説明

衛生洗浄装置のリモートコントローラ

【課題】作動電源を無電源で確保することができ、その結果、電源コードを不要となし、トイレ室内におけるリモートコントローラの配置場所を正面壁位置等の使用し易い位置に配置することができ、また、選択スイッチの情報を無線で便器に配設された衛生洗浄装置の受信器へと通信して、選択モードに合致した衛生洗浄及び乾燥等を実行することができる衛生洗浄装置のリモートコントローラを提供する。
【解決手段】トイレ室に配置され、便器内に洗浄水を流すスイッチと、衛生洗浄装置の制御を行うスイッチと、を有する衛生洗浄装置のリモートコントローラの作動電源を自己発電可能な圧電発電装置で構成し、該圧電発電装置で発電された電力により、選択された上記スイッチ情報を無線で便器の衛生洗浄装置へと送信することで、衛生洗浄装置を制御可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置のリモートコントローラに係り、特に、リモートコントローラの作動電源を無電源方式とし、該リモートコントローラの選択スイッチ情報を無線で便器の衛生洗浄装置へと送信することができ、便器から離れた位置でもコードレスの状態で配置することができる衛生洗浄装置のリモートコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衛生洗浄装置におけるリモートコントローラは、例えば、特許文献1に示すように、水勢調整スイッチ、おしりスイッチ、停止スイッチ、ビデスイッチ、乾燥スイッチおよび水勢表示パネル等を備えて構成されているのが一般的である。
【0003】
おしりスイッチは、使用者がおしりを洗浄する場合に押下され、ビデスイッチは、使用者がビデ洗浄を行う場合に押下される。停止スイッチは、使用者が洗浄を終了する場合に押下され、乾燥スイッチは、使用者が局部を乾燥させる場合に押下される。水勢調整スイッチは、使用者が局部に噴出される洗浄水の水勢を調整する場合に押下される。水勢表示パネルは、使用者による水勢調整スイッチの押下操作に応じて、現在の水勢の状態を棒グラフ状に多段階に表示する。使用者は、水勢表示パネルの表示を視認することにより、「水勢が最大である」、「水勢が最小である」または「水勢が標準的である」等、現在の水勢の状態を容易に把握することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−105832号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の衛生洗浄装置のリモートコントローラにあっては、該リモートコントローラの作動電源を、電池や家庭電源に頼っているため、経時使用するときには電池の交換が必要となり、また、家庭電源を用いる場合には、近くにコンセントがない場所では使用することができないという配線上の不便さを有していると共に、この電源コードが存在することにより、リモートコントローラの配置場所が規制される、という問題を有していた。
【0006】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、衛生洗浄装置のリモートコントローラの作動電源を無電源で確保することができ、その結果、電源コードを不要となし、トイレ室内におけるリモートコントローラの配置場所を、例えば、便器に着座状態で手を伸ばせる正面壁位置等の使用し易い位置に配置することができると共に、リモートコントローラの選択スイッチの情報を無線で便器に配設された衛生洗浄装置の受信器へと通信して、選択モードに合致した衛生洗浄及び乾燥等を実行することができる衛生洗浄装置のリモートコントローラを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、この発明に係る衛生洗浄装置のリモートコントローラは、請求項1に記載したように、トイレ室に配置され、便器内に洗浄水を流すスイッチと、衛生洗浄装置の制御を行うスイッチと、を有する衛生洗浄装置のリモートコントローラの作動電源を自己発電可能な圧電発電装置で構成し、該圧電発電装置で発電された電力により、選択された上記スイッチ情報を無線で便器の衛生洗浄装置へと送信することで、衛生洗浄装置を制御可能に構成したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生洗浄装置のリモートコントローラを技術的前提とし、前記圧電発電装置を、少なくとも一の板状に形成された圧電セラミックス体と、バネ材で形成された基部材と、該基部材の端部に固定された鋼球支持弾性体と、この鋼球支持弾性体の両端部にそれぞれ固定されて上記圧電セラミックス体を殴打して該圧電セラミックス体に衝撃を与える鋼球と、で構成し、上記衛生洗浄装置の制御スイッチを押圧したときに、該押圧力をスイッチ押圧力変換装置で上記圧電発電装置の殴打体への殴打力に変換して上記鋼球の一方を殴打して振動させ、他方の鋼球がその共振作用によって往復振動を連続して発電が繰り返されるように構成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