説明

膣内挿入具

【課題】 女性が排便する際、衛生的に、且つ安全に、直腸瘤による排便障害の負担を軽減することができる膣内挿入具を提供すること。
【解決手段】 本発明の膣内挿入具は、女性が排便する際、便が膣側に移動するのを防ぐために膣内に挿入する膣内挿入具であって、該膣内挿入具1は、膣A内に挿入される折曲自在の挿入具本体10と、挿入具本体10とに連結されるハンドル部20とを備える。また挿入具本体10とハンドル部20とは、連結具30を介して着脱自在に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性が排便する際、直腸瘤による排便障害の負担を軽減することができる膣内挿入具に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、女性が排便する際、図6の(a)に示すように、いきむと便aは肛門Cへと向かい排便される。しかしながら、いきんでも便が出ないひどい便秘の場合、(b)に示すように直腸Bに瘤ができ、その瘤が膣側に突出する、いわゆる直腸瘤bができてしまう。この直腸瘤bができるとさらにひどい便秘を誘引して重症化してしまうという問題が生じる。
【0003】
そのため、重症の直腸瘤が生じる女性においては、排便の際、膣内に指を挿入して便圧を押し返しながら排便しなければならない。しかし、排便の毎に膣内に指を挿入させるのは衛生面で問題が残るとともに、爪で膣内を傷付けてしまうという危険性も発生した。
【0004】
また、膣内に挿入することができる用具として、自分自身で使用することができ、尿失禁の予防または症状の緩和などに効果的な手動式の女性用マッサージ用具がある(例えば、特許文献1参照)。
上掲特許文献1の女性用マッサージ用具は、ハンドルと、このハンドルに設けられた、膣内に挿入可能なロッドを備えてなることを特徴とするものである。
【特許文献1】特開2003−88563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上掲特許文献1の女性用マッサージ用具は、尿失禁の予防または症状の緩和を主の目的とするものである。また、構造面においてもロッドの基部には放射状に形成された被把持部が複数形成されている。そのため、排便の際に使用するには被把持部が邪魔になるとともに、被把持部に便が付着して衛生的にも問題が生じた。
【0006】
そこで本発明は、上記した従来技術の問題点を解消し、女性が排便する際、衛生的に、且つ安全に、直腸瘤による排便障害の負担を軽減することができる膣内挿入具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の膣内挿入具は、女性が排便する際、便が膣側に移動するのを防ぐために膣内に挿入する膣内挿入具であって、該膣内挿入具は、膣内に挿入される折曲自在の挿入具本体と、挿入具本体とに連結されるハンドル部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また挿入具本体とハンドル部とは、連結具を介して着脱自在に連結されている。
【0009】
また前記膣内挿入具は、内部に収納されるフレキシブル体と、フレキシブル体の周囲に被覆される弾性部材とからなる。
【0010】
さらに、前記挿入具本体にカバー材を装着した。
【発明の効果】
【0011】
挿入具本体を折曲自在に形成することで、挿入具本体を任意の形状に調節することができ、膣内への挿入操作を容易に行うことができる。
【0012】
また、挿入具本体とハンドル部とを、連結具を介して着脱自在に連結したことで、収納や持ち運びにおける利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明における膣内挿入具の全体図である。
【図2】前記膣内挿入具の分解状態を示す斜視図である。
【図3】前記膣内挿入具の断面図である。
【図4】膣内挿入具にカバー材を装着した状態である。
【図5】本発明の膣内挿入具の使用状態を示す。
【図6】(a),(b)は直腸瘤の発生状態を示す。
【発明を実施するための最良の手段】
【0014】
以下、本発明における膣内挿入具の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の膣内挿入具は、女性が排便する際、便が膣側に移動するのを防ぐために膣内に挿入する膣内挿入具であって、衛生的に、且つ安全に、直腸瘤による排便障害の負担を軽減することを特徴とするものである。
【0015】
