説明

表面特性を測定するための測定器

支持アームに取り付けられた姿勢アームは、回転軸周りに回転可能である。姿勢アームは、触針が、回転テーブル上で回転されるワークピースの表面に沿って移動するときに、測定方向における触針の振れを表す信号を生成する触針器を保持する。姿勢切替機構は、回転テーブルのスピンドル軸にほぼ沿って並ぶ第1の触針姿勢と、回転テーブルのスピンドル軸にほぼ直交して配置される第2の触針姿勢と、の間で切り替えることを可能にする。測定方向とスピンドル軸とを一直線上に並べることを可能とするために、第1調節部及び第2調節部は、第1の触針姿勢及び第2の触針姿勢のそれぞれにあるときに、触針先端部が、スピンドル軸及び測定方向に直交して移動されることを可能にする。配向機構は、触針の測定方向を回転させるために設けられる。触針傾斜機構は、測定方向に平行な傾斜軸周りに触針を傾斜させるために設けられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、表面特性を測定するための測定器に関する。

多くの製造された製品及び部品にとって、形状や輪郭といった表面特性が規定された公差内にあることが重要となる。このような表面特性を品質管理の目的で測定する測定器が知られている。これらの測定器は、測定値の読み取りの際に測定器によりもたらされる系統誤差の影響を最小限にするために、高精度に製造されなければならない。
【0002】
EP−A−0240151では、回転テーブルに載置されたワークピースの形状を測定する測定器が論じられている。具体的には、触針器は、回転テーブルに対して支持され、スピンドル軸周りの回転テーブルの回転につれて、細長い触針が、ワークピースの表面に沿って移動するとき、その細長い触針の測定方向に沿った振れを表す信号を生成する。触針器は、回転軸周りに回転可能な姿勢アームに取り付けられており、その結果、触針先端部が、ほぼ同じ位置に維持される一方、触針は、実質的なに鉛直な位置姿勢と、実質的に平行な位置姿勢と、の間で切り替えられうる。触針器は、測定方向を回転させるための触針配向機構も備えている。
【0003】
EP−A−0240151にて論じられたような測定器の問題は、触針器及び触針の製造におけるばらつきが、触針先端部における測定方向と、スピンドル軸と、の正確な位置調整の欠如を引き起こしうる。以前は、このような位置のずれを補正するために、手動調整が提供されてきた。しかしながら、このような手動調整は、最適な正確性を達成するために、触針の姿勢あるいは測定方向の配向が変更される毎に実行されなければならない。
【0004】
本発明の第1の側面によれば、ワークピースを支持するための回転テーブルと、触針器を支持するための支持部とを有する測定器が提供される。支持部は、支持本体と、回転軸周りに回転可能となるように支持本体に取り付けられた姿勢アームと、を備える。姿勢アームは、スピンドル軸周りの回転テーブルの回転につれて、触針が、ワークピースの表面に沿って移動するときに、その触針の振れを表す信号を生成する触針器を保持する。姿勢切替機構は、触針がスピンドル軸にほぼ沿って並ぶ第1姿勢と、触針がスピンドル軸にほぼ直交する第2姿勢と間で、触針の姿勢を切り替えるために、回転軸周りに姿勢アームが回転することを可能とする。姿勢アームは、第1調節部と第2調節部とを備える。第1調節部は、触針が第1姿勢にあるときに、スピンドル軸に対する測定方向の位置調整を可能にするために、スピンドル軸と測定方向との両方に直交する方向に、触針先端部を移動させるためのものである。第2調節部は、触針が第2姿勢にあるときに、スピンドル軸と測定方向との位置調整を可能とするために、スピンドル軸と測定方向との両方に直交する方向に触針先端部を移動させるためのものである。このように、第1姿勢にあるときに、第1調節部を用いて、触針先端部が正確に配置されている場合、続いて、触針の姿勢が第2姿勢に切り替えられる。第2姿勢において、触針先端部を正確に配置するために第2調節部が用いられるとき、第1姿勢のための位置調整は影響を受けないだろう。それゆえに、触針が第1姿勢に切り替え直されても、触針は正確に配置されたままとなる。
【0005】
本発明の第2の側面によれば、ワークピースを支持するための回転テーブルと、触針器を支持する支持部と、を有する測定器が提供される。触針器は、スピンドル軸周りの回転テーブルの回転につれて、触針が、ワークピースの表面に沿って移動するときに、その触針の測定方向に沿った振れを表す信号を生成する。触針の測定方向を回転させる配向機構が設けられる。触針傾斜機構は、測定方向に平行な傾斜軸周りに触針が傾斜することを可能とする。このように、触針は、触針先端部を配置するために傾斜させることができ、その結果、180°に渡る測定方向の回転につれて、触針の測定方向が、測定方向に正確に配置されたとき、正確な位置調整が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態における測定器の斜視図を示す。
【図2】図1に示される測定器の一部を構成する姿勢アームの詳細図を示す。
【図3A】ワークピースに対して第1の位置姿勢にある触針の側面図を示す。
【図3B】ワークピースに対して第1の位置姿勢にある触針の平面図を示す。
【図4A】ワークピースに対して第2の位置姿勢にある触針の側面図を示す。
【図4B】ワークピースに対して第2の位置姿勢にある触針の平面図を示す。
【図5A】ワークピースに対して第3の位置姿勢にある触針の側面図を示す。
