装飾用容器
【課題】簡素かつ安価な構成で、容器全体を発光させることができるとともに、安全でメンテナンスが容易な装飾用容器を提供する。
【解決手段】植物を収容可能な内容器1と、内容器1を収容可能な外容器2と、発光ダイオード30を有する照明装置3とを備える。内容器1と外容器2は、ガラスで形成され、外容器2の内側に形成された貫通穴22から、発光ダイオード30が突出するように配設され、内容器1に、外容器2に収容された場合に、発光ダイオード30が入る穴10が形成されている。
【解決手段】植物を収容可能な内容器1と、内容器1を収容可能な外容器2と、発光ダイオード30を有する照明装置3とを備える。内容器1と外容器2は、ガラスで形成され、外容器2の内側に形成された貫通穴22から、発光ダイオード30が突出するように配設され、内容器1に、外容器2に収容された場合に、発光ダイオード30が入る穴10が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、装飾用に花や観葉植物等の植物を植えるための容器に係り、特に、光を利用した視覚的な効果に改良を施した装飾用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種施設の屋内や屋外、さらには家庭において設置されている花や観葉植物の容器としては、陶器や樹脂の他、ガラスなどが用いられているのが一般的である。このような容器において、暗い場所や夜間における装飾性を高めるために、照明器具によって光を照射することが行われている。しかし、外部から光を照射する場合には、効果的に照射されるような光源の設置場所を工夫する必要があるため、施設によっては容器を設置できる場所が限定されてしまい、結局、既存の照明を利用した最小限の効果しか得られないことが多い。
【0003】
また、図17に示すように、容器Cの底部等に光源Lを設置して、下方から光を照射することが考えられる。しかし、かかる方法では、容器Cの底部において光が反射してしまい、その周辺のみ光るだけであり、容器C、さらには植物にまで光が反映しない。これに対処するため、特許文献1に記載されているように、容器の内部に環状に多数の光源を配置して、容器及び植物下部を全周にわたって照らす方法が提案されている。
【特許文献1】特開2003−70607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように容器内部に多数の光源を設けることは、製造コストがかかるとともに、装置構成が複雑になる。特に、生花等を収容するためには、水の使用が不可欠となるが、光源が多数存在すると、電気的接続部分に水分が付着して、故障が発生する可能性も高くなる。さらに、光源の数が多いとメンテナンスの手間がかかり、消費電力も大きくなるので、結局、維持費も嵩むことになる。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、簡素かつ安価な構成で、容器全体を発光させることができるとともに、安全でメンテナンスが容易な装飾用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、装飾物を収容可能な容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、前記容器はガラスで形成され、前記容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする。
【0007】
以上のような請求項1の発明では、外容器若しくは内容器のガラスに形成された穴等に発光部が対応しているので、単に外部若しくは内部から光を照射する場合と異なり、発光部からの光がガラス内部全体に行き渡り、結果として容器全体が発光する。このため、発光部の数が少なくても、容器全体を発光させることができ、構成が簡素かつ安価となり、安全でメンテナンスが容易となる。
【0008】
請求項2の発明は、装飾物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、前記外容器はガラスで形成され、前記外容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、装飾物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、前記内容器はガラスで形成され、前記内容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする。
【0010】
以上のような請求項2及び請求項3の発明では、内容器と外容器に分けて構成することにより、収容される装飾物に応じて、視覚的に多様な効果が得られる。また、装飾物の交換時等には、内容器のみを出し入れすればよいので、作業が容易となる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項の装飾用容器において、前記穴若しくは前記窪みには、防水用の封止手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
以上のような請求項4の発明では、穴や窪みから水が流入することが防止されるので、電気的接続部分への影響がなく、安全性が確保される。従って、動植物等、水を必要とする装飾物を用いる場合に適している。
【0013】
請求項5の発明は、植物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、前記内容器と前記外容器の少なくとも一方は、ガラスで形成され、前記外容器の内側に形成された穴から、前記発光部の少なくとも一部が突出するように配設され、前記内容器には、前記外容器に収容された場合に、前記発光部の突出部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする。
【0014】
以上のような請求項5の発明では、外容器若しくは内容器のガラスに形成された穴等に発光部が対応しているので、単に外部若しくは内部から光を照射する場合と異なり、発光部からの光がガラス内部全体に行き渡り、結果として容器全体が発光する。このため、発光部の数が少なくても、容器全体を発光させることができ、構成が簡素かつ安価となり、安全でメンテナンスが容易となる。また、内容器の穴若しくは窪みに発光部が入るように、内容器を外容器内に収容することにより、内容器の位置決めが容易になるとともに、外容器からのずれが防止され、安定した姿勢を確保できる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5の装飾用容器において、前記外容器の穴と前記発光部との間には、防水用の封止手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
