕切板の側面図。
【図22】格納状態の仕切板の側面図。
【図23】通常状態の可動挾扼杆の側面図。
【図24】移動状態の可動挾扼杆の側面図。
【図25】可動挾扼杆と仕切板とを連動させる他の実施例の概略図。
【図26】可動挾扼杆と仕切板とを連動させる他の実施例の概略図。
【図27】同側面図。
【符号の説明】
【0027】
1…脱穀装置、2…扱胴、3…脱穀室、4…穀稈供給搬送装置、5…供給搬送チエン、6…傾斜面、8…前板、9…後板、10…扱歯、11…扱網、15…上部カバー、16…脱穀物排出口、17…送風唐箕、18…風選室、23…一番コンベア、24…二番コンベア、25…二番還元装置、30…排塵調節板、31…排塵調節部、32…取付板部、33…取付軸、34…連結杆、35…ノブボルト、37…仕切板、38…ボルト(取付軸)、43…横板部、44…縦板部、45…ノブボルト、46…穂先側仕切板部、47…株元側仕切板部、48…空間、50…天板部、51…挾扼杆、52…側板部、53…切刃、60…横軸、61…アーム、62…ワイヤー、63…レバー、65…バネ、66…係合溝、70…ワイヤー、71…バネ、75…モータ、76…リミットスイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上部に扱胴を軸装した脱穀室を設け、該扱胴の上方の上部カバーの下面には下方に突き出る複数の排塵調節板を設けた構成は、公知である(特許文献1)
【特許文献1】特開平8−37901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、単に、排塵調節板を設けて扱胴内の脱穀物の移送に抵抗を与えるだけなので、扱胴内で処理されていない藁屑に付いた穀粒は、そのまま扱胴の脱穀物排出口から排出され、揺動選別装置のシーブの隙間より落下しないまま移送されて機外に排出され、脱穀ロスになるという課題がある。
本願は、脱穀ロスを減少させると共に、脱穀装置の小型化できるように工夫したものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上部に扱胴2を軸装した脱穀室3を設け、前記扱胴2は、軸方向の長さLが直径Tと略同じか短く形成し、該扱胴2の上方の上部カバー15の下面には下方に突き出る前後一対の排塵調節板30を設け、各排塵調節板30は取付軸33により回動自在に取付け、前記排塵調節板30より終端側の前記上部カバー15の下面には下方に突き出る仕切板37を設けた脱穀装置としたものであり、脱穀室3内に供給された穀稈は、回転する扱胴2により稈身と穀粒とに分離されて脱穀され、脱穀された脱穀物は扱網11から下方の揺動選別棚20に落下し、揺動選別棚20の揺動と送風唐箕17の送風により選別され、穀粒は一番コンベア23から回収される。
扱網11から漏下しない脱穀物は、扱胴2の外周に螺旋状に配置された扱歯10により脱穀室3の終端方向に向かって移送され、脱穀物排出口16より揺動選別棚20に落下して選別処理される。
脱穀室3内での脱穀は、回転する扱胴2の扱歯10が搬送中の穀稈に接触し、稈身と穀粒とを分離して行われるが、搬送穀稈が千切れて発生する藁屑は扱網11から落下せずに扱胴2と共回りするときに、排塵調節板30および仕切板37の抵抗を受けて、藁屑に付いている穀粒の分離作用を向上させると共に、藁屑の長さ自体を短くなるように細かく切断処理して、揺動選別棚20のシーブの隙間から落下するようにして穀粒の回収を良好にする。
本発明は、前記排塵調節板30の下縁は、前記扱胴2の扱歯10の移動軌跡より外方に位置させ、前記仕切板37の下縁は扱胴2の扱歯10の移動軌跡より内側に設け、かつ、前記仕切板37は上部カバー15に着脱自在に取付けた脱穀装置としたものであり、扱胴2の扱歯10よる脱穀物の終端方向への移送を仕切板37が堰き止めるように作用し、脱穀室3の脱穀物排出口16からの脱穀物の排出を抑制し、藁屑に付着している穀粒を分離させる作用時間を長くでき、藁屑処理効率を向上させる。
本発明は、前記仕切板37は、排塵調節板30よりも左右に長く形成した脱穀装置としたものであり、仕切板37は、排塵調節板30よりも左右に長いので、脱穀物の移送に与える抵抗作用のうち、特に、脱穀室3内の終端側の藁屑に与える抵抗を大きくし、藁屑付着穀粒分離作用を向上させる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、特に、短い扱胴2であっても、藁屑に付着している穀粒の処理回収効率を向上させて、脱穀ロスを減少させ、脱穀効率の向上と脱穀装置の小型化できる。