の衛生洗浄装置のリモートコントローラを技術的前提とし、前記鋼球支持弾性体は、基部材から同じ長さを有して同基部材に固定されていると共に、該基部材の両端部に固定される鋼球も、ほぼ同じ形状・重量で形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の衛生洗浄装置のリモートコントローラを技術的前提とし、前記スイッチ押圧力変換装置は、スイッチ体と、このスイッチ体の係止片部と係合する回転リンク体と、この回転リンク体の端部に形成された殴打部と、上記回転リンク体を圧電発電装置の鋼球から離反する方向に付勢するバネ、とから構成されており、スイッチ体を押圧してスイッチ体の係止片部を回動させて回転リンク体の係合部を押圧し、該回転リンク体1をバネの付勢力に抗して上記鋼球に近づく方向に回動させることで、該回転リンク体の殴打部が鋼球を殴打し、自己発電が開始されるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の衛生洗浄装置のリモートコントローラを技術的前提とし、前記スイッチ押圧力変換装置は、スイッチ体と、このスイッチ体の係止片部と係合する回転リンク体と、この回転リンク体の端部に形成された殴打部と、上記回転リンク体を圧電発電装置の鋼球から離反する方向に付勢するバネと、上記回転リンク体の回転作動に同期して回動するように配設された従動リンク体と、上記回転リンク体と従動リンク体とを連結するロッドと、から構成されており、スイッチ体を押圧してスイッチ体の係止片部を回動させて回転リンク体の係合部を押圧し、該回転リンク体1をバネの付勢力に抗して上記鋼球に近づく方向に回動させることで、該回転リンク体及び従動リンク体の各殴打部が1対の鋼球を夫々殴打し、自己発電が開始されるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明にあっては、トイレ室に配置され、便器内に洗浄水を流すスイッチと、衛生洗浄装置の制御を行うスイッチと、を有する衛生洗浄装置のリモートコントローラの作動電源を自己発電可能な圧電発電装置で構成し、該圧電発電装置で発電された電力により、選択された上記スイッチ情報を無線で便器の衛生洗浄装置へと送信することで、衛生洗浄装置を制御可能に構成したので、衛生洗浄装置のリモートコントローラの作動電源を無電源で確保することができ、その結果、電源コードを不要となし、トイレ室内におけるリモートコントローラの配置場所を、例えば、便器に着座状態で手を伸ばせる正面壁位置等の使用し易い位置に配置することができると共に、リモートコントローラの選択スイッチの情報を無線で便器に配設された衛生洗浄装置の受信器へと通信して、選択モードに合致した衛生洗浄及び乾燥等を実行することができる。
【0013】
請求項2及び請求項3に記載の発明にあっては、簡単でかつ安価な機構により鋼球の打撃力を、簡単かつ小型の圧電発電装置で連続的に繰り返して得ることができるので、従来の圧電発電装置の数十倍という発電力が得られ、衛生洗浄装置のリモートコントローラの作動電源として十分な発電力が得られる、という効果が得られる。
【0014】
請求項4に記載の発明にあっては、直線方向に押圧力を付与しても、この押圧力をリンク体の回転方向の力に変換して、この変換された力でリンク体を回動させることで、該リンク体の端部に形成された殴打部で圧電発電装置の鋼球を殴打するように構成したので、圧電発電装置をリモートコントローラ内の空間部に収納可能な小型、かつ薄型に形成することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明にあっては、圧電発電装置を並列に並べて構成し、この圧電発電装置の各鋼球を、2つの協働するリンク体によって殴打するように構成したので、請求項4に記載の圧電発電装置で得られる発電量の2倍の電力を得ることができ、実用レベルの電力を簡単な構成で得ることができると共に、一方の電力をリモートコントローラ用電源とし、他方の電力を通信用電源と使用することができ、或は、一方が故障したとしても、夫々がリモートコントローラ用電源と通信用電源として十分な発電量を確保できるので、故障によるトラブルの心配も少なく、また、メンテナンスも容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に示す発明の実施例に基づき、この発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1乃至図8は、この発明の実施例1に係る衛生洗浄装置Wのリモートコントローラ1を示しており、便器1上に上記衛生洗浄装置Wが装着される。タンク3は、水道配管に接続されており、便器1内に洗浄水を供給する。
【0018】
衛生洗浄装置Wは、リモートコントローラ1、本体部4、便座部5および蓋部6により構成される。
【0019】
