説明

記録紙搬送機構

【課題】 レイアウトの自由度を増し、画像形成装置を省スペースに設計することができる記録紙搬送機構を提供する。
【解決手段】 記録紙を第一の搬送速度と、第一の搬送速度よりも遅い第二の搬送速度と、第一の搬送速度よりも速い第三の搬送速度で搬送するように搬送手段を制御可能な制御手段により、搬送速度を制御して、第二の搬送速度で記録紙の所定の位置が給紙センサを通過するようにし、その後記録紙を一時的に第三の搬送速度で搬送し、さらに記録紙を第一の搬送速度で搬送して、記録紙の所定の位置が給紙センサによる検出時から印字部に到達するまでの時間を、記録紙の所定の位置が給紙センサの検出時から一様に第一の搬送速度で搬送されていたとみなした場合に、記録紙の所定の位置が給紙センサによる検出時から目標位置に到達するまでの時間と等しくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法を利用して記録紙に画像を形成する画像形成装置に関し、特に、該画像形成装置に用いられ、記録紙の搬送速度を制御する記録紙搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真法を利用した画像形成装置が広く用いられている。この種の画像形成装置は、一様に帯電させた感光体ドラム表面の感光体を画像情報に応じて変調されたレーザで露光して静電潜像を形成し、その潜像にトナーを付着させて現像(トナー像化)する。給紙部に配置された搬送ローラにより装置内に導入された記録紙に対し、印字部(画像形成部)の転写位置においてこのトナー像を転写し、定着装置によってトナー像を記録紙に定着させる。このような画像形成装置の例として複写機やレーザビームプリンタ等が知られている。このような電子写真法を利用する画像形成装置には、記録紙上の所望の位置に印刷を行うことができるように、搬送ローラと紙検出センサを有する記録紙搬送機構が備えられている。
【0003】
記録紙搬送機構は、搬送ローラ(記録紙挿入口)−紙検出センサ−印字部(転写位置)の順に記録紙を搬送する。搬送ローラは、パルスモータにより回転され、記録紙を一対のローラで挟持して搬送する。紙検出センサは、搬送中の記録紙の所定の位置を検出し、その検出するタイミングに基づいて、画像形成装置がレーザを照射するタイミングを制御する。
【0004】
例えば、特許文献1には、記録紙(原稿)を搬送する機構が開示されている。すなわち、ファクシミリ装置や複写機等において、原稿読取り部に原稿を搬送しながら該原稿の画像情報を読取る原稿読取装置が記載されている。この原稿読取り装置は、原稿の先端が読取り位置より上流側の所定位置まで搬送されたとき、原稿の搬送を一旦停止して待機状態とし、原稿読取り部の求める原稿読取りのタイミングに応じて、パルスモータに、その自起動領域内から脱調を生じない変化率で周波数の高まる加速パルス信号を入力して、該パルスモータをその自起動領域を越える速度で回転させることで、所望の読取り速度に応じた搬送速度で原稿を読取り位置に搬送する。この構成により、原稿の搬送駆動源としてのパルスモータの自起動領域に制限されることなく、所望の読取り速度に応じた搬送速度で原稿を読取り位置(画像形成装置でいうところの印字部に相当する)に搬送して、原稿読取り速度の高速化を可能としている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−265096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した画像形成装置においても、特許文献1の原稿読取装置と同様に、記録紙の搬送速度の高速化が望まれている。例えば、特許文献1に記載の原稿読取装置の搬送機構を画像形成装置に採用すれば、画像形成装置において、印字部での記録紙の搬送速度をパルスモータの自起動領域を越える所望の速度とすることが可能となる。しかしながら、上述した画像形成装置では、紙検出センサによる記録紙の所定の位置の検出タイミングとレーザを照射するタイミングとを同期させる都合上、紙検出センサ位置での記録紙の搬送速度と印字部での記録紙の搬送速度とが等しくなるように制御する必要がある。パルスモータは、通常、自起動領域内から脱調を生じない変化率で加速するよう制御されなければならないため、その回転が開始してから、記録紙が所望の搬送速度に到達するまでには所定の搬送距離が必要であった。したがって、搬送ローラと紙検出センサとの間には、少なくともその所定の搬送距離分だけのスペースを設けなければならなかった。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、記録紙の搬送速度を高速化しつつも、レイアウトの自由度を増し、画像形成装置を省スペースに設計することができる記録紙搬送機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、搬送路上の目標位置に記録紙を搬送するための搬送手段と、前記搬送手段による搬送速度を制御する制御手段であって、前記記録紙を第一の搬送速度と、前記第一の搬送速度よりも遅い第二の搬送速度と、前記第一の搬送速度よりも速い第三の搬送速度で搬送するように前記搬送手段を制御可能な制御手段と、前記搬送路上の目標位置と前記搬送手段との間に備えられ、前記記録紙の所定の位置を検出するための検出手段と、を有し、前記制御手段は前記搬送手段を制御して、前記第二の搬送速度で前記記録紙を搬送し、前記検出手段による前記記録紙の所定の位置の検出後、前記記録紙を一時的に前記第三の搬送速度で搬送し、その後、前記記録紙を前記第一の搬送速度で搬送して、前記第三の搬送速度を経て前記第一の搬送速度で搬送されている前記記録紙の所定の位置が前記検出手段による当該所定の位置の検出時から前記目標位置に到達するまでの時間を、前記記録紙が前記検出手段による前記記録紙の所定の位置の検出時から一様に前記第一の搬送速度で搬送されていたとみなした場合に、前記記録紙の所定の位置が前記検出手段による当該所定の位置の検出時から前記目標位置に到達するまでの時間と等しくすることを特徴とする記録紙搬送機構を提供する。
