説明

表示装置、電子機器および照明装置

【課題】発光素子や導光板の周りにフレームを設けた場合でも発光素子の熱を効率よく逃がすことのできる表示装置、電子機器、および照明装置を提供すること。
【解決手段】表示装置100の照明装置8では、発光素子89の熱を光源用基板88、金属製の光源支持部材60および金属製の第1フレーム40によって逃がす。また、照明装置8では、樹脂製の第2フレーム30が用いられているが、第2フレーム30は、光源支持部材60との間に光源支持部材60の延在方向に沿って延在する閉鎖空間8aを区画しているとともに、第2フレーム30には、閉鎖空間8aに連通する開口部が設けられている。また、第1フレーム40および第3フレーム50には、第2フレーム30の開口部と重なる位置に開口部が形成されている。このため、発光素子89の熱を閉鎖空間8aおよび開口部を介して逃がすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置および表示パネルを備えた表示装置、該表示装置を備えた電子機器、および当該照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の表示装置のうち、液晶装置は、バックライト装置と称せられる照明装置と、この照明装置の光出射面の側に重ねて配置された透過型や半透過型の表示パネル(液晶パネル)とを有しており、照明装置では、導光板の側端面のうち、光入射部とされる側端面に沿って複数の発光素子が設けられている(特許文献1〜3参照)。
【0003】
かかる構成の照明装置において、発光素子の温度が上昇すると、発光素子における発光効率の低下、輝度ムラ、寿命低下が発生する。従って、発光素子が実装された光源用基板に金属製の光源支持部材を設け、光源支持部材を介して熱を逃がすことが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−229022号公報
【特許文献2】特開2009−3081号公報
【特許文献3】特開2011−40388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
照明装置を組み立てる際、照明装置単体を機器に取り付ける際、あるいは照明装置に対して表示パネルを設けて表示装置を構成する際、光源支持部材や導光板等をフレームに収納しておくことが好ましく、かかるフレームには、少なくとも一部として、光源支持部材に上側で被さる端板部や、光源支持部材と導光板とを外側で囲む側板部を備えたフレームが用いられることが多い。かかるフレームによれば、各部材の位置決め部等を設けることが容易であるため、組み立て作業の効率化を図ることができるとともに、部材相互の位置精度を高めることができる。
【0006】
しかしながら、照明装置においては発光素子からの放熱が重要であるにもかかわらず、フレームを用いると、発光素子からの放熱性が低下するという問題点がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、発光素子や導光板の周りにフレームを設けた場合でも発光素子の熱を効率よく逃がすことのできる表示装置、該表示装置を備えた電子機器、および照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、照明装置と、該照明装置の光出射面側に重ねて配置された表示パネルと、を有する表示装置であって、前記照明装置は、導光板と、該導光板の側端面のうち、光入射部とされた側端面に発光面を向けて前記光入射部に沿って配列された複数の発光素子と、前記光入射部に沿って延在し、前記複数の発光素子が一方面側に実装された光源用基板と、該光源用基板の他方面が面接触される基板保持面を有し、前記光入射部に沿って延在する金属製の光源支持部材と、前記光源支持部材および前記導光板の外側に配置され、前記光源支持部材との間に当該光源支持部材に沿って通された閉鎖空間を構成する側板部を備えたフレームと、を有し、前記照明装置には、前記閉鎖空間を外部に通連させる開口部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明において、照明装置は、導光板の光入射部に沿って複数の発光素子が配列され、かかる複数の発光素子は、光入射部に沿って延在する光源用基板の一方面側に実装されている。ここで、光源用基板の他方面側に金属製の光源支持部材が重ねて配置されているため、発光素子の熱を光源用基板および光源支持部材を介して逃がすことができる。また、本発明では、組み立て作業の高効率化や、部材相互の位置精度の向上等の目的で、側板部を備えたフレームが用いられている。但し、照明装置には、閉鎖空間を外部に通連させる開口部が設けられているため、発光素子の熱を閉鎖空間および開口部を介して逃がすことができる。それ故、本発明によれば、フレームを用いた場合でも発光素子の熱を効率よく逃がすことができる。
【0010】
本発明において、前記導光板を前記光出射面とは反対側で支持する金属製の第1フレームと、前記表示パネルを保持し、前記光源支持部材の前記光出射面側を覆う端板部を有する樹脂製の第2フレームと、が設けられ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの少なくとも一方が前記フレームとされており、前記第1フレームおよび前記第2フレームの少なくとも一方に前記開口部が設けられている構成を採用することができる。本発明では、組み立て作業の高効率化や、部材相互の位置精度の向上等の目的で、樹脂製の第2フレームが用いられているが、上記のフレーム(第1フレームおよび第2フレーム)の少なくとも一方に開口部が設けられているため、発光素子の熱を閉鎖空間および開口部を介して逃がすことができる。それ故、本発明によれば、樹脂製の第2フレームを用いた場合でも発光素子の熱を効率よく逃がすことができる。
【0011】
この場合、前記第2フレームが前記フレームとされており、前記第1フレームは、当該第2フレームの前記側板部に重なる側板部を備え、前記第1フレームには、前記第2フレームの前記開口部と重なる位置で当該第1フレームの前記側板部を貫通する開口部が設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、発光素子の熱を閉鎖空間、第2フレームの開口部(フレームの開口部)、および第1フレームの開口部を介して逃がすことができる。
【0012】
本発明において、前記第2フレームの前記端板部に外側で重なる端板部、および前記第2フレームの前記側板部に外側で重なる側板部を備えた第3フレームを有し、前記第3フレームには、前記第2フレームの前記開口部と重なる位置で当該第3フレームの前記側板部を貫通する開口部が設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、発光素子の熱を閉鎖空間、第2フレームの開口部(フレームの開口部)、第1フレームの開口部、および第3フレームの開口部を介して逃がすことができる。
