説明

自走式印字装置

【課題】印字を行わずに、印字データが印字される印字範囲を自走し、当該印字範囲を印字実行前に確認可能な自走式印字装置に関し、容易に所望の印字範囲に調整可能な自走式印字装置を提供する。
【解決手段】印字範囲確認モードが設定されている場合、自走式プリンタ1は、入力された印字データに基づく印字範囲を算出する(S11)。そして、自走式プリンタ1は、算出された印字範囲に基づいて、インクを噴出せずに、用紙55上の当該印字範囲を移動する印字範囲確認移動を行う。印字範囲確認移動を終了すると、自走式プリンタ1は、印字範囲確認移動時の移動方向と逆方向に移動し、印字範囲確認移動開始前の初期位置に戻る初期位置移動を行う。印字範囲確認移動中に用紙端センサ10で用紙55の端部を検知すると、自走式プリンタ1は、印字データに基づいて、印字範囲を縮小し、縮小された印字範囲に基づいて、印字範囲確認移動、初期位置移動を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体上を自走しつつ、前記印字データを当該被記録媒体に印字する自走式印字装置に関し、特に、印字を行わずに、印字データが印字される印字範囲を自走することで、当該印字範囲を印字実行前に確認可能な自走式印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被記録媒体上を自走しつつ、所望の印字データを当該被記録媒体に印字する自走式印字装置が知られている。このような自走式印字装置では、装置本体が自走しつつ印字データの印字を行うため、使用者は、当該印字データが印字される印字範囲を明確に把握することができなかった。
この問題点を解消すべくなされた発明として、特許文献1に記載された発明が知られている。この特許文献1に記載された自走式印字装置は、印字データに基づく印字を実行せずに、印字データに基づく印字範囲を自走させる非印字モードを備えている。従って、特許文献1に係る自走式印字装置によれば、非印字モードで自走式印字装置を自走させることで、印字を実行する前に、予め印字データが印字される印字範囲を確認することができる。
【特許文献1】特開平9−286137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に係る自走式印字装置では、印字データに基づいて非印字モードで自走すると、当該印字データに基づく印字範囲の終了点で自走を停止してしまう。従って、使用者は、再度、自走式印字装置を非印字モードに係る自走の開始点に自らの手で正確に設置しなければならない。
そして、確認された印字範囲と同一範囲で印字データを印字するためには、被記録媒体における自走式印字装置の設置位置と、自走式印字装置の走行方向に厳密な正確性が要求される。つまり、再設置に係る自走式印字装置の設置位置と走行方向が、非印字モードに係る自走の開始点と走行方向に完全に一致していない場合、確認された印字範囲と、実際に印字データが印字される印字範囲との間にズレが生じる。
ここで、使用者は、自らの手で自走式印字装置を非印字モードに係る開始点に設置するのであるから、再設置時の設置位置と走行方向を、非印字モードに係る自走の開始点と走行方向と完全に一致させることは困難である。
【0004】
この結果、特許文献1に係る自走式印字装置では、非印字モードで自走することで確認された印字範囲と、同一の印字範囲で印字を実行することは困難である。そうすると、印字範囲を事前に確認したとしても所望の印字範囲からずれた印字範囲で印字データの印字がなされるので、使用者が大きな不満を抱く要因となってしまう。即ち、特許文献1に係る自走式印字装置では、「非印字モードを備えることで、予め印字範囲を確認できる」という利点が有効に作用していない。
【0005】
本発明は、前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、印字を行わずに、印字データが印字される印字範囲を自走することで、当該印字範囲を印字実行前に確認可能な自走式印字装置に関し、前記印字範囲を確認するために自走した後、当該印字範囲を逆走して初期位置に戻ることで、確実に確認された印字範囲での印字を可能とし、容易に所望の印字範囲に調整可能な自走式印字装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために成された請求項1に係る自走式印字装置は、被記録媒体に印字される印字データが入力される入力手段と、前記入力手段により入力された印字データに基づいて、被記録媒体に印字する印字手段と、被記録媒体上を自走しつつ、前記印字データを印字するための自走移動手段と、を備える自走式印字装置において、被記録媒体に対して印字を行う際に、前記自走式印字装置を、前記印字手段による被記録媒体に対する印字を行わずに、前記印字データが印字される印字範囲に基づく移動経路を移動させる印字範囲確認移動と、前記印字範囲確認移動終了後、自走式印字装置を、当該移動経路を逆走して印字範囲確認移動前の初期位置に戻す初期位置移動を、前記自走移動手段を制御することにより行なう自走移動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
