説明

記録装置

【課題】2つの記録ヘッドを用いて記録媒体の両面に画像を記録する記録装置において、記録媒体のたるみ等の発生を抑制し、確実に記録媒体を搬送できるようにする。
【解決手段】ロール紙20の一方の面に画像を記録する第一記録ヘッド22と第一プラテンローラ27との間にロール紙20を挟持して搬送する第一記録部21と、第一記録部21よりも下流側に位置して、ロール紙20の他方の面に画像を記録する第二記録ヘッド42と第二プラテンローラ47との間にロール紙20を挟持して搬送する第二記録部41と、第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47を駆動するローラ駆動部とを備え、ローラ駆動部は、第二プラテンローラ47の周速度が第一プラテンローラ27の周速度よりも高速となるよう回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラテンローラにより記録媒体を搬送する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体に画像を記録するプリンタ等の記録装置において、複数の記録ヘッドを用いて記録媒体の両面に画像を記録可能としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたプリンタは、ほぼ直線的に搬送される記録媒体としての画像エレメントの搬送路に沿って並べられた2つの記録ヘッドにより、画像エレメントの一方の面と、その裏側の面とにそれぞれ画像を記録する構成を備えている。特許文献1に記載されたように2つの記録ヘッドによって記録媒体の両面に画像を記録する構成は、ロール紙等の連続シートを記録媒体として用いる場合に、特に適している。
【特許文献1】米国特許第6784906号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、複数の記録ヘッドを備えた記録装置においては、各々の記録ヘッドに対して確実に、たるみなく記録媒体を搬送する必要がある。例えば、上記従来の記録装置において2つの記録ヘッドの間で記録媒体のたるみが生じると、表裏の記録位置のずれや、記録媒体のつまりなどの記録不良を生じる虞があった。
【0004】
そこで本発明は、2つの記録ヘッドを用いて記録媒体の両面に画像を記録する記録装置において、記録媒体のたるみ等の発生を抑制し、確実に記録媒体を搬送できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、記録媒体の一方の面に画像を記録する第一記録ヘッドと、この第一記録ヘッドに対向する第一プラテンローラとの間に前記記録媒体を挟持して、前記第一プラテンローラの回転により前記記録媒体を搬送する第一記録部と、前記第一記録部よりも下流側に位置して、前記記録媒体の他方の面に画像を記録する第二記録ヘッドと、この第二記録ヘッドに対向する第二プラテンローラとの間に前記記録媒体を挟持して、前記第二プラテンローラの回転により前記記録媒体を搬送する第二記録部と、前記第一記録部が備える前記第一プラテンローラおよび前記第二記録部が備える前記第二プラテンローラを駆動するローラ駆動部とを備え、前記ローラ駆動部は、前記第一プラテンローラおよび前記第二プラテンローラを、前記第二プラテンローラの周速度が前記第一プラテンローラの周速度よりも高速となるよう回転させることを特徴とする記録装置を提供する。
この構成によれば、記録媒体の搬送路において下流側に位置する第二プラテンローラの周速度が第一プラテンローラの周速度よりも速く、上流側に位置する第一プラテンローラより高速で記録媒体を搬送するので、第一記録部と第二記録部との間においては記録媒体に張力が与えられ、たるみをなくすことができ、記録媒体の両面における記録相対位置のずれを効果的に防止できる。ここで、周速度とは、プラテンローラの外周面が移動する速度、すなわちプラテンローラの最外径における回転速度である。
【0006】
上記構成において、前記ローラ駆動部は、前記第二プラテンローラに駆動力を伝達する駆動輪列部を備え、前記駆動輪列部は、前記第二プラテンローラへ所定のトルクを伝達するとともに、このトルクを超える回転負荷が加わった場合に滑りを生じながら上記トルクを加えるトルクリミッタ付駆動輪を含んで構成されるものとしても良い。
この場合、トルクリミッタ付駆動輪によって、第二プラテンローラには所定のトルクが常に加えられ、このトルクを超える回転負荷が加わった場合にも所定のトルクが加わるとともに、トルクリミッタ付駆動輪の滑りが生じる。このため、より高速で記録媒体を搬送する第二プラテンローラから記録媒体に対し、過大なトルクが加わることなく、かつ、常に一定のトルクが加わるので、安定した張力を与えることができ、記録媒体に生じるたるみを大幅に低減できる。
【0007】
上記構成において、前記ローラ駆動部は、モータと、前記モータの駆動力を前記第一プラテンローラに伝達する駆動輪列部と、前記モータの駆動力を前記第二プラテンローラに伝達する駆動輪列部とを備えて構成されるものとしてもよい。
この場合、一つのモータの駆動力を第一のプラテンローラと第二のプラテンローラとにそれぞれ伝達する駆動輪列部を備える構成としたので、一つのモータによって第一プラテンローラと第二プラテンローラとを駆動できるという利点がある。さらに、各々の駆動輪列部におけるギヤ比を適宜調整することで、一つのモータの回転に基づき、第一プラテンローラと第二プラテンローラとの回転速度の比を、容易に、かつ任意に設定できる。
【0008】
