製造情報管理方法
【課題】各種部材の製造、組み立ておよび修理等の際に必要とされる各種確認および検索等を自動化・システム化し、該各種情報を常に最新とし共有し得ると共に、各種部材の情報を該部材の集合体である製品等の単位で関連付けを行なうことで、該各種部材の組み付け等を効率的に行ない得る製造情報管理方法を提供する。
【解決手段】特定回線Lを介して各部門M,Q,S,Pおよびデータベースサーバ20が相互に交信し得るコンピュータネットワークと、各部門に設けられる各クライアントマシンMC,QC,SC,PCから各種情報の入出力が可能であり、該情報をリアルタイムに共有し得る各管理手段20,30,40,50,70,80とからなり、この各管理手段20,30,40,50,70,80により管理され、必要な部材個別情報等が関連付けられた電子的識別手段90を用いるようにした。
【解決手段】特定回線Lを介して各部門M,Q,S,Pおよびデータベースサーバ20が相互に交信し得るコンピュータネットワークと、各部門に設けられる各クライアントマシンMC,QC,SC,PCから各種情報の入出力が可能であり、該情報をリアルタイムに共有し得る各管理手段20,30,40,50,70,80とからなり、この各管理手段20,30,40,50,70,80により管理され、必要な部材個別情報等が関連付けられた電子的識別手段90を用いるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製造情報管理方法に関し、更に詳細には、殊にパチンコ遊技機の部材管理に好適に採用され、通常の電話回線、専用線、インターネットまたはLAN(ローカルエリアネットワーク)等により形成された特定回線網を介して、各営業、製造等の部門間で必要な情報をリアルタイムに共有し、製品の製造やアフターサービスに必要とされる各種部材の発注、納品、製造、出荷および修理等の際に必要とされる各種情報を効率よく処理することを可能とした製造情報管理構造を運用する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等に代表される如き、精密な電子部材および不特定多数人に操作される稼働部材等の、詳細な管理が必要とされる部材を多量に使用する機械においては、耐久特性や操作特性の相違する多種多様な各部材について、製造メーカー、製造日時および製造ロット等を夫々詳細に管理し、これにより適切な製造管理および修理等に対する迅速な対応を行なうことが重要である。
【0003】
従来のパチンコ遊技機の製造工程を例として説明すると、該パチンコ遊技機の製造に供する全ての部材を対応部門または製造業者から納品した時点で、各種部材の数量、製造日時および製造ロット等を目視により確認し、所定の入力用用紙に手書きにより記録することで部材の納品および確認登録作業を行なっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように部材の納品および確認登録作業は、基本的に目視および手書きにより行なわれるため、部材確認時の見落としや、見間違い、登録時の記入漏れや、記入間違い等が発生する畏れがある。また前述の如く手書きにより記入された情報は最終的にはコンピュータ等で集中管理されるが、手書き入力のような人による入力のために誤字、脱字等の間違った入力がなされることも考えられる。ここに指摘した各問題は基本的に人手を介する作業の限界を示している。
【0005】
また前述の納品に当たっては、複数の製品ロットに係る部材が存在することもあり、この場合、製品出荷後における部材故障の原因追及および同様の原因による故障の予防を効率的に行なうため、通常は製品ロット毎に分けておく必要がある。しかしこのような作業は製品の製造の観点から見た場合には、工程を1つ増加させるだけの、所謂無駄な作業でしかない。
【0006】
更に現時点では、パチンコ遊技機を構成する部材点数が少なく手作業により対応が可能であるが、パチンコ遊技機が次世代、次々世代と進歩するに従って部材点数の増加、サイズの小型化が進んだり、より詳細な製造ロット管理が要求され、これまでの方法では対応が困難となることが予想される。そして今後は環境問題等の社会背景的な要請およびコスト削減等の観点から、既存部品の修理、回収およびリサイクル等も管理の視野に入れる必要がある。
【0007】
また前記パチンコ遊技機の場合、各種法令や業界団体の自己規制等に伴う数多くの詳細な規則が存在している。これらの規則により、例えば管理すべき各部材について、製造メーカーの都合だけでNo.表示の如き計数管理手段を取り付けることが困難であったりすることがある。その他、製造出荷後のパチンコ店等による不正な改造を防止等するために、出荷される夫々のパチンコ遊技機に対して、全ての規則を尊守していることを公的に証明する保証書、所謂証紙を添付することが義務付けられている。
【0008】
前記証紙は、前述の如く出荷されるパチンコ遊技機1台1台について個別に発行されるものであり、該発行に際しては設置される場所、すなわち顧客先情報等が必要とされ、これらの情報について該証紙固有の保証書番号が与えられている。従って所定の場所に出荷されるパチンコ遊技機に付与される証紙の保証書番号は前もって決められることになり、該番号は該パチンコ遊技機の設置時における担当者の検査において照合確認され、予め割り振られた保証書番号を有する証紙でなければ、営業等が許可されないといった事態を引き起こしてしまう。
【0009】
従って前述されたパチンコ遊技機の製造は、一般に顧客からの受注を受けた後に、受注したパチンコ遊技機種に必要な各部材を発注すると共に、該顧客と受注を受けたパチンコ遊技機種との関係等を公的に証明している前述の証紙の発行を同時に申請することが必要不可欠になる。更に複数顧客から同一機種についての受注があった場合には、製造するパチンコ遊技機、すなわち必要とされる各種部材は同一であっても、付与される証紙によって出荷すべき顧客先が決定されてしまう。このためパチンコ遊技機と証紙との関連付けがなされていなければ、該パチンコ遊技機を構成する各種部材の管理が充分であっても製造順序等の製造時のスケジュール管理が困難となってしまい、その結果製造コスト等を増大させてしまう問題を内在している。
【0010】
この発明は、従来の製造情報管理について内在している前記問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、製造時に必要とされる各種部材の製造、組み立ておよび修理等の際に必要とされる、各種の確認および検索等を自動化・システム化し、該情報を常に最新情報の共有し得ると共に、各種部材の製造部門または製造メーカー、製造日時および製造ロット等の部材情報を該部材の集合体である、パチンコ遊技機の製品の単位で関連付けを行なうことで、該各種部材の組み付け、受注先および出荷先の照合確認、該各種部材情報からの必要な部材情報等の逆引き並びに製造工程における効率的なスケジュール管理・変更等を容易に行ない得る製造情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の製造情報管理方法は、特定回線を介して、製造部門およびデータベースサーバが相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
製造に関する各種情報を、前記製造部門に設けられる第1クライアントマシンおよび部材製造部門に設けられる第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程を備え、
部材個別情報を有すると共に、前記製造管理工程で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段を各種部材に付与し、
前記電子的識別手段を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行すると共に、前記製造部門および部材製造部門からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにしたことを特徴とする。
【0012】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項2に係る発明の製造情報管理方法は、特定回線を介して、製造部門、営業部門、部材製造部門およびデータベースサーバが相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門に設けられる第1クライアントマシンおよび営業部門に設けられる第3クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシンおよび部材製造部門に設けられる第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程とを備え、
部材個別情報を有すると共に、前記受注管理工程および製造管理工程で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段を各種部材に付与し、
前記電子的識別手段を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行すると共に、前記製造部門、営業部門および部材製造部門からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにしたことを特徴とする。
【0013】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項3に係る発明の製造情報管理方法は、特定回線を介して、製造部門、品質管理部門、営業部門、部材製造部門およびデータベースサーバが相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門に設けられる第1クライアントマシン、品質管理部門に設けられる第2クライアントマシンおよび営業部門に設けられる第3クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシンおよび部材製造部門に設けられる第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程と、
アフターサービスに関する各種情報を、前記第2クライアントマシン、第3クライアントマシンおよび第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該アフターサービス情報をリアルタイムに共有し得るようにしたアフターサービス管理工程とを備え、
部材個別情報を有すると共に、前記受注管理工程、製造管理工程およびアフターサービス管理工程で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段を各種部材に付与し、
前記電子的識別手段を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行して、前記製造部門、品質管理部門、営業部門および部材製造部門からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにしたことを特徴とする。
【0014】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項4に係る発明の製造情報管理方法は、特定回線を介して、製造部門、品質管理部門、営業部門、部材製造部門およびデータベースサーバが相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門に設けられる第1クライアントマシン、品質管理部門に設けられる第2クライアントマシンおよび営業部門に設けられる第3クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシンおよび部材製造部門に設けられる第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程と、
アフターサービスに関する各種情報を、前記第2クライアントマシン、第3クライアントマシンおよび第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該アフターサービス情報をリアルタイムに共有し得るようにしたアフターサービス管理工程とを備え、
前記各種部材の不良に関する各種情報を、少なくとも前記第1クライアントマシンおよび第2クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから全てのクライアントマシンへ出力可能とすることで該各種部材の不良に関する各種情報をリアルタイムに共有し得るようにした不良情報管理工程並びに技術に関する各種情報を、少なくとも本社関連部門から前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから該本社関連部門、全てのクライアントマシンおよび営業部門に属する営業社員が有する携帯端末へ出力可能とすることで該技術情報をリアルタイムに共有し得るようにした技術情報共有工程のうちの少なくとも1工程とを備え、
部材個別情報を有すると共に、前記受注管理工程、製造管理工程およびアフターサービス管理工程或いは/並びに不良情報管理工程で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段を各種部材に付与し、
前記電子的識別手段を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行して前記製造部門、品質管理部門、営業部門および部材製造部門からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項3または4記載の製造情報管理方法において、前記アフターサービス管理工程は、アフターサービスに関する各種部材を製造するに際して必要とされる各部材個別情報を扱うアフターサービス部材管理工程と、該部材の出荷に際して必要とされる情報を扱うアフターサービス部材出荷管理工程とからなる。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項3〜5の何れかに記載の製造情報管理方法において、前記製造管理工程は、各種部材を製造するに際して必要とされる各部材個別情報を扱う製品部材管理工程と、製品の出荷に際して必要とされる情報を扱う製品出荷管理工程とからなる。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項2〜6の何れかに記載の製造情報管理方法において、前記受注管理工程での入力は、前記営業部門(S)だけから行なわれる。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7の何れかに記載の製造情報管理方法において、前記特定回線として、アナログ電話回線、ISDN電話回線、専用線その他ワイヤレス回線等が選択的に使用される。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項1または2記載の製造情報管理方法において、前記第4クライアントマシンへの各種情報の出力は、前記製造管理工程に関わる製造に関する各種情報だけに限定される。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項3〜8の何れかに記載の製造情報管理方法において、前記第4クライアントマシンへの各種情報の出力は、前記製造管理工程に関わる製造に関する各種情報または/およびアフターサービス管理工程に関わるアフターサービスに関する各種情報だけに限定される。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る製造情報管理方法によれば、製造時に必要とされる各種部材の製造、組み立ておよび修理等の際に必要とされる、各種の確認および検索等を自動化・システム化し、該情報を常に最新情報の共有し得ると共に、各種部材の製造部門または製造メーカー、製造日時および製造ロット等の部材情報を該部材の集合体である、例えばパチンコ遊技機等の製品の単位で関連付けを行なうことで、該各種部材の組み付けの照合確認、受注先および出荷先の参照確認、該各種部材情報からの必要な部材情報等の逆引き並びに製造工程における効率的なスケジュール管理・変更等を容易に行ない得る。
【実施例】
【0022】
次に、本発明に係る製造情報管理方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本発明に係る製造情報管理方法は、各種部材の製造、組み立てに関する情報と修理等の際に必要とされる情報等を対応する各種部材に電子的識別手段を用いて付与することで、該各種部材に関する情報の確認および検索等を自動化・システム化し、該情報を常に最新情報として共有し得ると共に、該各種部材の組み立ての照合確認、受注先および出荷先の照合確認、該各種部材情報からの必要な部材情報等の逆引き並びに製造工程における効率的なスケジュール管理・変更等を容易に行ない得ることを知見し、実際の製造工程に適用することで多大な有用性を発揮し得ることを確認したものである。なお本発明において、パチンコ遊技機を構成する各種部材毎の個別情報を部材個別情報IP、該各種部材から該パチンコ遊技機を製造する際の組み立ておよび証書等を指示するものであり、製造伝票等に記載される情報を製造情報IAと呼称する。
【0023】
本発明の好適な実施例に係る製造情報管理構造は、図1、図2、図3および図4に示すような各要素から構成されている。すなわち、各情報の入力および出力手段としての第1クライアントマシンMC、第2クライアントマシンQC、第3クライアントマシンSCおよび第4クライアントマシンPCを夫々備える製造部門M、品質管理部門Q、営業部門Sおよび部材製造部門Pと、これら各クライアントマシンMC,QC,SC,PCからの情報を集積し、要求に応じて送信するデータベースサーバ20とを基本的な構造要素としている。そして前記データベースサーバ20内に蓄積される各種情報を各種部材に付与するために、電子的識別手段90(詳しくは後述)が用いられる。なお前記各クライアントマシンMC,QC,SC,PCは、各部門M,Q,S,Pに設置され、前記データベースサーバ20に対して予め決定されている入力および出力等が可能なコンピュータの総称である。
【0024】
また1台のパチンコ遊技機を構成する部材の数は、大きいものから小さいものまで合わせれば数百点に及ぶが、本実施例においては、図5および図6に示す如く、パチンコ遊技機製造等の基礎となるベニアAと、該部材として取り上げるものであり前記電子的識別手段90が貼付される、コーナー飾り(パネル)B、表示基盤(液晶画面)C、音声基盤D、主基盤E、中枠(出玉受皿、所謂バケツの部分に付与されるためバケツとも云う)Fおよび発射基盤Gとの計7点を基本的に取り上げることにして説明する。
【0025】
前記サーバ20と各部門M,Q,S,Pとは、情報漏れ等のセキュリティ対策が充分に施され、情報のリアルタイムでの入出力を可能とする、例えば接続にパスワード認証等を必要とする通常回線、専用回線またはインターネット回線等の特定回線Lで常時または必要に応じて接続されている。
