説明

製図学習教材の表示方法及び製造方法、並びに、製図学習教材

【課題】製図実務に関する実践的ノウハウを効率的に習得することができる製図学習教材を提供する。
【解決手段】特定の組立構造体に組み込まれることを予定された製図の対象となる特定の製図対象物の製図過程に沿った複数の製図段階を設定して、製図段階ごとに製図過程の図面に対応する製図画像を表示しつつ複数の製図段階の説明を音声若しくは説明画像により順次に提示していくとともに、複数の製図段階のいずれかに対応する少なくとも一つの製図学習要素に対して、組込構造画像と、動作時画像と、加工時画像と、検査時画像とから選ばれた、製図学習要素との因果関係を有する少なくとも一つの解説用画像を、製図学習要素の含まれる製図段階に対応する製図画像と、任意の順序で相前後して表示し或いは同時に並行して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製図学習教材の表示方法及び製造方法、並びに、製図学習教材に係り、特に、製図学習教材を表示機器の画面を通して表示する表示技術、及び、表示機器の画面を通して学習を行うように構成された製図学習教材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製図学習教材としては、以下の特許文献1のように、立体構造を有する器具としての製図法学習教材が知られている。また、一般の学習用テキストなどは書籍として多数出版されているとともに、書籍以外にも、記録ディスク等に記録された製図法の解説を収録したビデオファイルとして構成されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3083063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、製図を行う場合には二次元若しくは三次元の図面をパソコンで作成することが多いため、上述の立体構造を有する器具を用いる方法は必ずしも現在の製図実務に合致しているとは言えない。一方、書籍やビデオファイルによる製図学習教材は多数出版されているものの、いずれも機械製図法や機械要素の知識を単に解説するものがほとんどであり、製図実務に必要な実践的ノウハウを習得することが難しいという問題点がある。特に、パソコンなどで再生して表示装置で提示された画像により学習できるビデオ教材は現実の製図環境に合致して効果的であると考えられるものの、画面表示の内容及び態様が製図実務に関する実践的ノウハウを習得するに適したものではないため、画像表示による学習効果を十分に発揮できていないのが実情である。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、製図実務に関する実践的ノウハウを効率的に習得することができる製図学習教材の表示方法、或いは、そのような表示方法を実現できる製図学習教材の製造方法、並びに、製図学習教材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
斯かる実情に鑑み、本発明の製図学習教材の表示方法は、特定の組立構造体に組み込まれることを予定された、製図の対象となる特定の製図対象物を選定し、前記製図対象物の製図過程に沿った複数の製図段階を設定して、前記製図段階ごとに前記製図過程の図面に対応する製図画像を表示しつつ前記複数の製図段階の説明を音声若しくは説明画像により順次に提示していくとともに、前記複数の製図段階のいずれかに対応する少なくとも一つの製図学習要素に対して、前記製造対象物が前記組立構造体の少なくとも一部に組み込まれた組込構造を示す組込構造画像と、前記製図対象物が前記組込構造中で動作する際の状況を示す動作時画像と、前記製図対象物が加工される際の状況を示す加工時画像と、前記製図対象物が検査される際の状況を示す検査時画像とから選ばれた、前記製図学習要素との因果関係を有する少なくとも一つの解説用画像を、当該製図学習要素の含まれる前記製図段階に対応する前記製図画像と、当該製図学習要素の解説内容に応じた少なくとも一つの前記解説用画像と、任意の順序で相前後して表示し、或いは、同時に並行して表示することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、組立構造体と、これに組み込まれる製図対象物とを選定することで製図対象物の組立構造体中の機能や位置付けなどの状況を具体的に設定することができるとともに、組込構造画像、加工時画像、動作時画像或いは検査時画像のいずれかよりなる解説用画像を用いることで、上記の設定状況を容易に理解することが可能になる。特に、各製図段階の製図画像と解説用画像とを任意の順序で相前後して表示し、或いは、同時に並行して表示することにより、製図画像の構成と、解説用画像によって説明される上記の設定状況との関係をより明確に把握することが可能になる。
【0008】
本発明の一の態様においては、前記解説用画像として前記組込構造画像、前記動作時画像、前記加工時画像及び前記検査時画像のうち少なくとも三種の画像がいずれかの前記製図学習要素において表示される。また、前記解説用画像として前記組込構造画像、前記動作時画像、前記加工時画像及び前記検査時画像の全てがいずれかの前記製図学習要素において表示されるようにしてもよい。
【0009】
本発明の別の態様においては、前記製図画像の表示中に、前記説明の提示内容に応じて、前記製図画像の標準表示態様から指摘箇所にズームインした拡大表示態様に移行させる第1のステップと、前記指摘箇所を強調表示する第2のステップと、を含む表示ステップ動作を実行する。ここで、前記第1のステップ及び前記第2のステップの後に、前記拡大表示態様からズームアウトし前記標準表示態様に戻す第3のステップをさらに実行することが望ましい。この場合に、前記第1のステップ及び前記第2のステップの後に、前記強調表示を解除する第4のステップをさらに実行してもよい。
【0010】
本発明において、前記解説用画像が動画であることが好ましい。特に、組込構造画像は製図対象物が組立構造体に組み込まれた構造を解説する上で製図対象物の組込手順を示す動画であることが効果的である。また、動作時画像は製図対象物が動作する際の状況を解説する上で製図対象物の動作態様を示す動画であることが効果的である。さらに、加工時画像は製図対象物が加工される際の状況を解説する上で製図対象物の加工進行状態を示す動画であることが効果的である。また、検査時画像は製図対象物が検査される際の状況を解説する上で製図対象物の検査手順を示す動画であることが効果的である。
【0011】
次に、本発明の製図学習教材の製造方法は、特定の組立構造体を選定する第1の設計手順と、前記組立構造体に組み込まれることを予定された、製図の対象となる特定の製図対象物を選定する第2の設計手順と、前記製図対象物の製図過程に沿った複数の製図段階を設定する第3の設計手順と、を備えた設計段階を設け、前記製図段階ごとに前記製図過程の図面に対応する製図画像を用意するとともに、前記複数の製図段階のいずれかに対応する少なくとも一つの製図学習要素に対して、前記製造対象物が前記組立構造体の少なくとも一部において組み込まれた組込構造を示す組込構造画像と、前記製図対象物が前記組込構造中で動作する際の状況を示す動作時画像と、前記製図対象物が加工される際の状況を示す加工時画像と、前記製図対象物が検査される際の状況を示す検査時画像とから選ばれた、前記製図学習要素との因果関係を有する少なくとも一つの解説用画像を用意し、各製図段階に対応する前記製図画像を表示しつつ前記複数の製図段階の説明を音声若しくは説明画像により順次に提示していくとともに、前記少なくとも一つの製図学習要素の解説に際しては、当該製図学習要素の含まれる前記製図段階に対応する前記製図画像と、当該製図学習要素の解説内容に応じた前記少なくとも一つの解説用画像とを任意の順序で相前後して表示し、或いは、同時に並行して表示するように、ビデオデータを編集し記録することを特徴とする。
