説明

被加工物保持装置

【課題】底面積の小さい被加工物であっても安定した保持力で保持できるようにする。
【解決手段】被加工物保持装置30は、被加工物1の底面部5を真空吸着する吸着面部6、吸着面部6に開口し真空発生装置13に連通する真空吸引穴17、吸着面部6の外周側に主軸Aと同軸に形成される嵌め込み溝7、及び嵌め込み溝7の溝底部に形成され真空吸引穴17に連通する連通孔20を有する真空チャック3と、嵌め込み溝7に気密に嵌合される筒部8、筒部8と一体の底部22、及び底部22に形成された保持穴14を有し、保持穴14の寸法が加工面部15の直径よりも大きく底面部5の直径よりも小さいキャップ部材4とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を負圧により真空吸引して保持する被加工物保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転軸対称のレンズ、プリズムなどの光学部品を成形する金型は、高精度な形状が要求されるのみならず、光学部品の光軸と基準軸とが高精度に一致していることが要求される。このような高精度の部品加工を行うには、工作機械の回転軸に対して被加工物との偏芯誤差が規格値以下となるように偏芯調整し、被加工物を保持する必要がある。
【0003】
従来、例えば特許文献1には、このような被加工物を保持する装置としての真空チャックに関する技術が提案されている。
この特許文献1では、図7に示すように、主軸A’の回りを回転する主軸スピンドル102の先端側に真空チャック103を設け、中心に中空の穴101を設けている。また、真空チャック103の吸着面部106には、中空の穴101に通じる同心円状の溝104を設けている。さらに、被加工物105の底面を吸着面部106に取り付け、真空チャック103の対向側から真空吸引を行うことで被加工物105を保持している。
【0004】
尚、図示しないが、被加工物105の偏芯調整は、ハンマーで被加工物105の円筒部を叩くなどをして、主軸Oに対するシフト方向の調整を高精度に行うのが一般的である。
【特許文献1】特開昭59−19647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、吸着される被加工物105の底面部の面積が小さい場合は、同心円状の溝104の幅や本数を増やしたとしても、所望の保持力が得られない。また、機械加工の加工負荷により被加工物105が移動したり、被加工物105が真空チャック103から落下する恐れがある。このため、被加工物105の底面部の面積をある一定以上の大きさにする必要があった。
【0006】
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、被加工物の保持部の面積が小さい場合であっても安定した保持力で保持することのできる被加工物保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
工作機械の主軸端面で被加工物を保持する被加工物保持装置において、
前記被加工物は保持部及び前記主軸に対し垂直な方向の外形寸法が前記保持部よりも小さい加工面部を有し、
前記保持部を真空吸着する吸着面部、当該吸着面部に開口し真空発生装置に連通する真空吸引穴、前記吸着面部の外周側に前記主軸と同軸に形成される嵌合溝、及び当該嵌合溝の溝底部に形成され前記真空吸引穴に連通する連通路を有する真空チャックと、
前記嵌合溝に気密に嵌合される筒部、当該筒部と一体の底部、及び当該底部に形成された開口部を有し、当該開口部の寸法が前記加工面部の外形寸法よりも大きくかつ前記保持部の外形寸法よりも小さいキャップ部材と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の被加工物保持装置において、
前記嵌合溝の外周壁又は前記筒部の外周壁の少なくとも一方に設けられた外周溝と、
当該外周溝に装着された第1弾性部材と、
前記嵌合溝の内周壁又は前記筒部の内周壁の少なくとも一方に設けられた内周溝と、
当該内周溝に装着された第2弾性部材と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の被加工物保持装置において、
前記外周溝と前記内周溝との位置が前記主軸方向で異なっていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の被加工物保持装置において、
