説明

表示制御装置および表示制御プログラム

【課題】ユーザは、希望する撮影条件で撮影することを目的として、パラメータの変動範囲を制限する制限値、例えばシャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値を予め設定することができる。しかしながら、パラメータの現在値を表示する表示画面には制限値が表示されないことから、ユーザは、パラメータの現在値が制限値に達したのか否かを判断することができない。
【解決手段】表示制御装置は、電子機器の処理に用いられるパラメータの変動範囲を制限する制限値を、ユーザから受け付ける受付部と、制限値をパラメータの現在の設定値とともに表示部に表示させる表示制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
シャッタ速度、絞り値、ISO感度等の撮影処理に用いられるパラメータの現在値を、円形等の表示態様で表示部に表示させるカメラが知られている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2005−348196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザは、希望する撮影条件で撮影することを目的として、パラメータの変動範囲を制限する制限値、例えばシャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値を予め設定することができる。しかしながら、パラメータの現在値を表示する表示画面には制限値が表示されないことから、ユーザは、パラメータの現在値が制限値に達したのか否かを判断することができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様における表示制御装置は、電子機器の処理に用いられるパラメータの変動範囲を制限する制限値を、ユーザから受け付ける受付部と、制限値をパラメータの現在の設定値とともに表示部に表示させる表示制御部とを備える。
【0005】
また、本発明の第2の態様における表示制御プログラムは、電子機器の処理に用いられるパラメータの変動範囲を制限する制限値を、ユーザから受け付ける受付ステップと、制限値をパラメータの現在の設定値とともに表示部に表示させる表示制御ステップとをコンピュータに実行させる。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係るカメラの正面斜視図である。
【図2】本実施形態に係るカメラ本体の背面図である。
【図3】本実施形態に係るカメラのシステム構成図である。
【図4】感度自動制御の設定画面を説明する図である。
【図5】本実施形態の情報画面を説明する図である。
【図6】オブジェクトの表示遷移を説明する図である。
【図7】シャッタ速度の下限値の変更処理を説明する図である。
【図8】本実施形態の情報画面の表示処理フロー図である。
【図9】マニュアルモードにおけるオブジェクトの表示遷移を説明する図である。
【図10】撮影モードの変更に応じたオブジェクトの表示遷移を説明する図である。
【図11】第1の変形例に係る情報画面を説明する図である。
【図12】第1の変形例に係る情報画面におけるオブジェクトの他の表示態様を説明する図である。
【図13】第2の変形例に係る情報画面を説明する図である。
【図14】第3の変形例に係る情報画面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る撮像装置としてのカメラ10の正面斜視図である。ここでは、レンズ交換式カメラを例に説明する。カメラ10は、カメラ本体30に交換レンズ20が装着されて構成される。カメラ本体30には、焦点距離、開放F値等の異なる複数の交換レンズ20が交換可能に装着される。交換レンズ20は、その鏡筒内に、光軸11に沿って配列された光学系を備え、光軸11に沿って入射する被写体光束をカメラ本体30へ導く。光学系には、フォーカスレンズ、ズームレンズが含まれる。なお、図示するように、光軸11に平行な方向である前後方向をz軸方向とする。また、z軸に直交し、かつカメラ本体30の長手方向と平行な方向である左右方向をx軸方向とし、z軸およびx軸に直交する方向である上下方向をy軸方向とする。
【0010】
図1に示すように、カメラ本体30の上面には、ユーザから各種入力を受け付ける受付部としての役割を担う複数の操作部材が設けられている。具体的には、撮影指示を受け付けるレリーズボタン31、絞り値の変更に用いられる絞りボタン32、各種情報を示す情報画面の表示指示を受け付ける情報表示ボタン33、撮影モードの切り替えを受け付ける撮影モードダイヤル34が配置されている。
【0011】
図2は、本実施形態に係るカメラ本体30の背面図である。カメラ本体30の背面には、液晶モニタ等の表示部35が設けられている。また、カメラ本体30の背面においても、上面と同様に、ユーザから各種入力を受け付ける受付部としての役割を担う複数の操作部材が設けられている。具体的には、シャッタ速度、絞り値を調整するためのコマンドダイヤル36、表示部35に表示されたカーソル等の移動に用いられる十字キー37、カーソルで選択された項目の機能等を実行させる決定ボタン38が配置されている。また、様々な設定項目を表示部35に表示させるメニューボタン39、ユーザによって予め割り当てられた機能を指示するための機能ボタン40が配置されている。
【0012】
図3は、本実施形態に係るカメラ10のシステム構成図である。被写体像は、光軸11に沿って光学系を透過し、撮像素子133の受光面に結像する。光学系は、ズームレンズ121、フォーカスレンズ122、絞り123等を含む。光学系は、レンズシステム制御部120によって制御される。例えば、レンズシステム制御部120は、レンズ駆動回路124を介してズームレンズ121を移動させるモータおよびフォーカスレンズ122を移動させるモータを制御する。また、レンズシステム制御部120は、絞り駆動回路125を介して絞り123を駆動する。また、レンズシステム制御部120は、レンズマウント接点126およびカメラマウント接点131を介してカメラシステム制御部130と接続され、相互に通信を実行しつつ協働して交換レンズ20とカメラ本体30を制御する。なお、レンズマウント接点126およびカメラマウント接点131は、それぞれ上述の交換レンズ20側の通信端子およびカメラ本体30側の通信端子を含む。
【0013】