【図5B】ワークピースに対して第3の位置姿勢にある触針の平面図を示す。
【図6A】ワークピースに対して第4の位置姿勢にある触針の側面図を示す。
【図6B】ワークピースに対して第4の位置姿勢にある触針の平面図を示す。
【図7A】ワークピースに対して第5の位置姿勢にある触針の側面図を示す。
【図7B】ワークピースに対して第5の位置姿勢にある触針の平面図を示す。
【図8】測定器の一部を構成する回転テーブルの中心に載置されたワークピースに対して正確に調整された触針先端部の平面図を示す。
【図9】測定器の一部を構成する回転テーブルの中心に載置されたワークピースに対して正確に調整されていない触針先端部の側面図を示す。
【図10】姿勢アーム、配向機構、触針器、及び、触針器と姿勢アームとの間に設けられた取付機構の別の斜視図を示す。
【図11】姿勢アーム、配向機構、触針器、及び、触針器と姿勢アームとの間に設けられた取付機構の別の斜視図を示す。
【図12A】取付機構に取り付けられた触針器の異なる側面図を示す。
【図12B】取付機構に取り付けられた触針器の異なる側面図を示す。
【図13】触針器の分解図を示す。
【図14】触針器の断面図を示す。
【図15】取付機構の一部を構成するスライダ部の正面図を示す。
【図16】取付機構の一部を構成するスライダ部の背面図を示す。
【図17】取付機構の一部を構成する姿勢アーム、スライダ部、及びケージの分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、添付された図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
【0008】
図1は、作業台3に支持された測定器1を示す。測定器1は、測定されるワークピース(図1には図示なし)を支持するための回転テーブル5を備えている。キャリッジ7は、鉛直方向(図1に示される直交座標系のz軸方向に一致する)の移動のために支柱9上に支持され、直交座標系のy軸方向に沿って水平方向に移動可能なアーム11を支持する。
【0009】
姿勢アーム13は、自身の一端がアーム11の一端に回転可能に取り付けられ、水平方向に対して45°傾斜した軸15(以下、ナックル軸15という)周りに回転する。姿勢アーム13の他端には、触針器17が取り付けられている。本実施形態の触針器17は、測定されるワークピースの表面に当接するための触針先端部21を有する触針19と、触針先端部21の運動をモニタするための誘導変換器(図1には図示なし)と、を備える。
【0010】
使用中、回転テーブル5が回転するにつれて、触針先端部21がワークピースの表面に沿って移動する。触針先端部21の全ての運動は、変換器により電気信号に変換される。この電気信号は、ワークピースの多数の面の特性のうち少なくとも1つを特定するために、遠隔処理ユニット23により処理される。その処理結果は、ディスプレイ25上に表示されるか、あるいは、プリンタ27により印刷されうる。測定器1は、部品の表面特性を測定するためにも用いられうる。例えば、測定器1は、その部品が回転対称部品であれば、外周面と内周面の真円度、及び水平面の真直度と面粗度を測定することができる。
【0011】
回転テーブル5は、センタリング用モータ(図示なし)を備え、このモータにより積載台の横方向の運動が可能とされる。ワークピースは、当該ワークピースがスピンドル軸を中心として配置されることを可能とするように、スピンドル軸に対して横方向に沿って、積載台上に載置される。本実施形態の測定器は、センタリング用モータを用いた従来の自動化された心出し処理を実行することが可能であり、手動で積載台を段階的に横方向に少しずつ移動させるためのユーザ制御部が設けられている。
【0012】
本実施形態の触針19は、静止位置の1つの側において、静止位置へ、及び、その静止位置から、1つの近似直線方向(以下、測定方向という)にのみ移動するように拘束される。変換器は、その測定方向における触針19の振れを測定するように構成される。触針先端部21を様々な測定表面に当接させて各種の測定を可能とするために、触針を略垂直な配置と略水平な配置との間で運動できるようにする姿勢切替機構、及び測定方向を調節可能にする配向機構が設けられる。
【0013】
図2においてより詳細に示すように、姿勢切替機構は、姿勢アーム13が、第1配置と第2配置との間で、ナックル軸15周りに180°回転されることを可能にする。なお、第1配置(図2において実線で表され、以下では「鉛直姿勢」という)では、触針19が、ほぼz方向に沿って並ぶようにされ、第2配置(図2において想像線で表され、以下では「水平姿勢」という)では、触針19が、ほぼx方向に沿って並ぶようにされる。
【0014】
本実施形態では、以下でより詳細に説明するように、姿勢アーム13上に設けられたユーザアクチュエータ33a,33bが、触針の正確な位置調整を可能とする。
【0015】
配向機構(図示なし)は、測定方向を回転させるために、触針の静止位置にほぼ平行な軸周りに、触針器17を回転可能にする。本実施形態において、配向機構は、270°の回転範囲を有する。45°のナックル軸15上に取り付けられた旋回可能な姿勢アーム13は、鉛直姿勢から水平姿勢へ、あるいは水平姿勢から鉛直姿勢へ90°回転した場合に、触針の先端部21が、回転テーブル5の縦軸31(以下、スピンドル軸31という)に対して実質上同じ位置に留まることを可能とする。
【0016】
