説明

蓄熱体

【課題】長時間に亘って所定温度を維持することができ、しかも蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことのできる蓄熱体を提供する。
【解決手段】潜熱蓄熱材12は相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱するようになっているので、長時間に亘って所定温度を維持することができる。また、加熱用部材11は電磁誘導加熱装置IHによって加熱可能であるとともに、金属繊維群11bの部分も含めて熱伝導性に優れた金属材料から成り、さらに、潜熱蓄熱材12は加熱用部材11の金属繊維群11bの各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、電磁誘導加熱装置IHにより加熱用部材11が金属繊維群11bの部分も含めて全体に亘って短時間で加熱され、接触面積が大きい分だけ加熱用部材11から潜熱蓄熱材12に効率良く熱が加えられる。従って、蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッションやカーペットの熱源、衣類や履物の熱源、保温器具の熱源、食材の加熱や保温を行う食器の熱源、建材の熱源などに用いられる蓄熱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の蓄熱体を備えた保温器具としては、ニクロム線の発熱を利用したヒータと、ヒータに接触するように設けられた蓄熱体と、ヒータ及び蓄熱体を覆うように設けられた断熱材とを備え、蓄熱体を、固相から液相に相変化する際の潜熱を利用して蓄熱可能な液状の潜熱蓄熱材と、潜熱蓄熱材を封入するナイロン製の袋部材とから構成し、ヒータを電源に接続して蓄熱体を加熱し、蓄熱体に蓄えられた熱によって患部を温めるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、潜熱蓄熱材は相変化する際の潜熱を利用して蓄熱するようになっているので、蓄熱体は潜熱蓄熱材が相変化する所定温度を長時間に亘って維持することができ、看者の患部を所定温度で長時間に亘って温めることができる。
【特許文献1】特開2001−129013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記保温器具では、蓄熱体が液状の潜熱蓄熱材を封入した袋部材から成るとともに、蓄熱体の袋部材がヒータに接触し、ヒータによって袋部材内の潜熱蓄熱材が加熱されるようになっているので、袋部材内においてヒータに近い側から潜熱蓄熱材が加熱される。ここで、一般的に潜熱蓄熱材は金属等のように熱伝導性の優れた材料ではないので、潜熱蓄熱材が全体に亘って加熱されるまでに長時間を要する。即ち、蓄熱作業に長時間を要するという問題点があった。
【0004】
また、前記保温器具では、一回の蓄熱作業で使用できる時間を長くするためには、蓄熱体内の潜熱蓄熱材の量を増加する必要があるが、潜熱蓄熱材の量を増加すると前記問題点がより顕著になる。
【0005】
さらに、前記保温器具では、ヒータを電源に接続して蓄熱作業を行うようになっているので、ヒータを電源に接続するためのコードが必要になるとともに、ヒータを電源に接続する作業が必要になり、蓄熱作業に手間がかかるという問題点があった。
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、長時間に亘って所定温度を維持することができ、しかも蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことのできる蓄熱体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、少なくとも一部に金属繊維群を有し、電磁誘導を用いた加熱手段によって加熱可能な加熱用部材と、加熱用部材における金属繊維群の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられ、前記加熱手段によって加熱用部材に生じた熱を相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを備えている。
【0008】
