説明

薄片状又は細片状水面浮遊物と利用装置

【課題】
水面装飾用浮遊物、水草種子散布、農林水産業用の遮光による水田雑草防除、アオコ、藍藻対策で農薬,肥効成分、微生物の徐放材料,土質改良材、吸着有害物分解材料、水棲害虫防除、農薬散布公害防止の材料で遮光系、薬剤散布系の簡易な形成、使用済材料の効率的回収。文書廃紙の機密保持的処理。
【解決手段】紙片等の薄片を着色あるいは有効成分添加し、水面浮遊化し、炭化物、異種品等を併用できる。遮光や有効成分の施用、回収自在化により雑草、藻、有害生物等を防除、過剰投与防止できる。装飾、徐放材にも使える。紙片、廃紙片、炭化物、半炭化物、熱処理物粉粒、成型物を疎水性物質で好ましくは低比重の油脂、パラフィン等の炭化水素、脂肪酸及び/又は多価金属化合物によって処理し、浮力調整し、疎水性浮遊性紙片、粉粒、フレーク等を得る。薬品飛散しない省力型散布も回収も可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
農林漁業分野、環境分野の問題解決に適した水面浮遊性新規材料と製法、装置、の利用法に関する。紙片、植物質薄片又は細片或いはそれらの炭化物等を利用し好ましくは片内部に空泡が存在するものとする。撥水性加工されている水面展張性浮遊性材料は遮光、農薬、肥効成分等の低公害性散布又は供給による除草剤、防疫、浮遊性餌浮遊性餌、魚類の誘引駆除用餌、光吸収材、水の蒸発制御、融雪材、油膜沈降防止、水面浄化材、濾過材、微生物の散布分野に有用である。しかも機能を利用の後に浮遊性を利用して容易に濾別回収できる。多様な原料と多用途利用によって廃紙、繊維、有機質ゴミ、バイオマス等の未利用資源の有効利用と紙屑、廃紙利用の機密保持、効率化をはかる。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】発明者の一人の特許27093057 粉炭はオカラ炭化物であって、燃料、土壌殺菌剤、土壌改良材、水質浄化炭素、飼料、肥料として有用である。
【特許文献2】さらに発明者らの出願中の本発明関連の特願2006−79717水面浮遊性粉粒又は成型物と利用法があり多孔質の目詰めを無機塩、粒子で行い、ついで撥水、撥油材加工している。遮光による水田の雑草防止や湖沼の赤潮、藻の防止、半炭化、撥水撥油防水加工粒子について述べている。
【特許文献3】特開2001−112358水田用の雑草発生抑制剤 無機物質、例えば炭素と増量剤、例えば熱可塑性樹脂ポリエチレン、ゼラチン等を混練固化又は発泡固化した比重1以下の粒状体、塊状体であって浮遊又は水底に沈降して遮光する。
【特許文献4】特開2004−522831フイルム充填用無機粉体をシロキサンと脂肪酸で被覆し疎水化
【特許文献5】特開2002−194337撥水撥油性粉体 粉体をゴム弾性皮膜で覆い表面をパーフルオロアルキル燐酸エステルで表面処理した化粧料
【特許文献6】特開2000−327501雑草発生抑制剤
【特許文献7】特開2001−204273水田雑草の発生抑制材(黒色炭素微粒子被覆籾殻、水面に浮上しない)
【特許文献8】特開2003−113012池沼用アオコ抑制粒材(浮上鋸屑、結合材)
【特許文献9】特開2004−305972遮光用浮体(プラスチックフイルム使用)
【特許文献10】特表平10−505373物理的および/または化学的に硬化するバインダーを、油脂によって、特に脂肪酸または脂肪アルコールのエステル、特に高級脂肪酸のトリグリセリド、好ましくは天然の油脂 および油によって修飾する。これらを合成ポリマーに高濃度で添加することができる。1.脂肪化合物を含有することを特徴とする物理的および/または化学的に硬化するバインダー。2.バインダー全体を基準に、0.5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%の脂肪化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のバインダー。
【非特許文献1】笹岡 有機炭素質の熱分解 低温燃焼 化学装置 (7)39(1996)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
水田、湖沼、池、水溜り、水槽等に於て、装飾的浮遊物の取得、遮光による雑草、藻、プランクトン、等の制御、魚類、水棲生物用の日陰、土壌表面への着色紙、炭素性物の均一散布等を目的とした汎用性の浮遊性紙片、薄片状又は細片状水面浮遊物、それらの炭化物、半炭化物、熱処理した濃色浮遊性細片を得て、総合的に省力化、コストダウンする。
