説明

車両用シート

【課題】フロアに対するシートの取付位置を従来より低減し、車両の前面衝突時にシートを後退するとともに、後方から衝突された場合におけるシートの後退を防止する。
【解決手段】ロアレール16a,16bに取付けられた移動部材19を衝撃力がシート13に作用したときに後退させる移動部材固定手段30を備える。ロアレールに移動部材の両側に重合する一対の板材18a,18bが設けられ、一対の板材に移動部材が前後方向に移動可能に取付けられ、移動部材固定手段は、一対の板材に設けられた一対の被係止部材31と、被係止部材の間の移動部材に設けられたハウジング32と、ハウジングに両側部から設けられた一対の係止具33と、第1位置で係止具の没入を禁止し第2位置で許容する摺動駒35と、衝撃力センサ42と、衝撃力センサ42が衝撃力を検出したときに摺動駒35を第2位置37に移動させる駆動手段41とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の位置に固定する固定手段を有し、車両の前面衝突時にそのシートを後退させる車両用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートとして、図19に示すように、フロア2上に車両の進行方向に延びてロアレール3を配設させ、そのロアレール3に対向するようにシートクッション4aにアッパレール6を固定し、シート4を任意の位置に固定する固定手段7と前面衝突時にシート4を後退させる後退手段8とを介してアッパレール6をそのロアレール3に前後方向に移動可能に取付けるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この取付構造におけるシート固定手段7は、アッパレール6にそのアッパレール6と同一長さの第1補助レール7aを前後方向に移動可能に取付け、その第1補助レール7aに長手方向に沿って図示しない孔付プレートを取付け、アッパレール6の長手方向に沿ってかつ軸心を回転中心として回動可能にアッパレール6にL字状の調節ハンドル7cを取付け、孔付きプレートの複数の角孔に先端が選択的に挿入可能に構成された爪部材の基端をその調節ハンドル7cに固着し、その爪部材の先端が角孔に挿入する方向に調節ハンドル7cを回転させるコイルばねをその調節ハンドル7cに巻回したものが開示されている。このシート固定手段では爪部材の先端が挿入する角孔を任意に選択することによりシート4を車両の前後方向における任意の位置に固定できるようになっている。
【0003】
一方、シート後退手段8は、ロアレール3にそのロアレール3と同一長さの第2補助レール8aを前後方向に移動可能に取付け、その第2補助レール8aをシート固定手段7の第1補助レール7aに固定し、アッパレール6を前進させる方向に付勢する弾性体8bを設けるとともに、ロアレール3に複数の被係止部8cを設け、その被係止部8cに選択的に係止可能に構成されアッパレール6が弾性体8aの付勢力に抗して後退するのを許容しかつ弾性体8bの弾性力により前進するのを阻止する係止具8dを備えている。このシート後退手段8では、車両が前面衝突して車両の前面が車室に進入することにより、シートクッション4aに所定値以上の後ろ向き荷重が作用すると、第1及び第2補助レール7a,8aからなる中間移動部材9とともにアッパレール6が弾性体8bの弾性力に抗して後退し、運転者は衝突した車両から容易に脱出できるようになっている。
【特許文献1】特開平10−250435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の車両用シートでは、シート4のシートクッション4aに固定されたアッパレール6が、第1及び第2補助レール7a,8aを介してフロア2に配設されたロアレール3に取付けられるため、フロア2に対するシート4の位置が高くなる不具合があった。即ち、上記従来の車両用シートでは、シート4とフロア2の間にアッパレール6と第1補助レール7aと第2補助レール8aとロアレール3が上下方向に重合するように介在する。そして、アッパレール6と第1補助レール7aの間、第2補助レール8aとロアレール3の間にはローラ収容部が形成され、この収容部にはそれら相互の移動を円滑にするために破線で示すローラ7e及びローラ8eがそれぞれ収容される。従って、これらがシート4とフロア2の間に介在することによりフロア2に対するシート4の位置は高くなってしまい、シート4の位置が高くなると、運転者がシート4に着座したときにそのヒップポイントが変化して運転者のシートにおけるハンドルや各種スイッチの操作性に影響を与える問題点があった。
また、従来のシート後退手段8では、車両に後方から他の車両が衝突した場合にもシートクッションに所定値以上の後ろ向き荷重が作用してそのシートが後方に移動してしまう不具合もあった。
本発明の目的は、フロアに対するシートの取付位置を従来より低減して運転者のシートにおけるハンドルや各種スイッチの操作性に影響を与えない車両用シートを提供することにある。