【0026】
前記特定回線Lによって接続されている各クライアントマシンMC,QC,SC,PCおよびデータベースサーバ20の間には、目的に応じて少なくとも製造管理手段40を備え、本実施例については、受注管理手段30、製造管理手段40およびアフターサービス管理手段50(図2参照)が構築されている。また実際に前記受注管理手段30がない場合には、下記の営業部門S、該営業部門Sに設けられる第3クライアントマシンSCおよび受注管理データベース23等はなく、前記アフターサービス管理手段50がない場合には、下記の品質管理部門Q、該品質管理部門Qに設けられる第2クライアントマシンQCおよびアフターサービス管理データベース25等は設置されない。
【0027】
前記受注管理手段30は、第1、第2および第3クライアントマシンMC,QC,SC内の受注管理システムMC3,QC3,SC3と、サーバ20内の受注管理データベース23とから構築され、これまでの受注(顧客)先の名称等の全情報、現在受注・製造中のパチンコ遊技機に係る受注先の名称等の全情報および新規受注に関する受注先の名称等の全情報が入力されており、随時最新情報にアップデートされている。また過去の受注状況等から、近将来的な受注予測を行なうことも可能である。
【0028】
前記製造管理手段40は、第1、第2および第3クライアントマシンMC,QC,SC内の製造管理システムMC4,QC4,SC4と、サーバ20内の製造管理データベース24とから構築され、前記受注管理手段30とから得られる最新の各種情報が入力されており、実際のパチンコ遊技機製造、すなわち各種部材の発注、納品、製造および出荷に関する指示等の中核をなすものである。そして前記製造管理データベース24内には、製造されるパチンコ遊技機種、該パチンコ遊技機種を構成する各部材および各部材を製造する部門または製造企業(業者)の全情報が集積されている。そして部材製造部門P(ここでは社内的な部門の他、前述した如く該当する各部材を製造する製造メーカー(業者)を含む)における各部材の名称、製造部門、製造日時、製造ロット、(外部の製造企業の場合は)発注日時、発注数量、納品日時および各種部材の在庫・出庫数等の情報により随時最新情報にアップデートされている。
【0029】
また前記製造管理手段40は、図3に示す如く、パチンコ遊技機を構成する各種部材を発注および納品に係る処理を行なう製品部材管理手段42と、完成後の受注先への出荷に係る処理を行なう製品出荷管理手段44とを副手段として有している。
【0030】
前記製品部材管理手段42は、パチンコ遊技機を構成する各種部材を効率的に発注、納品および製造(組み立て)し得るための手段であり、第1クライアントマシンMC内の製品部材管理システムMC42および部材製造部門Pに設けられる第4クライアントマシンPC内の製品部材管理システムPC42と、前記製造管理データベース24とから構築されるものである。なお、品質管理部門Qの第2クライアントマシンQC内に製品部材管理システムQC42を設けてもよい(図3参照)。
【0031】
前記製品出荷管理手段44は、製造の完了したパチンコ遊技機を構成する完成したパチンコ遊技機の在庫・出荷数等の変更・受注先への出荷を効率的に行なうための手段であり、第1および第3クライアントマシンMC,SC内の夫々の製品出荷管理システムMC44およびSC44と、前記製造管理データベース24とから構築されるものである。また出荷時に使用される運送会社等の地域による利便度、価格および信用度といった情報を使用した効率的な物流計画も設定可能である。なお、品質管理部門Qの第2クライアントマシンQC内に製品出荷管理システムQC44を設けてもよい(図3参照)。
【0032】
前記アフターサービス管理手段50は、第1、第2および第3クライアントマシンMC,QC,SC内のアフターサービス管理システムMC5,QC5,SC5と、サーバ20内のアフターサービス管理データベース25とから構築され、前記受注管理手段30および製造管理手段40とから得られる最新の各種情報が入力されている。本アフターサービス管理手段50は、実際のパチンコ遊技機出荷後の修理等の、所謂アフターサービスに関する各種部材の発注、納品、および出荷に関する指示等の中核をなすものである。
【0033】
前記アフターサービス管理手段50は、図4に示す如く、アフターサービス用の各種部材を発注および納品に係る処理を行なうアフターサービス部材管理手段52と、該アフターサービス部材管理手段52により納品された各種部材等の受注先への出荷に係る処理を行なうアフターサービス部材出荷管理手段54とを副手段として有している。
【0034】
前記アフターサービス部材管理手段52は、アフターサービスに関する各種部材を効率的に発注および納品し得るための手段であり、第2クライアントマシンQC内のアフターサービス部材管理システムQC52および部材製造部門Pに設けられる第4クライアントマシンPC内のアフターサービス部材管理システムPC52と、前記アフターサービス管理データベース25とから構築されるものである。なお、製造部門Mの第1クライアントマシンMC内にアフターサービス部材管理システムMC52を設けてもよい(図4参照)。
【0035】
前記アフターサービス部材出荷管理手段54は、アフターサービスに関する各種部材の在庫・出庫数等の変更・受注先への出荷を効率的に行なうための手段であり、第2および第3クライアントマシンQC,SC内の夫々のアフターサービス部材出荷管理システムQC54およびSC54と、前記アフターサービス管理データベース25とから構築されるものである。また前述の製品出荷管理手段44と同様に、出荷時に使用される運送会社等の地域による利便度、価格および信用度といった情報を使用した効率的な物流計画も設定可能である。なお、製造部門Mの第1クライアントマシンMC内にアフターサービス部材出荷管理システムMC54を設けてもよい(図4参照)。
【0036】
また前記製造管理手段40およびアフターサービス管理手段50では、前記各種部材等の管理の他、証紙が必要とされる、すなわち各種部材の組み立て時の製造の基本となるコーナー飾り(パネル)B、中枠(バケツ)Fおよび主基盤E(図5および6参照)の3点の場合、所定の手続きを行ない該証紙の発行申請も行なうようになっている。詳しくは後述するが、前記証紙がない場合には、出荷すべきパチンコ遊技機が完成している場合であっても実際にパチンコホール等に設置しての営業行為等は許可されない。また前記証紙は、前記パチンコ遊技機の夫々の製造番号等の製造伝票に記載される内容(製造伝票番号、契約者番号、納品日、運送方法並びに製造内容(機種名、製造種類、台数および保証書番号)等)に関連付けて発行を申請されるものであるので、該証紙についてもパチンコ遊技機を構成する部材の1つとして扱うべく管理を行なっている。
【0037】
また前記各データベース23、24および25は、前述の各情報を系統毎に更に分類して蓄積している受注先データベース、パチンコ遊技機の機種を登録している機種データベース、各種部材の名前等を登録している部材データベースおよび前記各種部材を作製・納入する部署名等を登録している部署・業者データベース等の他、関連する複数のデータベースから構成されており、システムの発展等に伴い、新たな情報を蓄積する対応データベースを後から構成に参加させることも容易な構成となっている。
【0038】
前記製造管理手段40およびアフターサービス管理手段50を効率的に運用するための具体的な方法として、例えばQRコードの如き電子的識別手段90が採用されている。前記電子的識別手段90は、基本的には前述した製造に関係する全情報を製造・出荷するパチンコ遊技機の各種部材を最小単位として相互に関連付けるために用いられるものであり、前述の全情報があらゆる個別情報から逆引き的に参照可能となっている。
【0039】
前記QRコードについて説明すれば、通常のバーコード(1次元コード)に較べて記憶密度が大きい2次元コードの1つであり、前述の記憶密度は20〜100倍、使用スペースが1/10以下、漢字・仮名表現に対応および誤り訂正が可能、といった特徴を有している。
【0040】
前記電子的識別手段90は、基本的に各種部材の製造、組み立ておよび管理等の全てにおいて使用されるものであり、付与される部材の部材個別情報IPを有している。従って、ある部材に付与されている前記電子的識別手段90を専用の読取装置を使用して読み取れば、該部材の部材個別情報IP、すなわち部材名、製造部門、製造日時、製造ロット並びに変更履歴または改造履歴等が前述した各データベースの情報蓄積分類に関わらず、一括して確認可能である。
【0041】
また前記電子的識別手段90は、前述のように各種部材のみ関わる部材個別情報IPだけでなく、複数の各種部材に係る複数の電子的識別手段90の関係を関連付けることで、ある1台のパチンコ遊技機を構成する各種部材毎の全情報、どのような部材から構成されているか、といった全体としての所謂製品情報(後述)も確認可能である。すなわち前記電子的識別手段90は、前述した各データベースに各分類毎に蓄積されている全情報を、各種部材または該各種部材の構成体であるパチンコ遊技機等の任意の一情報から任意の順列で検索可能としてリレーショナルデータベースのインデックスとして運用可能となっている。
【0042】
(付随的な構造)
前述した製造情報管理構造には、主たる各構造に対してデータベースサーバ20が蓄積した各種情報を更に効率的に活用するための副手段が幾つか付随している。
【0043】
前記副手段としては、以下の2つが運用されている。
(1) 前記製造管理手段40およびアフターサービス管理手段50を利用して各種部材からパチンコ遊技機等を組み立てる際の検査等で作動不良等を起こした該各種部材の変更または改造等の修理に係る情報を製造部門Mおよび品質管理部門Qからデータベースサーバ20内の不良情報管理データベース27に集積し、必要に応じて各クライアントマシンMC,QC,SC,PCに夫々構築されている不良情報管理システムMC7,QC7,SC7,PC7により、特定回線Lを介して検索・閲覧可能とした不良情報管理手段70。
(2) 開発部門等の本社関連部門Hからデータベースサーバ20内の技術情報共有データベース28に集積され、必要に応じて各クライアントマシンMC,QC,SC,PCおよび営業社員が所有する携帯端末SPC等に夫々構築されている技術情報共有システムMC8,QC8,SC8,PC8,SPC8により、特定回線Lを介して検索・閲覧可能とした技術情報共有手段80。
【0044】
前記不良情報管理手段70は、パチンコ遊技機の製造および出荷されたパチンコ遊技機等に使用される各種部材に係る重要な情報であり、故障等の迅速な対応が要求され最も顧客満足度に直結する手段の1つであり、この不良情報は不良情報管理データベース27に蓄積され、必要に応じてデータベースサーバ20内の各データベース23,24,25に提供される。
【0045】
前記技術情報共有手段80は、過去から現在に至る技術に関わる、殊に故障に関わる各種部材の現場での修理手順・過去の類似情報等の社内外の全情報を蓄積し、各営業社員が携帯端末SPCから第3クライアントマシンSCを介して検索・閲覧可能としたものであり、該各営業社員に対して前述の情報を提供して、結果としてあらゆる故障等に対して迅速な対応を可能として、顧客満足度を向上させる構造を提供するものである。
【0046】
(製造情報管理手段の運用方法)
次に前述の各手段を実際に運用・実施する各工程につき説明する。前記各手段に対応する各工程は、図7〜図11に示す如く、夫々が同期的に稼働しており特定の稼働順序は特定されない。従って各手段に対応する各工程毎に、その他の工程との関連を示しながら以下に説明する。
【0047】
(主たる工程)
前記受注管理手段30を運用する受注管理工程S3は、図7に示す如く、顧客企業から受注を受ける受注段階S31と、該受注段階S31で受注した内容を前記第3クライアントマシンSCから入力する受注情報入力段階S32とからなり、該受注情報入力段階S32における入力には、担当部営業部門Sの部門長等の承認が必要である。
【0048】
また修理や交換部品に係るアフターサービス部材に関する受注に関しても、新規発注と同様に前記受注段階S31から段階を追って受注管理工程S3が実行される。なお顧客からの受注以外に、クレーム等に対応して後述するアフターサービス管理工程S5から実行が開始される場合もある。
【0049】
前記受注管理工程S3の補助工程として、受注先の顧客企業等の顧客への訪問等の各種営業活動、市場調査等から得られた各種顧客情報を収集する顧客情報収集段階S33と、該顧客情報を営業部門Sから新規登録および随時更新する顧客情報入力段階S34とからなる受注予測補助工程を含むように構成してもよい。前記顧客情報入力段階S34を実行は、前記顧客情報収集段階S33で得られた情報について、今後の引き合いとなるかどうかという点を中心に検討して今後の引き合い(受注)予測を行ない、この結果と該情報を包括的に入力することで行なわれる。なおこの入力に際して、担当部営業部門Sの部門長等の承認が必要とされる。これら一連の段階を経て処理された情報等は、製品受注またはアフターサービス受注が判断され、該製品受注の場合は製造管理手段40または該アフターサービス受注の場合はアフターサービス管理手段50に受け継がれ、夫々製造管理工程S4またはアフターサービス管理工程S5の運用が開始される。
【0050】
また前記受注管理手段30を有さず、本受注管理工程S3がなされない場合、これらの情報は通常の電話またはFAX等の既存連絡手段や、別途用意されたスタンアロン型の独立した受注管理に関するシステムを用いフレキシブルディスク等の情報媒体を介して、後述の製造管理工程S4または/およびアフターサービス管理工程S5に対して入力することも可能である。
【0051】
前記製造管理手段40を運用する製造管理工程S4は、図8に示す如く、製造に必要とされる全ての情報を含む製造情報IAを前記受注情報から構築し、これに対する製造伝票を起票すると共に、発注すべき各種部材に対応する証書の発行を依頼する準備段階S4-1と、該製造情報IAに従って対応する各種部材を後述する該製品部材管理工程S42の実行により発注を行なう発注段階S4-2と、発注後、納品した部材を検品する検品段階S4-3と、検品の完了した各種部材を組み立てて製品を製造する製造段階S4-4とから基本的になる。また前記製品部材管理手段42を運用する製品部材管理工程S42および前記製品出荷管理手段44を運用する製品出荷管理工程S44の補助工程を有している。
【0052】
前記製品部材管理工程S42は、前述の如く、製品部材管理手段42を運用するための工程であり、殊に製造部門Mと部材製造部門Pとの間の情報、すなわち各種部材の管理を目的とする工程である。基本的に受注を受けたパチンコ遊技機の製造に係る各種部材の発注を行なうべく、第1クライアントマシンMCから入力される部材発注入力段階S42-1と、該段階S42-1からの指示により各種部材を製造すると共に、第4クライアントマシンPCから部材個別情報IPを確認・入力して該部材に付与する電子的識別手段90を作成する部材製造段階S42-2と、製造および電子的識別手段90の付与を完了した各種部材を出荷すると共に、出荷納品する各種部材の情報を第4クライアントマシンPCから入力する出荷段階S42-3とからなる。ここで前記部材発注入力段階S42-1および発注段階S4-2と、出荷段階S42-3および検品段階S4-3とは、夫々製品部材管理工程S42および製品部材管理手段42において対応した段階である。
【0053】
前記製品出荷管理工程S44は、前述の如く、製品出荷管理手段44を運用するための工程であり、前記製造管理工程S4の一部である。昨今のパチンコ遊技機の輸送途中のロム等の不正改竄を効率的に防止すべく別途設けたものである。その内容としては、工場出荷前の状態を検査する出荷前検査段階S44-1と、受注先から指示された納品場所に到着して納品前に実施される納品前検査段階S44-2とからなる。基本的にこれらのチェックは、出荷前検査段階S44-1の場合は製造部門Mによって、納品前検査段階S44-2は営業部門Sによって行なわれる。
【0054】
前記アフターサービス管理手段50を運用するアフターサービス管理工程S5は、図9に示す如く、アフターサービスに関して必要とされる全ての情報を含む製造情報IAを前記受注情報またはクレームに対応するクレーム対応段階S5-0から構築し、これに対する修理に関する製造伝票、所謂修理伝票を起票する準備段階S5-1と、該製造情報IAに従って対応する各種部材を後述する該アフターサービス部材管理工程S52の実行により発注し、必要に応じて発注した各種部材に対応する証書の発行を依頼する発注段階S5-2と、発注後、納品した部材を検品する検品段階S5-3と、検品の完了した各種部材を組み立てて製品を製造する製造段階S5-4とから基本的になる。
【0055】
アフターサービスに関する内容が各種部材だけに関わるものである場合、前記製造段階S5-4は省略される。また前記アフターサービス部材管理手段52を運用するアフターサービス部材管理工程S52および前記アフターサービス部材出荷管理手段54を運用するアフターサービス部材出荷管理工程S54の補助工程を有している。
【0056】
前記アフターサービス部材管理工程S52は、前述の如く、アフターサービス部材管理手段52を運用するための工程であり、殊に品質管理部門Qと部材製造部門Pとの間の情報、すなわちアフターサービスに関する各種部材の管理を目的とする工程である。基本的にアフターサービスに係る受注を受けたパチンコ遊技機の製造に係る各種部材の発注を行なうべく、第2クライアントマシンQCから入力される部材発注入力段階S52-1と、該段階S52-1からの指示により各種部材を製造または修理すると共に、第4クライアントマシンPCから部材情報を入力して該部材に付与する電子的識別手段90を作成する部材製造段階S52-2と、製造および電子的識別手段90の付与を完了した各種部材を出荷すると共に、出荷納品する各種部材の情報を第4クライアントマシンPCから入力する出荷段階S52-3とからなる。また 出荷前の状態を検査する出荷前検査段階S52-4を経て、部材として出荷することもできる(図9参照)。ここで前記部材発注入力段階S52-1および発注段階S5-2と、出荷段階S52-3および検品段階S5-3とは、夫々アフターサービス部材管理工程S52およびアフターサービス部材管理手段52において対応した段階である。
【0057】
前記アフターサービス部材出荷管理工程S54は、前述の如く、アフターサービス部材出荷管理手段54を運用するための工程であり、前記アフターサービス管理工程S5の一部である。前記製品出荷管理工程S44と同様に昨今のパチンコ遊技機の輸送途中のロム等の不正改竄を効率的に防止すべく別途設けたものである。その内容としては、工場出荷前の状態を検査する出荷前検査段階S54-1と、受注先から指示された納品場所に到着して納品前に実施される納品前検査段階S54-2とからなる。基本的にこれらのチェックは、出荷前検査段階S54-1の場合は品質管理部門Qによって、納品前検査段階S54-2は営業部門Sによって行なわれる。また改竄等の問題を生じない部材の場合には、前記納品前検査段階S54-2を実施しなくてもよい。
