説明

計時装置及びその組立方法

【課題】 専用治具を使用することなく、ムーブメント内の輪列が所定時刻の状態か否か等を確認でき、表示指針を、輪列の時刻と一致する位置に取り付けること等が可能な計時装置及びその組立方法を提供する。
【解決手段】 表示指針が取り付けられ、この表示指針を駆動する輪列を有するムーブメント350を備え、このムーブメント350が、輪列が所定時刻の輪列状態か否かを検出する検出スイッチと、この検出スイッチに電気的に接続され、文字板202の外周近傍に相当する位置に配置された端子360、361とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字板と、この文字板が取り付けられるムーブメントとを備える計時装置及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、時・分・秒・24時等を示す表示指針を駆動するムーブメントを備えたアナログ電子時計(計時装置)が知られている(例えば、特許文献1)。
この種の計時装置には、ムーブメントが、暦を表示する暦表示機構と、ムーブメント内の輪列が24時の状態になったことを検出する24時検出機能とを具備し、24時検出をトリガーにして暦送りを行うものが提案されている。
係る計時装置においては、24時検出時に、表示指針が指し示す時刻が24時となるように表示指針を取り付ける必要があるため、ムーブメント内の回路基板から輪列が24時の状態になったことを電気的に取り出すための専用治具をムーブメントに取り付け、このムーブメント内の輪列が24時の状態となるまでリューズを回し、専用治具を用いて24時を検出した時点でリューズを止めて、表示指針を24時の位置に取り付けるようにしていた。
【特許文献1】特開2003−255063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の構成では、ムーブメント内の輪列が24時の状態になったことを検出するには専用治具を必要とするため、専用治具を持たない工程(外装取り付け工程等)では、24時の輪列状態か否かを確認できなかった。また、専用治具が未配備のアフターサービス店舗等があった場合には、24時の輪列状態か否かを確認できないため、表示指針を輪列の時刻と一致する位置に取り付けることができなくなってしまう一方、これら全てに専用治具を配備すると莫大な費用がかかってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、専用治具を使用することなく、ムーブメント内の輪列が所定時刻の状態か否か等を確認でき、表示指針を、輪列の時刻と一致する位置に取り付けること等が可能な計時装置及びその組立方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、文字板と、この文字板が取り付けられるムーブメントとを備える計時装置において、前記ムーブメントが、当該計時装置の電気特性を確認するための端子を備え、この端子が、前記文字板の外周近傍に相当する位置に配置されていることを特徴とする。この構成によれば、計時装置の電気特性を確認するための端子を、ムーブメントが文字板の外周近傍に相当する位置に備えるので、ムーブメント内の回路基板から計時装置の電気特性を取り出すための専用治具を使用しなくても、上記端子を介して計時装置の電気特性を容易に確認することが可能になる。
また、上記構成において、前記ムーブメントは、文字板と表示指針とが取り付けられ、前記表示指針を駆動する輪列を備えたムーブメントであり、当該ムーブメントが、前記輪列が所定時刻の輪列状態か否かを検出する検出スイッチを備え、この検出スイッチに前記端子が電気的に接続されていることを特徴とする。この構成によれば、専用治具を使用しなくても、上記端子を用いて検出スイッチの開閉を検出することによって、ムーブメント内の輪列が所定時刻の輪列状態か否かを確認することができる。
【0005】
また、上記構成において、前記ムーブメントが、前記文字板よりもその外側に延出する延出部を備え、この延出部における文字板側の面に、前記端子を配置してもよい。また、上記構成において、前記ムーブメントが、前記文字板の外周近傍の裏面に対して間隔を空けて対向する対向部を備え、この対向部における文字板側の面に、前記端子を配置してもよい。また、上記構成において、前記検出スイッチが、グランドラインに非接続の第1接点と、グランドラインに接続され、前記輪列が所定時刻の輪列状態の場合に前記第1接点と導通する第2接点とを有し、前記端子が、前記第1接点に電気的に接続された端子であってもよい。
また、上記構成において、前記ムーブメントが、前記第2接点に電気的に接続されたグランド端子を備え、前記グランド端子が、前記文字板の外周近傍に相当する位置に配置されるようにしてもよい。また、前記検出スイッチが、前記輪列が24時の輪列状態のときに導通するスイッチであってもよい。また、前記ムーブメントが、暦表示機構と、前記輪列が前記所定時刻の輪列状態の場合に、前記暦表示機構を駆動可能な駆動部とを備えていてもよい。
【0006】
また、本発明は、計時装置の組立方法において、前記ムーブメントに対し、導通検出器から延びる一方のプローブを、前記文字板の外周近傍に相当する位置に配置された前記端子に接触させると共に、前記導通検出器から延びる他方のプローブを、前記ムーブメントの前記検出スイッチに電気的に接続された所定箇所に接触させて、前記導通検出器により前記端子と前記所定箇所との間の導通が検出されるまで、前記輪列を駆動し、導通が検出されたら前記輪列を停止し、前記表示指針を、前記所定時刻に合わせて前記ムーブメントに取り付けることを特徴とする。
