説明

自動ドア制御システム

【課題】不正侵入を確実に防止するとともに、不正侵入行為が試みられているときに警告や現場映像の録画などを適切に行うことが可能な自動ドア制御システムを提供する。
【解決手段】自動ドア5外側近傍の物体検出用の外側センサー11と、自動ドア内側近傍の物体検出用の内側センサー12と、自動ドア内側から離れた物体検出用のゾーンセンサー13と、ドア閉鎖検出スイッチ14と、信号処理・制御回路10とを備える。信号処理・制御回路10は、外側センサー11、内側センサー12、ゾーンセンサー13のいずれも物体を検出しておらず、ドア閉鎖検出スイッチ14が自動ドア5は閉鎖していると検出している「待機状態」から、最初に外側センサー11が物体を検出して次に内側センサー12も物体を検出した「第1状態」に移行して、その「第1状態」が第1所定時間以上継続した場合に警告信号S3を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアの開閉制御を行う自動ドア制御システムに関し、特に、建物内部への不法侵入を防止する自動ドア制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高層共同住宅など建物の入口において、自動ドアの屋内外で人体を検知する屋内センサーおよび屋外センサーを設け、屋外にセキュリティ用入力装置を設けた自動ドア開閉装置が知られている。昼間は屋内外センサーによる人体の検知により、自動ドアを開閉して、屋外および屋内からの自由な出入を可能とする。夜間には、屋内センサーによる人体の検知により屋内から屋外へ出ることは自由にできるものの、屋外から屋内へ入るのに制限を設けて、居住者など特定の者によるセキュリティ用入力装置への磁気カードの挿入やIDコードの入力により、特定の者のみが自動ドアを開けて屋内に入ることができるようにして、不法侵入を防止する。
【0003】
ところが、入室許可を受けていない部外者が、外部側から自動ドアの下部や周辺の隙間を通して長尺物や紙などを内部に挿入し、内部検知センサーをオンさせて自動ドアを開き、内部へ不正入室するおそれのあることがわかった。一般的な自動ドア装置の多くは、ガイド溝がある床面とドアの下框との間などに隙間があり、また、ドア周辺にゴムパッキンを備えるものは、そのゴムパッキンを弾性変形させることによって、隙間を作ることができる。このほか、床面にガイド溝がない特殊なタイプの自動ドア装置では、必然的にドアの下框と床面との間に隙間が生じる。
【0004】
そのような隙間を利用した不正入室を防止する方法としては、ドア周囲のすきまをなくすか、できるだけ小さくすることによって、物を内部に挿入できないようにすることが考えられる。しかし、それには、自動ドア設置時の工事をより厳密に行うことが必要となり、工事の費用を高くしたり、工事自体を難しくしたりするという難点がある。また、設置済みの自動ドアに後からこのような対策工事などを行うことは容易ではなかった。
【0005】
他の対策方法としては、自動ドアが閉じているときにドアに近い検知エリアを無効にする「自動ドアの開閉装置および不正入室防止方法」が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この「自動ドアの開閉装置」は、外部と内部とを仕切り、それ自体が開閉可能なドアと、そのドアを開閉作動するドア開閉手段と、前記ドアを通して外部から内部へ入るとき、入室する人以外の他からの入室許可信号に基づいて前記ドア開閉手段に前記ドアを開く信号を与える入室許可手段と、前記ドアに近接した内部に位置し、内部から外部へ出る人を検知し、前記ドア開閉手段に前記ドアを開く信号を与える内部検知センサーとを備え、前記内部検知センサーによる検知機能、あるいはその内部検知センサーの検知に基づき前記ドア開閉手段に前記ドアを開く信号を与える機能のいずれかを、前記ドアが閉じているときに無効とすることを特徴とするものである。
【0006】
また、建物内部の自動ドア近傍とドアから離れた位置に検知センサーを設け、それらの検出信号によって被検出物体が自動ドアに近づいていることが判別できる場合に自動ドアを開く「自動ドアの開閉装置」も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この「自動ドアの開閉装置」は、ドアの外部から内部へと入室する人が入室許可であるか否かを判定する入室許可判定手段と、前記ドアに近接した内部に位置し、内部から外部へと退室する人を検知する内部検知センサーと、その内部検知センサーよりも前記ドアから離れた内部側に位置し、前記ドアへ接近する人を検知する接近検知センサーとを備え、前記入室許可判定手段が人の入室を許可したとき、あるいは、前記接近検知センサーが前記ドアに接近する人を検知してから所定時間内に前記内部検知センサーが人を検知したとき、前記ドアを開くことを特徴とするものである。
【0007】
また、建物内部に複数の光センサーを設け、それらの検出信号によって被検出物体が自動ドアに近づいていることが判別できる場合に自動ドアを開く「自動ドアの開閉制御方法」も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この「自動ドアの開閉制御方法」は、自動ドアの室内側上部位置から床面に光を照射し、その床面での反射光レベルにより物体の有無を検出する複数の光センサーと、これら各光センサーの物体検出信号に基づいて上記自動ドアの開閉を制御する制御手段とを含み、上記各光センサーにより上記自動ドア近傍の室内側床面に上記自動ドアと平行に複数列の監視領域を形成し、上記制御手段は上記各光センサーから出力される物体検出信号の時系列が、被検出物体が上記自動ドアに近づく方向の順序である場合に、上記自動ドアに対して開信号を与えることを特徴とするものである。