本体部4には、便座部5および蓋部6が開閉自在に取り付けられる。さらに、本体部4には、ノズル部7を含む洗浄水供給機構が設けられるとともに、制御部が内蔵されている。本体部4の制御部は、無線を介してリモートコントローラ1と通信可能に接続されており、後述するようにリモートコントローラ1より送信される信号に基いて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、本体部4の制御部は、便座部5に内蔵されたヒータ、本体部4に設けられた脱臭装置(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御も行う。
【0020】
図2と図3は、上記リモートコントローラ1の一例を示す模式図である。図2及び図3に示すように、リモートコントローラ1は、トイレ室内の壁面に固定されるベース部1Aと、このベース部1Aに対して接離自在に配置されたパネル部1Bと、該パネル部1Bを常態においてベース部1Aから離れる方向に付勢するバネ1Dと、から構成されてなり、上記パネル部1Bには、スピーカ8、水勢調整スイッチSW4,SW5、おしりスイッチSW6、停止スイッチSW1、ビデスイッチSW2、乾燥スイッチSW3、水勢表示パネル9A、噴出状態表示パネル9Bが配置されていると共に、上記ベース部1Aの空隙部には自己発電可能な圧電発電装置30が配設されて構成されている。
【0021】
上記各スイッチは、使用者により調整スイッチSW4,SW5、おしりスイッチSW6、停止スイッチSW1、ビデスイッチSW2および乾燥スイッチSW3が押下操作されると、圧電発電装置30が後記する手順によって自己発電を行ない、この電力を利用して、リモートコントローラ1の制御部1Cは、衛生洗浄装置Wの本体部4に設けられた制御部に所定の信号を無線で送信する。これら各スイッチのIDは、制御部1Cで判別される。本体部4の制御部は、リモートコントローラ1より送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
【0022】
例えば、使用者が、おしりスイッチSW6またはビデスイッチSW2を押下操作することにより図1の本体部4のノズル部7が移動して洗浄水が噴出する。停止スイッチSW1を押下操作することによりノズル部7からの洗浄水の噴出が停止する。
【0023】
また、乾燥スイッチSW3を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置Wの温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。
【0024】
水勢調整スイッチSW4,SW5は、使用者が局部に噴出される洗浄水の水勢を調整する場合に押下される。例えば、使用者が強い水勢で局部を洗浄したい場合、使用者は水勢調整スイッチSW4を押下する。これにより、使用者は強い水勢で局部を洗浄することができる。また、使用者が弱い水勢で局部を洗浄したい場合、使用者は水勢調整スイッチSW5押下する。これにより、使用者は弱い水勢で局部を洗浄することができる。
【0025】
水勢表示パネル9Aは、上記に示す水勢調整スイッチSW4,SW5の押下操作に応じて、現在の洗浄水の水勢の状態を棒グラフ状に多段階に表示している。ここで、洗浄水の水勢は、ノズル部7より噴出される洗浄水の平均流量(洗浄水の周期的な圧力変動における変動中心の圧力)を示している。使用者は、水勢表示パネル9Aの表示を視認することにより、「水勢が最大である」、「水勢が最小である」または「水勢が標準的である」等、洗浄水の水勢を容易に把握することができる。
【0026】
噴出状態表示パネル9Bは、上記に示す水勢調整スイッチSW4,SW5の押下操作に応じて、現在の洗浄水の噴出状態(圧力変動の状態)を波形により表示している。使用者は、噴出状態表示パネル9Bの表示を視認することにより、「洗浄水の圧力変動幅が大きい」または「洗浄水の圧力変動周期が小さい」等、洗浄水の圧力変動の状態を容易に把握することができる。
【0027】
スピーカ8は、上記水勢調整スイッチSW4,SW5の押下操作に応じて、現在の洗浄水の圧力変動の状態を音声出力する。例えば、使用者が水勢を最も強くなるように調整する場合、スピーカ301は「圧力変動幅最大、圧力変動周期最小です。」というような音声出力を行う。このような音声出力は、使用者による水勢調整のたびに行われる。
【0028】
衛生洗浄装置Wの本体部4は、特に図示はしないが、制御部と、分岐水栓、ストレーナ、逆止弁、定流量弁、止水電磁弁、流量センサ、熱交換器、温度センサ、ポンプ、切替弁および前記ノズル部7を含んで構成されており、これら各構成の作用は公知のものと同様であるので、その詳細な説明をここでは省略する。尚、上記本体部4の制御部は、リモートコントローラ1から送信される信号、流量センサから与えられる測定流量値および温度センサから与えられる温度測定値に基き止水電磁弁、熱交換器、ポンプおよび切替弁に対して制御信号を与える。また、ノズル部7は、本実施例1では、おしりノズル、ビデノズルおよびノズル洗浄用ノズルを含むものとする。
【0029】
次に、上記したように、本実施例1では、リモートコントローラ1の駆動電源として、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えた圧電発電装置30と、スイッチSW1乃至SW6の押圧力を圧電発電装置30の殴打力に変換するスイッチ押圧力変換装置100が用いられていることを特徴とする。