本実施形態において、触針19は、予め定められた5つの異なった位置姿勢で配置されうる。これら5つの位置姿勢のうちの2つのために、姿勢アーム13が鉛直姿勢とされ、3つのために、姿勢アーム13が水平姿勢とされる。
【0017】
図3A及び図3Bは、それぞれ、第1の位置姿勢における触針19の側面図及び平面図を示す。第1の位置姿勢において、触針19は、縦方向の軸43がz方向に沿って並ぶ円筒形状のワークピース41に当接する。
【0018】
図示するように、第1の位置姿勢にある触針19は、ほぼz方向に沿って並び、測定方向は、静止位置から支柱9へ向かい、且つ、支柱9から静止位置へ戻るy方向である。第1の位置姿勢は、一般的に、円筒形状のワークピース41の外周面45といった鉛直方向に配置された表面を測定するために用いられる。
【0019】
図4A及び図4Bは、それぞれ、第2の位置姿勢における触針19の側面図及び平面図を示す。第2の位置姿勢において、触針19は、縦方向の軸がz方向に沿って並ぶ円筒形状のワークピース41に当接する。図示するように、第2の位置姿勢にある触針19は、通常、z方向にほぼ沿って並び、測定方向は、静止位置から支柱9から離れる方向に向かい、且つ、静止位置へ戻るy方向(即ち、第1の位置姿勢における測定方向とは正反対の方向)である。第1の位置姿勢から第2の位置姿勢へ移動するために、触針器は、配向機構により180°回転される。第2の位置姿勢は、一般的に、円筒形状のワークピース41の内周面47のような鉛直に配置された表面を測定するために用いられる。
【0020】
図5A及び図5Bは、それぞれ、第3の位置姿勢における触針19の側面図及び平面図を示す。第3の位置姿勢において、触針19は、円柱軸がz方向に沿って並ぶ円筒形状のワークピース41に当接する。図示するように、第3の位置姿勢にある触針19は、x方向にほぼ沿って並び、測定方向は、静止位置から支柱9へ向かい、且つ、支柱9から静止位置へ戻るy方向である。この第3の位置姿勢は、第1の位置姿勢を起点として、姿勢アーム13の姿勢を鉛直姿勢から水平姿勢に変えることにより達成されうる。第3の位置姿勢は、一般的に、円筒形状のワークピース41の外周面45のような鉛直に配置された表面を測定するために用いられ、具体的には、フランジ部が、上述した第1の触針位置姿勢の使用を妨げるときに有効である。
【0021】
図6A及び図6Bは、それぞれ、第4の位置姿勢における触針の側面図及び平面図を示す。第4の位置姿勢において、触針は、円柱軸がz方向に沿って並ぶ円筒形状のワークピース41に当接する。図示するように、第4の位置姿勢にある触針19は、x方向にほぼ沿って並び、測定方向は、静止位置から上方へ向かい、静止位置へ再び戻るz方向である。この第4の位置姿勢をなすために、触針器17は、配向機構により、第3の位置姿勢から90°回転される。第4の位置姿勢は、一般的に、水平に配置された上方を向く面を測定するために用いられる。
【0022】
図7A及び図7Bは、それぞれ、第5の位置姿勢における触針の側面図及び平面図を示す。第5の位置姿勢において、触針は、円柱軸43がz方向に沿って並ぶ円筒形状のワークピース41に当接する。図示するように、第5の位置姿勢にある触針19は、x方向にほぼ沿って並び、測定方向は、静止位置から下方へ向かい、静止位置へ再び戻るz方向である。この第5の位置姿勢をなすためには、触針器は、配向機構により、第4の位置姿勢から180°回転される。第5の位置姿勢は、一般的に、水平方向に配置された下方を向く面を測定するために用いられる。
【0023】
測定を実行する前に、ワークピース41は、当該ワークピース41の円柱軸43が、回転テーブル5のスピンドル軸31に沿って並ぶように、回転テーブル5上で中心と高さとが合わせられる。スピンドル軸31は、測定器1の製造中にz方向と平行に配置される。円柱状のワークピース41の真円度の正確且つ繰り返し可能な測定を達成するために、触針19の測定方向は、スピンドル軸31と交差するように配置されなければならない。
【0024】
図8は、測定方向がスピンドル軸31と交差するように正確に配置された触針先端部21を示す平面図である。このような正確な配置においては、触針19は、通常、頂部に達しているとみなされる。図9は、正確に配置されていない触針先端部21を示す平面図である。具体的には、測定方向が、スピンドル軸31と交差していない。このような配置において、触針19は、通常、頂部位置誤差を有しているとみなされる。
【0025】
測定器1が頂部位置誤差を有している場合、ひいては不正確な読み取り測定値をもたらしうる。不正確な読み取り測定値をもたらすことは、z方向における縦方向の異なる位置にて一連の真円度測定値をとることにより、円錐形のワークピースの形状を調べるために、測定値を検討することにより、好適に例示される。触針19が正確に頂部に達している場合、真円錐は、円錐状のワークピースの底面から頂点まで延出する縦方向の位置に対して、一連の円形の軌跡をもたらす。しかしながら、触針が正確に頂部に達していない場合、真円錐は、円錐状のワークピースの頂点より下方の縦方向の位置に対して、一連の円形でない軌跡をもたらし、触針先端部21は、ワークピースの頂点にて、円錐状のワークピースとの接触を失う。
【0026】
本実施形態において、測定器1は、5つの異なる位置姿勢の間で切り換えられる触針19に起因する頂部位置誤差を軽減することを可能とする機構を有する。具体的には、測定器1は、1.触針傾斜機構と、2.触針変位機構と、を有する。