以上のような請求項6の発明では、植物を収容する内容器における水はけは確保しつつ、内容器から外容器へ流出した水が、さらに外容器の穴内部に流入することが防止されるので、電気的接続部分への影響がなく、安全性が確保される。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項の装飾用容器において、外部からの切替指示を受信する受信部と、前記受信部で受信した切替指示に基づいて、発光部の発光を制御する発光制御部と、を有することを特徴とする。
以上のような請求項7の発明では、外部から、発光部の発光を遠隔制御することができるので、利便性が向上するとともに、スイッチ等の接点部分が水をかぶることによる不具合を防止できる。
【0018】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか1項の装飾用容器において、前記発光部からの光を外部に導出する光ファイバが設けられていることを特徴とする。
以上のような請求項8の発明では、光ファイバによって、植物の周囲へ光を導出することにより、外部からの照明を必要とせずに、装飾的効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、簡素かつ安価な構成で、容器全体を発光させることができるとともに、安全でメンテナンスが容易な装飾用容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態(以下、実施形態とする)を、図面を参照して以下に説明する。
[実施形態の構成]
まず、本実施形態の構成を、図1〜3を参照して説明する。なお、図1は本実施形態の斜視図、図2は回路ブロック図、図3は縦断面図である。すなわち、本実施形態は、図1に示すように、内容器1、外容器2、照明装置3及びリモートコントローラ4によって構成されている。内容器1はガラス製の碗形状の容器であり、その内部に植物を支持するための土や石等の支持材が収容可能となっている。この内容器1の底面の中心には、後述する発光ダイオード30の頭部が入るように、穴10が貫通して設けられている。
【0021】
外容器2は、ガラス製の有底略円筒形状の容器であり、その内部に内容器1を収容可能なすり鉢状の収容部20が設けられている。この収容部20の底部には、図3に示すように、糸底状の空隙部21が形成されている。そして、空隙部21と収容部20との間には、発光ダイオード30のリードを通すための貫通穴22が形成されている。
【0022】
照明装置3は、図2及び図3に示すように、発光ダイオード30、回路基板31、受信部32、ACアダプタ33を備えている。発光ダイオード30は、頭部の発光部分が貫通穴22から突出するように配設され、電気的に導出されたリードは貫通穴22を通って回路基板31に接続されている。発光ダイオード30と貫通穴22との間には、Oリング5が配設されることにより、防水用の封止がなされている。
【0023】
回路基板31は、空隙部21内に収容されたケース34内に設けられ、空隙部21が樹脂等により封止されている。回路基板31には、図2に示すように、発光ダイオード30の発光を制御する発光制御部31aと、電源回路31bが構成された基板である。発光制御部31aは、受信部32が受信した切替信号に基づいて、発光ダイオード30のON,OFFを制御する手段である。この受信部32は、赤外線による切替信号を受信することにより、発光制御部31aに制御信号を出力することができる受光部である。また、電源回路31bには、プラグ付のACアダプタ33が接続されているので、電灯線からの電力により、発光ダイオード30を発光させる構成となっている。
【0024】
リモートコントローラ4は、照明装置3による発光ダイオード30のON,OFFを遠隔操作するための手段であり、発信部41、スイッチ42及び電源43を有している。発信部41は、赤外線による切替信号を発信する発光部である。スイッチ42は、手操作により発信部41へ切替信号の発信の有無を指示する手段である。電源43は、電池等の内蔵の電源である。
【0025】
[実施形態の作用]
以上のような構成を有する本実施形態は、以下のように使用する。すなわち、図3に示すように、内容器1を、その穴10が外容器2の収容部20から突出した発光ダイオード30に合うように収容する。そして、図4に示すように、内容器1の内部に、土や石等の植物用の支持材Xを収容する。このような支持材Xに、図5に示すように、所望の植物Yを植える。既に他の容器で栽培されている場合には、支持材Xとともに内容器1に移し変えてもよい。なお、支持材Xが水を含んでいる場合、これから出る余分な水分については、内容器1の穴10から流出する。
【0026】
次に、外容器2を所望の場所に設置して、ACアダプタ33のプラグをコンセントに差し込む。この状態で、リモートコントローラ4のスイッチ42を操作すると、発信部41から赤外線による切替信号が発信され、これを受信部32が受信する。すると、発光制御部31aが、発光ダイオード30を発光させる。
【0027】
発光ダイオード30からの光は、図6に示すように、ガラスである内容器1の穴10及び外容器2の貫通穴22から進入してガラス内部に行き渡るので、図7に示すように、内容器1及び外容器2の全体が発光する(図7において、各部の対応箇所は、図5より明らかであり、符号の図示が困難なため、符号は省略する)。これにより、植えられた植物Yとともに効果的なライトアップが実現でき、幻想的な雰囲気を作り出すことができる。
【0028】
[実施形態の効果]
以上のような本実施形態によれば、単に外部若しくは内部から光を照射する場合と異なり、内容器1の穴10外容器2の貫通穴22及びを介して、発光ダイオード30からの光がガラス内部全体に行き渡り、結果として容器全体が発光する。従って、発光ダイオード30の数が少なくても、全体を発光させることができるので、構成が簡素かつ安価となり、安全でメンテナンスが容易となる。特に、支持材Xにより汚れ易い内容器1は、碗状体に穴10が形成された単純な形状なので、洗浄等の手入れも容易である。
