説明

衣類乾燥機

【課題】水冷除湿タイプの熱交換器にあって、水飛沫の異常な巻き上げ現象を抑制しつつ乾燥室に供給する必要な循環風量を確保でき、乾燥効率の向上を図る。
【解決手段】乾燥室に対し乾燥風を循環供給可能とした循環通路を備えた衣類乾燥機において、前記循環通路の途中部位に乾燥風発生ユニットを設け、該乾燥風発生ユニットの上流側に、熱交換器31と、この熱交換器31内の通路と並列に設けられたバイパス通路32を設けた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等を乾燥するための乾燥風を循環供給する循環通路中に、水冷除湿タイプの熱交換器を備えた衣類乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の衣類乾燥機は、乾燥に供する熱エネルギーの効率化を図るべく、空気を所定温度に加熱した温風、いわゆる乾燥風を機外に排出することなく循環通路を循環させ、衣類等の被乾燥物に乾燥風を連続して吹き付けて乾燥するようにしている。
【0003】
この衣類乾燥機の基本的構成は、衣類等を収容する乾燥室の前後両側に設けられた乾燥風の出入口に循環通路を連通接続させるとともに、この循環通路の途中部位に水冷除湿タイプの熱交換器、送風装置等の送風手段、及びヒータ装置等の加熱手段を備え、これにより、乾燥風を前記乾燥室に循環供給しながら衣類等の被乾燥物を乾燥するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載の洗濯乾燥機によれば、乾燥室としての水槽に循環通路としての供給風路と除湿風路とを連通接続し、前記除湿風路に設けた熱交換板面上に冷却水をジグザグ状に流して空気との接触を良好にし、この冷水により空気中に含まれている水分を冷却し除湿する、いわゆる水冷除湿タイプの熱交換器を備えた構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−54948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成の洗濯乾燥機では、熱交換効率、延いては乾燥効率を上げるために前記除湿風路の循環風量を増加させると、前記熱交換板面を流下する冷却水が大きく巻き上げられ、その水飛沫が下流側の前記送風手段としての送風装置に吸い込まれ、更には前記加熱手段としてのヒータ装置にかかり、これら送風装置及びヒータ装置に対する電気的安全性が危惧される。
【0007】
更に、巻き上げられた前記冷却水が前記除湿風路(熱交換器)の出口付近で霧状になって充満し、循環送風の抵抗になることがあった。この抵抗に対し風量大にすると、滞留した状態の如き霧状部分を巻き上げることになる。このため、循環風量の増大には制約を受け、前記水槽、除湿風路、及び給気風路を循環する乾燥用としての風量を十分に確保することができず、乾燥運転において前記水槽内に温風たる乾燥風を十分に循環供給することができず、衣類等の被乾燥物の乾燥を効率良く行えないという問題を有していた。
【0008】
本発明は、上記問題を解消するため、水冷除湿タイプの熱交換器にあって、冷却水(水飛沫)の異常な巻き上げ現象を抑制しつつ必要な乾燥風の風量を確保でき、乾燥効率の向上を図った衣類乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の衣類乾燥機は、外郭を形成する箱状の本体と、前記本体の内部に配設され収容された衣類等を乾燥する乾燥室と、前記乾燥室に対し、乾燥風を循環供給可能に設けられた循環通路と、前記循環通路の途中部位に設けられ、加熱された前記乾燥風を生成するヒータ装置及び送風装置からなる乾燥風発生ユニットと、前記循環通路における前記乾燥風発生ユニットの上流側に設けられ、乾燥風中の水分を水冷除湿する熱交換器と、前記熱交換器内の通路と並列に設けられたバイパス通路を具備したことを特徴とする(請求項1の発明)。
【発明の効果】
【0010】
上記手段によれば、熱交換器と並列にバイパス通路を設けたので、乾燥風は熱交換器内の通路とバイパス通路とを通り、乾燥室に循環供給される。
このバイパス通路からの送風が確保されることにより、熱交換器内の通路を流れる乾燥風の風量を抑えることができ、結果、巻き上げられた水飛沫が下流側の送風装置に達することを防止できるとともに、それでも、巻き上げられた水飛沫が滞って熱交換器内の送風抵抗となるようなことがあってもバイパス通路からの風量にて補充されるので、大きな風量減となることもなく、もって十分な乾燥風のもとに乾燥効率の向上が期待できる衣類乾燥機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を洗濯乾燥機に適用した第1実施例における主に熱交換ユニットの内部構成を示す正面図
【図2】洗濯乾燥機の全体構成を示す縦断側面図
【図3】洗濯乾燥機の本体内部の機構部を示す後方から見た斜視図
【図4】ファンの回転速度に応じた熱交換ユニットを流れる乾燥風風量及びバイパス通路を流れる乾燥風風量との関係を示す風量特性図
【図5】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図6】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図7】バイパス通路の開度に応じた熱交換器通路及びバイパス通路に流れる乾燥風風量との関係を示す風量特性図
【図8】乾燥運転の進行に伴う乾燥風の特性及びバイパス通路の開度の夫々の変化を示す特性図
【図9】コース運転別の風量特性等を示す特性図
【図10】熱交換器に供給される冷却用水量に応じて熱交換器通路及びバイパス通路に流れる乾燥風風量、並びにバイパス通路の開度を説明するための作用説明図
【図11】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明をドラム式の洗濯乾燥機に適用して示す第1実施例について、図1から図4を参照して説明する。このうち、図2は洗濯乾燥機1の全体構成を示す縦断側面図、図3は後述する本体内部の機構部たる外槽2及び循環通路3等を示す斜視図であり、これらを参照して洗濯乾燥機1の全体構成につき述べる。なお、この洗濯乾燥機1は、洗濯運転時及び脱水運転時には洗濯機として機能し、乾燥運転時には衣類乾燥機として機能する。
【0013】
図2に示すように、洗濯乾燥機1の外郭を形成する本体4はほぼ矩形箱状をなし、この本体4底部に台板4aが設けられている。本体4の前面を構成する前面カバー4bは後方に向かって傾倒する傾斜面状をなしていて、その上部に略円形の開口部からなる洗濯物出入口5が形成されている。前面カバー4bには、横方向に回動可能な扉6が設けられ、この扉6により洗濯物出入口5が開閉されるようになっている。
【0014】
