説明

芳香が付けられたタバコの箱およびその箱を製造する機械

【課題】タバコの損傷や包装紙の汚れを回避する芳香が付けられたタバコの箱を提供する。
【解決手段】芳香が付けられたタバコの箱は、少なくとも1つのタバコ(2)を包む包装材(9)を備え、包装材(9)の内側に芳香が付けられた領域(18)が形成されており、直接に接触する結果として生じ得る悪化を回避するために、保護要素(38,38’)がタバコ(2)と芳香が付けられた領域(18)との間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香が付けられたタバコの箱に関連し、および、その箱を製造するための包装機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術においては、箱を形成し、問題になっている種類の製品のために用いられる箱を形成しながら、1つの包装材料の表面に芳香液体を吹き付けることを含む芳香を付ける作業が採用されている。
【0003】
例えば、タバコの包装体の場合には、すなわち、タバコの群を包む金属箔紙の内側包装材と、紙または厚紙の材料の外側包装材とを備える箱では、包装作業の工程の期間において、タバコに直接的に接触ことが生じる金属箔紙の包装材の内側表面を液体の芳香剤で濡らすことが実務である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第3999655号明細書
【特許文献2】独国特許発明第4330006号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
明らかに、包装材を定められた位置に配置すると、金属箔紙の濡らされた内側表面と、タバコの包装紙との間で直接的な接触が生じ、そして、タバコが損傷を受け得る、特に、包装紙が汚れた状態になる。
【0006】
本発明の目的は、上述した種類の箱において生じる欠点に影響されないような従来の技術に反映する芳香が付けられたタバコの箱を提供することである。
【0007】
本発明の更なる目的は、問題になっている種類の芳香が付けられた箱を製造する機械を提供し、特に、タバコの包装体を製造する機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前述の目的は、添付の請求項に列挙されているような箱および機械において実現される。
【0009】
本発明のタバコの箱は、タバコを包む少なくとも1つの包装材を備える芳香が付けられたタバコの箱であって、包装材の内側の芳香が付けられた領域と、タバコと芳香が付けられた領域との間に配置され、包装材が補強される挿入材からなる保護要素とを備える。芳香が付けられた領域は、挿入材に付けられた芳香物質に存在する。
【0010】
上記発明において、芳香が付けられた領域は、粘着ラベルに付けられた芳香物質に存在することができる。
【0011】
上記発明において、粘着ラベルは、挿入材に付けられることができる。
【0012】
上記発明において、保護要素は、包装材に付けられた粘着ラベルに存在することができる。
【0013】
上記発明においては、少なくとも2つのタバコの群を備え、それぞれの群が、個別の包装材で包まれており、芳香が付けられた領域は、それぞれの群に付随することができる。
【0014】
上記発明においては、包装材と、それぞれの個別のタバコに付随するそれぞれの芳香が付けられた領域とを備えることができる。
【0015】
上記発明においては、包装材は、金属箔または金属化紙により形成されていることができる。
【0016】
本発明の包装機械は、タバコを運ぶ供給搬送機と、タバコが包装材に包まれる包装装置とを備える芳香が付けられたタバコの箱を製造する包装機械であって、それぞれの包装材の内側に芳香が付けられた領域を形成する芳香を付ける装置と、タバコ製品と上記包装材との間に配置され、保護要素がそれぞれの単一の包装材の対になっている供給装置とを備える。
【0017】
上記発明において、芳香を付ける装置は、芳香物質が保護要素の表面に向けられる分配手段を備えることができる。
【0018】
上記発明において、芳香を付ける装置は、粘着ラベルを提供する供給装置と、芳香物質が粘着ラベルの表面に向けられる分配手段とを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に従ったタバコを含んだ箱または包装体の斜視図である。
【図2】図1を切断したときの図であり、正面から見たときの図である。
【図3】図1を詳細に見たときの斜視図である。
【図4】図1に示されるような包装体を製造する機械の詳細な斜視図である。
