説明

表示装置

【課題】ユーザが表示画面を作成する手間を省くことができる表示装置を提供する。
【解決手段】メモリ13は、機器インタフェース11に接続可能な複数種類の外部機器2の各々に対応付けて設定された複数の画面構成情報を予め記憶している。表示制御部141は、機器インタフェース11に外部機器2が接続された際、接続された外部機器2に対応する画面構成情報をメモリ13から読み出し、この画面構成情報を適用して表示部121を制御する。つまり、表示制御部141は、プリセットデータとしてメモリ13に予め記憶された複数の画面構成情報のうち、実際に機器インタフェース11に接続された外部機器2に対応する画面構成情報に従って、画面表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器を接続して使用される表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、たとえばプログラマブルコントローラ(以下、「PLC」という)を用いた制御システムにおいて、様々な出力機器(電磁弁やモータ等)を制御するため、表示装置としてのプログラマブル表示器が用いられている。この種の表示装置は、外部機器(出力機器やPLC)の状態を取得して表示部(ディスプレイ)に画面表示し、また、オペレータによる制御指示をタッチパネル等の手段によって外部機器へと伝達する(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の表示装置(表示器)においては、通常の標準モードの他、表示部の表示画面をタッチパネル上で変更できるカスタマイズモードを含む動作モードで動作可能に構成されている。これにより、ユーザは、表示装置の表示画面を表示装置自身で変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−226521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような表示装置では、接続される外部機器に合わせてユーザが自由に表示画面を作成できる反面、ユーザによっては表示画面を作成する作業を煩わしく感じる可能性もある。すなわち、たとえばインバータ、温度調節器、電力監視機器などのように、幾つかのパラメータを設定するだけで制御可能な外部機器が表示装置に接続される場合、ユーザにとっては、単純にパラメータの設定ができれば足りることがある。このような場合にまで表示画面を作成する必要があると、ユーザによっては表示画面の作成作業が煩わしいと感じることもある。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されており、ユーザが表示画面を作成する手間を省くことができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示装置は、外部機器を接続する機器インタフェースと、情報を表示する表示部と、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部と、前記外部機器の種類によって異なる画面構成情報に従って前記表示部および前記操作部を制御して、前記外部機器の動作状態および前記外部機器を操作するための情報を前記表示部に表示し、前記操作部の操作に応じて前記外部機器を制御する制御部とを有した装置本体と、前記機器インタフェースに接続可能な複数種類の外部機器の各々に対応付けて設定された複数の前記画面構成情報を予め記憶するメモリとを備え、前記制御部は、前記機器インタフェースに接続されている前記外部機器に対応して前記メモリから選択された前記画面構成情報を適用して前記表示部および前記操作部を制御することを特徴とする。
【0008】
この表示装置において、前記メモリは、前記装置本体に内蔵された内部メモリからなることが望ましい。
【0009】
この表示装置において、前記装置本体は、画面作成ツールで作成された前記画面構成情報を前記メモリに書き込むメモリ書込部を有することがより望ましい。
【0010】
この表示装置において、前記メモリは、前記装置本体に対して着脱可能な外部メモリからなることがより望ましい。
【0011】
この表示装置において、前記装置本体は、前記機器インタフェースに接続可能な前記複数種類の外部機器の中から前記機器インタフェースに接続されている前記外部機器の種類を識別する機器識別部を有し、前記制御部は、前記機器インタフェースに前記外部機器が接続されると、前記機器識別部での識別結果に基づいて前記機器インタフェースに接続された前記外部機器を特定し、当該外部機器に対応する前記画面構成情報を自動的に読み出すことがより望ましい。