本体4の前面カバー4bにあっては、洗濯物出入口5の上方に各種の操作スイッチや表示部等を備えた操作パネル9が設けられ、その裏側(前面カバー4bの裏側)に設けられた制御装置7に入力可能に接続されている。この制御装置7は、マイクロコンピュータを主体としてROM、RAM等を備えて構成されており、各種の入力信号や予め記憶された制御プログラムに基づいて、洗濯乾燥機1の動作全般を制御するようにしている。
【0015】
本体4内に外槽2が配設され、外槽2内にドラム8が配設されている。外槽2は、台板4a上に2つの弾性支持機構13(図2では一方のみ示す)によって弾性支持されており、その支持形態は、ドラム8の回転中心軸方向が前後方向となる横軸状で、且つ前上がりの傾斜状に軸支されている。
【0016】
外槽2及びドラム8は、何れも前面部を開放した有底円筒状をなしている。このうち、外槽2の前面開放部分と本体4の前面部に形成された洗濯物出入口5との間は、ベローズ10によって連結されている。外槽2内のドラム8は衣類等の洗濯物が収納され、洗い運転時、脱水運転時、及び乾燥運転時に所定の回転速度に制御される回転槽として機能するもので該ドラム8の周壁には、通水用及び通風用の小孔8aが多数(図2には一部を図示)形成されているとともに、洗濯物掻き揚げ用のバッフル8bが複数個形成されている。
【0017】
これに対し、外槽2は実質的に無孔状をなし、洗い運転時や脱水運転時には貯水可能とし、乾燥運転時には後述する乾燥風を取り込む閉鎖空間を形成する乾燥室として機能するものである。
【0018】
本体4内の上部には三方給水弁29が設けられ、流量計29aを具備するとともに、本体4の上面に突出した給水接続口29bを備えた構成としている。もって、洗い運転時には外部水源たる水道の蛇口からの水が給水接続口29bから給水ホース29cを介して外槽2内に供給可能としている。流量計29aは、このときの水量を計測し、電気信号として制御装置7に入力され記憶される。
【0019】
外槽2の下部には、外槽2内と連通する凹状の水溜部11が設けられており、この水溜部11の内部に温水生成用のシーズヒータ12が配設されている。水溜部11の最低部である後部底面には排水口(図示せず)が形成されていて、当該排水口には排水管14の一端が接続されている。外槽2内の水は、排水管14を流れ、途中に配置されたリントフィルタ15、排水弁16を順に介して機外に排水可能としている。
【0020】
外槽2の底部(背面)中央部にはモータ17が配設されている。このモータ17は、アウタロータ型のDCブラシレスモータからなり、このステータ17aが外槽2の背面中央部に取り付けられ、ロータ17bとともに回転する回転軸18が外槽2内に突出されてドラム8の底部(背面)中心部に連結固定されている。これにて、モータ17は、ドラム8を回転駆動する駆動装置として機能し、制御装置7により速度制御される。
【0021】
図3に示すように、外槽2の上部及び背部には、当該外槽2に連通接続され乾燥運転時に乾燥風を外槽2、延いてはドラム8内に循環供給可能にするための循環通路3が配設されている。この循環通路3は、一端が外槽2の周壁上面の前部に形成された排気口2aに接続され、外槽2から吐き出された乾燥風が排気口2aより循環通路3内へ吸い込まれる。一方、循環通路3の他端は、外槽2の背面上部に形成された給気口2bに接続され、循環通路3内を通った乾燥風が給気口2bから外槽2内へ吹き込まれる。
【0022】
循環通路3は、製作上いくつかの通風ダクト、或いは該通風ダクト機能を有する構成部材からなり、主に排気ダクト19、フィルタダクト20、垂下ダクト27、熱交換ユニット21、送風装置22、ヒータ装置23、可撓性ダクト24、及び給気ダクト25から構成され、この順に乾燥風は循環通路3内を流れ(図中、破線矢印A〜Iで示す)、外槽2、延いてはドラム8内に乾燥風が循環供給される。送風装置22及びヒータ装置23は後述する乾燥風発生ユニットを構成し、これらのケーシングが通風ダクトとして機能する。
【0023】
排気ダクト19及び可撓性ダクト24は、蛇腹状の可撓部を有し、夫々その一端を外槽2に形成された排気口2a及び給気ダクト25に接続されている。このため、ドラム8の回転に基づく外槽2の振動は前記可撓部に吸収遮断され、それ以降の循環通路3側への振動伝達を抑制している。なお、フィルタダクト20、垂下ダクト27、熱交換ユニット21、送風装置22、ヒータ装置23は本体4側に取り付け固定されている。
【0024】
排気ダクト19は、L字状に形成され、その水平方向に開口した他端にはフィルタダクト20が接続されている。フィルタダクト20は、排気ダクト19が上流側に連結され、上面が開口した矩形筒状のフィルタ収容部26を有するとともに、このフィルタ収容部26から後方へ向けてほぼ水平方向に延びるダクト部20aを一体的に形成している。フィルタ収容部26には、通気性を有した網状のフィルタを備えたフィルタユニット26a(図2参照)が本体4の上方から出し入れ可能に収容されるようになっている。フィルタダクト20(ダクト部20a)の後端部には、下向きに開口形成された後端接続口20bが設けられている。
【0025】
この後端接続口20bには、ほぼ鉛直方向に垂下した垂下ダクト27が連続される。この垂下ダクト27は、後述する水冷除湿タイプの熱交換器31が必要とする上下方向の縦長寸法を得るべく、下方に大きく延びた構成としている。
【0026】
以下、垂下ダクト27に接続された熱交換ユニット21の構成につき、図1も参照して述べる。図1は、表面側を覆う蓋部材が取り除かれた熱交換ユニット21及び垂下ダクト27の内部構成を示す正面図である。特に図1に示すように、まず垂下ダクト27は、本実施例では熱交換ユニット21と一体に形成されており、最下端部において連通口28により熱交換ユニット21と連通している。熱交換ユニット21は、垂下ダクト27と並列して前記最下端部から折り返して上方に延びるように縦長に形成されている。
【0027】
熱交換ユニット21と垂下ダクト27とは、外槽2の背部に配設されている。垂下ダクト27は、その上端に形成された乾燥風入口27aがフィルタダクト20(ダクト部20a)の後端接続口20bに接続されている(図3参照)。
【0028】
一方、熱交換ユニット21には、その内部を左右に仕切る仕切壁30が形成され、この仕切壁30は上下方向に延びるように形成されている。仕切壁30の上部には右上方向に傾倒する傾斜状部30aが形成されている。このため、熱交換器31内で後述する水飛沫が巻き上げられたとしても、該水飛沫が傾斜状部30aに当たり熱交換ユニット21の乾燥風出口39より下流側に該水飛沫が飛散するのを抑制する。
【0029】
熱交換ユニット21内において、仕切壁30の右側には上下方向に縦長の水冷除湿タイプの熱交換器31が形成され、仕切壁30の左側には上下方向に長い前記熱交換機31を迂回するバイパス通路32が、熱交換器31通路と並列に形成されている。熱交換器31内の縦長の通路及びバイパス通路32は、その上部を右上方向に傾倒するようにして形成されている。仕切壁30の傾斜状部30aに平行して傾斜壁30bが設けられ、この傾斜壁30bは垂下ダクト27の側壁から右上方向に傾倒して延設形成されている。バイパス通路32の上部は、傾斜壁30bと仕切壁30の傾斜状部30aとの間に形成され図示右上方に開口している。
