説明

茶葉摘採機

【課題】旋回終了時や刈取再開時の刈刃スイッチや送風スイッチの入れ忘れを未然に防止し、旋回時や後退時の煩雑なスイッチ操作をなくすことが可能な茶葉摘採機を提案する。
【解決手段】刈取装置22の昇降移動に応じて刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が自動的に駆動、停止するので、旋回終了時や刈取再開時に、刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21を駆動させるための刈刃スイッチ17dや送風スイッチ17eの入れ忘れを未然に防止することができる。また、旋回時や後退時の刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21を停止させる煩雑なスイッチ操作をなくすこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、茶葉摘採機に関し、さらに詳しくは、摘採作業、剪枝作業を行う刈取装置を昇降自在に備えた茶葉摘採機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、摘採作業や剪枝作業を行う刈取装置を昇降自在に備えた茶葉摘採機が知られている。
例えば、特許文献1に記載の茶葉摘採機にあっては、刈取装置は、刈刃と、刈刃が刈り取った茶葉枝を刈取方向後方に移送する圧力風を噴出するダクトとを有した状態で機体フレームに昇降自在に支持され、昇降スイッチのスイッチ操作に応じて駆動制御される昇降装置により同期して巻き上げられ、かつ、繰り出される左右一対のチェーンの下端部が係止される。
昇降スイッチには、(ON)−OFF−(ON)タイプのトグルスイッチ((ON)は押している間のみONになる)が用いられ、この昇降スイッチを下側(下降側)に一回「ON」すると昇降装置がチェーンを繰り出し、刈取装置が高位置(機械最高高さ)から中位置(旋回時や後退時の高さ)に移動し、さらに下降側に一回「ON」すると刈取装置が中位置から低位置(刈取作業を行う高さ)に移動する。
また、昇降スイッチを上側(上昇側)に一回「ON」すると昇降装置がチェーンを巻き取り、刈取装置が低位置(刈取作業を行う高さ)から中位置(旋回時や後退時の高さ)に移動し、さらに上昇側に一回「ON」すると刈取装置が中位置から高位置(機械最高高さ)に移動する。
【0003】
【特許文献1】特開2007−44003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように昇降スイッチの「ON」操作により刈取装置が昇降移動する場合、作業者は、刈取装置の昇降移動に応じて昇降スイッチとは異なる各種操作スイッチ(刈刃スイッチ、送風スイッチ)により刈刃と、圧力風を生成する送風機とを駆動制御する必要がある。
具体的には、作業者は、昇降スイッチにより刈取装置を中位置から低位置に移動させてから、各種操作スイッチにより刈刃及び送風機を駆動する。また、作業者は、各種操作スイッチにより刈刃及び送風機を停止させてから、昇降スイッチにより刈取装置を低位置から中位置に移動させる。従って、刈取装置を中位置から低位置に移動させる旋回終了時や刈取再開時に刈刃スイッチや送風スイッチの入れ忘れが生じる。また、刈取装置を低位置から中位置に移動させる旋回時や後退時には煩雑なスイッチ操作をしなくてはならない。
【0005】
本発明は上記背景により、旋回終了時や刈取再開時の刈刃スイッチや送風スイッチの入れ忘れを未然に防止し、旋回時や後退時の煩雑なスイッチ操作をなくすことが可能な茶葉摘採機を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の茶葉摘採機は、茶畝から茶葉を摘採する刈刃と、前記刈刃が摘採した茶葉を刈取方向後側に移送する送風を噴出自在とする送風ダクトとを有した状態で機体フレームに昇降自在に配された刈取装置を有した茶葉摘採機において、
前記刈刃は、前記刈取装置の昇降動作に連動して駆動、停止することを構成要件とする。
【0007】
茶葉摘採機は、茶畝を跨いで走行しながら摘採作業を行う乗用型摘採機や、剪枝作業を行う乗用型中刈機、乗用型中刈複合機のことを指す。刈刃は、摘採面を整えたり(剪枝作業)、茶畝から茶葉枝を摘採する(摘採作業)ため、上下動刃(上下2枚1組のバリカン刃)が用いられる場合と、回転刃(畝幅方向4枚1組のロータリ刃)が用いられる場合とがある。また、刈刃は、1組設けられる場合と、刈取方向に前後して2組設けられる場合とがある。
【0008】
刈刃が刈取装置の昇降動作に連動して駆動、停止することにより、刈取装置を高位置(旋回時や後退時の高さ)から低位置(刈取作業を行う高さ)に移動させる旋回終了時や刈取再開時の刈刃スイッチの「ON」操作はなくなり、刈刃スイッチの入れ忘れが生じることはない。また、刈取装置を低位置(刈取作業を行う高さ)から高位置(旋回時や後退時の高さ)に移動させる旋回時や後退時の刈刃スイッチの「OFF」操作はなくなるので、旋回時や後退時の煩雑なスイッチ操作がなくなる。
従って、旋回終了時や刈取再開時の刈刃スイッチの入れ忘れを未然に防止することができるうえに、旋回時や後退時の煩雑なスイッチ操作をなくすことができる。
【0009】
具体的には、刈刃は、刈取装置が高位置から低位置に至るまでの間のいずれかのタイミングで駆動し、刈取装置が低位置から高位置に至るまでの間のいずれかのタイミングで停止する(請求項2)。