【0012】
この表示装置において、前記制御部は、前記機器インタフェースに前記外部機器が接続されると、前記機器インタフェースに接続可能な前記複数種類の外部機器のリストを表す候補一覧画面を前記表示部に表示し、当該候補一覧画面が表示された状態で前記操作部が受けた操作に応じて前記機器インタフェースに接続された前記外部機器を特定し、当該外部機器に対応する前記画面構成情報を読み出すことがより望ましい。
【0013】
この表示装置において、前記制御部は、対応する画面構成情報が前記メモリに記憶されていない前記外部機器が前記機器インタフェースに接続された場合、当該外部機器から前記機器インタフェース経由で取得した画面構成情報を適用して前記表示部および前記操作部を制御することがより望ましい。
【0014】
この表示装置において、前記制御部は、対応する画面構成情報が前記メモリに記憶されていない前記外部機器が前記機器インタフェースに接続された場合、当該外部機器から前記機器インタフェース経由で取得したデータを予め決められている専用のプロトコルで前記表示部に表示することがより望ましい。
【0015】
この表示装置において、前記装置本体は、ネットワークに接続されるネットワーク通信部を有し、前記制御部は、対応する画面構成情報が前記メモリに記憶されていない前記外部機器が前記機器インタフェースに接続された場合、当該外部機器に対応する画面構成情報を前記ネットワーク上のサーバから前記ネットワーク通信部経由で取得し、当該画面構成情報を適用して前記表示部および前記操作部を制御することがより望ましい。
【0016】
この表示装置において、前記機器インタフェースは前記外部機器を同時に複数台接続可能であって、前記制御部は、前記機器インタフェースに接続されている複数台の前記外部機器の中から前記表示部での表示対象とする前記外部機器を択一的に選択し、前記表示対象としての前記外部機器に対応する前記画面構成情報を前記メモリから読み出し、当該画面構成情報を適用して前記表示部および前記操作部を制御することがより望ましい。
【0017】
この表示装置において、前記制御部は、前記機器インタフェースに接続されている複数台の前記外部機器の中から1台の前記外部機器を選択可能な選択画面を前記表示部に表示し、当該選択画面が表示された状態で前記操作部が受けた操作に応じて前記表示対象とする前記外部機器を選択することがより望ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、制御部が機器インタフェースに接続されている外部機器に対応してメモリから選択された画面構成情報を適用して表示部および操作部を制御することにより、ユーザが表示画面を作成する手間を省くことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1に係る表示装置を含むシステムの構成を示す概略図である。
【図2】実施形態1に係る表示装置の表示部の表示例を示す図である。
【図3】実施形態1に係る表示装置の動作を示す説明図である。
【図4】実施形態1に係る表示装置の候補一覧画面の表示例を示す図である。
【図5】実施形態2に係る表示装置を含むシステムの構成を示す概略図である。
【図6】実施形態2に係る表示装置の選択画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の実施形態では、誘導モータ駆動用のインバータや、ヒータ駆動用の温度調節器(温調器)や、各種のセンサなどの機器を外部機器として接続可能なプログラマブル表示器を、表示装置の例として説明するが、表示装置はプログラマブル表示器に限らない。
【0021】
(実施形態1)
本実施形態の表示装置1は、図1に示すように、外部機器2を接続する機器インタフェース11と、各種の情報の表示およびユーザによる操作の受付を行うタッチパネルディスプレイ12とを装置本体10に有している。
【0022】
タッチパネルディスプレイ12は、液晶ディスプレイからなり情報を表示する表示部121と、表示部121の表面上に積層された透明なシートからなりユーザからの操作入力を受け付ける操作部(タッチスイッチ)122とを具備している。タッチパネルディスプレイ12は、たとえばテンキーや操作ボタンなどの図像(アイコン)が表示部121に表示された状態で、操作部122のうち各図像に対応する領域がユーザにタッチされると、各図像に対応した操作信号を出力する。つまり、タッチパネルディスプレイ12は、表示部121に表示される各図像を操作子とする擬似的なスイッチとして機能する。
【0023】
