説明

見切り材及びそれに用いるクリップ材

【課題】防草シートとの間に隙間が生じないようかつ防草シートを効率よく敷設する。
【解決手段】本発明に係るクリップ材5は、全体断面がほぼU字状になるように構成することでU字状凹部7が形成されてなる長尺材であって、見切り材本体2がその上縁側に被せられた防草シート3とともにU字状凹部7の開口4を介して該U字状凹部に挿入されたとき、U字状凹部7の開口4が拡がる方向に変形しながら、見切り材本体2に嵌め込むことができるようになっている。クリップ材5は、開口4の縁部をそれぞれ内方に折り返すことにより、U字状凹部7の開口4を挟んで対向配置されてなる折返し部6,6を形成してあるとともに、見切り材本体2及び防草シート3が開口4を介してU字状凹部7に挿入される際、その変形によって生じる弾性復元力が折返し部6,6を介して防草シート3に作用するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として芝生が植生された領域の境界に沿って埋設される見切り材及びそれに用いるクリップ材に関する。
【背景技術】
【0002】
芝生は、樹木や草花と同様のやすらぎを提供してくれるほか、衝撃を和らげることもできるため、住宅の庭や競技場のフィールドあるいは公園の緑地といったさまざまな場所で育成されているが、隣接領域との境界に沿って見切り材を埋設することがある。
【0003】
かかる見切り材は、芝生とその隣接領域との境界をすっきりと見せることができるほか、ランナー(匍匐茎)が隣接領域に侵入するのを防止するという機能も併せ持つ。
【0004】
一方、芝生の場合にはその管理に手間と費用がかかるため、住宅の防犯性を高める目的とも相俟って、庭に砂利を敷き込む場合があるが、砂利が敷設された領域の境界に上述した見切り材を埋設するようにすれば、芝生と同様、隣接領域との境界をすっきりと見せることができるほか、砂利の散乱を防止することも可能となる。
【0005】
昨今の住宅においては、芝生と砂利のメリットとデメリットを勘案しながら、その両方を採用するとともに、芝生と砂利の境界に沿って上述した見切り材を埋設するケースが増えてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−165419号公報
【特許文献2】特開2003−143953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、砂利を撒くにあたり、予め防草シートを敷設してからその上に砂利を敷き並べるようにすれば、防草シートの遮光性によって下方での植物の光合成、ひいてはその生育が抑制されるため、砂利が敷設された領域での雑草の繁茂が防止され、雑草を除去する手間を省くことが可能となる。
【0008】
しかしながら、防草シートの縁部と見切り材とのわずかな隙間から雑草が生えたり、芝生から伸びてきたランナーが見切り材の下縁又は上縁から反対側に廻り込み、上述した隙間を貫通して砂利の敷設領域に根付いてしまうという問題を生じていた。
【0009】
また、従来、防草シートは、その縁部に沿ってアンカーピンを打ち込むことにより地盤に固定していたが、かかる作業には手間がかかるほか、アンカーピンを打ち込む際、その下端が鋭利であるため、地盤に埋設されたガス管や水道管あるいは電気ケーブル管などに損傷を与える懸念もあった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、防草シートとの間に隙間が生じないようかつ防草シートを効率よく敷設することが可能な見切り材及びそれに用いるクリップ材を提供することを目的とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る見切り材は請求項1に記載したように、地盤に埋設される見切り材本体と、該見切り材本体がそれに被せられた防草シートとともに挿入される溝状凹部が形成された長尺状のクリップ材とで構成してなり、該クリップ材は、前記見切り材本体及び前記防草シートの前記溝状凹部への挿入時に該溝状凹部の開口が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力が前記溝状凹部の開口を挟んで対向配置された当接部を介して前記防草シートに作用するようになっているものである。
【0012】
また、本発明に係る見切り材は、前記クリップ材を、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部をそれぞれ内方に折り返して折返し部をそれぞれ形成し、該折返し部を前記当接部としたものである。
【0013】
また、本発明に係る見切り材は、前記クリップ材を、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部近傍に凹凸部をそれぞれ形成し、該凹凸部を前記当接部としたものである。
【0014】