すなわち、刈刃は、刈取装置が高位置から低位置に向かって下降し始める前に駆動する場合と、刈取装置が高位置から低位置に向かって下降しているときに駆動する場合と、前記刈取装置が低位置に達してから駆動する場合とがある。また、刈刃は、刈取装置が低位置から高位置に向かって上昇し始める前に停止する場合と、刈取装置が低位置から高位置に向かって上昇しているときに停止する場合と、刈取装置が高位置に達してから刈刃が停止する場合とがある。
【0010】
刈刃の駆動、停止は、圧力風の送風、停止と連係しているとは(請求項3)、刈刃の駆動に連係して圧力風の送風が開始され、刈刃の停止に連係して圧力風の送風が停止することを指す。すなわち、刈刃が駆動し、かつ圧力風の送風が開始される。また、刈刃が停止し、かつ圧力風の送風が停止する。圧力風の送風が開始、停止されるとは、圧力風を生成する送風機の駆動、停止により行われる場合と、送風機は駆動させたままの状態で、送風ダクトの途中で圧力風を逃がしたり(停止)、送風機の空気取込口を開くことによって送風を開始し、閉じることによって送風を停止する場合とがある。
【0011】
刈刃及び圧力風が刈取装置の昇降動作に連動して駆動(送風)、停止することにより、刈取装置を高位置(旋回時や後退時の高さ)から低位置(刈取作業を行う高さ)に移動させる旋回終了時や刈取再開時の刈刃スイッチや送風スイッチの「ON」操作はなくなり、刈刃スイッチや送風スイッチの入れ忘れが生じることはない。また、刈取装置を低位置(刈取作業を行う高さ)から高位置(旋回時や後退時の高さ)に移動させる旋回時や後退時の刈刃スイッチや送風スイッチの「OFF」操作はなくなるので、旋回時や後退時の煩雑なスイッチ操作がなくなる。
従って、旋回終了時や刈取再開時の刈刃スイッチや送風スイッチの入れ忘れを未然に防止することができるうえに、旋回時や後退時の煩雑なスイッチ操作をなくすことができる。
【発明の効果】
【0012】
刈取装置の昇降移動に応じて刈刃及び送風機が自動的に駆動、停止するので、旋回終了時や刈取再開時に、刈刃及び送風機を駆動させるための刈刃スイッチや送風スイッチの入れ忘れを未然に防止することができる。また、旋回時や後退時の刈刃及び送風機を停止させる煩雑なスイッチ操作をなくすこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0014】
図1(a)、(b)は、茶畝から茶葉を摘採する刈刃22aと、刈刃22aが摘採した茶葉枝を刈取方向後側に移送する圧力風を噴出する送風ダクトとしての背面ダクト22cとを有した状態で機体フレーム10に昇降自在に配され、昇降スイッチ17cの上昇操作により低位置から高位置に移動し、昇降スイッチ17cの下降操作により高位置から低位置に移動する刈取装置22を有した茶葉摘採機1において、
刈刃22aは、刈取装置22の昇降動作に連動して駆動、停止する概要を示したブロック図及びフローチャートである。
【0015】
初めに茶葉摘採機全体の説明をする。図2〜3に示されるように、茶葉摘採機1は、機体フレーム10、走行装置15、エンジン20、送風機21、刈取装置22、茶葉分離枠70、コンテナ71を備える。
【0016】
機体フレーム10は、茶畝を跨ぐために正面視門型に形成された前側フレーム11及び後側フレーム12の前後肩部間が左右一対の上部連結フレーム13により連結され、前側フレーム11及び後側フレーム12の前後下端部間が左右一対の下部連結フレーム14により連結される。
【0017】
前側フレーム11の機体幅方向に延びた横フレーム部は、中央の固定フレーム11aと、この固定フレーム11aの幅方向両端にて機体幅方向に進退自在に支持された可動フレーム11b、11cとを備える。また、後側フレーム12の機体幅方向に延びた横フレーム部も、中央の固定フレーム12aと、この固定フレーム12aの幅方向両端に、機体幅方向に進退自在に支持された可動フレーム12b、12cとを備える(図5参照)。固定フレーム11aの中央内部には、幅方向両端が可動フレーム11b及び可動フレーム11cに接続されたラックアンドピニオン式の軌間伸縮機構部(油圧式)が固定されており、軌間伸縮機構部の機体幅方向の伸縮動作に応じて機体フレーム10が軌間伸縮する。
【0018】
下部連結フレーム14には走行装置15が一体的に組み付けられる。走行装置15は、下部連結フレーム14の前部に配された油圧モータ式の駆動輪15aと、連結フレーム14の後部に配された従動輪15bと、駆動輪15a及び従動輪15bに巻き回されたクローラ15cとを備える。
なお、クローラ15cは、ゴム製または鉄製のどちらでもよい。また、クローラの代わりに、車輪、レール式を用いてもよい。
【0019】
一方の走行装置15の上方となる機体フレーム10の前後脚部間には、機体に装着された各種油圧アクチュエータ(油圧モータ、油圧シリンダ等)を動作させるための作動油を貯留する作動油タンク16が配設され、他方の走行装置15の上方となる機体フレーム10の前後脚部間には、エンジン20の燃料を貯留する燃料タンクが配設される。
【0020】
機体フレーム10の上面には、作業者や重量物が搭載される上部デッキが形成され、この上部デッキには、運転台17、操作ハンドル18、操縦席19、油圧ポンプ一体型のエンジン20、送風機21が配される。
【0021】
