説明

脱穀選別装置

【課題】小さな空間構成で脱穀処理能力が高く、選別能力の高い脱穀選別装置を提供する。
【解決手段】扱室内には前後方向の軸回りに回転する扱歯付きの扱胴を設け、扱室の左右一側には前後方向の軸回りに回転し且つ前記扱室からの漏過物を受け入れて脱穀処理する処理歯付きの第一処理胴の内装されている第一処理室を設ける。第一処理室の後方には前後方向の軸心回りに回転し且つ扱室後部からの藁屑類を受け入れた脱穀処理する処理歯付きの排塵処理胴の内装されている排塵処理室を設ける。第一処理室及び排塵処理室の下方には前後方向の軸心回りに回転し、第一処理室及び排塵処理室からの漏過物を受け入れて脱穀処理する第二処理胴の内装されている第二処理室を設ける。扱室、排塵処理室及び第二処理室の下方に揺動選別棚を配設し、揺動選別棚で選別された二番物を第二処理室に揚穀する二番揚穀機を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン等の脱穀選別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインの脱穀選別装置において、扱胴の内装されている扱室の左右一側後方に排塵処理胴の内装されている排塵処理室を設け、排塵処理室の下方には二番処理胴の内装されている二番処理室を設け、この二番処理室及び二番処理胴を扱室の左右一側まで前方に向けて延長し、二番処理室での脱穀処理物を下方の揺動選別棚に供給するものは公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−125443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来技術にあっては、狭い二番処理室では扱室からの排塵物及び二番揚穀機で揚穀された二番物を脱穀処理するため、二番物の脱穀処理が不十分となり循環回数が増えたり、二番処理室で詰まりが発生するという不具合があった。そこで、この発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、扱室11内には前後方向の軸回りに回転する扱歯12b,…付きの扱胴12を設け、前記扱室11の左右一側には前後方向の軸回りに回転し且つ前記扱室11からの漏過物を受け入れて脱穀処理する処理歯17b,…付き第一処理胴17の内装されている第一処理室16を設け、該第一処理室16の後方には前後方向の軸心回りに回転し且つ前記扱室11後部からの排塵物を受け入れて脱穀処理する処理歯15b,…付き排塵処理胴15の内装されている排塵処理室14を設け、前記第一処理室16及び排塵処理室14の下方には前後方向の軸心回りに回転し、前記第一処理室16及び排塵処理室14からの漏過物を受け入れて脱穀処理する処理歯20b,…付き第二処理胴20の内装されている第二処理室19を設け、前記扱室11、排塵処理室14及び第二処理室19の下方には揺動選別棚29を配設し、該揺動選別棚29で選別された二番物を前記第二処理室19に揚穀する二番揚穀機35を設けたことを特徴とする脱穀選別装置とする。
【0005】
前記構成によると、扱室11で脱穀され下部から漏過した穀粒や小さな藁屑類は揺動選別棚29の前側部に落下し選別され、扱室11から第一処理室16に漏過した被処理物は、第一処理胴17の処理歯17b,…により脱穀処理されて揺動選別棚29の前側部に落下し選別される。また、比較的大きな排塵物は扱室11の後側端部から排塵処理室14に送り込まれ、排塵処理胴15の処理歯15b,…により脱穀処理されながら後側に送られ、揺動選別棚29の後側部に落下し選別される。また、第二処理室19の後側部では排塵処理室14から漏過した被処理物が第二処理胴20の処理歯20b,…により前側に送られながら脱穀処理され、第二処理室19の前側部では、第二処理室19の後側部から送られた被処理物と二番揚穀機35により揚穀された二番物が混合されながら脱穀処理されて、揺動選別棚29の前側部に落下し選別される。
【0006】
請求項2の発明は、前記第一処理胴17の処理歯17b,…及び第二処理胴20の処理歯20b,…を、多数の小さな板体を独立状に配置した不連続の処理歯により構成したことを特徴とする請求項1記載の脱穀選別装置とする。
【0007】
前記構成によると、請求項1の発明の前記作用に加えて、第一処理室16及び第二処理室19では被処理物中の枝梗の熟れを良くし脱穀処理を促進することができる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明は、小さな空間構成でありながら脱穀処理能力を高め、揺動選別棚29には熟れた脱穀処理物を供給することができて選別能率を高めることができ、二番物を揚穀する第二処理室19の詰まりを防止することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明の前記効果に加えて、第一処理室16及び第二処理室19における被処理物中の枝梗の脱穀処理を促進し、揺動選別棚29での選別精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。
図1にはコンバイン1の全体側面図が図示されている。コンバイン1の走行車台2の下方には、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3,3を配設し、走行車台2上には、右側前部に操縦席4を、左側前部に脱穀部5を、操縦席4の後方にグレンタンク6を、脱穀部5及びグレンタンク6の後方に排稾処理装置7をそれぞれ配設している。脱穀部5の前方には、植立穀稈を引越しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。
【0011】
次に、図2及び図3に基づき脱穀部5について説明する。図2は脱穀部5の切断側面図、図3は脱穀部5の切断正面図である。
扱室11内には前後方向の扱胴軸12aにより扱胴12を軸架し、扱胴12の周面には多数の扱歯12b,…を取り付け、扱胴12の下部外周を受網13で覆っている。扱室11の右側方(図3の左側)には第一処理室16を設け、第一処理室16内には前後方向の第一処理胴軸17aにより処理歯17b,…付きの第一処理胴17を軸架している。
【0012】
また、第一処理室16の後方には排塵処理室14を前後方向に沿わせて設け、排塵処理室14内には前後方向の排塵処理胴軸15aにより処理歯15b,…付きの排塵処理胴15を軸架し、第一処理胴軸17aと排塵処理胴軸15aとを軸心一致状態として連結している。第一処理室16の第一処理胴17の下方を無孔あるいは有孔の底板16aで覆い、排塵処理室14の排塵処理胴15の下方を受網14aで覆っている。
【0013】
そして、第一処理室16と排塵処理室14との間を仕切壁16bにより仕切り、第一処理室16には扱室11の右側(図3の左側)の受網13を経て被処理物が漏過し前側に送られながら脱穀処理され、後述の二番処理室19の前側部を経て揺動選別棚29に落下する。また、排塵処理室14には扱室11の後端部の連通口から排塵物が送り込まれ、後側に送られながら脱穀処理され揺動選別棚29の後部に落下するように構成している。
【0014】