また、本発明に係るクリップ材は請求項4に記載したように、地盤に埋設される見切り材本体がそれに被せられた防草シートとともに挿入される溝状凹部を形成してなる長尺状のクリップ材であって、前記見切り材本体及び前記防草シートの前記溝状凹部への挿入時に該溝状凹部の開口が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力が前記溝状凹部の開口を挟んで対向配置された当接部を介して前記防草シートに作用するように構成したものである。
【0015】
また、本発明に係るクリップ材は、前記クリップ材を、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部をそれぞれ内方に折り返して折返し部をそれぞれ形成し、該折返し部を前記当接部としたものである。
【0016】
また、本発明に係るクリップ材は、前記クリップ材を、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部近傍に凹凸部をそれぞれ形成し、該凹凸部を前記当接部としたものである。
【0017】
本発明に係る見切り材及びそれに用いるクリップ材においては、まず、見切り材本体を地盤に埋設するとともに、該見切り材本体の少なくともいずれかの側に防草シートを敷設する。
【0018】
次に、防草シートを見切り材本体の上に被せる。
【0019】
次に、見切り材本体が防草シートとともにクリップ材の溝状凹部に挿入されるように、該クリップ材を見切り材本体に嵌め込む。
【0020】
このとき、クリップ材は、溝状凹部の開口が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力は、溝状凹部の開口を挟んで対向配置された当接部を介して防草シートに作用する。
【0021】
そのため、クリップ材を見切り材本体に押し込むだけで、防草シートを見切り材本体に固定することが可能となり、従来のようにアンカーピンを地盤に差し込む手間がなくなるとともに、鋭利な先端を有するアンカーピンが、ガス管、水道管等の地中埋設物に損傷を与える懸念もない。
【0022】
また、防草シートが見切り材本体の上に被さった状態で該見切り材本体に固定されるため、防草シートと見切り材本体との間に隙間が生じる余地がなくなり、雑草の繁茂をより確実に抑制することが可能となる。
【0023】
クリップ材は、上述した変形が可能でかつ該変形による弾性復元力が生じる限り、材質や断面形状は任意であり、例えば樹脂系材料やステンレス等の金属材料で形成することが可能である。
【0024】
見切り材本体やクリップ材は、例えば数mの長さを単位とした長尺材であって、必要に応じてジョイントを用いながら材軸方向に継ぎ足すことができるように構成しておくのがよい。
【0025】
見切り材本体は、市販の見切り材、例えば「サスエッジ」(登録商標)、「デュアルエッジ」(登録商標)、「スーパーエッジ」の商品名で販売されているもので構成することができる。
【0026】
クリップ材は、見切り材本体及び防草シートが溝状凹部に挿入されるように見切り材本体に押し込む際、該溝状凹部の開口が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力が溝状凹部の開口を挟んで対向配置された当接部を介して防草シートに作用する限り、その構成は任意であり、例えば、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部をそれぞれ内方に折り返して折返し部をそれぞれ形成し、該折返し部を前記当接部とした構成や、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部近傍に凹凸部をそれぞれ形成し、該凹凸部を前記当接部とした構成が採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態に係る見切り材を示した全体斜視図。
【図2】第1実施形態に係る見切り材を用いて防草シートを固定している様子を示した施工図。
【図3】第1実施形態に係るクリップ材の作用を示した鉛直断面図。
【図4】防草シートの固定が完了した様子を示した鉛直断面図。
【図5】変形例に係るクリップ材を示した鉛直断面図。
【図6】変形例に係るクリップ材を示した全体斜視図。
【図7】第2実施形態に係るクリップ材を示した全体斜視図。
【図8】第2実施形態に係るクリップを用いて防草シートを固定している様子を示した鉛直断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る見切り材及びそれに用いるクリップ材の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る見切り材を示した全体斜視図である。同図に示すように、第1実施形態に係る見切り材1は、見切り材本体2とクリップ材5とで構成してある。
【0030】