【0013】
本発明において、前記導光板を前記光出射面とは反対側で支持する金属製の第1フレームと、前記表示パネルの前記光出射面側を覆うとともに、前記第1フレームとの間で前記光源支持部材を挟んで配置される第3フレームと、が設けられ、前記第1フレームおよび前記第3フレームの少なくとも一方が前記フレームとされており、前記第1フレームおよび前記第3フレームの少なくともいずれか一方に前記開口部が備えられている構成を採用することができる。本発明では、組み立て作業の高効率化や、部材相互の位置精度の向上等の目的で、上記のフレーム(第1フレームおよび第3フレーム)が用いられているが、かかるフレームの少なくとも一方に開口部が設けられているため、発光素子の熱を閉鎖空間および開口部を介して逃がすことができる。
【0014】
本発明において、前記開口部は、前記フレームの前記側板部のうち、前記閉鎖空間の延長線が突き当たる位置に配置された側板部に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、閉鎖空間に空気の出入りが発生しやすいので、発光素子の熱を閉鎖空間および開口部を介して効率よく逃がすことができる。
【0015】
本発明において、前記開口部は、前記フレームの前記側板部のうち、前記閉鎖空間を構成している部分に形成されている構成を採用してもよい。
【0016】
本発明において、前記開口部は、前記閉鎖空間の延在方向で離間する複数個所に設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、閉鎖空間に空気の出入りが発生しやすいので、発光素子の熱を閉鎖空間および開口部を介して効率よく逃がすことができる。
【0017】
本発明において、前記開口部の開口面積は、前記閉鎖空間の開口面積以上であることが好ましい。かかる構成によれば、発光素子の熱を閉鎖空間および開口部を介して効率よく逃がすことができる。
【0018】
本発明において、前記開口部は、前記フレームの前記側板部の延在方向に所定の幅寸法を有していることが好ましい。かかる構成によれば、開口部がスリット状の隙間と違って開口面積が大であるので、発光素子の熱を閉鎖空間および開口部を介して効率よく逃がすことができる。
【0019】
本発明において、前記導光板の側端面のうち、対向する2つの側端面が前記光入射部になっており、当該2つの側端面に対応する2個所に前記閉鎖空間および前記開口部が設けられている構成を採用することができる。
【0020】
この場合、前記2個所に設けられた前記閉鎖空間のうち、一方の前記閉鎖空間に設けられた前記開口部は、前記フレームの前記側板部のうち、前記閉鎖空間を構成する部分に形成され、他方の前記閉鎖空間に設けられた前記開口部は、前記フレームの前記側板部のうち、前記閉鎖空間の延長線が突き当たる位置に配置された側板部に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、表示装置の使用態様に最適な条件に第2フレームの開口部の位置や開口方向を設定することができる。
【0021】
本発明において、前記光源用基板は、前記一方面が前記光入射部に対向している構成を採用することができる。また、本発明は、前記光源用基板において、前記一方面が前記光入射部に対して交差する方向に向いている場合に適用してもよい。
【0022】
本発明に係る表示装置は、テレビ等の各種電子機器に用いることができる。
【0023】
また、本発明に係る照明装置は、導光板と、該導光板の側端面のうち、光入射部とされた側端面に発光面を向けて前記光入射部に沿って配列された複数の発光素子と、前記光入射部に沿って延在し、前記複数の発光素子が一方面側に実装された光源用基板と、該光源用基板の他方面が面接触される基板保持面を有し、前記光入射部に沿って延在する金属製の光源支持部材と、前記光源支持部材及び前記導光板の外側に配置され、前記光源支持部材との間で、前記光入射部に沿って通された閉鎖空間を構成する側板部を有したフレームと、前記閉鎖空間を外部に通連させる開口部と、が設けられていることを特徴とする。
【0024】
本発明において、照明装置は、導光板の光入射部に沿って複数の発光素子が配列され、かかる複数の発光素子は、光入射部に沿って延在する光源用基板の一方面側に実装されている。ここで、光源用基板の他方面側に金属製の光源支持部材が重ねて配置されているため、発光素子の熱を光源用基板および光源支持部材を介して逃がすことができる。また、本発明では、組み立て作業の高効率化や、部材相互の位置精度の向上等の目的で、側板部を備えたフレームが用いられている。但し、照明装置には、閉鎖空間を外部に通連させる開口部が設けられているため、発光素子の熱を閉鎖空間および開口部を介して逃がすことができる。それ故、本発明によれば、フレームを用いた場合でも発光素子の熱を効率よく逃がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1に係る表示装置を備えた液晶テレビ(電子機器)の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る表示装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る表示装置をさらに細かく分解したときの分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る表示装置の要部の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る表示装置の照明装置に用いた発光素子および光源用基板等の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る表示装置の照明装置の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る表示装置の照明装置に設けた貫通部の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係る表示装置の照明装置に設けた貫通部の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態5に係る表示装置の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面を参照して、液晶テレビ用の表示装置に本発明を適用した形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明では、導光板や液晶パネルの面内方向で互いに交差する方向の一方(図に示す導光板や液晶パネルの長辺が延在する方向)をX軸方向および他方(図に示す導光板や液晶パネルの短辺が延在する方向)をY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向(図に示す導光板と液晶パネルとが積層される方向)をZ軸方向とする。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側(液晶パネルの張り出し部分が配置される方向)をY1側とし、これと対向する他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側(導光板の背面に向けられた方向)をZ1側(下側)とし、これと対向する他方側(照明光や表示光が出射される側)をZ2側(上側)として表してある。