請求項2の発明では、一層、藁屑付着穀粒の処理回収効率を向上させて、脱穀ロスを減少させることができる。
請求項3の発明では、脱穀室3の終端側での藁屑の穀粒分離を期待でき、脱穀ロスを減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は脱穀装置であり、上部に扱胴2を軸装した脱穀室3を設け、脱穀室3の左右何れか一側(左側)には前記刈取部により刈り取った穀稈を供給搬送する穀稈供給搬送装置4の供給搬送チエン5を設けている。
前記扱胴2は、略正円の円筒形状に形成し(図6)、その始端部は先端に至るに従い直径を小径に形成して傾斜面6に形成する(図4)。傾斜面6より終端側の扱胴2は終始略同径に形成し、扱胴軸(図示省略)により脱穀室3の前板8と後板9とに軸装する。
【0007】
扱胴2の外周面には、板または軸部材により形成した扱歯10を設ける。板状の扱歯10の場合は、扱胴2の外周面に螺旋状に設け、軸部材により形成した扱歯10の場合は、間隔を置いて設けた各扱歯10が螺旋状に連続するように夫々配置し、脱穀されて扱網11から漏下しない脱穀物を脱穀室3の終端側に向けて移送するように構成する。
前記扱網11は扱胴2の主として下方側を包囲し、また、扱胴2の上方は上部カバー15により包囲する。扱網11の終端と後板9との間には、扱網11より落下しない脱穀物を排出する脱穀物排出口16を形成する。
【0008】
扱網11の下方には送風唐箕17を設け、前記脱穀室3の下方には前記送風唐箕17の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室18を形成する。風選室18内には、送風唐箕17の送風方向(前後方向)に往復揺動する揺動選別棚20により構成した揺動選別装置19を設ける(図14)。
揺動選別装置の下方には、一番コンベア23を設け、一番コンベア23に続いて二番コンベア24を設ける。二番コンベア24の終端には二番還元装置25を接続し、二番還元装置25は脱穀室3に二番物を還元して再処理する。
【0009】
しかして、前記扱胴2の上方の上部カバー15の下面には前後一対の排塵調節板30を設ける。排塵調節板30は、下方に突き出る縦板状の排塵調節部31の上端に横板状の取付板部32を形成し、取付板部32を取付軸33により上部カバー15に回動自在に取付ける。
前後の排塵調節板30は連結杆34により連結し、連動して回動するように構成している。35は排塵調節板30の位置調節および固定するノブボルト、36Aは孔、36Bは蓋である(図3)。
前記排塵調節板30のうちの前側排塵調節板30Aは、前記扱胴2の前後中間部より前側寄りに配置し、前記排塵調節板30のうちの後側排塵調節板30Bは、前記扱胴2の前後中間部より後側寄りに配置すると、調節効果を高くでき、好適である。
【0010】
前記扱胴2の終端上方の上部カバー15の下面には、下方に突き出る仕切板37を設ける(図2、図3、なお、図2、図6において理解を容易にするために、排塵調節板30および仕切板37に斜線を記入しているが、これにより構成は限定されない)。仕切板37は扱胴2の軸心に対して略直角に交差するように設ける。
したがって、扱胴2内で脱穀されて穀稈より分離した脱穀物は、扱胴2の扱歯10により終端に向かって移送されるときに、排塵調節板30および仕切板37の抵抗を受けて処理されるから、穀稈より千切れた藁屑から分離(脱穀)されずに付着している穀粒の分離作用(脱穀)が向上し、穀粒(二番物)として回収処理され、脱穀ロスを減少させる。
【0011】
即ち、脱穀ロスは、脱穀室3内で脱穀された脱穀物のうち、藁屑から分離していない穀粒が脱穀室3の脱穀物排出口16から排出されて揺動選別棚20のシーブ上に落下したとき、揺動を受けてもシーブの隙間から落下せず、そのままシーブにより押されて機外に排出されてしまうことが多いと判明し、この藁屑に付着した穀粒を藁屑から分離させると、脱穀ロスを著しく減少させられる。
そこで、軸方向の長さLを直径Tと略同じか短く形成した扱胴2を軸装した脱穀室3の小型化と並行して、排塵調節板30および仕切板37を設け、小型化と脱穀ロスの抑制との両立を図ったものである。
【0012】
