蓄糞資源の燃料及び堆肥化装置
【課題】畜糞を燃料、堆肥及び牛舎にリサイクルすることによって、親環境的な畜産経営指針に合理的に対処し、畜産農家の難題を解決でき、かつ、農地不足による糞尿の処理困難と放置による悪臭から発生する民願を解決すると同時に、廃棄物とされてきた畜糞を資源化できる畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提供する。
【解決手段】畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、垂直方向に設置され、上部に入口が形成され、下部に出口が形成された円筒形状の発酵槽と、発酵槽の外側面に設置され、畜糞を発酵槽内に供給する畜糞供給器と、発酵槽内で回転可能に設置されて発酵槽内の畜糞を均一に撹はんする撹はん器と、撹はん器を回転駆動させる駆動手段と、発酵槽に備えられ、発酵槽外部の空気を内部に供給する空気供給器と、発酵槽内で発酵された発酵畜糞をそのまま排出したり固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、を含む畜糞資源の燃料及び堆肥化装置とした。
【解決手段】畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、垂直方向に設置され、上部に入口が形成され、下部に出口が形成された円筒形状の発酵槽と、発酵槽の外側面に設置され、畜糞を発酵槽内に供給する畜糞供給器と、発酵槽内で回転可能に設置されて発酵槽内の畜糞を均一に撹はんする撹はん器と、撹はん器を回転駆動させる駆動手段と、発酵槽に備えられ、発酵槽外部の空気を内部に供給する空気供給器と、発酵槽内で発酵された発酵畜糞をそのまま排出したり固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、を含む畜糞資源の燃料及び堆肥化装置とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に係り、より詳細には、牛、豚などの家畜の糞尿を発酵槽内に投入して均一に撹はんし、高温性微生物を用いて発酵処理しながら乾燥させたのち排出させ、畜糞燃料として使用したり、堆肥または牛舎にリサイクルでき、また、畜糞の発酵時に発生する熱は回収し、温水または暖房に利用できるようにした畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大量生産と大量消費が行われている現代社会は、大量廃棄による深刻な環境汚染の問題に悩んでいる。代表的な環境汚染問題としては、大量廃棄による土壌・水質汚染の問題とエネルギーの大量消費による空気汚染が挙げられる。
【0003】
このような土壌・水質汚染の問題から農業分野も自由ではない。生産の効率性を優先視しながら集約的農業が推進され、その結果、農薬・化学肥料の過剰投与及び家畜糞尿の不適切な管理によって土壌・水質汚染の問題を招いているわけである。特に、家畜糞尿の不適切な管理による土壌及び水質汚染の深刻性を認識し、各国では、家畜糞尿による環境問題を解消し、その管理の効率性を高めるために、家畜糞尿を堆肥・液肥として全量資源化し、堆肥・液肥の利用を促進することを法制化している。
【0004】
一方、食物類の廃棄物は、土壌に直接埋め立ててきたが、埋め立てられる食物類の廃棄物が益々大量化しながら深刻な環境問題として台頭されてきている。そこで、食物廃棄物は、直接埋め立てから堆肥または飼料への加工による資源化へとその処理が展開されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、家畜経営の急速な大規模化、畜産業者の経営悪化、高齢化などによって家畜糞尿を資源化するのには限界があり、家畜糞尿の大部分は捨てられたり無断投棄され、地下水の汚染や土壌・海洋汚染の深刻な原因として急浮上しており、したがって、畜産副産物リサイクルの定立が切実に要望されている現状である。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためのもので、その目的は、牛糞などの畜糞を燃料、堆肥及び牛舎にリサイクルすることによって、親環境的な畜産経営指針に合理的に対処し、畜産農家の難題を解決でき、農地不足による糞尿の処理困難と放置による悪臭を解決すると同時に、廃棄物とされてきた畜糞を資源化することができる畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提供することにある。
【0007】
また、畜糞の発酵時に発生する廃熱を、家畜に供給される飲水が冬季に冷たくなったり凍るのを防止する保温維持手段として活用することによって、従来の飲水保温維持のために使用した電気ヒーターまたはボイラーを使用せずにすむので、電力または燃料の消費を減らし、畜産運営に必要な経費を節減させることができる畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、畜糞を貯蔵し発酵及び乾燥させるためのもので、垂直方向に設置され、上部に入口が形成され、下部に出口が形成された円筒形状の発酵槽と、前記発酵槽の外側面に設置され、畜糞を発酵槽内に供給する畜糞供給器と;前記発酵槽内で回転可能に設置され、発酵槽内の畜糞を均一に撹はんする撹はん器と;前記撹はん器を回転駆動させる駆動手段と;前記発酵槽に備えられ、発酵槽外部の空気を内部に供給する空気供給器と;前記発酵槽内で発酵された発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段と;を含んで構成され、
前記撹はん器は、発酵槽内に垂直方向に設置された中空の回転軸と、前記回転軸の外周面に半径方向に設置されて回転軸の内部と連通し、空気排出穴を有する中空の撹はん棒と、からなり、前記空気供給器は、発酵槽の外側に設置されたエアーコンプレッサーと、前記エアーコンプレッサーより発生した空気を回転軸の内部に供給するために、エアーコンプレッサーと撹はん器の回転軸とを連結する空気供給管と、から構成されることを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提示する。
【0009】
また、上部が開放され、家畜に提供する飲水を収容できるようになっている飲水槽と、前記飲水槽を支持する受け台と、前記飲水槽内に設置され、飲水を供給するための飲水供給管に連結された飲水開閉バルブと、を備える家畜用飲水供給部と;前記熱交換器と循環配管及び復帰配管を介して連結された温水貯蔵槽と、前記循環配管に設置され、前記温水貯蔵槽内の水を熱交換器に循環させるためのポンプと、前記循環配管から分岐された温水供給配管に一端が連結され、他端は温水復帰配管を介して前記温水貯蔵槽に連結され、前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に位置して前記飲水槽内の飲水と熱交換する放熱器と、前記循環配管と温水供給配管にそれぞれ設置された開閉バルブと、を備える飲水保温維持部と;からなることを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提示する。
【0010】
また、支持フレームと;畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、前記支持フレームに水平方向に設置され、上部に蓋によって開閉可能な入口が形成され、一側下部に第1出口及び第2出口が形成された円筒形状の発酵槽と;前記発酵槽の内部に水平方向に配置され、両端が両側壁に回転自由に支持された中空軸と;前記中空軸に設置され、発酵槽内の畜糞を前記第1及び第2出口側に水平移動させながら均一に撹はんする複数個の撹はん棒と;前記支持フレームに設置され、前記撹はん棒を回転駆動させる撹はん駆動手段と;前記支持フレームに設置され、発酵槽の内部に空気を供給する空気供給手段と;前記第1及び第2出口から排出される発酵畜糞を、そのまま排出したり固形化して排出する発酵畜糞排出手段と;を含むことを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提示する。
【0011】
また、支持台と;畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、前記支持台に水平方向に支持設置され、一側壁に蓋によって開閉可能な入口が形成され、他側壁に蓋によって開閉可能な出口が形成された円筒形状の発酵槽と;前記支持台に設置され、発酵槽が水平軸線を中心に回転可能なように下部から支持する第1乃至第4ローラと;前記第1乃至第4ローラのうちいずれか一つを回転させる回転駆動手段と;前記発酵槽の内周面に沿ってらせん状に突出形成され、一端部の排出ガイド部が出口に近接した位置まで延在し、発酵槽の回転により畜糞を出口側に移動させるようにしたせん状の突出板と;前記出口から排出される発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段と;を含むことを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1及び第2実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置によれば、畜糞を発酵槽内で発酵及び自然乾燥させた後、選択的に発酵畜糞排出筒体の第1排出口から排出する場合、様々な形態の固形物に成形し、畜糞燃料や畜糞ペレットとして活用でき、第2排出口から排出する場合、堆肥や牛舎にリサイクルすることが可能になり、かつ、発酵槽内で畜糞を均一に撹はんしながら外部空気を供給するので、畜糞が全体的に均一に発酵及び乾燥される他、発酵及び乾燥効率も増大させることが可能になる。
【0013】
また、本発明は、畜糞を発酵させて様々な用途に活用することによって、親環境的な畜産経営指針に合理的に対処し、畜産農家の難題を解決でき、かつ、農地不足による糞尿の処理困難と放置による悪臭に起因する民願を解決すると同時に、廃棄物とされてきた畜糞を資源化できる有用な発明である。
【0014】
なお、発酵時に発酵槽内で発生する廃熱は、飲水保温維持部を通して家畜用飲水供給部に伝達され、家畜に供給される飲水が冬季に冷たくなったり凍るのを防止する保温維持手段としても活用されるので、従来の飲水保温維持のために使用してきた電気ヒーターまたはボイラーを使用しなくて済み、電力または燃料の消費を節減し、畜産運営の経費節減を図ることができる。
【0015】
したがって、本発明は、農地不足による糞尿の処理困難と放置による悪臭に起因する民願を解決でき、かつ、廃棄物とされてきた畜糞を資源化できると同時に、畜糞の発酵時に発生する廃熱を、家畜に供給される飲水の保温維持のために活用することによって省エネルギー化を実現し、畜産農家に経済的な利点を提供できる極めて有用な発明である。
【0016】
本発明の第3実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置によれば、発酵槽が水平方向に設置され、畜糞を発酵槽内で水平方向に移動させながら撹はんできるので、発酵槽内で畜糞が空気と十分に接触し、全体的に均一に発酵及び乾燥されることはもちろん、発酵及び乾燥効率も増大し、かつ、畜糞の移動及び撹はんのための駆動部の負荷が減少し、駆動が円滑になるという効果が得られる。
【0017】
本発明の第4実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置によれば、水平に設置された発酵槽を回転させながら畜糞を発酵槽内で水平方向に移動させつつ撹はんできるので、内部に別途回転する撹はん手段を備えずに済み、構成がより簡素化するという効果が得られる。また、畜糞の移動及び撹はんのための駆動部の負荷が減少し、駆動が円滑になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい第1実施例乃至第5実施例を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
本発明の第1乃至第5実施例は、略円筒形状に形成され、畜糞が貯蔵及び発酵される発酵槽と、発酵槽の内部に備えられ、畜糞を混ぜて均一に発酵されるようにする撹はん手段と、発酵を促進するために発酵槽内に外部の空気を供給する空気供給手段と、発酵した畜糞(以下、発酵畜糞という。)を排出するにあたり、使用者の選択によって発酵槽内から粉末形態で排出したり、燃料として取扱いやすいように固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、を備える。
【0020】
以下、本発明の第1実施例を、添付図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、本発明の第1実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置は、畜糞を貯蔵して発酵及び乾燥させるための発酵槽110を備える。この発酵槽110は、垂直方向に設置され、上部には入口111が形成され、下部には開閉駆動機構114により動作する開閉板113で開閉される出口112が形成される。また、開閉駆動機構114は、開閉板113に固定されたラック114aと、このラック114aに噛合うピニオンギア114bと、このピニオンギア114bを回転させるための電動モーター114cとで構成される。
【0022】
また、発酵槽110の入口111には、発酵及び乾燥処理する畜糞を発酵槽110内に供給するための畜糞供給器120が連結されている。
【0023】
畜糞供給器120は、図1及び図3に示すように、発酵槽110の外側面に垂直方向に設置され、発酵槽110の入口111を通じて発酵槽110と上部が連通するする供給筒体121を備え、供給筒体121の下部にはバケット122が備えられ、発酵槽110内に供給する畜糞を、供給筒体121の下部に容易に投入できるようになっている。また、供給筒体121内には、供給スクリュー123が回転自在に設置され、バケット122を通じて投入された下部の畜糞を上部に移動させ、入口111から発酵槽110内に供給し、供給スクリュー123を回転駆動させるための駆動手段は、供給スクリュー123の軸を回転させるように結合された電動モーター124で構成されている。
【0024】
図2及び図4を参照すると、発酵槽110内には、供給された畜糞を均一に撹はんする撹はん器130が備えられている。この撹はん器130は、発酵槽110内に回転自在に垂直方向に設置された中空の回転軸131と、この回転軸131の長さ方向に沿って複数個配置された撹はん棒132とからなり、撹はん棒132は、回転軸131の外周面に半径方向に設置されるとともに回転軸131の内部と連通し、複数の空気排出穴132aが下面に形成された中空の形態となっている。
【0025】
撹はん棒132の断面形状は、撹はん棒132の上面に畜糞が積もらないと共に、撹はん棒132下面の空気排出穴132aが畜糞により塞がらないようにすることが好ましい。第1実施例では、撹はん棒132の断面形状を三角形としたが、この他にも円形、菱形等、上記の作用ができる断面形状であればいずれも適用可能である。前記のような構成の撹はん器130を駆動させるための駆動手段は、発酵槽110の上面に設置され、撹はん器130の回転軸131を回転させる電動モーター133からなる。
【0026】
なお、発酵槽110には、発酵槽110外部の空気を内部に供給する空気供給器140が備えられる。空気供給器140は、発酵槽110の外側上面に設置され、空気を発生させるエアーコンプレッサー141と、エアーコンプレッサー141により発生した空気を、回転軸131内部の中空部に供給するために、エアーコンプレッサー141と撹はん器130の回転軸131を連結する空気供給管142とから構成され、このため、撹はん器130を駆動するための電動モーター133は、回転軸131が電動モーター133を貫通して反対側に露出されるタイプを採用することが好ましい。
【0027】
発酵槽110には、畜糞の発酵時に発生する熱を温水または暖房用に活用するための熱回収器150をさらに備えている。熱回収器150は、発酵槽110の上部に設置され、発酵槽110内部と連通する熱交換筒体151と、熱交換筒体151内に設置された熱交換器152と、熱交換器152と連結された温水貯蔵槽153と、温水貯蔵槽153内の水を、熱交換器152に循環させるためのポンプ154と、で構成され、熱交換筒体151には、送風器155を設置し、熱交換筒体151内の空気を外部に強制排出させることによって発酵槽110内の熱の流れを円滑にし、熱交換器152との熱交換効率を増大させることが好ましい。また、熱交換器152は、図8に示すように、温水貯蔵槽153と連結される熱交換管152aをジグザグ形態に屈曲形成し、薄くて広い複数枚の熱吸収板152bを設置することによって熱交換効率を増大させることが好ましい。
【0028】
一方、第1実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置は、発酵畜糞排出手段160として、図1及び図2に示すように、発酵槽110の下部に設置された発酵畜糞排出筒体161を備える。この発酵畜糞排出筒体161は、発酵槽110の下部に水平方向に設置され、発酵槽110の出口112を通じて連通し、両側に第1及び第2排出口161a,161bを有しており、第1排出口161aは、水平方向の一端に形成され、第2排出口161bは、他端である第1排出口161aの反対側の底部に形成されている。
【0029】
発酵槽110から出口112を通って発酵畜糞排出筒体161内に流入した発酵畜糞は、発酵畜糞排出筒体161内に回転可能に設置された排出スクリュー162によって第1排出口161aまたは第2排出口161bから排出されるようになっている。排出スクリュー162は、駆動手段によって正・逆方向に回転するもので、その駆動手段は、発酵畜糞排出筒体161の一側に設置され、排出スクリュー162の軸と結合する電動モーター163から構成され、この電動モーター163は、排出スクリュー162を正・逆方向の両側に回転させることができるタイプの電動モーターを採用することによって、電動モーター163の回転方向によって、排出スクリュー162は発酵畜糞を第1排出口161aまたは第2排出口161bに押して排出させることができる。
【0030】
一方、発酵畜糞排出筒体161の第1排出口161aには、発酵畜糞を任意形態に固形化するための固形物成形部材170が備えられている。固形物成形部材170は、任意形態の固形物を形成できるように様々な形状に構成されることができ、発酵畜糞排出筒体161の第1排出口161aから着脱自在に取り付けられ、交換可能に構成することが好ましい。
【0031】
また、第1排出口161a側の発酵畜糞排出筒体161は、第1排出口161a側に向かって直径が次第に減少するテーパー部161cとし、排出される発酵畜糞を圧縮し結合力を増大させることによって、固形物の形成後に固形物の形状を維持できるようにし、また、排出スクリュー162には、固形物成形部材170の内部中心に位置する成形軸棒162aをさらに延長形成させ、中央に穴を持つ固形物を形成できるようにすることが好ましい。