そして、請求項2に係る自走式印字装置は、請求項1に記載の自走式印字装置において、前記自走移動手段による自走式印字装置の移動に際し、前記被記録媒体の端部を検知する端部検知手段と、前記印字範囲確認移動中に前記端部検知手段により被記録媒体の端部を検知した場合、当該印字範囲確認移動に係る初期位置移動終了後、前記印字データに基づく印字範囲を縮小して印字を行う印字制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
更に、請求項3に係る自走式印字装置は、請求項2に記載の自走式印字装置において、前記印字制御手段により印字データに係る印字範囲が縮小された場合、前記自走移動制御手段は、縮小された印字範囲に基づいて、前記印字範囲確認移動及び初期位置移動を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
即ち、請求項1に係る自走式印字装置では、自走移動手段により自走しつつ、入力手段で入力された印字データが、印字手段により被記録媒体に印字される。
ここで、被記録媒体に対して印字を行う際、当該自走式印字装置では、自走移動制御手段によって、印字範囲確認移動が行われる。この印字範囲確認移動では、当該自走式印字装置は、印字を行わずに、前記印字データが印字される印字範囲に基づく移動経路を移動する。つまり、印字範囲確認移動が行われることにより、使用者は、印字データの印字前に予め印字範囲を確認することができる。
そして、印字範囲確認移動を終了すると、自走式印字装置では、自走移動制御手段によって、初期位置移動が行われる。この初期位置移動を実行することにより、当該自走式印字装置は、移動経路を逆走して印字範囲確認移動前の初期位置へ確実に戻る。
更に、自走式印字装置は逆走して戻るのであるから、自走式印字装置の走行方向も印字範囲確認移動に係る走行方向と同一となる。従って、請求項1に係る自走式印字装置によれば、印字範囲確認移動で確認された印字範囲と同一の印字範囲に、印字データに基づく印字を行うことができる。
又、使用者が印字データに基づく印字範囲を把握することができ、自走式印字装置が印字範囲確認移動前の初期位置に確実に戻るので、使用者は、印字範囲確認移動後の自走式印字装置の位置(即ち、印字範囲確認移動前の初期位置)と、印字範囲確認移動で確認された印字範囲を基準として、印字範囲の微調整を行うことができる。つまり、使用者は、より確実に所望の印字範囲で印字された結果物を得ることができる。
【0010】
又、請求項2に係る自走式印字装置では、印字範囲確認移動中に、端部検知手段により被記録媒体の端部を検知した場合、当該印字範囲確認移動に係る初期位置移動終了後、前記印字データに基づく印字範囲を縮小した印字が行われる。
「印字範囲確認移動中に端部検知手段により被記録媒体の端部を検知した場合」とは、印字データに基づく印字範囲が被記録媒体からはみ出す場合である。この時、当該自走式印字装置によれば、印字データに基づく印字範囲を縮小した印字が行われる。
これにより、当初の初期位置から印字データを印字すると印字結果が被記録媒体からはみ出す場合であっても、使用者が自走式印字装置の初期位置を変更することなく、所望の印字データを略所望の位置に印字することができる利便性の高い自走式印字装置を提供することができる。
【0011】
更に、請求項3に係る自走式印字装置では、前記印字制御手段により印字データに係る印字範囲が縮小された場合、前記自走移動制御手段によって、縮小された印字範囲に基づいて、前記印字範囲確認移動及び初期位置移動が実行される。
つまり、請求項3記載の自走式印字装置では、当初の印字範囲で印刷すると被記録媒体から印字範囲がはみ出してしまうため、当該印字範囲を縮小した場合において、再度、縮小された印字範囲に基づく印字範囲確認移動が行われる。これにより、使用者は、縮小された印字範囲を確認することができるので、当該縮小された印字範囲に基づく印字が所望の位置であるか否かを検討することが可能となる。
更に、この場合にも、当該自走式印字装置では、印字範囲確認移動終了後に初期位置移動が行われる。つまり、縮小された印字範囲を確認、検討した結果、所望の態様と異なった場合であっても、使用者は、自走式印字装置の初期位置と縮小された印字範囲に基づいて、縮小された印字範囲を所望の位置に微調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る自走式印字装置を、自走式プリンタ1に具体化した実施形態に基づいて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、自走式プリンタ1の概略構成を示す説明図である。
【0013】
