説明

複合材

【課題】装飾効果の高く、多様な製品に利用可能な、また、視認効果の高い複合材として提供する。
【解決手段】木、竹または人造木材のいずれか1つまたは幾つかの素材から成る無垢材、集成材、積層材、天然木化粧合板を含む木質合板または木質繊維板1,2と硬質樹脂材、ガラス、天然石、人造石のいずれか1つまたは幾つかの組み合わせから成る非木質系材2、4を接合固定して成る複合材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築材、家具用材、照明器具、生活雑貨、装身具、履物、文房具、住宅用衛生機器、車輌用内装材など多岐、広範囲に及ぶ複合材。
【背景技術】
【0002】
従来の木質系複合材は、木質の単板の反りや変形を生じさせない為に特許文献1のように積層化による合板や複合材としているが、複合材を通して反対側を透視出来たり、光が透過する3mm以上の厚みを有する木質の複合材は無い。
【0003】
特許文献2、3の装飾柱のように装飾材が柱材の基材の周囲を被うものはあるが、本発明による複合材とは目的も構成も異なる。また、該複合材のように柱材の基材である木質系材を装飾材となる非木質系材が貫通、または貫入し、接合され、表層面に非木質系材が露出、視認出来る複合材は無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−192817
【特許文献2】特開2000−027402
【特許文献3】特開平11−179709
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
木質系材を貫通したガラスや硬質樹脂材などの非木質系材を通して、光が透過したり、向こうが透けて見えるような、今までに無い装飾効果の高い建築材や家具用材に利用出来る材料を開発する。
【0006】
多様な用途に利用可能で、家具などの既存の製品を今迄に無い魅力的な製品に変革出来る木、竹または人造木材から成る木質系材料または硬質樹脂材、ガラス、天然石または人造石から成る非木質系材料を開発する。
【0007】
公共建築物などの行き先への案内用誘導ラインや体育館での球技用コートのラインは、テープを張ったり、塗料でペイントされていて、剥がれたり、汚れたりして、視認性が悪化した場合が多いので、ラインの劣化を少なく出来る木質系床板材を開発する。
【0008】
従来の長尺タイプの木質系無垢材の単板張り床材または壁材は、一般的な幅が75mm〜150mmで、この規格に合わない幅の細い材や端材などは利用が出来なかったが、これらの規格外の材も利用した装飾効果の高い木質系材を開発する。
【0009】
老人や弱視などの視力に不安や問題を持つ人にも階段や床の段差または手摺の存在や位置を容易に視認出来るように、視認効果を高め、老人や弱視の人々の安全を確保する為に利用出来る複合材を開発する。
【0010】
ベニア合板などの積層材は幾つもの薄くスライスした木板を重ねている為にその板の厚さ部分の木口面(以後、板木口面と称する)に硬質樹脂材などの非木質系材を接着する事は強度確保が出来ないとされ、実現化していないが、幾つもの層から成る積層材の表層面となる板面(以後、板面と称する)または板木口面に非木質系材を露出し、装飾され、使用に耐えられる強度を確保した複合材を開発する。
【0011】
擬似木としての人造木材はあるが、透光性があり、カラフルで装飾的な視認性が高い人造木材が無いので、人造木材に非木質系材を混入して、表層面に露出するカラフルな人造木材から成る複合材を開発する。
【0012】
人造石などの非木質系材に硬質樹脂材、ガラス、天然石などの異なる素材の非木質系材を混入して表層面に露出するカラフルで透光性がある人造石から成る複合材を開発する。
【0013】
天然木単板張り化粧板や化粧合板などの木質系材から成る床材や壁材は、寄せ木作りの300mm角の正方形の床材があるだけで、それを超える大きさから成る床材や壁材は無く、細幅の板材を縦張りや横張りにするしか無く、デザイン性や施工性が良く無いので、300mm〜910mmの大判の正方形や長方形の材を組み合わせて成るデザイン性と施工性の向上を図れる複合材を開発する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
木、竹または人造木材のいずれか1つまたは幾つかの素材から成る木質系材の板木口面または板面の表層面に硬質樹脂材、ガラス、天然石または人造石のいずれか1つまたは幾つかの素材から成る非木質系材が露出するように組み合わせ、接合固定して成る複合材とする。( 図1〜図21を例とする。)
【0015】
前項に記載の木質系材の表層面の少なくとも1つの面に前項に記載の非木質系材を嵌め込み、接合固定して成る複合材とする。( 図19、図20、図21を例とする。)
【0016】
木質系材の表層面の少なくとも1面に露出する非木質系材が、表層面からその表層面と対向する反対面まで貫通し、接合固定して成る複合材、もしくは該複合材の該木質材と該非木質系材の位置を入れ替え、組み合わせを逆転して成る複合材とする。( 図1〜図18を例とする。)
【0017】
本実加工または相じゃくり加工をした木質系材と本実加工または相じゃくり加工した非木質系材を所定の大きさで、所定の位置に所定の寸法ごとに配置または組み合わせ、接合固定して成る複合材により、体育館等の球技用コートのラインなどを形成する。( 図11〜図18を例とする。)
【0018】
無色もしくは有色の透明材、模様を施した透明の型板材、半透明材、または不透明だが透光性のある硬質樹脂材、ガラス、天然石、または人造石のいずれか1つまたは幾つかの素材から成る非木質系材と木質系材を組み合わせ、接合固定して成る複合材とする。
【0019】
透光性のある非木質系材を木質系材と組み合わせ、接合固定して成る複合材の裏側や内部に照明器具などの光源を配置または内蔵し、透光性のある非木質系材が発光する視認性の向上とデザイン性の向上を図った複合材とする。
【0020】