【0008】
また、屋外センサーと、屋内センサーのドア近傍およびドア遠方エリアの検知状態に基づいて自動ドアの開閉を制御する「自動ドア開閉装置」も提案されている(例えば、特許文献4参照。)。この「自動ドア開閉装置」は、ドアの屋内と屋外に配置されて物体からの検知波を検知する屋内外のセンサーと、前記センサーの検知に基づいて、ドアの開閉を制御する開閉制御部とを備え、前記屋内センサーは、ドアに近いドア近傍検知エリアと、ドアから離れたドア遠方検知エリアとを有し、前記開閉制御部は、ドア閉時に前記屋外センサーが検知状態のときに、屋内センサーがそのドア近傍検知エリアで物体を検知したとき、ドア閉を維持する閉維持手段と、ドア閉時に前記屋外センサーが検知状態のときに、屋内センサーがそのドア遠方検知エリアで物体を検知したとき、ドアを開作動させる開作動手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
また、タイマ、室内センサーおよび室外センサーを設け、夜間に室内センサーおよび室外センサーに同時に物体を検知したときには自動ドアを開かせない「自動扉の制御装置」も提案されている(例えば、特許文献5参照。)。この「自動扉の制御装置」は、モータによって開閉駆動される自動扉の制御装置において、夜間において、上記自動扉の室内側および室外側に同時に物体を検知したとき、上記自動扉を開動させる開指令信号を上記モータに出力しないようにしたことを特徴とするものである。さらに、上記自動扉近傍の人物または物体を監視し、かつ録画媒体の残量が所定値以下になると警戒信号を出力するビデオカメラ装置および警報器を更に備え、上記制御部は、上記タイマからオフ信号が入力され、かつ上記室内センサーまたは室外センサーの少なくとも1つからオン信号が入力されるとき、録画を開始させる録画指令信号を上記ビデオカメラ装置に出力するとともに、上記タイマからオフ信号が入力され、かつ上記警戒信号または上記室外センサーからのオン信号が入力されたとき、上記警報器を動作させる警報指令信号を出力することを特徴としてもよいものである。
【特許文献1】特許第3682743号公報
【特許文献2】特開平11−324489号公報
【特許文献3】特開平11−311060号公報
【特許文献4】特開2003−293654号公報
【特許文献5】特許第3401390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述の特許文献1、特許文献2、特許文献3のような従来技術は、不正侵入の防止策としては有効であるものの、不正侵入行為自体を検出しているわけではないので、不正侵入行為が試みられているときに警告や現場映像の録画などを行うことはできない。上述の特許文献4のような従来技術では、不正侵入行為自体の検出も行えるものの、その検出に基づいて警告や現場映像の録画などを行うことについて開示や示唆はなされていない。また、上述の特許文献5のような従来技術では、警告や録画についての開示などがなされているものの、必ずしも適切なタイミングや録画方法ではない。
【0011】
従来技術のこのような課題に鑑み、本発明の目的は、不正侵入を確実に防止するとともに、不正侵入行為が試みられているときに警告や現場映像の録画などを適切に行うことが可能な自動ドア制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の自動ドア制御システムは、自動ドアの開閉を制御する自動ドア制御システムであって、前記自動ドアの第1面側において、前記自動ドア近傍の物体を検出するための第1検出エリアを形成する少なくとも1つの第1検出器と、前記自動ドアの前記第1面側とは反対側の第2面側において、前記自動ドア近傍の物体を検出するための第2検出エリアを形成する第2検出器と、前記自動ドアの前記第2面側において、前記自動ドアから離れた物体を検出するための第3検出エリアを前記第2検出エリアより遠くへ形成する少なくとも1つの第3検出器と、前記自動ドアが閉鎖しているか否かを検出するドア閉鎖検出器と、前記第1検出器、前記第2検出器、前記第3検出器、および前記ドア閉鎖検出器の検出結果が伝達されるとともに、前記自動ドアの開放を指示するドア開放信号と、外部機器に所定動作を行わせるための警告信号との出力が可能であって、前記第1検出器、前記第2検出器、前記第3検出器、および前記ドア閉鎖検出器の検出結果に基づいて前記ドア開放信号の出力の制御を行うとともに、前記第1検出器、前記第2検出器および前記第3検出器のいずれもが物体を検出しておらず、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していると検出している「待機状態」から、最初に前記第1検出器が物体を検出して次に前記第2検出器も物体を検出した「第1状態」に移行して、その「第1状態」が第1所定時間以上継続した場合に前記警告信号を出力する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
このような構成の自動ドア制御システムによれば、不正侵入行為が試みられていることを確実に検出して適切な自動ドア開閉制御を行うとともに、光や音による警告や現場映像の録画などを自動ドア開閉制御などとは独立して適切に行うことが可能となる。