上部デッキの幅方向片側に寄せて配置された運転台17の上面パネルには、機体操作や刈取装置の昇降移動等の茶園管理作業(摘採作業)を制御するため、後述する各種操作スイッチから入力されるスイッチ信号に基づいて、各種油圧アクチュエータに作動油を供給する電磁弁40(図1参照)に制御信号を出力する制御ユニット17a1(図1参照)が組み込まれたタッチパネル式(例えば、入力数値としては刈取装置22の刈り取り高さ、軌間伸縮量等)の入力操作表示部17aが配される(図4参照)。
【0022】
制御ユニット17a1は、車載された各種検出手段からの検出値や走行履歴情報、入力情報等に基づいて刈取装置22の姿勢制御、例えばきめ細かな刈り取り高さ制御等を行うように予め設定されていると共に、GPS(Global Positioning System、ナビゲーションシステムのこと)による走行履歴情報、例えば走行距離情報、走行スピード情報等を記憶、表示、且つ通信回線を介して送出可能とする機能を備えている。
【0023】
なお、GPSの構成に代えて、制御ユニット17a1から送出された走行距離情報、走行スピード情報及び作業内容(例えば、日付・時間・作業時間・天候・作業場所・作業の種類・作業条件等の情報データ)は、茶葉摘採機1に搭載された制御機器(例えば、PCL:プログラマブルロジックコントローラ)に自動的に記憶格納され、そして、この制御機器に接続されたパソコンから制御機器内部に記憶格納した情報データが取り出される場合もある。これにより、GPSを用いることなく作業の内容を容易に管理することが可能となり、しかも、茶葉摘採機1のコストを抑えることができる。
【0024】
また、運転台17には、図4に示すように、刈取装置22の昇降移動に連動して刈刃22a、第2の刈刃22b(後述する)及び送風機21の駆動、停止を自動的に行う自動刈取スイッチ17b、刈取装置22の上昇、下降を行うか否かが選択操作される昇降スイッチ17c、刈刃22a及び第2の刈刃22bの駆動、停止を行うか否かが選択操作される刈刃スイッチ17d、送風機21の駆動、停止を行うか否かが選択操作される送風スイッチ17e、エンジン始動、停止用のイグニションスイッチ17f、摘採作業と剪枝作業との何れかが選択される作動切換スイッチ17g等が配される。作動切換スイッチ17gは、作業形態に応じて入力操作表示部17aの表示高さと実際の剪枝高さとに誤差を生じさせないために設けられる。
なお、自動刈取スイッチ17b、刈刃スイッチ17d、送風スイッチ17e、作業切換スイッチ17fはON−OFFタイプのトグルスイッチ、昇降スイッチ17cは(ON)−OFF−(ON)タイプのトグルスイッチが用いられる。
また、以下にあっては、パネル表示に従ってスイッチ操作の「ON」を「入り」、「OFF」を「切り」という場合がある。
【0025】
この運転台17の後方に、機体を操作するための平面視T字状の操作ハンドル18と、作業者が着座する操縦席19とが配設される。
【0026】
エンジン20は、複数の通気孔が設けられたエンジンカバーと共に上部デッキのもう一方の幅方向片側に寄せて配置される。エンジン20の始動、駆動(運転)、停止は、イグニションスイッチ17fのキー操作「START」「ON」「OFF」によって行われる。このエンジン20に一体化された油圧ポンプから電磁弁40を経て各種の油圧アクチュエータに作動油が供給される。各油圧アクチュエータに送られた作動油は、ファン式オイルクーラで冷却されてから作動油タンク16に戻される。
【0027】
送風機21は、複数の通気孔が設けられたファンカバーと共に上部デッキの幅方向中央に配置される。この送風機21は、エンジン20を駆動源とし、制御ユニット17a1の制御下の油圧式のテンションクラッチを有する。送風機21の駆動(運転)、停止は、自動刈取スイッチ17bが「入り」の場合は自動的に行われ、また、手動時にあっては、送風スイッチ17eのスイッチ操作「入り」「切り」によって行われる。この送風機21の駆動時にあっては刈取装置22が摘採した茶枝葉を刈取方向後側(コンテナ71側)に向かって移送する圧力風を発生する。この送風機21が発生した圧力風は、送風機21に接続されたフレキシブルダクト23により移送される。
なお、送風機21の駆動、停止により圧力風の送風、停止が行われる場合と、送風機21は駆動させたままの状態で、背面ダクト22cやフレキシブルダクト23の途中で圧力風を逃がしたり(停止)、送風機21の空気取込口を開くことによって送風を開始し、閉じることによって送風を停止する場合とがある
【0028】
前側フレーム11と後側フレーム12との間には刈取装置22が後側フレーム12の脚部に沿って昇降自在に設けられる。
刈取装置22は、茶畝から茶葉を摘採する刈刃22a(摘採用のバリカン刃)と(図1参照)、刈刃22aの刈取方向後側に配され、刈刃22aと連動して駆動される第2の刈刃22b(摘採面を整える刈ナラシ用のバリカン刃)と(図1参照)、刈刃22aが摘採した茶葉を刈取方向後側に移送する圧力風を噴出する背面ダクト22cと、背面ダクト22cの下端開口部から噴出された上向きの圧力風により摘採茶葉を刈取方向後側(コンテナ71側)に移送する移送ダクト22dと、前記した刈刃22a、第2の刈刃22b等を支持する機体幅方向に延びた刈取支持フレーム22e(図5参照)とを備える。
【0029】
刈取装置22の刈取高さとは、摘採用の刈刃である刈刃22aの刈取高さのことであり、刈刃22aの刈取高さは浅め、第2の刈刃22bの刈取高さは深め(その差は約30mm程度)とされる。
なお、刈刃22a及び第2の刈刃22bに、バリカン刃、ロータリ刃のうち何れかが用いられるかは任意である。
【0030】