【0030】
このスイッチ押圧力変換装置100は、図3乃至図5に示すように、ベース部1Aの空隙部に配設されたスイッチケース31と、該スイッチケース31に軸101を介して回動自在に軸支された断面が略く字状のスイッチ体102と、このスイッチ体102の係止片部103と係合する回転リンク体104と、この回転リンク体104の回動に同期して回動するように配設された従動リンク体105と、上記回転リンク体104と従動リンク体105とを連結するロッド106と、上記回転リンク体104の自由端部に形成された突起107がスライド自在に係合される長溝108を有するガイド体109と、から構成されており、上記回転リンク体104と従動リンク体105の各先端部に、圧電発電装置30の鋼球43,43Aを殴打する殴打部110,111が配設されて構成されている。そして、上記スイッチ体102の上端部が前記パネル部1Bの裏面に当接した状態で配設されている。尚、図中符号112は回転リンク体104の支軸を、符号113は従動リンク体105の支軸を、符号114は、回転リンク体104を常態において殴打体110から離反する方向に付勢するバネを、符号115はガイド体109の支軸を夫々示している。
【0031】
このように構成されたスイッチ押圧力変換装置100は、パネル部1Bにスイッチ押圧力Fが作用することで、該パネル部1Bの裏面に配置されたスイッチ体102がベース部1A方向へ押圧される。この押圧力によりスイッチ体102は軸101を中心として回転し、これに伴いスイッチ体102の係止片部103が回動し、回転リンク体104の係合部104aが押圧されるので、該回転リンク体104は、バネ114の付勢力に抗して軸112を中心として図5反時計方向へと回動し、該回転リンク体104の殴打部110が鋼球43を殴打し、自己発電が開始される。勿論、この回転リンク体104の上記殴打作用と同期して、ロッド106で回転リンク体104と連結された従動リンク体105も、軸113を中心として図4反時計方向へと回動し、該従動リンク体105の殴打部111が鋼球43Aを殴打し、自己発電が開始される。
【0032】
この自己発電を行う圧電発電装置30は、図4と図5に示すように、中空箱状のスイッチケース31と、該スイッチケース31に配設された圧電セラミックス体10と、該圧電セラミックス体10を該圧電セラミックス体10の固有振動が他の構造体に伝達しにくい柔状態で保持するクッション材13と、上記スイッチケース31の上面に固定されたL字状のバネ材で形成されてなる基部材40と、該基部材40の端部に固定された鋼球支持弾性体41,42と、この鋼球支持弾性体41,42の両端部にそれぞれ固定されてなる硬質の鋼球である鋼球43,44と、で構成されており、上記鋼球44に押圧によるスイッチ押圧力Fを付与することで、他方の鋼球43が共振作用によって往復振動を連続して繰り返し、上記圧電セラミックス体10を殴打して該圧電セラミックス体10に衝撃を与え発電させるように構成されている。
【0033】
本実施例1では、上記圧電セラミックス体10とクッション材13及び基部材40と鋼球支持弾性体41,42及び鋼球43,44が一組として構成されたものを、図4に示すように、2組並列に配設して構成している。これにより、一方の電力をリモートコントローラ用電源とし、他方の電力を通信用電源と使用することができる。勿論、この発明にあっては、本実施例1のように2組を並列に構成する必要は必ずしもなく、1組でもその発電量が確保できる場合には1組だけで構成してもよく、一方が故障したとしても、他方のもので、リモートコントローラ用電源と通信用電源として十分な発電量を確保できるので、故障によるトラブルの心配も少なく、また、メンテナンスも容易となる。さらに、上記構成では発電量が不足する場合には、複数組を組み合わせて構成してもよい。尚、以下の説明では、上記各組の各部の構成が同一であるので、説明の煩雑さを避けるため、一方の組の各部の構成を例にとり説明し、他方の組の各部には同一の符号の後に「A」を付して、その詳細な説明をここでは省略する。
【0034】
即ち、棒状ステンレス等の金属体で形成されてなる上記鋼球支持弾性体41は、上記基部材40の接続点l0から同じ長さl1,l2を有して溶接固定されている。
【0035】
ここで、図3乃至図5に示す鋼球43を0.6gの鋼球で形成し、鋼球支持弾性体41をφ0.6のステンレス棒材(sus304−WPB)で形成し、かつ、l1,l2間長さを70mmとし、ステンレス材(sus301:t=0.4)で形成された基部材40のl0寸法を15mmに設定した場合、鋼球43の往復振幅ストロークは14〜15mmであった。この構成からなる圧電発電装置30による発電量を、公知の構成からなる測定装置で電圧を測定した。その結果を、図6に示す。
【0036】