【0030】
傾斜壁30bはバイパス通路32を流れる乾燥風の送風抵抗となるものであり、バイパス通路32に大量の乾燥風が流れ込むのを抑制し、熱交換器31通路へ流れ込む乾燥風が不足し除湿機能が低下するのを防止する。この場合、傾斜状部30a及び傾斜壁30bの傾斜角度を適宜に設定することで、上記乾燥風の流れを調整できる。さらに、傾斜壁30bは、熱交換器31より巻き上げられた水飛沫が上方からバイパス通路32に入り込むのを防ぐ庇の働きをする。なお、バイパス通路32は、熱交換器31内の通路よりも狭い幅の直線的な通路に形成されている。
【0031】
熱交換器31内周壁面には、内方に突出したリブ33が複数個設けられている。これらのリブ33は、互い違いに、且つ熱交換器31の幅方向(図示左右方向)に対してやや傾斜するように設けられている。この結果、リブ33による全体構成として、熱交換器31内周壁面に螺旋状凸部を形成している。
【0032】
熱交換器31の通路入口31aには、リブ33より内方に大きく突出したコ字状に形成されたリブ42が設けられ、図示しない前記蓋部材側には該コ字状の開いた部分の一部を塞ぐリブが設けられている。従って、この蓋部材が組み付けられた熱交換器31の通路入口31aには、リブ42などによりロ字状に形成され、中心部に絞り込まれた通路が形成される。この絞りにより熱交換器31通路を流れる乾燥風の流れは速くなり、後述する注水口34から注がれた水をより効果的に拡散し、熱交換による除湿効率、延いては乾燥効率を高める。
【0033】
熱交換器31の上端部には前記注水口34が設けられ、この注水口34には注水ホース34aの一端が接続され、この注水ホース34aの他端は外槽2の上部に設けられた三方給水弁29の一つの弁機構に接続されている(図2参照)。従って、乾燥運転時にはこの三方給水弁29からの水が注水ホース34aを介して注水口34から熱交換器31内に注水されるようになっている。
【0034】
洗い運転時における外槽2たる水槽に水が給水される際に、洗濯乾燥機1に接続されている水道の水圧、延いては給水量が流量計29a(図2参照)により測定され、この給水量に対応した電気信号が制御装置7に入力され記憶される。制御装置7は、熱交換器31内に注水される一定時間当たりの給水量を、例えば3段階(少水量、標準水量、大水量)に判別する。熱交換器31内に注水された水は、熱交換器31内周壁面に形成された前記リブ33からなる螺旋状凸部を伝って熱交換器31内を徐々に螺旋を描きながら流下し、或いは落下する。
【0035】
熱交換ユニット21の底部には、排水口35が設けられている。排水口35には、排水チューブ36の一端が接続されている。排水チューブ36の他端は、外槽2の底部に接続された排水管14のうち排水弁16よりも下流側(機外側)に接続されている。熱交換器31の底部に達した水は、排水口35から排水チューブ36を介して機外へと排水される。
【0036】
垂下ダクト27の上下方向中間部には、垂下ダクト27の内方に突出する差し込み穴40が設けられており、この差し込み穴40には、例えばサーミスタからなる温度センサ41が垂下ダクト27の外方(図示背面側)から差し込まれている。この温度センサ41は、差し込み穴40内に差し込まれた状態で当該差し込み穴40に気密的に取り付けられ、外槽2から排出され垂下ダクト27に流れ込む乾燥風の温度を検知可能としている。制御装置7には、温度センサ41が検知した温度に対応した電気信号が入力される。
【0037】
図3に示すように、外槽2の上方には、送風装置22が配設されていて、この送風装置22のファンケーシング22aの吸入口には、熱交換ユニット21及び熱交換器31の上端に形成された乾燥風出口39(図1参照)が接続されている。送風装置22は、ファンケーシング22a内に配設されたファン22c(図2参照)をファンモータ22bによって回転駆動するものである。送風装置22には、送風装置用回転速度センサ(図示せず)が取り付けられ、ファンモータ22bの回転速度を検出し速度制御を可能としている。
【0038】
外槽2の上方において、ファンケーシング22aの吐出口には、ヒータ装置23の一端部が接続されている。このヒータ装置23は、当該ヒータ装置23の外郭を構成するヒータケース23a内に例えばPTCヒータからなる温風生成用ヒータ23b(図2参照)を備えている。送風装置22及びヒータ装置23により構成される所謂乾燥風発生ユニットは、熱交換器31で水冷除湿された乾燥風を、送風装置22の送風作用とヒータ装置23の加熱作用により新たな乾燥風として再生し、下流側の可撓性ダクト24に送出される。
【0039】
可撓性ダクト24の他端は、外槽2の背面の左上部に設けられた給気ダクト25の上端部に接続されている。この給気ダクト25は、外槽2の給気口2b(図3参照)に連通接続されている。
【0040】
図4を参照してファン22c(ファンモータ22b)の回転速度と熱交換ユニット21及びバイパス通路32を流れる乾燥風風量との関係について述べる。図4に示すように、ファン回転速度が速くなるにつれて、熱交換ユニット21及びバイパス通路32を流れる乾燥風風量はともに徐々に多くなる。なお、熱交換ユニット21を流れる乾燥風風量の増え方は、バイパス通路32を流れる乾燥風風量の増え方より大きい。これは、バイパス通路入口32aが狭いために比例した風量増大につながらないからである。
【0041】
次に、本実施例に係るドラム式の洗濯乾燥機1における衣類等の被乾燥物の乾燥運転の動作について説明する。
まず、洗濯乾燥機1の運転作用については、周知のように標準的な運転コースでは、モータ17に直結されたドラム8の回転速度の制御を中心に、洗い、すすぎ、脱水の各運転が自動的に実行され、これまでの洗濯機能ではドラム8は回転駆動され、ほぼ閉鎖された空間を形成する外槽2は水槽として機能する。洗い運転時の外槽2内に三方給水弁29から水が給水される際に、洗濯乾燥機1に接続されている水道(水源)の一定時間当たりの給水量が流量計29a(図2参照)により測定され、その測定結果は制御装置7に入力され前記したように3段階(少水量、標準水量、大水量)に判別可能に記憶される。そして最後に乾燥運転に移行する。ドラム8は同様に回転駆動されるが、外槽2は乾燥風を取り込む乾燥室として機能し、ドラム8内の衣類等の洗濯物を乾燥する。以下、この乾燥運転の動作内容につき詳細に説明する。
【0042】
制御装置7は、熱交換ユニット21、送風装置22、ヒータ装置23等を動作させて外槽2内に乾燥風を連続供給する乾燥運転を実行可能にしている。循環通路3を流れる乾燥風の流れを図2、図3中の破線矢印A〜Iにより示す。なお、図2では循環通路3の一部を省略しているが、乾燥風の連続的な流れを示すため、破線矢印は連続して付記してある。以下、乾燥風の流れを示す破線矢印A〜Iの符号順に沿って説明する。