これにより、潜熱蓄熱材は相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱するようになっていることから、潜熱蓄熱材に全体に亘って相変化するまで熱を加えると、潜熱蓄熱材が相変化する所定温度に長時間に亘って保持される。また、加熱用部材は電磁誘導を用いた加熱手段によって加熱可能であり、潜熱蓄熱材は加熱用部材における金属繊維群の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、加熱手段によって加熱用部材を加熱すると、加熱用部材と接触している潜熱蓄熱材に熱が加わる。ここで、加熱用部材は金属繊維群の部分も含めて熱伝導性に優れた金属材料から成り、電磁誘導を用いた加熱手段によって加熱されるので、加熱用部材が金属繊維群の部分も含めて全体に亘って短時間で加熱される。さらに、潜熱蓄熱材は加熱用部材の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、隙間に入り込んでいる分だけ潜熱蓄熱材と加熱用部材との接触面積が大きくなる。即ち、加熱用部材が金属繊維群の部分も含めて全体に亘って短時間で加熱され、接触面積が大きい分だけ加熱用部材から潜熱蓄熱材に効率良く熱が加えられるので、潜熱蓄熱材の全体が短時間で加熱される。また、加熱用部材は電磁誘導を用いた加熱手段によって加熱可能であることから、蓄熱作業を行うために加熱用部材を電源に接続する必要がない。
【発明の効果】
【0009】
本発明の蓄熱体は、潜熱蓄熱材が相変化する所定温度に長時間に亘って保持されるので、長時間に亘って所定温度を維持することができる。また、潜熱蓄熱材の全体を短時間で加熱することができ、蓄熱作業を行うために加熱用部材を電源に接続する必要がないので、蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことができ、例えば蓄熱体を備えたクッションをスポーツ観戦の際に貸出す場合は、貸出しするクッションの蓄熱作業を手間をかけずに短時間で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1乃至図5は本発明の第1実施形態を示すもので、図1はクッションの側面断面図、図2は加熱用部材の斜視図、図3は潜熱蓄熱材を構成する各粉粒の断面図、図4はコイル切削用旋盤の斜視図、図5は心棒に巻き取られた金属繊維の束を切断してシート状に成形する際の動作説明図である。
【0011】
本実施形態の蓄熱体10はクッション1内に熱源として設けられている。クッション1は、蓄熱体10と、蓄熱体10を収容している袋部材20と、袋部材20の下面側に沿って延びるように設けられた反射部材30と、袋部材20及び反射部材30を収容するように形成されたクッション本体40とを備えている。
【0012】
蓄熱体10は加熱用部材11と潜熱蓄熱材12とを有する。また、加熱用部材11は、電磁誘導によって加熱可能な金属材料から成るプレート11aと、プレート11aの上面に接触するように設けられた金属繊維群11bとを有する(図2参照)。電磁誘導によって加熱可能な金属材料としては強磁性を有するステンレスや鉄等が代表的であるが、近年では電磁誘導加熱装置の性能向上により、強磁性を有さないアルミニウム等も電磁誘導によって加熱可能な材料に含まれるようになってきている。
【0013】
金属繊維群11bはシート状に成形され、プレート11aの上面に溶接や接着剤による接合やボルトによる締結等によって固定されている。金属繊維群11bを電磁誘導によって加熱可能な金属繊維から成形することも可能であり、電磁誘導によって加熱されない金属繊維から成形することも可能であり、さらに両者の金属繊維を混ぜて金属繊維群11bを成形することも可能である。
【0014】
金属繊維群11bを成形する場合は、先ず、金属薄板PLが複数回に亘って巻回されて成る金属板コイルCLをコイル切削用旋盤50の支軸51によって支持する。また、コイル切削用旋盤50によって金属板コイルCLを回転させながら、金属板コイルCLの軸方向端面に切削刃52を接触させ、金属板コイルCLの軸方向端面を所定量ずつ切削する。これにより、金属板コイルCLの軸方向端面から金属繊維の束が成形され、その金属繊維の束が順次心棒53に巻取られる(図4参照)。続いて、所定量だけ金属繊維を巻取った心棒53がコイル切削用旋盤50から取外され、心棒53に巻取られている金属繊維の束の周方向の一部がカッター54によって心棒53の軸方向に切断される(図5参照)。また、カッター54によって切断された金属繊維の束を平面状に広げることにより、シート状の金属繊維群11bが成形される。尚、金属繊維の束を平面状に広げた後、図示しない金型等によって金属繊維の束をプレス加工することも可能であり、プレス加工を行う場合は金属繊維群11b中の金属繊維の密度が高くなる。ここで、金属板コイルCLの端面から成形される金属繊維の太さは金属薄板PLの厚さ寸法及び切削刃52の移動速度によって設定することができ、金属繊維の断面形状は略矩形状になる。このため、厚さ寸法及び幅寸法が共に数μm程度の金属繊維を成形することも可能であり、厚さ寸法が1mm以下で幅寸法が数mmの金属繊維を成形することも可能である。
【0015】
潜熱蓄熱材12は粉体から成り、粉体の各粉粒12aは、例えば40℃で固相から液相に変化するコア材12bと、コア材12bを収容するカプセル部材12cとを有する(図3参照)。コア材12bとしては、塩化マグネシウム・6水塩、酢酸ナトリウム・3水塩、硝酸マグネシウム・2水塩等の無機化合物系のものや、パラフィンやステアリン酸等の有機化合物系のものが挙げられる。カプセル部材12cはメラミン、ナイロン等のプラスチック材料から成り、コア材12bを覆うように形成されている。潜熱蓄熱材12の例としては三菱製紙株式会社製のサーモメモリー(登録商標)が挙げられる。潜熱蓄熱材12は加熱用部材11の金属繊維群11bの各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられている。