上記構成において、前記第一記録部のニップ面を含む平面と前記第二記録部のニップ面を含む平面とは所定の角度になるように配置され、前記第一記録部のニップ部から前記第一プラテンローラ側に引き出された前記記録媒体は、前記第二プラテンローラに所定の巻付角で巻き付けられて前記第二記録部のニップ部を通過し、前記第二記録部から排出される構成としても良い。
この場合、第一記録ヘッドにより画像が記録された記録媒体が、第二記録部において第二プラテンローラに巻き付けられて搬送され、第二記録部のニップ部を通過して排出される。ここで、第一記録部のニップ面を含む平面と第二記録部のニップ面を含む平面とが平行でなく所定の角度になるように配置されているため、第一記録部から排出された記録媒体が第二プラテンローラに所定の巻付角で巻き付いて進行方向を変えられ、第二プラテンローラと記録媒体との接触面積が十分に確保される。これにより、第二プラテンローラと記録媒体との滑りが生じにくいため、記録媒体に生じるたるみを低減し、記録媒体のつまり等を防止できる。特に、記録媒体の搬送路において下流側に位置する第二プラテンローラと記録媒体との滑りを防止することで、第一記録部と第二記録部との間のたるみを低減することができ、記録媒体の両面における記録相対位置のずれを効果的に防止できる。
また、第一記録部のニップ面を含む平面と第二記録部のニップ面を含む平面とが平行でなく所定の角度になる構成として記録媒体が第二プラテンローラに巻き付く所定の巻付角の大きさを確保することで、第一記録部のニップ部から第二記録部のニップ部までの距離をできるだけ延長せずに、第二プラテンローラと記録媒体との滑りを防止する。このため、記録完了後に第一記録部のニップ部から第二記録部のニップ部までの間に残存する記録媒体の長さを抑えることで、記録される際、記録媒体の先端から記録できず、有効活用できない記録媒体の量を減らし、記録媒体を無駄なく使えるという効果がある。
【0009】
上記構成において、前記記録媒体は、ロール状に巻かれた状態から前記第一記録部および第二記録部へ搬送され、前記第一記録部は、巻かれた状態の前記記録媒体の内側の面に画像を記録し、前記第二記録部は、巻かれた状態の前記記録媒体の外側の面に画像を記録する構成としても良い。
この場合、第一記録部は、巻かれた状態における記録媒体の内側に相当する面に画像を記録し、第二記録部は、巻かれた状態における記録媒体の外側に相当する面に画像を記録する。この構成では、例えば、記録媒体が第一プラテンローラと第二プラテンローラとの間を縫うように、互い違いに搬送されるようにして、第一プラテンローラ及び第二プラテンローラにおける記録媒体の巻付角を十分に確保できる。このように、第一記録部により内側に相当する面を記録し、第二記録部により外側に相当する面を記録することで、第一プラテンローラ及び第二プラテンローラにおいて記録媒体の巻付角を十分に確保できる位置関係を実現しやすいという利点がある。
【0010】
上記構成において、前記第一記録部から引き出された前記記録媒体が前記第二プラテンローラに巻き付く前記所定の巻付角は90度以上である構成としても良い。
この場合、90度以上の巻付角を確保することで、第二プラテンローラと記録媒体との接触面積を十分に確保することができ、記録媒体の滑りを確実に防止して、たるみを大幅に低減することができる。
【0011】
上記構成において、ロール状に巻かれた状態で前記記録媒体を収容する収容部を備え、前記収容部から前記第一記録部に向かう搬送路上に、前記記録媒体の張力を調整する張力緩衝機構を備える構成としても良い。
この場合、張力緩衝機構によって、収納部から引き出されて第一記録部に送られる記録媒体に、ロール状に巻かれた記録媒体の慣性力に起因して瞬間的に大きな張力が加わることを緩衝することができる。また、ロール状に巻かれた記録媒体から余分に記録媒体が引き出されて、弛みを生じた場合も、記録媒体に張力を付与することができ、第一記録部に至るまでの搬送路におけるたるみを低減できる。
【0012】
上記構成において、前記記録装置は、前記記録媒体を収容する収容部を備えた本体フレームと、前記本体フレームに開閉可能に取り付けられるカバーフレームとを有し、前記第一プラテンローラ及び前記第二記録ヘッドは前記本体フレームに取り付けられ、前記第一記録ヘッド及び前記第二プラテンローラは前記カバーフレームに取り付けられており、前記カバーフレームが閉じられた状態で、前記第一記録ヘッドと前記第一プラテンローラとの間、及び、前記第二記録ヘッドと前記第二プラテンローラとの間に、前記記録媒体が挟まれる構成としても良い。
この場合、カバーフレームを開いて記録媒体を投入し、再びカバーフレームを閉じれば、記録媒体が第一記録部と第二記録部とにおいて狭持されるので、記録媒体のセットが容易である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記録媒体の一方の面に画像を記録する第一記録部と、他方の面に画像を記録する第二記録部とに記録媒体を搬送する際に生じる記録媒体のたるみを低減させ、記録媒体の両面における記録相対位置のずれを効果的に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した実施の形態に係るサーマルプリンタを示す斜視図である。
記録装置としてのサーマルプリンタ1は、感熱紙をロール状に巻いたロール紙20(図4)を記録媒体とし、発熱素子を備えた記録ヘッドにより、ロール紙20に文字を含む画像を記録するプリンタである。サーマルプリンタ1は2つの記録ヘッドを備え、これら2つの記録ヘッドによりロール紙20の両面に画像を記録する。
サーマルプリンタ1において用いられる記録媒体としては、加熱により発色する感熱性の紙又は樹脂製のシートを用いることができ、好ましくは、上記シートが芯管にロール状に巻きつけられたものを用いることができ、本実施の形態ではロール紙20を用いた場合について説明する。