【0043】
外槽2内で衣類等の乾燥に寄与した後の乾燥風は、水分を含んだ排気風として前方上部の排気口2aより排出される。そして、排気ダクト19を通り、フィルタダクト20を後方へ流れる(破線矢印A)。このフィルタダクト20内を流れる乾燥風にリント等が含まれていると、そのリント等は、フィルタ収容部26内のフィルタユニット26aによって捕獲される。
【0044】
フィルタダクト20のダクト部20aを後方へ流れ、後端接続口20bに達した乾燥風は、垂下ダクト27を下方へ向けて流れる(破線矢印B、C)。次に、乾燥風は、垂下ダクト27の連通口28(図1参照)から熱交換ユニット21内に進入し(破線矢印D)、熱交換ユニット21内を上方へ向けて流れる(破線矢印E)。
【0045】
熱交換ユニット21内にあっては、上方へ向けて流れる乾燥風(破線矢印E)は分流され、一方は通路入口31aから熱交換器31内の通路へ、他方はバイパス通路入口32aからバイパス通路32へと流れる。熱交換器31内では、三方給水弁29から供給され注水口34から注がれた水が、通路内周壁面に設けられた複数のリブ33からなる前記螺旋状凸部を伝わり徐々に流下する。このため、この流下する水は、熱交換器31通路を流れる乾燥風とより長い時間、接触し熱交換が促進される。これにより、乾燥風は効果的に冷却され、該乾燥風に含まれる湿気はより多く結露し、乾燥風中の湿気や水分は除湿される。その後、乾燥風は、熱交換ユニット21及び熱交換器31としての乾燥風出口39より上方に排出され、ファンケーシング22a内に流入する(破線矢印F)。
【0046】
ところで、本実施例では洗い運転時の水道(水源)からの給水量を測定し、その測定結果が制御装置7に記憶されている。その測定結果が、「大水量」、「標準水量」、「少水量」のいずれかに対応して、当然熱交換器31内に注水される水量も変動する。そこで制御装置7は、乾燥風の基本的風量を発生する送風装置22を、上記判別結果に応じた回転速度制御を行い、例えば乾燥運転の進行に応じて水量に見合った効果的な熱交換性能を得る風量設定としたり、また乾燥性能の向上を図るべく全体の風量の増減を調整するなどの制御が可能である。
【0047】
なお、上記結露により生じた水は、熱交換器31に注水された水とともに排水口35から排水チューブ36を通って機外へ排出される。
一方、バイパス通路32を流れる乾燥風は、注水による熱交換作用はなく、従って除湿されることなく熱交換ユニット21及び熱交換器31としての乾燥風出口39よりファンケーシング22a内に流入する(破線矢印F)。
【0048】
熱交換器31通路及びバイパス通路32から排出された乾燥風は、送風装置22のファンケーシング22a内に吸入された後、ヒータ装置23側へ吐出され、ここで前記ヒータ23b(図2参照)により加熱される(破線矢印G)。加熱された乾燥風は、可撓性ダクト24(破線矢印H)、給気ダクト25(破線矢印I)を通り、給気口2bから外槽2内に供給される。そして、回転するドラム8内の衣類等と接触して乾燥し、乾燥に寄与した後の乾燥風は排気口2aより排出される。このように、外槽2内には乾燥風が循環供給されることで、ドラム8内の被乾燥物である衣類等が乾燥される。
【0049】
以上のことから、本実施例に係る洗濯乾燥機1は、以下の効果を有する。
洗濯乾燥機1によれば、熱交換器31通路と並列の関係にバイパス通路32を設けたので、乾燥風は熱交換器31の入口側において熱交換器31通路とバイパス通路32との二つに分流して通り、乾燥風発生ユニット側に送られ、ここで新たな乾燥風として再生され外槽2に循環供給される。
【0050】
ところで、従来のように熱交換器の通路のみの場合は、乾燥効率を上げるべく風量を増大しようとすると、冷却用の水を異常に巻き上げ下流側のファンやヒータにまで達するおそれがある。逆に、風量が少ない傾向にある場合には、熱交換器内の上部に巻き上げた水飛沫が霧状となり、これが乾燥風の流れの抵抗となり易く、一層熱交換器内の風の流れを阻害するおそれがあった。
【0051】
しかるに、本実施例では熱交換器31通路を流れる乾燥風の風量は、少なくともバイパス通路32側に流れる分だけ軽減することができる。
従って、熱交換器31内の通路からの乾燥風によって水飛沫が異常に巻き上げられる現象を防止できて電気的な安全性が確保できるとともに、バイパス通路32に流入した乾燥風は比較的抵抗が少なく、勿論熱交換作用もないのでスムーズに流れ、結果として全体の風量を低下させることなく、むしろアップすることが可能としながら、上記のような水飛沫の巻き上げ現象を防止できる。しかも、外槽2に循環供給される所定の乾燥風量を確保できるとともに、洗濯乾燥機1の乾燥効率が向上し、乾燥運転時間をより短縮することができる。
【0052】
なお、本実施例では、熱交換ユニット21内に熱交換器31通路及びバイパス通路32を一体に形成した例を示したが、これに限ることはなく、熱交換器31通路とバイパス通路32とは夫々独立して形成してもよく、更には垂下ダクト27についても、本実施例で示すように熱交換ユニット21と一体に形成される必要はなく、これらは個々に独立して形成し連結する構成としてもよい。
【0053】
上記実施例に対し、図5から図11は、本発明の第2から第4実施例を示すもので、上記第1実施例と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる点につき説明する。
【0054】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2実施例を示す図1相当図である。図5に示すように、熱交換器31通路及びバイパス通路32を構成する熱交換ユニット21の入口側に垂下ダクト51が連結され、熱交換ユニット21及び熱交換器31の乾燥風出口39側に短絡して通じる短絡通路52が垂下ダクト51の側壁上部に形成されている。本実施例では、垂下ダクト51は熱交換ユニット21と一体に形成され、且つその側壁を共通壁としているので、単に連通孔を形成することで短絡通路52を形成できる。
【0055】
次に、本実施例に係る乾燥運転の動作について、共通の構成を示す図2、図3も参照して説明する。
垂下ダクト51を下方へ向けて流れようとする乾燥風(破線矢印C)の一部が、垂下ダクト51の側壁上部に形成された短絡通路52に流入し、熱交換ユニット21の乾燥風出口39近傍へと流れ込む。従って、この乾燥風は、熱交換作用もなく、且つバイパス通路32を経ることなく、乾燥風出口39から直ちにファンケーシング22a内へ流入される(破線矢印F)。なお、他の乾燥風は、垂下ダクト51の最下部に形成された連通口28より熱交換ユニット21内に流入し(破線矢印D)、上記第1実施例で述べたと同様に熱交換器31通路とバイパス通路32とに分流して流れた後、上部の共通の乾燥風出口39より排出され、ファンケーシング22a内へ流入される(破線矢印F)。従って、前記短絡通路52も乾燥風出口39の手前近傍に連通しているので、分流した全ての乾燥風は、一つの乾燥風出口39から排出される。