【図5】(a)は、図4を拡大した詳細図で、上側から見たときの平面図であり、(b)は、図4の詳細図であり、図4の機械の代替的な実施形態を説明する。
【図6】図1に示される包装体の代替的な実施形態を示す斜視図である。
【図7】図4の機械の代替的な実施形態における詳細図であり、斜視図である。
【図8】図1に示されるような包装体を製造する機械の第2の詳細な図であり、斜視図である。
【図9】図8の詳細な図であり、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明は、例示の方法により、添付する図を用いて以下に詳細に記述されるであろう。
【0021】
図1を参照して、符号1は、例えばタバコ2を含むタバコ製品の包装体を示し、タバコの軸と平行に延びる軸Aに並んでいるほぼ細長い平行六面体の形状を有している。
【0022】
包装体1は、上述の軸Aに対して交差して配置されている2つの端面3,4と、2つの大きな側壁5,6および2つの小さなまたは側面の壁7,8を含む4つの側面とを提供する。
【0023】
包装体1は、1つの群10に予め形成されたタバコ2に直接的に接触して配置される金属箔紙の内側包装材9と、紙材料の外側包装材11とを備える。
【0024】
図2および図4を参照して、包装体1は、さらに、厚紙または硬質の板紙の四角形の紙片を含み、U字形状に曲げられ、タバコ2の群10に接触して配置される保護要素または挿入材12を備える。この種類の挿入材を使用することは、例えば、特許公報DE4330006およびUS399655に開示されている。
【0025】
挿入材12は、タバコ2の末端に一致する群10の底の端面に接触して配置される四角形の外形の中央パネル13と、2つの折られる折り線に沿って、それぞれが中央パネル13の短い辺に接続され、そして、タバコ2の円柱状の表面に一致する群10の狭い側面に接触することが提供される一対の側方羽根部14とを備える。
【0026】
挿入材12の1つの機能は、包装体1が包装機械により形成される様々な工程の期間中に、タバコ2に対して適切な程度の機械的な保護を提供する。
【0027】
挿入材12のもう1つの機能は、包装体1の強度を増加し、より優れた形状の安定性を提供し、特に、包装体に含まれるタバコ2が、喫煙者により徐々に取り出される限り、より優れた形状の安定性を提供する。
【0028】
符号15は、挿入材12と内側包装材9との間に配置されている芳香が付けられた粘着ラベルを示し、中央パネル13に付けられ、そして図3に利点が示されている。芳香が付けられた粘着ラベルは、パネル13に接触する接着剤の層16と、符号18に示される芳香が付けられた領域を形成するために、外側に芳香物質が吹き付けられ、または被膜されたプラスチックまたは紙材料の中間裏当て層17とを備える。
【0029】
図4は、全体が符号19によって示されているタバコの包装機の概略説明図であり、より一般的には、図1における種類の包装体を製造するために設計された機械の図である。
【0030】
包装機19は、タバコ2が群10に形成される装置20と、上述の挿入材12を供給する供給装置21と、芳香が付けられた粘着ラベル15を供給する芳香を付ける装置22とを備える。
【0031】
群10は、よく知られた種類の装置20により形成され、その装置20は、複数の溝24に分割されたホッパー23を備え、タバコ2の3つの積層された層を含む群10は、環状のベルトコンベア26により搬送されるポケット25の中に供給される。ベルトコンベア26は、2つの端のプーリ28同士の間で緊張された水平方向の上側部分27を提供し、プーリ28の1つは、図には説明されていない駆動手段により、断続的に駆動されている。
【0032】
挿入材12は、よく知られた種類のような供給装置21により、ポケット25に供給され、供給装置21は、ベルトコンベア26の供給方向(矢印F)に対して、ホッパー23の下流側の点において、上側部分27に沿って配置されている。
【0033】
符号29により示されるケースに積み重ねられた挿入材12は、ホッパーから取り出され、U字形状に曲げられ、そして、中央パネル13がタバコ2の群10の最も前側の端面に突き進み、2つの側方羽根部14がポケット25の側壁に沿って延びるように、それぞれのポケット25と共に1組になる。
【0034】
1つの実施可能な形態においては、芳香を付ける装置22は、整列装置20の下流において、前述のベルトコンベア26の上側部分27に沿って配置され、符号22’により示される停止位置を占有し、そして、並んで配置されている2つのロール30,31を備え、プーリ28の軸に直交して配置される鉛直方向の軸に中心が置かれている。
【0035】