【0029】
また、内容器1の穴10に発光ダイオード30が入るように、内容器1を外容器2内に収容することにより、内容器1の位置決めが容易になるとともに、外容器2からのずれが防止され、安定した姿勢を確保できる。特に、本実施形態のように、口径が円で、丸みを帯びた内容器1であっても、穴10及び発光ダイオード30を中心に設けることにより、中心合わせが容易となり、傾きやずれが生じにくい。
【0030】
また、支持材Xからの余分な水分は、内容器1の穴10から流出するので、水はけを確保できる。そして、内容器1からの水は外容器2へ流出するが、発光ダイオード30と貫通穴22との間はOリング5によって封止されているので、回路基板31側へ流出することが防止され、電気的接続部分への影響がなく、安全性が確保される。
【0031】
また、リモートコントローラ4によって、発光ダイオード30の発光を遠隔制御することができるので、照明装置3側にスイッチを設ける必要がない。このため、接点部分に水がかかることによる不具合を防止できる。特に、回路基板31は樹脂封止されているので、水分からの影響を遮断することができ、強い耐水性が得られる。
【0032】
[他の実施形態]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、各部材の大きさ、形状、数、材質、色等は適宜変更可能である。例えば、内容器、外容器の形状は上記の実施形態で例示したものには限定されず、多角形状や不規則な形状であってもよいし、周囲若しくは内側に種々のカットや模様を施してもよい。また、内容器と外容器との接触面に、互いに係合する凹凸を設けることにより、位置合わせをさらに容易にして、姿勢の安定化を図ることもできる。
【0033】
内容器と外容器は、ともにガラス製とすることが最も望ましいが、少なくとも一方がガラスであればよい。例えば、いずれか一方を樹脂製とすることにより、安価に構成することもできる。また、上記の実施形態では、内容器の上端が外容器よりも低くなっていたが、内容器の上部が外容器よりも高く突出していてもよい。ガラスについては、その製法や成分に関しても、自由である。熱強化、化学強化、積層強化等種々の方法によって強度を高めたり、種々の材料を含めることにより色彩その他の視覚的効果を異なるものとしてもよい。従って、内容器及び外容器の色についても、その透明度についても自由である。
【0034】
発光部の数も自由である。例えば、図8に示すように、発光ダイオード30を複数設けてもよい。かかる構成にすれば、さらに、外容器2に対する内容器1の位置決めの容易化と姿勢の安定性向上を図ることができる。複数の発光部のうち、スイッチ操作に応じて、どの発光部を発光させるかを選択できるようにしてもよい。内容器に形成するのは、貫通した穴である必要はない。例えば、図9に示すように、発光ダイオード30が入る窪み(溝)11とすることもできる。つまり、発光部に対応する窪みは、外面に対して凹んだ部分を意味するため、比較的長い溝でもよい。穴や窪みの内部に溝や凹凸、不規則な形状が加工されていてもよい。
【0035】
さらに、装飾的効果を増すために、回路基板に設けられた発光部からの光を外部に導出する光ファイバーを設けてもよい。例えば、図10及び図11に示すように、回路基板31に設けられた発光ダイオード30に光ファイバー6の一端を配設し、他端を外容器2の貫通穴22から貫通させてから外部に導出させた実施形態としてもよい。この場合、光ファイバー6が貫通した貫通穴22は、ゴムや樹脂等の封止材61により封止する必要がある。これにより、図12に示すように、さらに装飾的効果を高めることができる(図7において、各部の対応箇所は、図11より明らかであり、符号の図示が困難なため、符号は省略する)。
【0036】
また、内容器若しくは外容器のみに、発光部が入る穴若しくは窪みを形成してもよい。例えば、図13に示すように、外容器2に、発光ダイオード30が入る窪み23を形成してもよい。この例では、図14に示すように、発光ダイオード30を複数配設して、発光制御部(図2の31a参照)として構成されたマイクロコンピュータを、発光パターンを設定したプログラムで動作させることにより、各発光ダイオード30の発光制御を行うものである。この発光制御の例を、図15、図16のフローチャートを参照して説明する。図15は中心部の3つの発光ダイオード30の発光制御、図16は周縁の3つ1組(合計3組)の発光ダイオード30のうち、1組の発光ダイオード30の発光制御(他の組も同様)に対応する。
【0037】
すなわち、中心部の3つの発光ダイオード30は、電源ONとなった場合(ステップ101)、全て同時に点灯させる(ステップ102)。そして、秒数のカウントを開始し(ステップ103)、15秒を経過したら(ステップ104)、全て同時に消灯させる(ステップ105)。さらに、15秒を経過したら(ステップ106)、全て同時に点灯させる(ステップ102)、以後は電源OFFとなるまで上記の処理を繰り返す。
【0038】
また、周囲の各組の3つの発光ダイオード30は、電源ONとなった場合(ステップ201)、秒数のカウントを開始する(ステップ202)。そして、5秒を経過したら「ステップ203)、1つ目の発光ダイオード30を点灯させる(ステップ204)。次に、5秒を経過したら(ステップ205)、2つ目の発光ダイオード30を点灯させ(ステップ206)、5秒を経過したら(ステップ207)、3つ目の発光ダイオード30を点灯させる(ステップ208)。さらに、5秒を経過したら(ステップ209)、全ての発光ダイオード30を消灯し(ステップ210)、以後は電源OFFとなるまで上記の処理を繰り返す。
【0039】
なお、ここで示した発光制御パターン、発光部の数はあくまでも例示であり、本発明がこれに限定されるものではない。また、外部に導出したコネクタに、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを接続することにより、プログラムをユーザが変更できるように構成してもよい。発光制御部に接続若しくは一体化されたICタグを内蔵させて、リーダライタによってプログラムを変更できるように構成してもよい。
【0040】
また、発光部は、発光ダイオードには限定されない。蛍光管や電球であってもよい。発光ダイオードは比較的安価且つ長寿命であり理想的であるが、各種発光部を交換可能とする構成をどのようにするかも自由である。電源についても、電池式にしてもよい。電池式すれば、持ち運びも容易であるし、設置場所の自由度が増す。電池を充電式とするか交換式とするかも自由であるが、例えば、電磁誘導式の充電器により内蔵電池に充電可能な構成とすれば、端子が露出しないので、水分の影響を受けない。