【0056】
以上のことから、本実施例に係る洗濯乾燥機1は、第1実施例で示した効果に加え、以下の効果を有する。
本実施例に係る洗濯乾燥機1によれば、垂下ダクト51の側壁上部に熱交換器31の乾燥風出口39の手前側に短絡して通じる短絡通路52を形成した。
【0057】
これにより、垂下ダクト51に流入した乾燥風の一部は短絡通路52を通り循環通路3を経て外槽2に供給される。短絡通路52は垂下ダクト51の側壁上部に形成されているため、短絡通路52を通り外槽2に供給される乾燥風は、連通口28を通り熱交換ユニット21側を経て外槽2に供給される乾燥風に比べ送風抵抗が少なく流れやすいので、外槽2に循環供給される乾燥風の全体の風量が増大する。従って、バイパス通路32や熱交換器31通路側からの乾燥風の流れが何らかの原因で悪くなるようなことがあっても、短絡通路52から補充されるので、循環する乾燥風の全体風量は風量減となることがなく、必要量を確保し、むしろ増大を図ることができる。よって、本実施例に係る洗濯乾燥機1は、十分な量の循環風を外槽2に循環供給できるため、洗濯物の乾燥効率が向上し、乾燥運転時間を短縮することができる。
【0058】
(第3の実施形態)
図6から図10に示す第3実施例は、特に熱交換ユニット61(第1実施例では熱交換ユニット21に相当)のバイパス通路32の通路断面積を可変可能としたフラップ62(通路可変手段)を設けたことを特徴とするもので、以下詳述する。
【0059】
図6は本発明の第3実施例を示す図1相当図であり、図7はバイパス通路32の開度と熱交換器31通路及びバイパス通路32に流れる乾燥風風量との関係を示した風量特性図である。図8は乾燥運転の進行に伴う乾燥風の特性及びバイパス通路32の開度の夫々の変化を示す特性図であり、図9はコース運転別の風量特性等を示す特性図である。図10は熱交換器31に供給される冷却用水量に応じて熱交換器通路及びバイパス通路32に流れる乾燥風風量、並びにバイパス通路32の開度を説明するための作用説明図である。
【0060】
図6に示すように、熱交換ユニット61を仕切りバイパス通路32を形成する仕切壁30の下端には、制御装置7(図2参照)により駆動制御されるステッピングモータ(図示せず)の回転軸62aが熱交換ユニット61の外方(図示背面側)から差し込まれている。フラップ62の形状は開口部と略同一形状の方形板状体であり、回転軸62aにはフラップ62の一辺が取り付け固定されており、回転軸62aを中心にフラップ62は矢印方向に往復回動する。フラップ62が回動することにより、バイパス通路入口32aを開閉可能にし、バイパス通路32の通路断面積(バイパス通路32の開度)を可変可能にする。
【0061】
フラップ62の下辺が垂下ダクト51の側壁(これは熱交換ユニット21の側壁でもあり、バイパス通路32の側壁でもある。)に当接した状態が、バイパス通路32の開度が0%、即ちバイパス通路32の通路断面積はゼロとなる。フラップ62が仕切壁30と一直線上に位置する状態が、バイパス通路32の開度が100%、即ちバイパス通路32の通路断面積は最大となる。但し、本実施例では開度の最少は0%でなく、略30%に設定しており、常に一部開放して連通状態にある。
【0062】
本実施例では、前記ステッピングモータのステップ角は例えば1度のものを使用したが、これに限ることはなく、例えばステップ角を3度或いは5度等種々変更して使用してもよい。ステップ角が小さいほど、バイパス通路32の開度を細かく制御することができる。
【0063】
次に、図7を参照してバイパス通路32の開度と熱交換器31通路及びバイパス通路32に流れる乾燥風風量との関係について述べる。図7に示すように、バイパス通路32の開度が大きくなるにつれて、熱交換器31通路に流れる乾燥風風量は徐々に少なくなり、バイパス通路32に流れる乾燥風風量は徐々に多くなる。なお、いずれのバイパス通路32の開度のときでも、熱交換器31通路とバイパス通路32とに流れる乾燥風風量の和は、熱交換ユニット21に流れ込む乾燥風風量と略等しい。
【0064】
図8は、上段側に乾燥風温度と同風量特性を示し、下段側にバイパス通路32の開度を示す2段構成にあって、乾燥運転の進展に応じた特性変化を示したもので、ここでは、例えば標準コースの乾燥運転の具体的行程をモデルケースとして以下に説明する。まず乾燥運転では、開始からその進行状況に応じて具体的に三つの現象に伴う三つの行程に区分できる。即ち、乾燥運転開始当初における加熱期間と、特に除湿作用(乾燥作用)が活発に行なわれる恒率期間、そして乾燥が進み除湿が略終了した仕上げ期間である減率期間に区分される。
【0065】
加熱期間は、初期時点で、例えば外気温度と外槽2内温度とが等しいとして、ヒータ装置23で加熱された乾燥風が発生することで、垂下ダクト51内に取り付けられた温度センサ41(図6参照)に基づく乾燥風温度が、周囲温度たる外気温度から所定温度まで急激に上昇する期間に相当する。
【0066】
乾燥風温度が前記所定温度に達すると、恒率期間となり、乾燥風の急激な温度上昇は止まり平坦状に近い安定した状態の温度特性を示すようになる。乾燥風の熱が主に洗濯物の温度上昇と洗濯物内の水分の蒸発潜熱に使用され、恒率期間では、衣類等の洗濯物の乾燥作用が最も活発に進行する。衣類等に含まれている湿気に対し熱交換作用をバランス良く行っていた乾燥風は、更に加熱が継続され乾燥効果が進行するに伴い恒温状態を脱し減率期間へ移行する。
【0067】
減率期間では、制御装置7はヒータ装置23への通電駆動を停止するが、乾燥風の予熱により衣類等の乾燥は更に促進され、その後、乾燥風温度の低下に伴う送風(冷風)が外槽2に循環供給され衣類等が冷まされ、やがて送風装置22の駆動も停止され乾燥風の循環が止まり、減率期間が終了するとともに全乾燥運転時間が終了する。
【0068】
次に、上記した循環通路3を循環する乾燥風温度に応じてバイパス通路32の開度が可変される乾燥運転について同図8を参照して説明する。
加熱期間において、乾燥運転初期(図8中、期間Jで示す区分)では、バイパス通路32を最大限開放する。即ちバイパス通路32の開度が100%になるように、制御装置7は前記ステッピングモータ(図示せず)の回転軸62a(図6参照)を回動制御する。乾燥運転開始とともに送風装置22及びヒータ装置23(図3参照)の通電も同時に開始される。バイパス通路32の開度が100%であるため、バイパス通路32を通過する乾燥風風量は最大になり、延いては熱交換器31通路を通過する乾燥風風量は結果的に最少になるため、熱交換器31に供給される水により冷やされるいわゆる熱交換可能な乾燥風風量を最少にできる。このことは、熱交換器31内における水飛沫の大きな巻き上げ現象を抑えることができ該水飛沫による送風抵抗を軽減でき、循環通路3、ヒータ装置23等を通過する乾燥風をスムーズに通すことができ、該風量を増やすことができる。