また、第一処理室16及び排塵処理室14の下方には第二処理室19を設け、第二処理室19内には前後方向の第二処理胴軸20aにより処理歯20b,…付きの第二処理胴20を軸架し、第二処理胴20の下部には無孔あるいは部分的に有孔の底板21を設け、第二処理胴20の左側方は開放している。また、二番揚穀機35により第二処理室19の前側部に二番物を揚穀するように構成している。
【0015】
しかして、第二処理室19の後側部では、排塵処理室14から脱穀処理物が漏過供給され、第二処理胴20の処理歯20b,…により前側に送りながら脱穀処理され、また、第二処理室19の前側部では、後側部から送られた被処理物と二番物とを混合しながら脱穀処理し、後述の揺動選別棚29の前側部に落下供給され選別される。
【0016】
また、第一処理胴17及び第二処理胴20の扱室11に近い側を上側に向けて回転するように、また、扱胴12の第一処理胴17に近い側を上側に向けて回転するように構成している。扱室11の左側方(図3では右側)には脱穀用穀稈を移送するフィードチエン(図示省略)を設け、フィードチエン(図示省略)の搬送下手側には排藁搬送装置(図示省略)を設け、脱穀済み排藁を後方の排稾処理装置7に搬送するように構成している。
【0017】
また、扱室11の下方から後方にかけて選別部26を設けている。選別部26の前側部の唐箕27から選別風路28に後側に流れるように選別風を送り、選別風路28には前後方向に往復揺動する揺動選別棚29を配設している。揺動選別棚29の上側部には、前側から後側に向けてグレンパン29a、チャフシーブ29b及びストローラック29cからなる粗選別部を構成し、揺動選別棚29の下側部には前側から後側に向けて下部グレンパン29d及び網体の下部グレンシーブ29eからなる精選別部を構成し、扱室11、排塵処理室14、第一処理室16及び第二処理室19から落下供給される脱穀処理物を受けて、後側に揺動移送しながら比重選別するように構成している。
【0018】
選別風路28の底部前側部に選別一番穀粒を受ける一番ラセン31a付きの一番受樋31を設け、底部後側部に選別二番物を受ける二番ラセン32a付きの二番受樋32を設け、また、選別風路28の後側終端部で且つ揺動選別棚29の終端側上方部位に横断流ファン33を配設し、揺動選別棚29で選別されながら後側に送られる軽い藁屑類、及び、排塵処理室14から排出される軽い藁屑類を機外に吸引排出するように構成している。
【0019】
また、一番受樋31に選別された穀粒は一番揚穀機(図示省略)により前記グレンタンク6に揚穀収納され、また、二番受樋32に選別された二番物は二番揚穀機35により揚穀されて第二処理室19の前後方向中途部に供給され、第二処理胴20の処理歯20b,…により脱穀処理され、第二処理室19の前側端部から揺動選別棚29の前側端部に供給される。
【0020】
前記構成によると、フィードチエン(図示省略)により穀稈が扱室11に供給されると、回転している扱胴12の扱歯12b,…と受網13により脱穀され、受網13から漏過した穀粒や小さな藁屑類は揺動選別棚29の前側部に落下し選別される。また、比較的大きな排塵物は扱室11の後側端部から連通口を通って排塵処理室14に送られ、排塵処理胴15の処理歯15b,…により脱穀処理されながら後側に送られ、後部の排出口から揺動選別棚29の後側部に落下し選別される。
【0021】
また、扱室11で脱穀処理中の一部の穀稈切れや藁屑類は受網13を通って第一処理室16に漏過し、第一処理胴17の処理歯17b,…により脱穀処理されながら前側に送られ、第二処理室19の前側部を経て揺動選別棚29の前側部に落下し選別される。
【0022】
また、排塵処理室14で脱穀処理中の被処理物一部は下方の第二処理室19の後部に漏過供給され、また、揺動選別棚29により選別された二番物は二番揚穀機35により第二処理室19の前後方向中途部に供給される。これら被処理物は第二処理胴20の処理歯20b,…により前側に送られながら脱穀処理され、第二処理室19の前側部から揺動選別棚29の前側部に落下供給され選別される。
【0023】
前記構成によると、扱室11の扱胴12、排塵処理室14の排塵処理胴15、第一処理室16の第一処理胴17及び第二処理室19の第二処理胴20の複数胴により被処理物を脱穀処理をするにあたり、扱室11の脱穀処理物を排塵処理室14及び第一処理室16に分散しながら脱穀処理し、また、排塵処理室14及び第一処理室16の被処理物を第二処理室19に分散しながら脱穀処理するので、小さな空間構成でありながら脱穀処理能力を高めることができる。また、揺動選別棚29には熟れた脱穀処理物を供給することができて大きな藁屑類の供給を抑制し、揺動選別棚29の選別能率を高めることができる。
【0024】
なお、第一処理胴17の処理歯17b及び第二処理胴20の処理歯20bを、例えば、小さな板体を多数離間させて不連続状態に構成すると、被処理物中の枝梗類を細断し脱穀処理を促進することができる。
【0025】
また、図2及び図3の実施形態において、第二処理室19における二番揚穀機35からの二番物還元位置よりも後側部の上手側を、無孔の底板21により構成し、二番揚穀機35からの二番物還元位置よりも前側部の底板21を、有孔の底板あるいは受網で構成してもよい。
【0026】
前記構成によると、第二処理室19の前側部では、二番揚穀機35で揚穀還元された二番物中の熟れたものを受網から漏過しながら円滑に脱穀処理することができ、また、受網からの漏過物を揺動選別棚29の前側部に落下供給し、揺動選別棚29の前後の供給量を均等化し選別精度を高めることができる。
【0027】
また、図2及び図3の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19の底板21を後部から前部までの全範囲にわたり無孔の底板で構成してもよい。
【0028】
前記構成によると、第一処理室16の被処理物を二番処理室19に漏過させながら脱穀処理することができて負荷が軽減し、また、第二処理室19の被処理物全量を揺動選別棚29の前側部に供給することができ、揺動選別棚29の前後の供給量のバランスが向上し、選別精度を高めることができる。
【0029】
また、図2及び図3の実施形態において、第一処理室16の底板16aを無孔の底板で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19の底板21を後部から前部までの全範囲にわたり無孔の底板で構成してもよい。
【0030】
前記構成によると、第一処理室16及び第二処理室19では被処理物の脱穀処理が促進され、揺動選別棚29の前部に熟れた脱穀処理物を供給することができて選別精度を高めることができる。
【0031】
また、図2及び図3の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19における二番揚穀機35からの二番物還元位置よりも後側の上手側の底板21を無孔の底板で構成し、前側部の下手側の底板21を有孔の底板あるいは受網により構成し、且つ、第一処理室16の受網16aの目合いを、第二処理室19の前側部の受網の目合いよりも大に構成してもよい。
【0032】
前記構成によると、第一処理室16と第二処理室19の前側部とでは、被処理物を大きさ順に二段階に脱穀処理することができて脱穀処理が円滑化し、また、揺動選別棚29の前後の供給量を均等化し選別精度を高めることができる。
【0033】