人造木材を構成する基材に硬質樹脂材、ガラス、天然石または人造石のいずれか1つまたは幾つかの大小様々な非木質材の片材を混入し、成型して成る木質系複合材とする。
【0021】
前項に記載の木質系複合材と硬質樹脂、ガラス、天然石または人造石のいずれか1つまたは幾つかの非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る複合材とする。
【0022】
前記のいずれかの項に記載の複合材の木質系材を非木質系材に読み替えて成る天然石や人造石などの非木質系材をそれらと異なる素材の非木質系材の硬質樹脂材やガラスなどと組み合わせ、接合固定して成る複合材とする。
【0023】
人造石を構成する基材に硬質樹脂材、ガラス、天然石、人造石のいずれか1つまたは幾つかの大小様々な非木質系材の片材を混入し、成型して成る非木質系複合材とする。
【0024】
前項に記載の非木質系複合材と硬質樹脂材、ガラス、天然石または人造石のいずれか1つまたは幾つかの非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る複合材とする。
【0025】
ベニア合板や木質繊維板などの木質系材の中間部または最下部の一部または全面に硬質樹脂材などの非木質系材を接着し、その非木質系材の板木口面または板の上面に同素材の非木質系材を接着し、ベニア合板や木質繊維板などから成る木質系材の表層面に硬質樹脂材などの非木質系材を露出、装飾して視認させる。( 図16、図17、図18を例とする。)
【0026】
木質系材と非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形または長方形の大判の床、壁または天井用の板状の複合材とする事で施工性の向上とデザイン性の向上を図る。
【0027】
前項の各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形または長方形の木質系の複合材と各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形か長方形の木質系材または非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る大判の床、壁または天井用の板状の複合材とする。
【0028】
天然石や人造石などの非木質系材とこれらと異なる素材の硬質樹脂材やガラスなどの非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形または長方形の複合材から成る床、壁または天井用の板状の複合材とする。
【0029】
前項の各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形または長方形の非木質系の複合材と各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形か長方形の木質系材または非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る大判の床、壁または天井用の板状の複合材とする。
【0030】
硬質樹脂材、ガラス、天然石または人造石から成る透光性のある非木質材を木、竹または人造木材から成る木質系材に嵌め込むかまたは貫通してなる複合材に配置または内蔵した照明器具と振動を電気エネルギーに変換し、人が歩くだけで照明器具を点灯させるシステムの機器と接続して、透光性のある非木質系材を発光させる複合材とする。
【発明の効果】
【0031】
従来の長尺タイプの木質系無垢材の単板張り床材、壁材または天井材の幅は一般的に75mm〜150mm 程度だが、これらの規格に合わない幅の細い材や端材は利用出来なかった。しかし、本発明による複合材は、図2や図6または図7のように基材となる木質系材をもう一方の材である非木質系材が分割し、従来の製品の半分の幅の材でも製品化する事が出来るので、規格外の幅の材も使用出来、且つ、装飾効果を向上させた複合材とする事が出来る。
【0032】
複合材の表層面に図19、図20、図21のように貫入または嵌め込んだ透明の非木質系材の後ろ側に文字や模様を施した材を配すると、文字や模様が表層面の透明の非木質系材の実際の奥行きの3分の2程度の近くの位置に視認出来る効果がある。この効果は透明の非木質系材の奥行きが深く、文字や模様が表層面から奥に位置すれば、するほどその効果が高くなる。テーブルや商品陳列棚などの木口面にも文字や模様を3D画像のように立体的に見せられる視覚的効果が得られる。またこの手法だとガラスなどの印刷や塗装が定
着し難い材または頻繁に手が触れるような印刷や塗装が剥がれ易い箇所である手摺またはテーブルや棚板などの木口面などにも木製特有の手触りや外観を損なう事無く、文字や模様を視認させる事が出来る。
【0033】
木質系材とカラフルな樹脂や透光性のある非木質系材を組み合わせる事により、今迄の装飾性に乏しい建築材や家具用材が利用範囲の広がる魅力ある材となる。特に木質系材と組み合わせる非木質系材を無色又は有色の透明材、透明型板材、半透明材または不透明だが透光性のある材とした場合は、家具用材として、図26、図27、図28のようにテーブルや椅子の天板や脚などの部分に使用すると、1枚の天板が切り離れて見えたり、宙に浮いているかのように見せる事が出来るなど、視覚的効果や装飾性の高い家具用材や建築材となる。
【0034】
透光性のある非木質系材を図32のように鏡台や鏡枠に組み込むことにより、部屋の照度や照明の位置による影をなくし、均一な照度を得られるので、化粧などの作業がし易い照明内蔵型の鏡台とする事が出来る。また、同様に額縁の枠材にガラス面と平行または直交して挟み込み、裏側に配置または枠材に内蔵した光源で照射すれば、ガラスに反射した照明などの光による幻惑を軽減し、額縁内の絵画や写真などを綺麗に見せる事が出来る。また、同じ手法を利用して、宝飾箱やショーケースなど、多様な物に利用が出来る。