【0027】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る表示装置を備えた液晶テレビ(電子機器)の説明図であり、図1(a)、(b)は、液晶テレビの外観を模式的に示す説明図、および表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0028】
図1(a)に示す電子機器2000は液晶テレビであり、表示装置100やテレビ用のフレーム2010等を有している。表示装置100は、図1(b)に示すように、図2等を参照して後述する表示パネル10(液晶パネル)と、外部からフレキシブル配線基板を介して表示パネル10に画像信号を供給する画像信号供給部270と、表示パネル10の背面に重ねて配置されて照明光を供給する照明装置8とを有している。また、表示装置100は、表示パネル10においてX軸方向に延在する走査線を駆動する走査線駆動回路104と、表示パネル10においてY軸方向に延在するデータ線を駆動するデータ線駆動回路101とを有している。走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101については、双方が表示パネル10に内蔵された構成を採用することができる。また、走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101のうちの一方が表示パネル10に内蔵され、他方が表示パネル10にCOG実装された駆動用ICに内蔵あるいは表示パネル10に電気的に接続された回路基板に実装された駆動用ICに内蔵された構成や、走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101の双方が表示パネル10とは別体の駆動用ICに内蔵された構成を採用することができる。
【0029】
本形態において、照明装置8は、表示パネル10に重ねて配置された導光板80と、導光板80の側端面のうち、光入射部80aとされた側端面に沿って配置された複数の発光素子89(光入射部の側端面と発光面・光出射面が対向配置された複数の発光素子89)と、複数の発光素子89が実装された光源用基板88と、発光素子89を駆動する光源駆動部280とを有している。複数の発光素子89はいずれも、導光板80の側端面のうち、光入射部80aとされた側端面に発光面が対向している。表示パネル10は四角形であり、4つの辺10a、10b、10c、10dを有している。これらの辺10a、10b、10c、10dのうち、辺10aはY軸方向の一方側Y1に位置する長辺であり、辺10bはY軸方向の他方側Y2に位置する長辺であり、辺10cはX軸方向の他方側X2に位置する短辺であり、辺10dはX軸方向の一方側X1に位置する短辺である。かかる形状に対応して、導光板80は、4つの側端面801、802、803、804を有している。これらの側端面801〜804のうち、側端面801はY軸方向の一方側Y1の長辺に位置し、側端面802はX軸方向の他方側X2の短辺に位置し、側端面803はY軸方向の他方側Y2の長辺に位置し、側端面804はX軸方向の一方側X1の短辺に位置する。
【0030】
(表示装置100の具体的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100の全体構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)は、表示装置100の斜視図および分解斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100をさらに細かく分解したときの分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100の要部の断面図であり、図4(a)、(b)は、表示装置100を図1(a)のA−A′線に沿って切断したときの断面図、および表示装置100を図1(a)のB−B′線に沿って切断したときの断面図である。
【0031】
図2、図3および図4において、本形態の表示装置100は、概ね、いわゆるバックライト装置と称せられる照明装置8と、この照明装置8の上面に重ねて配置された透過型の表示パネル10とを備えている。本形態において、表示パネル10は、透過型の液晶パネルからなる。表示装置100において、照明装置8は、導光板80の背面を覆って配置された金属製の第1フレーム40(下金枠)と、第1フレーム40の上方で表示パネル10の端部を保持するとともに照明装置8を囲って保持する樹脂製の第2フレーム30(樹脂フレーム)と、第2フレーム30の上側(Z軸方向の他方側Z2)に配置された金属製の第3フレーム50(上金枠)とを備えている。
【0032】
第2フレーム30は、表示パネル10の端部を保持するとともに表示パネル10の周りを囲む矩形枠状を有しており、本形態において、第2フレーム30は、表示パネル10の4つの辺に対応して辺毎に分割された4本のフレーム板31〜34で構成されている。本形態において、第2フレーム30は黒色であり、光吸収部材として機能することによって、照明装置8内での迷光の発生を防止する。フレーム板31〜34は各々、フレーム板31〜34の外面側で下方に延在する側板部311、321、331、341と、側板部311、321、331、341の上端縁から内側に向かって屈曲した上板部315、325、335、345(端板部)と、上板部315、325、335、345の高さ方向の途中位置から内側に張り出した突板部312、322、332、342とを備えている。このため、フレーム板31〜34の内側には、突板部312、322、332、342によって上板部との間で段部(段差)313〜343が形成されており、かかる段部313、323、333、343と突板部312、322、332、342とによって表示パネル10が保持されている。また、突板部312の下側には、照明装置8の導光板80や発光素子89等が配置されている。
【0033】
第1フレーム40は、SUS板等の薄い金属板に対するプレス加工等により形成されてなる。第1フレーム40は、底板部45と、底板部45の外周縁のうち、Y軸方向の一方側Y1を除く3つの外周縁から起立する3つの側板部42〜44とを備えており、上面が開口する矩形の箱状になっている。かかる第1フレーム40の側板部42〜44の外側に第2フレーム30の側板部321、331、341が重なっている。また、第2フレーム30の側板部311は、第1フレーム40のY軸方向の一方側Y1を覆っている。