【0041】
遠隔操作するための情報を送信するための媒体は、赤外線に限らず、光や電波等の電磁波、音等、種々のものが考えられる。従って、入室を検知する光センサーや、手叩きや発生に反応する音センサーをスイッチとすることもできる。また、必ずしもリモートコントローラによる遠隔操作式にする必要はなく、容器側にスイッチをもうけてもよい。例えば、指の接触でON,OFFを切り替えることができるタッチスイッチ(タッチパネル、タッチセンサー)を設けることにより、容器の外観を損ねない構成とすることもできる。特にスイッチを設けなくても、ACアダプターのプラグのコンセントへの抜き差しをスイッチの替わりとすることもできる。
【0042】
また、どのような装飾物を収容するかは自由である。例えば、植物を収容する場合、生花、観葉植物、樹木の他、造花等でもよい。山野草等はライトアップに最適であるし、盆栽等により新しい美観を創造する可能性を追求できる。すなわち、請求項における「植物」は、植物を模したものも含まれる広い概念である。植物を支持する支持材としても、土や石の他、培養土、人工土、オアシス、木材、紙、発泡剤、剣山等、あらゆるものが含まれる。植物以外の装飾物を用いる場合には、水分の保持等を考慮する必要がないため、収容物の自由度はより一層高まる。さらに、穴、貫通穴、空隙部等の防水処理は、上記の実施形態で例示したものには限定されず、ゴム、樹脂充填等種々のものが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の装飾用容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態の発光制御用の回路を示すブロック図である。
【図3】図1の実施形態における内容器の外容器内へ挿入を示す縦断面図である。
【図4】図1の実施形態における内容器への栽培用土の収容を示す縦断面図である。
【図5】図1の実施形態における花を植えた状態を示す斜視図である。
【図6】図1の実施形態における光の伝播を示す説明図である。
【図7】図1の実施形態における発光状態を示す斜視図である。
【図8】発光部を複数とした一実施形態を示す縦断面図である。
【図9】内容器に発光部が入る窪みを設けた一実施形態を示す縦断面図である。
【図10】光ファイバを設けた一実施形態を示す縦断面図である。
【図11】光ファイバを設けた一実施形態における斜視図である。
【図12】図10の実施形態における発光状態を示す斜視図である。
【図13】外容器にのみ窪みを設け、複数の発光ダイオードを設けた一実施形態を示す縦断面図である。
【図14】図13の実施形態における発光ダイオードの配置例を示す平面図である。
【図15】図13の実施形態における中心部の発光ダイオードの発光パターンの一例を示すフローチャートである。
【図16】図13の実施形態における周縁部の各組の発光ダイオードの発光パターンの一例を示すフローチャートである。
【図17】従来の装飾照明の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1…内容器
2…外容器
3…照明装置
4…リモートコントローラ
5…Oリング
6…光ファイバー
10…穴
20…収容部
21…空隙部
22…貫通穴
23…窪み
30…発光ダイオード
31…回路基板
31a…発光制御部
31b…電源回路
32…受信部
33…ACアダプタ
34…ケース
41…発信部
42…スイッチ
43…電源
61…封止材
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、装飾用に花や観葉植物等の植物を植えるための容器に係り、特に、光を利用した視覚的な効果に改良を施した装飾用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種施設の屋内や屋外、さらには家庭において設置されている花や観葉植物の容器としては、陶器や樹脂の他、ガラスなどが用いられているのが一般的である。このような容器において、暗い場所や夜間における装飾性を高めるために、照明器具によって光を照射することが行われている。しかし、外部から光を照射する場合には、効果的に照射されるような光源の設置場所を工夫する必要があるため、施設によっては容器を設置できる場所が限定されてしまい、結局、既存の照明を利用した最小限の効果しか得られないことが多い。
【0003】
また、図17に示すように、容器Cの底部等に光源Lを設置して、下方から光を照射することが考えられる。しかし、かかる方法では、容器Cの底部において光が反射してしまい、その周辺のみ光るだけであり、容器C、さらには植物にまで光が反映しない。これに対処するため、特許文献1に記載されているように、容器の内部に環状に多数の光源を配置して、容器及び植物下部を全周にわたって照らす方法が提案されている。
【特許文献1】特開2003−70607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように容器内部に多数の光源を設けることは、製造コストがかかるとともに、装置構成が複雑になる。特に、生花等を収容するためには、水の使用が不可欠となるが、光源が多数存在すると、電気的接続部分に水分が付着して、故障が発生する可能性も高くなる。さらに、光源の数が多いとメンテナンスの手間がかかり、消費電力も大きくなるので、結局、維持費も嵩むことになる。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、簡素かつ安価な構成で、容器全体を発光させることができるとともに、安全でメンテナンスが容易な装飾用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、装飾物を収容可能な容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、前記容器はガラスで形成され、前記容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする。
【0007】