この構成によれば、導通検出器から延びる一方のプローブを、文字板の外周近傍に相当する位置に配置され、輪列が所定時刻の輪列状態か否かを検出する検出スイッチに電気的に接続された端子に接触させ、導通検出器から延びる他方のプローブを、ムーブメントの検出スイッチに電気的に接続された所定箇所に接触させて、導通が検出されるまでムーブメント内の輪列を駆動し、導通が検出されたら輪列を停止して、表示指針を所定時刻に合わせてムーブメントに取り付けるので、専用治具を使用しなくても、表示指針を輪列の時刻と一致する位置に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ムーブメントが、当該計時装置の電気特性を確認するための端子を備え、この端子が、文字板の外周近傍に相当する位置に配置されているので、ムーブメント内の回路基板から計時装置の電気特性を取り出す専用治具を使用しなくても、上記端子を介して計時装置の電気特性を容易に確認することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、本発明を腕時計に適用した場合について例示する。なお、以下の説明において、日付は全て太陽暦に従うものとする。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る腕時計の外観構成を示す図である。図1に示すように、腕時計(計時装置)1は、時計本体部1aと、この時計本体部1aに連結されたベルト1bとを備えて構成されている。時計本体部1aは、筐体200と、この筐体200内に設けられた円盤状の文字板202とを備え、この文字板202の上面には、秒針61と、分針(長針)62と、時針(短針)63からなる3つの表示指針が設けられている。文字板202には、その円周に沿って、時刻を示す記号(図示せず)が等間隔に配置されており、表示指針61〜63の各々が指し示す記号(本実施形態では、記号には文字も含まれるものとする)により、現在時刻が表示される。
【0010】
また、文字板202には、略矩形にくり抜かれてなる日表示窓204と、24時表示部205と、月表示部206と、年表示窓208とがそれぞれ設けられている。日表示窓204には、暦の「日」を示す「1」乃至「31」のいずれか1の数字が表示される。この場合、後述するように、1位の数字と10位の数字とは別々の日車(暦表示車)に付され、暦の「日」は、各日車に付された数字によって表示される。24時表示部205には、その円周に沿って、24等分された時刻を示す記号が等間隔に配置されており、24時表示針(表示指針)205aが指し示す記号により「時間」が表示される。
【0011】
また、月表示部206には、その円周に沿って、暦の「月」を示す、例えば「JAN」(1月を示す)〜「DEC」(12月を示す)のいずれか1の記号が等間隔に配置され、月表示針(表示指針)206aが指し示す記号により暦の「月」が表示される。また、年表示窓208には、閏年から何年目であるかを示す、数字「0」乃至「3」のいずれか1の数字が表示され、閏年であれば、数字「0」を表示し、それ以降、「1」「2」「3」を表示する。これにより、ユーザは暦の「年」を知ることができる。
【0012】
図2に示すように、文字板202(図2中、輪郭のみを示す)の裏側には、ムーブメント350が配置されている、ムーブメント350は、図3に示すように、円盤状の地板303と、この地板303の時計表側に配置される表側押さえ板304と、地板303の時計裏側に配置される裏側押さえ板305と、当該ムーブメントに回転可能に連結された回転錘45とを備え、この地板303を挟んで、表側押さえ板304との間にオートカレンダ機構(暦表示機構)を備え、裏側押さえ板305との間に時計としての基本機構(時計輪列を含む)が配置されている。
【0013】
上記地板303は、オートカレンダ機構及び表示指針61〜63を駆動する運針機構(時計輪列を含む)Eの各歯車軸の一端を軸支し、上記表側押さえ板304は、オートカレンダ機構の各歯車軸の他端を軸支し、裏側押さえ板305は、運針機構Eの各歯車軸の他端を軸支する。また、表側押さえ板304の時計表側には、図2に示すように、オートカレンダ機構の一部を構成する1位の日車89、10位の日車92及び年表示車208aが取り付けられ、これらを覆うように文字板200が載置される。
また、地板303には、外部操作部材を構成するリューズ399(図1)が巻真400を介して連結され、このリューズ399は、多段階に亘って軸方向に引き出し自在に支持され、リューズ399の引き出しがない通常位置(0段引きの位置(図1に示す位置))では、リューズ399は空回りし、1段引きの位置では、リューズ399の回転により暦修正が可能となり、2段引きの位置では、リューズ399の回転により時刻修正が可能に構成されている。なお、本実施形態では、リューズ399がムーブメント350の3時位置に取り付けられているが、これに限らず、他の位置に取り付けてもよい。
【0014】