本実施形態に係る自走式プリンタ1は、用紙55上を自ら移動しつつ印字を行うプリンタである(図5参照)。尚、自走式プリンタ1は、パーソナルコンピュータ(図2参照、以下PCと称する)に接続され、PC50から入力された印字データに基づき、使用者が所望する印字を行う。
この自走式プリンタ1は、直方体状のプリンタ筐体2を備えている。プリンタ筐体2内部には、駆動車輪5と、用紙端センサ10と、印字ヘッド20と、これらを制御するコントロールユニット30が配設されている(図1、図2参照)。
【0014】
駆動車輪5は、プリンタ筐体2の四隅に所定方向に回転自在に配設されている。そして、この駆動車輪5は、ステッピングモータ35の駆動に伴い、回転駆動するように構成されている。従って、ステッピングモータ35が正方向又は逆方向に駆動すると、駆動車輪5も正方向又は逆方向に回転駆動する。
また、駆動車輪5の一部は、プリンタ筐体2底面から所定量突出するように配設されているので、駆動車輪5が正方向又は逆方向に回転駆動することにより、自走式プリンタ1が用紙55上を移動する。
【0015】
用紙端センサ10は、プリンタ筐体2の四隅に配設されており、自走式プリンタ1における被記録媒体である用紙55の端部を検出するセンサである。用紙端センサ10は、それぞれLEDランプ等の発光素子と、フォトダイオード等の受光素子を備えている。そして、用紙端センサ10は、発光素子からの光を対象物(例えば、用紙55)に反射させ、これを受光素子で受けることにより、用紙55の端部を検出する。
【0016】
印字ヘッド20は、プリンタ筐体2の略中央部に配設され、入力された印字データに基づいて、用紙55に印字を行う印字手段である。本実施形態においては、印字ヘッド20として、インクジェットヘッドが配設されている。このインクジェットヘッドには、複数のノズルが列設されており、各ノズルからインクが噴出されるように構成されている。
又、印字ヘッド20は、当該印字ヘッド20に列設された複数のノズルからなるノズル列と、前記駆動車輪5の回転軸が平行となるように配設されている。
【0017】
又、プリンタ筐体2には、印字ボタン39と、モード設定ボタン38が配設されている。モード設定ボタン38は、「通常モード」と「印字範囲確認モード」の何れかを設定するボタンである。「通常モード」とは、印字データが入力された場合、当該入力データに基づいて、即座に当該印字データに基づく印字を行うモードである。一方、「印字範囲確認モード」は、印字データが入力されると、実際に印字を開始する前に、予め、印字ヘッド20からインクを噴出せずに、当該印字データに基づく印字範囲を往復移動する動作(後述する印字範囲確認移動及び初期位置移動)を行うモードである。そして、「通常モード」、「印字範囲確認モード」は、このモード設定ボタン38を入力する毎に、順次切り替えられて設定される。
【0018】
そして、印字ボタン39は、「印字範囲確認モード」が設定された場合に、確認された印字範囲で印字を実行する際に入力されるボタンである。従って、「印字範囲確認モード」が設定されている場合には、「印字範囲確認移動及び初期位置移動」を終了した後であっても、印字ボタン39が入力されるまで、当該印字範囲で印字が開始されることはない。即ち、使用者は、「印字範囲確認移動及び初期位置移動」の後、確認された印字範囲を所望の位置に調整することができる。
【0019】
次に、自走式プリンタ1の制御系について図2を参照して説明する。図2は、自走式プリンタ1の制御ブロック図である。
図2に示すように、自走式プリンタ1のコントロールユニット30は、CPU31、ROM32、RAM33で構成されている。また、CPU31、ROM32、RAM33は、バス線により相互に接続されて、相互にデータの送受信が行われる。
【0020】
ここに、CPU31は、かかるROM32に記憶されている各種制御プログラムに基づいて各種の演算を行うものであり、自走式プリンタ1に係る制御の中枢を担うものである。
そして、ROM32には、各種制御プログラムやデータ等が記憶されている。例えば、後述するメイン処理プログラムや印字範囲確認動作処理プログラム等がROM32に記憶されている。又、ROM32には、多数の文字等のキャラクタの夫々について、各キャラクタの輪郭線を規定する輪郭線データ(アウトラインデータ)が書体(ゴシック系書体、明朝体系書体等)毎に分類されて記憶されている。
【0021】
そして、RAM33は、CPU31により演算された各種の演算結果を一時的に記憶させておくための記億装置であり、モード設定ボタン38で設定されたモードを示すモード設定データや、印字範囲確認動作処理(S4)におけるステッピングモータ35のステップ数n等の各種記憶領域が設けられている。
【0022】
そして、コントロールユニット30には、外部インターフェース40が接続されている。この外部インターフェース40は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等から構成されている。即ち、自走式プリンタ1は、USBケーブル等により外部インターフェース40を介して、外部のコンピュータ装置(例えば、PC50)と接続可能である。従って、ユーザは、PC50を用いて、所望の印字データを作成し、これを自走式プリンタ1に入力することができる。