【0014】
また、本発明の自動ドア制御システムおいて、前記制御手段は、前記「待機状態」から前記「第1状態」に移行して、その「第1状態」が前記第1所定時間以上継続した場合であっても、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していないことを検出しているときは、前記警告信号を出力しないことを特徴としてもよい。
【0015】
このような構成の自動ドア制御システムによれば、不正侵入行為が試みられているとは限らない場合にまで、誤って警告や録画が行われることを極力防止できる。
【0016】
また、本発明の自動ドア制御システムおいて、前記制御手段は、前記第1検出器および前記第2検出器の少なくともいずれか一方が物体を検出しなくなった場合か、または、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していないことを検出した場合に、前記警告信号の出力を停止することを特徴としてもよい。
【0017】
このような構成の自動ドア制御システムによれば、悪戯や不正侵入の試みが終わった可能性が高い場合に、警告や録画を自動的に停止できる。
【0018】
また、本発明の自動ドア制御システムおいて、前記制御手段は、前記「待機状態」から最初に前記第3検出器が物体を検出し、その検出から第2所定時間以内に前記第2検出器が物体を検出した場合に、前記ドア開放信号を出力することを特徴としてもよい。
【0019】
このような構成の自動ドア制御システムによれば、建物内の住人が自動ドアに接近していることを確実に検出して、自動ドアのスムーズな通過を可能にする。
【0020】
また、本発明の自動ドア制御システムおいて、前記制御手段は、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していないことを検出している場合は、前記第3検出器の検出結果に関わらず、前記第1検出器および前記第2検出器の検出結果に基づいて前記ドア開放信号の出力の制御を行うことを特徴としてもよい。
【0021】
また、本発明の自動ドア制御システムおいて、複数の開閉動作モードを選択可能な選択手段をさらに備えており、前記制御手段は、前記第1検出器が物体を検出しており、前記第2検出器および前記第3検出器は物体を検出しておらず、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していると検出している「第2状態」から、最初に前記第3検出器が物体を検出し、その検出から第2所定時間以内に前記第2検出器が物体を検出した場合であって前記選択手段が所定の開閉動作モードを選択しているときのみ、前記ドア開放信号を出力することを特徴としてもよい。
【0022】
このような構成の自動ドア制御システムによれば、設置場所、状況、住人の利便性などを考慮して、「退出優先」と「警戒優先」のいずれの制御方法とするかを簡単な操作で変更できるので、様々な用途に好適なものにできる。
【0023】
また、本発明の自動ドア制御システムおいて、前記第1検出エリアは、前記自動ドアの前記第1面側に人が隠れられるような死角を残さないように配置することが好ましい。また、前記第3検出エリアは、人が前記自動ドアに前記第2面側から接近する場合に、その人が前記第2検出エリア内に入る前には必ず前記第3検出エリアを通過するように配置することが好ましい。
【0024】
このような構成の自動ドア制御システムによれば、上記のような効果の達成をより確実なものにできる。
【0025】
また、本発明の自動ドア制御システムおいて、前記警告信号の出力に応じて所定動作を行う外部機器をさらに備えることを特徴としてもよい。ここで、前記外部機器が行う前記所定動作としては、例えば、光による警告、音による警告、または前記自動ドア周辺の映像録画などの少なくとも1つを含むものが挙げられる。
【0026】
このような構成の自動ドア制御システムによれば、不正侵入を試みようとしている者が警告されたことで侵入を断念したり、録画された映像は不正侵入を試みた者の捜査に有用であるなどの効果が期待でき、防犯効果が高まる。
【0027】
なお、例えば、建物に使用されるドアや窓などの建材については、所定の防犯侵入抵抗性試験において5分以上の抵抗を要したものが望ましいとされている。しかし、建物全体の総合的なセキュリティは、個々の建材の物理的な防犯性を高めるだけでは十分ではない。このような観点からも、上述した本発明の自動ドア制御システムは極めて有益である。
【発明の効果】
【0028】
本発明の自動ドア制御システムによれば、不正侵入行為が試みられていることを確実に検出して適切な自動ドア開閉制御を行うとともに、光や音による警告や現場映像の録画などを自動ドア開閉制御などとは独立して適切に行うことが可能となる。また、建物内の住人が自動ドアに接近していることを確実に検出して、自動ドアのスムーズな通過を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0030】
<自動ドア制御システム1の構成および設置状況>
図1は、本発明の一実施形態に係る自動ドア制御システム1のブロック図である。図2は、この自動ドア制御システム1の設置状態を側面から見た場合の概略説明図である。図3は、この自動ドア制御システム1の実際の設置状況例を上方から見た場合の概略説明図である。
【0031】
