説明

被包装物充填装置及び方法

【課題】被包装物の性状の変化に応じて重量式制御とパルス式制御を切り替え、効率の良い被包装物の充填装置及び充填方法を提供する。
【解決手段】回転テーブル13に複数組のグリッパ15を備えた間欠移送式縦型袋詰め包装機。第1充填ステーションVには第1オーガ式充填装置を、計量ステーションVIにはチャックと計量器とを備えた第1掴み替え計量装置を、第2充填ステーションVIIには第2オーガ式充填装置と第2掴み替え計量装置とを配置する。第1掴み替え計量装置の計量値が第1閾値以上である場合、第2オーガ式充填装置と第2掴み替え計量装置とを非作動状態に維持し、第1閾値未満で、第1閾値より小さい第2閾値以上である場合、第2掴み替え計量装置を非作動とし、第2オーガ式充填装置で不足パルス数分だけ被包装物を補充し、第2閾値未満である場合に、第2掴み替え計量装置で袋の掴み替えをして計量しながら第2オーガ式充填装置で補充する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は包装容器を挿入口を上にして間欠移送しながら被包装物を包装する自動包装に使用する被包装物充填装置及び方法に関する。さらに詳細に言えば、充填装置として所謂オーガ式充填装置を使用する被包装物充填装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来袋を袋口側を上側にして間欠移送しながら各処理ステーションで被包装物の充填、袋口のシールなど各種の処理を施して包装する自動包装機が使用されている。例えば、袋の両側縁部を把持装置により把持し、それを間欠移送する間欠移送式縦型袋詰め包装機がある。そして、被包装物が粉状物、粒状物、あるいは粘性を有するものを充填するために使用される充填装置として所謂オーガ式充填装置がある。
【0003】
オーガ式充填装置は、被包装物を貯留するホッパ内にオーガスクリューを配置し、このオーガスクリューを回転させることによりホッパの下端に設けた吐出口から被包装物を吐出し、下方に配置した袋内へ充填する構成を備えている。そして、オーガスクリューを回転させるものとしてサーボモータを使用し、スクリューの回転量すなわち駆動源であるサーボモータの回転角度(パルス数)を所定の値に設定することにより所定量の充填を行うものである。
【0004】
しかしこのようなオーガ式充填装置では、ホッパ内に貯留された被包装物の湿気などに影響される見掛け比重の変化、ホッパ内の貯留量に影響される嵩密度の変化、さらには粘性を有する被包装物の場合のその粘性の変化など、被包装物の性状の変化に伴う充填量の変化に対応できず、充填量がばらつくという問題があった。
【0005】
このような問題に対応するものとして、特公平6−29043号公報に開示されたグロス計量包装方法では、第1段階で大出しホッパで充填し、第2段階で計量装置のグリッパで袋を掴み替え、小出しホッパで充填しながら計量し、所定量充填されたことを検知して充填を停止するようにしている。
【0006】
また、特開平11−314602号公報に開示された計量充填包装方法及び装置では、充填位置で計量用クランプで袋を掴み替え、サーボモータで容積型ポンプ(オーガスクリューに代替可能としている)を駆動して充填しながら計量し、所定量に達したら充填を停止する。そして袋がコンベアで移動する途中で重量チェッカーで計量し、その結果をフィードバックしてサーボモータの回転量を制御するようにしている。
【0007】
また、特許第3559483号公報に開示された定量充填方法では、充填ステーションでグリッパベースごとテーブルから持ち上げ、総重量を検出してゼロ点調整し、充填を開始して大出し投入に続けて小出し投入を行いながら計量し、その計量値に基づく信号を被包装物供給手段にリアルタイムで出力し、被包装物供給手段の制御部がスクリューを減速し、排出ゲートを徐々に絞り込むようにフィードバック制御している。
【0008】
上記特許文献に記載された技術では充填量の精度は向上する。しかし、充填工程において袋の掴み替えを行う関係で充填工程に要する時間が長くなり(全工程について同じ)、その結果生産性が低下する。これに対応する方法として、オーガ式充填を行った後に次の工程で掴み替え計量を行い、その結果をフィードバックしてスクリューの回転角度を補正する構成とし、充填工程では充填のみを行い、掴み替えは計量工程で行うようにすることが考えられる。
【0009】
しかしながら、前述の通り充填量が変化する原因としてはさまざまなものがあり、同じ量の充填量の過不足が生じても、その過不足を補正するための補正量はその原因によって異なるため、補正量を正確に得ることができない。従って生産性は向上できても充填量精度の低下は避けられない。特に包装機の運転開始直後は被包装物の見掛け比重や粘性などの性状が前日の生産終了時のときとは異なっていて、サーボモータの発するパルス数とそれに対応する実際の充填量との関係が変化してしまっている場合が多い。その結果充填精度が悪化して、充填量の過不足による不良品が多く発生し、それが落ち着くまでには時間がかかるために生産性も低下する可能性がある。一般的に充填精度向上と生産性向上とは相反するものと考えられ、充填精度の向上を図れば生産性が低下し、生産性の向上を図れば充填精度が低下すると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公平6−29043号公報
【特許文献2】特開平11−314602号公報
【特許文献3】特許第3559483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、充填精度の向上と生産性の向上とのバランスを図り、従来に比して効率の良い被包装物の充填が行える被包装物の充填装置及び方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本願の第1の発明に係る間欠移送式縦型袋詰め包装機における被包装物充填装置は、
間欠移動する搬送装置と、
該搬送装置に所定の間隔で設けられた、包装袋を把持する複数の把持装置と、
搬送装置の移動軌跡に沿って設定された第1充填ステーションに設けられ、サーボモータにより駆動されるオーガスクリューを備えた第1オーガ式充填装置と、
第1充填ステーションの下流側の次のステーションに設定された計量ステーションに設けられ、包装袋を保持可能な第1保持部材と、該第1保持部材が連結され、第1保持部材により保持された包装袋の重量を計量する第1計量器とを備えた第1掴み替え計量装置と、
計量ステーションの下流側の次のステーションに設定された第2充填ステーションに設けられ、サーボモータにより駆動されるオーガスクリューを備えた第2オーガ式充填装置と、