さらに、本実施形態の表示装置1は、メモリ13と、各部の制御を行う制御部14と、専用の画面作成ツール3に接続可能なツール通信部15と、ネットワーク4に接続可能なネットワーク通信部16とを装置本体10に有している。ここでは制御部14は、CPU(Central Processing Unit)を主構成とし、メモリ13内のプログラムに従って表示装置1の全体を制御する。
【0024】
この制御部14は、表示部121の表示内容を制御する表示制御部141と、操作部122からの操作信号を取得する入力監視部142と、外部機器2の制御を行う機器制御部143と、後述するメモリ書込部144および機器識別部145とを有している。
【0025】
表示制御部141は、外部機器2から機器インタフェース11経由で取得した外部機器2の動作状態と、テンキーや操作ボタンなどの図像からなり外部機器2を操作するための情報とを、タッチパネルディスプレイ12の表示部121に表示する。たとえば外部機器2がインバータの場合、表示制御部141は、設定周波数や運転モード(正転、逆転)等の動作状態を表す情報と、設定周波数や運転モードを切り替える操作のための情報と表示部121に表示する。ここで、表示制御部141は、メモリ13に格納されている画面構成情報に従ってこれらの情報を表示部121に表示するが、この点については後に詳しく説明する。
【0026】
入力監視部142は、タッチパネルディスプレイ12の操作部122からユーザの操作に応じた操作信号を取得する。このとき、入力監視部142は、操作部122がタッチされたか否かだけでなく、操作部122のうちのどの領域がタッチされたかについても操作信号から特定する。
【0027】
機器制御部143は、入力監視部142が操作部122から取得した操作信号に応じて、機器インタフェース11経由で外部機器2に制御信号を出力し、外部機器2を制御する。機器制御部143は、テンキーや操作ボタンなど外部機器2を操作するための情報が図像として表示部121に表示された状態で、操作部122のうち各図像に対応する領域がタッチされると、各図像に割り当てられた外部機器2の制御を実行する。
【0028】
要するに、制御部14は、画面構成情報に従って表示部121および制御部122を制御して、外部機器2の動作状態と外部機器2を操作するための情報とを表示部121に表示し、操作部122の操作に応じて外部機器2を制御する。言い換えれば、表示部121に表示される各情報には外部機器2の監視・操作のための機能が割り当てられており、操作の機能が割り当てられた情報(図像)がタッチされると、制御部14は、この機能に従って外部機器2を制御する。したがって、ユーザは、表示装置1を用いて外部機器2の動作状態の監視と、外部機器2の操作との両方を実施することができる。
【0029】
ところで、本実施形態においては、表示装置1は、1種類の外部機器2だけでなく複数種類の外部機器2に対応できるように、機器インタフェース11に複数種類の外部機器2を接続可能に構成されている。すなわち、機器インタフェース11は、インバータや温度調節器や各種のセンサなど、少なくとも2種類以上の外部機器2に対応している。
【0030】
メモリ13は、機器インタフェース11に接続可能な複数種類の外部機器2の各々に対応付けて設定された複数の画面構成情報を予め記憶している。要するに、制御部14が表示部121および制御部122を制御する際に使用する画面構成情報は、外部機器2の種類ごとに異なっており、メモリ13は、各種の外部機器2に対応する画面構成情報を予め記憶している。
【0031】
ここでいう画面構成情報は、外部機器2の動作状態および外部機器2の操作のための情報の画面上における配置(レイアウト)の他、各情報の表示の有無や、各情報を表す図像の形態などを含むデータである。さらに、画面構成情報は、外部機器2の操作のための情報への機能の割り当てや、外部機器2から取得した動作状態の表示形態(たとえば、そのまま表示するのか、統計処理を施してから表示するのか等)を決める情報も含んでいる。ここでは、機器インタフェース11に接続可能な外部機器2のうち、少なくともインバータ、温度調節器、電力監視機器などのように幾つかのパラメータを設定するだけで制御可能な外部機器2に対応する画面構成情報は、プリセットデータとして予め記憶される。
【0032】
本実施形態では、メモリ13は装置本体10に内蔵された内蔵メモリからなり、メモリ書込部144によって画面構成情報の書き込みが行われる。メモリ書込部144は、専用の画面作成ツール3で作成された画面構成情報をツール通信部15経由で取得してメモリ13に書き込む。画面作成ツール3を用いた画面構成情報の作成作業は、表示装置1の各種設定を行うメンテナンス業者によって実施され、表示装置1のユーザは、既に複数の画面構成情報がプリセットデータとしてメモリ13に記憶された状態の表示装置1を使用する。なお、メモリ書込部144は制御部14とは別に設けられていてもよい。