本実施の形態のロール紙20には、加熱により黒色に発色する薬剤が両面に塗布、浸潤または付着されている。
【0015】
図1に示すように、サーマルプリンタ1は、外装を構成する上部ケース2、下部ケース3、および、サーマルプリンタ1の前面を構成するフロントカバー4を備えている。上部ケース2の上面の一部は、図1中矢印で示した方向に開閉可能な上部カバー5となっており、サーマルプリンタ1の通常使用時には閉じられる。また、上部ケース2の上面側端部には、上部カバー5を閉状態で保持するロック機構(図示略)を解除して、上部カバー5を開放させるためのオープンボタン7が設けられている。
さらに、上部ケース2には、上部ケース2の幅方向に延びる排紙口6が形成されている。排紙口6は、上部カバー5の下方でロール紙20を収容する空間に連通している孔であり、この排紙口6から、上述した記録ヘッドにより両面に画像が記録されたロール紙20が排出される。
【0016】
図2および図3は、サーマルプリンタ1のプリンタ本体11を示す斜視図であり、図2はカバーフレーム12を開けた状態を示し、図3はカバーフレーム12を閉じた状態を示す。
プリンタ本体11は、カバーフレーム12と、略箱状の本体フレーム13とに各部が設けられて構成され、通常使用時は図1に示した外装により覆われている。
【0017】
カバーフレーム12は、図1の上部カバー5の裏面側に取り付けられ、上部カバー5とともに本体フレーム13に対して開閉可能に取り付けられている。
カバーフレーム12の基端部は、本体フレーム13の後端部に支軸14を介して回動可能に連結される。上記のオープンボタン7(図1)が図1中矢印で示す方向に押されると、カバーフレーム12が支軸14を中心に回動して、図3に示す閉状態から、図2に示すように上部カバー5が開かれた開状態となる。また、カバーフレーム12の先端部には、ロール紙20の裏面を記録する第一記録ヘッド22、および、後述する第二記録ヘッド42に圧接されてロール紙20を挟む第二プラテンローラ47が取り付けられている。
カバーフレーム12のほぼ中央部は開口しており、この開口を覆うように、ロール紙20の形状に合わせて円弧状に成形されたロール紙カバー18が取り付けられている。
本体フレーム13の内側には、ロール紙20を収容するロール紙収容部17(収容部)が形成されている。ロール紙収容部17の底部には、ロール紙20の外周に合わせて略円弧状に成形されたロール紙ホルダ15が配設され、ロール紙収容部17に投入されたロール紙20は、ロール紙ホルダ15によって下方から支持される。このロール紙収容部17の上面は、カバーフレーム12によって開閉可能に覆われている。
【0018】
ロール紙20は、ロール紙20の軸が本体フレーム13の幅方向に平行になる向きで、ロール紙収容部17に収容される。上述したようにロール紙ホルダ15は略円弧状であるから、ロール紙20の消費に伴ってロール紙20の直径が小さくなっても、常にロール紙20がロール紙ホルダ15の上で安定するようになっている。また、ロール紙ホルダ15の材料は樹脂であり、好ましくは表面における摩擦係数が低い樹脂で構成される。これは、ロール紙20との摩擦を小さく抑えることで、ロール紙収容部17内のロール紙20のロールをスムーズに回転させて安定的にロール紙20を引き出すためである。
また、ロール紙収容部17に隣接するように、本体フレーム13には、上述した第一記録ヘッド22に圧接されてロール紙20を挟む第一プラテンローラ27と、ロール紙20の表面に画像を記録する第二記録ヘッド42とが取り付けられている。
【0019】
また、図3に示すように、プリンタ本体11は、記録されたロール紙20をカットするため、可動刃32を備えたオートカッタユニット36とを備えている。固定刃33とオートカッタユニット36とは、ロール紙20の搬送路を挟んで反対側に位置している。
固定刃33は、カバーフレーム12の先端部の上面に配設され、上部カバー5(図1)とともにカバーフレーム12を閉じた状態で、オートカッタユニット36に対向する位置に固定される。一方、オートカッタユニット36は、本体フレーム13の前端部に固定され、略箱形の筐体内に、可動刃32を収容している。この筐体には可動刃32が出入り可能な長孔が搬送路に向かって穿設されており、可動刃32は、可動刃駆動部(図示略)の動作によって、上記長孔から突出する。オートカッタユニット36の可動刃駆動部(図示略)を動作させて、可動刃32を固定刃33に向けて突出させると、可動刃32と固定刃33とがはさみ状に交叉し、ロール紙20が挟まれて切断される。
【0020】
なお、固定刃33は、固定刃33を覆うブレードシャッタ34と、ブレードシャッタ34とカバーフレーム12とにまたがって配設されるシャッタバネ35とを備えている。シャッタバネ35は、その付勢力により、ブレードシャッタ34を、固定刃33を覆う方向に付勢する。上述したように上部カバー5を開放した状態では、シャッタバネ35の付勢力によりブレードシャッタ34が移動して固定刃33を覆う。一方、上部カバー5を閉じると、ブレードシャッタ34は本体フレーム13側に設けられた突起(図示略)に当接して、シャッタバネ35の付勢力に抗して押し上げられ、固定刃33が露出する。この構成により、上部カバー5を開いた状態では固定刃33がブレードシャッタ34により覆われて、オペレータが固定刃33に触れないようになっている。また、上部カバー5を閉じればブレードシャッタ34が押し上げられるため、可動刃32と固定刃33の噛み合いが阻害されることはない。さらに、シャッタバネ35の付勢力は、ブレードシャッタ34を介して本体側の突起(図示略)に加わるので、オープンボタン7が押下された際に上部カバー5を開かせる作用を奏する。