前記キャップ部材は、前記内周溝及び前記外周溝よりも前記底部に近接する側の前記筒部に検査窓を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被加工物の保持部の面積が小さい場合であっても安定した保持力で強固に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[機械加工装置の全体構成]
図1は、回転軸対称の被加工物1を加工するための機械加工装置12の全体構成を示す図である。
【0012】
この機械加工装置12は、ベース32上に隣接して立設された主軸台33と刃物台34とを有している。主軸台33には、主軸回転軸Aに対し高精度で回転する主軸スピンドル2が備え付けられている。この主軸スピンドル2の内部は中空になっている。
【0013】
また、主軸スピンドル2の軸方向の端面には、被加工物1を保持する被加工物保持装置30が取り付けられている。この被加工物保持装置30は、被加工物1を真空吸着する真空チャック3と、真空吸着された被加工物1を保持するキャップ部材4とを有している。
【0014】
なお、刃物台34には被加工物1を加工する加工工具19が取り付けられている。
真空チャック3は、ホース18を介して真空ポンプや真空発生機器などの真空発生装置13に接続されている。この真空発生装置13により、真空チャック3の吸着面部6(図2参照)に負圧が発生して被加工物1が真空吸引される。また、真空発生装置13は、装置自身又は他の装置によって真空圧を制御できるようになっている。
[第1の実施の形態]
図2は、被加工物保持装置30により被加工物1を保持した状態の断面図である。また、図3は、被加工物保持装置30により被加工物1を保持する前の状態の断面図である。
【0015】
本実施形態において、被加工物1は回転軸対称形状を有している。この被加工物1は、真空チャック3に吸着される保持部としての円板状の底面部5と、この底面部5から主軸回転軸A方向に延びる円柱部25と、この円柱部25から主軸回転軸A方向に凹凸をした球面または非球面形状の加工面部15とを有している。
【0016】
そして、加工面部15の直径は円柱部25の直径よりも小さく、かつ円柱部25の直径は底面部5の直径よりも小さい。すなわち、加工面部15の直径は底面部5の直径よりも小さく形成されている。
【0017】
また、底面部5の吸着面側は高精度な平面度に形成されている。そして、この底面部5を被加工物1の衝(基準)とする。なお、被加工物1は回転軸対称形状であればよく、その形状はこれに限らない。
【0018】
さらに、真空チャック3の主軸回転軸A方向の先端には、主軸回転軸Aに対し垂直方向に広がる平面状の吸着面部6が設けられている。この吸着面部6には、その表面に開口する真空吸引穴としての真空穴17が設けられている。なお、この吸着面部6から主軸スピンドル2の中空部までは、真空穴17以外にも、他のいくつかの真空穴が形成されていてもよい。
【0019】
吸着面部6は、被加工物1の底面部5の直径よりも大きい直径を有している。また、この吸着面部6の外周側には、主軸回転軸Aと同軸で円環状の溝形状をした嵌合溝としての嵌め込み溝7が形成されている。更に、この嵌め込み溝7の溝底部には、真空発生装置13に連通しかつ気体が外部へ漏れないような連通路としての連通孔20が設けられている。
【0020】
次に、被加工物1を上面(図2の右方)から押さえ込むキャップ部材4は、真空チャック3の嵌め込み溝7に気密に嵌合される筒部としての円環部8と、この円環部8と一体の底部22とを有している。
【0021】
そして、真空チャック3にキャップ部材4が気密に嵌合された状態での、嵌め込み溝7の外周壁7aと円環部8の外周壁8aとの間のクリアランス、及び嵌め込み溝7の内周壁7bと円環部8の内周壁8bとの間のクリアランスは、いずれも0.005mmから1mmの間に設定されている(図3参照)。
【0022】
また、キャップ部材4の底部22の中央には、開口部としての保持穴14が設けられている。この保持穴14は、その直径(主軸回転軸Aに対し垂直な方向の穴径)が加工面部15の直径および円柱部25の直径よりも大きく、かつ底面部5の直径よりも小さい。すなわち、被加工物1の加工面部15および円柱部25はこの保持穴14を通過できても、被加工物1の底面部5は通過することができない関係になっている。
【0023】
