説明

装飾されたホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド及びそれを用いたゴルフクラブ

【課題】装飾を施すことによりゴルフクラブの強度を下げることなく、破損し難く、装飾効果が高く、容易且廉価に製造でき、煌びやかな光りを放つことによって著しく人の目を惹き、楽しんで使用できるゴルフクラブ及びそれに用いるホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする
【解決手段】ホゼル部41の表面の一部に、ホゼル部41の円周上に亘って凹部7を形成し、該凹部7に反射性立体的装飾部材6を固着したホゼル部41を備えるゴルフクラブヘッド4。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾を施したホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド及びそれを用いたゴルフクラブに関し、特に、その表面に反射性立体的装飾部材を固着したことを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド及びそれを用いたゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブヘッドのシャフトを接続する部分は、ホゼル部もしくはネック部とも言われ、一般的に円筒形の形状の内側にシャフトの先端を接続するための穴部が設けられている。
【0003】
このようにホゼル部は、ボールを打つ為のフェース部とシャフトの先端を接着固定するための部分であり、通常ヘッドと同一素材で一体成形されているが、従来からその外観には全く装飾が施されず、デザイン性や装飾性に欠けたものであった。
【0004】
ホゼル部に加工を施したものとしては、アドレス状態を判断するために、ホゼルのフェース側表面に複数本の標線をシャフト軸方向に対して任意の角度で、かつ周方向に間隔を空けて設け、該標線はホゼルに溝状に凹設、筋状に突設、塗料で描く、或いは凹設して得られた溝の内面に塗料を塗布して構成したものが開示されている(特許文献1参照。)。
【0005】
尚、フェルール(ソケットとも云う)に関しては、フェルールひいてはゴルフクラブの装飾効果を高めるために、合成樹脂製径小管部と合成樹脂製径大管部の間に金属箔等の金属色中間層を介装して一体化した装飾リングを、ソケット管の軸方向断面適宜箇所に固着して構成した装飾ソケット(特許文献2参照。)や、軸心方向に分割形成されたソケット本体の、分割された筒体間に金属製の装飾リングを設けたソケット(特許文献3参照。)が提案されている。
【0006】
【特許文献1】登録実用新案第3006951号公報
【特許文献2】実公昭55−21710号公報
【特許文献3】登録実用新案第3103748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載されているホゼルもアドレス状態を判断するという実用面を考慮して加工されたにすぎず、装飾が施されたとはいえず、華やかさや煌びやかさを全く有さず、やはりデザイン性や装飾性に欠けたものであった。
【0008】
同様に、上記特許文献2及び3に記載された、従来のフェルールそしてゴルフクラブは、一連のリング状の模様を設けた単純なデザインの物であり、やはり、意匠性や装飾性に欠け、煌びやかな光りを放つことがなく、人の目を惹きつけるほどのものではなく、デザイン性は低く、装飾効果も低いものであった。
【0009】
又、従来のフェルールは、分割されて装飾リングが介装されているので、強度的に弱く、フェルールの部分、ゴルフクラブが破損し易いといった欠点があった。又、多数の工程を経て成形され、製造工程が複雑で、コストが嵩むといった欠点もあった。
【0010】
特に、最近女性ゴルファーが増え、ウェアーやゴルフ用の小物等のゴルフ用品にお洒落な製品が多数提供され、お洒落の楽しみもあることに比べ、ゴルフクラブは機能性のみ追及され、装飾性に欠けると共に、楽しんで使用出来るものではなかった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、装飾を施すことによりゴルフクラブの強度を下げることなく、破損し難く、装飾効果が高く、容易且廉価に製造でき、煌びやかな光りを放つことによって著しく人の目を惹き、楽しんで使用できるゴルフクラブ及びそれに用いるホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための手段としての本発明は、ホゼル部の表面に反射性立体的装飾部材を固着したことを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドである。
【0013】