換言すると、排塵調節板30および仕切板37で抵抗を掛けることにより、脱穀機の小型によって短くなる脱穀時間を長くして、軸方向の長さの短かい小型の脱穀機でありながら脱穀性能の維持を可能にしたものである。
したがって、本願の扱胴2は、軸方向の長さLが直径Tと略同じか短く形成すると、脱穀室3の小型化も達成できて、好適である。
しかして、前記仕切板37は、ボルト38により上部カバー15に着脱自在に取付けると、品種や育成状況等に起因する穀稈に対する穂先の長さ(占有率)の相違に対応した処理が可能になって、好適である。
【0013】
この場合、前記排塵調節板30は、その下縁を、正面視において、前記扱胴2の扱歯10の移動軌跡より上方(外方)に位置させるが、前記仕切板37の下縁は扱胴2の扱歯10の移動軌跡より下方(内側)に扱胴2の軸心に向かって突き出るように設けると、仕切板37による抵抗が良好に作用して、脱穀室3の脱穀物排出口16からの脱穀物の排出が抑制されて、好適である。
また、仕切板37は、排塵調節板30よりも左右に長く形成すると(図2、図6、図7)、脱穀物の移送に与える抵抗を大きくでき、脱穀室3内の滞留時間を長くして穀稈分離作用を向上させることができ、好適である。
即ち、仕切板37は脱穀室3の終端側における移送抵抗を大きくするので、途中部分の「詰まり」の原因とはならず、全体の脱穀作業に与える影響も少なく、好適である。
【0014】
また、仕切板37は、穀稈供給搬送装置4側(穀稈株元側)は低く、反穀稈供給搬送装置4側(穂先側)は高くなるように形成すると(図2、図6)、上部カバー15に取付けた仕切板37の下縁と、扱胴2の扱歯10の移動軌跡との間の重なりが扱胴2の周方向で略同じにでき、藁屑の発生を抑制しつつ穀粒分離作用を向上させることができ、好適である。
【0015】
しかして、仕切板37は、前記排塵調節板30とは独立して位置調節自在に設ける(図9)。仕切板37は横板部43と縦板部44とによりL形状に形成し(図5)、横板部43の一方側(穂先側)を上部カバー15に取付軸(ボルト)38により回動自在に取付け、ノブボルト45により固定する。
したがって、種々の条件の穀稈に対応できる。
しかして、図10は、仕切板37の他の実施例であり、仕切板37のうちの穂先側仕切板部46と株元側仕切板部47とを脱穀室3内に突出させ、穂先側仕切板部46と株元側仕切板部47との間の仕切板37には切欠いて切欠き空間48(図において理解を容易にするために斜線を記入しているが、これにより構成は限定されない)を形成すると、搬送穀稈に対する抵抗を抑制でき、脱穀室3の作業騒音を抑制する。
【0016】
しかして、前記上部カバー15は、脱穀室3の上方を包囲する天板部50と前記穀稈供給搬送装置4の挾扼杆51を設けた側の側板部52を有して形成し(図3)、側板部52には脱穀室3内に向けて突き出る切刃53を所定間隔をおいて穀稈移送方向に複数並設する(図11)。
そして、切刃53と前記仕切板37は正面視において一部重なるように配置すると(図12、なお、理解を容易にするために仕切板37と切刃53に斜線を記入しているが、これにより構成は限定されない)、切刃53の穀稈屑切断作用と仕切板37の搬送抵抗とが相乗して向上し、好適である。
【0017】
この場合、切刃53は穀稈供給搬送装置4による搬送穀稈よりも上方に位置させ、仕切板37の株元側は切刃53の下縁より下方にまで延びるように配置すると(図12)、一層、切刃53と仕切板37とを相俟って作用させることができる。
また、前記切刃53は、側面視において仕切板37および前側排塵調節板30Aよりも前側(始端側)から配置すると(図11)、穀稈より分離した藁屑の剪断作用を有効に発揮でき、好適である。
また、複数設けた切刃53のうちの最後部の切刃53は後側排塵調節板30Bと同じか前方に位置させると(図11)、後側排塵調節板30Bと仕切板37により抵抗を与えた脱穀物に切刃53が作用させることができ、好適である。
【0018】
しかして、前側排塵調節板30Aと後側排塵調節板30Bと仕切板37とは、夫々の長さ関係を、前側排塵調節板30A≦後側排塵調節板30B<仕切板37となるようにすると(図7〜図9)、脱穀室3内の終端側で多く発生する藁屑の処理が行われて、好適である。
しかして、図13、図14は、仕切板37の他の実施例であり、仕切板37の縦板部44は、側面視において、下方に至るに従い終端側に位置するように傾斜させると、仕切板37の脱穀室3内の藁屑等に与える抵抗が過剰になるのを抑制し、脱穀室3内で発生する騒音を抑制する。
【0019】