【0035】
ベニア合板や中質繊維板などの木質繊維板などの木質系材の中間部または最下部の一部または全面に硬質樹脂材、ガラス、天然石または人造石から成る非木質系材の板木口面または板の上面に同素材の非木質系材を接着する手法により不可能とされた木質系材の板木口面に硬質樹脂材やガラス、石材などの非木質系材を接着させ、板面の表層面に非木質系材を露出し、装飾させる事が可能となった。この事により合板などの装飾性の向上や利用範囲の拡大を図る事が可能となり、合板のバリエーションを増やす事が可能となった。
【0036】
透明やカラフルな非木質系材を嵌め込むかまたは貫通した複合材を図33、図34のように階段や上り框等の段差のある場所に使用する事により、老人や弱視の人々にも段差の存在の認識を容易にし、安全に昇降させたり、図38、図39、図40のように扉や手摺などの存在や位置を認識させ易くしたり、生活の利便性とデザイン性の向上を図る事が出来る。また、透光性のある非木質系材と木質系材の組み合わせから成る複合材の裏や内部に図35、図36、図37のようにLED照明器具などの光源を配置、内蔵し、照射させられる複合材とする事により、更に視認性を高める事が出来るので、老人や弱視の人々の歩行や移動を安全に行え、且つ、夜間や暗所でも視認出来るので、映画館や夜間の病室などの明るく出来ない場所にも照明器具を露出する事無く、床材、巾木、壁材や手摺などに使用する事により人々の移動を容易に安全に行える。
【0037】
前項に記載の透明やカラフルな非木質系材を嵌め込むかまたは貫通した複合材から成る床材、幅木、壁材、天井材、または手摺の裏や内部に配置、内蔵した照明器具に明りを点滅、移動させるリレー機器を接続する事により、人々への視認性の向上を図るだけでなく、誘導方向を容易に認知させ、非常時にも多くの人々を一度に非難口へ迅速、且つ、安全に移動させる事が出来るようにする。また、既に実現している振動を電気エネルギーに変換し、照明器具を点灯するシステムの機器と接続して、人が歩行するだけで床材に嵌め込んだ透光性のある非木質系材部分を内蔵した照明器具で点灯させられる複合材とする事が出来る。これを利用して、遊具にしたり、子供の遊戯施設の床や壁に配して遊戯用具との一体化も図れる。
【0038】
木質系材と非木質系材から成る複合材を下駄に利用する事で、今までの若者にあまり見向きをされない下駄を若者が履きたくなるような履き物とする。また、図41、図42のような箸や図43のような櫛や木質系素材の眼鏡フレームなどの装身具や文房具などにも
に利用する事で多様な分野に木製品の新たな可能性を大きく拡げられる。
【0039】
木材に在る節や節穴などの不良な部分をくり貫き、そこに硬質樹脂材などから成る非木質系材を埋め込む事により、木材の欠点を取り除き、強度の向上または透光性やカラフルな模様などのデザイン性の向上などの長所に変えることが出来る。この手法により、安価な構造用の木材を利用し、デザイン性を向上した造作用の木質系複合材とする事が出来る。
【0040】
各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の大判の複合材を各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の木質系材または非木質系材と組み合わせ、接合固定するなどして、大幅な施工性の向上と共に木製のフローリングの概念を変える革新的なデザイン性の向上も図る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】基本パターンとなる木質系材と非木質系材を接合固定して成る複合材の斜視図。
【図2】木質系材に非木質系材を挟み込み、接合固定して成る複合材の斜視図。
【図3】木質系材と非木質系材を接合固定して成る複合材の斜視図。
【図4】木質系材に非木質系材を挟み込み、積層して成る複合材の斜視図。
【図5】木質系材と非木質系材を接合固定して成る複合材の斜視図。
【図6】木質系材と非木質系材のいずれかが複数の素材から成る複合材の斜視図。
【図7】木質系材と非木質系材を接合固定して成る柱状の複合材の斜視図。
【図8】前記の柱状の複合材の中に照明を内蔵した複合材の斜視図。
【図9】木質系材と非木質系材を接合固定して成るテーブル状の複合材の斜視図。
【図10】前記のテーブル状の複合材の中に照明を内蔵した複合材の斜視図。
【図11】木質系材と非木質系材をそれぞれ本実加工し、専用留金具で接合固定する複合材の断面図。
【図12】複合材と木質系材をそれぞれ本実加工し、専用留金具で接合固定する複合材の断面図。
【図13】複合材と非木質系材をそれぞれ本実加工し、専用留金具で接合固定する複合材の断面図。
【図14】木質系材と非木質系材を独自の本実加工と専用金具で接合固定する複合材の断面図。
【図15】複合材と木質系材を独自の本実加工と専用金具で接合固定する複合材の断面図。
【図16】木質系合板の板木口面に非木質系材を接合固定する複合材の断面図。
【図17】木質系積層材の板木口面に非木質系材を接合固定する複合材の断面図。
【図18】木質系材の板木口面に非木質系材を接合固定する複合材の断面図。
【図19】表層面の透明の非木質系材の裏の文字や模様を内蔵した光源で照射する複合材の断面図。
【図20】表層面の透明の非木質系材の裏に文字や模様を90度に配した複合材の断面図。
【図21】表層面の透明の非木質系材の裏に文字や模様を任意の角度に配した複合材の断面図。
【図22】台とバチが複合材から成る鳴子の姿図。
【図23】木質系材と非木質系材から成る複合材の鳴子の姿図。
【図24】木質系材と非木質系材から成る複合材の鳴子の姿図。
【図25】複合材の台と透明アクリル樹脂材のバチから成る鳴子の姿図。
【図26】非木質系材を木質系材から成る天板や脚部に接合固定したテーブルの天板上部の姿図。
【図27】非木質系材を木質系材から成る天板や脚部に接合固定したテーブルの長辺側の姿図。
【図28】非木質系材を木質系材から成る天板や脚部に接合固定したテーブルの短辺側の姿図。