又、上記ホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドにおいて、前記ホゼル部の表面の一部に凹部を形成し、該凹部に前記前記反射性立体的装飾部材を固着したことを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドである。
【0014】
又、上記ホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドにおいて、前記凹部が、ホゼル部の円周上に亘って設けられていることを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドである。
【0015】
又、上記ホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドにおいて、前記凹部の短手方向の幅が2mm以上5mm以下であり、深さが0.2mm以上2mm以下であることを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドである。
【0016】
又、上記ホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドにおいて、前記反射性立体的装飾部材の幅が0.5mm以上3mm以下であることを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドである。
【0017】
又、上記ホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドにおいて、前記反射性立体的装飾部材が透明樹脂粒状物又は/及び金属粒状物であることを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドである。
【0018】
又、上記ホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドにおいて、前記透明樹脂粒状物は、薄く着色されていることを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドである。
【0019】
又、上記ホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドにおいて、前記透明樹脂粒状物の樹脂がアクリル樹脂で有ることを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドである。
【0020】
更に、上記何れかのホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドを備えたことを特徴とするゴルフクラブである。
【発明の効果】
【0021】
以上のような本発明によれば、ホゼル部の表面に反射性立体的装飾部材を固着したので、強度を下げることなく、破損し難く、容易且廉価に装飾を施すことが可能となった。又、煌びやかな光りを放つことによって、デザイン性や装飾効果を向上させることが可能となり、著しく人の目を惹き、楽しんで使用できるゴルフクラブを提供することが可能となった。
【0022】
又、ホゼル部の表面の一部に凹部を形成し、該凹部に前記反射性立体的装飾部材を固着したので、反射性立体的装飾部材が剥がれにくく、固定強度を向上させることが出来た。又、ヘッドの全体重量の軽量化が図れた。更に、ホゼル部の軽量化により、ヘッドの低重心化や広範な重量配分設計が可能となり、スイートエリアの拡大等、設計自由度を増すことが可能となった。
【0023】
又、前記凹部が、ホゼル部の円周上に亘って設けられているので、見栄えが良く、よりデザイン性を向上させることが可能となった。
【0024】
又、前記凹部の短手方向の幅が2mm以上5mm以下であり、深さが0.2mm以上2mm以下であるので、反射性立体的装飾部材の固定が容易且確実となった。
【0025】
又、前記反射性立体的装飾部材の幅が0.5mm以上3mm以下であるので、ゴルフプレーに支障をきたすことなく、デザイン性や装飾効果を向上させることが可能となった。
【0026】
又、前記反射性立体的装飾部材が透明樹脂粒状物又は/及び金属粒状物であるので、より煌びやかな光りを放つ事によって、よりデザイン性を向上させることが可能となった。
【0027】
又、前記透明樹脂粒状物は、薄く着色されているので、より煌びやかな光りを放つことによって、よりデザイン性を向上させることが可能となった。
【0028】
又、前記透明樹脂粒状物の樹脂がアクリル樹脂で有るので、変色が少なく、長期に亘ってより煌びやかな光りを放つことが可能となった。
【0029】