【0058】
また前記アフターサービス管理手段50を有さず、本アフターサービス管理工程S5がなされない場合、これらの情報は通常の電話またはFAX等の既存連絡手段や、別途用意されたスタンアロン型の独立したアフターサービス管理に関するシステムを用いフレキシブルディスク等の情報媒体を介して、前述の製造管理工程S4に対して入力することも可能である。
【0059】
なお、例えばアフターサービスに関する内容が急を要するものであり、かつ部材だけであって、製造段階S5-4を経ずに対応が可能な場合には、前記部材製造部門Pから顧客に対して出荷を行なうようにしてもよい。この場合、前記検品段階S5-3および製造段階S5-4は省略され、前記出荷前検査段階S54-1は該部材製造部門Pで実施される。
【0060】
ここで述べた各工程S3〜S5は、処理すべき情報、すなわち受注、発注、納品および出荷等が行なわれた時点で発生するため、夫々連携を保ちながら、並列的に実行されるものである。また同一の工程が同時に複数処理される、所謂マルチタスクとしても実行されるものであり、前述のように整然と各工程S3〜S5が逐次段階的に実行されるものではない。
【0061】
(付随的な工程)
前記不良情報管理手段70を運用する不良情報管理工程S7は、図10に示す如く、前記製造管理工程S4の実行中およびアフターサービス管理工程S5内において、不良と認識された各種部材の部材個別情報IPを蓄積し、書き換えると共に、書き換えられた新しい該部材個別情報IPを有する電子的識別手段90を発行・印刷する工程であり、内容的には該製造管理工程S4およびアフターサービス管理工程S5に付随的な工程である。
【0062】
前述の製造管理工程S4の実行中およびアフターサービス管理工程S5内で発生し得る各種部材の不良は、新規出荷予定のパチンコ遊技機等の製造または故障に対して追加的に各種部材の組み立て等に際して、顧客に出荷する前に判明した該各種部材の不良を指すものであるが、この他、出荷され稼働中のパチンコ遊技機を構成する各種部材が顧客先で作動不良等の不良を起こした場合の情報等の全ての不良情報を網羅するものである。従って不良情報の内容、すなわち発生日時および状況等の入力端末として、営業部門Sの第3クライアントマシンSCおよび営業社員が携行する携帯端末SPCも使用される。
【0063】
具体的には、対応する各クライアントマシンMC,QC,SCおよび携帯端末SPCから不良に関する情報を入力する情報入力段階S71と、該各クライアントマシンMC,QC,SCおよび携帯端末SPCから不良に関する情報を検索・閲覧する検索・閲覧段階S72とからなる。
【0064】
前記技術情報共有手段80を運用する技術情報共有工程S8は、図11に示す如く、過去から現在に至る技術に関わる社内外の全情報を開発等の全社関連部門Hから入力する情報入力段階S81と、各営業社員が携帯端末SPC等で検索・閲覧する検索・閲覧段階S82とからなる。
【0065】
(電子的識別手段を使用した実際の工程の流れ)
次に図12を参照して実際の流れに従うと共に、前記電子的識別手段90を利用して各部門別に前記主構造および付随構造を運用する各工程の関係を説明する。
【0066】
前記電子的識別手段90の読取装置は、読み取った該電子的識別手段90が有する情報、すなわち部材個別情報IPを表示したり、予め製造伝票から読み込ませておいた製造情報IAまたは設定しておいた情報と該電子的識別手段90が有する情報とを照合して、その結果、すなわち一致または不一致を表示すると共に、製造ラインの一時停止等の動作を連動させることが可能となっている。更に前記部材個別情報IPおよび照合結果等を、随時設定に応じてデータベースサーバ20に送信し得るようになっている。
【0067】
前記読取装置の形態としては、製造ライン上での効率的な運用を考慮して、作業者が随時手動で電子的識別手段90を読み取らせる携帯式と、予め設定位置に固定された読取装置が対応する電子的識別手段90を自動的に読み取っていく固定式とがあるが、その読み取りについての機能は同一である。また前記読取装置には、読み取った内容および予め登録等した照合情報等を一時的に記録、演算すると共に、随時表示可能な演算表示端末が付随している。
【0068】
また実際のパチンコ遊技機等の製造に当たっては、該製造の土台(基準)となる部材、例えば中枠F(パチンコ遊技機製造の際の基準)およびパネルB(遊技盤製造の際の基準)等に製品情報IDが与えられる。この製品情報IDは、パチンコ遊技機を構成する各種部材を総括的に示すものであり、現に製造中のものが何れの機種であるのか、および保証書番号を有する証紙に係る保証書番号の照合、といった各種部材を組み立てて得られる製品としての情報の関連付けに使用される。
【0069】
(製品の受注)
前記営業部門Sの営業活動等により、顧客から製品が注文される。この注文に係る売買契約書の各種の注文情報には、前記営業部門Sは所定期間毎(実際には日報として、すなわち毎日入力される)に第3クライアントマシンSCより、注文の内容、すなわち顧客名、注文を受けた製品(機種)名、その製品区分(本体、遊技盤等の形態)、数量および納品希望日時等が受注管理手段30を介して受注管理データベース23に入力される(図7参照)。
【0070】
前記受注管理データベース23に入力された情報は、製造管理を司る製造管理データベース24に複製・参照され、受注情報として製造部門Mに伝達される。1台のパチンコ遊技機を構成する部材の数は、前述の如く総数で数百点に及ぶが、ここでは殊にパチンコ遊技機製造および修理等の点から、全ての部材の基礎となるベニアAと、該部材として取り上げるものであり前記電子的識別手段90が貼付される、コーナー飾り(パネル)B、表示基盤(液晶画面)C、音声基盤D、主基盤E、中枠Fおよび発射基盤Gとの計7点として説明する(図5および図6参照)。なお本実施例においては、前記ベニアAには前記電子的識別手段90が付与されていないが、より高度な部材情報の運用を考えて該電子的識別手段90を付与するようにしてもよく、後述する記載についても該ベニアAに対して該電子的識別手段90を付与した場合を想定したものとなっている。
【0071】
ここで取り上げた部材は、製造管理工程S4の流れを説明する上で、また部材管理の点からも必要であることから取り上げたが、同時に扱える部材種類数が限定されるということではなく、データベースサーバ20内にデータを入力することで利用可能とし得るので本発明に係る製造情報管理構造およびその方法に数的な上限があるわけではない。
【0072】
(製品製造に必要な各種部材の製造・発注等)
前記受注管理データベース23に入力された注文情報は、随時データベースサーバ20に並列的に構築されている製造管理手段40の製造管理データベース24に複製・参照される。そして前記注文情報を基として、製品出荷の際に必要とされる証明書、所謂証紙発行のための申請手続きおよび製造情報IAを有する製造伝票が準備される。また前記製造管理データベース24内に複製された注文に係る数量および納品日時等の部材情報は、前記製品部材管理手段42により製造部門Mの第1クライアントマシンMCを介して、対応部署および部材製造メーカーの第4クライアントマシンPCに発注情報として伝達される(図8参照)。
【0073】
(各種部材の製造、電子的識別手段の作成・付与および納品)
前記部材製造を行なう対応部署および製造メーカーにおいて、前記製品部材管理手段42を介して第4クライアントマシンPCから指示される部材の種類、数量および納品日時等の製造すべき部材情報は、該第4クライアントマシンPCで登録確認される。この登録確認はデータ受信した後に自動的に行なわれるものであるが、通常確認のために見直しが行なわれる。また前記製品部材管理手段42を介して製造すべき部材情報が第4クライアントマシンPCに自動登録されない場合には、作業者による手入力で直接的に該部材情報を該第4クライアントマシンPCに入力するようにしてもよい。この場合、前記製品部材管理手段42は、製造管理手段40等と特定回線Lによって情報連結されている必要はない。
【0074】
そして前記部材製造を行なう対応部署および製造メーカーで製造すべき部材の製造に伴って、該部材の製造日、製造ロット、機種名およびシリアルNo.、部材がロム等の特殊部材の場合にはロムNo.等の部材に関する全ての情報、すなわち部材個別情報IPが電子的識別手段90として印刷される。ここでシリアルNo.とは、各種部材毎に付与されるユニークな番号であり、同一部材であれば同一の番号は1つしか存在せず、該部材の特定に使用し得る。この電子的識別手段90は、該電子的識別手段90に前記部材個別情報IPが全て第4クライアントマシンPCに入力された時点、すなわち前記製造部門Mからの発注情報と製造時の情報の双方とが揃った時に作成(印刷)可能となり、通常該電子的識別手段90に対応する部材の製造完了後の検査時等に付与される。
【0075】
この電子的識別手段90が付与された部材は、所定の読取装置で該電子的識別手段90を読み取らせるだけで夫々の部材個別情報IPを簡単に表示し得るものである。また各部材に付与される電子的識別手段90の他、該部材を出荷するに当たり梱包する梱包単位毎にも、前述の各情報に部材数を加えた情報を有する電子的識別手段90が別途付与され、これにより前記製品部材管理工程S42における出荷段階S42-3に対応する検品段階S4-3でのチェックに用いられている。
【0076】
(各種部材の納品)
各種部材を製造する各対応部門および製造メーカーを出荷された該部材は、製造部門Mで納品確認、すなわち検品段階S4-3による検品終了した後に受け入れられる。この検品作業は、第1段階として各部材に付与された電子的識別手段90から読み取られる部材個別情報IPと、実際に納品した部材の目視による情報とを照合確認し、次いで第2段階として梱包単位毎に貼付されている電子的識別手段90を読み込むことで、納品数を確認しつつ前記製造管理手段40を介して製造管理データベース24に登録される。
【0077】
ここまでの内容を、各種部材毎に行ない全ての部材の納品したことにより、前記製品部材管理手段42における1サイクルは完了し、続いて製造管理手段40が継続される。この製造管理手段40については、製品区分として前述したベニアA、パネルB、表示基盤C、音声基盤D、主基盤E、中枠Fおよび発射基盤G等の全ての部材を組み立てた「パチンコ遊技機(本体)」と、ベニアA、パネルB、表示基盤C、音声基盤Dおよび主基盤Eを取り付けた「遊技盤」とを用いて具体的に説明する。なお出荷がなされるこの他の製品区分として、前記中枠Fに発射基盤Gを取り付けた「枠」や、ロムを含む主基盤Eだけの「回路」がある。
【0078】
(製品製造段階)
本製造段階S4-4は、前記電子的識別手段90による利点が多い段階であるので、複数のラインに分けて詳細に説明する。本製造段階S4-4は、基本的に加工・基礎ラインS4-41、遊技盤ラインS4-42、本体ラインS4-43および出荷前ラインS4-44からなる。
【0079】
また前記製造管理手段40により起票された製造伝票には、売買契約書No.、製造予定日、納品日並びに製造内容としての機種名、製品区分、数量および保証書番号等といった製造情報IAが記載されている。また前記製造情報IAは、前記製造伝票上に付与されている個別の伝票情報バーコードを用いることで各ライン上の前記電子的識別手段90を読取装置で確認できると共に、読み込んだ部材個別情報IPの照合にも使用される。
【0080】
前記加工・基礎ラインS4-41は、パチンコ遊技機の土台となる、所謂ベニアAを加工して所要の模様の転写、釘打ち、レール締め、風車打ちおよびコーナー飾り(パネル)Bを取り付けて、表面的に見える部分を作製して、所謂コーナー付きベニアとするラインである。
【0081】
次の遊技盤ラインS4-42は、前記加工・基礎ラインS4-41により作製されたコーナー付きベニアに対して表示基盤Cを取り付けることで遊技盤とするラインである。具体的には、前記コーナー付きベニアに対して、前記電子的識別手段90により部材管理がなされている、表示基盤Cを取り付けて、電子的識別手段90が有する情報を関連付けていくラインである。また本遊技盤ラインS4-42では、パネルBが製造管理の基準とされ、製品情報IDとして該パネルID(遊技盤ID)が使用される。なお前述の製品区分が「遊技盤」である場合、本ラインS4-41で得られる遊技盤と、更に音声基盤Dおよび主基盤Eとを一組とした出荷用の遊技盤として、後述の出荷登録を行なった後に出荷準備が完了する。
【0082】
前記遊技盤ラインS4-42を具体的に述べると、先ず遊技盤表面の飾り役物(表示飾り、入賞口、アタッカー)と、遊技盤裏側に設置され、該入賞口に入賞した玉を盤外へ排出させると共に、該役物に作動信号や電力を供給する配線が配設された集合板(裏トイ)とを取り付ける。その後、前記表示基盤Cを取り付ると共に、該表示基盤Cの電子的識別手段90と、取付先のコーナー付きベニアの電子的識別手段90とを所定の読取装置で読み取る一連の作業が行なわれる。これらの作業により、前述の2つの情報は同一のパチンコ遊技機の部材として関連付けされ、何れの電子的識別手段90を読み込んだ場合であっても双方の情報が表示可能となる。なお前記表示基盤Cはシリーズ毎に異なるものであるため、組み合わせ時の確認が必要となるが、前記パネルBに付与されている電子的識別手段90に関連付けられた製品情報IDから得られる機種名(シリーズ名)の照合が前述の夫々の電子的識別手段90の読み取り時に行なわれ、該組み合わせに間違いがある場合には読取装置から警告が発せられ、その結果該表示基盤Cの組み合わせが間違って組み立てられることはない。次に前記各役物等の間の配線を行ない、入玉時等の該役物、ランプやスイッチ等の作動状態をチェックする。
【0083】
前述の作動状態のチェックに際して、動作不良等が確認された場合には、該当する部材を他の問題のない部材に交換すると共に、その情報を前記不良情報管理工程S7を用いて不良情報管理手段70により処理する。また問題のない部材に交換した際の前記部材の電子的識別手段90の読込および関連付けは、基本的に製造ライン上では行なわず、別途用意される修理ラインで実施され、次ラインから製造ライン上に戻される。なお問題が発見され交換された不良部材については、不良内容およびその原因等を調べると共に、その結果を前記不良情報管理手段70で処理し、修理可能なものは修理してリユースに供される(詳細は後述)。
【0084】
(本体ライン)
ここまでの作業を経ることで得られる遊技盤は、次の本体ラインS4-43を経て、音声基盤D、主基盤E、中枠Fおよび発射基盤G等を順次取り付けられると共に、夫々の電子的識別手段90が有する部材個別情報IPが関連付けられていく。またこのラインから、製造の基準となる部材が中枠Fに移り、製品情報IDとして中枠IDが使用される。
【0085】
本体ラインS4-43を具体的に述べると、まだ取り付けがなされていない取付予定の各部材D,E,F,Gを前記遊技盤の所定位置に取り付けると共に、前述したように製造伝票が有する製造情報IAを読取装置に取り込み、各種部材が本機種に取り付けられるべきものであるかをチェック(機種名チェック)し、間違いがなければ取付予定の各種部材全ての電子的識別手段90を読取装置で読み取り、夫々の情報を関連付ける。
【0086】
この際、前記読取装置の表示端末には、前記製造情報IPが表示され、同時に製造ラインから確認が容易な、例えば天井等に別途設けられた表示装置により、製造伝票番号および製造予定台数等が表示されるようになっている。また取り付けられた各種部材の電子的識別手段90が読み取れない等のエラーが発生した場合には、直ちに製造ラインの作動が強制停止される等して一時中止されるようになっている。なおこのように製造ラインが停止した場合、該当する電子的識別手段90を有するパチンコ遊技機は製造ライン上から取り除かれ、別途用意され人手によって該電子的識別手段90が確実に読み込める、携帯型読取装置を利用することで対応している。
【0087】
前述した関連付けにより、取り付けられた部材の情報は同一のパチンコ遊技機の部材として関連付けされると共に、何れの電子的識別手段90を読み込んても該当するパチンコ遊技機の情報が表示可能となる。
【0088】
前述のように、この本体ラインS4-43においては、製造伝票に記載される製造情報IAと、パチンコ遊技機を構成する各種部材の部材個別情報IPとが照合確認されるラインである。なお上流側の各工程またはラインで部材の交換等のために前記製造情報IAに対応したパチンコ遊技機が本ラインに投入されず、当初予定した製造伝票通りの順番で処理がなされない場合であっても殊に問題はなく、その都度、該当する製造伝票の製造情報IAを取り込むようにすればよく、部材の組み付け間違い等により製造ライン上の動きを止めなくてもよい。
【0089】
また前記製造情報IAによる各部材の部材個別情報IPの照合に先立ち、各種部材を取り付けた状態での作動等に係る検査が行なわれ、この検査により該各種部材の不良がチェックされる。そして不良が確認された場合には、前述の遊技盤ラインと同様の処理がなされる。すなわち該当する部材を他の問題のない部材に交換すると共に、その不良発生日時および不良発生状況等の情報を前記不良情報管理工程S7を用いて不良情報管理手段70により処理する。
【0090】
前述の手順により、不良が生じた部材を問題のない部材に交換した際の該部材の電子的識別手段90の読込および関連付けは、基本的に製造ライン上では行なわず、別途用意される修理ラインで実施され、次の出荷前ラインから製造ラインに戻される。なお交換された問題が発見された不良部材については、不良内容およびその原因等を調べると共に、その結果を前記不良情報管理手段70で処理し、修理可能なものは修理してリユースに供される(詳細は後述)。
【0091】
(出荷前ライン)
前記本体ラインS4-43を経ることで、パチンコ遊技機は製品としてほぼ完成の状態となる。そして本出荷前ラインS4-44で出荷に必要とされる証紙の付与、照合および製品梱包がなされることで製品としての出荷準備が完了することになる。
【0092】
具体的には、製造伝票の製造情報IAの1つである証紙の保証書番号と、前本体ラインS4-43でパチンコ遊技機の構成部材として関連付けられた各種部材の部材個別情報IPを、中枠IDを有する中枠Fの部材個別情報IPを用いて関連付けを行なう。この関連付けにより、パチンコ遊技機を構成する各種部材を総括的に示す製品情報ID(ここでは中枠ID)と前記証紙の保証書番号との間には、1対1の関係が確立することになる。そしてこの関連付けが完了した時点で、該当するパチンコ遊技機の出荷登録がなされる。
【0093】
前述した如く、前記証紙に固有の保証書番号は、出荷される顧客先およびパチンコ遊技機の機種名等の情報と関連付けられて発行されるものであるので、ここでの製品情報IDと証紙の保証書番号との間の関係が確立されてしまった後については、その変更は基本的にできない。しかし、前記製品情報IDと証紙の保証書番号との関連付けを行なう前であれば、同一機種に係るパチンコ遊技機であれば、何れの顧客先に出荷するものとして設定し得る。すなわち突然の出荷日または納品日の変更に対する製造工程のスケジュール変更についても、大きな手間を必要とせず迅速に対応し得る。
