説明

誘電体装荷アンテナ

【課題】誘電体ブロックの外形形状を変化させることなく、所望の指向性を実現可能な誘電体装荷アンテナを提供する。
【解決手段】基板10上に形成された放射パッチ11を覆うように基板10上に設置される誘電体ブロック20は、外形が円柱状に形成され、基板10に取り付けられる側の底面(対向底面という)に凹部21が設けられている。この凹部21が形成する中空部のサイズを調整することによって、誘電体装荷アンテナ1の指向性を調整する。これにより、誘電体ブロック20の外形サイズ(ひいてはアンテナの開口サイズ)を変化させることなく、所望の周波数帯において所望の指向性を実現することができる。また、誘電体ブロックの外形形状(サイズ)によらず、誘電体ブロック20の材質(誘電率)を任意に選択できるため、設計の自由度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波、ミリ波帯で使用される誘電体装荷アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、マイクロストリップ線路や導波管等で構成された電波の放射源を、柱体状に形成された誘電体(以下「誘電体ブロック」という)で覆うことで高利得化したアンテナてある誘電体装荷アンテナが知られている。
【0003】
また、高利得が得られる範囲(メインローブの幅)を拡大するため、誘電体ブロックの外形形状を工夫すること、具体的には、図9に示すように、円柱状に形成された誘電体ブロック100の底面のうち、放射源と対向する底面(対向底面)とは反対側の底面(開放底面)に凹部101を形成することも行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
即ち、誘電体ブロックの対向底面から入射される電波が、誘電体ブロックのどの部分を通過するかによって経路差が生じるように外形形状を工夫し、誘電体ブロックの開放底面や側面から放射される電波に、その経路差に応じた位相差を生じさせることによって、指向性を制御するものである。
【特許文献1】特開2005−130464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の手法では、アンテナの指向性(メインローブの幅/アンテナの開口サイズ)、使用周波数、誘電体ブロックの誘電率の全てが誘電体ブロックの外形形状に影響を与えることになるため、実装スペースの都合等により誘電体ブロックの大きさ(外形)が有る程度規定された中で、所望の指向性が得られるように設計することが難しいという問題があった。
【0006】
逆に言えば、使用条件(実現する指向性,使用周波数)や使用する材質(誘電体ブロックの誘電率)によって誘電体ブロックの外形が様々に異なったものとなるため、規格化することが難しいという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するために、誘電体ブロックの外形形状を変化させることなく、所望の指向性を実現可能な誘電体装荷アンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の誘電体装荷アンテナは、電波を放射する放射源と、該放射源の放射面を被覆するように設置される誘電体ブロックとを備えている。
【0009】
そして、誘電体ブロックは、柱体状の外形を有し、一方の底面である対向底面が放射源の放射面と対向するように配置され、かつその対向底面に、当該誘電体ブロックを介して放射される電波の位相を調整するための凹部が形成されている。
【0010】
このように構成された本発明の誘電体装荷アンテナでは、放射源の放射面から放射された電波は、凹部が形成する空間及び誘電体ブロックを介して外部に放射される。
【0011】
ここで放射源から誘電体ブロックの外表面に至る電波の経路長Rのうち、凹部が形成する空間での経路長をR1、誘電体ブロック内での経路長をR2とすると、電波の経路長はR=R1+R2で表される(図8参照)。
【0012】
なお、誘電体ブロック内ではその誘電率に応じた波長短縮が生じるため、誘電体ブロックの外形形状が一定であり、電波の経路長R(=R1+R2)が一定であったとしても、凹部の形状を調整することによって、R1とR2の比率を適宜調整すれば、誘電体ブロックの各部から放射される電波の位相、ひいては誘電体装荷アンテナの指向性を任意に調整することができる。