【0009】
上記の構成により、本発明は、搬送手段から検出手段までの記録紙の搬送距離を短くすることができるため、記録紙搬送機構を省スペースに設計することができる。
【0010】
また、前記搬送手段が駆動モータにより前記記録紙を搬送することを特徴とする。
【0011】
さらに、前記駆動モータがパルスモータであることを特徴とする。
【0012】
さらに、前記第二の搬送速度が、パルスモータの自起動領域内のトルクによって前記記録紙を搬送可能な速度であることを特徴とする。
【0013】
また、前記所定の位置は、前記記録紙の先端部を含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記所定の位置は、前記記録紙の表面の反射率が他の部位と異なっていることを特徴とする。
【0015】
また、前記搬送路上の目標位置における前記記録紙の搬送速度が前記第一の搬送速度であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明では、記録紙を搬送し、画像形成装置内の搬送路上の目標位置に導入する給紙部と、前記搬送路上の目標位置において該記録紙上に画像を形成する画像形成部と、を有する画像形成装置であって、前記給紙部は、前記搬送路上の目標位置に記録紙を搬送するための搬送手段と、前記搬送手段による搬送速度を制御する制御手段であって、前記記録紙を第一の搬送速度と、前記第一の搬送速度よりも遅い第二の搬送速度と、前記第一の搬送速度よりも速い第三の搬送速度で搬送するように前記搬送手段を制御可能な制御手段と、前記搬送路上の目標位置と前記搬送手段との間に備えられ、前記記録紙の所定の位置を検出するための検出手段と、を有し、前記制御手段は前記搬送手段を制御して、前記第二の搬送速度で前記記録紙を搬送し、前記検出手段による前記記録紙の所定の位置の検出後、前記記録紙を一時的に前記第三の搬送速度で搬送し、その後、前記記録紙を前記第一の搬送速度で搬送して、前記第三の搬送速度を経て前記第一の搬送速度で搬送されている前記記録紙の所定の位置が前記検出手段による当該所定の位置の検出時から前記目標位置に到達するまでの時間を、前記記録紙が前記検出手段による前記記録紙の所定の位置の検出時から一様に前記第一の搬送速度で搬送されていたとみなした場合に、前記記録紙の所定の位置が前記検出手段による当該所定の位置の検出時から前記目標位置に到達するまでの時間と等しくすることを特徴とする記録紙搬送機構を備える画像形成装置を提供する。
【0017】
また、本発明は、搬送路上の所定位置に記録紙を搬送するための搬送ローラと、前記搬送ローラを回転駆動させるパルスモータと、前記搬送ローラによる前記記録紙の搬送速度を制御する制御手段と、前記搬送路上の所定位置と前記搬送ローラとの間に備えられ、前記記録紙を検出するための検出手段と、前記搬送ローラよりも搬送路上流側において、前記記録紙を保持する保持手段と、前記搬送ローラと前記保持手段との間に備えられ、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を調整することができる搬送負荷調整手段と、を有し、前記制御手段は、前記検出手段による前記記録紙の検出前に、前記パルスモータの自起動領域内の回転数に対応する第一の搬送速度から、前記パルスモータの自起動領域外の回転数に対応する前記第一の搬送速度よりも速い第二の搬送速度に変化させ、前記搬送負荷制御手段は、前記記録紙が前記第一の搬送速度から前記第二の搬送速度に変化するときに、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を軽減するよう機能することを特徴とする記録紙搬送機構を提供する。
【0018】
また、この記録紙搬送機構では、前記搬送負荷制御手段は、前記搬送ローラと前記保持手段との間の搬送距離を短くすることにより、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を軽減することができることを特徴とする。また、前記搬送負荷調整手段は、前記記録紙をガイドするためのガイドローラを備え、前記ガイドローラは、前記搬送速度が前記第一の搬送速度から前記第二の搬送速度へと変化する場合に、前記搬送ローラと前記保持手段との間の搬送距離が短くなるよう移動可能に配置されていることを特徴とする。さらに、前記搬送負荷調整手段は、前記ガイドローラを軸支すると共に前記ガイドローラを移動可能に揺動するガイドローラ支持部材を有し、前記ガイドローラ支持部材は、前記搬送ローラと前記保持手段との間の搬送距離が長くなる方向に付勢されていることを特徴とする。
【0019】