刈刃22aは、送風機21が発生した圧力風が上方から下方に向かって流れる背面ダクト22cの下方側、かつ下方から上方に向かって圧力風が流れる移送ダクト22dの下方側に配される。刈刃22aは、機体外側に張り出された油圧モータ22a1によって機体幅方向に往復動される。また、ナラシ用の第2の刈刃22bも、機体外側に張り出された油圧モータ22b1によって機体幅方向に往復動される。油圧モータ22a1及び油圧モータ22b1が機体外側に張り出されることにより、茶樹幅(例えば1800mm)よりも幅広の刈刃(例えば1900mm)が使用可能となり、刈り残しが防止される。
また、油圧モータ22a1、22b1は、各モータの外側に配されるガードによって防護される場合がある。
【0031】
油圧モータ22a1、22a2とエンジン20の油圧ポンプとを結ぶ油路には、流量優先取出弁としてのプライオリティバルブが介設される。プライオリティバルブは、油圧ポンプが吐出する油圧(ポンプ流量)に関係なく、常に一定の油圧(流量)を優先して取り出すことができるバルブであって、エンジン回転数の増減にかかわらず刈り取り作業に応じた刈刃スピードが常に得られる油圧を油圧モータ22a1、22b1に供給する。このため、エンジン回転数を増大すると送風機21が発生する圧力風は増大するが、刈刃スピードが速まるようなことはなく、刈り取り作業に応じた刈刃スピードが常に保たれる。
【0032】
背面ダクト22cは、刈刃22aの刈取方向後側に移送ダクト22dの後面部に沿って併設される。背面ダクト22cは、その下端開口部に背面ダクト22c内に取り込まれた下向きの圧力風を上向きの圧力風として移送ダクト22d内に送り込むためのアングル等を用いた変向部材22c1を有している。また、背面ダクト22cの上面は、送風機21に接続されたフレキシブルダクト23に接続されており、送風機21が発生した圧力風を第1の刈刃22に向けて噴出する。
【0033】
移送ダクト22dは、その中央部22d1が2重管構造により上下方向に伸縮自在とされる。また、後述するコンテナ71が機体後方に向かって前倒れ式に回動した状態にあっては、ダクト上部22d2が中央部22d1から切り離され、コンテナ71が元の状態に復帰した状態にあっては、ダクト上部22d2が中央部22d1に接合する。
【0034】
刈取支持フレーム22eは、図5に示すように、中央の固定フレーム22e1と、この固定フレーム22e1の幅方向両端にて機体幅方向に進退自在に支持された可動フレーム22e2、22e3とを備える。可動フレーム22e2及び可動フレーム22e3の外端部は、後側フレーム12の脚部に沿って昇降自在に設けられた左右一対の第1の昇降体24に接続される。左右の第1の昇降体24の間には、刈刃22a等の幅方向中心を左右の走行装置15の軌間中心に正確に位置合せを行う自動中心機構部25が配される。
なお、この第1の昇降体24は、コンテナ71を下方側から離脱可能に支持しており、第1の昇降体24の昇降動作に応じて刈取装置22と共に茶葉分離枠70及びコンテナ71が昇降する。
【0035】
刈取支持フレーム22eには、図5に示すように、昇降スイッチ17cのスイッチ操作に応じた制御ユニット17a1により駆動制御される昇降装置26から同期して繰り出される左右一対のチェーン26a、26bの下端部がそれぞれ係止されており、チェーン26a、26bの繰り出しによって刈取装置22が下降し、チェーン26a、26bの巻取りによって刈取装置22が上昇する。
【0036】
昇降装置26は油圧シリンダ26cを有している。油圧シリンダ26cは、後側フレーム12の固定フレーム12aに固設され、この油圧シリンダ26cの伸縮自在なロッド26dの先端部のシリンダエンド26eに、チェーン26a、26bが巻き回されるスプロケット26fが回転自在に支持される。
【0037】
チェーン26aは、その一端部が固定フレーム12aに固定され、中間部がスプロケット26fと、固定フレーム12aに回転自在に支持されたスプロケット26gとに巻き回され、他端部(下端部)が刈取支持フレーム22eの固定フレーム22e1に係止される。
【0038】
チェーン26bは、その一端部が固定フレーム12aに固定され(図5ではチェーン26aに重複された状態が示される)、中間部がスプロケット26fと、固定フレーム12aに回転可能に支持されたスプロケット26h及びスプロケット26iとに巻き回され、他端部(下端部)が刈取支持フレーム22eの固定フレーム22e1に係止される。
【0039】
これにより、油圧シリンダ26cによりシリンダヘッド26eがシリンダ側に移動すると、チェーン26a、26bが巻き取られて刈取支持フレーム22e(刈取装置22)が上昇する。また、シリンダヘッド26eが反シリンダ側に移動するとチェーン26a、26bが繰り出されて刈刃支持フレーム22e(刈取装置22)が下降する。
【0040】
また、シリンダヘッド26eには、固定フレーム12aに回転可能に支持された刈取高さ検出用のポテンショメータ(スプロケット)26jに巻き回されたチェーン26kの一端部が固定される。このチェーン26kの他端部は、このチェーン26kの他端部を反シリンダ側に付勢するバネ26mを介して固定フレーム12aに固定される。これにより、シリンダヘッド26eの移動量、すなわち刈取装置22(刈刃22a)の刈取高さがポテンショメータ26jにより正確に検出される。このポテンショメータ26jが検出した検出値は制御ユニット17a1(シーケンサーの場合もある)に入力されて昇降装置26の駆動制御に供される。
【0041】