【0013】
従って、本発明の誘電体装荷アンテナによれば、誘電体ブロックの外形形状(ひいてはアンテナの開口サイズ)を変化させることなく、アンテナ指向性を調整することができるため、所望の周波数帯において所望の指向性を容易に実現することができる。
【0014】
また、本発明の誘電体装荷アンテナによれば、誘電体ブロックの外形形状(サイズ)によらず、誘電体ブロックの材質(誘電率)を任意に選択することが可能であるため、設計の自由度を向上させることができる。
【0015】
ところで、凹部は、例えば、請求項2に記載のように、誘電体ブロックの対向底面とは異なる底面である開放底面側で前記誘電体ブロックと接し且つ該誘電体ブロックの軸方向と直交する平面(図8中の平面P)にて、誘電体ブロックを介して放射される電波の位相が揃うような形状に形成することが考えられる。この場合、メインローブのビーム幅を絞ることができる。
【0016】
また、凹部は、請求項3に記載のように、誘電体ブロックと放射源の放射面とが非接触となるように形成されていることが望ましい。この場合、放射源の周波数特性に誘電体ブロックの誘電率の影響を与えることがないため、放射源の設計を容易にすることができる。
【0017】
次に、誘電体ブロックの外形は、請求項4に記載のように、円柱状又は楕円柱状であることが望ましい。
【0018】
特に、誘電体ブロックの外形が円柱状である場合、円形をした円柱断面の径方向のどの方向についても、メインローブの幅を均一なものとすることができる。
【0019】
一方、誘電体ブロックの外形が楕円柱状である場合、楕円形をした楕円柱断面の長径方向と短径方向とでメインローブの幅を異なったものとすることができ、具体的には、長径方向には狭く、短径方向には広い扁平なビーム形状を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る誘電体装荷アンテナ1の構成を示す分解斜視図である。
【0021】
図1に示すように、誘電体装荷アンテナ1は、パッチアンテナを構成する基板10と、基板10における電波放射部位を覆うように基板10上に設置される誘電体ブロック20とを備えている。
【0022】
<基板>
基板10は、グランド導体10cを挟んで積層された一対の誘電体層10a,10bからなり、一方の誘電体層10aの表面には電波の放射部位となる放射パッチ11が形成され、他方の誘電体層の表面には放射パッチ11への給電を行う給電ライン13が形成されている。
【0023】
<誘電体ブロック>
ここで、図2は、誘電体装荷アンテナ1を、誘電体ブロック20の中心を通る図中のXZ平面で切断した断面図である。
【0024】
図1,図2に示すように、誘電体ブロック20は、外形が円柱状に形成され、円形の底面が放射パッチ11の全体を覆う大きさに形成されている。以下では、円柱状をした誘電体ブロック20の一対の底面のうち、基板10に取り付けられる側を対向底面、他方の側の底面を開放底面と呼ぶものとする。
【0025】
誘電体ブロック20の対向底面には、基板10に取り付けられた時に、基板10と共に中空部を形成する凹部21が形成されている。
【0026】
なお、凹部21は、誘電体ブロック20から該誘電体ブロック20と同心かつ円柱状の部位をくり抜いた形状を有しており、その内径は、少なくとも中空部内に配置される放射パッチ11が誘電体ブロック20と接触することのない大きさに形成されている。
【0027】
そして、誘電体ブロック20の外形サイズ(高さT、直径φ)、及び凹部21が形成する中空部のサイズ(高さTh、直径(内径)φh)は、誘電体ブロック20の誘電率εrに応じて所望の指向性が得られるように設定されている。
【0028】
<誘電体ブロックの設計手順>
ここで、誘電体ブロック20の設計手順について説明する。
【0029】
(A)使用する周波数帯f(自由空間波長λ)、実現すべき指向性半値角(メインローブの幅)θhに基づき、(1)式に示す関係を用いて、アンテナの開口サイズLを設定し、(2)式に示す関係を用いて誘電体ブロック20の外形サイズ(高さT,直径φ)を設定する。