図1に示すように、自動ドア制御システム1は、例えば、スライド式ドアなどを開閉するモータなどのドアエンジン2を駆動するドアエンジンコントローラ3に対して、ドア開放開始を指令する開放指示出力信号S1(ドアエンジンコントローラ3の起動入力に対応)と、ドア開放状態の維持を指令する開放状態維持出力信号S2(ドアエンジンコントローラ3の補助入力に対応)とを出力することによって自動ドアの開閉制御を行う機能を有しており、この点では市販されている自動ドア用センサーなどとの互換性を有している。
【0032】
この自動ドア制御システム1は、自動ドア5の外側においてこの自動ドア5近傍の物体を検出するための外側センサーエリアA11を形成する外側センサー11と、自動ドア5の内側においてこの自動ドア5近傍の物体を検出するための内側センサーエリアA12を形成する内側センサー12と、自動ドア5の内側においてこの自動ドア5から離れた物体を検出するためのゾーンセンサーエリアA13を内側センサーエリアA12より遠くへ形成するゾーンセンサー13と、自動ドア5が完全に閉鎖しているか否かを検出するドア閉鎖検出スイッチ14と、自動ドア制御システム1の各種設定などを必要に応じて行うための設定スイッチ15と、これらの制御などを行う信号処理・制御回路10とを備えている。
【0033】
ここで、外側センサー11および内側センサー12としては、例えば、近赤外線を投光する投光素子と、この投光素子から投光され物体によって反射された近赤外線を受光する受光素子と、光学系などを有することにより物体を検出するような既存のAIR方式検出器(できれば静止体検出機能付きのもの)を用いればよい。
【0034】
ゾーンセンサー13としては、例えば、近赤外線を受光する受光素子と、光学系などを有することにより周囲との温度差から物体を検出するような既存のPIR方式検出器を用いればよい。
【0035】
ドア閉鎖検出スイッチ14としては、例えば、"マグネットスイッチ"などが挙げられる。これを自動ドア5が完全に閉鎖した状態と"それ以外の状態"とで導通状態が切り替わるように自動ドア5の"端部"などに取り付けることにより、自動ドア5が閉鎖しているか否かを検出することができる。ただし、マグネットスイッチに限られるわけではなく、他のタイプのスイッチでもよいし、あるいは自動ドア5の開閉途中の位置をも検出可能なエンコーダなどを設置するとともに、このエンコーダの検出結果に基づいて自動ドア5が閉鎖しているか否かを検出するようにしてもよい。
【0036】
設定スイッチ15としては、例えば、複数項目の設定などの切り換えを行うためのディップスイッチやジャンパスイッチなどが挙げられるが、これらに限られるわけではない。例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶手段と、これに対して外部からアクセスして記憶内容を書換可能にするためのインターフェイスなどで構成してもよい。
【0037】
信号処理・制御回路10は、外側センサー11、内側センサー12およびゾーンセンサー13のそれぞれの動作を制御するとともに、これらの検出器の受光出力結果と、ドア閉鎖検出スイッチ14の検出結果と、設定スイッチ15による設定状態などに基づいて、ドアエンジンコントローラ3に対する開放指示出力信号S1および開放状態維持出力信号S2のそれぞれの状態をONまたはOFFに切り換える。さらに、建物内部への不法侵入が試みられている可能性が高いと判断されることを示す警告出力信号S3の状態をONまたはOFFに切り換える。ただし、これらの出力信号の仕様は、ONとOFFとの状態切り換えによるものに限るわけではなく、例えば、一定時間幅のON信号を出力するようにしてもよいが、当然ながら、出力先のインターフェイス仕様に整合させておく必要がある。
【0038】
なお、開放指示出力信号S1、開放状態維持出力信号S2および警告出力信号S3の出力制御などの詳細については後述する。
【0039】
ドアエンジンコントローラ3は、信号処理・制御回路10から出力される開放指示出力信号S1および開放状態維持出力信号S2に応じてドアエンジン2を駆動する。具体的には、信号処理・制御回路10からの開放指示出力信号S1がONに切り換わると自動ドア5が開くようにドアエンジン2を駆動するとともに、信号処理・制御回路10からの開放状態維持出力信号S2がONの間は自動ドア5が開いている状態を維持する。そして、信号処理・制御回路10からの開放状態維持出力信号S2がOFFに切り換わるとドアが閉じるようにドアエンジン2を駆動する。
【0040】
自動ドア制御システム1からの警告出力信号S3には、この警告出力信号S3に応じて所定動作を行う外部機器17が接続される。
【0041】
この外部機器17としては、例えば、光の点滅によって警告を行う赤色灯、ブザーや人工音声などを大音量で発生することによって警告を行う音声機器、自動ドア5の周辺の映像を録画するビデオ機器などが挙げられるが、これらに限るわけではない。
【0042】
また、複数の異なる外部機器17を組み合わせて使用してもよく、例えば、警告と録画を同時に行うようにしてもよい。また、録画については、自動ドア5の周辺の映像を常時録画しながら所定時間分を大容量メモリ上などに一時記憶させておき、警告出力信号S3が出力されたときに大容量メモリ上に一時記憶されていた録画映像も併せてハードディスクなどに保存するようにすれば、不審者などが接近してくる状況なども把握できるようになる。
【0043】