【0032】
例えば、図5(a)及び図5(b)に示すように、断面が円形である固形物成形部材170によっては、成形軸棒162aにより中空の円筒形状の固形物を長く排出させて成形でき、一定の大きさに切断すると、燃料として使用しやすい固形物W1の形状とすることができる。この時、固形物成形部材170の内周面には凹凸部171を形成し、固形物W1が長く排出される時に、成形軸棒162aの回転によって固形物W1が回転するのを防止することが好ましい。
【0033】
また、図6(a)及び図6(b)に示すように、小さな穴181を複数形成した固形物成形部材180によっては、小さい直径の固形物を長く成形でき、これを一定の大きさに切断すると、畜糞ペレットW2が形成できる。また、発酵畜糞を第1排出口161aから排出させずに第2排出口161bから排出させる場合には、発酵畜糞が固形化されず、そのまま堆肥や牛舎に使用することができる。
【0034】
そして、発酵槽内に投入される畜糞の最小及び最大貯蔵量を検出できるように、発酵槽内の上、下部に上部位置検出センサーと下部位置検出センサーを取り付け、発酵槽内部の温・湿度を検出できるように、発酵槽の側壁に温・湿度計を設置することができる。
【0035】
このように構成された本発明の第1実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の作用について説明すると、下記の通りである。
【0036】
畜糞供給器120の駆動手段である電動モーター124を駆動して供給スクリュー123を回転させ、下部に位置するバケット122を通って発酵及び乾燥処理する畜糞を供給筒体121内の下部に投入すると、回転する供給スクリュー123により畜糞が下部から上部に移送され、これで、上部に位置した発酵槽110の入口111から発酵槽110内に畜糞が供給される。
【0037】
発酵槽110内部に供給された畜糞は自然発酵され、発酵される過程で熱を発生するので、発酵槽110内部の温度は発酵熱によりますます上昇し、畜糞は発酵槽110内の温度により発酵されると同時に自然乾燥される。この時、畜糞の発酵時に生成されて活動する微生物のうち、高温性で且つ拮抗作用をする微生物が活動すると、発酵槽110内部の温度が約70〜80℃の範囲に上昇し、発酵畜糞を燃料や堆肥とするのに好適な状態になる。
【0038】
このように発酵槽110内で畜糞を発酵及び乾燥させる過程で撹はん器130の電動モーター133を駆動すると、回転軸131及び撹はん棒132が回転しつつ畜糞を均一に撹はんし、全体的に均一な発酵及び乾燥が可能になり、これと同時に、空気供給器140のエアーコンプレッサー141を駆動し、空気供給管142を通じて回転軸131内に外部空気を供給すると、空気は、撹はん棒132に形成された空気排出穴132aから噴射され、発酵槽110内への均一な空気供給が可能になる。その結果、畜糞の発酵時に消費される酸素を十分に補充可能になり、かつ、撹はん棒132の撹はんと同時に空気が供給されるので、発酵及び乾燥効率をより増大させることができる。
【0039】
また、発酵槽110内部の空気は、発酵槽110上部に備えられた熱回収器150の熱交換筒体151へと流入し、熱交換器152を経て外部に排出される。この時、熱回収器150のポンプ154を駆動し、温水貯蔵槽153内の水を熱交換器152に循環させると、発酵槽110内の熱い空気と熱交換器152の熱交換管152a内部に流れる冷たい水が熱交換し、冷たい水は温度が上昇して再び温水貯蔵槽153に復帰になって、熱い空気は、温度が低くなって外部に放出され、熱回収器150の送風器155を駆動すると、発酵槽110内の熱い空気が熱交換筒体151内に強制流入すると同時に、熱交換器152を通る空気の流れを良くするので、熱交換効率をより増大させることができる。
【0040】
このように温水貯蔵槽153内の水を熱交換器152に反復して循環させることによって、温水貯蔵槽153内の水の温度を上げ、温水として使用することができ、図示せぬが、熱交換器152をボイラーの配管と連結すると、暖房用にも活用することができる。
【0041】
発酵槽110内で畜糞の発酵及び乾燥処理が完了した後、図1及び図2に示すように、開閉板113を開閉するための電動モーター114cを駆動すると、ピニオンギア114bの回転動作がラック114aの直線移動に切り替わり、これによって、開閉板113が出口112を開放するので、発酵畜糞を出口112を通じて発酵畜糞排出筒体161内に流入させることができる。続いて、排出用電動モーター163を駆動すると、排出スクリュー162が回転しつつ、発酵畜糞排出筒体161内の畜糞を第1排出口161aまたは第2排出口161bに押して排出させることができる。
【0042】
排出用電動モーター163は、正・逆方向に回転可能になっているもので、例えば、排出スクリュー162を正方向に回転させると、発酵畜糞が第1排出口161a側に移動して排出され、排出スクリュー162を逆方向に回転させると、発酵畜糞が反対に第2排出口161b側に移動して排出される。
【0043】
発酵畜糞を第1排出口161a側に排出させる場合には、図5(a)及び図5(b)に示すように、第1排出口161aに着脱可能に取り付けられた固形物成形部材170と、この固形物成形部材170の中心に位置する排出スクリュー162の成形軸棒162aにより、中空の円筒形状の固形物W1を形成でき、このような形状の固形物W1は、畜糞燃料として活用できる。また、図6(a)及び図6(b)に示すように、小さい穴181を多数有する固形物成形部材180に取り替えると、小さい円筒形の畜糞ペレットW2を形成でき、その他にも、固形物成形部材170の形状によって様々な形状の固形物を形成できる。この時、発酵畜糞排出筒体161のテーパー部161cによっては、第1排出口161a側に移動する畜糞が次第に圧縮されながら排出するので、固形物成形部材170,180により成形される固形物W1及び畜糞ペレットW2の結合力が増大し、よく壊れない形態をそのまま維持することができる。
【0044】
また、発酵畜糞を第2排出口161b側に排出する場合は、発酵畜糞を固形化しない状態のまま排出でき、このような発酵畜糞は、堆肥や牛舎に活用するのに適している。
【0045】
そして、発酵槽内の上、下部に設置された上部位置検出センサーと下部位置検出センサーによっては、発酵槽内に貯蔵される畜糞の上限線と下限線を検出でき、畜糞の貯蔵量が上限線を越える場合、畜糞供給器の電動モーターを制御し駆動を停止させることによって畜糞の投入を中断し、畜糞の貯蔵量が下限線の下に下りる場合、撹はん器の電動モーターを制御し駆動を停止させることによって、撹はん動作を中断する。
【0046】
また、発酵槽の側壁に設置された温・湿度計によっては、発酵槽内部の温・湿度を検出でき、あらかじめ設定した温・湿度設定値と比較し、設定値を越える場合には、熱回収器のポンプ及び送風器を制御し駆動させることによって、発酵槽内の高温を熱回収器により回収し、発酵槽内の温度を下げ、また、空気供給器のエアーコンプレッサーを制御し駆動させることによって、発酵槽内に空気を供給し、高温性微生物が活発に活動できるような環境を提供する。
【0047】
一方、図1に示すように、家畜に飲水を提供するための家畜用飲水供給部190と、家畜用飲水供給部190に供給される飲水の保温を維持するための飲水保温維持部100とがさらに備えられることができる。
【0048】
家畜に飲水を提供するための家畜用飲水供給部190は、上部が開放され、家畜に提供する飲水を収容できるようになっている飲水槽191を備える。飲水槽191は、下部に脚196を有する受け台195により支持されており、飲水槽191内には飲水を供給するための飲水供給管198と連結された飲水開閉バルブ199が設けられており、この飲水開閉バルブ199は、フロート199aを用いて開閉されるもので、飲水槽191内に飲水が供給されて一定高さになると、飲水開閉バルブ199は閉じ、一定高さ以下になると、飲水開閉バルブ199を開き、これにより、飲水は常に一定高さに維持されることができる。
【0049】
また、発酵槽110で畜糞の発酵時に発生する廃熱を用いて、家畜用飲水供給部190に供給される飲水の保温を維持するための飲水保温維持部100は、発酵槽110の上部に設置され、発酵槽110内部と連通する熱交換筒体151と、熱交換筒体151内に設置された熱交換器152と、熱交換器152と循環配管156及び復帰配管157を介して連結され、給水口158と排水口159を持つ温水貯蔵槽153と、前記循環配管156に設置され、温水貯蔵槽153内の水を熱交換器152間で循環させるポンプ154と、を備えている。
【0050】
熱交換筒体151には送風器155を設置し、熱交換筒体151内の空気を外部に強制排出させることによって発酵槽10内の熱の流れを円滑にし、熱交換器152との熱交換効率を増大させることが好ましい。
【0051】
また、循環配管156には、温水供給配管156−1が分岐され、放熱器156−3の一端に連結され、放熱器156−3の他端は、温水復帰配管156−2を介して温水貯蔵槽153に連結される。また、循環配管156と温水供給配管156−1には、温水の流れを選択的に遮断するための開閉バルブ156−5、156−6がそれぞれ設置されている。
【0052】
放熱器156−3は、家畜用飲水供給部190の飲水槽191内に配置されるもので、温水供給配管156−1と温水復帰配管156−2に両端が連結された放熱管156−4をジグザグ形態に屈曲形成し、放熱効率を高める構造となっており、飲水槽191内の中間部分に位置し、飲水槽191内の飲水と熱交換することによって飲水の保温を維持する。
【0053】
また、飲水槽191内には、飲水の温度を検出する温度計192が設置され、飲水槽191の底部外側には電気ヒーター193を設置し、温度計192と電気ヒーター193は、受け台195に備えられたコントロールボックス197内の制御手段(図示せず)と電気的に連結され、飲水槽191内の飲水が設定された温度より低い時には飲水を加熱する。なお、飲水槽191内に設置される放熱器156−3、飲水開閉バルブ199、温度計192は、家畜が水を飲む時に家畜の口に触れないように蓋194で覆うことが好ましい。
【0054】
この場合、畜糞供給器120によって発酵槽110内部に畜糞を供給し、発酵槽110内部に供給された畜糞は、回転軸131と撹はん棒132によって均一に発酵されると同時に自然乾燥され、これと同時に、空気供給器140によって外部空気が発酵槽110内に、畜糞の発酵が円滑になるように供給される。以降、発酵畜糞排出手段160によって発酵槽110内の発酵畜糞がそのまま又は固形化して排出される。一方、発酵槽110内部に発生する熱は、発酵槽110上部に備えられた飲水保温維持部100の熱交換筒体151に流入し、熱交換器152を経て外部に排出される。
【0055】
この時、飲水保温維持部100の循環配管156側の開閉バルブ156−5を開き、ポンプ154を駆動し、温水貯蔵槽153内の水を循環配管156と復帰配管157を通じて熱交換器152を経由して循環させると、発酵槽10内の熱い空気と熱交換器152の熱交換管152aの内部に流れる冷たい水が熱交換し、水は温度が上昇して再び温水貯蔵槽153に復帰し、熱い空気は、温度が低くなって外部に放出される。この場合、送風器155を駆動すると、発酵槽10内の熱い空気が熱交換筒体151内に強制流入すると同時に、熱交換器152を通る空気の流れを良くするので、熱交換効率をより増大させることができる。
【0056】
このように温水貯蔵槽153内の水を熱交換器152に反復して循環させることによって、温水貯蔵槽153内の水の温度を上げることができ、この時、循環配管156から分岐された温水供給配管156−1側の開閉バルブ156−6を開くと、温水貯蔵槽153の温水が家畜用飲水供給部190の飲水槽191に備えられた放熱器156−3を経由して温水復帰配管156−2を通って温水貯蔵槽153に循環され、これにより、放熱器156−3の放熱管156−4の内部に流れる温水と飲水槽191内に貯蔵された飲水が熱交換し、飲水の温度を上げることができ、特に、冬季に家畜に飲水を供給する際に、飲水槽191の飲水が冷たくなったり凍るのを防止できる。
【0057】
また、飲水槽191に設置された温度計192及び電気ヒーター193は、飲水の保温を維持するための補助手段で、発酵槽110を稼動しない場合または冬季酷寒によって、飲水保温維持部100を稼動しても保温を十分に維持できない場合、飲水槽191内の飲水を加熱することによって飲水の保温を維持でき、発酵槽110で畜糞の発酵時に発生する廃熱を用いて、温水貯蔵槽153に貯蔵された温水は排水口159を通じて他の用途の温水にも使用することができ、給水口158を通じて水を補充できる。
【0058】
本第1実施例では、飲水保温維持部100が一つの家畜用飲水供給部190に適用されたものを取り上げて説明したが、これに限定されず、図9に示すように、循環配管156から分岐される温水供給配管156−1に、複数の分岐供給配管156−1a、156−1b、156−1cを並列設置し、温水貯蔵槽153に連結される温水復帰配管156−2に、複数の分岐復帰配管156−2a、156−2b、156−2cを並列設置して複数の放熱器156−3a、156−3b、156−3cとそれぞれ連結し、それぞれの放熱器156−3a、156−3b、156−3cを複数の家畜用飲水供給部190a、190b、190cの飲水槽191a、191b、191c内に設置することができ、この場合、複数の家畜用飲水供給部190a、190b、190cに供給される飲水の保温を維持することができる。
【0059】
図10は、本発明の第2実施例を示す図である。同図に示すように、本実施例は、発酵槽110で畜糞の発酵時に発生する廃熱を用いて、家畜用飲水供給部190に供給される飲水の保温を維持するための飲水保温維持部200を、発酵槽110上部に設置され、発酵槽110内部と連通する熱交換筒体251と、熱交換筒体251内に設置された熱交換器252と、熱交換器252と熱循環配管231及び熱供給配管232により連結され、家畜用飲水供給部190の飲水槽191内に位置して飲水槽191内の飲水と熱交換する放熱器240と、熱循環配管231に設置され、配管内に流れる熱媒体を熱交換筒体251と放熱器240との間で循環させるためのポンプ250と、で構成した以外は、畜糞発孝部の発酵槽110、畜糞供給器120、撹はん器130、空気供給器140、発酵畜糞排出手段160及び家畜用飲水供給部190は前述の第1実施例と同一に構成し、その重複説明は省略する。
【0060】
このような第2実施例の構成によれば、ポンプ250を駆動し、熱循環配管231及び熱供給配管232内に流れる熱媒体を熱交換器252と放熱器240との間で循環させると、熱交換器252内部に流れる熱媒体は、発酵槽110内の熱い空気と熱交換し温度が上昇した後、熱供給配管232を通って家畜用飲水供給部190の飲水槽191に設置された放熱器240に流れる。
【0061】
これにより、放熱器240の内部に流れる熱媒体と飲水槽191内に貯蔵された飲水が熱交換され、飲水の温度を上げることができ、熱交換されて冷たくなった熱媒体は、熱循環配管231を通って再び熱交換器252に移動して再び温度が上昇した後、放熱器240に供給されるので、飲水槽191内の飲水の保温を持続して保つことができ、これによって、冬季に家畜に飲水を供給する時に、飲水槽191の飲水が冷たくなったり凍るのを防止できる。
【0062】
また、本実施例でも、第1実施例と同様に、飲水保温維持部200が一つの家畜用飲水供給部190に適用されるとして説明したが、これに限定されず、図11に示すように、熱循環配管231と熱供給配管232に複数個の分岐熱循環配管231a、231b、231cと分岐熱供給配管232a、232b、232cを並列に連結し、複数個の放熱器240a、240b、240cとそれぞれ連結し、それぞれの放熱器240a、240b、240cを複数の家畜用飲水供給部190a、190b、190cの飲水槽191a、191b、191c内に設置することができ、この場合、複数の家畜用飲水供給部190a、190b、190cに供給される飲水の保温を維持できる。
【0063】
次いで、本発明の第3実施例を、添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0064】
図12は、本発明の第3実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図であり、図13は、発酵槽の内部構成を示す断面図である。図示のように、本実施例の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置は、畜糞を貯蔵して発酵及び乾燥させる発酵槽310と、発酵槽310を支持する支持フレーム320と、を備える。
【0065】
発酵槽310は、円筒形状に形成され、支持フレーム320に水平方向に設置されるもので、上部には畜糞を供給できるように蓋311によって開閉される入口312が形成され、一側下部には、発酵処理の完了した発酵畜糞を発酵槽310から排出するための第1及び第2出口313,314が形成され、内部には、供給された畜糞を均一に撹はんする撹はん棒331が備えられている。
【0066】
撹はん棒331は、発酵槽310内に水平方向に配置され、両端を発酵槽310の両側壁315,316に回転自在に軸支した中空軸332に取り付けられるもので、中空軸332の軸線方向(長さ方向)に沿って複数個配置される。
【0067】
図15に示すように、撹はん棒331は、中空軸332の軸線方向に対して傾斜した傾斜面331aを有し、第1及び第2出口313、314側の端部に配置された一つの撹はん棒331を除外した残りの撹はん棒331は、傾斜面331aを第1及び第2出口313,314側に向くように配置し、中空軸332及び撹はん棒331の回転時に、発酵槽310内の畜糞を第1及び第2出口313,314側に移動させるようにし、また、第1及び第2出口313,314側の端部に配置された一つは、逆方向の撹はん棒331であって、傾斜面331aを他の撹はん棒331とは反対側に向くように配置し、発酵槽310内の畜糞を第1及び第2出口313,314の反対側に移動させることによって、逆方向の撹はん棒331によって畜糞が発酵槽310の第1及び第2出口313,314側に過度に積もるのを防止する役割を果たす。
【0068】
上記のように構成された撹はん棒331は、撹はん駆動手段によって中空軸332を回転駆動させると同時に、中空軸332と共に回転するようになっており、撹はん駆動手段は、支持フレーム320に設置された減速電動モーター341と、減速電動モーター341の回転動力を中空軸332に伝達する動力伝達機構342とからなる。
【0069】
また、発酵槽310の内部には、空気供給手段により空気を供給するようになっている。この空気供給手段は、支持フレーム320に設置され、空気を発生させる空気発生器351と、空気発生器351によって発生した空気を発酵槽310の内部に供給する空気供給管352と、からなる。