第2充填ステーションに設けられ、包装袋を保持可能な第2保持部材と、該第2保持部材が連結され、第2保持部材により保持された包装袋の重量を計量する第2計量器とを備えた第2掴み替え計量装置と、
制御装置とで構成される。
そしてその制御装置は以下のように制御する。
すなわち、第1充填ステーションにおいて第1オーガ充填装置のサーボモータが基準パルスに達した時点で第1オーガ式充填装置による充填を終了し、第2充填ステーションで実施される被包装物の補充運転モードとして、第1掴み替え計量装置の計量値が予め定められた許容範囲内である場合、その許容範囲の下限値である第1閾値未満で第1閾値より小さい予め定められた第2閾値以上である場合、第2閾値未満である場合に、それぞれ通常運転モード、パルス計測式補充運転モード、掴み替え計量式補充運転モードを選択して実施する。そして、掴み替え計量式補充運転モードを実施するときの搬送装置の間欠停止時間が、通常運転モード或いはパルス計測式補充運転モードを実施するときの間欠停止時間より長くなるように制御し、通常運転モードにおいては、第2オーガ式充填装置と第2掴み替え計量装置とを共に非作動状態に維持して被包装物の補充を行わず、パルス計測式補充運転モードでは、第2掴み替え計量装置を非作動状態に維持し、第1掴み替え計量装置による計量値から充填不足量を算出し、該不足量をパルス数に変換し、第2オーガ式充填装置を作動させ、該第2オーガ式充填装置のサーボモータがその算出されたパルス数に達した時点で第2オーガ式充填装置による補充充填を終了し、掴み替え計量式補充運転モードでは、第2オーガ式充填装置と第2掴み替え計量装置を作動させ、第2保持部材で包装袋を掴み替えて保持し、第2計量器による計量値が目標充填量に達した時点で第2オーガ式充填装置による充填を終了させる。
上記課題を解決するために本願の第2の発明に係る間欠移送式縦型袋詰め包装機における被包装物充填装置は、
間欠移動する搬送装置と、
該搬送装置に所定の間隔で設けられた、包装袋を把持する複数の把持装置と、
搬送装置の移動軌跡に沿って設定された第1充填ステーションに設けられ、サーボモータにより駆動されるオーガスクリューを備えた第1オーガ式充填装置と、
第1充填ステーションの下流側の次のステーションに設定された計量ステーションに設けられ、包装袋を保持可能な第1保持部材と、該第1保持部材が連結され、第1保持部材により保持された包装袋の重量を計量する第1計量器とを備えた第1掴み替え計量装置と、
計量ステーションの下流側の次のステーションに設定された第2充填ステーションに設けられ、サーボモータにより駆動されるオーガスクリューを備えた第2オーガ式充填装置と、
第2充填ステーションに設けられ、包装袋を保持可能な第2保持部材と、該第2保持部材が連結され、第2保持部材により保持された包装袋の重量を計量する第2計量器とを備えた第2掴み替え計量装置と、
制御装置とで構成される。
そしてその制御装置は以下のように制御する。
すなわち、第1充填ステーションにおいて第1オーガ充填装置のサーボモータが基準パルスに達した時点で前記第1オーガ式充填装置による充填を終了し、第2充填ステーションで実施される補充運転モードとして、第1掴み替え計量装置の計量値が予め定めた許容範囲内である場合、その許容範囲の下限値である第1閾値未満である場合、それぞれパルス計測式補充運転モード、掴み替え計量式補充運転モードを選択して実施し、掴み替え計量式補充運転モードを実施するときの搬送装置の間欠停止時間が、パルス計測式補充運転モードを実施するときの間欠停止時間より長くなるように制御し、
パルス計測式補充運転モードでは、第2掴み替え計量装置を非作動状態に維持し、第1掴み替え計量装置による計量値から充填不足量を算出し、該不足量をパルス数に変換し、第2オーガ式充填装置を作動させ、該第2オーガ式充填装置のサーボモータがその算出されたパルス数に達した時点で第2オーガ式充填装置による充填を終了し、掴み替え計量式補充運転モードでは、第2オーガ式充填装置と第2掴み替え計量装置を作動させ、第2保持部材で包装袋を掴み替えて保持し、第2計量器による計量値が目標充填量に達した時点で第2オーガ式充填装置による充填を終了させる。
本願第3の発明は、包装用容器をその挿入口を上側にして間欠移送しながら所定のステーションに順次停止させ、被包装物の各種包装処理を行う自動包装に使用する被包装物充填方法である。そしてこの方法においては、
包装容器を第1充填ステーションに停止させ、
該第1充填ステーションに停止している間に、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動して基準パルス数分だけ被包装物を前記包装容器に充填し、
包装容器を計量ステーションに移動して停止させ、
計量ステーションに停止中に前記包装容器の重量を計量し、
包装容器を第2充填ステーションへ移動して停止させ、
第2充填ステーションに停止中に、計量ステーションで得られた計量値に応じて複数の補充運転モードから選択された1つの補充運転モードを実施して、必要に応じて目標充填量に達するまで包装容器へ被包装物の補充を行い、
上記複数の補充運転モードのうちの特定の運転モードを実施するときには、他の運転モードを実施するときより、包装容器のステーションにおける停止時間を長くする、
工程が実施される。
本願第4の発明も、包装用容器をその挿入口を上側にして間欠移送しながら順次所定のステーションに停止させ、被包装物の各種包装処理を行う自動包装における被包装物充填方法を提供する。そしてこの方法においては、
包装容器を第1充填ステーションに停止させ、
該第1充填ステーションに停止している間に、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動して目標充填量に相応する基準パルス数分だけ被包装物を前記包装容器に充填し、
包装容器を計量ステーションに移動して停止させ、
計量ステーションに停止中に前記包装容器の重量を計量し、
包装容器を第2充填ステーションへ移動して停止させ、
第2充填ステーションに停止中に、計量ステーションで得られた計量値が、予め定められた許容範囲内である場合、その許容範囲の下限値である小さい第1閾値未満で、該第1閾値より小さい予め定められた第2閾値以上である場合、第2閾値未満である場合に、それぞれ通常運転モード、パルス計測式補充運転モード、重量計量式運転モードを選択して実施し、
通常運転モードでは、被包装物の前記包装容器への補充は行わず、パルス計測式補充運転モードでは、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動し、上記計量ステーションでの計量値から得られた不足量に対応する不足パルス数分だけ被包装物を補充し、重量計量式補充運転モードでは、計量器で計量しながら目標充填量に達するまで充填し、