また、自動ドア5の外側から手動操作によって自動ドア5を開く場合の操作などを行う手動操作盤16がさらに備えられており、この手動操作盤16からの起動出力もドアエンジンコントローラ3の起動入力に接続されている。これにより、信号処理・制御回路10からの開放指示出力信号S1がOFFの場合であっても、この自動ドア5が設置されている建物の正規の住人は、その住人のみに知らされている所定操作によって自動ドア5を開いて建物内に入ることができる。
【0044】
この手動操作盤16としては、例えば、暗証番号を手動入力するためのテンキー装置などが挙げられるが、これに限られるわけではなく、例えば、磁気カードやICカード用のカードリーダー装置や、指紋や網膜などの生体認証を用いて正規の住人か否かの識別を行える装置などであってもよい。
【0045】
なお、自動ドア制御システム1からの出力については、ドアエンジンコントローラ3の起動入力に対応するものを「起動出力」と、ドアエンジンコントローラ3の補助入力に対応するものを「併用出力」とそれぞれ言うことがある。この場合の「起動出力」と開放指示出力信号S1との関係や、「併用出力」と開放状態維持出力信号S2との関係は、必ずしも図1に示したように一対一に限るわけではない。
【0046】
例えば、ドアエンジンコントローラの機種によっては起動入力のみを有して補助入力を有さないものもあるが、そのようなときには、開放指示出力信号および開放状態維持出力信号の論理和に相当する出力を、自動ドア制御システム1からの「起動出力」として出力して、これをそのドアエンジンコントローラの起動入力に接続するようにしてもよい。
【0047】
なお、このような論理和出力を得るには、例えば、信号処理・制御回路10の外部に簡単な論理回路やインターフェイスなどを設けてもよいし、信号処理・制御回路10の制御の中で行うようにしてもよい。
【0048】
また、このような論理和出力を得るようにするか、図1に示したような一対一の関係で出力するかを、例えば、設定スイッチ15によって切り換えられるようにしてもよい。これにより、自動ドア制御システム1からの出力を、容易な操作で実際のドアエンジンコントローラの機種に応じた適切なものに変更することが可能となる。
【0049】
図2に示すように、自動ドア制御システム1の外側センサー11は、天井7から下方に突出して自動ドア5の上端部を支持する無目4の外側側面にやや斜め下方(自動ドア5から離れる方向)に向けて設置されており、自動ドア5外側近傍の床面8に向けて外側センサーエリアA11が形成されることによって、自動ドア5のすぐ外側にいる人などの検出を可能としている。
【0050】
内側センサー12は、無目4の内側側面にやや斜め下方(自動ドア5から離れる方向)に向けて設置されており、自動ドア5内側近傍の床面8に向けて内側センサーエリアA12が形成されることによって、自動ドア5のすぐ内側にいる人などの検出を可能としている。
【0051】
ゾーンセンサー13は、自動ドア5内側の天井7で内側センサー12からやや離れた位置に鉛直下方に向けて設置されており、自動ドア5内側の離れたところの床面8に向けてゾーンセンサーエリアA13が形成されることによって、自動ドア5内側の離れたところにいる人などの検出を可能としている。
【0052】
なお、ドアエンジン2およびドアエンジンコントローラ3(これらは図2には不図示)は、無目4の内部に組み込まれている。
【0053】
これらの外側センサーエリアA11、内側センサーエリアA12およびゾーンセンサーエリアA13の床面8における位置関係は、上方から見ると、図3に示すようになる。
【0054】
すなわち、外側センサーエリアA11は自動ドア5の外側のエントランス20とほぼ同じ幅(自動ドア5の開閉方向の幅)の矩形領域であり、内側センサーエリアA12は自動ドア5の内側空間とほぼ同じ幅の矩形領域である。ゾーンセンサーエリアA13は内側センサーエリアA12に隣接するほぼ同じ幅の矩形領域である。
【0055】
これらのセンサーエリアは、例えば、上述の特許文献3に記載されている公知の技術を用いて、その内部の複数の小検知エリアから構成されるようにしてもよい。
【0056】
また、各センサーエリアについて、相当広い面積をカバーしなければならなかったり、複雑な形状が求められたりする場合には、必要に応じて複数のセンサーを組み合わせて設置することが好ましい。特に、外側センサーエリアA11については、自動ドア5の外側に人が隠れられるような死角を極力残さないように配置すべきである。
【0057】
ゾーンセンサーエリアA13については、自動ドア5に建物内の住人が接近する場合に、その住人が内側センサーエリアA12内に入る前には必ずゾーンセンサーエリアA13を通過するように配置する必要がある。すなわち、建物内の住人の動線をすべて考慮した上で、適切な位置にゾーンセンサーエリアA13が形成されるようにゾーンセンサー13を設置する。
【0058】
図3に示した設置状況例では、エレベータ21から降りてからエレベータホール22を経由して自動ドア5を通過する住人も、階段23から降りてきて自動ドア5に向かう住人も、いずれも必ずゾーンセンサーエリアA13を通過することになるので特に問題は生じない。しかし、複数の動線の位置関係によっては1つのゾーンセンサー13では完全にカバーしきれないことも考えられるので、そのような場合には2つ以上のゾーンセンサー13を設置し、それらのゾーンセンサーエリアA13を組み合わせて対応することが好ましい。
【0059】
<自動ドア制御システム1の主要動作>
