説明

製品販売支援システム

【課題】 製品メーカおよび販売店の業務の効率化、並びに、販売店における営業力強化および顧客満足度の向上を図ることできる。
【解決手段】 製品メーカと販売店とのPC端末5,6と共にインターネット7に接続するシステムサーバ2およびPC端末4を有する販売支援センター1を設ける。PC端末6は、表計算とCADレイアウトとのソフトウェアを予めインストールし、販売支援センター1でインターネット上に開設されるウェブページ12から、データベース3に格納される販売ツール11、レイアウトプログラム13、見積りプログラム14を取り出してレイアウトと見積書とを自動的に作成する。販売支援センター1が、ホームページ12の画面によりPC端末6で作成した見積り情報を受けて製品メーカのPC端末5に電子メールで発注すると共に受けた見積り情報を見積り5に格納しPC端末5,6へ参考に提供する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、購入して使用する製品の最終ユーザに、部品を含む商品としてのこれら製品を販売する販売店を支援する製品販売支援システムに関し、特に、製品メーカおよび特約販売店の業務の効率化、並びに、特約販売店の営業力強化および顧客満足度の向上を図ることができる製品販売支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の製品販売支援システムでは、例えば、特開2000−035990号公報に記載の住宅販売支援システムがある。このシステムでは住宅メーカの販売担当者と住宅購入者との間で行なう打合せ業務を低コストで実現するため端末装置とサーバとがインターネットで接続され、顧客に対して端末装置は間取り設計に必要な情報をサーバに送信し、サーバは、間取り設計に必要な情報を受け取った際に、間取り情報を生成して端末装置へ返送する。この結果、サーバから受けた間取り情報が端末装置で出力される。
【0003】また、特開平11−213043号公報では、設計業務と見積り業務とを一括で行なって見積書の作成時間を短縮することを目的として、見積業務支援システムが、CAD(Computer Aided Design)で設計図面データを作成してデータベースに登録し、このデータから見積り条件の画面設定および分析と図面データ中のシンボルデータから抽出した内訳とから見積り原票を作成し、これから見積書を作成し、必要に応じて訂正した後、登録している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の製品販売支援システムのうち、住宅販売支援システムでは、メーカの担当者がクライアント側の端末装置を用い、インターネットを介してメーカ側にあるサーバ装置に接続し、間取り情報を得ている。従って、サーバ装置にはメーカにより設計されたデータが格納されているので、メーカの設計方針および設計条件が優先されており、クライアント先での設計には融通性に欠ける恐れがあるという問題点がある。
【0005】後者の、見積業務支援システムでは、設計業務と見積り業務とを一つのコンピュータシステムで実行しており、製品メーカ側におけるシステムといえる。従って、営業マンがこのデータベースを取り込んで、場所も異なる複数のクライアント先で販売促進に利用する場合、データベースの内容が最新のデータであることを常に監視する必要があり、業務上煩雑であるという問題点がある。特に複数の製品メーカにわたる製品の品揃えには不適当であるといえる。
【0006】また、上述した両者を併せても、上記問題点を回避することはできない。
【0007】本発明の課題は、このような問題点を解決し、製品メーカおよび販売店の業務の効率化、並びに、販売店の営業力強化および顧客満足度の向上を図ることができる製品販売支援システムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による製品販売支援システムは、購入して使用する製品の最終ユーザに当該製品を販売する販売店を支援するため、少なくとも一つの製品メーカおよび複数の前記販売店それぞれに備えられるコンピュータ端末と少なくとも一つのネットワークで相互接続されて前記メーカおよび前記販売店それぞれのコンピュータ端末間に介在して、本サービスを提供するシステムサーバおよびデータベース、並びにその端末で構成される販売支援センターを備えるものであって、当該販売支援センターにおけるものである。
【0009】この販売支援センターにおいて、前記データベースは所定の機能を実行するためのプログラムおよび一時メモリ領域、並びに所定のレイアウトを作成するためのCAD(Computer Aided Design)ソフトウェアを有している。前記システムサーバは、前記製品メーカ側から製品情報を得た際には販売ツールを作成して前記データベースに格納し、前記販売店側からの要求に際し要求されたデータを前記データベースからダウンロードして販売店側に提供し、前記販売店側から受けたデータは所定の処理を行なって前記データベースに保存することを特徴としている。