上記重量計量式補充運転モードを実施するときは、通常運転モード、パルス計測式補充運転モードを実施するときより、包装容器のステーションにおける停止時間を長くする、
工程が実施される。
本願第5の発明も、包装用容器をその挿入口を上側にして間欠移送しながら順次所定にステーションに停止させ、被包装物の各種包装処理を行う自動包装における被包装物充填方法を提供する。その方法においては、
包装容器を第1充填ステーションに停止させ、
該第1充填ステーションに停止している間に、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動して目標充填量のうちの所定の分量に相応する基準パルス数分だけ被包装物を包装容器に充填し、
包装容器を計量ステーションに移動して停止させ、
計量ステーションに停止中に前記包装容器の重量を計量し、
包装容器を第2充填ステーションへ移動して停止させ、
第2充填ステーションに停止中に、計量ステーションで得られた計量値が、予め定められた許容範囲内である場合、その許容範囲の下限値である第1閾値未満である場合、それぞれパルス計測式補充運転モード、重量計量式補充運転モードを選択して実施し、
上記パルス計測式補充運転モードでは、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動し、っ計量ステーションでの計量値から得られた不足量に対応する不足パルス数分だけ被包装物を補充し、重量計量式補充運転モードでは、計量器で計量しながら目標充填量に達するまで充填し、
上記掴み替え計量式補充運転モードを実施するときは、パルス計測式補充運転モードを実施するときより、包装容器のステーションにおける停止時間を長くする、
工程が実施される。
【発明の効果】
【0013】
本願第1、第4の発明によれば、被包装物の見掛け比重、嵩密度、性状等が安定しているときは、1回のパルス計測式充填により高い生産性を維持する一方、被包装物の見掛け比重、嵩密度、性状等がやや不安定な場合にはパルス計測式充填を2回に分けて行うため、充填精度の低下を招くことなく高い生産性を維持できる。また、被包装物の見掛け比重、嵩密度、性状等がきわめて不安定な場合には、2回目の充填を掴み替え計量式で行うため、生産性はやや低下するものの、充填精度を確実に維持できる。このように、被包装物の見掛け重量、嵩密度、性状等の安定度合いに応じて運転モードを切り換えるため、充填精度と生産性のバランスを取りながら、効率の良い充填が可能になる。
また本願第2、第5の発明によれば、被包装物の見掛け比重、嵩密度、性状等が安定しているときにはパルス計測式充填を2回に分けて行い、高い生産性を維持する一方、被包装物の見掛け比重、嵩密度、性状等が不安定なときには、2回目の充填を掴み替え計量式で行うため、生産性はやや低下するものの、充填精度を確実に維持できる。このように、被包装物の見掛け重量、嵩密度、性状等の安定度合いに応じて運転モードを切り換えるため、充填精度と生産性のバランスを取りながら、効率の良い充填が可能になる。
また、本願第3の発明によれば、計量ステーションでの計量値に応じて第2充填ステーションで実施する補充方法として最適な方法を選択実施し、選択された補充方法によっては必要に応じて包装容器の充填ステーションにおける停止時間を長くし、全体として、充填精度と生産性のバランスを取りながら、効率の良い充填が可能になる
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本願の実施の形態に係る被包装物充填装置を使用した間欠移送式縦型袋詰め包装機の全体構成を示す模式的斜視図である。
【図2】第1充填ステーションでの第1オーガ式充填装置による充填状態を示す斜視図である。
【図3】計量ステーションで第1掴み替え計量装置で袋を掴み替えて、計量している状態を示す斜視図である。
【図4】第2充填ステーションでパルス計測式補充運転を実施している状態を示す斜視図である。
【図5】第2充填ステーションで掴み替え計量式補充運転を実施している状態を示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態に係るフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係るフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面を参照して本願発明の実施の形態に係る被包装物充填装置(以下、「充填装置」という。)について説明する。
【0016】
図1は本願発明の実施の形態に係る充填装置11を使用した間欠移送式縦型袋詰め包装機(以下「包装機」という。)1の全体構成を示す模式的斜視図である。なお、後述するとおり本願においては2つの実施の形態について述べるが、制御方法は異なるものの、いずれの場合も充填装置11の構成は同じである。符号13は図中の矢印方向に回転する回転テーブルであり、図示しないインデックスユニット及びモータに連結され、モータの回転角に応じて移動と停止を間欠的に繰返すようにインデックスユニットで決められている。従ってモータの回転速度が変化するとその移動速度と停止時間は変わるが、移動、停止のタイミングとモータの回転角度との対応関係に変化は生じない。なお、本実施の形態では包装袋Bの移動軌跡は円であるが、これに限定されるものではなく、移動軌跡は直線、長円等に形成されても良い。
【0017】
回転テーブル13には円周方向所定の間隔で、包装袋(以下「袋」という。)Bの上部両側縁部を把持する把持装置すなわち左右のグリッパ15が取付けられている。回転テーブル13の周囲に沿って付されたアラビア数字は回転テーブル13の周囲に沿って設定された各種包装処理を行うためのステーションを示し、ステーションIではコンベア式マガジン2から袋Bが順次グリッパ15に供給され、グリッパ15によって上部両側縁部を把持され、垂直状態に保持される。ステーションIIでは印字器3により袋Bに製造日等が印刷され、ステーションIIIでは印字検査器4で印字の検査が行われる。ステーションIVでは袋Bを挟んで対向配置された一対の吸盤5を用いて袋Bの袋口を開くようになっている。ステーションVは被包装物を充填する第1充填ステーションであり、ステーションVIは袋ごと重量を計量する計量ステーションであり、これらについては後で詳述する。ステーションVIIは第2充填ステーションであり、これについても後で詳述する。
【0018】