【0030】
θh=0.886×λ/L (1)
2 ≒T2 +φ2 (2)
但し、T,φは実装スペース等に応じて上記関係を満たすように適宜設定する。
【0031】
(B)誘電体ブロック20の材質(誘電率)を選択する。
【0032】
(C)誘電体ブロック20の外形サイズT,φを固定し、誘電体ブロックの各部から放射される電波の位相が、誘電体ブロック20の開放面側で誘電体ブロック20と接し且つ誘電体ブロック20の軸方向と直交する平面(図8の平面P参照)にて一致するように、誘電体ブロック20の凹部21が形成する中空部のサイズTh,φhを調整する。
【0033】
なお、図8に示すように、誘電体ブロック20から放射された電波の平面Pでの位相は、開放面から放射される電波については、R1(中空部での経路長),R2(誘電体ブロック内での経路長)によって決まり、側面から放射される電波については、R1,R2,R3(誘電体ブロック20の側面から平面Pに至る経路長)によって決まる。
【0034】
但し、この調整は、具体的には、中空部のサイズTh,φhを適宜変化させながら、その都度シミュレーションによって誘電体装荷アンテナ1の指向性を求め、メインローブとサイドローブの強度差が十分に大きくなった時の値を調整値とする。
【0035】
<実験>
図3,図4は、電磁界解析シミュレータによるシミュレーション結果を示す。
【0036】
図3において、(a)が誘電体ブロック20の凹部21によって指向性を調整する本発明に係る誘電体装荷アンテナ1(以下「実施例1」という)、(b)(c)が凹部21のない単純な円柱状の誘電体装荷アンテナ(以下「比較例1」「比較例2」という)についての結果である。
【0037】
なお、誘電体ブロックの外形サイズは、T=36mm、φ=31.8mmであり、誘電体ブロックの誘電率εrは、実施例1及び比較例2が4.1、比較例1が2.3である。また、誘電体ブロックの中空部のサイズ(但し実施例1のみ)は、Th=10.9mm、φh=12mmである。
【0038】
図4(a)は、アンテナの反射特性を示すグラフであり、実線は、誘電体ブロックが非装着の状態、太い点線が実施例、細い点線が比較例2である。図4(b)は、実施例と比較例2の指向性を示すグラフを重ね合わせて示したものであり、実線が実施例1、点線が比較例2である。
【0039】
使用周波数を24GHz、誘電体ブロックの外形サイズをT=36mm、φ=31.8mmとして、凹部(中空部)のない誘電体ブロックを用いた場合、誘電体ブロックの誘電率をεr=2.3とした場合(比較例1)には良好な指向性が得られるが、εr=4.1とした場合(比較例2)にはメインローブとサイドローブとの強度差が小さく、良好な指向性が得られていない(図3(b)(c)参照)。
【0040】
しかし、誘電体装荷アンテナ1では、誘電体ブロック20の誘電率をε=4.1とした場合であっても、凹部21が形成する中空部のサイズを適宜調整することによって(ここでは、Th=10.9mm、φh=12mm)、良好な指向性が得られ、しかも、メインローブの幅が広がっていることがわかる(図3(a),図4(b)参照)。
【0041】
また、凹部のない誘電体ブロックを、放射パッチ11に装荷すると、反射の少ない(良好な特性が得られる)周波数帯域が大きく変化するが、凹部のある誘電体ブロックでは、その変化が抑制されていることがわかる(図3(a)参照)。
【0042】
<効果>
以上説明したように、誘電体装荷アンテナ1では、誘電体ブロック20の対向底面に凹部21を設け、その凹部21が形成する中空部のサイズを調整することによって、指向性を調整するようにされている。
【0043】
従って、誘電体装荷アンテナ1によれば、誘電体ブロック20の外形サイズ(ひいてはアンテナの開口サイズ)を変化させることなく、所望の周波数帯において所望の指向性を実現することができる。
【0044】
また、誘電体装荷アンテナ1によれば、誘電体ブロックの外形形状(サイズ)によらず、誘電体ブロック20の材質(誘電率)を任意に選択できるため、設計の自由度を向上させることができる。
【0045】