撮像素子133は、光学系を透過して入射する被写体像である光学像を光電変換する素子であり、例えば、CCD、CMOSセンサが用いられる。シャッタ134は、撮像素子133に対して撮影時のみ光が入射するように、撮影時の露光時間中のみ開き、それ以外の時は光をさえぎる。撮像素子133で光電変換された被写体像は、A/D変換器135でアナログ信号からデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された被写体像は、画像データとして順次処理される。
【0014】
A/D変換器135によりデジタル信号に変換された画像データは、画像処理部136へ引き渡される。画像処理部136は、撮影モード、ユーザからの指示に従って、画像データをJPEGファイル等の規格化された画像フォーマットの画像データに変換する。メモリ制御部137は、いかなる作業にどれくらいのメモリ容量を割り当てるかを制御する。内部メモリ138は、高速で読み書きのできるランダムアクセスメモリであり、例えばDRAM、SRAMなどが用いられる。内部メモリ138は、画像処理部136が行う処理において、ワークメモリとしての役割を担う。画像処理部136によって処理された画像データは、メモリ制御部137の制御により、内部メモリ138から外部機器IF140を介して、記録媒体の記録部141に記録される。記録媒体は、フラッシュメモリ等により構成される、カメラ本体30に対して着脱可能な不揮発性メモリである。
【0015】
画像処理部136で処理された画像データは、記録用に処理される画像データに並行して、表示用の画像データを生成する。生成された表示用の画像データは、表示制御部139の制御に従って、表示部35に表示される。記録の有無に関わらず、逐次表示用の画像データを生成して表示部35に表示すれば、電子ファインダ機能としてライブビューを実現できる。また、画像の表示と共に、もしくは画像を表示することなく、カメラ10の各種設定に関する様々なメニュー項目も、表示制御部139の制御により表示部35に表示することができる。
【0016】
カメラ10は、上記の画像処理における各々の要素も含めて、カメラシステム制御部130により直接的または間接的に制御される。カメラシステム制御部130は、システムメモリ132を備える。システムメモリ132は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM(登録商標)等により構成される。システムメモリ132は、カメラ10の動作時に必要な定数、変数、プログラム等を、カメラ10の非動作時にも失われないように記録している。カメラ本体30は、電源143から電力供給を受ける。電源制御部142は、電源143と通信して残電力の検出、電力供給の監視、給電を行う。電源143は、2次電池、家庭用AC電源等により構成される。また、交換レンズ20への給電は、レンズマウント接点126、カメラマウント接点131を介して行われる。
【0017】
操作検出部144は、上述した操作部材が操作されたことを検出してカメラシステム制御部130へ検出結果を出力する。カメラシステム制御部130は、検出された操作に応じた動作を実行する。具体的には、カメラシステム制御部130は、レリーズボタン31の1段階目の押下げであるSW1のオンを検知することにより撮影準備動作であるAF等を実行する。そして、カメラシステム制御部130は、レリーズボタン31の2段階目の押下げであるSW2のオンを検知することにより撮像素子133による被写体像の取得動作を実行する。
【0018】
測光センサ145は、ファインダ近傍に設けられ、被写体の明るさを検知する。露出制御部146は、測光センサ145の出力に応じて適正露出値を算出する。そして、露出制御部146は、ユーザが撮影モードダイヤル34で選択した撮影モードに応じて、システムメモリ132からプログラム線図を取得し、プログラム線図および適正露出値に応じて適性絞り値、シャッタ速度、ISO感度を決定する。
【0019】
露出制御部146は、レリーズボタン31のSW2のオンに応じて、適正絞り値に制絞り込む御信号をレンズシステム制御部120へ出力するとともに、決定したシャッタ速度で駆動させる制御信号をシャッタ134へ出力する。また、露出制御部146は、決定したISO感度に対応する読み出しゲインを設定する制御信号を撮像素子133へ出力する。
【0020】
図4は、感度自動制御の設定画面を説明する図である。感度自動制御とは、ユーザが予め設定したISO感度では適正露出が得られない場合にISO感度を自動で変更する制御であり、露出制御部146によって実行される。ユーザがメニューボタン39を押してメニュー画面を表示部35に表示させ、十字キー37および決定ボタン38を操作してメニュー画面の「感度自動制御」の項目を指定すると、図4(a)に示すような感度自動制御の設定画面が表示部35に表示される。ユーザがこの感度自動制御の設定画面で「する」の項目をカーソル200で指定すると、感度自動制御がオンに設定され、「制御上限感度」の項目および「低速限界設定」の項目が選択可能となる。
【0021】
ユーザが十字キー37および決定ボタン38を操作して「制限上限感度」の項目をカーソル200で指定すると、図4(b)に示すような制限上限感度の設定画面が表示部35に表示される。制御上限感度の設定画面では、感度自動制御を実行する場合のISO感度の上限値を設定することができる。本実施形態のカメラ10では、上限値が設定されていない場合のISO感度の初期変動範囲は、100から6400である。ISO感度の初期変動範囲は、撮像素子133の仕様等に応じて製造時に予め規定されている。そして、ユーザは、ISO感度の初期変動範囲の離散的な値、例えば図4(b)に示す400,800,1600,3200,6400のいずれかをISO感度の上限値に設定することができる。カメラシステム制御部130は、ユーザが設定したISO感度の上限値をシステムメモリ132に記録する。露出制御部146は、ISO感度の上限値が設定された場合に、当該上限値を超えないようにISO感度を制御する。
【0022】
ユーザが十字キー37および決定ボタン38を操作して「低速限界設定」の項目をカーソル200で指定すると、図4(c)に示すような低速限定設定の設定画面が表示部35に表示される。低速限界設定の設定画面では、感度自動制御を開始するシャッタ速度、すなわちシャッタ速度の下限値を設定することができる。本実施形態のカメラ10では、下限値が設定されていない場合のシャッタ速度の初期変動範囲は、30秒から1/4000秒である。ISO感度の初期変動範囲は、シャッタ134の仕様等に応じて製造時に予め規定されている。そして、ユーザは、このシャッタ速度の初期変動範囲の離散的な値、例えば図4(c)に示す1/60秒,1/30秒,1/15秒,1/8秒,1/4秒のいずれかを下限値に設定することができる。カメラシステム制御部130は、ユーザが設定したシャッタ速度の下限値をシステムメモリ132に記録する。露出制御部146は、シャッタ速度の下限値が設定された場合に、当該下限値を下回らないようにシャッタ速度を制御する。