図6に示すデータからも明らかなように、上記鋼球44に殴打部110(111)で殴打を1度与えると、鋼球43(43A)が振り子状に連続して振動を繰り返し、従来のような1回限りの殴打により得られる発電量の数十倍の発電が得られることが判る。即ち、この実施例1では、l1=l2,43=44として一方の固有振動数と他方の固有振動数とを同一に設定し、左右が共振するように構成されている。このように構成することで、一方の固有周波数(n・fo)を他方の固有周波数(fo)の整数倍にすることができ、その結果、右側の蓄積エネルギーを大きく(完成モーメントを大きく)することで、固有周波数は下がり、鋼球43(43A)の振動継続時間を長くすることができる。
【0037】
また、この実施例1に係る圧電発電装置30によれば、部品点数を大幅に削減することができ、コストダウンと共に、装置を非常に小さくすることができる。
【0038】
尚、上記実施例1では、前記鋼球支持弾性体41(41A),42(42A)と基部材40(40A)との連結を、溶接で行う場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、ねじ止めやかしめ止め、或は強力な接着剤を用い或はハンダ付け等の公知の手段で一体的に連結することもできる。
【0039】
一方、上記圧電セラミックス体10は、同一材質、同一形状、同一厚さの2枚の板状の圧電セラミックス素子10a,10bを、各圧電セラミックス素子10a,10bの分極の極性を同一方向にし、かつ、該圧電セラミックス素子10a,10b間に、りん青銅や真鍮等の導電性金属で10μm〜50μmの厚さに形成された極薄の金属電極11を配置し、これら圧電セラミックス素子10a,10bと金属電極11を接合して構成されている。尚、この実施例1では、圧電セラミックス体10を2組配置して構成しているが、以下の説明では、各組の構成が同一であるので、説明の煩雑さを避けるため、一方の組の構成を例にとり説明する。
【0040】
即ち、上記圧電セラミックス素子は、チタンジルコン酸亜鉛系の素材が用いられ、また、クッション材13としては、合成樹脂材、ゴム材或はこれらをスポンジ状に形成した軟質材料を用いることができ、具体的には、発泡ポリエチレンが好適である。さらに、この実施例1では、鋼球43,44を、圧電セラミックス体10が破壊されていない程度に重量が重く発電効率が良好なタングステンや鉄などを用いることができ、また、圧電セラミックス体10の鋼球衝突面部をプロテクトするプロテクタ14は、加工性に優れたリン青銅やステンレス等の硬い金属或は合成樹脂などを用いることができる。
【0041】
ところで、上記金属電極11を上記極薄の厚さとすることで、該金属電極11による機械的な抵抗をごく僅かに抑えることができ、2つの圧電セラミックス素子10a,10bと金属電極11の接合面を中心(伸縮しない部位)にたわみ振動が発生したとしても、該たわみ振動の金属電極11による減衰を可及的に小さく抑えることができる。尚、この実施例1の構成では、一方の側の圧電セラミックス素子10aが伸長すれば他方の側の圧電セラミックス素子10bは収縮し、かつ出力電圧の電極は逆方向となり、両圧電セラミックス素子10a,10bは並列に接続された発電構成となる。
【0042】
また、この実施例1では、上記たわみ振動が行われると、一方の圧電セラミックス素子10a(又は10b)で伸長と伸縮との両方の作用が行われて、分極が打ち消されるということがなく効率的に発電が行われる。発電された電気エネルギーとしての電流は、両圧電セラミックス素子10a,10b及び金属電極11に導電接続されたリード線を用いて取り出される。
【0043】
尚、本実施例1では、2枚の圧電セラミックス素子10a,10bを、金属電極11を介装して積層した場合を例にとり説明したが、各圧電セラミックス素子10a(10b)自体を、それぞれ積層構造とすることができる。この積層構造では、複数枚の圧電セラミックス素子を接合(この場合は分極の極性も同一方向に)して、一方の圧電セラミックス素子10a(又は10b)を形成する。このように、圧電セラミックス素子10a(又は10b)自体を積層構造とし、これを例えば弾性特性を有する接着材により接合した場合には、この弾性効果により、材質的に強度に欠ける圧電セラミックス体10の曲がりが容易になって曲げ強度を維持することができる。尚、この発明において、圧電セラミックス体10の外形形状は特に限られるものではなく、円形、楕円形、三角形、四角形或いは多角形等、利用実施に対応させて適宜の形状のものを用いることができる。
【0044】
また、この実施例1に用いられる前記クッション材13は、合成樹脂材、ゴム材、或いはこれらをスポンジ状にした軟質の材料で構成されている。このようなクッション材13を用い、しかも、このクッション材13の中央部のみ或いは両端部を接着材で圧電セラミックス体10を固着したのは、圧電セラミックス体10の振動を減衰させないためである。圧電セラミックス体10が振動する場合、この圧電セラミックス体10を支持する部材は圧電セラミックス体10の振動を減衰させる要因になり、この減衰要因を取り除くために、クッション材13を用いて極力圧電セラミックス体10を自由な状態におく。
【0045】