見切り材本体2は、「スーパーエッジ」の商品名で販売されている軟質ポリ塩化ビニル製の長尺状平板であって、板体の両縁に沿って円形断面のリブがそれぞれ形成してあるとともに、板体中央付近には長さ方向に沿った所定間隔ごとに差込部(図示せず)を突設してあり、該差込部にナイフ状のステンレス製アンカーを板体と平行にかつ長さ方向に直交するように差し込んだ上、その先端を地盤に貫入することで、地盤面とほぼ垂直姿勢で該地盤内に埋設固定することができるようになっている。
【0031】
クリップ材5は、全体断面がほぼU字状になるように構成することで溝状凹部としてのU字状凹部7が形成されてなるステンレス製の長尺材であって、地盤面と垂直になるように該地盤内に埋設された見切り材本体2がその上縁側に被せられた防草シート3とともにU字状凹部7の開口4を介して該U字状凹部に挿入されたとき、U字状凹部7の開口4が拡がる方向に変形しながら、該見切り材本体に嵌め込むことができるようになっている。
【0032】
ここで、クリップ材5は、開口4の縁部をそれぞれ内方に折り返すことにより、U字状凹部7の開口4を挟んで対向配置されてなる折返し部6,6を形成してあるとともに、見切り材本体2及び防草シート3が開口4を介してU字状凹部7に挿入される際、その変形によって生じる弾性復元力が折返し部6,6を介して防草シート3に作用するようになっており、折返し部6,6は、防草シート3の表面にそれぞれ当接して該防草シートを見切り材本体2に狭着するための当接部として機能する。
【0033】
クリップ材5は、例えば高さが20mm程度、長さが40〜50cmとなるように形成することが可能であり、長さ方向には必要に応じて適宜継ぎ足すようにすればよい。
【0034】
本実施形態に係る見切り材1を用いて防草シート3を固定するには、まず図2(a)に示すように、見切り材本体2を地盤21に埋設する。
【0035】
見切り材本体2を地盤21に埋設するにあたっては、芝生や砂利を敷設した状態で該見切り材本体の上縁が地表面と概ね揃うように、地盤21への埋設深さを調整するとともに、上述した方法で見切り材本体2を地盤21に埋設固定する。
【0036】
かかる埋設作業と相前後して、砂利が敷設される側、図2(b)では左側に防草シート3を予め敷設する。
【0037】
次に、見切り材本体2のうち、地上に露出した部分に防草シート3の縁部を被せるとともに、挿入作業がしやすいよう、該露出部分の側面に防草シート3をぴったりと添わせる。
【0038】
次に、クリップ材5の開口4を介して見切り材本体2が防草シート3とともに該クリップ材のU字状凹部7に挿入されるように、クリップ材5を見切り材本体2に嵌め込む。
【0039】
このようにすると、クリップ材5は、U字状凹部7の開口4が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力は、図3に示すように開口4を挟んで対向配置された折返し部6,6を介して防草シート3に作用するので、防草シート3は見切り材本体2にしっかりと固定される。
【0040】
次に、図4に示すように防草シート3の上に砂利42を撒いて敷き均すとともに、その反対側に芝生41を敷設する。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る見切り材1及びそれに用いるクリップ材5によれば、クリップ材5を見切り材本体2に嵌め込む際、クリップ材5は、U字状凹部7の開口4が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力が、U字状凹部7の開口4を挟んで対向配置された折返し部6,6を介して防草シート3に作用する。
【0042】
そのため、クリップ材5を見切り材本体2に押し込むだけで、防草シート3を見切り材本体2に固定することが可能となり、従来のようにアンカーピンを地盤に差し込む手間がなくなるとともに、鋭利な先端を有するアンカーピンが、ガス管、水道管等の地中埋設物に損傷を与える懸念もない。
【0043】
また、防草シート3が見切り材本体2の上に被せられた状態で該見切り材本体に固定されるため、防草シート3と見切り材本体2との間に隙間が生じる余地がなくなり、かくして雑草の繁茂をより確実に抑制することが可能となる。
【0044】
また、本実施形態に係る本実施形態に係る見切り材1及びそれに用いるクリップ材5によれば、クリップ材5を、全体がほぼU字断面になるように形成し、そのU字状凹部7の開口4を挟んで対向するように縁部を折り返して折返し部6,6としたので、防草シート3を長期間にわたり見切り材本体2に確実に固定しておくことが可能となる。
【0045】
本実施形態では、見切り材本体2として「スーパーエッジ」の商品名で販売されている軟質ポリ塩化ビニル製の長尺状平板を採用したが、防草シートを被せた状態でクリップ材で留めることができる限り、見切り材本体の構造や断面形状は任意であり、地盤面を区画することを目的としたすべての見切り材本体を採用することが可能である。
【0046】