【0010】このような製品販売支援システムが、製品メーカと販売店との間に介在することにより、製品メーカでは、営業関連業務を委託できるので単純なメーカ業務のみとなり業務の効率化を図ることができる。また、販売店側では、製品販売支援システムとの間で見積作成、在庫確認、発注処理などの仕事がコンピュータ処理できるので、各処理の迅速化が実現し、業務の効率化に加えて、顧客との交渉でCS(Customer Satisfaction)の向上および営業力の強化が得られる。
【0011】また、具体化された前記データベースは、前記製品メーカから受けた製品情報に基づく各製品に関する販売ツール、前記コンピュータ端末に予めインストールされ前記製品のレイアウトをデザインするCAD(Computer Aided Design)ソフトウェアを用いてレイアウトを作成するレイアウトプログラムそれぞれを格納すると共に前記システムサーバにより実行されるプログラムを格納し、更に前記システムサーバが前記プログラムを実行する際に一時記憶として動作する記憶領域を有している。また、前記コンピュータ端末は前記CADソフトウェアを予めインストールし、前記システムサーバは、前記コンピュータ端末からレイアウト作成の指定要求を受けた際には前記CADソフトウェアを用いて作成するために予め定められたレイアウト用の画面を送付し、製品設定の指定要求を受けた際には前記販売ツールから製品設定画面を送付し、かつ完成したレイアウトを受付けた際にはそのレイアウトを前記データベースに格納することを特徴としている。
【0012】このような構成により、販売店側のコンピュータ端末に、レイアウト用の各製品データをシステムサーバからインストールできるので、営業マンが、販売促進のため、インストール済みの前記CADソフトウェアを用い前記最終ユーザの要望に基づいてコンピュータ端末の操作により容易に製品のレイアウトを作成できると共に最終ユーザの前で画面に提示できる。
【0013】上述したレイアウトに用いる前記製品の画像は、三次元オブジェクト化されることが望ましい。前記各製品が三次元オブジェクト化してCADソフトウェアにより画面上に表示することにより、最終ユーザへのプレゼンテーション効果が大きい。
【0014】また、前記販売ツールに含まれる前記各製品のデータには、見積書作成にリンクする少なくとも価格、型番を含む属性データを有していること、または、レイアウトに用いる前記各製品のデータには、少なくともメーカ名、外径寸法、色相、価格を含むパラメータを有しており、当該パラメータの指定によりレイアウト上に該当製品が表示されることが望ましい。
【0015】また、前記システムサーバはウェブページを有し、前記販売店側のコンピュータ端末では前記ウェブページにアクセスして当該ウェブページの画面により前記見積書に基づき発注することができる。
【0016】前記販売店側のコンピュータ端末は表計算ソフトウェアを予めインストールし、前記データベースは、当該表計算ソフトウェアを用いて見積書を作成する見積りプログラムを有し、前記システムサーバは、前記コンピュータ端末から見積り作成の指定要求を受けた際には前記表計算ソフトウェアを用いて作成するために予め定められた見積書用の画面を送付し、作成済みレイアウトの指定要求を受けた際には前記データベースから取出してレイアウト画面を送付し、かつ前記見積書用画面およびレイアウト画面を受け取った前記販売店側のコンピュータ端末は前記表計算ソフトウェアを用いて見積書を完成することができる。
【0017】このような構成により、営業マンは、当該コンピュータ端末で作成したレイアウトに従って単純操作で見積書を作成できる。
【0018】作成した見積書は前記ネットワークを介して前記システムサーバに送られる。当該システムサーバから当該見積書に含まれる製品の各メーカに対して当該製品の在庫と納期とを問い合わせ、この回答にしたがって前記販売店の発注処理および前記製品メーカの受注処理を行なうことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。参照する図面では、紙面の都合上、本発明による新規事項に無関係の構成要素の一部は図示を省略している。サーバまたは端末は、接続先ネットワークとしてインターネットを介して接続されているものとし、図示されていないが、少なくともプロセッサおよびメモリを備え、メモリに格納される所定のプログラムに基づいてプロセッサが動作して機能を発揮している。
【0020】図1は本発明の実施の一形態を示す機能ブロック図である。図1に本発明による製品販売支援システムの一つの構成がブロック図で示されている。また、販売店は、本製品販売支援システムに対して特別に契約を取り交わし、インターネット上で情報の交換に会員符号と暗証符号とが付与されている特約販売店であるものとする。また、製品販売支援システムは、製品メーカおよび販売店を纏める一つの業者が運営することが、業務の効率化のために望ましい。