また、図2及び図3の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網により構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19における二番揚穀機35からの二番物還元位置よりも後側部の底板21を無孔の底板に構成し、前側部の底板21を有孔の底板あるいは受網に構成し、且つ、第一処理室16の底板16aの目合いを第二処理室19の前側部の底板21の目合いよりも大に構成し、第一処理胴17の処理歯17bの先端回転速度を第二処理胴20の処理歯20bの先端回転速度よりも速く構成してもよい。
【0034】
前記構成によると、第一処理室16と第二処理室19の前側部では、被処理物を大きさ順に二段階に脱穀処理することができて脱穀処理が円滑化し、また、第一処理胴17の処理歯17bの先端回転速度を第二処理胴20の処理歯20bの先端回転速度よりも速くすることで、枝梗の熟れがよくなり揺動選別棚29での選別精度が向上し、また、揺動選別棚29の前後の供給量を均等化し、選別精度を高めることができる。
【0035】
また、図2及び図3の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19における二番揚穀機35からの二番物還元位置よりも後側部の底板21を無孔の底板とし、前側部の底板21を有孔の底板あるいは受網で構成し、且つ、第一処理室16の底板16aの受網の目合いを第二処理室19の底板21の受網の目合いよりも大に構成し、第一処理胴17の処理歯17bの先端回転速度を第二処理胴20の処理歯20bの先端回転速度よりも遅くするように構成してもよい。
【0036】
前記構成によると、第一処理室16から第二処理室19の前側部への被処理物の漏過分散が促進して二段階の脱穀処理が円滑化し、また、第一処理胴17の処理歯17bの先端回転速度を第二処理胴20の処理歯20bの先端回転速度よりも遅くすることで、第一処理胴室16及び第二処理室19から枝梗の熟れた脱穀処理物を揺動選別棚29の前側部に供給することができて、揺動選別棚29での選別精度が向上し、また、揺動選別棚29の前後の供給量を均等化し、選別精度を高めることができる。
【0037】
また、図4及び図5に示すように構成してもよい。第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19の二番揚穀機35の還元位置よりも後側部の底板21を無孔の底板で構成し、第二処理室19の二番揚穀機35の還元位置よりも前側部の底板21を有孔の受網で構成する。そして、第一処理胴17の処理歯17b、及び、第二処理室19の二番揚穀機35の還元位置よりも前側部の二番処理胴20の処理歯20bを、多数の小さな板体を不連続に配列した構成とし、第二処理室19の二番揚穀機35の還元位置よりも後側部の二番処理胴20の処理歯20bを連続したラセン処理歯により構成する。
【0038】
前記構成によると、排塵処理室14か第二処理室19の後側部に落下した被処理物を脱ぷ米を少なくしながら脱穀処理して第二処理室19の前側部に送り、第二処理室19の前側部では二番揚穀機35で揚穀された二番物と混合しながら不連続の処理歯20bにより脱穀処理するので、脱ぷ米を少なくしながら脱穀処理することができ、また、揺動選別棚29の前部への供給を増やして前後の供給量を均等化し選別精度を高めることができる。
【0039】
また、図4及び図5の実施形態において、第二処理室19の後側部から前側部の全底板21を無孔の底板に構成してもよい。このように構成すると、排塵処理室14から第二処理室19の後側部に落下した被処理物は、第二処理胴20の後側部の連続したラセン処理歯20bと無孔の底板21により脱ぷ米を少なくしながら脱穀処理されながら前側部に送られ、第二処理室19の前側部では二番揚穀機35により揚穀された二番物と混合しながら不連続の処理歯20bにより脱穀処理されるので、脱ぷ米を少なくしながら脱穀処理することができる。
【0040】
また、図4及び図5の実施形態において、第二処理胴20の後側部の処理歯20aの先端回転速度を第一処理胴17の処理歯17bの先端回転速度よりも速く構成してもよい。前記構成によると、第二処理室19の後側部では、排塵処理室14から漏過した被処理物は第二処理胴20の後側部の連続したラセン処理歯20bと無孔の底板21により脱ぷ米を少なくしながら脱穀処理されながら前側部に送られ、第二処理室19の前側部では、二番揚穀機35により揚穀された二番物と混合しながら不連続の先端回転速度の速い処理歯20aにより脱穀処理されるので、脱ぷ米を少なくしながら枝梗の熟れを促進することができる。
【0041】
また、図6及び図7に示すように構成してもよい。第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19の前部部の底板21を有孔の底板により構成し、第二処理室19の後側部の底板21を無孔の底板により構成し、第二処理胴20の後側部から前側部の全処理歯20bを連続したラセン処理歯により構成する。
【0042】
前記構成によると、扱室11からの漏過物を第一処理室16から第二処理室19の前側部に迅速に漏過供給し、第二処理室19の前側部では、二番揚穀機35からの二番物及び第二処理室19の後側部からの脱ぷ米の少ない被処理物とを混合して連続したラセン処理歯20bにより脱穀処理するので、脱ぷ米を少なくし詰まりを少なくしながら脱穀処理することができる。
【0043】
また、図6及び図7の実施形態において、第二処理室19の前側部から後側部の全底板21を無孔の底板により構成してもよい。前記構成によると、扱室11からの漏過物を第一処理室16から第二処理室19の前側部に迅速に漏過供給し、第二処理室19の前側部では、二番揚穀機35からの二番物、及び、第二処理室19の後側部から脱ぷ米の少ない被処理物を混合しながら連続したラセン処理歯20bにより脱穀処理するので、脱ぷ米を少なく詰まりを回避しながら脱穀処理を促進させることができる。
【0044】
また、図6及び図7の実施形態において、第一処理胴17の処理歯17bの先端回転速度を第二処理胴20の処理歯20bの先端回転速度よりも速くするように構成してもよい。前記構成によると、第一処理室16では、扱室11からの漏過物を非連続の処理歯17bによりに枝梗の熟れを良くしながら第二処理室19の前側部に迅速に漏過供給することができる。
【0045】
また、図8及び図9に示すように構成してもよい。第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19の前側部の底板21を有孔の受網で構成し、第二処理室19cの後側部の底板21を無孔の底板により構成する。また、第一処理室16の第一処理胴17の処理歯17bを連続したラセン処理歯により構成し、排塵処理室14の排塵処理胴15の処理歯を多数の小さな板体を独立状に配置して非連続の処理歯に構成し、第二処理胴20の前側部の処理歯20bを多数の小さな板体を独立状に配置して非連続の処理歯に構成し、第二処理胴20の後側部の処理歯20bを連続したラセン処理歯で構成する。
【0046】
前記構成によると、扱室11からの漏過物を第一処理室16から第二処理室19の前側部に迅速に漏過供給し、第二処理室19の後側部から脱ぷ米の少ない被処理物を詰まりを回避しながら第二処理室19の前側部に円滑に移送し、第二処理室19の前側部では、二番揚穀機35からの二番物を混合しながら非連続の処理歯20bにより脱穀処理するので、脱ぷ米を少なくしながら脱穀処理を進めることができる。