【0021】
図4は、プリンタ本体11の内部構成を示す断面視図である。図4では、カバーフレーム12が閉じた状態を示している。また、図5は図4の要部を拡大して示す図であり、特に、第一記録部21と第二記録部41およびその周辺構造を示す。
上述したように、プリンタ本体11は、ロール紙20の裏側に画像を記録する第一記録ヘッド22と表側に画像を記録する第二記録ヘッド42とを備えている。このうち、ロール紙20の搬送路において上流側に位置する第一記録ヘッド22は、第一プラテンローラ27とともに第一記録部21を構成し、下流側に位置する第二記録ヘッド42は第二プラテンローラ47とともに第二記録部41を構成する。
【0022】
第一記録ヘッド22がカバーフレーム12(図2)に支持されているのに対し、第一プラテンローラ27は本体フレーム13に支持されている。また、第二記録ヘッド42は本体フレーム13側に支持され、第二プラテンローラ47はカバーフレーム12に支持されている。このため、上部カバー5(図1)およびカバーフレーム12が開かれた状態では、開口するロール紙収容部17の上方に、第一記録ヘッド22および第二プラテンローラ47が位置する。ロール紙20をプリンタ本体11にセットする場合、上部カバー5が開かれた状態で、ロール紙収容部17にロール紙20を投入し、ロール紙20を所定量だけ引き出して、本体フレーム13に支持された第一プラテンローラ27と第二記録ヘッド42とを覆い、さらにオートカッタユニット36の上に載せる。ここで、カバーフレーム12を閉じると、第一記録ヘッド22と第一プラテンローラ27との間にロール紙20が挟まれ、また、第二記録ヘッド42と第二プラテンローラ47との間にロール紙20が挟まれる。さらに、ロール紙20の先端は、オートカッタユニット36と固定刃33との間を通って、排紙口6から上に引き出される。つまり、ロール紙20をセットする作業は、上部カバー5を開いてロール紙20をロール紙収容部17に投入し、所定量のロール紙20を引き出して上部カバー5を閉めるという簡単な作業で済む。
【0023】
第一記録ヘッド22は、発熱素子を直線状に並べて構成される第一発熱体23を備えたラインサーマルヘッドであり、全体としてほぼ板状である。第一記録ヘッド22は、支軸24を介してカバーフレーム12の側壁に回動自在に支持されている。この第一記録ヘッド22は、第一発熱体23が本体フレーム13の底面を向くよう取り付けられ、第一記録ヘッド22の背面は、ばね26によってカバーフレーム12から離れる方向に付勢されている。ばね26は、第一記録ヘッド22と、カバーフレーム12に設けられた第一押圧板25との間隔を拡げる圧縮コイルばねである。カバーフレーム12を閉じた状態で、第一記録ヘッド22は、ばね26の付勢力によってロール紙20を挟んで第一プラテンローラ27に圧接されている。
第一プラテンローラ27は、その両端に突出する軸28を介して本体フレーム13の側壁に回転可能に支持されている。軸28の両端は、それぞれ本体フレーム13の側壁の外側に延出し、この延出部分には、第一プラテンローラ27を駆動するための第一プラテンギヤ29(図2)が取り付けられている。
【0024】
また、第二記録ヘッド42は、発熱素子を直線状に並べて構成される第二発熱体43を備えたラインサーマルヘッドであり、全体としてほぼ板状である。第二記録ヘッド42は支軸44を介して本体フレーム13の側壁に回動可能に支持されている。第二記録ヘッド42は、第二発熱体43がロール紙収容部17を向くように本体フレーム13の底面に対して略垂直に取り付けられている。第二記録ヘッド42の背面側には、本体フレーム13に設けられた第二押圧板45から第二記録ヘッド42を付勢するばね46が配設されている。カバーフレーム12を閉じた状態では、第二記録ヘッド42は、ばね46の付勢力によってロール紙20を挟んで第二プラテンローラ47に圧接されている。
第二プラテンローラ47は、その両端に突出する軸48を介して、本体フレーム13の側壁に回転可能に支持されている。軸48の両端は、それぞれ本体フレーム13の側壁の外側に延出し、この延出部分には、第二プラテンローラ47を駆動するための第二プラテンギヤ49(図6)が取り付けられている。
【0025】
本体フレーム13には、第一プラテンローラ27の軸28を受けるための溝部16が形成されており、カバーフレーム12を閉じる際に軸28が溝部16に当接することで、カバーフレーム12の上下方向の位置決めがなされ、第一記録部21と第二記録部41とが所定の位置関係に収まる構成となっている。
また、ロール紙20の搬送路において、ロール紙収容部17と第一記録部21との間にはロール紙20を所定方向に付勢する張力緩衝機構19が配設されている。張力緩衝機構19は、図示しないばねによって、例えば図中上方にロール紙20を付勢することで、ロール紙20に一定の張力がかかるように調整し、また、たるみを防止する。
【0026】
このように構成されるサーマルプリンタ1において、ロール紙20は、第一記録ヘッド22と第一プラテンローラ27と、および、第二記録ヘッド42と第二プラテンローラ47とにより2箇所で挟まれている。ここで、第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47は、それぞれ、上述した第一プラテンギヤ29および第二プラテンギヤ49を介して、図5中に矢印で示す向きに回転駆動され、これら第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47の回転によりロール紙20が搬送される。以下、ロール紙20を搬送する機構について説明する。