【0069】
以上のことから、乾燥運転開始当初の外気温度と略等しい乾燥風温度は、効率良く短時間に所定温度まで高められ、乾燥運転時間を短縮でき衣類等の被洗濯物の乾燥効率の向上を図ることができるとともに、循環通路3を循環する乾燥風を十分確保できるため、更に衣類等の乾燥効率の向上に寄与することができる。なお、乾燥風温度は、垂下ダクト51に取り付けられた温度センサ41により測定される。図8に示すように、乾燥風温度が該所定温度に達したら、制御装置7は前記ステッピングモータの回転軸62aを回動制御し、バイパス通路32の開度は最少になるまで(閉じる方向に)徐々に小さくされる。加熱された乾燥風は衣類等の乾燥に寄与し、湿気を含んだ乾燥風は熱交換器31通路に徐々に多く流れるようになり、そしてバイパス通路32の開度が最少になると(例えば30%程度)、乾燥風は熱交換器31通路に最大量流されることになり、より乾燥風の除湿効率の向上を図ることができる。循環通路3を循環する乾燥風は、ヒータ装置23により加熱され乾燥風温度は更に上昇し、安定した所定温度の恒率期間に移行する。
【0070】
乾燥運転中に亘って、バイパス通路32の開度を0%にすることはなく、乾燥運転中は、循環する乾燥風の一部は常にバイパス通路32に流され、その効果(風量の確保及び増大など)を維持可能としている。これにより、熱交換器31通路を流れる乾燥風風量を抑えることができ、異常な巻き上げ現象を抑えて水飛沫が下流側の送風装置22に達することを防止でき電気的安全性が確保されるとともに、異常ではないにしても、巻き上げられた水飛沫が熱交換器31通路の上部に滞留して送風抵抗となるようなことがあっても熱交換(除湿)されずにバイパス通路32からの通風により乾燥風の風量として補充され、循環する乾燥風の風量全体として風量減となることがなく、十分な乾燥風風量を外槽2内に循環供給でき、もって衣類等の乾燥効率が向上する。なお、バイパス通路32の開度の最小値を0%にして可変調整するようにしてもよい。バイパス通路32の開度が0%とした時は、熱交換ユニット21に流入する全ての乾燥風は熱交換器31通路に流れ、乾燥風の全てを熱交換して除湿効率を高めることができる。
【0071】
恒率期間において、乾燥風は、急激な温度上昇を止め僅かずつ上昇する程度の安定した温度特性を示し、衣類等の乾燥作用が最も活発に行われる。この恒率期間でも、バイパス通路32の開度を最少に維持するため、熱交換器31通路に流れる乾燥風風量は最大量となり、熱交換器31の除湿効率は最大となるとともに、乾燥効率も上がる。
【0072】
更に加熱乾燥が進行し、衣類等の乾燥が進むと恒率期間が終了し、減率期間に移行する。減率期間では、衣類等の乾燥作用が急速に進んで高温状態となり、乾燥に寄与した乾燥風(排気風)の温度を急上昇させ、温度センサ41がこの温度の急上昇を検知することにより、制御装置7はヒータ装置23の通電駆動を停止させる。乾燥風温度はヒータ装置23を停止させてもしばらくは慣性により上昇する。減率期間において、制御装置7は前記ステッピングモータの回転軸62aを回動制御し、バイパス通路32の開度が100%に達するまで徐々に大きくする。この間、乾燥風は予熱温度により洗濯物の乾燥を更に促進させる。バイパス通路32の開度が更に大きくなり、バイパス通路32に流れる乾燥風風量が増加し、対しては熱交換器31通路に流れる乾燥風風量は減少する。このため、熱交換される風量が減少する反面、バイパス通路32から流れる風量で補完され、循環通路3を循環する乾燥風風量を低下させることがない。
【0073】
このようにして、ヒータ装置23の駆動は停止されていることから、図8に示すように乾燥風温度は徐々に低下する。バイパス通路32の開度は100%となり、バイパス通路32に最大量の乾燥風が流れるようになると、冷えた乾燥風(冷風)が大量に外槽2に循環供給され、未だ熱い状態の衣類等が急速に冷まされ、やがて送風装置22の駆動も停止され乾燥風の循環が止まり、減率期間が終了するとともに全乾燥運転時間が終了する。
【0074】
上述のように、循環通路3を循環する乾燥風の温度に応じて、適宜バイパス通路32の開度を可変させることにより、必要に応じて十分な乾燥風風量を確保でき、或いは、必要に応じ熱交換(除湿)の必要度合を調整することができるなど、効率良く衣類等を乾燥させることができ、乾燥運転時間を短縮させることができる。
【0075】
次に、循環通路3を循環する乾燥風の風量に応じてバイパス通路32の開度を可変させる乾燥運転について図9を参照して説明する。
図9は、例えば標準コースとお休みコースとを対比して示した乾燥運転の進行に伴う乾燥風の特性及びバイパス通路32の開度の夫々の変化を上下2段に示した特性図である。お休みコースとは、夜間など乾燥運転中等に生じる騒音を抑制したい時間帯に選択されるコースである。
【0076】
図9に示すように、全乾燥運転時間に亘り、標準コースと対比してお休みコースは、送風装置22(図3参照)のファンモータ22bのファン回転速度が小さくなるように制御装置7により制御される。このため、お休みコースは標準コースに比べ、循環通路3を循環する乾燥風の風量が少なくなり、乾燥運転中に発生する騒音が抑制されるが、当然衣類等の乾燥に寄与する乾燥風風量も少なくなる。そこで、お休みコースでは標準コースに比べ、全乾燥運転時間に亘りバイパス通路32の開度を大きくすることにより、バイパス通路32に流れる乾燥風風量を多くして、標準コース選択時のバイパス通路32に流れる乾燥風風量と略等しくなるように制御している。
【0077】
以上のことから、次の作用効果を得る。お休みコースのように循環通路3を循環する乾燥風の風量が少ない場合は、バイパス通路32の開度を大きくすることにより、全乾燥運転時間に亘りバイパス通路32に流れる乾燥風風量を増やすことができ、熱交換器31内を流れる風量が若干減少するが、熱交換されることなくバイパス通路32からファンケーシング22a内などの循環通路3に流入される乾燥風の風量にて補充されるので、全体風量としては大きな風量減となることがなく、結果、衣類等の乾燥に必要な乾燥風風量の低下を抑えることができる。更に、熱交換器31通路を流れる乾燥風の風量が抑えられることから、熱交換器31内の水飛沫が異常に巻き上げられ下流側の送風装置に達することを防止でき電気的安全性が確保される。なお、このお休みコースの運転時間は、必要に応じ標準コースに比して長時間設定とすることも可能である。
【0078】
次に、熱交換器31に供給される水の給水量に応じてバイパス通路32の開度を可変させる乾燥運転について図10及び図8を参照して説明する。
図10は、熱交換器31に供給される水量の違いで比較する熱交換器31通路及びバイパス通路32に流れる乾燥風風量、並びにバイパス通路32の開度を示す作用説明図である。