ステーションVIIIは清掃工程であり、ノズル6から清浄な空気を噴射して袋口のシール予定部の清掃を行うと共に、袋底をタッピング部材でタッピングして、充填された被包装物が袋底側へ堆積するのを助長する。ステーションIXでは一対の熱板8を用いて袋口のシールを行い、ステーションXでは一対の冷却板9を用いてシール部を冷却し、その後でグリッパ15を開いて充填済みの袋Bを製品排出シュート10へと排出する。なお符合Cは、後述する充填装置11を含んでこの包装機1全体を制御する制御装置である。
【0019】
図2は第1充填ステーションであるステーションVでの被包装物の充填状態を示す図で、テーブル13は停止している。符合17はこのステーションVに設置された第1オーガ式充填装置である。第1オーガ式充填装置17としては、背景技術において説明した従来用いられているタイプのものを使用できる。符号19はホッパであり、下側部分は円筒形に形成され、下端に吐出口を備えている。ホッパ19内には図示しないサーボモータにより駆動されるオーガスクリュー21が配置され、回転することによりホッパ19内に貯留された被包装物(図示せず)をその回転した角度に応じた量だけ吐出口から吐出するようになっている。符号23は集塵フードであり、フランジ部24においてホッパ19に取り付けられ、排出口25を介して図示しない吸引源に接続されている。そしてその下端の吸引口26はグリッパ15により保持された袋Bの袋口近くに位置している。このステーションVでは後述するとおり、後工程で実施される第2充填ステーションでの充填より多量の被包装物が充填されるが、被包装物が例えば粉体などの場合には充填された被包装物が僅かではあるが上方へ舞い上がる可能性がある。その場合その舞い上がる被包装物が袋Bのシール予定部に付着すると、後工程で行われる袋口のシールに悪影響を及ぼす可能性があるので、集塵フード23を用いてその舞い上がる被包装物を吸引排除してそれを未然に防止するものである。符合27は昇降可能なガイドホッパであり、ホッパ19の下端吐出口から放出される被包装物が確実に袋B内に充填されるようにガイドするものであり、充填開始前に下降してその下端が袋口内へ進入し、充填終了後に抜き出されるようになっている。このガイドホッパ27も、このステーションVでの被包装物の充填量が多く、ホッパ19の吐出口も比較的に太くなっているところから設けられたものである。
【0020】
図3は計量ステーションであるステーションVIに配置された第1掴み替え計量装置31によりステーションVで被包装物を充填された袋Bを計量している状態を示している。テーブル13は停止している。第1掴み替え計量装置31は立設された支柱32を備え、この支柱32にはスライド部材33が適宜手段で昇降自在に取り付けられている。そして昇降部材33の自由端側には計量器34が取り付けられ、計量器34には袋Bの両側縁部上端部付近を挟持可能な一対のチャック35が取り付けられている。図は、昇降部材33が下降端位置に下降し、袋Bがグリッパ15からチャック35へ掴み替えられ、計量器34により計量されている状態を示している。
【0021】
図4及び図5は、第2充填ステーションであるステーションVIIに配置された第2オーガ式充填装置41と第2掴み替え計量装置51とを示しており、図4は後述するパルス計測式補充運転を行っている状態を示し、図5は掴み替え計量式補充運転を行っている状態を示している。第2オーガ式充填装置41は前述の第1オーガ式充填装置17と同様に、ホッパ43とオーガスクリュー45とを備えている。後述するようにこのステーションVIIで補充される被包装物の量はステーションVで充填される量よりはるかに少ないので、第2オーガ式充填装置41は第1オーガ式充填装置17より全体的に小型のものが使用されている。なお、第1オーガ式充填装置17に付随して設けられている集塵フード23とガイドホッパ27に相当するものは使用されていない。
【0022】
第2掴み替え計量装置51も第1掴み替え計量装置31と同様の構成からなり、支柱52と、昇降部材53と、計量器54と、一対のチャック55とを備えている。これらの詳細な説明は省略する。図4はパルス計測式補充運転の状態を示しており、袋Bはグリッパ15により保持されて、オーガスクリュー45は所定のパルス数だけ図示しないサーボモータにより回転させられて被包装物の補充を行うようになっている。第2掴み替え計量装置51は非作動である。一方図5は掴み替え計量式補充運転の状態を示しており、袋Bはグリッパ15からチャック55へ掴み替えられ、計量器54による計測値が所定の値に達するまでオーガスクリュー45が回転して被包装物の補充を行うようになっている。前述したとおり、以下に説明する第1の実施の形態と第2の実施の形態とで同じ構成の充填装置11が使用されるが、その制御方法が異なる。先ず第1の実施の形態について、図6のフローチャートを参照しながら説明するが、その説明の前に以下の説明において使用される用語について説明する。
【0023】
(1)目標充填量とは、袋Bに充填する被包装物の全量の目標値である。
(2)基準パルス数とは、目標充填量を充填するのに必要な角度だけ第1オーガ式充填装置17のサーボモータが回転する間にサーボモータから発せられるパルス数である。この基準パルス数は後述の通り包装機1の運転中に必要に応じて補正される。
(3)実パルス数とは、オーガ式充填装置で充填中にサーボモータから発せられるパルス数で、カウンタにより計数される。
(4)許容充填範囲とは予め定められた上下の閾値の間の範囲であり、袋Bへ充填された実際の被包装物の重量がこの範囲内にあれば製品として合格、入らなければ不合格とされる。
(4)許容充填範囲下限値とは、上記許容充填範囲の下限側の値であり、第1閾値として使用される。
(5)第2閾値とは、第1閾値より小さい予め定められた値である。
以下、順を追って説明する。
【0024】
包装機1の起動スイッチが入れられると、図6のステップS1(以下では(ステップ)の語を省略する。)で制御がスタートする。袋口を開かれた袋BがステーションVに到達して停止する。この時前述のとおり、ガイドホッパ27が下降し、集塵フード23内に吸引が作用する。S2で第1オーガ式充填装置17による充填の開始指令が出され、充填が開始されると共に、サーボモータの発するパルスが実パルス数としてカウンタにより計数される(S3)。S4において実パル数と基準パルス数とが比較され、判定がNOであればS3にもどり、YESであればS5に進んで第1オーガ式充填の停止指令が出される。ここでガイドホッパ27は上昇し、集塵フード23内への吸引作用が停止する。次いでテーブル13が回転して袋BはステーションVIに移送されて停止する。
【0025】