【0021】図示されるように製品販売支援システムに販売支援センター1が設けられていることが本発明の特徴である。販売支援センター1は、システムサーバ2、データベース3、およびパーソナルコンピュータ端末(以後、PC端末と略称する)4により構成される。販売支援センター1のシステムサーバ2およびPC端末4は、製品メーカ側のPC端末5、および特約販売店側のPC端末6と共にインターネット7に接続されている。
【0022】本実施の形態では、特約販売店側のPC端末6の営業マンが本製品販売支援システムのユーザであり、販売相手はある事業所であり、販売対象は所内のルームに最適なレイアウトおよびそこに備えられる製品であるものとする。従って、製品には、各ルーム内に配備される事務用機器、情報処理機器、通信機器、電化製品、照明器具、什器およびその収納具などが含まれる。
【0023】システムサーバ2は、データベース3に格納されるソフトウェア命令の所定のプログラム(図示省略)をプロセッサ(図示省略)が実行することにより下記の動作を行なう。
【0024】すなわち、システムサーバ2は、製品メーカ側からPC端末5を介して製品情報を得た際には本システムのPC端末4の支援を受け販売ツール11を作成してデータベース3に格納する。システムサーバ2は、PC端末4からの入力により本システムに関するウェブページ12を作成し、インターネット上に開設してデータベース3に格納する。またシステムサーバ2は、特約販売店側のPC端末6から受けるレイアウトおよび見積書に基づいて製品メーカへの発注書を作成し、データベース3の見積り履歴15に格納する。
【0025】更に、システムサーバ2は、特約販売店側からPC端末6を介して受ける要求に際し要求されたデータをデータベース3からダウンロードしてPC端末6に提供し、PC端末6から受けたデータは所定の処理を行なってデータベース3に保存している。
【0026】次にデータベース3は、システムサーバ2が所定の機能を実行するためのプログラム、およびシステムの機能を実行するための一時メモリ領域を有している。例えば、データベース3は、上記販売ツール11およびウェブページ12に加えて、レイアウトプログラム13、見積りプログラム14、並びに見積り履歴15を有している。格納されるそれぞれについては詳細を後述する。
【0027】PC端末4,5,6は、汎用のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、デスクトップ型および携帯型のいずれでもよく、予めインストールされたCAD(Computer Aided Design)レイアウトソフトウェアを用いてレイアウトを作成し、かつ、予めインストールされた表計算ソフトウェアを用いて見積書を作成すると共に、ブラウザを備えインターネット7を介して相互に電子メールの交換ができる。インストールするCADレイアウトソフトウェアは、本製品販売支援システムで作成したものであり、例えば、カートリッジ、CD-ROMなどによりユーザに提供される。図示は省略されているが、周知のようにPC端末は、入力部、プロセッサ、メモリ、および出力部により構成されている。入力部は例えば、キーボードおよびマウスである。メモリは、DRAM、HDD、CD−ROMなどによる主記憶および補助記憶部で構成される。出力部には、CRTなどの可視表示装置、印刷によるハードコピー装置、およびスピーカなどの可聴出力装置がある。
【0028】PC端末4は、販売支援センター1に設けられ、他のPC端末5,6と電子メール交換できると共に、システムサーバ2を制御してウェブページ12等の作成または更新を行なう。
【0029】PC端末5,6は、システムサーバ2を介して販売支援センター1の各種資料および情報を取り出し、結果を画面に表示して利用する。従って、特にPC端末6は、CADレイアウトソフトウェアを予めインストールすることによって、営業マンにより最終ユーザである製品購入予定者に対する販売促進および受注活動のために有効に活用できる。
【0030】ここで、図2に図1、更に、図3から図6までを併せ参照して、本発明におけるPC端末5,6について説明する。
【0031】図示されるように製品メーカ側のPC端末5は、入力部から入力される自社の製品情報、在庫情報等、およびインターネット7を介して受ける受注処理情報等をメモリに格納している。
【0032】製品情報、特に新製品情報は、電子メールで販売支援センター1のPC端末4へ送ることにより、販売支援センター1で適切な販売ツール11に作成してデータベース3に保存される。後述する販売ツール11における製品オブジェクトの作成に対しては販売支援センター1で別にインストールするCADソフトウェアを用いている。在庫情報は、システムサーバ2から受ける発注処理21の問合せに応じる際に提供される。受注処理情報は販売支援センター1を介して受けた発注情報を受注処理した際の情報であり、メモリの所定領域に履歴として格納する。