また、固定フレーム12aと可動フレーム12cとの間には、固定フレーム12aに回転可能に支持された軌間幅検出用のポテンショメータ(スプロケット)26n及びスプロケット26pにs字状に巻き回されたチェーン26qが配される。このチェーン26qの一端部は可動フレーム12cに固定され、他端部は、チェーン26qの一端部を反シリンダ側に付勢するバネ26rを介して固定フレーム12aに固定される。これにより、可動フレーム12cの移動量、すなわち軌間伸縮量がポテンショメータ26nにより正確に検出され、その検出値は制御ユニット17a1(シーケンサーの場合もある)に入力されて軌間伸縮機構部の駆動制御に供される。
【0042】
前記したように、刈取装置22(刈刃22a)の位置決めは、チェーン26kが巻き回されたポテンショメータ(スプロケット)26jにより検出された検出値(回転角度)に基づいて、制御ユニット17a1が、入力操作表示部17aを介して予め設定された刈取高さに刈取装置22(刈刃22a)が位置するように昇降装置26を駆動制御することによって行われる。なお、刈取装置22(刈刃22a)の刈取高さ位置を検出するのは、前記したポテンショメータ26jの他に、機械式、光学式の検出手段が用いられる場合もある。
【0043】
ここで、刈取高さ設定の説明を行う。
高位置は、刈取り面から刈取装置22を離す場合に使用する高さであって、一般的には、旋回時や後退時に用いられる茶畝通過用の高さ設定である。低位置は、最終的な仕上げ用、つまり各作業における刈取高さである。なお、ここでの高さ設定値は制御ユニット17a1のメモリに自動的に記憶格納される。
【0044】
イグニションスイッチ17fを「ON」にし、摘採作業をする場合は作業切換スイッチ17gを摘採(上側)、剪枝作業をする場合は作業切換スイッチ17gを剪枝(下側)にする。すると、入力操作表示部17aは、図6(a)に示すように、刈取装置22の刈取高さ表示及び軌間幅表示画面に切り換わる。この表示画面において刈取高さ表示の数値部分を押圧すると、(b)に示した第1の設定画面に切り替わる。この画面の刈取高さ表示の数値部分を押圧すると、(c)に示した第2の設定画面に変わる。
【0045】
変更したい桁にカーソル移動キー「>」「<」によりカーソルを合わせ、下限キー「+」「−」で設定値を変更する。変更が終了したら「OK」キーを押圧する。この操作を繰り返して高位置、低位置の刈取高さを設定する。全ての設定が終了し、(b)の画面が表示されたら画面右上の「ESC」キーを押圧して、(a)の画面に戻る。
【0046】
なお、刈取装置22の位置は、入力操作表示部17aに近接して配置された刈取位置表示ランプ17h、17iで確認される。具体的には、刈取装置22が高位置の設定よりも高い位置にある場合は、高のランプ17hが点滅し、高位置の設定値にある場合は、高のランプ17hが点灯する。刈取装置22が高位置と低位置との間に位置する場合は、高及び低のランプ17h、17iが点滅し、低位置の設定値にある場合は、低のランプ17iが点灯し、低位置の設定よりも低い位置にある場合は、低のランプ17iが点滅する。
以上、刈取高さ設定の説明を行った。
【0047】
茶葉分離枠70は、移送ダクト22dから移送されてきた茶葉を圧力風から分離して下方側のコンテナ71内に落下させる。
コンテナ71の幅方向両側部は、後側フレーム12の脚部から上方に向かって延設された左右一対の延長フレーム12cに沿って昇降自在に設けられた左右一対の第2の昇降体27に支持されており、第2の昇降体27の昇降動作に応じて茶葉分離枠70及びコンテナ71が一体的に昇降移動する。
【0048】
第2の昇降体27の昇降移動は、制御ユニット17a1により駆動制御される左右一対の油圧シリンダ28により行われる。この油圧シリンダ28は、コンテナ71の幅方向両側に縦向きに配され、そのロッドに接続された中間フレーム29にはアイドラが回転可能に支持されている。このアイドラには、一端がコンテナ71に接続され、他端が機体フレーム10に固定されたチェーン33が巻き回される。これにより、油圧シリンダ28の伸張動作に伴い中間フレーム29が上昇すると茶葉分離枠70及びコンテナ71が一体的に上昇し、油圧シリンダ28の短縮動作に伴い中間フレーム29が下降すると茶葉分離枠70及びコンテナ71が一体的に下降する。
【0049】
コンテナ71の下方には、コンテナ71を刈取方向後側に向かって前倒れ式に回動させる油圧シリンダ30aを有した傾斜リンク機構部30が配される。
【0050】
このコンテナ71の後面は跳ね上げ式の排出扉71aとされている。この排出扉71aは、コンテナ71が刈取方向後側に向かって回動するのに連動して動作する開閉連動機構部32により開閉される。開閉連動機構部32は、排出扉71aを開方向に常時付勢するガススプリングと、コンテナ71の底部及びコンテナ支持フレーム72にそれぞれ回転自在に支持された複数のスプロケット32a、32b等と、これら複数のスプロケット32a、32b等に互いに違いに噛み合わされた状態でコンテナ支持フレーム72と排出扉71aとの間に張架されたチェーン32cとを備える。
【0051】
次に、制御ユニット17a1の刈取制御についての説明を行う。
制御ユニット17a1は、中央制御部(制御部)がROMによりファームウェア化されている種々のアプリケーションプログラムを実行することにより刈取制御を行う。制御ユニット17a1には、図1(a)に示すように、自動刈取スイッチ17bからのスイッチ信号が入力され、自動刈取スイッチ17bの「入り」「切り」が判断される。また、この制御ユニット17a1には、昇降スイッチ17c、刈刃スイッチ17d、送風スイッチ17eからのスイッチ信号が入力され、昇降スイッチ17cの「上昇」、「下降」、「切り」が判断され、刈刃スイッチ17dの「入り」「切り」が判断され、送風スイッチ17eの「入り」「切り」が判断される。