次いでS6で第1掴み替え指令が出され、第1掴み替え計量装置31の昇降部材33が上昇端位置から下降端位置へ下降して停止し、グリッパ15によって保持されている袋Bはチャック35により掴み替えられる。次いでS7で重量チェック指令が出されて計量器34による袋Bの計量が行われる。そしてS8でその計量値と目標充填量との比較が行われ、判定がYESであればS9へ進んで第1掴み戻し指令が出され、袋Bはチャック35からグリッパ15へ掴み替えられ、制御はS2へ戻る。ステーションVIの袋はステーションVIIへ送られる。
【0026】
S8での判定がNOの場合S10へ進み、ここで基準パルス数の補正指令が出される。すなわち、S8で計量値と目標充填量が比較されてそれらが異なる場合、両者の差が算出され、その差分だけの被包装物を第1オーガ式充填装置17で充填する際のサーボモータのパルス数が計算され、その算出されたパルス数を前の基準パルス数に加算或いは減算して基準パルス数を補正する。次いでS11で先の計量値が許容充填範囲内にあるかどうかの判定が行われる。判定がYESであればS12で第1掴み戻し指令が出され、袋Bはチャック35からグリッパ15へ掴み戻される。そして制御はS2に戻る。一方判定がNOである場合はS13に進み、そこで計量値が第1閾値である許容充填範囲の下限値との比較が行われる。判定がYESの場合は袋Bに充填された被包装物の量が許容充填範囲の上限値を超えていることを意味するので、S14に進んで第1掴み戻し指令が出され、袋Bはチャック35からグリッパ15に掴み戻される。そしてS15で充填量過多不良信号が出され、制御はS2へ戻る。その袋は後工程において不良品として排出される。
【0027】
S13での判定がNOの場合、S16へ進んで第2閾値との比較が行われる。前述のとおり第2閾値は第1閾値より小さい、予め定められた値である。判定がYESの場合、被包装物の補充モードとしてパルス計測式補充運転モードが選択されることとなり、S17へ進んで被包装物の充填量の不足量が算出され、その不足量分だけ第2オーガ式充填装置41で充填する際に、そのサーボモータが発することとなるパルス数(不足パルス数)に変換される。次いでS18で第1掴み戻し指令が出されて袋Bは第1計量装置31のチャック35からグリッパ15へ掴み戻される。ここで袋Bは次の工程、すなわちステーションVIIへ送られる。
【0028】
次いでS19で第2オーガ式充填開始指令が出され、グリッパ15により保持された袋Bへ第2オーガ式充填装置41による被包装物の補充が開始される。S20でその補充を行っている際の第2オーガ式充填装置41のサーボモータのパルス数すなわち実パルス数がカウントされ、S21でそのカウントされた実パルス数と先に求められた不足パルス数との比較が行われ、判定がNOであればS20へ戻り、YESであればS22へ進んで第2オーガ式充填停止指令が出され、第2オーガ式充填装置41による充填が停止され、次いでS2へ戻る。
【0029】
一方S16で判定がNOであった場合、掴み替え計量式補充運転モードが選択されることとなり、先ずS23で第1掴み戻し指令が出されて袋Bは第1計量装置31のチャック35からグリッパ15へ掴み戻される。ここで袋Bは次の工程、ステーションVIIへ送られる。そしてS24で第2掴み替え指令が出され、第2計量装置51の昇降部材53が上昇端位置から下降端位置へ下降して停止し、袋Bはグリッパ15から第2計量装置51のチャック55へ掴み替えられる。ここでテーブル駆動停止指令がS25で出される。この指令は、テーブル13を回転させているモータ(図示せず)そのものを停止させるものであり、この停止指令により、この掴み替え計量式補充運転モードを実施する際にはテーブル13の停止時間がインデックスユニットで決められた停止時間より長くなる。すなわち、テーブル13の通常の停止時間は、前述のパルス計測式補充運転モードを実施する際に、袋Bの掴み替えを行わず、グリッパ15で袋Bを保持したまま充填するのに必要な時間となるようにインデックスユニットが選定されている。そして掴み替え計量式補充運転を行う場合には第2掴み替え計量装置51による掴み替えを行うため、それに要する分だけ長くテーブル13を停止させておく必要があり、その為に本実施の形態ではテーブル13を回転させているモータを停止させるようにしている。勿論、掴み替え計量式補充運転を行う場合にパルス計測式補充充填運転を行う場合よりテーブル13の停止時間が長くなるように、モータ速度を制御しても良い。
【0030】
次いで制御はS26へ進み、第2オーガ式充填開始指令が出され、第2オーガ式充填装置41による充填を開始する。それと同時にS27で充填時間計測開始指令が出され、充填時間の計測を開始する。S28で重量チェック指令が出されて第2計量装置51の計量器54により袋Bの計量が行われる。そしてS29でその計量値と目標充填量との比較判定が行われ、判定がYESである場合にはS30へ進み、第2オーガ式充填停止指令が出されて第2オーガ式充填装置41が停止され、同時にS31で充填時間リセット指令が出され、計測していた充填時間がリセットされる。次いでS32でテーブル駆動再起動指令が出され、テーブル13を回転させるモータが再起動される。そしてS33で第2掴み戻し指令が出されて袋Bは第2掴み替え計量装置51のチャック55からグリッパ15へ掴み戻される。そして制御はS2へ戻る。
【0031】
一方S29で判定がNOであった場合はS34へ進み、計測されている充填時間が予め定められた許容時間と比較される。許容時間より短いときはS28へ戻る。判定がNO、すなわち充填時間が許容時間より長くなっている場合はS35で異常信号出力指令が出され、ブザーなど警報が発せられる。すなわち、充填時間が許容時間より長く掛かっているということは、第2オーガ式充填装置41のホッパ43内が空になっているなどの異常を示しているので、包装機1を停止して点検を行うようにするものである。そしてS36で充填時間がリセットされる。
【0032】
次に図7を参照して第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態では使用されなかった「基準充填量」という用語が使用される。この基準充填量としては、目標充填量の例えば90%の重量が採用される。そして、「基準パルス数」という用語は、第1の実施の形態の場合とは異なり、この第2の実施の形態では基準充填量を充填するのに必要な角度だけ第1オーガ式充填装置17のサーボモータが回転する間にサーボモータから発せられるパルス数として使用される。この場合の基準パルス数も後述の通り包装機1の運転中に必要に応じて補正される。上記からわかるとおり、前述の第1の実施の形態では、被包装物の状態が安定しているときには1回のパルス計測式充填で目標充填量を充填し、不安定な場合に掴み替え計量式充填或いは2回目のパルス計測式充填を追加的に実施して不足分を補充するのであるが、この第2の実施の形態では、最初から2回に分けて充填するものであり、その2回目の充填モードとして被包装物の状態に応じてパルス計測式充填或いは掴み替え計量式充填を選択するものである。以下、説明する。
