説明

警備システム

【課題】
警備対象施設に居ながらにして警備端末の動作確認ができると共に、センタ装置や通信回線の負荷を抑え、効率的に警備端末の動作確認が可能な警備システムを提供することにある。
【解決手段】
警備対象施設の警備情報を送信する警備端末と、複数の警備端末から警備情報を取得し表示・管理するセンタ装置と、警備端末の動作確認を行う表示確認装置とからなる警備システムおいて、表示確認装置が、センタ装置との間で警備情報等の授受を行う通信手段と、センタ装置から取得した警備情報を表示する表示手段とを備え、通信手段で取得し表示手段で表示される警備情報は、センタ装置で表示された情報であり且つセンタ装置に要求された情報であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備対象施設側に設けられた警備端末と通信回線を介して接続されたセンタ装置の表示を確認する警備システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般の家庭や店舗、工場等の警備対象施設側に、異常を検知するセンサを設け、異常の情報を警備端末を介して警備センタのセンタ装置に通報する警備システムが用いられている。そして、警備端末の設置工事の時、工事者は警備対象施設側にて警備端末の設置・動作設定、各種センサの設置を実施した後、センタ装置への通報試験を実施している。この際、警備対象施設側に居る工事者とセンタ装置側に居る管制員との間で、電話や無線を利用して、警備情報が正しく通報されることを確認する作業を実施している。
【0003】
また、工事者が管制員と連絡を取りながら警備情報が正しく通報されることを確認する作業は煩雑で効率が悪いことから、管制員の介在なしに警備対象施設側で確認作業を行える確認手段(警備システムの表示確認装置)が提案されてきた。例えば、特許文献1に示す携帯型無線通信機である。
【0004】
この特許文献1に係る携帯型無線通信機は、センタ装置に対してテスト要求信号を送出し、センタ装置からテスト結果信号を受信するものである。警備端末の動作テストを行う際、工事者が警備端末に対して発報操作を行うと、警備端末の動作信号はセンタ装置を介して携帯型無線通信機に送られる。工事者は、管制員と連絡をとらなくても、携帯型無線通信機の表示を見ることにより、警備端末の動作状態を確認することができる。
【特許文献1】特開平10−326384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の警備システムの表示確認装置である携帯型無線通信機では、テスト要求信号を送信し、表示確認装置側から警備システム全体を制御する形態で、センタ装置と表示確認装置との間の通信量が多く複雑であり、センタ装置や通信回線の負荷が大きい。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、警備対象施設に居ながらにして警備端末の動作確認ができると共に、センタ装置や通信回線の負荷を抑え、効率的に警備端末の動作確認が可能な警備システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の警備システムは、表示確認装置が、センタ装置との間で警備情報等の授受を行う通信手段と、センタ装置から取得した警備情報を表示する表示手段とを備え、通信手段で取得し表示手段で表示される警備情報は、センタ装置で表示された情報であり且つセンタ装置に要求された情報であることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の警備システムは、複数の警備端末のうち、警備情報を表示可能な警備端末が限定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の警備システムは、表示確認装置が、センタ装置が警備情報の授受の可否を認証するための認証情報を送信する認証情報送信手段を備え、センタ装置が認証した場合にのみ表示確認装置が警備情報を取得可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の警備システムは、表示確認装置が、操作を行おうとする者があらかじめ認められた者であるか否かの認証確認を行う使用者認証手段を備え、認証された者のみが使用者として表示確認装置を操作可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の警備システムは、表示確認装置が、警備情報に係る前記センタ装置側の設定情報であるセンタ装置設定情報を入力する入力手段を備え、表示確認装置が入力されたセンタ装置設定情報を送信し、センタ装置の設定を変更することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の警備システムは、表示確認装置が、警備情報に係る警備端末側の設定情報である警備端末設定情報を入力する入力手段を備え、表示確認装置が、センタ装置を介して、入力された警備端末設定情報を送信し、警備端末の設定を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、センタ装置で表示された警備情報を表示できることから、警備対象施設に居ながらにして警備端末の動作確認ができると共に、表示確認装置に表示される警備情報が、センタ装置で表示された情報であり且つセンタ装置に要求された警備情報であることから、センタ装置や通信回線の負荷を抑え、効率的に警備端末の動作確認が可能である。
【0014】
請求項2の発明によれば、複数の警備端末のうち、表示確認装置で警備情報を表示可能な警備端末が限定されていることから、動作確認が必要な警備端末を取り違えたり、警備情報を表示すべきでない警備端末の情報が表示されることがなく、対象とする警備端末の動作確認を確実且つ情報管理上安全に行うことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、表示確認装置が、センタ装置が警備情報の授受の可否を認証するための認証情報を送信する認証情報送信手段を備え、センタ装置が認証した場合にのみ警備情報を取得可能であることから、警備情報の漏洩を抑えることができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、表示確認装置が、操作を行おうとする者が、あらかじめ認められた者であるか否かの認証確認を行う使用者認証手段を備え、認証された者のみが使用者として操作可能であることから、操作が認められていない第三者は操作することができず警備情報の漏洩を抑えることができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、表示確認装置が、入力されたセンタ装置設定情報を送信し、センタ装置の設定を変更することから、センタ装置側で設定を変更すれば対処できる警備システムの不具合を、警備対象施設に居ながらにして容易に変更することができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、表示確認装置が、入力された警備端末設定情報を送信し、警備端末の設定を変更することができることから、センタ装置の表示を確かめつつ警備端末の設定を変更することができ、不具合の変更を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の形態における警備システムは、不審者等が侵入することが好ましくない一般の家庭や店舗、工場等の警備対象施設の異常の情報を検知し通報するものであって、電話回線等の通信回線を用いて情報伝達を行うものである。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明に係る警備システムの第1の実施例の構成を示す構成図である。図2は、同警備システムに係る表示確認装置のタイミングチャートである。本実施例の警備システム1は、警備すべき警備対象施設に設けられた各種のセンサ23,28,33と、センサ23,28,33で検知した異常等を通信回線3を用いて外部に情報伝達可能な警備用機器である警備端末20,25,30と、異常等の情報を管理するセンタ装置5と、センタ装置5に表示された異常等の情報を通信回線3を介して表示する表示確認装置10とからなる。
【0021】
警備端末20,25,30は、センサ23,28,33のインタフェースである制御装置21,26,31と、異常等の情報を外部に情報伝達可能な通信装置22,27,32とから構成されている。また、通信回線3は公衆回線網であり、例えば、アナログ加入回線、ISDN回線、DoPa回線、携帯電話網、PHS網等である。尚、通信回線3には、インターネットに常時又は断続的に接続可能な回線である、WAN(Wide Area Network)、ADSL(Asymmetric Digital
Subscriber Line)回線、専用線等の他、LAN(Local Area Network)を経由した接続も含まれる。また、通信回線3は、有線に限られるものではなく、無線により接続されるものであってもよい。また、通信装置22,27,32は、通信回線3に接続可能な装置であり、具体的には有線方式又は無線方式のモデム、ターミナルアダプタ等である。
【0022】