【0033】
したがって、表示装置1のユーザにおいては、画面構成情報の作成作業が必要なく、表示装置1の導入後(図1に示すようなシステムの構築後)すぐに表示装置1を使用することが可能になる。ただし、ユーザは、対応するプリセットデータがない外部機器2を接続して表示装置1を使用する場合や、プリセットデータとは異なる画面構成情報の適用を希望する場合、画面作成ツール3を用いて自ら画面構成情報を作成しメモリ13に書き込んでもよい。なお、画面作成ツール3は、パソコン(パーソナルコンピュータ)にて所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0034】
また、画面構成情報を記憶するメモリは、内蔵メモリに限らず、たとえばメモリカードなど装置本体10に対して着脱可能な外部メモリ17(図1参照)であってもよい。この場合、画像作成ツール3は、作成した画面構成情報をプリセットデータとして外部メモリ17に直接書き込むことにより、表示装置1に接続することなく、プリセットデータ(画面構成情報)の登録を行うことができる。そのため、ユーザにおいては、表示装置1の導入後であっても、外部メモリ17ごと交換することにより、プリセットデータとして記憶されている画面構成情報を簡単に更新することがきる。
【0035】
ここにおいて、制御部14は、機器インタフェース11に外部機器2が接続された際、接続された外部機器2に対応する画面構成情報をメモリ13から読み出し、この画面構成情報を適用して表示部121および操作部122を制御する。つまり、制御部14は、プリセットデータとしてメモリ13に予め記憶された複数の画面構成情報の中から、実際に機器インタフェース11に接続された外部機器2に対応する画面構成情報を選択し、この画面構成情報に従って動作する。
【0036】
たとえば、外部機器2としてインバータが機器インタフェース11に接続されている場合、表示制御部141は、図2に示すように、この外部機器(インバータ)2に対応する画面構成情報に従って情報を表示部121に表示することになる。また、この場合、入力監視部142および機器制御部143は、この外部機器(インバータ)2に対応する画面構成情報に従って、操作部122の操作に応じた外部機器2の制御を行うことになる。図2では、外部機器2としてインバータが接続されている場合の表示部121の表示画面について、一例を(a)に示し他の例を(b)に示している。
【0037】
図2(a)に示す表示画面は、外部機器2の動作状態および外部機器2を操作するための情報を含んでいる。つまり、図2(a)では、表示51が設定周波数、表示52が運転モード、表示53がアラームの有無を表し、操作ボタンの図像54、回転つまみの図像55が外部機器2の操作に用いられる。図2(b)に示す表示画面は、文字および数字を用いて、外部機器2の動作状態を表している。
【0038】
さらに本実施形態では、表示装置1は、機器インタフェース11に接続された外部機器2を特定し、この外部機器2に対応する画面構成情報を制御部14にて自動的に選択する(読み出す)機能を有している。すなわち、装置本体10は、機器インタフェース11に接続可能な複数種類の外部機器2の中から、実際に機器インタフェース11に接続されている外部機器2の種類を機器識別部145にて自動的に識別する。制御部14は、機器インタフェース11に外部機器2が接続されると、機器識別部145での識別結果に基づいて機器インタフェース11に接続された外部機器2を特定し、この外部機器2に対応する画面構成情報を自動的に読み出す。
【0039】
より詳しく説明すると、機器識別部145は、機器インタフェース11に外部機器2が接続されたときに、外部機器2に対して機器インタフェース11経由で複数種類の通信コマンドを順次送信する。ここでいう通信コマンドは外部機器2の種類によって適合するコマンド(の機種コード)が異なり、外部機器2は、自身に適合する通信コマンドを受けたときのみ、機器識別部145にレスポンスを返す。機器識別部145は、外部機器2からのレスポンスの有無を監視し、その結果に基づいて外部機器2の種類を識別する。なお、機器識別部145は制御部14とは別に設けられていてもよい。
【0040】
次に、表示装置1が、機器インタフェース11に接続された外部機器2を特定して、画面構成情報を自動的に読み出し画面表示等を行う際の動作について、図3を参照して簡単に説明する。