図4はオートカレンダ機構を示す図である。このオートカレンダ機構は、上記地板303の一方の面(時計1の表側)に支持され、その駆動源は、圧電アクチュエータ(駆動手段)71である。この圧電アクチュエータ71は、振動子である圧電素子を備え、この圧電素子の振動により、ロータ72の外周部を突っつき、これによって、当該ロータ72を回転させる。このロータ72を含む、以下に説明する減速輪列等がいわゆる歯車輪列を構成している。すなわち、このロータ72はロータかな72aを一体に備え、このロータかな72aには、中間車74が噛み合う。この中間車74の中間車かな74aには、中間車75が噛み合い、その中間車かな75aには、中間車76が噛み合う。この中間車76は、制御車かな77に噛み合い、この制御車かな77は、制御車78と一体に形成される。ここまでは制御車78を回すための減速輪列である。なお、211は、制御車かな77の位置決め用のジャンパである。
【0015】
また、上述した中間車75には、図5に示すように、圧電ロータ72の送り量検出用のばねスイッチ300が設けられている。このばねスイッチ300は、中間車75の回転に応じて開閉される機械式スイッチであり、弾性を有する金属材料、例えば、リン青銅やステンレス鋼等で形成され、中間車75の支持軸に固定されたばね接点301と、地板303に配置された回路基板303a(図6)上に設けられ、この中間車75と共に回転するばね接点301を介して導通する導通端子部302とから構成される。この導通端子部302は、圧電ロータ72の送り量が暦を1日分送る送り量になる毎に、つまり、その送り量に対応する角度だけ中間車75が回転する毎に、ばね接点301を介して導通した状態(閉状態)から非導通の状態(開状態)に切り替わるように、回路基板303aの配線パターンの一部として構成されている。この導通端子部302は、後述する制御部A(図8)と電気的に接続され、制御部Aは、このばねスイッチ300の開状態から閉状態への切り替わりを検出することにより、圧電ロータ72の送り量が暦を1日分送る送り量となったことを検出する。すなわち、このばねスイッチ300は、圧電ロータ72の送り量を検出するロータ送り量検出手段として機能する。
【0016】
制御車78は、爪数が異なる複数の爪車を備え、いずれかの爪車が、図4中、制御車78の上方に位置する、1位の日車89を回す日回し車87と、10位の日車92を回す日回し車90と、図中で制御車78の右下に位置する、月車(暦表示車)82を回す月表示中間車79とにそれぞれ噛み合う。ここで、1位の日車89の外周表面には「0」〜「9」の数字が周方向に等間隔に表示され、10位の日車92の外周表面には「空領域」と「1」〜「3」の数字が周方向に等間隔に表示される。なお、「空領域」とは数字の記載がない領域で、該当日が一桁の「日」(すなわち、1日〜9日)に相当するとき、10位に位置付けられる。
【0017】
上述した日表示窓204には、1位の日車89上の数字「0」〜「9」と、10位の日車92上の「空領域」或いは数字「1」〜「3」との組み合わせにより、暦の「日」を示す「1」乃至「31」のいずれかの数字が表示される。
上述した制御車78が回転すると、まず、1位の日車89に対応する歯車体の1位送り爪を介して、日回し車87及び1位日かな88が回転し、これと一体に1位の日車89が回転し、その外周表面上の数字「0」〜「9」が、原則的に、1日に1回の割合で周方向に一つ送られる。この制御車78の回転に応じて、1位の日車89の回転が進み、10位が繰り上がる日付に至ると、今度は、10位の日車92に対応した歯車体の10位送り爪を介して、日回し車90及び10位日かな91が回転し、これと一体に10位の日車92が回転し、その外周表面上の「空領域」或いは数字「1」〜「3」が、10日に1回の割合で周方向に一つ送られる。
【0018】
また、制御車78の回転に対応して、1位の日車89及び10位の日車92の回転が進み、「月」の表示が繰り上がる日付に至ると、今度は、月車82に対応した歯車体の月送り爪を介して、月表示中間車79及び月検出車80が回転し、これと一体に月車82が回転する。そして、月車82に接続された月表示針206aが回転し、月表示部206上の暦の「月」を示す「JAN」(1月を示す)〜「DEC」(12月を示す)のいずれか1の記号が指し示され、暦の「月」表示が行われる。
【0019】
月検出車80には、年表示中間車83が噛み合い、この年表示中間車83には年送り車84が噛み合う。そして、この年送り車84には、年表示車208aを回す年車(暦表示車)85が噛み合う。この年表示車208aの表面(時計表側)には、「0」〜「4」の数字が周方向に等間隔に表示される。この場合、年送り車84は、1年の期間を経て、初めて年車85を90°回転させるように構成される。従って、年表示車208aは1年に1回送られ、年表示窓208には、数字「0」〜「4」が順に表示され、例えば、それは閏年から何年目であるかを表示し、これにより、暦の「年」が表示される。
【0020】
すなわち、このオートカレンダ機構は、圧電ロータ72の回転を歯車輪列を介して減速して制御車78を回転し、この制御車78の回転により、日車(1位の日車89及び10位の日車92)、月車82及び年車85をそれぞれ回転するように構成されている。本実施形態では、この圧電ロータ72と制御車78との間の減速輪列に含まれる中間車75に上記ばねスイッチ300を設けているので、このばねスイッチ300がばね接点301との接触によって中間車75に与える負荷トルクが中間車75の回転トルクよりずっと小さくなっている。このため、この負荷トルクがオートカレンダ機構の駆動に与える影響は支障がない程度に小さくなっている。
【0021】