また、前記記録紙が連続紙であって、前記保持手段は前記記録紙を巻回して保持していることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、記録紙を搬送し、画像形成装置内の搬送路上の所定位置に導入する給紙部と、前記搬送路上の所定位置において該記録紙上に画像を形成する画像形成部と、を有する画像形成装置であって、前記給紙部は、前記搬送路上の所定位置に記録紙を搬送するための搬送ローラと、前記搬送ローラを回転駆動させるパルスモータと、前記搬送ローラによる前記記録紙の搬送速度を制御する制御手段と、前記搬送路上の所定位置と前記搬送ローラとの間に備えられ、前記記録紙を検出するための検出手段と、前記搬送ローラよりも搬送路上流側において、前記記録紙を保持する保持手段と、前記搬送ローラと前記保持手段との間に備えられ、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を調整することができる搬送負荷調整手段と、を有し、前記制御手段は、前記検出手段による前記記録紙の検出前に、前記パルスモータの自起動領域内の回転数に対応する第一の搬送速度から、前記パルスモータの自起動領域外の回転数に対応する前記第一の搬送速度よりも速い第二の搬送速度に変化させ、前記搬送負荷制御手段は、前記記録紙が前記第一の搬送速度から前記第二の搬送速度に変化するときに、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を軽減するよう機能することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、搬送ローラから紙検出センサまでの経路長を短縮することができる。このことによってレイアウトの自由度が増し、画像形成装置をより省スペースに設計することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る記録紙搬送機構を備える画像形成装置の具体的な実施形態を図を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る記録紙搬送機構を備える画像形成装置100の概略構成を示す側断面図である。画像形成装置100は、入力される画像情報に基づいて変調されたレーザ9で、回転する感光体ドラム4の表面の感光体を露光し、電子写真法を利用して記録紙10に画像を形成して出力するものであり、コンピュータ等の出力装置として用いられるものである。
【0023】
画像形成装置100は、ロール軸1及びロール状の記録紙10、給紙ローラ2a,2b、給紙センサ3等を備える給紙部(うち、給紙ローラ2a,2bと給紙センサ3を記録紙搬送機構とする)、感光体ドラム4、中間転写ローラ5、2次転写ローラ6、現像ローラ11、レーザ9を出力するための光学ユニット等を備える印字部(画像形成部)と、定着ローラ7a,7b、排紙センサ8等を備える排紙部と、を有する。なお、本実施形態では記録紙としてロール状のものを使用しているが、本発明に係る記録紙搬送機構は、ロール状の記録紙に限定されるものではない。
【0024】
画像形成装置100は、画像形成時に記録紙10を給紙部、印字部、排紙部へと順に搬送する。画像形成終了時には、記録紙10の印刷された部分が画像形成装置100の外部へ排出され、記録紙10はカッター等で自動或いは手動で切断される。その後、画像形成待機時には記録紙10の先端部は排出部に位置している。この場合、記録紙10の先端部が排出部に位置した状態から次回の画像形成が開始されることとなる(通常印刷)。しかし、この状態では次回の画像形成時に印字部から排出部までの記録紙10上には何等画像形成が行われないため、続けて印刷を行うと紙の無駄遣いとなってしまう。このため、画像形成装置100は、画像形成待機時に排紙部にある記録紙10の先端部を画像形成開始時に給紙部にまで巻き戻す機能を備えていてもよい(巻き戻し印刷)。
【0025】
記録紙10は、装置本体に固定された所定の支持部に回転可能に軸支持されたロール軸1上にロール状に巻回されている。ロール軸1に巻回されている記録紙10は、ロール軸1の軸方向に延びるガイド1aを介して給紙ローラ2a,2bの方へと導かれる。ロール軸1は、給紙ローラ2aの回転力による紙送り動作により図中時計回りに回転する(送り正方向)。また、巻き戻し印刷時には、画像形成終了時や画像形成開始時に、給紙ローラ2aが紙戻し動作を行う。紙戻し動作の際、ロール軸1は所定の付勢手段により図中反時計回りに回転する(送り逆方向)ため、記録紙10をたるませることなく巻き取ることができる。
【0026】
給紙ローラ2aは、駆動モータ(パルスモータ)Mからの駆動力により回転する。給紙ローラ2aは紙送り動作時には図中反時計回りに回転する(送り正方向)。給紙ローラ2aは紙戻し動作時には図中時計回りに回転する(送り逆方向)。巻き戻し印刷時には、給紙ローラ2aが送り逆方向に回転する紙戻し動作を行って、排紙部付近にある記録紙10の先端部を給紙ローラ2aと給紙センサ3の間の位置にセットする。記録紙10の先端部を給紙ローラ2aと給紙センサ3の間の位置にまで巻き戻すとき、例えば、パルスモータMに対し、巻き戻し時のパルス数をあらかじめ決めておいて、巻き戻す距離を固定しておく。給紙ローラ2bは給紙ローラ2aと共に記録紙10を挟持し、給紙ローラ2aに従動して回転する。すなわち、給紙ローラ2a,2bの一対のローラで記録紙10を搬送する。
【0027】
給紙センサ3は、記録紙10の所定の位置を検出するよう構成されている。記録紙10の所定の位置とは、例えば、記録紙10の先端部(用紙先端部)、用紙上の所定のマークされた位置等である。また、記録紙10がラベル用紙である場合、記録紙10は連続紙である台紙と印刷領域であるラベル紙とからなるので、所定の位置とは、ラベル紙の先端部(ラベル先端部)又は台紙上の所定のマークされた位置等である。
【0028】