以下では自動ドア制御システム1の主要動作について説明するが、それらの動作は信号処理・制御回路10に組み込まれた制御プログラムなどで実現されている。
【0060】
なお、外側センサー11、内側センサー12およびゾーンセンサー13のいずれもが人などの物体を検出しておらず、かつ、ドア閉鎖検出スイッチ14が自動ドア5は完全に閉鎖していることを検出している状態を以下では「待機状態」と記すこととする。
【0061】
図4は、自動ドア5へ住人6が建物内側から接近する場合の説明図である。
【0062】
住人6が接近してくる前は、通常、信号処理・制御回路10は「待機状態」にあると考えられる。住人6が接近してきてゾーンセンサーエリアA13内に入ると、最初にゾーンセンサー13がその住人6を検出する。その住人6がそのまま移動を続けると、やがてゾーンセンサーエリアA13を抜け、次に内側センサーエリアA12内に入るので、内側センサー12がその住人6を検出する。
【0063】
このような場合は、住人6が建物内側から自動ドア5へ接近している可能性が高いと判断できるので、自動ドア5を開くための制御として開放指示出力信号S1をONに切り換えるとともに、開放状態維持出力信号S2もONに切り換える。
【0064】
ただし、最初にゾーンセンサー13が住人6を検出した後、長時間経過しても内側センサー12が何も検出しない場合は、住人6が建物内側から自動ドア5へ接近しているとは必ずしも判断できないため、自動ドア5を開かないようにすることとし、開放指示出力信号S1はOFFを維持する。
【0065】
長時間経過したか否かの判定のための閾値としての時間設定は、この自動ドア制御システム1が実際に設置されている状況、例えば、内側センサーエリアA12とゾーンセンサーエリアA13の距離間隔や、住人6の平均的な歩行速度などに応じて適切に定めることが好ましい。例えば、内側センサーエリアA12とゾーンセンサーエリアA13の距離間隔が大きい場合や、病院や老人ホームのように平均的な歩行速度が通常よりも遅いと考えられる場合などは、時間設定を長めにすればよい。また、複数の時間設定を予め選択可能にしておき(例えば、5秒、10秒、20秒、30秒)、設定スイッチ15でそのいずれを選択するかを設定できるようにしてもよい。
【0066】
また、ドア閉鎖検出スイッチ14によって自動ドア5が完全に閉鎖していないことが検出されている間は、住人6が複数であってもその通行を妨げることなどがないように、外側センサー11および内側センサー12のいずれか一方でも物体を検出していれば開放状態維持出力信号S2をONとして、自動ドア5が閉じ始めることがないようにする。
【0067】
なお、このときにゾーンセンサー13による検出結果は考慮しなくてよい。また、開放状態維持出力信号S2のONに連動して開放指示出力信号S1もONに切り換えるようにしてもよい。
【0068】
図5は、自動ドア5へ侵入者30が建物外部から接近し、自動ドア5周囲の隙間などから薄い紙31などを差し込んでいる場合の説明図である。
【0069】
侵入者30が接近してくる前は、通常、信号処理・制御回路10は「待機状態」にあると考えられる。侵入者30が接近してきて外側センサーエリアA11内に入ると、最初に外側センサー11がその侵入者30を検出する。そして、その侵入者30が自動ドア5周囲の隙間などから薄い紙31などを差し込み、その紙31の先端などが内側センサーエリアA12内に入ると、内側センサー12がその紙31を検出することになる。
【0070】
このような場合は、侵入者30が建物外部から自動ドア5へ接近して悪戯や不正侵入を試みている可能性が高いと判断できるので、自動ドア5が閉じている状態をそのまま維持する(開放指示出力信号S1はOFFのままとする)。それとともに、外部機器17によって警告を行ったり、自動ドア5周辺の映像を録画したりするための制御として、警告出力信号S3をONに切り換える。
【0071】
ただし、例えば、自動ドア5の外側と内側に別々の住人6などがいて、偶然、最初に外側センサー11が外側にいる住人6を検出し、次に内側センサー12が内側にいる別の住人6を検出するような場合もあり得る。
【0072】
そこで、このような場合などに誤った判断を行わないように、「待機状態」から最初に外側センサー11が物体を検出し、次に内側センサー12も物体を検出した状態(このような状態遷移を経てきた状態を以下では「第1状態」と記す。)に移行した場合であって、この「第1状態」が第1所定時間(以下では「悪戯確定時間」と記す。)以上継続したときに限って、悪戯や不正侵入が試みられている可能性が高いと判断するようにする。
【0073】
この悪戯確定時間の時間設定は、自動ドア制御システム1が実際に設置されている場所や状況などに応じて適切に定めることが好ましい。また、複数の時間設定を予め選択可能にしておき(例えば、1秒、5秒、10秒、20秒)、設定スイッチ15でそのいずれを選択するかを設定できるようにしてもよい。
【0074】
なお、ドア閉鎖検出スイッチ14によって自動ドア5が完全に閉鎖していないことが検出されている場合には、複数の住人6の通行などに伴って、最初に外側センサー11が物体を検出し、次に内側センサー12も物体を検出して、その状態が上記悪戯確定時間以上継続することも十分起こり得るので、外部機器17によって警告や自動ドア5周辺の映像を録画するような制御は行わない(警告出力信号S3はOFFを維持する)。
【0075】