上記24時表示部205では、その駆動力が、オートカレンダ機構の駆動源とは異なり、地板303の裏側に配置された運針機構Eの駆動源から取られる。すなわち、運針機構Eの筒車(時針(短針)63を支持する筒車)に筒車体93が一体化されており、この筒車体93には、24時検出車94が噛み合う。そして、この24時検出車94には、24時車95が噛み合い、この24時車95の回転により、24時表示針205aが回転する。この24時表示針205aは1時間に1回送られる。
【0022】
この24時検出車94には、図6に示すように、中間車75に設けられた上記ばねスイッチ300と略同様のばねスイッチ(検出スイッチ)310が設けられ、このばねスイッチ310は、24時検出車94の回転軸に固定されたばね接点97と、地板303に配置された回路基板303a上に設けられ、24時検出車94と共に回転するばね接点97を介して導通する導通端子部(第1接点)97a及び導通端子部(第2接点)97bとから構成される。
導通端子部97a、97bは、24時検出車94が「午前零時(24時)」の回転位置の場合に、ばね接点97を介して導通するように、回路基板303aの配線パターンの一部として構成されている。この導通端子部97a、97bは、この導通端子部97a、97bから延びる配線97a1、97b1を介して制御部Aと電気的に接続され、制御部Aは、このばねスイッチ310の導通を検出することにより、運針機構Eが「午前零時(24時)」の輪列状態か否かを検出する。すなわち、このばねスイッチ310は、24時の輪列状態となったことを検出する24時検出スイッチとして機能する。
【0023】
次に、カレンダ検出(年検出、月検出及び日検出)について説明する。
上記構成において、年表示中間車83の中間車かな83aには、年検出車86が噛み合い、この年検出車(検出車)86には上記ばねスイッチ300と略同様のばねスイッチ320が設けられる。具体的には、図4及び図7に示すように、年検出車86には、ばね接点96が設けられ、このばね接点96と対向する回路基板303a上には、年検出車86の回転に応じて、年検出車86と共に回転するばね接点96を介して導通する導通端子部96Tが設けられる。この導通端子部96Tは、表示される年が「閏年」か否かで導通(閉状態)或いは非導通(開状態)となるように形成されている。この導通端子部96Tは、後述する制御部Aと電気的に接続され、制御部Aは、ばねスイッチ320の開閉を検出することにより、該当年が「閏年」か「非閏年(平年)」のいずれかを検出する。
【0024】
また、上記月検出車(検出車)80には、表示される月が「大」の月か否かを検出するばねスイッチ331と、表示される月が、2月を除く「小」の月か否かを検出するばねスイッチ332が設けられる。具体的には、図2及び図7に示すように、月検出車80の支持軸には、ばね接点98が設けられ、このばね接点98と対向する回路基板303a上に、月検出車80と共に回転するばね接点98を介して導通する導通端子部98Tとして、表示される月が「大」の月の場合に導通(閉状態)或いは非導通(開状態)となる導通端子部98T1と、表示される月が2月を除く「小」の月の場合に導通(閉状態)或いは非導通(開状態)となる導通端子部98T2とが形成される。導通端子部98T1、98T2は、後述する制御部Aに配線接続され、制御部Aは、ばねスイッチ331及び332の開閉の組み合わせを検出することにより、表示されている「月」が、「2月」か、2月を除く「小の月」か、或いは「大の月」かのいずれかを検出する。
【0025】
また、1位の日車(検出車)89及び10位の日車(検出車)92の裏面には、反射領域と非反射領域とが設けられた光検出用パターン(図示せず)が設けられ、図6に示すように、地板303に設けられた基板上には、このパターンを読みとる複数のフォトリフレクタ(反射型フォトセンサ)100、101、102、103が配置されている。具体的には、10位の日車92と対向する回路基板303a上には、異なる位置に光を照射してその反射光を受光する2つのフォトリフレクタ102、103が配置され、この日車92の裏面には、各フォトリフレクタ102、103によって、表示されている日が、「00or10」、「20」、「30」のいずれかを判別可能にする光検出用パターンが設けられている。
また、1位の日車89と対向する基板上にも、2つのフォトリフレクタ100、101が配置され、この日車89の裏面には、各フォトリフレクタ100、101によって、表示されている1位の「日」が「2〜8」、「9」、「0」、「1」のいずれかを判別可能にする光検出用パターンが設けられる。これらフォトリフレクタ100〜103は制御部Aに配線接続され、制御部Aは、フォトリフレクタ100〜103の検出結果に基づいて、表示されている10位の「日」が、「0or1」か、「2」か、「3」のいずれかを検出すると共に、表示されている1位の「日」が、小の月には存在しない日(29、30、31)の1位の日である「9」か、「0」か、「1」か、それとも「2〜8」のいずれかを検出する。
【0026】
上述したように、本実施形態では、ロータ72に対する減速比が小さい歯車、すなわち、回転トルクが小さい歯車(日車89、92)を用いる日検出には、非接触検知のため比較的耐久性が高いフォトリフレクタ100〜103を用い、その他のカレンダ検出には、ばねスイッチを用いることで、耐久性にも負荷トルク低減にも消費電力の低減にも優れたカレンダ検出機構が提供されている。