即ち、凹部21のない誘電体ブロックを用いる従来装置では、上記設計手順の(A)(B)(C)を実施した後、所望の指向性が得られるように、誘電体ブロックの外形形状を調整することになる。しかし、誘電体ブロックの外形形状を調整すると、(B)で設定した外形サイズ、ひいては誘電体ブロックアンテナとしての開口サイズを変化させてしまい、外形形状の調整で意図する影響とは異なる影響を指向性に与えてしまうことになるため、所望の特性が得られるように設計することが非常に難しいのである。
【0046】
また、誘電体装荷アンテナ1では、誘電体ブロック20の凹部21は、凹部21が形成する中空部内に配置される放射パッチ11が誘電体ブロック20と接触することのない大きさに形成されている。
【0047】
従って、誘電体装荷アンテナ1によれば、
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
【0048】
<全体構成>
図5は、第2実施形態に係る誘電体装荷アンテナ2の構成を示す分解斜視図である。
【0049】
図5に示すように、誘電体装荷アンテナ2は、パッチアンテナを構成する基板10と、基板10における電波放射部位を覆うように基板10上に設置される誘電体ブロック30とを備えている。
【0050】
なお、誘電体装荷アンテナ2は、第1実施形態の誘電体装荷アンテナ1とは、誘電体ブロック30の形状が異なるだけであるため、以下では、この相違する部分を中心に説明する。
【0051】
<誘電体ブロック>
ここで、図6は、(a)が誘電体ブロック30の中心を通る図中のXZ平面で誘電体装荷アンテナ2を切断した断面図、(b)が誘電体ブロック30の中心を通る図中のYZ平面で誘電体装荷アンテナ2を切断した断面図である。
【0052】
図5,図6に示すように、誘電体ブロック30は、外形が楕円柱状に形成され、円形の底面が放射パッチ11の全体を覆う大きさに形成されている。以下では、楕円柱状をした誘電体ブロック30の一対の底面のうち、基板10に取り付けられる側を対向底面、反対側の底面を開放底面と呼ぶものとする。また、図6では、楕円の短径に沿った方向をX軸、楕円の長径に沿った方向をY軸としている。
【0053】
そして、誘電体ブロック30の対向底面には、基板10に取り付けられた時に、基板10と共に中空部を形成する凹部31が形成されている。
【0054】
なお、凹部31は、誘電体ブロック30から該誘電体ブロック30と同心かつ楕円柱状の部位をくり抜いた形状を有しており、その内径は、少なくとも中空部内に配置される放射パッチ11が誘電体ブロック30と接触することのない大きさに形成されている。
【0055】
そして、誘電体ブロック30の外形サイズ(高さT、長径φA、短径φB)、及び凹部21が形成する中空部のサイズ(高さTh、長径φAh、短径φBh)は、誘電体ブロック30の誘電率εrに応じて所望の指向性が得られるように設定されている。
【0056】
<誘電体ブロックの設計手順>
ここで、誘電体ブロック30の設計手順について説明する。
【0057】
なお、第1実施形態と同様に(A)〜(C)の手順で行う。
【0058】
但し(A)では、実現すべき指向性半値角がX軸(長径)方向、Y軸(短径)方向のそれぞれについて設定され、それに基づいて、X軸方向の開口サイズLA、Y軸方向の開口サイズLBが算出され、その開口サイズLA及び高さTから長径φA,開口サイズLB及び高さTから短径φBが算出される。
【0059】
また(C)では、中空部のサイズの長径φAh,短径φBhについては、個別に調整が行われる。
【0060】
<実験>
図7は、電磁界解析シミュレータによるシミュレーション結果を示す。
【0061】
図7において、(a)が誘電体ブロック30の凹部31によって指向性を調整する本発明に係る誘電体装荷アンテナ2(以下「実施例2」という)、(b)が凹部31のない単純な楕円柱状の誘電体装荷アンテナ(以下「比較例3」という)についての結果である。また、実線がX軸(長径)方向の特性、点線がY軸(短径)方向の特性を示す。
【0062】
なお、誘電体ブロックの外形サイズは、いずれもT=36mm、φA=31.8mm、φB=19.1mmであり、誘電体ブロックの誘電率は、いずれもεr=4.1である。また、誘電体ブロックの中空部のサイズ(但し実施例2のみ)は、Th=5mm、φAh=23.8mm、φBh=15.1mmである。
【0063】