【0094】
この出荷登録とは、データベースサーバ20上において、前記パチンコ遊技機の在庫数が1つ減らすと共に、出荷数を1つ増やす作業のことであり、この作業がなされなければ、データ上での出荷はなされず、その結果後述する出荷準備が実施できないようになっている。また前記証紙が付与される部材としては、前述の通り、中枠(本体)F、パネル(遊技盤)Bおよび主基盤Eが挙げられ、都合3枚の該証紙が1台のパチンコ遊技機に付与される。また出荷先が静岡県の場合、殊に作動周波数、すなわち50Hzまたは60Hzの表示がなされる。
【0095】
前述の証紙の付与は、基本的に前記製造情報IA中に指示される保証書番号と、付与すべき保証書番号とを目視により確認した後で行なわれるものであり、作業者により実施されている。このため前記保証書番号については、作業者の人的エラーによる間違いが介在する可能性があるが、現状では該保証書番号のチェックは後述する製品出荷管理工程S44内の出荷前検査段階S44-1で行なわれる。
【0096】
(出荷準備)
これまでの全ラインを含む製造工程S4-4を経ることで、出荷すべきパチンコ遊技機の製造は完了し、該パチンコ遊技機を構成する各種部材の部材個別情報IPの関連付けは完了することになる。そして最終的な出荷までの出荷準備が前記製造工程S4-4に続いて連続的に行なわれる。この出荷準備を管理する工程は、製品出荷管理工程S44内の出荷前検査段階S44-1である。
【0097】
具体的な内容は以下の通りである。前述した1台のパチンコ遊技機に付与される3つの証紙の保証書番号を、夫々図形として確認する3台の光学カメラと、読み取った図形を文字・数字として認識する図形認識装置とからなる図形認識システムにより確認して、該パチンコ遊技機の主たる部材である前述したバケツの電子的識別手段90を利用して関連付けられた保証書番号と照合する。そして照合結果に問題がなければ、該当パチンコ遊技機を、社名、製造伝票番号および台数(台数/出荷全台数)が印刷されたビニール等の被覆物で被覆し、これを手動または自動で出荷前保管庫に移動させる。なお前記証紙の保証書番号に間違いがあった場合には、該証紙等の確認をして所定の対応をとる。
【0098】
そして出荷後、納品前には、最終的な確認を目的として、製品出荷管理工程S44の納品前検査段階S44-2が営業部門Sによって納品現場で顧客立ち会いの元に行なわれる。この納品前検査段階S44-2で実施されるチェックは、具体的にはロムの交換等による、所謂不正改造を防止することが主目的であり、営業社員が携帯端末SPCを使用して、該パチンコ遊技機の電子的識別手段90の情報を読み取り、これと目視により確認可能な部材情報とを照合することで実施される。またこの納品前検査段階S44-2を実行することで、所定日に行なわれるパチンコ遊技機と証紙の保証書番号との照合に関しての前確認の役割も果たす。なお、顧客に対して製品の納品が完了した際には、納品完了の情報が前記受注管理手段30に対してもフィードバックされる。
【0099】
(アフターサービスに関する流れ)
ここまでの説明は、製品であるパチンコ遊技機または遊技盤等の新規注文に対する製造部門Mの製造管理工程S4に係る各対応工程についてのものであるが、出荷済みのパチンコ遊技機の一部材が故障等を起こした際の故障品の注文等の処理を扱うアフターサービス管理工程S5の流れ(S5−41,S5−42,S5−43,S5−44(図12参照))も基本的に同一である。
【0100】
具体的には、前記製造管理手段40および製造管理工程S4に代わって、アフターサービス管理手段50およびアフターサービス管理工程S5が夫々行なわれる。この際、注文される部材が単一の場合には、必要とされる部材を他の部材と関連付ける必要がなく、該当の工程またはラインは省略され、場合によっては時間短縮を目的として、前記部材製造部門Pから顧客に対して直送にて対応することも可能である。
【0101】
前記故障品については、前記品質管理部門Qに回収がなされると共に原因追求が行なわれる。そして故障に関する情報は、前記不良情報管理手段70により管理される。そして製造上の原因で同一ロット等の他の同一部材についても故障の発生が懸念される場合には、前記電子的識別手段90により関連付けられた情報群から、他の同一部材が使用されたパチンコ遊技機の出荷先等を検索し、事前的な対応をとることで顧客満足度を向上させる手段の1つとして活用する。
【0102】
このようにして回収、所定の修理が完了した部材については、部材個別情報IPを書き換えると共に、書き換えた該情報IPに基づく電子的識別手段90が発行・印刷され、所謂リユース部材として再利用可能となっている。このような利用により、部材の無駄な消耗等を極力回避し、効率的な部材等の製造管理、省資源および環境問題への対応を可能としている。なお修理に関して、前記電子的識別手段90に含まれる情報としては、過去の修理歴を示す修理履歴、過去の使用期間および再使用回数を示すサイクル数等がある。
【0103】
また前記故障品の回収に当たって、営業社員が顧客先に赴き故障状況を確認することがあるが、状況によってはその場で対応可能な場合もある。このような場合、前記技術情報共有手段80により実施される技術情報共有工程S8に従って、技術情報共有データベース28に対して過去から蓄積されている、またはパチンコ遊技機の研究開発途中に得られた各情報に対してのアクセスを可能としているので、あらゆる故障等に対して現場、すなわち現場での迅速な対応を可能としている。なおノウハウ的な情報が蓄積される前記技術情報共有データベース28に対するアクセスは、通常営業部門Sの第3クライアントマシンSCを介することでセキュリティを設け、情報の外部流出について安全性をより高く設定し得るようにされている。
【0104】
なお、前述した各手段および各工程により蓄積された全情報は、全社的な経営方針、部門毎の営業、製造、アフターサービスおよび研究開発指針を決定する重要な資料としても活用し得るものである。またこれらの全情報について、鶴に適正な管理・運用がなされているかを監査する監査部門を設置することで、顧客以外の、所謂下請け等の外部機関に対して信用度を高める効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の好適な実施例に係る製造情報管理構造の概略を示す概略図である。
【図2】図1に示す製造情報管理構造を各管理手段の点から立体的に示した概略図である。
【図3】図2に示す製造管理手段をなす製品部材管理手段および製品出荷管理手段を示す概略図である。
【図4】図2に示すアフターサービス管理手段をなすアフターサービス部材管理手段およびアフターサービス出荷管理手段を示す概略図である。
【図5】実施例に係る各種部材の配置位置を概略的に示すパチンコ遊技機表側の全体図である。
【図6】実施例に係る各種部材の配置位置を概略的に示すパチンコ遊技機裏側の全体図である。
【図7】実施例に係る主たる構造のうち、受注管理手段を運用する受注管理工程を示す工程図である。
【図8】実施例に係る主たる構造のうち、製品管理手段を運用する製造管理工程を示す工程図である。
【図9】実施例に係る主たる構造のうち、アフターサービス管理手段を運用するアフターサービス管理工程を示す工程図である。
【図10】実施例に係る付随する構造のうち、不良情報管理手段を運用する不良情報管理工程を示す工程図である。
【図11】実施例に係る付随する構造のうち、技術情報共有手段を運用する技術情報共有工程を示す工程図である。
【図12】実施例に係る構造を、各部門毎に区分すると共に、実際のフローに従って各工程の関係を示す概略図である。
【符号の説明】
【0106】
A ベニア(各種部材)
B パネル(各種部材)
C 表示基盤(各種部材)
D 音声基盤(各種部材)
E 主基盤(各種部材)
F 中枠(各種部材)
G 発射基盤(各種部材)
H 本社関連部門
IP 部材個別情報
L 特定回線
M 製造部門
MC 第1クライアントマシン
P 部材製造部門
PC 第4クライアントマシン
Q 品質管理部門
QC 第2クライアントマシン
S 営業部門
SC 第3クライアントマシン
SPC 携帯端末
20 データベースサーバ
90 電子的識別手段
S3 受注管理工程
S4 製造管理工程
S42 製品部材管理工程
S44 製品出荷管理工程
S5 アフターサービス管理工程
S52 アフターサービス部材管理工程
S54 アフターサービス部材出荷管理工程
S7 不良情報管理工程
S8 技術情報共有工程
【技術分野】
【0001】
この発明は、製造情報管理方法に関し、更に詳細には、殊にパチンコ遊技機の部材管理に好適に採用され、通常の電話回線、専用線、インターネットまたはLAN(ローカルエリアネットワーク)等により形成された特定回線網を介して、各営業、製造等の部門間で必要な情報をリアルタイムに共有し、製品の製造やアフターサービスに必要とされる各種部材の発注、納品、製造、出荷および修理等の際に必要とされる各種情報を効率よく処理することを可能とした製造情報管理構造を運用する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等に代表される如き、精密な電子部材および不特定多数人に操作される稼働部材等の、詳細な管理が必要とされる部材を多量に使用する機械においては、耐久特性や操作特性の相違する多種多様な各部材について、製造メーカー、製造日時および製造ロット等を夫々詳細に管理し、これにより適切な製造管理および修理等に対する迅速な対応を行なうことが重要である。
【0003】
従来のパチンコ遊技機の製造工程を例として説明すると、該パチンコ遊技機の製造に供する全ての部材を対応部門または製造業者から納品した時点で、各種部材の数量、製造日時および製造ロット等を目視により確認し、所定の入力用用紙に手書きにより記録することで部材の納品および確認登録作業を行なっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように部材の納品および確認登録作業は、基本的に目視および手書きにより行なわれるため、部材確認時の見落としや、見間違い、登録時の記入漏れや、記入間違い等が発生する畏れがある。また前述の如く手書きにより記入された情報は最終的にはコンピュータ等で集中管理されるが、手書き入力のような人による入力のために誤字、脱字等の間違った入力がなされることも考えられる。ここに指摘した各問題は基本的に人手を介する作業の限界を示している。
【0005】
また前述の納品に当たっては、複数の製品ロットに係る部材が存在することもあり、この場合、製品出荷後における部材故障の原因追及および同様の原因による故障の予防を効率的に行なうため、通常は製品ロット毎に分けておく必要がある。しかしこのような作業は製品の製造の観点から見た場合には、工程を1つ増加させるだけの、所謂無駄な作業でしかない。
【0006】
更に現時点では、パチンコ遊技機を構成する部材点数が少なく手作業により対応が可能であるが、パチンコ遊技機が次世代、次々世代と進歩するに従って部材点数の増加、サイズの小型化が進んだり、より詳細な製造ロット管理が要求され、これまでの方法では対応が困難となることが予想される。そして今後は環境問題等の社会背景的な要請およびコスト削減等の観点から、既存部品の修理、回収およびリサイクル等も管理の視野に入れる必要がある。
【0007】
また前記パチンコ遊技機の場合、各種法令や業界団体の自己規制等に伴う数多くの詳細な規則が存在している。これらの規則により、例えば管理すべき各部材について、製造メーカーの都合だけでNo.表示の如き計数管理手段を取り付けることが困難であったりすることがある。その他、製造出荷後のパチンコ店等による不正な改造を防止等するために、出荷される夫々のパチンコ遊技機に対して、全ての規則を尊守していることを公的に証明する保証書、所謂証紙を添付することが義務付けられている。
【0008】
前記証紙は、前述の如く出荷されるパチンコ遊技機1台1台について個別に発行されるものであり、該発行に際しては設置される場所、すなわち顧客先情報等が必要とされ、これらの情報について該証紙固有の保証書番号が与えられている。従って所定の場所に出荷されるパチンコ遊技機に付与される証紙の保証書番号は前もって決められることになり、該番号は該パチンコ遊技機の設置時における担当者の検査において照合確認され、予め割り振られた保証書番号を有する証紙でなければ、営業等が許可されないといった事態を引き起こしてしまう。
【0009】
従って前述されたパチンコ遊技機の製造は、一般に顧客からの受注を受けた後に、受注したパチンコ遊技機種に必要な各部材を発注すると共に、該顧客と受注を受けたパチンコ遊技機種との関係等を公的に証明している前述の証紙の発行を同時に申請することが必要不可欠になる。更に複数顧客から同一機種についての受注があった場合には、製造するパチンコ遊技機、すなわち必要とされる各種部材は同一であっても、付与される証紙によって出荷すべき顧客先が決定されてしまう。このためパチンコ遊技機と証紙との関連付けがなされていなければ、該パチンコ遊技機を構成する各種部材の管理が充分であっても製造順序等の製造時のスケジュール管理が困難となってしまい、その結果製造コスト等を増大させてしまう問題を内在している。
【0010】
この発明は、従来の製造情報管理について内在している前記問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、製造時に必要とされる各種部材の製造、組み立ておよび修理等の際に必要とされる、各種の確認および検索等を自動化・システム化し、該情報を常に最新情報の共有し得ると共に、各種部材の製造部門または製造メーカー、製造日時および製造ロット等の部材情報を該部材の集合体である、パチンコ遊技機の製品の単位で関連付けを行なうことで、該各種部材の組み付け、受注先および出荷先の照合確認、該各種部材情報からの必要な部材情報等の逆引き並びに製造工程における効率的なスケジュール管理・変更等を容易に行ない得る製造情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の製造情報管理方法は、特定回線を介して、製造部門およびデータベースサーバが相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
製造に関する各種情報を、前記製造部門に設けられる第1クライアントマシンおよび部材製造部門に設けられる第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程を備え、
部材個別情報を有すると共に、前記製造管理工程で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段を各種部材に付与し、
前記電子的識別手段を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行すると共に、前記製造部門および部材製造部門からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにしたことを特徴とする。
【0012】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項2に係る発明の製造情報管理方法は、特定回線を介して、製造部門、営業部門、部材製造部門およびデータベースサーバが相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門に設けられる第1クライアントマシンおよび営業部門に設けられる第3クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシンおよび部材製造部門に設けられる第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程とを備え、
部材個別情報を有すると共に、前記受注管理工程および製造管理工程で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段を各種部材に付与し、
前記電子的識別手段を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行すると共に、前記製造部門、営業部門および部材製造部門からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにしたことを特徴とする。
【0013】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項3に係る発明の製造情報管理方法は、特定回線を介して、製造部門、品質管理部門、営業部門、部材製造部門およびデータベースサーバが相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門に設けられる第1クライアントマシン、品質管理部門に設けられる第2クライアントマシンおよび営業部門に設けられる第3クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシンおよび部材製造部門に設けられる第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程と、
アフターサービスに関する各種情報を、前記第2クライアントマシン、第3クライアントマシンおよび第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該アフターサービス情報をリアルタイムに共有し得るようにしたアフターサービス管理工程とを備え、
部材個別情報を有すると共に、前記受注管理工程、製造管理工程およびアフターサービス管理工程で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段を各種部材に付与し、
前記電子的識別手段を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行して、前記製造部門、品質管理部門、営業部門および部材製造部門からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにしたことを特徴とする。
【0014】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項4に係る発明の製造情報管理方法は、特定回線を介して、製造部門、品質管理部門、営業部門、部材製造部門およびデータベースサーバが相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門に設けられる第1クライアントマシン、品質管理部門に設けられる第2クライアントマシンおよび営業部門に設けられる第3クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシンおよび部材製造部門に設けられる第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程と、