【0023】
図5は、本実施形態の情報画面300を説明する図である。ユーザが情報表示ボタンを押すと、情報画面300は表示部35に表示される。情報画面300は、カメラ10の撮影処理に用いられる各種パラメータの情報を含む。なお、本実施形態において、図4を用いて説明した感度自動制御の設定画面で感度自動制御がオンに設定されており、ISO感度の上限値、シャッタ速度の下限値は、それぞれ3200、1/15秒に設定されている。また、本実施形態における撮影モードとして、シャッタ速度および絞り値をユーザが手動で設定するマニュアルモードが選択されており、情報画面300の左上には、撮影モード表示301として、マニュアルモードを示す「M」が表示されている。
【0024】
図5に示すとおり、表示制御部139は、シャッタ速度の設定値を示すシャッタ速度オブジェクト310、絞り値の設定値を示す絞り値オブジェクト320、ISO感度の設定値を示すISO感度オブジェクト330を情報画面300に配置する。シャッタ速度オブジェクト310の形状は、シャッタ速度を変更する操作部材であるコマンドダイヤル36の形状を模している。シャッタ速度オブジェクト310は、リング形状の外部領域311および外部領域311に囲まれた円形状の内部領域312で構成される。外部領域311には、シャッタ速度の初期変動範囲の値が円弧状に配置されている。
【0025】
内部領域312の中央には、シャッタ速度の現在の設定値が表示されている。また、内部領域312には、シャッタ速度の現在の設定値を示す設定値指標313、ユーザが設定したシャッタ速度の下限値を示す下限値指標314が、外部領域311に表示されているシャッタ速度の初期変動範囲に関連付けて配置されている。具体的には、設定値指標313は、外部領域311に表示されているシャッタ速度の初期変動範囲における現在の設定値を指し示すように配置されている。同様に、下限値指標314は、外部領域311に表示されているシャッタ速度の初期変動範囲における下限値を指し示すように配置されている。
【0026】
絞り値オブジェクト320は、絞り羽根の模様が施されたリング形状の絞り羽根領域321および絞り羽根領域321に囲まれた円形状の開口領域322で構成される。絞り値オブジェクト320の形状は、絞り値に応じて動作を実行する動作部材である絞り123の形状を模している。絞り値オブジェクト320の中央には、絞り値の現在の設定値が表示されている。開口領域322の大きさは、絞り値の現在の設定値に対応している。
【0027】
ISO感度オブジェクト330は、リング形状の外部領域331および外部領域331に囲まれた円形状の内部領域332で構成される。外部領域331には、ISO感度の初期変動範囲の値が円弧状に配置されている。内部領域332の中央には、ISO感度の現在の設定値が表示されている。なお、露出制御部146が感度自動制御を実行した場合には、表示制御部139は、露出制御部146が直近で演算したISO感度の値を現在の設定値として表示する。
【0028】
また、内部領域332には、ISO感度の現在の設定値を示す設定値指標333、ユーザが設定したISO感度の上限値を示す上限値指標334が、外部領域331に表示されているISO感度の初期変動範囲に関連付けて配置されている。具体的には、設定値指標333は、外部領域331に表示されているISO感度の初期変動範囲における現在の設定値を指し示すように配置されている。同様に、上限値指標334は、外部領域331に表示されているISO感度の初期変動範囲における上限値を指し示すように配置されている。
【0029】
上述のように、制限値であるシャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値を、シャッタ速度、ISO感度の現在の設定値とともに表示部35に表示させることにより、ユーザは、シャッタ速度、ISO感度が制限値に達したのか否かを容易に判断することができる。また、制限値によって制限されていないシャッタ速度、ISO感度の初期変動範囲もあわせて表示部35に表示させることにより、ユーザは、シャッタ速度、ISO感度の現在の設定値と制限値との差の大小を容易に把握できる。
【0030】
図6は、オブジェクトの表示遷移を説明する図である。まず、シャッタ速度オブジェクト310の表示遷移について説明する。ユーザがコマンドダイヤル36を時計回りに回転させてシャッタ速度を1/1000秒から1/500秒に変更すると、表示制御部139は、図6(a)に示すようにシャッタ速度オブジェクト310の表示を変更する。具体的には、表示制御部139は、外部領域311において1/500秒を示す「500」を設定値指標313が指し示すように、設定値指標313の表示を固定したまま外部領域311を時計回りに移動させる。また、表示制御部139は、外部領域311の移動にあわせて下限値指標314も移動させる。
【0031】
ユーザがコマンドダイヤル36をさらに時計回りに回転させると、シャッタ速度は低速側に変更され、表示制御部139は、外部領域311および下限値指標314を時計回りに移動させる。そして、シャッタ速度が下限値1/15秒に達すると、設定値指標313および下限値指標314は、図6(a)に示すように、外部領域311において1/15秒を示す「15」を指し示す位置で対向する。したがって、ユーザは、設定値指標313と下限値指標314の位置関係から、シャッタ速度が下限値に達したか否かを容易に判断できる。なお、シャッタ速度が下限値に達した場合に、表示制御部139は、現在の設定値の表示態様、例えば色、透明度を、下限値に達する前の表示態様と異ならせてもよい。このようにシャッタ速度が下限値に達した場合の表示態様を達する前の表示態様と異ならせることにより、ユーザはシャッタ速度が下限値に達したか否かを容易に判断できる。
【0032】
なお、シャッタ速度が下限値に達した後にユーザがコマンドダイヤル36をさらに時計回りに回転させても、シャッタ速度は下限値に維持される。また、ユーザがコマンドダイヤル36を反時計回りに回転させると、シャッタ速度は高速側に変更され、表示制御部139は、外部領域311および下限値指標314を反時計回りに移動させる。