実施例では、略45度の傾斜にして、脱穀室3内の藁屑等に与える抵抗と排出のバランスを取っている。
しかして、仕切板37は、上部カバー15に対して略平行の格納位置から上部カバー15に対して起立位置までの間傾斜角度調節自在に構成すると、脱穀状態に応じて仕切板37の抵抗を加減調節でき、好適である。
仕切板37の傾斜角度調節機構Kの構成は任意であるが、仕切板37を横軸60により上部カバー15に回動自在に取付け、上部カバー15より上方にはアーム61を設け、アーム61にはワイヤー62の一端を接続し、ワイヤー62の他端はレバー63に係止する。アーム61には別途バネ65を取付け、バネ65は常時仕切板37が脱穀室3内に向けて起立するように付勢し、レバー63によりワイヤー62を牽引して仕切板37を格納方向に回動させ、傾斜角度を調節する。
【0020】
即ち、レバー63を前方に倒してバネ65の弾力に抗してワイヤー62を牽引すると、仕切板37は格納され、レバー63を後方に倒してワイヤー62を緩めると、バネ65がアーム61を牽引して仕切板37を脱穀室3内に向けて起立させる。
66はレバー63を所定位置に保持する係合溝、67はコンバインの操縦部、68は運転座席である。
【0021】
また、傾斜角度調節機構Kは、前記穀稈供給搬送装置4の搬送穀稈の有無に連動させると、仕切板37を有効に作用させて好適である。
即ち、穀稈供給搬送装置4により脱穀室3へ穀稈を供給搬送中は、仕切板37により脱穀室3内の脱穀物の移送に抵抗を与えて、穀粒の分離作用を促進させ、脱穀室3への穀稈が供給されていないときには仕切板37の抵抗を減少させて排塵物の排出を円滑にする。
【0022】
実施例では、前記穀稈供給搬送装置4の挾扼杆51内の始端部の可動挾扼杆51Aに別途ワイヤー70を接続し、ワイヤー70は仕切板37のアーム61に接続し、搬送穀稈が無いかあるいは少ないときに可動挾扼杆51Aが下方回動すると、ワイヤー62を牽引して仕切板37を格納し、刈取作業中に搬送穀稈が通ると、可動挾扼杆51Aが上方回動してワイヤー70を緩めてバネ65の弾力により仕切板37を起立させて抵抗を与える。
したがって、レバー63を抵抗位置にしておくと、ワイヤー62は緩んだままとなるので、刈取作業前あるいは旋回時には可動挾扼杆51Aがワイヤー70を牽引して仕切板37を格納位置とし、刈取作業を開始して搬送穀稈により可動挾扼杆51Aが上方回動してワイヤー70を緩めてバネ65の弾力により仕切板37を起立させて抵抗を与え、旋回時等と作業時の夫々に仕切板37を自動的に出入りさせることができる。
【0023】
この場合、ワイヤー70と可動挾扼杆51Aとの間にバネ71を設けると、レバー63を抵抗位置にしてワイヤー62を緩めたとき、バネ71が伸びてワイヤー62を緩めた状態に保持すると共に、可動挾扼杆51Aは下方位置となり、搬送穀稈を挟持可能姿勢となって、好適である。
なお、バネの弾力は、バネ65>バネ71となるように設定する。
また、レバー63を抵抗位置にして、手扱き穀稈を供給するため、可動挾扼杆51Aを上方回動させると、ワイヤー70が緩んで仕切板37をバネ65の弾力により起立させて抵抗を与える。
【0024】
しかして、図26は、傾斜角度調節機構Kの他の実施例であり、前記ワイヤー62にモータ75を接続し、モータ75は前記穀稈供給搬送装置4の挾扼杆51のうちの始端部の可動挾扼杆51Aに設けたリミットスイッチ76によりオン・オフさせて行う。
即ち、リミットスイッチ76は搬送穀稈の有無を感知し、リミットスイッチ76が可動挾扼杆51Aの退避による穀稈搬送を感知すると、仕切板37を起立させし、搬送穀稈が減少あるいは無くなって可動挾扼杆51Aが下がると、リミットスイッチ76が搬送終了を感知して仕切板37を格納位置へ回動させる。
【0025】
なお、モータ75は、穀稈供給搬送装置4による穀稈の供給が終了したことをリミットスイッチ76が感知してから所定時間経過後に作動させるようにすると、穀稈供給搬送装置4による全ての穀稈搬送終了後に仕切板37が格納させられて、好適である。
この場合、レバー63を抵抗位置にしておくと、ワイヤー62は緩んだままとなり、モータ75がワイヤー70を牽引することで仕切板37を格納位置へ回動させるから、旋回時と作業時に自動的に、仕切板37を出入りさせることができ、スムーズな切替えが可能となって、操作性および作業性を向上させる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】脱穀装置の側面図。