アフターサービスに関する各種情報を、前記第2クライアントマシン、第3クライアントマシンおよび第4クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから前記夫々のクライアントマシンへ出力可能とすることで該アフターサービス情報をリアルタイムに共有し得るようにしたアフターサービス管理工程とを備え、
前記各種部材の不良に関する各種情報を、少なくとも前記第1クライアントマシンおよび第2クライアントマシンから前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから全てのクライアントマシンへ出力可能とすることで該各種部材の不良に関する各種情報をリアルタイムに共有し得るようにした不良情報管理工程並びに技術に関する各種情報を、少なくとも本社関連部門から前記データベースサーバに入力・蓄積すると共に、該データベースサーバから該本社関連部門、全てのクライアントマシンおよび営業部門に属する営業社員が有する携帯端末へ出力可能とすることで該技術情報をリアルタイムに共有し得るようにした技術情報共有工程のうちの少なくとも1工程とを備え、
部材個別情報を有すると共に、前記受注管理工程、製造管理工程およびアフターサービス管理工程或いは/並びに不良情報管理工程で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段を各種部材に付与し、
前記電子的識別手段を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行して前記製造部門、品質管理部門、営業部門および部材製造部門からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項3または4記載の製造情報管理方法において、前記アフターサービス管理工程は、アフターサービスに関する各種部材を製造するに際して必要とされる各部材個別情報を扱うアフターサービス部材管理工程と、該部材の出荷に際して必要とされる情報を扱うアフターサービス部材出荷管理工程とからなる。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項3〜5の何れかに記載の製造情報管理方法において、前記製造管理工程は、各種部材を製造するに際して必要とされる各部材個別情報を扱う製品部材管理工程と、製品の出荷に際して必要とされる情報を扱う製品出荷管理工程とからなる。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項2〜6の何れかに記載の製造情報管理方法において、前記受注管理工程での入力は、前記営業部門(S)だけから行なわれる。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7の何れかに記載の製造情報管理方法において、前記特定回線として、アナログ電話回線、ISDN電話回線、専用線その他ワイヤレス回線等が選択的に使用される。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項1または2記載の製造情報管理方法において、前記第4クライアントマシンへの各種情報の出力は、前記製造管理工程に関わる製造に関する各種情報だけに限定される。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項3〜8の何れかに記載の製造情報管理方法において、前記第4クライアントマシンへの各種情報の出力は、前記製造管理工程に関わる製造に関する各種情報または/およびアフターサービス管理工程に関わるアフターサービスに関する各種情報だけに限定される。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る製造情報管理方法によれば、製造時に必要とされる各種部材の製造、組み立ておよび修理等の際に必要とされる、各種の確認および検索等を自動化・システム化し、該情報を常に最新情報の共有し得ると共に、各種部材の製造部門または製造メーカー、製造日時および製造ロット等の部材情報を該部材の集合体である、例えばパチンコ遊技機等の製品の単位で関連付けを行なうことで、該各種部材の組み付けの照合確認、受注先および出荷先の参照確認、該各種部材情報からの必要な部材情報等の逆引き並びに製造工程における効率的なスケジュール管理・変更等を容易に行ない得る。
【実施例】
【0022】
次に、本発明に係る製造情報管理方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本発明に係る製造情報管理方法は、各種部材の製造、組み立てに関する情報と修理等の際に必要とされる情報等を対応する各種部材に電子的識別手段を用いて付与することで、該各種部材に関する情報の確認および検索等を自動化・システム化し、該情報を常に最新情報として共有し得ると共に、該各種部材の組み立ての照合確認、受注先および出荷先の照合確認、該各種部材情報からの必要な部材情報等の逆引き並びに製造工程における効率的なスケジュール管理・変更等を容易に行ない得ることを知見し、実際の製造工程に適用することで多大な有用性を発揮し得ることを確認したものである。なお本発明において、パチンコ遊技機を構成する各種部材毎の個別情報を部材個別情報IP、該各種部材から該パチンコ遊技機を製造する際の組み立ておよび証書等を指示するものであり、製造伝票等に記載される情報を製造情報IAと呼称する。
【0023】
本発明の好適な実施例に係る製造情報管理構造は、図1、図2、図3および図4に示すような各要素から構成されている。すなわち、各情報の入力および出力手段としての第1クライアントマシンMC、第2クライアントマシンQC、第3クライアントマシンSCおよび第4クライアントマシンPCを夫々備える製造部門M、品質管理部門Q、営業部門Sおよび部材製造部門Pと、これら各クライアントマシンMC,QC,SC,PCからの情報を集積し、要求に応じて送信するデータベースサーバ20とを基本的な構造要素としている。そして前記データベースサーバ20内に蓄積される各種情報を各種部材に付与するために、電子的識別手段90(詳しくは後述)が用いられる。なお前記各クライアントマシンMC,QC,SC,PCは、各部門M,Q,S,Pに設置され、前記データベースサーバ20に対して予め決定されている入力および出力等が可能なコンピュータの総称である。
【0024】
また1台のパチンコ遊技機を構成する部材の数は、大きいものから小さいものまで合わせれば数百点に及ぶが、本実施例においては、図5および図6に示す如く、パチンコ遊技機製造等の基礎となるベニアAと、該部材として取り上げるものであり前記電子的識別手段90が貼付される、コーナー飾り(パネル)B、表示基盤(液晶画面)C、音声基盤D、主基盤E、中枠(出玉受皿、所謂バケツの部分に付与されるためバケツとも云う)Fおよび発射基盤Gとの計7点を基本的に取り上げることにして説明する。
【0025】
前記サーバ20と各部門M,Q,S,Pとは、情報漏れ等のセキュリティ対策が充分に施され、情報のリアルタイムでの入出力を可能とする、例えば接続にパスワード認証等を必要とする通常回線、専用回線またはインターネット回線等の特定回線Lで常時または必要に応じて接続されている。
【0026】
前記特定回線Lによって接続されている各クライアントマシンMC,QC,SC,PCおよびデータベースサーバ20の間には、目的に応じて少なくとも製造管理手段40を備え、本実施例については、受注管理手段30、製造管理手段40およびアフターサービス管理手段50(図2参照)が構築されている。また実際に前記受注管理手段30がない場合には、下記の営業部門S、該営業部門Sに設けられる第3クライアントマシンSCおよび受注管理データベース23等はなく、前記アフターサービス管理手段50がない場合には、下記の品質管理部門Q、該品質管理部門Qに設けられる第2クライアントマシンQCおよびアフターサービス管理データベース25等は設置されない。
【0027】
前記受注管理手段30は、第1、第2および第3クライアントマシンMC,QC,SC内の受注管理システムMC3,QC3,SC3と、サーバ20内の受注管理データベース23とから構築され、これまでの受注(顧客)先の名称等の全情報、現在受注・製造中のパチンコ遊技機に係る受注先の名称等の全情報および新規受注に関する受注先の名称等の全情報が入力されており、随時最新情報にアップデートされている。また過去の受注状況等から、近将来的な受注予測を行なうことも可能である。
【0028】
前記製造管理手段40は、第1、第2および第3クライアントマシンMC,QC,SC内の製造管理システムMC4,QC4,SC4と、サーバ20内の製造管理データベース24とから構築され、前記受注管理手段30とから得られる最新の各種情報が入力されており、実際のパチンコ遊技機製造、すなわち各種部材の発注、納品、製造および出荷に関する指示等の中核をなすものである。そして前記製造管理データベース24内には、製造されるパチンコ遊技機種、該パチンコ遊技機種を構成する各部材および各部材を製造する部門または製造企業(業者)の全情報が集積されている。そして部材製造部門P(ここでは社内的な部門の他、前述した如く該当する各部材を製造する製造メーカー(業者)を含む)における各部材の名称、製造部門、製造日時、製造ロット、(外部の製造企業の場合は)発注日時、発注数量、納品日時および各種部材の在庫・出庫数等の情報により随時最新情報にアップデートされている。
【0029】
また前記製造管理手段40は、図3に示す如く、パチンコ遊技機を構成する各種部材を発注および納品に係る処理を行なう製品部材管理手段42と、完成後の受注先への出荷に係る処理を行なう製品出荷管理手段44とを副手段として有している。
【0030】
前記製品部材管理手段42は、パチンコ遊技機を構成する各種部材を効率的に発注、納品および製造(組み立て)し得るための手段であり、第1クライアントマシンMC内の製品部材管理システムMC42および部材製造部門Pに設けられる第4クライアントマシンPC内の製品部材管理システムPC42と、前記製造管理データベース24とから構築されるものである。なお、品質管理部門Qの第2クライアントマシンQC内に製品部材管理システムQC42を設けてもよい(図3参照)。
【0031】
前記製品出荷管理手段44は、製造の完了したパチンコ遊技機を構成する完成したパチンコ遊技機の在庫・出荷数等の変更・受注先への出荷を効率的に行なうための手段であり、第1および第3クライアントマシンMC,SC内の夫々の製品出荷管理システムMC44およびSC44と、前記製造管理データベース24とから構築されるものである。また出荷時に使用される運送会社等の地域による利便度、価格および信用度といった情報を使用した効率的な物流計画も設定可能である。なお、品質管理部門Qの第2クライアントマシンQC内に製品出荷管理システムQC44を設けてもよい(図3参照)。
【0032】
前記アフターサービス管理手段50は、第1、第2および第3クライアントマシンMC,QC,SC内のアフターサービス管理システムMC5,QC5,SC5と、サーバ20内のアフターサービス管理データベース25とから構築され、前記受注管理手段30および製造管理手段40とから得られる最新の各種情報が入力されている。本アフターサービス管理手段50は、実際のパチンコ遊技機出荷後の修理等の、所謂アフターサービスに関する各種部材の発注、納品、および出荷に関する指示等の中核をなすものである。
【0033】
前記アフターサービス管理手段50は、図4に示す如く、アフターサービス用の各種部材を発注および納品に係る処理を行なうアフターサービス部材管理手段52と、該アフターサービス部材管理手段52により納品された各種部材等の受注先への出荷に係る処理を行なうアフターサービス部材出荷管理手段54とを副手段として有している。
【0034】
前記アフターサービス部材管理手段52は、アフターサービスに関する各種部材を効率的に発注および納品し得るための手段であり、第2クライアントマシンQC内のアフターサービス部材管理システムQC52および部材製造部門Pに設けられる第4クライアントマシンPC内のアフターサービス部材管理システムPC52と、前記アフターサービス管理データベース25とから構築されるものである。なお、製造部門Mの第1クライアントマシンMC内にアフターサービス部材管理システムMC52を設けてもよい(図4参照)。
【0035】
前記アフターサービス部材出荷管理手段54は、アフターサービスに関する各種部材の在庫・出庫数等の変更・受注先への出荷を効率的に行なうための手段であり、第2および第3クライアントマシンQC,SC内の夫々のアフターサービス部材出荷管理システムQC54およびSC54と、前記アフターサービス管理データベース25とから構築されるものである。また前述の製品出荷管理手段44と同様に、出荷時に使用される運送会社等の地域による利便度、価格および信用度といった情報を使用した効率的な物流計画も設定可能である。なお、製造部門Mの第1クライアントマシンMC内にアフターサービス部材出荷管理システムMC54を設けてもよい(図4参照)。
【0036】
また前記製造管理手段40およびアフターサービス管理手段50では、前記各種部材等の管理の他、証紙が必要とされる、すなわち各種部材の組み立て時の製造の基本となるコーナー飾り(パネル)B、中枠(バケツ)Fおよび主基盤E(図5および6参照)の3点の場合、所定の手続きを行ない該証紙の発行申請も行なうようになっている。詳しくは後述するが、前記証紙がない場合には、出荷すべきパチンコ遊技機が完成している場合であっても実際にパチンコホール等に設置しての営業行為等は許可されない。また前記証紙は、前記パチンコ遊技機の夫々の製造番号等の製造伝票に記載される内容(製造伝票番号、契約者番号、納品日、運送方法並びに製造内容(機種名、製造種類、台数および保証書番号)等)に関連付けて発行を申請されるものであるので、該証紙についてもパチンコ遊技機を構成する部材の1つとして扱うべく管理を行なっている。
【0037】
また前記各データベース23、24および25は、前述の各情報を系統毎に更に分類して蓄積している受注先データベース、パチンコ遊技機の機種を登録している機種データベース、各種部材の名前等を登録している部材データベースおよび前記各種部材を作製・納入する部署名等を登録している部署・業者データベース等の他、関連する複数のデータベースから構成されており、システムの発展等に伴い、新たな情報を蓄積する対応データベースを後から構成に参加させることも容易な構成となっている。
【0038】
前記製造管理手段40およびアフターサービス管理手段50を効率的に運用するための具体的な方法として、例えばQRコードの如き電子的識別手段90が採用されている。前記電子的識別手段90は、基本的には前述した製造に関係する全情報を製造・出荷するパチンコ遊技機の各種部材を最小単位として相互に関連付けるために用いられるものであり、前述の全情報があらゆる個別情報から逆引き的に参照可能となっている。
【0039】
前記QRコードについて説明すれば、通常のバーコード(1次元コード)に較べて記憶密度が大きい2次元コードの1つであり、前述の記憶密度は20〜100倍、使用スペースが1/10以下、漢字・仮名表現に対応および誤り訂正が可能、といった特徴を有している。
【0040】
前記電子的識別手段90は、基本的に各種部材の製造、組み立ておよび管理等の全てにおいて使用されるものであり、付与される部材の部材個別情報IPを有している。従って、ある部材に付与されている前記電子的識別手段90を専用の読取装置を使用して読み取れば、該部材の部材個別情報IP、すなわち部材名、製造部門、製造日時、製造ロット並びに変更履歴または改造履歴等が前述した各データベースの情報蓄積分類に関わらず、一括して確認可能である。
【0041】
また前記電子的識別手段90は、前述のように各種部材のみ関わる部材個別情報IPだけでなく、複数の各種部材に係る複数の電子的識別手段90の関係を関連付けることで、ある1台のパチンコ遊技機を構成する各種部材毎の全情報、どのような部材から構成されているか、といった全体としての所謂製品情報(後述)も確認可能である。すなわち前記電子的識別手段90は、前述した各データベースに各分類毎に蓄積されている全情報を、各種部材または該各種部材の構成体であるパチンコ遊技機等の任意の一情報から任意の順列で検索可能としてリレーショナルデータベースのインデックスとして運用可能となっている。
【0042】
(付随的な構造)
前述した製造情報管理構造には、主たる各構造に対してデータベースサーバ20が蓄積した各種情報を更に効率的に活用するための副手段が幾つか付随している。
【0043】
前記副手段としては、以下の2つが運用されている。
(1) 前記製造管理手段40およびアフターサービス管理手段50を利用して各種部材からパチンコ遊技機等を組み立てる際の検査等で作動不良等を起こした該各種部材の変更または改造等の修理に係る情報を製造部門Mおよび品質管理部門Qからデータベースサーバ20内の不良情報管理データベース27に集積し、必要に応じて各クライアントマシンMC,QC,SC,PCに夫々構築されている不良情報管理システムMC7,QC7,SC7,PC7により、特定回線Lを介して検索・閲覧可能とした不良情報管理手段70。
(2) 開発部門等の本社関連部門Hからデータベースサーバ20内の技術情報共有データベース28に集積され、必要に応じて各クライアントマシンMC,QC,SC,PCおよび営業社員が所有する携帯端末SPC等に夫々構築されている技術情報共有システムMC8,QC8,SC8,PC8,SPC8により、特定回線Lを介して検索・閲覧可能とした技術情報共有手段80。
【0044】
前記不良情報管理手段70は、パチンコ遊技機の製造および出荷されたパチンコ遊技機等に使用される各種部材に係る重要な情報であり、故障等の迅速な対応が要求され最も顧客満足度に直結する手段の1つであり、この不良情報は不良情報管理データベース27に蓄積され、必要に応じてデータベースサーバ20内の各データベース23,24,25に提供される。
【0045】
前記技術情報共有手段80は、過去から現在に至る技術に関わる、殊に故障に関わる各種部材の現場での修理手順・過去の類似情報等の社内外の全情報を蓄積し、各営業社員が携帯端末SPCから第3クライアントマシンSCを介して検索・閲覧可能としたものであり、該各営業社員に対して前述の情報を提供して、結果としてあらゆる故障等に対して迅速な対応を可能として、顧客満足度を向上させる構造を提供するものである。
【0046】
(製造情報管理手段の運用方法)
次に前述の各手段を実際に運用・実施する各工程につき説明する。前記各手段に対応する各工程は、図7〜図11に示す如く、夫々が同期的に稼働しており特定の稼働順序は特定されない。従って各手段に対応する各工程毎に、その他の工程との関連を示しながら以下に説明する。
【0047】
(主たる工程)
前記受注管理手段30を運用する受注管理工程S3は、図7に示す如く、顧客企業から受注を受ける受注段階S31と、該受注段階S31で受注した内容を前記第3クライアントマシンSCから入力する受注情報入力段階S32とからなり、該受注情報入力段階S32における入力には、担当部営業部門Sの部門長等の承認が必要である。