給紙センサ3は、例えば、発光素子と受光素子を備えている。給紙センサ3の一つの形態としては、発光素子と受光素子が対向して配置されており、両素子間を記録紙10が通過する。この場合、用紙先端部が給紙センサ3を通過するときに、受光素子が光を検出することができなくなることを利用して記録紙10の先端部を検出することができる。また、記録紙10がラベル用紙である場合に、台紙とラベル紙の光の透過率が異なるように構成されていれば、受光素子の検出光量の差によりラベル先端部を検出することができる。また、同様に、記録紙10(台紙も含む)上のマーク位置と他の領域との光の透過率が異なれば、給紙センサ3はマーク位置を検出することができる。給紙センサ3の他の形態としては、発光素子と受光素子が対向せずに隣接して配置されている。この場合、用紙先端部が給紙センサ3を通過するとき、記録紙10上で光が反射されて受光素子に光が入射することにより用紙先端部を検出することができる。記録紙10がラベル用紙である場合には、台紙のみの部分とラベル紙が貼られた部分の光の反射率が異なれば、給紙センサ3はラベル先端部を検出することが可能となる。また、記録紙10(台紙も含む)上の給紙センサ3の発光素子側の記録紙10表面に印刷されたマーク位置と他の領域との光の反射率が異なるように構成されていれば、受光素子の検出光量の差によりマーク位置を検出することができる。給紙ローラ2a,2bにより搬送される記録紙10の所定の位置を給紙センサ3が検出したときを基準として、画像形成装置100はレーザ9を発光するタイミングを制御する。
【0029】
感光体ドラム4は、反時計回りに回転しており、図示しない帯電器により約+700Vに帯電された後、画像形成情報に基づいて感光体ドラム4の回転軸方向(主走査方向)に走査されるレーザビーム9により露光される。レーザビーム9が照射された位置(点)は電位が+100V程度にまで低下し、その結果+700Vと+100Vのコントラストを有する静電潜像が感光体ドラム4上に形成される。
【0030】
静電潜像が形成された感光体ドラム4がさらに回転し、その後、約+500Vが印加された現像ローラ11から、感光体ドラム4上の電位が低下した位置のみにトナーが引き寄せられて移動する。すなわち、現像ローラ11の表面付近は電位が+500Vであり、感光体ドラム4の露光された部分は電位が+100Vであるとき、トナーは、現像ローラ11に約+500Vを印加することにより形成される現像電界によって静電潜像に移動する。一方、電位が+700Vの部位にはトナーは付着しないため、感光体ドラム4上には、静電潜像に対応したトナー像が形成される。
【0031】
時計回りに回転する中間転写ローラ5には−100V程度が印加されているため、プラス電荷を有するトナーが感光体ドラム4から中間転写ローラ5へと移動する。その結果、中間転写ローラ5上にトナー像が転写される。
【0032】
反時計回りに回転する2次転写ローラ6は、−1kV程度が印加されており、中間転写ローラ5と2次転写ローラ6に挟持される記録紙10上では、中間転写ローラ5上のトナーが2次転写ローラ6側へと引き寄せられる。この結果、記録紙10上側にトナー像が転写される。また、この印字部では、記録紙10は、中間転写ローラ5及び2次転写ローラ6の一対のローラにより搬送される。なお、この印字部による記録紙10の搬送速度は、給紙部の給紙ローラ2a,2bにより供給される搬送速度よりも多少速く設定されている。
【0033】
また、2次転写ローラ6は図中下方向の破線で示される位置に移動(退避)することができる。2次転写ローラ6を退避させると、記録紙10と中間転写ローラ5との接触を解除することができる。したがって、記録紙10を巻き取る際に(巻戻し後印刷時)、2次転写ローラ6を退避させると、記録紙10は中間転写ローラ5と2次転写ローラ6により挟持された状態から開放される。これにより、給紙ローラ2aを図中時計回りに回転させることにより、記録紙10を巻き戻すことが出来る。又、記録紙10は中間転写ローラ5と非接触状態であるので、記録紙10との摩擦で中間転写ローラ5の表面が傷つくことがない。
【0034】
印字部を通過した記録紙10は、定着ローラ7a,7bの方向へ進む。定着ローラ7aは記録紙10を加熱する機能を有する。定着ローラ7bは記録紙10を定着ローラ7aの方向へ加圧する機能を有する。この定着ローラ7a,7bによって、記録紙10上のトナー像は加熱及び加圧によって記録紙10に定着される。定着ローラ7bは、図中下方向の破線で示される位置に退避することができる。
【0035】
排紙センサ8は、トナー像が加熱・加圧されて定着された後の記録紙10の所定の位置の通過を感知する。例えば、記録紙10の所定の位置が給紙センサ3を通過してから一定時間内に排紙センサ8を通過しない場合は、画像形成装置100は紙詰まり等の判断をすることができる。
【0036】
次に図2を用いて本発明の実施形態に係る記録紙搬送機構について説明する。
【0037】
記録紙搬送機構は記録紙10を給紙ローラ2a,2bにより搬送する。給紙ローラ2aはパルスモータM(図1)により駆動する。記録紙搬送機構はパルスモータMの回転速度を制御することにより、記録紙10の搬送速度を制御している。
【0038】
記録紙搬送機構と印字部の配置関係について説明する。給紙ローラ2a,2b間の記録紙10を挟持する位置A(以下、記録紙搬送位置Aと称す)と給紙センサ3が記録紙10を検出する位置P(以下、紙検出位置Cと称す)との距離をLとする。紙検出位置Cから転写位置(図中D、以下、転写位置Dと称す)までの距離をMとする。感光体ドラム4上のレーザ9の照射位置(図中E、以下、照射位置Eと称す)から、感光体ドラム4の周囲を反時計回りに進み、中間転写ドラム5との接触位置までの距離と、そこから中間転写ドラム5の周囲を時計回りに進み、転写位置Dまでの距離を合わせた距離をNとする(図中太線部の経路長N)。また、印刷待機時若しくは印刷開始時には、記録紙10の所定の位置が図中点Bの位置(以下、記録紙待機位置Bと称す)に配置されている。
【0039】
本発明の実施形態では、距離Mが経路長Nと等しくなるように給紙センサ3が配置され、給紙センサ3の検出と同時に照射位置Eにレーザ9が照射されるように構成されている。この場合、検出位置Cで検出された記録紙10上の所定の位置に、検出と同時に照射位置Eに形成された像が記録紙10上に画像として形成される。一方、距離Mが経路長Nより長くなるように給紙センサ3が配置されていてもよい。この場合、記録紙10の所定の位置が紙検出位置Cを通過してから一定の時間が経過した後にレーザ9の照射を開始すれば、転写位置Dにおいて記録紙10の所定の位置から画像を形成することができる。