【図29】非木質系材を50mm迄の幅でテーブル天板に配した複合材のテーブルの接合部の断面詳細図。
【図30】非木質系材を50mmを超える幅でテーブル天板に配した複合材のテーブルの接合部の断面詳細図。
【図31】非木質系材を50mmを超える幅で天板に配し、光源を内蔵した複合材のテーブルの断面図。
【図32】非木質材と木質系材を接合固定して成る光源を内蔵した鏡枠の断面図。
【図33】非木質系材と木質系材を接合固定して成るオープン階段の踏面の姿図。
【図34】非木質系材と木質系材を接合固定して成るオープン階段の踏面の断面図。
【図35】非木質系材と木質系材から成るオープン階段の踏面部分に光源を内蔵する複合材の踏面の断面図。
【図36】非木質系材と木質系材を接合固定して成る上り框の内部に光源を内蔵する複合材の框の断面図。
【図37】非木質系材と木質系材を接合固定して成る上り框の内部に光源を内蔵する複合材の框の断面図。
【図38】非木質系材と木質系材を接合固定して成る複合材の扉の姿図。
【図39】木質系材の無垢材と非木質系材をそれぞれフラッシュパネルとし、接合固定した複合材の扉の断面図。
【図40】非木質系材と木質合板のそれぞれのフラッシュパネル同士を接合固定した複合材の扉の断面図。
【図41】木質系材に非木質系材を手元に挿入した複合材の箸の姿図。
【図42】木質系材に非木質系材を手元から先まで全長に渡り挿入した複合材の箸の姿図。
【図43】木質系材と非木質系材を接合固定して成る複合材の櫛の姿図。
【図44】大判の木質系の複合材を大判の木質系材または非木質系材と組み合わせた複合材の姿図。
【図45】大判の非木質系の複合材を大判の非木質系材と組み合わせ、接合固定した複合材の姿図。
【図46】大判の木質系材と大判の非木質系材を組み合わせ、接合固定した複合材の姿図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の複合材13を構成する木質系材1(第1木質系材)は、素地のまま、もしくは熱処理や燻製処理または塗装により着色した木、竹または人造木材のいずれか1つまたは幾つかの素材から成るものとし、木質系材3(第2木質系材)は、木質系材1と色などが異なる同質素材または異なる素材から成る木質系材とし、これら木質系材のいずれか1つまたは木質系材1と木質系材2の組み合わせから成るものとする。
【0043】
本発明の複合材13を構成する木質系材1または3は、木、竹または人造木材のいずれか1つまたは幾つかの素材から成る無垢材、集成材、積層材、天然木化粧合板を含む木質合板または木質繊維板(MDFと称される中密度繊維板である中質繊維板やインシュレーションボードと称される低密度繊維板やハードボードと称される高密度繊維板をも含む。)から成るものとする。
【0044】
本発明の複合材13を構成する木質系材1または3は、ケイ酸カルシウム系材から成る
人造木材、樹木繊維と耐紫外線ポリプロピレン樹脂から成る人造木材、スチレン系樹脂と木粉から成る人造木材のいずれか1つまたは幾つかの組み合わせから成るものとする。
【0045】
本発明の複合材13を構成する非木質系材2または4は、アクリル樹脂材、ポリカーボネート樹脂材、硬質塩化ビ二ール樹脂材またはエポキシ樹脂材などの硬質樹脂材、ガラス、メタクリル樹脂強化無機材を含むアクリル樹脂系人造石、エポキシ樹脂系人造石、ポリエステル樹脂系人造石、熱硬化性フェノール樹脂系人造石、クォーツ(水晶)サイトなどから成る人造石または大理石、御影石、石灰石、砂岩などの天然石から成るものとする。
【0046】
本発明の複合材13は、非木質系材2(第1非木質系材)または非木質系材2と色などが異なる同質素材または異なる素材から成る非木質系材4(第2非木質系材)を図1〜図21のように木質系材1または3に嵌め込むか、または貫入し、様々なパターンに組み合わせて、接合固定して成るものとする。
【0047】
木質系材1の竹の縦積層の集成材に非木質系材2である幅3mmのアクリル樹脂板を12.5mm毎に6本を挟み込み、表から裏まで貫通させて接着により接合固定した全長850mm、幅105.5mm、厚さ10mmの該複合材13を支点間距離780mmで空中に浮かせて支持した板の上に体重72kgの体重の人間が両足を密着させて立ち、10分間以上に渡り荷載実験を行ったが、木質材1である竹の縦積層の集成材と異質材2であるアクリル樹脂材のそれぞれの材にも互いの接着面にも割れや剥離などの変化は全く見られなかった。荷載中は中心部が常時200mmたわんでいたが、荷重を取り除くと直ぐに元のフラットな状態に復元した。この実験により、一般的なフローリング材は15mmの板厚が使用され、下地となる根太間隔は300mm〜360mm程度にて利用されるので、単板のみの使用でも充分に強度は確保されている事が判る。また、実際にフローリング材に使用する場合は、本実加工や相しゃくり加工を施し、隣接する板材と組み合わせ接合されるので変形量は更に小さく、強度は大きくなる。15mmの板厚のフローリング材の場合は、300mm〜360mm程度の根太間隔とするか、フローリング材の下地に15mm程の合板を下張りし、根太間隔を450mm程度とする場合が一般的だし、ピアノなどの重量物を置く場合は重量に合わせて根太の間隔を密にするか、特注品として板厚を15mm以上にして、いろんな条件にも対応するので、壁材はもとより、床材の強度としても何ら問題はない。
【0048】