加えて、水面及び水底遮光による無農薬、減農薬、と同時に徐放性能を利用する薬剤散布、施肥省力化、池、湖沼、海面の藻、赤潮の制御、有害生物薬剤徐放材の対象が蚊の幼虫、蛭、有害な魚類、小動物であり得る。そして効果を発揮して駆除の後には本発明により容易に浮遊物を回収する。また水面からの水の蒸発制御、浮餌、蚊等小動物の駆除等多用途製品を多様な原料で製造し原料の多様化と用途拡大によって間伐材、下草等の未利用バイオマス資源活用をも可能にする。このために原材料調達から製造、利用、回収、再生まで総合的に安定化しコストダウンする。
【0004】
紙若くは木、竹等の薄片、それらの炭化物の浮遊性保持は簡単ではなかった。安価な製造法も得られた水面被覆又は水底への均一沈下用浮遊性紙片、細片(フレーク、ペレット、凝集塊等を含む)の大量供給、簡易な利用法、回収、再利用の方法はなかった。従来法と異なり補助材料であるカーボンブラック、活性炭、有機性炭化物等の黒色材料やポリマーを使用しないか又は極力少量に制限し食品添加物、生分解性物質、無害な有機又は無機物使用であることが浮遊性増強、有害性回避の見地から好ましい。
【0005】
農林漁業副生品、使用済み回収物の再利用、肥料土壌改良材としての田畑へのすき込み、燃料等として容易に処分ができることが必要であった。
【0006】
遮光紙やマルチと言われるプラスチックフイルムは消耗品で概して専用機械を要する。
しかも展張した水田や水面に自由に立ち入るのは難しかった。水田の水底を黒染め加工した籾殻で被覆する方法では均一散布問題があり、水面浮上の場合には風による飛散も問題とされていた。水面或は水底への均一散布は手数がかかる。墨汁様の黒色エマルジョンや着色糖蜜液等では降雨時の希釈損失、水質汚染の難点があった。
先の発明1では浮遊炭化物を浮遊させて水面に分散して沈降させるのは容易であったがコスト面の改良が望ましかった。
水面への農薬散布は環境汚染と散布者及び近隣住民の健康被害防止のために廃止か最低量に止めたいが解決法はなかった。
肥料の過剰使用防止 には少量を、均一に施肥する必要がある。燐酸分等も流出防止のためク溶性が好ましくオカラ炭化物等を均一に散布することは容易にできたが遮光性浮遊物を低コストで水面に長期維持し後に回収するのは簡単ではなかった。
【0007】
海、湖沼、池、水耕栽培における水草、アオコ、赤潮防止、遮光、抑制剤均一散布と効果の持続性が問題であった。
稲用その他の農薬では根、葉からの吸収による過剰の農薬投与が問題であった。
遮光用としてのバイオマス炭化物は親水性で水面浮遊性がない。遮光用プラスチック球は高価であった。カプセル封入によるペレット化では結合材等の使用量が多い難点があった。
炭化物をプラスチック結合材を利用して軽量化するものは結合材比率が大で安価な材料が必要であった。
水棲の有害幼虫、特に蚊の幼虫、蛭、有害魚類等の駆除の効率的あるいは低濃度薬剤による簡易な防除法が必要であった。
使用済材料の回収再利用、浮沈時間の調節ができると環境問題、コストの点で好都合であった。
本発明はこのような問題点を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
紙片、薄片木質、小枝、葉、割箸裁断片、楊枝等を加工して水面に展張し黒色、濃色加工品では遮光により藻、水槽の発生を抑制し肥効成分や薬剤含有物を浮遊化する。潤滑性表面加工によって振動又は波動によって薄片群を容易に水面に展張できる。比重1以下の撥水材例えば牛脂当の動植物油脂、蝋、パラフィン等を使用することによって紙片、木細片、薄片、炭化物、半炭化物に安定した浮力調整加工ができる。
撥水剤、比重調整による浮力増加剤、水面への浮遊薄片、細片の展張性能付与のためには、潤滑性表面加工材料として広義の蝋即ち天然蝋、硬質蝋、パラフィン、油脂、脂肪酸、脂肪族アルコール、シリコーン化合物等が適し、特に常温乃至高温で固形である広義の油脂、蝋等であって比重1以下のものが安定した浮遊性維持のために好ましい。フッ素系撥水剤を少量使ってもよい。光安定性、微生物分解制御のための安定剤、殺菌材、促進材を加えた不飽和油等を含浸で添加することもできる。浮遊性と浮力維持のためにこれは屋外で比較的高温の水でも安定して展張性能を維持するために好都合である。
【0009】
パラフィンにカーボンブラック等の顔料を混合し、高濃度物を紙に塗布すると塗膜剥離の現象が発生する。そこで柔軟性、添着補助材料としての軟質油脂、液状油、乾性油、脂肪酸、分散材としての金属石鹸を添加できる。無鉛のボイル油、合成ボイル油、EVA,歩バール、アクリル酸ポリマー、ポリ乳酸、ポリオキシカプロン酸等であってもよい。