【0052】
制御ユニット17a1は、入力された自動刈取スイッチ17bからのスイッチ信号に基づいて刈取装置22の高さ位置、刈刃22等の駆動状態、送風機21の運転状態を判断し、その判断結果に応じて、前記した電磁弁40に各種アクチュエータの駆動(運転)、停止を制御する制御信号が出力されて、刈刃22aの油圧モータ22a1、第2の刈刃22bの油圧モータ22b1、昇降装置26のシリンダ26cの駆動(運転)、停止がなされる。
【0053】
具体的には、制御ユニット17a1は、自動刈取スイッチ17bが「入り」の状態で、刈取装置22が高位置に位置し、かつ刈刃22a等が停止状態、かつ送風機21が運転停止状態にあれば、刈取装置22を下降動作させ、刈取装置22が低位置に達してから刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21を駆動する場合がある。
また、制御ユニット17a1は、自動刈取スイッチ17bが「入り」の状態で刈刃22a等が停止状態、かつ送風機21が運転停止状態にあれば、刈取装置22を下降動作させている間に、刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21を駆動する場合もある。
また、制御ユニット17a1は、自動刈取スイッチ17bが「入り」の状態で刈刃22a等が停止状態、かつ送風機21が運転停止状態にあれば、先ず刈刃22a、第2の刈刃22bを駆動及び送風機21を駆動し、それから刈取装置22を下降動作させ、刈取装置22を低位置に位置させる場合もある。
【0054】
さらには、制御ユニット17a1は、自動刈取スイッチ17bが「切り」の状態で、刈取装置22が低位置に位置し、かつ刈刃22a等が駆動状態、かつ送風機21が運転状態にあれば、刈取装置22を上昇動作させ、刈取装置22が高位置に達してから刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21の駆動を停止する場合がある。
また、制御ユニット17a1は、自動刈取スイッチ17bが「切り」の状態で、刈取装置22が低位置に位置し、かつ刈刃22a等が駆動状態、かつ送風機21が運転状態にあれば、刈取装置22を上昇動作させている間に、刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21の駆動を停止する場合もある。
また、制御ユニット17a1は、自動刈取スイッチ17bが「切り」の状態で、刈取装置22が低位置に位置し、かつ刈刃22a等が駆動状態、かつ送風機21が運転状態にあれば、刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21の駆動を停止してから、刈取装置22を上昇動作させる場合もある。
【0055】
すなわち、刈取装置22の下降移動に連動して刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が駆動し、上昇移動に連動して刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が停止することにより、刈取装置22を高位置(旋回時や後退時の高さ)から低位置(刈取作業を行う高さ)に移動させる旋回終了時や刈取再開時の刈刃スイッチ17dや送風スイッチ17eの「入り」操作はなくなり、刈刃スイッチ17dや送風スイッチ17eの入れ忘れが生じることはない。また、刈取装置22を低位置(刈取作業を行う高さ)から高位置(旋回時や後退時の高さ)に移動させる旋回時や後退時の刈刃スイッチ17dや送風スイッチ17eの「切り」操作はなくなるので、旋回時や後退時の煩雑なスイッチ操作がなくなる。
なお、刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21の駆動(運転)、停止の順序は、任意である。
【0056】
制御ユニット17a1における刈取制御(自動刈取及び手動刈取)の一例を図1(b)に示したフローチャートを用いて説明する。
なお、送風機21の駆動とは、送風機21による圧力風の発生のことを指す。
【0057】
ステップ10では、自動刈取スイッチ17bが「入り」操作されたか否かを判断する。ここで、自動刈取スイッチ17bが「入り」操作されたと判断するとステップ30へ移行し、「切り」操作されたと判断するとステップ20へ移行する。
【0058】
[自動刈取制御]
ステップ30では、刈取装置22が高位置(旋回時や後退時の高さ)に位置しているか否かを判断し、高位置に位置していると判断するとステップ31に移行し、刈取装置22が高位置に位置していない、つまり低位置に位置していると判断するとステップ10にリターンする。
【0059】
ステップ31では、刈刃22a及び第2の刈刃22bが停止しているか否かを判断し、停止していると判断するとステップ32に移行し、停止していない、つまり駆動していると判断するとステップ10にリターンする。
ステップ32では、送風機21が停止しているか否かを判断し、停止していると判断するとステップ33に移行し、停止していない、つまり駆動(運転)していると判断するとステップ10にリターンする。
なお、ステップ30〜ステップ33における判断内容の順序は、任意である。
【0060】