【0027】
1の触針傾斜機構は、上述した第1の位置姿勢において、触針が正確に頂部に達している場合に、配向機構が触針器を180°に渡り上述した第2の位置姿勢へと回転したときも、触針が、正確に頂部に達することを確実にする。
【0028】
2の触針変位機構は、上述した第1の位置姿勢(この位置において、姿勢アーム13が鉛直姿勢にある)と第3の位置姿勢(この位置において、姿勢アーム13が水平姿勢にある)とに対して、頂部位置調整が、独立して実行されることを可能にする。その結果、第1の位置姿勢において、触針19が最初に正確に頂部に到達し、それから、触針19が第3の位置姿勢に切り替えられた場合、そのとき、第3の位置姿勢において、触針19は、第1の位置姿勢に対する頂部位置の調整が失われることなく正確に頂部に到達しうる。
【0029】
以下でより詳細に説明するように、触針変位機構は、ユーザにより調節されたときに触針19を直交する方向に運動させる2つのユーザアクチュエータ33a,33bを利用する。
【0030】
姿勢アーム13に設けられた部品について、図10〜17を参照しつつ、より詳細に説明する。
【0031】
図10及び図11は、それぞれ、姿勢アーム13、触針器17、及び、触針器17を姿勢アーム13に取り付けるための取付機構63の2つの異なる方向からの斜視図を示す。図10及び図11において、使用中に取付機構63と触針器17の一部(図2に示す)とを取り囲む保護カバーは、触針器17及び取付機構63の部品を明らかにするために取り外されている。
【0032】
図10及び図11に示すように、触針器17の本体は細長く、以下において、スタイラス軸と呼ばれる軸を規定する。触針器17は、3本の円柱69a,69b及び69cにより相互に接続される2つの平行プレート65,67により形成されたケージに取り付けられている。円柱69a,69b及び69cは、以下でより詳細に説明される、ガイドとして機能する第1円柱69aと第2円柱69bとを含む。円柱69は、プレート65,67がスタイラス軸と直交するように、スタイラス軸と平行に配置されている。それぞれのプレートは、縦プレート軸に沿って並ぶ長手方向と、横プレート軸にほぼ沿って並ぶ幅方向とを有する略矩形である。それゆえに、スタイラス軸、縦プレート軸、及び横プレート軸は、3次元直交座標系を形成する。
【0033】
モータ73は、ケージの平行プレート65,67の間に取り付けられ、モータ73が作動されたときに、触針器17がスタイラス軸周りに回転し、それにより横プレート軸に対して回転するように、モータ73は、触針器17の一部を形成しているギア機構75に係合する。それゆえに、スタイラス軸、縦プレート軸、及び横プレート軸は、3次元直交座標系を形成する。
【0034】
モータ73は、ケージの平行プレート65,67の間に取り付けられ、モータ73が作動されたときに、触針器17がスタイラス軸周りに回転し、それにより測定方向が回転するように、モータ73は、触針器17の一部を形成しているギア機構75に係合する。従って、モータ73は、触針19の配向を調節するために用いられる配向機構の一部を形成する。
【0035】
触針器17は、平行プレート65,67の長手方向の一端側に配置された、プレート毎の3つの放射状パッド(図10において、2つの放射状パッドは84a,84bにて参照される)の組を介して、各平行プレート65,67に対して回転可能に取り付けられている。放射状パッド84の各組は、各平行プレートと一体にされた結束部を用いてばね荷重がかけられた各プレートにおいて、パッドを備えるベアリングとして機能する。その結果、モータ73が作動されるときに、触針器17が滑らかに精度よく回転されうる。
【0036】
誘導変換器は、触針器17の本体内に配置され、電気ケーブル(図示なし)により、測定器1の残りの部分に接続されている。スプール85は、触針器17における触針先端部21とは離れた側の端部に配置され、モータ73による触針器17の回転により引き起こされる電気ケーブルの任意のたるみを巻き取る。さらに、ケーブルガイド86が、ケーブルを、触針器17から離れるように案内するために、取付機構63に取り付けられている。
【0037】
触針19は、クラッチ機構89を介して触針器17の本体に、入れ替わりで連結される触針ホルダ87に着脱可能に取り付けられている。触針ホルダ87は、異なる形状の触針先端部を有しうる取り替え可能な様々な触針を収容できる。触針先端部の選択は、測定用途に依存する。例えば、ボール状に形成された触針先端部は、表面の真円度の測定に適し、一方、円錐球状の外形(自身の先端に付加された球体を有する円錐)を有する触針先端部は、表面特性の測定に適している。クラッチ取付部89は、測定方向に直交する軸周りに、スタイラス軸から遠ざかるように触針19を傾斜させることを可能とする。このことは、触針19を傾斜させなければ、物体の形状により、針が測定表面、例えば、逆さの円錐あるいはカムシャフト、に接触することを妨げうるような状況において有益である。クラッチ取付部89が、回転テーブルのスピンドル軸に対して平行であるか、または、直交する配置の何れかから離れる触針19の運動を可能とする一方、依然として、姿勢アーム13のそれぞれの姿勢において、触針19が、スピンドル軸に対してほぼ平行に配置されるか、スピンドル軸に対してほぼ直交して配置されるかの何れかの状態となりうることは、理解されうるだろう。
【0038】