【0012】
本発明の一の態様においては、前記複数の製図段階の説明を開始する前に、前記組立構造体の全体構造を示す全体構造画像を提示しつつ、前記全体構造及び構成部品の説明並びに前記製図対象物の特定を行う説明導入部を設けることが好ましい。
【0013】
本発明の他の態様においては、前記組立構造体に含まれる複数の前記製図対象物を選択し、当該複数の製図対象物についてそれぞれ前記複数の製図段階を説明していく複数の製図説明部を順次に設けることが望ましい。
【0014】
次に、本発明の製図学習教材は、特定の組立構造体の構造が説明される説明導入部と、その後に、前記組立構造体に組み込まれることを予定された製図の対象となる特定の製図対象物の製図過程に沿って設定された複数の製図段階とを有するビデオデータであって、前記製図段階では、前記製図過程の図面に対応する製図画像が表示されつつ、前記製図画像の説明が音声若しくは説明画像により順次に提示されるとともに、前記製図段階に対応する少なくとも一つの製図学習要素に対して、前記製造対象物が前記組立構造体の少なくとも一部において組み込まれた組込構造を示す組込構造画像と、前記製図対象物が前記組込構造中で動作する際の状況を示す動作時画像と、前記製図対象物が加工される際の状況を示す加工時画像と、前記製図対象物が検査される際の状況を示す検査時画像とから選ばれた、前記製図学習要素との因果関係を有する少なくとも一つの解説用画像が、当該製図学習要素の含まれる前記製図段階に対応する前記製図画像と、任意の順序で相前後して表示され、或いは、同時に並行して表示されるように編集された、再生可能なビデオデータが記録されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、製図学習要素との因果関係を有する組込構造画像、動作時画像、加工時画像或いは検査時画像のいずれか少なくとも一つよりなる解説用画像が、前記製図学習要素に対応する製図段階において製図画像と相前後して或いは同時に並行して表示されることにより、製図学習要素の解説が理解しやすくなるとともに製図画像との関係も把握しやすくなるため、従来よりも格段に高いレベルの製図学習効果を実現できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る実施形態の製図学習教材のビデオの内容構成を示す概略構成図。
【図2】組立構造説明段階A1の動画の表示態様の様子を示す表示画面1。
【図3】組立構造説明段階A1の動画の表示態様の様子を示す表示画面2。
【図4】組立構造説明段階A1の動画の表示態様の様子を示す表示画面3。
【図5】組立構造説明段階A1の動画の表示態様の様子を示す表示画面4。
【図6】組立構造体の組立過程を示す動画の表示態様を示す表示画面1。
【図7】組立構造体の組立過程を示す動画の表示態様を示す表示画面2。
【図8】組立構造体の組立過程を示す動画の表示態様を示す表示画面3。
【図9】組立構造体の組立過程を示す動画の表示態様を示す表示画面4。
【図10】組立構造体の組立過程を示す動画の表示態様を示す表示画面5。
【図11】組立構造体の組立過程を示す動画の表示態様を示す表示画面6。
【図12】組立構造体の組立過程を示す動画の表示態様を示す表示画面7。
【図13】第1製図説明部Bの製図導入節B0に用いられる動画の表示態様を示すための、製図対象物である軸受カバーを取り付けた部分を表示する表示画面。
【図14】製図導入節B0に用いられる動画の表示態様を示すための、製図対象物である軸受カバーを単独で表示する表示画面。
【図15】第1製図説明部Bの第2製図段階B2の開始に当たり示す製図対象物の表示画面。
【図16】第1製図段階B1後の初期段階における製図対象物の投影図を示す表示画面。
【図17】第2製図段階B2の投影図を配置した図面を示す表示画面。
【図18】第2製図段階B2の投影図の配置説明を示す表示画面。
【図19】加工時画像を示す表示画面。
【図20】加工時画像と製図対象物の投影図を配置した図面を同時に示す表示画面1。
【図21】加工時画像と製図対象物の投影図を配置した図面を同時に示す表示画面2。
【図22】加工時画像と製図対象物の投影図を配置した図面を同時に示す表示画面3。
【図23】第3製図段階B3の開始画面である図面を示す表示画面1。
【図24】第3製図段階B3における構造説明を行うための組込画像を示す表示画面1。
【図25】第3製図段階B3における構造説明を行うための組込画像を示す表示画面2。
【図26】第3製図段階B3における構造説明を行うための組込画像を示す表示画面3。
【図27】第3製図段階B3における構造説明を行うための組込画像を示す表示画面4。
【図28】第3製図段階B3における構造説明を行うための組込画像を示す表示画面5。
【図29】第3製図段階B3における構造説明を行うための組込画像を示す表示画面6。
【図30】第3製図段階B3における検査時の説明を行うための検査時画像を示す表示画面1。
【図31】第3製図段階B3における検査時の説明を行うための検査時画像を示す表示画面2。
【図32】第3製図段階B3における検査時の説明を行うための検査時画像を示す表示画面3。
【図33】第3製図段階B3の基準の説明を表示した表示画面。
【図34】第3製図段階B3の基準を強調した図面を示す表示画面。
【図35】第3製図段階B3の追加説明に用いる表示画面。
【図36】第4製図段階B4における最初の寸法記入例である図面を示す表示画面。
【図37】最初の問題箇所を強調した図面を示す表示画面。
【図38】次の問題箇所をズームインし、強調した図面を示す表示画面。
【図39】寸法公差の矛盾を説明する表示画面。
【図40】一例として参考寸法を使用した図面を示す表示画面。
【図41】他の例を問題図面とともに示す表示画面。
【図42】別の問題箇所を強調しつつ説明を表示した表示画面。
【図43】別の問題箇所を修正した図面及び説明を示す表示画面。
【図44】公差説明のための組込構造画像を示す表示画面。
【図45】距離Lを付加した組込構造画像を示す表示画面。
【図46】距離Lと、Ls,Lbとの関係を示す表示画面。
【図47】L<Ls−Lbの場合の組込構造画像を示す表示画面。
【図48】L>Ls−Lbの場合の組込構造画面を示す表示画面。
【図49】図47と図48の場合を比較した表示画面。
【図50】対処方法を示す組込構造画像を示す表示画面。
【図51】上記対処方法を反映した図面を示す表示画面。
【図52】図51の指摘箇所にズームインした状態を示す表示画面。
【図53】はめあいに関する指摘箇所を強調した図面と、組込構造画像とを並行に表示してなる表示画面。
【図54】第2製図説明部Cの第1製図段階C1の当初の製図画像を示す表示画面。
【図55】キー溝や回り止め溝を強調した製図画像を示す表示画面。
【図56】軸の加工時画像を示す表示画面1。
【図57】軸の加工時画像を示す表示画面2。
【図58】軸の加工時画像を示す表示画面3。
【図59】軸の加工時画像を示す表示画面4。
【図60】第1製図段階C1の終了時の製図画像を示す表示画面。