【0033】
包装機1の起動スイッチが入れられると、図7のS1で制御がスタートする。袋口を開かれた袋BがステーションVに到達して停止すると、S2で第1オーガ式充填装置17による充填の開始指令が出され、充填が開始されると共に、サーボモータの発するパルスが実パルス数としてカウンタにより計数される(S3)。S4において実パルス数と基準パルス数とが比較され、判定がNOであればS3にもどり、YESであればS5に進んで第1オーガ式充填の停止指令が出される。ここでテーブル13が回転して袋BはステーションVIに移送されて停止する。なお、集塵フード23とガイドホッパ27とは第1の実施の形態の場合と同様に作動する。
【0034】
次いでS6で第1掴み替え指令が出され、第1掴み替え計量装置31の昇降部材33が上昇端位置から下降端位置へ下降して停止し、グリッパ15によって保持されている袋Bはチャック35により掴み替えられる。次いでS7で重量チェック指令が出されて計量器34による袋Bの計量が行われる。そしてS8でその計量値と基準充填量との比較が行われ、判定がYESであればS9へ進み、ここで目標充填量と計量された実際の充填量とから不足量が算出され、その不足量がパルス数(不足パルス数)に変換される。すなわち、その不足量を第2オーガ式充填装置41で充填する際にサーボモータから発せられるパルス数に変換する。そしてS10で第1掴み戻し指令が出され、袋Bはチャック35からグリッパ15へ掴み替えられる。そしてステーションVIの袋はステーションVIIへ送られる。次にS11で第2オーガ式充填開始指令が出され、第2オーガ式充填装置41による被包装物の補充が開始され、その際に発せられるパルスを実パルスとしてS12でカウントする。S13で実パルス数とS9で得られた不足パルス数との比較が行われ、判定がNOならS12へ戻る。一方判定がYESであればS14で第2オーガ式充填停止指令が出され、第2オーガ式充填装置41による補充充填が停止され、S2へ戻る。
【0035】
S8での判定がNOの場合はS15へ進み、ここで基準パルス数の補正指令が出される。すなわち、S8で計量値と基準充填量が比較されてそれらが異なる場合、両者の差が算出され、その差分だけの被包装物を第1オーガ式充填装置17で充填する際のサーボモータのパルス数が計算され、その算出されたパルス数を前の基準パルス数に加算或いは減算して基準パルス数を補正する。次いでS16で先の計量値が基準充填量の許容充填範囲内にあるかどうかの判定が行われる。判定がYESであればS9へ進み、以下先に説明した順に制御が進められる。
【0036】
一方判定がNOである場合はS17に進み、そこで計量値が許容充填範囲の下限値との比較が行われる。判定がYESの場合は袋Bに充填された被包装物の量が基準充填量の許容される充填範囲の上限値を超えていることを意味するので、S18に進んで第1掴み戻し指令が出され、袋Bはチャック35からグリッパ15に掴み戻される。そしてS19で充填量過多不良信号が出され、制御はS2へ戻る。その袋は後工程において不良品として排出される。
【0037】
S17での判定がNOの場合、S20へ進み、そこで第1掴み戻し指令が出されて袋Bは第1計量装置31のチャック35からグリッパ15へ掴み戻される。ここで袋Bは次の工程、すなわちステーションVIIへ送られる。次いでS21で第2掴み替え指令が出され、第2計量装置51の昇降部材53が上昇端位置から下降端位置へ下降して停止し、袋Bはグリッパ15から第2計量装置51のチャック55へ掴み替えられる。ここでテーブル駆動停止指令がS22で出される。この指令は第1の実施の形態のS23で出される指令と同様の指令であり、テーブル13を回転させているモータ(図示せず)そのものを停止させるものである。そしてこの第2の実施の形態では、テーブル13の通常の停止時間としては、前述のS11〜S14で実施される、第2掴み替え計量装置51による袋Bの掴み替えを行わずにグリッパ15で袋Bを保持したまま充填する際に必要な時間となるようにインデックスユニットが選定されている。しかし、S21以下で実施される補充では、前述のとおりS21で第2計量装置51のチャック55による袋Bの掴み替えが行われるので、その分、S11〜S14のステップを実施する場合より、テーブル13の停止時間を長くする必要があり、このためにテーブル13を回転させているモータを停止させるようにしている。勿論、第1の実施の形態に関連して説明したように、S21以降のステップを実施する場合にS11〜S14を実施する場合よりテーブル13の停止時間が長くなるように、モータの速度を制御しても良い。
【0038】
次いで制御はS23へ進み、第2オーガ式充填開始指令が出され、第2オーガ式充填装置41による充填を開始する。それと同時にS24で充填時間計測開始指令が出され、充填時間の計測を開始する。S25で重量チェック指令が出されて第2計量装置51の計量器54により袋Bの計量が行われる。そしてS26でその計量値と目標充填量との比較判定が行われ、判定がYESである場合にはS27へ進み、第2オーガ式充填停止指令が出されて第2オーガ式充填装置41が停止され、同時にS28で充填時間リセット指令が出され、計測していた充填時間がリセットされる。次いでS29でテーブル駆動再起動指令が出され、テーブル13を回転させるモータが再起動される。そしてS30で第2掴み戻し指令が出されて袋Bは第2掴み替え計量装置51のチャック55からグリッパ15へ掴み戻される。そして制御はS2へ戻る。
【0039】
一方S26で判定がNOであった場合、S31へ進み、計測されている充填時間が予め定められた許容時間と比較される。許容時間より短いときはS25へ戻る。判定がNO、すなわち充填時間が許容時間より長くなっている場合はS32で異常信号出力指令が出され、ブザーなど警報が発せられる。すなわち、充填時間が許容時間より長く掛かっているということは、第2オーガ式充填装置41のホッパ43内が空になっているなどの異常を示しているので、包装機1を停止して点検を行うようにするものである。そしてS33で充填時間がリセットされる。
【0040】