【0047】
また、図8及び図9の実施形態において、第一処理室16の底板16aの受網の目合いを第二処理室19の前側部の底板20の受網の目合いよりも大きく構成してもよい。前記構成によると、扱室11から漏過した被処理物が第一処理室16と第二処理室19の後側部を経て段階的に揺動選別棚29に漏過し、脱穀処理を促進することができる。
【0048】
また、図8及び図9の実施形態において、第二処理胴20の後側部の非連続の処理歯20bの先端回転速度を第一処理胴17のラセン処理歯17bの先端回転速度よりも速く構成してもよい。前記構成によると、第二処理室19の前側部では、第一処理室16からの漏過被処理物と二番揚穀機35からの二番物を混合しながら速く回転する非連続の処理歯20bにより脱穀処理するので、脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理を促進することができる。
【0049】
また、図10及び図11のように構成してもよい。
第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19の前側部の底板21を有孔の受網で構成し、第二処理室19の後側部の底板21を無孔の底板により構成する。第一処理胴17の処理歯17bを連続したラセン処理歯により構成し、排塵処理胴15の処理歯17bを多数の小さな板体を独立状に配置した非連続な処理歯に構成し、第二処理胴20の後側部から前側部までの全ての処理歯20bを連続したラセン処理歯に構成する。
【0050】
前記構成によると、扱室11からの漏下物を第一処理室16から第二処理室19の前側部に迅速に漏過供給し、第二処理室19の後側部から脱ぷ米の少ない被処理物を第二処理室19の前側部に移送し、第二処理室19の前側部では、二番揚穀機35からの二番物を混合しながらラセン処理歯20bにより脱穀処理するので、脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理することができる。
【0051】
また、図10及び図11の実施形態において、第二処理室19の前側部から後側部までの全ての底板21を無孔の底板により構成してもよい。前記構成によると、扱室11からの漏下物を第一処理室16から第二処理室19の前側部に迅速に漏過供給し、第二処理室19の後側部から脱ぷ米の少ない被処理物を第二処理室19の前側部に円滑に移送し、第二処理室19の前側部では、二番揚穀機35からの二番物を混合しながらラセン処理歯21により脱穀処理するので、脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理をすることができる。
【0052】
更に、第二処理胴20のラセン処理歯20bの先端回転速度を第一処理胴17のラセン処理歯17bの先端回転速度よりも速く構成を附加してもよい。このように構成すると、扱室11からの漏過物を第一処理室16から第二処理室19の前側部に迅速に漏過供給し、第二処理室19の後側部から脱ぷ米の少ない被処理物を第二処理室19の前側部に円滑に移送することができ、第二処理室19の前側部では、二番揚穀機35からの二番物と混合しながらラセン処理歯20bにより脱穀処理するので、脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理をすることができ、種子用の脱穀装置として用いることもできる。
【0053】
また、図12及び図13に示すように構成してもよい。第一処理室16の底板16aを有孔の受網あるいは無孔の底板で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、第二処理室19を前部第二処理室19aと後部第二処理室19bとの分割構成し、前部第二処理室19aの底板21aを有孔の受網あるいは無孔の底板で構成し、後部第二処理室19cの底板21bを無孔の底板により構成している。また、第一処理胴17の処理歯17b、排塵処理胴15の処理歯15b、前部第二処理胴20aの前部処理歯20c及び後部第二処理胴20bの後部処理歯20dを、多数の小さな板体を独立させた非連続の処理歯に構成する。
【0054】
第一処理室16と排塵処理室14との間、及び、前部第二処理室19aと後部第二処理室19bとの間を中仕切り板37,37により仕切り、後部第二処理室19bの前側端部に後部還元口38を開口して、揺動選別棚29の中途部に脱穀処理物を供給可能に構成している。また、二番揚穀機35により二番物を前部第二処理胴19aに還元するように構成する。
【0055】
前記構成によると、複胴構成でありながら、扱室11からの漏過物は第一処理室16、前部第二処理室19aに供給され、非連続の処理歯17b,前部処理歯20cにより良好に細断処理され揺動選別棚29に供給される。また、扱室11からの排塵物は塵処理室14、後部第二処理室19bに供給され、非連続の処理歯15b及び後部処理歯20dにより細断処理されて揺動選別棚29の前後中間部に供給され選別される。従って、被処理物中の枝梗の脱穀処理能力を高め、藁屑類と穀粒との混合比率を少なくしながら揺動選別棚29の前後の供給量を均等化して選別能率を高め、小さな空間構成でありながら脱穀選別能力を高めることができる。
【0056】
また、図12及び図13の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19aの底板21a、及び、後部第二処理室19cの底板21bを無孔の底板により構成してもよい。
【0057】
前記構成によると、扱室11からの漏過物の枝梗を第一処理室16から前部第二処理室19aを漏過しながら良好に処理して揺動選別棚29に供給し、また、扱室11の排塵物中の枝梗を排塵処理室14、後部第二処理室19bを経ながら良好に処理して揺動選別棚29に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高め、また、揺動選別棚29の前部への供給を増やして前後の供給量を均等化し、穀粒の三番飛散を少なくしながら選別精度を高めることができる。
【0058】
また、図12及び図13の実施形態において、第一処理室16の底板16aを無孔の底板で構成し、前部第二処理室19aの底板21aを有孔の受網により構成してもよい。前記構成によると、扱室11からの漏過物を第一処理室16では非連続の処理歯17bにより長い脱穀処理の後揺動選別棚29に供給し、また、前部第二処理室19aでは二番物を非連続の前部処理歯20cにより細断処理しながら揺動選別棚29へ迅速に漏過し、脱穀処理能力を高めることができる。
【0059】
また、図12及び図13の実施形態において、第一処理室16の底板16aを無孔の底板により構成し、前部第二処理室19aの底板21aを無孔の底板により構成してもよい。前記構成によると、第一処理室16では、扱室11からの漏過物を非連続の処理歯17bにより長く脱穀処理して揺動選別棚29に供給し、また、前部第二処理室19aでは、二番物を非連続の前部処理歯20cにより長く細断処理し熟れた状態で揺動選別棚29に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高めることができる。
【0060】