【図61】第2製図段階C2の初期の製図画像を示す表示画面。
【図62】第2製図段階C2の初期の比較例としての製図画像を示す表示画面。
【図63】加工方法の相違を説明する説明画像を示す表示画面。
【図64】加工時画像を示す表示画面。
【図65】加工方法を示す動画の表示画面1。
【図66】加工方法を示す動画の表示画面2。
【図67】加工方法を示す動画の表示画面3。
【図68】加工方法を示す動画の表示画面4。
【図69】両側の加工部分の軸線が一致することを示す表示画面。
【図70】未加工部分を再チャックしたときに軸線がずれることを加工時画像で示す表示画面。
【図71】両側の加工部分の軸線が一致しないことを示す表示画面。
【図72】既加工部分をチャックする必要性を示す表示画面。
【図73】突っ切り加工を示す加工時画像を示す表示画面。
【図74】溝加工を施す部分を強調表示した製図画像を示す表示画面。
【図75】エンドミル加工の実写画像より構成される加工時画像を示す表示画面。
【図76】加工方法を比較した加工時画像を示す表示画面。
【図77】全長を記入した製図画像を示す表示画面。
【図78】加工方法により寸法記入位置を書き分けた様子を製図画像で示す表示画面。
【図79】反対側の基準面からの寸法記入を書き分けた様子を製図画像で示す表示画面。
【図80】ズームインしてねじ部分を強調表示した製図画像を示す表示画面。
【図81】ねじ部分の寸法記入をした製図画像を示す表示画面。
【図82】半径寸法を記入例と直径寸法の記入例を示す表示画面。
【図83】寸法の測定方法に係る検査時画像を示す表示画面。
【図84】別の寸法の測定方法に係る検査時画像を示す表示画面。
【図85】寸法記入後の製図画像を示す表示画面。
【図86】組込構造画像を示す表示画面。
【図87】寸法が小さい場合を組込構造画像の比較により示す表示画面。
【図88】他の部品との干渉が生ずることを組込構造画像により示す表示画面。
【図89】製図画像を示す表示画面。
【図90】指摘部分の強調表示を有する製図画像を示す表示画面。
【図91】公差指示例を記入した製図画像を示す表示画面。
【図92】寸法が大きい場合を組込構造画像の比較により示す表示画面。
【図93】図92の場合の動作時画像を示す表示画面。
【図94】キー溝の寸法部分にズームインした製図画像を示す表示画面。
【図95】はめあいの説明用の組込構造画像を示す表示画面。
【図96】第1の軸受構造パターンの動作時画像を示す表示画面。
【図97】第2の軸受構造パターンの動作時画像を示す表示画面。
【図98】第3の軸受構造パターンの動作時画像を示す表示画面。
【図99】第4の軸受構造パターンの動作時画像を示す表示画面。
【図100】基本説明用の動作時画像を示す表示画面。
【図101】第1の軸受構造パターンのはめあいを動作時画像で示す表示画面。
【図102】第2の軸受構造パターンのはめあいを動作時画像で示す表示画面。
【図103】第3の軸受構造パターンのはめあいを動作時画像で示す表示画面。
【図104】第4の軸受構造パターンのはめあいを動作時画像で示す表示画面。
【図105】動作時画像とパターンとの比較を示す表示画面。
【図106】はめあいを指示した製図画像を示す表示画面。
【図107】オイルシール部の組込構造画像を示す表示画面。
【図108】はめあいを指示する製図画像を示す表示画面。
【図109】歯車の取り付け部分を組込構造画像で示す表示画面。
【図110】はめあいを指示した製図画像を示す表示画面。
【図111】第3製図段階C3の製図画像を示す表示画面。
【図112】第4製図段階C4のズームインした製図画像を示す表示画面。
【図113】軸受の付き当て面を組込構造画像で示す表示画面。
【図114】円周振れ公差を指示した製図画像を示す表示画面。
【図115】第4製図段階C4の最終版の製図画像を示す表示画面。
【図116】第3製図説明部Dの第2製図段階D2において歯車の投影図を配置し、基準を確認したときの製図画像を示す表示画面。
【図117】第3製図段階D3における寸法を入れた製図画像を示す表示画面。
【図118】寸法と構造の関係を説明するための組込構造画像を示す表示画面。
【図119】他の部品との干渉を説明するための組込構造画像を示す表示画面。
【図120】寸法が小さい場合の組込構造画像を示す表示画面。
【図121】動作時画像を示す表示画面。
【図122】ズームイン及び強調表示をし寸法公差を付加した製図画像を示す表示画面。
【図123】寸法公差と構造との関係を説明するための組込構造画像を示す表示画面。
【図124】製図画像を示す表示画面。
【図125】ズームイン及び強調表示をした別の寸法公差を付加すべき箇所を示す表示画面。
【図126】寸法公差を指示した表示画面。
【図127】さらに別の寸法指示をした製図画像を示す表示画面。
【図128】寸法指示の理由を示す組込構造画像(歯車の噛合部)を示す表示画面1。
【図129】寸法指示の理由を示す組込構造画像(歯車の噛合部)を示す表示画面2。
【図130】第4製図段階D4の最終の製図画像を示す表示画面。
【図131】第5製図段階D5の最終の製図画像を示す表示画面。
【図132】要目表を強調表示した状態で拡大した製図画像を示す表示画面。
【図133】第6製図段階D6における減速比変更の説明図面を示す表示画面。
【図134】要目表の説明途中で適宜に用いる拡大した製図画像を示す表示画面。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付図面を参照して本発明の製図学習教材の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1を参照して本実施形態の製図学習教材の全体構成について説明する。図1は、本実施形態の製図学習教材の構成内容を時系列で上から下へ順次に示す概略構成図である。本実施形態の製図学習教材は、CDやDVD等のディスクプレーヤーやパーソナルコンピュータ等により再生可能なビデオ教材であり、CDやDVDなどの記録媒体によって主として提供されるが、インターネット等のオンラインでのダウンロード配信によって提供することもでき、また、ストリーム配信などによってeラーニングの形態で提供することも可能である。
【0018】
本実施形態の製図学習教材は、最初に上映される説明導入部Aと、その後に上映される製図説明部B〜Dとを順次に有するビデオ教材である。また、異なる製図対象物の製図方法を説明する複数の製図説明部B〜Dが設けられている。図示例では第1製図説明部B、第2製図説明部C及び第3製図説明部Dを備えている。各製図説明部B〜Dのそれぞれは一つの製図対象物の図面を作成する過程を説明している。本実施形態では、特定の組立構造体として減速機が選定され、この組立構造体の構成部品である特定の製図対象物として、軸受カバー、軸、歯車が設定されている。本教材を構成するビデオデータは、説明導入部A及び製図説明部B〜Dが順次に再生されるように構成される。ここで、上記ビデオデータがCDやDVDなどの光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体に記録される場合には、単一の記録媒体に記録してもよく、複数の記録媒体に記録してもよい。後者の場合、例えば、上記説明導入部Aと最初の第1製図説明部Bを単一の記録媒体に記録し、他の製図説明部C及びDを単一若しくは製図説明部単位で複数の記録媒体に記録することが好ましい。
【0019】