センタ装置5は、異常の発生を表示し警備センタの管制員に伝える監視卓7と、通信回線3と監視卓7とを接続する通信装置6とから構成されている。監視卓7は、例えば、コンピュータ端末である。また、通信装置6は、通信回線3に接続可能な装置であり、具体的には有線方式又は無線方式のモデム、ターミナルアダプタ等である。尚、通信回線3を介して1つのセンタ装置5に接続される警備対象施設は複数有り、図1では一例として3つの警備対象施設に設けられた警備端末20,25,30を示している。
【0023】
次に、表示確認装置10について説明する。表示確認装置10は、警備対象施設で警備端末20,25,30等を設置・設定の工事を行う工事者が、工事を行っている警備対象施設に携帯し、センタ装置5の監視卓7に表示される各種の情報を表示するための装置である。表示確認装置10は、装置全体の制御を行う制御装置11と、警備情報等の各種情報を表示する表示装置13と、各種入力を行う入力装置12と、通信回線3を介してセンタ装置5と接続する通信装置14とからなる。通信装置14は、通信回線3に接続可能な装置であり、具体的には有線方式又は無線方式のモデム、ターミナルアダプタ等である。尚、表示確認装置10は、工事者が携帯可能な大きさで、蓄電池等で動作可能な構成となっている。
【0024】
次に、本実施例における警備システム1の表示確認装置10の動作を説明する。まず、工事をすべき警備対象施設で、工事者は、警備対象施設で警備端末20,25,30やセンサ23,28,33等の設置・設定の工事を行う。そして、設置・設定が終了した時点で、警備端末20,25,30やセンサ23,28,33等の動作確認を行う。動作確認としては、まず、センサ23,28,33の情報を警備端末20,25,30が正しく受け取っているか否か等の警備対象施設側での確認を行う。その警備対象施設側での動作確認が終わった後に、通信回線3を介して、異常等の情報がセンタ装置5に正しく送られるか否か等の動作確認を行うことになる。このセンタ装置5と警備端末20,25,30との間の動作確認に、工事者は表示確認装置10を用いることとなる。図1では、3つの警備端末20,25,30を記載しているが、以後の説明では、警備端末20を動作確認が必要な端末として説明を行う。
【0025】
まず、警備端末20が動作を開始すると、警備端末20は、センサ23等の情報を制御装置21で受けて通信装置22を用いて、通信回線3を介してセンタ装置5に送信する。それが、図2のタイミングチャートに示す警備端末20からセンタ装置5に対しての警備情報信号の送信である。この警備情報信号は、警備端末20の動作により、適宜センタ装置5に送られることになる。また、センタ装置5から警備端末20の設定を変更したいような場合には、センタ装置5から警備端末20に対して、端末設定信号を送り、警備端末20の設定を変更させることになる。
【0026】
そして、警備端末20の工事が行われている警備対象施設に居る工事者は、表示確認装置10を用いて、警備端末20の動作が正常に行われているかの動作確認を行うことになる。例えば、警備端末20が正しく警戒状態になっているか否かを確認する場合には、工事者は表示確認装置10の入力装置12を操作し、センタ装置5に対し、センタ装置5の監視卓7で表示されている警備端末20の警戒状態の表示の情報の問い合わせを行う。具体的には、表示確認装置10からセンタ装置5に対して表示問合信号が送られることになる。そして、その表示問合信号を受け取ったセンタ装置5は、すでに監視卓7に表示されている警備端末20の警戒に係り表示されている情報を情報信号として表示確認装置10に送る。警戒状態に係る情報信号を受け取った表示確認装置10は、警備端末20の警戒状態の情報を表示装置13に表示する。
【0027】
また、例えば、センサ23が正しく動作し、正しい情報をセンタ装置5に送信しているか否かを確認したい場合には、工事者は表示確認装置10の入力装置12を操作し、センタ装置5に対し、センタ装置5の監視卓7で表示されている警備端末20のセンサ23の情報の問い合わせを行う。具体的には、表示確認装置10からセンタ装置5に対して表示問合信号が送られることになる。そして、その表示問合信号を受け取ったセンタ装置5は、すでに監視卓7に表示されているセンサ23の情報を、情報信号として表示確認装置10に送る。センサ23に係る情報信号を受け取った表示確認装置10は、センサ23の情報を表示装置13に表示する。センサ23の場合の表示される情報の内容としては、そのセンサ23が警備対象施設のどこに設置され、何を検知しているかの情報等である。例えば、センサ23が玄関のドア部に設けられている場合は、そのセンサ23が玄関ドア用のセンサであるという情報と共に、玄関ドアが開いているのか閉じているのかという情報である。
【0028】
工事者は、表示確認装置10に表示された警備端末20やセンタ23の情報を見て、警備端末20やセンサ23が正しく設置され、正しく動作しているか否かを確認する。もし、正しく動作していないと判断させる場合には、現在居る警備対象施設側で、正しく動作するような調整作業を行うことになる。
