説明

蓄電池装置、蓄電池装置の制御方法及び制御プログラム

【課題】組電池監視装置の起動待ち時間を削減して使い勝手を向上する。
【解決手段】実施形態の蓄電池装置は、複数の組電池群と、組電池群のそれぞれに対応し、対応する組電池群の監視を行うとともに、信号線で直列接続された複数の監視装置と、複数の監視装置の制御及び管理を行う管理装置と、を備えている。そして、監視装置の識別符号取得手段は、管理装置により起動が指示されると、監視装置同士を識別する識別符号を管理装置から取得し、信号出力手段は、識別符号の取得が完了した時点で、次段の監視装置における識別符号取得手段の動作開始を促す信号を信号線を介して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蓄電池装置、蓄電池装置の制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池等の蓄電池技術の進歩により、大規模電力蓄積システムへの蓄電池の利用が検討されている。
例えば、電気自動車等の車両に搭載される蓄電池装置になると、二次電池モジュールの数は数十個程度になる場合がある。
【0003】
このような蓄電池装置において、一つの通信バスに複数の二次電池モジュールが接続される場合、組電池管理装置(BMU;Battery Management Unit)は各々の組電池監視装置(CMU;Cell Monitoring Unit)を識別して情報を扱う必要がある。
このような場合、蓄電池装置の組み立て前に予め各々の二次電池モジュールの識別符号(識別番号)を決めておくのではなく、組み立てた後で識別符号が自動的に付与される仕組みが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−141971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、組電池監視装置をデイジーチェーン接続し、電源の起動信号を順次伝達する構成を採った場合、必ず組電池監視装置の電源投入を待ってから起動信号が伝達されることとなる。このため、起動のたびにデイジーチェーン接続された起動信号の伝播を待たなければならない。
電源が入ってから組電池監視装置の動作が始まるには、通常は100ms程度の時間がかかり、例えば、二次電池モジュールを30個デイジーチェーン接続した場合は、全ての組電池監視装置の起動が完了するのに少なくとも3秒かかることになる。
電気自動車等では、これはとりもなおさずユーザーが車両を起動してから実際に走り出せるまでに何秒もかかることとなり、使い勝手が悪いという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、組電池監視装置の起動待ち時間を削減して使い勝手を向上することが可能な蓄電池装置、蓄電装置の制御方法及び制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の蓄電池装置は、複数の組電池群と、組電池群のそれぞれに対応し、対応する組電池群の監視を行うとともに、信号線で直列接続された複数の監視装置と、複数の監視装置の制御及び管理を行う管理装置と、を備えている。
そして、監視装置の識別符号取得手段は、管理装置により起動が指示されると、監視装置同士を識別する識別符号を管理装置から取得する。
また、信号出力手段は、識別符号の取得が完了した時点で、次段の監視装置における識別符号取得手段の動作開始を促す信号を信号線を介して出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態の蓄電池装置を備えた蓄電池システムの概要構成ブロック図である。
【図2】図2は、実施形態の要部説明図である。
【図3】図3は、CMUの概要構成説明図である。
【図4】図4は、実施形態のBMUのCAN_IDの自動付番処理の処理フローチャートである。
【図5】図5は、実施形態の処理タイミングチャートである。
【図6】図6は、実施形態のCMUのCAN_IDの自動付番処理の処理フローチャートである。
【図7】図7は、変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に図面を参照して、実施形態の蓄電池装置について詳細に説明する。
図1は、実施形態の蓄電池装置を備えた蓄電池システムの概要構成ブロック図である。
蓄電池システム10は、大別すると、電力を蓄える蓄電池装置11と、蓄電池装置11から供給された直流電力を所望の交流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置(PCS:Power Conditioning System)12と、を備えている。
【0009】
蓄電池装置11は、大別すると、複数の電池盤21−1〜21−N(Nは自然数)と、電池盤21−1〜21−Nが接続された電池端子盤22と、を備えている。