理想的には、(触針先端部21に関係する)測定方向は、(触針器17の本体により規定される)スタイラス軸と交差するべきである。その結果、測定方向がスピンドル軸31と交差し、それから、触針がスタイラス軸周りに180°回転する場合、測定方向は、依然として、スピンドル軸31と交差しうる。しかしながら、触針19及び触針器17の製造ばらつきによって必ずしもそうとは限らない場合がある。上述した触針傾斜機構は、この問題に対処するために、触針の先端配置の調節をもたらす。
【0039】
図13は、触針傾斜機構の分解図を示し、図14は、触針傾斜機構の部分断面図を示す。図13及び図14に示すように、触針器17は、直径方向において対向する2つの変曲点91を備え、この変曲点91により、当該触針器が、触針部93と取付部94とに分けられている。変曲点91は、触針部93が、測定方向に平行な変曲軸周りに、取付部94に対して傾斜することを可能とし、これにより、測定方向がスタイラス軸を通るように触針先端部21を配置させることができる。
【0040】
変曲点における傾斜量は、取付部94に固定されているカラー98を通るねじ孔に適合するユーザにより調節可能なねじ97を介して、調整することが可能である。ユーザにより調節可能なねじ97の先端部は、スラグ119に当接している。スラグ119は、触針器17を通る調整レバー95の一方の端部の一方の側面に、順に当接する。ばね取付部99,101は、調整レバー95のスラグ119への接触を促すように、調整レバー95のスラグ119とは反対側に設けられている。
【0041】
調整レバー95は、取付部94を通り、変曲点91を通過し、触針部93に入り込む。調整レバー95の他方の端部は、触針部93内で、触針先端部93に固定される。このように、ユーザ調節ねじ97が作業者により回転されると、触針部93が変曲点91周りに回転し、その結果、触針部93が取付部94に対して傾斜する。本実施形態において、ユーザ調節ねじ97と変曲点91との間のスタイラス軸に沿った距離は、触針先端部21と変曲点91との間の距離の3分の1である。従って、ユーザ調節ねじ97の位置における調整レバー95の1mmの振れは、縦プレート軸方向において、触針先端部21の3mmの振れをもたらす。
【0042】
図10及び図11に戻り、ケージは、2次元並進台装置を介して姿勢アーム13に結合されている。2次元並進台装置において、ケージは、スライダ部77に対して、スタイラス軸に平行な軸に沿って運動可能であり、また、スライダ部77は、姿勢アーム13に対して、縦プレート軸に平行な軸に沿って運動可能である。
【0043】
図15及び図16は、それぞれスライダ部77の正面の斜視図及び背面の斜視図を示す。図示するように、開口部111が、スライダ部77の中心を正面部101から背面部105へ貫通するように設けられている。スライダ部77の正面部101は、V字形断面溝103bと、クリアランス切取部103aと、を備えている。V字形断面溝103b及びクリアランス切取部103aは、開口部111によって分離され、スライダ部77が取り付けられたとき、V字形断面溝103bは、スタイラス軸に対して平行に延出する。パッド104は、クリアランス切取部に取り付けられている。V字形断面溝103b及びパッド104は、動的な取付部として作用する。スライダ部77の背面部105は、V字形断面溝107を備えており、スライダ部77が取り付けられたとき、V字形断面溝107は、縦プレート軸に対して平行に延出する。背面部105はまた、溝107から距離をあけて、パッド109を備える。その結果、溝107及びパッド109は、動的な取付部を規定する。
【0044】
図17は、姿勢アーム13の一部、スライダ部77、及びケージの一部を示す分解図である。図示するように、姿勢アーム13は、ナックル回転軸から、スタイラス軸に対して略45°の角度をなして延出する第1セクション部を備えている。姿勢バー13の第2セクション部は、第1セクション部におけるナックル回転軸から離れた一端で、当該第2セクション部が第1セクション部に対して45°の角度をなすように、スタイラス軸に対して鉛直に延出する。第2セクション部は、スライダ部77に面した取付面を含む。円柱状の棒部材121a,121bは、取付面上に取り付けられており、開口部125が、取付面を通って形成されている。その結果、棒部材121がスライダ部77の背面部105上の溝107に係合するとき、当該取付面を貫通する開口部125が、スライダ部77を貫通する開口部111とほぼ一列に並ぶ。
【0045】
2つのガイド69a,69bは、スライダ部77の正面部101における、クリアランス切取部103a内のパッド104上と、V字形断面溝103b上とに、それぞれ位置している。ばね123は、取付面内の開口部125、及びスライダ部77内の開口部111を通るように設けられている。このばねの一端は、第1プレート65と第2プレート67との間に設けられたばね支持ロッド71aに取り付けられている。このばねの他端は、取付面の反対側の表面に取り付けられただぼ127に係合する。このように、ケージ、スライダ部77、及び姿勢アーム13は、互いに接触するようにされている。
【0046】
棒部材121が、スライダ部77の背面部105内の溝107に係合するようにされているとき、スライダ部77の背面部105上のパッド109は、取付面とスライダ部77とが実質的に平行となるように、取付面に取り付けられたパッド128上に載置されている。このように、スライダ部77は、縦プレート軸に平行な方向に沿って取付面に対して運動することが可能である。第1シリンダ部69a、及び、第2シリンダ部69bが、それぞれ、スライダ部77の正面部101における、パッド104、及び、V字形断面溝103bに係合するようにされているとき、スライダ部77は、スタイラス軸に平行な方向にケージに対して運動することが可能である。