【0027】
図8は、腕時計1の電気的構成を機械的構成と共に示す図である。同図に示すように、腕時計1は、制御部Aと、発電部Bと、電源部Cと、指針駆動部Dと、運針機構Eと、日付機構駆動部Fと、オートカレンダ機構(ロータ72のみを示す)とを備えている。
【0028】
発電部Bは、交流電力を発電するものであり、回転錘45を備えている。この回転錘45は、ユーザの手首などの動きに伴って旋回可能に設けられており、回転錘45の旋回(運動エネルギー)が増速用ギア46を介して発電装置40に伝達されるようになっている。発電装置40は、発電用ステータ42と、この発電用ステータ42の内部に回転可能に設けられた発電用ロータ43と、発電用ステータ42に電気的に接続された発電コイル44とを備えており、発電用ロータ43が回転錘45の旋回(運動エネルギー)により回転し、この回転により発電コイル44に交流電圧が誘起されるようになっている。つまり、腕時計1がユーザに装着されている間、ユーザが何らかの動作をするに伴い、回転錘45が旋回することにより、発電が行われる。
【0029】
電源部Cは、発電部Bからの交流電圧を整流して蓄電し、蓄電した電力を昇圧して各構成部分へ給電する。具体的に説明すると、電源部Cは、整流回路として作用するダイオード47、大容量コンデンサ48及び昇降圧回路49から構成されている。昇降圧回路49は、3つの容量49a、49b及び49cを用いて多段階の昇圧及び降圧ができるようになっており、制御部Aからの制御信号によって指針駆動部Dに供給する電圧を調整することができる。また、昇降圧回路49の出力電圧はモニタ信号によって制御部Aにも供給されており、これによって、制御部Aは、出力電圧をモニタしている。ここで、電源部Cは、Vdd(高電圧側)を基準電位(グランド)に取り、Vss(低電圧側)を電源電圧として生成している。
【0030】
指針駆動部Dは、制御部Aの制御の下、運針機構Eに様々な駆動パルスを供給するものである。本実施形態では、指針駆動部Dは、秒針61を駆動する秒針駆動部D1と、時針63、分針62及び24時表示針205aを駆動する時分針駆動部D2とから構成されている。さらに説明すると、秒針駆動部D1は、直列に接続されたpチャンネルMOS33aとnチャンネルMOS32a、及びpチャンネルMOS33bとnチャンネルMOS32bによって構成されたブリッジ回路を備えている。また、秒針駆動部D1は、pチャンネルMOS33a及び33bとそれぞれ並列に接続された回転検出用抵抗35a及び35bと、これらの抵抗35a及び35bにチョッパパルスを供給するためのサンプリング用のpチャンネルMOS34a及び34bを備えている。したがって、これらのMOS32a、32b、33a、33b、34a及び34bの各ゲート電極に制御部Aからそれぞれのタイミングで極性及びパルス幅の異なる制御パルスが印加されることにより、運針機構Eの一部を構成する秒針運針機構E1に、例えば極性の異なる駆動パルスなどの様々の駆動パルスを供給することができるようになっている。
【0031】
また、時分針駆動部D2は、秒針駆動部D1と略同様に構成され、制御部Aから極性及びパルス幅の異なる制御パルスが印加されることにより、運針機構Eの一部を構成する時分針運針機構E2に、例えば極性の異なる駆動パルスなどの様々の駆動パルスを供給することができるようになっている。
【0032】
運針機構Eは、秒針運針機構E1と時分針駆動部E2から構成される。秒針運針機構E1は、ステッピングモータ10を備え、このステッピングモータ10により秒針61を回転駆動する。詳述すると、ステッピングモータ10は、秒針駆動部D1から供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル11と、この駆動コイル11によって励磁されるステータ12と、さらに、ステータ12の内部において励磁される磁界により回転するロータ13を備えている。また、ステッピングモータ10は、ロータ13がディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。ステータ12には、駆動コイル11で発生した磁力によって異なった磁極がロータ13の周りのそれぞれの相(極)15及び16に発生するように磁気飽和部17が設けられている。また、ロータ13の回転方向を規定するために、ステータ12の内周の適当な位置には内ノッチ18が設けられており、コギングトルクを発生させてロータ13が適当な位置に停止するようにしている。このステッピングモータ10のロータ13の回転は、かなを介してロータ13に噛合された秒中間車51及び秒車52からなる輪列50によって秒針61に伝達され、秒針61が回転駆動される。
【0033】
また、時分針駆動部E2は、ステッピングモータ20を備えており、ステッピングモータ20が分針62を回転駆動することにより、この分針62の回転に連動して、時針63と24時表示針205aとを回転駆動する。詳述すると、ステッピングモータ20は、上記ステッピングモータ10と同様に、ステータ22とロータ23を備え、ステータ22には、駆動コイル21で発生した磁力によって異なった磁極がロータ23の周りのそれぞれの相(極)25及び26に発生するように磁気飽和部27Aが設けられている。また、ロータ23の回転方向を規定するために、ステータ22の内周の適当な位置には内ノッチ28Aが設けられ、コギングトルクを発生させてロータ23が適当な位置に停止するようになっている。