【0029】
このように、本実施例の表示確認装置10によれば、センタ装置5で表示された警備情報を表示できることから、警備対象施設に居ながらにして警備端末20の動作確認ができると共に、表示される警備情報がセンタ装置で表示された情報であり且つセンタ装置5に要求された警備情報であることから、センタ装置5や通信回線3の負荷を抑え、効率的に警備端末20の動作確認が可能である。
【0030】
また、従来の表示確認装置では、テスト要求信号を送出し、表示確認装置側が主体的に警備情報の取得を行っているが、実際の警備システム1の通常の警戒状態では表示確認装置が介在することはなく、このような動作は実使用を考慮すると警備端末20の動作確認とは言い難い。それに対し、本実施例の表示確認装置10によれば、センタ装置5及び警備端末20は通常の警戒状態で動作しており、実際にセンタ装置5に表示された警備情報を取得し表示していることから、実使用に即した動作確認が可能である。
【0031】
尚、この実施例では、表示確認装置10が表示する対象となる警備端末を警備端末20として説明しているが、表示確認装置10がセンタ装置5と通信可能であることからすれば、他の警備端末25,30の情報を見ることも可能である。そこで、表示確認装置10で表示を確認できる警備端末を、センタ装置5又は表示確認装置10で制限し、限定させるような機能を設ける場合もある。
【0032】
また、表示確認装置10から表示問合信号を送らず、あらかじめ定められた警備情報で監視卓7で表示されたものを、センタ装置5が表示確認装置10に対して一方的に送信することも可能である。このことにより、センタ装置5や通信回線3の負荷を抑え、効率的に警備端末20の動作確認が可能である。
【0033】
このように、警備情報を表示可能な警備端末20を限定することで、動作確認が必要な警備端末20を取り違えたり、警備情報を表示すべきでない警備端末の情報が表示されることがなく、対象とする警備端末20の動作確認を確実且つ情報管理上安全に行うことができる。
【0034】
また、例えば、センサ23が玄関ドアに設けられていて、センサ23の情報が監視卓7には表示されているものの、監視卓7でのセンサ23の対応付けに不具合もある。これは、センサ23が玄関ドアに設けられているにもかかわらず、裏口ドアと設定され表示されているような場合である。このように、センタ装置5の設定のみに不具合があるような場合には、工事者は表示確認装置10の入力装置12を操作し、センサ23の正しい設置情報を入力し、センタ設定信号としてセンタ装置5に送ることも可能である。表示確認装置10からセンタ設定情報を受け取ったセンタ装置5は、センサ23の情報を、裏口ドアから玄関ドアに変更する。
【0035】
このように、入力されたセンタ装置設定情報であるセンタ設定信号を送信し、センタ装置5の設定を変更することから、センタ装置5側で設定を変更すれば対処できる警備システム1の不具合を、警備対象施設に居ながらにして容易に変更することができる。
【0036】
さらに、警備端末20の設定そのものを工事者が変更する必要が生じた場合には、工事者は表示確認装置10の入力装置12を操作し、警備端末20に係る情報を入力し、端末設定信号としてセンタ装置5に送ることも可能である。センタ装置5では、受け取った端末設定信号を警備端末20に対して中継し、端末設定信号を受け取った警備端末20の設定が変更されることになる。
【0037】
このように、入力された警備端末設定情報である端末設定信号を送信し、警備端末20の設定を変更することができることから、センタ装置5の表示を確かめつつ警備端末20の設定を変更することができ、不具合の変更を効率的に行うことができる。
【実施例2】
【0038】
図3は、本発明に係る警備システムの表示確認装置の第2の実施例を示すタイミングチャートである。尚、本実施例の警備システムは、実施例1に示す警備システム1と同一の構成を有しており、本実施例における警備システムの動作を図1を基に説明する。
【0039】
次に、本実施例における警備システム1の表示確認装置10の動作を説明する。まず、工事をすべき警備対象施設で、工事者は、警備対象施設で警備端末20,25,30やセンサ23,28,33等の設置・設定の工事を行う。そして、設置・設定が終了した時点で、警備端末20,25,30やセンサ23,28,33等の動作確認を行う。動作確認としては、まず、センサ23,28,33の情報を警備端末20,25,30が正しく受け取っているか否か等の警備対象施設側での確認を行う。その警備対象施設側での動作確認が終わった後に、通信回線3を介して、異常等の情報がセンタ装置5に正しく送られるか否か等の動作確認を行うことになる。このセンタ装置5と警備端末20,25,30との間の動作確認に、工事者は表示確認装置10を用いることとなる。図1では、3つの警備端末20,25,30を記載しているが、以後の説明では、警備端末20を動作確認が必要な端末として説明を行う。