着色材料はカーボンブラック、油煙、炭化物、色素、弁柄、有機顔料等と分散剤、結合剤としての膠、ゼラチン、アクリル酸ポリマー等を使うことができる。配合は水面浮遊継続時間測定実験によって容易に決めることができる。
【0010】
水面遮光は難しいものであった。紙片も完全炭化した炭化物も親水性品は水中で容易に沈下する。オカラ炭素は多孔性で軽いが炭素の真比重が1,5より大で連通気泡が多く浮遊性加工は簡単ではない。水が細孔内に侵入するので長期間の浮遊は困難である。
これに対して紙、木質は見掛比重が1付近にあり、真比重は1.5付近以下であることを利用できる。半炭化物はこの中間に相当するものが多く利用できる。
一方薄い紙は透光性があるので黒色、濃色或は被覆性顔料、特定光波長を遮蔽する加工材料と撥水材料分散液を使用してもよく、塗布、浸漬、吹き付け、印刷、転写印刷するのが適当である。
薄い紙は重ねて厚み、空気包容性を増して加工してもよい。新聞紙の場合に応用できる。
加工して裁断し、裁断物を着色・撥水油脂、脂肪酸、その金属石鹸、蝋、パラフィン、公知の撥水剤、防水剤等で撥水、防水して浮揚性付与加工してもよい。
【0011】
分散液は蝋状材料、油脂、合成ポリマーが使えるが、比重1以下のものが好ましい。
脂肪酸、その金属石鹸は固体油脂分、配合液体油の低分子量成分のブリードと粘着を防止または軽減でき浮揚力を増し、調整できる。
これらを混合使用、塗り重ねができる。水性塗料、印刷インキ、墨汁(化学墨汁を含む)を均一塗布、或は印刷、乾燥して、着色し又は着色材料を含む油性インキ又は塗料で撥水加工してもよい。分散液は水性又は溶融液で公知の装置、器具、方法で塗布、又は浸漬加工できる。ロール紙や裁断紙に印刷するように塗布し乾燥固着後に撥水剤油脂、蝋、パラフィン、高分子物を塗布又は浸漬あるいは噴霧するのが品質の点で優れている。
【0012】
着色廃紙は防水或は撥水加工によって耐水遮光性にできる。牛乳、飲料、水の紙パックのように耐水性の厚手の紙は加工せずにそのまま裁断して使える場合があるが、切断面強化のために空加熱或は撥水剤添加、吹付け、浸漬、塗布、流動層噴霧、注入加工してもよい。
遮光性インキ、塗料は公知の技術により浸透性、毛細管の目詰め制御、付着性、耐水性、耐久性、柔軟性等それぞれの必要特性を制御しつつ付与できる。非毒性、生分解性、分解物の非毒性、環境適合性も公知技術によって付与することができる。
加工紙の無機物による目詰め加工自体は寧ろ親水化に近いが撥水加工することによって撥水性になり、木材チップ、かんな屑も同様に塗布、浸漬等によって遮光加工、撥水、防水加工して浮遊性薄片、細片遮光材料になる。省力化、コストダウン、未利用資源の活用、環境・廃棄物対策を同時に達成できる。
【0013】
廃紙は葉書、新聞紙、雑誌、広告、廃封筒、事務書類などが使える。
黒色加工は印刷物を墨汁、黒色インク、カーボンブラック、木炭、紙炭化物の微粉砕物等の炭素を保護コロイドと添着材を兼ねた膠、ゼラチン、ポバール、EVA強化であり得る。
分散媒は水、アルコール類、有機溶剤あるいはそれらの混合物を使うことができる。
酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤等の安定剤を使用してもよい。
シュレッダーにかけた廃紙も活用できる。薄く板上、ベルト上に薄く展張して押さえ網や布を利用し或は利用せずに噴霧、ロール、転写ロール、刷毛等で一度以上塗布し或は浸漬・脱液加工等公知の方法で製造できる。
【0014】
遮光材は紙片又は木質細片、切削片が扁平又は異形断面であり得る。
これは水面に展開した場合に風で空中に吹飛ぶのを防止するに有用である。
新品又は廃棄物である紙パック紙片に着色或は耐水加工し又はこれらの加工をすることなく所定の大きさの浮遊性紙片とし、糸や紐状連結手段で連結した浮遊性材料とすることができる。
【0015】
牛乳パックの原紙或は廃容器は展開し適当な大きさに裁断するとそのままで水面に浮遊するものがありこれ自体で展開して遮光材として使用できる。着色浮遊化加工もできる。
さらに線、紐等で連結すると風に吹き飛ぶことなく、水面からの回収は巻き取りによっても実施できる。隙間には他の薄片状又は細片状浮遊物、炭素細片或は粉粒、ペレット状の浮遊物で遮蔽できる。紙マルチ、ポリマルチと異なり、薄片状、細片状浮遊物同様に、人、機械の立ち入りが可能である利点を有する。