また、図12及び図13の実施形態において、第一処理室16の底板16aの受網の目合いを前部第二処理室19aの底板21aの受網の目合いよりも大きく構成してもよい。前記構成によると、扱室11から漏過した枝梗を第一処理室16及び前部第二処理室19aにより段階的に処理することができ、枝梗の熟れを良くすることができる。
【0061】
また、図12及び図13の実施形態において、第一処理室16の底板16aの受網の目合いを前部第二処理室19aの底板19cの受網の目合いよりも大きく構成し、前部第二処理胴20aの処理歯20cの先端回転速度を第一処理胴17の処理歯17bの先端回転速度よりも遅く構成してもよい。
【0062】
前記構成によると、扱室11から漏過した枝梗を第一処理室16から前部第二処理室19aを順次漏過させて非連続の処理歯17b,20cにより脱穀処理するので枝梗の熟れが良くなり、第一処理室16及び前部第二処理室19aの詰まりを防止しながら脱穀処理能力を高めることができる。
【0063】
また、図12及び図13の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19aの底板21aを有孔の受網により構成し、第一処理室16の受網の目合いを前部第二処理室19aの受網の目合いよりも小さく構成してもよい。
【0064】
前記構成によると、第一処理室16では扱室11から漏過した枝梗の熟れを良くし、また、前部第二処理室19aでは第一処理室16から漏過した被処理物と二番物とを混合しながら脱穀処理して揺動選別棚29に円滑に漏過供給することができる。
【0065】
また、図12及び図13の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19aの底板21aを有孔の受網により構成し、第一処理室16の受網の目合いを前部第二処理室19aの受網の目合いよりも小さく構成し、第一処理室17の処理歯17bの先端回転速度を前部第二処理胴20aの処理歯20cの先端回転速度よりも遅く構成してもよい。
【0066】
前記構成によると、第一処理室16では扱室11から漏過した枝梗の脱穀処理を促進し、前部第二処理室19aでは、第一処理室16から漏過した枝梗と二番物を混合しながら脱穀処理をして詰まりを防止することができる。
【0067】
また、図14及び図15に示すように構成してもよい。
第一処理室16の底板16aを有孔の受網により構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19bの底板21a、及び、後部第二処理室19bの底板21bを無孔の底板で構成する。第一処理室16と排塵処理室14との間、及び、前部第二処理室19aと後部第二処理室19bとの間を、中仕切り板37,37により仕切り、後部第二処理室19bの前側端部に後部還元口38を開口して、揺動選別棚29の中途部に脱穀処理物を供給可能に構成し、二番揚穀機35により二番物を前部第二処理胴19aに還元するように構成する。
【0068】
また、第一処理胴17の処理歯17bを連続したラセン処理歯で構成し、排塵処理胴15の処理歯15bを多数の小さな板体を独立状に配設して非連続の処理歯で構成し、前部第二処理胴20aの処理歯20c及び後部第二処理胴20bの処理歯20dを非連続の処理歯により構成する。
【0069】
前記構成によると、第一処理室16では、扱室11からの藁屑類の少ない被処理物を第一処理胴17のラセン処理歯17bにより脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理して動選別棚29の前側部に供給し、また、排塵処理室14では扱室11の後部から排出された藁屑類の多い排塵物を排塵処理胴15の不連続の処理歯15bで脱穀処理して揺動選別棚19の後側部に供給し、後部第二処理室19bでは、排塵処理室14からの漏過物を後部第二処理胴20bの不連続の処理歯20dにより脱穀処理して揺動選別棚29の前後中間部に供給し、前部第二処理室19aでは、第一処理室16からの漏過物と二番物とを混合しながら非連続の処理歯20cにより良好に脱穀処理して揺動選別棚29の前側部に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高めることができる。また、揺動選別棚29の前後の供給量を均等化し、穀粒の三番飛散を少なくしながら選別精度を高めることができる。
【0070】
また、14及び図15の実施形態において、第一処理胴17のラセン処理歯17bの先端回転速度を前部第二処理胴20aの処理歯20cの先端回転速度よりも速くする構成を附加してもよい。前記構成によると、第一処理室16では扱室11からの藁屑類の少ない被処理物を第一処理胴17のラセン処理歯17bにより脱ぷ米を少なくしながら脱穀処理して動選別棚29の前側部に供給し、また、前部第二処理室19では第一処理室16からの漏過物と二番物を混合しながら不連続の独立した処理歯20cにより良好に脱穀処理して揺動選別棚29の前側部に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高めることができる。
【0071】
また、14及び図15の実施形態において、第一処理室16の底板16aを無孔の底板により構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19aの底板21a、及び、後部第二処理室19bの底板21bを無孔の底板で構成してもよい。
【0072】
前記構成によると、第一処理室16では、扱室11からの藁屑類の少ない被処理物を第一処理胴17のラセン処理歯17bにより脱ぷ米を少なくしながら脱穀処理して動選別棚29の前側部に供給し、また、前部第二処理室19では、第一処理室16からの漏過物と二番物を混合しながら前部第二処理胴20aの不連続の処理歯20cにより脱穀処理して揺動選別棚29の前側部に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高めることができる。
【0073】
また、14及び図15の実施形態において、第一処理室16の底板16aを無孔の底板により構成し、排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19aの底板21a、及び、後部第二処理室19bの底板21bを無孔の底板で構成し、第一処理胴17のラセン処理歯17bの先端回転速度を前部第二処理胴20aの処理歯20cの先端回転速度よりも速くする構成を附加してもよい。
【0074】
前記構成によると、第一処理室16では、扱室11からの藁屑類の少ない漏過物を第一処理胴17のラセン処理歯17bにより脱ぷ米を少なくしながら脱穀処理して動選別棚29の前側部に供給し、また、前部第二処理室19aでは、前部第二処理胴20aの不連続の処理歯20cにより二番物の枝梗を良好に処理して揺動選別棚29の前側部に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高めることができる。
【0075】
次に、図16及び図17の実施形態について説明する。
第一処理胴17内装の第一処理室16の底板16aを無孔の底板あるいは有孔の受網により構成し、排塵処理胴15内装の排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19aの底板21a、及び、後部第二処理室19bの底板21bを無孔の底板あるいは有孔の受網で構成する。