木質系材1の15.5mmの幅の竹の縦積層の集成材と非木質系材2の4枚の幅3mmのアクリル樹脂板との接着面にプライマー処理を入念に施し、それぞれの材を交互に挟んでイソシアネート系木材接着剤にて接合固定した本発明の複合材13のブロック圧縮せん断強さ(常態)の測定を工業試験所の機器にて規定に基付いて行ったところ、竹と竹の接着による集成材の試験体(1)は、11.15N/mm2、竹と竹の接着による集成材の試験体(2)は、10.57N/mm2に対し、前記の竹とアクリルの接着による複合材の試験体(A)は、9.71N/mm2、竹とアクリルの接着による複合材の試験体(B)は、9.32N/mm2の結果が出た。最大応力では、竹の集成材の87〜88%の圧縮せん断力となり、12〜13%の圧縮せん断力低下が見られたが、1.5mmの変位量の時には、竹と竹の試験体(1)が、9.7N/mm2、竹と竹の試験体(2)が、8.7N/mm2に対し、竹とアクリルの試験体(A)が9.3N/mm2、竹とアクリルの試験体(B)が、8.5N/mm2と97%の強度が確保出来ている。また、JISK6806で規定する水性高分子−イソシアネート系木材接着剤の基準値は、1種1号 常温接着、構造用集成材(常態)が、9.81N/mm2、1種2号 常温接着、造作用集成材(常態)が、9.81N/mm2となり、比較しても99%の応力が得られており、使用上の強度はなんら問題ない。竹の縦積層材の接着の場合は、木よりも接着剤の材への含浸力が低く強度は得られ難いので、木とアクリルとの組み合わせの場合は、前記のJISK6806で規定する基準値を上回る数値が得られると思われる。
【0049】
木質系材1と非木質系材2の接着による接合方法の場合は、図1や図2のようにフラットな面同士の接着でも前項に記載したように充分に接着強度は確保出来るが、更にせん断力の確保が必要な場合は図29のように非木質系材2に厚さ3mm〜10mmを任意の大きさで接着し、凸状の突起を設け、木質系材に凹状の加工を施して接合し、接着面積の拡大を図璃、接着強度とせん断力の向上を図る。特に樹脂材の場合は2つの材を接着しても樹脂材同士が接着剤により溶着して一体化するので、効果は高く、接着面の強度の向上を著しく図る事が出来る。
【0050】
木質系材1の12.5mm幅の竹の縦積層の集成材と3mm幅のアクリル樹脂材をそれぞれ交互に組み合わせ、配列した長さ185mm、幅106.5mm、厚さ25mmの該複合材13を熱風により表面温度が約70度位になるまで熱する加熱試験を行ったが、長さと厚さの変化は見受けられ無かったが、全幅が約0.4mm広くなる変化が見られた。また、厚さ方向の膨張によるサイズ変化は見受けられなかったが、非木質系系材2のアクリル樹脂材が膨張により、木質系材の表層面より弱冠の隆起が確認出来たが、ジョイント部には膨張による段差やズレは見受けられ無かった。しかし、ジョイント部にあらかじめ、指で擦ると微かに感知出来る位の段差がある場合は、更に段差は拡大する箇所も見受けられたが、その差は最大値でも細いの髪の毛の直径と同じ位の約0.05mmほどの段差でしかなく、床材や壁材などの建築材料または家具材などに使用して問題と成るほどの変化量ではなかった。今回の加熱試験による木質系材1と非木質系材2の接着面の剥離や亀裂は全く見受けられなかった。
【0051】
前項の複合材13をガスバーナーの炎で熱する加熱実験を3〜5秒間行ったが、木質系材1である竹の表面は焦げ、非木質系材2であるアクリル樹脂材は表面が溶け、滑らかな面になったが、ジョイント部の接着面には剥離や亀裂などの問題と成る変化は見られなかった。
【0052】
木質系材1からなる表層面の少なくとも1つの面からその表層面と対向する反対面まで、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7または図9のように指定の非木質系材2または4を所定の位置に所定の個数または所定の寸法ごとに貫通し、組み合わせ、接合固定して成る複合材、もしくは該複合材の木質系材1と非木質系材2または4の位置を入れ替え、組み合わせる材を逆転して成る複合材13とする。
【0053】
木質系材1と非木質系材2の組み合わせだけでなく、図1〜21や図26〜31、図38〜42などの木質系材1を非木質系材2と読み替え、非木質系材2と木質系材3を非木質系材4と読み替えて、大理石や人造石などの非木質系材2にガラスや硬質樹脂材などの異なる非木質系材4を嵌め込むか、または貫通する複合材13とする。
【0054】
木質系材1から成る合板や木質系材1の複数の層から成る複合板の板木口面に硬質樹脂材などの非木質系材を挟み込んで接着させるには、ベニア合板や中質繊維板などの合板や複数の層から成る複合板の積層材の中間部または最下部の一部または全面に接着させた厚さ1mm以上の硬質樹脂材などの非木質材の板木口面または上面に同素材の非木質系材を接着させて接合固定させる。この手法により、15mm以上の厚さの合板は勿論のこと、3mm〜15mm程度の比較的薄い合板の板木口面にも接着が可能となり、その他のガラスや石材などの接着不可能であった多様な材も接着可能となった。
【0055】
本発明の複合材13は、図11〜15のように本実または相じゃくり加工した木質系材1と本実加工または相じゃくり加工した非木質系材2を組み合わせ、所定の材を所定の数、所定の位置や所定の寸法ごとに配置し、接着剤と釘やビスまたは金属製の専用留め金具10により、接合固定する手法の複合材とする。
【0056】
本発明の複合材13の非木質系材2を透明な硬質樹脂材またはガラスとする際には、複合材の裏側もしくは反対面を透けて見せたくない場所や箇所に利用する場合は、非木質系材本体にスリ加工やエッチング加工、サンドブラスト加工などの加工を施すか、非木質系材裏側に文字や模様を施したシートを貼付または敷き込み、反対面が透過して見えないようにしたり、文字や模様のみを視認させ、裏側を見せないようにする。
【0057】
非木質系材2を素地のまま、もしくはエッチング加工、サンドブラスト加工や印刷、塗装による文字や模様を施した無色または有色の透明材、透明型板材、半透明材または不透明材(透光性の有無に関わらない)からなる非木質系材2を図6のようにいずれか1つまたは幾つかを組み合わせ、前記木質材1と接合固定して成る複合材13とする。
【0058】
本発明の複合材13に組み合わせる非木質系材2を透明な材とする場合は、利用箇所や用途により、加工の仕方や磨きの程度を変えて、100%の透視率の透明から半透明や透視出来ないレベルまで、 自在に変化させる。
【0059】