材料の細長材32は、第1のロール30から断続的に巻き解かれ、細長材32の表面には単一のラベル15が予め定められた間隔で継続的に離れて配置されており(図4)、それぞれは粘着層16により貼り付けられている。
【0036】
細長材32は、後に通り道の終端においてロール31に再び巻かれ、その通り道は、ベルトコンベア26の上側部分27とともに収束する方向に向かって前進する略水平方向に延びる第1の区間の部分32aと、第1の区間の部分32aの方向に逆行する方向に前進する第2の区間の部分32bを備える。2つの区間の部分32a,32bは、3角形の切断面を有する方向転換要素34により提供される鋭角部33の両側の面に置かれている。
【0037】
図5(a)において概略的に説明されている従来の方法に従えば、ポケット25が始めに停止し、次に、上述の位置22’を超えて前進を継続する時に、細長材32は、鋭い方向転換を受け、その結果、順番に、それぞれのラベル15が、次第にとり外され、関連するポケット25に付随する対応の挿入材12の中央パネル13に移行される。
【0038】
符号35は、第1の区間の部分32aに沿って配置されている芳香液体の分配機を示し、圧力が印加されて液体で満たされている容器36と、細長材32の供給方向に関して位置22’の上流側の地点において一時的に停止したときに、間欠的にそれぞれのラベル15に噴流が向けられるノズル37とを備える。
【0039】
このように、それぞれの一連のラベル15は、それぞれの芳香が付けられた領域18が設けられる。
【0040】
装置の代替的な実施形態に従えば、図5(b)に説明されているように、芳香を付ける装置22は、一方が他方の上に配置されている2つのロール30,31を備えることができ、ロール30,31は、プーリ28の軸に直行して配置される水平方向の軸を中心とする。
【0041】
この例においては、細長材32は、ほぼ鉛直方向に上昇する区間の部分32aと、継続して下降する区間の部分32bとを備え、区間の部分32a,32bは、ベルトコンベア26の動きが一時的に停止する期間に、ラベル15を取り外し、それぞれのラベル15を対応するパネル13に移行するように、三角形の切断面を有する方向転換要素34により提供される鋭角部33の両側に配置されている。
【0042】
包装機19は、さらに、ベルトコンベア26の上側部分27を超えて下流側に配置されている従来の種類の包装装置Pを備え、群10およびそれぞれの挿入材12は、ポケット25から取り出され、そして、金属箔紙のそれぞれの包装材9に包まれ、次に、包装体1を完成させるために、紙材料の外側包装材11の内部に配置される。
【0043】
本発明に従った箱においては、従来技術の典型的な慣例の箱とは異なって、芳香を付ける液体は、ラベル15の領域18内に配置されたまま残り、そして、挿入材12の作用によってタバコ2から分離され、挿入材12は、結果として、タバコ2を遮蔽する働きを有する符号38で示された保護要素として機能することは明らかである。
【0044】
図6を参照して、符号39は、タバコ2の2つの群10を含むヒンジ連結された蓋の種類のタバコの包装体を示し、それぞれの群10は、金属箔紙のそれぞれの包装材9により包まれている。
【0045】
U字形状に曲げられた挿入材12は、それぞれの群に使われ、そして、前に記述した包装体1と同様に、それぞれの芳香が付けられた領域18を提供するラベル15が、挿入材12と、包装材9との間に配置されている。
【0046】
この特定的な例においては、2つの群10のラベル15は、互いに異なる芳香を選択することにより変化させることもできる。
【0047】
図7のタバコ包装機19は、この機械によって生成される包装材の芳香が付けられた領域18が、ノズル37から直接的にそれぞれの中央パネル13の部分に芳香液体を噴射することにより生成される点で、図4の包装機と異なっている。
【0048】
図8は、前述の包装装置Pの一部分を形成し、金属箔紙のような包装材料の細長材41を供給する働きを有する装置40を説明し、細長材41は、ロール42から巻き解かれ、切断装置43により分離されたリーフ部材44に分割される。
【0049】
機械のこの実施形態においては、図4の装置22と同様であり、切断装置43の上流側に作用する芳香を付ける装置は、芳香が付けられたラベル15’を、最終的にタバコ2に接触して配置される細長材41の表面に貼り付ける。
【0050】
図9において説明されるように、ラベル15’は、粘着層16の中央に配置されている芳香が付けられた領域18を提供し、粘着層16は、紙材料の裏当て層17’に取り付けられており、裏当て層17’は、芳香が付けられた領域18とタバコ2との間に配置される保護要素38’としても機能する。材料のリーフ部材44は、従来の包装装置(説明せず)の入り口において、群10により進入が阻止される。
