説明

荷重測定装置

【課題】被測定物の寿命と遜色なく長寿命の測定が行え、また、補助具を用いることなく高精度の測定が行え、さらに、既設の緊張材に対しても装着が容易な荷重測定装置を提供する。
【解決手段】緊張材を挿通させるよう互いに離間して配置された2枚のリング状の板部材の間に介装されて、それら板部材間に作用する圧縮荷重を測定する。2枚の板部材間に互いに周方向に離間して配置される3つの支持部11を備え、それら3つの支持部のうち少なくとも一つが荷重計12で構成され、荷重計が、上下の面材と、上下の面材の外周部に固着されるベローズと、上下の面材およびベローズで区画される圧力室内に充填される作動油の圧力を測定する圧力測定部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は荷重測定装置、特に山留め壁等を地盤に定着させるグラウンドアンカーや簡易な山留めに用いられるロックボルトなどの緊張材の張力測定用として用いられる荷重測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
グラウンドアンカーやロックボルトなどの緊張材の張力を測定する方式には、金属の圧縮歪を電気的に検出するロードセルを用いるタイプと、ステンレスなどの袋体を圧縮して、内部の油圧変化を検出するタイプの2通りの方式がある。後者の例として下記の特許文献1には、略リング状の底板と、同じく略リング状の受圧板との間に、これら底板と受圧板の外周縁同士を接続する外側側壁部と、底板と受圧板の内周縁同士を接続する内側側壁部と、底板、受圧板、外側側壁部および内側側壁部によって形成される油圧室(圧力室)内に満たされた作動油の圧力を測定する圧力測定手段を備えたものが提案されている。この荷重測定装置によれば、底板と受圧板の略中央にあけられた貫通孔を挿通する緊張材に加わる張力が底板と受圧板を互いに近づけるように作用し、これに伴い、内側側壁部および外側側壁部が弾性変形することにより油圧室内の作動油の圧力変化し、結果的に緊張材に加わる張力(荷重)を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3265298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述した荷重測定装置にあっては、以下の課題があった。
荷重測定装置の受ける緊張材の軸力の偏芯に敏感であり、緊張材の軸力が偏芯した方向に傾き、底板と受圧板が当接してしまと、荷重を換算する係数が大きく変化して、正しい測定が継続できず、結果的に長期の測定が難しいという課題があった。
この不具合を補うために、それぞれパイプに外つばを取り付けた構造の上下の補助具を重ねて用い、それら補助具の主にスラスト方向にのみ移動する外つばどうしの間に荷重測定装置を装着して、圧力測定を行うことが考えられていた。しかしながら、このように補助具を用いた測定では、それら補助具の間で摩擦抵抗があり、所望精度での測定が困難になるという別の課題が生じた。
また、荷重測定装置が概略リング状をなす構造であり、既設のグラウンドアンカーやロックボルト等の緊張材の張力を測定するには、当該荷重測定装置を装着するため、グラウンドアンカー等を一度取り外さなければならないという課題があった。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、被測定物の寿命と遜色なく長寿命の測定が行え、また、補助具を用いることなく高精度の測定が行え、さらに、既設の緊張材に対しても装着が容易な荷重測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の荷重測定装置は、緊張材を挿通させるよう互いに離間して配置された2枚のリング状の板部材の間に介装されて、それら板部材間に作用する圧縮荷重を測定する荷重測定装置であって、前記2枚の板部材間に互いに周方向に離間して配置される3つの支持部を備え、それら3つの支持部のうち少なくとも一つが荷重計で構成され、前記荷重計が、上下の面材と、該上下の面材の外周部に固着されるベローズと、前記上下の面材および前記ベローズで区画される圧力室内に充填される作動油の圧力を測定する圧力測定部とを備えることを特徴とする。
【0007】