本教材では、表示画面に各製図段階の図面に対応する製図画像を表示するとともに、各製図段階において解説する製図学習要素の解説内容に応じて、実写画像やCG画像等で構成される、組込構造画像、動作時画像、加工時画像、検査時画像の少なくともいずれか一つの解説用画像を表示する。製図画像と解説用画像とは相前後して順次に切り替えて表示されるようになっていてもよく、或いは、製図画像と解説用画像とが同時に並行して表示されるようになっていてもよい。また、製図学習要素の解説に必要な場合には、さらに文章、図面や数式等を含む説明画像が表示される。各製図段階においては、これらの各種画像を表示しつつ、音声を流すことによって、視聴者が製図学習を行うことができるように構成される。
【0020】
説明導入部Aでは、まず、全体導入節A0において本教材の内容説明や本教材を用いた学習方法などが説明され、その後、組立構造説明段階A1において、三次元画像(CG;コンピュータグラフィックス画像であることが好ましい。)を参照しつつ、組立構造体の構造が説明される。この組立構造説明段階A1においては、組立構造体の構造を説明するために、最初に、本実施形態で特定される組立構造体である減速機の全体構造が図2〜図5に示すように三次元CGの動画などによって示される。この減速機の内部には、図4及び図5の透視画像に示す軸及び歯車からなる減速輪列が収容されており、その説明も行われる。
【0021】
次に、組立構造体の構造を説明するために、最初の部品から組立完成までの組立手順を画像により表示する。この表示は、三次元CGの動画で構成することが好ましい。すなわち、図6に示す入力軸に対する部品の組立過程を図7に示すように動画からなる三次元CG画像で説明し、図8に示すように入力軸への歯車の取り付けや中間軸及び中間軸への歯車の取り付けへと進む。やがて、図9に示すように出力軸及び出力軸への歯車の取り付けが行われて減速輪列が完成する。そして、当該減速輪列は図10に示す下部ケーシングへ取り付けられ、ここに図11に示す上部ケーシング及び図12に示す軸受カバーの取り付けがさらに行われる。最終的に図2に示す完成体までの組立手順を動画によって示しながら、必要に応じて、上記各部品の組立構造、機能、動作などについて音声や説明画像上の文字列によって説明する。
【0022】
なお、この後、製図対象物となる部品の説明を行う部品説明段階A2を実施してもよい。この部品説明段階A2に際しては、次の第1製図説明部Bにおける製図対象物となる部品のみを説明してもよく、製図説明部B〜Dにおいて製図対象物となる部品を全て説明してもよい。なお、この部品説明段階A2において示す製図対象物については、後述する各製図説明部B〜Dの記述部分において説明する。
【0023】
次に、第1製図説明部Bにおいては、まず、製図導入部B0において製図の対象となる製図対象物を3次元CG画像等により示す。図13は、上記組立構造体の減速機のうち、第1製図説明部Bにおける製図対象物である軸受カバーが取り付けられている部分をズームインにより拡大した状態を示す表示画面、図14は、図13に示す状態から他の部品を消失させて製図対象物である軸受カバーを単独で表した状態を示す表示画面である。製図導入部B0において、図14に示すように軸受カバー単体を示すだけでもよいが、図13に示す組立構造体である減速機のうち軸受カバーの取り付け部分を拡大して示した後に、軸受カバー単体を明示することが当該軸受カバーの減速機内の位置付けを明確にする上で好ましい。
【0024】
その後、第1製図段階B1では、製図学習要素として投影図の概念を示す「三角法」について説明する。この第1製図段階B1では三角法の一般的な概念のみを説明し、製図対象物については説明しない。また、表示画像についても一般的な説明画面を用いるので、詳細な説明は省略する。
【0025】
次に、第2製図段階B2では、製図学習要素として「投影図の配置」について説明する。まず、図15に示すように軸受カバーを表示し、その後、上記三角法によって構成された軸受カバーの投影図が配置された図16に示す初期段階における製図画像を表示する。この図16の製図画像は第1製図段階B1において一般論として説明した三角法による投影図及びその配置をそのまま製図対象物について示すものである。そして、この図16の製図画像を表示しつつ投影図の選択と配置の説明を音声により行い、その問題点を指摘して、修正した投影図の配置を有する図17に示す製図画像を表示する。
【0026】
次に、図18に示すように投影図の配置方法に関する説明画像を画面に表示しながら音声で解説を行う。その後、説明画像に示された一つの配置手法に対応する部品の加工方法(図18で強調表示(赤い下線を付加)されている。)について説明するために、図19に示す加工時画像を表示する。図19では一例として加工時の実写(撮影)画像とCG画像とを同時に表示している。その後、図20及び図21に示すように加工時画像(CG画像)と投影図を配置した製図画像の例とを同時に表示して当該製図画像に表される投影図の配置が不適切である旨の説明をし、最終的に図22に示すように正しく配置された製図画像を表示する。
【0027】
次に、製図学習要素として「基準の取り方」(寸法の基準となる線や面の設定方法)を含む第3製図段階B3に進む。この第3製図段階B3では、まず、第2製図段階B2で形成された製図画像を図23に示すように表示し、この製図画像によって半径方向(図示Y方向)の基準について説明する。その後、軸線方向(図示X方向)の基準については、図24及び図25に示すように、三次元CGの動画により軸、軸受、歯車及び軸受カバーの組立手順を示しながら当該軸受カバーの組込構造について説明する。また、図26の組込構造画像に示すように、減速機に対する軸受カバーの組込構造画像と軸受カバーの斜視画像を表示しつつ上記組込構造と斜視画像に示される面や寸法、特にA面とB面の距離Lとの関係を説明する。そして、図27に示すように、組込構造画像を元にして軸の動作を動画によって示す動作時画像(軸と軸受カバーが左右に揺動する構造を示す動画)を表示しながら、図示の距離Lが設計値より短いとガタが発生することを説明する。一方、図28の表示画面では図示の距離Lが設計値より長いと隙間ができることを説明する。最後に、図29の表示画面では、設計値よりも距離Lが短い場合と長い場合とを同時並行して表示し、距離Lが組込構造上において重要であることを説明する。
【0028】
その後、上記組込構造上において重要な複数の面A,Bから基準となる面を絞り込むために、図30乃至図32の検査時画像(それぞれが寸法測定の様子を示す動画で構成される。)を順次に表示する。ここで、これらの検査時画像を表示しながら、検査時のノギスによる寸法測定の可否を説明する。ここで、A面を基準として使用するとア面及びイ面の双方を即座に測定できるが、B面を基準とするとア面のみを測定できるだけであるので、AとBの両面のうちより効率よく寸法測定が実施できるA面を基準面とすることを説明する。そして、最後に、図33の説明画像により各観点による基準のとり方を解説し、図34に示す製図画像において基準面Aを強調表示(赤線)により示す。なお、図35は、この製図学習要素の追加説明である熱による軸の伸びの影響を説明するための動作時画像(左右に揺動する様子を示す動画)を示す表示画面である。
【0029】