【0070】
発酵槽310内の空気供給は、図15に示すように、それぞれの撹はん棒331の内部に空気通路331bを形成して中空軸332の内部と連通させ、撹はん棒331の長手方向に沿って空気通路331bに連通する複数個の空気排出穴331cを形成し、また、空気供給手段の空気供給管352を中空軸332の一端に連結し、空気発生器351より発生した空気が中空軸332を通って撹はん棒331の空気排出穴331cから噴出されることによってなされる。
【0071】
そして、第1及び第2出口から排出される発酵畜糞をそのまま排出したり固形化して排出する発酵畜糞排出手段として、図12及び図16に示すように、発酵槽310の下部に設置され、発酵槽310内で発酵完了した発酵畜糞を固形化して排出する固形物成形部360と、発酵畜糞をそのまま排出する発酵畜糞排出部370とを備えている。
【0072】
固形物成形部360は、図17に示すように、発酵槽310の下部に円筒形状の成形筒体361を水平方向に設置し、上部を第1出口313と連通させ、発酵槽310内の発酵畜糞が内部に流入するようになっており、成形筒体361の一端には、発酵畜糞を圧縮して固形化させる固形物成形部材362が連結され、成形筒体361の内部には、発酵畜糞を固形物成形部材362側に移動させる移動スクリュー363が設置される。
【0073】
移動スクリュー363は、駆動手段により回転駆動する。この駆動手段は、支持フレーム320に設置された減速電動モーター364と、減速電動モーター364の回転動力を移動スクリュー363に伝達する動力伝達機構365とからなる。
【0074】
固形物成形部材362は、フランジ継ぎ目366a、366bにより成形筒体361に着脱自在に取り付け、交換可能に構成することが好ましく、成形筒体361の連結部分から次第に直径が減少する傾斜部362aと、この傾斜部362aの最小直径部から水平方向に延在する水平部362bとで構成される。ここで、排出される発酵畜糞は傾斜部362aによって圧縮されて結合力が増大するので、固形物の成形後に固形物の形状を維持できる。また、水平部362bの内周面は、任意形態の固形物を形成できるように様々な形状にすることができ、移動スクリュー363には、固形物成形部材362の内部中心に位置する成形軸棒367を延設し、中央に中空部を持つ固形物を形成できるようにすることが好ましい。
【0075】
例えば、図18に示すように、水平部362bの内周面の断面が円形である固形物成形部材362によっては、成形軸棒367により中空の円筒形状の固形物を長く排出させて成形でき、固形物を一定の大きさに切断すると、燃料として使用するのに適合する畜糞ペレットを生産できる。
【0076】
そして、固形物成形部材362の水平部362bの内周面には複数個の凹溝362cを水平部362bの長さ方向に沿って直線に形成し、固形物が長く排出される時に成形軸棒367の回転によって固形物が共に回転するのを防止することが好ましい。
【0077】
発酵畜糞排出部370は、図19に示すように、発酵槽310の下部に水平方向に設置された排出筒体371を備える。排出筒体371の上部は、発酵槽310の第2出口314と連通し、発酵槽310内の発酵畜糞が排出筒体371内に流入するようになっており、一側下部には、発酵畜糞を外部に排出するための排出管372が連結されている。また、排出筒体371内には、排出スクリュー373が回転可能に設置され、発酵畜糞を排出管372側に移動させるようになっており、排出スクリュー373は駆動手段によって回転する。
【0078】
この駆動手段は、支持フレーム320に設置された減速電動モーター374と、減速電動モーター374の回転動力を排出スクリュー373に伝達する動力伝達機構375と、で構成され、本実施例では、撹はん棒331の回転のための撹はん駆動手段である動力伝達機構342、固形物成形部360の移動スクリュー363及び発酵畜糞排出部370の排出スクリュー373を回転させる駆動手段である動力伝達機構365,375として、スプロケットホイールをチェーンで連結した構成を示したが、これに限定されず、ベルトまたはギアを用いても構わない。
【0079】
そして、発酵槽310内部の温・湿度を検出できるように発酵槽310の一側壁315に温・湿度計317を設置し、発酵槽310の外周壁面には電源の印加によって発熱される面状発熱体318を設置し、発酵槽310内部の温度を人工的に上昇させることができるようにすることが好ましい。
【0080】
このように構成された本発明の第3実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の作用について説明すると、下記の通りである。
【0081】
まず、上部に位置した発酵槽310の入口312を通じて発酵槽310の内部に畜糞を供給すると、畜糞は、発酵槽310内で自然発酵され、発酵される過程で熱を発生するので、この発酵熱によって発酵槽310内部の温度は次第に上昇し、畜糞は発酵槽310内の温度によって自然乾燥される。この時、畜糞の発酵時に生成されて活動する微生物のうち、高温性で且つ拮抗作用をする微生物が活動すると、発酵槽310内部の温度が約70〜80℃の範囲に上昇し、発酵畜糞を燃料や堆肥とするのに好適な状態になる。
【0082】
このように発酵槽310内で畜糞を発酵及び乾燥させる過程で撹はん駆動手段の減速電動モーター341を駆動すると、中空軸332及び撹はん棒331が回転することによって畜糞を均一に撹はんし、全体的に均一に発酵及び乾燥させることができ、これと同時に、空気供給手段の空気発生器351を駆動し、空気供給管352を通じて中空軸332に空気を供給すると、空気は、撹はん棒331に形成された空気排出穴331cから噴出され、発酵槽310内に均一に空気を供給可能である。
【0083】
これにより、畜糞の発酵時に消費される酸素を十分に補充可能になり、撹はん棒331の撹はんと同時に空気が供給され、また、発酵槽310が水平方向に設置されるので畜糞が空気と接触する量が増加し、発酵及び乾燥効率をより増大させることができ、かつ、水平方向に畜糞を移動させると同時に撹はんするので、その駆動のための駆動部の負荷を最小化させることができる。
【0084】
このようにして発酵槽310内で畜糞の発酵及び乾燥処理が完了した後、固形物成形部360の駆動手段または発酵畜糞排出部370の駆動手段を選択的に駆動させることによって、発酵畜糞を固形化した固形物として排出したり、発酵畜糞をそのまま排出することができる。
【0085】
すなわち、図13に示すように、撹はん棒331が回転すると、撹はん棒331の傾斜面331aにより発酵畜糞が第1及び第2出口313、314側に押されて移動するので、第1及び第2出口313、314から固形物成形部360の成形筒体361と発酵畜糞排出部370の排出筒体371内に発酵畜糞を流入させることが可能になる。
【0086】
この状態で、図17に示すように、固形物成形部360の減速電動モーター364を駆動すると、移動スクリュー363が回転して成形筒体361内の発酵畜糞を固形物成形部材362側に移動させ、発酵畜糞は、固形物成形部材362を通過しながら傾斜部362aにより圧縮され、結合力が増大して容易に壊れず、その形態をそのまま維持できるようになり、続いて水平部362bの内周面形状と固形物成形部材362の中心に位置した成形軸棒367により中空の円筒形状の固形物Wを連続して排出できるようになる。
【0087】
また、図19に示すように、発酵畜糞排出部370の減速電動モーター374を駆動させると、排出スクリュー373が回転しつつ排出筒体371内の発酵畜糞を排出管372側に移動させ、排出管372を通って発酵畜糞を固形化しない状態のまま排出可能になり、このような発酵畜糞は、堆肥や牛舎として活用すれば良い。
【0088】
なお、図12に示すように、発酵槽310の側壁に設置された温・湿度計317によっては発酵槽310の内部の温・湿度を検出でき、発酵槽310の外周面に設置された面状発熱体318によっては発酵槽310内の温度が畜糞の発酵に適合する温度より低い場合、温度を上昇させ、高温性微生物が活発に活動できる環境を提供する。
【0089】
以下、本発明の好ましい第4実施例を、添付の図面を用いて詳細に説明する。図20は、本発明の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図であり、図21は、発酵槽の内部構成を示す断面図である。図示のように、本発明の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置は、畜糞を貯蔵し発酵及び乾燥させるための発酵槽410と、発酵槽410を支持するのための支持台420と、を備える。
【0090】
発酵槽410は、円筒形状に形成され、支持台420に水平方向に設置されるもので、一側壁410aに蓋411で開閉可能な入口412が形成され、他側壁410bに蓋413で開閉可能な出口414が形成されている。
【0091】
発酵槽410は、支持台420に設置された第1乃至第4ローラ431〜434によって水平軸線(図21のX−X線)を中心に回転可能になっているもので、第1乃至第4ローラ431〜434は、発酵槽410を両側下部で支持し、第1乃至第4ローラ431〜434のうちいずれか一つ、例えば、第1ローラ431は、回転駆動手段により回転可能になっている。
【0092】
回転駆動手段は、減速電動モーター435と、この減速電動モーター435の回転動力を第1ローラ431に伝達する動力伝達機構436とからなり、動力伝達機構436は、図20に示すように、減速電動モーター435と第1ローラ431にチェーンスプロケットをそれぞれ設置し、これらをチェーンで連結して構成しても良く、この他にもギアまたはベルトプーリをベルトで連結して構成しても良い。また、第1乃至第4ローラ431〜434と転がり接触する発酵槽410の外周面には、ガイドリング体415を備え、発酵槽410の回転をガイドすることによって離脱を防止する。
【0093】
また、発酵槽410の内周面にはらせん状の突出板416が備えられ、このらせん状の突出板416は、発酵槽410の水平軸線方向に沿ってらせん状に突出形成され、一端部の排出ガイド部416aは、出口414に近接した位置(図22(a)参照)まで延在し、発酵槽410の回転により畜糞を出口414側に誘導するようになっている。この場合、出口414は、発酵槽410の回転中心に形成することが好ましい。
【0094】
一方、発酵畜糞の排出は、発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段によって行われる。この発酵畜糞排出手段は、図23に示す発酵畜糞排出器440からなる。この発酵畜糞排出器440は、前述した第1実施例の発酵畜糞排出手段160と機能、構成及び作用が同一なので、その重複説明は省略する。
【0095】
一方、発酵槽410の内部に空気を供給するための空気供給手段を備える。空気供給手段は、連結筒体421及び出口414側の蓋413を貫通し、その末端が発酵槽410の内部まで延びる空気供給管451と、支持台420に設置された空気発生器452と、空気発生器452から発生した空気を発酵槽410内部に供給するよう、空気発生器452と空気供給管451とを連結する連結ホース453と、で構成される。
【0096】
ここで、空気供給管451は、図21に示すように、発酵槽410と蓋413の回転中心である水平軸線方向に設置し、蓋413との間に軸受け454を設置し、停止状態にある空気供給管451を中心に蓋413が発酵槽410と一緒に回転するようにすることが好ましく、空気供給管451は、水平軸線方向に直線移動可能にし、蓋413を出口414から開閉できるようにし、連結筒体421には、空気供給管451の直線移動を案内する支持部421aを備えることが好ましい。
【0097】
また、本実施例は、発酵槽410の上部に水平方向に設置され、発酵槽410の外側に冷却水を噴出する冷却水噴出穴461aを複数個有する冷却水供給パイプ461をさらに備えることができる。冷却水としては水を使用し、冷却水供給パイプ461に上水道(図示せず)を連結して水を取り込み、開閉バルブ462を設置して選択的に冷却水を取り込むようにする。
【0098】
また、発酵槽410内に畜糞を投入するための畜糞供給器470をさらに備える。畜糞供給器470は、図20及び図24に示すように、発酵槽410の入口412の位置から下方に傾斜して設けられたガイド筒体471と、ガイド筒体471の下部に設けられ、畜糞を収容する供給筒体472と、を備える。
【0099】
なお、ガイド筒体472の内部には、コンベアベルト473が設置される。具体的に、供給筒体472に位置する駆動ホイール474aと、発酵槽410の入口412に位置する従動ホイール474bとをガイド筒体471に回転自在に取り付け、この駆動ホイール474aと従動ホイール474bとをコンベアベルト473で連結する。ここで、駆動ホイール474aは、減速電動モーター475により回転するようになっている。また、コンベアベルト473上には、畜糞を収容するための複数個のバケット476を備え、コンベアベルト473の駆動時に、供給筒体472内の畜糞を発酵槽410の入口412を通じて発酵槽410内に投入できるようにし、また、供給筒体472の下部には輪477を取り付け、畜糞供給器の移動を容易にすることが好ましい。
【0100】
このように構成された第4実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の作用について説明すると、下記の通りである。
【0101】
図20及び図24に示すように、まず、入口412の蓋413を開き、畜糞供給器470の駆動手段である減速電動モーター475を駆動して駆動ホイール474aを回転させると、コンベアベルト473が駆動する。続いて供給筒体472内に発酵及び乾燥処理する畜糞を入れると、供給筒体472内の畜糞は、駆動するコンベアベルト473のバケット476によって発酵槽410の入口412側に運搬され、入口412を通じて発酵槽410内部に供給される。
【0102】
発酵槽410内に供給された畜糞は自然発酵され、発酵される過程で熱を発生するので、この発酵熱によって発酵槽410内部の温度は次第に上昇し、畜糞は発酵槽410内の温度により自然乾燥される。この時、畜糞の発酵時に生成されて活動する微生物のうち、高温性で且つ拮抗作用をする微生物が活動すると、発酵槽410内部の温度が約70〜80℃の範囲に上昇し、発酵畜糞を燃料や堆肥とするのに好適な状態となる。
【0103】
畜糞の発酵温度は、70〜80℃の範囲に維持されることが好ましく、この温度よりも高くなると、冷却水供給パイプ461の開閉バルブ462を開き、冷却水噴出穴461aから冷却水を発酵槽410外側に噴出することによって発酵槽410を冷却させ、発酵槽410の内部の温度が過度に上昇するのを防止することができる。
【0104】
このように発酵槽410内で畜糞を発酵及び乾燥させる過程で、発酵槽410の回転駆動手段である減速電動モーター435を駆動させると、動力伝達機構436により第1ローラ431が回転し、これにより、この第1ローラ431と転がり接触する発酵槽410が水平軸線を中心に回転する。このとき、発酵槽410は、両側下部で回転支持する第1乃至第4ローラ431〜434によって、安定して回転することができる。
【0105】
発酵槽410が回転すると、図22(b)に示すように、畜糞は、発酵槽410の内周面に沿って水平軸線を中心に下部から上部に回転し、上部で自然落下すると同時に、発酵槽410内周面に形成されたらせん状の突出板416により入口412側から出口414側へ順次移動する。この時は、出口414が蓋413によって閉じた状態であるから、畜糞は出口414から排出されない。
【0106】
これと同時に空気供給手段の空気発生器452を駆動させると、連結ホース453及び空気供給管451を通って発酵槽410内部に空気が供給され、これにより、畜糞を均一に撹はんし全体的に均一に発酵及び乾燥させながら畜糞の発酵時に消費される酸素を十分に補充可能になる。また、発酵槽410の水平方向への設置によって、畜糞が空気と接触する量が増加されるので、発酵及び乾燥効率をより増大させることができ、水平方向に畜糞を移動させると同時に撹はんするので、その駆動のための駆動部の負荷を最小限に抑えることができる。
【0107】
このようにして発酵槽410内で畜糞の発酵及び乾燥処理が完了した後、出口414の蓋413を開き、発酵畜糞排出器440の駆動手段である電動モーター446を駆動すると、発酵畜糞を、固形化した固形物として排出したり、そのまま排出させることができる。
【0108】
すなわち、まず、図21に示すように、空気供給管451を仮想線のように水平軸線方向に後進させると、空気供給管451に軸受け454を介して固定された蓋413を移動させて出口414を開くことができ、これにより、図22(b)に示すように、らせん状の突出板416により出口414側に移動する発酵畜糞を、排出ガイド部416aにより出口414に誘導し排出でき、排出される発酵畜糞は、連結筒体421を通って発酵畜糞排出器440の発酵畜糞排出筒体441内に投入される。
【0109】
続いて、図23に示すように、発酵畜糞排出器440の電動モーター446を駆動させると排出スクリュー442が回転し、発酵畜糞排出筒体441内の畜糞を第1排出口441aまたは第2排出口441bに押して排出させることができる。
【0110】
すなわち、電動モーター446は正・逆方向の回転が可能なもので、例えば、排出スクリュー442を正方向に回転させると、発酵畜糞は第1排出口441a側に移動して排出され、排出スクリュー442を逆方向に回転させると、発酵畜糞は反対に第2排出口441b側に移動して排出される。
【0111】
発酵畜糞を第1排出口441a側に排出させる場合には、発酵畜糞が固形物成形部材443を通過しながらテーパー部443aで圧縮されて結合力が増大し、容易に壊れず、その形態をそのまま維持可能になり、続いて水平部の内周面の形状と固形物成形部材の中心に位置する成形軸棒によって中空の円筒形状の固形物が連続して排出される。
【0112】
また、発酵畜糞を第2排出口441b側に排出する場合には、発酵畜糞を固形化しない状態のまま排出でき、このような発酵畜糞は堆肥や牛舎として活用すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵槽の内部構成及び飲水保温維持部を示す縦断面図である。
【図3】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の内部構成を示す図1のA−A線断面図である。
【図4】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された撹はん器を示す一部切欠斜視図である。
【図5】(a)及び(b)は、図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の固形物成形部材を示す図2のB−B線断面図、及び固形物成形部材により製造された畜糞燃料を示す斜視図である。