【0048】
また修理や交換部品に係るアフターサービス部材に関する受注に関しても、新規発注と同様に前記受注段階S31から段階を追って受注管理工程S3が実行される。なお顧客からの受注以外に、クレーム等に対応して後述するアフターサービス管理工程S5から実行が開始される場合もある。
【0049】
前記受注管理工程S3の補助工程として、受注先の顧客企業等の顧客への訪問等の各種営業活動、市場調査等から得られた各種顧客情報を収集する顧客情報収集段階S33と、該顧客情報を営業部門Sから新規登録および随時更新する顧客情報入力段階S34とからなる受注予測補助工程を含むように構成してもよい。前記顧客情報入力段階S34を実行は、前記顧客情報収集段階S33で得られた情報について、今後の引き合いとなるかどうかという点を中心に検討して今後の引き合い(受注)予測を行ない、この結果と該情報を包括的に入力することで行なわれる。なおこの入力に際して、担当部営業部門Sの部門長等の承認が必要とされる。これら一連の段階を経て処理された情報等は、製品受注またはアフターサービス受注が判断され、該製品受注の場合は製造管理手段40または該アフターサービス受注の場合はアフターサービス管理手段50に受け継がれ、夫々製造管理工程S4またはアフターサービス管理工程S5の運用が開始される。
【0050】
また前記受注管理手段30を有さず、本受注管理工程S3がなされない場合、これらの情報は通常の電話またはFAX等の既存連絡手段や、別途用意されたスタンアロン型の独立した受注管理に関するシステムを用いフレキシブルディスク等の情報媒体を介して、後述の製造管理工程S4または/およびアフターサービス管理工程S5に対して入力することも可能である。
【0051】
前記製造管理手段40を運用する製造管理工程S4は、図8に示す如く、製造に必要とされる全ての情報を含む製造情報IAを前記受注情報から構築し、これに対する製造伝票を起票すると共に、発注すべき各種部材に対応する証書の発行を依頼する準備段階S4-1と、該製造情報IAに従って対応する各種部材を後述する該製品部材管理工程S42の実行により発注を行なう発注段階S4-2と、発注後、納品した部材を検品する検品段階S4-3と、検品の完了した各種部材を組み立てて製品を製造する製造段階S4-4とから基本的になる。また前記製品部材管理手段42を運用する製品部材管理工程S42および前記製品出荷管理手段44を運用する製品出荷管理工程S44の補助工程を有している。
【0052】
前記製品部材管理工程S42は、前述の如く、製品部材管理手段42を運用するための工程であり、殊に製造部門Mと部材製造部門Pとの間の情報、すなわち各種部材の管理を目的とする工程である。基本的に受注を受けたパチンコ遊技機の製造に係る各種部材の発注を行なうべく、第1クライアントマシンMCから入力される部材発注入力段階S42-1と、該段階S42-1からの指示により各種部材を製造すると共に、第4クライアントマシンPCから部材個別情報IPを確認・入力して該部材に付与する電子的識別手段90を作成する部材製造段階S42-2と、製造および電子的識別手段90の付与を完了した各種部材を出荷すると共に、出荷納品する各種部材の情報を第4クライアントマシンPCから入力する出荷段階S42-3とからなる。ここで前記部材発注入力段階S42-1および発注段階S4-2と、出荷段階S42-3および検品段階S4-3とは、夫々製品部材管理工程S42および製品部材管理手段42において対応した段階である。
【0053】
前記製品出荷管理工程S44は、前述の如く、製品出荷管理手段44を運用するための工程であり、前記製造管理工程S4の一部である。昨今のパチンコ遊技機の輸送途中のロム等の不正改竄を効率的に防止すべく別途設けたものである。その内容としては、工場出荷前の状態を検査する出荷前検査段階S44-1と、受注先から指示された納品場所に到着して納品前に実施される納品前検査段階S44-2とからなる。基本的にこれらのチェックは、出荷前検査段階S44-1の場合は製造部門Mによって、納品前検査段階S44-2は営業部門Sによって行なわれる。
【0054】
前記アフターサービス管理手段50を運用するアフターサービス管理工程S5は、図9に示す如く、アフターサービスに関して必要とされる全ての情報を含む製造情報IAを前記受注情報またはクレームに対応するクレーム対応段階S5-0から構築し、これに対する修理に関する製造伝票、所謂修理伝票を起票する準備段階S5-1と、該製造情報IAに従って対応する各種部材を後述する該アフターサービス部材管理工程S52の実行により発注し、必要に応じて発注した各種部材に対応する証書の発行を依頼する発注段階S5-2と、発注後、納品した部材を検品する検品段階S5-3と、検品の完了した各種部材を組み立てて製品を製造する製造段階S5-4とから基本的になる。
【0055】
アフターサービスに関する内容が各種部材だけに関わるものである場合、前記製造段階S5-4は省略される。また前記アフターサービス部材管理手段52を運用するアフターサービス部材管理工程S52および前記アフターサービス部材出荷管理手段54を運用するアフターサービス部材出荷管理工程S54の補助工程を有している。
【0056】
前記アフターサービス部材管理工程S52は、前述の如く、アフターサービス部材管理手段52を運用するための工程であり、殊に品質管理部門Qと部材製造部門Pとの間の情報、すなわちアフターサービスに関する各種部材の管理を目的とする工程である。基本的にアフターサービスに係る受注を受けたパチンコ遊技機の製造に係る各種部材の発注を行なうべく、第2クライアントマシンQCから入力される部材発注入力段階S52-1と、該段階S52-1からの指示により各種部材を製造または修理すると共に、第4クライアントマシンPCから部材情報を入力して該部材に付与する電子的識別手段90を作成する部材製造段階S52-2と、製造および電子的識別手段90の付与を完了した各種部材を出荷すると共に、出荷納品する各種部材の情報を第4クライアントマシンPCから入力する出荷段階S52-3とからなる。また 出荷前の状態を検査する出荷前検査段階S52-4を経て、部材として出荷することもできる(図9参照)。ここで前記部材発注入力段階S52-1および発注段階S5-2と、出荷段階S52-3および検品段階S5-3とは、夫々アフターサービス部材管理工程S52およびアフターサービス部材管理手段52において対応した段階である。
【0057】
前記アフターサービス部材出荷管理工程S54は、前述の如く、アフターサービス部材出荷管理手段54を運用するための工程であり、前記アフターサービス管理工程S5の一部である。前記製品出荷管理工程S44と同様に昨今のパチンコ遊技機の輸送途中のロム等の不正改竄を効率的に防止すべく別途設けたものである。その内容としては、工場出荷前の状態を検査する出荷前検査段階S54-1と、受注先から指示された納品場所に到着して納品前に実施される納品前検査段階S54-2とからなる。基本的にこれらのチェックは、出荷前検査段階S54-1の場合は品質管理部門Qによって、納品前検査段階S54-2は営業部門Sによって行なわれる。また改竄等の問題を生じない部材の場合には、前記納品前検査段階S54-2を実施しなくてもよい。
【0058】
また前記アフターサービス管理手段50を有さず、本アフターサービス管理工程S5がなされない場合、これらの情報は通常の電話またはFAX等の既存連絡手段や、別途用意されたスタンアロン型の独立したアフターサービス管理に関するシステムを用いフレキシブルディスク等の情報媒体を介して、前述の製造管理工程S4に対して入力することも可能である。
【0059】
なお、例えばアフターサービスに関する内容が急を要するものであり、かつ部材だけであって、製造段階S5-4を経ずに対応が可能な場合には、前記部材製造部門Pから顧客に対して出荷を行なうようにしてもよい。この場合、前記検品段階S5-3および製造段階S5-4は省略され、前記出荷前検査段階S54-1は該部材製造部門Pで実施される。
【0060】
ここで述べた各工程S3〜S5は、処理すべき情報、すなわち受注、発注、納品および出荷等が行なわれた時点で発生するため、夫々連携を保ちながら、並列的に実行されるものである。また同一の工程が同時に複数処理される、所謂マルチタスクとしても実行されるものであり、前述のように整然と各工程S3〜S5が逐次段階的に実行されるものではない。
【0061】
(付随的な工程)
前記不良情報管理手段70を運用する不良情報管理工程S7は、図10に示す如く、前記製造管理工程S4の実行中およびアフターサービス管理工程S5内において、不良と認識された各種部材の部材個別情報IPを蓄積し、書き換えると共に、書き換えられた新しい該部材個別情報IPを有する電子的識別手段90を発行・印刷する工程であり、内容的には該製造管理工程S4およびアフターサービス管理工程S5に付随的な工程である。
【0062】
前述の製造管理工程S4の実行中およびアフターサービス管理工程S5内で発生し得る各種部材の不良は、新規出荷予定のパチンコ遊技機等の製造または故障に対して追加的に各種部材の組み立て等に際して、顧客に出荷する前に判明した該各種部材の不良を指すものであるが、この他、出荷され稼働中のパチンコ遊技機を構成する各種部材が顧客先で作動不良等の不良を起こした場合の情報等の全ての不良情報を網羅するものである。従って不良情報の内容、すなわち発生日時および状況等の入力端末として、営業部門Sの第3クライアントマシンSCおよび営業社員が携行する携帯端末SPCも使用される。
【0063】
具体的には、対応する各クライアントマシンMC,QC,SCおよび携帯端末SPCから不良に関する情報を入力する情報入力段階S71と、該各クライアントマシンMC,QC,SCおよび携帯端末SPCから不良に関する情報を検索・閲覧する検索・閲覧段階S72とからなる。
【0064】
前記技術情報共有手段80を運用する技術情報共有工程S8は、図11に示す如く、過去から現在に至る技術に関わる社内外の全情報を開発等の全社関連部門Hから入力する情報入力段階S81と、各営業社員が携帯端末SPC等で検索・閲覧する検索・閲覧段階S82とからなる。
【0065】
(電子的識別手段を使用した実際の工程の流れ)
次に図12を参照して実際の流れに従うと共に、前記電子的識別手段90を利用して各部門別に前記主構造および付随構造を運用する各工程の関係を説明する。
【0066】
前記電子的識別手段90の読取装置は、読み取った該電子的識別手段90が有する情報、すなわち部材個別情報IPを表示したり、予め製造伝票から読み込ませておいた製造情報IAまたは設定しておいた情報と該電子的識別手段90が有する情報とを照合して、その結果、すなわち一致または不一致を表示すると共に、製造ラインの一時停止等の動作を連動させることが可能となっている。更に前記部材個別情報IPおよび照合結果等を、随時設定に応じてデータベースサーバ20に送信し得るようになっている。
【0067】
前記読取装置の形態としては、製造ライン上での効率的な運用を考慮して、作業者が随時手動で電子的識別手段90を読み取らせる携帯式と、予め設定位置に固定された読取装置が対応する電子的識別手段90を自動的に読み取っていく固定式とがあるが、その読み取りについての機能は同一である。また前記読取装置には、読み取った内容および予め登録等した照合情報等を一時的に記録、演算すると共に、随時表示可能な演算表示端末が付随している。
【0068】
また実際のパチンコ遊技機等の製造に当たっては、該製造の土台(基準)となる部材、例えば中枠F(パチンコ遊技機製造の際の基準)およびパネルB(遊技盤製造の際の基準)等に製品情報IDが与えられる。この製品情報IDは、パチンコ遊技機を構成する各種部材を総括的に示すものであり、現に製造中のものが何れの機種であるのか、および保証書番号を有する証紙に係る保証書番号の照合、といった各種部材を組み立てて得られる製品としての情報の関連付けに使用される。
【0069】
(製品の受注)
前記営業部門Sの営業活動等により、顧客から製品が注文される。この注文に係る売買契約書の各種の注文情報には、前記営業部門Sは所定期間毎(実際には日報として、すなわち毎日入力される)に第3クライアントマシンSCより、注文の内容、すなわち顧客名、注文を受けた製品(機種)名、その製品区分(本体、遊技盤等の形態)、数量および納品希望日時等が受注管理手段30を介して受注管理データベース23に入力される(図7参照)。
【0070】
前記受注管理データベース23に入力された情報は、製造管理を司る製造管理データベース24に複製・参照され、受注情報として製造部門Mに伝達される。1台のパチンコ遊技機を構成する部材の数は、前述の如く総数で数百点に及ぶが、ここでは殊にパチンコ遊技機製造および修理等の点から、全ての部材の基礎となるベニアAと、該部材として取り上げるものであり前記電子的識別手段90が貼付される、コーナー飾り(パネル)B、表示基盤(液晶画面)C、音声基盤D、主基盤E、中枠Fおよび発射基盤Gとの計7点として説明する(図5および図6参照)。なお本実施例においては、前記ベニアAには前記電子的識別手段90が付与されていないが、より高度な部材情報の運用を考えて該電子的識別手段90を付与するようにしてもよく、後述する記載についても該ベニアAに対して該電子的識別手段90を付与した場合を想定したものとなっている。
【0071】
ここで取り上げた部材は、製造管理工程S4の流れを説明する上で、また部材管理の点からも必要であることから取り上げたが、同時に扱える部材種類数が限定されるということではなく、データベースサーバ20内にデータを入力することで利用可能とし得るので本発明に係る製造情報管理構造およびその方法に数的な上限があるわけではない。
【0072】
(製品製造に必要な各種部材の製造・発注等)
前記受注管理データベース23に入力された注文情報は、随時データベースサーバ20に並列的に構築されている製造管理手段40の製造管理データベース24に複製・参照される。そして前記注文情報を基として、製品出荷の際に必要とされる証明書、所謂証紙発行のための申請手続きおよび製造情報IAを有する製造伝票が準備される。また前記製造管理データベース24内に複製された注文に係る数量および納品日時等の部材情報は、前記製品部材管理手段42により製造部門Mの第1クライアントマシンMCを介して、対応部署および部材製造メーカーの第4クライアントマシンPCに発注情報として伝達される(図8参照)。
【0073】
(各種部材の製造、電子的識別手段の作成・付与および納品)
前記部材製造を行なう対応部署および製造メーカーにおいて、前記製品部材管理手段42を介して第4クライアントマシンPCから指示される部材の種類、数量および納品日時等の製造すべき部材情報は、該第4クライアントマシンPCで登録確認される。この登録確認はデータ受信した後に自動的に行なわれるものであるが、通常確認のために見直しが行なわれる。また前記製品部材管理手段42を介して製造すべき部材情報が第4クライアントマシンPCに自動登録されない場合には、作業者による手入力で直接的に該部材情報を該第4クライアントマシンPCに入力するようにしてもよい。この場合、前記製品部材管理手段42は、製造管理手段40等と特定回線Lによって情報連結されている必要はない。
【0074】
そして前記部材製造を行なう対応部署および製造メーカーで製造すべき部材の製造に伴って、該部材の製造日、製造ロット、機種名およびシリアルNo.、部材がロム等の特殊部材の場合にはロムNo.等の部材に関する全ての情報、すなわち部材個別情報IPが電子的識別手段90として印刷される。ここでシリアルNo.とは、各種部材毎に付与されるユニークな番号であり、同一部材であれば同一の番号は1つしか存在せず、該部材の特定に使用し得る。この電子的識別手段90は、該電子的識別手段90に前記部材個別情報IPが全て第4クライアントマシンPCに入力された時点、すなわち前記製造部門Mからの発注情報と製造時の情報の双方とが揃った時に作成(印刷)可能となり、通常該電子的識別手段90に対応する部材の製造完了後の検査時等に付与される。
【0075】
この電子的識別手段90が付与された部材は、所定の読取装置で該電子的識別手段90を読み取らせるだけで夫々の部材個別情報IPを簡単に表示し得るものである。また各部材に付与される電子的識別手段90の他、該部材を出荷するに当たり梱包する梱包単位毎にも、前述の各情報に部材数を加えた情報を有する電子的識別手段90が別途付与され、これにより前記製品部材管理工程S42における出荷段階S42-3に対応する検品段階S4-3でのチェックに用いられている。
【0076】
(各種部材の納品)
各種部材を製造する各対応部門および製造メーカーを出荷された該部材は、製造部門Mで納品確認、すなわち検品段階S4-3による検品終了した後に受け入れられる。この検品作業は、第1段階として各部材に付与された電子的識別手段90から読み取られる部材個別情報IPと、実際に納品した部材の目視による情報とを照合確認し、次いで第2段階として梱包単位毎に貼付されている電子的識別手段90を読み込むことで、納品数を確認しつつ前記製造管理手段40を介して製造管理データベース24に登録される。
【0077】
ここまでの内容を、各種部材毎に行ない全ての部材の納品したことにより、前記製品部材管理手段42における1サイクルは完了し、続いて製造管理手段40が継続される。この製造管理手段40については、製品区分として前述したベニアA、パネルB、表示基盤C、音声基盤D、主基盤E、中枠Fおよび発射基盤G等の全ての部材を組み立てた「パチンコ遊技機(本体)」と、ベニアA、パネルB、表示基盤C、音声基盤Dおよび主基盤Eを取り付けた「遊技盤」とを用いて具体的に説明する。なお出荷がなされるこの他の製品区分として、前記中枠Fに発射基盤Gを取り付けた「枠」や、ロムを含む主基盤Eだけの「回路」がある。
【0078】
(製品製造段階)
本製造段階S4-4は、前記電子的識別手段90による利点が多い段階であるので、複数のラインに分けて詳細に説明する。本製造段階S4-4は、基本的に加工・基礎ラインS4-41、遊技盤ラインS4-42、本体ラインS4-43および出荷前ラインS4-44からなる。
【0079】
また前記製造管理手段40により起票された製造伝票には、売買契約書No.、製造予定日、納品日並びに製造内容としての機種名、製品区分、数量および保証書番号等といった製造情報IAが記載されている。また前記製造情報IAは、前記製造伝票上に付与されている個別の伝票情報バーコードを用いることで各ライン上の前記電子的識別手段90を読取装置で確認できると共に、読み込んだ部材個別情報IPの照合にも使用される。
【0080】
前記加工・基礎ラインS4-41は、パチンコ遊技機の土台となる、所謂ベニアAを加工して所要の模様の転写、釘打ち、レール締め、風車打ちおよびコーナー飾り(パネル)Bを取り付けて、表面的に見える部分を作製して、所謂コーナー付きベニアとするラインである。
【0081】