又、上記何れかのフェルールを備えたことを特徴とするゴルフクラブであるので、ゴルフクラブにおいて、上述のような効果を有することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下本発明を図に従って詳細に説明する。ゴルフクラブ10はシャフト2の上端部にグリップ3が設けられ、シャフト2の下端部がヘッド4と一体成形されたホゼル部41に形成された挿入孔19に挿入され、フェルール1がシャフト2下端部のホゼル41への挿入部を被覆して装着されている。尚、ホゼル部41はヘッド本体49と別個に形成し、接合してヘッド4を形成したものを用いてもよい。ホゼル部41の表面には、凹部7が設けられ、凹部7に接着層9を介して反射性立体的装飾部材6が固着されている。該反射性立体的装飾部材6はホゼル部41を装飾する装飾体となるもので、単独で用いてもよく、複数を用いて花柄や連続模様等の一体模様の装飾体としてもよい。
【0031】
ホゼル部41は、ボールを打つ為のフェース部45とシャフト2の先端を接着固定するための部分で、シャフト2を良好に接着するための長さは、10mm以上60mm以下が、好ましい。パターなど、ヘッドスピードの遅いゴルフクラブヘッドでは、10mm程度の長さでも充分シャフトを固定することが可能であるが、通常ドライバーの様にヘッドスピードの速いウッドゴルフクラブヘッドでは、ホゼル部41の挿入孔19の長さ(深さ)Lは、30mm以上60mm以下、その中間のアイアンゴルフクラブヘッドは、20mm以上35mm以下の長さを有している。
【0032】
その為、フェース部45とホゼル部41の接続部分43の肉厚は、衝撃力が加わるため、厚肉にして衝撃に負けないように強化しておく必要がある一方、ホゼル部41の上端部分は、シャフト2を接続するための長さが必要なものの、強度は、フェース部45とホゼル部41との接続部分43より薄肉で充分である。よって、凹部7は、ホゼル部41の上端より3mm以上20mm以内下方の位置に設けることが望ましい。
【0033】
反射性立体的装飾部材6は、反射性、光沢性を備えた、樹脂粒状物、特に透明樹脂粒状物、金属粒状物、ガラス、宝石、模造宝石等を用いることが出来る。又、これらが樹脂、金属コーティングされた樹脂或いは金属等により連接されてチェーン状になったものも使用できる。
【0034】
樹脂粒状物に用いる樹脂としては、反射性、光沢性を備える樹脂であれば、特に限定されずに使用可能であるが、透明性の有る樹脂、更には薄く着色された樹脂を使用することにより、煌びやかな光を放つことができ、よりデザイン性、装飾性が高まるので好ましい。又、特に透明度が高く、変色の少ないアクリル樹脂が好ましい。又、一般的なウレタン樹脂は、柔軟性があり、好ましいが、長い年月が経つと黄変するので、黄変しにくいタイプのウレタン樹脂を使用すると好ましい。
【0035】
ウレタン樹脂として、2液型ポリウレタン樹脂が挙げられ、これは主剤のポリオールと硬化剤のポリイソシアネートを使用時に混合する常温硬化型樹脂である。使用するポリオールには、分子内に水酸基を有するアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール等があり、ポリイソシアネートプレポリマーには使用する原料イソシアネートにより多数の種類があるが、その中で、一般に芳香族イソシアネート系のものは紫外線によって黄変し易く、好ましくないが、キシリレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系のものは黄変しにくい特徴があり好ましい。
【0036】
また、金属粒状物は、一般に樹脂より比重が重いため、固着する分量によっては、クラブヘッドの重量やゴルフクラブのバランス等に影響を及ぼすことがあるので、金属粒状物としては、比較的比重の小さい金属、例えばアルミニウムやチタニウムを用いることが好ましい。
【0037】
又、同様の理由から、金属粒状物として、樹脂粒状物に金属被膜をコーティングしたものを用いることが出来る。この被膜となる金属は、アルミニウムやチタニウム等の軽金属が好ましい。例えば、ウレタン系エラストマーにアルミコーティングをしたり、アクリル樹脂にチタンコーティングをすることで、金属光沢を持たせ煌びやかにすることができる。
【0038】
模造宝石としては、ラインストーンが好適に使用出来る。このラインストーンはガラス製の模造宝石であり、金、鉄、マンガンなどを混ぜて、青、赤、緑、紫等様々な色とすることができるものである。
【0039】
尚、反射性立体的装飾部材6のうち、透明性のあるものの場合、裏面に金属を貼り付けて反射を増すようにすることにより、より一層煌びやかとなり好ましい。
【0040】
反射性立体的装飾部材6の形状は、凹部7に受容さる範囲では特に限定されないが、接着面の反対側、即ち表面は、球面の一部の様な曲面を有するか、ダイヤモンドカットの様な複数のカット面を持つことで、光の反射を利用して、見た目にも綺麗に見せることができる。又、反射性立体的装飾部材6の裏面、即ちホゼル部41に対向する面は、平面でもよいが、対向するホゼル部41の凸状の曲面、即ち凹部7の底面71に対応した一律の凹状の曲面を有していることが好ましい。このような構成とすることで、接着が容易となり、固定強度が向上するからである。
【0041】