【0041】
まず、表示装置1は、機器インタフェース11に外部機器2が接続されたことをトリガとして、機器識別部145から外部機器2へ通信コマンドの送信を開始する(図3のS1)。このとき、機器識別部145は、外部機器2からのレスポンスの有無を監視し(S2)、レスポンスがなければ(S2:No)、他の外部機器2用の通信コマンドをセットして(S3)、再度、外部機器2へ通信コマンドを送信する(S1)。
【0042】
一方、機器識別部145は、外部機器2からレスポンスがあると(S2:Yes)、直前に送った通信コマンドから、機器インタフェース11に接続されている外部機器2の種類を特定する。それから、表示装置1は、特定された外部機器2に対応する画面構成情報を制御部14にてメモリ13から自動的に読み出し(S4)、この画面構成情報を適用して画面表示等を行う(S5)。
【0043】
また、本実施形態の表示装置1は、対応する画面構成情報がメモリ13に記憶されていない外部機器2が機器インタフェース11に接続された場合にも動作できるように、たとえば以下に説明するような構成を採用している。
【0044】
1つ目の構成として、制御部14は、外部機器2から機器インタフェース11経由で画面構成情報を取得し、取得した画面構成情報を適用して表示部121および制御部122を制御する。つまり、表示装置1は、対応する画面構成情報がメモリ13に記憶されていない外部機器2が機器インタフェース11に接続された場合、この外部機器2から画面構成情報を直接取得することによって動作する。この場合、表示装置1は、制御部14が外部機器2から取得した画面構成情報を、この外部機器2に対応付けてメモリ書込部144にてメモリ13に書き込んでから制御部14に用いてもよいし、メモリ13に書き込まずに直接制御部14に適用してもよい。
【0045】
また、この場合において、外部機器2が保持している画面構成情報は、たとえば画面作成ツール3によって作成され、外部機器2のメモリに書き込まれる。要するに、メンテナンス業者が画面作成ツール3で作成した画面構成情報は、一旦外部機器2に保持され、外部機器2から表示装置1に転送されることにより、表示装置1で使用可能になる。
【0046】
2つ目の構成として、制御部14は、外部機器2から機器インタフェース11経由で取得したデータを予め決められている専用のプロトコルで表示部121に表示する。ここでいう専用のプロトコルは、外部機器2と表示装置1との間で予め定められており、制御部14は、特定の画面構成情報を用いることなく画面表示を行う。この場合、表示装置1は、制御部14が外部機器2から取得したデータを、この外部機器2に対応付けてメモリ書込部144にてメモリ13に書き込んでから表示に用いてもよいし、メモリ13に書き込まずに直接表示に用いてもよい。
【0047】
3つ目の構成として、制御部14は、外部機器2に対応する画面構成情報をネットワーク4上のサーバからネットワーク通信部16経由で取得し、取得した画面構成情報を適用して表示部121および制御部122を制御する。図1の例では、インターネットなどのネットワーク4上にある上位コンピュータ6がサーバとして機能し、制御部14は、この上位コンピュータ6から必要な画面構成情報を取得する。この場合、表示装置1は、制御部14が上位コンピュータ6から取得した画面構成情報を、メモリ書込部144にてメモリ13に書き込んでから制御部14に用いてもよいし、メモリ13に書き込まずに直接制御部14に適用してもよい。なお、ここではネットワーク通信部16は、ゲートウェイ7を介して上位コンピュータ6とイーサネット(登録商標)接続されており、上位コンピュータ6のアドレスは予めメモリ13に登録されていてもよいしユーザによって入力されてもよい。
【0048】
上記3つの構成のうちいずれかの構成を採用することで、表示装置1は、対応する画面構成情報がメモリ13に記憶されていない外部機器2が機器インタフェース11に接続された場合にも動作可能となる。これにより、表示装置1は、メモリ13に記憶されているプリセットデータが古い場合でも、外部機器2や画面作成ツール3や上位コンピュータ6から最新の画面構成情報を入手することができ、種々の外部機器2に対応した表示や操作が可能となる。そのため、表示装置1のユーザにおいては、メモリ13に記憶されているデータの更新の手間が省けるという利点がある。
【0049】
なお、本実施形態の表示装置1は、外部機器2、画面作成ツール3、上位コンピュータ6と共に、機器制御システムを構築している。
【0050】