【0033】図3は、上記販売ツール11として販売支援センター1から送付されPC端末で画面表示される製品データの一例を示す製品選択画面である。
【0034】図示されるように、画面では、品名に対して、三次元オブジェクト、形状、パラメータなどが含まれ、パラメータには、商品名称、型番、価格、メーカ名などの属性データと外形寸法、色相などとが含まれている。PC端末で表示された画面上でパラメータを変更して変更表示を要求した際には、パラメータの一致した製品を他の製品群から選択して表示する。また、画面には、製品別項目メニューによるライブラリを有しており、製品の選択が可能である。
【0035】特約販売店側のPC端末6には、レイアウトを作成するためのCADレイアウトソフトウェアおよび見積書を作成するため表計算ソフトウェアが予めインストールされている。このCADレイアウトソフトウェアは本製品販売支援システムに適切なものであり、本製品販売支援システムから提供されている。
【0036】例えば、PC端末6では、端末ユーザが、販売支援センター1のウェブページ12を介してレイアウトプログラム13を呼び出し、インストール済みのCADレイアウトソフトウェアを用いてオフィスのレイアウトを作成できる。
【0037】図4は製品の机をレイアウトして三次元表示した一例である。レイアウト画面に表示するオブジェクトは上記図3に示される販売ツール11の製品選択画面から転写できる。製品オブジェクトは、画面のメニューバーに示される項目を画面ボタンとしてその順序に従って製品画像の呼出し、転写、配置、向き具合などを操作することにより作成できる。更に、画面上の各オブジェクトを示す製品画像は販売支援センター1の販売ツール11とリンクしている。従って、PC端末では、画面上のオブジェクトをクリックして図3の製品選択画面を呼び出すことができる。
【0038】図5には、図4に製品を配置してレイアウトを完成した製品に対するオブジェクトおよびパラメータを一覧表とした一例が示されている。上述したように、作成されたレイアウトに配置された製品画像は販売支援センター1の販売ツール11とリンクしている。従って、PC端末では、特定レイアウトからその製品一覧を指定することにより、図5に示されるようなオブジェクトおよびパラメータを含むカタログ的な製品一覧画面を得ることができる。
【0039】また、PC端末6では、販売支援センター1のウェブページ12を介して見積りプログラム14を呼び出し、作成したレイアウトに基づき表計算ソフトウェアを用いて見積書を作成することができる。この見積書は、見積り情報としてcsv(Comma Separated Value)ファイルにより内部メモリに保存するが、更に、システムサーバ2にアクセスしてデータベース3にも保存できる。
【0040】図6には、ウェブページ12を介して見積書作成項目を指定した際に表示されるトップ画面の一例が示されている。画面のサブ項目指定により、予め指定された表計算ソフトウェアによる見積書が取り出される。更に、プロジェクトに対応するレイアウトを特定することにより、例えば、上記図5に示される一覧表から該当項目が検索されて見積書の該当欄に挿入されるので、見積書のフォーマットが自動的に完成する。
【0041】見積書の内容としては、例えば、オフィス商品、コンピュータ装置、照明器具など複数の製品メーカにまたがる関係情報である。この情報には、製品の名称、型番、商品番号、色、価格等が含まれる。PC端末6の端末ユーザは、保存した見積り情報を、インターネット7を介して販売支援センター1にアクセスしてシステムサーバ2に、または販売支援センター1のPC端末4に、送りこむことにより発注することができる。発注の際には、製品メーカへ製品の在庫および納期の確認が必要である。発注内容は、システムサーバ2またはPC端末4により関連各製品メーカのPC端末5へ電子メールを用いて送信される。
【0042】PC端末4,5,6のいずれからも同様の手順で、システムサーバ2から本システムのウェブページ12を呼び出すことができる。このアクセス手順はPC端末のブラウザにより予め通知されているURL(Uniform Resource Locator)をインターネット上で検索することでよい。
【0043】図1に示されるデータベース3内に格納されるデータ、すなわち販売ツール11、ウェブページ12、レイアウトプログラム13、見積りプログラム14、および見積り履歴15それぞれは上述する機能を有している。
【0044】整理すれば、販売ツール11は、製品毎に図3に示されるような三次元オブジェクトによる画面、および名称、型番、価格等の属性データと外形寸法、色相などの情報とをパラメータとして含むものであり、PC端末の画面でプレゼンテーションできると共に、この画面からデータを見積書に転写可能なものである。