【0076】
また、第一処理室16と排塵処理室14との間、及び、前部第二処理室19aと後部第二処理室19bとの間を中仕切り板37,37により仕切り、後部第二処理室19bの前側端部に後部還元口38を開口して、揺動選別棚29の中途部に脱穀処理物を供給可能に構成し、また、二番揚穀機29により二番物を前部第二処理室19aに還元するように構成する。
【0077】
また、第一処理胴17の処理歯17bを多数の小さな板体を独立状に配置した不連続の処理歯に構成し、排塵処理室14の排塵処理胴15の処理歯15bを小さな板体を多数離間させた独立状に構成し、前部第二処理胴20aの処理歯20cを連続したラセン処理歯で構成し、後部第二処理胴20bの処理歯20dを多数の小さな板体を独立状に配置した不連続の処理歯に構成している。
【0078】
前記構成によると、第一処理室16では、扱室11から漏過した被処理物中の枝梗を第一処理胴17の不連続の処理歯17bにより良好に脱穀処理して動選別棚29の前側部に供給し、また、排塵処理室14では、扱室11の後部から排出された藁屑類の多い排塵物を排塵処理胴15の不連続の処理歯15bで細かく脱穀処理して揺動選別棚19の後側部に供給し、後部第二処理室19bでは、排塵処理室14から漏過した被処理物中の枝梗を後部第二処理胴20cの非連続の処理歯20dにより良好に脱穀処理して揺動選別棚29の中途部に供給し、また、前部第二処理室19aでは、二番物を前部第二処理胴20aのラセン処理歯20cにより脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理して揺動選別棚29の前側部に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高めることができる。また、揺動選別棚29の前後への供給量を均等化し、穀粒の三番飛散を少なくしながら選別精度を高めることができる。
【0079】
また、図16及び図17の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、前部第二処理室19aの底板21aを有孔の受網で構成すると、第一処理室16では被処理物の漏下を促進しながら枝梗の脱穀処理を促進し、前部第二処理室19aでは第一処理室16からの漏過物及び二番物を混合しながら脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理をし、脱穀処理物の漏過を促進しながら揺動選別棚29に供給することができる。
【0080】
また、図16及び図17の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、前部第二処理室19aの底板21aを無孔の底板で構成すると、第一処理室16では被処理物の漏過を促進しながら枝梗の脱穀処理を促進し、前部第二処理室19aでは第一処理室16からの漏過物及び二番物を混合しながら脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理をすることができる。
【0081】
また、図16及び図17の実施形態において、第一処理室16の受網16aの目合いを、前部第二処理室19aの受網21aの目合いよりも大きく構成すると、扱室11からの漏過物を第一処理室16と前部第二処理室19aで段階的に漏過しながら脱穀処理をするので、熟れがよくなり、また、前部第二処理室19aでは脱ぷ米の発生を抑制しながら二番物を脱穀処理することができる。
【0082】
また、図16及び図17の実施形態において、第一処理胴17の処理歯17bの先端回転速度を前部第二処理胴20aのラセン処理歯20cの先端回転速度よりも速くすると、第一処理室16で枝梗の熟れを良くし、前部第二処理室19aでは脱ぷ米の発生を抑制しながら二番物の脱穀処理をすることができる。
【0083】
次に、図18及び図19の実施形態について説明する。
第一処理胴17内装の第一処理室16の底板16aを無孔の底板あるいは有孔の受網により構成し、排塵処理胴15内装の排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19aの底板21a、及び、後部第二処理室19bの底板21bを無孔の底板あるいは有孔の受網で構成する。
【0084】
また、第一処理室16と排塵処理室14との間、及び、前部第二処理室19aと後部第二処理室19bとの間を中仕切り板37,37により仕切り、後部第二処理室19bの前側端部に後部還元口38を開口して、揺動選別棚29の中途部に脱穀処理物を供給可能に構成し、また、二番揚穀機29により二番物を前部第二処理室19aに還元するように構成する。
【0085】
また、第一処理胴17の処理歯17bを連続したラセン処理歯で構成し、排塵処理胴15の処理歯15bを小さな板体を多数離間させた独立状の非連続の処理歯に構成し、前部第二処理胴20aの処理歯20cを多数の小さな板体を独立状に配置した不連続の処理歯に構成し、後部第二処理胴20bの処理歯20dを連続したラセン処理歯に構成する。
【0086】
前記構成によると、第一処理室16では扱室11から漏過した被処理物を第一処理胴17の不連続の処理歯17bにより脱ぷ米の発生を抑制しながら良好に脱穀処理して動選別棚29の前側部に供給し、また、排塵処理室14では扱室11の後部から排出された藁屑類の多い排塵物を排塵処理胴15の不連続の処理歯15bで脱穀処理して揺動選別棚19の後側部に供給し、また、後部第二処理室19bでは排塵処理室14から漏過した被処理物を後部第二処理胴20cの連続したラセン処理歯20dにより脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理して揺動選別棚29の中途部に供給し、また、前部第二処理室19aでは第一処理室16から漏過した被処理物と二番物を後部第二処理胴20aの非連続の処理歯20cにより混合しながら枝梗の熟れを良くして揺動選別棚29の前側部に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高めることができる。また、揺動選別棚29の前後の供給量を均等化し、穀粒の三番飛散を少なくしながら選別精度を高めることができる。
【0087】
また、図18及び図19の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、前部第二処理室19aの底板21aを有孔の受網で構成すると、第一処理室16では被処理物の漏過を促進しながら脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理を促進し、また、前部第二処理室19aでは二番物の脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理することができる。
【0088】
また、図18及び図19の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、前部第二処理室19aの底板21aを無孔の底板で構成すると、第一処理室16では被処理物の漏過を促進し脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理を促進し、前部第二処理室19aでは二番物の枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理をすることができる。