比較例3では、XZ面およびYZ面のいずれの指向性も、メインローブとサイドローブとの強度差が小さく、良好な指向性が得られていない。これに対して、実施例2では、XZ面およびYZ面のいずれの指向性も、メインローブとサイドローブとの強度差が十分に大きく、良好な指向性が得られている。また、実施例2では、XZ面とYZ面とでメインローブ幅が確実に異なる指向性が得られていることがわかる。
【0064】
<効果>
以上説明したように誘電体装荷アンテナ2では、誘電体ブロック30の対向底面に凹部31を設け、その凹部31が形成する中空部のサイズを調整することによって、指向性を調整するようにされているため、第1実施形態の誘電体装荷アンテナ1と同様の効果を得ることができる。
【0065】
しかも、誘電体装荷アンテナ2では、誘電体ブロック30の外形形状、及び凹部31が形成する中空部の形状が楕円柱状とされているため、XZ面の指向性と、YZ面の指向性とを個別に設計することができ、設計の自由度をより向上させることができる。
【0066】
<他の実施形態>
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態では、誘電体ブロック20,21の外形形状を、円柱状,楕円柱状としたが、多角柱状としてもよい。また、誘電体ブロック20,21の外形形状を、単純な形状とするのではなく、その表面に、指向性を調整するための加工が施されたものを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第1実施形態の誘電体装荷アンテナの構成を示す分解斜視図。
【図2】第1実施形態の誘電体装荷アンテナの断面図。
【図3】指向性についてのシミュレーション結果を示すグラフ。
【図4】反射特性等についてのシミュレーション結果を示すグラフ。
【図5】第2実施形態の誘電体装荷アンテナの構成を示す分解斜視図。
【図6】第2実施形態の誘電体装荷アンテナのXZ断面図及びYZ断面図。
【図7】指向性についてのシミュレーション結果を示すグラフ。
【図8】凹部の形状によって電波の位相の調整が可能となる原理を示す説明図。
【図9】従来装置における誘電体ブロックの形状を示す斜視図。
【符号の説明】
【0069】
1,2…誘電体装荷アンテナ 10…基板 10a,10b…誘電体層 10c…グランド導体 11…放射パッチ 13…給電ライン 20,30…誘電体ブロック 21,31…凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を放射する放射源と、
前記放射源の放射面を被覆するように設置される誘電体ブロックと、
を備えた誘電体装荷アンテナにおいて、
前記誘電体ブロックは、柱体状の外形を有し、一方の底面である対向底面が前記放射面と対向するように配置され、かつ該対向底面に、当該誘電体ブロックを介して放射される電波の位相を調整するための凹部が形成されていることを特徴とする誘電体装荷アンテナ。
【請求項2】
前記凹部は、前記誘電体ブロックの前記対向底面とは異なる底面である開放底面側で前記誘電体ブロックと接し且つ該誘電体ブロックの軸方向と直交する平面にて、前記誘電体ブロックを介して放射される電波の位相が揃うような形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の誘電体装荷アンテナ。
【請求項3】
前記凹部は、前記誘電体ブロックと前記放射源の放射面とが非接触となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘電体装荷アンテナ。
【請求項4】
前記誘電体ブロックの外形は、円柱状又は楕円柱状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の誘電体装荷アンテナ。

【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−141566(P2010−141566A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315603(P2008−315603)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】