【0016】
袋部材20は蓄熱体10を封入可能に形成されており、特に潜熱蓄熱材12の各粉粒12aを封入可能に形成されている。袋部材20を形成する材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の可撓性を有するプラスチック製シートや、金属製フィルムや、表面に金属が蒸着されたプラスチック製のフィルムが挙げられる。袋部材20は前述のシートやフィルムを1枚または複数枚用いて蓄熱体10を封入している。蓄熱体10の封入は、袋部材20内に加熱用部材11を挿入した後、潜熱蓄熱材12を袋部材20内に充填し、袋部材20に適度な振動を加える。これにより、加熱用部材11の金属繊維群11bにおける各金属繊維同士の隙間に粉体である潜熱蓄熱材12が入り込む。
【0017】
反射部材30は蓄熱体10から生ずる輻射熱のうち下方に向かう輻射熱を上方に向かって反射するために設けられている。このため、蓄熱体10から生ずる熱が効率良くクッション1の支持対象物に伝わる。反射部材30を形成する材料の例としては、電磁誘導によって加熱されない金属製フィルムや、電磁誘導によって加熱されない金属が表面に蒸着されたプラスチック製のフィルムが挙げられる。
【0018】
クッション本体40を形成する材料の例としては、発泡ポリウレタン等の発泡素材や、ナイロン、ポリエステル、キュプラ、綿等の繊維材料が挙げられる。即ち、クッション本体40は可撓性を有しているので、クッション1は任意の支持対象物を軟らかく支持することができる。
【0019】
以上のように構成されたクッション1は、周知の電磁誘導加熱装置IHによって蓄熱体10の加熱用部材11が加熱され、その熱を蓄熱体10の潜熱蓄熱材12が蓄熱するようになっている。
【0020】
例えば、クッション1を外気温が5℃の場所に放置しておくと、蓄熱体10も5℃になり、蓄熱体10の潜熱蓄熱材12におけるコア材12bが固相となる。この状態で、クッション1を電磁誘導加熱装置IH上に載置し、電磁誘導加熱装置IHのコイルに高周波電流を通電すると、電磁誘導加熱装置IHの上面近傍に磁力線が発生するとともに、蓄熱体10の加熱用部材11に誘導電流が生じ、加熱用部材11が誘導電流によって加熱される。
【0021】
ここで、加熱用部材11の金属繊維群11bが電磁誘導によって加熱可能な金属材料を含む場合は、プレート11aとともに金属繊維群11bも誘導電流によって加熱される。また、金属繊維群11bが電磁誘導によって加熱可能な金属材料を含まない場合でも、プレート11a及び金属繊維群11bは熱伝導性に優れた金属材料から成るので、プレート11aが加熱されると金属繊維群11bもすぐに加熱される。即ち、金属繊維群11bの金属材料の種類に拘わらず、電磁誘導加熱装置IHによって加熱用部材11が全体に亘って短時間で加熱される。
【0022】
また、潜熱蓄熱材12は加熱用部材11の金属繊維群11bにおける各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、隙間に入り込んでいる分だけ潜熱蓄熱材12と加熱用部材11との接触面積が大きくなる。即ち、加熱用部材11が金属繊維群11bの部分も含めて全体に亘って短時間で加熱され、接触面積が大きい分だけ加熱用部材11から潜熱蓄熱材12に効率良く熱が加えられるので、潜熱蓄熱材12の全体が短時間で加熱される。
【0023】
潜熱蓄熱材12に熱が加えられると、潜熱蓄熱材12の各粉粒12aのコア材12bが加熱され、コア材12bは40℃で固相から液相に相変化する。また、コア材12bは固相から液相に相変化する際の潜熱を利用して蓄熱するようになっている。
【0024】
潜熱蓄熱材12の各粉粒12aのコア材12bが全て液相になるまで加熱用部材11の加熱を行うためには、加熱用部材11のプレート11aの温度に基づいて電磁誘導加熱装置IHを制御することが好ましい。ここで、潜熱蓄熱材12の温度が40℃まで上昇する間は、プレート11aも一定の温度上昇を示すが、潜熱蓄熱材12が40℃に達すると、プレート11aの温度上昇が潜熱蓄熱材12の潜熱のために遅くなり、潜熱蓄熱材12が40℃以上になると、プレート11aの温度上昇が再び早くなる。即ち、この温度上昇の変化に基づいて電磁誘導加熱装置IHを制御することにより、潜熱蓄熱材12のコア材12bが全て液相になるまで加熱用部材11を確実に加熱することができる。
【0025】