以上のような請求項1の発明では、外容器若しくは内容器のガラスに形成された穴等に発光部が対応しているので、単に外部若しくは内部から光を照射する場合と異なり、発光部からの光がガラス内部全体に行き渡り、結果として容器全体が発光する。このため、発光部の数が少なくても、容器全体を発光させることができ、構成が簡素かつ安価となり、安全でメンテナンスが容易となる。
【0008】
請求項2の発明は、装飾物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、前記外容器はガラスで形成され、前記外容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、装飾物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、前記内容器はガラスで形成され、前記内容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする。
【0010】
以上のような請求項2及び請求項3の発明では、内容器と外容器に分けて構成することにより、収容される装飾物に応じて、視覚的に多様な効果が得られる。また、装飾物の交換時等には、内容器のみを出し入れすればよいので、作業が容易となる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項の装飾用容器において、前記穴若しくは前記窪みには、防水用の封止手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
以上のような請求項4の発明では、穴や窪みから水が流入することが防止されるので、電気的接続部分への影響がなく、安全性が確保される。従って、動植物等、水を必要とする装飾物を用いる場合に適している。
【0013】
請求項5の発明は、植物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、前記内容器と前記外容器の少なくとも一方は、ガラスで形成され、前記外容器の内側に形成された穴から、前記発光部の少なくとも一部が突出するように配設され、前記内容器には、前記外容器に収容された場合に、前記発光部の突出部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする。
【0014】
以上のような請求項5の発明では、外容器若しくは内容器のガラスに形成された穴等に発光部が対応しているので、単に外部若しくは内部から光を照射する場合と異なり、発光部からの光がガラス内部全体に行き渡り、結果として容器全体が発光する。このため、発光部の数が少なくても、容器全体を発光させることができ、構成が簡素かつ安価となり、安全でメンテナンスが容易となる。また、内容器の穴若しくは窪みに発光部が入るように、内容器を外容器内に収容することにより、内容器の位置決めが容易になるとともに、外容器からのずれが防止され、安定した姿勢を確保できる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5の装飾用容器において、前記外容器の穴と前記発光部との間には、防水用の封止手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
以上のような請求項6の発明では、植物を収容する内容器における水はけは確保しつつ、内容器から外容器へ流出した水が、さらに外容器の穴内部に流入することが防止されるので、電気的接続部分への影響がなく、安全性が確保される。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項の装飾用容器において、外部からの切替指示を受信する受信部と、前記受信部で受信した切替指示に基づいて、発光部の発光を制御する発光制御部と、を有することを特徴とする。
以上のような請求項7の発明では、外部から、発光部の発光を遠隔制御することができるので、利便性が向上するとともに、スイッチ等の接点部分が水をかぶることによる不具合を防止できる。
【0018】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか1項の装飾用容器において、前記発光部からの光を外部に導出する光ファイバが設けられていることを特徴とする。
以上のような請求項8の発明では、光ファイバによって、植物の周囲へ光を導出することにより、外部からの照明を必要とせずに、装飾的効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、簡素かつ安価な構成で、容器全体を発光させることができるとともに、安全でメンテナンスが容易な装飾用容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態(以下、実施形態とする)を、図面を参照して以下に説明する。
[実施形態の構成]
まず、本実施形態の構成を、図1〜3を参照して説明する。なお、図1は本実施形態の斜視図、図2は回路ブロック図、図3は縦断面図である。すなわち、本実施形態は、図1に示すように、内容器1、外容器2、照明装置3及びリモートコントローラ4によって構成されている。内容器1はガラス製の碗形状の容器であり、その内部に植物を支持するための土や石等の支持材が収容可能となっている。この内容器1の底面の中心には、後述する発光ダイオード30の頭部が入るように、穴10が貫通して設けられている。
【0021】
外容器2は、ガラス製の有底略円筒形状の容器であり、その内部に内容器1を収容可能なすり鉢状の収容部20が設けられている。この収容部20の底部には、図3に示すように、糸底状の空隙部21が形成されている。そして、空隙部21と収容部20との間には、発光ダイオード30のリードを通すための貫通穴22が形成されている。
【0022】
照明装置3は、図2及び図3に示すように、発光ダイオード30、回路基板31、受信部32、ACアダプタ33を備えている。発光ダイオード30は、頭部の発光部分が貫通穴22から突出するように配設され、電気的に導出されたリードは貫通穴22を通って回路基板31に接続されている。発光ダイオード30と貫通穴22との間には、Oリング5が配設されることにより、防水用の封止がなされている。
【0023】