次に、製図学習要素として「寸法記入」及び「寸法公差・はめあい」を説明する第4製図段階B4に進む。最初に、図34に示す製図画像を表示して説明を開始する。その後、図36に示すように最初の寸法記入例(断面図が赤枠で強調表示されている。)を提示し、次に、図37においてその問題箇所(寸法記入部の間隔の不揃い)を強調し、音声で問題のある指摘箇所の説明を行う。その後、図37の当該指摘箇所を修正した製図画像を表示する。次に、上記修正した図面を次の指摘箇所(寸法公差の矛盾)にズームインし、図38に示すように拡大した上で強調して表示する。その後、図39に示すように製図画像の拡大した一部(強調表示は解除されている。)ととともに説明画像を表示しつつ解説する。そして、一の修正例として、参考寸法を使用した例について図40(参考寸法を示す括弧が赤字により強調表示されている。)を表示して説明する。また、他の例として、図41に示すように問題図面と他の例の製図画像を並行に表示しつつ強調表示(右図の寸法指示線の一部を赤で表示)により指摘箇所を示しつつ説明していく。さらに、図41の右図に示すように製図画像に修正を施した後に、図42において別の指摘箇所を赤丸で強調表示し、その説明に関する説明画像を表示しつつ解説していく。図43はその後に表示される、修正した製図画像(修正部が赤丸で強調表示されている。)及びその説明を示す表示画面である。なお、面取り部や寸法記入部の重複などについても製図画像を表示しつつ指摘箇所を強調して適宜に説明していく。
【0030】
なお、この第4製図段階B4では、寸法公差についてもJIS情報等を表示しながら説明を行うが、その説明は一般的なものであるため、詳細な説明は省略する。ただし、寸法公差についての説明においては、図44乃至図49のCG画像を順次に表示し、距離Lが設計値よりも大小それぞれである場合について説明し、どちらの方がより好ましいかを解説している。そして、その対処方法を図50に示すように組込構造画像と共に説明画像で表示する。そして、図51において再び製図画像に戻り、指摘部分を強調表示(赤丸)し、その後、図52に示すように指摘部分にズームインして製図画像上の寸法記入について説明を行う。しかる後に、指摘箇所の強調表示(赤丸)を解除し、ズームアウトして元の製図画像に戻るといった表示ステップ動作を用いる。これにより、説明箇所を把握しやすく表示することができる。なお、指摘部分のズームインと強調表示はいずれを先に行ってもよく、両者を同時に行ってもよく、このことは他の箇所のズームインと強調表示についても同様である。また、指摘部分のズームアウトと強調表示の解除もどちらを先に行ってもよく、両者を同時並行して行ってもよく、このことも他の箇所のズームアウトと解除についても同様である。
【0031】
次に、図53に示すように、上記製図画像において、はめあいに関する指摘箇所を強調表示(赤線)し、この製図画像と組込構造画像とを並行して表示しつつ説明を行う。はめあいについては、適宜の説明画像を表示して、すきまばめ、中間ばめ、しまりばめについて説明する。なお、この説明は、説明文、数式、説明図、JIS情報、構造図面などを適宜に使用して行うが、その詳細は省略する。ただし、この説明中でも、上記と同様に、製図画像中の指摘箇所の強調表示の付与とズームイン、強調表示の解除とズームアウトからなる上記表示ステップ動作を実行する。さらに、軸受カバーに嵌入するオイルシールとの間のはめあいについても説明する。この説明においても上記表示ステップ動作を行う。また、本明細書に示す強調表示は、指摘箇所を丸で囲ったり、下線を引いたり、これらの丸や下線を赤や青などの図面の他の箇所で用いられていない色に着色したりすることが考えられる。また、製図要素(指摘箇所の線や数字又は記号自体)の色を他の色(赤や青等)に変更する方法でも構わない。なお、強調表示そのものは上記表示ステップ動作に限らず、説明画像などの適宜の画像中において指摘箇所を強調するために用いることができる。
【0032】
最後に、第5製図段階B5においては、製図学習要素として「表面性状」について説明する。この説明については、表面性状に関する製図記号の説明や表面粗さに関する説明を、説明画像、構造図、JIS情報などを用いて適宜に説明するが、これらは一般的なものであるので、その詳細な説明は省略する。また、必要に応じて、表面性状に関する図面記号の具体例を参照し、これらを説明していくことも可能である。表面性状に関する説明が一通り終了すると、第4製図段階B4まで作成した製図画像を表示し、この製図画像に具体的な表面性状に関する製図記号を記入していく。この段階においては、上記の強調表示や表示ステップ動作を用いることでより指摘箇所が認識しやすくなり、内容も理解しやすくなる。
【0033】
次に、第2製図説明部Cについて説明する。この第2製図説明部Cでは製図対象物として出力軸の製図手順について説明する。この第2製図説明部Cでも、製図導入部C0において、上記と同様に組立構造体である減速機のうち出力軸の組込箇所をズームインにより拡大した状態を示し、その後、他の部品を消失させて出力軸のみを残した状態を表示する。
【0034】
この第2製図説明部Cの第1製図段階C1では、製図学習要素として「投影図の配置と基準」を解説する。三次元CGの出力軸を表示した上で、図54に示すように投影図を配置した製図画像を表示する。図面中の投影図の配置は、基本的に第1製図説明部Bの第2製図段階B2で説明した製図学習要素と同様であるが、より複雑な出力軸の構造に起因してキー溝や回り止め溝を示す複数の断面図や端面図などが必要になり、さらに、ねじ部の図示も必要になるので、図55に示すようにこれらの指摘部分の強調表示を行いつつ、各指摘部分の解説を音声や説明画像(文字)などにより行っていく。
【0035】
第1製図段階C1における基準となる線又は面については、まず、図56乃至図59に示す加工時画像(CG画像)の順で加工が行われる様子を三次元CGの動画によって表示し、その加工方法について説明する。この動画では、途中で軸をチャックから外して逆向きにしてから再びチャックに取り付ける様子が示され、加工途中において加工方向を逆にすることが説明される。このため、その後、図60に示す製図画像において、加工基準が軸の両端にそれぞれ設定されることが示される。
【0036】
次に、第2製図段階C2では、製図学習要素として「寸法記入」を解説する。この製図学習要素には、「寸法の取り方」と「寸法公差・はめあい」の二つの要素が含まれる。最初に軸の図面において図示右側の端部を基準とした加工領域について寸法記入を行う様子を図61に示すように表示し、この場合のチャック部分を強調表示により示す。一方、異なる加工領域を示す寸法記入例である図62に示す製図画像のように加工領域を設定した場合には、チャックする既加工部分を変更する必要があることを説明する。その後、図61と図62にそれぞれ対応する加工方法の相違を図63に示す加工時画像と説明画像を同時並行して表示しつつ説明する。この場合には、チャックから飛び出した部分が短くなるようにした方が加工時において振れが生じにくく好ましいことを説明する。
【0037】
さらに、図64の加工時画像によって上記加工方法における問題点、すなわち未加工部分をチャックしてはいけないか否か、を提起し、まず、図65乃至図68に示す加工時画像で示される加工方法の動画を表示しつつ、既加工部分をチャックしたときには両側の加工部分の軸線が一致することを、図69の説明画像を表示して説明する。次に、未加工部分をチャックしたときには図70の加工時画像及び図71の説明画像を順次に表示して両側の加工部分の軸線が一致しないことを説明する。最後に、図72を表示して既加工部分を必ずチャックしなければならないことを確認する。
【0038】