また、本実施形態では、全体をほぼU字断面に形成するとともに、そのU字状凹部の開口を挟んで対向するように縁部を折り返して折返し部6,6としたクリップ材5を採用したが、本発明に係るクリップ材はかかる構成に限定されるものではなく、見切り材本体とそれに被せられた防草シートが挿入される溝状凹部が形成され該溝状凹部の開口を挟んで対向配置された当接部が弾性復元力によって防草シートを見切り材本体の側面に押し付けることができるものであれば、その断面形状や構造は任意であり、見切り材本体の断面形状を考慮しつつ、適宜構成することが可能である。
【0047】
図5は、変形例に係るクリップ材55を示したものである。
【0048】
同図に示すようにクリップ材55は、全体断面が円形の開断面となるように構成することで、溝状凹部としての円形凹部を形成してなり、該円形凹部の開口54を開いて見切り材本体2aの上縁に嵌め込んだとき、該円形凹部の開口54を挟む当接部56,56が見切り材本体2aの上縁側に被せられた防草シート3をしっかりと保持するようになっている。
【0049】
かかる変形例は、上縁に形成された円形突起57が比較的大きい見切り材本体2aに適しており、例えば「デュアルエッジ」(登録商標)の商品名で販売されている見切り材を本発明の見切り材本体とする場合に採用することができる。
【0050】
また、本実施形態では、防草シート3の上に砂利を敷設するようにしたが、防草シートの上にどのような地盤被覆材を敷設するかは任意であり、例えば砂利に代えて、土や芝生といった地盤被覆材を敷設するようにしてもかまわないし、さらには防草シートの上に地盤被覆材を敷設せず、もっぱら雑草の繁茂を防止する構成としてもかまわない。
【0051】
また、本実施形態では、防草シート3と反対の側に芝生を植生するようにしたが、芝生を植生しない場合であっても、地盤上の境界をすっきりと見せたい等の理由で見切り材本体を地盤に埋設し、その見切り材本体に防草シートを固定する必要があるのであれば、防草シートと反対の側をどのような地盤被覆材で覆うか、あるいはそもそも地盤被覆材で地盤を覆うかどうかはいずれも任意である。
【0052】
また、本実施形態では、見切り材本体の一方の側だけに防草シートを敷設する例を示したが、両側に防草シートを敷設する場合であっても、見切り材本体に被せられる防草シートが二重になって厚みが増すことを考慮してクリップ材を構成するようにすれば、本発明を適用することはもちろん可能である。
【0053】
また、本実施形態では、直線状に構成したクリップ材5を採用したが、本発明に係るクリップ材は直線状に限定されるものではなく、見切り材本体の設置状況に応じて、例えば図6(a)に示すように所定曲率に湾曲させた構成としたり、同図(b)に示すように隅部に対応できるよう、設置状態において平面形が直角となるように構成することが可能である。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るクリップ材について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図7は、第2実施形態に係るクリップ材85を示した全体斜視図である。第2実施形態に係るクリップ材85は同図に示すように、全体断面がほぼU字状になるように溝状凹部としてのU字状凹部87が形成されてなるポリ塩化ビニル製の長尺材であって、第1実施形態に係るクリップ材5と同様、地盤面と垂直になるように該地盤内に埋設された見切り材本体2がその上縁側に被せられた防草シート3とともにU字状凹部87の開口84を介して該U字状凹部に挿入されたとき、U字状凹部87の開口84が拡がる方向に変形しながら、該見切り材本体に嵌め込むことができるようになっている。
【0056】
ここで、クリップ材85を構成するU字状凹部87の開口84の近傍には、該開口を挟んで対向配置されてなる凹凸部86,86が形成してあり、図8でよくわかるように見切り材本体2及び防草シート3が開口84を介してU字状凹部87に挿入される際、その変形によって生じる弾性復元力が凹凸部86,86を介して防草シート3に作用するようになっており、凹凸部86,86は、防草シート3の表面にそれぞれ当接して該防草シートを見切り材本体2に狭着するための当接部として機能する。
【0057】
クリップ材85は、例えば高さが15mm程度、長さが40〜50cmとなるように形成することが可能であり、長さ方向には必要に応じて適宜継ぎ足すようにすればよい。
【0058】
本実施形態に係るクリップ材85を用いて防草シート3を固定するには、図2乃至図4で示した第1実施形態の施工手順と同様、まず、見切り材本体2を地盤21に埋設する。
【0059】
見切り材本体2を地盤21に埋設するにあたっては、芝生や砂利を敷設した状態で該見切り材本体の上縁が地表面と概ね揃うように、地盤21への埋設深さを調整するとともに、上述した方法で見切り材本体2を地盤21に埋設固定する。
【0060】
かかる埋設作業と相前後して、砂利が敷設される側に防草シート3を予め敷設する。
【0061】
次に、見切り材本体2のうち、地上に露出した部分に防草シート3の縁部を被せるとともに、挿入作業がしやすいよう、該露出部分の側面に防草シート3をぴったりと添わせる。
【0062】