上記構成の荷重測定装置にあっては、2枚の板部材間に、3つの支持部を互いに周方向に離間して介装するため、1つの支持部が受け持つ測定荷重は、従来の1つのリング状の荷重計で測定する場合に比べて、略3分の1程度となる。したがって、緊張材の軸力に偏芯がある場合でも、板部材同士が当接して測定精度が極度に低下するといった事態を回避できる。このため、パイプに外つばを取り付けた構造の上下の補助具を用いる必要がなく、高精度の荷重測定が行える。
【0008】
また、2枚の板部材間に、3つの支持部を互いに周方向に離間して介装すれば足りるため、既設のグラウンドアンカーやロックボルトの緊張材に加わる荷重を測定する場合であっても、グラウンドアンカー等を取り外すことなく装着できる。
【0009】
前記3つの支持部のうち、全てが前記荷重計で構成されることが好ましい。
この場合、3つの荷重計の測定値を合計すれば、2枚のリング状の板部材の間の圧縮荷重を測定することができ、正確な荷重測定が行える。
【0010】
前記3つの支持部のうち、1つの支持部が前記荷重計で構成され、残りの2つが圧力測定を行わず前記2枚の板部材を互いに離間させた状態で支持するダミー支持部で構成されることが好ましい。
この場合、1つの支持部を荷重計で構成し、その値を補正することで、2枚のリング状の板部材の間の圧縮荷重を測定することができ、荷重計の個数が少ない分、コスト低減が図れ、かつ、簡便な荷重測定が行える。
【0011】
前記荷重計は、前記上下の面材がリング板を放射方向に3分割してなる略バナナ状とされ、前記ベローズが上下に配置される2枚の弾性変形可能な薄板を備え、上側の前記薄板の外周部が前記上側の面材の外周部下面に全周に亘って固着され、下側の前記薄板の外周部が前記下側の面材の外周部上面に全周に亘って固着され、それら上下の薄板の互いに対応する箇所に孔が形成され、それら上下の薄板の孔の周りが互いに固着されて、上下の面材および上下の薄板によって前記圧力室が区画されることが好ましい。
この場合、上下の面材がリング板を放射方向に3分割してなる略バナナ状とされているため、この荷重計を2枚のリング状の板部材の間に好適に装着することができ、しかも、該荷重計の受圧面積を広くとることができるので、正確な測定が行える。また、圧力室を上下の面材および上下の薄板によって構成しているので、圧力室の製造が簡単になる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、被測定物の寿命と遜色なく長寿命の測定が行え、また、パイプに外つばを取り付けた構造の上下の補助具等を用いることなく、高精度の測定が行え、さらに、既設のグラウンドアンカー等の緊張材に対しても装着が容易で簡単に荷重測定が行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態である荷重測定装置を用いてグラウンドアンカーの荷重を測定する状態を表す断面図である。
【図2】図1の荷重測定装置を用いて測定している状態を示す側面図である。
【図3】図2のIII―III線に沿う矢視図である。
【図4】図1の荷重測定装置で用いられる荷重計を示す平面図である。
【図5】図1の荷重測定装置で用いられる荷重計の断面図である。
【図6】図1の荷重測定装置を用いた測定結果を示すグラフである。
【図7】本発明の他の実施形態である荷重測定装置を表す平面図である。
【図8】図7の荷重測定装置を用いた測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〈第1実施形態〉
図1〜図6は本発明の第一実施形態を示す図であり、図1は本発明の実施形態である荷重測定装置を用いてグラウンドアンカーの荷重を測定する状態を表す断面図、図2は図1の荷重測定装置を用いて測定している状態を示す側面図、図3は図2のIII―III線に沿う矢視図である。
図1に示すように、地盤からの抜け止め(図示せず)が取り付けられたアンカーケーブル1を地盤G中に埋設し、地盤Gの表面に当てたリング状の受圧板(板部材)2にアンカーケーブル1を貫通させて端部を地表に引き出してアンカーヘッド3に挿通し、アンカーヘッド3と受圧板2との間にリング状の支持板4を挟み込んだ状態で、ジャッキ等により、受圧板2に反力をとってアンカーケーブル1を緊張・締結することで、受圧板2を地盤表面に押し付けるグラウンドアンカー5とする。なお、6は、アンカーヘッドおよびアンカーの端部を保護するヘッドキャップである。
【0015】
ここでは、グラウンドアンカー5は複数設置されており、ここのグラウンドアンカー5は、受圧板2と支持板4の間に介装される本発明に係る荷重測定装置10によってその荷重を測定される。