【図6】(a)及び(b)は、図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の固形物成形部材の変形例を示す正面図、及び変形例の固形物成形部材により製造された畜糞ペレットを示す斜視図である。
【図7】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された家畜用飲水供給部を示す図1のC−C線断面図である。
【図8】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の飲水保温維持部の熱交換器を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1実施例において家畜用飲水供給部の変形例を概略的に示す構成図である。
【図10】本発明の第2実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施例において家畜用飲水供給部の変形例を概略的に示す構成図である。
【図12】本発明の第3実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図である。
【図13】図12に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵槽の内部構成を示す縦断面図である。
【図14】図12に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の撹はん駆動手段を示す右側面図である。
【図15】図12に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された中空軸及び撹はん棒を示す斜視図である。
【図16】図12に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の左側面図である。
【図17】図16のA−A線断面図で、固形物成形部を示す。
【図18】図17の固形物成形部において固形物成形部材の固形物排出部分を示す正面図である。
【図19】図16のB−B線断面図で、発酵畜糞排出部を示す。
【図20】本発明の第4実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図である。
【図21】図20に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵槽の内部構成を示す縦断面図である。
【図22】(a)及び(b)は、図20に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵槽の回転状態を示す側断面図である。
【図23】図20に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵畜糞排出器を示す断面図である。
【図24】図20に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された畜糞供給器を示す断面図である。
【符号の説明】
【0114】
110:発酵槽
111:入口
112:出口
120:畜糞供給器
121:供給筒体
122:バケット
123:供給スクリュー
130:撹はん器
131:回転軸
132:撹はん棒
132a:空気排出穴
140:空気供給器
141:エアーコンプレッサー
142:空気供給管
150:熱回収器
151:熱交換筒体
152:熱交換器
153:温水貯蔵槽
154:ポンプ
161:発酵畜糞排出筒体
161a,161b:第1及び第2排出口
162:排出スクリュー
170,180:固形物成形部材
190:家畜用飲水供給部
191:飲水槽
191:受け台
194:飲水供給管
199:飲水開閉バルブ
100,200:飲水保温維持部
151,251:熱交換筒体
152,252:熱交換器
156:循環配管
157:復帰配管
153:温水貯蔵槽
154,250:ポンプ
156−1:温水供給配管
156−2:温水復帰配管
156−3,240:放熱器
156−5,156−6:開閉バルブ
231:熱循環配管
232:熱供給配管
310:発酵槽
311:蓋
312:入口
313,314:第1及び第2出口
317:温・湿度計
318:面状発熱体
320:支持フレーム
331:撹はん棒
331c:空気排出穴
360:固形物成形部
361:成形筒体
362:固形物成形部材
363:移動スクリュー
370:発酵畜糞排出部
371:排出筒体
372:排出管
373:排出スクリュー
410:発酵槽
411,413:蓋
412:入口
414:出口
416:らせん状の突出板
416a:排出ガイド部
420:支持台
421:連結筒体
431〜434:第1〜第4ローラ
440:発酵畜糞排出器
441:発酵畜糞排出筒体
442:排出スクリュー
443:固形物成形部材
443a:テーパー部
443b:水平部
444:成形軸棒
451:空気供給管
452:空気発生器
453:連結ホース
461:冷却水供給パイプ
461a:冷却水噴出穴
470:畜糞供給器
471:ガイド筒体
472:供給筒体
473:コンベアベルト
474a:駆動ホイール
474b:従動ホイール
476:バケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に係り、より詳細には、牛、豚などの家畜の糞尿を発酵槽内に投入して均一に撹はんし、高温性微生物を用いて発酵処理しながら乾燥させたのち排出させ、畜糞燃料として使用したり、堆肥または牛舎にリサイクルでき、また、畜糞の発酵時に発生する熱は回収し、温水または暖房に利用できるようにした畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大量生産と大量消費が行われている現代社会は、大量廃棄による深刻な環境汚染の問題に悩んでいる。代表的な環境汚染問題としては、大量廃棄による土壌・水質汚染の問題とエネルギーの大量消費による空気汚染が挙げられる。
【0003】
このような土壌・水質汚染の問題から農業分野も自由ではない。生産の効率性を優先視しながら集約的農業が推進され、その結果、農薬・化学肥料の過剰投与及び家畜糞尿の不適切な管理によって土壌・水質汚染の問題を招いているわけである。特に、家畜糞尿の不適切な管理による土壌及び水質汚染の深刻性を認識し、各国では、家畜糞尿による環境問題を解消し、その管理の効率性を高めるために、家畜糞尿を堆肥・液肥として全量資源化し、堆肥・液肥の利用を促進することを法制化している。
【0004】
一方、食物類の廃棄物は、土壌に直接埋め立ててきたが、埋め立てられる食物類の廃棄物が益々大量化しながら深刻な環境問題として台頭されてきている。そこで、食物廃棄物は、直接埋め立てから堆肥または飼料への加工による資源化へとその処理が展開されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、家畜経営の急速な大規模化、畜産業者の経営悪化、高齢化などによって家畜糞尿を資源化するのには限界があり、家畜糞尿の大部分は捨てられたり無断投棄され、地下水の汚染や土壌・海洋汚染の深刻な原因として急浮上しており、したがって、畜産副産物リサイクルの定立が切実に要望されている現状である。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためのもので、その目的は、牛糞などの畜糞を燃料、堆肥及び牛舎にリサイクルすることによって、親環境的な畜産経営指針に合理的に対処し、畜産農家の難題を解決でき、農地不足による糞尿の処理困難と放置による悪臭を解決すると同時に、廃棄物とされてきた畜糞を資源化することができる畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提供することにある。
【0007】
また、畜糞の発酵時に発生する廃熱を、家畜に供給される飲水が冬季に冷たくなったり凍るのを防止する保温維持手段として活用することによって、従来の飲水保温維持のために使用した電気ヒーターまたはボイラーを使用せずにすむので、電力または燃料の消費を減らし、畜産運営に必要な経費を節減させることができる畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、畜糞を貯蔵し発酵及び乾燥させるためのもので、垂直方向に設置され、上部に入口が形成され、下部に出口が形成された円筒形状の発酵槽と、前記発酵槽の外側面に設置され、畜糞を発酵槽内に供給する畜糞供給器と;前記発酵槽内で回転可能に設置され、発酵槽内の畜糞を均一に撹はんする撹はん器と;前記撹はん器を回転駆動させる駆動手段と;前記発酵槽に備えられ、発酵槽外部の空気を内部に供給する空気供給器と;前記発酵槽内で発酵された発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段と;を含んで構成され、
前記撹はん器は、発酵槽内に垂直方向に設置された中空の回転軸と、前記回転軸の外周面に半径方向に設置されて回転軸の内部と連通し、空気排出穴を有する中空の撹はん棒と、からなり、前記空気供給器は、発酵槽の外側に設置されたエアーコンプレッサーと、前記エアーコンプレッサーより発生した空気を回転軸の内部に供給するために、エアーコンプレッサーと撹はん器の回転軸とを連結する空気供給管と、から構成されることを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提示する。
【0009】
また、上部が開放され、家畜に提供する飲水を収容できるようになっている飲水槽と、前記飲水槽を支持する受け台と、前記飲水槽内に設置され、飲水を供給するための飲水供給管に連結された飲水開閉バルブと、を備える家畜用飲水供給部と;前記熱交換器と循環配管及び復帰配管を介して連結された温水貯蔵槽と、前記循環配管に設置され、前記温水貯蔵槽内の水を熱交換器に循環させるためのポンプと、前記循環配管から分岐された温水供給配管に一端が連結され、他端は温水復帰配管を介して前記温水貯蔵槽に連結され、前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に位置して前記飲水槽内の飲水と熱交換する放熱器と、前記循環配管と温水供給配管にそれぞれ設置された開閉バルブと、を備える飲水保温維持部と;からなることを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提示する。
【0010】
また、支持フレームと;畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、前記支持フレームに水平方向に設置され、上部に蓋によって開閉可能な入口が形成され、一側下部に第1出口及び第2出口が形成された円筒形状の発酵槽と;前記発酵槽の内部に水平方向に配置され、両端が両側壁に回転自由に支持された中空軸と;前記中空軸に設置され、発酵槽内の畜糞を前記第1及び第2出口側に水平移動させながら均一に撹はんする複数個の撹はん棒と;前記支持フレームに設置され、前記撹はん棒を回転駆動させる撹はん駆動手段と;前記支持フレームに設置され、発酵槽の内部に空気を供給する空気供給手段と;前記第1及び第2出口から排出される発酵畜糞を、そのまま排出したり固形化して排出する発酵畜糞排出手段と;を含むことを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提示する。
【0011】
また、支持台と;畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、前記支持台に水平方向に支持設置され、一側壁に蓋によって開閉可能な入口が形成され、他側壁に蓋によって開閉可能な出口が形成された円筒形状の発酵槽と;前記支持台に設置され、発酵槽が水平軸線を中心に回転可能なように下部から支持する第1乃至第4ローラと;前記第1乃至第4ローラのうちいずれか一つを回転させる回転駆動手段と;前記発酵槽の内周面に沿ってらせん状に突出形成され、一端部の排出ガイド部が出口に近接した位置まで延在し、発酵槽の回転により畜糞を出口側に移動させるようにしたせん状の突出板と;前記出口から排出される発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段と;を含むことを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を提示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1及び第2実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置によれば、畜糞を発酵槽内で発酵及び自然乾燥させた後、選択的に発酵畜糞排出筒体の第1排出口から排出する場合、様々な形態の固形物に成形し、畜糞燃料や畜糞ペレットとして活用でき、第2排出口から排出する場合、堆肥や牛舎にリサイクルすることが可能になり、かつ、発酵槽内で畜糞を均一に撹はんしながら外部空気を供給するので、畜糞が全体的に均一に発酵及び乾燥される他、発酵及び乾燥効率も増大させることが可能になる。
【0013】
また、本発明は、畜糞を発酵させて様々な用途に活用することによって、親環境的な畜産経営指針に合理的に対処し、畜産農家の難題を解決でき、かつ、農地不足による糞尿の処理困難と放置による悪臭に起因する民願を解決すると同時に、廃棄物とされてきた畜糞を資源化できる有用な発明である。
【0014】
なお、発酵時に発酵槽内で発生する廃熱は、飲水保温維持部を通して家畜用飲水供給部に伝達され、家畜に供給される飲水が冬季に冷たくなったり凍るのを防止する保温維持手段としても活用されるので、従来の飲水保温維持のために使用してきた電気ヒーターまたはボイラーを使用しなくて済み、電力または燃料の消費を節減し、畜産運営の経費節減を図ることができる。
【0015】
したがって、本発明は、農地不足による糞尿の処理困難と放置による悪臭に起因する民願を解決でき、かつ、廃棄物とされてきた畜糞を資源化できると同時に、畜糞の発酵時に発生する廃熱を、家畜に供給される飲水の保温維持のために活用することによって省エネルギー化を実現し、畜産農家に経済的な利点を提供できる極めて有用な発明である。
【0016】
本発明の第3実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置によれば、発酵槽が水平方向に設置され、畜糞を発酵槽内で水平方向に移動させながら撹はんできるので、発酵槽内で畜糞が空気と十分に接触し、全体的に均一に発酵及び乾燥されることはもちろん、発酵及び乾燥効率も増大し、かつ、畜糞の移動及び撹はんのための駆動部の負荷が減少し、駆動が円滑になるという効果が得られる。
【0017】
本発明の第4実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置によれば、水平に設置された発酵槽を回転させながら畜糞を発酵槽内で水平方向に移動させつつ撹はんできるので、内部に別途回転する撹はん手段を備えずに済み、構成がより簡素化するという効果が得られる。また、畜糞の移動及び撹はんのための駆動部の負荷が減少し、駆動が円滑になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい第1実施例乃至第5実施例を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
本発明の第1乃至第5実施例は、略円筒形状に形成され、畜糞が貯蔵及び発酵される発酵槽と、発酵槽の内部に備えられ、畜糞を混ぜて均一に発酵されるようにする撹はん手段と、発酵を促進するために発酵槽内に外部の空気を供給する空気供給手段と、発酵した畜糞(以下、発酵畜糞という。)を排出するにあたり、使用者の選択によって発酵槽内から粉末形態で排出したり、燃料として取扱いやすいように固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、を備える。
【0020】
以下、本発明の第1実施例を、添付図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、本発明の第1実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置は、畜糞を貯蔵して発酵及び乾燥させるための発酵槽110を備える。この発酵槽110は、垂直方向に設置され、上部には入口111が形成され、下部には開閉駆動機構114により動作する開閉板113で開閉される出口112が形成される。また、開閉駆動機構114は、開閉板113に固定されたラック114aと、このラック114aに噛合うピニオンギア114bと、このピニオンギア114bを回転させるための電動モーター114cとで構成される。
【0022】
また、発酵槽110の入口111には、発酵及び乾燥処理する畜糞を発酵槽110内に供給するための畜糞供給器120が連結されている。
【0023】
畜糞供給器120は、図1及び図3に示すように、発酵槽110の外側面に垂直方向に設置され、発酵槽110の入口111を通じて発酵槽110と上部が連通するする供給筒体121を備え、供給筒体121の下部にはバケット122が備えられ、発酵槽110内に供給する畜糞を、供給筒体121の下部に容易に投入できるようになっている。また、供給筒体121内には、供給スクリュー123が回転自在に設置され、バケット122を通じて投入された下部の畜糞を上部に移動させ、入口111から発酵槽110内に供給し、供給スクリュー123を回転駆動させるための駆動手段は、供給スクリュー123の軸を回転させるように結合された電動モーター124で構成されている。
【0024】
図2及び図4を参照すると、発酵槽110内には、供給された畜糞を均一に撹はんする撹はん器130が備えられている。この撹はん器130は、発酵槽110内に回転自在に垂直方向に設置された中空の回転軸131と、この回転軸131の長さ方向に沿って複数個配置された撹はん棒132とからなり、撹はん棒132は、回転軸131の外周面に半径方向に設置されるとともに回転軸131の内部と連通し、複数の空気排出穴132aが下面に形成された中空の形態となっている。
【0025】
撹はん棒132の断面形状は、撹はん棒132の上面に畜糞が積もらないと共に、撹はん棒132下面の空気排出穴132aが畜糞により塞がらないようにすることが好ましい。第1実施例では、撹はん棒132の断面形状を三角形としたが、この他にも円形、菱形等、上記の作用ができる断面形状であればいずれも適用可能である。前記のような構成の撹はん器130を駆動させるための駆動手段は、発酵槽110の上面に設置され、撹はん器130の回転軸131を回転させる電動モーター133からなる。
【0026】