【0033】
次に、絞り値オブジェクト320の表示遷移について説明する。ユーザが絞りボタン32を押しながらコマンドダイヤル36を時計回りに回転させて絞り値を5.6から2.8に変更すると、表示制御部139は、図6(b)に示すように絞り値オブジェクト320の表示を変更する。具体的には、表示制御部139は、開口領域322を絞り値の変更に応じて拡大するとともに絞り羽根領域321を縮小する。
【0034】
ユーザが絞りボタン32を押しながらコマンドダイヤル36をさらに時計回りに回転させると、絞り値の設定値は予め定められた開放絞り値に達するまで開放側に変更され、表示制御部139は、開口領域322を拡大するとともに絞り羽根領域321を縮小する。一方、ユーザが絞りボタン32を押しながらコマンドダイヤル36を反時計回りに回転させると、絞り値が最小絞り値に達するまで小絞り側に変更され、表示制御部139は、開口領域322を縮小するとともに絞り羽根領域321を拡大する。
【0035】
次に、ISO感度オブジェクト330の表示遷移について説明する。感度自動制御によってISO感度が400から800に変更されると、表示制御部139は、図6(c)に示すようにISO感度オブジェクト330の表示を変更する。具体的には、表示制御部139は、外部領域331の「800」を設定値指標333が指し示すように、設定値指標333の表示を固定したまま外部領域331を反時計回りに移動させる。また、表示制御部139は、外部領域331の移動にあわせて上限値指標334も移動させる。
【0036】
感度自動制御によってISO感度が大きくなると、表示制御部139は、外部領域331および上限値指標334を反時計回りに移動させる。そして、ISO感度が上限値3200に達すると、設定値指標333および上限値指標334は、図6(c)に示すように、外部領域331の「3200」を指し示す位置で対向する。したがって、ユーザは、設定値指標333と上限値指標334の位置関係から、ISO感度が上限値に達したか否かを容易に判断できる。なお、ISO感度が上限値に達した場合に、表示制御部139は、現在の設定値の表示態様、例えば色、透明度を、上限値に達する前の表示態様と異ならせる。このようにISO感度が上限値に達した場合の表示態様を達する前の表示態様と異ならせることにより、ユーザはISO感度が上限値に達したか否かを容易に判断できる。なお、感度自動制御によってISO感度が小さくなると、表示制御部139は、外部領域331および上限値指標334を時計回りに移動させる。
【0037】
ユーザは、情報画面300の表示中に、シャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値を変更したい場合がある。その場合に、本実施形態に係るカメラ10では、図4に示す感度自動制御の設定画面に移行せず、情報画面300の表示を維持したままシャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値を変更することができる。以下に情報画面300の表示中におけるシャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値の変更処理について説明する。
【0038】
図7は、シャッタ速度の下限値の変更処理を説明する図である。図6(a)を用いて説明したように、ユーザがコマンドダイヤル36を時計回りに回転させてシャッタ速度が下限値1/15秒に達すると、設定値指標313および下限値指標314は、外部領域311において1/15秒を示す「15」を指し示す位置で対向する。この状態でユーザが機能ボタン40を押しながらコマンドダイヤル36を時計回りに回転させると、カメラシステム制御部130は、シャッタ速度の設定値および下限値を1/8秒へ変更する。そして、表示制御部139は、外部領域311において1/8秒を示す「8」を指し示す位置で設定値指標313および下限値指標314が対向するように、設定値指標313および下限値指標314を固定したまま外部領域311を時計回りに移動させる。
【0039】
ユーザが機能ボタン40を押しながらコマンドダイヤル36をさらに時計回りに回転させると、シャッタ速度の設定値および下限値は低速側に変更され、表示制御部139は、外部領域311を時計回りに移動させる。図7に示すようにシャッタ速度の設定値および下限値が1/2秒になった状態で機能ボタン40の押下を止めると、カメラシステム制御部130は、シャッタ速度の下限値を1/2秒に設定する。なお、ユーザが機能ボタン40を押しながらコマンドダイヤル36を反時計回りに回転させると、シャッタ速度の設定値および下限値は高速側に変更され、表示制御部139は、外部領域311を反時計回りに移動させる。
【0040】
ISO感度の上限値の変更処理には、十字キー37および機能ボタン40が用いられる。具体的には、ユーザが機能ボタン40を押しながら十字キー37の上ボタンを押すと、カメラシステム制御部130は、ISO感度の上限値を大きくする。一方、ユーザが機能ボタン40を押しながら十字キー37の下ボタンを押すと、カメラシステム制御部130は、ISO感度の上限値を小さくする。なお、ISO感度の上限値の変更処理においては、ISO感度の現在の設定値を変更しない。
【0041】
図8は、本実施形態の情報画面300の表示処理フロー図である。本実施形態において、表示制御部139は、カメラシステム制御部130と協働して本フローを実行する。本フローは、カメラシステム制御部130が情報表示ボタン33のオン操作を検知した場合に開始される。ステップS101では、カメラシステム制御部130は、撮影処理に用いられるパラメータの制限値である上述のシャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値を、システムメモリ132から取得する。ステップS102では、表示制御部139は、図5で示される情報画面300を表示部35に表示させる。
【0042】
ステップS103では、カメラシステム制御部130は、情報画面300に含まれるパラメータの設定値が変更されたか否かを判断する。カメラシステム制御部130は、パラメータの設定値が変更されたと判断した場合にはステップS104へ移行し、パラメータの設定値が変更されていないと判断した場合にはステップS108へ移行する。ステップS104では、表示制御部139は、図6を用いて説明したように、設定値が変更されたパラメータの表示を変更して情報画面300を更新する。
【0043】