このように、本実施形態によれば、潜熱蓄熱材12は相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱するようになっているので、潜熱蓄熱材12に全体に亘って相変化するまで熱を加えると、潜熱蓄熱材12が相変化する40℃に長時間に亘って保持され、蓄熱体10が長時間に亘って40℃を維持することができる。また、加熱用部材11は電磁誘導加熱装置IHによって加熱可能であり、潜熱蓄熱材12は加熱用部材11の金属繊維群11bの各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、電磁誘導加熱装置IHによって加熱用部材11を加熱すると、加熱用部材11と接触している潜熱蓄熱材12に熱が加わる。ここで、加熱用部材11は金属繊維群11bの部分も含めて熱伝導性に優れた金属材料から成り、電磁誘導加熱装置IHによって加熱されるので、加熱用部材11が金属繊維群11bの部分も含めて全体に亘って短時間で加熱される。さらに、潜熱蓄熱材12は加熱用部材11の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、隙間に入り込んでいる分だけ潜熱蓄熱材12と加熱用部材11との接触面積が大きくなる。即ち、加熱用部材11が金属繊維群11bの部分も含めて全体に亘って短時間で加熱され、接触面積が大きい分だけ加熱用部材11から潜熱蓄熱材12に効率良く熱が加えられるので、潜熱蓄熱材12の全体が短時間で加熱される。また、加熱用部材11は電磁誘導加熱装置IHによって加熱可能であり、蓄熱作業を行うために加熱用部材11を電源に接続する必要がない。従って、蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことができ、クッション1をスポーツ観戦の際に貸出す場合は、貸出しするクッション1の蓄熱作業を手間をかけずに短時間で行うことができる。
【0026】
また、潜熱蓄熱材12を粉体から構成し、粉体の各粉粒12aを、40℃で固相から液相に相変化するコア材12bと、コア材12bを収容するカプセル部材12cとから構成したので、潜熱蓄熱材12を各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、蓄熱体10の製造を容易にする上で極めて有利である。
【0027】
また、加熱用部材11の金属繊維群11bを、金属薄板PLが巻回されて成る金属板コイルCLを回転させながら金属板コイルCLの軸方向端面を切削することにより成形される金属繊維から構成したので、金属繊維群11bを安価に製造することができ、蓄熱体10やクッション1の製造コストを低減する上で極めて有利である。
【0028】
尚、本実施形態では、金属繊維群11bをプレート11aの上面に固定したものを示したが、金属繊維群11bをプレート11aに接触するように袋部材20内に収容することも可能である。この場合も、金属繊維群11bとプレート11aが接触しているので、金属繊維群11bを含む加熱用部材11の全体を短時間で加熱することが可能である。
【0029】
また、本実施形態では、潜熱蓄熱材12を粉体から構成したものを示したが、潜熱蓄熱材12を粉体が分散している液体から構成することも可能である。この場合、粉体の各粉粒12aは前述の構成を有しており、その粉体が水等の液体に分散している。このため、潜熱蓄熱材12を各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、蓄熱体10の製造を容易にする上で極めて有利である。また、潜熱蓄熱材12が粉体から構成されている場合と同様に、加熱用部材11から潜熱蓄熱材12に効率良く熱が加えられ、潜熱蓄熱材12の全体を短時間で加熱することができる。
【0030】
さらに、潜熱蓄熱材12を粒状体から構成するとともに、粉体を所定形状に固めることにより粒状体の各粒13を形成することも可能である(図6参照)。この場合、粉体の各粉粒12aは前述の構成を有しており、その粉体が接着材等によって所定形状に固められている。このため、潜熱蓄熱材12を各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、蓄熱体10の製造を容易にする上で極めて有利である。また、潜熱蓄熱材12が粉体から構成されている場合と同様に、加熱用部材11から潜熱蓄熱材12に効率良く熱が加えられ、潜熱蓄熱材12の全体を短時間で加熱することができる。
【0031】
また、潜熱蓄熱材12を前述のコア材12bから構成することも可能である。即ち、袋部材20内に加熱用部材11を挿入するとともに、液相にしてあるコア材12bを袋部材20内に注入することにより、加熱用部材11の金属繊維群11bにおける各金属繊維同士の隙間にコア材11bが入り込む。この場合でも、コア材12bから成る潜熱蓄熱材12は相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能である。また、潜熱蓄熱材12と加熱用部材11との接触面積が大きくなるので、熱蓄熱材12が粉体から構成されている場合と同様に、加熱用部材11から潜熱蓄熱材12に効率良く熱が加えられ、潜熱蓄熱材12の全体を短時間で加熱することができる。
【0032】