さらに、図3に示すように、キャップ部材4の円環部8の主軸回転軸A方向の高さ(底部22の高さを除く)H1は、被加工物1の底面部5の高さH2と嵌め込み溝7の高さH3の和よりも小さく、かつ被加工物1の底面部5の高さH2よりも大きく形成されている。
【0024】
これにより、被加工物1の底面部5を吸着面部6で真空吸着した状態では、キャップ部材4の円環部8の開口側の先端部と嵌め込み溝7の最深部とは接触しない(図2参照)。これにより、被加工物1の底面部5の高さH2を任意の高さに設定することができる。
【0025】
更に、キャップ部材4の円環部8の外周壁8a(又は嵌め込み溝7の外周壁7a)には、円周方向に外周溝11が設けられている。この外周溝11に、円環状でゴムやシリコーンなどからなる第1弾性部材としての弾性部材9が嵌め込まれて装着されている。このとき、外周溝11の深さ(主軸回転軸Aと直交する方向の深さ)は、弾性部材9の太さから、嵌め込み溝7と円環部8間のクリアランスの差よりも小さく形成されている。
【0026】
同様に、キャップ部材4の円環部8の内周壁8b(又は嵌め込み溝7の内周壁7b)には、円周方向に内周溝10が設けられている。この内周溝10に、円環状でゴムやシリコーンなどからなる第2弾性部材としての弾性部材9が嵌め込まれて装着されている。この時、内周溝10の深さ(主軸回転軸Aと直交する方向の深さ)は、弾性部材9の太さから、嵌め込み溝7と円環部8間のクリアランスの差よりも小さく形成されている。
【0027】
以上により、嵌め込み溝7にキャップ部材4が嵌合された状態では、弾性部材9の作用により嵌め込み溝7内は外部と気密に保持される。
また、本実施形態では、内周溝10と外周溝11の主軸回転軸Aに沿う方向の位置関係は、異なるように設定している。更に、キャップ部材4の底部22における被加工物1を押さえつける面(B面)から主軸回転軸Aに沿って内周溝10及び外周溝11までの距離は、被加工物1の底面部5の高さよりも大きく設定されている。なお、内周溝10と外周溝11の位置は、いずれも真空チャック3の嵌め込み溝7に入るように設定されている。
【0028】
次に、図4は、真空チャック3における吸着面部6の平面加工から被加工物1を保持するまでのフローチャートを示す図である。以下、図4に基づき、図1〜図3を参照しながら本実施形態の作用を説明する。
【0029】
なお、本実施の形態の具体的な作用は、本発明を何ら限定するものではない。
初めに、機械加工装置12の主軸スピンドル2に真空チャック3を固定する。このとき、主軸回転軸Aに対し、真空チャック3のシフト方向(主軸回転軸Aに対し垂直な方向)の偏芯誤差が規格以下の精度となるように予め偏芯調整を行う。
【0030】
この状態で、真空チャック3の吸着面部6を切削加工又は研削加工により、高い平面度ならびに主軸回転軸Aに対する高精度な垂直度に設定しておく(S201)。
次に、被加工物1の上面(図2の右方)から保持穴14を介してキャップ部材4を被せる。こうして、被加工物1の底面部5の上面(C面)とキャップ部材4の底部22の内面(B面)とを当接させて被せる(S202)。
【0031】
この状態で、真空チャック3の嵌め込み溝7にキャップ部材4の円環部8を挿入し、キャップ部材4を同方向に嵌め込む(S203)。これにより、被加工物1の底面部5の上面(C面)がキャップ部材4の底部22の内面(B面)により押され、底面部5が吸着面部6に密着する。
【0032】
次に、真空発生装置13によって真空引きを開始し、被加工物1の底面部5を真空チャック3の吸着面部6で真空吸引して保持する(S204)。このとき、嵌め込み溝7の溝底部と円環部8の先端開口部との間に形成される空間は、円環部8の内周溝10と外周溝11に嵌め込まれた弾性部材9により密封され、真空吸引される。これにより、キャップ部材4は負圧で真空チャック3の方向へ引き込まれる。
【0033】
この場合、前述したように、キャップ部材4の保持穴14の直径は、被加工物1の加工面部15の直径よりも大きくかつ底面部5の直径よりも小さく設定されている。このため、キャップ部材4の保持穴14は被加工物1の底面部5の上面(C面)に引っかかる。そして、キャップ部材4が真空吸引されることで当該キャップ部材4は真空チャック3の方向へ引き込まれる。こうして、キャップ部材4は被加工物1を吸着面部6へと押し込む。これにより、被加工物1の保持力が向上することになる。
【0034】