【0023】
そして、コントロールユニット30には、用紙端センサ10、モード設定ボタン38、印字ボタン39が接続されている。上述したように、用紙端センサ10は、被記録媒体である用紙55の端部を検出するセンサである。用紙端センサ10がコントロールユニット30に接続されているので、CPU31は、受光素子で受けた検出結果に基づいて、用紙55の端部を検出することができる。
そして、モード設定ボタン38、印字ボタン39がコントロールユニット30に接続されているので、CPU31は、入力されたボタンに応じた処理(例えば、モードの設定、印字の実行)を行うことができる。
【0024】
又、コントロールユニット30には、ブザー37が接続されている。ブザー37は、後述する印字範囲確認動作処理(S4)において、印字範囲が用紙55からはみ出す場合に鳴動する。これにより、使用者は、「現状の印字範囲では、印字範囲が用紙55からはみ出し、完全な印字ができないこと」を把握することができる。
【0025】
更に、コントロールユニット30には、ヘッド駆動回路34、モータ駆動回路36が接続されている。ヘッド駆動回路34は、印字ヘッド20における各ノズルのインクの噴出態様を制御する回路である。従って、CPU31が、ヘッド駆動回路34を介して、印字ヘッド20による印字態様を制御することができ、用紙55に印字データに基づく印字を行うことができる。
モータ駆動回路36は、ステッピングモータ35の駆動制御を行う回路である。即ち、CPU31からの駆動信号に基づいて、ステッピングモータ35の駆動方向(正方向又は逆方向)を1ステップ単位で制御することができる。
そして、当該ステッピングモータ35は、プリンタ筐体2内部に回転自在に配設された4つの駆動車輪5の駆動源である。即ち、CPU31がモータ駆動回路36を介してステッピングモータ35を1ステップ単位で駆動制御することにより、駆動車輪5も1ステップ単位で回転駆動する。
【0026】
次に、本実施形態に係る自走式プリンタ1におけるメイン処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図3は、自走式プリンタ1のメイン処理プログラムのフローチャートである。
自走式プリンタ1に電源が投入されると、先ず、CPU31は、モード設定処理を行う。即ち、CPU31は、モード設定ボタン38の入力に応じて、「通常モード」又は「印字範囲確認モード」を設定する。モード設定ボタン38の入力により設定されたモードを示すモード設定データをRAM33に格納した後、CPU31は、S2へ処理を移行する。
【0027】
S2に移行すると、CPU31は、外部インターフェース40を介して、PC50から印字データを受信しているか否かについての判断を行う。印字データを受信し、RAM33内に当該印字データが格納されている場合には(S2:YES)、CPU31は、S3へ処理を移行する。一方、印字データを受信しておらず、RAM33内に印字データが格納されていない場合(S2:NO)、CPU31は、S1に処理を戻す。これにより、使用者は、再度、モード設定処理(S1)を行うことができる。つまり、使用者は、「通常モード」、「印字範囲確認モード」を再度設定しなおすことができる。
【0028】
S3では、CPU31は、RAM33に格納されているモード設定データを参照し、「印字範囲確認モード」が設定されているか否かについての判断を行う。「印字範囲確認モード」が設定されている場合には(S3:YES)、CPU31は、印字範囲確認動作処理(S4)に処理を移行する。一方、「通常モード」が設定されている場合には(S3:NO)、CPU31は、S6に処理を移行する。
【0029】
「印字範囲確認モード」が設定されている場合(S3:YES)に移行するS4では、CPU31は、印字範囲確認動作処理を実行する。この印字範囲確認動作処理では、CPU31は、当該印字データに基づく印字範囲を算出する。そして、CPU31は、印字範囲に基づいて、印字ヘッド20からインクを噴出させずに、自走式プリンタ1を移動させる印字範囲確認移動(図5(a)参照)と、印字範囲確認移動終了後、印字範囲確認移動前の位置(以後、「初期位置」という)に自走式プリンタ1を移動させる初期位置移動(図5(b)参照)と、を行う。
又、印字範囲確認移動中に用紙端センサ10で用紙55の端部を検出した場合には、CPU31は、当初の印字範囲を縮小し、縮小した印字範囲に基づく印字範囲確認移動及び初期位置移動を行う。印字範囲確認動作処理(S4)終了後、CPU31は、S5に処理を移行する。
尚、印字範囲確認動作処理(S4)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0030】