この実施例1のように、圧電セラミックス体10の歪みは、圧電セラミックス自体が持つ固有振動となって暫くの間、継続する。この固有振動を長く継続させるためには、この固有振動を圧電セラミックス体10以外の他の構成体に伝えないことが重要である。圧電セラミックス体10の固有振動は、電気エネルギーとして変換されるが、その他の構造体の振動は全て機械的な抵抗となって固有振動エネルギーを吸収してしまい、電気エネルギーとして取り出すことができない。このため、この実施例1では、圧電セラミックス体10と他の構造体との間で上記固有振動が伝達しないような柔らかな接触を実現するための手段として上記クッション材13を用いることで、圧電セラミックス体10の固有振動を長く継続させることができ、発電効率が良くなる。勿論、このクッション材13は圧電セラミックス体10に加えられる衝撃を緩和する作用をも有する。尚、圧電セラミックス体10aの表面側に配設されるプロテクタ板14は、金属製或いは合成樹脂製等で形成されており、鋼球44の殴打から圧電セラミックス体10を保護する。
【0046】
図7は、上記圧電発電装置30の発電部50で発電された電流を整流させる回路部60の一例を示しており、該回路部60の充電部61には、整流手段62と充電手段63と判定手段64と放電スイッチ手段65とが備えられている。整流手段62は、発電部50で出力された交流電力を整流して脈流にする手段である。充電手段63は、整流手段62により得られた脈流を直流として充電する手段である。判定手段64は、充電手段63の充電量を圧電素子10の発電のタイミングに応じて間欠的に監視し判定する手段である。この手段では、充電量は監視の際にごく少量消費されるが、間欠的に監視しているので監視による電力の消費を抑え、充電量への影響を低減させている。放電スイッチ手段65は、判定手段64により充電手段63の充電量が発信可能なレベルに達したことが判定されたときに、充電手段63の放電を開始させ、リモートコントローラ1のスイッチSW1乃至SW6の作動電源として制御部1C及び後段の発信部70に電力を供給する手段である。
【0047】
発信部70には、通信制御手段71と信号スイッチ手段72と信号スイッチ手段73と放電停止手段74とが備えられている。通信制御手段71は、通信に必要な動作を行う手段であり、この手段は充電部61から電力が供給されることで開始される。この手段では、動作の開始により信号スイッチ手段72をONさせるように働くとともに、発信のためのデータを信号発生手段73に渡す。信号スイッチ手段72は、通信制御手段71によりONされて、信号スイッチ手段73に電力を供給する手段である。
【0048】
信号スイッチ手段73は、リモートコントローラ1からの計測された体重データを信号に変換してなるデータを通信制御手段71から受け取り発信する。放電停止手段74は、充電部61からの電力の供給を停止させるように放電スイッチ手段65を動作させる手段である。この手段は、通信制御手段71が発信のために必要なデータを全て信号スイッチ手段73に渡し終わったら、通信制御手段71により動作させられる。
【0049】
図7及び図8を用いてさらに説明する。図7及び図8は連続した回路図であり、S点、+点、−点により接続される。整流手段62はダイオードD1〜D6により全波整流の回路が形成されており、発電部50から出力された交流電力をここで整流し脈流として後段に出力する。発電部50から取り出された4本のリード線のうち3本のリード線が結線され、3本のリード線が6個のダイオードD1〜D6に接続されている。
【0050】
充電手段63は、コンデンサC1を備えている。このコンデンサC1は、充電電池に代替してもよい。整流手段62で整流された脈流は、コンデンサC1に直流として逐次充電され、鋼球44が圧電素子10に衝突して発電を繰り返すたびにコンデンサC1の両端の電圧が高くなる。
【0051】
放電スイッチ手段65には、自己保持型電流スイッチが用いられている。本実施例1では、相補トランジスタを用いており、PNPトランジスタTr1とNPNトランジスタTr2とを組み合わせている。この放電スイッチ手段65では、b点に、c点の電圧より約0.6V(Tr1により決まる値)低い電圧が印加されると、Tr1がONとなり、ほぼ同時にTr2がONとなる。このように放電スイッチ手段65がON状態となると、c点とd点の間はきわめて低いインピーダンスとなる。そして、充電手段63のコンデンサC1に貯めた電力を放電し、きわめて少ないロスで通信制御手段71に供給する。そして、このON状態は、自己保持状態となり放電停止するまで継続する。
【0052】
判定手段64は、コンデンサC2,C3と抵抗R1,R2を備えている。C3は誤動作防止用に設けたものである。コンデンサC2と抵抗R1は、圧電素子10からの出力である図7中に示すa点と放電スイッチ手段65の図7中に示すb点との間に設けられている。そして、この時定数で充電量の判定の際にb点に電圧を印加する時間を決めている。a点には鋼球44が圧電素子10に衝突する度に交流電力が発生するが、この電圧は、コンデンサC1の両端の電圧にダイオードD6の上棟方向の電圧を加えた値である。そして、コンデンサC1が充電により電圧上昇するとともにa点の交流電圧も上昇する。つまり、a点ではコンデンサC1両端の直流電圧にほぼ比例した交流電圧が、鋼球44が衝突するたびに、すなわち間欠的に得られる。そしてこのa点での交流電圧は、抵抗R1とコンデンサC2の時定数で決めた短時間で印加される。b点の電圧は抵抗R1,R2の分配比により決められ、上述したようにb点の電圧がc点の電圧よりも約0.6V(Tr1により決まる値)低い電圧の値を超えると放電スイッチ手段65がONとなる。