【0040】
まず、警備端末20が動作を開始すると、警備端末20は、センサ23等の情報を制御装置21で受けて通信装置22を用いて、通信回線3を介してセンタ装置5に送信する。それが、図3のタイミングチャートに示す警備端末20からセンタ装置5に対しての警備情報信号の送信である。この警備情報信号は、警備端末20の動作により、適宜センタ装置5に送られることになる。また、センタ装置5から警備端末20の設定を変更したいような場合には、センタ装置5から警備端末20に対して、端末設定信号を送り、警備端末20の設定を変更させることになる。
【0041】
そして、警備端末20の工事が行われている警備対象施設に居る工事者は、表示確認装置10を用いて、警備端末20の動作が正常に行われているかの動作確認を行うことになる。このとき、表示確認装置10がセンタ装置5と具体的な情報のやりとりに先だって、その表示確認装置10が、センタ装置5に認証情報である認証信号を送り(認証情報送信手段)、センタ装置5側でも、その認証情報により、その表示確認装置10からの以降の問い合わせに答えて良いか否かを判断する。そして、センタ装置5が表示確認装置10を正規の装置として認証した場合には、以降のセンタ装置5と表示確認装置10との間の通信が可能となる。尚、以降の通信については、実施例1の場合と同様なので、説明を省略する。
【0042】
このように、本実施例の表示確認装置10によれば、表示確認装置10が、センタ装置5が警備情報の授受の可否を認証するための認証情報を送信する認証情報送信手段を備え、センタ装置5が認証した場合にのみ警備情報を取得可能であることから、警備情報の漏洩を抑えることができる。
【実施例3】
【0043】
図4は、本発明に係る警備システムの表示確認装置の第3の実施例を示すタイミングチャートである。尚、本実施例の警備システムは、実施例1に示す警備システム1と同一の構成を有しており、本実施例における警備システムの動作を図1を基に説明する。
【0044】
次に、本実施例における警備システム1の表示確認装置10の動作を説明する。まず、工事をすべき警備対象施設で、工事者は、警備対象施設で警備端末20,25,30やセンサ23,28,33等の設置・設定の工事を行う。そして、設置・設定が終了した時点で、警備端末20,25,30やセンサ23,28,33等の動作確認を行う。動作確認としては、まず、センサ23,28,33の情報を警備端末20,25,30が正しく受け取っているか否か等の警備対象施設側での確認を行う。その警備対象施設側での動作確認が終わった後に、通信回線3を介して、異常等の情報がセンタ装置5に正しく送られるか否か等の動作確認を行うことになる。このセンタ装置5と警備端末20,25,30との間の動作確認に、工事者は表示確認装置10を用いることとなる。図1では、3つの警備端末20,25,30を記載しているが、以後の説明では、警備端末20を動作確認が必要な端末として説明を行う。
【0045】
まず、警備端末20が動作を開始すると、警備端末20は、センサ23等の情報を制御装置21で受けて通信装置22を用いて、通信回線3を介してセンタ装置5に送信する。それが、図4のタイミングチャートに示す警備端末20からセンタ装置5に対しての警備情報信号の送信である。この警備情報信号は、警備端末20の動作により、適宜センタ装置5に送られることになる。また、センタ装置5から警備端末20の設定を変更したいような場合には、センタ装置5から警備端末20に対して、端末設定信号を送り、警備端末20の設定を変更させることになる。
【0046】
そして、警備端末20の工事が行われている警備対象施設に居る工事者は、表示確認装置10を用いて、警備端末20の動作が正常に行われているかの動作確認を行うことになる。しかし、誰でもが表示確認装置10を操作してセンタ装置10の表示を確認して良いわけではなく、工事者は、表示確認装置10の具体的な操作に先だって、使用者認証を行う(使用者認証手段)。工事者は、例えば、IDやパスワードを入力装置12で表示確認装置10に入力することで、正規な使用者であることの認証を行うようにする。
【0047】
次に、表示確認装置10がセンタ装置5と具体的な情報のやりとりに先だって、その表示確認装置10が、センタ装置5に認証信号を送り、センタ装置5側でも、その認証情報により、その表示確認装置10からの以降の問い合わせに答えて良いか否かを判断する。そして、センタ装置5が表示確認装置10を正規の装置として認証した場合には、以降のセンタ装置5と表示確認装置10との間の通信が可能となる。尚、以降の通信については、実施例1の場合と同様なので、説明を省略する。