【0051】
明らかに、図8の例においては、保護要素38’を提供する供給装置21は、細長材41を提供する供給装置40と同一の装置である。
【0052】
芳香が付けられた領域18は、1つ以上の群10を含み、それぞれが説明された例の様な複数のタバコ2を含む箱に関連するだけではなく、それぞれのタバコ2が個別に包装された箱に関連することが理解されるだろう。
【0053】
より厳密的には、この例で製造されている参照は、複数の包装材、それぞれの単一のタバコに対する包装材を含む特別な種類の箱であり、例えば、成型作業により形成されるであろう。
【0054】
この種類の箱および包装材のために、タバコ2に関連付けられた芳香が付けられた領域は、単一の芳香または互いに異なる複数の芳香を提供し、それぞれのタバコ2と関連付けられたラベル15との間に配置された保護要素(説明せず)とともに提供されるラベル15からなることができる。
【符号の説明】
【0055】
2 タバコ
9 包装材
12 挿入材
15,15’ 粘着ラベル
18 芳香が付けられた領域
35 分配機
38,38’ 保護要素
26 ベルトコンベア
P 包装装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ(2)を包む少なくとも1つの包装材(9)を備える芳香が付けられたタバコの箱であって、
包装材(9)の内側の芳香が付けられた領域(18)と、
タバコ(2)と芳香が付けられた領域(18)との間に配置され、包装材(9)が補強される挿入材(12)からなる保護要素(38,38’)とを備え、
芳香が付けられた領域(18)は、挿入材(12)に付けられた芳香物質に存在することを特徴とする、タバコの箱。
【請求項2】
芳香が付けられた領域(18)は、粘着ラベル(15,15’)に付けられた芳香物質に存在することを特徴とする、請求項1に記載の箱。
【請求項3】
粘着ラベル(15)は、挿入材(12)に付けられていることを特徴とする、請求項2に記載の箱。
【請求項4】
保護要素(38’)は、包装材(9)に付けられた粘着ラベル(15’)に存在することを特徴とする、請求項1に記載の箱。
【請求項5】
少なくとも2つのタバコの群(10)を備え、それぞれの群が、個別の包装材(9)で包まれており、芳香が付けられた領域(18)は、それぞれの群(10)に付随することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の箱。
【請求項6】
包装材(9)と、それぞれの個別のタバコ(2)に付随するそれぞれの芳香が付けられた領域(18)とを備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の箱。
【請求項7】
包装材(9)は、金属箔または金属化紙により形成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の箱。
【請求項8】
タバコ(2)を運ぶ供給搬送機(26)と、
タバコ(2)が包装材(9)に包まれる包装装置(P)とを備える芳香が付けられたタバコの箱を製造する包装機械であって、
それぞれの包装材(9)の内側に芳香が付けられた領域(18)を形成する芳香を付ける装置(22)と、
タバコ製品(2)と上記包装材(9)との間に配置され、保護要素(38,38’)がそれぞれの単一の包装材(9)の対になっている供給装置(21)とを備えることを特徴とする、包装機械。
【請求項9】
芳香を付ける装置(22)は、芳香物質が保護要素(38,38’)の表面に向けられる分配手段(35)を備えることを特徴とする、請求項8に記載の包装機械。
【請求項10】
芳香を付ける装置(22)は、粘着ラベル(15,15’)を提供する供給装置と、芳香物質が粘着ラベル(15,15’)の表面に向けられる分配手段(35)とを備えることを特徴とする、請求項8に記載の包装機械。

【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−241504(P2010−241504A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284811(P2009−284811)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(392003937)ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ (102)
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】