やや大きく広い薄片状又は細片状浮遊物連結の利点は展張、収納が容易で展張したままで除草剤、殺虫剤その他の散布作業が可能でしかも浮遊物自体に薬剤肥効物質を添着し、或は水面浄化材料を添着し必要によって容易に回収できることにある。線条材質は軽量で浮力を損なわないことが好ましい。
天然又は合成高分子、金属の糸、紐、金属線、テープ等で耐水性、対候性、対光性材料が好ましい。一本以上で線上に又は網状に綴ることができる。
線状に綴った後に要点で架橋線で連結してもよい。
【0016】
遮光材は本発明の薄片状又は細片状水面浮遊物材料として、バイオマスあるいはその炭化物、半炭化物を利用できる。それらは水面の大小区画に従い、風による吹き寄せ、吹き飛びを防止し、浮沈自在であるものが望ましい。浮子であって遮光材展張時には沈下して展張を助け、展張後には水面に顔を出して区画あるいは迷路を構成することもできる。
廃紙は少量ずつ多種類収集されることが多く、同種のものでも品質、形態が多様でしかも分散発生源から得られる。このような原料を浮遊化するために比重が軽い油、蝋類、パラフィン、ポリエチレンを使用するのが容易かつ適当である。木質も撥水と必要によって、目詰め処理して容易に利用できる。紙片に浮揚材として付着させることもできる。
【0017】
多種類、雑多な紙片を均一化のために半炭化して原料とすることもできる。流動層(或はスパウテッド層、以下同じ)装置で熱処理又は炭化、半炭化、高温乾燥するのが適当である。流動層は温度制御性、均一性が優れているためである。
【0018】
研究の結果炭化と半炭化の境界付近の温度及び処理時間で熱処理し、疎水性材料で疎水化処理又は/及び目詰め処理に適しさらに本発明で油脂分添加、撥水化処理することができる。適当な条件はタール分、臭気、発煙の有無と工業分析による揮発分と加工品の浮沈試験で決めることができる。特に浮沈試験によるのが簡単である。
【0019】
半炭化で自己発生の疎水性油分で浮遊性の付与ができる。増強に疎水性物質(撥水剤、撥水撥油剤等を含む)を使用することができる。紙片、や半炭化物等の表面に撥水材料等を付着し或いは吹き付けるために、書類裁断機からの裁断片を皿、ベルトコンベヤー上に展張し、或いは流動層、振動流動層、撹拌流動層、噴流層、或はスパウテッド層、強撹拌混合機を利用することができる。接触がよく均一に処理でき、均一な表面処理になるためである。疎水性物質を付着しての均一熱処理撥水性制御、製品品質と均一性、配合性制御とも流動層装置は容易である。
【0020】
(薄片、フレークの炭化と効用)枯葉は堆肥の他未利用資源として大量に存在する。その粉砕物は粉砕条件により鱗片状であって、片状形態を残す炭化物は水面に扁平に浮く。この状態では紙片同様に浸水の静水圧が小で撥水性が弱くても浸水速度が小で、比較的長時間浮遊する。有機質原料の種類によって、半炭化でタール分を残しているだけで数日間浮遊させることができる。茶、焦茶乃至黒色でしかもタール分が残留する条件は流動層による210乃至300℃付近の適当な温度域の所定温度、所定時間の半炭化によって達成できる。この条件は実験によって容易に選ぶことができる。本発明により目詰又は/及び撥水加工処理すれば容易に浮遊性片にできる。原料として単一粒子又は成型品の見かけ比重1以下ならば本発明により長期浮遊化可能とみられる。これらの炭化物、半炭化物は例えばタール、ピッチ、澱粉、食品排水の活性汚泥、パルプ廃液、合成又は天然高分子、糖蜜等を粘結材或は目詰め材として必要により炭化等の熱処理をして浮遊材料にできる。
【0021】
目詰め補助材として不溶性の沈殿、微粒子、カーボンブラック、煤、炭素微粒子、木粉、ベントナイト、有用成分を含ませて補強してもよい。カーボンブラック、微粉末活性炭、煤、微粉末炭等は疎水性の撥水剤、その他ポリマーと併用して黒着色剤、目詰め材を兼用できる。これらによって水浸漬時の水の細孔への侵入を阻止し又は侵入速度を調整し沈下速度や沈下比率を調整できる。このような技術は従来存在しなかった。水の浮遊材料中への侵入を制御できることは、薬液等の漏出拡散を制御できるものであり、薬剤、肥効成分等の徐放性を発現できる。
そして効果を発揮して駆除の後には水流又は水面掃引き、循環濾過で浮遊物を回収でき必要以上の薬剤曝露を防止できる。
【0022】
疎水化加工において、撥水剤又は防水剤、疎水性のパラフィン油、固体パラフィン、ステアリン酸等の脂肪酸或はその金属塩等は油脂類のべたつき軽減に役立つ。