【0089】
また、図18及び図19の実施形態において、第一処理室16の受網16aの目合いを、前部第二処理室19aの受網21aの目合いよりも小さく構成すると、第一処理室16では被処理物を脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理を促進し、前部第二処理室19aでは二番物の枝梗の処理を促進し詰まりを防止しながら脱穀処理することができる。
【0090】
また、図18及び図19の実施形態において、第一処理胴17の連続したラセン処理歯17bの先端回転速度を前部第二処理室20aの非連続の処理歯20cの先端回転速度よりも遅く構成すると、第一処理室16では被処理物の脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理し、前部第二処理室19aでは二番物の枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理をすることができる。
【0091】
また、図18及び図19の実施形態において、第一処理胴17の連続したラセン処理歯17bの先端回転速度を前部第二処理胴20aの非連続の処理歯20cの先端回転速度よりも速くすると、第一処理室16では被処理物を脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理を促進し、前部第二処理室19aでは二番物の枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理をすることができる。
【0092】
次に、図20及び図21の実施形態について説明する。
第一処理胴17内装の第一処理室16の底板16aを無孔の底板あるいは有孔の受網により構成し、排塵処理胴15内装の排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19aの底板21a、及び、後部第二処理室19bの底板21bを無孔の底板あるいは有孔の受網で構成する。
【0093】
また、第一処理室16と排塵処理室14との間、及び、前部第二処理室19aと後部第二処理室19bとの間を中仕切り板37,37により仕切り、後部第二処理室19bの前側端部に後部還元口38を開口して、揺動選別棚29の中途部に脱穀処理物を供給可能に構成し、また、二番揚穀機29により二番物を前部第二処理室19aに還元するように構成する。
【0094】
また、第一処理胴17の処理歯17bを多数の小さな板体を独立状に配置した非連続の処理歯に構成し、排塵処理胴15の処理歯15bを多数の小さな板体を独立状に配置した非連続の処理歯に構成し、前部第二処理胴20aの処理歯20c、及び、後部第二処理胴20bの処理歯20dを連続したラセン処理歯により構成する。
【0095】
前記構成によると、第一処理室16では扱室11から漏過物を第一処理胴17の不連続の処理歯17bにより枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理して動選別棚29の前側部に供給し、また、排塵処理室14では扱室11の後部から排出された藁屑類の多い排塵物を排塵処理胴15の不連続の処理歯15bで脱穀処理して揺動選別棚19の後側部に供給し、また、後部第二処理室19bでは排塵処理室14から漏過した被処理物を後部第二処理胴20cの連続したラセン処理歯20dにより脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理して揺動選別棚29の中途部に供給し、また、前部第二処理室19aでは第一処理室16から漏過した被処理物と二番物を連続した処理歯20cにより混合しながら脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理して揺動選別棚29の前側部に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高めることができる。また、揺動選別棚29の前後の供給量を均等化し、穀粒の三番飛散を少なくしながら選別精度を高めることができる。
【0096】
また、図20及び図21の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、前部第二処理室19aの底板21aを有孔の受網で構成し、後部第二処理室19bの底板21bを無孔の底板で構成すると、第一処理室16では被処理物の漏過促進を図り枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理をし、また、前部第二処理室19aでは二番物を脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理することができる。
【0097】
また、図20及び図21の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、前部第二処理室19aの底板21aを無孔の底板で構成すると、第一処理室16では被処理物の漏過を促進しながら枝梗の処理を促進し、前部第二処理室19aでは二番物の脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理することができる。
【0098】
また、図20及び図21の実施形態において、第一処理室16の受網16aの目合いを、前部第二処理室19aの受網21aの目合いよりも大きく構成すると、扱室11からの漏過物を第一処理室16と前部部第二処理室19aを経て段階的に脱穀処理できて熟れが良くなり、脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理することができる。
【0099】
また、図20及び図21の実施形態において、第一処理胴17の非連続の処理歯17bの先端回転速度を前部第二処理室20aの連続したラセン処理歯20cの先端回転速度よりも遅く構成すると、第一処理室16では被処理物を脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理し、前部第二処理室19aでは二番物を脱ぷ米の発生を少なくしながら熟れを良くすることができる。
【0100】
また、図20及び図21の実施形態において、第一処理胴17の非連続の処理歯の先端回転速度を前部第二処理室20aの連続したラセン処理歯20cの先端回転速度よりも速くすると、第一処理室16では枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理をし、前部第二処理室19aでは二番物を脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理することができる。
【0101】
次に、図22及び図23の実施形態について説明する。
第一処理胴17内装の第一処理室16の底板16aを無孔の底板あるいは有孔の受網により構成し、排塵処理胴15内装の排塵処理室14の底板14aを有孔の受網により構成し、前部第二処理室19aの底板21a、及び、後部第二処理室19bの底板21bを無孔の底板あるいは有孔の受網で構成する。
【0102】