なお、発酵槽110には、発酵槽110外部の空気を内部に供給する空気供給器140が備えられる。空気供給器140は、発酵槽110の外側上面に設置され、空気を発生させるエアーコンプレッサー141と、エアーコンプレッサー141により発生した空気を、回転軸131内部の中空部に供給するために、エアーコンプレッサー141と撹はん器130の回転軸131を連結する空気供給管142とから構成され、このため、撹はん器130を駆動するための電動モーター133は、回転軸131が電動モーター133を貫通して反対側に露出されるタイプを採用することが好ましい。
【0027】
発酵槽110には、畜糞の発酵時に発生する熱を温水または暖房用に活用するための熱回収器150をさらに備えている。熱回収器150は、発酵槽110の上部に設置され、発酵槽110内部と連通する熱交換筒体151と、熱交換筒体151内に設置された熱交換器152と、熱交換器152と連結された温水貯蔵槽153と、温水貯蔵槽153内の水を、熱交換器152に循環させるためのポンプ154と、で構成され、熱交換筒体151には、送風器155を設置し、熱交換筒体151内の空気を外部に強制排出させることによって発酵槽110内の熱の流れを円滑にし、熱交換器152との熱交換効率を増大させることが好ましい。また、熱交換器152は、図8に示すように、温水貯蔵槽153と連結される熱交換管152aをジグザグ形態に屈曲形成し、薄くて広い複数枚の熱吸収板152bを設置することによって熱交換効率を増大させることが好ましい。
【0028】
一方、第1実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置は、発酵畜糞排出手段160として、図1及び図2に示すように、発酵槽110の下部に設置された発酵畜糞排出筒体161を備える。この発酵畜糞排出筒体161は、発酵槽110の下部に水平方向に設置され、発酵槽110の出口112を通じて連通し、両側に第1及び第2排出口161a,161bを有しており、第1排出口161aは、水平方向の一端に形成され、第2排出口161bは、他端である第1排出口161aの反対側の底部に形成されている。
【0029】
発酵槽110から出口112を通って発酵畜糞排出筒体161内に流入した発酵畜糞は、発酵畜糞排出筒体161内に回転可能に設置された排出スクリュー162によって第1排出口161aまたは第2排出口161bから排出されるようになっている。排出スクリュー162は、駆動手段によって正・逆方向に回転するもので、その駆動手段は、発酵畜糞排出筒体161の一側に設置され、排出スクリュー162の軸と結合する電動モーター163から構成され、この電動モーター163は、排出スクリュー162を正・逆方向の両側に回転させることができるタイプの電動モーターを採用することによって、電動モーター163の回転方向によって、排出スクリュー162は発酵畜糞を第1排出口161aまたは第2排出口161bに押して排出させることができる。
【0030】
一方、発酵畜糞排出筒体161の第1排出口161aには、発酵畜糞を任意形態に固形化するための固形物成形部材170が備えられている。固形物成形部材170は、任意形態の固形物を形成できるように様々な形状に構成されることができ、発酵畜糞排出筒体161の第1排出口161aから着脱自在に取り付けられ、交換可能に構成することが好ましい。
【0031】
また、第1排出口161a側の発酵畜糞排出筒体161は、第1排出口161a側に向かって直径が次第に減少するテーパー部161cとし、排出される発酵畜糞を圧縮し結合力を増大させることによって、固形物の形成後に固形物の形状を維持できるようにし、また、排出スクリュー162には、固形物成形部材170の内部中心に位置する成形軸棒162aをさらに延長形成させ、中央に穴を持つ固形物を形成できるようにすることが好ましい。
【0032】
例えば、図5(a)及び図5(b)に示すように、断面が円形である固形物成形部材170によっては、成形軸棒162aにより中空の円筒形状の固形物を長く排出させて成形でき、一定の大きさに切断すると、燃料として使用しやすい固形物W1の形状とすることができる。この時、固形物成形部材170の内周面には凹凸部171を形成し、固形物W1が長く排出される時に、成形軸棒162aの回転によって固形物W1が回転するのを防止することが好ましい。
【0033】
また、図6(a)及び図6(b)に示すように、小さな穴181を複数形成した固形物成形部材180によっては、小さい直径の固形物を長く成形でき、これを一定の大きさに切断すると、畜糞ペレットW2が形成できる。また、発酵畜糞を第1排出口161aから排出させずに第2排出口161bから排出させる場合には、発酵畜糞が固形化されず、そのまま堆肥や牛舎に使用することができる。
【0034】
そして、発酵槽内に投入される畜糞の最小及び最大貯蔵量を検出できるように、発酵槽内の上、下部に上部位置検出センサーと下部位置検出センサーを取り付け、発酵槽内部の温・湿度を検出できるように、発酵槽の側壁に温・湿度計を設置することができる。
【0035】
このように構成された本発明の第1実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の作用について説明すると、下記の通りである。
【0036】
畜糞供給器120の駆動手段である電動モーター124を駆動して供給スクリュー123を回転させ、下部に位置するバケット122を通って発酵及び乾燥処理する畜糞を供給筒体121内の下部に投入すると、回転する供給スクリュー123により畜糞が下部から上部に移送され、これで、上部に位置した発酵槽110の入口111から発酵槽110内に畜糞が供給される。
【0037】
発酵槽110内部に供給された畜糞は自然発酵され、発酵される過程で熱を発生するので、発酵槽110内部の温度は発酵熱によりますます上昇し、畜糞は発酵槽110内の温度により発酵されると同時に自然乾燥される。この時、畜糞の発酵時に生成されて活動する微生物のうち、高温性で且つ拮抗作用をする微生物が活動すると、発酵槽110内部の温度が約70〜80℃の範囲に上昇し、発酵畜糞を燃料や堆肥とするのに好適な状態になる。
【0038】
このように発酵槽110内で畜糞を発酵及び乾燥させる過程で撹はん器130の電動モーター133を駆動すると、回転軸131及び撹はん棒132が回転しつつ畜糞を均一に撹はんし、全体的に均一な発酵及び乾燥が可能になり、これと同時に、空気供給器140のエアーコンプレッサー141を駆動し、空気供給管142を通じて回転軸131内に外部空気を供給すると、空気は、撹はん棒132に形成された空気排出穴132aから噴射され、発酵槽110内への均一な空気供給が可能になる。その結果、畜糞の発酵時に消費される酸素を十分に補充可能になり、かつ、撹はん棒132の撹はんと同時に空気が供給されるので、発酵及び乾燥効率をより増大させることができる。
【0039】
また、発酵槽110内部の空気は、発酵槽110上部に備えられた熱回収器150の熱交換筒体151へと流入し、熱交換器152を経て外部に排出される。この時、熱回収器150のポンプ154を駆動し、温水貯蔵槽153内の水を熱交換器152に循環させると、発酵槽110内の熱い空気と熱交換器152の熱交換管152a内部に流れる冷たい水が熱交換し、冷たい水は温度が上昇して再び温水貯蔵槽153に復帰になって、熱い空気は、温度が低くなって外部に放出され、熱回収器150の送風器155を駆動すると、発酵槽110内の熱い空気が熱交換筒体151内に強制流入すると同時に、熱交換器152を通る空気の流れを良くするので、熱交換効率をより増大させることができる。
【0040】
このように温水貯蔵槽153内の水を熱交換器152に反復して循環させることによって、温水貯蔵槽153内の水の温度を上げ、温水として使用することができ、図示せぬが、熱交換器152をボイラーの配管と連結すると、暖房用にも活用することができる。
【0041】
発酵槽110内で畜糞の発酵及び乾燥処理が完了した後、図1及び図2に示すように、開閉板113を開閉するための電動モーター114cを駆動すると、ピニオンギア114bの回転動作がラック114aの直線移動に切り替わり、これによって、開閉板113が出口112を開放するので、発酵畜糞を出口112を通じて発酵畜糞排出筒体161内に流入させることができる。続いて、排出用電動モーター163を駆動すると、排出スクリュー162が回転しつつ、発酵畜糞排出筒体161内の畜糞を第1排出口161aまたは第2排出口161bに押して排出させることができる。
【0042】
排出用電動モーター163は、正・逆方向に回転可能になっているもので、例えば、排出スクリュー162を正方向に回転させると、発酵畜糞が第1排出口161a側に移動して排出され、排出スクリュー162を逆方向に回転させると、発酵畜糞が反対に第2排出口161b側に移動して排出される。
【0043】
発酵畜糞を第1排出口161a側に排出させる場合には、図5(a)及び図5(b)に示すように、第1排出口161aに着脱可能に取り付けられた固形物成形部材170と、この固形物成形部材170の中心に位置する排出スクリュー162の成形軸棒162aにより、中空の円筒形状の固形物W1を形成でき、このような形状の固形物W1は、畜糞燃料として活用できる。また、図6(a)及び図6(b)に示すように、小さい穴181を多数有する固形物成形部材180に取り替えると、小さい円筒形の畜糞ペレットW2を形成でき、その他にも、固形物成形部材170の形状によって様々な形状の固形物を形成できる。この時、発酵畜糞排出筒体161のテーパー部161cによっては、第1排出口161a側に移動する畜糞が次第に圧縮されながら排出するので、固形物成形部材170,180により成形される固形物W1及び畜糞ペレットW2の結合力が増大し、よく壊れない形態をそのまま維持することができる。
【0044】
また、発酵畜糞を第2排出口161b側に排出する場合は、発酵畜糞を固形化しない状態のまま排出でき、このような発酵畜糞は、堆肥や牛舎に活用するのに適している。
【0045】
そして、発酵槽内の上、下部に設置された上部位置検出センサーと下部位置検出センサーによっては、発酵槽内に貯蔵される畜糞の上限線と下限線を検出でき、畜糞の貯蔵量が上限線を越える場合、畜糞供給器の電動モーターを制御し駆動を停止させることによって畜糞の投入を中断し、畜糞の貯蔵量が下限線の下に下りる場合、撹はん器の電動モーターを制御し駆動を停止させることによって、撹はん動作を中断する。
【0046】
また、発酵槽の側壁に設置された温・湿度計によっては、発酵槽内部の温・湿度を検出でき、あらかじめ設定した温・湿度設定値と比較し、設定値を越える場合には、熱回収器のポンプ及び送風器を制御し駆動させることによって、発酵槽内の高温を熱回収器により回収し、発酵槽内の温度を下げ、また、空気供給器のエアーコンプレッサーを制御し駆動させることによって、発酵槽内に空気を供給し、高温性微生物が活発に活動できるような環境を提供する。
【0047】
一方、図1に示すように、家畜に飲水を提供するための家畜用飲水供給部190と、家畜用飲水供給部190に供給される飲水の保温を維持するための飲水保温維持部100とがさらに備えられることができる。
【0048】
家畜に飲水を提供するための家畜用飲水供給部190は、上部が開放され、家畜に提供する飲水を収容できるようになっている飲水槽191を備える。飲水槽191は、下部に脚196を有する受け台195により支持されており、飲水槽191内には飲水を供給するための飲水供給管198と連結された飲水開閉バルブ199が設けられており、この飲水開閉バルブ199は、フロート199aを用いて開閉されるもので、飲水槽191内に飲水が供給されて一定高さになると、飲水開閉バルブ199は閉じ、一定高さ以下になると、飲水開閉バルブ199を開き、これにより、飲水は常に一定高さに維持されることができる。
【0049】
また、発酵槽110で畜糞の発酵時に発生する廃熱を用いて、家畜用飲水供給部190に供給される飲水の保温を維持するための飲水保温維持部100は、発酵槽110の上部に設置され、発酵槽110内部と連通する熱交換筒体151と、熱交換筒体151内に設置された熱交換器152と、熱交換器152と循環配管156及び復帰配管157を介して連結され、給水口158と排水口159を持つ温水貯蔵槽153と、前記循環配管156に設置され、温水貯蔵槽153内の水を熱交換器152間で循環させるポンプ154と、を備えている。
【0050】
熱交換筒体151には送風器155を設置し、熱交換筒体151内の空気を外部に強制排出させることによって発酵槽10内の熱の流れを円滑にし、熱交換器152との熱交換効率を増大させることが好ましい。
【0051】
また、循環配管156には、温水供給配管156−1が分岐され、放熱器156−3の一端に連結され、放熱器156−3の他端は、温水復帰配管156−2を介して温水貯蔵槽153に連結される。また、循環配管156と温水供給配管156−1には、温水の流れを選択的に遮断するための開閉バルブ156−5、156−6がそれぞれ設置されている。
【0052】
放熱器156−3は、家畜用飲水供給部190の飲水槽191内に配置されるもので、温水供給配管156−1と温水復帰配管156−2に両端が連結された放熱管156−4をジグザグ形態に屈曲形成し、放熱効率を高める構造となっており、飲水槽191内の中間部分に位置し、飲水槽191内の飲水と熱交換することによって飲水の保温を維持する。
【0053】
また、飲水槽191内には、飲水の温度を検出する温度計192が設置され、飲水槽191の底部外側には電気ヒーター193を設置し、温度計192と電気ヒーター193は、受け台195に備えられたコントロールボックス197内の制御手段(図示せず)と電気的に連結され、飲水槽191内の飲水が設定された温度より低い時には飲水を加熱する。なお、飲水槽191内に設置される放熱器156−3、飲水開閉バルブ199、温度計192は、家畜が水を飲む時に家畜の口に触れないように蓋194で覆うことが好ましい。
【0054】
この場合、畜糞供給器120によって発酵槽110内部に畜糞を供給し、発酵槽110内部に供給された畜糞は、回転軸131と撹はん棒132によって均一に発酵されると同時に自然乾燥され、これと同時に、空気供給器140によって外部空気が発酵槽110内に、畜糞の発酵が円滑になるように供給される。以降、発酵畜糞排出手段160によって発酵槽110内の発酵畜糞がそのまま又は固形化して排出される。一方、発酵槽110内部に発生する熱は、発酵槽110上部に備えられた飲水保温維持部100の熱交換筒体151に流入し、熱交換器152を経て外部に排出される。
【0055】
この時、飲水保温維持部100の循環配管156側の開閉バルブ156−5を開き、ポンプ154を駆動し、温水貯蔵槽153内の水を循環配管156と復帰配管157を通じて熱交換器152を経由して循環させると、発酵槽10内の熱い空気と熱交換器152の熱交換管152aの内部に流れる冷たい水が熱交換し、水は温度が上昇して再び温水貯蔵槽153に復帰し、熱い空気は、温度が低くなって外部に放出される。この場合、送風器155を駆動すると、発酵槽10内の熱い空気が熱交換筒体151内に強制流入すると同時に、熱交換器152を通る空気の流れを良くするので、熱交換効率をより増大させることができる。
【0056】
このように温水貯蔵槽153内の水を熱交換器152に反復して循環させることによって、温水貯蔵槽153内の水の温度を上げることができ、この時、循環配管156から分岐された温水供給配管156−1側の開閉バルブ156−6を開くと、温水貯蔵槽153の温水が家畜用飲水供給部190の飲水槽191に備えられた放熱器156−3を経由して温水復帰配管156−2を通って温水貯蔵槽153に循環され、これにより、放熱器156−3の放熱管156−4の内部に流れる温水と飲水槽191内に貯蔵された飲水が熱交換し、飲水の温度を上げることができ、特に、冬季に家畜に飲水を供給する際に、飲水槽191の飲水が冷たくなったり凍るのを防止できる。
【0057】
また、飲水槽191に設置された温度計192及び電気ヒーター193は、飲水の保温を維持するための補助手段で、発酵槽110を稼動しない場合または冬季酷寒によって、飲水保温維持部100を稼動しても保温を十分に維持できない場合、飲水槽191内の飲水を加熱することによって飲水の保温を維持でき、発酵槽110で畜糞の発酵時に発生する廃熱を用いて、温水貯蔵槽153に貯蔵された温水は排水口159を通じて他の用途の温水にも使用することができ、給水口158を通じて水を補充できる。
【0058】
本第1実施例では、飲水保温維持部100が一つの家畜用飲水供給部190に適用されたものを取り上げて説明したが、これに限定されず、図9に示すように、循環配管156から分岐される温水供給配管156−1に、複数の分岐供給配管156−1a、156−1b、156−1cを並列設置し、温水貯蔵槽153に連結される温水復帰配管156−2に、複数の分岐復帰配管156−2a、156−2b、156−2cを並列設置して複数の放熱器156−3a、156−3b、156−3cとそれぞれ連結し、それぞれの放熱器156−3a、156−3b、156−3cを複数の家畜用飲水供給部190a、190b、190cの飲水槽191a、191b、191c内に設置することができ、この場合、複数の家畜用飲水供給部190a、190b、190cに供給される飲水の保温を維持することができる。
【0059】
図10は、本発明の第2実施例を示す図である。同図に示すように、本実施例は、発酵槽110で畜糞の発酵時に発生する廃熱を用いて、家畜用飲水供給部190に供給される飲水の保温を維持するための飲水保温維持部200を、発酵槽110上部に設置され、発酵槽110内部と連通する熱交換筒体251と、熱交換筒体251内に設置された熱交換器252と、熱交換器252と熱循環配管231及び熱供給配管232により連結され、家畜用飲水供給部190の飲水槽191内に位置して飲水槽191内の飲水と熱交換する放熱器240と、熱循環配管231に設置され、配管内に流れる熱媒体を熱交換筒体251と放熱器240との間で循環させるためのポンプ250と、で構成した以外は、畜糞発孝部の発酵槽110、畜糞供給器120、撹はん器130、空気供給器140、発酵畜糞排出手段160及び家畜用飲水供給部190は前述の第1実施例と同一に構成し、その重複説明は省略する。
【0060】
このような第2実施例の構成によれば、ポンプ250を駆動し、熱循環配管231及び熱供給配管232内に流れる熱媒体を熱交換器252と放熱器240との間で循環させると、熱交換器252内部に流れる熱媒体は、発酵槽110内の熱い空気と熱交換し温度が上昇した後、熱供給配管232を通って家畜用飲水供給部190の飲水槽191に設置された放熱器240に流れる。
【0061】
これにより、放熱器240の内部に流れる熱媒体と飲水槽191内に貯蔵された飲水が熱交換され、飲水の温度を上げることができ、熱交換されて冷たくなった熱媒体は、熱循環配管231を通って再び熱交換器252に移動して再び温度が上昇した後、放熱器240に供給されるので、飲水槽191内の飲水の保温を持続して保つことができ、これによって、冬季に家畜に飲水を供給する時に、飲水槽191の飲水が冷たくなったり凍るのを防止できる。
【0062】