回路基板31は、空隙部21内に収容されたケース34内に設けられ、空隙部21が樹脂等により封止されている。回路基板31には、図2に示すように、発光ダイオード30の発光を制御する発光制御部31aと、電源回路31bが構成された基板である。発光制御部31aは、受信部32が受信した切替信号に基づいて、発光ダイオード30のON,OFFを制御する手段である。この受信部32は、赤外線による切替信号を受信することにより、発光制御部31aに制御信号を出力することができる受光部である。また、電源回路31bには、プラグ付のACアダプタ33が接続されているので、電灯線からの電力により、発光ダイオード30を発光させる構成となっている。
【0024】
リモートコントローラ4は、照明装置3による発光ダイオード30のON,OFFを遠隔操作するための手段であり、発信部41、スイッチ42及び電源43を有している。発信部41は、赤外線による切替信号を発信する発光部である。スイッチ42は、手操作により発信部41へ切替信号の発信の有無を指示する手段である。電源43は、電池等の内蔵の電源である。
【0025】
[実施形態の作用]
以上のような構成を有する本実施形態は、以下のように使用する。すなわち、図3に示すように、内容器1を、その穴10が外容器2の収容部20から突出した発光ダイオード30に合うように収容する。そして、図4に示すように、内容器1の内部に、土や石等の植物用の支持材Xを収容する。このような支持材Xに、図5に示すように、所望の植物Yを植える。既に他の容器で栽培されている場合には、支持材Xとともに内容器1に移し変えてもよい。なお、支持材Xが水を含んでいる場合、これから出る余分な水分については、内容器1の穴10から流出する。
【0026】
次に、外容器2を所望の場所に設置して、ACアダプタ33のプラグをコンセントに差し込む。この状態で、リモートコントローラ4のスイッチ42を操作すると、発信部41から赤外線による切替信号が発信され、これを受信部32が受信する。すると、発光制御部31aが、発光ダイオード30を発光させる。
【0027】
発光ダイオード30からの光は、図6に示すように、ガラスである内容器1の穴10及び外容器2の貫通穴22から進入してガラス内部に行き渡るので、図7に示すように、内容器1及び外容器2の全体が発光する(図7において、各部の対応箇所は、図5より明らかであり、符号の図示が困難なため、符号は省略する)。これにより、植えられた植物Yとともに効果的なライトアップが実現でき、幻想的な雰囲気を作り出すことができる。
【0028】
[実施形態の効果]
以上のような本実施形態によれば、単に外部若しくは内部から光を照射する場合と異なり、内容器1の穴10外容器2の貫通穴22及びを介して、発光ダイオード30からの光がガラス内部全体に行き渡り、結果として容器全体が発光する。従って、発光ダイオード30の数が少なくても、全体を発光させることができるので、構成が簡素かつ安価となり、安全でメンテナンスが容易となる。特に、支持材Xにより汚れ易い内容器1は、碗状体に穴10が形成された単純な形状なので、洗浄等の手入れも容易である。
【0029】
また、内容器1の穴10に発光ダイオード30が入るように、内容器1を外容器2内に収容することにより、内容器1の位置決めが容易になるとともに、外容器2からのずれが防止され、安定した姿勢を確保できる。特に、本実施形態のように、口径が円で、丸みを帯びた内容器1であっても、穴10及び発光ダイオード30を中心に設けることにより、中心合わせが容易となり、傾きやずれが生じにくい。
【0030】
また、支持材Xからの余分な水分は、内容器1の穴10から流出するので、水はけを確保できる。そして、内容器1からの水は外容器2へ流出するが、発光ダイオード30と貫通穴22との間はOリング5によって封止されているので、回路基板31側へ流出することが防止され、電気的接続部分への影響がなく、安全性が確保される。
【0031】
また、リモートコントローラ4によって、発光ダイオード30の発光を遠隔制御することができるので、照明装置3側にスイッチを設ける必要がない。このため、接点部分に水がかかることによる不具合を防止できる。特に、回路基板31は樹脂封止されているので、水分からの影響を遮断することができ、強い耐水性が得られる。
【0032】
[他の実施形態]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、各部材の大きさ、形状、数、材質、色等は適宜変更可能である。例えば、内容器、外容器の形状は上記の実施形態で例示したものには限定されず、多角形状や不規則な形状であってもよいし、周囲若しくは内側に種々のカットや模様を施してもよい。また、内容器と外容器との接触面に、互いに係合する凹凸を設けることにより、位置合わせをさらに容易にして、姿勢の安定化を図ることもできる。
【0033】
内容器と外容器は、ともにガラス製とすることが最も望ましいが、少なくとも一方がガラスであればよい。例えば、いずれか一方を樹脂製とすることにより、安価に構成することもできる。また、上記の実施形態では、内容器の上端が外容器よりも低くなっていたが、内容器の上部が外容器よりも高く突出していてもよい。ガラスについては、その製法や成分に関しても、自由である。熱強化、化学強化、積層強化等種々の方法によって強度を高めたり、種々の材料を含めることにより色彩その他の視覚的効果を異なるものとしてもよい。従って、内容器及び外容器の色についても、その透明度についても自由である。
【0034】
発光部の数も自由である。例えば、図8に示すように、発光ダイオード30を複数設けてもよい。かかる構成にすれば、さらに、外容器2に対する内容器1の位置決めの容易化と姿勢の安定性向上を図ることができる。複数の発光部のうち、スイッチ操作に応じて、どの発光部を発光させるかを選択できるようにしてもよい。内容器に形成するのは、貫通した穴である必要はない。例えば、図9に示すように、発光ダイオード30が入る窪み(溝)11とすることもできる。つまり、発光部に対応する窪みは、外面に対して凹んだ部分を意味するため、比較的長い溝でもよい。穴や窪みの内部に溝や凹凸、不規則な形状が加工されていてもよい。
【0035】
さらに、装飾的効果を増すために、回路基板に設けられた発光部からの光を外部に導出する光ファイバーを設けてもよい。例えば、図10及び図11に示すように、回路基板31に設けられた発光ダイオード30に光ファイバー6の一端を配設し、他端を外容器2の貫通穴22から貫通させてから外部に導出させた実施形態としてもよい。この場合、光ファイバー6が貫通した貫通穴22は、ゴムや樹脂等の封止材61により封止する必要がある。これにより、図12に示すように、さらに装飾的効果を高めることができる(図7において、各部の対応箇所は、図11より明らかであり、符号の図示が困難なため、符号は省略する)。