また、第一処理室16と排塵処理室14との間、及び、前部第二処理室19aと後部第二処理室19bとの間を中仕切り板37,37により仕切り、後部第二処理室19bの前側端部に後部還元口38を開口して、揺動選別棚29の中途部に脱穀処理物を供給可能に構成し、二番揚穀機29により二番物を前部第二処理室19aに還元するように構成する。
【0103】
また、第一処理室16の第一処理胴17の処理歯17bを多数の小さな板体を独立状に配置した非連続の処理歯に構成し、排塵処理室14の排塵処理胴15の処理歯15bを多数の小さな板体を独立状に配設した非連続の処理歯に構成し、前部第二処理胴20aの処理歯20cを多数の小さな板体を独立状に配設した非連続の処理歯に構成し、後部第二処理胴20bの処理歯20dを連続したラセン処理歯により構成する。
【0104】
前記構成によると、第一処理室16では扱室11から漏過した被処理物を第一処理胴17の不連続な処理歯17bにより脱ぷ米の発生を抑制しながら良好に脱穀処理して動選別棚29の前側部に供給し、また、排塵処理室14では扱室11の後部から排出された藁屑類の多い排塵物を排塵処理胴15の不連続の処理歯15bで脱穀処理して揺動選別棚19の後側部に供給し、また、後部第二処理室19bでは排塵処理室14から漏過した被処理物を後部第二処理胴20cの連続したラセン処理歯20dにより脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理して揺動選別棚29の中途部に供給し、また、前部第二処理室19aでは第一処理室16から漏過した被処理物と二番物を前部第二処理胴20a非連続の処理歯20cにより混合しながら枝梗の脱穀処理を高めて揺動選別棚29の前側部に供給するので、脱穀処理能力及び選別能率を高めることができる。また、揺動選別棚29の前後の供給量を均等化し、穀粒の三番飛散を少なくしながら選別精度を高めることができる。
【0105】
また、図22及び図23の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、前部第二処理室19aの底板21aを有孔の受網で構成し、後部第二処理室19bの底板21bを無孔の底板で構成すると、第一処理室16では被処理物の漏下を促進しながら枝梗の熟れを良くし、また、前部第二処理室19aでは二番物を枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理することができる。
【0106】
また、図22及び図23の実施形態において、第一処理室16の底板16aを有孔の受網で構成し、前部第二処理室19aの底板21aを無孔の底板で構成すると、第一処理室16では被処理物の漏過を促進しながら枝梗の熟れを良くし、前部第二処理室19aでは二番物の枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理することができる。
【0107】
また、図22及び図23の実施形態において、第一処理室16の受網16aの目合いを、前部第二処理室19aの受網21aの目合いよりも大きく構成すると、扱室11から漏過した被処理物を第一処理室16と前部第二処理室19aで段階的に脱穀処理することができ、枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理することができる。
【0108】
また、図22及び図23の実施形態において、第一処理胴17の非連続の処理歯17bの先端回転速度を、前部第二処理室20aの非連続の処理歯20cの先端回転速度よりも遅く構成すると、第一処理室16では被処理物を脱ぷ米の発生を抑制しながら脱穀処理し、前部第二処理室19aでは二番物の枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理をすることができる。
【0109】
また、図22及び図23の実施形態において、第一処理胴17の非連続の処理歯17bの先端回転速度を、前部第二処理室20aの非連続の処理歯20cの先端回転速度よりも速くすると、第一処理室16では被処理物を枝梗の熟れを良くしながら脱穀処理をし、前部第二処理室19aでは二番物を枝梗の熟れを良くし脱ぷ米の発生を少なくしながら脱穀処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】脱穀部の断側面図
【図3】脱穀部の切断正面図
【図4】脱穀部の切断側面図
【図5】脱穀部の切断正面図
【図6】脱穀部の切断側面図
【図7】脱穀部の切断正面図
【図8】脱穀部の切断側面図
【図9】脱穀部の切断正面図
【図10】脱穀部の切断側面図
【図11】脱穀部の切断正面図
【図12】脱穀部の切断側面図
【図13】脱穀部の切断正面図
【図14】脱穀部の切断側面図
【図15】脱穀部の切断正面図
【図16】脱穀部の切断側面図
【図17】脱穀部の切断正面図
【図18】脱穀部の切断側面図
【図19】脱穀部の切断正面図
【図20】脱穀部の切断側面図
【図21】脱穀部の切断正面図
【図22】脱穀部の切断側面図
【図23】脱穀部の切断正面図
【符号の説明】
【0111】
1 コンバイン
2 走行車台
3 走行クローラ
5 脱穀部
11 扱室
12 扱胴
12b 扱歯
13 受網
14 排塵処理室
15 排塵処理胴
15b 処理歯
16 第一処理室
17 第一処理胴
17b 処理歯
19 第二処理室
20 第二処理胴
20b 処理歯
29 揺動選別棚
35 二番揚穀機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室(11)内には前後方向の軸回りに回転する扱歯(12b,…)付きの扱胴(12)を設け、前記扱室(11)の左右一側には前後方向の軸回りに回転し且つ前記扱室(11)からの漏過物を受け入れて脱穀処理する処理歯(17b,…)付き第一処理胴(17)の内装されている第一処理室(16)を設け、該第一処理室(16)の後方には前後方向の軸心回りに回転し且つ前記扱室(11)後部からの排塵物を受け入れて脱穀処理する処理歯(15b,…)付き排塵処理胴(15)の内装されている排塵処理室(14)を設け、前記第一処理室(16)及び排塵処理室(14)の下方には前後方向の軸心回りに回転し、前記第一処理室(16)及び排塵処理室(14)からの漏過物を受け入れて脱穀処理する処理歯(20b,…)付き第二処理胴(20)の内装されている第二処理室(19)を設け、前記扱室(11)、排塵処理室(14)及び第二処理室(19)の下方には揺動選別棚(29)を配設し、該揺動選別棚(29)で選別された二番物を前記第二処理室(19)に揚穀する二番揚穀機(35)を設けたことを特徴とする脱穀選別装置。
【請求項2】
前記第一処理胴(17)の処理歯(17b,…)及び第二処理胴(20)の処理歯(20b,…)を、多数の小さな板体を独立状に配置した不連続の処理歯により構成したことを特徴とする請求項1記載の脱穀選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−222076(P2007−222076A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46972(P2006−46972)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】