ステップS105では、図7を用いて説明したように、カメラシステム制御部130は、シャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値の変更指示をユーザから受け付けたか否かを判断する。カメラシステム制御部130は、変更指示を受け付けたと判断した場合にはステップS106へ移行し、変更指示を受け付けていないと判断した場合にはステップS108へ移行する。ステップS106では、カメラシステム制御部130は、図7を用いて説明したように、シャッタ速度の設定値および下限値、若しくはISO感度の上限値を変更する。なお、カメラシステム制御部130は、変更後のシャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値をシステムメモリ132に記録する。ステップS107では、表示制御部139は、設定値、制限値が変更されたパラメータの表示を変更して情報画面300を更新する。
【0044】
ステップS108では、カメラシステム制御部130は、情報画面300の表示を終了するか否かを判断する。例えば、カメラシステム制御部130は、メニューボタン39等が押されて他の画面に遷移する場合、カメラ10の電源のオフ操作を検知した場合に、情報画面300の表示を終了すると判断する。カメラシステム制御部130は、情報画面300の表示を終了しないと判断した場合にはステップS103へ戻り、情報画面300の表示を終了すると判断した場合には本フローを終了する。
【0045】
本実施形態では、マニュアルモードにおいて、コマンドダイヤル36でシャッタ速度および絞り値のいずれか一方が変更される。具体的には、上述したように、ユーザが絞りボタン32を押さずにコマンドダイヤル36を回転させると、シャッタ速度が変更され、ユーザが絞りボタン32を押しながらコマンドダイヤル36を回転させると、絞り値が変更される。そこで、表示制御部139は、シャッタ速度および絞り値のいずれがコマンドダイヤル36の操作対象であるか判別可能な表示態様で、シャッタ速度オブジェクト310および絞り値オブジェクト320を情報画面300に表示してもよい。
【0046】
また、撮影モードに応じて、コマンドダイヤル36の操作対象が変更される。そこで、表示制御部139は、撮影モードに応じた表示態様で、シャッタ速度オブジェクト310および絞り値オブジェクト320を情報画面300に表示してもよい。以下にシャッタ速度オブジェクト310および絞り値オブジェクト320の表示態様の変形例について説明する。
【0047】
図9は、マニュアルモードにおけるオブジェクトの表示遷移を説明する図である。絞り値オブジェクト320の形状は、シャッタ速度オブジェクト310と同様に、コマンドダイヤル36の形状を模している。表示制御部139は、絞りボタン32が押されていない場合には、図9(a)で示すように操作対象でない絞り値オブジェクト320を点線で表示部35に表示させる。一方、表示制御部139は、絞りボタン32が押されている場合には、図9(b)で示すように操作対象でないシャッタ速度オブジェクト310を点線で表示部35に表示させる。このように操作対象のオブジェクトの表示態様と操作対象でないオブジェクトの表示態様とを異ならせることにより、ユーザは操作対象のパラメータを容易に判断できる。なお、操作対象でないオブジェクトの表示態様は、点線に限らず、操作対象のオブジェクトより目立たない表示態様、例えば半透過状態であればよい。
【0048】
図10は、撮影モードの変更に応じたオブジェクトの表示遷移を説明する図である。本実施形態において、ユーザが撮影モードダイヤル34を時計回りに回転させると、マニュアルモード(M)、絞り優先モード(A)、シャッタ優先モード(S)、プログラムモード(P)の順に撮影モードを切り替えることができる。絞り優先モードは、絞り値をユーザが手動で設定し、シャッタ速度を露出制御部146が自動的に決定するモードである。シャッタ優先モードは、シャッタ速度をユーザが手動で設定し、絞り値を露出制御部146が自動的に決定するモードである。プログラムモードは、シャッタ速度および絞り値を露出制御部146が自動的に決定するモードである。
【0049】
図10(a)は、マニュアルモードの場合におけるシャッタ速度オブジェクト310および絞り値オブジェクト320の表示態様を示しており、当該表示態様は、図9を用いて説明したとおりである。この状態でユーザが撮影モードダイヤル34を時計回りに回転させると、撮影モードは、マニュアルモードから絞り優先モードへ切り替わる。図10(b)は、絞り優先モードの場合におけるシャッタ速度オブジェクト310および絞り値オブジェクト320の表示態様を示す。表示制御部139は、シャッタ速度オブジェクト310の形状を円形に変更する。一方、表示制御部139は、絞り値オブジェクト320の形状をそのままに表示態様を実線に変更する。この表示態様により、ユーザは、シャッタ速度がコマンドダイヤル36によらず自動的に変更され、かつ絞り値がコマンドダイヤル36の操作対象であることを把握できる。なお、絞り優先モードにおいて、表示制御部139は、露出制御部146が直近で演算したシャッタ速度の値を、シャッタ速度の現在の設定値として表示部35に表示させる。
【0050】
図10(b)の表示状態でユーザが撮影モードダイヤル34を時計回りに回転させると、撮影モードは、絞り優先モードからシャッタ優先モードへ切り替わる。図10(c)は、シャッタ優先モードの場合におけるシャッタ速度オブジェクト310および絞り値オブジェクト320の表示態様を示す。表示制御部139は、シャッタ速度オブジェクト310の形状をダイヤル形状に変更する。一方、表示制御部139は、絞り値オブジェクト320の形状を円形に変更する。この表示態様により、ユーザは、シャッタ速度がコマンドダイヤル36の操作対象であり、かつ絞り値がコマンドダイヤル36によらず自動的に変更されることを把握できる。なお、シャッタ優先モードにおいて、表示制御部139は、露出制御部146が直近で演算した絞り値の値を、絞り値の現在の設定値として表示部35に表示させる。
【0051】
図10(c)の表示状態でユーザが撮影モードダイヤル34を時計回りに回転させると、撮影モードは、シャッタ優先モードからプログラムモードへ切り替わる。図10(d)は、プログラムモードの場合におけるシャッタ速度オブジェクト310および絞り値オブジェクト320の表示態様を示す。表示制御部139は、シャッタ速度オブジェクト310の形状を円形に変更する。一方、表示制御部139は、絞り値オブジェクト320の表示態様を維持する。この表示態様により、ユーザは、シャッタ速度および絞り値がコマンドダイヤル36によらず自動的に変更されることを把握できる。なお、プログラムモードにおいて、表示制御部139は、露出制御部146が直近で演算したシャッタ速度の値、絞り値の値を、それぞれシャッタ速度の現在の設定値、絞り値の現在の設定値として表示部35に表示させる。