疎水性物質の付着量は乾燥物に対して3倍程度以下が適当である。浮遊性能と加工効果によって決めることができる。条件により疎水化材料は浮遊性粉粒又は成型物の0.01乃至5%程度まで抑制できる。真比重が1より大な炭化物や成型物では浮力維持に空気その他気体が入った細孔、空孔、空隙を余分に必要とし、比重1より大な油脂等の耐水、撥水、疎水化剤、目詰め材で満たさないことが好ましい。目詰めが効率よく行われるように条件を設定する。とくに仕上げの疎水化材料による表面加工は固体気体の接触効率が優れている流動層を利用するのが好ましい。また少量の比重1より軽い疎水化剤の使用が好ましい。
【0023】
浮遊化処理の材料選択と配合、処理程度によって浮遊時間を分単位の短時間から時間、週単位乃至月単位の期間、水面又は水底を均一被覆する遮光材料を得ることができる。従来法は浮くか、沈むかの何れかであった。本発明では沈降時間を加減することによって、水面に展張の後に一定比率で沈下させて水面と水底を同時に均一に遮光被覆できる。
全部沈下させ水底だけ被覆することもできる。これは薬剤散布に有利である。
(イ)遮光性、(ロ)薬剤或は肥効成分徐放性、(ハ)微生物徐放性の種類、(二)希釈搬送用、のように種類、機能が異なる浮遊性紙片、薄片、細片(粉粒又は成型物を含む)の1つ又は混合物を使用して、水面に展張し所定時間後にその一部又は全部を沈降させて水底に散布し又は水面に滞留させ所定時間後に回収することもできる。
【0024】
浮遊物製造と使用にあたって継続的浮遊、一時的浮遊、一定割合沈降或は全量沈降の時間を制御でき、2種以上の機能や多様な沈降時間を有する浮遊性紙片、薄片、粉粒、フレーク、ペレット、凝集塊等を混用できる。遮光用或は農薬、肥効成分等の含有紙片、粉粒又は成型物ペレット、フレーク等はそれを飛散させずに均一展張し或は薬剤の均一投与、オイルフェンス等や隔壁を利用して特定域投与を可能にする。回収用或は仕切り用隔壁、管は浮体でもよいので粉剤や農薬噴霧の飛散防護幕に比べて簡便である。また光透過率ゼロから部分透過光があるように任意随時に堆積厚み、粗密分布、各種の遮光性能が異なる製品で調整でき、除草或は、雑草、藻類、プランクトン抑制用の調節可能の遮光層を省力的に低コストで構成できる。
本発明の浮遊性紙片、薄片、細片に殺虫剤、殺菌剤を封入又は含浸したものを、水面展開の後に沈降させ、蚊の幼虫や有害生物、細菌が生息する底質付近の所望範囲に均一に薬剤濃度を高く投与でき、生息域全部に少量の薬剤で制御できる。多少の水流れがあってもよい。
【0025】
水面の遮光層は穴や偏りができても自己修復作用が特徴である。遮光性が不足すれば容易に補充できる。長時間水面に浮遊するものも得られ、水面及び水底を覆い黒色乃至濃色炭化物で透過率ゼロから部分透過光を許容するように構成することもできる。薄い色で反射率が高いタルク、ベントナイト、顔料を低温加熱処理で紙片等に付着できる。
浮遊物の平面的偏りを防止するために前記線状連結手段又は例えば梯子状の区画網を使用できる。
【0026】
回収が容易にできるのも特長である。使用済材料の効率的回収と利用を可能にする。上記課題の解決に共通して比較的安価な廃紙等の原料を使用して、配合も含めて、原料、製品、用途ともに融通性が高い。
【0027】
薬剤散布にこのような性質を利用できる。即ち浮遊材紙片、粉粒等に薬剤や肥料、肥効成分、微量成分、微生物等を工程の任意の適当な段階で封入又は含浸で包含させて徐放性によって水面又は/及び水底に均一に薬剤を散布することもできる。遮光による雑草防除、赤潮、藻等の防止とこれら物質の散布を同時に達成することもできる。細片状オカラ炭化物、半炭化物の浮遊材は遮光、散布性能と自身の肥効性能を同時に発揮させる特徴がある。浮遊材は容易に水流にのせ、或はフェンスで回収できる。さらに親油疎水性の加工紙片、植物性細片はこれらの性質を利用して水面浮上油の回収に便利に利用できる。遮光用材料としての貯蔵品は融雪促進剤、遅延材、油流出時に転用でき緊急用としての特別貯蔵なしに活用できる。なお本発明の浮遊材紙変、粉粒、フレーク等の成型物は疎水性物質で水からの分離濾過が容易な利点を有する。
【0028】
図1は水田、水面、又は溝、暗渠であってもよい水路の水面に薄片状又は細片状水面浮遊物を展帳する装置の例である。田の畦や通路に浮遊物貯槽とこれに連結した供給機構とからなる添帳装置の移動機構と水流による送り機構又は水面揺動機構を具備する。
粉粒貯槽1から浮遊性粉粒等をダンパー3で調整しつつ水面6に供給する。落下速度の慣性で水面を浮上状態で滑走しシュート形状によって帯状又は扇状に拡がる。薄い堆積層を形成するが部分的偏りがある場合には、水面に、送り水流、振動、波動、揺動等を与える。