【0027】
図6は、第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47を駆動する駆動機構の説明図である。
この図6に示すように、サーマルプリンタ1は、モータ50と、モータ50の駆動力を第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47に伝達するためのモータギヤ51、第一ギヤ52、第二ギヤ53、クラッチ付ギヤ54(トルクリミッタ付駆動輪)、および第四ギヤ55とから構成されるローラ駆動部を備えている。このローラ駆動部には、第一プラテンローラ27が備える第一プラテンギヤ29および第二プラテンローラ47が備える第二プラテンギヤ49を含めてもよい。このローラ駆動部を構成する各ギヤは本体フレーム13の外側面に配設され、モータ50は本体フレーム13内に収容されている。
このローラ駆動部のうち、モータギヤ51、第一ギヤ52、第二ギヤ53、および第一プラテンギヤ29は、モータ50の回転力を第一プラテンローラ27に伝達するための駆動輪列部を構成し、モータギヤ51、第一ギヤ52、クラッチ付ギヤ54、第四ギヤ55および第二プラテンギヤ49は、モータ50の回転力を第二プラテンローラ47に伝達するための駆動輪列部を構成する。
【0028】
モータギヤ51は、モータ50の回転軸に固定されたギヤであり、このモータギヤ51に噛み合うように第一ギヤ52が配設されている。第一ギヤ52には2個のギヤが噛み合って配設されており、一方は第一プラテンギヤ29と噛み合い第一プラテンローラ27を駆動する第二ギヤ53であり、他方はクラッチ機構を備えるクラッチ付ギヤ54である。さらに、第二プラテンギヤ49と噛み合い第二プラテンローラ47を駆動する第四ギヤ55が、クラッチ付ギヤ54と噛み合って配設されている。これらの各ギヤは図中矢印で示す向きに回転する。
すなわち、モータ50の動作により、モータギヤ51が、図中反時計回りに回転すると、この回転に伴って第一ギヤ52が時計回りに回転し、この回転により第二ギヤ53が反時計回りに回転する。この第二ギヤ53の回転は第一プラテンギヤ29に伝達され、第一プラテンローラ27を回転させる。また、第一ギヤ52が回転すると、第一ギヤ52に噛み合うクラッチ付ギヤ54が反時計回りに回転し、この回転により第四ギヤ55が時計回りに回転して、この回転が第二プラテンギヤ49に伝達され、第二プラテンローラ47を回転させる。このようにして、モータ50の回転に伴って、第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47がともに駆動され、回転する。
【0029】
第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47は、合成ゴムやシリコン樹脂等の弾性かつ高摩擦材料により構成され、上述したように第一記録ヘッド22および第二記録ヘッド42に対し、それぞれ圧接されている。このため、ロール紙20は、第一記録ヘッド22および第二記録ヘッド42で記録されながら、第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47によって、滑ることなく搬送される。
ここで、モータギヤ51、第一ギヤ52、第二ギヤ53、クラッチ付ギヤ54、第四ギヤ55、第一プラテンギヤ29および第二プラテンギヤ49のギヤ比は適宜調整されており、第一プラテンローラ27の周速度は目標の紙送り速度となるよう設定され、第二プラテンローラ47の周速度は第一プラテンローラ27よりも約5%速くなるようなギヤ比に設定されている。第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47とがロール紙20と接触する部分である最外径は同一であり、周速度は最外径での速度を指す。従って、下流側に位置する第二プラテンローラ47は、第一プラテンローラ27による搬送速度よりも、約5%高速にロール紙20を搬送する。
【0030】
一方、クラッチ付ギヤ54は、例えば、コイルばねの捩じりを利用したトルクリミッタユニットを備えたギヤである。
詳細には、クラッチ付ギヤ54は、第一ギヤ52と噛み合うクラッチ付ギヤ内輪54aと、第四ギヤ55と噛み合うクラッチ付ギヤ外輪54bと、トルクを調節するコイルばね(図示略)が組み合わせて構成されている。クラッチ付ギヤ54は、クラッチ付ギヤ54に作用するトルクが設定値よりも小さいときは、そのまま回転を続け、トルクが設定値を超えたときは、一定のトルクを保ちつつ滑り、相対回転をする。
このため、第二プラテンローラ47に対して回転を妨げる方向のトルクが加わり、このトルクがクラッチ付ギヤ54の設定値よりも大きい場合、クラッチ付ギヤ54のクラッチ付ギヤ外輪54bに対し、クラッチ付ギヤ内輪54aが滑りながら回転する。すなわち、クラッチ付ギヤ内輪54aが、クラッチ付ギヤ外輪54bよりも速い角速度でクラッチ付ギヤ外輪54bと同一方向に回転する状態となり、第二プラテンローラ47の回転速度は通常時とは異なる速度となって、かつ、第二プラテンローラ47に対してはクラッチ付ギヤ54によって一定のトルクが加わる。この状態では、第二プラテンローラ47の回転速度は制限されず、クラッチ付ギヤ54から伝達されるトルクが一定に保たれる。このため、第二プラテンローラ47へのトルクが減少して上記設定値を下回ると、クラッチ付ギヤ54および第二プラテンローラ47は通常の回転速度で回転する。
【0031】