【0052】
なお、ユーザが撮影モードダイヤル34を反時計回りに回転させると、上述の順序とは逆に、プログラムモード(P)、シャッタ優先モード(S)、絞り優先モード(A)、マニュアルモード(M)の順に撮影モードを切り替えることができる。表示制御部139は、当該順序での撮影モードの切り替えに応じて、図10(d)、図10(c)、図10(b)、図10(a)の順に、シャッタ速度オブジェクト310および絞り値オブジェクト320の表示態様を変更する。このように撮影モードに応じてオブジェクトの表示態様を切り替えることにより、ユーザはオブジェクトの表示で撮影モードを把握できる。
【0053】
本実施形態において、情報画面の表示態様は、図5で示した情報画面300の表示態様に限らない。以下に情報画面の変形例について説明する。図11は、第1の変形例に係る情報画面400を説明する図である。図11に示すとおり、表示制御部139は、シャッタ速度の設定値を示すシャッタ速度オブジェクト410、絞り値の設定値を示す絞り値オブジェクト420、ISO感度の設定値を示すISO感度オブジェクト430を情報画面400に配置する。
【0054】
シャッタ速度オブジェクト410は、上述のシャッタ速度オブジェクト310と異なり、横ゲージ411で構成される。横ゲージ411は、横方向の色付き部分の長さにより、シャッタ速度の初期変動範囲に対する現在の設定値を示す。また、横ゲージ411におけるシャッタ速度の下限値の位置に、下限値を示す下限値指標412が配置されている。横ゲージ411の上側には、シャッタ速度の現在の設定値が数値で表示されている。絞り値オブジェクト420は、現在の設定値の表示が外部に配置されていることを除き、絞り値オブジェクト320と同様の表示態様である。
【0055】
ISO感度オブジェクト430は、上述のISO感度オブジェクト330と異なり、横ゲージ431で構成される。横ゲージ431は、横方向の色付き部分の長さにより、ISO感度の初期変動範囲に対する現在の設定値を示す。また、横ゲージ431におけるISO感度の上限値の位置に、上限値を示す上限値指標432が配置されている。横ゲージ431の下側には、ISO感度の現在の設定値が数値で表示されている。
【0056】
図12は、第1の変形例に係る情報画面400におけるシャッタ速度オブジェクト410の他の表示態様を説明する図である。表示制御部139は、図12(a)に示すように、下限値指標412が下限値であることを示す矢印指標501を下限値指標412の近傍に配置してもよい。矢印指標501の矢印は、下限値指標412に対してシャッタ速度が設定される方向を示す。この矢印指標501により、ユーザは、シャッタ速度が下限値指標412より右側、すなわち高速側に設定されること、すなわち下限値指標412が下限値を示すことを容易に把握できる。
【0057】
また、表示制御部139は、図12(b)に示すように、下限値により制限されたシャッタ速度の変動範囲である制限範囲を示す制限範囲指標502を横ゲージ411の近傍に配置してもよい。この制限範囲指標502により、ユーザは、シャッタ速度の設定可能範囲を容易に把握できる。なお、表示制御部139は、制限範囲指標502を配置する代わりに、横ゲージ411における制限範囲外の箇所の色、透過度等の表示態様を、制限範囲内の箇所の表示態様と異ならせてもよい。
【0058】
また、表示制御部139は、下限値指標412がカーソル等でユーザに指定された場合に、シャッタ速度の下限値の数値を含む下限値オブジェクト503を、下限値指標412に関連付けて配置してもよい。この下限値オブジェクト503により、ユーザは、シャッタ速度の下限値の値を正確に把握できる。なお、表示制御部139は、下限値指標412がカーソル等でユーザに指定された場合に限らず、常に下限値オブジェクト503を配置してもよい。
【0059】
なお、カメラシステム制御部130は、上述の矢印指標501、制限範囲指標502および下限値オブジェクト503を表示させるか否かのユーザの指示を設定画面等で受け付けてもよい。この場合、表示制御部139は、ユーザの指示に応じて、矢印指標501、制限範囲指標502および下限値オブジェクト503を配置する。この構成によれば、ユーザは、情報画面の詳細度を自身の好みにあわせて変更できる。なお、図12を用いて説明した表示態様は、ISO感度オブジェクト430に適用してもよい。
【0060】
図13は、第2の変形例に係る情報画面600を説明する図である。図13に示すとおり、表示制御部139は、シャッタ速度の設定値を示すシャッタ速度オブジェクト610、絞り値の設定値を示す絞り値オブジェクト620、ISO感度の設定値を示すISO感度オブジェクト630を情報画面600に配置する。
【0061】
シャッタ速度オブジェクト610は、上述のシャッタ速度オブジェクト310と異なり、円弧ゲージ611で構成される。円弧ゲージ611は、円弧方向の色付き部分の長さにより、シャッタ速度の初期変動範囲に対する現在の設定値を示す。また、円弧ゲージ611におけるシャッタ速度の下限値の位置に、下限値を示す下限値指標612が配置されている。円弧ゲージ611の上側には、シャッタ速度の現在の設定値が数値で表示されている。絞り値オブジェクト620は、現在の設定値の表示が外部に配置されていることを除き、絞り値オブジェクト320と同様の表示態様である。
【0062】
ISO感度オブジェクト630は、上述のISO感度オブジェクト330と異なり、縦ゲージ631で構成される。縦ゲージ631は、縦方向の色付き部分の長さにより、ISO感度の初期変動範囲に対する現在の設定値を示す。また、縦ゲージ631におけるISO感度の上限値の位置に、上限値を示す上限値指標632が配置されている。縦ゲージ631の上側には、ISO感度の現在の設定値が数値で表示されている。
【0063】
図14は、第3の変形例に係る情報画面700を説明する図である。図13に示すとおり、表示制御部139は、シャッタ速度の設定値を示すシャッタ速度オブジェクト710、絞り値の設定値を示す絞り値オブジェクト720、ISO感度の設定値を示すISO感度オブジェクト730を情報画面700に配置する。
【0064】