また、本実施例でも、第1実施例と同様に、飲水保温維持部200が一つの家畜用飲水供給部190に適用されるとして説明したが、これに限定されず、図11に示すように、熱循環配管231と熱供給配管232に複数個の分岐熱循環配管231a、231b、231cと分岐熱供給配管232a、232b、232cを並列に連結し、複数個の放熱器240a、240b、240cとそれぞれ連結し、それぞれの放熱器240a、240b、240cを複数の家畜用飲水供給部190a、190b、190cの飲水槽191a、191b、191c内に設置することができ、この場合、複数の家畜用飲水供給部190a、190b、190cに供給される飲水の保温を維持できる。
【0063】
次いで、本発明の第3実施例を、添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0064】
図12は、本発明の第3実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図であり、図13は、発酵槽の内部構成を示す断面図である。図示のように、本実施例の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置は、畜糞を貯蔵して発酵及び乾燥させる発酵槽310と、発酵槽310を支持する支持フレーム320と、を備える。
【0065】
発酵槽310は、円筒形状に形成され、支持フレーム320に水平方向に設置されるもので、上部には畜糞を供給できるように蓋311によって開閉される入口312が形成され、一側下部には、発酵処理の完了した発酵畜糞を発酵槽310から排出するための第1及び第2出口313,314が形成され、内部には、供給された畜糞を均一に撹はんする撹はん棒331が備えられている。
【0066】
撹はん棒331は、発酵槽310内に水平方向に配置され、両端を発酵槽310の両側壁315,316に回転自在に軸支した中空軸332に取り付けられるもので、中空軸332の軸線方向(長さ方向)に沿って複数個配置される。
【0067】
図15に示すように、撹はん棒331は、中空軸332の軸線方向に対して傾斜した傾斜面331aを有し、第1及び第2出口313、314側の端部に配置された一つの撹はん棒331を除外した残りの撹はん棒331は、傾斜面331aを第1及び第2出口313,314側に向くように配置し、中空軸332及び撹はん棒331の回転時に、発酵槽310内の畜糞を第1及び第2出口313,314側に移動させるようにし、また、第1及び第2出口313,314側の端部に配置された一つは、逆方向の撹はん棒331であって、傾斜面331aを他の撹はん棒331とは反対側に向くように配置し、発酵槽310内の畜糞を第1及び第2出口313,314の反対側に移動させることによって、逆方向の撹はん棒331によって畜糞が発酵槽310の第1及び第2出口313,314側に過度に積もるのを防止する役割を果たす。
【0068】
上記のように構成された撹はん棒331は、撹はん駆動手段によって中空軸332を回転駆動させると同時に、中空軸332と共に回転するようになっており、撹はん駆動手段は、支持フレーム320に設置された減速電動モーター341と、減速電動モーター341の回転動力を中空軸332に伝達する動力伝達機構342とからなる。
【0069】
また、発酵槽310の内部には、空気供給手段により空気を供給するようになっている。この空気供給手段は、支持フレーム320に設置され、空気を発生させる空気発生器351と、空気発生器351によって発生した空気を発酵槽310の内部に供給する空気供給管352と、からなる。
【0070】
発酵槽310内の空気供給は、図15に示すように、それぞれの撹はん棒331の内部に空気通路331bを形成して中空軸332の内部と連通させ、撹はん棒331の長手方向に沿って空気通路331bに連通する複数個の空気排出穴331cを形成し、また、空気供給手段の空気供給管352を中空軸332の一端に連結し、空気発生器351より発生した空気が中空軸332を通って撹はん棒331の空気排出穴331cから噴出されることによってなされる。
【0071】
そして、第1及び第2出口から排出される発酵畜糞をそのまま排出したり固形化して排出する発酵畜糞排出手段として、図12及び図16に示すように、発酵槽310の下部に設置され、発酵槽310内で発酵完了した発酵畜糞を固形化して排出する固形物成形部360と、発酵畜糞をそのまま排出する発酵畜糞排出部370とを備えている。
【0072】
固形物成形部360は、図17に示すように、発酵槽310の下部に円筒形状の成形筒体361を水平方向に設置し、上部を第1出口313と連通させ、発酵槽310内の発酵畜糞が内部に流入するようになっており、成形筒体361の一端には、発酵畜糞を圧縮して固形化させる固形物成形部材362が連結され、成形筒体361の内部には、発酵畜糞を固形物成形部材362側に移動させる移動スクリュー363が設置される。
【0073】
移動スクリュー363は、駆動手段により回転駆動する。この駆動手段は、支持フレーム320に設置された減速電動モーター364と、減速電動モーター364の回転動力を移動スクリュー363に伝達する動力伝達機構365とからなる。
【0074】
固形物成形部材362は、フランジ継ぎ目366a、366bにより成形筒体361に着脱自在に取り付け、交換可能に構成することが好ましく、成形筒体361の連結部分から次第に直径が減少する傾斜部362aと、この傾斜部362aの最小直径部から水平方向に延在する水平部362bとで構成される。ここで、排出される発酵畜糞は傾斜部362aによって圧縮されて結合力が増大するので、固形物の成形後に固形物の形状を維持できる。また、水平部362bの内周面は、任意形態の固形物を形成できるように様々な形状にすることができ、移動スクリュー363には、固形物成形部材362の内部中心に位置する成形軸棒367を延設し、中央に中空部を持つ固形物を形成できるようにすることが好ましい。
【0075】
例えば、図18に示すように、水平部362bの内周面の断面が円形である固形物成形部材362によっては、成形軸棒367により中空の円筒形状の固形物を長く排出させて成形でき、固形物を一定の大きさに切断すると、燃料として使用するのに適合する畜糞ペレットを生産できる。
【0076】
そして、固形物成形部材362の水平部362bの内周面には複数個の凹溝362cを水平部362bの長さ方向に沿って直線に形成し、固形物が長く排出される時に成形軸棒367の回転によって固形物が共に回転するのを防止することが好ましい。
【0077】
発酵畜糞排出部370は、図19に示すように、発酵槽310の下部に水平方向に設置された排出筒体371を備える。排出筒体371の上部は、発酵槽310の第2出口314と連通し、発酵槽310内の発酵畜糞が排出筒体371内に流入するようになっており、一側下部には、発酵畜糞を外部に排出するための排出管372が連結されている。また、排出筒体371内には、排出スクリュー373が回転可能に設置され、発酵畜糞を排出管372側に移動させるようになっており、排出スクリュー373は駆動手段によって回転する。
【0078】
この駆動手段は、支持フレーム320に設置された減速電動モーター374と、減速電動モーター374の回転動力を排出スクリュー373に伝達する動力伝達機構375と、で構成され、本実施例では、撹はん棒331の回転のための撹はん駆動手段である動力伝達機構342、固形物成形部360の移動スクリュー363及び発酵畜糞排出部370の排出スクリュー373を回転させる駆動手段である動力伝達機構365,375として、スプロケットホイールをチェーンで連結した構成を示したが、これに限定されず、ベルトまたはギアを用いても構わない。
【0079】
そして、発酵槽310内部の温・湿度を検出できるように発酵槽310の一側壁315に温・湿度計317を設置し、発酵槽310の外周壁面には電源の印加によって発熱される面状発熱体318を設置し、発酵槽310内部の温度を人工的に上昇させることができるようにすることが好ましい。
【0080】
このように構成された本発明の第3実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の作用について説明すると、下記の通りである。
【0081】
まず、上部に位置した発酵槽310の入口312を通じて発酵槽310の内部に畜糞を供給すると、畜糞は、発酵槽310内で自然発酵され、発酵される過程で熱を発生するので、この発酵熱によって発酵槽310内部の温度は次第に上昇し、畜糞は発酵槽310内の温度によって自然乾燥される。この時、畜糞の発酵時に生成されて活動する微生物のうち、高温性で且つ拮抗作用をする微生物が活動すると、発酵槽310内部の温度が約70〜80℃の範囲に上昇し、発酵畜糞を燃料や堆肥とするのに好適な状態になる。
【0082】
このように発酵槽310内で畜糞を発酵及び乾燥させる過程で撹はん駆動手段の減速電動モーター341を駆動すると、中空軸332及び撹はん棒331が回転することによって畜糞を均一に撹はんし、全体的に均一に発酵及び乾燥させることができ、これと同時に、空気供給手段の空気発生器351を駆動し、空気供給管352を通じて中空軸332に空気を供給すると、空気は、撹はん棒331に形成された空気排出穴331cから噴出され、発酵槽310内に均一に空気を供給可能である。
【0083】
これにより、畜糞の発酵時に消費される酸素を十分に補充可能になり、撹はん棒331の撹はんと同時に空気が供給され、また、発酵槽310が水平方向に設置されるので畜糞が空気と接触する量が増加し、発酵及び乾燥効率をより増大させることができ、かつ、水平方向に畜糞を移動させると同時に撹はんするので、その駆動のための駆動部の負荷を最小化させることができる。
【0084】
このようにして発酵槽310内で畜糞の発酵及び乾燥処理が完了した後、固形物成形部360の駆動手段または発酵畜糞排出部370の駆動手段を選択的に駆動させることによって、発酵畜糞を固形化した固形物として排出したり、発酵畜糞をそのまま排出することができる。
【0085】
すなわち、図13に示すように、撹はん棒331が回転すると、撹はん棒331の傾斜面331aにより発酵畜糞が第1及び第2出口313、314側に押されて移動するので、第1及び第2出口313、314から固形物成形部360の成形筒体361と発酵畜糞排出部370の排出筒体371内に発酵畜糞を流入させることが可能になる。
【0086】
この状態で、図17に示すように、固形物成形部360の減速電動モーター364を駆動すると、移動スクリュー363が回転して成形筒体361内の発酵畜糞を固形物成形部材362側に移動させ、発酵畜糞は、固形物成形部材362を通過しながら傾斜部362aにより圧縮され、結合力が増大して容易に壊れず、その形態をそのまま維持できるようになり、続いて水平部362bの内周面形状と固形物成形部材362の中心に位置した成形軸棒367により中空の円筒形状の固形物Wを連続して排出できるようになる。
【0087】
また、図19に示すように、発酵畜糞排出部370の減速電動モーター374を駆動させると、排出スクリュー373が回転しつつ排出筒体371内の発酵畜糞を排出管372側に移動させ、排出管372を通って発酵畜糞を固形化しない状態のまま排出可能になり、このような発酵畜糞は、堆肥や牛舎として活用すれば良い。
【0088】
なお、図12に示すように、発酵槽310の側壁に設置された温・湿度計317によっては発酵槽310の内部の温・湿度を検出でき、発酵槽310の外周面に設置された面状発熱体318によっては発酵槽310内の温度が畜糞の発酵に適合する温度より低い場合、温度を上昇させ、高温性微生物が活発に活動できる環境を提供する。
【0089】
以下、本発明の好ましい第4実施例を、添付の図面を用いて詳細に説明する。図20は、本発明の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図であり、図21は、発酵槽の内部構成を示す断面図である。図示のように、本発明の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置は、畜糞を貯蔵し発酵及び乾燥させるための発酵槽410と、発酵槽410を支持するのための支持台420と、を備える。
【0090】
発酵槽410は、円筒形状に形成され、支持台420に水平方向に設置されるもので、一側壁410aに蓋411で開閉可能な入口412が形成され、他側壁410bに蓋413で開閉可能な出口414が形成されている。
【0091】
発酵槽410は、支持台420に設置された第1乃至第4ローラ431〜434によって水平軸線(図21のX−X線)を中心に回転可能になっているもので、第1乃至第4ローラ431〜434は、発酵槽410を両側下部で支持し、第1乃至第4ローラ431〜434のうちいずれか一つ、例えば、第1ローラ431は、回転駆動手段により回転可能になっている。
【0092】
回転駆動手段は、減速電動モーター435と、この減速電動モーター435の回転動力を第1ローラ431に伝達する動力伝達機構436とからなり、動力伝達機構436は、図20に示すように、減速電動モーター435と第1ローラ431にチェーンスプロケットをそれぞれ設置し、これらをチェーンで連結して構成しても良く、この他にもギアまたはベルトプーリをベルトで連結して構成しても良い。また、第1乃至第4ローラ431〜434と転がり接触する発酵槽410の外周面には、ガイドリング体415を備え、発酵槽410の回転をガイドすることによって離脱を防止する。
【0093】
また、発酵槽410の内周面にはらせん状の突出板416が備えられ、このらせん状の突出板416は、発酵槽410の水平軸線方向に沿ってらせん状に突出形成され、一端部の排出ガイド部416aは、出口414に近接した位置(図22(a)参照)まで延在し、発酵槽410の回転により畜糞を出口414側に誘導するようになっている。この場合、出口414は、発酵槽410の回転中心に形成することが好ましい。
【0094】
一方、発酵畜糞の排出は、発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段によって行われる。この発酵畜糞排出手段は、図23に示す発酵畜糞排出器440からなる。この発酵畜糞排出器440は、前述した第1実施例の発酵畜糞排出手段160と機能、構成及び作用が同一なので、その重複説明は省略する。
【0095】
一方、発酵槽410の内部に空気を供給するための空気供給手段を備える。空気供給手段は、連結筒体421及び出口414側の蓋413を貫通し、その末端が発酵槽410の内部まで延びる空気供給管451と、支持台420に設置された空気発生器452と、空気発生器452から発生した空気を発酵槽410内部に供給するよう、空気発生器452と空気供給管451とを連結する連結ホース453と、で構成される。
【0096】
ここで、空気供給管451は、図21に示すように、発酵槽410と蓋413の回転中心である水平軸線方向に設置し、蓋413との間に軸受け454を設置し、停止状態にある空気供給管451を中心に蓋413が発酵槽410と一緒に回転するようにすることが好ましく、空気供給管451は、水平軸線方向に直線移動可能にし、蓋413を出口414から開閉できるようにし、連結筒体421には、空気供給管451の直線移動を案内する支持部421aを備えることが好ましい。
【0097】
また、本実施例は、発酵槽410の上部に水平方向に設置され、発酵槽410の外側に冷却水を噴出する冷却水噴出穴461aを複数個有する冷却水供給パイプ461をさらに備えることができる。冷却水としては水を使用し、冷却水供給パイプ461に上水道(図示せず)を連結して水を取り込み、開閉バルブ462を設置して選択的に冷却水を取り込むようにする。
【0098】
また、発酵槽410内に畜糞を投入するための畜糞供給器470をさらに備える。畜糞供給器470は、図20及び図24に示すように、発酵槽410の入口412の位置から下方に傾斜して設けられたガイド筒体471と、ガイド筒体471の下部に設けられ、畜糞を収容する供給筒体472と、を備える。
【0099】
なお、ガイド筒体472の内部には、コンベアベルト473が設置される。具体的に、供給筒体472に位置する駆動ホイール474aと、発酵槽410の入口412に位置する従動ホイール474bとをガイド筒体471に回転自在に取り付け、この駆動ホイール474aと従動ホイール474bとをコンベアベルト473で連結する。ここで、駆動ホイール474aは、減速電動モーター475により回転するようになっている。また、コンベアベルト473上には、畜糞を収容するための複数個のバケット476を備え、コンベアベルト473の駆動時に、供給筒体472内の畜糞を発酵槽410の入口412を通じて発酵槽410内に投入できるようにし、また、供給筒体472の下部には輪477を取り付け、畜糞供給器の移動を容易にすることが好ましい。
【0100】
このように構成された第4実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の作用について説明すると、下記の通りである。
【0101】
図20及び図24に示すように、まず、入口412の蓋413を開き、畜糞供給器470の駆動手段である減速電動モーター475を駆動して駆動ホイール474aを回転させると、コンベアベルト473が駆動する。続いて供給筒体472内に発酵及び乾燥処理する畜糞を入れると、供給筒体472内の畜糞は、駆動するコンベアベルト473のバケット476によって発酵槽410の入口412側に運搬され、入口412を通じて発酵槽410内部に供給される。
【0102】
発酵槽410内に供給された畜糞は自然発酵され、発酵される過程で熱を発生するので、この発酵熱によって発酵槽410内部の温度は次第に上昇し、畜糞は発酵槽410内の温度により自然乾燥される。この時、畜糞の発酵時に生成されて活動する微生物のうち、高温性で且つ拮抗作用をする微生物が活動すると、発酵槽410内部の温度が約70〜80℃の範囲に上昇し、発酵畜糞を燃料や堆肥とするのに好適な状態となる。
【0103】
畜糞の発酵温度は、70〜80℃の範囲に維持されることが好ましく、この温度よりも高くなると、冷却水供給パイプ461の開閉バルブ462を開き、冷却水噴出穴461aから冷却水を発酵槽410外側に噴出することによって発酵槽410を冷却させ、発酵槽410の内部の温度が過度に上昇するのを防止することができる。
【0104】
このように発酵槽410内で畜糞を発酵及び乾燥させる過程で、発酵槽410の回転駆動手段である減速電動モーター435を駆動させると、動力伝達機構436により第1ローラ431が回転し、これにより、この第1ローラ431と転がり接触する発酵槽410が水平軸線を中心に回転する。このとき、発酵槽410は、両側下部で回転支持する第1乃至第4ローラ431〜434によって、安定して回転することができる。
【0105】
発酵槽410が回転すると、図22(b)に示すように、畜糞は、発酵槽410の内周面に沿って水平軸線を中心に下部から上部に回転し、上部で自然落下すると同時に、発酵槽410内周面に形成されたらせん状の突出板416により入口412側から出口414側へ順次移動する。この時は、出口414が蓋413によって閉じた状態であるから、畜糞は出口414から排出されない。