【0048】
このように、本実施例の表示確認装置10によれば、表示確認装置10が、操作を行おうとする者が、あらかじめ認められた者であるか否かの認証確認を行う使用者認証手段を備え、認証された者のみが使用者として操作可能であることから、操作が認められていない第三者は操作することができず警備情報の漏洩を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明の警備システムの表示確認装置は警備対象施設で警備端末の動作確認ができることから、警備システムに限らずダムや遠隔地プラント等の無人で管理される施設の現場での動作確認にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る警備システムの第1の実施例の構成を示す構成図である。
【図2】同警備システムに係る表示確認装置のタイミングチャートである。
【図3】本発明に係る警備システムの表示確認装置の第2の実施例を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明に係る警備システムの表示確認装置の第3の実施例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1・・・・・・・・・・警備システム
3・・・・・・・・・・通信回線
5・・・・・・・・・・センタ装置
6・・・・・・・・・・通信装置
7・・・・・・・・・・監視卓
10・・・・・・・・・表示確認装置
11・・・・・・・・・制御装置
12・・・・・・・・・入力装置
13・・・・・・・・・表示装置
14・・・・・・・・・通信装置
20,25,30・・・警備端末
21,26,31・・・制御装置
22,27,32・・・通信装置
23,28,33・・・センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備対象施設の警備情報を送信する警備端末と、複数の該警備端末から該警備情報を取得し表示・管理するセンタ装置と、該警備端末の動作確認を行う表示確認装置とからなる警備システムおいて、
該表示確認装置が、
該センタ装置との間で該警備情報等の授受を行う通信手段と、
該センタ装置から取得した警備情報を表示する表示手段とを備え、
該通信手段で取得し該表示手段で表示される該警備情報は、該センタ装置で表示された情報であり且つ該センタ装置に要求された情報であることを特徴とする警備システム。
【請求項2】
前記複数の警備端末のうち、前記警備情報を表示可能な警備端末が限定されていることを特徴とする請求項1記載の警備システム。
【請求項3】
前記表示確認装置が、前記センタ装置が前記警備情報の授受の可否を認証するための認証情報を送信する認証情報送信手段を備え、
該センタ装置が認証した場合にのみ該表示確認装置が該警備情報を取得可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の警備システム。
【請求項4】
前記表示確認装置が、操作を行おうとする者があらかじめ認められた者であるか否かの認証確認を行う使用者認証手段を備え、
認証された者のみが使用者として該表示確認装置を操作可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の警備システム。
【請求項5】
前記表示確認装置が、前記警備情報に係る前記センタ装置側の設定情報であるセンタ装置設定情報を入力する入力手段を備え、
該表示確認装置が入力された該センタ装置設定情報を送信し、該センタ装置の設定を変更することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の警備システム。
【請求項6】
前記表示確認装置が、前記警備情報に係る前記警備端末側の設定情報である警備端末設定情報を入力する入力手段を備え、
該表示確認装置が、前記センタ装置を介して、入力された該警備端末設定情報を送信し、該警備端末の設定を変更することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の警備システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−4643(P2007−4643A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−185824(P2005−185824)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000101400)アツミ電氣株式会社 (69)
【Fターム(参考)】