本発明の別の目的は、車両の前面衝突時に確実にシートを後退できるけれども、後方から衝突された場合におけるシートの後退を防止し得る車両用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、図1及び図11に示すように、フロア11a上に車幅方向に所定の間隔をあけて車両10の進行方向に延びて配設された一対のロアレール16a,16bと、一対のロアレール16a,16bにそれぞれ対向するようにシート13のシートクッション13aに固定され一対のロアレール16a,16bに前後方向に移動可能にそれぞれ取付けられた一対のアッパレール17a,17bと、一対のロアレール16a,16bに前後方向に移動可能に取付けられた移動部材19と、所定値以上の衝撃力が前方からシート13に作用したときに一対のロアレール16a,16bに対して移動部材19を後退させるように移動部材19を一対のロアレール16a,16bに固定する移動部材固定手段30と、一対のアッパレール17a,17bを移動部材19の前後方向の任意の位置に選択的に固定するように構成されたシート固定手段20とを備えた車両用シートの改良である。
【0006】
その特徴ある構成は、一対のロアレール16a,16bに移動部材19の両側に重合する一対の板材18a,18bが設けられ、一対の板材18a,18bに移動部材19が前後方向に移動可能に取付けられ、移動部材固定手段30は、一対の板材18a,18bの内側部にそれぞれ設けられた一対の被係止部材31,31と、一対の被係止部材31,31の間の移動部材19に設けられたハウジング32と、ハウジング32に両側部からそれぞれの基端が没入可能に側方に突出して設けられ突出した先端が一対の被係止部材31,31にそれぞれ係止可能に構成された一対の係止具33,33と、ハウジング32に収容され一対の係止具33,33の間の第1位置36で一対の係止具33,33の没入を禁止し一対の係止具33,33の間から外れたハウジング32内部の第2位置37で一対の係止具33,33の没入を許容する摺動駒35と、車両10に前方から作用する衝撃力を検出する衝撃力センサ42と、衝撃力センサ42が所定値以上の衝撃力を検出したときに摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させる駆動手段41とを備えたところにある。
【0007】
この請求項1に記載された車両用シートでは、ロアレール16a,16bに設けられた一対の板材18a,18bに移動部材19前後方向に移動可能に取付け、その移動部材19に対してシート固定手段20及び移動部材固定手段30を設けたので、アッパレール17a,17bをロアレール16a,16bに直接取付けることが可能になる。そして、アッパレール17a,17bをロアレール16a,16bに直接取付けることにより、アッパレール及びロアレールが第1及び第2補助レールを介して取付けられる従来の取付構造に比較して、フロア11aに対するシート13の取付位置を低減することができる。
【0008】
また、この車両用シートでは、車両10が前面衝突すると、衝撃力センサ42は所定値以上の衝撃力を検出し、その検出出力により前面衝突したことを認識して駆動手段41が摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させる。すると、一対の係止具33,33のハウジング32内部への没入は許容され、一対の係止具33,33が没入することによりその一対の係止具33,33と被係止部材31,31との係止状態は解除され、アッパレール17a,17bはロアレール16a,16bに対して後方向に移動できるので、車両10の前面の車室への侵入やエアバッグ等の膨張によりアッパレール17a,17bはシート13とともに後退する。
一方、車両10が後方から追突されても、衝撃力センサ42は所定値以上の衝撃力を検出せずにその駆動手段41は前面衝突したことを認識しない。よって摺動駒35は第1位置36にとどまって一対の係止具33,33を没入不能な状態に維持する。この結果、車両10が後方から追突された場合におけるシート13の後退は禁止される。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、衝撃力センサ42がエアバッグ45の展開装置に用いられた加速度センサであり、駆動手段41が発生させたガスにより摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させるガス発生器であることを特徴とする。
この請求項2に記載された車両用シートでは、衝撃力センサとしてエアバッグ45の展開装置に用いられる加速度センサ42を用いるので、衝撃力センサ42を独立して設ける場合に比較して部品点数は減少し、その単価が押し上げられることを防止することができる。また、駆動手段41がエアバック45を展開するために従来から用いられているガス発生器であるので、部品種類も減少して管理負担の軽減からその単価が押し上げられることを防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両用シートでは、一対のロアレールに移動部材の両側に重合する一対の板材を設け、その一対の板材に移動部材を前後方向に移動可能に取付け、この移動部材に対してシート固定手段及び移動部材固定手段を設けたので、アッパレールをロアレールに直接取付けることが可能になり、アッパレール及びロアレールが第1及び第2補助レールを介して取付けられる従来の取付構造に比較して、フロアに対するシートの取付位置を低減することができる。