【0047】
以下で第1ユーザアクチュエータ33aと呼ばれる、ユーザアクチュエータの1つは、姿勢アーム13に対するスライダ部77の運動を制御する。第1ユーザアクチュエータ33aは、シャフト129を含む。シャフト129は、図17に示すように、縦プレート軸に平行に配置されて、姿勢アーム13の第1セクション内の開口部を、スライダ部77に近接して通り抜ける。シャフト部の一端が、スライダ部77に固定される一方、シャフト部の他端は、ねじが切られており、ユーザアクチュエータノブ133に係合している。ユーザアクチュエータノブ133は、ねじ頭を有し、固定位置に、姿勢アーム13に対して回転可能に取り付けられている。このように、ユーザがユーザアクチュエータノブ133を回転させるときに、シャフト部129のねじが切られた側の端部がねじ頭と相互に作用し、シャフト129が、縦プレート軸に平行な方向に沿って移動することを引き起こす。その結果、スライド部77が、姿勢アーム13に対して、同じ方向に移動する。
【0048】
以下で第2ユーザアクチュエータ33bと呼ばれる、他のユーザアクチュエータは、ケージに対するスライダ部77の運動を制御する。第2ユーザアクチュエータ33bは、シャフト135を有する。シャフト135は、図17に示すように、スタイラス軸に平行に配置されて、プレート67を通り抜ける。付勢部材137によりばね荷重を受けるシャフト135の一端は、スライダ部77に作用する。付勢部材137は、シャフト135との接触を維持するために、支持部材あるいはばねプレート126により支持されている。一方、シャフトの他端は、ユーザアクチュエータノブ137に固定されている。シャフト135は、プレート67内の孔をとおってねじ込まれ、その結果、ユーザがユーザアクチュエータノブ137を回転させるときに、当該シャフト部135がスタイラス軸に平行な方向に沿って移動し、それにより、スライド部77が、ケージに対して、同じ方向に移動する。
【0049】
第1ユーザアクチュエータ33aは、姿勢アーム13が鉛直姿勢にあるときに、任意の頂部位置誤差を軽減するために、ユーザが触針先端部21を移動することを可能にする。第2ユーザアクチュエータ33bは、姿勢アーム13が水平姿勢にあるときに、任意の頂部位置誤差を軽減するために、ユーザが触針先端部21を移動することを可能にする。重要なことは、第1及び第2アクチュエータ33により引き起こされる運動が直交する方向であることにより、第1ユーザアクチュエータ33aを用いた調節は、姿勢アーム13が水平姿勢にあるときの頂部位置誤差に影響を与えず、且つ、第2ユーザアクチュエータ33bを用いた調節は、姿勢アーム13が鉛直姿勢にあるときの頂部位置誤差に影響を与えないであろうことである。従って、姿勢アーム13が鉛直姿勢にあるときの頂部位置誤差を除去するために第1ユーザアクチュエータ33aが用いられ、それから、姿勢アーム13が水平姿勢に切り替えられ、さらに、全ての頂部位置誤差を除去するために第2ユーザアクチュエータ部33bが用いられ、それから姿勢アーム13が鉛直姿勢に戻された場合、やはり頂部位置誤差は生じないであろう。
【0050】
触針先端部の配置方法を以下に説明する。この方法は、1mmの直径を有する円筒形状のキャリブレーションピンの使用を伴う。
【0051】
最初に、キャリブレーションピンが、回転テーブル5のスピンドル軸31に手動で配置される。続いて、鉛直に配置されると共に、キャリブレーションピンの一方の側面に当接する触針を用いて、キャリブレーションピンの縦方向の軸を、スピンドル軸に沿って並べることで、キャリブレーションピンの心出しをするための従来の心出し処理が実行される。
【0052】
続いて、誘導変換器からの読み取り値が、上昇信号から下降信号に変化するか、または、下降信号から上昇信号に変化するかの何れかの転換点を見つけるために、ディスプレイ25上に表示されるような誘導変換器からの読み取り値をモニタする一方で、第1ユーザアクチュエータ33aが、手動で調節される。この転換点における触針の位置を、外側触針位置と呼ぶことにする。
【0053】
次に、配向機構が、触針器の測定方向を180°回転させるために用いられる。そして、触針先端部21が、キャリブレーションピンの径方向反対側に当接するように移動される。この位置姿勢における触針の位置を、内側触針位置と呼ぶことにする。回転テーブル5は、当該回転テーブル5の中心トラバースが、触針器17の測定方向に対して90°になるように回転される。続いて、中心トラバースが、誘導変換器からの測定信号の転換点を見つけるために、回転テーブルを段階的に移動させるために、作動される。続いて、真円度測定が行われ、その測定された偏心度は、この位置姿勢における頂部位置誤差の測定値である。
【0054】
続いて、キャリブレーションピンが、再び心出しされる。次に、触針傾斜機構が、測定された偏心度の略1/2に一致する距離だけ触針先端部21を変位させるために用いられる。続いて、配向機構が、測定方向を180°戻すように回転させるために用いられる。続いて、第1ユーザアクチュエータ33aが、触針先端部21を、誘導変換器の読み取り値の転換点に配置するために用いられる。続いて、測定された偏心度が所望の値(例えば、高精度な部品に対しては、通常100μm(マイクロメータ))を下回るまで、上述した手順が反復される。