位置移動、方向変更、多孔管、溢流分配樋での薄片状又は細片状水面浮遊物供給、水流分配管13から田方向水流にのせて展張できる。2の供給点を1箇所以上の少数点にする場合にはシュート及び/又は水流分配管の噴出方向を複数方向にし若くは首振り運動させて分散効率を上げることもできる。
【0029】
図2は水面に層上に重なり形成した遮光層、飾り層の断面である。層厚みと重なりは遮光性、装飾性に影響する。
【0030】
紙片、粉粒等の浮遊性物機能体の使用にあたって混合使用が可能である。継続的浮遊、一時的浮遊、一定割合或は全量が沈降する時間を制御でき、均一平面的分散を飛散させずに可能にする。これに撥水性或は疎水性を付与すると一定時間浮遊することがわかった。この性質は沈降時間制御によって農薬、除草剤、殺菌剤等の水面、水底への集中に使える。水底の雑草発芽阻止、芽の生育阻害、殺菌、殺菌剤、肥料、農薬の稲の根への供給に利用できる。これは時間乃至日単位の短期間から少しずつ長期間に亘って沈降させることができる。食品製造の副生物である例えばオカラ炭素、コーヒー、お茶等の抽出残渣、木材加工屑、バイオマスである葉、落葉、小枝等の薄片、細片それらの炭化物、は通常親水性である。これらに本発明を適用すると気孔への浸水速度を10分乃至24時間程度の短時間抑制ができる。長時間浮遊性も付与できる。
【発明の効果】
【0031】
紙片、枝葉、木質薄片、それらの炭化物、半炭化物、熱処理物を撥水或は疎水化加工し要すれば目詰め加工して遮光性、装飾性、農薬、肥効成分徐放性薄片、粉粒、成型物を得た。浮遊時間、沈降時間も自由に調整できた。
水田の雑草発生、生育を防止し除草剤不使用乃至節約できる。
徐放性吸着剤乃至カプセル類似の性能を付与できる。しかも浮遊と沈降によって水面、水底、水層の農薬、肥料の濃度を必要箇所に集中できる。害虫駆除も可能。
その浮遊性と要すれば水面の振動、波動、機械的均し等で均一に展開でき、過剰の農薬、肥料を使わずに済む。
未利用の農林水産資源、都市、事務所の生ゴミ、紙屑等の有機ゴミを活用できる。
被覆加工、炭化、半炭化に、流動層、スパウテッド層、振動流動層等の選択利用によって均一製品を得、油脂等の撥水、防水剤、被覆材料、浸漬、目詰め材料等を節約できる。
沈降性能、農薬性能、肥効の異なる浮遊材料を選択し又は配合して使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
8個の実施例について説明する。
【実施例1】
【0033】
A4用の茶封筒片面に市販墨汁を表裏黒色に塗布し、乾燥の後にステアリン酸を溶解した試薬用牛脂を融解塗布し冷却した。溶解及び塗布温度は100℃であった。
茶封筒は2.7グラム、墨汁の固形分付着量1.1グラム、上塗り牛脂組成物は、ステアリン酸0.8グラムと牛脂1.4グラムからなる組成物であった。この溶融撥水剤を塗布し冷却した黒色の加工紙を裁断機にかけて3mm角の細片状水面浮遊物とした。水を張った容器水面一端にこの製品を供給して匙で展開し遮光性薄層を形成した。30日後の浮遊物残留率は95.8%で1乃至3枚重ねに相当する黒色遮光性薄層を保持していた。
市販墨汁は、ポバールを膠質分散安定剤としカーボンブラックを含むものである。
ポバールの代わりに膠、ゼラチン、親水性ポリマーを含んでもよく、カーボンブラックの代りに煤、植物性炭化物粉砕物、微粉炭、粉末活性炭、無機物炭カル等の充填材あるいはこれらの混合物、粒子粒度を組合せて目詰め効果をもたせたものでもよい。加工紙として原紙或は加工材料に添加剤表面加工剤を含んだものも同様に加工できた。紙の適性は試験加工し浮遊試験によって判別できた。
(対照例)牛脂による撥水処理しない紙片は水に入れると30分以内に90%沈下した。
【実施例2】
【0034】
実施例1で原紙としてA4のPPC廃紙を使用し、後は同様とした。第一段階のポバール含有墨汁固形分は紙4.0グラムに対し0.3グラム、上塗り牛脂組成物は、ステアリン酸カルシウム4.2グラムと牛脂4.2グラムからなる組成物であった。30日後の浮遊物残留は93.3%で黒色遮光性薄層を保持していた。
【実施例3】
【0035】
実施例1で原紙として新聞紙をA4に切り、後は同様とした。第一段階としてポバール含有墨汁固形分は紙2.9グラムに対し0.3グラム使い、上塗り牛脂組成物は、12.2%ステアリン酸を含む牛脂1.8グラムを塗布した。30日後の浮遊物残留率は85.2%であった。
黒色遮光性薄層を保持していた。