【0040】
図3は本発明の実施形態に係る記録紙搬送機構による記録紙10の搬送速度の制御を示すフローチャートである。給紙ローラ2a,2bにより記録紙10が送り方向に搬送されると、記録紙10の所定の位置は、記録紙待機位置Bから紙検出位置Cに移動する。ステップS10では、記録紙10の所定の位置が紙検出位置Cにおいて検出されたかどうかを判断する。記録紙10の所定の位置は後述するような速度Vで紙検出位置Cに到達する。紙検出位置Cにおいて記録紙10の所定の位置が検出された場合(ステップS10:YES)、ステップS20に進む。ステップS20では、記録紙10は後述するような速度V(>V)になるまで一定の加速度で加速され、速度Vに達した後は速度Vで定速搬送される。
【0041】
ステップS30では、速度Vでの定速搬送が所定時間行われたかどうかを判断する。速度Vでの定速搬送時間は、後述するような条件に合うように算出される(すなわち、図4中の斜線部a及び斜線部bの面積が等しくなるように算出される)。所定時間経過後(ステップS30:YES)、記録紙10の搬送速度は後述するような速度V(V<V<V)にまで一定の加速度で減速され、速度Vで定速搬送される(ステップS40)。この記録紙搬送機構の制御により、記録紙10の所定の位置は、速度Vで転写位置Dに到達する。
【0042】
図4は本発明の実施形態に係る記録紙搬送機構の制御(図3)による、記録紙10の搬送速度を示す図である。グラフ中t=0は、記録紙10の所定の位置が紙検出位置C(図2)で検出されるときを示す。また、速度V(例えば、約200mm/sec)は、印字部での記録紙10の搬送速度と等しい速度である(すなわち、像が経路長Nを進む際の周回速度と等しい)。画像形成待機時、記録紙10は、その所定の位置を記録紙待機位置B(図2)に合わせて静止している。画像形成開始時に、パルスモータM(図1)が起動し、給紙ローラ2aを回転させる。給紙ローラ2aによる記録紙10の搬送速度は、パルスモータMの起動直後、パルスモータMの自起動領域内の回転数により決まる瞬時に到達できる搬送速度V(<V、例えば、約100mm/sec)となり、紙検出位置Cまで速度Vで定速回転する。記録紙待機位置Bと紙検出位置Cとの距離は、記録紙10が搬送速度Vに到達することができる距離以上であればよい。
【0043】
時間t=0では、紙検出位置Cにおいて、速度Vで搬送されている記録紙10がその所定の位置を検出される。紙検出位置Cでの検出と同時に、記録紙搬送機構はパルスモータMを加速させる。このとき、一定の加速度で搬送速度をVからV(>V)まで増加させる。この間、搬送速度は、t=t1でV、t=t2でVとなる。その後、t=tからt=tまでは搬送速度Vで定速で搬送する。t=tからt=tまでは一定の加速度で搬送速度をVからVまで減少させる。そして、t=t以降は速度Vで定速で搬送する。記録紙10の所定の位置は、時間t=t以降に転写位置Dに到達する。
【0044】
t=0から(紙検出位置C)、t=tまでに記録紙10が搬送される距離は、時間t=0からt=tまでの搬送速度の積分値となる。本発明の実施形態では、図4の斜線部aで示される面積と斜線部bで示される面積が等しくなるように搬送速度を制御する。斜線部aと斜線部bの面積が等しい場合、t=0からt=tまでの搬送距離は、t=0からt=tまでを速度Vの一定速で搬送された場合の搬送距離と等しくなる。したがって、記録紙10の搬送速度が紙検出位置C(t=0)において速度Vよりも遅い速度Vであっても、記録紙10は、t=t以降において、一定速度Vで搬送された場合の搬送距離と等しい距離だけ進むことができる。すなわち、t=0において搬送速度がVよりも遅い速度Vであっても、紙検出センサ3による記録紙の所定の位置の検出タイミングとレーザを照射するタイミングとは、紙検出センサ3から印字部まで均一に搬送速度がVである場合と同様に制御すればよい。
【0045】
上述の構成により、搬送速度Vで紙検出位置Cを通過させる場合よりも、搬送速度Vで紙検出位置Cを通過させる場合の方が、記録紙待機位置Bと紙検出位置Cとの距離を短くすることができる。図4に示すように、記録紙10が搬送速度VからVに到達するまでには、時間tを要する。その場合、少なくともその時間に対応する距離だけ、紙検出位置Cと記録紙待機位置Bとの間に経路長を確保しなければならない。したがって、本発明の実施形態によれば、記録紙待機位置Bと紙検出位置Cとの距離を短くすることができるので、距離Lを短くでき、給紙ローラ2a,2bをより給紙センサ3側に近づけて配置させることが可能となる。
【0046】
図4では、搬送速度Vから搬送速度Vまで或いは搬送速度Vから搬送速度Vまでを一定の加速度で搬送しているが、加速度は一定でなくてもよい。すなわち、速度を示す線がt=0からt=tにおいて曲線であってもよく、結果的に、斜線部a及び斜線部bに対応する面積が等しくなればよい。
【0047】
本発明によれば、パルスモータMが所望の搬送速度に到達する以前に紙検出センサにより紙検出を行うため、搬送ローラから紙検出センサまでの距離を短縮することができる。このことによって記録紙搬送機構のレイアウトの自由度が増し、画像形成装置もより省スペースに設計することが可能となる。
【0048】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0049】
図5は、本発明の他の実施形態に係る記録紙搬送機構を備える画像形成装置200の概略構成図である。なお、画像形成装置100と同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0050】