また、「待機状態」から「第1状態」に移行し、その「第1状態」が上記悪戯確定時間以上継続継続したことにより、警告出力信号S3をONに切り換えて、外部機器17によって警告や自動ドア5周辺の映像を録画させている場合であっても、悪戯や不正侵入の試みが終わった可能性が高いか、または悪戯や不正侵入とは限らないと判断されるようになったときには、警告出力信号S3をOFFに切り換えて、警告や録画などは中止する。具体的には、「第1状態」から、外側センサー11および内側センサー12の少なくともいずれか一方が侵入者30などの物体を検出しなくなった場合か、または、ドア閉鎖検出スイッチ14によって自動ドア5が完全に閉鎖していないことが検出された場合などである。
【0076】
図6は、自動ドア5のすぐ外側に住人6(または侵入者30)がいて、その自動ドア5へ住人6が建物内側から接近する場合の説明図である。
【0077】
住人6が建物内側から接近してくる前、すでに外側センサー11が何らかの物体を検出しているが、内側センサー12およびゾーンセンサー13はいずれも人などの物体を検出しておらず、ドア閉鎖検出スイッチ14が自動ドア5は完全に閉鎖していることを検出している状態(このような状態遷移を経てきた状態を以下では「第2状態」と記す。)とする。なお、外側センサー11が検出している物体が住人6なのか侵入者30なのかは不明である。
【0078】
このような「第2状態」において、住人6が建物内側から接近してきて、その住人6がゾーンセンサーエリアA13内に入ると、最初にゾーンセンサー13がその住人6を検出する。その住人6がそのまま移動を続けると、やがてゾーンセンサーエリアA13を抜け、次に内側センサーエリアA12内に入るので、内側センサー12がその住人6を検出する。
【0079】
このような場合は、住人6が建物内側から自動ドア5へ接近している可能性が高いと判断できる。
【0080】
自動ドア5のすぐ外側にいるのがその建物の住人6であれば、図4に示した場合と同様に、自動ドア5を開くような制御(開放指示出力信号S1をONする)を行っても特に問題はない。しかしながら、自動ドア5のすぐ外側にいるのが侵入者30であれば、自動ドア5を開くことによって侵入者30と住人6とが鉢合わせするような状況が生じてその住人6に危険が及ぶおそれがあるし、あるいは住人6が通過した後にその侵入者30が開いた自動ドア5から建物内に侵入することも想定される。
【0081】
一方、外側センサー11が何らかの物体を検出している場合に、それが侵入者30である可能性が完全には否定できないとして、自動ドア5を開かないような制御(開放指示出力信号S1のOFFを維持する)を行うようにすると、自動ドア5のすぐ外側にたまたま別の住人6が立ち止まっていれば、自動ドア5が開かないため、建物内部から住人6が出られなくなることも考えられる。また、その住人6が自動ドア5は当然開くだろうと考えてそのまま進んだとき、閉じたままの自動ドア5にぶつかったりするおそれもある。
【0082】
このような場合の自動ドア5の制御方法の違いは、言わば、住人6の建物内部からの退出時の利便性を優先するか(退出優先)、住人6の安全や侵入者30への警戒をあくまでも優先するか(警戒優先)のどちらを選択するかということであり、いずれか一方が常に優れた方法であるとは言い切れない。
【0083】
そこで、自動ドア制御システム1の設置場所、状況、住人6の利便性などを考慮していずれの制御方法でも任意に選択できるように、設定スイッチ15の設定に応じて制御方法を異ならせるようにしておく。
【0084】
つまり、上述したように、住人6が建物内側から自動ドア5へ接近している可能性が高いと判断された場合に、設定スイッチ15の設定を確認するようにして、その設定が「退出優先」であるときのみ、自動ドア5を開くような制御(開放指示出力信号S1をONする)を行う。したがって、設定スイッチ15の設定が「警戒優先」となっているときは、自動ドア5が閉じている状態をそのまま維持する(開放指示出力信号S1はOFFのままとする) 以上で説明した実施形態の構成によれば、不正侵入を確実に防止するとともに、不正侵入行為が試みられているときには、警告や現場映像の録画などを適切なタイミングと方法とで行うことができる。さらに、設置場所、状況、住人の利便性などを考慮して、「退出優先」と「警戒優先」のいずれの制御方法とするかを簡単な操作で変更できるので、様々な用途に好適である。
【0085】
なお、本発明は、その主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動ドア制御システム1のブロック図である。
【図2】図1の自動ドア制御システム1の設置状態を側面から見た場合の概略説明図である。
【図3】図1の自動ドア制御システム1の実際の設置状況例を上方から見た場合の概略説明図である。
【図4】自動ドア5へ住人6が建物内側から接近する場合の説明図である。
【図5】自動ドア5へ侵入者30が建物外部から接近し、自動ドア5周囲の隙間などから薄い紙31などを差し込んでいる場合の説明図である。
【図6】自動ドア5のすぐ外側に住人6(または侵入者30)がいて、その自動ドア5へ住人6が建物内側から接近する場合の説明図である。
【符号の説明】
【0087】
1 自動ドア制御システム
2 ドアエンジン
3 ドアエンジンコントローラ
4 無目
5 自動ドア
6 住人
7 天井
8 床面
10 信号処理・制御回路
11 外側センサー
A11 外側センサーエリア
12 内側センサー
A12 内側センサーエリア
13 ゾーンセンサー
A13 ゾーンセンサーエリア
14 ドア閉鎖検出スイッチ
15 設定スイッチ
16 手動操作盤
17 外部機器