なお、上記のいずれの実施の形態においても、一般的には生産運転開始時には、被包装物の見掛け比重、嵩密度、性状等は前日の生産運転終了時に比して大きく変化している場合が多い。従って必然的に生産運転開始時には補充運転モードとして掴み替え計量式補充運転モードが選択されることとなる。その際に、最初の補充工程における充填時に、第2オーガ式充填装置41のサーボモータのパルス数を計測する一方、第2掴み替え計量装置51からの信号に基づいて補充工程で実際に充填される重量を計量し、計測されたパルス数と補充された重量値とから単位パルス当たりの充填量(以下、充填量/1パルス)を算出し、掴み替え計量式補充運転モードが選択されている間、補充工程における充填の都度、充填量/1パルスを算出してその値を更新するのが望ましい。なぜなら、その後において被包装物の見掛け重量、嵩密度、性状等が安定し、パルス計測式補充運転モードに移行した際に、不足量と充填量/1パルスの最新の値に基づいて不足パルス数を算出することができ、補充工程における充填精度を上げられるからである。充填量/1パルスは事前のテスト等に基づいて固定値として予め設定し、それに基づいて不足パルス数を算出することもできるが、上記のように構成すれば、充填量/1パルスの算出、更新が自動で行われることは勿論、パルス計測式補充運転モード時における充填精度をさらに向上できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠移送式縦型袋詰め包装機における被包装物充填装置において、
間欠移動する搬送装置と、
該搬送装置に所定の間隔で設けられた、包装袋を把持する複数の把持装置と、
前記搬送装置の移動軌跡に沿って設定された第1充填ステーションに設けられ、サーボモータにより駆動されるオーガスクリューを備えた第1オーガ式充填装置と、
前記第1充填ステーションの下流側の次のステーションに設定された計量ステーションに設けられ、前記包装袋を保持可能な第1保持部材と、該第1保持部材が連結され、前記第1保持部材により保持された包装袋の重量を計量する第1計量器とを備えた第1掴み替え計量装置と、
前記計量ステーションの下流側の次のステーションに設定された第2充填ステーションに設けられ、サーボモータにより駆動されるオーガスクリューを備えた第2オーガ式充填装置と、
前記第2充填ステーションに設けられ、前記包装袋を保持可能な第2保持部材と、該第2保持部材が連結され、前記第2保持部材により保持された包装袋の重量を計量する第2計量器とを備えた第2掴み替え計量装置と、
制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1充填ステーションにおいて前記第1オーガ充填装置のサーボモータが基準パルスに達した時点で前記第1オーガ式充填装置による充填を終了し、前記第2充填ステーションで実施される被包装物の補充運転モードとして、前記第1掴み替え計量装置の計量値が予め定められた許容範囲内である場合、前記許容範囲の下限値である第1閾値未満で前記第1閾値より小さい予め定められた第2閾値以上である場合、前記第2閾値未満である場合に、それぞれ通常運転モード、パルス計測式補充運転モード、掴み替え計量式補充運転モードを選択して実施し、前記掴み替え計量式補充運転モードを実施するときの前記搬送装置の間欠停止時間が、前記通常運転モード或いはパルス計測式補充運転モードを実施するときの間欠停止時間より長くなるように制御し、
前記通常運転モードにおいては、前記第2オーガ式充填装置と前記第2掴み替え計量装置とを共に非作動状態に維持して被包装物の補充を行わず、前記パルス計測式補充運転モードでは、前記第2掴み替え計量装置を非作動状態に維持し、前記第1掴み替え計量装置による計量値から充填不足量を算出し、該不足量をパルス数に変換し、前記第2オーガ式充填装置を作動させ、該第2オーガ式充填装置のサーボモータが前記算出されたパルス数に達した時点で前記第2オーガ式充填装置による補充充填を終了し、前記掴み替え計量式補充運転モードでは、前記第2オーガ式充填装置と前記第2掴み替え計量装置を作動させ、前記第2保持部材で前記包装袋を掴み替えて保持し、前記第2計量器による計量値が目標充填量に達した時点で前記第2オーガ式充填装置による充填を終了させる
ことを特徴とする、被包装物充填装置。
【請求項2】
間欠移送式縦型袋詰め包装機における被包装物充填装置において、
間欠移動する搬送装置と、
該搬送装置に所定の間隔で設けられた、包装袋を把持する複数の把持装置と、
前記搬送装置の移動軌跡に沿って設定された第1充填ステーションに設けられ、サーボモータにより駆動されるオーガスクリューを備えた第1オーガ式充填装置と、
前記第1充填ステーションの下流側の次のステーションに設定された計量ステーションに設けられ、前記包装袋を保持可能な第1保持部材と、該第1保持部材が連結され、前記第1保持部材により保持された包装袋の重量を計量する第1計量器とを備えた第1掴み替え計量装置と、
前記計量ステーションの下流側の次のステーションに設定された第2充填ステーションに設けられ、サーボモータにより駆動されるオーガスクリューを備えた第2オーガ式充填装置と、
前記第2充填ステーションに設けられ、前記包装袋を保持可能な第2保持部材と、該第2保持部材が連結され、前記第2保持部材により保持された包装袋の重量を計量する第2計量器とを備えた第2掴み替え計量装置と、
制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1充填ステーションにおいて前記第1オーガ充填装置のサーボモータが基準パルスに達した時点で前記第1オーガ式充填装置による充填を終了し、前記第2充填ステーションで実施される補充運転モードとして、前記第1掴み替え計量装置の計量値が予め定められた許容範囲内である場合、前記許容範囲の下限値である第1閾値未満である場合、それぞれパルス計測式補充運転モード、掴み替え計量式補充運転モードを選択して実施し、前記掴み替え計量式補充運転モードを実施するときの前記搬送装置の間欠停止時間が、前記パルス計測式補充運転モードを実施するときの間欠停止時間より長くなるように制御し、
前記パルス計測式補充運転モードでは、前記第2掴み替え計量装置を非作動状態に維持し、前記第1掴み替え計量装置による計量値から充填不足量を算出し、該不足量をパルス数に変換し、前記第2オーガ式充填装置を作動させ、該第2オーガ式充填装置のサーボモータが前記算出されたパルス数に達した時点で前記第2オーガ式充填装置による充填を終了し、前記掴み替え計量式補充運転モードでは、前記第2オーガ式充填装置と前記第2掴み替え計量装置を作動させ、前記第2保持装置で前記包装袋を掴み替えて保持し、前記第2計量器による計量値が目標充填量に達した時点で前記第2オーガ式充填装置による充填を終了させる