【0079】
熱交換器31に供給される水量は、洗濯乾燥機1が設置される場所の水道の水圧に影響される。その水道が低水圧であれば少なくなり、高水圧であれば多くなる。既述の如く、洗い運転時における給水量を流量計29aで測定済みで、その判断基準はそのまま適用できる。例えば、3段階(少水量、標準水量、大水量)に判別され、制御装置7に記憶されていて、以下のように制御される。
【0080】
今、熱交換器31に給水される水量が「少水量」と判別されている場合は、図10(及び図8参照)に示す加熱期間、及び減率期間では、バイパス通路32の開度は「標準水量」の場合より小さい開度「少」に制御される。このため、バイパス通路32の乾燥風風量も、「標準水量」の場合の標準より少なくなる。このことは、熱交換器31内で巻き上げられる水飛沫が滞留して乾燥風の送風抵抗になるほど多くはならず、熱交換器31通路に多くの乾燥風を流しても循環通路3を循環する全体の乾燥風の風量減になることはなく、更に熱交換器31の除湿効率を高めることができる。
【0081】
一方、熱交換器31に注水される水量が「大水量」と判別されている場合は、バイパス通路32の開度は「標準水量」の場合の標準より大きな「大」に制御される。このため、バイパス通路32の乾燥風風量も、「標準水量」の場合の標準より多くなる。即ち、熱交換器31内に注水される水量も多くなることから大きな風量にて熱交換し除湿効率をあげることが可能である。但し、必要以上に風量増になると水飛沫を多量に巻き上げ、該水飛沫が一時的に滞留して送風の抵抗となったり、延いては送風装置22側に侵入する異常事態に至る憂いが想定される。そこで、バイパス通路32を開度「大」にして熱交換器31通路側だけでなくバイパス通路32側の風量を最大限多量に送風できるようにし、もって上記憂いを回避するとともに、全体の乾燥風風量の増大を図り、衣類等の乾燥効率の向上が期待できる。
【0082】
なお、バイパス通路32の開度「少」とは、本実施例では例えばバイパス通路32の開度「標準」の場合のバイパス開度の0.8倍のバイパス通路32の開度に制御されることをいい、バイパス通路32の開度「大」とはバイパス通路32の開度「標準」の場合のバイパス通路32の開度の1.2倍のバイパス通路32の開度に制御されるようにしている。なお、図8に示す加熱期間初期の期間Jの区分では、熱交換器31に注水される水量が、「少水量」、「標準水量」、「大水量」のいずれの場合であっても、図10に示すバイパス通路32の開度は100%に優先的に制御される。これは、上述の如く、乾燥運転初期では衣類等はもとより外槽2内や循環通路3内などは未だ低温状態にあるため、乾燥風を熱交換器31で冷却するよりも全体の風量アップが乾燥性能の向上に有利である。
【0083】
図10に示す恒率期間(図8参照)では、熱交換器31に給水される水量が「少水量」、「標準水量」、及び「大水量」のいずれの場合であっても、バイパス通路32の開度は図8に示す「最少」であり、バイパス通路32乾燥風風量も「最少」となる。恒率期間は、衣類等の乾燥が最も促進される期間であることから、熱交換器31通路に最大量の乾燥風を通し除湿効率を向上させるためである。なお、図8に示す乾燥運転の進行に伴う動作状態、即ち加熱期間、恒率期間、減率期間を有することは衣類乾燥機として共通事項である。
【0084】
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4実施例を示す図1相当図である。但し、特には第3実施例と類似することから、以下第3実施例(図6参照)と対比して述べる。特に、熱交換ユニット71及び熱交換器31の乾燥風出口39側に短絡して通じる垂下ダクト51に形成された短絡通路52にフラップ72(短絡量可変手段)を設け、短絡通路52の開口面積(通路断面積)を可変可能にしたことを特徴とするもので、以下詳述する。
【0085】
図11に示すように、短絡通路52の下端には、制御装置7(図2参照)により駆動制御されるステッピングモータ(図示せず)の回転軸72aが熱交換ユニット71の外方(図示背面側)から差し込まれている。フラップ72の形状は短絡通路52の開口部と略同一形状の方形板状体であり、回転軸72aにはフラップ72の一辺が取り付け固定されており、回転軸72aを中心にフラップ72は回動する。フラップ72が回動することにより、短絡通路52を開閉可能にし、短絡通路52の開口面積(短絡通路52の開度)を可変可能にする。
【0086】
フラップ72が短絡通路52の開口部を完全に塞いだ状態が、短絡通路52が全閉、即ち短絡通路52の開度は0%となる。フラップ72が傾斜壁30bに当接した状態が、短絡通路52が全開、即ち短絡通路52の開度は100%となる。フラップ62とフラップ72とは連動して回動するように、制御装置7は夫々の前記ステッピングモータを駆動制御する。即ち、バイパス通路32の開度と短絡通路52の開度とは常時同一になるように制御され連動する構成にある。具体的には、バイパス通路32の開度が100%のとき短絡通路52の開度は100%となり、バイパス通路32の開度が0%のとき短絡通路52の開度が0%となる。
【0087】
次に図8も参照して、本実施例に係る洗濯乾燥機1の作用、効果について述べる。
図8における乾燥運転開始初期(図8中、期間Jで示す区分)では、バイパス通路32の開度は100%であり、バイパス通路32の開度に連動する短絡通路52の開度も100%になるように駆動制御される。このため、バイパス通路32及び短絡通路52を通過する乾燥風風量は最大になり、延いては熱交換器31通路を通過する乾燥風風量は最少になり、熱交換器31に供給される水により冷やされる乾燥風風量を最少にできる。更に、熱交換器31内に巻き上げられる水飛沫が滞留する現象を減少でき送風抵抗を抑制できるので、循環通路3、ヒータ装置23等を通過する乾燥風風量を増やすことができる。
【0088】
以上のことから、乾燥運転開始当初の外気温度と略等しい乾燥風温度は、効率良く短時間に所定温度まで高められ、乾燥運転時間を短縮でき衣類等の乾燥効率の向上を図ることができるとともに、循環通路3を循環する乾燥風を十分確保できるため、更に洗濯物の乾燥効率の向上に寄与する。
【0089】
加熱期間(図8参照)において、乾燥風温度が該所定温度に達したら、フラップ62及びフラップ72を相互に連動させながら、バイパス通路32及び短絡通路52の開度は、相互に等しくなるように最少になるまで徐々に小さくされる。バイパス通路32及び短絡通路52を通過する乾燥風は徐々に少なくなるとともに、熱交換器31通路に流れる乾燥風は徐々に多くなる。短絡通路52にフラップ72を設けたことにより、短絡通路52から熱交換ユニット71の乾燥風出口39へ短絡して流れていた乾燥風も徐々に熱交換器31通路に流れるようになり、熱交換器31通路に流れる乾燥風の流量を増やすことができ、延いては熱交換器31の除湿効率の向上を図ることができる。