【0055】
続いて、姿勢切替機構が、触針19が実質的に水平となるように、姿勢アーム13を切り替えるために用いられる。続いて、転換点を見つけるために、ディスプレイ25上に表示されるような、誘導変換器からの読み取り値をモニタする一方、第2ユーザアクチュエータ33bが、手動で調節される。詳細に上述したような頂部位置誤差を評価するための手順が繰り返される。頂部位置誤差が所望の値を下回れば、そのときに位置調整が完了する。頂部位置誤差が所望の値を下回らなければ、偏心度が所望の値を下回るまで上述した位置調整工程が繰り返される。
【0056】
[変形例及びさらなる実施形態]
以上述べたように、説明された実施形態の測定器は、触針傾斜機構と触針変位機構との両方を備えている。代替の実施形態では、測定器がこれら2つの機構の一方のみを有することが可能である。
【0057】
説明された実施形態において、測定器は、触針が、回転テーブルのスピンドル軸に対して、略平行となる姿勢及び略直交する姿勢のそれぞれの間で触針を切り替えるために、回転点周りに回転可能な姿勢アームを備えている。このような姿勢アームを有せず、触針の姿勢が固定された実施形態、具体的には、触針がスピンドル軸にほぼ沿って並ぶ実施形態においてもまた、触針傾斜機構が有用であることが好ましい。さらに、このような実施形態では、1つのアクチュエータを有する触針変位機構が、頂部位置誤差を軽減させるための位置調整を可能とするために用いられうる。
【0058】
説明された実施形態において、触針傾斜機構が、触針器の本体に対して触針を傾斜させる一方、代替の実施形態では、触針器全体が、姿勢アームに対して傾斜されうる。
【0059】
説明された実施形態において、姿勢アーム13は、両方の姿勢において、それぞれのユーザアクチュエータ33を用いて手動で頂部に合わせられる。代替の実施形態では、位置調整は、遠隔処理機23の制御下で、自動で実行されうる。
【0060】
説明された実施形態の姿勢切替機構は自動化されているけれども、代わりに、手動の姿勢切替機構が採用されうる。
【0061】
本技術分野で周知の2次元「x−y」並進台の多数の異なる形態があることは理解されうるだろう。それゆえに、代替の実施形態では、別の「x−y」並進台装置が利用されうる。
【0062】
説明された実施形態では、ワークピースに対して触針先端部を所望の位置に配置するために、キャリッジが、支柱に対して鉛直方向に移動可能であり、アームが、キャリッジに対して水平方向に移動可能である。所望の配置を達成するために、代わりに、回転テーブルが支柱に対して移動可能にされうる。
【0063】
説明されたキャリブレーション方法は、ユーザの関与を含む一方、触針変位機構及び触針傾斜機構が自動化された場合、ひいてはキャリブレーション方法も自動化されうることは理解されうるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースを支持するためのものであり、スピンドル軸周りに回転可能な回転テーブルと、
細長い触針を支持するための触針器を支持する支持部であって、前記支持部は、i)支持本体と、ii)回転軸周りに回転可能となるように前記支持本体に取り付けられ、前記触針器を保持する姿勢アームと、を備え、前記触針器は、前記スピンドル軸周りに前記回転テーブルが回転するにつれて、前記触針が前記ワークピースの表面に沿って移動するときに、前記細長い触針の測定方向に沿った振れを表す信号を生成するように動作する、前記支持部と、
前記姿勢アームを、前記触針の姿勢を切り替えるために、前記触針の長手方向の軸が前記スピンドル軸にほぼ沿って並ぶ第1姿勢と、前記触針の長手方向の軸が前記スピンドル軸とほぼ直交する第2姿勢と、の間で、前記回転軸周りに回転させるための姿勢切替機構と、
を備える測定器であって、
前記姿勢アームは、
i)前記測定方向と前記スピンドル軸とを一直線上に並べることを可能とするために、前記触針が前記スピンドル軸に沿って並ぶように配置されるときに、前記スピンドル軸と前記測定方向との両方に直交する方向に前記触針の先端部を移動させるための第1調節部と、
ii)前記測定方向と前記スピンドル軸とを一直線状に並べることを可能とするために、前記触針が前記スピンドル軸に直交して配置されるときに、前記スピンドル軸と前記測定方向との両方に直交する方向に前記触針の先端部を移動させるための第2調節部と、
を有することを特徴とする測定器。
【請求項2】
前記第1調節部は、前記触針器に連結されると共に、前記触針が前記第1姿勢にあるときに、前記スピンドル軸と前記測定方向との両方に直交する方向に前記触針器を移動させるために設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の測定器。
【請求項3】
前記第2調節部は、前記触針器に連結されると共に、前記触針が前記第2姿勢にあるときに、前記スピンドル軸と前記測定方向との両方に直交する方向に前記触針器を移動させるために設けられる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定器。
【請求項4】
2方向並進台をさらに備え、
前記第1調節部及び前記第2調節部は、直交する方向に前記触針の先端部の運動をもたらすために、前記2方向並進台に連結される