次に、クリップ材85を構成するU字状凹部87の開口84を介して見切り材本体2が防草シート3とともに該U字状凹部に挿入されるように、クリップ材85を見切り材本体2に嵌め込む。
【0063】
このようにすると、クリップ材85は、U字状凹部87の開口84が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力は、U字状凹部87の開口84を挟んで対向配置された凹凸部86,86を介して防草シート3に作用するので、防草シート3は見切り材本体2にしっかりと固定される。
【0064】
次に、防草シート3の上に砂利42を撒いて敷き均すとともに、その反対側に芝生41を敷設する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態に係るクリップ材85によれば、見切り材本体2に嵌め込む際、U字状凹部87の開口84が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力が、U字状凹部87の開口84を挟んで対向配置された凹凸部86,86を介して防草シート3に作用する。
【0066】
そのため、クリップ材85を見切り材本体2に押し込むだけで、防草シート3を見切り材本体2に固定することが可能となり、従来のようにアンカーピンを地盤に差し込む手間がなくなるとともに、鋭利な先端を有するアンカーピンが、ガス管、水道管等の地中埋設物に損傷を与える懸念もない。
【0067】
また、防草シート3が見切り材本体2の上に被せられた状態で該見切り材本体に固定されるため、防草シート3と見切り材本体2との間に隙間が生じる余地がなくなり、かくして雑草の繁茂をより確実に抑制することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態に係る本実施形態に係るクリップ材85によれば、全体がほぼU字断面になるように形成し、そのU字状凹部87の開口84を挟んで対向するように凹凸部86,86を設けたので、防草シート3を長期間にわたり見切り材本体2に確実に固定しておくことが可能となる。
【符号の説明】
【0069】
1 見切り材
2,2a 見切り材本体
3 防草シート
4,54,84 開口
6 折返し部(当接部)
7,87 U字状凹部(溝状凹部)
5,55,85 クリップ材
21 地盤
41 芝生
42 砂利
56 当接部
86 凹凸部(当接部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に埋設される見切り材本体と、該見切り材本体がそれに被せられた防草シートとともに挿入される溝状凹部が形成された長尺状のクリップ材とで構成してなり、該クリップ材は、前記見切り材本体及び前記防草シートの前記溝状凹部への挿入時に該溝状凹部の開口が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力が前記溝状凹部の開口を挟んで対向配置された当接部を介して前記防草シートに作用するようになっていることを特徴とする見切り材。
【請求項2】
前記クリップ材を、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部をそれぞれ内方に折り返して折返し部をそれぞれ形成し、該折返し部を前記当接部とした請求項1記載の見切り材。
【請求項3】
前記クリップ材を、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部近傍に凹凸部をそれぞれ形成し、該凹凸部を前記当接部とした請求項1記載の見切り材。
【請求項4】
地盤に埋設される見切り材本体がそれに被せられた防草シートとともに挿入される溝状凹部を形成してなる長尺状のクリップ材であって、前記見切り材本体及び前記防草シートの前記溝状凹部への挿入時に該溝状凹部の開口が拡がる方向に変形するとともに、その変形によって生じる弾性復元力が前記溝状凹部の開口を挟んで対向配置された当接部を介して前記防草シートに作用するように構成したことを特徴とするクリップ材。
【請求項5】
前記クリップ材を、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部をそれぞれ内方に折り返して折返し部をそれぞれ形成し、該折返し部を前記当接部とした請求項4記載のクリップ材。
【請求項6】
前記クリップ材を、ほぼU字状断面に形成してそのU字状凹部を前記溝状凹部とするとともに、その開口縁部近傍に凹凸部をそれぞれ形成し、該凹凸部を前記当接部とした請求項4記載のクリップ材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−80852(P2012−80852A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232036(P2010−232036)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【出願人】(391024696)住友林業緑化株式会社 (39)
【Fターム(参考)】