そして、S5において、CPU31は、印字を実行するか否かについての判断を行う。具体的には、CPU31は、印字ボタン39の入力の有無に基づいて、上記S5の判断を行う。印字ボタン39が入力された場合(S5:YES)、CPU31は、印字を実行すべくS6に処理を移行する。一方、印字ボタン39が入力されなかった場合(S5:NO)、CPU31は、印字ボタン39が入力されるまで処理を待機する。
印字範囲確認動作処理(S4)で使用者が印字範囲を確認した後、印字ボタン39が入力されるまで処理が待機されるので、使用者は、「確認した印字範囲が、所望の印字範囲であるか」を検討することができる。更に、検討した結果、印字範囲の位置調整が必要な場合でも、印字ボタン39の入力まで処理が待機されるので、印字範囲の位置調整を行う時間を確保することができ、確実に所望の印字範囲に調整することができる。
【0031】
そして、S6に移行すると、CPU31は、印字処理を実行する。「通常モード」が設定されている場合(S3:NO)、CPU31は、当該印字処理(S6)において、入力された印字データに基づいて、即座に印字を開始する。この場合、印字データが示す印字内容がそのまま用紙55に印字される。
一方、「印字範囲確認モード」が設定され(S3:YES)、印字範囲確認動作処理(S4)を経由した場合には、CPU31は、確認された印字範囲で当該印字データの印字を行う。この場合、上記S4、S5において、印字範囲の位置調整が行われているので、印字処理(S6)で印字される印字範囲は、所望の位置となる。
又、後に詳細に説明するが、印字範囲確認動作処理(S4)で印字範囲が縮小された場合には、当該印字データは、縮小された印字範囲で印字される。尚、印字ボタン39の入力を印字実行の条件としているので、縮小された印字範囲で印字が行われる場合であっても、使用者が所望する印字範囲で当該印字データが印字されることになる。
印字処理により入力された印字データが用紙55に印字されると、CPU31は、RAM33から印字データを消去すると共に、S1に処理を戻す。
【0032】
次に、メイン処理プログラムのS4で実行される印字範囲確認動作処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図4は、印字範囲確認動作処理プログラムのフローチャートである。
S4に移行し、印字範囲確認動作処理プログラムの実行が開始されると、CPU31は、先ず、印字範囲算出処理を実行する(S11)。具体的には、CPU31は、入力された印字データに含まれている書体やフォント数等の条件から、当該印字データに基づく印字範囲を算出する。そして、CPU31は、当該印字範囲を印字するために要するステッピングモータ35のモータステップ数(以下、必要ステップ数という)を算出する。
算出した印字範囲及び必要ステップ数をRAM33に格納した後、CPU31は、S12に処理を移行する。
【0033】
S12に移行すると、CPU31は、RAM33に形成されている記憶領域の内、モータステップ数nに係る記憶領域を初期化する。これにより、モータステップ数に係る記憶領域に記憶されているモータステップ数nは、「0」に設定される。モータステップ数nを「0」に初期化した後、CPU31は、S13に処理を移行する。
【0034】
S13では、CPU31は、モータ駆動回路36を介して、ステッピングモータ35を1ステップ順回転する。これにより、自走式プリンタ1は、1ステップ分に相当する移動量で用紙55上を移動する。そして、ステッピングモータ35を順方向に1ステップ移動した後、CPU31は、RAM33に記憶されているモータステップ数nの値に「1」を加算する。
尚、この時、印字ヘッド20は、CPU31によって、ヘッド駆動回路34を介して、インクの噴出がなされないように制御されている。
ステッピングモータ35を1ステップ順回転し、モータステップ数nに「1」を加算した後、CPU31は、S14に処理を移行する。
【0035】
S14においては、CPU31は、印字範囲確認移動を完了したか否かについての判断を行う。即ち、CPU31は、自走式プリンタ1が当該印字データに基づく印字範囲全域に相当する移動量を移動したか否かについての判断を行う。具体的には、CPU31は、印字範囲算出処理(S11)で算出された必要ステップ数と、モータステップ数nの値が一致するか否かに基づいて、S14の判断を行う。必要ステップ数とモータステップ数nの値が一致している場合(S14:YES)、CPU31は、S17に処理を移行する。一方、必要ステップ数とモータステップ数nが一致していない場合(S14:NO)、CPU31は、S15に処理を移行する。
【0036】
未だ印字範囲確認移動中である場合(S14:NO)に移行するS15では、CPU31は、用紙端センサ10の検知結果に基づいて、用紙55の端部を検知したか否かについての判断を行う。用紙55の端部を検知した場合には(S15:YES)、CPU31は、RAM33に縮小フラグを格納する(S16)。この時、CPU31は、縮小フラグをRAM33に格納すると同時に、ブザー37を鳴動させる。これにより、使用者は、「現状の印字範囲では、印字範囲が用紙55からはみ出し、完全な印字ができないこと」を把握することができる。縮小フラグをRAM33に格納し、ブザー37を鳴動させた後、CPU31は、S17に処理を移行する。