電池盤21−1〜21−Nは、互いに並列に接続された複数の電池ユニット23−1〜23−M(Mは自然数)と、ゲートウェイ装置24と、後述のBMU(Battery Management Unit)及びCMU(Cell Monitoring Unit)に動作用の直流電源を供給する直流電源装置25と、を備えている。
【0010】
ここで、電池ユニットの構成について説明する。
電池ユニット23−1〜23−Mは、それぞれ、高電位側電源供給ライン(高電位側電源供給線)LH及び低電位側電源供給ライン(低電位側電源供給線)LLを介して、出力電源ライン(出力電源線;母線)LHO、LLOに接続され、主回路である電力変換装置12に電力を供給している。
【0011】
また電池ユニット23−1〜23−Mは、同一構成であるので、電池ユニット23−1を例として説明する。
電池ユニット23−1は、大別すると、複数のセルモジュール31と、セルモジュール31にそれぞれ設けられた複数のCMU(監視装置)32と、サービスディスコネクト33と、電流センサ34と、コンタクタ35と、を備え、複数のセルモジュール31、サービスディスコネクト33、電流センサ34及びコンタクタ35は、直列に接続されている。
【0012】
ここで、セルモジュール31は、電池であるセルを複数、直並列に接続されて組電池を構成している。そして、複数の直列接続されたセルモジュール31で組電池群を構成している。
【0013】
さらに電池ユニット23−1は、BMU36を備え、各CMU32の通信ライン、電流センサ34の出力ラインは、BMU(管理装置)36に接続されている。
BMU36は、ゲートウェイ装置24の制御下で、電池ユニット23−1全体を制御し、各CMU32との通信結果及び電流センサ34の検出結果に基づいてコンタクタ35の開閉制御を行う。また、各CMU32は、BMU36に対して、所定の周期でセル(電池)の電圧あるいはセルモジュール31の電圧並びにセルモジュール31の温度(セルモジュール31を代表する温度)を送信する。
【0014】
次に電池端子盤の構成について説明する。
電池端子盤22は、電池盤21−1〜21−Nに対応させて設けられた複数の盤遮断機41−1〜41−Nと、蓄電池装置11全体を制御するマイクロコンピュータとして構成されたマスタ(MASTER)装置42と、を備えている。
【0015】
マスタ装置42には、電力変換装置12との間に、電力変換装置12のUPS(Uninterruptible Power System)12Aを介して供給される制御電源線51と、イーサネット(登録商標)として構成され、制御データのやりとりを行う制御通信線52と、が接続されている。
【0016】
図2は、実施形態の要部説明図である。
図2において、図1と同様の部分には同一の符号を付すものとする。また、図2においては、説明の容易のため、セルモジュール31としてセルモジュール31-1〜31−3の三つのセルモジュールを備えているものとし、組電池監視装置として機能するCMU32としてセルモジュール31-1〜31−3のそれぞれに対応するCMU32−1〜32−3を備えているものとする。
【0017】
CMU32−1〜32−3は、それぞれ起動通知信号が入力される起動通知入力端子T1及び起動通知信号を出力する起動通知出力端子T2を備えている。
そして、CMU32−1の起動通知入力端子T1には、組電池管理装置として機能するBMU36から起動通知信号WU1が入力され、識別符号としてのCAN_IDの付番(あるいは有効なCAN_IDの設定確認)が完了した時点で起動通知出力端子T2を介して起動通知信号WU2が出力される。
【0018】
これにより、CMU32−2の起動通知入力端子T1には、CMU32−1から起動通知信号WU2が入力され、CAN_IDの付番(あるいは有効なCAN_IDの設定確認)が完了した時点で起動通知出力端子T2を介して起動通知信号WU3が出力される。
同様に、CMU32−3の起動通知入力端子T1には、CMU32−2から起動通知信号WU3が入力され、CAN_IDの付番(あるいは有効なCAN_IDの設定確認)が完了した時点で起動通知出力端子T2を介して起動通知信号WU4が出力される。
【0019】
図3は、CMUの概要構成説明図である。
CMU32−1〜32−3は、同一構成であるので、図3においては、CMU32−1を例として説明する。
CMU32−1は、セル(電池)の電圧や温度(あるいは組電池全体の代表温度)を取得する組電池監視回路61と、各種データの取得のタイミング制御や通信バス37を介した通信、電源の制御、CAN_ID(識別符号)の取得等を行うマイクロプロセッサ62と、電気的に消去書き込み可能な読み出し専用記憶装置であるEEPROM63と、電源供給線PWから供給される電力を安定化し、CMU32−1の各所を動かす電力を供給する電源回路64と、を備えている。
【0020】
次に実施形態の動作を説明する。
図4は、実施形態のBMUのCAN_IDの自動付番処理の処理フローチャートである。
図5は、実施形態の処理タイミングチャートである。
まずBMU36は、時刻t0において、CMU32−1〜32−3に電源供給線PWを介して電源を供給して起動させる。