【0045】ウェブページ12は、特約販売店側のPC端末6からのアクセスにより、販売ツール11並びにレイアウトおよび見積書を作成するための資料および情報を取出す一方、作成資料を入力するために、製品販売支援システムによりインターネット上に開設されている。もちろん、ウェブページ12に他のPC端末4,5からもアクセスすることができる。
【0046】レイアウトプログラム13は、ウェブページ12を介してレイアウトを作成する際に用いられる。見積りプログラム14は、ウェブページ12を介して見積書を作成する際に用いられる。見積り履歴15は、システムサーバ2が特約販売店のPC端末6から受けた見積書データを見積り情報として格納し、更に、受注情報を格納してもよい。
【0047】次に、図7に図1,2を併せ参照して、本発明による販売支援センター1へPC端末からアクセスするシステムサーバ2の処理手順について説明する。例えば特約販売店側のPC端末6がブラウザにより所定のURLから本製品販売支援システムのウェブページ12を検索するものとする。
【0048】システムサーバ2は、特約販売店側のPC端末6からウェブページ12の呼出しを受付け(手順S1)した際には、データベース3からウェブページ12へログインするための受付け画面を送出(手順S2)する。PC端末6では、例えば、端末のユーザである営業マンが受付け画面で特約販売店として予め登録されている会員符号と暗証符号とをログオンする。
【0049】システムサーバ2は、PC端末6から会員符号と暗証符号とを受付け(手順S3)して符号の一致を確認し、会員を認証(手順S4のYES)することによりウェブページ12からメニュー項目を含むウェブページ画面をPC端末6へ送出(手順S5)する。PC端末6から、例えば販売ツール11の項目を指定された場合、システムサーバ2は、項目の指定を受付け(手順S6のYES)するのでリンク先ページあり(手順S7のYES)を判断してリンク先の販売ツールデータを販売ツール11から取り出し、その画像データを要求元へ送出(手順S8)する。
【0050】この手順S8により送出された画面に指定項目が更にある場合には、手順S6に戻り、手順は繰り返される。
【0051】上記手順S7が「NO」でリンク先がない場合には、指定された項目のデータまたは情報が送出、すなわちダウンロード(手順S9)される。この手順に次いで追加指定項目がある場合(手順S10のYES)には上記手順S6に戻り、手順は繰り返される。すなわち、パラメトリックプログラミングの適用により、指定される項目に順次アクセスできる。
【0052】上記手順は、アクセス元のPC端末で項目の指定操作がない限り手順S6の待合せとなり、また、画面が閉じられた場合には上記手順S1の待合せとなる。一方、PC端末では、画面の項目を画面の指示により順次指定することにより、上述したように、レイアウトおよび見積書の作成ができる。
【0053】次に図8に図1,2を併せ参照して、販売支援センター1における販売ツール11の作成および保存の手順について説明する。手順はウェブページ12の画面を送付した図7の手順S5に続くものである。
【0054】システムサーバ2は、PC端末から製品設定の項目指定を受付け(手順S21)するので、製品設定画面(図3参照)を送付(手順S22)する。販売ツールの新規作成を行なうPC端末では、新規作成を選択してライブラリ項目、オブジェクト画像、パラメータなどのデータを入力し、ログインする。
【0055】システムサーバ2は、PC端末から新規作成指定とその内容データとを受付け(手順S23のYES)するので、画面のライブラリ項目の製品名・名称に対応する新規ファイルとそのデータとを受け取って販売ツール11に格納(手順S24)する。
【0056】上記手順S23が「NO」で新規指定でない場合、PC端末はライブラリメニューから製品を選択指定するので、システムサーバ2はこの製品選択指定を受付け(手順S25のYES)し、指定された製品設定画面を送付(手順S26)する。
【0057】上記手順S24で受けたデータまたは手順S26で送付した画面で、PC端末ユーザからパラメータ等の変更要求を受付け(手順S27のYES)した場合、受付けしたと同一のパラメータを有する製品を販売ツール11で検索(手順S28)する。新パラメータに対応する製品があった場合(手順S29のYES)には、検索により選択された製品の製品設定画面を返送(手順S30)する。
【0058】一方、手順S29の「NO」で新パラメータに対する製品がない場合には、受けたデータを新製品として販売ツールに11に格納し格納した新製品設定画面を返送(手順S31)する。
【0059】次に、図9に図1,2を併せ参照して、販売支援センター1におけるレイアウトの作成手順について説明する。手順はウェブページ12の画面を送付した図7の手順S5に続くものである。
【0060】システムサーバ2は、PC端末からレイアウト作成の項目指定を受付け(手順S41)するのでレイアウト用の画面(図4参照)を送付(手順S42)する。次いでPC端末はレイアウトする製品のオブジェクトおよびパラメータを得るため製品設定項目を指定する。