次に、図示しない製図画像に戻り、その表示画面において突っ切り加工を行う場所を指摘して説明した後に、図73の加工時画像を表示して突っ切りバイトによる加工方法を説明する。また、図74に示すように製図画像に溝加工を施す部位を強調表示し、それらの部位に対する寸法記入について説明する。ここで、溝加工の方法であるエンドミル加工とフライス加工について、図75(エンドミル加工の実写画像)及び図76(エンドミル加工と旋盤加工の様子を同時並行して示す画像)に示す加工時画像を表示しつつ、加工方法の違いを説明する。そして、加工手順に沿って図77に示すように製図画像に全長を記入し、図78に示す強調表示により寸法記入位置を確認してから、次に、加工方法の相違に応じて寸法記入の位置を図78の製図画像に示すようにかき分けることを説明する。さらに、今度は再チャック後の加工部分において図示左側の端部を基準とした寸法記入を行う。ここで、図79の製図画像に示すように加工方法による寸法記入位置の書き分けは上記と同様に行い、その旨を説明する。
【0039】
次に、ねじの寸法記入について説明を行う。このとき、製図画像の表示状態から図80に示すようにズームインをして寸法記入を行うねじ部分を強調表示し、その後、図81に示すようにねじ部分の寸法記入を行う。その後、必要に応じてJIS情報(表など)を表示してねじ寸法の記入方法についてさらに説明を行う。
【0040】
その後、製図画像を表示しつつ各所の問題点を指摘して寸法記入の方法を説明していくが、特に、図82に示すように図面中に半径寸法ではなく直径寸法を記入する理由を説明する際に、図83及び図84に示すように寸法の測定方法を示す検査時画像を表示する。すなわち、これらの検査時画像にて示されるように実際に寸法測定を行う場所に寸法指示することを説明する。なお、図83及び図84では製図画像の一部と、検査時画像とを同時に並行して表示している。また、図83は溝加工部分の寸法測定を行う様子を示す検査時画像を含み、図84はキーを導入した状態で当該キーの導入部を寸法測定している様子を示す検査時画像を含む。このようにして、図85の製図画像で示す状態までの説明を完了する。
【0041】
一方、製図学習要素である「寸法公差・はめあい」については、図86及び図87の組込構造画像を表示して、指摘部分の寸法が設計値より小さい場合には次に表示する図88の組込構造画像に示すように上ケースとの干渉が生ずることを説明する。そして、図89に示す製図画像を表示した後に上記指摘部分にズームインし、図90に示すように強調表示した上で、図91に示すように当該指摘部分の公差指示例を表示して公差指示の説明を行う。その後、図92の組込構造画像に示すように上記指摘部分の寸法が設計値より大きい場合を図示し、さらにその後、この場合について動作時画像である図93に示す動画(軸及び軸受が左右に揺動する画像)により、熱膨張による伸びを見込んで隙間が設けられているために問題がないことを説明する。
【0042】
次に、再び製図画像を表示した後、図94に示すように新たな指摘部分であるキー溝の寸法部分にズームインし、当該指摘部分の寸法表示を強調表示した後に、JIS情報の説明画像により公差指示の方法を説明する。また、はめあいの説明のために、図95に示す組込構造画像を表示し、図96乃至図99に示す四つの軸受構造パターンa)〜d)を好ましくはそれぞれ動画により表示する。その後、図100の基本説明用の動作時画像を表示して説明した後に、各軸受構造パターンについて、図101乃至図104の動作時画像によりそれぞれ内輪と外輪のはめあいを解説する。今回の軸の軸受構造は、組立構造体である減速機の軸受部分を示す組込構造画像(回転する様子を示す動作時画像)とパターンa)の軸受パターンの説明画像とを同時並行して示す図105にあるように、第1のパターンa)に該当するため、これに対応するはめあいを図106の製図画像のように指示すればよいことになる。なお、図107の組込構造画像に示すオイルシールについても図108の製図画像(ズームインし、強調表示を付加したもの)を表示して、はめあいを指示する旨の説明をする。また、図109の組込構造画像で表示される歯車の取り付け部分についても図110の製図画像(ズームインし、強調表示を付加したもの)に示すようにはめあいを指示する。
【0043】
次に、第3製図段階C3においては製図学習要素として「表面性状」について説明するが、これは第2製図段階C2において記載された製図画像を表示し、その後、各指摘箇所の組込構造画像を表示してから、必要に応じてJIS情報その他の資料よりなる説明画像を表示しつつ、最後に当該指摘箇所の表面性状を記入した製図画像を表示するといったことを繰り返し、最終的に図111に示す製図画像になるまで説明していく。
【0044】
次に、第4製図段階C4においては製図学習要素として「幾何公差」を解説する。この幾何公差は、例えば、軸の軸線と歯車の軸線とのずれによる歯車の偏心に関しては、軸と歯車の組立体の組込構造画像や動作時画像を表示し、JIS情報などの資料を参照しながら同軸度公差を製図画像上に指示していく。また、図112に示すように適宜に製図画像のズームインと強調表示を行った画像を表示して説明を行う。なお、図示した同軸度公差の意味は三次元CGなどの説明画像を表示しつつ説明される。さらに、軸受の付き当て面についても図113に示す組込構造画像を表示して示しつつ、JISなどの資料を参照しながら円周振れ公差を製図画像において図114のズームインし強調表示した製図画像に示すように指示する。この円周振れ公差についても三次元CGを表示しつつ意味を説明する。以上のようにして図115に示す製図画像が完成する。
【0045】
最後に、第3製図説明部Dについて説明する。この第3製図説明部Dでは、製図対象物として歯車が選定される。また、製図導入部D0においては、組立構造体である減速機の一部外観が表示された後に内部の透視図に変化し、歯車の取り付け部の組込構造画像が三次元CG画像で表示され、その後に他の部品が消失して歯車のみが単独で表示される。そして、最初に、第1製図段階D1において、製図学習要素として「歯車の基礎」について説明画像を用いて説明する。ここで説明する内容は、歯車の種類、歯形形状、減速輪列の減速比などである。
【0046】
次に、第2製図段階D2では、製図学習要素として「投影図の配置と基準」について解説する。この製図段階では減速輪列の4番歯車の製図を行う。最初に歯車の製図方法の基本について説明し、投影図を配置した図116に示す製図画像を表示して、投影図の配置と基準について説明する。
【0047】
次に、第3製図段階D3では、製図学習要素として「寸法記入」について解説する。ここでは、最初に「寸法の取り方」を確認し、第2製図段階D2の製図画像に寸法を付加して図117に示すように表示して、必要に応じて説明を行う。その後、「寸法公差・はめあい」について説明画像を表示しつつ説明していく。図118に示す組込構造画像を表示し、指摘箇所の寸法が設計値より大きいと図119の動作時画像を表示して図88の場合と同様に上ケースとの干渉が生ずることを示し、その後、図120に示す組込構造画像を表示し、指摘箇所の寸法が設計値より小さい場合について説明し、図121の動作時画像(軸及び軸受が左右に揺動する画像)を表示して、図93の場合と同様に逃がしがあるために干渉しないことを説明する。そして、このことに対応する寸法公差を図122に示す製図画像(ズームイン及び強調表示)中に付加する。
【0048】