上述したように、モータ50が回転動作すると、第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47との外周に密着したロール紙20は第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47とによって引っ張られて搬送される。これに伴ってロール紙収容部17のロール紙20はロール紙ホルダ15上で回転し、連続的に紙送りがなされる。
ロール紙20は、張力緩衝機構19を経由して斜めに第一記録部21に進入し、略水平に配置された第一発熱体23により加熱され、裏面に記録がなされる。さらにロール紙20は、若干折り返されて第一記録部21を出て第二記録部41に略水平に進入し、第二プラテンローラ47に巻き付いた状態で進行方向を上向きに変えられ、略垂直に配置された第二発熱体43により加熱され、表面に記録がなされる。
ここで、第一記録部21、および、第二記録部41のいずれにおいても、供給されるロール紙20にたるみが生じると、表裏における記録相対位置のずれや、ロール紙20のつまりを生じるおそれがある。
【0032】
サーマルプリンタ1においては、ロール紙収容部17と第一記録部21との間でロール紙20は張力緩衝機構19によって、所定の張力となるように調整されるので、第一記録部21に進入するロール紙20にたるみは無い。また、張力緩衝機構19は、記録が開始され、ロール紙収容部17からロール紙20が引き出されるとき、巻かれたロール紙20の慣性力により瞬間的に大きな張力が加わることを緩衝することができる。
また、第二プラテンローラ47が第一プラテンローラ27よりも約5%高速で回転されるため、第二記録部41がロール紙20を引き込む速さは第一記録部21がロール紙20を排出する速さよりも速い。このため、第一記録部21と第二記録部41との間で搬送されているロール紙20には、常に第二プラテンローラ47の方向に引っ張られる力が働き、第一記録部21と第二記録部41との間でロール紙20がたるむことを防止できる。
【0033】
さらに、第二プラテンローラ47はクラッチ付ギヤ54によって駆動されるため、第二プラテンローラ47によりロール紙20に加わるトルクは、クラッチ付ギヤ54において設定されたトルクを上限として制限される。すなわち、クラッチ付ギヤ54は、第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47との周速度の設定の差異により生じるトルクで滑りを発生する設定とされ、通常は常にクラッチ付ギヤ54が滑った状態で使用される。これにより、第二プラテンローラ47は、常にロール紙20を一定の力で引っ張る力を発生させながら回転することになる。これにより、第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47との周速度の差は、クラッチ付ギヤ54により吸収され、実際には第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47との周速度は同一の速度になる。
このため、ロール紙20の表および裏の両面に画像が記録される間、ロール紙20は適切な張力が与えられた状態で、一定速度で安定して搬送される。
【0034】
第一記録部21のニップ面を延長した面と、第二記録部41のニップ面とを延長した面とは、所定の角度から成る角をなす位置関係にある。すなわち、第一記録部21のニップ面を含む面と第二記録部41のニップ面を含む面とがなす角は所定の角度である。この所定の角度がほぼ0度でなく、即ち平行でなければ、ロール紙20に対し、第一プラテンローラ27における巻付角と、第二プラテンローラ47における所定の巻付角を確保できる。巻付角が大きいと、ロール紙20の搬送力が向上する。このため、上記所定の角度は0度でないことが好ましい。
なお、ここで第一記録部21のニップ面とは、第一記録ヘッド22と第一プラテンローラ27との接触部分(ニップ部)において、第一プラテンローラ27の半径に垂直な平面を指す。同様に、第二記録部41のニップ面とは、第二記録ヘッド42と第二プラテンローラ47との接触部分(ニップ部)において、第二プラテンローラ47の半径に垂直な平面を指す。
【0035】
第一記録部21においては、ロール紙20が第一プラテンローラ27の側に引き出されるため、ロール紙20は第一プラテンローラ27に巻き付きながら折り返され、ロール紙20の巻付角、すなわち、ロール紙20が第一プラテンローラ27外周面に巻き付いた部分の中心角を大きく確保できる。このため、第一プラテンローラ27とロール紙20との間に滑りを生じにくく、確実な搬送を行える。
また、第二記録部41においても、ロール紙20が第二プラテンローラ47に巻き付きながら向きを変えるので、巻付角が大きく確保されている。特に、第二プラテンローラ47の下端が、第一記録部21のニップ部よりも下方に位置しているため、ロール紙20は第二プラテンローラ47に巻き付きながら、やや下向きから上向きに向きを変える。このため、第二プラテンローラ47における巻付角(所定の巻付角)は90度または90度を超える大きさとなっている。これにより、第二プラテンローラ47とロール紙20との間に滑りが生じにくく、第二プラテンローラ47によって確実にロール紙20に張力を与えて、たるみを防止できる。
第一記録部21が記録する面は、巻かれた状態のロール紙20の内側の面であり、第二記録部41が記録する面は、ロール紙20の外側の面であるように構成している。図5のように、巻かれた状態のロール紙20と、第一プラテンローラ27、第二プラテンローラ47の間を縫うように、互い違いにロール紙20が搬送されるので、各プラテンローラで巻付角を取ることができる。
【0036】
このように、第一記録部21と第二記録部41とにおいて十分な巻付角を確保することで、ロール紙20とプラテンローラとの接触面積を広く確保し、安定した紙送りのトルクを得ることができる。