ステップ33では、昇降装置26を駆動させて刈取装置22を高位置(旋回時や後退時の高さ)から低位置(刈取作業を行う高さ)に向けて移動(下降)させる。次のステップ34では、刈取装置22が低位置に位置しているか否かを判断し、低位置に位置していないと判断するとステップ33にリターンし、低位置に位置していると判断するとステップ35に移行する。
ステップ35では、刈刃22a及び第2の刈刃22bを駆動し、次のステップ36に移行して送風機21を駆動する。その後、ステップ10にリターンする。
【0061】
ステップ33〜ステップ36は、刈取装置22が低位置に達してから刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が駆動する場合であり、このステップ33〜ステップ36における制御内容の順序は、任意である(但し、ステップ34よりもステップ33が先であること)。具体的には、ステップ33、ステップ35、ステップ36、ステップ34とする場合がある。この場合は、刈取装置22が高位置から低位置に向かって下降しているときに刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が駆動する場合である。
また、ステップ35、ステップ36、ステップ33、ステップ34とする場合がある。この場合は、刈取装置22が高位置から低位置に向かって下降し始める前に刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が駆動する場合である。
また、ステップ35とステップ36の順序を入れ換えてもよい。
【0062】
ステップ10において自動刈取スイッチ17bが「切り」操作されたと判断すると、ステップ20では、刈取装置22が低位置(刈取作業を行う高さ)に位置しているか否かを判断し、刈取装置22が低位置に位置していると判断するとステップ21に移行し、刈取装置22が低位置に位置していないと判断すると、手動刈取制御フローが開始されるステップ40に移行する。
【0063】
ステップ21では、刈刃22a及び第2の刈刃22bが駆動しているか否かを判断し、刈刃22a及び第2の刈刃22bが駆動していると判断するとステップ22に移行し、刈刃22a及び第2の刈刃22bが駆動していないと判断すると、ステップ40に移行する。
ステップ22では、送風機21が駆動(運転)しているか否かを判断し、送風機21が駆動していると判断するとステップ23に移行し、送風機21が駆動していないと判断すると、ステップ40に移行する。
なお、ステップ20〜ステップ22の判断内容の手順は、任意である。
【0064】
ステップ23では、昇降装置26を駆動させて刈取装置22を低位置(刈取作業を行う高さ)から高位置(旋回時や後退時の高さ)に向けて移動(上昇)させる。
ステップ24では、刈取装置22が高位置に位置しているか否かを判断し、位置していないと判断するとステップ23にリターンする。また、刈取装置22が高位置に位置していると判断するとステップ25に移行する。
【0065】
ステップ25では、刈刃22a及び第2の刈刃22bを停止し、次のステップ26に移行して送風機21を停止させる。その後、ステップ10にリターンする。
【0066】
ステップ23〜ステップ26は、刈取装置22が高位置に達してから刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が停止する場合であり、このステップ23〜ステップ26における制御内容の順序は、任意である(但し、ステップ24よりもステップ23が先であること)。具体的には、ステップ23、ステップ25、ステップ26、ステップ24とする場合がある。この場合は、刈取装置22が低位置から高位置に向かって上昇しているときに刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が停止する場合である。
また、ステップ25、ステップ26、ステップ23、ステップ24とする場合がある。この場合は、刈取装置22が低位置から高位置に向かって上昇し始める前に刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が停止する場合である。
また、ステップ25とステップ26の順序を入れ換えてもよい。
【0067】
なお、自動刈取スイッチ17bが「入り」にされ、刈取装置22が高位置から低位置に移動している間に自動刈取スイッチが一旦「切り」にされると、刈取装置22の上昇は停止する。また、再び「入り」にされても刈取装置22は上昇しない。この場合、一旦、手動で刈取装置22を高位置に戻した後、自動刈取にする。
また、自動刈取スイッチ17bが「入り」にされた状態にあっては、刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21が駆動されたのち、昇降スイッチ17c、刈刃スイッチ17d及び送風スイッチ17cが「上昇」または「入り」操作されると、刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21は停止する。また、再び、自動刈取スイッチ17bが「入り」にされても刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21は作動しない。この場合、一旦、手動で刈取装置22を高位置に戻さないと、刈刃22a、第2の刈刃22b及び送風機21は駆動しない。
【0068】
[手動刈取制御]