図7乃至図9は本発明の第2実施形態を示すもので、図7はクッションの側面断面図、図8及び図9は加熱用部材の斜視図である。尚、第1実施形態と同等の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0033】
本実施形態の蓄熱体60はクッション2内に熱源として設けられている。クッション2は、蓄熱体60と、第1実施形態と同等の袋部材20、反射部材30及びクッション本体40とを備えている。
【0034】
蓄熱体60は、加熱用部材61と、第1実施形態と同様の潜熱蓄熱材12とを有する。また、加熱用部材61は電磁誘導によって加熱可能な金属材料を含むとともにシート状に成形された金属繊維群から成る。加熱用部材61は第1実施形態の金属繊維群11bと同様の方法で成形される。尚、金属板コイルCLが電磁誘導によって加熱可能な金属薄板PLのみから成る場合は、加熱用部材61を構成する金属繊維が全て電磁誘導によって加熱可能となり、金属板コイルCLが電磁誘導によって加熱可能な金属薄板PLと加熱されない金属薄板PLとを重ね合わせて形成されている場合は、加熱用部材61が電磁誘導によって加熱可能な金属繊維を含むとともに電磁誘導によって加熱されない金属繊維を含むことになる。尚、電磁誘導によって加熱可能な金属材料から成る金属繊維群と電磁誘導によって加熱されない金属材料から成る金属繊維群とを重ね合わせて加熱用部材61を成形することも可能である(図9参照)。
【0035】
加熱用部材61を袋部材20内に挿入した後、袋部材20内に潜熱蓄熱材12を充填し、袋部材20に適度な振動を加えることにより、加熱用部材61の各金属繊維同士の隙間に粉体である潜熱蓄熱材12を入り込ませることができる。
【0036】
以上のように構成されたクッション2は、周知の電磁誘導加熱装置IHによって蓄熱体60の加熱用部材61が加熱され、蓄熱体60の潜熱蓄熱材12が蓄熱を行うようになっている。
【0037】
例えば、クッション2を外気温が5℃の場所に放置しておくと、蓄熱体60も5℃になり、蓄熱体60の潜熱蓄熱材12におけるコア材12bが固相となる。この状態で、クッション2を電磁誘導加熱装置IH上に載置し、電磁誘導加熱装置IHのコイルに高周波電流を通電すると、電磁誘導加熱装置IHの上面近傍に磁力線が発生するとともに、蓄熱体60の加熱用部材61に誘導電流が生じ、過熱用部材61が誘導電流によって加熱される。
【0038】
ここで、加熱用部材61が電磁誘導によって加熱されない金属材料を含む場合でも、加熱用部材61は熱伝導性に優れた金属材料から成るので、加熱用部材61中の電磁誘導によって加熱される部分から熱が伝わり、電磁誘導加熱装置IHによって加熱用部材61が全体に亘って短時間で加熱される。
【0039】
また、潜熱蓄熱材12は加熱用部材61の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、隙間に入り込んでいる分だけ潜熱蓄熱材12と加熱用部材61との接触面積が大きくなる。即ち、加熱用部材61が全体に亘って短時間で加熱され、接触面積が大きい分だけ加熱用部材61から潜熱蓄熱材12に効率良く熱が加えられるので、潜熱蓄熱材12の全体が短時間で加熱される。
【0040】
潜熱蓄熱材12に熱が加えられると、潜熱蓄熱材12の各粉粒12aのコア材12bが加熱され、コア材12bは40℃で固相から液相に相変化する。また、コア材12bは固相から液相に相変化する際の潜熱を利用して蓄熱するようになっている。
【0041】
潜熱蓄熱材12の各粉粒12aのコア材12bが全て液相になるまで加熱用部材61の加熱を行うためには、加熱用部材61の温度に基づいて電磁誘導加熱装置IHを制御することが好ましい。ここで、潜熱蓄熱材12の温度が40℃まで上昇する間は、加熱用部材61も一定の温度上昇を示すが、潜熱蓄熱材12が40℃に達すると、加熱用部材61の温度上昇が潜熱蓄熱材12の潜熱のために遅くなり、潜熱蓄熱材12が40℃以上になると、加熱用部材61の温度上昇が再び早くなる。即ち、この温度上昇の変化に基づいて電磁誘導加熱装置IHを制御することにより、潜熱蓄熱材12のコア材12bが全て液相になるまで加熱用部材61を確実に加熱することができる。
【0042】
このように、本実施形態によれば、潜熱蓄熱材12は相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱するようになっているので、潜熱蓄熱材12に全体に亘って相変化するまで熱を加えると、潜熱蓄熱材12が相変化する40℃に長時間に亘って保持され、蓄熱体60が長時間に亘って40℃を維持することができる。また、加熱用部材61は電磁誘導加熱装置IHによって加熱可能であり、潜熱蓄熱材12は加熱用部材61の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、電磁誘導加熱装置IHによって加熱用部材61を加熱すると、加熱用部材61と接触している潜熱蓄熱材12に熱が加わる。