記録紙10は、ロール軸1にロール状に巻回されている。記録紙10は、給紙ローラ2a,2bへ搬送されるが、その搬送路上には、緩衝ガイド機構300が設けられている。緩衝ガイド機構300は、記録紙10をガイドするためのローラ部材であるガイドローラ310と、ガイドローラ310を軸支すると共にその他端側を中心として揺動可能なガイド支持部材320と、ガイド支持部材320を付勢するバネ部材340とを有する。ガイド支持部材320は、その揺動軸からガイドローラ310の軸へと延びた板状部材であって、その中心部付近にバネ部材340の一端が接続されている。バネ部材340の他端は、画像形成装置200のハウンジングの所定の位置に固定されている。また、バネ部材340は、画像形成装置200の底面側(図5中下側)からガイド支持部材320が図中時計回りに回動するように付勢している。また、ガイド支持部材320およびバネ部材340のセットは、ガイドローラ310の両側、すなわち、図5の紙面手前側と奥側とに配置されている。ガイドローラ310の周面の幅は、記録紙10の幅と同等或いはそれ以上である。
【0051】
画像形成待機時、すなわちパルスモータMの停止時には、緩衝ガイド機構300は、初期状態Aとなっている。この初期状態Aでの記録紙10は、その搬送方向下流側は給紙ローラ2a,2bにより固定されており、その搬送方向上流側はロール軸1に備えられた所定の付勢手段によりロール軸1が図中反時計回りに回転しようとする力によって上流側に引っ張られた状態となっている。したがって、初期状態Aでは、記録紙10は、給紙ローラ2a,2bが固定端となり、その他端はロール軸1により引っ張られるので、結果としてガイドローラ310を図中略上方向に押し上げるように作用する。すなわち、記録紙10は、ガイド支持部材320を図中反時計回りに回動させるように作用する。また、初期状態Aでは、記録紙10によってガイド支持部材320を図中反時計回りに回動させようとする力と、バネ部材340によってガイド支持部材320を図中時計回りに回動させようとする力とが釣り合った状態となっている。バネ部材340は、この初期状態Aにおいて、最も伸びた状態とならないような配置、長さ、バネ係数等となるように選択される。
【0052】
画像形成開始時、パルスモータMの回転が開始すると、給紙ローラ2aが記録紙10を搬送方向へ引っ張る。給紙ローラ2aがロール軸1を回転させるためには、ロール軸1や記録紙のイナーシャに起因する負荷(以降、衝撃負荷という)に対抗するトルクが必要となる。本発明の実施形態では、ロール軸1が回転を開始する直前までは、ガイドローラ310が滑車のように作用して、ガイド支持部材320が図中反時計回りに回動する。このとき、ガイド支持部材320は、バネ部材340の張力に逆らって回動する。このガイド支持部材320の回動により、衝撃負荷が軽減される。ガイド支持部材320が所定量回動したとき、ロール軸1の回転が開始する。なお、このロール軸1が回転を開始した時点では、バネ部材340は、伸びきった状態とはならず、まだ伸びる余裕があるように、その配置、長さ、バネ係数等が選択される。
【0053】
ロール軸1が一定の回転速度で回転している状態から、給紙ローラ2aが急激にさらに速い搬送速度で記録紙10を搬送しようとする場合にも、給紙ローラ2aには衝撃負荷に対抗するトルクが必要となる。給紙ローラ2aが急激にさらに速い搬送速度で記録紙10を搬送する場合にも、ガイド支持部材320が図中反時計回りに回動する。すなわち、このときの衝撃負荷も、緩衝ガイド機構300の作用により軽減される。言い換えれば、緩衝ガイド機構300は、ガイド支持部320の回動により、給紙ローラ2aまでの記録紙10の搬送経路長を変化させ、衝撃負荷を緩衝させることができる。さらに、緩衝ガイド機構300は、ガイド支持部320の回動により、給紙ローラ2aまでの記録紙10の搬送経路長を変化させ、給紙ローラ2aまでの記録紙10のたるみを防止すると共に最適な張り具合を維持するよう機能する。したがって、記録紙10の搬送速度を急激に上げるために、給紙ローラ2aの回転速度を急激に高めてもパルスモータMが脱調しにくくなる(言い換えれば、パルスモータMを脱調させずに急激に高くできる回転数範囲の上限を大きくできる)。
【0054】
図6は画像形成装置200における記録紙搬送機構による記録紙10の搬送速度の制御を示すフローチャートである。なお、搬送速度VおよびVは、画像形成装置100において説明した搬送速度VおよびVと同様の意味を持つ。ステップS110では、記録紙10の搬送速度がパルスモータMの自起動領域内の回転数に対応する搬送速度であるVとなるように制御する。ステップS120では、記録紙10の搬送速度が、印字部における搬送速度であるVとなるように制御する。なお、本処理は、記録紙10の所定の位置が給紙センサ3により検出される前に行われる処理である。
【0055】
図7は、画像形成装置200における記録紙搬送機構の制御(図6)による、記録紙10の搬送速度を示す図である。グラフ中t=0は、記録紙10の所定の位置が紙検出位置B(図2)の位置にあるものとする。
【0056】
画像形成開始時のパルスモータMの起動時(t=0)、給紙ローラ2aによる記録紙10の搬送速度はVとなる。その後、t(>0)において、搬送速度がVからVに瞬時に変化する(切り替わる)。t(>t)では、記録紙10の所定の位置が、紙検出位置C(図2)を通過する。なお、tは、tの後としたが、t=tであってもよい。すなわち、紙検出位置Cにおいて搬送速度をVからVに変化させてもよい。
【0057】