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の測定器。
【請求項5】
前記第1調節部は、前記触針の先端部の運動の手動制御を可能にするために設けられる
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の測定器。
【請求項6】
前記第2調節部は、前記触針の先端部の運動の手動制御を可能にするために設けられる
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の測定器。
【請求項7】
前記回転軸は、前記スピンドル軸に平行な軸から45°の角度にある
ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の測定器。
【請求項8】
前記触針の前記測定方向を回転させるように動作する配向機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の測定器。
【請求項9】
前記測定方向に平行な傾斜軸周りに、前記触針を傾斜させるように動作する触針傾斜機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項8に記載の測定器。
【請求項10】
前記支持部は、
前記スピンドル軸と実質的に平行な長手方向の軸を有する細長い支柱と、
前記回転軸にて前記姿勢アームが取り付けられる取付アームを有し、前記支柱に対して直交するように取り付けられるキャリッジと、
をさらに有することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の測定器。
【請求項11】
ワークピースを支持するためのものであり、スピンドル軸周りに回転可能な回転テーブルと、
触針の長手方向の軸が前記スピンドル軸にほぼ沿って並ぶように細長い前記触針を支持するための触針器を支持するように動作する支持部であって、前記触針器は、前記スピンドル軸周りに前記回転テーブルが回転するにつれて、前記触針が前記ワークピースの表面に沿って移動するときに、前記細長い触針の測定方向に沿った振れを表す信号を生成するように動作する、前記支持部と、
前記触針の前記測定方向を回転させるように動作する配向機構と、
前記測定方向に平行な傾斜軸周りに前記触針を傾斜させるように動作する触針傾斜機構と、
を備えることを特徴とする測定器。
【請求項12】
前記触針器は、前記姿勢アームに取り付けられる第1部分と、前記触針を支持するための第2部分と、を有し、
前記触針傾斜機構は、前記触針器の前記第2部分を、前記触針器の前記第1部分に対して、前記傾斜軸周りに傾斜させるように動作する
ことを特徴とする請求項11に記載の測定器。
【請求項13】
前記触針傾斜機構は、前記傾斜軸周りの傾斜の手動制御を可能にするユーザ調節部を有する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の測定器。
【請求項14】
前記配向機構は、第1配置と、この第1配置から180°の角度があけられた第2配置と、の間で、前記触針の前記測定方向を回転させるように動作する
ことを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の測定器。
【請求項15】
前記触針傾斜機構は、前記第1配置にある前記触針の前記測定方向が、前記第2配置にある前記触針の前記測定方向に沿って並ぶように、前記触針を傾斜させるように動作する
ことを特徴とする請求項14に記載の測定器。
【請求項16】
前記支持部は、前記スピンドル軸に実質的に平行な長手方向の軸を有する細長い支柱と、
前記測定器が取り付けられる取付アームを有し、前記支柱に対して直交するように取り付けられるキャリッジと、
を備えることを特徴とする請求項11〜15の何れかに記載の測定器。
【請求項17】
ワークピースを支持するためのものであり、スピンドル軸周りに回転可能な回転テーブルと、
触針の長手方向の軸が前記スピンドル軸とほぼ沿って並ぶように細長い前記触針を支持するための触針器を支持するように動作する支持部であって、前記触針器は、前記スピンドル軸周りに前記回転テーブルが回転するにつれて、前記触針が、前記ワークピースの表面に沿って移動するときに、前記細長い触針の測定方向に沿った振れを表す信号を生成するように動作する、前記支持部と、
前記触針の前記測定方向を回転させるように動作する配向機構と、
前記測定方向に平行な傾斜軸周りに制限された挙動で、前記触針を傾斜させるように動作可能な触針傾斜機構と、
を備えることを特徴とする測定器。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−536332(P2009−536332A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508454(P2009−508454)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001585
【国際公開番号】WO2007/129037
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(597023868)テイラー・ホブソン・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】TAYLOR HOBSON LIMITED
【Fターム(参考)】