ここで、加熱用部材61は熱伝導性に優れた金属材料から成り、電磁誘導加熱装置IHによって加熱されるので、加熱用部材61が全体に亘って短時間で加熱される。さらに、潜熱蓄熱材12は加熱用部材61の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、隙間に入り込んでいる分だけ潜熱蓄熱材12と加熱用部材61との接触面積が大きくなる。即ち、加熱用部材61が全体に亘って短時間で加熱され、接触面積が大きい分だけ加熱用部材61から潜熱蓄熱材12に効率良く熱が加えられるので、潜熱蓄熱材12の全体が短時間で加熱される。また、加熱用部材61は電磁誘導加熱装置IHによって加熱可能であり、蓄熱作業を行うために加熱用部材61を電源に接続する必要がない。従って、蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことができ、クッション2をスポーツ観戦の際に貸出す場合は、貸出しするクッション2の蓄熱作業を手間をかけずに短時間で行うことができる。
【0043】
また、潜熱蓄熱材12を粉体から構成し、粉体の各粉粒12aを、40℃で固相から液相に相変化するコア材12bと、コア材12bを収容するカプセル部材12cとから構成したので、潜熱蓄熱材12を各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、蓄熱体60の製造を容易にする上で極めて有利である。
【0044】
また、加熱用部材61の金属繊維群を、金属薄板PLが巻回されて成る金属板コイルCLを回転させながら金属板コイルCLの軸方向端面を切削することにより成形される金属繊維から構成したので、加熱用部材61を安価に製造することができ、蓄熱部材60やクッション2の製造コストを低減する上で極めて有利である。
【0045】
尚、本実施形態では、潜熱蓄熱材12を粉体から構成したものを示したが、第1実施形態と同様に、潜熱蓄熱材12を粉体が分散している液体から構成することも可能であり、潜熱蓄熱材12を粒状体から構成することも可能である。液体に分散している粉体や粒状体の構成は第1実施形態に示した通りである。また、第1実施形態と同様に、潜熱蓄熱材12を前述のコア材12bから構成することも可能である。
【0046】
また、第1及び第2実施形態では、蓄熱体10,60の潜熱蓄熱材12に40℃で相変化するコア材12bを使用したものを示したが、潜熱蓄熱材12に90℃で固相から液相に相変化するコア材を使用することも可能である。この場合、蓄熱体10,60は長時間に亘って90度を維持することができる。
【0047】
さらに、潜熱蓄熱材12を2種類の粉体を混ぜたものから構成することも可能である。この場合、一方の粉体の各粉粒を、所定温度(例えば40℃)で固相から液相に相変化する第1コア材と、第1コア材を収容する第1カプセル部材とから構成し、他方の粉体の各粉粒を、他の所定温度(例えば10℃)で固相から液相に相変化する第2コア材と、第2コア材を収容する第2カプセル部材とから構成する。これにより、潜熱蓄熱材12を40℃以上に加熱すると、第1コア材の潜熱によって蓄熱体10,60は長時間に亘って40℃を維持することができる。一方、潜熱蓄熱材12を10℃以下に冷却すると、第2コア材の潜熱によって蓄熱体10,60は長時間に亘って10℃を維持することができる。即ち、冬期は電磁誘導加熱装置IHによって蓄熱体10,60を加熱して使用することができ、夏期は冷却庫等の冷却装置によって蓄熱体10,60を冷却して使用することができる。ここで、蓄熱体10,60は潜熱蓄熱材12が加熱用部材11,61の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、蓄熱体10,60の中心部にある潜熱蓄熱材12にも加熱用部材11,61を介して迅速に冷熱が伝わり、潜熱蓄熱材12の全体が短時間で冷却される。
【0048】
尚、第1及び第2実施形態では、金属板コイルCLを回転させながらその軸方向端面を切削して金属繊維を成形するものを示したが、びびり振動切削法、収束伸線法、ワイヤ切削法などの周知の方法によって金属繊維を成形することも可能である。
【0049】
また、第1及び第2実施形態では、蓄熱体10,60の加熱用部材11,61を電磁誘導によって加熱可能な金属材料から構成したものを示したが、加熱用部材11,61を所定の温度に達すると磁性を失う周知の整磁合金から形成することも可能である。この場合、加熱用部材11,61は電磁誘導加熱装置IHによって所定の温度以上に加熱されないので、安全性を確保する上で極めて有利である。
【0050】
図10は本発明の第3実施形態を示す食器の側面断面図であり、蓄熱体60を食器100内に熱源として設けたものである。
【0051】