シャッタ速度オブジェクト710は、上述のシャッタ速度オブジェクト310と異なり、第1バー711および第2バー712で構成される。第1バー711および第2バー712は並列に配置されており、全長がシャッタ速度の初期変動範囲に対応する。第1バー711は、横方向の色付き部分の長さにより、シャッタ速度の初期変動範囲に対する現在の設定値を示す。また、第2バー712は、シャッタ速度の下限値を示す下限値指標713により、シャッタ速度の下限値を示す。具体的には、下限値指標713は、第2バー712におけるシャッタ速度の下限値の位置に配置されている。第1バー711の上側には、シャッタ速度の現在の設定値が数値で表示されている。絞り値オブジェクト720は、絞り値オブジェクト320と同様の表示態様である。
【0065】
ISO感度オブジェクト730は、上述のISO感度オブジェクト330と異なり、第3バー731および第4バー732で構成される。第3バー731および第4バー732は並列に配置されており、全長がISO感度の初期変動範囲に対応する。第3バー731は、横方向の色付き部分の長さにより、ISO感度の初期変動範囲に対する現在の設定値を示す。また、第4バー732は、ISO感度の上限値を示す上限値指標733により、ISO感度の上限値を示す。具体的には、上限値指標733は、第4バー732におけるISO感度の上限値の位置に配置されている。第3バー731の上側には、ISO感度の現在の設定値が数値で表示されている。なお、図5、11、13、14で示した複数の情報画面の表示態様のうちから希望する情報画面の表示態様をユーザがメニュー画面で選択できるようにしてもよい。
【0066】
上述の実施形態では、コマンドダイヤル36および機能ボタン40を用いて制限値の変更処理を実行したが、これに限らない。シャッタ速度が下限値に達した後にユーザがコマンドダイヤル36をさらに回転させると、カメラシステム制御部130は、シャッタ速度を下限値に維持せずに、シャッタ速度の設定値および下限値を変更するようにしてもよい。また、感度自動制御の設定画面において、情報画面でのシャッタ速度を変更するか否かを設定できるようにしてもよい。この場合において、シャッタ速度が下限値に達した後にユーザがコマンドダイヤル36をさらに回転させると、カメラシステム制御部130は、情報画面でのシャッタ速度を変更する旨が設定されていればシャッタ速度の設定値および下限値を変更する。一方、カメラシステム制御部130は、情報画面でのシャッタ速度を変更しない旨が設定されていればシャッタ速度を下限値で維持する。
【0067】
また、カメラ本体30が表示部35の表面にタッチパネルを操作部材として搭載している場合には、ユーザが情報画面のシャッタ速度の下限値指標をドラッグ操作で移動させると、カメラシステム制御部130は、下限値指標の移動先の位置に対する値をシャッタ速度の下限値に設定する。同様に、ユーザが情報画面のISO感度の上限値指標をドラッグ操作で移動させると、カメラシステム制御部130は、上限値指標の移動先の位置に対する値をISO感度の上限値に設定する。
【0068】
上述の実施形態では、パラメータを変更するための操作部材の形状を模したオブジェクトが表示されたが、これに限らない。表示制御部139は、パラメータを変更するための操作部材の操作方向と同じ方向に移動可能なオブジェクトを表示部35に表示させてもよい。例えば、表示制御部139は、パラメータを変更するための操作部材がコマンドダイヤル36であり操作方向が回転方向である場合には、当該パラメータのオブジェクトとして回転可能な円形のオブジェクトを用いる。また、表示制御部139は、パラメータを変更するための操作部材が十字キー37であり操作方向が左右方向である場合には、当該パラメータのオブジェクトとして左右方向に移動可能な横ゲージを用いてもよい。そして、表示制御部139は、操作部材の操作方向と同じ方向にオブジェクトを移動させてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、矢印指標501を用いて、制限値が上限値である場合と下限値である場合とで制限の表示態様を異ならせたが、これに限らない。表示制御部139は、色、パターン、透明度を上限値である場合と下限値である場合とで異ならせてもよい。また、制限範囲指標502を用いて、制限範囲の表示態様と制限範囲外の表示態様とを異ならせたが、これに限らない。表示制御部139は、制限範囲の色、パターン、透明度を制限範囲と制限範囲外とで異ならせてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、撮影処理に用いられるパラメータを制限する制限値として、シャッタ速度の下限値、ISO感度の上限値が用いられたが、これに限らない。絞り値の上限または下限を制限する制限値を設定可能にしてもよい。この場合、表示制御部139は、絞り値オブジェクトの制限値に対応する開口領域の輪郭を、制限値を示す指標として表示部35に表示させてもよい。また、露出制御部146が算出した適正露出値を補正する露出補正値の上限または下限を制限する制限値を設定可能にしてもよい。
【0071】
上述の実施形態において、受付部としての役割を担う操作部材、カメラシステム制御部130および表示制御部139により表示制御装置が構成される。なお、表示制御装置は、カメラ10とは別体の操作部材および制御部で構成されてもよい。
【0072】
上述の実施形態において、撮像装置としてカメラ10全体を例に説明したが、カメラ本体30を撮像装置として捉えてもよい。また、上述の実施形態において、撮像装置としてレンズ交換式カメラを例に説明したが、これに限らない。レンズ光学系が一体的に構成されたコンパクトデジタルカメラ、ミラー機構がないミラーレスデジタルカメラ、ビデオカメラ、顕微鏡、望遠鏡などの撮像装置であっても同様に本実施形態に係る概念を適用することができる。
【0073】
また、撮像装置以外のPC、携帯電話、ゲーム機等の電子機器にも本実施形態の概念を適用することができる。例えば、PCは、あるアプリケーションに対するCPUの使用率を制限する制限値をユーザから受け付け、当該アプリケーションを実行中に当該アプリケーションに対するCPUの現在の使用率および制限値をディスプレイに表示させてもよい。なお、表示制御装置は、電子機器に組み込まれても、電子機器と別体に構成されてもよい。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0075】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0076】