荷重測定装置10は、受圧板2と支持板4の間に、互いに周方向に離間して配置される3つの支持部を備える。ここでは、支持部11は、全て荷重計12で構成される。
図4は図1の荷重測定装置で用いられる荷重計を示す平面図、図5は図1の荷重測定装置で用いられる荷重計の断面図である。荷重計12は、上下の面材13と、それら上下の面材の外周部に固着されるベローズ14と、上下の面材13および前記ベローズ14で区画される圧力室15内に充填される作動油の圧力を測定する圧力測定部20とを備える。
【0016】
上下の面材13のうち上側の面材は天板13A、下側の面材は底板13Bによって構成される。天板13A、底板13Bは、ともにリング板を放射方向に3分割してなる略バナナ状の板材で構成されている。底板13Bは、後述するように、圧力測定部20が接続されるため、その板厚が天板13Aの板厚よりも厚く設定されている。これら天板13Aおよび底板13Bは、それぞれ荷重測定に耐え得る鋼材等の適宜剛性を有する材料によって作られる。また、ステンレスのロストワックス法による鋳造品により形成しても良く、この場合、高精度に仕上げられるので後工程での溶接等の固着時に有利になる。
【0017】
前記ベローズ14は、上下に配置される2枚の弾性変形可能な金属製の薄板14A、14Bを備える。薄板14A、14Bは、外形が前記上下の面材13と略同じ形状の略バナナ状に形成されている。これらの薄板14A、14Bの中央部分には外形よりも小さな相似形状、つまり略バナナ形状の孔16が形成されている。ただし、この孔16の形状は必ずしも外形の相似形状である必要はなく、単なる円状、あるいは楕円状であってもよく、要は天板13Aおよび薄板14Aで区画される上側の圧力室と、底板13Bおよび薄板14Bで区画される下側の圧力室とを連通させればよい。
【0018】
上側の薄板14Aは、図5に示すように、外周部14Aaと内周部14Abとが略平行かつ面材13に垂直な方向に対して段違いの平坦状に形成されている。ここでは、外周部14Aaが上段、内周部14Abが下段に配置されている。また、外周部14Aaと内周部14Abとの間の中間部14Acは、面材13に垂直な方向に対して傾斜して配置されそれら外周部14Aaと内周部14Abに接続されている。そして、上側の薄板14Aは、外周部14Aaの外縁を天板13Aの下面に面接触させた状態で溶接等の固着手段によって液密に固着されている。
【0019】
下側の薄板14Bは、外周部14Baと内周部14Bbとが略平行かつ面材13に垂直な方向に対して段違いの平坦状に形成されている。ここでは、外周部14Baが下段、内周部14Bbが上段に配置されている。また、外周部14Baと内周部14Bbとの間の中間部14Bcは、面材13に垂直な方向に対して傾斜して配置されそれら外周部14Baと内周部14Bbに接続されている。そして、上側の薄板14Bは、外周部14Baの外縁を底板13Bの上面に面接触させた状態で溶接等の固着手段によって液密に固着されている。
【0020】
また、上側の薄板14Aの内周部14Abの内縁と、下側の薄板14Bの内周部14B
bの内縁とはそれぞれ面接触させた状態で溶接等の固着手段によって液密に固着されている。この場合、上側の薄板14Aと下側の薄板14Bとの孔の位置を、それら薄板の厚さ分程度ずらすことで、すみ肉溶接が可能となり、溶接作業の簡素化が図れる。
前記天板13A、底板13B、および上下の薄板14A、14Bによって前記圧力室15が区画され、また、当該荷重計12が、受圧板2と支持板4の間に装着された際に、天板13Aおよび底板13Bにおいて圧力室15に満たされた作動油に荷重を作用させる面Fの外縁を確定している。
ちなみに、圧力室15を区画する天板13Aおよび底板13Bと薄板14A、14Bとの区別がなくそれらが略一様な厚さである場合には、圧力室15に満たされた作動油に荷重を作用させる面Fの面積が、荷重の大小によって変化してしまい、正確な圧力測定が行えなくなる。
【0021】
圧力測定部20は、底板13Bに形成された縦穴17とこの縦穴17に基端が接続されるパイプ18と、底板13Bから外方へ延びるパイプ18の先端に取り付けられた圧力センサー19から構成される。
【0022】
上記構成の荷重測定装置によってグラウンドアンカー5の張力を測定する方法について説明する。