また、移動部材固定手段が、一対のロアレールの内側部にそれぞれ設けられた一対の被係止部材と、一対の被係止部材の間の移動部材に設けられたハウジングと、ハウジングに両側部からそれぞれの基端が没入可能に側方に突出して設けられ突出した先端が一対の被係止部材にそれぞれ係止可能に構成された一対の係止具と、ハウジングに内蔵され一対の係止具の間の第1位置で一対の係止具の没入を禁止しそこ外れた第2位置で一対の係止具の没入を許容する摺動駒と、車両に前方から作用する衝撃力を検出する衝撃力センサと、衝撃力センサが所定値以上の衝撃力を検出したときに摺動駒を第1位置から第2位置に移動させる駆動手段とを備えたので、車両の前面衝突時に確実にシートを後退できるけれども、後方から衝突された場合におけるシートの後退を防止することができる。
ここで、衝撃力センサがエアバッグの展開装置に用いられた加速度センサであれば、衝撃力センサ42を独立して設ける場合に比較して部品点数は減少し、その単価が押し上げられることを防止することができる。また、駆動手段が発生させたガスにより摺動駒を第1位置から第2位置に移動させるガス発生器であれば、その駆動手段はエアバックを展開するために従来から用いられているガス発生器であるので、部品種類も減少して管理負担の軽減からその単価が押し上げられることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図11に示すように、キャブオーバ型トラック10のキャブ11にはステアリングシャフト12aを回転可能に保持するステアリングコラム12に対向してシート13が設けられる。シート13は運転者の尻部を受けるシートクッション13aと、シートクッション13aの後端にリクライニングアジャスタ13bを介して取付けられ運転者の背部を受けるシートバック13cとを備える。シートクッション13aの下部にはそのシートクッション13aを支えるクッションフレーム13dが設けられる(図2)。キャブ11のフロア11a上にはトラック10の進行方向に延びて一対のロアレール16a,16bが配設され、この一対のロアレール16a,16bにそれぞれ対向するようにシートクッション13aには一対のアッパレール17a,17bが固定される。
【0012】
図1及び図2に示すように、一対のアッパレール17a,17bは一対のロアレール16a,16bと略同一の長さを有し、かつ一対のアッパレール17a,17bは一対のロアレール16a,16bを上方から覆ってその長手方向に沿って移動可能に取付けられる。図2に示すように、アッパレール17a,17bとロアレール16a,16bの間にはローラ収容部が形成され、アッパレール17a,17bがロアレール16a,16bに沿った移動を容易にするために、この収容部にはローラ15aがそれぞれ収容される。また、ロアレール16a,16bの両外側面と、そのロアレール16a,16bを上方から覆ったアッパレール17a,17bの両内側面の間には球体15bがそれぞれ挿入される。この球体15bは、アッパレール17a,17bがロアレール16a,16bから外れることを防止するとともに、それら転動することによりアッパレール17a,17bのロアレール16a,16bに沿った移動を容易にするように設けられる。
【0013】
図1及び図2に詳しく示すように、フロア11aと一対のロアレール16a,16bの間には一対の板材18a,18bがその一対のロアレール16a,16bに沿って前後方向に延びて取付けられる。一対の板材18a,18bの間には、この一対の板材18a,18bに両側が下方から重合する移動部材19が設けられる。この実施の形態における移動部材19は平板であって、その一対の板材18a,18bに重合して対向する移動部材19の両側には前後方向に長い長孔19aがそれぞれ形成される。一方、一対の板材18a,18bにはその長孔19aに対向して係止ピン14が固着され、その係止ピン14が長孔19aに挿入係合される。係止ピン14が長孔19aの内部で移動することにより平板からなる移動部材19は前後方向に移動可能に構成され、この移動部材19は一対の板材18a,18bを介して一対のロアレール16a,16bに対して前後方向に移動可能に取付けられる。そして、一対のアッパレール17a,17bをこの移動部材19の前後方向の任意の位置に選択的に固定するシート固定手段20が設けられる。
【0014】
この実施の形態におけるシート固定手段20は、移動部材19に設けられた溝付プレート21と、溝付プレート21とアッパレール17a,17bの間に挿入されてアッパレール17a,17bに中央が枢支された揺動部材24とを備える。溝付プレート21は移動部材19の両側部にロアレール16a,16bに沿って設けられ、このレール16a,16bの長手方向に沿って多数の凹溝21a(図1)がそれぞれ形成される。揺動部材24はこの溝付プレート24に対向するアッパレール17a,17bの内面に中央が枢支ピン23を介して枢支され。揺動部材24の基端にはU字状の調節ハンドル22の先端が固着され、この揺動部材24の先端は上記多数の凹溝21aに対向するように折り曲げられ、その先端縁には凹溝21aに選択的に挿入可能な爪部24aが形成される。そして、調節ハンドル22には、この調節ハンドル22を付勢してそれぞれの揺動部材24の先端における爪部24aが凹溝21aに挿入する方向にそれぞれの調節ハンドル22を回転させるばね材26が設けられる(図1)。