本発明の複合材13の視認側の表層面に図19、図20、図21 のように挿入または嵌め込んだ透明の非木質系材2の後ろ側に文字や模様を施した材6を配すると、前面の透明の異質材2の実際の奥行きの3分の2程度の近い位置に文字や模様を視認出来る効果がある。この効果は、非木質系材が厚くなり、文字や模様が奥に位置する程にその効果が高くなるので、文字の大きさを違えてドミノ倒しのドミノの駒のように連続して配置したり、模様を重ねずらす事により、3D画像のように立体的に見せたり、斜めに文字や模様を配置して、より遠近感を強調した効果を持たせる事が出来る。更に凹レンズ形状に加工した材を全体または部分的に組み合わせる事により、様様な効果が得られる。この手法によると印刷などのように塗料が剥げる事が無くなり、塗料が定着し難いガラスや石材の面にも人の手が触れて剥げ易い部分や面にも文字や模様を視認させる事が出来る。
【0060】
よさこい踊りで使用される鳴子と称される道具に図22〜25のように、しゃもじまたは台と呼ばれる本体部分とバチと呼ばれる幅10mmの拍子木部分のいずれかまたは双方にカラフルな非木質系材2や透明または透光性のある多彩な非木質系材2を木質系材1と組み合わせて、今迄に無い装飾性の高い鳴子とする。図22のように台とバチの中央部に幅3mm〜10mmの非木質系材2である大理石や有色または無色の透明な硬質樹脂材やガラスを挟んだり、図23のように中央部に幅4mmの第1木質系材1から成る木または竹を配し、その両側に第1非木質系材2から成る幅3mmの有色または透明の硬質樹脂材を2本配する。または図24のように中央部に幅5mmの第1非木質系材2の硬質樹脂材を配し、その両サイドに幅2.5mmの第1木質系材1または幅2mmの中央に配する硬質樹脂材と異なる他の色の硬質樹脂材から成る第1非木質系材2を2本、台とバチにそれぞれ配置する。図25のように台に第1非木質系材2を数列を配するか、または第1非木質材2と第2非木質系材4を2種類以上組み合わせて、数列を台に挟み、中央部のバチまたはバチの3本共、有色または無色の透明樹脂材から成る非木質系材2または4を配置する。
【0061】
透光性のある非木質系材2との組み合わせから成る複合材は、明るい場所では接合した非木質系材2が周囲の光により視認性が良いが、暗所では発色、発光せず、色や模様の視認性の向上が望めないので、図8、図10、図19、図31、32、35、36、37のように複合材の裏側や内部にLED照明などの光源5を配置または内蔵し、暗所や夜間でも組み込んだ非木質系材2が視認出来るようにする。
【0062】
透光性のある非木質系材2を図32のように枠材に平行または直交して挟み込み、接合固定して成る鏡台や鏡枠の枠材内部に内蔵した光源で顔を隈なく、影を作らずに照射する
事で化粧をし易くする事が出来る。また、同様の手法を額縁に施す事で、ガラス面に写り込んだ明りを軽減し、反射した光に幻惑される事無く、絵画や写真などを綺麗に見せる事が出来る額縁とする。
【0063】
本発明の複合材13の裏や内部に配置、内蔵する光源にリレー機器を接続し、誘導方向に光源による明りを点滅、移動させる事により、昼夜を問わず、人々に誘導方向の認知をさせる事が出来、効率良く、且つ、安全に移動させられるようにする。また、既に実現している振動を電気エネルギーに変換して人が歩くだけで照明器具を点灯させられる機器と組み合わせて、複合材に嵌め込んだ透光性のある材を内蔵した照明器具で点灯出来るようにする。この振動で照明器具が点灯するシステムと透光性のある複合材の組み合わせをステレオなどのスピーカーBOXやTV台などの家具に組み合わせ、視覚効果が高いユニークな家具とする。
【0064】
木質系材1の中に挿入する非木質系材2のガラスや硬質樹脂材は透明または不透明に関わらず、カラフルな色の硬質樹脂材は厚い板材が無く、透明アクリル樹脂材の場合でも一般的には50mm程の厚さ迄しか無いので、図26、27、28のように幅が50mm迄なら、テーブルの天板の表層面に板材を直交させて、板の厚み部分の木口を天板表層面に見せるように挿入すれば、図24のように天板の厚さと同じ厚さに対応できるが、天板に貫入または貫通する非木質系材2の幅が50mmを超える場合は、非木質系材2の板面をテーブル天板と同方向に利用しなくてはならず、図30のように非木質系材2と木質系材1の厚さが異なるような配置とするか、または図31のように非木質系材2を表層面と裏面の2層にするか、図39または図40のように非木質系材2をフラッシュパネル化してして、表層面と裏面をフラットにする。
【0065】
木質系材1から成る椅子やテーブルに図26、図27、図28のように硬質樹脂材や大理石などの石材から成る非木質系材2を挟んでデザイン性の向上を図るだけでなく、有色または無色の透明の硬質樹脂材やガラスから成る非木質系材2を貫通させて挟み、家具やテーブルを分割させて見せたり、宙に浮いているように見せるなど、視覚的効果が高い、今迄に無い画期的なデザインの家具とする。
【0066】
木質系材1と非木質系材2の組み合わせだけでなく、図26や29の素材の組み合わせを逆転して、大理石などの天然石または人造石から成る非木質系材2に異なる素材や色の硬質樹脂材、ガラスや人造石などから成る非木質系材4を嵌め込むかまたは貫通し、組み合わせ、接合固定して成る複合材を流し台や洗面化粧台の天板など耐水性の必要な箇所に利用する。
【0067】
階段の踏面に図33、34のように石材やカラフルな樹脂材から成る非木質系材2を木質系材1に挿入した複合材を使用して、段差のある箇所や端部を老人や弱視などの視覚に障害のある人にも視認し易いようにする。特に図34のように蹴込み板の無いオープンな階段の踏面に無色または有色の透明の硬質樹脂材を貫通させた複合材を使用すれば、室内の明りが踏面を透過して光って見え、視認効果だけでなく装飾効果も高くなる。
【0068】