さらに、この構成によれば、第一記録部21のニップ部から第二記録部41のニップ部までの距離をできるだけ延長せずに、第二プラテンローラ47とロール紙20との滑りを防止する。サーマルプリンタ1においては、画像の記録完了後に第一記録部21のニップ部から第二記録部41のニップ部までの間に残存するロール紙20には両面への記録を行えないため、この分のロール紙20は有効に活用できず、捨てられる可能性もある。この第一記録部21のニップ部から第二記録部41のニップ部までの距離を短くすることにより、有効活用できないロール紙20の量を減らし、ロール紙20を無駄なく使えるという効果がある。
また、ロール紙20は、上部カバー5を開いてロール紙20をロール紙収容部17に投入し、再び上部カバー5を閉めれば、第一記録部21と第二記録部41とにおいて狭持されるため、ロール紙20のセットが容易である。
【0037】
そして、ロール紙20と第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47との接触面積が大きく、かつ、クラッチにより、一定の力で引っ張られて搬送されるため、たるみが生じにくい。
このように、本実施の形態のサーマルプリンタ1においては、第一記録部21によってロール紙20の裏面に画像を記録し、第二記録部41によってロール紙20の表面に画像を記録する間、ロール紙20のたるみを確実に防止できるので、記録相対位置の精度の向上を図ることができ、例えば表裏両面の記録相対位置のずれ等を確実に防止できる。また、たるみによって起こるロール紙20の紙詰まりを防止できる。さらに、第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47とロール紙20との間の滑りが低減されるため、第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47の磨耗を抑制し、耐久性の向上が期待できる。そして、ロール紙20が補充等で新たにセットされた際に生じるたるみは、ロール紙20が搬送されることで速やかに解消されるので、ロール紙20のたるみを防止するための特別な操作が必要ない。
【0038】
また、モータ50の動力をモータギヤ51から伝達する駆動輪列部として、第一ギヤ52、第二ギヤ53、および第一プラテンギヤ29からなる駆動輪列部と、クラッチ付ギヤ54、第四ギヤ55および第二プラテンギヤ49からなる駆動輪列部とを各々備えるので、一つのモータ50によって第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47との両方を駆動できるという利点がある。さらに、各々の駆動輪列部におけるギヤ比を適宜調整することで、第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47との回転速度の比を、容易に、かつ任意に設定できる。
【0039】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様であり、本発明は上記実施の形態に限定されないのは勿論である。例えば、上記実施の形態では、クラッチ付ギヤ54を、クラッチ機構にコイルばねの捩じりを利用したトルクリミッタユニットを備えるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、円盤状のクラッチディスクの摩擦を利用したクラッチ機構を用いた構成としても良い。また、上記実施の形態では、クラッチ付ギヤ54が第二記録部41を駆動する場合について説明したが、これを第一記録部21側に配置してもよい。すなわち、モータ50の動力を第一プラテンローラ27に伝達する駆動輪列中にクラッチ付ギヤ54を設けて、第一プラテンローラ27が一定のトルクを保ちながら回転し、ロール紙20に一定の張力が与えられる構成としても良い。また、上記実施の形態において、第一プラテンローラ27と第二プラテンローラ47との周速度が、モータギヤ51、第一ギヤ52、第二ギヤ53、クラッチ付ギヤ54、第四ギヤ55、第一プラテンギヤ29および第二プラテンギヤ49のギヤ比により調整されるものとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、第一プラテンローラ27および第二プラテンローラ47の外径をも加味して周速度を設定してもよく、その他、サーマルプリンタ1の細部構成についても任意に変更可能であることは勿論である。
【0040】
さらに、上記実施の形態では、加熱されて発色するロール紙20に画像を記録するサーマルプリンタ1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、例えば、ラインヘッドを備えたドットインパクトプリンタなど、ヘッドとプラテンローラとで記録媒体を挟んで搬送する形態を有する全ての記録装置に本発明を適用することができる。また、これらの記録装置は独立して構成されるものに限らず、コンピュータ装置と同一の筐体に収容され、或いは、他の装置の内部に組み込まれる記録装置にも本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施の形態に係るサーマルプリンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】サーマルプリンタの内部構成を示す斜視図である。
【図3】サーマルプリンタの内部構成を示す斜視図である。