【0061】システムサーバ2は、上記手順S21と同様に、製品設定項目の指定を受付け(手順S43)するので製品設定画面(図3参照)を送付(手順S44)する。PC端末はライブラリメニューから製品を選択指定するので、システムサーバ2はこの製品選択指定を受付け(手順S45のYES)し、指定された製品設定画面を送付(手順S46)する。PC端末のユーザが手順S46で送付した画面で満足する場合(手順S47のNO)には、この画面の製品オブジェクトをレイアウト画面に挿入配置(手順S48)により嵌め込み、レイアウトされた製品の構成一覧をcsvファイルに形成してレイアウトと共にPC端末内部に格納する一方、このcsvファイルとレイアウトの完成通知とをシステムサーバ2へ送出する。
【0062】システムサーバ2は、レイアウトの完成通知をレイアウトされた製品のcsvファイルと共に受付け(手順S49のYES)した際には、受付けたレイアウトデータを所定領域に格納(手順S50)する。
【0063】上記手順S47が「YES」で、上記手順S46で送付した画面で、PC端末ユーザからパラメータ等の変更要求を受付けした場合、後述するパラメータ変更手順51が実行される。
【0064】上記手順S49が「NO」でレイアウトが未完成の場合には、手順は上記手順S45に戻り、次にレイアウトする製品が選択される。
【0065】上記手順S48はPC端末での手順である。PC端末では、レイアウトが完成した際に、レイアウトされた製品のパラメータを纏めた構成製品一覧表(図5参照)を作成してレイアウトデータと共にメモリに格納する。この構成製品一覧表は必要の都度、レイアウトとレイアウトに含まれる製品の設定画面とから検索して作成する方法でもよい。
【0066】次に、図10に図1,2を併せ参照して上記手順S51の詳細について説明する。
【0067】上記手順S47が「YES」で、上記手順S46で送付した画面でPC端末ユーザからパラメータ等の変更要求を受付けした場合、システムサーバ2は、受付けしたと同一のパラメータを有する製品を販売ツール11で検索(手順S61)する。新パラメータに対応する製品があった場合(手順S62のYES)には、システムサーバ2は、検索により選択された製品の製品設定画面を製品設定指定画面としてPC端末へ送付(手順S63)して手順は上記手順S47に戻り、パラメータの変更がなくなるまで手順を繰り返す。
【0068】上記手順S62が「NO」で対応製品がない場合には「対応製品なし」がPC端末へ通知される。
【0069】次に、図11に図1,2を併せ参照して作成済みのレイアウトの検索および修正手順について説明する。手順はウェブページ12の画面を送付した図7の手順S5に続くものである。
【0070】システムサーバ2は、レイアウトの項目指定をPC端末から受付け(手順S71)した際に、レイアウトを検索するプロジェクトの一覧を示すレイアウト画面をデータベース3から取り出してPC端末へ送付(手順S72)する。PC端末では所望のプロジェクトが選択指定される。システムサーバ2は、プロジェクトの選択指定項目を受付け(手順S73)するので、対応するレイアウト画面をデータベース3で選択してPC端末へ送付(手順S74)する。
【0071】次いでPC端末から製品一覧表の要求を受付け(手順S75のYES)した場合、システムサーバ2は、データベース3の製品設定画面からレイアウトに含まれる構成製品の一覧表を送付(手順S76)する。
【0072】この結果、PC端末からレイアウトの変更を受付け(手順S77のYES)したシステムサーバ2は、上記レイアウト作成手順の手順S44へ進む。
【0073】次に、図12に図1,2を併せ参照して見積書の手順について説明する。手順はウェブページ12の画面を送付した手順S5に続くものである。
【0074】システムサーバ2は、見積書作成項目の指定をPC端末から受付け(手順S81)した際に、見積書作成のトップ画面(図6参照)をデータベース3から取り出してPC端末へ送付(手順S82)する。PC端末では見積り形式を指定するので、システムサーバ2は、見積り形式の指定を受付け(手順S83)し、該当する見積り形式の画面を送付(手順S84)する。
【0075】次いで、システムサーバ2は、プロジェクトの指定を受付け(手順S85のYES)するので、該当プロジェクトに対応するレイアウトデータを送付(手順S86)する。PC端末では、レイアウトデータを見積書に写しこむことにより見積書を作成するが、納期が不明である。従って、システムサーバ2は、PC端末から見積書に従った製品の在庫および納期の問合せを受付けするので、製品毎に各メーカに電子メールを送り、製品の在庫および納期を問合せ(手順S87)する。