階段の裏側に天井を設ける階段などの場合は照明器具5は蛍光灯や白熱灯でも自在に配置出来るので、透明の硬質樹脂材などを挿入して成る複合材の裏側に光源を配置出来るが、図29のような踏面とササラ桁のみのオープンな階段の場合は、踏面に照明器具5を内蔵しなくては、踏面に挿入した硬質樹脂やガラスなどの非木質系材2を照射し、照明器具を点灯する事は出来ない。そこで、電源やトランスからの配線は木材のササラ桁の片側に壁が隣接する場合は壁の中を通して、各踏面ごとにササラ桁に穴を開けて配線を通し、図30のように踏面に挟んだ非木質系材2の裏側に埋め込んだLEDなどの照明器具からなる光源と接続し、点灯させる。ササラ桁が壁から離れている独立したオープンの階段の場
合は、電源からの配線は階段が取り付く床下より取り込み、ササラ桁の見え難い部分に溝を切り、各踏面へ配線し、踏面に内蔵した光源へと接続する。また、廻り階段の場合は配線を支柱となるパイプの中を通して踏面が取り付く部分の支柱の鉄板に穴を開けて配線を通して接続した光源の照明器具5を踏面の複合材に挟んで挿入したアクリル樹脂材などの非木質系材2の内部に内蔵し、裏から同材2から成る照明用点検口11で蓋をする。非木質系材2の挿入幅が5mmの場合は、図35の左側の光源のレイアウトのように上方面にしか照射出来ないが、非木質系材2の挿入幅が10mmを超える場合は、図35の右側の光源のレイアウトのように踏面の上方面と下方面のどちらにも照射出来るように照明器具5を内蔵出来るので、更に効果的と成る。挿入する非木質系材2が透明だと有色でも薄い色の場合は照明器具5のLED照明の電球が直接見えるので、点状に見える光源が気になるようであれば、スリ加工を施すか型板材を裏打ちして、直接光源が見えないように均一な明りとする。また、透明の非木質系材2と木質系材1との接合面の木肌や接着剤が非木質系材越しに見えるようであれば、非木質系材2をスリ加工するなど、それらが見えないような処置を施す。また、LED照明器具などを内蔵する空洞部が照明器具5の熱により問題が生じそうな場合は金属やガラスなどの反射材を兼ねた耐熱材を施すなどの処置を行ったり、密閉しないで通気孔を設けるなどの処置を施す。
【0069】
非木質系材2の有色の透明樹脂材や不透明のカラフルな樹脂材は一般的に1mm〜10mmの厚さ迄しかない材が殆どなので、木質材1に挿入する幅が広く取れないし、厚い材を使用すると重量が増して家具や扉への利用が制限されるので、図34や図35のように木質系材1と非木質系材2をそれぞれ中空のフラッシュパネル化し、接合固定して成る複合材とする。
【0070】
前記のフラッシュパネルにする為には前記複合材を数mmの厚さにスライスしなくては成らないが、木質系材1と硬質樹脂材または一部の人造石から成る複合材は、3〜5mmの厚さならスライサーでスライス加工出来るので、はめ込み式の敷居滑りなどに利用する。また、敷居の溝部分に竹と硬質樹脂材またはナラやブナ、アピトン等の多様な堅木または天然石や人造石などと組み合わせて成る複合材を配し、桧、杉やナラ、ブナなどの無垢材や単板張り集成材と組み合わせて接合固定して成る敷居材とする。木質系材1と非木質系材2を組み合わせて成る複合材を1mm〜10mmほどにスライスした薄板と他のラワン合板やシナ合板などの合板に張り付けた化粧合板とする。
【0071】
非木質系材2のカラフルな硬質樹脂材、ガラスや天然石のいずれか1つまたは幾つかの大小様々な片材と人造木材を構成する基材を混ぜ合わせ、これを成形して、固め、研磨し、非木質系材2が表層面に露出した人造木材または該人造木材と木質系材1または非木質系材2を組み合わせ、接合固定して成る複合材とする。
とする。
【0072】
非木質系材2のカラフルな硬質樹脂材、ガラスや天然石のいずれか1つまたは幾つかの大小様々な片材と人造石を構成する基材を混ぜ合わせ、これを成形して、固め、研磨し、非木質系材2が表層面に露出した人造石または該人造石と木質系材1または非木質系材2を組み合わせ、接合固定して成る複合材とする。
【0073】
木質系材1から成る箸の全長または一部に図41、42のように透明やカラフルな樹脂材から成る非木質系材2を挟んだ複合材から成る箸などの日用雑貨や図43のように櫛や眼鏡フレームなどの装身具とする。
【0074】
木質系材1の木材の節や節穴などの不良な部分をくり貫き、そこに硬質樹脂材やガラス、石材などの非木質系材2を多様な形状で嵌め込む事により、木材の欠点である節を取り除き、嵌め込んだ非木質系材2にて透光性やカラフルで多様な形状の模様から成る装飾性
の向上や強度の向上などの長所が得られる複合材とする。この手法により、節が多く在る安価な木材を使用し、デザイン性の高い複合材にする事が可能となった。
【0075】
木質系材1に非木質系材2を嵌め込むかまたは貫通し、接合固定して成る各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の板状の複合材とする。
【0076】
前項に記載の木質系複合材と木質系材1または非木質系材2を組み合わせ、接合固定して成る各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の板状の複合材とする。
【0077】
非木質系材2に異なる非木質系材4を嵌め込むかまたは貫通し、接合固定して成る各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の板状の複合材とする。
【0078】
前項に記載の非木質系複合材と非木質系材2を組み合わせ、接合固定して成る各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の板状の複合材とする。
【0079】
図44や図45のように前項または前々項に記載の各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の木質系複合材または非木質系複合材と各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の木質系材1または非木質系材2を組み合わせ、接合固定して成る複合材とする。