【図4】プリンタ本体の内部構成を示す断面視図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】第一および第二プラテンローラを駆動する駆動機構の説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1…サーマルプリンタ、2…上部ケース、3…下部ケース、4…フロントカバー、5…上部カバー、6…排紙口、7…オープンボタン、11…プリンタ本体、12…カバーフレーム、13…本体フレーム、14…支軸、15…ロール紙ホルダ、16…溝部、17…ロール紙収容部(収容部)、18…ロール紙カバー、19…張力緩衝機構、20…ロール紙(記録媒体)、21…第一記録部、22…第一記録ヘッド、23…第一発熱体、27…第一プラテンローラ、28…軸、29…第一プラテンギヤ(ローラ駆動部)、32…可動刃、33…固定刃、36…オートカッタユニット、41…第二記録部、42…第二記録ヘッド、43…第二発熱体、47…第二プラテンローラ、48…軸、49…第二プラテンギヤ(ローラ駆動部)、50…モータ(ローラ駆動部)、51…モータギヤ(ローラ駆動部)、52…第一ギヤ(ローラ駆動部)、53…第二ギヤ(ローラ駆動部)、54…クラッチ付ギヤ(トルクリミッタ付駆動輪)、55…第四ギヤ(ローラ駆動部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の一方の面に画像を記録する第一記録ヘッドと、この第一記録ヘッドに対向する第一プラテンローラとの間に前記記録媒体を挟持して、前記第一プラテンローラの回転により前記記録媒体を搬送する第一記録部と、
前記第一記録部よりも下流側に位置して、前記記録媒体の他方の面に画像を記録する第二記録ヘッドと、この第二記録ヘッドに対向する第二プラテンローラとの間に前記記録媒体を挟持して、前記第二プラテンローラの回転により前記記録媒体を搬送する第二記録部と、
前記第一記録部が備える前記第一プラテンローラおよび前記第二記録部が備える前記第二プラテンローラを駆動するローラ駆動部と、を備え、
前記ローラ駆動部は、前記第一プラテンローラおよび前記第二プラテンローラを、前記第二プラテンローラの周速度が前記第一プラテンローラの周速度よりも高速となるよう回転させること、
を特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録装置において、
前記ローラ駆動部は、前記第二プラテンローラに駆動力を伝達する駆動輪列部を備え、
前記駆動輪列部は、前記第二プラテンローラへ所定のトルクを伝達するとともに、このトルクを超える回転負荷が加わった場合に滑りを生じながら上記トルクを加えるトルクリミッタ付駆動輪を含んで構成されること、
を特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の記録装置において、
前記ローラ駆動部は、モータと、前記モータの駆動力を前記第一プラテンローラに伝達する駆動輪列部と、前記モータの駆動力を前記第二プラテンローラに伝達する駆動輪列部とを備えて構成されること、
を特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の記録装置において、
前記第一記録部のニップ面を含む平面と前記第二記録部のニップ面を含む平面とは所定の角度になるように配置され、
前記第一記録部のニップ部から前記第一プラテンローラ側に引き出された前記記録媒体は、前記第二プラテンローラに所定の巻付角で巻き付けられて前記第二記録部のニップ部を通過し、前記第二記録部から排出されること、
を特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項4記載の記録装置において、
前記記録媒体は、ロール状に巻かれた状態から前記第一記録部および第二記録部へ搬送され、
前記第一記録部記録部は、巻かれた状態の前記記録媒体の内側の面に画像を記録し、
前記第二記録部記録部は、巻かれた状態の前記記録媒体の外側の面に画像を記録すること、
を特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の記録装置において、
前記第一記録部から引き出された前記記録媒体が前記第二プラテンローラに巻き付く前記所定の巻付角は90度以上であること、
を特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の記録装置において、
ロール状に巻かれた状態で前記記録媒体を収容する収容部を備え、
前記収容部から前記第一記録部に向かう搬送路上に、前記記録媒体の張力を調整する張力緩衝機構を備えること、
を特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の記録装置において、
前記記録装置は、前記記録媒体を収容する収容部を備えた本体フレームと、前記本体フレームに開閉可能に取り付けられるカバーフレームとを有し、
前記第一プラテンローラ及び前記第二記録ヘッドは前記本体フレームに取り付けられ、前記第一記録ヘッド及び前記第二プラテンローラは前記カバーフレームに取り付けられており、
前記カバーフレームが閉じられた状態で、前記第一記録ヘッドと前記第一プラテンローラとの間、及び、前記第二記録ヘッドと前記第二プラテンローラとの間に、前記記録媒体が挟まれること、
を特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−45765(P2009−45765A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211648(P2007−211648)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】