続いてBMU36は、時刻t1において、起動通知信号WU1を起動状態(“L”レベル)としてCMU32−1の起動通知入力端子T1に出力する(ステップS11)。
そして、BMU36は、CMU32−1〜32−2からの応答を所定時間待つこととなる(ステップS12)。
この結果、図5の下部に示すように、CMU32−1は、付番処理に移行する。
【0021】
図6は、実施形態のCMUのCAN_IDの自動付番処理の処理フローチャートである。
CMU32−1のマイクロプロセッサ62は、電源が供給されて起動されると、起動通知入力(CMU32−1の場合、起動通知信号WU1)が起動状態である“L”レベルとなっているか否かを判別する(ステップS21)。
ステップS21の判別において、CMU32−1は、起動通知信号WU1が未だ“H”レベル(非起動状態)である場合には(ステップS21;No)、マイクロプロセッサ62は待機状態となる。
ステップS21の判別において、CMU32−1のマイクロプロセッサ62は、起動通知信号WU1が“L”レベルとなった場合には(ステップS21;Yes)、既に付番がなされているか否かを判別するために、EEPROM63からCAN_IDの付番データを読み出す(ステップS22)。
【0022】
続いてCMU32−1のマイクロプロセッサ62は、有効なCAN_IDが付与されていないか否かを判別する(ステップS23)。すなわち、マイクロプロセッサ62は、EEPROM63から付番データを読み出せなかった、あるいは、有効ではない付番データが読み出された場合には有効なCAN_IDが付与されていないとして(ステップS23;Yes)、当該CMUの通常定期通信の送信周期1回分待機状態となる(ステップS24)。
続いてCMU32−1のマイクロプロセッサ62は、通信バス37を介してBMU36に対して、CAN_IDに相当する付番データを要求する(ステップS25)。
【0023】
一方、ステップS25の付番データの要求を受けたBMU36は、受信データから何番目までのCMU32と通常定期通信により通信ができているかを確認する(ステップS13)。この場合においては、未だ通常定期通信を行っているCMU32は存在しないので、0台である。
次にBMU36は、CMU32(この場合は、CMU32−1)からの付番要求がなされていないか否かを判別する(ステップS14)。
ステップS14の判別において、CMU32からの付番要求がなされている場合には(ステップS14;No)、BMU36は、前回の付番要求受信から所定時間以内であるか否かを判別する(ステップS17)。
【0024】
ステップS17の判別において、BMU36は、前回の付番要求受信から所定時間以内であると判別された場合には(ステップS17;Yes)、エラー終了する。
これは、各CMU32は、BMU36に付番データ(識別符号)を再要求する場合、通常の処理では起こりえない遅延を見込んだ所定時間を経過した後に再要求するように構成しているためである。これにより、BMU36側で、通常の処理では起こりえない遅延を見込んだ所定時間以内に立て続けに付番データ(識別符号)の要求が来た場合には、起動通知入力へのノイズ混入による誤動作などが発生したと異常を検出できるのである。
【0025】
ステップS17の判別において、BMU36は、前回の付番要求受信から所定時間以内ではないと判別された場合には(ステップS17;No)、正規の付番データの要求であるので、起動を確認しているCMUの番号に1を加えた番号をCMU32に送信し(ステップS18)、処理を再びステップS12に移行する。
具体的には、未だ通常定期通信を行っているCMU32は存在しないので、起動を確信しているCMUの番号は0であるので、通知する番号は、0+1=1となる。
【0026】
一方、CMU32−1のマイクロプロセッサ62は、BMU36から応答が返ってくるまで、あるいは、所定時間待機状態となる(ステップS26)。
【0027】
続いて、CMU32−1のマイクロプロセッサ62は、BMU36から有効な付番データを取得できたか否かを判別する(ステップS27)。
ステップS27の判別において、有効な付番データを取得できなかった場合には(ステップS27;No)、データ取得処理を所定回数繰り返したか否かを判別し(ステップS32)、データ取得処理が所定回数未満である場合には(ステップS32;No)、処理を再びステップS25に移行して、再度付番データの取得を試みる。また、データ取得処理が所定回数繰り返された場合には(ステップS32;Yes)、エラー通知をして処理を終了する。
【0028】
ステップS27の判別において、有効な付番データを取得できた場合には(ステップS27;Yes)、取得した付番データ、すなわち、有効なCAN_IDをEEPROM63に書き込む(ステップS28)。ここで、有効なCAN_IDをEEPROM63に書き込むのは、次回以降取得処理を行う必要をなくすためであり、この結果、蓄電池装置11の起動時間の短縮が図れることとなる。
【0029】
次に、CMU32−1のマイクロプロセッサ62は、通常定期通信の送信周期1回分待機する(ステップS29)。