図11は本発明の第4実施形態を示すカーペットの平面図であり、蓄熱体60をカーペット110内に熱源として設けたものである。この場合、蓄熱体60の加熱用部材61はカーペット110の全体に亘って延びるように薄く形成され、袋部材111内に収容されている。また、袋部材111内には蓄熱体60を構成する潜熱蓄熱材12も充填され、潜熱蓄熱材12は加熱用部材61の金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられている。袋部材111はカーペット本体112内に収容され、カーペット本体112の一部には電磁誘導加熱装置IHが取付けられている。電磁誘導加熱装置IHのコイルに高周波電流を通電させると、電磁誘導加熱装置IHによって加熱用部材61の一部が加熱される。また、加熱用部材61は熱伝導性の優れた金属材料から成るので、加熱用部材61の全体に熱が伝わる。これにより、潜熱蓄熱材12の全体が短時間で加熱される。
【0052】
図12は本発明の第5実施形態を示すカーテンの正面図であり、蓄熱体60をカーテン120内に熱源として設けたものである。この場合、蓄熱体60の加熱用部材61はカーテン120の全体に亘って延びるように薄く形成され、袋部材121内に収容されている。また、袋部材121内には蓄熱体60を構成する潜熱蓄熱材12も充填され、潜熱蓄熱材12は加熱用部材61の金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられている。袋部材121はカーテン本体122に収容され、カーテン本体122の一部には電磁誘導加熱装置IHが取付けられている。電磁誘導加熱装置IHのコイルに高周波電流を通電させると、電磁誘導加熱装置IHによって加熱用部材61の一部が加熱される。また、加熱用部材61は熱伝導性の優れた金属材料から成るので、加熱用部材61の全体に熱が伝わる。これにより、潜熱蓄熱材12の全体が短時間で加熱される。
【0053】
さらに、蓄熱体60の潜熱蓄熱材12を2種類の粉体を混ぜたものから構成し、一方の粉体の各粉粒中の第1コア材を40℃で相変化するようにし、他方の粉体の各粉粒中の第2コア材を23℃で相変化するように構成することも可能である。この場合、冬期は電磁誘導加熱装置IHによって蓄熱体60を冷却して使用することができ、夏期は夜間に窓WDの付近の気温が20℃程度になれば、第2コア材の潜熱によって蓄熱体60が長時間に亘って23℃を維持することができ、室内の冷房に要するエネルギー量を低減することができる。
【0054】
また、蓄熱体10,60を防寒着、帽子、手袋等の衣類内に熱源として設けることも可能であり、履物内に熱源として設けることも可能であり、床暖房用の建材の熱源として設けることも可能である。また、温熱治療用器具や懐炉などの保温器具の熱源として設けることも可能である。
【0055】
尚、第1及び第2実施形態では、袋部材20内に加熱用部材11,61を挿入した後、潜熱蓄熱材12を袋部材20内に充填し、袋部材20に適度な振動を加えることにより、加熱用部材11,61の各金属繊維同士の隙間に潜熱蓄熱材12を入り込ませるようにしたものを示した。これに対し、潜熱蓄熱材12を接着剤中に分散させるとともに、コイル切削用旋盤50において心棒53に巻付けられる前の金属繊維の束に潜熱蓄熱剤12を吹き付けることにより、潜熱蓄熱剤12を各金属繊維同士の隙間に入り込ませることも可能である。また、シート状に成形された金属繊維群に潜熱蓄熱材12を吹き付けることにより、潜熱蓄熱材12を各金属繊維同士の隙間に入り込ませることも可能である。この場合、接着剤によって潜熱蓄熱材12が加熱用部材11,61に付着するので、蓄熱体10,60を収容する袋部材20を設けなくても良く、衣服、カーテン、カーペット等に用いるために蓄熱体10,60を薄く形成する場合に適している。
【0056】
また、第1乃至第5実施形態では、潜熱蓄熱材12を粉体から構成したものを示した。これに対し、例えば第1実施形態において、潜熱蓄熱材12を加熱用部材11の金属繊維群11bにおける各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられた合成繊維群または天然繊維群から構成するとともに、合成繊維群または天然繊維群を形成する各繊維14に前述の各粉粒12aから成る粉体を設けることも可能である。(図13乃至図15参照)。
【0057】
この場合、各繊維14を単繊維から形成することも可能であり、各繊維14を複数の単繊維を撚り合わせて成る糸状に形成することも可能である。また、合成繊維群の各繊維14の例としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、トリアセテート繊維、ポリウレタン繊維等が挙げられ、天然繊維群の各繊維14の例としては綿、麻、シルク、羊毛等が挙げられる。
【0058】
合成繊維群の各繊維14の場合は、各繊維14を成形する前の樹脂に各粉粒12aを練り込んだ後、各繊維14を構成する単繊維を成形することにより、各繊維14内に各粉粒12aが設けられる(図14参照)。また、天然繊維群の各繊維14の場合は、各繊維14の表面に接着剤等によって各粉粒12aを付着させることにより、各繊維14の表面に各粉粒12aが設けられる(図15参照)。合成繊維群の各繊維14の表面に接着剤等によって各粉粒12aを付着させることも可能である。図14及び図15は各繊維14が複数の単繊維を撚り合わせて糸状に形成されている場合を示すものである。