ことを特徴とする、被包装物充填装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の被包装物充填装置において、前記制御装置は、前記第1掴み替え計量装置による計量値に基づいて、前記第1オーガ式充填装置の基準パルス数を補正することを特徴とする、被包装物充填装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載の被包装物充填装置において、前記制御装置は、前記掴み替え計量式補充を実施する都度、補充される被包装物の重量と第2オーガ式充填装置のサーボモータのパルス数とを計測し、計測された重量とパルス数から1パルス当たりの重量を算出して前の1パルス当たり重量を更新し、前記パルス計測式補充運転モードにおいて前記不足量からパルス数を算出する際に、前記更新された最新の1パルス当たり重量に基づいてパルス数を算出することを特徴とする、被包装物充填装置。
【請求項5】
包装用容器をその挿入口を上側にして間欠移送しながら所定のステーションに順次停止させ、被包装物の各種包装処理を行う自動包装に使用する被包装物充填方法において、
包装容器を第1充填ステーションに停止させ、
該第1充填ステーションに停止している間に、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動して基準パルス数分だけ被包装物を前記包装容器に充填し、
前記包装容器を計量ステーションに移動して停止させ、
前記計量ステーションに停止中に前記包装容器の重量を計量し、
前記包装容器を第2充填ステーションへ移動して停止させ、
前記第2充填ステーションに停止中に、前記計量ステーションで得られた計量値に応じて複数の補充運転モードから選択された1つの補充運転モードを実施して、必要に応じて目標充填量に達するまで前記包装容器へ被包装物の補充を行い、
前記複数の補充運転モードのうちの特定の運転モードを実施するときには、他の運転モードを実施するときより、前記包装容器のステーションにおける停止時間を長くする、
ことを特徴とする、充填方法。
【請求項6】
包装用容器をその挿入口を上側にして間欠移送しながら順次所定のステーションに停止させ、被包装物の各種包装処理を行う自動包装における被包装物充填方法において、
包装容器を第1充填ステーションに停止させ、
該第1充填ステーションに停止している間に、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動して目標充填量に相応する基準パルス数分だけ被包装物を前記包装容器に充填し、
前記包装容器を計量ステーションに移動して停止させ、
前記計量ステーションに停止中に前記包装容器の重量を計量し、
前記包装容器を第2充填ステーションへ移動して停止させ、
前記第2充填ステーションに停止中に、前記計量ステーションで得られた計量値が、予め定められた許容範囲内である場合、前記許容範囲の下限値である小さい第1閾値未満で、該第1閾値より小さい予め定められた第2閾値以上である場合、前記第2閾値未満である場合に、それぞれ通常運転モード、パルス計測式補充運転モード、重量計量式運転モードを選択して実施し、
前記通常運転モードでは、被包装物の前記包装容器への補充は行わず、前記パルス計測式補充運転モードでは、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動し、前記計量値から得られた不足量に対応する不足パルス数分だけ被包装物を補充し、前記重量計量式補充運転モードでは、計量器で計量しながら目標充填量に達するまで充填し、
前記重量計量式補充運転モードを実施するときは、前記通常運転モード、パルス計測式補充運転モードを実施するときより、前記包装容器のステーションにおける停止時間を長くする、
ことを特徴とする、被包装物充填方法。
【請求項7】
包装用容器をその挿入口を上側にして間欠移送しながら順次所定にステーションに停止させ、被包装物の各種包装処理を行う自動包装における被包装物充填方法において、
包装容器を第1充填ステーションに停止させ、
該第1充填ステーションに停止している間に、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動して目標充填量のうちの所定の分量に相応する基準パルス数分だけ被包装物を前記包装容器に充填し、
前記包装容器を計量ステーションに移動して停止させ、
前記計量ステーションに停止中に前記包装容器の重量を計量し、
前記包装容器を第2充填ステーションへ移動して停止させ、
前記第2充填ステーションに停止中に、前記計量ステーションで得られた計量値が、予め定められた許容範囲内である場合、前記許容範囲の下限値である第1閾値未満である場合、それぞれパルス計測式補充運転モード、重量計量式補充運転モードを選択して実施し、
前記パルス計測式補充運転モードでは、サーボモータでオーガ式充填装置を駆動し、前記計量値から得られた不足量に対応する不足パルス数分だけ被包装物を補充し、前記重量計量式補充運転モードでは、計量器で計量しながら目標充填量に達するまで充填し、
前記重量計量式補充運転モードを実施するときは、パルス計測式補充運転モードを実施するときより、前記包装容器のステーションにおける停止時間を長くする、
ことを特徴とする、被包装物充填方法。
【請求項8】
請求項6または7記載の被包装物充填方法において、前記充填方法はさらに、前記ステーションで得られて計量値に基づいて、前記第1充填ステーションにおけるオーガ式充填装置の基準パルス数を補正することを特徴とする、被包装物充填方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1に記載の被包装物充填装置において、前記充填方法はさらに、前記重量計量式補充運転モードを実施する都度、前記第2充填ステーションにおけるオーガ式充填装置のサーボモータのパルス数と補充される被包装物の重量とを計測し、計測された重量とパルス数から1パルス当たりの重量を算出して前の1パルス当たり重量を更新し、前記パルス計測式補充運転モードにおいて前記不足量からパルス数を算出する際に、前記更新された最新の1パルス当たり重量に基づいてパルス数を算出することを特徴とする、被包装物充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−39929(P2013−39929A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176537(P2011−176537)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000222727)東洋自動機株式会社 (91)
【Fターム(参考)】