画像形成装置200では、緩衝ガイド機構300の作用により記録紙10を搬送する際の衝撃負荷が軽減され、記録紙10がパルスモータMの自起動領域内の記録紙10の搬送速度Vから自起動領域外の搬送速度であるVへ瞬時に到達することが可能となる。画像形成装置200では、記録紙10を搬送速度VからVへと急激に変化させる場合、ロール軸1等に起因する衝撃負荷を、緩衝ガイド機構300のバネ部材340の伸びにより緩和させることができるため(すなわち、バネは通常、低荷重時であっても高荷重時と同様の割合で伸びるため)、パルスモータMの脱調を防止することができる。したがって、画像形成装置200では、記録紙10の搬送速度を、パルスモータMの起動後に僅かな時間でVへ到達させることが可能なため、記録紙待機位置Bと紙検出位置Cとの距離を短くすることができ、給紙ローラ2a,2bをより給紙センサ3側に近づけて配置させることが可能となる。
【0058】
なお、画像形成装置200において搬送される記録紙はロール紙に限定されるものではない。例えば、カット紙であってもよい。すなわち、搬送ローラ2aよりも上流側において、カット紙を搬送するため或いはたるみ防止のため等の理由で、カット紙を保持するためのローラ対を設ける場合もある。そのような場合は、給紙ローラ2aがカット紙を搬送する場合に該ローラ対により衝撃負荷が生じる。したがって、本発明は、カット紙を用いる画像形成装置に対しても実施可能である。
【0059】
また、本発明によれば、搬送ローラ2aから紙検出センサ3までの距離を短縮することができる。画像形成装置100および200では、搬送ローラ2aよりも搬送方向上流側には、記録紙押さえが配置されている(不図示)。この記録紙押さえは、記録紙10の両端を押さえる部材であって、記録紙10の幅方向の位置決めを行う部材である。この記録紙押さえは、記録紙の搬送方向に沿って直線的に延びている(図1,5中略左右方向)。したがって、搬送ローラ2aの位置を紙検出センサ3に近づけること、すなわち搬送ローラ2aを図1,5中略左側に寄せることは、該記録紙押さえも同様に図1,5中略左側に寄せることを可能にするため、より一層画像形成装置の省スペース化に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態における画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態における記録紙搬送機構を説明するための概略図である。
【図3】本発明の実施形態における記録紙の搬送速度の制御を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における記録紙の搬送速度を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態における画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態における記録紙の搬送速度の制御を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態における記録紙の搬送速度を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 ロール軸
2a,2b 給紙ローラ
3 給紙センサ
4 感光体ドラム
5 中間転写ローラ
6 2次転写ローラ
7a,7b 定着ローラ
8 排紙センサ
9 レーザ
10 記録紙
11 現像ローラ
M パルスモータ
100,200 画像形成装置
300 緩衝ガイド機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路上の目標位置に記録紙を搬送するための搬送手段と、
前記搬送手段による搬送速度を制御する制御手段であって、前記記録紙を第一の搬送速度と、前記第一の搬送速度よりも遅い第二の搬送速度と、前記第一の搬送速度よりも速い第三の搬送速度で搬送するように前記搬送手段を制御可能な制御手段と、
前記搬送路上の目標位置と前記搬送手段との間に備えられ、前記記録紙の所定の位置を検出するための検出手段と、を有し、
前記制御手段は前記搬送手段を制御して、前記第二の搬送速度で前記記録紙を搬送し、前記検出手段による前記記録紙の所定の位置の検出後、前記記録紙を一時的に前記第三の搬送速度で搬送し、その後、前記記録紙を前記第一の搬送速度で搬送して、前記第三の搬送速度を経て前記第一の搬送速度で搬送されている前記記録紙の所定の位置が前記検出手段による当該所定の位置の検出時から前記目標位置に到達するまでの時間を、前記記録紙が前記検出手段による前記記録紙の所定の位置の検出時から一様に前記第一の搬送速度で搬送されていたとみなした場合に、前記記録紙の所定の位置が前記検出手段による当該所定の位置の検出時から前記目標位置に到達するまでの時間と等しくすることを特徴とする記録紙搬送機構。
【請求項2】
前記搬送手段が駆動モータにより前記記録紙を搬送することを特徴とする請求項1に記載の記録紙搬送機構。
【請求項3】
前記駆動モータがパルスモータであることを特徴とする請求項2に記載の記録紙搬送機構。
【請求項4】
前記第二の搬送速度が、前記パルスモータの自起動領域内のトルクによって前記記録紙を搬送可能な速度であることを特徴とする請求項3に記載の記録紙搬送機構。
【請求項5】
前記所定の位置は、前記記録紙の先端部を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の記録紙搬送機構。
【請求項6】
前記所定の位置は、前記記録紙の表面の反射率が他の部位と異なっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の記録紙搬送機構。
【請求項7】
前記搬送路上の目標位置における前記記録紙の搬送速度が前記第一の搬送速度であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の記録紙搬送機構。