更に、円環部8の内周溝10と外周溝11の主軸回転軸Aに沿う方向の位置を異ならせることで、円環部8は嵌め込み溝7内で2点支持される。このため、キャップ部材4は真空チャック3の吸着面部6に対し垂直に嵌挿される。併せて、キャップ部材4は2点支持により1点支持に比べて安定的に支持され、剛性が高められる。これにより、キャップ部材4の底部22の内面(B面)は、被加工物1を底面部5の上面(C面)に対し円周方向で均一に接触して均一に押し込む。
【0035】
また、被加工物1の主軸回転軸Aに対するシフト方向の偏芯調整は、真空圧を空圧レギュレータなどで下げ、低真空圧状況下で行う。そして、例えば最もシフト方向の偏芯が大きい方向の被加工物1の側面をハンマーで叩くなどして調整を行う(S205)。
【0036】
なお、本実施形態において、被加工物1の底面部5の主軸回転軸Aに対するチルト(傾き)方向の調整は、チルト方向の傾きが小さいため傾き調整が不要となる。これは、被加工物1の底面部5が、予め主軸回転軸Aに対し高精度な直角度となるように機上で機械加工を行っているからである。また、これにより、被加工物1が真空チャック3の吸着面部6に密着しているからである。
【0037】
次いで、被加工物1のシフト方向の調整を行った後、真空発生装置13の真空圧を通常の圧力まで上げ、吸着力を向上させる。こうして、被加工物1の保持を強固にする(S206)。
【0038】
本実施形態によれば、被加工物1の底面部5の面積が小さくても、キャップ部材4の保持穴14により被加工物1の底面部5の上面(C面)を押さえこむことができる。
このため、本実施形態によれば、被加工物1を強固で、主軸回転軸Aに対し高精度な偏芯のない状態で保持することができる。また、被加工物1の底面部5の高さが任意であっても、キャップ部材4の円環部8の先端開口部と真空チャック3の嵌め込み溝7の溝底部との間の空間の大きさが変化するのみである。そして、前述した空間内の真空圧は変化しないため、安定した保持力で被加工物1を保持することができる。
【0039】
さらに、本実施形態によれば、キャップ部材4の円環部8の内周溝10と外周溝11の位置を主軸回転軸Aの方向に沿い異ならせることで、キャップ部材4の保持穴14により、被加工物1を底面部5の上面(C面)で円周方向に均一に接触することができる。このため、被加工物1を高精度に保持することができる。
[第2の実施の形態]
図5は、第2の実施の形態におけるキャップ部材4の断面図を示す。また、図6は、被加工物保持装置30により被加工物1を保持した状態の断面図を示している。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
【0040】
本実施形態では、被加工物1を真空チャック3で保持した後に被加工物1の直角度を測定可能にしたものである。これにより、真空チャック3の吸着面部6と被加工物1の底面部5との間にごみやチリなどを挟んでいないかを把握することが可能となる。
【0041】
図5は、本実施形態におけるキャップ部材4の断面図を示している。
キャップ部材4は、円環部8の側面に検査窓としての長穴形ののぞき穴16が主軸回転軸Aに対し対称に設けられている。こののぞき穴16は、円周方向に2個所以上(本実施形態では4箇所)に設けられている。こののぞき穴16は、各弾性部材9、9よりもキャップ部材4の底部22(保持穴14)に近接する側の円環部8の側面位置に設けられている。
【0042】
また、本実施形態では、図6に示すように、真空チャック3の吸着面部6の直径は、被加工物1の底面部5の直径よりも小径に設定されている。なお、例えば、真空チャック3の吸着面部6に、外周部から被加工物1の底面部5の直径よりも小径となる位置まで切り欠き部を設けてもよい。この場合も、切り欠き部を直径方向に2箇所以上、主軸回転軸Aに対し対称に設ける。
【0043】
更に、本実施形態では、真空チャック3の嵌め込み溝7が形成されている面(D面)は、主軸回転軸A方向に沿う吸着面部6の高さよりも低く設定されている。なお、真空チャック3の嵌め込み溝7の外周部の側面位置に、円周方向に2箇所以上、主軸回転軸Aに対し対称の穴部を設けてもよい。また、吸着面部6に切り欠き部を設ける場合は、主軸回転軸Aに対し切り欠き部と同じ角度方向に穴部を設ける。
【0044】
次に、図6に基づき本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、真空チャック3の吸着面部6の直径が被加工物1の底面部5の直径よりも小さく設定されている。このため、真空チャック3により被加工物1を吸引保持した際、被加工物1の底面部5の外周部がはみ出る部分が発生する。