次の遊技盤ラインS4-42は、前記加工・基礎ラインS4-41により作製されたコーナー付きベニアに対して表示基盤Cを取り付けることで遊技盤とするラインである。具体的には、前記コーナー付きベニアに対して、前記電子的識別手段90により部材管理がなされている、表示基盤Cを取り付けて、電子的識別手段90が有する情報を関連付けていくラインである。また本遊技盤ラインS4-42では、パネルBが製造管理の基準とされ、製品情報IDとして該パネルID(遊技盤ID)が使用される。なお前述の製品区分が「遊技盤」である場合、本ラインS4-41で得られる遊技盤と、更に音声基盤Dおよび主基盤Eとを一組とした出荷用の遊技盤として、後述の出荷登録を行なった後に出荷準備が完了する。
【0082】
前記遊技盤ラインS4-42を具体的に述べると、先ず遊技盤表面の飾り役物(表示飾り、入賞口、アタッカー)と、遊技盤裏側に設置され、該入賞口に入賞した玉を盤外へ排出させると共に、該役物に作動信号や電力を供給する配線が配設された集合板(裏トイ)とを取り付ける。その後、前記表示基盤Cを取り付ると共に、該表示基盤Cの電子的識別手段90と、取付先のコーナー付きベニアの電子的識別手段90とを所定の読取装置で読み取る一連の作業が行なわれる。これらの作業により、前述の2つの情報は同一のパチンコ遊技機の部材として関連付けされ、何れの電子的識別手段90を読み込んだ場合であっても双方の情報が表示可能となる。なお前記表示基盤Cはシリーズ毎に異なるものであるため、組み合わせ時の確認が必要となるが、前記パネルBに付与されている電子的識別手段90に関連付けられた製品情報IDから得られる機種名(シリーズ名)の照合が前述の夫々の電子的識別手段90の読み取り時に行なわれ、該組み合わせに間違いがある場合には読取装置から警告が発せられ、その結果該表示基盤Cの組み合わせが間違って組み立てられることはない。次に前記各役物等の間の配線を行ない、入玉時等の該役物、ランプやスイッチ等の作動状態をチェックする。
【0083】
前述の作動状態のチェックに際して、動作不良等が確認された場合には、該当する部材を他の問題のない部材に交換すると共に、その情報を前記不良情報管理工程S7を用いて不良情報管理手段70により処理する。また問題のない部材に交換した際の前記部材の電子的識別手段90の読込および関連付けは、基本的に製造ライン上では行なわず、別途用意される修理ラインで実施され、次ラインから製造ライン上に戻される。なお問題が発見され交換された不良部材については、不良内容およびその原因等を調べると共に、その結果を前記不良情報管理手段70で処理し、修理可能なものは修理してリユースに供される(詳細は後述)。
【0084】
(本体ライン)
ここまでの作業を経ることで得られる遊技盤は、次の本体ラインS4-43を経て、音声基盤D、主基盤E、中枠Fおよび発射基盤G等を順次取り付けられると共に、夫々の電子的識別手段90が有する部材個別情報IPが関連付けられていく。またこのラインから、製造の基準となる部材が中枠Fに移り、製品情報IDとして中枠IDが使用される。
【0085】
本体ラインS4-43を具体的に述べると、まだ取り付けがなされていない取付予定の各部材D,E,F,Gを前記遊技盤の所定位置に取り付けると共に、前述したように製造伝票が有する製造情報IAを読取装置に取り込み、各種部材が本機種に取り付けられるべきものであるかをチェック(機種名チェック)し、間違いがなければ取付予定の各種部材全ての電子的識別手段90を読取装置で読み取り、夫々の情報を関連付ける。
【0086】
この際、前記読取装置の表示端末には、前記製造情報IPが表示され、同時に製造ラインから確認が容易な、例えば天井等に別途設けられた表示装置により、製造伝票番号および製造予定台数等が表示されるようになっている。また取り付けられた各種部材の電子的識別手段90が読み取れない等のエラーが発生した場合には、直ちに製造ラインの作動が強制停止される等して一時中止されるようになっている。なおこのように製造ラインが停止した場合、該当する電子的識別手段90を有するパチンコ遊技機は製造ライン上から取り除かれ、別途用意され人手によって該電子的識別手段90が確実に読み込める、携帯型読取装置を利用することで対応している。
【0087】
前述した関連付けにより、取り付けられた部材の情報は同一のパチンコ遊技機の部材として関連付けされると共に、何れの電子的識別手段90を読み込んても該当するパチンコ遊技機の情報が表示可能となる。
【0088】
前述のように、この本体ラインS4-43においては、製造伝票に記載される製造情報IAと、パチンコ遊技機を構成する各種部材の部材個別情報IPとが照合確認されるラインである。なお上流側の各工程またはラインで部材の交換等のために前記製造情報IAに対応したパチンコ遊技機が本ラインに投入されず、当初予定した製造伝票通りの順番で処理がなされない場合であっても殊に問題はなく、その都度、該当する製造伝票の製造情報IAを取り込むようにすればよく、部材の組み付け間違い等により製造ライン上の動きを止めなくてもよい。
【0089】
また前記製造情報IAによる各部材の部材個別情報IPの照合に先立ち、各種部材を取り付けた状態での作動等に係る検査が行なわれ、この検査により該各種部材の不良がチェックされる。そして不良が確認された場合には、前述の遊技盤ラインと同様の処理がなされる。すなわち該当する部材を他の問題のない部材に交換すると共に、その不良発生日時および不良発生状況等の情報を前記不良情報管理工程S7を用いて不良情報管理手段70により処理する。
【0090】
前述の手順により、不良が生じた部材を問題のない部材に交換した際の該部材の電子的識別手段90の読込および関連付けは、基本的に製造ライン上では行なわず、別途用意される修理ラインで実施され、次の出荷前ラインから製造ラインに戻される。なお交換された問題が発見された不良部材については、不良内容およびその原因等を調べると共に、その結果を前記不良情報管理手段70で処理し、修理可能なものは修理してリユースに供される(詳細は後述)。
【0091】
(出荷前ライン)
前記本体ラインS4-43を経ることで、パチンコ遊技機は製品としてほぼ完成の状態となる。そして本出荷前ラインS4-44で出荷に必要とされる証紙の付与、照合および製品梱包がなされることで製品としての出荷準備が完了することになる。
【0092】
具体的には、製造伝票の製造情報IAの1つである証紙の保証書番号と、前本体ラインS4-43でパチンコ遊技機の構成部材として関連付けられた各種部材の部材個別情報IPを、中枠IDを有する中枠Fの部材個別情報IPを用いて関連付けを行なう。この関連付けにより、パチンコ遊技機を構成する各種部材を総括的に示す製品情報ID(ここでは中枠ID)と前記証紙の保証書番号との間には、1対1の関係が確立することになる。そしてこの関連付けが完了した時点で、該当するパチンコ遊技機の出荷登録がなされる。
【0093】
前述した如く、前記証紙に固有の保証書番号は、出荷される顧客先およびパチンコ遊技機の機種名等の情報と関連付けられて発行されるものであるので、ここでの製品情報IDと証紙の保証書番号との間の関係が確立されてしまった後については、その変更は基本的にできない。しかし、前記製品情報IDと証紙の保証書番号との関連付けを行なう前であれば、同一機種に係るパチンコ遊技機であれば、何れの顧客先に出荷するものとして設定し得る。すなわち突然の出荷日または納品日の変更に対する製造工程のスケジュール変更についても、大きな手間を必要とせず迅速に対応し得る。
【0094】
この出荷登録とは、データベースサーバ20上において、前記パチンコ遊技機の在庫数が1つ減らすと共に、出荷数を1つ増やす作業のことであり、この作業がなされなければ、データ上での出荷はなされず、その結果後述する出荷準備が実施できないようになっている。また前記証紙が付与される部材としては、前述の通り、中枠(本体)F、パネル(遊技盤)Bおよび主基盤Eが挙げられ、都合3枚の該証紙が1台のパチンコ遊技機に付与される。また出荷先が静岡県の場合、殊に作動周波数、すなわち50Hzまたは60Hzの表示がなされる。
【0095】
前述の証紙の付与は、基本的に前記製造情報IA中に指示される保証書番号と、付与すべき保証書番号とを目視により確認した後で行なわれるものであり、作業者により実施されている。このため前記保証書番号については、作業者の人的エラーによる間違いが介在する可能性があるが、現状では該保証書番号のチェックは後述する製品出荷管理工程S44内の出荷前検査段階S44-1で行なわれる。
【0096】
(出荷準備)
これまでの全ラインを含む製造工程S4-4を経ることで、出荷すべきパチンコ遊技機の製造は完了し、該パチンコ遊技機を構成する各種部材の部材個別情報IPの関連付けは完了することになる。そして最終的な出荷までの出荷準備が前記製造工程S4-4に続いて連続的に行なわれる。この出荷準備を管理する工程は、製品出荷管理工程S44内の出荷前検査段階S44-1である。
【0097】
具体的な内容は以下の通りである。前述した1台のパチンコ遊技機に付与される3つの証紙の保証書番号を、夫々図形として確認する3台の光学カメラと、読み取った図形を文字・数字として認識する図形認識装置とからなる図形認識システムにより確認して、該パチンコ遊技機の主たる部材である前述したバケツの電子的識別手段90を利用して関連付けられた保証書番号と照合する。そして照合結果に問題がなければ、該当パチンコ遊技機を、社名、製造伝票番号および台数(台数/出荷全台数)が印刷されたビニール等の被覆物で被覆し、これを手動または自動で出荷前保管庫に移動させる。なお前記証紙の保証書番号に間違いがあった場合には、該証紙等の確認をして所定の対応をとる。
【0098】
そして出荷後、納品前には、最終的な確認を目的として、製品出荷管理工程S44の納品前検査段階S44-2が営業部門Sによって納品現場で顧客立ち会いの元に行なわれる。この納品前検査段階S44-2で実施されるチェックは、具体的にはロムの交換等による、所謂不正改造を防止することが主目的であり、営業社員が携帯端末SPCを使用して、該パチンコ遊技機の電子的識別手段90の情報を読み取り、これと目視により確認可能な部材情報とを照合することで実施される。またこの納品前検査段階S44-2を実行することで、所定日に行なわれるパチンコ遊技機と証紙の保証書番号との照合に関しての前確認の役割も果たす。なお、顧客に対して製品の納品が完了した際には、納品完了の情報が前記受注管理手段30に対してもフィードバックされる。
【0099】
(アフターサービスに関する流れ)
ここまでの説明は、製品であるパチンコ遊技機または遊技盤等の新規注文に対する製造部門Mの製造管理工程S4に係る各対応工程についてのものであるが、出荷済みのパチンコ遊技機の一部材が故障等を起こした際の故障品の注文等の処理を扱うアフターサービス管理工程S5の流れ(S5−41,S5−42,S5−43,S5−44(図12参照))も基本的に同一である。
【0100】
具体的には、前記製造管理手段40および製造管理工程S4に代わって、アフターサービス管理手段50およびアフターサービス管理工程S5が夫々行なわれる。この際、注文される部材が単一の場合には、必要とされる部材を他の部材と関連付ける必要がなく、該当の工程またはラインは省略され、場合によっては時間短縮を目的として、前記部材製造部門Pから顧客に対して直送にて対応することも可能である。
【0101】
前記故障品については、前記品質管理部門Qに回収がなされると共に原因追求が行なわれる。そして故障に関する情報は、前記不良情報管理手段70により管理される。そして製造上の原因で同一ロット等の他の同一部材についても故障の発生が懸念される場合には、前記電子的識別手段90により関連付けられた情報群から、他の同一部材が使用されたパチンコ遊技機の出荷先等を検索し、事前的な対応をとることで顧客満足度を向上させる手段の1つとして活用する。
【0102】
このようにして回収、所定の修理が完了した部材については、部材個別情報IPを書き換えると共に、書き換えた該情報IPに基づく電子的識別手段90が発行・印刷され、所謂リユース部材として再利用可能となっている。このような利用により、部材の無駄な消耗等を極力回避し、効率的な部材等の製造管理、省資源および環境問題への対応を可能としている。なお修理に関して、前記電子的識別手段90に含まれる情報としては、過去の修理歴を示す修理履歴、過去の使用期間および再使用回数を示すサイクル数等がある。
【0103】
また前記故障品の回収に当たって、営業社員が顧客先に赴き故障状況を確認することがあるが、状況によってはその場で対応可能な場合もある。このような場合、前記技術情報共有手段80により実施される技術情報共有工程S8に従って、技術情報共有データベース28に対して過去から蓄積されている、またはパチンコ遊技機の研究開発途中に得られた各情報に対してのアクセスを可能としているので、あらゆる故障等に対して現場、すなわち現場での迅速な対応を可能としている。なおノウハウ的な情報が蓄積される前記技術情報共有データベース28に対するアクセスは、通常営業部門Sの第3クライアントマシンSCを介することでセキュリティを設け、情報の外部流出について安全性をより高く設定し得るようにされている。
【0104】
なお、前述した各手段および各工程により蓄積された全情報は、全社的な経営方針、部門毎の営業、製造、アフターサービスおよび研究開発指針を決定する重要な資料としても活用し得るものである。またこれらの全情報について、鶴に適正な管理・運用がなされているかを監査する監査部門を設置することで、顧客以外の、所謂下請け等の外部機関に対して信用度を高める効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の好適な実施例に係る製造情報管理構造の概略を示す概略図である。
【図2】図1に示す製造情報管理構造を各管理手段の点から立体的に示した概略図である。
【図3】図2に示す製造管理手段をなす製品部材管理手段および製品出荷管理手段を示す概略図である。
【図4】図2に示すアフターサービス管理手段をなすアフターサービス部材管理手段およびアフターサービス出荷管理手段を示す概略図である。
【図5】実施例に係る各種部材の配置位置を概略的に示すパチンコ遊技機表側の全体図である。
【図6】実施例に係る各種部材の配置位置を概略的に示すパチンコ遊技機裏側の全体図である。
【図7】実施例に係る主たる構造のうち、受注管理手段を運用する受注管理工程を示す工程図である。
【図8】実施例に係る主たる構造のうち、製品管理手段を運用する製造管理工程を示す工程図である。
【図9】実施例に係る主たる構造のうち、アフターサービス管理手段を運用するアフターサービス管理工程を示す工程図である。
【図10】実施例に係る付随する構造のうち、不良情報管理手段を運用する不良情報管理工程を示す工程図である。
【図11】実施例に係る付随する構造のうち、技術情報共有手段を運用する技術情報共有工程を示す工程図である。
【図12】実施例に係る構造を、各部門毎に区分すると共に、実際のフローに従って各工程の関係を示す概略図である。
【符号の説明】
【0106】
A ベニア(各種部材)
B パネル(各種部材)
C 表示基盤(各種部材)
D 音声基盤(各種部材)
E 主基盤(各種部材)
F 中枠(各種部材)
G 発射基盤(各種部材)
H 本社関連部門
IP 部材個別情報
L 特定回線
M 製造部門
MC 第1クライアントマシン
P 部材製造部門
PC 第4クライアントマシン
Q 品質管理部門
QC 第2クライアントマシン
S 営業部門
SC 第3クライアントマシン
SPC 携帯端末
20 データベースサーバ
90 電子的識別手段
S3 受注管理工程
S4 製造管理工程
S42 製品部材管理工程
S44 製品出荷管理工程
S5 アフターサービス管理工程
S52 アフターサービス部材管理工程
S54 アフターサービス部材出荷管理工程
S7 不良情報管理工程
S8 技術情報共有工程
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定回線(L)を介して、製造部門(M)およびデータベースサーバ(20)が相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
製造に関する各種情報を、前記製造部門(M)に設けられる第1クライアントマシン(MC)および部材製造部門(P)に設けられる第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程(S4)を備え、
部材個別情報(IP)を有すると共に、前記製造管理工程(S4)で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段(90)を各種部材(A,B,C,D,E,F,G)に付与し、
前記電子的識別手段(90)を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ(20)内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行すると共に、前記製造部門(M)および部材製造部門(P)からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにした
ことを特徴とする製造情報管理方法。
【請求項2】
特定回線(L)を介して、製造部門(M)、営業部門(S)、部材製造部門(P)およびデータベースサーバ(20)が相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門(M)に設けられる第1クライアントマシン(MC)および営業部門(S)に設けられる第3クライアントマシン(SC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,SC)へ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程(S3)と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシン(MC)および部材製造部門(P)に設けられる第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,PC)へ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程(S4)とを備え、
部材個別情報(IP)を有すると共に、前記受注管理工程(S3)および製造管理工程(S4)で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段(90)を各種部材(A,B,C,D,E,F,G)に付与し、
前記電子的識別手段(90)を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ(20)内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行すると共に、前記製造部門(M)、営業部門(S)および部材製造部門(P)からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにした
ことを特徴とする製造情報管理方法。
【請求項3】