【0034】
このステッピングモータ20のロータ23の回転は、かなを介してロータ23に噛合された四番車26、三番車27、二番車28、日の裏車29、筒車(時指示車)93a、筒車体93、24時検出車94及び24時車95からなる輪列30によって各針に伝達される。二番車28には分針62が接続され、筒車93aには時針63が接続され、さらに、24時車95には24時表示針205aが接続されている。ロータ23の回転に連動してこれらの各針によって時分が表示される。
【0035】
日付機構駆動部Fは、制御部Aの制御の下、圧電アクチュエータ71の圧電素子に交流電圧を印加することにより、圧電アクチュエータ71に振動を生じさせ、この振動により圧電ロータ72の外周部を突っついて当該圧電ロータ72を回転駆動させ、これによって、オートカレンダ機構を駆動するものである。
【0036】
制御部Aは、腕時計1の各部を制御するものであり、指針駆動部D及び運針機構Eを制御して、秒針61、時針63、分針62及び24時表示針205aを回転駆動して現在時刻を表示させ、24時検出車94に設けられたばねスイッチ300が閉状態(導通状態)となった場合、この24時検出をトリガーにして日付機構駆動部Fによりオートカレンダ機構を駆動して暦送りを行う。この暦送り時には、まず、オートカレンダ機構を1日分だけ回転駆動する1日送り処理が実行され、送られた日を検出して非存在日であるか否かを判定するカレンダ検出処理が実行され、非存在日であると判断すると、実際の存在日を表示させるべくオートカレンダ機構を駆動していわゆる月末補正を行うカレンダ補正処理が実行される。
【0037】
さて、本実施形態では、図2及び図3に示すように、ムーブメント350の地板303が、文字板202よりも大径の円盤状に形成され、この文字板202より外側に延出する外縁部(延出部)303bには、チェック端子360と共通端子361とが間隔を空けて配置されている。
このチェック端子360及び共通端子361は、図3に示すように、地板303に配置される回路基板303aの配線パターンの一部として形成され、地板303の外縁部303bには、略10時〜11時位置の領域R1と、略11時〜12時位置の領域R2とを除いて、時計表側に立設する壁部310a、310b及び310cが一体形成されている。この地板303には、回路基板303aが、その一部を、壁部310a、310b間及び壁部310b、310c間に嵌るように配置されて地板303に位置決めされ、この位置決め状態のときに、チェック端子360が領域R1に配置され、共通端子361が領域R2に配置されるようになっている。
本実施形態では、文字板202の外径が30.0mmであり、地板303の外径が32.2mmであり、この地板303に回路基板303aを配置した場合に、チェック端子360と共通端子361とが地板303の30.0〜31.8mmの範囲に位置するように構成されている。なお、地板303の時計表側に配置される表側押さえ板304は、文字板202の外径と略同様か文字板200より小径の形状に形成され、チェック端子360と共通端子361との時計表側を覆わない形状に形成されている。
【0038】
図6に示すように、チェック端子360には、24時検出スイッチとして機能するばねスイッチ310の導通端子部97aから延出する配線97a1が接続され、また、共通端子361には、ばねスイッチ310の導通端子部97bから延出する配線97b1が接続される。ここで、共通端子361に接続される配線97b1はグランドラインであるため、共通端子361はグランド端子として機能する。上記構成により、このムーブメント350においては、チェック端子360と共通端子361との導通を検出することにより、ばねスイッチ301が閉状態にあるか否か、つまり、ムーブメント350が24時の輪列状態か否かを検出できるようになっている。
【0039】
本構成では、ムーブメント350が、外部に露出する位置に、24時検出スイッチとして機能するばねスイッチ310の一方の導通端子部97aに配線接続されるチェック端子360と、他方の導通端子部97bに配線接続される共通端子361とを備えるので、市販の簡易電流電圧計(いわゆるテスター)等の導通検出機能を有する検出器(導通検出器)から延びる一方のプローブを、チェック端子360に接触させ、他方のプローブを共通端子361に接触させることが容易で、ばねスイッチ310の開閉(導通/非導通)を容易に検出することができる。
このため、回路基板303aから導通端子部97a、97b間の導通を電気的に取り出すための専用治具を用いなくても、ばねスイッチ310の開閉(導通/非導通)を検出でき、専用治具を持たない工程(外装取り付け工程等)やアフターサービス店舗でも、ムーブメント350が24時の輪列状態か否かを確認することができる。また、このチェック端子360と共通端子361を使用することによって、ムーブメント350の電気特性を確認することもできる。
【0040】
また、本構成では、チェック端子360と共通端子361とが配置される地板303が、文字板202より大径に形成され、この地板303の外縁部(延出部)303bの時計表側から、チェック端子360と共通端子361とが露出するので、ムーブメント350に文字板202を取り付けた状態でも、チェック端子360と共通端子361とが外部から視認可能であり、文字板202を取り付けた状態でも時計表側からムーブメント350が24時の輪列状態か否か等を確認することができる。