【0053】
ここでは、b点の電圧は
c点の電圧×(1−R2/(R1+R2))
で示されるため、このb点の電圧がc点の電圧よりも約0.6V低い電圧「c点の電圧−約0.6V」と等しくなったときが判定の閾値となり、これをもって充電量のレベルを判定する。
【0054】
このため、R1とR2を調整することで放電を開始させる充電量を、リモートコントローラ1の駆動可能なレベル及び発信可能なレベルに調整することができる。このレベルは、用いられるリモートコントローラ1の駆動電圧及び発信する信号に応じて任意に設定される。
【0055】
通信制御手段71は、通信制御回路75とコンデンサC7と抵抗R8とFET1を備えている。コンデンサC7は動作安定用に設けたものである。抵抗R8とFET1は通信制御回路75と信号スイッチ手段72を低消費電力でインターフェースするためのレベル変換に設けたものである。充電部61からの放電により通信制御回路75に電力が供給されると、通信制御回路75の内部で発信に必要な手順が実行される。なお、通信制御回路75は消費電力の小さいものである。
【0056】
信号スイッチ手段72は、PNPトランジスタTr4と抵抗R6,R7とコンデンサC6を備えている。信号発生手段73を構成する信号発生回路76が比較的大電力を必要とするために、この信号スイッチ手段72では大電力用トランジスタスイッチTr4を使って、信号発生回路76に電力を供給するよう構成している。信号スイッチ手段72では、通信制御回路75からの発信開始の指令がFET1と抵抗R7を通ってトランジスタTr4をONさせると、信号スイッチ手段73で発信を開始させるよう動作する。
【0057】
信号発生手段73は、上記信号発生回路76とアンテナ77を備えており、信号スイッチ手段72から電力が供給されると、通信制御回路72から受け取った発信のためのデータを無線信号に変換してアンテナ77から発信する。
【0058】
放電停止手段74は、PNPトランジスタTr3と抵抗R4,R5とコンデンサC4,C5とを備えている。コンデンサC4,C5は、誤動作防止用に設けている。この手段では、通信制御回路75が発信のために必要なデータを信号発生回路76に送出し終えたら、通信制御回路75から抵抗R4を通してトランジスタTr3をONさせる信号を出力する。トランジスタTr3がONとなると放電スイッチ手段65の自己保持は解除となり、コンデンサC5に貯まっていた電力の放電は停止して、発信動作は終了する。
【0059】
図7に示すように、発電部50の出力が回路部60に取り出される。回路部60には、発電部50で発生した交流電力を整流して充電する充電部61と発信部70とが備えられている。そして、発信部70から発信された信号は、衛生洗浄装置Wの本体部4に配設された受信装置80の受信部81に受信された後、制御部82に送られ、保存され、該制御部82に記憶されたデータが前記リモートコントローラ1のに表示該制御部82は、受信したデータに基づいて洗浄水供給機構等84を駆動制御する。
【0060】
このように、本実施例1では、回路部60で、圧電素子10が発電するたびにその出力から交流電圧を取り出し、これを判定手段64に用いて充電量を判定している。このような充電量の間欠的な判定は、充電量が増加するタイミングで効率よく判定される。その上、判定のために無駄な電力を消費することが大幅に抑制されるので、発信に必要な電力を素早く充電してリモートコントローラ1の制御部1C及び発信部70に供給できる。
【0061】
尚、この実施例1にあっては、上記パネル部1Bがバネ1Dの付勢力によってスイッチ体102が復動(上昇)方向に移動する際にも同様な発電作動が行なわれ、次回の作動電源として充電される。
【0062】
このように、この実施例1では、外部電源に頼ることなく、適宜のスイッチを押圧する毎に、必要な電力を直ちに供給することができるように構成されているので、無電源で衛生洗浄装置Wのリモートコントローラ1の駆動電源を確保することができ、その結果、電源コードを不要となし、しかも、外部電源を必要としないので、自由な場所に設置することができ、ランニングコストもほとんど不要とすることができると共に、トイレ室内のレイアウトやデザイン性の制約を排除することができると共に、選択された洗浄モード情報を、無線で衛生洗浄装置Wへと送信して、本体部4の洗浄水供給機構等84を駆動制御できるので、便器使用者が楽な姿勢で所望の局部洗浄モードを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の実施例1に係る衛生洗浄装置とリモートコントローラの配置常態を示す説明図である。
【図2】同リモートコントローラのスイッチの配置例を示す正面図である。
【図3】同リモートコントローラの内部構成を概略的に示す説明図である。