【0015】
一方、移動部材19には、所定値以上の衝撃力が前方からシート13に作用したときに一対のロアレール16a,16bに対してこの移動部材19を後退させるようにその移動部材19を一対のロアレール16a,16bに固定する移動部材固定手段30が備えられる。図4〜図6に示すように、この実施の形態における移動部材固定手段30は、一対の板材18a,18bの内側部にそれぞれ設けられた一対の被係止部材31を備える。この被係止部材31は一対のロアレール16a,16bとフロア11aの間に設けられた一対の板材18a,18bの内側を立ち上げることによりその長手方向に沿って設けられる。この被係止部材31には一対のロアレール16a,16bの長手方向に所定の間隔をあけて複数の被係止孔31aが形成される(図5)。
【0016】
また、この実施の形態における移動部材固定手段30は、一対の被係止部材31の間の移動部材19に設けられたハウジング32と、このハウジング32の両側から突出して設けられた一対の係止具33とを備える。この係止具33は被係止孔31aに係止可能に構成された係止本体33aとその係止本体33aが先端に設けられた棒状部材33bとにより構成され、棒状部材33bの先端を両側に突出させてその棒状部材33bの基端がハウジング32の両側から没入可能に設けられる。ハウジング32に没入可能に設けられた係止具33の突出した先端における係止本体33aには、その後面33cが傾斜して形成され、被係止孔31aにその先端が進入した状態で被係止孔31aの前面に面接触するように形成される。また棒状部材33bには係止具33をその先端が突出するように付勢するコイルばね40が設けられる(図2)。係止具33の先端における係止本体33aはこのコイルばね40の弾性力により被係止部材31の被係止孔31aに選択的に係止するように構成される。
【0017】
従って、この移動部材固定手段30では、アッパレール17aに後向きの荷重が作用するとその荷重は移動部材19に伝達され、その移動部材19とともに一対の係止具33はアッパレール17aとともに後方に移動しようとする。すると図9に示すように、被係止孔31aの後面に接触する係止本体33aの傾斜した後面により係止具33はコイルばね40の付勢力に抗してハウジング32に没入し、係止具33が後方に移動して係止具33の先端が今まで係止していた被係止孔31aより後方における次の被係止孔31aに先端が対向した時点で図10に示すようにコイルばね40の付勢力により突出する。そしてその被係止孔31aに係止具33の先端が係止する。即ち、被係止部材31及び係止具33は、アッパレール17a,17bが前進するのを防止する一方で、アッパレール17a,17bが後退するのを許容するように構成される。
【0018】
図2,図5〜8に示すように、ハウジング32にはその内部に摺動駒35が収容され、この摺動駒35にはその前端に支軸35aを介してガス受け板35bが接続される。この摺動駒35は、一対の係止具33,33のそれぞれの基端の間の図6に示す第1位置36と、その第1位置36の後方の係止具33の基端から外れたハウジング32内部の図8に示す第2位置37との間を移動可能にハウジング32に収容される。そしてこの摺動駒35は第1位置36で一対の係止具33,33の基端のハウジング32内への没入を禁止し、第2位置37で一対の係止具33,33の基端のハウジング32内への没入を許容するように構成される。
【0019】
また、ハウジング32には駒受け部材38が収容され、その駒受け部材38を付勢する維持スプリング39がケース39aに収容された状態で更に設けられる。駒受け部材38は、第1位置36と第2位置37の間のハウジング32に収容され、駒受け部材38は摺動駒35の移動方向に直交する方向に没入可能に設けられる。維持スプリング39は、駒受け部材38の没入方向に延びてケース39aに収容された状態で設けられる。この維持スプリング39は、駒受け部材38を突出するように付勢して摺動駒35を第1位置36又は第2位置37に維持させるように構成される。ここで符号32aは摺動駒35が第1位置36から第2位置37に移動する際にハウジング32内部のエアを外部に排出する排気孔である。
【0020】