【0090】
恒率期間(図8参照)において、バイパス通路32及び短絡通路52の開度は最少に維持される。恒率期間においても、短絡通路52にフラップ72を設けたことにより、短絡通路52から熱交換ユニット71の乾燥風出口39へ短絡して流れていた乾燥風も熱交換器31通路に流れるようになり、熱交換器31通路に流れる乾燥風の流量を増やすことができ、延いては熱交換器31の除湿効率の向上を図ることができる。
【0091】
減率期間(図8参照)において、バイパス通路32及び短絡通路52の開度は100%に達するまで徐々に大きくされる。このため、熱交換器31通路に流れ除湿作用に寄与していた乾燥風は、除湿作用に寄与しないバイパス通路32及び短絡通路52に徐々に増加して流れるようになる。この間、乾燥風は予熱温度により衣類等の乾燥作用を更に促進させる。従って、バイパス通路32及び短絡通路52の開度が大きくなるにつれ、当然熱交換器31通路に流れる乾燥風風量は減少してくる。このため、熱交換器31内に巻き上げられる水飛沫を適切に減少でき送風抵抗となることを回避しつつ、循環通路3を循環する全体の乾燥風を増加させることができる。
【0092】
ヒータ装置23の駆動停止後は、第1実施形態などと同様に図8に示すように乾燥風温度は徐々に低下する。但し、本実施例ではバイパス通路32及び短絡通路52の開度は100%でありバイパス通路32及び短絡通路52に最大量の乾燥風が流れる。このため、冷えた乾燥風(冷風)が大量に外槽2に循環供給され衣類等が急速に冷まされ、やがて送風装置22の駆動も停止され乾燥風の循環が止まり、減率期間が終了するとともに全乾燥運転時間が終了する。
【0093】
上述のように、バイパス通路32の開度に連動させて短絡通路52の開度を可変させることにより、短絡通路52より熱交換ユニット71の乾燥風出口39へ短絡して流れていた乾燥風も適宜必要に応じて、循環風量の増加に寄与し、熱交換器31の除湿効率の向上に寄与する。このため、効率良く衣類等を乾燥させることができ、乾燥運転時間を短縮させることができる。
【0094】
乾燥運転中に亘って、本実施例では短絡通路52の開度を0%にすることはなく、乾燥運転中は常に、循環する乾燥風の一部は短絡通路52から熱交換ユニット71の乾燥風出口39へ短絡して流れている。これにより、バイパス通路32の場合と同様に、熱交換器31通路を流れる乾燥風風量を抑えることができ、巻き上げられた水飛沫が下流側の送風装置22に達する異常現象を防止できるとともに、或いは、巻き上げられた水飛沫が霧状に滞留して熱交換器31通路の送風抵抗となるようなことがあっても、熱交換器31やバイパス通路32を短絡して短絡通路52からファンケーシング22a内へ流入される乾燥風の風量によって補充されるので、循環する乾燥風の風量全体としては大きな風量減となることもなく、むしろ十分な乾燥風風量を外槽2に循環供給でき、もって乾燥効率の向上を図ることができる。なお、短絡通路52の開度を、例えば最小値を0%に設定してもよい。因みに短絡通路52の開度を0%にした時は、バイパス通路32の開度も連動して0%になるため、垂下ダクト51に流入する全ての乾燥風は熱交換器31通路に流れ、乾燥風の除湿効率を高めることが可能となる。
【0095】
なお、本発明は上記し且つ図面に示した各実施例に限定されることなく、例えば洗濯機能を有するドラム式洗濯乾燥機に限らず、少なくとも乾燥機能を有する衣類乾燥機に適用できるもので、従って乾燥室としての外槽内に配置されたドラムは、乾燥運転における衣類等の攪拌手段として有効であるが、これに代えて、例えば乾燥室内に静止状態に衣類等を吊り下げ支持する構成としてもよい。
【0096】
その他、上記した実施例に係る洗濯乾燥機では、熱交換ユニットと垂下ダクトとは一体に形成された例を示したが、これに限ることはなく、熱交換ユニットと垂下ダクトとは個々に独立して形成されてもよい。その他、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施可能である。
【符号の説明】
【0097】
図面中、1は洗濯乾燥機(衣類乾燥機)、2は外槽(乾燥室)、3は循環通路、4は本体、8はドラム、22は送風装置、23はヒータ装置、27、51は垂下ダクト(通風ダクト)、31は熱交換器、32はバイパス通路、52は短絡通路、62はフラップ(通路可変手段)、及び72はフラップ(短絡量可変手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を形成する箱状の本体と、
前記本体の内部に配設され収容された衣類等を乾燥する乾燥室と、
前記乾燥室に対し、乾燥風を循環供給可能に設けられた循環通路と、
前記循環通路の途中部位に設けられ、加熱された前記乾燥風を生成するヒータ装置及び送風装置からなる乾燥風発生ユニットと、
前記循環通路における前記乾燥風発生ユニットの上流側に設けられ、乾燥風中の水分を水冷除湿する熱交換器と、
前記熱交換器内の通路と並列に設けられたバイパス通路を具備したことを特徴とする衣料乾燥機。
【請求項2】
バイパス通路の入口側を開閉可能としたことを特徴とする請求項1記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
バイパス通路の通路断面積を、可変可能とした通路可変手段を有することを特徴とする請求項1記載の衣類乾燥機。
【請求項4】
乾燥運転初期では、バイパス通路を全開にすることを特徴とする請求項2又は3に記載の衣類乾燥機。
【請求項5】
バイパス通路を可変する通路可変手段は、循環通路を循環する乾燥風の温度に応じて可変するようにしたことを特徴とする請求項3記載の衣類乾燥機。
【請求項6】
バイパス通路を可変する通路可変手段は、循環通路を循環する乾燥風の風量に応じて可変するようにしたことを特徴とする請求項3記載の衣類乾燥機。
【請求項7】
バイパス通路を可変する通路可変手段は、熱交換器の水冷用の給水量に応じて可変するようにしたことを特徴とする請求項3記載の衣類乾燥機。
【請求項8】
バイパス通路及び熱交換器の入口側に連結される上流側の通風ダクトを備え、該ダクトには前記熱交換器の出口側に短絡して通じる短絡通路を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の衣類乾燥機。
【請求項9】
通風ダクトの短絡通路に短絡量可変手段を設け、その開閉は、バイパス通路の開閉動作と連動する構成としたことを特徴とする請求項8記載の衣類乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−10987(P2011−10987A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159741(P2009−159741)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】