以上説明した本実施形態の構成によれば、制御部14は、機器インタフェース11に外部機器2が接続された際、この外部機器2に対応する画面構成情報をメモリ13から読み出し、この画面構成情報を適用して表示部121および操作部122を制御できる。したがって、表示装置1のユーザは、対応する画面構成情報がプリセットデータとしてメモリ13に記憶された外部機器2に関しては、表示画面(画面構成情報)の作成作業が必要なく、表示装置1の導入後すぐに表示装置1を使用することが可能になる。すなわち、表示装置1は、少なくとも幾つかのパラメータを設定するだけで制御可能な外部機器2が表示装置1に接続される場合には、ユーザが表示画面を作成する手間を省くことができるという利点がある。
【0051】
また、本実施形態では、画面構成情報が記憶されたメモリ13は装置本体10に内蔵された内蔵メモリからなるので、装置本体10において、外部メモリからデータを読み出すためのメモリインタフェースを省略することが可能である。さらに、装置本体10は、画面作成ツール3で作成された画面構成情報をメモリ13に書き込むメモリ書込部144を有するので、ユーザは、必要に応じてメモリ13内の画面構成情報の変更、追加を行うことができる。
【0052】
さらにまた、本実施形態の表示装置1は、接続されている外部機器2を機器識別部145にて識別し、この外部機器2に対応する画面構成情報を制御部14が自動的に読み出して使用するので、ユーザにおいては、画面構成情報を選択する必要もない。つまり、表示装置1は、外部機器2が接続されると、自動的にこの外部機器2に対応する画面構成情報をメモリ13から読み出して制御部14に適用するので、ユーザにおいては、接続した外部機器2を選択する手間が掛からないという利点がある。したがって、たとえばメモリ13に登録されている外部機器2の名称と、ユーザの認識している外部機器2の名称とが相違する場合でも、確実に外部機器2に対応した画面構成情報が適用されることになる。
【0053】
ところで、表示装置1は、上述したように機器識別部145が機器インタフェース11に接続された外部機器2を自動的に識別する構成に限らず、機器インタフェース11に接続された外部機器2を手動で選択可能な構成であってもよい。この場合、制御部14は、機器インタフェース11に外部機器2が接続されるだけで自動的に画面構成情報を読み出すのではなく、ユーザが外部機器2を手動で選択するのを持って、画面構成情報を読み出すことになる。
【0054】
すなわち、表示制御部141は、機器インタフェース11に外部機器2が接続されると、図4に示すように、機器インタフェース11に接続可能な複数種類の外部機器2の名称のリスト(一覧)を表す候補一覧画面8を表示部121に表示する。制御部14は、この候補一覧画面8が表示された状態で、操作部122が受けた操作に応じて、機器インタフェース11に接続されている外部機器2を特定し、この外部機器2に対応する画面構成情報を読み出す。
【0055】
図4の例では、候補一覧画面8は、項目81の「インバータA」、項目82の「インバータB」、項目83の「温調器X」、項目84の「温調器Y」、項目85の「センサW」を接続可能な外部機器2として表示している。この例において、候補一覧画面8のうち「インバータB」の項目82がタッチされたことを入力監視部142が検知すると、制御部14は、機器インタフェース11に「インバータB」が接続されていると判断する。これにより、制御部14は、「インバータB」に対応する画面構成情報をメモリ13から読み出し、この画面構成情報を適用して表示部121および操作部122を制御する。
【0056】
表示装置1は、このように接続された外部機器2をユーザが手動で選択できる構成では、機器識別部145での識別に対応していない外部機器2であっても、この外部機器2に対応する画面構成情報を制御部14に適用することができる。
【0057】
(実施形態2)
本実施形態の表示装置1は、図5に示すように、機器インタフェース11が外部機器2を同時に複数台接続可能な点で実施形態1の表示装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0058】
図5の例では、機器インタフェース11は、インバータからなる外部機器21、温調器からなる外部機器22、電力監視機器からなる外部機器2N(以下、各々を区別しないときにはまとめて「外部機器2」という)と接続されている。ただし、機器インタフェース11は、最大接続台数(たとえば31台)までの範囲であれば、接続する外部機器2の台数を自由に変更可能である。
【0059】