その後、図123に示す組込構造画像を表示し、寸法公差と構造との関係を説明する。その後、図124の製図画像を表示した後に公差を指示する別の指摘箇所(キー溝)にズームインし強調表示して、図125の拡大画像において当該指摘箇所の強調表示を行う。そして、当該箇所に寸法公差を指示して強調表示をした図126の製図画像を表示する。その後、他の箇所の公差やはめあいについて、製図画像のズームイン及び強調表示と図面指示の付加を繰り返して表示ステップ動作を行いながら説明していく。最後に、製図画像に寸法指示(歯先円直径を指示)した様子を図127の製図画像で表示し、その理由(歯先同士の干渉)を図128及び図129に示す組込構造画像(歯車同士の噛合部の拡大画像)を表示しつつ説明する。
【0049】
次に、第4製図段階D4において、製図学習要素として「表面性状」について説明していく。JIS情報等の説明画像を表示するとともに、製図画像についてズームイン及び強調表示を用いた表示ステップ動作を行いながら、必要に応じて組込構造画像を表示しつつ、仕上げ指示をしていく。仕上げ指示が完了すると図130に示す製図画像が表示される。
【0050】
次に、第5製図段階D5において、製図学習要素として「幾何公差」について解説する。この段階においても、表示ステップ動作、JIS情報等の説明画像、組込構造画像、動作時画像などを表示しつつ、順次に幾何公差の指示について説明していく。また、必要に応じて第2製図説明部Cの軸の製図画像を表示しつつ復習を行う。最終的に図131に示す製図画像が表示される。
【0051】
最後に、第6製図段階D6において、製図学習要素として「要目表」について解説する。この解説は図131の製図画像に表示すべき要目表の例を図133に表示しつつ、当該要目表の項目ごとに説明していく。最初に「歯車の転位」について説明図面を表示しつつ説明する。その後、歯車の転位の活用例として、減速機の減速比を変更するために歯車のみを設計変更する場合において、図132に示す説明画像で示される軸間距離を変化させないために、歯車を転位させて中心距離を調整することを説明する。また、転位係数x、転位量の説明も行う。次に、「またぎ歯車・歯車精度」について説明する。これらについても図134に示す要目表の指摘箇所を適宜に強調表示しながら上記要目表に沿って説明図面を用いて順次に説明していく。
【0052】
以上のように構成された製図学習教材は、以下のようにして設計・製造される。まず、複数の部品で構成される組立構造体を選定する(設計手順1)。次に、この組立構造体を構成する複数の部品の中から、製図対象物を選定する(設計手順2)。ここで、組立構造体からは、製図学習要素の内容が異なる複数の製図対象物を選定する。そして、これらの複数の製図対象物を、製図学習要素の内容が少ない(簡易な)ものから内容が多い(複雑な)ものへと順番を付ける。そして、この順番を上記複数の製図説明部と対応させる。すなわち、簡易なものから順に第1製図説明部B(本実施例において製図対象物は軸受カバー)、第2製図説明部C(製図対象物は軸)、第3製図説明部D(製図対象物は歯車)において製図を行う対象部品とする。その後、各製図説明部B〜Dにおいて、それぞれに製図学習要素を設定しつつ、これらの製図学習要素に対応させて複数の製図段階を設定する(設計手順3)。上記の設計手順1〜3により、製図学習教材の基本構成が設計されたことになる。
【0053】
次に、必要に応じて、全体の説明導入部A、各製図説明部の製図導入部B0、C0、D0を設計し、全体の概略構成を設定する。必要であれば、導入部だけでなく、終末部(エンディング部)も付加する。これらの構成は任意的なもので、種々の態様を選定することができる。
【0054】
その後、上記の各製図段階ごとに製図過程における1又は複数の図面に対応する1又は複数の製図画像を用意する。また、各製図段階の製図学習要素を解説するために、製図対象物若しくはこれに相当する部品と他の部品とを含む組込構造画像、製図対象物若しくはこれに相当する部品の加工状況を示す加工時画像、製図対象物若しくはこれに相当する部品が他の部品を含む組込構造画像中で動作する様子を示す動作時画像、製図対象物若しくはこれに相当する部品を寸法測定するなどの検査を行う様子を示す検査時画像といった解説用画像を用意する。これらの解説用画像は実写画像であってもよく、CG画像であってもよい。また、二次元画像でも三次元画像でもよい。さらに、加工時画像、動作時画像及び検査時画像は基本的にはそれぞれ動画であることが好ましく、また、組込構造画像についても組込手順などを示す動画であることが好ましい。
【0055】
そして、上記の製図学習要素ごとに、その内容に応じて、上記の製図画像と、上記の組込構造画像、動作時画像、加工時画像、及び、検査時画像から選んだ少なくとも一つの解説用画像とを組み合わせてビデオデータを編集し記録媒体に記録していく。各製図段階においては、製図画像と解説用画像とを切り替えて、或いは、同時並行して表示するように記録し、その表示態様に応じて上記製図学習要素について解説する音声や説明画像などを組み込んでいく。
【0056】
上述の種々の製図学習要素は、組立構造体の構造或いは組込構造、組立構造体(或いは組込構造)の動作態様、製図対象物の加工態様、製図対象物の検査態様のいずれか少なくとも一つの観点と因果関係を有する。したがって、或る製図学習要素について因果関係を有する観点を上記の中から決定し、その決定された観点に対応する解説用画像を、組込構造画像、動作時画像、加工時画像、或いは、検査時画像の中からいずれか少なくとも一つ選定して用意し、この用意した解説用画像を当該製図学習要素を含む製図段階においてその製図学習要素の適用前後の製図画像とともに上記態様で組み込めばよい。
【0057】
上記製図学習教材においては、組立構造体の組立構造や組立構造体中の製図対象物の組込構造や配置、位置付けなどをわかりやすく表示するために、組込構造画像では、動画により、部品の組立手順を表示したり、部品の取り付けや削除の過程を表示したりすることが好ましい。また、加工時画像においては、部品の加工進行状況を動画により表示することが好ましい。さらに、動作時画像においては、部品の正規の動作(軸や歯車の回転など)のほか、組立時の干渉、部品のガタや熱膨張による寸法の変化などを、動画により表示することが好ましい。また、検査時画像においては、部品の寸法測定などの検査状況を動画により表示することが好ましい。
【0058】
また、製図画像においては、図面全体を表示する標準表示態様から、指摘箇所にズームインして拡大表示態様とする第1のステップと、指摘箇所を強調表示する第2のステップと、上記拡大表示態様から上記標準表示態様へ戻るようにズームアウトする第3のステップと、上記強調表示を解除する第4のステップとを備えた表示ステップ動作を用いることが好ましい。これによって指摘箇所の位置づけがわかりやすくなる。ここで、第1のステップと第2のステップはどちらを先に実行してもよく、第3のステップ動作と第4のステップ動作はどちらを先に実行してもよい。ここで、第1のステップ及び第2のステップのみで表示ステップ動作を構成してもよく、第4のステップのみを省略してもよい。なお、ビデオデータの編集にあたっては、上記各種の画像を用意した後に、「Adobe Flash」(製品名、ADOBEは登録商標)などの画像編集ソフトウェアを用いる。
【0059】
尚、本発明の製図学習教材の表示方法及び製造方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では製図段階の全てにおいて製図学習要素の解説が含まれているが、他の製図対象物で説明した内容との重複を避けるために、製図段階の少なくともいずれか一つにおいては製図学習要素の解説を行わず、製図手順のみを表示して説明するだけであっても構わない。
【符号の説明】
【0060】