一方、用紙55の端部を検出しなかった場合(S15:NO)、CPU31は、そのままS13に処理を戻す。これにより、次のステップ数に係る自走式プリンタ1の印字範囲確認移動が行われる。
【0037】
S17では、CPU31は、モータ駆動回路36を介して、ステッピングモータ35を1ステップ逆回転する。これにより、自走式プリンタ1は、1ステップ分に相当する移動量で用紙55上を、S13による移動方向と逆方向へ移動する。そして、ステッピングモータ35を逆方向に1ステップ移動した後、CPU31は、RAM33に記憶されているモータステップ数nの値から「1」を減算する。
尚、この時、印字ヘッド20は、CPU31によって、ヘッド駆動回路34を介して、インクの噴出がなされないように制御されている。
ステッピングモータ35を1ステップ逆回転し、モータステップ数nから「1」を減算した後、CPU31は、S18に処理を移行する。
【0038】
S18に移行すると、CPU31は、RAM33に格納されているモータステップ数nの値が「0」であるか否かについての判断を行う。ここで、モータステップ数nの値が「0」となる位置は、S13〜S15で行われる印字範囲確認移動が開始された初期位置である。つまり、S18においては、自走式プリンタ1が初期位置Sにまで逆方向に移動したか否かについての判断が行われる。モータステップ数nの値が「0」である場合(S18:YES)、CPU31は、S19に処理を移行する。この時、自走式プリンタ1は、印字範囲確認移動前の位置(つまり、初期位置S)への移動(初期位置移動)を完了していることになる。
一方、モータステップ数nの値が「0」である場合(S18:NO)、CPU31は、S17に処理を戻す。即ち、この時点では、自走式プリンタ1は、未だ初期位置Sへ移動しておらず、初期位置移動の途中である。従って、S17に処理を戻すことにより、自走式プリンタ1が初期位置Sに到達するまで、初期位置移動が継続される。
【0039】
そして、S19においては、CPU31は、RAM33に縮小フラグが格納されているか否かについての判断を行う。上述したように、縮小フラグは、印字範囲確認移動中に用紙55の端部を用紙端センサ10で検知した場合に格納されるフラグである。言い換えると、縮小フラグは、現状の印字範囲では、用紙55からはみ出してしまう場合に格納さえるフラグである。
RAM33に縮小フラグが格納されている場合には(S19:YES)、CPU31は、印字データを一段階縮小する(S20)。例えば、印字データが文字データの場合、CPU31は、当初のフォント数からフォント数を一段階小さくして、印字データを縮小する。尚、印字データに余白が含まれている場合には、当該余白部分を小さくすることで、印字データを縮小することも可能である。
印字データを一段階縮小した後、CPU31は、RAM33から縮小フラグを消去し(S21)、S11に処理を戻す。
一方、縮小フラグがRAM33に格納されていない場合には(S19:NO)、CPU31は、そのまま印字範囲確認動作処理を終了し、メイン処理のS5に処理を移行する。
【0040】
このように、印字範囲確認動作処理(S4)を実行すると、自走式プリンタ1は、印字範囲算出処理(S11)で算出された印字範囲に基づいて、印字範囲確認移動(S12〜S16)を行う。即ち、図5(a)に示すように、入力された印字データが印字される印字範囲Aが、自走式プリンタ1の移動によって示されるので、使用者は、当該印字データが印字される印字範囲Aをより容易に把握できる。
【0041】
そして、印字範囲確認移動開始前の位置が「モータステップ数n=0」に設定され、印字範囲確認移動後、モータステップ数nが「0」となるまで、印字範囲確認移動時の移動方向と逆方向に移動するので、自走式プリンタ1は、確実に初期位置Sまで初期位置移動を行う(図5(b)参照)。
即ち、初期位置移動を終了すると、印字範囲確認移動前と全く同じ状態となる。この結果、印字範囲確認移動後に、使用者が自走式プリンタ1を再度設置する必要はなく、自走式プリンタ1の利便性を向上させることができる。
【0042】
尚、印字範囲確認移動中に用紙端センサ10によって、用紙55の端部を検出した場合(S15:YES)、自走式プリンタ1は、その時点で印字範囲確認移動を終了し、初期位置移動を開始する。この場合であっても、その時点におけるモータステップ数nが「0」となるまで逆方向に移動するので、自走式プリンタ1は、確実に初期位置Sに移動する。
【0043】
ここで、印字範囲確認移動が行われることで、使用者は、印字範囲Aを確認することができるが、確認した結果、当該印字範囲Aが所望の位置ではない場合も生じうる。