【図4】同リモートコントローラの内部に配設された圧電発電装置の構成を示す平面断面図である。
【図5】同圧電発電装置の構成を示す縦断面図である。
【図6】測定装置により測定された本圧電発電装置の発電量を示すグラフである。
【図7】同圧電発電装置の回路構成を示すブロック図である。
【図8】本実施例1に用いられる受信器の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
SW1乃至SW6 洗浄モード選択スイッチ
W 衛生洗浄装置
1 リモートコントローラ
1A ベース部
1B パネル部
1C 制御部
1D バネ
2 便器
4 本体部
10 圧電セラミックス体
13 クッション材
30 圧電発電装置
31 スイッチケース
40 基部材
41,41A,42,42A 鋼球支持弾性体
43,43A,44,44A 鋼球
50 発電部
60 回路部
61 充電部
62 整流手段
63 充電手段
64 判定手段
65 放電スイッチ手段
70 発信部
80 受信装置
82 制御部
84 洗浄水供給機構等
100 スイッチ押圧力変換装置
102 スイッチ体
103 スイッチ体の係止片部
104 回転リンク体
105 従動リンク体
106 ロッド
109 ガイド体
110,111 殴打部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ室に配置され、便器内に洗浄水を流すスイッチと、衛生洗浄装置の制御を行うスイッチと、を有する衛生洗浄装置のリモートコントローラの作動電源を自己発電可能な圧電発電装置で構成し、該圧電発電装置で発電された電力により、選択された上記スイッチ情報を無線で便器の衛生洗浄装置へと送信することで、衛生洗浄装置を制御可能に構成したことを特徴とする衛生洗浄装置のリモートコントローラ。
【請求項2】
前記圧電発電装置は、少なくとも一の板状に形成された圧電セラミックス体と、バネ材で形成された基部材と、該基部材の端部に固定された鋼球支持弾性体と、この鋼球支持弾性体の両端部にそれぞれ固定されて上記圧電セラミックス体を殴打して該圧電セラミックス体に衝撃を与える鋼球と、で構成し、上記衛生洗浄装置の制御スイッチを押圧したときに、該押圧力をスイッチ押圧力変換装置で上記圧電発電装置の殴打体への殴打力に変換して上記鋼球の一方を殴打して振動させ、他方の鋼球がその共振作用によって往復振動を連続して発電が繰り返されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置のリモートコントローラ。
【請求項3】
前記鋼球支持弾性体は、基部材から同じ長さを有して同基部材に固定されていると共に、該基部材の両端部に固定される鋼球も、ほぼ同じ形状・重量で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の衛生洗浄装置のリモートコントローラ。
【請求項4】
前記スイッチ押圧力変換装置は、スイッチ体と、このスイッチ体の係止片部と係合する回転リンク体と、この回転リンク体の端部に形成された殴打部と、上記回転リンク体を圧電発電装置の鋼球から離反する方向に付勢するバネ、とから構成されており、スイッチ体を押圧してスイッチ体の係止片部を回動させて回転リンク体の係合部を押圧し、該回転リンク体1をバネの付勢力に抗して上記鋼球に近づく方向に回動させることで、該回転リンク体の殴打部が鋼球を殴打し、自己発電が開始されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の衛生洗浄装置のリモートコントローラ。
【請求項5】
前記スイッチ押圧力変換装置は、スイッチ体と、このスイッチ体の係止片部と係合する回転リンク体と、この回転リンク体の端部に形成された殴打部と、上記回転リンク体を圧電発電装置の鋼球から離反する方向に付勢するバネと、上記回転リンク体の回転作動に同期して回動するように配設された従動リンク体と、上記回転リンク体と従動リンク体とを連結するロッドと、から構成されており、スイッチ体を押圧してスイッチ体の係止片部を回動させて回転リンク体の係合部を押圧し、該回転リンク体1をバネの付勢力に抗して上記鋼球に近づく方向に回動させることで、該回転リンク体及び従動リンク体の各殴打部が1対の鋼球を夫々殴打し、自己発電が開始されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の衛生洗浄装置のリモートコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−9280(P2006−9280A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184166(P2004−184166)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(393012725)株式会社ユーエスシー (17)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】