制御部14は、機器インタフェース11に接続されている複数台の外部機器2の中から表示部121での表示対象とする外部機器2を択一的に選択し、表示対象としての外部機器2に対応する画面構成情報を適用して表示部121および操作部122を制御する。すなわち、表示装置1は、機器インタフェース11に接続されている複数台の外部機器2について、表示対象とする外部機器2を切り替えながら、1台ずつ情報の表示を行っている。そのため、制御部14は、現在、表示対象として選択されている外部機器2に対応する画面構成情報で画面表示等を行うように、表示対象が変わる度に、表示対象たる外部機器2に対応する画面構成情報をメモリ13から読み出す。
【0060】
ここで、制御部14は、図6に例示するような選択画面9を表示部121に表示し、この状態で操作部122が受けた操作に応じて、表示対象とする外部機器2を選択する。図6では、選択画面9の一例を(a)に示し他の例を(b)に示している。
【0061】
図6(a)に示す選択画面9は、機器インタフェース11に接続されている外部機器2の各々に割り当てられている号機番号を指定するための画面である。なお、外部機器21には号機番号「No.1」が割り当てられ、外部機器22には号機番号「No.2」が割り当てられ、外部機器2Nには号機番号「No.N」が割り当てられていると仮定する。図6(a)では、号機番号を入力するためのテンキーの図像91、号機番号の取消・決定操作のための操作ボタンの図像92、入力された号機番号の表示93を含んでいる。この例において、たとえば号機番号として「No.1」が指定されると、制御部14は、外部機器21を表示対象とし、外部機器21に対応する画面構成情報を適用して表示部121および操作部122を制御する。
【0062】
また、図6(b)に示す選択画面9は、機器インタフェース11に接続されている複数台の外部機器2の名称のリスト(一覧)を表す画面である。図6(b)の例では、選択画面9は、項目94の「インバータ」、項目95の「温調器」、項目96の「電力モニタ」を接続中の外部機器2として表示している。この例においては、たとえば選択画面9における「温調器」の項目95がタッチされたことを入力監視部142が検知すると、制御部14は、外部機器22を表示対象とし、外部機器22に対応する画面構成情報を適用して表示部121および操作部122を制御する。
【0063】
表示制御部141は、表示装置1の電源投入時、並びに操作部122に対して所定の操作が為されたときに、上述したような選択画面9を表示部121に表示する。外部機器2の号機番号や名称は、ユーザが手動で登録してもよいし、機器識別部145が外部機器2との通信により外部機器2から取得することで自動的に登録されるようにしてもよい。
【0064】
以上説明した本実施形態の構成によれば、制御部14は、機器インタフェース11に外部機器2が同時に複数台接続された場合でも、表示対象とする外部機器2を択一的に選択し、この外部機器2に対応する画面構成情報を適用することができる。しかも、制御部14は、機器インタフェース11に接続されている複数台の外部機器2の中から1台の外部機器2を選択可能な選択画面9を表示部121に表示し、この状態で操作部122が受けた操作に応じて表示対象とする外部機器2を選択する。したがって、ユーザは、表示対象とする外部機器2を、選択画面9において任意に選択することができる。さらに、図6(b)に例示したように、選択画面9が、外部機器2の名称のリストを表す場合には、ユーザは、各外部機器2に割り当てられた号機番号を把握していなくても、表示対象とする外部機器2を容易に選択できるという利点がある。
【0065】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【符号の説明】
【0066】
1 表示装置
2 外部機器
3 画面作成ツール
4 ネットワーク
10 装置本体
11 機器インタフェース
13 メモリ
14 制御部
16 ネットワーク通信部
17 外部メモリ
121 表示部
122 操作部
141 表示制御部
145 機器識別部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器を接続する機器インタフェースと、情報を表示する表示部と、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部と、前記外部機器の種類によって異なる画面構成情報に従って前記表示部および前記操作部を制御して、前記外部機器の動作状態および前記外部機器を操作するための情報を前記表示部に表示し、前記操作部の操作に応じて前記外部機器を制御する制御部とを有した装置本体と、
前記機器インタフェースに接続可能な複数種類の外部機器の各々に対応付けて設定された複数の前記画面構成情報を予め記憶するメモリとを備え、