ハウジング32には摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させる駆動手段41が設けられる。この実施の形態における駆動手段41は、発生させたガスにより摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させるガス発生器であり、この駆動手段41はハウジング32の前端に設けられる。図6に詳しく示すように、この駆動手段41であるガス発生器は、従来からエアバッグ45(図11)を展開するために用いられていたものであって、後述するコントローラ43からの指令により発火する点火装置41aが基台41bに設けられ、その基台41bにその点火装置41aを覆うようにカバー41cが設けられる。カバー41cにはガス発生剤41dが充填され、点火装置41aが発火することによりガス発生剤41dから窒素ガスが発生し、カバー41cを破裂させてそのガスの圧力により摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させるように構成される。そして、ハウジング32の後部には、摺動駒35が第2位置37に移動した後にこの駆動手段41が発したガスを外部に排出するガス抜き孔32bが形成される。
【0021】
一方、車両であるトラック10には、このトラック10に前方から作用する衝撃力を検出する衝撃力センサ42が設けられる。この実施の形態における衝撃力センサは、図6に示すように、エアバッグ45(図11)の展開装置に従来から用いられている加速度センサ42が使用される。図11に示すように、エアバッグ45はステアリングシャフト12aを保持するステアリングコラム12のシート13に対向する側部に上述した駆動手段41と同一構造のガス発生器45aを介して取付けられ、ガス発生器45aはエアバッグ45の内部に窒素ガスを導入可能に構成される。加速度センサ42は車両であるトラック10のバンパ10a又はそのバンパ10a近傍の車体に設けられ、その加速度センサ42の検出出力はコントローラ43の制御入力に接続される。コントローラ43の制御出力はエアバッグ45におけるガス発生器45aと駆動手段としてのガス発生器41にそれぞれ接続される。またコントローラ43にはメモリ43aが設けられ、このメモリ43aにはトラック10が前面衝突したときに作用する荷重をしきい値として記憶される。そして、加速度センサ42の検出出力がこのしきい値を超えた時にコントローラ43はトラック10が前面衝突したと認識してエアバッグ45の内部に窒素ガスを導入するようにガス発生器45aを制御するとともに、摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させるように駆動手段としてのガス発生器41を制御するように構成される。
図11に戻って、ステアリングコラム12はシート13の前方のダッシュパネル46にコラムサポートブラケット47を介して支持され、ステアリングコラム12の上端から突出するステアリングシャフトにはステアリングホイール48が固着される。
【0022】
このように構成された車両用シートの動作を説明する。
トラック10を最初に運転する運転者はその好みによりシート13を前後方向に移動して任意の最適な位置に固定する必要がある。この固定はシート固定手段20により行われ、図3に示すように調節ハンドル22を持ち上げることにより揺動部材24を揺動させてその先端を溝付プレート21における凹溝21aから離脱させる。これによりアッパレール17a,17bは移動部材19と独立してロアレール16a、16bに沿って前後方向に移動可能な状態になり、最適な位置で調節ハンドル22をばね材26の付勢力に従って下方に下げる。すると図1に示すように揺動部材24の先端における爪部24aが凹溝21aに挿入して移動部材19に対するアッパレール17a,17bの前後方向の移動は禁止される。一方、図4に示すように被係止部材31と係止具33とは互いに係合した状態であるから移動部材19の前後方向に対する移動は禁止されている状態であり、揺動部材24の先端における爪部24aが凹溝21aに挿入された状態でシート13は運転者の好みの任意の位置に固定される。
【0023】
ここで、この車両用シートでは、ロアレール16a,16bに設けられた一対の板材18a,18bに移動部材19の両端を重合させ、係止ピン14を介して移動部材19を一対のロアレール16a,16bに前後方向に移動可能に取付け、その移動部材19に対してシート固定手段20及び移動部材固定手段30を設けたので、アッパレール17a,17bをロアレール16a,16bに直接取付けることが可能になる。そして、アッパレール17a,17bをロアレール16a,16bに直接取付けることにより、アッパレール及びロアレールが第1及び第2補助レールを介して取付けられる従来の取付構造に比較して、フロア11aに対するシート13の取付位置を低減することができる。そして、揺動部材24を溝付プレート21とアッパレール17a,17bの間に挿入するので、フロア11aに対するシート13の取付位置を変更することなく、このシート固定手段20を取付けることができる。
【0024】