【0034】
第3フレーム50も、第1フレーム40と同様、SUS板等の薄い金属板に対するプレス加工等により形成されてなる。第3フレーム50は、矩形の上板部55(端板部)と、上板部55の外周縁から下方に折れ曲がった4つの側板部51〜54とを備えており、下面が開口する矩形の枠状になっている。側板部51〜54は、第2フレーム30の側板部311、321、331、341の外側を覆って重ねられている。上板部55には、表示パネル10から出射された光を出射する矩形の窓550が形成されており、上板部55は、表示パネル10の表示光出射側のうち、外周端部を全周にわたって覆っている。また、第3フレーム50の上板部55は、同時に、第2フレーム30の上板部315、325、335、345(端板部)の上方を完全に覆って設置されている。
【0035】
このように構成した第3フレーム50、第2フレーム30、および第1フレーム40はボルト(図示せず)等により結合されて、内側に表示パネル10や照明装置8を納めた状態で保持する。ここで、第2フレーム30の突板部312、322、332、342の下面および上面には、図4に示すように、可撓性シート71、72が貼られている。このため、表示装置100を組み立てた際、表示パネル10は可撓性シート72を介して突板部312、322、332、342に支持される。また、表示装置100を組み立てた際、照明装置8の光学シート(拡散シート182、プリズムシート183、184等)は可撓性シート71を介して浮きや位置ズレが生じないように抑えられている。
【0036】
(表示パネル10の構成)
図2、図3および図4に示すように、表示パネル10は、四角形の平面形状を有しており、画素電極(図示せず)等が形成された素子基板11と、素子基板11に対して所定の隙間を介して対向配置された対向基板12と、この対向基板12と素子基板11とを貼り合わせるシール材14とを備えている。かかる表示パネル10では、シール材14で囲まれた領域内に液晶層13が保持されている。素子基板11および対向基板12はガラス基板等の透光性基板からなる。素子基板11では、X軸方向に複数本の走査線(図示せず)が延在している一方、Y軸方向には複数本のデータ線が延在しており、走査線とデータ線(図示せず)との交差に対応して、スイッチング素子(図示せず)および画素電極が設けられている。
【0037】
本形態では、対向基板12が表示光の出射側に配置され、素子基板11は照明装置8の側に配置されている。また、対向基板12において、素子基板11と対向する面には、シール材14の内縁に沿って、遮光層からなる額縁層(図示せず)が形成されている。表示パネル10は、TN(Twisted Nematic)方式、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式、あるいはVAN(Vertical Aligned Nematic)方式の液晶パネルとして構成されており、素子基板11に画素電極が形成され、対向基板12に共通電極(図示せず)が形成されている。なお、表示パネル10がIPS(In Plane Switching)方式や、FFS(Fringe Field Switching)方式の液晶パネルである場合、共通電極は、素子基板11の側に設けられる。また、素子基板11が対向基板12に対して表示光の出射側に配置されることもある。表示パネル10の上面には上偏光板18が重ねて配置され、表示パネル10の下面と照明装置8との間には下偏光板17が配置されている。
【0038】
本形態において、素子基板11は対向基板12より大きい。このため、素子基板11は、Y軸方向の一方側Y1において対向基板12の端部から張り出した張り出し部分110を有しており、かかる張り出し部分110の上面には複数枚のフレキシブル配線基板200が接続されている。フレキシブル配線基板200は、リジット基板からなる回路基板250に接続されており、かかる回路基板250には、図1を参照して説明した画像信号供給部270を構成する制御用IC(図示せず)や、光源駆動部280を構成する光源駆動用IC(図示せず)が実装されている。
【0039】
(照明装置8の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100の照明装置8に用いた発光素子89および光源用基板88等の説明図である。
【0040】
図3、図4および図5に示すように、照明装置8は、表示パネル10の下面側に重ねて配置された導光板80と、導光板80の光入射部80aに発光面89aを向けて光入射部80aの一方端側(X軸方向の一方側X1)から他方端側(X軸方向の他方側X2)に向かって配列された複数の発光素子89とを備えている。本形態において、複数の発光素子89は、光入射部80aに沿ってX軸方向に延在する光源用基板88の一方面881に実装されている。発光素子89は、白色光を出射するLED(Light Emitting Diode)であり、光源光を発散光として出射する。
【0041】
本形態の照明装置8において、導光板80の側端面801、802、803、804のうち、Y軸方向で相対向する2つの側端面801、803が光入射部80aとして利用されている。このため、複数の発光素子89は、導光板80の2つの光入射部80a(側端面801、803)に発光面89aを対向させて配置し、2つの光入射部80a(側端面801、803)の各々の一方端側から他方端側に向かって配列されている。また、光源用基板88は、2つの光入射部80a(側端面801、803)の各々に沿って延在した状態で配置されており、かかる2枚の光源用基板88の各々の一方面881に複数の発光素子89が実装されている。光源用基板88の一方面881には、一方の端部にコネクター87が実装されており、かかるコネクター87は、光源用基板88を介して発光素子89に駆動電流を供給するのに用いられている。
【0042】
本形態において、導光板80は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等からなる透光性の樹脂板であり、導光板80の下面80cと第1フレーム40の底板部45との間には反射シート187が重ねて配置されている。また、導光板80の上面(光出射面80b)と表示パネル10との間には拡散シート182、プリズムシート183、184等の光学シートが重ねて配置されている。本形態において、2枚のプリズムシート183、184は、互いの稜線が直交するように配置されている。このため、導光板80の光出射面80bから出射された照明光は、拡散シート182によって全方向に拡散した後、2枚のプリズムシート183、184によって、表示パネル10の正面方向にピークを持つような指向性が付与されている。導光板80において、反射シート187が位置する側の面には、凹状の微細な窪みや、散乱部材の印刷層からなる散乱パターンが形成されており、本形態において、散乱パターンの密度は、発光素子89から離れるに従って高くなっている。このため、導光板80から出射される照明光の強度分布は、発光素子89からの距離にかかわらず、均一化されている。かかる散乱パターンとして、本形態では、導光板80の下面80cに微細な凹部が多数設けられている。