例えば、図6(a)に示すように、印字範囲確認移動により把握される印字範囲Aが所望の位置(即ち、図6(a)における調整済初期位置S´、調整済印字範囲A´)から用紙55の縦方向、横方向にずれている場合がある。
この場合も、自走式プリンタ1は、印字範囲確認移動により印字範囲Aを使用者に報知し、初期位置移動により初期位置Sに戻る。従って、使用者は、初期位置Sと印字範囲Aを基準として、所望の印字範囲に調整することができる。この点、用紙55における自走式プリンタ1の初期位置が基準となるので、使用者は、調整済初期位置S´、調整済印字範囲A´を容易に予測することができる。この結果、使用者は、印字範囲の調整を容易に行うことができ、所望の印字範囲で印字された結果物を確実に得ることができる。
【0044】
更に、図6(b)に示すように、印字範囲確認移動により把握される印字範囲Aが所望の位置(即ち、図6(b)における調整済初期位置S´、調整済印字範囲A´)から所定角度ずれている場合も生じうる。この時のずれは、自走式プリンタ1の初期位置Sは所望の位置であるが、自走式プリンタ1の移動方向が所定角度ずれている場合に生じる。
この場合も、自走式プリンタ1は、印字範囲確認移動により印字範囲Aを使用者に報知し、初期位置移動により初期位置Sに戻る。従って、使用者は、所望の位置である初期位置Sにおいて、自走式プリンタ1の移動方向を調整するだけで、所望の印字範囲(即ち、図6(b)における調整済初期位置S´、調整済印字範囲A´)に調整することができる。
この時、既に印字範囲確認移動により印字範囲Aが使用者に報知されているので、移動方向の角度調整を行った場合の調整済初期位置S´、調整済印字範囲A´を容易に予測することができる。つまり、使用者は、自走式プリンタ1の移動方向に係る角度調整をどの程度行えば良いか把握することができるので、印字範囲の調整を容易に行うことができる。これにより、使用者は、所望の印字範囲で印字された結果物を確実に得ることができる。
【0045】
そして、本実施形態に係る自走式プリンタ1においては、印字範囲確認移動中に用紙55の端部を検知すると(S15:YES)、当該印字データを一段階縮小する(S20)。即ち、図7(a)に示すように、印字範囲Aが用紙55からはみ出てしまう場合には、当該印字データに係る印字範囲Aが、当該初期位置Sから用紙55の端部までの間に収まるまで縮小される(図7(b)参照)。これにより、使用者は、当該初期位置Sの変更を行わずに、当該印字データが全て印字された結果物を得ることができる。
更に、印字範囲Aが縮小されると、縮小された印字範囲Aに基づいて、印字範囲確認移動及び初期位置移動が行われる。つまり、使用者は、縮小された印字範囲Aを把握することができる。
これにより、使用者は、縮小された印字範囲Aで印字を実行する態様、縮小された印字範囲Aを位置調整して印字を実行する態様、縮小される前の印字範囲Aで初期位置Sを位置調整して印字を実行する態様等の複数の態様から所望の態様を選択することができる。
この時、縮小された印字範囲Aで印字を実行する態様の場合、使用者は、自走式プリンタ1にそのまま印字を実行させればよい。又、初期位置Sの位置調整を行う場合であっても、初期位置S及び印字範囲Aが基準となるので、使用者は、容易に所望の印字範囲Aに調整することができる。この結果、使用者は、容易に印字データ全てが所望の態様で印字された結果物を得ることができる。
【0046】
以上、説明したように、本実施形態に係る自走式プリンタ1によれば、「印字範囲確認モード」を設定した場合には、印字データに基づいて、印字範囲確認移動が行われる。即ち、自走式プリンタ1がインクを噴出せずに、当該印字データが印字される印字範囲Aを移動するので、使用者は、当該印字データに係る印字範囲Aを把握することができる。
そして、印字範囲確認移動を終了すると、自走式プリンタ1は、印字範囲確認移動を開始する前の初期位置Sに戻る初期位置移動を行う。この初期位置移動を行うことで、自走式プリンタ1は確実に当該初期位置Sに戻る。これにより、使用者は、印字範囲確認移動で把握される印字範囲A、初期位置移動により自走式プリンタ1が位置する初期位置Sを基準に、自走式プリンタ1を、所望の初期位置、印字範囲(例えば、図6における調整済初期位置S´、調整済印字範囲A´)に調整することができる。この点、用紙55上に初期位置Sという基準が存在するので、使用者は、自走式プリンタ1を容易に所望の位置に調整することができる。例えば、図6に示すように、印字範囲確認移動で示された印字範囲Aと、所望の印字範囲の間に、用紙55の縦方向、横方向の位置ずれや、自走式プリンタ1の移動方向の角度ずれがあった場合でも、容易に、所望の印字範囲に調整することができる。
【0047】
又、自走式プリンタ1によれば、印字範囲確認移動中に用紙55の端部を検知した場合、用紙55内に印字範囲Aが収まらないので、当該印字データを一段階縮小する。そして、当該印字範囲確認移動に係る初期位置Sから用紙55の端部までの間に印字範囲Aが収まるまで、印字データの縮小が行われる。縮小された印字範囲で用紙55に印字が行われるので、確実に用紙55に印字を行うことができる。