シート13が好みの位置に固定された後、運転者はそのシート13に着座してトラックを運転して走行させる。トラック10の通常走行時にシート13には走行に伴う慣性力が作用する。この慣性力は衝撃的な荷重ではないため、衝撃力センサである加速度センサ42の検出出力がメモリ43aに記憶されたしきい値を超えることはなく、ハウジング32内部の摺動駒35は第1位置36に位置する。一方、トラック10が前面衝突すると、シート13に衝撃的かつ大きな前向き荷重が作用する(図12の(a)の範囲)。すると、衝撃力センサである加速度センサ42の検出出力がメモリに記憶されたしきい値を超えることになり、コントローラ43はトラック10が前面衝突したことを認識してガス発生器45aを制御してエアバッグ45を膨らませ、運転者が前方に傾動してステアリングホイール48に直接当接することを防止する。これとともにコントローラ43は駆動手段41を制御し、図7及び図8に示すように摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させる。これにより係止具33の没入は許容されることになるけれども、被係止部材31及び係止具33によりアッパレール17a,17bが前進することは防止される。
【0025】
その後シート13に作用する前向き荷重は減少して図12の(b)の範囲に移行し、次にステアリングコラム12が後退してシートクッション13aに当接したり或いはエアバッグ45が膨張したりすることにより、シート13に後向き荷重が作用する(図12の(c)の範囲)。しかし、その荷重は衝撃的な荷重でないため維持スプリング39が摺動駒35を第2位置37に維持させ、摺動駒が第1位置36に戻って係止具33の没入を禁止することはない。そして、エアバッグ45が膨張したりすることによりシート13に後向き荷重が作用すると、被係止部材31はアッパレール17aとともに後方に移動しようとし、図7及び図9に示すように、被係止孔31aの後面に接触する係止本体33aの傾斜した後面により係止具33はコイルばね40の付勢力に抗してハウジング32に没入する。すると、一対の係止具33,33は移動部材19及びアッパレール17aとともに後方に移動し、アッパレール17a,17bがシート13とともにロアレール16a,16bに沿って後退する。この結果、トラック10の前面衝突時に確実にシート13を後退でき、シート13の着席者の脱出性を向上できる。また、図10に示すように、アッパレール17a,17bがシート13とともに後退するに従って一対の係止具33,33が順次後方の被係止孔31aに係止していくので、アッパレール17a,17bは後退した位置に保持され、たとえシート13に再び前向き荷重が作用したとしても、シート13が前進することはない。
【0026】
一方、車両10が後方から追突された場合、運転席13には後ろ向き荷重が加わる。この荷重は衝撃的かつ大きな前向き荷重でないので、加速度センサ42の検出出力はメモリ43aに記憶されたしきい値を越えることはない。このためコントローラ43は前面衝突したことを認識しない。よって摺動駒35は第1位置36に位置して一対の係止具33,33を没入不能な状態に維持する。この結果、車両10が前面衝突することなく、後方から追突された場合におけるシート13の後退は禁止される。また、この実施の形態では、衝撃力センサとしてエアバッグ45の展開装置に用いられる加速度センサ42を用いるので、衝撃力センサ42を独立して設ける場合に比較して部品点数は減少し、その単価が押し上げられることを防止することができる。また、駆動手段41がエアバック45を展開するために従来から用いられているガス発生器であるので、部品種類も減少して管理負担の軽減からその単価が押し上げられることを防止することができる。
【0027】
なお、この実施の形態では、バンパ10a又はそのバンパ10a近傍の車体に設けられエアバッグ45(図11)の展開装置に従来から用いられている加速度センサ42を衝撃力センサとして用いる例を説明したが、衝撃力センサは車両10に前方から作用する衝撃力を検出可能である限り、タッチセンサ、光ファイバを用いたセンサ、ピエゾ素子を用いた圧力センサ、又は超音波センサであってもよい。
ここで、タッチセンサとは、機械的な接触により車両10に前方から作用する衝撃力を検出可能に構成されたセンサである。また、光ファイバを用いたセンサとは、光ファイバのコア部分に、ゆがみや熱によって反射光の周波数が変化する解析素子(FBG;Fiber Bragg Grating)を埋め込むことによって、その光ファイバをセンサとして機能させたものである。即ち、解析素子を埋め込んだ光ファイバに触れるとその光ファイバはゆがみ、そのゆがみによって波長にも変化が生じ、その波長の変化を光ファイバに接続された信号処理装置が認識してその光ファイバに他の部材等が接触された事実を認識し得るようなものである。そして衝撃力センサとしてタッチセンサや光ファイバを用いたセンサを用いた場合には、それらの形状が帯状であることから、図13に示すように、バンパ10aや、その上方におけるパネル10bの裏側に車両10の幅方向に延びてタッチセンサや光ファイバ51を設けることが好ましい。このようにタッチセンサや光ファイバ51を幅方向に延びて設けると、車両10の前部の幅方向の全ての場所に作用する衝撃力を検出することが可能になる。
【0028】
また、超音波センサとは、超音波を発してその反射波を受信することにより対象物の存在の有無を検出可能に構成されたセンサである。そして衝撃力センサとしてこの超音波センサを用いた場合には、それらは一定の範囲の対象物の存在の有無を検出できることから、図15に示すように、バンパ10aや、その上方におけるパネル10bに車両10の幅方向に所定の間隔をあけてこの超音波センサ53を複数設けることが好ましい。このように超音波センサ53を複数設けると、広範囲の対象物を検出できる。また、この超音波センサ53と上記他の別のセンサ42,51,52を組み合わせて設けてもよい。