【0036】
また、内容器若しくは外容器のみに、発光部が入る穴若しくは窪みを形成してもよい。例えば、図13に示すように、外容器2に、発光ダイオード30が入る窪み23を形成してもよい。この例では、図14に示すように、発光ダイオード30を複数配設して、発光制御部(図2の31a参照)として構成されたマイクロコンピュータを、発光パターンを設定したプログラムで動作させることにより、各発光ダイオード30の発光制御を行うものである。この発光制御の例を、図15、図16のフローチャートを参照して説明する。図15は中心部の3つの発光ダイオード30の発光制御、図16は周縁の3つ1組(合計3組)の発光ダイオード30のうち、1組の発光ダイオード30の発光制御(他の組も同様)に対応する。
【0037】
すなわち、中心部の3つの発光ダイオード30は、電源ONとなった場合(ステップ101)、全て同時に点灯させる(ステップ102)。そして、秒数のカウントを開始し(ステップ103)、15秒を経過したら(ステップ104)、全て同時に消灯させる(ステップ105)。さらに、15秒を経過したら(ステップ106)、全て同時に点灯させる(ステップ102)、以後は電源OFFとなるまで上記の処理を繰り返す。
【0038】
また、周囲の各組の3つの発光ダイオード30は、電源ONとなった場合(ステップ201)、秒数のカウントを開始する(ステップ202)。そして、5秒を経過したら「ステップ203)、1つ目の発光ダイオード30を点灯させる(ステップ204)。次に、5秒を経過したら(ステップ205)、2つ目の発光ダイオード30を点灯させ(ステップ206)、5秒を経過したら(ステップ207)、3つ目の発光ダイオード30を点灯させる(ステップ208)。さらに、5秒を経過したら(ステップ209)、全ての発光ダイオード30を消灯し(ステップ210)、以後は電源OFFとなるまで上記の処理を繰り返す。
【0039】
なお、ここで示した発光制御パターン、発光部の数はあくまでも例示であり、本発明がこれに限定されるものではない。また、外部に導出したコネクタに、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを接続することにより、プログラムをユーザが変更できるように構成してもよい。発光制御部に接続若しくは一体化されたICタグを内蔵させて、リーダライタによってプログラムを変更できるように構成してもよい。
【0040】
また、発光部は、発光ダイオードには限定されない。蛍光管や電球であってもよい。発光ダイオードは比較的安価且つ長寿命であり理想的であるが、各種発光部を交換可能とする構成をどのようにするかも自由である。電源についても、電池式にしてもよい。電池式すれば、持ち運びも容易であるし、設置場所の自由度が増す。電池を充電式とするか交換式とするかも自由であるが、例えば、電磁誘導式の充電器により内蔵電池に充電可能な構成とすれば、端子が露出しないので、水分の影響を受けない。
【0041】
遠隔操作するための情報を送信するための媒体は、赤外線に限らず、光や電波等の電磁波、音等、種々のものが考えられる。従って、入室を検知する光センサーや、手叩きや発生に反応する音センサーをスイッチとすることもできる。また、必ずしもリモートコントローラによる遠隔操作式にする必要はなく、容器側にスイッチをもうけてもよい。例えば、指の接触でON,OFFを切り替えることができるタッチスイッチ(タッチパネル、タッチセンサー)を設けることにより、容器の外観を損ねない構成とすることもできる。特にスイッチを設けなくても、ACアダプターのプラグのコンセントへの抜き差しをスイッチの替わりとすることもできる。
【0042】
また、どのような装飾物を収容するかは自由である。例えば、植物を収容する場合、生花、観葉植物、樹木の他、造花等でもよい。山野草等はライトアップに最適であるし、盆栽等により新しい美観を創造する可能性を追求できる。すなわち、請求項における「植物」は、植物を模したものも含まれる広い概念である。植物を支持する支持材としても、土や石の他、培養土、人工土、オアシス、木材、紙、発泡剤、剣山等、あらゆるものが含まれる。植物以外の装飾物を用いる場合には、水分の保持等を考慮する必要がないため、収容物の自由度はより一層高まる。さらに、穴、貫通穴、空隙部等の防水処理は、上記の実施形態で例示したものには限定されず、ゴム、樹脂充填等種々のものが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の装飾用容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態の発光制御用の回路を示すブロック図である。
【図3】図1の実施形態における内容器の外容器内へ挿入を示す縦断面図である。
【図4】図1の実施形態における内容器への栽培用土の収容を示す縦断面図である。
【図5】図1の実施形態における花を植えた状態を示す斜視図である。
【図6】図1の実施形態における光の伝播を示す説明図である。
【図7】図1の実施形態における発光状態を示す斜視図である。
【図8】発光部を複数とした一実施形態を示す縦断面図である。
【図9】内容器に発光部が入る窪みを設けた一実施形態を示す縦断面図である。
【図10】光ファイバを設けた一実施形態を示す縦断面図である。
【図11】光ファイバを設けた一実施形態における斜視図である。
【図12】図10の実施形態における発光状態を示す斜視図である。
【図13】外容器にのみ窪みを設け、複数の発光ダイオードを設けた一実施形態を示す縦断面図である。
【図14】図13の実施形態における発光ダイオードの配置例を示す平面図である。
【図15】図13の実施形態における中心部の発光ダイオードの発光パターンの一例を示すフローチャートである。
【図16】図13の実施形態における周縁部の各組の発光ダイオードの発光パターンの一例を示すフローチャートである。
【図17】従来の装飾照明の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1…内容器
2…外容器
3…照明装置
4…リモートコントローラ
5…Oリング
6…光ファイバー
10…穴
20…収容部
21…空隙部
22…貫通穴
23…窪み
30…発光ダイオード
31…回路基板
31a…発光制御部
31b…電源回路
32…受信部
33…ACアダプタ