紙の撥水処理においてシリコーン樹脂系撥水剤の代りに流動パラフィンを使用した場合、4g炭化物に流動パラフィンを噴霧して0.3g付着させた。30日後の浮遊物残留率は93.3%で黒色遮光性層を保持していた。
【実施例4】
【0036】
実施例3で原紙として廃棄はがきを使用し、後は同様とした。第一段階のポバール含有墨汁固形分率は同じで、紙2.9グラムに上塗り牛脂組成物は、12.2%ステアリン酸を含む牛脂0.7グラムを塗布した。30日後の浮遊物残留は85.2%で黒色遮光性薄層を保持していた。
撥水処理においてシリコーン樹脂系撥水剤の代りに流動パラフィンを使用した。4g炭化物に流動パラフィンを噴霧して0.3g付着させた。30日後の残留浮遊物は93.3%で黒色遮光性薄層を保持していた。
【実施例5】
【0037】
実施例1乃至4の原紙、廃紙の代りに裁断機にかけた紙細片を耐水耐溶剤板に薄く拡げてロール塗装の要領で墨汁を塗装し、余剰墨汁を分離し乾燥後に同様に撥水材を塗布処理した同様の結果が得られた。ベルトコンベヤー上で塗装し、後に分離乾燥し再びベルトコンベヤに拡げつつ撥水塗装することもできる。
余剰墨汁、撥水剤は回収できる。
【実施例6】
【0038】
実施例1で原紙の代わりにオカラ炭化物を使用し、後は同様とした。第一段階のポバール含有墨汁用加工液は市販墨汁液に比較的粗なカーボンブラック粒子又は植物性炭化物粒子を加え目詰め効果を強化した。微粒固形分は炭素7グラムに0.1グラム、撥水用牛脂組成物は、12.2%ステアリン酸を含む牛脂7グラムを散布浸漬した。30日後の浮遊物残留は85.2%で黒色遮光性薄層を保持していた。
炭素、炭化物或は半炭化物の性質によって、第一段階の膠、ゼラチン、ポバール等で例示される保護コロイド成分兼目詰め粒子分散剤兼黒色或は着色、反射、蛍光材、粒子等は試験によって容易に組成を調整できる。
撥水剤は牛脂、豚脂等の動植物油脂、脂肪酸、蝋、パラフィン、シリコーン樹脂系又はフッ素系撥水剤の一つ又は混合使用ができるのは当然である。
オカラ炭化物、コーヒー抽出滓、同炭化物、市販木炭、お茶殻粉炭、鋸屑素灰、粉末活性炭、等を撥水防水浮遊化加工した。製品は7日乃至1月の長期間水面に浮遊させることができた。
【実施例7】
【0039】
前記遮光浮遊紙片で水面を覆った状態で水排出堰を僅かに引き上げ堰底部から網を併用して水だけ排出できた。堰板底部から上の水中に排出口を設けた場合には底部の沈降物と浮遊材料を分離しながら水だけ排出でき、水入れ替えができた。
【実施例8】
【0040】
半数の軽度の撥水処理した浮遊紙片と牛脂による撥水浮遊化処理した紙片(いずれも事務廃止シュレッダー廃紙)にピレスロイド殺虫材を吹きつけ添着した浮遊紙片混合物を水槽水面に散布して浮かせた。半数の処理紙片は30分以内に槽底に沈降し、残り半数は水面に継続して1週間浮遊し、ボウフラを駆除できた。水面の浮遊紙は網で容易に除去できた。水底の半浮遊紙は撹拌によって舞い上がり容易に網で分離できた。
未処理の紙片は水底に張り付き除去は簡単ではなかった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
水面遮光、水面装飾、池、小型又は大型水槽、水田、一時湛水の畑や土地、水耕栽培、湖沼、道路側溝、溜り水等を、遮光紙片、浮遊粉粒、成型品のひとつ又は組み合わせで覆うことができる。均一に水底に沈めて薄く堆積することもできる。展張した紙反やフイルムと異なり遮光した水田や湖沼に自由に出入りでき、水流や改修機で回収することもできる。これによって、雑草、藻抑制用遮光材、徐放殺虫剤、農薬散布、施肥ができる。また、水面を被覆できる薄色の浮遊粉粒、成型物、あるいは紙片加工品は水分蒸発抑制等にも利用できる。揮発性の無害な撥水剤を利用して吸着剤の広範囲散布、また、炭素以外の無機性発泡体の均一展張、建材の製造にも応用できる。多様、大量集積できる原料だけでなく、零細な未利用資源の炭化や熱処理による原料化も可能であり、収集運搬原燃料化と利用を容易にする。
機械パルプ紙はリグニンを含むものは土壌への本発明細片すき込みして土壌改良材になるので焼却を要せず廃物処分の負担軽減になる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】遮光性水面被覆材供給機、水田その他水面断面図
【図2】水面に遮光性浮遊層を形成した着色紙片、粉砕枯葉、紙片炭化物細片等加工物の側面視断面
【図3】水面浮遊材断面図 紙片内毛管、紙繊維間等に固着した粒子と紙繊維