図示する膣内挿入具1は、膣内に挿入される折曲自在の挿入具本体10と、挿入具本体10に連結されるハンドル部20とを備えることを特徴とする。
【0016】
前記挿入具本体10の略中央部分はL字状に折曲されており、その先部分には、膣内に挿入する挿入部11が配置されている。特に挿入部11の長さは、使用する女性に応じて適宜変更することが可能であり、例えば5〜10cm位の長さを有する。また挿入具本体10の太さは、1〜3cmの径にて形成されている。
【0017】
また特に、前記挿入具本体10は任意の形状に折り曲げられるように折曲自在に形成されている。折曲自在に形成するために、前記挿入具本体10の内部には金属性のフレキシブル体12が収納されている。
【0018】
また、前記フレキシブル体12の周囲には弾性部材12が被覆されている。弾性部材13は、弾力性を有するとともに、挿入時に、膣内を傷付けることを解消するために、シリコンゴム等で形成することが好ましい。
【0019】
ハンドル部20は、前記挿入具本体10の基部に連結されている。前記ハンドル部20は、挿入具本体10と同様に、内部にフレキシブル体21が収納されている。さらに、フレキシブル体21の周囲にはシリコンゴム等で形成された弾性部材22が被覆されており、さらに、把持部にはハンドル被覆部23が被覆されている。なお、前記ハンドル部20は10〜15cm程度の長さが好ましい。
【0020】
また特に、前記挿入具本体10とハンドル部20とは、連結具30を介して着脱自在に連結されている。連結具30は、挿入具本体10または/もしくはハンドル部20の一方に設置された雄螺子31と、他方に形成された雌螺子32とからなる。前記挿入具本体10とハンドル部20とを、連結具30を介して着脱自在に連結したことで、収納や持ち運び時の利便性を高めることができる。
【0021】
また他の好適例として、図4に示すように、挿入具本体10にカバー材2(コンドーム等)を装着した。かかるカバー材2を挿入具本体10に装着することで、膣内を傷付けることなく、衛生的に、且つ安全に使用することができる。
【0022】
次に、図5において本発明の膣内挿入具の使用方法を説明する。
図5は、本発明の膣内挿入具1を膣Aの内部に挿入した状態である。挿入の際、膣内挿入具1は略L字状に形成されているため、容易に、且つ確実に膣A内に挿入部11を挿入させることができる。膣Aの内部に挿入部11を挿入すると、膣Aは挿入部11により形状が保持される。
【0023】
この状態で排便、特にひどい便秘の状態における排便を行う。排便を行うと、通常、硬状の便a´は膣Aの瘤内に送り込まれるが、膣Aの内部には挿入部11が配設されているため、便a,a´は正常に肛門Cから排出される。
【0024】
排便後、膣Aに挿入された挿入部11を抜き出す。この際、膣内挿入具1は略L字状に形成されているため、ハンドル部30を上方に軽く引き上げることで、梃子の原理で容易に抜き出すことができる。
【0025】
なお、挿入部11にカバー材2を装着することで、挿入をより容易に行うことができるとともに、より衛生的に使用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 膣内挿入具
2 カバー材
10 挿入具本体
11 挿入部
12 フレキシブル体
13 弾性部材
20 ハンドル部
21 フレキシブル体
22 弾性体
30 連結具
31 雄螺子
32 雌螺子
A 膣
a 便
a´ 硬状便
B 直腸
b 直腸瘤
C 肛門

【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性が排便する際、便が膣側に移動するのを防ぐために膣内に挿入する膣内挿入具であって、該膣内挿入具は、膣内に挿入される折曲自在の挿入具本体と、挿入具本体に連結されるハンドル部とを備えることを特徴とする膣内挿入具。
【請求項2】
挿入具本体とハンドル部とは、連結具を介して着脱自在に連結されている請求項1記載の膣内挿入具。
【請求項3】
前記膣内挿入具は、内部に収納されるフレキシブル体と、フレキシブル体の周囲に被覆される弾性部材とからなる請求項1または2記載の膣内挿入具。
【請求項4】
前記挿入具本体にカバー材を装着した請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の膣内挿入具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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