34…ケース
41…発信部
42…スイッチ
43…電源
61…封止材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾物を収容可能な容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、
前記容器はガラスで形成され、
前記容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする装飾用容器。
【請求項2】
装飾物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、
前記外容器はガラスで形成され、
前記外容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする装飾用容器。
【請求項3】
装飾物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、
前記内容器はガラスで形成され、
前記内容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする装飾用容器。
【請求項4】
前記穴若しくは前記窪みには、防水用の封止手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾用容器。
【請求項5】
植物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、
前記内容器と前記外容器の少なくとも一方は、ガラスで形成され、
前記外容器の内側に形成された穴から、前記発光部の少なくとも一部が突出するように配設され、
前記内容器には、前記外容器に収容された場合に、前記発光部の突出部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする装飾用容器。
【請求項6】
前記外容器の穴と前記発光部との間には、防水用の封止手段が設けられていることを特徴とする請求項5記載の装飾用容器。
【請求項7】
外部からの切替指示を受信する受信部と、
前記受信部で受信した切替指示に基づいて、発光部の発光を制御する発光制御部と、
を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装飾用容器。
【請求項8】
複数の発光部を有し、
各発光部の発光時間を制御する発光制御部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装飾用容器。
【請求項9】
前記発光部からの光を外部に導出する光ファイバが設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装飾用容器。
【請求項1】
装飾物を収容可能な容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、
前記容器はガラスで形成され、
前記容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする装飾用容器。
【請求項2】
装飾物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、
前記外容器はガラスで形成され、
前記外容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする装飾用容器。
【請求項3】
装飾物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、
前記内容器はガラスで形成され、
前記内容器には、前記発光部の少なくとも一部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする装飾用容器。
【請求項4】
前記穴若しくは前記窪みには、防水用の封止手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾用容器。
【請求項5】
植物を収容可能な内容器と、前記内容器を収容可能な外容器と、発光部を有する照明手段とを備えた装飾用容器において、
前記内容器と前記外容器の少なくとも一方は、ガラスで形成され、
前記外容器の内側に形成された穴から、前記発光部の少なくとも一部が突出するように配設され、
前記内容器には、前記外容器に収容された場合に、前記発光部の突出部が入る穴若しくは窪みが形成されていることを特徴とする装飾用容器。
【請求項6】
前記外容器の穴と前記発光部との間には、防水用の封止手段が設けられていることを特徴とする請求項5記載の装飾用容器。
【請求項7】
外部からの切替指示を受信する受信部と、
前記受信部で受信した切替指示に基づいて、発光部の発光を制御する発光制御部と、
を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装飾用容器。
【請求項8】
複数の発光部を有し、
各発光部の発光時間を制御する発光制御部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装飾用容器。
【請求項9】
前記発光部からの光を外部に導出する光ファイバが設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装飾用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図7】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図7】
【図12】
【公開番号】特開2007−141534(P2007−141534A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330895(P2005−330895)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(505424882)有限会社石輝緑地 (1)
【出願人】(505424907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(505424882)有限会社石輝緑地 (1)
【出願人】(505424907)
【Fターム(参考)】
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