20 エントランス
21 エレベータ
22 エレベータホール
23 階段
30 侵入者
31 紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ドアの開閉を制御する自動ドア制御システムであって、
前記自動ドアの第1面側において、前記自動ドア近傍の物体を検出するための第1検出エリアを形成する少なくとも1つの第1検出器と、
前記自動ドアの前記第1面側とは反対側の第2面側において、前記自動ドア近傍の物体を検出するための第2検出エリアを形成する第2検出器と、
前記自動ドアの前記第2面側において、前記自動ドアから離れた物体を検出するための第3検出エリアを前記第2検出エリアより遠くへ形成する少なくとも1つの第3検出器と、
前記自動ドアが閉鎖しているか否かを検出するドア閉鎖検出器と、
前記第1検出器、前記第2検出器、前記第3検出器、および前記ドア閉鎖検出器の検出結果が伝達されるとともに、前記自動ドアの開放を指示するドア開放信号と、外部機器に所定動作を行わせるための警告信号との出力が可能であって、前記第1検出器、前記第2検出器、前記第3検出器、および前記ドア閉鎖検出器の検出結果に基づいて前記ドア開放信号の出力の制御を行うとともに、前記第1検出器、前記第2検出器および前記第3検出器のいずれもが物体を検出しておらず、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していると検出している「待機状態」から、最初に前記第1検出器が物体を検出して次に前記第2検出器も物体を検出した「第1状態」に移行して、その「第1状態」が第1所定時間以上継続した場合に前記警告信号を出力する制御手段と
を備えることを特徴とする自動ドア制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の自動ドア制御システムにおいて、
前記制御手段は、前記「待機状態」から前記「第1状態」に移行して、その「第1状態」が前記第1所定時間以上継続した場合であっても、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していないことを検出しているときは、前記警告信号を出力しないことを特徴とする自動ドア制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の自動ドア制御システムにおいて、
前記制御手段は、前記第1検出器および前記第2検出器の少なくともいずれか一方が物体を検出しなくなった場合か、または、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していないことを検出した場合に、前記警告信号の出力を停止することを特徴とする自動ドア制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の自動ドア制御システムにおいて、
前記制御手段は、前記「待機状態」から最初に前記第3検出器が物体を検出し、その検出から第2所定時間以内に前記第2検出器が物体を検出した場合に、前記ドア開放信号を出力することを特徴とする自動ドア制御システム。
【請求項5】
請求項1に記載の自動ドア制御システムにおいて、
前記制御手段は、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していないことを検出している場合は、前記第3検出器の検出結果に関わらず、前記第1検出器および前記第2検出器の検出結果に基づいて前記ドア開放信号の出力の制御を行うことを特徴とする自動ドア制御システム。
【請求項6】
請求項1に記載の自動ドア制御システムにおいて、
複数の開閉動作モードを選択可能な選択手段をさらに備えており、
前記制御手段は、前記第1検出器が物体を検出しており、前記第2検出器および前記第3検出器は物体を検出しておらず、前記ドア閉鎖検出器が前記自動ドアは閉鎖していると検出している「第2状態」から、最初に前記第3検出器が物体を検出し、その検出から第2所定時間以内に前記第2検出器が物体を検出した場合であって前記選択手段が所定の開閉動作モードを選択しているときのみ、前記ドア開放信号を出力することを特徴とする自動ドア制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載の自動ドア制御システムにおいて、
前記第1検出エリアは、前記自動ドアの前記第1面側に人が隠れられるような死角を残さないように配置することを特徴とする自動ドア制御システム。
【請求項8】
請求項1に記載の自動ドア制御システムにおいて、
前記第3検出エリアは、人が前記自動ドアに前記第2面側から接近する場合に、その人が前記第2検出エリア内に入る前には必ず前記第3検出エリアを通過するように配置することを特徴とする自動ドア制御システム。
【請求項9】
請求項1に記載の自動ドア制御システムにおいて、
前記警告信号の出力に応じて所定動作を行う外部機器をさらに備えることを特徴とする自動ドア制御システム。
【請求項10】
請求項9に記載の自動ドア制御システムにおいて、
前記外部機器が行う前記所定動作とは、光による警告、音による警告、または前記自動ドア周辺の映像録画の少なくとも1つを含むことを特徴とする自動ドア制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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