【0048】
更に、用紙55内に印字範囲Aが収まらず、当該印字データに係る印字範囲Aが縮小された場合、自走式プリンタ1は、縮小された印字範囲Aに基づいて、印字範囲確認移動及び初期位置移動を行う。これにより、使用者は、縮小された印字範囲Aを容易に把握することができる。又、この場合も初期位置移動により自走式プリンタ1は初期位置Sに戻るので、使用者は、縮小された印字範囲Aを所望の印字範囲に調整することができる。
【0049】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態においては、印字ヘッド20として、インクジェットヘッドを用いるように構成していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、インクジェットヘッドではなく、複数の発熱素子が列設されたサーマルヘッドを用いるように構成することも可能である。
【0050】
又、本実施形態においては、印字範囲確認移動中に用紙55の端部を検知した場合には、その時点で印字範囲確認移動を終了し、初期位置移動を開始するように構成していたが、この態様に限定されるものではない。即ち、印字範囲確認移動中に用紙55の端部を検知した場合、当該印字データに係る印字範囲全域を示すように、用紙55の端部を越えて、印字範囲確認移動を継続するように構成することも可能である。
尚、この時、用紙55の端部を検知した時点で、RAM33には、縮小フラグが格納される。
この場合、印字範囲確認移動によって、当該印字データに係る印字範囲A全域が使用者に報知されるので、初期位置移動後、印字範囲全域を把握した状態で、所望の印字範囲に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態に係る自走式プリンタの概略構成を示す説明図である。
【図2】自走式プリンタの制御系を示すブロック図である。
【図3】自走式プリンタのメイン処理プログラムのフローチャートである。
【図4】自走式プリンタの印字範囲確認動作処理プログラムのフローチャートである。
【図5】印字範囲確認動作に関する説明図である。(a)は印字範囲確認移動を示し、(b)は初期位置移動を示す。
【図6】確認済印字範囲の調整に関する説明図である。
【図7】印字範囲確認動作処理における印字範囲の縮小に関する説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 自走式プリンタ
5 駆動車輪
10 用紙端センサ
20 印字ヘッド
30 コントロールユニット
31 CPU
32 ROM
33 RAM
35 ステッピングモータ
40 外部インターフェース
55 用紙
A 印字範囲
S 初期位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体に印字される印字データが入力される入力手段と、
前記入力手段により入力された印字データに基づいて、被記録媒体に印字する印字手段と、
被記録媒体上を自走しつつ、前記印字データを印字するための自走移動手段と、を備える自走式印字装置において、
被記録媒体に対して印字を行う際に、
前記自走式印字装置を、前記印字手段による被記録媒体に対する印字を行わずに、前記印字データが印字される印字範囲に基づく移動経路を移動させる印字範囲確認移動と、
前記印字範囲確認移動終了後、自走式印字装置を、当該移動経路を逆走して印字範囲確認移動前の初期位置に戻す初期位置移動を、
前記自走移動手段を制御することにより行なう自走移動制御手段と、を備えることを特徴とする自走式印字装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自走式印字装置において、
前記自走移動手段による自走式印字装置の移動に際し、前記被記録媒体の端部を検知する端部検知手段と、
前記印字範囲確認移動中に前記端部検知手段により被記録媒体の端部を検知した場合、当該印字範囲確認移動に係る初期位置移動終了後、前記印字データに基づく印字範囲を縮小して印字を行う印字制御手段と、を備えることを特徴とする自走式印字装置。
【請求項3】
請求項2に記載の自走式印字装置において、
前記印字制御手段により印字データに係る印字範囲が縮小された場合、
前記自走移動制御手段は、
縮小された印字範囲に基づいて、前記印字範囲確認移動及び初期位置移動を実行することを特徴とする自走式印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−68513(P2008−68513A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248835(P2006−248835)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】