【0043】
第1フレーム40の底板部45は、導光板80において光入射部80aとなる側端面801、803が位置する側と重なる領域において、導光板80の下面80cと第1フレーム40との間に隙間が確保できるように段差が部分的に形成されており、導光板80に向けて折れ曲がっている。それにより、導光板80の下面80cと底板部45との間に反射シート187と光源支持部材60の下板部61とを隙間の間で挟持可能になっている。また、第1フレーム40の底板部45を導光板80に向けて部分的に折り曲げたことによって第1フレーム40の背面側には凹部が形成されるので、第1フレーム40の底板部45の下面(背面)までフレキシブル配線基板200を折り曲げて延在させるとともに、かかる凹部内に回路基板250が凹部の深さ内に収納されるように配置されている。このため、照明装置8の薄型化を図ることができる。
【0044】
本形態において、光源用基板88は、発光素子89が実装されている一方面881が導光板80の光入射部80aに対向するように配置されている。また、光源用基板88は、光入射部80aに沿って延在する板状の金属板887の一方面881側に、配線パターンやランドが絶縁層とともに設けられた構造を有している。かかる構成は、例えば、金属板887の一方面881側に、樹脂基材層、配線パターンおよび絶縁保護層等がこの順に積層されたフレキシブル配線基板888を貼り合わせることにより実現することができる。従って、金属板887と配線パターン及び発光素子89のチップが実装されるランドは電気的に絶縁性が確保されている。本形態において、金属板887はアルミニウム板からなり、金属板887は、光源用基板88の機械的強度を確保するとともに、発光素子89から発熱される熱の放熱板としても機能する。
【0045】
ここで、各々の光源用基板88の他方面882側には、光源用基板88を保持する光源支持部材60が各々配置されており、光源支持部材60は、第1フレーム40および第2フレーム30の間に配置されて保持されている。本形態において、光源支持部材60は、光源用基板88の他方面882に沿って延在する棒状の金属部品であり、光源用基板88の他方面882の全面と支持板部62の基板保持面620において面接触状態で密着して固定されている。また、光源支持部材60は、第1フレーム40の底板部45に重なる下板部61と、下板部61の幅方向の途中位置から上方に突出した壁面を構成する支持板部62とを有している。また、光源支持部材60は、支持板部62から導光板80が位置する側とは反対側に折れ曲がった上板部63を支持板部62の上端(下板部61と反対の側)側に備えており、上板部63は、ネジ等によって第3フレーム50の上板部55及び第2フレーム30の上板部315、325の少なくともいずれか一方に固定されている。
【0046】
かかる構成の光源支持部材60において、支持板部62の導光板80が位置する側の面は、光源用基板88を保持する基板保持面620になっており、かかる基板保持面620には、光源用基板88がネジ(図示せず)等によって固定されている。
【0047】
(発光素子89からの放熱構造)
このように構成した照明装置8において、発光素子89の温度が上昇すると、発光素子89における発光効率の低下、輝度ムラ、寿命低下が発生する。従って、本形態では、まず、発光素子89が実装された光源用基板88の他方面882の側(背面側)に金属製の光源支持部材60を面接触が可能な状態に設け、光源支持部材60を介して第1フレーム40に熱を逃がすようになっている。
【0048】
一方、本形態では、組み立て作業の高効率化や、部材相互の位置精度の向上等の目的で、光源支持部材60の光出射面側を覆って配置される上板部315、325、335、345(端板部)、および光源支持部材60と導光板80とを外側で囲む側板部311、321、331、341を備えた樹脂製の第2フレーム30が用いられており、かかる第2フレーム30は熱伝導性が低い。
【0049】
そこで、本形態では、図4に示すように、第2フレーム30は、光源支持部材60との間に閉鎖空間8aを区画しており、かかる閉鎖空間8aは、光源支持部材60の延在方向に沿って延在している。本形態では、第1フレーム40においてY軸方向の一方側Y1には側板部が設けられていないため、図4(a)に示すように、Y軸方向の一方側Y1に形成された閉鎖空間8aは、光源支持部材60の下板部61、支持板部62および上板部63と、第2フレーム30の側板部311(および上板部315の一部)とによって囲まれた閉鎖空間8aを構成している。これに対して、第1フレーム40においてY軸方向の他方側Y2には側板部42が設けられているため、図4(b)に示すように、Y軸方向の他方側Y2に形成された閉鎖空間8aは、光源支持部材60の下板部61、支持板部62および上板部63と、第1フレーム40の側板部42(および第2フレーム30の上板部325の一部)とによって囲まれた閉鎖空間8aを構成している。また、図2および図3から分かるように、Y軸方向の一方側Y1およびY軸方向の他方側Y2のいずれにおいても、閉鎖空間8aの延在方向の両端(延長線)には、第2フレーム30の側板部331、341、第1フレーム40の側板部43、44、および第3フレーム50の側板部53、54が位置している。
【0050】
また、本形態では、閉鎖空間8aを外部と連通させるにあたって、図2および図3に示すように、閉鎖空間8aのX軸方向の両端部の各々では、閉鎖空間8aの延在方向(延長線)において突き当たる第1フレーム40の側板部43、44に、側板部43、44を貫通する切り欠き状の開口部409が形成されている。また、閉鎖空間8aのX軸方向の両端部の各々では、閉鎖空間8aの延在方向(延長線)において突き当たる第2フレーム30の側板部331、341に、側板部331、341を貫通する切り欠き状の開口部309が形成されている。さらに、閉鎖空間8aのX軸方向の両端部の各々では、閉鎖空間8aの延在方向(延長線)において突き当たる第3フレーム50の側板部53、54に、側板部53、54を貫通する切り欠き状の開口部509が形成されている。また、第1フレーム40の開口部409および第3フレーム50の開口部509は、第2フレーム30の開口部309と重なっている。このため、図2に示すように、照明装置8を組み立てると、照明装置8には、第1フレーム40、第2フレーム30および第3フレーム50を貫通する貫通部809が形成され、かかる貫通部809は、閉鎖空間8aの延在方向の両端部で閉鎖空間8aに連通し、かつ、閉鎖空間8aの延在方向(延長線)に向けて開口された構成とされている。本形態において、貫通部809はいずれも、第2フレーム30の側板部331、341等の延在方向に所定の幅寸法をもって開口しており、スリット状の隙間と違って開口面積が大である。従って、本形態において、貫通部809の開口面積は、閉鎖空間8aの開口面積(断面積)以上に設定してある。
【0051】
それ故、図1(a)に矢印Hで示すように、本形態の照明装置8および表示装置100では、発光素子89の熱を、光源支持部材60および閉鎖空間8aを介して貫通部809(開口部309、409、509)から外部に逃がすことができ、かかる熱は、その後、テレビ用のフレーム2010から電子機器2000の外部に放出される。
【0052】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の照明装置8および表示装置100では、導光板80の光入射部80aに沿って複数の発光素子89が配列され、かかる複数の発光素子89は、光入射部80aに沿って延在する光源用基板88の一方面881側に実装されている。ここで、光源用基板88の他方面882側には金属製の光源支持部材60が重ねて配置されているため、発光素子89の熱を光源用基板88、光源支持部材60および金属製の第1フレーム40によって逃がすことができる。
【0053】
また、本形態では、光源支持部材60に対して光出射面側に被さる上板部315、325、335、345(端板部)、および光源支持部材60と導光板80とを外側で囲む側板部311、321、331、341を備えた樹脂製の第2フレーム30が用いられ、かかる第2フレーム30は熱伝導性が低い。但し、第2フレーム30は、光源支持部材60との間に光源支持部材60の延在方向に沿って延在する閉鎖空間8aを区画しているとともに、第2フレーム30には、第2フレーム30の側板部331、341を貫通して閉鎖空間8aに連通する開口部309が設けられている。このため、発光素子89の熱を閉鎖空間8aおよび開口部309を介して逃がすことができる。また、第1フレーム40は、第2フレーム30の側板部331、341に重なる側板部43、44を備えているが、第1フレーム40の側板部43、44には、第2フレーム30の開口部309と重なる位置に開口部409が形成されている。また、第3フレーム50は、第2フレーム30の側板部331、341に重なる側板部53、54を備えているが、第3フレーム50の側板部53、54には、第2フレーム30の開口部309と重なる位置に開口部509が形成されている。このため、照明装置8には、閉鎖空間8aに連通する貫通部809が形成されているので、発光素子89の熱を閉鎖空間8aおよび貫通部809を介して逃がすことができる。それ故、発光素子89の発熱を低く抑えることができるので、発光素子89の発光効率の低下、輝度ムラ、寿命低下等の発生を抑制することができる。
【0054】
また、貫通部809(開口部309、409、509)は、閉鎖空間8aの延在方向で離間する複数個所に設けられているため、閉鎖空間8aに空気の出入りが発生しやすい。特に本形態では、貫通部809(開口部309、409、509)は、閉鎖空間8aの延在方向の両端部に設けられ、しかも、閉鎖空間8aの延長線上に向かって開口しているため、閉鎖空間8aに空気の出入りが発生しやすい。それ故、発光素子89の熱を閉鎖空間8aおよび貫通部809を介して効率よく逃がすことができるので、発光素子89の発熱を低く抑えることができる。
【0055】
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係る表示装置100の照明装置8の説明図であり、図6(a)、(b)は、貫通部809の説明図、および貫通部809付近の断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であることから、共通する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0056】
実施の形態1においては、Y軸方向の両側(複数の発光素子89が配列される側)の各々に構成された閉鎖空間8aのいずれにおいても、閉鎖空間8aの延在方向の両端部において、閉鎖空間8aが延在する延長線で突き当たる部位に相当する各フレームの側面を貫通させて開口部を形成している。これに対して、本形態では、図6(a)に示すように、Y軸方向の両側に形成された2つの閉鎖空間8aのうち、Y軸方向の他方側Y2(テレビ画面の上方)に形成された閉鎖空間8aにおいては、貫通部809が閉鎖空間8aの延在方向の両端部において閉鎖空間8aの延在方向に交差する上方向に開口している。かかる構成によれば、熱が上方に逃げやすいという性質と、Y軸方向の他方側Y2に設けられた貫通部809の開口方向とが対応しているので、発光素子89の熱を効率よく逃がすことができる。
【0057】
ここで、Y軸方向の他方側Y2に形成された閉鎖空間8aにおいて、閉鎖空間8aの延在方向に交差する上方向に貫通部809が開口している構成は、図6(b)に示すように、第1フレーム40の側板部42、第2フレーム30の側板部321および第3フレーム50の側板部52の各々に開口部309、409、509を設けることによって実現することができる。
【0058】
[実施の形態3]
図7は、本発明の実施の形態3に係る表示装置100の照明装置8に設けた貫通部809の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であることから、共通する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0059】
実施の形態2においては、Y軸方向の両側に形成された2つの閉鎖空間8aのいずれにおいても、貫通部809は、開口方向は相違するが、閉鎖空間8aの両端部に設けられている。
【0060】
これに対して、本形態では、図7に示すように、Y軸方向の両側に形成された2つの閉鎖空間8aのうち、Y軸方向の他方側Y2に形成された閉鎖空間8aにおいて、貫通部809は、閉鎖空間8aの延在方向の途中位置において、図3等を参照して説明した第1フレーム40、第2フレーム30および第3フレーム50の側板部42、321、52に設けた開口部によって形成されている。かかる構成によれば、熱が上方に逃げやすいという性質と、Y軸方向の他方側Y2(テレビ画面の上側)に形成された貫通部809の開口方向とが対応しているので、発光素子89の熱を効率よく逃がすことができる。また、Y軸方向の他方側Y2(上側)に形成された貫通部809が閉鎖空間8aの延在方向の途中位置で上方向に開口している構成であれば、例えば、テレビ用のフレーム2010において、X軸方向の端部から内側に通気孔が設けられている場合、貫通部809の開口位置をテレビ用のフレーム2010の通気孔の位置に対応させることができる。
【0061】
[実施の形態4]
図8は、本発明の実施の形態4に係る表示装置100の照明装置8に設けた貫通部809の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であることから、共通する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0062】
図8に示すように、Y軸方向の両側に形成された2つの閉鎖空間8aのいずれにおいても、貫通部809が閉鎖空間8aの延在方向の途中位置で、閉鎖空間8aの延在方向と交差する方向に開口している構成を採用してもよい。かかる構成によれば、例えば、テレビ用のフレーム2010において、X軸方向の端部から内側に通気孔が設けられている場合、貫通部809の開口位置をテレビ用のフレーム2010の通気孔の位置に対応させることができる。
【0063】
[実施の形態5]
図9は、本発明の実施の形態5に係る表示装置100の要部の断面図であり、図9(a)、(b)は、図4に示すA−A′断面およびB−B′断面に相当する。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であることから、共通する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0064】
上記の実施の形態1〜4では、光源用基板88において発光素子89が実装されている一方面881は、導光板80の光入射部80aに対向している構成であったが、本形態では、図9に示すように、光源用基板88において発光素子89が実装されている一方面881は、導光板80の光入射部80aに90°の角度を成して交差する方向に向いている。但し、発光素子89は、光源用基板88の一方面881と平行な方向に発光面89aを向けている。従って、発光素子89は、光入射部80aから導光板80の内部に光源光を入射させることができる。
【0065】
かかる構成の表示装置100および照明装置8でも、実施の形態1〜4と同様、第2フレーム30は、光源支持部材60との間に閉鎖空間8aを区画しており、かかる閉鎖空間8aは、光源支持部材60の延在方向に沿って延在している。また、本形態でも、実施の形態1〜4と同様、閉鎖空間8aに連通する貫通部809(図1〜図3等を参照)が形成されているので、発光素子89で発生した熱を効率よく逃がすことができる。
【0066】
なお、本形態では、光源支持部材60において、基板保持面620は、下板部61に形成されており、導光板80の光入射部80aに90°の角度を成して交差する方向に向いている。また、光源支持部材60では、支持板部62から垂直に起立する垂直板部68が導光板80の光入射部80aに対向している。このため、図9(a)に示すように、Y軸方向の一方側Y1に形成された閉鎖空間8aは、光源支持部材60の下板部61、垂直板部68および上板部63と、第2フレーム30の側板部311および上板部315とによって区画されている。これに対して、図9(b)に示すように、Y軸方向の他方側Y2に形成された閉鎖空間8aは、光源支持部材60の下板部61、垂直板部68および上板部63と、第2フレーム30の上板部325と、第1フレーム40の側板部42とによって区画されている。また、図2および図3から分かるように、Y軸方向の一方側Y1およびY軸方向の他方側Y2のいずれにおいても、閉鎖空間8aの延在方向の両端には、第2フレーム30の側板部331、341、第1フレーム40の側板部43、44、および第3フレーム50の側板部53、54が位置し、これらの側板部に開口部309、409、509が形成されている。
【0067】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、第1フレーム40の長辺側の側板部はY軸方向の他方側Y2のみに側板部42として設けられていたが、第1フレーム40の双方の長辺側(Y軸方向の一方側Y1および他方側Y2)に側板部を設けてもよい。この場合、図4(a)に示したA−A′断面は、概ね、図4(b)に示すように構成される。また、第1フレーム40の双方の長辺側(Y軸方向の一方側Y1および他方側Y2)に側板部を設けない構成を採用してもよく、この場合、図4(b)に示したB−B′断面は、概ね、図4(a)に示すように構成される。
【0068】
上記の形態では、貫通部809(開口部309、409、509)の開口面積は、図4等に示す閉鎖空間8aの断面積(開口面積)と同様であってもよいが、貫通部809(開口部309、409、509)の開口面積が、図4等に示す閉鎖空間8aの断面積(開口面積)より大である方が、放熱効果が高いので好ましい。
【0069】
上記実施の形態では、貫通部809が閉鎖空間8aの延長線上に設けられていたが、貫通部809と閉鎖空間8aとが空間的に繋がっていれば、互いにずれた位置に設けてもよい。例えば、導光板80の側端面802と第1フレーム40の側端面43、および導光板80の側端面804と第1フレーム40の側端面44の間に空間を設け、貫通部809と閉鎖空間8aを空間的に接続してもよい。かかる構成によれば、閉鎖空間8aの延長線上に貫通部809が存在しなくても、放熱効果を維持することができる。この場合、貫通部809(開口部309、409、509)をフレームコーナー部から離すことができ、フレームコーナー部の強度を上げ、表示装置100の剛性を向上させることができる。
【0070】
また、貫通部809(開口部)と閉鎖空間8aを空間的に繋げた場合、貫通部809(開口部)の面積を閉鎖空間8aの断面積より大きく設定すれば、貫通部809と閉鎖空間8aとの間の空間を利用して放熱効果を上げることもできる。
【0071】
また、貫通部809(開口部)は、発光素子89に電源を供給するためのケーブルを引き回す為の開口部として利用してもよく、この場合、ケーブルを通す開口部を別途設ける必要がなくなるため、表示装置100の強度を低下させずに、配線と放熱の双方を実現することができる。
【0072】
上記実施の形態では、貫通部809(開口部)は、表示装置100の側端面にのみ設けたが、表示装置100の周辺部の表面側(各フレームにおける上端面や上板部/Z軸方向の他方側Z2)、あるいは裏面側(Z軸方向の一方側Z1)に貫通部809を設けてもよい。この場合は、例えば、表示装置100の裏面等に開口部を配置させて放熱させることができる。また、側端面に設けた開口部を、隣接する面に設けた開口部と繋げ、より広く開口させることにより、放熱効果を高めてもよい。
【0073】
上記実施の形態では、第1フレーム40、第2フレーム30および第3フレーム50を有する構成であったが、第1フレーム40および第2フレーム30の2つのフレームを有する場合に適用してもよく、この場合も、閉鎖空間8aを構成するフレームの側板部(第1フレーム40の側板部および第2フレーム30の側板部のうちの少なくとも一方の側板部)に開口部を設ければよい。
【0074】
また、第1フレーム40および第3フレーム50の2つのフレームを有する場合に適用してもよく、この場合も、閉鎖空間8aを構成するフレームの側板部(第1フレーム40の側板部および第3フレーム50の側板部のうちの少なくとも一方の側板部)に開口部を設ければよい。
【0075】
[電子機器への搭載例]
上述実施形態では、表示装置100を搭載した電子機器2000として、液晶テレビを例示したが、液晶テレビ以外にも、パーソナルコンピューターのディスプレイ、デジタルサイネージ、カーナビゲーション装置、携帯用情報端末等の電子機器の表示部に本発明を適用した表示装置100を用いてもよい。
【符号の説明】
【0076】
8・・照明装置、10・・表示パネル、30・・第2フレーム、40・・第1フレーム、42、43、44・・第1フレームの側板部、50・・第3フレーム、51、52、53、54・・第3フレームの側板部、55・・第3フレームの上板部(端板部)、60・・光源支持部材、80・・導光板、80a・・光入射部、80b・・光出射面、88・・光源用基板、89・・発光素子(光源)、100・・表示装置、309、409、509・・開口部、311、321、331、341・・第2フレームの側板部、315、325、335、345・・第2フレームの上板部(端板部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置と、該照明装置の光出射面側に重ねて配置された表示パネルと、を有する表示装置であって、
前記照明装置は、
導光板と、
該導光板の側端面のうち、光入射部とされた側端面に発光面を向けて前記光入射部に沿って配列された複数の発光素子と、
前記光入射部に沿って延在し、前記複数の発光素子が一方面側に実装された光源用基板と、
該光源用基板の他方面が面接触される基板保持面を有し、前記光入射部に沿って延在する金属製の光源支持部材と、
前記光源支持部材および前記導光板の外側に配置され、前記光源支持部材との間に当該光源支持部材に沿って通された閉鎖空間を構成する側板部を備えたフレームと、
を有し、
前記照明装置には、前記閉鎖空間を外部に通連させる開口部が設けられていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記導光板を前記光出射面とは反対側で支持する金属製の第1フレームと、
前記表示パネルを保持し、前記光源支持部材の前記光出射面側を覆う端板部を有する樹脂製の第2フレームと、
が設けられ、
前記第1フレームおよび前記第2フレームの少なくとも一方が前記フレームとされており、
前記第1フレームおよび前記第2フレームの少なくとも一方に前記開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2フレームが前記フレームとされており、
前記第1フレームは、当該第2フレームの前記側板部に重なる側板部を備え、
前記第1フレームには、前記第2フレームの前記開口部と重なる位置で当該第1フレームの前記側板部を貫通する開口部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2フレームの前記端板部に外側で重なる端板部、および前記第2フレームの前記側板部に外側で重なる側板部を備えた第3フレームを有し、
前記第3フレームには、前記第2フレームの前記開口部と重なる位置で当該第3フレームの前記側板部を貫通する開口部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記導光板を前記光出射面とは反対側で支持する金属製の第1フレームと、
前記表示パネルの前記光出射面側を覆うとともに、前記第1フレームとの間で前記光源支持部材を挟んで配置される第3フレームと、
が設けられ、
前記第1フレームおよび前記第3フレームの少なくとも一方が前記フレームとされており、
前記第1フレームおよび前記第3フレームの少なくともいずれか一方に前記開口部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記開口部は、前記フレームの前記側板部のうち、前記閉鎖空間の延長線が突き当たる位置に配置された側板部に設けられていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記開口部は、前記フレームの前記側板部のうち、前記閉鎖空間を構成している部分に形成されていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記開口部は、前記閉鎖空間の延在方向で離間する複数個所に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記開口部の開口面積は、前記閉鎖空間の開口面積以上であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記開口部は、前記フレームの前記側板部の延在方向に所定の幅寸法を有していることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記導光板の側端面のうち、対向する2つの側端面が前記光入射部になっており、
当該2つの側端面に対応する2個所に前記閉鎖空間および前記開口部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記2個所に設けられた前記閉鎖空間のうち、
一方の前記閉鎖空間に設けられた前記開口部は、前記フレームの前記側板部のうち、前記閉鎖空間を構成する部分に形成され、
他方の前記閉鎖空間に設けられた前記開口部は、前記フレームの前記側板部のうち、前記閉鎖空間の延長線が突き当たる位置に配置された側板部に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記光源用基板は、前記一方面が前記光入射部に対向していることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか一項に記載の表示装置を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項15】
導光板と、
該導光板の側端面のうち、光入射部とされた側端面に発光面を向けて前記光入射部に沿って配列された複数の発光素子と、
前記光入射部に沿って延在し、前記複数の発光素子が一方面側に実装された光源用基板と、
該光源用基板の他方面が面接触される基板保持面を有し、前記光入射部に沿って延在する金属製の光源支持部材と、
前記光源支持部材及び前記導光板の外側に配置され、前記光源支持部材との間で、前記光入射部に沿って通された閉鎖空間を構成する側板部を有したフレームと、
前記閉鎖空間を外部に通連させる開口部と、
が設けられていることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−37332(P2013−37332A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263436(P2011−263436)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】