【0059】
また、金属薄板が巻回されて成る金属板コイルCLを回転させながら金属板コイルCLの軸方向端面を切削することにより金属繊維を成形する場合、成形された金属繊維と同時に合成繊維群または天然繊維群を構成する各繊維14を心棒53に巻取ることにより、各金属繊維同士の隙間に各繊維14が入り込むように設けられる。尚、他の方法によって各金属繊維同士の隙間に各繊維14を入り込ませることも可能である。
【0060】
このような場合でも、潜熱蓄熱材12が粉体から構成されている場合と同様に、各粉粒12aから成る粉体を有する各繊維14が金属繊維群11bの各金属繊維同士の隙間に設けられ、加熱用部材11から潜熱蓄熱材12に効率良く熱が加えられるので、潜熱蓄熱材12の全体を短時間で加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態を示すクッションの側面断面
【図2】加熱用部材の斜視図
【図3】潜熱蓄熱材を構成する各粉粒の断面図
【図4】コイル切削用旋盤の斜視図
【図5】心棒に巻き取られた金属繊維の束を切断してシート状に成形する際の動作説明図
【図6】第1実施形態の変形例を示す潜熱蓄熱材の概略正面図
【図7】本発明の第2実施形態を示すクッションの側面断面
【図8】加熱用部材の斜視図
【図9】加熱用部材の斜視図
【図10】本発明の第3実施形態を示す食器の側面断面図
【図11】本発明の第4実施形態を示すカーペットの平面図
【図12】本発明の第5実施形態を示すカーテンの正面図
【図13】第1実施形態の他の変形例を示す潜熱蓄熱材の斜視図
【図14】第1実施形態の他の変形例を示す繊維の斜視図
【図15】第1実施形態の他の変形例を示す繊維の斜視図
【符号の説明】
【0062】
1…クッション、2…クッション、10…蓄熱体、11…加熱用部材、11a…プレート、11b…金属繊維群、12…潜熱蓄熱材、12a…粉粒、12b…コア材、12c…カプセル部材、20…袋部材、30…反射部材、40…クッション本体、50…コイル切削用旋盤、51…支軸、52…切削刃、53…心棒、54…カッター、60…蓄熱体、61…加熱用部材、100…食器、110…カーペット、111…袋部材、112…カーペット本体、120…カーテン、121…袋部材、122…カーテン本体、PL…金属薄板、CL…金属板コイル、IH…電磁誘導加熱装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部に金属繊維群を有し、電磁誘導を用いた加熱手段によって加熱可能な加熱用部材と、
加熱用部材における金属繊維群の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられ、前記加熱手段によって加熱用部材に生じた熱を相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを備えた
ことを特徴とする蓄熱体。
【請求項2】
前記潜熱蓄熱材を粉体から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載の蓄熱体。
【請求項3】
前記潜熱蓄熱材を粉体が分散している液体から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載の蓄熱体。
【請求項4】
前記潜熱蓄熱材を粒状体から構成するとともに、粒状体の各粒を所定形状に固められた粉体から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載の蓄熱体。
【請求項5】
前記潜熱蓄熱材を合成繊維群または天然繊維群から構成するとともに、合成繊維群または天然繊維群の各繊維が粉体を有するように構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載の蓄熱体。
【請求項6】
前記加熱用部材の金属繊維群を、金属薄板が巻回されて成る金属板コイルを回転させながら金属板コイルの軸方向端面を切削することにより成形される金属繊維から構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の蓄熱体。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−206955(P2008−206955A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139078(P2007−139078)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(505278931)株式会社まるや (10)
【出願人】(300054631)有限会社エフ・テイ・イノベーション (14)
【Fターム(参考)】