グラウンドアンカー5を囲むようにその外方に配置された受圧板2と支持板4の間に、荷重計12を、互いの中心位置を周方向へ120度づつずらして離間させた状態で配置する。これら荷重計12の装着は、工事が行われるときに初期段階から装着していても、あるいは後工程で装着しても良い。後工程で装着する場合には、図示せぬジャッキを用いグラウンドアンカー5の先端を地盤Gから抜け出る方向に荷重をかけて、受圧板2と支持板4の間に適宜隙間を形成し、この状態で荷重計12を挿入する。その後、ジャッキを緩めて、通常のグラウンドアンカー5をもとの状態に戻す。
【0023】
このときのグラウンドアンカー5の張力は、受圧板2と支持板4との間に作用する圧縮力として、各荷重計12で測定される荷重値の総和として測定することができる。具体的には、受圧板2と支持板との間に作用する圧縮力により、荷重計12の天板13Aが底板13Bに近づくように移動する。このとき、上側の薄板14Aと下側の薄板14Bがそれぞれ弾性変形することに伴い、圧力室15の圧力が上昇し、この圧力値が圧力センサー19によって測定される。
【0024】
このときの荷重計12で測定される圧力値と荷重の関係を図6に示す。この図に示すように、ここの荷重と圧力の関係は直線性を有しており、このように3つに分割されたいわゆる分割型の荷重計12は、荷重と相関関係を持っていることがわかる。これら3つの荷重計12から得られる荷重をそれぞれ足し込むことによって、受圧板2と支持板4との間に作用する圧縮力、つまり、グラウンドアンカー5に作用する張力を測定することができる。
【0025】
上記構成の荷重測定装置にあっては、2枚の板部材(受圧板2と支持板4)間に、3つの支持部11を互いに周方向に離間して介装するため、1つの支持部11が受け持つ測定荷重は、従来の1つのリング状の荷重計で測定する場合に比べて、略3分の1程度となる。したがって、グラウンドアンカー5等の緊張材の軸力に偏芯がある場合でも、面材13A、13B同士が当接して測定精度が極度に低下するといった事態を回避できる。このため、パイプに外つばを取り付けた構造の上下の補助具を用いる必要がなく、高精度の荷重測定が行える。
【0026】
また、2枚の板部材(受圧板2と支持板4)間に、3つの支持部11を互いに周方向に離間して介装すれば足りるため、既設のグラウンドアンカーやロックボルトの緊張材に加わる荷重を測定する場合であっても、グラウンドアンカー等を取り外すことなく装着できる。
【0027】
〈第2実施形態〉
図7、図8は本発明の第2実施形態を示す図であり、図7は本発明の第2実施形態である荷重測定装置を表す平面図、図8は図7の荷重測定装置を用いた測定結果を示すグラフである。
なお、説明の便宜上、前記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態の特徴は、受圧板2と支持板4の間に配置される3つの支持部11のうち、1つを荷重計12で構成し、残りの2つを圧力測定を行わず受圧板2と支持板4を互いに離間させた状態で支持するダミー支持部21で構成した点である。
【0028】
前記第1実施形態では、3つの分割型荷重計を受圧板2と支持板4の間に配置しているが、これは受圧板2に対して支持板4を支持する観点から見れば、3点の重心位置で支持板4を支持していることになる。つまり、荷重計12によって支持板を支持することは、言い換えると、荷重計の重心位置(荷重を受けている面の中心位置)でそれぞれ支持板を支持することと同義である。
ここで示す第2実施形態では、受圧板2と支持板4の間に配置される3つの支持部のうち、1つを荷重計12で構成し、残りの2つに仮に荷重計を配置する場合その重心位置となる位置にダミー支持部21を配置している。
なお、荷重計12については、前記第1実施形態で説明したものと同じ構成である。
【0029】
ダミー支持部21の具体的構成としては、荷重計12を用い、測定を行うことなく、単に支持板を支持する目的で配置したものであってもよい。また、他のダミー支持部21の構成としては、上下の支持プレートをユニバーサルジョイントを用いて360度揺動可能に接続したものであってもよく、あるいは上下の支持プレートを棒部材によってある方向に揺動可能に支持する構成であってもよい。上下の支持プレートを棒部材で支持する場合には、受圧板の中心と重心位置を結ぶ線Mに直交する軸線Laに沿うように棒部材を配置するのが好ましい。
【0030】
この第2実施形態の荷重測定装置でも、前記第1実施形態と同様に、受圧板2と支持板4との間に作用する圧縮力、つまり、グラウンドアンカー5に作用する張力を測定できる。
3つの支持部(荷重計)にはそれぞれ荷重の1/3が作用するため、原則として1つの荷重計で測定される荷重を3倍すれば、グラウンドアンカーに作用する張力が求まるはずである。
【0031】