【0045】
また、キャップ部材4の側面には2箇所以上にのぞき穴16が設けられている。このため、1つののぞき穴16からマイクロメーターやレーザー変位計などの計測器21を用いて、吸着面部6からはみ出た底面部5の高さ位置を測定する。
【0046】
次に、真空チャック3を主軸回転軸Aを中心として回転させ、前述したのぞき穴16とは異なるのぞき穴16から底面部5の高さを計測器21で測定する。これを繰り返し行い、複数回の測定結果の最大と最小の差を求めることで、被加工物1の底面部5の主軸回転軸Aに対する直角度を測定することができる。
【0047】
本実施形態によれば、被加工物1を真空チャック3で保持した後に被加工物1の直角度を測定することができるので、真空チャック3の吸着面部6と被加工物1の底面部5との間にごみやチリなどを挟んでいないかどうかを把握することができる。これにより、加工直前に被加工物1の精度保証をすることができる。
【0048】
その他の効果は、第1の実施の形態で記載した内容と同一である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】被加工物保持装置を備えた機械加工装置の全体構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の被加工物保持装置により被加工物を保持した状態の断面図である。
【図3】同上の被加工物保持装置により被加工物を保持する前の状態を示す断面図である。
【図4】同上の作業のフローチャートを示す図である。
【図5】第2の実施形態のキャップ部材の断面を示す図である。
【図6】同上の被加工物保持装置により被加工物を保持した状態の断面図である。
【図7】従来の被加工物保持装置(真空チャック)の要部断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 被加工物
2 主軸スピンドル
3 真空チャック
4 キャップ部材
5 底面部
6 吸着面部
7 嵌め込み溝
7a 外周壁
7b 内周壁
8 円環部
8a 外周壁
8b 内周壁
9 弾性部材
10 内周溝
11 外周溝
12 機械加工装置
13 真空発生装置
14 保持穴
15 加工面部
16 のぞき穴
17 真空穴
18 ホース
19 加工工具
20 連通孔
21 計測器
22 底部
25 円柱部
30 被加工物保持装置
32 ベース
33 主軸台
34 刃物台
101 穴
102 主軸スピンドル
103 真空チャック
104 溝
105 被加工物
106 吸着面部
A 主軸回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の主軸端面で被加工物を保持する被加工物保持装置において、
前記被加工物は保持部及び前記主軸に対し垂直な方向の外形寸法が前記保持部よりも小さい加工面部を有し、
前記保持部を真空吸着する吸着面部、当該吸着面部に開口し真空発生装置に連通する真空吸引穴、前記吸着面部の外周側に前記主軸と同軸に形成される嵌合溝、及び当該嵌合溝の溝底部に形成され前記真空吸引穴に連通する連通路を有する真空チャックと、
前記嵌合溝に気密に嵌合される筒部、当該筒部と一体の底部、及び当該底部に形成された開口部を有し、当該開口部の寸法が前記加工面部の外形寸法よりも大きくかつ前記保持部の外形寸法よりも小さいキャップ部材と、を有する
ことを特徴とする被加工物保持装置。
【請求項2】
前記嵌合溝の外周壁又は前記筒部の外周壁の少なくとも一方に設けられた外周溝と、
当該外周溝に装着された第1弾性部材と、
前記嵌合溝の内周壁又は前記筒部の内周壁の少なくとも一方に設けられた内周溝と、
当該内周溝に装着された第2弾性部材と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の被加工物保持装置。
【請求項3】
前記外周溝と前記内周溝との位置が前記主軸方向で異なっている
ことを特徴とする請求項2に記載の被加工物保持装置。
【請求項4】
前記キャップ部材は、前記内周溝及び前記外周溝よりも前記底部に近接する側の前記筒部に検査窓を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被加工物保持装置。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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