【図2】同正面図。
【図3】上部カバー部分の斜視図。
【図4】脱穀室の側面図。
【図5】同一部拡大側面図。
【図6】脱穀装置の一部背面図。
【図7】上部カバー部分の平面図。
【図8】排塵調節板の移動状態を示す平面図。
【図9】仕切板の移動状態を示す平面図。
【図10】仕切板の他の実施例の平面図。
【図11】切刃を設けた実施例の側面図。
【図12】切刃を設けた実施例の正面図。
【図13】仕切板の他の実施例の側面図。
【図14】同側面図。
【図15】仕切板の角度調節機構を設けた実施例の側面図。
【図16】同側面図。
【図17】操作レバーの側面図。
【図18】同平面図。
【図19】可動挾扼杆と仕切板とを連動させる実施例の概略図。
【図20】同一部斜視図。
【図21】起立作用状態の仕切板の側面図。
【図22】格納状態の仕切板の側面図。
【図23】通常状態の可動挾扼杆の側面図。
【図24】移動状態の可動挾扼杆の側面図。
【図25】可動挾扼杆と仕切板とを連動させる他の実施例の概略図。
【図26】可動挾扼杆と仕切板とを連動させる他の実施例の概略図。
【図27】同側面図。
【符号の説明】
【0027】
1…脱穀装置、2…扱胴、3…脱穀室、4…穀稈供給搬送装置、5…供給搬送チエン、6…傾斜面、8…前板、9…後板、10…扱歯、11…扱網、15…上部カバー、16…脱穀物排出口、17…送風唐箕、18…風選室、23…一番コンベア、24…二番コンベア、25…二番還元装置、30…排塵調節板、31…排塵調節部、32…取付板部、33…取付軸、34…連結杆、35…ノブボルト、37…仕切板、38…ボルト(取付軸)、43…横板部、44…縦板部、45…ノブボルト、46…穂先側仕切板部、47…株元側仕切板部、48…空間、50…天板部、51…挾扼杆、52…側板部、53…切刃、60…横軸、61…アーム、62…ワイヤー、63…レバー、65…バネ、66…係合溝、70…ワイヤー、71…バネ、75…モータ、76…リミットスイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に扱胴2を軸装した脱穀室3を設け、前記扱胴2は、軸方向の長さLが直径Tと略同じか短く形成し、該扱胴2の上方の上部カバー15の下面には下方に突き出る前後一対の排塵調節板30を設け、各排塵調節板30は取付軸33により回動自在に取付け、前記排塵調節板30より終端側の前記上部カバー15の下面には下方に突き出る仕切板37を設けた脱穀装置。
【請求項2】
請求項1において、前記排塵調節板30の下縁は、前記扱胴2の扱歯10の移動軌跡より外方に位置させ、前記仕切板37の下縁は扱胴2の扱歯10の移動軌跡より内側に設け、かつ、前記仕切板37は上部カバー15に着脱自在に取付けた脱穀装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記仕切板37は、排塵調節板30よりも左右に長く形成した脱穀装置。
【請求項1】
上部に扱胴2を軸装した脱穀室3を設け、前記扱胴2は、軸方向の長さLが直径Tと略同じか短く形成し、該扱胴2の上方の上部カバー15の下面には下方に突き出る前後一対の排塵調節板30を設け、各排塵調節板30は取付軸33により回動自在に取付け、前記排塵調節板30より終端側の前記上部カバー15の下面には下方に突き出る仕切板37を設けた脱穀装置。
【請求項2】
請求項1において、前記排塵調節板30の下縁は、前記扱胴2の扱歯10の移動軌跡より外方に位置させ、前記仕切板37の下縁は扱胴2の扱歯10の移動軌跡より内側に設け、かつ、前記仕切板37は上部カバー15に着脱自在に取付けた脱穀装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記仕切板37は、排塵調節板30よりも左右に長く形成した脱穀装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2007−89408(P2007−89408A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279594(P2005−279594)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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