【0106】
これと同時に空気供給手段の空気発生器452を駆動させると、連結ホース453及び空気供給管451を通って発酵槽410内部に空気が供給され、これにより、畜糞を均一に撹はんし全体的に均一に発酵及び乾燥させながら畜糞の発酵時に消費される酸素を十分に補充可能になる。また、発酵槽410の水平方向への設置によって、畜糞が空気と接触する量が増加されるので、発酵及び乾燥効率をより増大させることができ、水平方向に畜糞を移動させると同時に撹はんするので、その駆動のための駆動部の負荷を最小限に抑えることができる。
【0107】
このようにして発酵槽410内で畜糞の発酵及び乾燥処理が完了した後、出口414の蓋413を開き、発酵畜糞排出器440の駆動手段である電動モーター446を駆動すると、発酵畜糞を、固形化した固形物として排出したり、そのまま排出させることができる。
【0108】
すなわち、まず、図21に示すように、空気供給管451を仮想線のように水平軸線方向に後進させると、空気供給管451に軸受け454を介して固定された蓋413を移動させて出口414を開くことができ、これにより、図22(b)に示すように、らせん状の突出板416により出口414側に移動する発酵畜糞を、排出ガイド部416aにより出口414に誘導し排出でき、排出される発酵畜糞は、連結筒体421を通って発酵畜糞排出器440の発酵畜糞排出筒体441内に投入される。
【0109】
続いて、図23に示すように、発酵畜糞排出器440の電動モーター446を駆動させると排出スクリュー442が回転し、発酵畜糞排出筒体441内の畜糞を第1排出口441aまたは第2排出口441bに押して排出させることができる。
【0110】
すなわち、電動モーター446は正・逆方向の回転が可能なもので、例えば、排出スクリュー442を正方向に回転させると、発酵畜糞は第1排出口441a側に移動して排出され、排出スクリュー442を逆方向に回転させると、発酵畜糞は反対に第2排出口441b側に移動して排出される。
【0111】
発酵畜糞を第1排出口441a側に排出させる場合には、発酵畜糞が固形物成形部材443を通過しながらテーパー部443aで圧縮されて結合力が増大し、容易に壊れず、その形態をそのまま維持可能になり、続いて水平部の内周面の形状と固形物成形部材の中心に位置する成形軸棒によって中空の円筒形状の固形物が連続して排出される。
【0112】
また、発酵畜糞を第2排出口441b側に排出する場合には、発酵畜糞を固形化しない状態のまま排出でき、このような発酵畜糞は堆肥や牛舎として活用すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵槽の内部構成及び飲水保温維持部を示す縦断面図である。
【図3】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の内部構成を示す図1のA−A線断面図である。
【図4】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された撹はん器を示す一部切欠斜視図である。
【図5】(a)及び(b)は、図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の固形物成形部材を示す図2のB−B線断面図、及び固形物成形部材により製造された畜糞燃料を示す斜視図である。
【図6】(a)及び(b)は、図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の固形物成形部材の変形例を示す正面図、及び変形例の固形物成形部材により製造された畜糞ペレットを示す斜視図である。
【図7】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された家畜用飲水供給部を示す図1のC−C線断面図である。
【図8】図1に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の飲水保温維持部の熱交換器を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1実施例において家畜用飲水供給部の変形例を概略的に示す構成図である。
【図10】本発明の第2実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施例において家畜用飲水供給部の変形例を概略的に示す構成図である。
【図12】本発明の第3実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図である。
【図13】図12に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵槽の内部構成を示す縦断面図である。
【図14】図12に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の撹はん駆動手段を示す右側面図である。
【図15】図12に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された中空軸及び撹はん棒を示す斜視図である。
【図16】図12に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置の左側面図である。
【図17】図16のA−A線断面図で、固形物成形部を示す。
【図18】図17の固形物成形部において固形物成形部材の固形物排出部分を示す正面図である。
【図19】図16のB−B線断面図で、発酵畜糞排出部を示す。
【図20】本発明の第4実施例による畜糞資源の燃料及び堆肥化装置を示す斜視図である。
【図21】図20に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵槽の内部構成を示す縦断面図である。
【図22】(a)及び(b)は、図20に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵槽の回転状態を示す側断面図である。
【図23】図20に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された発酵畜糞排出器を示す断面図である。
【図24】図20に示す畜糞資源の燃料及び堆肥化装置に採用された畜糞供給器を示す断面図である。
【符号の説明】
【0114】
110:発酵槽
111:入口
112:出口
120:畜糞供給器
121:供給筒体
122:バケット
123:供給スクリュー
130:撹はん器
131:回転軸
132:撹はん棒
132a:空気排出穴
140:空気供給器
141:エアーコンプレッサー
142:空気供給管
150:熱回収器
151:熱交換筒体
152:熱交換器
153:温水貯蔵槽
154:ポンプ
161:発酵畜糞排出筒体
161a,161b:第1及び第2排出口
162:排出スクリュー
170,180:固形物成形部材
190:家畜用飲水供給部
191:飲水槽
191:受け台
194:飲水供給管
199:飲水開閉バルブ
100,200:飲水保温維持部
151,251:熱交換筒体
152,252:熱交換器
156:循環配管
157:復帰配管
153:温水貯蔵槽
154,250:ポンプ
156−1:温水供給配管
156−2:温水復帰配管
156−3,240:放熱器
156−5,156−6:開閉バルブ
231:熱循環配管
232:熱供給配管
310:発酵槽
311:蓋
312:入口
313,314:第1及び第2出口
317:温・湿度計
318:面状発熱体
320:支持フレーム
331:撹はん棒
331c:空気排出穴
360:固形物成形部
361:成形筒体
362:固形物成形部材
363:移動スクリュー
370:発酵畜糞排出部
371:排出筒体
372:排出管
373:排出スクリュー
410:発酵槽
411,413:蓋
412:入口
414:出口
416:らせん状の突出板
416a:排出ガイド部
420:支持台
421:連結筒体
431〜434:第1〜第4ローラ
440:発酵畜糞排出器
441:発酵畜糞排出筒体
442:排出スクリュー
443:固形物成形部材
443a:テーパー部
443b:水平部
444:成形軸棒
451:空気供給管
452:空気発生器
453:連結ホース
461:冷却水供給パイプ
461a:冷却水噴出穴
470:畜糞供給器
471:ガイド筒体
472:供給筒体
473:コンベアベルト
474a:駆動ホイール
474b:従動ホイール
476:バケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
畜糞を貯蔵し発酵及び乾燥させるためのもので、垂直方向に設置され、上部に入口が形成され、下部に出口が形成された円筒形状の発酵槽と、
前記発酵槽の外側面に設置され、畜糞を発酵槽内に供給する畜糞供給器と、
前記発酵槽内で回転可能に設置され、発酵槽内の畜糞を均一に撹はんする撹はん器と、
前記撹はん器を回転駆動させる駆動手段と、
前記発酵槽に備えられ、発酵槽外部の空気を内部に供給する空気供給器と、
前記発酵槽内で発酵された発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、
を含んで構成され、
前記撹はん器は、
発酵槽内に垂直方向に設置された中空の回転軸と、
前記回転軸の外周面に半径方向に設置されて回転軸の内部と連通し、空気排出穴を有する中空の撹はん棒と、からなり
前記空気供給器は、
発酵槽の外側に設置されたエアーコンプレッサーと、
前記エアーコンプレッサーより発生した空気を回転軸の内部に供給するために、エアーコンプレッサーと撹はん器の回転軸とを連結する空気供給管と、から構成されることを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項2】
前記発酵畜糞排出手段は、
前記発酵槽の下部に水平方向に設置され、発酵槽の出口を通じて連通し、両側に第1及び第2排出口を有する円筒形状の発酵畜糞排出筒体と、
前記発酵畜糞排出筒体内に回転可能に設置され、回転方向によって発酵畜糞を両側の第1排出口または第2排出口に押す排出スクリューと、
前記排出スクリューを正・逆回転駆動させる駆動手段と、
前記発酵畜糞排出筒体の第1排出口に着脱自在に取り付けられ、発酵畜糞を固形化するための固形物成形部材と、
を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項3】
前記発酵畜糞排出筒体の第1排出口に近接した部分には、前記第1排出口側に向かって直径が次第に減少するテーパー部を形成し、前記排出スクリューには、前記固形物成形部材の内部中心に位置する成形軸棒をさらに延長形成させることを特徴とする、請求項2に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項4】
前記発酵槽の上部に設置され、前記発酵槽内部と連通する熱交換筒体と、前記熱交換筒体内に設置された熱交換器と、前記熱交換器と連結された温水貯蔵槽と、前記温水貯蔵槽内の水を熱交換器に循環させるためのポンプと、からなる熱回収器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項5】
前記畜糞供給器は、
前記発酵槽の上部に形成された入口を通じて連通し、前記発酵槽の外側に垂直方向に設置された供給筒体と、
前記供給筒体の下部に備えられ、畜糞が投入されるバケットと、
前記供給筒体内に回転自在に設置され、バケットを通して投入された下部の畜糞を上部に移動させ、入口から前記発酵槽内に供給する供給スクリューと、
前記供給スクリューを回転駆動させる駆動手段と、
から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項6】
上部が開放され、家畜に提供する飲水を収容できるようになっている飲水槽と、前記飲水槽を支持する受け台と、前記飲水槽内に設置され、飲水を供給するための飲水供給管に連結された飲水開閉バルブと、を備える家畜用飲水供給部と、
前記熱交換器と循環配管及び復帰配管を介して連結された温水貯蔵槽と、前記循環配管に設置され、前記温水貯蔵槽内の水を熱交換器に循環させるためのポンプと、前記循環配管から分岐された温水供給配管に一端が連結され、他端は温水復帰配管を介して前記温水貯蔵槽に連結され、前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に位置して前記飲水槽内の飲水と熱交換する放熱器と、前記循環配管と温水供給配管にそれぞれ設置された開閉バルブと、を備える飲水保温維持部と、
からなることを特徴とする、請求項4に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項7】
前記熱交換筒体に、熱交換筒体内の空気を外部に強制排出させる送風器をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項8】
前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に飲水の温度を検出する温度計を設置し、飲水槽の底部外側に電気ヒーターを設置したことを特徴とする、請求項6または7に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項9】
前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に設置された前記放熱器、飲水開閉バルブ、温度計を覆う蓋をさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項10】
前記飲水保温維持部の循環配管から分岐される温水供給配管に複数の分岐供給配管を並列設置し、温水貯蔵槽に連結される温水復帰配管に複数の分岐復帰配管を並列設置し、これらを複数の放熱器とそれぞれ連結し、それぞれの放熱器を複数の家畜用飲水供給部の飲水槽内に設置したことを特徴とする、請求項6または7に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項11】
上部が開放され、家畜に提供する飲水を収容できるようになっている飲水槽と、前記飲水槽を支持する受け台と、前記飲水槽内に設置され、飲水を供給するための飲水供給管に連結された飲水開閉バルブと、を備える家畜用飲水供給部と、
前記熱交換器と熱循環配管及び熱供給配管を介して連結され、前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に位置して前記飲水槽内の飲水と熱交換する放熱器と、前記熱循環配管に設置され、配管内の熱媒体を前記熱交換筒体と前記放熱器間で循環させるためのポンプと、を備える飲水保温維持部と、
からなることを特徴とする、請求項4に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項12】
前記熱循環配管と熱供給配管に複数個の分岐熱循環配管と分岐熱供給配管を並列に連結して複数個の放熱器とそれぞれ連結し、それぞれの放熱器を複数の家畜用飲水供給部の飲水槽内に設置したことを特徴とする、請求項11に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項13】
支持フレームと、
畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、前記支持フレームに水平方向に設置され、上部に蓋によって開閉可能な入口が形成され、一側下部に第1出口及び第2出口が形成された円筒形状の発酵槽と、
前記発酵槽の内部に水平方向に配置され、両端が両側壁に回転自由に支持された中空軸と、
前記中空軸に設置され、発酵槽内の畜糞を前記第1及び第2出口側に水平移動させながら均一に撹はんする複数個の撹はん棒と、
前記支持フレームに設置され、前記撹はん棒を回転駆動させる撹はん駆動手段と、
前記支持フレームに設置され、発酵槽の内部に空気を供給する空気供給手段と、
前記第1及び第2出口から排出される発酵畜糞を、そのまま排出したり固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、
を含むことを特徴とする、畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項14】
前記発酵畜糞排出手段は、
前記第1出口に連通して設置され、前記第1出口から排出される発酵処理の完了した発酵畜糞を、固形化して排出する固形物成形部と、
前記第2出口に連通して設置され、発酵処理の完了した発酵畜糞を前記第2出口から排出する発酵畜糞排出部と、
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項15】
前記固形物成形部は、
前記発酵槽の第1出口に連通する成形筒体と、
前記成形筒体の一側に結合され、発酵畜糞を圧縮し固形化して排出する固形物成形部材と、
前記成形筒体内に回転可能に設置され、発酵畜糞を固形物成形部材側に移動させる移動スクリューと、
前記移動スクリューを回転駆動させる駆動手段と、
前記移動スクリューの先端に延長形成され、固形物成形部材の中央に位置して固形物に中空部を形成させる成形軸棒と、
から構成されることを特徴とする、請求項14に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項16】
前記発酵畜糞排出部は、
前記発酵槽の第2出口に連通し、一側下部に排出管が連結された排出筒体と、
前記排出筒体内に回転可能に設置され、発酵畜糞を前記排出管側に移動させる排出スクリューと、
前記排出スクリューを回転駆動させる駆動手段と、
から構成されることを特徴とする、請求項14に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項17】
前記撹はん棒は、前記中空軸の外周面に軸線方向と直交する方向に長く設置されると共に前記中空軸の内部と連通し、また、長さ方向に沿って空気排出穴が複数個形成され、
前記空気供給手段は、前記支持フレームに設置された空気発生器と、前記空気発生器で発生した空気を中空軸の内部に供給するように連結された空気供給管と、からなり、前記撹はん棒の空気排出穴を通して前記発酵槽の内部に空気を供給することを特徴とする、請求項13に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項18】
前記発酵槽内の第1及び第2出口側の中空軸端部に、発酵槽内の畜糞を前記第1及び第2出口の反対側に水平移動させながら均一に撹はんする逆方向の撹はん棒をさらに備えたことを特徴とする、請求項17に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項19】
前記発酵槽内部の温度を上昇させるための面状発熱体と、前記発酵槽内部の温度及び湿度を検出する温・湿度計と、を発酵槽にさらに備えたことを特徴とする、請求項18に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項20】