【0029】
また、この実施の形態では、溝付プレート21と揺動部材24を備えたシート固定手段20を説明したが、シート固定手段はこれに限らず、図16及び図17に示すようなシート固定手段60であっても良い。このシート固定手段60は、移動部材19に設けられた孔付プレート61と、アッパレール17a,17bの長手方向に沿ってそのアッパレール17a,17bに取付けられた一対の回転ハンドル62a,62bとを備える。孔付プレート61は移動部材19の両側部にロアレール16a,16bに沿って設けられ、このレール16a,16bの長手方向に沿って多数の角孔61aがそれぞれ形成される。またアッパレール17a,17bの上面にはそれぞれハンドルホルダ63の基端が固着され、このハンドルホルダ63の先端は孔付プレート61とアッパレール17a、17bの間に位置し、この先端に丸孔63aが形成される。孔付プレート61とアッパレール17a、17bの間には回転ハンドル62a,62bがそれぞれ挿入され、丸孔63aにこの回転ハンドル62a,62bが回動可能に挿入されてその軸心を回転中心として回転可能に構成される。孔付プレート61とアッパレール17a、17bの間には爪部材64が挿入され、一対の回転ハンドル62a,62bには爪部材64の基端がそれぞれ固着される。一対の回転ハンドル62a,62bに基端が固着された爪部材64の先端は、それぞれが上記多数の角孔61aに選択的に挿入可能に曲げられる。アッパレール17a,17bにホルダ63を介してそれぞれ設けられた一対の回転ハンドル62a,62bはそれらの前端に設けられた連結部材67及び連結ワイヤ68を介して互いに連結され、一方の回転ハンドル62aには、この回転ハンドル62aを付勢してそれぞれの爪部材64の先端が角孔61aに挿入する方向にそれぞれの回転ハンドル62a,62bを回転させるねじりコイルばね66が巻回される(図16)。
【0030】
このシート固定手段60におけるシート13の固定は、一対の回転ハンドル62a,62bを図16の実線矢印で示すように爪部材24とともに回転させ、図18に示すように爪部材24の先端を孔付プレート61における角孔61aから離脱させる。これによりアッパレール17a,17bは移動部材19と独立してロアレール16a、16bに沿って前後方向に移動可能な状態になり、最適な位置で一対の回転ハンドル62a,62bをコイルばね66の付勢力に従って図16の破線矢印で示すように回転させる。これにより爪部材64の先端は図17に示すように角孔61aに挿入して移動部材19に対する前後方向の移動は禁止される。一方、被係止部材31と係止具33とは互いに係合した状態であるから移動部材19の前後方向に対する移動は禁止されている状態であり、爪部材64の先端が角孔61aに挿入された状態でシート13は運転者の好みの任意の位置に固定される。そして、一対の回転ハンドル62a,62bを孔付プレート61とアッパレール17a,17bの間に挿入するので、フロア11aに対するシート13の取付位置を変更することなく、このシート固定手段60を取付けることができる。
【0031】
また、上述した実施の形態では、移動部材19の両側に長孔19aを形成し、一対の板材18a,18bに係止ピン14が固着された場合を説明したが、移動部材19が一対のロアレール16a,16bに対して前後方向に移動可能である限り、一対の板材18a,18bに前後方向に長い長孔を形成し、移動部材19の両側にその長孔に対向して係止ピン14を固着し、この係止ピン14を長孔に挿入係合しても良い。
また、この実施の形態では、摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させる駆動手段41がガス発生器である場合を説明したが、この駆動手段は摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動可能に構成されたモータであってもよく、磁力によりその摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させる磁力発生装置であってもよい。また、この駆動手段はエアタンクからの圧縮空気を摺動駒35に吹き付けてその摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させるように構成された噴射ノズルと、エアタンクとその噴射ノズルの間のエア流路に設けられた開閉弁とを備えるエア吹きつけ装置であってもよい。
【0032】
また、この実施の形態では、係止具33をその先端を突出させるコイルばね40が棒状部材33bに設けられる例を示したが、ガスの圧力又は油圧により係止具33をその先端が突出するように付勢してもよい。
また、この実施の形態では、車両としてキャブオーバ型トラックを挙げたが、乗用車又はその他の車両でもよい。
更に、この実施の形態では、シートとして運転席を挙げたが、助手席又はその他の座席でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の車両用シートを示す斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】そのシート固定手段の構造を示す図1に対応する斜視図。