さらに、本構成では、チェック端子360と共通端子361とが配置される地板303が、これら端子360、361の周りに立設する壁部310a、310b及び310cを備えるので、この壁部310a、310b間、及び、壁部310b、310c間に、導通検出器から延びる2本のプローブを挿入すれば、各プローブをチェック端子360と共通端子361とに容易に接触させてその接触状態に保持させることができる。
【0041】
ところで、ムーブメント350に表示指針(時針63、分針62、24時表示針205a、月表示針206a)を取り付ける場合、作業者が、リューズ399を時刻調整可能な2段引きの状態にして、導通検出器を用いてムーブメント350が24時の輪列状態か否かを確認しながら、24時の輪列状態になるまでリューズ399を回す作業が必要となる。
本構成では、チェック端子360と共通端子361とを、ムーブメント350の左側半分の領域内に配置しているので、一人の作業者が、左手に箸を持つような持ち方で2本のプローブを持ってチェック端子360と共通端子361との導通/非導通を確認しながら、空いている右手で、ムーブメント350の右側に配置されたリューズ399を操作することができる。
この場合、リューズ399の操作は、作業者がムーブメント350を手前に引き寄せて行うのが一般的である。かかる作業状態では、ムーブメント350を作業者の近くに配置するため、左手に持つプローブは、ムーブメント350の略10時〜12時位置の範囲が当てやすい場合がある。本構成では、チェック端子360と共通端子361とを、ムーブメント350の略10時〜12時位置の範囲に配置しているので、左手に持った2本のプローブで24時の輪列状態か否かを確認しながら、24時の輪列状態になるまでリューズ399を回す作業がし易くなっている。但し、チェック端子360と共通端子361との配置位置は、これに限らず、例えば、ムーブメント350の左側に相当する略6時〜略12時位置のいずれの位置にしてもよい。
【0042】
このため、本構成では、ムーブメント350に表示指針(時針63、分針62、24時表示針205a、月表示針206a)を取り付ける場合、作業者が、導通検出器から延びる2本のプローブを左手で持って、ムーブメント350のチェック端子360と共通端子361とに各々接触させ、導通が検出されるまで右手でリューズ399を回し、導通が検出されたらリューズ399の操作を止めて、その状態で、表示指針を、24時に合わせてムーブメント350に取り付けることにより、専用治具を使用することなく、ムーブメント350内の運針機構Eの時刻状態と一致する時刻の位置に各表示指針を組み付けることが可能となる。
【0043】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、ムーブメント350の地板303を、文字板202よりも大径の円盤状に形成する場合について例示したが、要は、ムーブメント350において、文字板202の外周近傍に相当し、導通検出器のプローブを接触可能な位置にチェック端子360及び共通端子361を配置するように構成すればよい。
具体的には、図9に示すように、地板303を文字板202と略同径に形成した場合には、この地板303の外周部の時計表側にチェック端子360を配置し、このチェック端子360と文字板202との間に、導通検出器のプローブが入る程度の間隙αが形成されるように、表側押さえ板304を文字板202よりも小径化しておけばよい。この構成によっても、専用治具を使用することなく、ムーブメント350が24時の輪列状態か否か等を容易に確認することができる。なお、図9は、ムーブメント350を12時方向から見た側面図であり、チェック端子360を9時位置に配置した場合を示している。
【0044】
また、上述した実施形態では、ムーブメント350に、チェック端子360と、グランドラインとして機能する共通端子361とを配置する場合を例示したが、グランドライン(共通ライン)が、ムーブメント構成部材(地板303、表側押さえ板304等)に電気的に接続されている場合等、導通検出器のプローブをムーブメントの外部からグランドラインに接触可能な構成の場合には、チェック端子360とこのグランドラインとの間の導通を検出すればよいので、共通端子361を省略し、チェック端子360だけとしてもよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、機械式スイッチとしてばねスイッチを用いる場合について例示したが、ばねスイッチの代わりに、その他の機械式スイッチを適用してもよい。また、上述の実施形態では、圧電アクチュエータ71によりオートカレンダ機構を駆動する場合について例示したが、圧電アクチュエータ71に代えて、モータ等の他の駆動部を用いてオートカレンダ機構を駆動するようにしてもよい。また、上述の実施形態では、日表示窓204と、24時表示部205と、月表示部206と、年表示窓208とを有する時計に本発明を適用する場合について例示したが、日や曜日だけを表示する時計や、24時表示を行う時計等の様々な計時装置に適用可能である。なお、本発明の実施形態では、太陽暦を使用したもので説明したが、太陰暦を使用してもよいのは勿論である。
【0046】