支持台と、
畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、前記支持台に水平方向に支持設置され、一側壁に蓋によって開閉可能な入口が形成され、他側壁に蓋によって開閉可能な出口が形成された円筒形状の発酵槽と、
前記支持台に設置され、発酵槽が水平軸線を中心に回転可能なように下部から支持する第1乃至第4ローラと、
前記第1乃至第4ローラのうちいずれか一つを回転させる回転駆動手段と、
前記発酵槽の内周面に沿ってらせん状に突出形成され、一端部の排出ガイド部が出口に近接した位置まで延在し、発酵槽の回転により畜糞を出口側に移動させるようにしたらせん状の突出板と、
前記出口から排出される発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、
を含むことを特徴とする、畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項21】
前記発酵畜糞排出手段は、
前記発酵槽の出口と連結筒体を介して中央上部が連通するように設置され、水平方向の両側に第1及び第2排出口が形成された円筒形状の発酵畜糞排出筒体と、
前記発酵畜糞排出筒体内に水平軸線を中心に回転可能に設置され、回転方向によって発酵畜糞を両側の第1排出口または第2排出口に押す排出スクリューと、
前記排出スクリューを正・逆方向に回転駆動させる駆動手段と、
前記発酵畜糞排出筒体の第1排出口側に着脱自在に取り付けられ、発酵畜糞を固形化させる固形物成形部材と、
からなることを特徴とする、請求項20に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項22】
前記固形物成形部材は、前記成形筒体との連結部分から次第に直径が減少するテーパー部と、前記テーパー部の最小直径部から水平方向に延在する水平部と、から構成され、
前記排出スクリューには、固形物成形部材の内部中心に位置する成形軸棒が延長形成されることを特徴とする、請求項21に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項23】
前記連結筒体及び出口側の蓋を貫通してその先端が前記発酵槽内部に位置する空気供給管と、前記支持台に設置された空気発生器と、前記空気発生器より発生した空気を前記発酵槽の内部に供給するように空気発生器と空気供給管とを連結する連結ホースと、からなる空気供給手段をさらに備えることを特徴とする、請求項22に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項24】
前記発酵槽上部に水平方向に設置され、発酵槽の外側に冷却水を噴出する冷却水噴出穴を複数個有する冷却水供給パイプをさらに備えることを特徴とする、請求項23に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項25】
前記発酵槽の入口位置から下方に傾斜して形成されたガイド筒体と、前記ガイド筒体の下部に備えられ、畜糞を収容する供給筒体と、前記ガイド筒体の内部に回転自在に設置され、供給筒体に位置する駆動ホイールと前記発酵槽の入口に位置する従動ホイールとを連結するコンベアベルトと、前記コンベアベルト上に複数個設けられ、畜糞を収容するバケットと、前記コンベアベルトを移動させるために前記駆動ホイールを回転させる駆動手段と、からなる畜糞供給器をさらに備えることを特徴とする、請求項24に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項1】
畜糞を貯蔵し発酵及び乾燥させるためのもので、垂直方向に設置され、上部に入口が形成され、下部に出口が形成された円筒形状の発酵槽と、
前記発酵槽の外側面に設置され、畜糞を発酵槽内に供給する畜糞供給器と、
前記発酵槽内で回転可能に設置され、発酵槽内の畜糞を均一に撹はんする撹はん器と、
前記撹はん器を回転駆動させる駆動手段と、
前記発酵槽に備えられ、発酵槽外部の空気を内部に供給する空気供給器と、
前記発酵槽内で発酵された発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、
を含んで構成され、
前記撹はん器は、
発酵槽内に垂直方向に設置された中空の回転軸と、
前記回転軸の外周面に半径方向に設置されて回転軸の内部と連通し、空気排出穴を有する中空の撹はん棒と、からなり
前記空気供給器は、
発酵槽の外側に設置されたエアーコンプレッサーと、
前記エアーコンプレッサーより発生した空気を回転軸の内部に供給するために、エアーコンプレッサーと撹はん器の回転軸とを連結する空気供給管と、から構成されることを特徴とする畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項2】
前記発酵畜糞排出手段は、
前記発酵槽の下部に水平方向に設置され、発酵槽の出口を通じて連通し、両側に第1及び第2排出口を有する円筒形状の発酵畜糞排出筒体と、
前記発酵畜糞排出筒体内に回転可能に設置され、回転方向によって発酵畜糞を両側の第1排出口または第2排出口に押す排出スクリューと、
前記排出スクリューを正・逆回転駆動させる駆動手段と、
前記発酵畜糞排出筒体の第1排出口に着脱自在に取り付けられ、発酵畜糞を固形化するための固形物成形部材と、
を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項3】
前記発酵畜糞排出筒体の第1排出口に近接した部分には、前記第1排出口側に向かって直径が次第に減少するテーパー部を形成し、前記排出スクリューには、前記固形物成形部材の内部中心に位置する成形軸棒をさらに延長形成させることを特徴とする、請求項2に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項4】
前記発酵槽の上部に設置され、前記発酵槽内部と連通する熱交換筒体と、前記熱交換筒体内に設置された熱交換器と、前記熱交換器と連結された温水貯蔵槽と、前記温水貯蔵槽内の水を熱交換器に循環させるためのポンプと、からなる熱回収器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項5】
前記畜糞供給器は、
前記発酵槽の上部に形成された入口を通じて連通し、前記発酵槽の外側に垂直方向に設置された供給筒体と、
前記供給筒体の下部に備えられ、畜糞が投入されるバケットと、
前記供給筒体内に回転自在に設置され、バケットを通して投入された下部の畜糞を上部に移動させ、入口から前記発酵槽内に供給する供給スクリューと、
前記供給スクリューを回転駆動させる駆動手段と、
から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項6】
上部が開放され、家畜に提供する飲水を収容できるようになっている飲水槽と、前記飲水槽を支持する受け台と、前記飲水槽内に設置され、飲水を供給するための飲水供給管に連結された飲水開閉バルブと、を備える家畜用飲水供給部と、
前記熱交換器と循環配管及び復帰配管を介して連結された温水貯蔵槽と、前記循環配管に設置され、前記温水貯蔵槽内の水を熱交換器に循環させるためのポンプと、前記循環配管から分岐された温水供給配管に一端が連結され、他端は温水復帰配管を介して前記温水貯蔵槽に連結され、前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に位置して前記飲水槽内の飲水と熱交換する放熱器と、前記循環配管と温水供給配管にそれぞれ設置された開閉バルブと、を備える飲水保温維持部と、
からなることを特徴とする、請求項4に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項7】
前記熱交換筒体に、熱交換筒体内の空気を外部に強制排出させる送風器をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項8】
前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に飲水の温度を検出する温度計を設置し、飲水槽の底部外側に電気ヒーターを設置したことを特徴とする、請求項6または7に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項9】
前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に設置された前記放熱器、飲水開閉バルブ、温度計を覆う蓋をさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項10】
前記飲水保温維持部の循環配管から分岐される温水供給配管に複数の分岐供給配管を並列設置し、温水貯蔵槽に連結される温水復帰配管に複数の分岐復帰配管を並列設置し、これらを複数の放熱器とそれぞれ連結し、それぞれの放熱器を複数の家畜用飲水供給部の飲水槽内に設置したことを特徴とする、請求項6または7に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項11】
上部が開放され、家畜に提供する飲水を収容できるようになっている飲水槽と、前記飲水槽を支持する受け台と、前記飲水槽内に設置され、飲水を供給するための飲水供給管に連結された飲水開閉バルブと、を備える家畜用飲水供給部と、
前記熱交換器と熱循環配管及び熱供給配管を介して連結され、前記家畜用飲水供給部の飲水槽内に位置して前記飲水槽内の飲水と熱交換する放熱器と、前記熱循環配管に設置され、配管内の熱媒体を前記熱交換筒体と前記放熱器間で循環させるためのポンプと、を備える飲水保温維持部と、
からなることを特徴とする、請求項4に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項12】
前記熱循環配管と熱供給配管に複数個の分岐熱循環配管と分岐熱供給配管を並列に連結して複数個の放熱器とそれぞれ連結し、それぞれの放熱器を複数の家畜用飲水供給部の飲水槽内に設置したことを特徴とする、請求項11に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項13】
支持フレームと、
畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、前記支持フレームに水平方向に設置され、上部に蓋によって開閉可能な入口が形成され、一側下部に第1出口及び第2出口が形成された円筒形状の発酵槽と、
前記発酵槽の内部に水平方向に配置され、両端が両側壁に回転自由に支持された中空軸と、
前記中空軸に設置され、発酵槽内の畜糞を前記第1及び第2出口側に水平移動させながら均一に撹はんする複数個の撹はん棒と、
前記支持フレームに設置され、前記撹はん棒を回転駆動させる撹はん駆動手段と、
前記支持フレームに設置され、発酵槽の内部に空気を供給する空気供給手段と、
前記第1及び第2出口から排出される発酵畜糞を、そのまま排出したり固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、
を含むことを特徴とする、畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項14】
前記発酵畜糞排出手段は、
前記第1出口に連通して設置され、前記第1出口から排出される発酵処理の完了した発酵畜糞を、固形化して排出する固形物成形部と、
前記第2出口に連通して設置され、発酵処理の完了した発酵畜糞を前記第2出口から排出する発酵畜糞排出部と、
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項15】
前記固形物成形部は、
前記発酵槽の第1出口に連通する成形筒体と、
前記成形筒体の一側に結合され、発酵畜糞を圧縮し固形化して排出する固形物成形部材と、
前記成形筒体内に回転可能に設置され、発酵畜糞を固形物成形部材側に移動させる移動スクリューと、
前記移動スクリューを回転駆動させる駆動手段と、
前記移動スクリューの先端に延長形成され、固形物成形部材の中央に位置して固形物に中空部を形成させる成形軸棒と、
から構成されることを特徴とする、請求項14に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項16】
前記発酵畜糞排出部は、
前記発酵槽の第2出口に連通し、一側下部に排出管が連結された排出筒体と、
前記排出筒体内に回転可能に設置され、発酵畜糞を前記排出管側に移動させる排出スクリューと、
前記排出スクリューを回転駆動させる駆動手段と、
から構成されることを特徴とする、請求項14に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項17】
前記撹はん棒は、前記中空軸の外周面に軸線方向と直交する方向に長く設置されると共に前記中空軸の内部と連通し、また、長さ方向に沿って空気排出穴が複数個形成され、
前記空気供給手段は、前記支持フレームに設置された空気発生器と、前記空気発生器で発生した空気を中空軸の内部に供給するように連結された空気供給管と、からなり、前記撹はん棒の空気排出穴を通して前記発酵槽の内部に空気を供給することを特徴とする、請求項13に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項18】
前記発酵槽内の第1及び第2出口側の中空軸端部に、発酵槽内の畜糞を前記第1及び第2出口の反対側に水平移動させながら均一に撹はんする逆方向の撹はん棒をさらに備えたことを特徴とする、請求項17に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項19】
前記発酵槽内部の温度を上昇させるための面状発熱体と、前記発酵槽内部の温度及び湿度を検出する温・湿度計と、を発酵槽にさらに備えたことを特徴とする、請求項18に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項20】
支持台と、
畜糞を貯蔵し、発酵及び乾燥させるためのもので、前記支持台に水平方向に支持設置され、一側壁に蓋によって開閉可能な入口が形成され、他側壁に蓋によって開閉可能な出口が形成された円筒形状の発酵槽と、
前記支持台に設置され、発酵槽が水平軸線を中心に回転可能なように下部から支持する第1乃至第4ローラと、
前記第1乃至第4ローラのうちいずれか一つを回転させる回転駆動手段と、
前記発酵槽の内周面に沿ってらせん状に突出形成され、一端部の排出ガイド部が出口に近接した位置まで延在し、発酵槽の回転により畜糞を出口側に移動させるようにしたらせん状の突出板と、
前記出口から排出される発酵畜糞をそのまま排出したり、固形化して排出する発酵畜糞排出手段と、
を含むことを特徴とする、畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項21】
前記発酵畜糞排出手段は、
前記発酵槽の出口と連結筒体を介して中央上部が連通するように設置され、水平方向の両側に第1及び第2排出口が形成された円筒形状の発酵畜糞排出筒体と、
前記発酵畜糞排出筒体内に水平軸線を中心に回転可能に設置され、回転方向によって発酵畜糞を両側の第1排出口または第2排出口に押す排出スクリューと、
前記排出スクリューを正・逆方向に回転駆動させる駆動手段と、
前記発酵畜糞排出筒体の第1排出口側に着脱自在に取り付けられ、発酵畜糞を固形化させる固形物成形部材と、
からなることを特徴とする、請求項20に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項22】
前記固形物成形部材は、前記成形筒体との連結部分から次第に直径が減少するテーパー部と、前記テーパー部の最小直径部から水平方向に延在する水平部と、から構成され、
前記排出スクリューには、固形物成形部材の内部中心に位置する成形軸棒が延長形成されることを特徴とする、請求項21に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項23】
前記連結筒体及び出口側の蓋を貫通してその先端が前記発酵槽内部に位置する空気供給管と、前記支持台に設置された空気発生器と、前記空気発生器より発生した空気を前記発酵槽の内部に供給するように空気発生器と空気供給管とを連結する連結ホースと、からなる空気供給手段をさらに備えることを特徴とする、請求項22に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項24】
前記発酵槽上部に水平方向に設置され、発酵槽の外側に冷却水を噴出する冷却水噴出穴を複数個有する冷却水供給パイプをさらに備えることを特徴とする、請求項23に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【請求項25】
前記発酵槽の入口位置から下方に傾斜して形成されたガイド筒体と、前記ガイド筒体の下部に備えられ、畜糞を収容する供給筒体と、前記ガイド筒体の内部に回転自在に設置され、供給筒体に位置する駆動ホイールと前記発酵槽の入口に位置する従動ホイールとを連結するコンベアベルトと、前記コンベアベルト上に複数個設けられ、畜糞を収容するバケットと、前記コンベアベルトを移動させるために前記駆動ホイールを回転させる駆動手段と、からなる畜糞供給器をさらに備えることを特徴とする、請求項24に記載の畜糞資源の燃料及び堆肥化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2009−18304(P2009−18304A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180476(P2008−180476)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(508210136)イ−レ カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】E−RAE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】592−2 Janggok−ri,Jori−eup,Paju−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(508210136)イ−レ カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】E−RAE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】592−2 Janggok−ri,Jori−eup,Paju−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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