A…説明導入部 A0…全体導入節、A1…構造説明段階、A2…部品説明段階、B…第1製図説明部、B0,C0,D0…製図導入節、B1,C1,D1…第1製図段階、B2,C2,D2…第2製図段階、B3,C3,D3…第3製図段階、B4,C4,D4…第4製図段階、B5,D5…第5製図段階、C…第2製図説明部、D…第3製図説明部、D6…第6製図段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の組立構造体に組み込まれることを予定された製図の対象となる特定の製図対象物を選定し、前記製図対象物の製図過程に沿った複数の製図段階を設定して、前記製図段階ごとに前記製図過程の図面に対応する製図画像を表示しつつ前記複数の製図段階の説明を音声若しくは説明画像により順次に提示していくとともに、
前記複数の製図段階のいずれかに対応する少なくとも一つの製図学習要素に対して、前記製造対象物が前記組立構造体の少なくとも一部に組み込まれた組込構造を示す組込構造画像と、前記製図対象物が前記組込構造中で動作する際の状況を示す動作時画像と、前記製図対象物が加工される際の状況を示す加工時画像と、前記製図対象物が検査される際の状況を示す検査時画像とから選ばれた、前記製図学習要素との因果関係を有する少なくとも一つの解説用画像を、当該製図学習要素の含まれる前記製図段階に対応する前記製図画像と、任意の順序で相前後して表示し、或いは、同時に並行して表示することを特徴とする製図学習教材の表示方法。
【請求項2】
前記製図画像の表示中に、
前記説明の提示内容に応じて、前記製図画像の標準表示態様から指摘箇所にズームインした拡大表示態様に移行させる第1のステップと、前記指摘箇所を強調表示する第2のステップと、を含む表示ステップ動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の製図学習教材の表示方法。
【請求項3】
前記第1のステップ及び前記第2のステップの後に、前記拡大表示態様からズームアウトし前記標準表示態様に戻す第3のステップをさらに実行することを特徴とする請求項2に記載の製図学習教材の表示方法。
【請求項4】
特定の組立構造体を選定する第1の設計手順と、前記組立構造体に組み込まれることを予定された製図の対象となる特定の製図対象物を選定する第2の設計手順と、前記製図対象物の製図過程に沿った複数の製図段階を設定する第3の設計手順と、を備えた設計段階を設け、
前記製図段階ごとに前記製図過程の図面に対応する製図画像を用意するとともに、
前記複数の製図段階のいずれかに対応する少なくとも一つの製図学習要素に対して、前記製造対象物が前記組立構造体の少なくとも一部に組み込まれた組込構造を示す組込構造画像と、前記製図対象物が前記組込構造中で動作する際の状況を示す動作時画像と、前記製図対象物が加工される際の状況を示す加工時画像と、前記製図対象物が検査される際の状況を示す検査時画像とから選ばれた、前記製図学習要素との因果関係を有する少なくとも一つの解説用画像を用意し、
各製図段階に対応する前記製図画像を表示しつつ前記複数の製図段階の説明を音声若しくは説明画像により順次に提示していくとともに、
前記少なくとも一つの製図学習要素の解説に際しては、当該製図学習要素の含まれる前記製図段階に対応する前記製図画像と、当該製図学習要素の解説内容に応じた前記少なくとも一つの解説用画像とを任意の順序で相前後して表示し、或いは、同時に並行して表示するように、
ビデオデータを編集し記録することを特徴とする製図学習教材の製造方法。
【請求項5】
前記複数の製図段階の説明を開始する前に、前記組立構造体の全体構造を示す全体構造画像を提示しつつ、前記全体構造及び構成部品の説明並びに前記製図対象物の特定を行う説明導入部を設けることを特徴とする請求項4に記載の製図学習教材の製造方法。
【請求項6】
前記組立構造体に含まれる複数の前記製図対象物を選択し、当該複数の製図対象物についてそれぞれ前記複数の製図段階を説明していく複数の製図説明部を順次に設けることを特徴とする請求項4又は5に記載の製図学習教材の製造方法。
【請求項7】
特定の組立構造体の構造を説明する説明導入部と、その後に、前記組立構造体に組み込まれることを予定された製図の対象となる特定の製図対象物の製図過程に沿って設定された複数の製図段階とを有するビデオデータであって、
前記製図段階では、前記製図過程の図面に対応する製図画像が表示されつつ、前記製図画像の説明が音声若しくは説明画像により順次に提示されるとともに、
前記製図段階に対応する少なくとも一つの製図学習要素に対して、前記製造対象物が前記組立構造体の少なくとも一部に組み込まれた組込構造を示す組込構造画像と、前記製図対象物が前記組込構造中で動作する際の状況を示す動作時画像と、前記製図対象物が加工される際の状況を示す加工時画像と、前記製図対象物が検査される際の状況を示す検査時画像とから選ばれた、前記製図学習要素との因果関係を有する少なくとも一つの解説用画像が、当該製図学習要素の含まれる前記製図段階に対応する前記製図画像と、任意の順序で相前後して表示され、或いは、同時に並行して表示されるように編集された、
再生可能なビデオデータが記録されていることを特徴とする製図学習教材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図49】
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【図50】
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【図52】
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【図85】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図104】
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【図110】
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【図111】
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【図126】
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【図127】
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【図128】
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【図129】
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【図130】
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【図131】
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【図132】
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【図133】
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【図134】
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