【0076】この問合せに対する各メーカからの回答を受付け(手順S88)するので、システムサーバ2は、システムサーバ2は、問合せ元のPC端末へ在庫および納期を回答(手順S89)する。この結果、PC端末から発注を受付け(手順S90のYES)したシステムサーバ2は、各メーカへ所定の発注処理(手順S91)を行ない、この発注データに基づいてデータベース3の見積り履歴の更新(手順S92)を行なう。
【0077】各PC端末4,5,6は、ホームページ12を介して見積り履歴15を呼び出すことにより発注を確認することができる。
【0078】上記説明では、在庫および納期の確認を行なってから発注処理をおこなっているが、在庫および納期の問合せと共に製品の発注を行ない、在庫と納期が確認できた際に契約完了とみなしてもよい。
【0079】上記説明では、製品販売支援システムとして製品メーカと特約販売店との関に販売支援センターを設けてシステムサーバが支援動作を実行している。しかし、製品販売支援システムは、支援業者により運営されることが望ましい。専門家集団で構成される支援業者の場合、販売ツール、ホームページ、CADレイアウトソフトウェアなどのツールまたは情報が、専門家により一元化され、かつ最新の技術を駆使して作成できる。また、本システムによる各サイトを含むメンテナンスを専門的な人的資源により充実させることができる。従って、本発明による製品販売支援システムを利用する製品メーカおよび特約販売店では、自身の業務に専念できるのでそれぞれの業務において一層の効率化が期待できる。
【0080】上記説明では、図示された機能ブロックおよび手順を参照しているが、機能の分離併合による配分または手順の前後入替え、簡略化などの変更は上記機能を満たす限り自由であり、上記説明が本発明を限定するものではない。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、製品メーカでは、製品の販売に際して、製品情報、在庫情報、および受注処理に基づく受注情報のみを管理すればよく、特約販売店では、営業マンの販売促進活動のうち具体的な作業で多量の時間を要していた多数の製品に対するレイアウトの作成、見積書の纏め、および発注という手間が自動化され排除されるので、営業活動に時間の余裕が生じるという効果を得ることができる。
【0082】その理由は、製品メーカとその販売店との間に販売支援センターを設け、販売支援センターに複数のメーカを一括した販売ツール、製品レイアウト作成のためのCADソフトウェアそれぞれを作成して備え、営業マンが、必要に応じて販売支援センターからデータを得て、見積り情報を含むレイアウトを画面指示に従って自動的に作成することができるからである。
【0083】また、営業マンは、顧客の目前でその要望に応えたレイアウトを即座に三次元オブジェクト化してプレゼンテーションできるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す機能ブロック図である。
【図2】図1における販売支援センターとPC端末との関係の実施の一形態を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明で用いられる製品選択画面の実施の一形態を示す図である。
【図4】本発明で用いられるレイアウト画面の実施の一形態を示す図である。
【図5】本発明で用いられる製品一覧表の実施の一形態を示す図である。
【図6】本発明で用いられる見積書作成トップ画面の実施の一形態を示す図である。
【図7】図1におけるPC端末から販売支援センターへのアクセス手順の実施の一形態を示すフローチャートである。
【図8】図1における販売支援センターの販売ツール作成保存手順における実施の一形態を示すフローチャートである。
【図9】図1における販売支援センターのレイアウト作成手順における実施の一形態を示すフローチャートである。
【図10】図1における販売支援センターのパラメータ変更手順における実施の一形態を示すフローチャートである。
【図11】図1における販売支援センターのレイアウト検索修正手順における実施の一形態を示すフローチャートである。
【図12】図1における販売支援センターの見積書作成手順における実施の一形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 販売支援センター
2 システムサーバ
3 データベース
4、5、6 PC(パーソナルコンピュータ)端末
7 インターネット
11 販売ツール
12 ウェブページ
13 レイアウトプログラム
14 見積りプログラム
15 見積り履歴