又、反射性立体的装飾部材6の縦及び横の幅は特に限定されないが、個々の粒状体では0.5mm以上3mm以下程度とすることが好ましい。このように幅を狭くしたのは、円筒状のホゼル部41の円周上に貼付するため、あまり大きいと、特に反射性立体的装飾部材6の裏面が平面である場合、貼付部分の粘着部分で対応出来ず、左右に大きな浮きができ、外れ易くなるためである。尚、反射性立体的装飾部材6の縦又は/及び横の幅を凹部7の短手方向の幅と略同一として、反射性立体的装飾部材6を凹部7に嵌合し、固定強度を高めることとしてもよい。
【0042】
ホゼル部41の表面の一部に形成された凹部7は、該凹部7に反射性立体的装飾部材6を固着することにより、反射性立体的装飾部材6を剥がれ難くし、固定強度を向上させる為に設けたものである。このような構成とすることで、反射性立体的装飾部材6が、例えばキャディーバッグからゴルフクラブを引き抜く時等に、引っ掛かって外れないようにすることが可能である。
【0043】
この凹部7の形状、数、位置は特に限定されず、所望形状、数、箇所に設ければよい。具体例としては、図3(a)に示すように、ホゼル部41の円周上に亘って設けたり、図3(b)に示すように、ホゼル部41の円周上の一部に設けたり、図3(c)に示すように、ホゼル部41の上下方向に長く設けたり、図3(d)に示すように、方形或いは円形状に設けることが出来る。その縦断面形状としては、コの字型等を採用することが出来る。更に、これらを適宜組合わせて構成することが出来る。特に、ホゼル部41の周上に亘って設けると、見栄えが良く、好ましい。又、凹部7の底面71、即ち反射性立体的装飾部材6と対向する面は側面視直線状となるように形成することにより、反射性立体的装飾部材6を貼付し易く、且安定的に固定されるので好ましい。
【0044】
凹部7の短手方向の幅が、狭すぎると反射性立体的装飾部材6を貼付しにくくなり、幅が広すぎると、ホゼル部41と反射性立体的装飾部材6との接合部分に外部の物が引っ掛かり易くなり、好ましくない。従って、凹部7の短手方向の幅Wを2mm以上5mm以下とすることが好ましい。
【0045】
凹部7を深く掘りすぎて、凹部7部分の肉厚Nを0.8mm以下にすると、シャフト2の先端を挿入する時に、薄肉部分が曲がったりすることがあるので、好ましくない。従って、凹部7の深さDが0.2mm以上2mm以下の範囲が好ましい。
【0046】
更に、凹部7の深さDと反射性立体的装飾部材6の高さの関係は特に限定されないが、反射性立体的装飾部材6の高さに比べて凹部7の深さDが深すぎると、反射性立体的装飾部材6を貼付し難くなり、逆に浅いと、反射性立体的装飾部材6に外部の物が当たりやすくなって、剥がれやすくなる。その為、図4(b)で示すように、反射性立体的装飾部材6が少し突出する程度の深さでもよいが、図4(c)で示すように、反射性立体的装飾部材6の高さより僅かに深く、反射性立体的装飾部材6が凹部7に完全に埋没する程度に構成することが好ましい。
【0047】
鋳造法でゴルフクラブヘッド4を作る場合、ホゼル部41の凹部7を周上に亘って設ける場合、鋳型内の凹部7に対応する部分が狭くなり、溶融金属の湯流れが悪くなるため、鋳型の凹部7に対応する部分の一部を、ホゼル部41の上端部とヘッド本体49とを通常の厚さで繋ぐように、凹部の一部を無くしたものを使用して、鋳型から取り出され、凹部7が周上に亘って形成されていないクラブヘッド4を機械加工で後加工して、凹部7を周上に亘って形成する方法が歩留りがよく、製造し易いので好ましい。更に、このように凹部7を後加工で切削りする場合には、鋳型の凹部7を形成する突出部分の角を落として丸みをもたせることにより、更に湯流れをよくすることが好ましい。また、鍛造でアイアンゴルフクラブヘッド4を作る場合、ホゼル部41の凹部7となる部分の一部に予め凹部を形成するように鍛造し、そこを基準として、所望形状の凹部7を機械加工で形成することとしてもよい。
【0048】
ホゼル部41への反射性立体的装飾部材6の接着は、ホゼル部41へ接着剤を塗布して接着層9を設け、接着層9上に反射性立体的装飾部材6を圧着する方法の他、反射性立体的装飾部材6の裏面に予め接着剤を設け、超音波振動或いは加熱により接着剤を溶融させて接着する方法、反射性立体的装飾部材6が樹脂製の場合には、接着剤を用いずに超音波振動或いは加熱により溶着させる方法等を用いることが出来る。更に、図5に示すように、凹部7に受容される形状で構成された合成樹脂製等の可撓性シート8を用いることが出来る。可撓性シート8は、一面に予め反射性立体的装飾部材6を上述のような方法により固定すると共に、他面に接着層9を設けて構成し、該可撓性シート8をホゼル部41へ接着する。この場合、複数の反射性立体的装飾部材6を用い、予め花柄等の形状や連続模様等一連の模様を形成させておくことが出来るので、装飾体の製造が簡易化、容易化される。
【0049】
尚、図4(a)で示すように、反射性立体的装飾部材6はホゼル部41の表面に凹部を設けずに、直接固着することとしてもよい。
【実施例1】
【0050】