しかしながら、前記図6もわかるように、3台の荷重計で測定される荷重は均等ではなく、若干の差が生じていることがわかる。これは荷重計12の厚さの違い(製作誤差により生じる)、設置位置のずれ等により起因する。
このため、実際の使用に際しては、使用する分割型荷重計12と図示せぬロードセルを用いてキャリブレーションを行い、実際に作用する荷重と荷重計に作用する荷重とで補正を行う必要がある。
【0032】
つまり、例えば、ロードセルで800KNの荷重を計測したとき、3台あるうちのひとつ荷重計で測定される荷重値が275KNの場合には、この荷重計は1/3の荷重値(266.7KN)より大きな荷重が加わっている。したがって、この荷重計を用いてグラウンドアンカーに作用する張力を測定するには、266.7を275で除した値である0.9697の補正係数を設定する。つまり、この1つの荷重計を用いてグラウンドアンカー5に作用する荷重を測定する場合には、測定された値に0.09697をかけ、さらにその値を3倍することによって、荷重値を正確に求めることができる。
このように、受圧板2と支持板4の間に配置される3つの支持部11のうち、1つを荷重計12で構成し、残りの2つを荷重計を配置する場合その重心位置にダミー支持部21を配置したものであっても、受圧板2と支持板4との間に作用する圧縮力、つまり、グラウンドアンカー5に作用する張力を測定できる。
【0033】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、前記実施形態では、上下の面材13の間に固着されるベローズ14として、上下の2段の薄板14A、14Bを用いた例を説明したがこれに限られることなく、これら上下の薄板14A、14Bを上下4段重ねたものを用いても良い。
【符号の説明】
【0034】
1 アンカーケーブル、
2 受圧板(リング状の板部材)、
3 アンカーヘッド、
4 支持板(リング状の板部材)、
5 グラウンドアンカー、
6 ヘッドキャップ、
10 荷重測定装置、
11 支持部、
12 荷重計、
13 面材、
13A 天板、
13B 底板、
14 ベローズ、
14A 薄板、
14B 薄板、
15 圧力室、
20 圧力測定部、
21 ダミー支持部、
G 地盤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊張材を挿通させるよう互いに離間して配置された2枚のリング状の板部材の間に介装されて、それら板部材間に作用する圧縮荷重を測定する荷重測定装置であって、
前記2枚の板部材間に互いに周方向に離間して配置される3つの支持部を備え、
それら3つの支持部のうち少なくとも一つが荷重計で構成され、
前記荷重計が、上下の面材と、該上下の面材の外周部に固着されるベローズと、前記上下の面材および前記ベローズで区画される圧力室内に充填される作動油の圧力を測定する圧力測定部とを備えることを特徴とする荷重測定装置。
【請求項2】
前記3つの支持部のうち、全てが前記荷重計で構成されることを特徴とする請求項1記載の荷重測定装置。
【請求項3】
前記3つの支持部のうち、1つの支持部が前記荷重計で構成され、残りの2つが圧力測定を行わず前記2枚の板部材を互いに離間させた状態で支持するダミー支持部で構成されることを特徴とする請求項1に記載の荷重測定装置。
【請求項4】
前記荷重計は、前記上下の面材がリング板を放射方向に3分割してなる略バナナ状とされ、前記ベローズが上下に配置される2枚の弾性変形可能な薄板を備え、上側の前記薄板の外周部が前記上側の面材の外周部下面に全周に亘って固着され、下側の前記薄板の外周部が前記下側の面材の外周部上面に全周に亘って固着され、それら上下の薄板の互いに対応する箇所に孔が形成され、それら上下の薄板の孔の周りが互いに固着されて、上下の面材および上下の薄板によって前記圧力室が区画されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載に荷重測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−196845(P2011−196845A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64439(P2010−64439)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(510037215)KJSエンジニアリング株式会社 (3)
【Fターム(参考)】