前記制御部は、前記機器インタフェースに接続されている前記外部機器に対応して前記メモリから選択された前記画面構成情報を適用して前記表示部および前記操作部を制御することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記メモリは、前記装置本体に内蔵された内部メモリからなることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記装置本体は、画面作成ツールで作成された前記画面構成情報を前記メモリに書き込むメモリ書込部を有することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記メモリは、前記装置本体に対して着脱可能な外部メモリからなることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記装置本体は、前記機器インタフェースに接続可能な前記複数種類の外部機器の中から前記機器インタフェースに接続されている前記外部機器の種類を識別する機器識別部を有し、
前記制御部は、前記機器インタフェースに前記外部機器が接続されると、前記機器識別部での識別結果に基づいて前記機器インタフェースに接続された前記外部機器を特定し、当該外部機器に対応する前記画面構成情報を自動的に読み出すことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記機器インタフェースに前記外部機器が接続されると、前記機器インタフェースに接続可能な前記複数種類の外部機器のリストを表す候補一覧画面を前記表示部に表示し、当該候補一覧画面が表示された状態で前記操作部が受けた操作に応じて前記機器インタフェースに接続された前記外部機器を特定し、当該外部機器に対応する前記画面構成情報を読み出すことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、対応する画面構成情報が前記メモリに記憶されていない前記外部機器が前記機器インタフェースに接続された場合、当該外部機器から前記機器インタフェース経由で取得した画面構成情報を適用して前記表示部および前記操作部を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、対応する画面構成情報が前記メモリに記憶されていない前記外部機器が前記機器インタフェースに接続された場合、当該外部機器から前記機器インタフェース経由で取得したデータを予め決められている専用のプロトコルで前記表示部に表示することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記装置本体は、ネットワークに接続されるネットワーク通信部を有し、
前記制御部は、対応する画面構成情報が前記メモリに記憶されていない前記外部機器が前記機器インタフェースに接続された場合、当該外部機器に対応する画面構成情報を前記ネットワーク上のサーバから前記ネットワーク通信部経由で取得し、当該画面構成情報を適用して前記表示部および前記操作部を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記機器インタフェースは前記外部機器を同時に複数台接続可能であって、
前記制御部は、前記機器インタフェースに接続されている複数台の前記外部機器の中から前記表示部での表示対象とする前記外部機器を択一的に選択し、前記表示対象としての前記外部機器に対応する前記画面構成情報を前記メモリから読み出し、当該画面構成情報を適用して前記表示部および前記操作部を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記機器インタフェースに接続されている複数台の前記外部機器の中から1台の前記外部機器を選択可能な選択画面を前記表示部に表示し、当該選択画面が表示された状態で前記操作部が受けた操作に応じて前記表示対象とする前記外部機器を選択することを特徴とする請求項10に記載の表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−45425(P2013−45425A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185076(P2011−185076)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000106221)パナソニック デバイスSUNX株式会社 (578)
【Fターム(参考)】