10 カメラ、11 光軸、20 交換レンズ、30 カメラ本体、31 レリーズボタン、32 絞りボタン、33 情報表示ボタン、34 撮影モードダイヤル、35 表示部、36 コマンドダイヤル、37 十字キー、38 決定ボタン、39 メニューボタン、40 機能ボタン、120 レンズシステム制御部、121 ズームレンズ、122 フォーカスレンズ、123 絞り、124 レンズ駆動回路、125 絞り駆動回路、126 レンズマウント接点、130 カメラシステム制御部、131 カメラマウント接点、132 システムメモリ、133 撮像素子、134 シャッタ、135 A/D変換器、136 画像処理部、137 メモリ制御部、138 内部メモリ、139 表示制御部、140 外部機器IF、141 記録部、142 電源制御部、143 電源、144 操作検出部、145 測光センサ、146 露出制御部、200 カーソル、300 情報画面、301 撮影モード表示、310 シャッタ速度オブジェクト、311 外部領域、312 内部領域、313 設定値指標、314 下限値指標、320 絞り値オブジェクト、321 絞り羽根領域、322 開口領域、330 ISO感度オブジェクト、331 外部領域、332 内部領域、333 設定値指標、334 上限値指標、400 情報画面、410 シャッタ速度オブジェクト、411 横ゲージ、412 下限値指標、420 絞り値オブジェクト、430 ISO感度オブジェクト、431 横ゲージ、432 上限値指標、501 矢印指標、502 制限範囲指標、503 下限値オブジェクト、600 情報画面、610 シャッタ速度オブジェクト、611 円弧ゲージ、612 下限値指標、620 絞り値オブジェクト、630 ISO感度オブジェクト、631 縦ゲージ、632 上限値指標、700 情報画面、710 シャッタ速度オブジェクト、711 第1バー、712 第2バー、713 下限値指標、720 絞り値オブジェクト、730 ISO感度オブジェクト、731 第3バー、732 第4バー、733 上限値指標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の処理に用いられるパラメータの変動範囲を制限する制限値を、ユーザから受け付ける受付部と、
前記制限値を、前記パラメータの現在の設定値とともに表示部に表示させる表示制御部と
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、制限されていない前記変動範囲を、前記制限値および前記現在の設定値とともに前記表示部に表示させる請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記制限値および前記現在の設定値が前記表示部に表示されているときに、前記制限値の変更指示をユーザから受け付ける請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記パラメータを変更するための操作部材の形状を模したオブジェクトを前記表示部に表示させるとともに、前記制限値および前記設定値を前記オブジェクトに関連付けて前記表示部に表示させる請求項1から3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記パラメータが前記操作部材によって変更可能か否かに応じて前記オブジェクトの表示態様を異ならせる請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、制限されていない前記変動範囲を円弧状に配置するとともに、前記制限値を示す指標および前記現在の設定値を示す指標を前記変動範囲に関連付けて配置する請求項1から5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、並列する2つのバーを前記表示部に表示させるとともに、一方のバーに前記現在の設定値を示し、他方のバーに前記制限値を示す請求項1から5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記受付部は、前記制限値を受け付けるための設定画面が前記表示部に表示されている場合に、前記制限値を受け付け、
前記表示制御部は、前記現在の設定値を表示する情報画面を前記表示部に表示させる場合に、前記制限値を前記現在の設定値とともに表示させる請求項1から7のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記制限値によって制限された前記変動範囲である制限範囲の表示態様と、前記制限範囲外の表示態様とを異ならせる請求項1から8のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記制限値が上限値である場合と下限値である場合とで前記制限値の表示態様を異ならせる請求項1から9のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記電子機器は、撮像装置である請求項1から10のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記撮像装置の処理に用いられる複数の前記パラメータは、シャッタ速度および前記撮像装置に設けられた撮像素子のISO感度を含み、
前記受付部は、
前記シャッタ速度の下限値を、前記シャッタ速度の前記制限値として受け付け、
前記ISO感度の上限値を、前記ISO感度の前記制限値として受け付け、
前記表示制御部は、前記シャッタ速度の現在の設定値および前記下限値、並びに前記ISO感度の現在の設定値および前記上限値を1つの画面で前記表示部に表示させる請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項13】
ユーザから受け付けた、電子機器の処理に用いられるパラメータの変動範囲を制限する制限値を取得する取得ステップと、
前記制限値を、前記パラメータの現在の設定値とともに表示部に表示させる表示制御ステップと
をコンピュータに実行させる表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−115514(P2013−115514A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258136(P2011−258136)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】