【請求項8】
記録紙を搬送し、画像形成装置内の搬送路上の目標位置に導入する給紙部と、
前記搬送路上の目標位置において該記録紙上に画像を形成する画像形成部と、を有する画像形成装置であって、
前記給紙部は、
前記搬送路上の目標位置に記録紙を搬送するための搬送手段と、
前記搬送手段による搬送速度を制御する制御手段であって、前記記録紙を第一の搬送速度と、前記第一の搬送速度よりも遅い第二の搬送速度と、前記第一の搬送速度よりも速い第三の搬送速度で搬送するように前記搬送手段を制御可能な制御手段と、
前記搬送路上の目標位置と前記搬送手段との間に備えられ、前記記録紙の所定の位置を検出するための検出手段と、を有し、
前記制御手段は前記搬送手段を制御して、前記第二の搬送速度で前記記録紙を搬送し、前記検出手段による前記記録紙の所定の位置の検出後、前記記録紙を一時的に前記第三の搬送速度で搬送し、その後、前記記録紙を前記第一の搬送速度で搬送して、前記第三の搬送速度を経て前記第一の搬送速度で搬送されている前記記録紙の所定の位置が前記検出手段による当該所定の位置の検出時から前記目標位置に到達するまでの時間を、前記記録紙が前記検出手段による前記記録紙の所定の位置の検出時から一様に前記第一の搬送速度で搬送されていたとみなした場合に、前記記録紙の所定の位置が前記検出手段による当該所定の位置の検出時から前記目標位置に到達するまでの時間と等しくすることを特徴とする記録紙搬送機構を備える画像形成装置。
【請求項9】
搬送路上の所定位置に記録紙を搬送するための搬送ローラと、
前記搬送ローラを回転駆動させるパルスモータと、
前記搬送ローラによる前記記録紙の搬送速度を制御する制御手段と、
前記搬送路上の所定位置と前記搬送ローラとの間に備えられ、前記記録紙を検出するための検出手段と、
前記搬送ローラよりも搬送路上流側において、前記記録紙を保持する保持手段と、
前記搬送ローラと前記保持手段との間に備えられ、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を調整することができる搬送負荷調整手段と、を有し、
前記制御手段は、前記検出手段による前記記録紙の検出前に、前記パルスモータの自起動領域内の回転数に対応する第一の搬送速度から、前記パルスモータの自起動領域外の回転数に対応する前記第一の搬送速度よりも速い第二の搬送速度に変化させ、
前記搬送負荷制御手段は、前記記録紙が前記第一の搬送速度から前記第二の搬送速度に変化するときに、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を軽減するよう作用することを特徴とする記録紙搬送機構。
【請求項10】
前記搬送負荷制御手段は、前記搬送ローラと前記保持手段との間の搬送距離を短くすることにより、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を軽減することができることを特徴とする請求項9に記載の記録紙搬送機構。
【請求項11】
前記搬送負荷調整手段は、前記記録紙をガイドするためのガイドローラを備え、
前記ガイドローラは、前記搬送速度が前記第一の搬送速度から前記第二の搬送速度へと変化する場合に、前記搬送ローラと前記保持手段との間の搬送距離が短くなるよう移動可能に配置されていることを特徴とする請求項9または10に記載の記録紙搬送機構。
【請求項12】
前記搬送負荷調整手段は、前記ガイドローラを軸支すると共に前記ガイドローラを移動可能に揺動するガイドローラ支持部材を有し、
前記ガイドローラ支持部材は、前記搬送ローラと前記保持手段との間の搬送距離が長くなる方向に付勢されていることを特徴とする請求項11に記載の記録紙搬送機構。
【請求項13】
前記記録紙が連続紙であって、前記保持手段は前記記録紙を巻回して保持していることを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載の記録紙搬送機構。
【請求項14】
記録紙を搬送し、画像形成装置内の搬送路上の所定位置に導入する給紙部と、
前記搬送路上の所定位置において該記録紙上に画像を形成する画像形成部と、を有する画像形成装置であって、
前記給紙部は、
前記搬送路上の所定位置に記録紙を搬送するための搬送ローラと、
前記搬送ローラを回転駆動させるパルスモータと、
前記搬送ローラによる前記記録紙の搬送速度を制御する制御手段と、
前記搬送路上の所定位置と前記搬送ローラとの間に備えられ、前記記録紙を検出するための検出手段と、
前記搬送ローラよりも搬送路上流側において、前記記録紙を保持する保持手段と、
前記搬送ローラと前記保持手段との間に備えられ、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を調整することができる搬送負荷調整手段と、を有し、
前記制御手段は、前記検出手段による前記記録紙の検出前に、前記パルスモータの自起動領域内の回転数に対応する第一の搬送速度から、前記パルスモータの自起動領域外の回転数に対応する前記第一の搬送速度よりも速い第二の搬送速度に変化させ、
前記搬送負荷制御手段は、前記記録紙が前記第一の搬送速度から前記第二の搬送速度に変化するときに、前記搬送ローラにおける前記記録紙の搬送に必要な負荷を軽減するよう機能することを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−343726(P2006−343726A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120020(P2006−120020)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】