【図4】その移動部材固定手段の構造を示す図1に対応する斜視図。
【図5】図2のB−B線断面図
【図6】図5のC−C線断面図
【図7】その摺動駒が第1位置から第2位置に移動した状態を示す図5に対応する断面図。
【図8】図7のD−D線断面図
【図9】その係止具がハウジングに没入し始めた状態を示す図5に対応する断面図。
【図10】その係止具が次の被係止孔に係止した状態を示す図5に対応する断面図。
【図11】前面衝突する前の状態を示すシートを含むトラックのキャブの断面構成図。
【図12】そのトラックが前面衝突したときにシートに作用する荷重の変化を示す図。
【図13】帯状のセンサがバンパの裏側に幅方向に延びて設けられたキャブの斜視図。
【図14】圧力センサがバンパの裏側に所定の間隔をあけて設けられたキャブの斜視図。
【図15】超音波センサがバンパに所定の間隔をあけて設けられたキャブの斜視図。
【図16】本発明の別のシート固定手段の構造を示す図3に対応する斜視図。
【図17】その別のシート固定手段の断面構造を示す図2に対応する断面図。
【図18】その別のシート固定手段の爪部材の先端が孔付きプレートから離脱した状態を示す図17に対応する断面図。
【図19】従来の車両用シートを示す構成図。
【符号の説明】
【0034】
10 トラック(車両)
11a フロア
13 シート
13a シートクッション
16a,16b ロアレール
17a,17b アッパレール
18a,18b 板材
19 移動部材
20,60 シート固定手段
30 移動部材固定手段
31 被係止部材
32 ハウジング
33 係止具
35 摺動駒
36 第1位置
37 第2位置
41 ガス発生器(駆動手段)
42 加速度センサ(衝撃力センサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロア(11a)上に車幅方向に所定の間隔をあけて車両(10)の進行方向に延びて配設された一対のロアレール(16a,16b)と、前記一対のロアレール(16a,16b)にそれぞれ対向するようにシート(13)のシートクッション(13a)に固定され前記一対のロアレール(16a,16b)に前後方向に移動可能にそれぞれ取付けられた一対のアッパレール(17a,17b)と、前記一対のロアレール(16a,16b)に前後方向に移動可能に取付けられた移動部材(19)と、所定値以上の衝撃力が前方から前記シート(13)に作用したときに前記一対のロアレール(16a,16b)に対して前記移動部材(19)を後退させるように前記移動部材(19)を前記一対のロアレール(16a,16b)に固定する移動部材固定手段(30)と、前記一対のアッパレール(17a,17b)を前記移動部材(19)の前後方向の任意の位置に選択的に固定するように構成されたシート固定手段(20,60)とを備えた車両用シートにおいて、
前記一対のロアレール(16a,16b)に前記移動部材(19)の両側に重合する一対の板材(18a,18b)が設けられ、
前記一対の板材(18a,18b)に前記移動部材(19)が前後方向に移動可能に取付けられ、
前記移動部材固定手段(30)は、
前記一対の板材(18a,18b)の内側部にそれぞれ設けられた一対の被係止部材(31,31)と、
前記一対の被係止部材(31,31)の間の前記移動部材(19)に設けられたハウジング(32)と、
前記ハウジング(32)に両側部からそれぞれの基端が没入可能に側方に突出して設けられ突出した先端が前記一対の被係止部材(31,31)にそれぞれ係止可能に構成された一対の係止具(33,33)と、
前記ハウジング(32)に収容され前記一対の係止具(33,33)の間の第1位置(36)で前記一対の係止具(33,33)の没入を禁止し前記一対の係止具(33,33)の間から外れた前記ハウジング(32)内部の第2位置(37)で前記一対の係止具(33,33)の没入を許容する摺動駒(35)と、
前記車両(10)に前方から作用する衝撃力を検出する衝撃力センサ(42)と、
前記衝撃力センサ(42)が所定値以上の衝撃力を検出したときに前記摺動駒(35)を前記第1位置(36)から第2位置(37)に移動させる駆動手段(41)と
を備えた
ことを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
衝撃力センサ(42)がエアバッグ(45)の展開装置に用いられた加速度センサであり、駆動手段(41)が発生させたガスにより摺動駒(35)を前記第1位置(36)から第2位置(37)に移動させるガス発生器である請求項1記載の車両用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−168703(P2007−168703A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372041(P2005−372041)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】