21 発注処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】 購入して使用する製品の最終ユーザに当該製品を販売する販売店を支援するため、少なくとも一つの製品メーカおよび複数の前記販売店それぞれに備えられるコンピュータ端末と少なくとも一つのネットワークで相互接続されて前記メーカおよび前記販売店それぞれのコンピュータ端末間に介在して、本サービスを提供するシステムサーバおよびデータベース、並びにその端末で構成される販売支援センターを備えるものであって、当該販売支援センターにおける前記データベースは所定の機能を実行するためのプログラムおよび一時メモリ領域、並びに所定のレイアウトを作成するためのCAD(Computer Aided Design)ソフトウェアを有し、前記システムサーバは、前記製品メーカ側から製品情報を得た際には販売ツールを作成して前記データベースに格納し、前記販売店側からの要求に際し要求されたデータを前記データベースからダウンロードして販売店側に提供し、前記販売店側から受けたデータは所定の処理を行なって前記データベースに保存することを特徴とする製品販売支援システム。
【請求項2】 購入して使用する製品の最終ユーザに当該製品を販売する販売店を支援するため、少なくとも一つの製品メーカおよび複数の前記販売店それぞれに備えられるコンピュータ端末と少なくとも一つのネットワークで相互接続され、本サービスを提供するシステムサーバおよびデータベース、並びにその端末で構成される販売支援センターを備えるものであって、当該販売支援センターにおける前記データベースは、前記製品メーカから受けた製品情報に基づく各製品に関する販売ツール、前記コンピュータ端末に予めインストールされ前記製品のレイアウトをデザインするCAD(Computer Aided Design)ソフトウェアを用いてレイアウトを作成するレイアウトプログラムそれぞれを格納すると共に前記システムサーバにより実行されるプログラムを格納し、更に前記システムサーバが前記プログラムを実行する際に一時記憶として動作する記憶領域を有しており、前記コンピュータ端末は前記CADソフトウェアを予めインストールし、前記システムサーバは、前記コンピュータ端末からレイアウト作成の指定要求を受けた際には前記CADソフトウェアを用いて作成するために予め定められたレイアウト用の画面を送付し、製品設定の指定要求を受けた際には前記販売ツールから製品設定画面を送付し、かつ完成したレイアウトを受付けた際にはそのレイアウトを前記データベースに格納することを特徴とする製品販売支援システム。
【請求項3】 請求項2において、レイアウトに用いる前記製品の画像は、三次元オブジェクト化されることを特徴とする製品販売支援システム。
【請求項4】 請求項2において、前記販売ツールに含まれる前記各製品のデータには、見積書作成にリンクする少なくとも価格、型番を含む属性データを有していることを特徴とする製品販売支援システム。
【請求項5】 請求項2において、レイアウトに用いる前記各製品のデータには、少なくともメーカ名、外径寸法、色相、価格を含むパラメータを有しており、当該パラメータの指定によりレイアウト上に該当製品が表示されることを特徴とする製品販売支援システム。
【請求項6】 請求項2において、前記システムサーバはウェブページを有し、前記販売店側のコンピュータ端末では前記ウェブページにアクセスして当該ウェブページの画面により前記見積書に基づく発注を行なうことを特徴とする製品販売支援システム。
【請求項7】 請求項2において、前記販売店側のコンピュータ端末は表計算ソフトウェアを予めインストールし、前記データベースは、当該表計算ソフトウェアを用いて見積書を作成する見積りプログラムを有し、前記システムサーバは、前記コンピュータ端末から見積り作成の指定要求を受けた際には前記表計算ソフトウェアを用いて作成するために予め定められた見積書用の画面を送付し、作成済みレイアウトの指定要求を受けた際には前記データベースから取出してレイアウト画面を送付し、かつ前記見積書用画面およびレイアウト画面を受け取った前記販売店側のコンピュータ端末は前記表計算ソフトウェアを用いて見積書を完成することを特徴とする製品販売支援システム。
【請求項8】 請求項7において、前記レイアウトおよび見積書の作成プログラムには、パラメトリックプログラミングを採用することを特徴とする製品販売支援システム。
【請求項9】 請求項2、6または請求項7において、コンピュータ端末で表示される画面上のボタンが作成過程の一連操作の順に並んでいることを特徴とする製品販売支援システム。
【請求項10】 請求項2において、前記販売店側のコンピュータ端末では前記ネットワークを介して販売支援システム側の前記販売ツールから製品データをダウンロードして販売促進に供することを特徴とする製品販売支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2003−58732(P2003−58732A)
【公開日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−245996(P2001−245996)
【出願日】平成13年8月14日(2001.8.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000005979)三菱商事株式会社 (56)