ステップ20〜ステップ23からステップ40へ移行した場合について説明する。ステップ40では、昇降スイッチ17cが「上昇」「下降」操作されたか否かを判断する。昇降スイッチ17cが「上昇」操作されたと判断するとステップ41へ移行し、昇降スイッチ17cが「下降」操作されたと判断するとステップ50へ移行する。また、「上昇」操作も「下降」操作もなされない場合はステップ10にリターンする。
【0069】
ステップ41では、刈取装置22が低位置(刈取作業を行う高さ)に位置しているか否かを判断し、刈取装置22が低位置に位置していると判断するとステップ42に移行し、刈取装置22が低位置に位置していない、つまり高位置(旋回時や後退時の高さ)に位置していると判断するとステップ44に移行する。
【0070】
ステップ42では、昇降装置26を駆動させて刈取装置22を低位置(刈取作業を行う高さ)から高位置(旋回時や後退時の高さ)に向けて移動(上昇)させる。
ステップ43では、刈取装置22が高位置に位置しているか否かを判断し、刈取装置22が高位置に位置していないと判断するとステップ43にリターンする。また、刈取装置22が高位置に位置していると判断するとステップ44に移行する。
【0071】
ステップ44では、刈刃スイッチ17dが「入り」操作されたか否かを判断し、刈刃スイッチ17dが「入り」操作されたと判断するとステップ45に移行して、刈刃22a及び第2の刈刃22bを駆動する。また、刈刃スイッチ17dが「切り」操作されたと判断するとステップ46に移行して、刈刃22a及び第2の刈刃22bの駆動を停止する。
【0072】
ステップ47では、送風スイッチ17eが「入り」操作されたか否かを判断する。ここで、送風スイッチ17eが「入り」操作されたと判断するとステップ48に移行して、送風機21を駆動する。その後、ステップ10にリターンする。
一方、送風スイッチ17eが「切り」操作されたと判断するとステップ49に移行して、送風機21を停止する。その後、ステップ10にリターンする。
【0073】
ステップ40において、昇降スイッチ17cが「下降」操作されたと判断してステップ50へ移行した場合は、ステップ50では、刈取装置22が高位置(旋回時や後退時の高さ)に位置しているか否かを判断し、高位置に位置していると判断するとステップ51に移行し、刈取装置22が高位置に位置していない、つまり低位に位置していると判断するとステップ44に移行する。
【0074】
ステップ51では、昇降装置26を駆動して刈取装置22を高位置(旋回時や後退時の高さ)から低位置(刈取作業を行う高さ)に向けて移動(下降)させる。次のステップ52では、刈取装置22が低位置に位置しているか否かを判断し、低位置に位置していないと判断するとステップ51にリターンし、低位置に位置していると判断するとステップ44に移行する。
以上、手動刈取制御について説明した。
【0075】
なお、図1(b)に示したフローチャートは一例であり、ステップの増減、サブルーチンの付加は、任意である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】制御ユニットによる刈取制御の概要を示したブロック図、(b)は制御ユニットにて行われる自動刈取り制御及び手動刈取り制御の手順を示したフローチャートの一例である。
【図2】茶葉摘採機の正面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】運転台の上面パネルを説明するための図である。
【図5】昇降装置の概要を説明するための図である。
【図6】(a)は入力操作表示部の、刈取装置の刈取高さ表示及び軌間幅表示画面、(b)は、第1の設定画面、(c)は第2の設定画面である。
【符号の説明】
【0077】
1…茶葉摘採機
10…機体フレーム
17…運転台、17a…入力操作表示部、17a1…制御ユニット、17b…自動刈取スイッチ、17c…昇降スイッチ、17d…刈刃スイッチ、17e…送風スイッチ
21…送風機
22…刈取装置、22a…刈刃、22b…第2の刈刃、22c…背面ダクト(送風ダクト)、22d…移送ダクト、22e…刈取支持フレーム
26…昇降装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶畝から茶葉を摘採する刈刃と、前記刈刃が摘採した茶葉を刈取方向後側に移送する圧力風を噴出する送風ダクトとを有した状態で機体フレームに昇降自在に配された刈取装置を有した茶葉摘採機において、
前記刈刃は、前記刈取装置の昇降動作に連動して駆動、停止することを特徴とする茶葉摘採機。
【請求項2】
前記刈刃は、前記刈取装置が高位置から低位置に至るまでの間のいずれかのタイミングで駆動し、前記刈取装置が低位置から高位置に至るまでの間のいずれかのタイミングで停止することを特徴とする請求項1に記載の茶葉摘採機。
【請求項3】
前記刈刃の駆動、停止は、前記圧力風の送風、停止と連係していることを特徴とする請求項1に記載の茶葉摘採機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−99004(P2010−99004A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273342(P2008−273342)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000250270)落合刃物工業株式会社 (28)
【Fターム(参考)】