【図4】水面浮遊材断面図 紙片表面墨汁加工層、その外表面に固着した固体油脂層の関係
【符号の説明】
【0043】
1 貯槽、2 浮遊性粉粒、ペレット、3 ダンパー、4 シュート、5 振動機、
6 水、12 水底に沈積した紙片、粉粒、13 水流分配管、
14 循環水分散供給用堰又は多孔管、15 移動手段、
17 循環水吸引管又は浮遊紙片材料回収用溢流堰、溝付吸引管又は多孔管、濾過管
24 微細開口、27,28 浮遊体の細孔空間
31 墨汁残留炭素層、32 付着した撥水又は防水油脂層
33 目詰め材料の立体網目構造、
34 疎水加工剤又は自己発生疎水性物質層
36 水面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面に浮遊する遮光、蒸発防止、水質浄化、餌又は装飾用材料、或は濾過材料において、有機材料薄片を基材とし、これを保護膠質となる有機材料と着色材料又は目詰め粒子を含む溶液で処理し乾燥の後、撥水又は耐水処理し、或は該溶液処理と撥水又は耐水処理を同時にした薄片状又は細片状水面浮遊物。
【請求項2】
有機材料薄片が、紙、布、不織布、竹、木の薄片、鉋屑、枝葉、枯草、セルローズ、リグニン或は比重1以下の浮揚し得る着色有機高分子薄板細片から選ばれた1つ又は組合せを基材とする請求項1記載の薄片状又は細片状水面浮遊物。
【請求項3】
保護膠質を含む液は水、溶剤、油脂から選ばれた1つ又は混合物溶液又はエマルジョンであり、保護膠質として膠、ゼラチン、ポバール、アクリル樹脂、カゼインから選ばれたものであり、撥水剤は油脂、脂肪酸、脂肪酸の金属石鹸、脂肪アルコール、蝋、パラフィン蝋、植物油、プラスチック、タンパク質、塗料用膠性材料流動パラフィン、固形パラフィン、撥水性脂肪酸、撥水性脂肪酸石鹸、油脂、ポリシロキサン、シリコーン化合物、フッ素系撥水剤、タンニン、タンニン酸、タンニン酸反応物、蝋から選ばれた1つ又は組合せであり、目詰め粒子又は基材が着色材料、澱粉、セルローズ又はリグニンの微細片、し尿処理残渣中の紙質、廃紙再生紙、再生時の微細片、コーヒー、茶葉抽出物或はそれらの粉砕物、炭化物、半炭化物から選ばれた1つまたは組合わせであり、付着、被覆又は含浸から選ばれた1つ又は組合わせ加工された請求項1記載の薄片状又は細片状水面浮遊物。
【請求項4】
着色材料がカーボンブラック、炭化物、半炭化物で着色又は遮光加工された請求項1記載の水面浮遊性物薄片状または細片状水面浮遊物。
無機性粉粒であって比重1以下の油脂、蝋、疎水性脂肪酸、パラフィンから選ばれた1つ又は組合せによる疎水加工によって粉粒を疎水化する請求項1記載の薄片状又は粉粒状水面浮遊物。
【請求項5】
紙、布を黒色、褐色乃至任意の色に印刷又は塗布の後に裁断し、撥水処理する請求項1又は2記載の薄片状又は細片状水面浮遊物。
【請求項6】
紙、廃紙、液体用紙容器又はそれらのシュレッダ細片の新品または廃棄物であり浸漬又は転写によって遮光性、着色及び浮遊化加工した請求項1又は2記載の薄片状又は細片状水面浮遊物。
【請求項7】
浮遊性薄片を薄層又は厚層に堆積して水面に浮かせて遮光し水循環、通気、支柱、紐、網を併用してもよい水耕栽培用の請求項1乃至6記載の薄片状又は細片状水面浮遊物物。
【請求項8】
水面付近に浮遊して水面を覆い又は/及び所定時間浮遊の後全部又は一部が水底に沈下して遮光し草、藻、プランクトン、有害生物を制御除去する請求項1乃至8記載の薄片状又は細片状水面浮遊物。
【請求項9】
水面に浮遊させ遮光、薬剤投与、油分吸着から選ばれた作業に利用した浮遊性物を水と共に吸引して濾別し又はサイクロン分離し、分離した浮遊性物を再利用し又は再生加工して得た請求項1乃至8記載の薄片状又は細片状水面浮遊物。
【請求項10】
水田、水面、又は溝、暗渠であってもよい水路の水面に薄片状又は細片状水面浮遊物を展帳する装置において、田植機に装備した浮遊物貯槽とこれに連結した供給機構と添帳
装置の移動機構と水流による送り機構又は水面揺動機構を具備する薄片状又は細片状水面浮遊物を水面に展張する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−45556(P2009−45556A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213874(P2007−213874)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(391004816)
【出願人】(506097210)
【Fターム(参考)】