アイアンゴルフクラブ10に関して、本発明を実施した。先ず、ヘッドは、鋳造法のロストワックス法でSUS630(ステンレス)を使って作成した。金属の湯口をトウ側に設け、ホゼル部41に湯流れが良いようにホゼル部41のトウ側とヒール側以外に凹部7の一部となる凹部が形成されるようにした。凹部7は、ホゼル部41の上端より5mmの位置から、下方へ幅4mm、深さ1mmに成るように機械加工した。穴をあける刃物と側面を削る刃物は異なるので、予め少なくとも凹部の一部を設けると良い。刃物を交換せずに加工ができるので、加工が容易となるからである。
【0051】
ホゼル外径13.5mm、ホゼル部の内径9.2mm、シャフト先端径は、塗装込みで直径9.0mmに形成した。シャフト2先端のホゼル41内に収まる部分を紙ヤスリで、塗装部分を削り取った。次に、フェルール1をシャフト2先端から適量(28mm)ほどの所に挿入して、ホゼル部41の挿入孔19にシャフト2先端を挿入して接着固定した。シャフト2の挿入長さは、28mmとした。
【0052】
シャフト2とヘッド4が完全に接着固定された後、凹部7に接着剤を塗布し、やや水色がかった透明なアクリル樹脂のダイヤモンドカットの様に多面カットした粒状物、およそ縦及び横幅2.5mm程度のものを6個、ホゼル部41の凹部7に貼り付けた。
【0053】
この結果、シャフト及びゴルフクラブの強度を下げることなく、破損し難く、装飾効果が高く、容易且廉価に製造でき、煌びやかな光りを放つことによって著しく人の目を惹き、楽しんで使用できるゴルフクラブとなった。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明一実施例側面図
【図2】本発明ホゼル部の部分拡大図
【図3】本発明ホゼル部の凹部形状を示す斜視図であり、(a)は円周に亘った凹部(b)は円周の一部の凹部、(c)は上下方向に長い凹部(d)は方形或いは円形状の凹部を示す。
【図4】本発明一実施例部分側面図であり、(a)は凹部を設けない構成、(b)は装飾部材が凹部から突出した構成、(c)は装飾部材が凹部に完全に埋まった構成を示す。
【図5】本発明他実施例部分断面図
【図6】本発明ゴルフクラブ一実施例側面図
【符号の説明】
【0055】
1 フェルール
2 シャフト
3 グリップ
4 ヘッド
41 ホゼル部
6 反射性立体的装飾部材
7 凹部
8 可撓性シート
9 接着層
10 ゴルフクラブ
19 挿入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホゼル部の表面に反射性立体的装飾部材を固着したことを特徴とするホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記ホゼル部の表面の一部に凹部を形成し、該凹部に前記反射性立体的装飾部材を固着したことを特徴とする請求項1に記載のホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記凹部が、ホゼル部の円周上に亘って設けられていることを特徴とする請求項2に記載のホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記凹部の短手方向の幅が2mm以上5mm以下であり、深さが0.2mm以上2mm以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記反射性立体的装飾部材の幅が0.5mm以上3mm以下であることを特徴とする請求項1から4のうち何れか1項に記載のホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記反射性立体的装飾部材が透明樹脂粒状物又は/及び金属粒状物であることを特徴とする請求項1から5のうち何れか1項に記載のホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記透明樹脂粒状物は、薄く着色されていることを特徴とする請求項6に記載のホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記透明樹脂粒状物の樹脂がアクリル樹脂で有ることを特徴とする請求項6又は7に記載のホゼル部を備えるゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
請求項1から8のうち何れかに記載のホゼル部を備えるゴルフクラブヘッドを備えたことを特徴とするゴルフクラブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−154623(P2008−154623A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343459(P2006−343459)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(592014104)ブリヂストンスポーツ株式会社 (652)
【Fターム(参考)】