次にCMU32−1のマイクロプロセッサ62は、時刻t2において、通常定期通信を開始し、BMU36に対して通信バス37を介して起動通知を行う(ステップS30)。これと同時にCMU32−1のマイクロプロセッサ62は、“L”レベル、すなわち、起動状態に相当する起動通知信号WU2を起動通知出力端子T2を介して次段のCMU32−2に出力し(ステップS31)、付番処理を終了する。
この結果、CMU32−2は、付番処理を開始することとなる。
【0030】
一方、ステップS14の判別において、CMU32からの付番要求がなされていない場合には(ステップS14;Yes)、BMU36は、CMU32−3から入力される起動通知信号WU4が起動状態である“L”レベルとなっているか否かを判別する(ステップS15)。
【0031】
ステップS15の判別において、CMU32−3から入力される起動通知信号WU4が“H”レベルであり、CMU32−3が未だ非起動状態である(CAN_IDの付与が完了していない)場合には(ステップS15;No)、処理を再びステップS12に移行して以下同様の処理を行う。
同様の手順を追って、CMU32−2が時刻t2に付番処理を開始し、時刻t3において付番処理が完了して、起動通知信号WU3を起動状態である“L”レベルとすると、CMU32−3も付番処理を開始することとなる。
【0032】
これらの結果、時刻t4において、CMU32−3が付番処理が完了して、起動通知信号WU4を起動状態である“L”レベルとすると、BMU36は、ステップS15の判別において、CMU32−3から入力される起動通知信号WU4が“L”レベルになったことを検出し(ステップS15;Yes)、接続されたCMU32の数、ひいては、接続されたセルモジュール31の数を確定して処理を終了する(ステップS16)。
ところで、BMU36は、直前に通常処理へ移行したCMU32について、通信完了の遅延などにより通常処理での通信確認に時間がかかることがある。
【0033】
これを避けるために、BMU36に付番データ(識別符号;CAN_ID)を要求する際は所定時間待って、直前に通常処理へ移行したCMU32の認識処理がBMU36で完了する時間の猶予を確保している。
【0034】
以上の説明のように、本実施形態によれば、蓄電池装置11の組み立て直後はCMU32(本実施形態では、CMU32−1〜32−3)は識別されていない状態であるが、一度電源を起動すれば自動的に接続された順番どおりに識別符号を与えることができる。
【0035】
また、上記構成において、メンテナンスや製造上の都合を考慮すれば、通信バス37を介してCMU32へ命令して識別符号を初期化し、有効な識別符号が記録されていない状態に戻せるように構成することが好ましい。
【0036】
また、BMU36は、所定の時間内に所定の起動通知信号(本実施形態では、“L”レベルの起動通知信号WU4)が入力されなかった場合には、異常として検出するようにするのが好ましい。この場合において、異常検出時の動作としては、電源供給線PWを制御して、CMU32に対する電源供給を遮断し、再起動を図ることが考えられる。また、再起動を所定回数行っても、全てのCMU32に対して付番できなかった場合には、付番できなかったCMU32が属する電池ユニットを用いないようにする。
【0037】
また、BMU36に付番データ(識別符号)を要求する際は、CMU32内のEEPROM63の所定の格納場所へ製造時に記録されている固有番号を含めて送信する構成を採れば、起動通知入力へのノイズ混入による誤動作などが発生し、複数のCMU32から付番データ(識別符号)を要求された場合に、異常を検出することが容易になる。なお、この場合には、固有番号に基づいて、各CMU32を区別して付番データ(識別符号)を返答することは、デイジーチェーン接続した順番に識別符号(CAN_ID)が付番されることとならないため、好ましくない。
【0038】
以上の説明においては、デイジーチェーン接続された最後のCMU32(上記実施形態では、CMU32−3)からBMU36に起動通知信号(上記実施形態では、起動通知信号WU4)が入力される構成を採っていたが、デイジーチェーン接続された最後のCMU32からBMU36に起動通知信号が入力される信号線を設けず、BMU36において、自己の管理下にあるCMU32の数を予め記憶しておき、起動通知信号をCMU32へ出力してから、所定の時間内にそれぞれのCMU32より正常に起動が完了した通知が通信バス37経由で得られない場合、異常と判断するように構成することも可能である。
【0039】
図7は、変形例の説明図である。
また、以上の説明では、全セルモジュールがシリアル接続されている場合について説明したが、複数のセルモジュールを直列接続したセルモジュール群を複数並列に接続する構成とすることも可能である。
より具体的には、図7に示すように複数のセルモジュール31−11〜31−13を直列接続した第1のセルモジュール群と、複数のセルモジュール31−21〜31−23を直列接続した第2のセルモジュール群と、をBMU36に並列に接続する。