また、上述の実施形態において、チェック端子360、或いは、この端子360に加えて、この端子360と同様に、ムーブメント350に文字板202を取り付けた状態でも利用可能な端子を更に設け、この端子からムーブメント350内のモータの駆動信号や基準クロック信号を出力するようにしてもよい。このようにすれば、ムーブメント350に文字板202を取り付けた状態でも、専用治具を使用することなく、モータ駆動波形や基準クロック波形を確認することができる。さらに、上記端子から、発電部Bの発電量を示す情報(発電電力そのものも可)を出力してもよく、また、この計時装置がソーラパネルを備え、このパネルが文字板とほぼ同じサイズに形成されてムーブメントに取り付けられる構成をとる場合等に、このソーラパネルの発電量を示す情報を上記端子から出力するようにしてもよく、要は、この計時装置の任意の電気特性を上記端子を介して確認可能に構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係る腕時計の外観構成を示す図である。
【図2】文字板とムーブメントを示す図である。
【図3】文字板とムーブメントを12時方向から見た側面図である。
【図4】オートカレンダ機構を示す図である。
【図5】圧電ロータの送り量検出用のばねスイッチを説明するための図である。
【図6】地板と回路基板を示す図である。
【図7】年検出および月検出のためのばねスイッチを説明するための図である。
【図8】ムーブメントの電気的構成を機械的構成と共に示す図である、
【図9】変形例に係る文字板とムーブメントを12時方向から見た側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…腕時計(計時装置)、202…文字板、61…秒針(表示指針)、62…分針(表示指針)、63…時針(表示指針)、71…圧電アクチュエータ、100〜103…フォトリフレクタ、205a…24時表示針(表示指針)、206a…月表示針(表示指針)、300、310、320、331、332…ばねスイッチ、303…地板、304…表側押さえ板、305…裏側押さえ板、350…ムーブメント、399…リューズ、A…制御部、A1…時計制御部、A2…カレンダ制御部、B…発電部、C…電源部、D…指針駆動部、E…運針機構、F…日付機構駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字板と、この文字板が取り付けられるムーブメントとを備える計時装置において、
前記ムーブメントが、当該計時装置の電気特性を確認するための端子を備え、この端子が、前記文字板の外周近傍に相当する位置に配置されていることを特徴とする計時装置。
【請求項2】
前記ムーブメントは、文字板と表示指針とが取り付けられ、前記表示指針を駆動する輪列を備えたムーブメントであり、
当該ムーブメントが、前記輪列が所定時刻の輪列状態か否かを検出する検出スイッチを備え、この検出スイッチに前記端子が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の計時装置。
【請求項3】
前記ムーブメントが、前記文字板よりもその外側に延出する延出部を備え、この延出部における文字板側の面に、前記端子が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の計時装置。
【請求項4】
前記ムーブメントが、前記文字板の外周近傍の裏面に対して間隔を空けて対向する対向部を備え、この対向部における文字板側の面に、前記端子が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の計時装置。
【請求項5】
前記検出スイッチが、グランドラインに非接続の第1接点と、グランドラインに接続され、前記輪列が所定時刻の輪列状態の場合に前記第1接点と導通する第2接点とを有し、
前記端子が、前記第1接点に電気的に接続された端子であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の計時装置。
【請求項6】
前記ムーブメントが、前記第2接点に電気的に接続されたグランド端子を備え、前記グランド端子が、前記文字板の外周近傍に相当する位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の計時装置。
【請求項7】
前記検出スイッチが、前記輪列が24時の輪列状態のときに導通するスイッチであることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の計時装置。
【請求項8】
前記ムーブメントが、暦表示機構と、前記輪列が前記所定時刻の輪列状態の場合に、前記暦表示機構を駆動可能な駆動部とを備えることを請求項2乃至7のいずれかに記載の計時装置。
【請求項9】
請求項2乃至7のいずれかに記載のムーブメントに対し、導通検出器から延びる一方のプローブを、前記文字板の外周近傍に相当する位置に配置された前記端子に接触させると共に、前記導通検出器から延びる他方のプローブを、前記ムーブメントの前記検出スイッチに電気的に接続された所定箇所に接触させて、前記導通検出器により前記端子と前記所定箇所との間の導通が検出されるまで、前記輪列を駆動し、導通が検出されたら前記輪列を停止し、前記表示指針を、前記所定時刻に合わせて前記ムーブメントに取り付けることを特徴とする計時装置の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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