特定回線(L)を介して、製造部門(M)、品質管理部門(Q)、営業部門(S)、部材製造部門(P)およびデータベースサーバ(20)が相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門(M)に設けられる第1クライアントマシン(MC)、品質管理部門(Q)に設けられる第2クライアントマシン(QC)および営業部門(S)に設けられる第3クライアントマシン(SC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,QC,SC)へ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程(S3)と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシン(MC)および部材製造部門(P)に設けられる第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,PC)へ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程(S4)と、
アフターサービスに関する各種情報を、前記第2クライアントマシン(QC)、第3クライアントマシン(SC)および第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(QC,SC,PC)へ出力可能とすることで該アフターサービス情報をリアルタイムに共有し得るようにしたアフターサービス管理工程(S5)とを備え、
部材個別情報(IP)を有すると共に、前記受注管理工程(S3)、製造管理工程(S4)およびアフターサービス管理工程(S5)で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段(90)を各種部材(A,B,C,D,E,F,G)に付与し、
前記電子的識別手段(90)を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ(20)内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行して、前記製造部門(M)、品質管理部門(Q)、営業部門(S)および部材製造部門(P)からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにした
ことを特徴とする製造情報管理方法。
【請求項4】
特定回線(L)を介して、製造部門(M)、品質管理部門(Q)、営業部門(S)、部材製造部門(P)およびデータベースサーバ(20)が相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門(M)に設けられる第1クライアントマシン(MC)、品質管理部門(Q)に設けられる第2クライアントマシン(QC)および営業部門(S)に設けられる第3クライアントマシン(SC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,QC,SC)へ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程(S3)と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシン(MC)および部材製造部門(P)に設けられる第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,PC)へ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程(S4)と、
アフターサービスに関する各種情報を、前記第2クライアントマシン(QC)、第3クライアントマシン(SC)および第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(QC,SC,PC)へ出力可能とすることで該アフターサービス情報をリアルタイムに共有し得るようにしたアフターサービス管理工程(S5)とを備え、
前記各種部材(A,B,C,D,E,F,G)の不良に関する各種情報を、少なくとも前記第1クライアントマシン(MC)および第2クライアントマシン(QC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から全てのクライアントマシン(MC,QC,SC,PC)へ出力可能とすることで該各種部材(A,B,C,D,E,F,G)の不良に関する各種情報をリアルタイムに共有し得るようにした不良情報管理工程(S7)並びに技術に関する各種情報を、少なくとも本社関連部門(H)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から該本社関連部門(H)、全てのクライアントマシン(MC,QC,SC,PC)および営業部門(S)に属する営業社員が有する携帯端末(SPC)へ出力可能とすることで該技術情報をリアルタイムに共有し得るようにした技術情報共有工程(S8)のうちの少なくとも1工程とを備え、
部材個別情報(IP)を有すると共に、前記受注管理工程(S3)、製造管理工程(S4)およびアフターサービス管理工程(S5)或いは/並びに不良情報管理工程(S7)で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段(90)を各種部材(A,B,C,D,E,F,G)に付与し、
前記電子的識別手段(90)を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ(20)内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行して前記製造部門(M)、品質管理部門(Q)、営業部門(S)および部材製造部門(P)からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにした
ことを特徴とする製造情報管理方法。
【請求項5】
前記アフターサービス管理工程(S5)は、アフターサービスに関する各種部材(A,B,C,D,E,F,G)を製造するに際して必要とされる各部材個別情報(IP)を扱うアフターサービス部材管理工程(S52)と、該部材の出荷に際して必要とされる情報を扱うアフターサービス部材出荷管理工程(S54)とからなる請求項3または4記載の製造情報管理方法。
【請求項6】
前記製造管理工程(S4)は、各種部材(A,B,C,D,E,F,G)を製造するに際して必要とされる各部材個別情報(IP)を扱う製品部材管理工程(S42)と、製品の出荷に際して必要とされる情報を扱う製品出荷管理工程(S44)とからなる請求項1〜5の何れかに記載の製造情報管理方法。
【請求項7】
前記受注管理工程(S3)での入力は、前記営業部門(S)だけから行なわれる請求項2〜6の何れかに記載の製造情報管理方法。
【請求項8】
前記特定回線(L)として、アナログ電話回線、ISDN電話回線、専用線その他ワイヤレス回線等が選択的に使用される請求項1〜7の何れかに記載の製造情報管理方法。
【請求項9】
前記第4クライアントマシン(PC)への各種情報の出力は、前記製造管理工程(S4)に関わる製造に関する各種情報だけに限定される請求項1または2記載の製造情報管理方法。
【請求項10】
前記第4クライアントマシン(PC)への各種情報の出力は、前記製造管理工程(S4)に関わる製造に関する各種情報または/およびアフターサービス管理工程(S5)に関わるアフターサービスに関する各種情報だけに限定される請求項3〜8の何れかに記載の製造情報管理方法。
【請求項1】
特定回線(L)を介して、製造部門(M)およびデータベースサーバ(20)が相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
製造に関する各種情報を、前記製造部門(M)に設けられる第1クライアントマシン(MC)および部材製造部門(P)に設けられる第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程(S4)を備え、
部材個別情報(IP)を有すると共に、前記製造管理工程(S4)で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段(90)を各種部材(A,B,C,D,E,F,G)に付与し、
前記電子的識別手段(90)を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ(20)内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行すると共に、前記製造部門(M)および部材製造部門(P)からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにした
ことを特徴とする製造情報管理方法。
【請求項2】
特定回線(L)を介して、製造部門(M)、営業部門(S)、部材製造部門(P)およびデータベースサーバ(20)が相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門(M)に設けられる第1クライアントマシン(MC)および営業部門(S)に設けられる第3クライアントマシン(SC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,SC)へ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程(S3)と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシン(MC)および部材製造部門(P)に設けられる第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,PC)へ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程(S4)とを備え、
部材個別情報(IP)を有すると共に、前記受注管理工程(S3)および製造管理工程(S4)で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段(90)を各種部材(A,B,C,D,E,F,G)に付与し、
前記電子的識別手段(90)を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ(20)内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行すると共に、前記製造部門(M)、営業部門(S)および部材製造部門(P)からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにした
ことを特徴とする製造情報管理方法。
【請求項3】
特定回線(L)を介して、製造部門(M)、品質管理部門(Q)、営業部門(S)、部材製造部門(P)およびデータベースサーバ(20)が相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門(M)に設けられる第1クライアントマシン(MC)、品質管理部門(Q)に設けられる第2クライアントマシン(QC)および営業部門(S)に設けられる第3クライアントマシン(SC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,QC,SC)へ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程(S3)と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシン(MC)および部材製造部門(P)に設けられる第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,PC)へ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程(S4)と、
アフターサービスに関する各種情報を、前記第2クライアントマシン(QC)、第3クライアントマシン(SC)および第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(QC,SC,PC)へ出力可能とすることで該アフターサービス情報をリアルタイムに共有し得るようにしたアフターサービス管理工程(S5)とを備え、
部材個別情報(IP)を有すると共に、前記受注管理工程(S3)、製造管理工程(S4)およびアフターサービス管理工程(S5)で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段(90)を各種部材(A,B,C,D,E,F,G)に付与し、
前記電子的識別手段(90)を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ(20)内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行して、前記製造部門(M)、品質管理部門(Q)、営業部門(S)および部材製造部門(P)からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにした
ことを特徴とする製造情報管理方法。
【請求項4】
特定回線(L)を介して、製造部門(M)、品質管理部門(Q)、営業部門(S)、部材製造部門(P)およびデータベースサーバ(20)が相互に交信し得るコンピュータネットワークを使用し、
受注に関する各種情報を、前記製造部門(M)に設けられる第1クライアントマシン(MC)、品質管理部門(Q)に設けられる第2クライアントマシン(QC)および営業部門(S)に設けられる第3クライアントマシン(SC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,QC,SC)へ出力可能とすることで該受注情報をリアルタイムに共有し得るようにした受注管理工程(S3)と、
製造に関する各種情報を、前記第1クライアントマシン(MC)および部材製造部門(P)に設けられる第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(MC,PC)へ出力可能とすることで該製造情報をリアルタイムに共有し得るようにした製造管理工程(S4)と、
アフターサービスに関する各種情報を、前記第2クライアントマシン(QC)、第3クライアントマシン(SC)および第4クライアントマシン(PC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から前記夫々のクライアントマシン(QC,SC,PC)へ出力可能とすることで該アフターサービス情報をリアルタイムに共有し得るようにしたアフターサービス管理工程(S5)とを備え、
前記各種部材(A,B,C,D,E,F,G)の不良に関する各種情報を、少なくとも前記第1クライアントマシン(MC)および第2クライアントマシン(QC)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から全てのクライアントマシン(MC,QC,SC,PC)へ出力可能とすることで該各種部材(A,B,C,D,E,F,G)の不良に関する各種情報をリアルタイムに共有し得るようにした不良情報管理工程(S7)並びに技術に関する各種情報を、少なくとも本社関連部門(H)から前記データベースサーバ(20)に入力・蓄積すると共に、該データベースサーバ(20)から該本社関連部門(H)、全てのクライアントマシン(MC,QC,SC,PC)および営業部門(S)に属する営業社員が有する携帯端末(SPC)へ出力可能とすることで該技術情報をリアルタイムに共有し得るようにした技術情報共有工程(S8)のうちの少なくとも1工程とを備え、
部材個別情報(IP)を有すると共に、前記受注管理工程(S3)、製造管理工程(S4)およびアフターサービス管理工程(S5)或いは/並びに不良情報管理工程(S7)で使用される各種情報を関連付けすることで、効率的に連携させ得る電子的識別手段(90)を各種部材(A,B,C,D,E,F,G)に付与し、
前記電子的識別手段(90)を使用することで、前記コンピュータネットワークを介して前記データベースサーバ(20)内に蓄積される各種情報の処理を連携的に実行して前記製造部門(M)、品質管理部門(Q)、営業部門(S)および部材製造部門(P)からの要求に応じた最新情報を提供し得るようにした
ことを特徴とする製造情報管理方法。
【請求項5】
前記アフターサービス管理工程(S5)は、アフターサービスに関する各種部材(A,B,C,D,E,F,G)を製造するに際して必要とされる各部材個別情報(IP)を扱うアフターサービス部材管理工程(S52)と、該部材の出荷に際して必要とされる情報を扱うアフターサービス部材出荷管理工程(S54)とからなる請求項3または4記載の製造情報管理方法。
【請求項6】
前記製造管理工程(S4)は、各種部材(A,B,C,D,E,F,G)を製造するに際して必要とされる各部材個別情報(IP)を扱う製品部材管理工程(S42)と、製品の出荷に際して必要とされる情報を扱う製品出荷管理工程(S44)とからなる請求項1〜5の何れかに記載の製造情報管理方法。
【請求項7】
前記受注管理工程(S3)での入力は、前記営業部門(S)だけから行なわれる請求項2〜6の何れかに記載の製造情報管理方法。
【請求項8】
前記特定回線(L)として、アナログ電話回線、ISDN電話回線、専用線その他ワイヤレス回線等が選択的に使用される請求項1〜7の何れかに記載の製造情報管理方法。
【請求項9】
前記第4クライアントマシン(PC)への各種情報の出力は、前記製造管理工程(S4)に関わる製造に関する各種情報だけに限定される請求項1または2記載の製造情報管理方法。
【請求項10】
前記第4クライアントマシン(PC)への各種情報の出力は、前記製造管理工程(S4)に関わる製造に関する各種情報または/およびアフターサービス管理工程(S5)に関わるアフターサービスに関する各種情報だけに限定される請求項3〜8の何れかに記載の製造情報管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図12】
【公開番号】特開2006−92572(P2006−92572A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330574(P2005−330574)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【分割の表示】特願2001−176258(P2001−176258)の分割
【原出願日】平成13年6月11日(2001.6.11)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【分割の表示】特願2001−176258(P2001−176258)の分割
【原出願日】平成13年6月11日(2001.6.11)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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