【0080】
図46のように各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の木質系材1と各辺がそれぞれ300mm〜910mmの正方形または長方形の非木質系材2を組み合わせ、接合固定して成る複合材とする。
【符号の説明】
【0081】
1 第1木質系材
2 第1非木質系材
3 第2木質系材
4 第2非木質系材
5 LED照明器具などから成る光源
6 文字や模様を施した材
7 LED照明用留め金具
8 鏡や金属などによる反射板
9 木質フローリング
10 フローリング用専用留め金具
11 照明用点検口
12 木質合板フラッシュパネル
13 第1または第2木質系材と第1または第2非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る複合材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木、竹または人造木材のいずれか1つまたは幾つかの素材から成る木質系材を硬質樹脂材、ガラス、天然石または人造石のいずれか1つまたは幾つかの素材から成る非木質系材と組み合わせ、接合固定して成る複合材。
【請求項2】
木質系材の表層面の少なくとも1面に非木質系材を嵌め込むかまたは貫入し、接合固定して成る請求項1に記載の複合材。
【請求項3】
木質系材の表層面の少なくとも1面に露出する非木質系材が、表層面からその表層面と対向する反対面まで貫通し、接合固定して成る請求項1または2のいずれかに記載の複合材、もしくは該複合材の該木質系材と該非木質系材の位置を入れ替え、組み合わせを逆転して成る請求項1または2のいずれかに記載の複合材。
【請求項4】
本実加工または相じゃくり加工した木質系材と本実加工または相じゃくり加工した非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る請求項1、2または3のいずれかに記載の複合材。
【請求項5】
無色もしくは有色の透明材、模様を施した透明の型板材、半透明材または不透明だが透光性のある材のいずれか1つまたは幾つかの素材から成る非木質系材を木質系材と組み合わせ、接合固定して成る請求項1、2、3または4のいずれかに記載の複合材。
【請求項6】
透光性のある非木質系材を木質系材と組み合わせ、接合固定して成る請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の複合材の裏側や内部に光源を配置または内蔵して成る複合材。
【請求項7】
人造木材を構成する基材に非木質系材のいずれか1つまたは幾つかの素材の大小の片材を混入し、成型して、表層面に非木質系材が露出して成る請求項1、2、3、4、5または6のいずれかに記載の複合材、または該複合材と木質系材または非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る請求項1、2、3、4、5または6のいずれかに記載の複合材。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5または6のいずれかに記載の複合材の木質系材を非木質材と読み替えて、この読み替えて成る非木質系材と同素材または異なる素材の非木質系材と組み合わせ、接合固定して成る複合材。
【請求項9】
人造石を構成する基材に非木質系材のいずれか1つまたは幾つかの素材の大小の片材を混入し、成型して成る請求項8に記載の複合材、または該非木質系複合材と非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る請求項8に記載の複合材。
【請求項10】
木質系材と非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形または長方形の請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれかに記載の複合材から成る床、壁または天井用の板状の複合材。
【請求項11】
請求項10の各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形または長方形の複合材を各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形か長方形の請求項1〜10のいずれかに記載の木質系材または非木質系材と組み合わせ、接合固定して成る床、壁または天井用の板状の複合材。
【請求項12】
天然石や人造石などの非木質系材とこれと異なる素材のガラスや硬質樹脂材材などの非木質系材を組み合わせ、接合固定して成る各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る
正方形または長方形の請求項8または9のいずれかに記載の複合材から成る床、壁または天井用の板状の複合材。
【請求項13】
請求項の12の各辺がそれぞれ300mm〜910mmと成る正方形または長方形の複合材を各辺が300mm〜910mmと成る正方形または長方形の請求項1〜12のいずれかに記載の木質系材または非木質系材と組み合わせ、接合固定して成る床、壁または天井用の板状の複合材。
【請求項14】
透光性のある非木質系材と組み合わせた請求項1〜13のいずれかに記載の複合材の裏側や内部に配置または内蔵した光源と振動を電気エネルギーに変換して照明器具を点灯させる機器と接続して成る複合材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2011−152763(P2011−152763A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17160(P2010−17160)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(308018268)
【Fターム(参考)】