そして、BMU36は、第1のセルモジュール群に対応するCMU32−11〜32−13と、第2のセルモジュール群に対応するCMU32−21〜32−23と、で別個に(CAN_ID)が付番されるように構成すればよい。
【0040】
本実施形態の蓄電池装置は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0041】
本実施形態の蓄電池装置で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0042】
また、本実施形態の蓄電池装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の蓄電池装置で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の蓄電池装置の制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0043】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
10 蓄電池システム
11 蓄電池装置
12 電力変換装置
21 電池盤
22 電池端子盤
23 電池ユニット
24 ゲートウェイ装置
25 直流電源装置
31 セルモジュール(組電池群)
32 CMU(監視装置)
33 サービスディスコネクト
34 電流センサ
35 コンタクタ
36 BMU(管理装置)
37 通信バス
41 盤遮断機
42 マスタ装置
51 制御電源線
52 制御通信線
61 組電池監視回路
62 マイクロプロセッサ(監視装置)
63 EEPROM(記憶手段)
64 電源回路
32−1〜32−3 CMU(監視装置)
32−11〜32−13 CMU(監視装置)
32−21〜32−23 CMU(監視装置)
PW 電源供給線
T1 起動通知入力端子
T2 起動通知出力端子
WU1〜WU4 起動通知信号
LH 高電位側電源供給ライン(高電位側電源供給線)
LL 低電位側電源供給ライン(低電位側電源供給線)
LHO、LLO 出力電源ライン(出力電源線;母線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の組電池群と、
前記組電池群のそれぞれに対応し、対応する組電池群の監視を行うとともに、信号線で直列接続された複数の監視装置と、
前記複数の監視装置の制御及び管理を行う管理装置と、を備え、
前記監視装置は、前記管理装置により起動が指示されると、監視装置同士を識別する識別符号を前記管理装置から取得する識別符号取得手段と、
前記識別符号の取得が完了した時点で、次段の監視装置における識別符号取得手段の動作開始を促す信号を前記信号線を介して出力する信号出力手段と、
を備えた蓄電池装置。
【請求項2】
前記信号線は、通常通信を行う通信線とは別個に設けられている、
請求項1記載の蓄電池装置。
【請求項3】
前記監視装置は、一旦取得した前記識別符号を記憶する記憶手段を備え、
前記識別符号取得手段は、前記記憶手段に有効な前記識別符号が記憶されている場合には、取得が完了したものとして処理を行う、
請求項1又は請求項2記載の蓄電池装置。
【請求項4】
前記管理装置は、前記識別符号取得手段による識別符号の取得処理が所定回数を超えて完了しなかった場合あるいは前記識別符号取得手段による識別符号の取得処理が所定時間内に完了しなかった場合には、異常と判断して、前記複数の監視装置の再起動処理を行う、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の蓄電池装置。
【請求項5】
複数の組電池群と、前記組電池群のそれぞれに対応し、対応する組電池群の監視を行うとともに、信号線で直列接続された複数の監視装置と、前記複数の監視装置の制御及び管理を行う管理装置と、を備えた蓄電池装置で実行される制御方法であって、
前記複数の監視装置の起動を指示する過程と、
前記起動が指示されると、監視装置同士を識別する識別符号を前記管理装置から取得する過程と、
前記識別符号の取得が完了した時点で、次段の監視装置における識別符号取得動作の開始を促す信号を前記信号線を介して出力する過程と、
を備えた蓄電池装置の制御方法。
【請求項6】
複数の組電池群と、前記組電池群のそれぞれに対応し、対応する組電池群の監視を行うとともに、信号線で直列接続された複数の監視装置と、前記複数の監視装置の制御及び管理を行う管理装置と、を備えた蓄電池装置をコンピュータにより制御する制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数の監視装置の起動を指示する手段と、
前記起動が指示されると、監視装置同士を識別する識別符号を前記管理装置から取得させる手段と、
前記識別符号の取得が完了した時点で、次段の監視装置における識別符号取得動作の開始を促す信号を前記信号線を介して出力させる手段と、
して機能させる制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate