説明

表示装置の梱包構造、テレビジョンセットおよび表示装置の組立方法

【課題】組立作業時における装置の十分な保護を図ることが可能な表示装置の梱包構造を提供する。
【解決手段】この液晶テレビジョン装置1(表示装置)の梱包構造は、表示面と、スタンド1bを取り付け可能な取付部12とを有する装置本体1aと、スタンド1bとを含む液晶テレビジョン装置1の梱包構造であって、装置本体1aの取付部12を露出させながら取付部12に対応する装置本体1aの底部側面11eを覆う側壁部22を含むとともに、装置本体1aに取り外し可能に設けられた前側緩衝材2を備え、前側緩衝材2が装置本体1aに取り付けられた状態で、かつ、前側緩衝材2を介して表示面が設置面90に対向するように装置本体1aを寝かせた姿勢で、側壁部22から露出した取付部12にスタンド1bを取り付け可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置の梱包構造、テレビジョンセットおよび表示装置の組立方法に関し、特に、スタンドを取り付け可能な表示装置の梱包構造、スタンドを備えたテレビジョンセットおよびスタンドを取り付け可能な表示装置の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタンドを取り付け可能な表示装置の梱包構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、底面にスタンドの取付部が設けられた薄型の装置本体とスタンドとを含む表示装置と、装置本体の上部に嵌められた上部緩衝材と、装置本体の下部に嵌められた下部緩衝材とが梱包箱内に収容された梱包構造が開示されている。装置本体は、表示面を下に向けて水平に寝かせた状態で梱包箱内に収容されている。この梱包構造における表示装置の組立方法は以下の通りである。まず、梱包箱の上面を開封し、スタンドを取り出す。次に、梱包箱の内部で、装置本体の上部(上部緩衝材)が下方に配置され、底面側(下部緩衝材)が上方に配置されるように装置本体を起立(倒立)させ、装置本体から下部緩衝材を取り外す。これにより、装置本体の底面の取付部が露出される。続いて、取り外した下部緩衝材を梱包箱の内部に所定の姿勢で設置する。そして、倒立させていた装置本体を元の寝かせた姿勢に戻すように倒すと、梱包箱の内部に配置していた下部緩衝材に寄りかかるようにして、装置本体が傾斜した状態で支持される。その結果、装置本体の底面(取付部)が斜め上方に向いた姿勢で装置本体が保持され、この状態でスタンドを装置本体に取り付けることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−247889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表示装置の梱包構造では、組立時にユーザが装置本体を倒立状態で保持しながら、下部緩衝材の取り外しや設置を行い、再び装置本体を寝かせる必要がある。ここで、近年では表示装置(装置本体)の薄型および大型化が顕著であるので、スタンドがない状態で薄型の装置本体を起立させた場合には、装置本体の安定性が非常に低くなる。組立作業中に装置本体が倒れた場合には、装置本体が破損する可能性があり、特に表示面は僅かな傷でも表示品質に影響を与えてしまう。このため、上記特許文献1では、組立作業時の表示装置の保護が十分でないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、組立作業時における装置の十分な保護を図ることが可能な表示装置の梱包構造、テレビジョンセットおよび表示装置の組立方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による表示装置の梱包構造は、表示面と、スタンドを取り付け可能な取付部とを有する装置本体と、装置本体を支持するとともに取付部に着脱可能なスタンドとを含む表示装置の梱包構造であって、装置本体の取付部を露出させながら取付部に対応する装置本体の側面部分を覆う側壁部を含むとともに、装置本体に取り外し可能に設けられた第1緩衝部材を備え、第1緩衝部材が装置本体に取り付けられた状態で、かつ、第1緩衝部材を介して表示面が設置面に対向するように装置本体を寝かせた姿勢で、側壁部から露出した取付部にスタンドを取り付け可能に構成されている。
【0008】
この第1の局面による表示装置の梱包構造では、上記のように、第1緩衝部材が装置本体に取り付けられた状態で、かつ、第1緩衝部材を介して表示面が設置面に対向するように装置本体を寝かせた姿勢で、側壁部から露出した取付部にスタンドを取り付け可能に構成することによって、装置本体を起立(倒立)させることなく、装置本体を寝かせたままの姿勢で組み立て(スタンド取り付け)を行うことができる。これにより、組立作業時の装置本体の転倒を防止することができる。そして、組み立ての際には、装置本体に取り付けられた第1緩衝部材が表示面と設置面との間に介在した状態でスタンドを取り付けることができるので、第1緩衝部材によって装置本体の表示面を確実に保護することができる。以上により、本発明の梱包構造によれば、組立作業時における表示装置の十分な保護を図ることができる。
【0009】
上記第1の局面による表示装置の梱包構造において、好ましくは、取付部は、装置本体の底部側面に配置されており、第1緩衝部材の側壁部には、取付部を露出させる逃がし部が設けられている。このように構成すれば、取付部が装置本体の底部側面(底面)に配置される構造であっても、容易に、第1緩衝部材の側壁部から取付部を露出させることができる。
【0010】
この場合において、好ましくは、側壁部は、装置本体の底部側面の略全長に渡って装置本体の表示面側から表示面とは反対側の背面側に突出するように形成され、かつ、逃がし部の形成位置において、側壁部の突出高さが逃がし部以外の部分よりも小さくなるように形成されている。このように構成すれば、側壁部の内、逃がし部以外の部分で相対的に突出高さを高くすることができるので、スタンドの取付作業時に取付部以外の装置本体の側面部分を十分に保護しておくことができる。
【0011】
上記第1緩衝部材の側壁部に逃がし部が設けられる構成において、好ましくは、側壁部は、逃がし部の形成位置において、肉厚が逃がし部以外の部分よりも小さくなるように形成されている。このように構成すれば、側壁部の内、スタンドの取付作業に必要な逃がし部の形成位置だけを相対的に薄肉にすることにより、スタンド取付作業の作業性を向上させることができ、かつ、装置本体の取付部以外の側面部分は十分に保護することができる。
【0012】
上記第1の局面による表示装置の梱包構造において、好ましくは、第1緩衝部材は、表示面側から見て、装置本体の長手方向に延びる中心線に沿って表示面の中央を表示面の略全長に渡って覆うように形成された中央部を含む。このように構成すれば、組立作業時に、第1緩衝部材が取り付けられた装置本体が設置面上の異物(たとえば取付用のねじなど)の上に誤って配置されてしまう場合などでも、中央部によって表示面をより確実に保護することができる。また、梱包箱を開梱する際に、ユーザがカッターなどの切断器具を用いて表示面側から開梱してしまう場合(この場合、梱包箱の中央を長手方向に切断する場合が多い)などにも、中央部によって表示面を効果的に保護することができる。
【0013】
この場合において、好ましくは、第1緩衝部材は、表示面を覆うとともに、中央部を除いた表示面側の領域には、複数の穴部が形成されている。このように構成すれば、第1緩衝部材による表示面の効果的な保護を図りながら、表示装置の梱包構造全体での軽量化および材料消費量の抑制を図ることができる。
【0014】
上記第1の局面による表示装置の梱包構造において、好ましくは、第1緩衝部材は、装置本体の表示面側を覆うとともに側壁部を有する前側緩衝材を含み、装置本体の背面側に設けられた後側緩衝材からなる第2緩衝部材をさらに備え、前側緩衝材が装置本体に取り付けられた状態で、前側緩衝材の側壁部から露出した取付部にスタンドを取り付け可能に構成されている。このように構成すれば、梱包状態では、前側緩衝材(第1緩衝部材)と後側緩衝材(第2緩衝部材)とによって装置本体をより確実に保護することができる。また、組立作業時には、設置面上に配置された前側緩衝材の上に装置本体の表示面が配置され、前側緩衝材によって表示面が覆われることになるため、組立作業時に表示面が傷つくのをより確実に防止することができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置の梱包構造において、好ましくは、第1緩衝部材は、装置本体の上部を表示面側から背面側にわたって取り囲むように設けられた第1緩衝材と、側壁部を有し、装置本体の下部の表示面側に設けられた第2緩衝材とを含み、装置本体の下部の背面側に設けられた第3緩衝材からなる第2緩衝部材をさらに備え、第1緩衝材および第2緩衝材を取り外すことなく第3緩衝材を取り外した状態で、第2緩衝材の側壁部から露出した取付部にスタンドを取り付け可能に構成されている。このように構成すれば、第1緩衝材と第2緩衝材とにより、装置本体の表示面を保護した状態のままで、組立作業を行うことができる。また、第1〜第3緩衝材に分割することによって、個々の緩衝材が大型化するのを抑制することができるので、それぞれの緩衝材を容易に形成することができるとともに、より大型の表示装置にも対応することができる。
【0016】
上記第1の局面による表示装置の梱包構造において、好ましくは、装置本体は、表示面側から見て略矩形形状を有し、第1緩衝部材は、略矩形形状の装置本体の表示面側の4辺を覆うように形成されている。このように構成すれば、表示面側の4辺が第1緩衝部材によって覆われるので、装置本体の縁部(各辺)を含む表示面側の全体を効果的に保護することができる。
【0017】
この発明の第2の局面によるテレビジョンセットは、テレビジョン放送を受信する受信部と、受信部により受信したテレビジョン放送を表示する表示面と、取付部とを有する装置本体と、装置本体を支持するとともに取付部に着脱可能なスタンドとを含むテレビジョン装置と、装置本体の取付部を露出させながら取付部に対応する装置本体の側面部分を覆う側壁部を含むとともに、装置本体に取り外し可能に設けられた緩衝部材とを備え、緩衝部材が装置本体に取り付けられた状態で、かつ、緩衝部材を介して表示面が設置面に対向するように装置本体を寝かせた姿勢で、側壁部から露出した取付部にスタンドを取り付け可能に構成されている。
【0018】
この第2の局面によるテレビジョンセットでは、上記のように、緩衝部材が装置本体に取り付けられた状態で、かつ、緩衝部材を介して表示面が設置面に対向するように装置本体を寝かせた姿勢で、側壁部から露出した取付部にスタンドを取り付け可能に構成することによって、装置本体を起立(倒立)させることなく、装置本体を寝かせたままの姿勢で組み立て(スタンド取り付け)を行うことができる。これにより、組立作業時の装置本体の転倒を防止することができる。そして、組み立ての際には、装置本体に取り付けられた緩衝部材が表示面と設置面との間に介在した状態でスタンドを取り付けることができるので、緩衝部材によって装置本体の表示面を確実に保護することができる。以上により、本発明のテレビジョンセットによれば、組立作業時におけるテレビジョン装置の十分な保護を図ることができる。
【0019】
この発明の第3の局面による表示装置の組立方法は、表示面とスタンドを取り付け可能な取付部とを有する装置本体と、装置本体を支持するとともに取付部に着脱可能なスタンドとを含む表示装置と、装置本体の表示面側に取り付けられた第1緩衝部材と、装置本体の背面側に取り付けられた第2緩衝部材とを梱包箱内に収容した表示装置の組立方法であって、装置本体の取付部を露出させながら取付部に対応する装置本体の側面部分を覆う側壁部を含む第1緩衝部材と、第2緩衝部材とが取り付けられた状態で装置本体を梱包箱から取り出すステップと、第1緩衝部材を取り付けた状態で、かつ、第1緩衝部材を介して表示面が設置面に対向するように装置本体を寝かせた姿勢で、第1緩衝部材の側壁部から露出した取付部にスタンドを取り付けるステップとを備える。
【0020】
この第3の局面による表示装置の組立方法では、上記のように、第1緩衝部材を取り付けた状態で、かつ、第1緩衝部材を介して表示面が設置面に対向するように装置本体を寝かせた姿勢で、第1緩衝部材の側壁部から露出した取付部にスタンドを取り付けるステップとを備えることによって、装置本体を起立(倒立)させることなく、装置本体を寝かせたままの姿勢で組み立て(スタンド取り付け)を行うことができる。これにより、組立作業時の装置本体の転倒を防止することができる。そして、組み立ての際には、装置本体に取り付けられた第1緩衝部材が表示面と設置面との間に介在した状態でスタンドを取り付けることができるので、第1緩衝部材によって装置本体の表示面を確実に保護することができる。以上により、本発明の組立方法によれば、組立作業時における表示装置の十分な保護を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、組立作業時における装置の十分な保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態によるテレビジョンセットの分解斜視図である。
【図2】液晶テレビジョン装置の装置本体に前側および後側緩衝材が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態による液晶テレビジョン装置の組立方法を説明するための斜視図である。
【図4】液晶テレビジョン装置を前面側から示した斜視図である。
【図5】液晶テレビジョン装置を背面側から示した斜視図である。
【図6】後側緩衝材が取り付けられた状態の液晶テレビジョン装置を示した平面図である。
【図7】図6に示した液晶テレビジョン装置を底部側面側から見た図である。
【図8】本発明の第2実施形態によるテレビジョンセットの分解斜視図である。
【図9】装置本体に第1〜第3緩衝材が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態による液晶テレビジョン装置の組立方法を説明するための斜視図である。
【図11】第1および第2緩衝材が取り付けられた状態の装置本体を表示面側から示した平面図である。
【図12】第1および第2緩衝材が取り付けられた状態の液晶テレビジョン装置を背面側から示した平面図である。
【図13】図12に示した液晶テレビジョン装置を底部側面側から見た図である。
【図14】本発明の第1実施形態によるテレビジョンセットの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1〜図10を参照して、本発明の第1実施形態によるテレビジョンセット100の構成について説明する。第1実施形態では、本発明の「表示装置の梱包構造」をテレビジョンセットにおける液晶テレビジョン装置の梱包構造に適用した例について説明する。
【0025】
本発明の第1実施形態によるテレビジョンセット100は、図1および図2に示すように、液晶テレビジョン装置1と、発泡樹脂からなる前側緩衝材2および後側緩衝材3とを備えている。これらの液晶テレビジョン装置1、前側緩衝材2および後側緩衝材3は、梱包箱4内に収納されて梱包される。なお、液晶テレビジョン装置1は、本発明の「表示装置」および「テレビジョン装置」の一例である。また、前側緩衝材2は、本発明の「第1緩衝部材」および「緩衝部材」の一例である。また、後側緩衝材3は、本発明の「第2緩衝部材」の一例である。以下では、まず、液晶テレビジョン装置1の構成について説明する。
【0026】
液晶テレビジョン装置1は、図4および図5に示すように、装置本体1aと、装置本体1aに着脱可能なスタンド1bとから構成されている。装置本体1aは、表示面10(図4参照)を有する液晶モジュールと、液晶モジュールを収容する筐体11とを含んでいる。筐体11は、表示面10を取り囲んで露出させる矩形状の枠状形状を有する前面11a(図4参照)と、液晶モジュールを覆う背面11b(図5参照)と、上面(上部側面)11cと、一対の横側面11dと、スタンド1bを取付け可能な取付部12(図5参照)が形成された底面(底部側面)11eとを有する。装置本体1aは、表示面10側から見て、矩形形状を有する。
【0027】
また、図5に示すように、筐体11の背面11b側内部(破線参照)には、装置全体への電力供給や信号処理を行うための回路基板13が内蔵されている。回路基板13は、テレビジョン放送を受信可能なチューナーを有している。回路基板13のチューナーは、液晶モジュールと図示しないスピーカとに接続されており、外部アンテナにより受信されたテレビジョン放送信号(映像信号および音声信号)のうち映像信号を液晶モジュールに出力して表示面10にテレビジョン放送を表示させるとともに、音声信号をスピーカに出力するように構成されている。なお、回路基板13は、本発明の「受信部」の一例である。
【0028】
図1に示すように、取付部12は、底部側面11eの長手方向の中央部に配置されている。取付部12には、後述するスタンド1bの貫通孔16に対応する2つのねじ穴12aが形成されている。
【0029】
図4および図5に示すように、スタンド1bは、前方に向かうにつれて高さ(厚み)が小さくなるように傾斜した台座部14と、台座部14から上方に向けて突出した支持部15(図5参照)とを含んでいる。図3に示すように、スタンド1bには、台座部14の裏面(底面)から支持部15の上面までを貫通する2つの貫通孔16が形成されている。取付用のねじ5を、スタンド1bの各貫通孔16を介して取付部12のねじ穴12aに螺合させることによって、スタンド1bが装置本体1a(筐体11)の底部側面11e(取付部12)に着脱可能に取り付けられている。
【0030】
次に、液晶テレビジョン装置1の梱包構造について説明する。
【0031】
図1に示すように、前側緩衝材2は、装置本体1aの表示面10側(前面11a側)に取り外し可能に設けられており、表示面10を覆う底部21と、底部21の周縁部に沿って設けられた側壁部22とを一体的に含んでいる。底部21は、平面視において、液晶テレビジョン装置1の装置本体1a(筐体11)の外形形状(矩形形状)に対応した矩形形状を有する。また、図3に示すように、側壁部22は、底部21の周縁部から装置本体1aの背面11b側に突出し、装置本体1aの全周(上部側面11c、一対の横側面11dおよび底部側面11e)を取り囲むように形成されている。このため、前側緩衝材2は、矩形形状の装置本体1aの表示面10(前面11a)と、表示面10側の4辺(上部側面11c、一対の横側面11dおよび底部側面11e)とを覆う凹状形状に形成されており、装置本体1aの前面11a側が前側緩衝材2に嵌り込むように構成されている。
【0032】
図1に示すように、底部21には、中央を長手方向に沿って横断する直線状の中央部23と、中央部23に対して短手方向の両側に3つずつ設けられた6つの穴部24とが形成されている。また、図6の破線で示すように、中央部23は、矩形形状の装置本体1aの長手方向に延びる中心線CLに沿って表示面10の中央を表示面10の全長に渡って覆うように形成されている。
【0033】
また、図1および図6に示すように、6つの穴部24は、底部21の中央部23を除いた表示面側の領域に配置されており、それぞれの穴部24は、中央部23から短手方向に延びる梁部25によって分離されている。また、各穴部24は、底部21の周縁部(側壁部22)から離間するように配置されている。また、底部21には、底部21から立ち上がるとともに、頂部が平坦な複数のリブ26が形成されている。これらのリブ26は、それぞれ、装置本体1aに前側緩衝材2が取り付けられた状態で、筐体11の枠状の前面11aと当接する位置に配置されており、表示面10が前側緩衝材2と接触するのを防止している。
【0034】
ここで、第1実施形態では、図3および図7に示すように、側壁部22は、装置本体1aの取付部12を露出させながら取付部12に対応する装置本体1a(筐体11)の底部側面11eを覆うように形成されている。具体的には、側壁部22には、取付部12を露出させる逃がし部27が形成されている。ここで、側壁部22は、装置本体1aの底部側面11eの全長に渡って長手方向に延びるように形成されており、逃がし部27は、取付部12の配置位置を中心とした長さL1の範囲に渡って形成されている。図6および図7に示すように、逃がし部27の長さL1は、対応するスタンド1bの長手方向寸法L2よりも大きい。第1実施形態では、図3に示すように、前側緩衝材3は、前側緩衝材3が装置本体1aに取り付けられた状態で、かつ、前側緩衝材3を介して表示面10が設置面90に対向するように装置本体1aを寝かせた姿勢で、側壁部22(逃がし部27)から露出した取付部12にスタンド1bを取付けることが可能なように構成されている。
【0035】
逃がし部27では、側壁部22の突出高さが逃がし部27以外の部分よりも小さくなるように形成されている。すなわち、図7に示すように、側壁部22の最大高さ(逃がし部27以外の部分の突出高さ)を基準とすると、逃がし部27における側壁部22の突出高さがH1だけ小さくなるように形成されている。
【0036】
また、逃がし部27では、側壁部22の肉厚が逃がし部27以外の部分よりも小さくなるように形成されている。すなわち、図6に示すように、装置本体1aの底部側面11e側に配置された側壁部22は、逃がし部27以外の部分では肉厚t1を有し、逃がし部27の形成位置においては肉厚t1よりも小さい肉厚t2を有している。さらに、この逃がし部27では、側壁部22が内側に窪むように形成されており、側壁部22が装置本体1aの底部側面11eに接近するように構成されている。このため、平面視において、逃がし部27における装置本体1aの底部側面11e(取付部12)から側壁部22の外表面までの距離D1は、逃がし部27以外の部分における装置本体1aの底部側面11eから側壁部22の外表面までの距離D2よりも小さい。これらの逃がし部27の各寸法は、ユーザの作業性も考慮して、装置本体1aに前側緩衝材2が取り付けられた状態で、装置本体1a(取付部12)に取り付けられるスタンド1bと前側緩衝材2(側壁部22)とが緩衝することがない寸法に設定されている。
【0037】
なお、側壁部22にも、底部21と同様に、内側に突出する頂部が平坦なリブ28が複数設けられている。図6に示すように、側壁部22の各リブ28は、それぞれ、装置本体1aに前側緩衝材2が取り付けられた状態で、筐体11の各側面(上部側面11c、横側面11dおよび底部側面11e)と当接する位置に配置されている。
【0038】
図1に示すように、後側緩衝材3は、装置本体1aの背面11b側(表示面10と反対側)に取り外し可能に設けられており、装置本体1aの背面11bの略全体を覆うように形成されている。図示していないが、後側緩衝材3は、内面が装置本体1aの背面11b側の外形形状に対応した凹状形状に形成されており、装置本体1aの背面11b側が後側緩衝材3に嵌り込む(図2参照)ように構成されている。
【0039】
また、後側緩衝材3は、上面(装置本体1aが配置される側とは反対側の外側表面)において、凹状の3つの収納部31、32および33を有している。
【0040】
収納部31は、スタンド1b(台座部14および支持部15)に対応する凹形状に形成され、スタンド1bを収納可能に構成されている。これにより、スタンド1bと装置本体1aとを別梱包にすることなく梱包箱4内に同梱することができるので、梱包用の部材点数を抑制可能である。また、収納部32は、取扱説明書などの冊子6と、図示しない付属品(リモートコントローラなど)とを収納可能に構成されている。また、収納部33は、切欠部34と連続するように形成されており、電源ケーブル7を収納可能に構成されている。切欠部34は、図2の二点鎖線で示すように、装置本体1aの取付部12の上側(上部側面11c側)に設けられた電源ケーブル7を収納部33まで引き出すために形成されている。
【0041】
以上の構成により、図2に示すように、液晶テレビジョン装置1の装置本体1aに前側緩衝材2および後側緩衝材3が取り付けられ、後側緩衝材3の各収納部31、32および33にそれぞれスタンド1b、冊子6および電源ケーブル7などが収納されるとともに、これらが梱包箱4内に収納されることにより、一組のテレビジョンセット100が構成されている。
【0042】
次に、図2〜図4を参照して、第1実施形態によるテレビジョンセット100における液晶テレビジョン装置1の組立方法(スタンド取付方法)について説明する。
【0043】
液晶テレビジョン装置1の組み立ては、通常、テレビジョンセット100を購入したユーザにより行われる。まず、図2に示すように、梱包箱4を開封して、前側緩衝材2および後側緩衝材3が取り付けられた状態で、液晶テレビジョン装置1を梱包箱4内から取り出す。その後、後側緩衝材3の収納部31および32からそれぞれスタンド1bおよび取扱説明書などの冊子6を取り出す。
【0044】
次に、図3に示すように、前側緩衝材2を取り付けた状態で、かつ、前側緩衝材3を介して表示面10(図4参照)が設置面90に対向するように装置本体1aを寝かせた姿勢で、後側緩衝材3を取り外す。なお、梱包箱4(図2参照)に上下方向や開封方法を表示しておくことにより、梱包箱4からの取り出しの時点で、前側緩衝材3を介して表示面10が設置面90に対向するように装置本体1aを寝かせた姿勢で設置面90上に配置しておくことが可能である。
【0045】
続いて、装置本体1aを寝かせた状態のままで、前側緩衝材2の側壁部22の逃がし部27から露出した取付部12に、後側緩衝材3から取り出したスタンド1bを取り付ける。この際、図3に示すように、テーブルなどの設置面90上に前側緩衝材2ごと装置本体1aを設置したまま、取付用のねじ5を、スタンド1bの各貫通孔16を介して取付部12のねじ穴12aに螺合させる。これにより、スタンド1bが装置本体1aの底部側面11e(取付部12)に取り付けられる。
【0046】
液晶テレビジョン装置1の組み立て(スタンド1bの取り付け)が完了したら、装置本体1aから前側緩衝材2を取り外すとともに、図4のように液晶テレビジョン装置1のスタンド1bを設置面90上に設置すればよい。以上により、テレビジョンセット100からの液晶テレビジョン装置1の組み立てが完了する。
【0047】
第1実施形態では、上記のように、前側緩衝材2が装置本体1aに取り付けられた状態で、かつ、前側緩衝材2を介して表示面10が設置面90に対向するように装置本体1aを寝かせた姿勢で、側壁部22から露出した取付部12にスタンド1bを取り付け可能に構成することによって、装置本体1aを起立(倒立)させることなく、装置本体1aを寝かせたままの姿勢で組み立て(スタンド1bの取り付け)を行うことができる。これにより、組立作業時の装置本体1aの転倒を防止することができる。そして、組み立ての際には、装置本体1aに取り付けられた前側緩衝材2が表示面10と設置面90との間に介在した状態でスタンド1bを取り付けることができるので、前側緩衝材2によって装置本体1a、特に表示面10を確実に保護することができる。以上により、第1実施形態のテレビジョンセット100によれば、組立作業時における装置本体1a(液晶テレビジョン装置1)の十分な保護を図ることができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、装置本体1aの底部側面11eに取付部12を配置するとともに、前側緩衝材2の側壁部22に、取付部12を露出させる逃がし部27を設けることによって、取付部12が装置本体1aの底部側面11eに配置される構造であっても、容易に、前側緩衝材2の側壁部22から取付部12を露出させることができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、側壁部22を、装置本体1aの底部側面11eの全長に渡って背面11b側に突出するように形成し、かつ、逃がし部27の形成位置において、側壁部22の突出高さが逃がし部27以外の部分よりもH1だけ小さくなるように形成することによって、側壁部22の内、逃がし部27以外の部分で相対的に突出高さを高くすることができるので、スタンド1bの取付作業時に、底部側面11eの取付部12以外の部分を十分に保護しておくことができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、逃がし部27の形成位置における側壁部22の肉厚t2を、逃がし部27以外の部分の肉厚t1よりも小さくなるように形成することによって、側壁部22の内、スタンド1bの取付作業に必要な逃がし部27の形成位置だけを相対的に薄肉にすることにより、スタンド1b取付作業の作業性を向上させることができ、かつ、装置本体1aの底部側面11eの取付部12以外の部分は十分に保護することができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、中心線CLに沿って表示面10の中央を表示面10の全長に渡って覆う中央部23を前側緩衝材2に形成することによって、組立作業時に、前側緩衝材2が取り付けられた装置本体1aが設置面90上の異物(たとえば取付用のねじ5など)の上に誤って配置されてしまう場合などでも、中央部23によって表示面10をより確実に保護することができる。また、梱包箱4を開梱する際に、ユーザがカッターなどの切断器具を用いて表示面10側から開梱してしまう場合(図14に示すように、梱包箱204の表示面10側である底面204aの中央を長手方向に切断する場合が多い)などにも、中央部23によって表示面10を効果的に保護することができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、表示面10を覆うように前側緩衝材2を形成するとともに、中央部23を除いた表示面10側の領域に複数(6つ)の穴部24を形成することによって、前側緩衝材2による表示面10の効果的な保護を図りながら、液晶テレビジョン装置1の梱包構造全体(テレビジョンセット100全体)での軽量化および材料消費量の抑制を図ることができる。
【0053】
また、第1実施形態では、上記のように、装置本体1aの表示面10側を覆うとともに側壁部22を有する前側緩衝材2と、装置本体1aの背面11b側に取り付けられた後側緩衝材3とを設け、前側緩衝材2を取り外すことなく後側緩衝材3を取り外した状態で、前側緩衝材2の側壁部22から露出した取付部12にスタンド1bを取り付け可能に構成することによって、梱包状態では、前側緩衝材2と後側緩衝材3とにより液晶テレビジョン装置1(装置本体1a)を更に確実に保護することができる。また、組立作業時には、設置面90上に配置された前側緩衝材2の上に装置本体1aの表示面10が配置され、前側緩衝材2によって表示面10が覆われることになるため、組立作業時に表示面10が傷つくのをより確実に防止することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、前側緩衝材2を、矩形形状の装置本体1aの表示面10側の4辺を覆うように形成することによって、表示面10側の4辺が前側緩衝材2によって覆われるので、装置本体1aの周縁部(各辺)を含む前面11a(表示面10側の全体)を効果的に保護することができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、図8〜図13を参照して、本発明の第2実施形態によるテレビジョンセット200について説明する。この第2実施形態では、前側緩衝材2と後側緩衝材3との2つの緩衝材を用いた上記第1実施形態と異なり、3つの緩衝材を用いる例について説明する。なお、液晶テレビジョン装置1の構成は上記第1実施形態と同様であるので、同一の符号を用いるとともに、説明を省略する。
【0056】
第2実施形態によるテレビジョンセット200は、図8および図9に示すように、液晶テレビジョン装置1と、装置本体1aの上部(上部側面11c側)に取り付けられた第1緩衝材102と、装置本体1aの下部(底部側面11e側)の表示面10側(前面11a側)に取り付けられた第2緩衝材103と、装置本体1aの下部の背面11b側に取り付けられた第3緩衝材104とを備えている。図10に示すように、第2実施形態では、第1緩衝材102および第2緩衝材103を取り外すことなく、第3緩衝材104を取り外した状態で、第2緩衝材103の後述する側壁部129から露出した取付部12にスタンド1bを取り付け可能に構成されている。なお、第1緩衝材102および第2緩衝材103は、本発明の「第1緩衝部材」の一例である。また、第3緩衝材104は、本発明の「第2緩衝部材」の一例である。
【0057】
図8および図9に示すように、第1緩衝材102は、装置本体1a(筐体11)の上部(上部側面11c側部分)の外形形状に対応して形成されており、装置本体1aの上部を表示面10側(前面11a側)から背面11b側に渡って取り囲むように構成されている。このため、第1緩衝材102は、装置本体1aの上部側面11c側を第1緩衝材102に嵌め込ませるようにして取り付けられており、装置本体1aの上部側面11cの全体と、前面11a(図11参照)、背面11bおよび横側面11dの上側部分とを覆うように形成されている。
【0058】
また、図9および図10に示すように、第1緩衝材102の背面11b側の外表面には、スタンド1bを収納する収納部111と、冊子6などを収納可能な収納部112とが形成されている。
【0059】
図8に示すように、第2緩衝材103は、表示面10を中央から下部(底部側面11e側)に渡って覆う底部121と、底部121の周縁部に沿って設けられた側壁部122および129とを一体的に含んでいる。第2緩衝材103は、底部121と、側壁部122および129とによって、装置本体1aの表示面10(前面11a)と、表示面10側の3辺(一対の横側面11dおよび底部側面11e)とを覆う凹状形状に形成されている。図11に示すように、第2緩衝材103は、平面視において、装置本体1aの前面11a側の下側略3分の2の領域を覆うように形成されている。このため、第2実施形態では、第1緩衝材102と第2緩衝材103とが、装置本体1aの表示面10側の4辺の略全体を覆うように構成されている。
【0060】
図8および図11に示すように、底部121には、中央部123と、2つの穴部124とが形成されている。中央部123は、表示面10側から見て、矩形形状の装置本体1aの長手方向に延びる中心線CLに沿って、表示面10の中央を全長に渡って覆うように形成されている。2つの穴部124は、中央部123に対して底部側面11e側に設けられており、装置本体1aの短手方向に延びる梁部125によって分離されている。また、図8に示すように、底部121には、底部121から立ち上がるとともに、頂部が平坦な複数のリブ126が形成されている。
【0061】
ここで、第2実施形態では、図8および図12に示すように、側壁部122のうち、装置本体1aの取付部12に対応する領域を除去する(切り欠く)ようにして逃がし部127が形成されている。逃がし部127は、取付部12の配置位置を中心として、スタンド1bの長手方向寸法L2よりも大きい長さL3の範囲に渡って形成されている。そして、この逃がし部127の形成位置には、逃がし部127の略全長に渡って延びる側壁部129が形成されている。このため、図12に示すように、取付部12が設けられた装置本体1aの底部側面11e側の略全長に渡って延びるように、側壁部122と側壁部129とが形成されている。
【0062】
逃がし部127に形成された側壁部129は、突出高さが側壁部122よりも小さくなるように形成されている。すなわち、図13に示すように、側壁部122の最大高さを基準とすると、逃がし部127に形成された側壁部129の突出高さがH2だけ小さくなるように形成されている。これにより、第2実施形態では、第2緩衝材103は、取付部12に対応する装置本体1aの底部側面11eを側壁部122が覆うとともに、側壁部122の間の逃がし部127において、側壁部129から装置本体1aの取付部12を露出させるように形成されている。
【0063】
また、図12に示すように、逃がし部127では、側壁部129が側壁部122よりも内側にずれた位置に配置されており、側壁部129が側壁部122よりも装置本体1aの底部側面11eに接近するように構成されている。このため、平面視において、逃がし部127における装置本体1aの底部側面11e(取付部12)から側壁部129の外表面までの距離D3は、底部側面11eから側壁部122の外表面までの距離D4よりも小さい。これらの逃がし部127(側壁部129)の各寸法は、装置本体1aに第2緩衝材103が取り付けられた状態で、装置本体1a(取付部12)に取り付けられるスタンド1bと第2緩衝材103(側壁部129)とが緩衝することがない寸法に設定されている。
【0064】
図8および図9に示すように、第3緩衝材104は、装置本体1aの背面11bの下部(底部側面11e側)を覆うように形成されている。図示していないが、第3緩衝材104は、内面が装置本体1a(筐体11)の背面11b側の外形形状に対応した凹状形状に形成されており、装置本体1aの背面11bの下部が第3緩衝材104に嵌り込む(図2参照)ように構成されている。なお、図9に示すように、第3緩衝材104は、装置本体1aの背面11bの下部を覆うとともに、装置本体1aの底部側面11eのうち、第2緩衝材103から露出した背面11b側の部分を覆うように形成されている。
【0065】
次に、図2、図9および図10を参照して、第2実施形態によるテレビジョンセット200における液晶テレビジョン装置1の組立方法(スタンド取付方法)について説明する。
【0066】
まず、図9に示すように、梱包箱4(図2参照)を開封して、第1緩衝材102、第2緩衝材103および第3緩衝材104が取り付けられた状態で、液晶テレビジョン装置1を梱包箱4内から取り出す。その後、第1緩衝材102の収納部111および112からそれぞれスタンド1bおよび取扱説明書などの冊子6を取り出す。
【0067】
次に、図10に示すように、第1緩衝材102および第2緩衝材103を取り付けた状態で、かつ、第1緩衝材102の前面11a側部分および第2緩衝材103を介して表示面10が設置面90に対向するように装置本体1aを寝かせた姿勢で、第3緩衝材104を背面11bから取り外す。
【0068】
続いて、装置本体1aを寝かせた状態のままで、第2緩衝材103の逃がし部127(側壁部129)から露出した取付部12に、第1緩衝材102から取り出したスタンド1bを取り付ける。これにより、図10に示すように、スタンド1bが装置本体1aの底部側面11e(取付部12)に取り付けられる。
【0069】
液晶テレビジョン装置1の組み立て(スタンド1bの取り付け)が完了したら、装置本体1aから第2緩衝材103を取り外すとともに、図4のように液晶テレビジョン装置1のスタンド1bを設置面90上に設置し、最後に第1緩衝材102を装置本体1aから取り外せばよい。以上により、テレビジョンセット200からの液晶テレビジョン装置1の組み立てが完了する。
【0070】
第2実施形態では、上記のように、第1緩衝材102および第2緩衝材103が取り付けられた状態で、かつ、第1緩衝材102および第2緩衝材103を介して表示面10が設置面90に対向するように装置本体1aを寝かせた姿勢で、側壁部129から露出した取付部12にスタンド1bを取り付け可能に構成することによって、装置本体1aを起立(倒立)させることなく、装置本体1aを寝かせたままの姿勢で組み立て(スタンド1bの取り付け)を行うことができる。これにより、組立作業時の装置本体1aの転倒を防止することができる。そして、組み立ての際には、装置本体1aに取り付けられた第1緩衝材102および第2緩衝材103が表示面10と設置面90との間に介在した状態でスタンド1bを取り付けることができるので、第1緩衝材102および第2緩衝材103によって装置本体1a、特に表示面10を確実に保護することができる。以上により、第2実施形態のテレビジョンセット200によれば、組立作業時における装置本体1a(液晶テレビジョン装置1)の十分な保護を図ることができる。
【0071】
また、第2実施形態では、上記のように、装置本体1aの上部を表示面10側から背面11b側に渡って取り囲む第1緩衝材102と、側壁部122および129を有し、装置本体1aの下部の表示面10側に設けられた第2緩衝材103と、装置本体1aの下部の背面11b側に設けられた第3緩衝材104とを設け、第1緩衝材102および第2緩衝材103を取り外すことなく第3緩衝材104を取り外した状態で、第2緩衝材103の側壁部129(逃がし部127)から露出した取付部12にスタンド1bを取り付け可能に構成することによって、第1緩衝材102と第2緩衝材103とにより、装置本体1aの表示面10を保護した状態のままで、組立作業を行うことができる。また、第1緩衝材102と、第2緩衝材103と、第3緩衝材104とに分割することによって、個々の緩衝材が大型化するのを抑制することができるので、それぞれの緩衝材を容易に形成することができる。このため、より大型の装置本体1aにも対応することができる。
【0072】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0073】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0074】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、テレビジョン装置および表示装置の一例として液晶テレビジョン装置を備えたテレビジョンセットに本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。液晶テレビジョン装置以外のテレビジョン装置を備えたテレビジョンセットにも本発明を適用可能である。また、上記第1および第2実施形態では、液晶テレビジョン装置の梱包構造に本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限られず、テレビジョン装置以外のたとえばパーソナルコンピュータのモニタなどの他の表示装置の梱包構造に本発明を適用してもよい。
【0075】
また、上記第1実施形態では、前側緩衝材および後側緩衝材の2つの緩衝材を使用する例を示し、上記第2実施形態では、第1〜第3緩衝材の3つの緩衝材を使用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、使用する緩衝材の数は、1つでもよいし、4つ以上でもよい。
【0076】
また、上記第1および第2実施形態では、スタンドの取付部を装置本体(筐体)の底部側面に配置するとともに、本発明の第1緩衝部材の一例として、装置本体の底部側面を覆う側壁部を有する前側緩衝材2(第2緩衝材103)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、取付部を装置本体の背面(後部側面)側に配置してもよい。この場合、第1緩衝部材の側壁部は、取付部を露出させながら装置本体の後部側面を覆うように形成すればよい。
【0077】
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の第1緩衝部材の一例としての前側緩衝材2(第2緩衝材103)に中央部を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、中央部を設けなくともよい。
【0078】
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の第1緩衝部材の一例としての前側緩衝材2(第2緩衝材103)に6つ(第2実施形態では2つ)の穴部を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、穴部を設けなくともよい。また、穴部を設ける場合に、穴部の数は、3つ〜5つでもよいし、7つ以上でもよい。
【0079】
また、上記第1実施形態では、装置本体を表示面側から見て矩形形状に形成し、本発明の第1緩衝部材の一例である前側緩衝材が装置本体の表示面側の4辺を覆うように形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、少なくとも側壁部が取付部の設けられた側面(辺)を覆うように形成されていればよく、前側緩衝材が装置本体の表示面側の4辺すべてを覆わなくともよい。また、装置本体が矩形状でなくともよい。
【0080】
また、上記第1実施形態では、装置本体1aから前側緩衝材2を取り外すことなく後側緩衝材3を取り外した状態で、スタンド1bを取り付け可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、前側緩衝材および後側緩衝材の両方が取り付けられた状態で、スタンドを取付け可能に構成してもよい。この場合には、後側緩衝材からも取付部が露出するように構成し、かつ、スタンド取付けの際に後側緩衝材がスタンドと干渉しないように後側緩衝材を形成すればよい。
【0081】
また、上記第1実施形態では、前側緩衝材2および後側緩衝材3が取り付けられた装置本体1aを、梱包箱4の側面から取り出すように構成した例(図2参照)を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図14に示す変形例のように、梱包箱204の上面から装置本体を取り出すように構成してもよい。この他、梱包箱のどの側面から開梱するように構成してもよい。
【0082】
また、上記第1および第2実施形態では、発泡樹脂からなる緩衝材を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、パルプモールドからなる緩衝材を用いてもよく、発泡樹脂およびパルプモールド以外の他の材料からなる緩衝材を用いてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 液晶テレビジョン装置(表示装置、テレビジョン装置)
1a 装置本体
1b スタンド
2 前側緩衝材(第1緩衝部材、緩衝部材)
3 後側緩衝材(第2緩衝部材)
4、204 梱包箱
10 表示面
11b 背面
11e 底部側面
12 取付部
13 回路基板(受信部)
22、122、129 側壁部
23、123 中央部
24 124 穴部
27、127 逃がし部
90 設置面
100、200 テレビジョンセット
102 第1緩衝材(第1緩衝部材)
103 第2緩衝材(第1緩衝部材)
104 第3緩衝材(第2緩衝部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面と、スタンドを取り付け可能な取付部とを有する装置本体と、前記装置本体を支持するとともに前記取付部に着脱可能なスタンドとを含む表示装置の梱包構造であって、
前記装置本体の前記取付部を露出させながら前記取付部に対応する前記装置本体の側面部分を覆う側壁部を含むとともに、前記装置本体に取り外し可能に設けられた第1緩衝部材を備え、
前記第1緩衝部材が前記装置本体に取り付けられた状態で、かつ、前記第1緩衝部材を介して前記表示面が設置面に対向するように前記装置本体を寝かせた姿勢で、前記側壁部から露出した前記取付部に前記スタンドを取り付け可能に構成されている、表示装置の梱包構造。
【請求項2】
前記取付部は、前記装置本体の底部側面に配置されており、
前記第1緩衝部材の前記側壁部には、前記取付部を露出させる逃がし部が設けられている、請求項1に記載の表示装置の梱包構造。
【請求項3】
前記側壁部は、前記装置本体の底部側面の略全長に渡って前記装置本体の表示面側から前記表示面とは反対側の背面側に突出するように形成され、かつ、前記逃がし部の形成位置において、前記側壁部の突出高さが前記逃がし部以外の部分よりも小さくなるように形成されている、請求項2に記載の表示装置の梱包構造。
【請求項4】
前記側壁部は、前記逃がし部の形成位置において、肉厚が前記逃がし部以外の部分よりも小さくなるように形成されている、請求項2または3に記載の表示装置の梱包構造。
【請求項5】
前記第1緩衝部材は、前記表示面側から見て、前記装置本体の長手方向に延びる中心線に沿って前記表示面の中央を前記表示面の略全長に渡って覆うように形成された中央部を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置の梱包構造。
【請求項6】
前記第1緩衝部材は、前記表示面を覆うとともに、前記中央部を除いた表示面側の領域には、複数の穴部が形成されている、請求項5に記載の表示装置の梱包構造。
【請求項7】
前記第1緩衝部材は、前記装置本体の表示面側を覆うとともに前記側壁部を有する前側緩衝材を含み、
前記装置本体の背面側に設けられた後側緩衝材からなる第2緩衝部材をさらに備え、
前記前側緩衝材が前記装置本体に取り付けられた状態で、前記前側緩衝材の前記側壁部から露出した前記取付部に前記スタンドを取り付け可能に構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置の梱包構造。
【請求項8】
前記第1緩衝部材は、
前記装置本体の上部を前記表示面側から背面側にわたって取り囲むように設けられた第1緩衝材と、
前記側壁部を有し、前記装置本体の下部の表示面側に設けられた第2緩衝材とを含み、
前記装置本体の下部の背面側に設けられた第3緩衝材からなる第2緩衝部材をさらに備え、
前記第1緩衝材および前記第2緩衝材を取り外すことなく前記第3緩衝材を取り外した状態で、前記第2緩衝材の前記側壁部から露出した前記取付部に前記スタンドを取り付け可能に構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置の梱包構造。
【請求項9】
前記装置本体は、前記表示面側から見て略矩形形状を有し、
前記第1緩衝部材は、略矩形形状の前記装置本体の表示面側の4辺を覆うように形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置の梱包構造。
【請求項10】
テレビジョン放送を受信する受信部と、前記受信部により受信したテレビジョン放送を表示する表示面と、取付部とを有する装置本体と、前記装置本体を支持するとともに前記取付部に着脱可能なスタンドとを含むテレビジョン装置と、
前記装置本体の取付部を露出させながら前記取付部に対応する前記装置本体の側面部分を覆う側壁部を含むとともに、前記装置本体に取り外し可能に設けられた緩衝部材とを備え、
前記緩衝部材が前記装置本体に取り付けられた状態で、かつ、前記緩衝部材を介して前記表示面が設置面に対向するように前記装置本体を寝かせた姿勢で、前記側壁部から露出した前記取付部に前記スタンドを取り付け可能に構成されている、テレビジョンセット。
【請求項11】
表示面とスタンドを取り付け可能な取付部とを有する装置本体と、前記装置本体を支持するとともに前記取付部に着脱可能なスタンドとを含む表示装置と、前記装置本体の表示面側に取り付けられた第1緩衝部材と、前記装置本体の背面側に取り付けられた第2緩衝部材とを梱包箱内に収容した前記表示装置の組立方法であって、
前記装置本体の取付部を露出させながら前記取付部に対応する前記装置本体の側面部分を覆う側壁部を含む前記第1緩衝部材と、前記第2緩衝部材とが取り付けられた状態で前記装置本体を前記梱包箱から取り出すステップと、
前記第1緩衝部材を取り付けた状態で、かつ、前記第1緩衝部材を介して前記表示面が設置面に対向するように前記装置本体を寝かせた姿勢で、前記第1緩衝部材の前記側壁部から露出した前記取付部に前記スタンドを取り付けるステップとを備える、表示装置の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−91504(P2013−91504A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233868(P2011−233868)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】